JP6108522B2 - 吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収体及びそれを用いた吸収性物品に関する。
使い捨ておむつや吸収パット等の吸収性物品に用いられる液保持性の吸収体として、木材パルプや吸水性ポリマー等の吸収性材料を含む吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを含んで構成されているものが知られている。コアラップシートは、吸収体の保形性を高めたり、吸収性材料が吸収体から漏れ出すのを防止する役割を果たす。コアラップシートとしては、従来、薄葉紙、不織布等の透水性シートが用いられている。
近年、吸収性コアに、吸収性材料が存在しない部分又は存在量が少ない部分を設けて、該吸収性コアを、複数の小吸収部に分割したものが提案されている。例えば、特許文献1に記載の吸収性コアは、小吸収部に対応する相対的に高坪量な複数の部分が、隣接する2つの小吸収部間の隙間に位置する相対的に低坪量な部分によって個々に分け隔てられてブロック化されている。
また、特許文献2には、高分子吸収体の含有比率が高く親水性繊維の含有比率が低い第1の領域と、第1の領域より高分子吸収体の含有比率が低く親水性繊維の含有比率が高い第2の領域とを厚み方向に有し、第2の領域側から第1の領域内まで貫通する溝状の空間を有する吸収体を備えた吸収性物品が記載されている。
また、特許文献3には、複数の吸収部が互いに離間して基盤シートに接合されてなる吸収体が記載されている。
WO2012/086265A1 特開2009−119154号公報 特開2011−135921号公報
従来のブロック型の吸収性コアは、坪量が均一なフラット型の吸収性コアに比べて柔軟性に富み、肌面の起伏に良好にフィットし得る等の利点を有する。しかし、その反面、外力が加わると、小吸収部間が分断されて形が壊れ易く、それにより、例えば多量の吸収性材料が吸収体の1箇所に集中して吸収性物品の着用者に違和感を与えたり、設計通りの吸収性能が得られなくなる等の不都合を生じる恐れがある。特許文献2の吸収体も同様である。
特許文献3には、複数の吸収部を基盤シートに固定することが記載されているが、基盤シートが、吸収性コアを被覆するコアラップシートであることや、コアラップシートに損傷を与えることを防止しつつ吸収部を固定する工夫については何ら記載されていない。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収体及び吸収性物品を提供することにある。
本発明は、吸収性コアと該吸収性コアを挟むコアラップシートを備えた吸収体であって、前記吸収性コアは、パルプ繊維を含み吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維層と、パルプ繊維と吸水性ポリマーを含む混合層とが厚み方向に連続して形成されており、前記吸収性コアは、前記パルプ繊維層側の面に、線状凹部、及び該線状凹部によって該吸収性コアが複数の領域に区画化されて形成された複数の小吸収部を有しており、前記小吸収部は、前記線状凹部の底部に比して高坪量であり、前記混合層は、前記線状凹部の底部を介して平面方向に連続しており、前記小吸収部内に、該小吸収部よりも小さい、前記パルプ繊維層側の面から前記混合層側に向かって凹んだ嵌合凹部が形成され、該嵌合凹部それぞれに前記コアラップシートが陥入している、吸収体を提供するものである。
本発明の吸収体によれば、ブロック型の吸収性コアを有しながら、吸液後にも、吸収性コアの構造が安定しており、また、製造時にも、コアラップシートや吸水性ポリマーの損傷が生じにくい。そのため、本発明の吸収体は、柔軟性、吸液時の感触、吸収性能等に優れている。
また、本発明の吸収性物品は、その吸収体を具備するため、着用者の肌へのフィット性や、吸液状態での装着感、吸収性能等に優れている。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態を示す図であり、各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態を一部破断して模式的に示す平面図である。 図2は、図1の吸収性物品に用いた吸収体のI−I線に沿う断面を模式的に示す断面図である。 図3(a)は、図1の吸収性物品に用いた吸収体の、嵌合凹部に陥入した陥入部を有する側の面を示す平面図、図3(b)は、同吸収体における吸収性コアのパルプ繊維層側の面に形成された線状凹部の配置パターンを示す平面図である。 図4は、嵌合凹部の好ましい形成態様の説明図である。 図5は、嵌合凹部の他の好ましい形成態様の説明図である。 図6は、本発明の好ましい他の実施形態を示す模式図である。 図7は、図1の吸収性物品に用いた吸収体の製造に好ましく用いられる吸収体の製造装置を示す概略図である。 図8は、図7に示す積繊装置の集積用凹部のドラム軸方向に沿う断面を示す模式図である。 図9は、図8に示す集積用凹部に吸収性コアの形成材料が堆積した状態を示す模式図である。
以下、本発明の吸収体及び吸収性物品について、それらの好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ1は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する液不透過性ないし撥水性(以下、これらを総称して液不透過性という)の裏面シート3、及び両シート2,3間に配置された吸収体4を備えている。おむつ1は、図1に示す一方向Xに長い縦長の形状を有している。おむつ1の吸収体4は、本発明の吸収体の一実施形態である。
表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、何れも、一方向Xに長い縦長の形状を有している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出している。表面シート2は、その幅方向Yの寸法が、裏面シート3の幅方向Yの寸法よりも小さくなっている。
おむつ1は、図1に示すように、長手方向Xに、着用時に着用者の背側に配される背側部Aと、着用時に着用者の腹側に配される腹側部Bと、着用時に着用者の股下に配される股下部Cとを有している。股下部Cは、着用時に着用者の***部に対向配置される***部対向部を含んでおり、おむつ1の長手方向Xの中央部に位置している。おむつ1は、図1に示すように、平面視形状が、長手方向Xの中央部が括れた長方形状の形状を有している。
本明細書において、長手方向(図中のX方向)は、吸収性物品の着用時に着用者の前後方向と一致する方向又は吸収性物品の構成部材(表面シート2、吸収性コア40、コアラップシート5A,5B等)の当該方向に対応する方向であり、幅方向(図中のY方向)は、該長手方向と直交する方向である。また、肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。
おむつ1は、いわゆる展開型の使い捨ておむつであり、背側部Aの長手方向Xに沿う両側縁部には、一対のファスニングテープ7,7が設けられ、おむつ1の腹側部Bの非肌対向面には、ファスニングテープ7の止着部71を止着させる被止着領域8が形成されている。止着部71及び被止着領域8は、機械的面ファスナーのオス部材及びメス部材等を用いて構成されている。また、おむつ1の長手方向Xに沿う両側部それぞれには、一側縁部に弾性部材61が伸長状態で固定されているサイドシート6が配されており、着用時における股下部Cに一対の立体ギャザーが形成される。また、着用者の脚周りに配される左右のレッグ部には、弾性部材62が長手方向Xに沿って配されており、着用時のレッグ部には、弾性部材62の収縮により、一対のレッグギャザーが形成される。一対のサイドシート6,6、表面シート2、吸収体4、弾性部材61,62及び裏面シート3等は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により一体化されている。
おむつ1の吸収体4は、図1及び図2に示すように、吸収性コア40とこれを挟むコアラップシート5A,5Bを備えている。吸収性コア40は、繊維材料や吸水性ポリマー等の吸収性材料を含有し、図1に示すように、一方向(おむつ1の長手方向X)に長い薄板状を有し、長手方向中央部が括れている。
吸収性コア40は、図2に示すように、パルプ繊維を含み吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維層44と、パルプ繊維と吸水性ポリマーを含む混合層45とが、厚み方向に連続して形成されている。本実施形態においては、パルプ繊維層44は、吸収性コア40の非肌対向面となる一面40bを形成し、混合層45は、吸収性コア40の肌対向面となる一面40aを形成している。
パルプ繊維層44は、パルプ繊維を含み吸水性ポリマーを含まない。吸収性コア40が、吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維層44からなる一面40bを有することによって、後述するように、積繊装置を用いて製造した吸収性材料の積繊体にコアラップシート5Bを重ね、その積層体にコアラップシート5B側からエンボス加工を施し嵌合凹部47を形成する際に、パルプ繊維層44を緩衝材として機能させることができ、それにより、コアラップシート5Bに破れが生じたり、混合層45内の吸水性ポリマー46が加圧により破壊されたりすることが防止される。
パルプ繊維層44を有するということは、吸収性コア40に液が吸収されて、吸水性ポリマー46が膨潤したときにおいてもパルプ繊維層44側から吸水性ポリマー46が露出しない状態を意味する。
他方、混合層45は、パルプ繊維と吸水性ポリマーを含み、好ましくは両者が混合された状態で含んでいる。
混合層45中におけるパルプ繊維と吸水性ポリマーとの質量比(パルプ繊維の質量/吸水性ポリマーの質量)は、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上であり、また、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下であり、また、好ましくは0.4以上1.5以下であり、より好ましくは0.5以上1.2以下である。
吸収性コア40が含有するパルプ繊維としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の木材パルプのセルロース繊維や、木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプのセルロース繊維が挙げられる。セルロース繊維は、天然繊維であっても、レーヨン、キュプラ等の再生繊維であっても良い。これらのパルプ繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
吸収性コア40が含有する吸水性ポリマーとしては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。吸水性ポリマーとしては、通常は粒子状のものが用いられる。粒子状の吸水性ポリマーには、その形状の違いから、不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ、球粒凝集タイプ、球状タイプ等があるが、何れのタイプも用いることができる。
吸収性コア40のパルプ繊維層44及び混合層45には、パルプ繊維以外の繊維材料を含有させても良い。パルプ繊維以外の繊維材料としては、親水性表面を有する合成繊維が挙げられる。親水性表面を有する合成繊維としては、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維;PET繊維、PE繊維、PP繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維を界面活性剤により親水化処理したもの等が挙げられる。
吸収性コア40のパルプ繊維層44及び混合層45には、パルプ繊維及びそれ以外の繊維材料の2種以上を混合して用いることができる。
パルプ繊維は、パルプ繊維層44中の全繊維材料中の割合が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
また、パルプ繊維及び吸水性ポリマーは、吸収性コア40中の合計含有割合が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
前述した通り、パルプ繊維層44と混合層45とは、吸収性コア40の厚み方向に連続して形成されている。ここで、「連続して形成されている」とは、別に製造した部材どうしを接着剤やその他の接合手段で結合したものとは異なり、パルプ繊維層44と混合層45を順次積層させ、層間に明確な境界が存在しない状態を示す。パルプ繊維層44と混合層45とが連続して形成されていると、吸水性ポリマー46が層間からこぼれにくくなり、吸収した液体が、スムーズに移動し得る連続性を有するようにもなる。パルプ繊維層44と混合層45とが連続して形成されている吸収性コア40は、後述する製造方法によって製造することができる。
また、吸収性コア40は、図2及び図3(b)に示すように、非肌対向面を形成するパルプ繊維層44側の面40bに、線状凹部41(41A〜41E)、及び該線状凹部41(41A〜41E)によって吸収性コア40が複数の領域に区画化されて形成された複数の小吸収部43(43A〜43C)を有している。線状凹部41(41A〜41E)は、それぞれ、吸収性コア40の平面方向に線状に延びており、吸収性コア40は、延在する方向が異なる2種以上の線状凹部41を有している。
吸収性コア40におけるパルプ繊維層44側の面40bは、線状凹部41が形成された凹凸面となっているのに対して、同吸収性コア40における混合層45側の面40aは、線状凹部が形成されておらず、凹凸を実質的に有しない平坦面となっている。
図3に示す吸収性コアの線状凹部41(41A〜41E)の形成態様について、より具体的に説明すると、吸収性コア40の長手方向Xの一端部側(背側部Aに配される長手方向端部側)には、長手方向X及び幅方向Yの両方向に交差する方向に延びる直線状の凹部41A,41Bが互いに交差するように形成されており、それにより平面視格子状の凹部が形成されている。また、吸収性コア40の長手方向Xの他端部側(腹側部Bに配される長手方向端部側)には、長手方向X及び幅方向Yの両方向に交差する方向に延びる直線状の凹部41C,41Dが互いに交差するように形成されており、それにより平面視格子状の凹部が形成されている。また、前記一端部と前記他端部とに挟まれた吸収性コア40の長手方向中央部(股下部Cに配される領域)には、長手方向Xに延びる一対の線状の凹部41E,41Eが形成されている。これら線状の凹部41A〜41Eは互いに連結されており、凹部41全体として一面40b内に連続して形成されている。そして、吸収性コア40の長手方向Xの一端部及び他端部においては、それぞれ、格子状に形成された凹部41の格子の目の部分に四角形状の小吸収部43A,43Bが形成されており、また、長手方向Xの中央部においては、吸収性コア40の長手方向Xに長い縦長形状の小吸収部43Cが形成されている。
小吸収部43(43A〜43C)は、凹部41の底部42に比して高坪量であり、繊維材料や吸水性ポリマー等の吸収性材料が凹部41の底部42よりも多く存している部位である。本実施形態においては、小吸収部43は、凹部41の底部42に比して高坪量であることに加えて更に、凹部41の底部42に比して高密度となっている。また、小吸収部43は、凹部41の底部42に比して面積率も高い。面積率は、吸収性コア40の一面40bの単位面積に占める、凹部41の底部42の面積又は小吸収部43の面積の割合である。吸収性コア40は、後述するように、積繊装置を用いて吸収性材料の積繊体を得、該積繊体全体を厚み方向に圧縮することにより製造されたものであるところ、該積繊体は、小吸収部43に対応する部位が、凹部41の底部42に対応する部位に比して吸収性材料の積繊量が多い。即ち、吸収性コア40の凹部41は、吸収性材料の積繊量を予め他の部位より少なくして形成されたものであり、積繊体の一部(凹部形成予定部)の吸収性材料を削り取る等して除去したり、あるいは積繊体の一部(凹部形成予定部)を圧縮する等して形成されたものでもない。
また、吸収性コア40の混合層45は、図2に示すように、線状凹部41の底部42を介して平面方向に連続している。ここで、「平面方向に連続している」とは、別に製造した部材どうしを接着剤やその他の接合手段で結合したものとは異なり、パルプ繊維層44と混合層45を順次積層させた結果、平面方向にも断続部を有さない状態を示す。従って、例えば、小吸収部43と凹部の底部42との境界部には、別に製造した2つの吸収性コアを並べて配置した場合に生じるような部材間の隙間等が存在しない。混合層45が、線状凹部41の底部42を介して平面方向に連続していると、吸水性ポリマー46が部材間からこぼれにくくなり、吸収した液体が、スムーズに移動し得る連続性を有するようになる。混合層45が線状凹部41の底部42を介して平面方向に連続している吸収性コア40は、後述する製造方法によって製造することができる。
また、前述した構成の吸収性コア40の小吸収部43には、図2に示すように、パルプ繊維層側の面40bから混合層45側に向かって凹んだ嵌合凹部47が形成されており、その嵌合凹部47のそれぞれにコアラップシート5Bの一部が陥入している陥入部51を有している。
小吸収部43の嵌合凹部47及び該嵌合凹部47に陥入したコアラップシート5Bの陥入部51は、後述する製造方法に記載の通り、積繊装置を用いて製造した吸収性材料の積繊体のパルプ繊維層側の面にコアラップシート5Bを重ね、その積層体にコアラップシート5側からエンボス加工を施すことによって形成したものである。
図3(a)には、コアラップシート5Bにおける、エンボス加工により加圧された部分が小円で示されており、それらの小円のうち、小吸収部43と重なっているものが、小吸収部43に形成された嵌合凹部47に陥入した陥入部51である。
なお、入部51においては、吸収性コア40に形成された嵌合凹部47に入り込む形でコアラップシート5Bが入り込んだ状態にあり、後述する方法により測定した剥離強度が好ましくは8cN/70mm以上、より好ましくは10cN/70mm以上であり、また、好ましくは50cN/70mm以下、より好ましくは30cN/70mm以下であり、また、好ましくは8〜50cN/70mm、より好ましくは10〜30cN/70mmである。
図1及び図2に示すように、コアラップシート5Aは、吸収性コア40の肌対向面を形成する一面40aの略全域を被覆している。コアラップシート5Bは、吸収性コア40の他面40bの略全域を被覆し、且つ吸収性コア40の両側縁部から幅方向Yの外方に延出した延出部分が、吸収性コア40の一面40側に巻き上げられ、コアラップシート5Aの両側部上に重ねられている。コアラップシート5Aと吸収性コア40との間、及びコアラップシート5Bと吸収性コア40との間、コアラップシート5Aとコアラップシート5Bの積層部分は、それぞれ、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されていても良い。
コアラップシート5A,5Bとしては、吸収性物品の吸収体に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができ、紙でも不織布でも良く、あるいは紙と不織布とを貼り合わせた複合シートでも良い。
紙であるコアラップシート5A,5Bは、公知の湿式抄紙法によって製造することができる。湿式抄紙法は、繊維の水分散液からなる紙料(スラリー)を調製する紙料調製工程と、紙料から繊維を抄いて繊維ウエブとしたものを搬送しながら乾燥する抄紙工程とを有するものである。抄紙工程は、通常、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤーパート、サイズプレス、カレンダパート等に分けられ、順次実施される。湿式抄紙法は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機又は丸網抄紙機等の抄紙機を用いて常法に従って実施することができる。
また、不織布であるコアラップシート5A,5Bとしては、例えば、ヒートロール不織布、エアスルー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド−メルトブローン不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布等が挙げられる。これらの不織布には、界面活性剤等の親水化剤を用いた親水化処理が施されていても良い。
また、コアラップシート5Aとコアラップシート5Bとは、同種のシートであっても良いし、異種のシートであっても良い。
本実施形態の使い捨ておむつ1は、通常の使い捨ておむつと同様にして使用することができる。
本実施形態の吸収体4は、吸収性コアとして、線状凹部41によって区画化された複数の小吸収部43を有するブロック型の吸収性コア40を用いているため、柔軟性に優れている。また、本実施形態の使い捨ておむつ1は、そのような吸収体を用いているため、該吸収体が、例えば、身体形状に対して優れた追従変形性を示す。
また、本実施形態の吸収体4は、小吸収部43のパルプ繊維層44側に嵌合凹部47及び該該嵌合凹部47に陥入したコアラップシート5Bの陥入部51を形成してあるため、アンカー効果によって小吸収部43の移動が抑制され、吸液前においても吸液後においても、吸収性コアの構造が安定している。そのため、吸収体4の感触や吸収性能を悪化させることも防止することができる。しかも、嵌合凹部47及びそれに陥入した陥入部51を形成する際に、パルプ繊維層が緩衝材として機能し、コアラップシートや混合層内の吸水性ポリマーに損傷が生じることも防止される。そのため、本実施形態の吸収体4は、吸液時の感触、吸収性能等にも優れている。
また、本実施形態の使い捨ておむつ1は、そのような吸収体を用いているため、着用者の肌へのフィット性や、吸液状態での装着感、吸収性能等に優れている。
コアラップシート5Bは、湿潤時の強度のあるものが好ましく、例えば、下記の方法により測定した湿潤強度が、好ましくは20cN/25mm以上、より好ましくは30cN/25mm以上であり、
コアラップシート5Bは、坪量が、好ましくは6g/m2以上、より好ましくは8g/m2以上であり、また、好ましくは30g/m2以下、より好ましくは20g/m2以下であり、また、好ましくは6〜30g/m2、より好ましくは8〜20g/m2である。
<湿潤強度の測定方法>
測定対象シートを室温23℃±2℃、相対湿度50%RH±2%の環境下で12時間放置して一定状態になるよう調湿する。調湿後のシートから、CD(機械流れ方向と交差する方向)に150mm、MD(機械流れ方向)に25mmの寸法の長方形形状を切り出し、この切り出された長方形形状をサンプルとする。このサンプルを、そのCDが引張方向となるように引張試験機(島津製作所製オートグラフAG−1kN)のチャックに無張力で取り付ける。チャック間距離は100mmとする。筆先が水で湿らされた筆の該筆先により、サンプルの一面に引張方向の全長に亘って約10mmの幅で水を塗布してサンプルを湿潤状態とした後、サンプルを300mm/分の引張速度で引っ張り、サンプルが破断するまでの最大強度を測定する。サンプルへの水の付着量は5〜15mgとすることでサンプル全体を浸漬した場合と同様の適度な湿潤状態となる。部分的な水の付着であっても毛管現象による液の拡散により、自然に適度な湿潤状態となることから、液量が部分的に多くともサンプルの計測方向に跨って付着していれば測定結果に影響は見られなかった。
測定は5回行い、これらの平均値をCDの湿潤強度とする。
しかも、本実施形態の使い捨ておむつ1においては、吸収体4に含まれる吸収性コア40が、混合層45側の面40aを、おむつ1の表面シート側に向けて配されている。
前記混合層45は、線状凹部の底部42を介して平面方向に連続しているため、表面シート2側に供給された液は、表面シート2における線状凹部の底部42と重なる部分からも、吸収性コア40内に吸い込まれ、吸収性コア40内を平面方向に適度に拡散し、小吸収部で液を保持しやすくなる。これにより、おむつ1は、漏れ防止性に優れたものとなる。
これに対して、小吸収部間が空間により完全に分断されている場合等には、表面シート2における該空間と重なる部分においては、表面シートから吸収性コアへの液の吸い込み性に劣り、表面シート2上に供給された液が、表面シート上又は表面シート中を平面方向に過度に拡散して、漏れ等の不都合を生じる恐れがある。
また、本実施形態の吸収体4においては、図2及び図3(a)に示すように、吸収性コア40の1つの小吸収部43に対して、複数の嵌合凹部47が形成されており、コアラップシート5Bは、その嵌合凹部47のそれぞれに対応する陥入部51を有している。
1つの小吸収部43に対してコアラップシート5Bが陥入した嵌合凹部47が複数形成されていることにより、吸収性コア40の構造の安定性が一層向上する。
また、1つの小吸収部43に対して、複数の嵌合凹部47を形成する場合、それらの嵌合凹部47は、小吸収部43の広い範囲に分散させて配置することが、小吸収部43とコアラップシート5Bとの固定性に優れ、嵌合凹部を深く形成するよりもコアラップシート5Bのやぶれを起こしにくい観点から好ましい。また、多量に液が供給された場合、線状凹部41にも液が供給されるが、その場合にも小吸収部43の周囲の線状凹部41から小吸収部43内への液の引き込み性を向上させる観点から好ましい。小吸収部43内への液の引き込み性が向上することにより、吸収体4は、過度な拡散を抑制し、漏れ防止性に一層優れたものとなる。
1つの小吸収部43に形成された複数の嵌合凹部47は、例えば、図4に示すように、それらの全体を囲み長さが最小の環状ラインL1の内側の面積S1が、該小吸収部43の面積S2の1/3以上となるように配置されていることが好ましく、前記面積S1が前記面積S2の1/2以上となるように配置されていることがより好ましい。
また、1つの小吸収部43に形成された複数の嵌合凹部47は、図5に示すように、それらの全体を囲み長さが最小の環状ラインL1の形状が、該小吸収部43の平面視形状と相似形となるように配置されていることが好ましい。
また、上述した吸収性コア40においては、図2に示すように、小吸収部43は、パルプ繊維層44側の面40bを形成する先端面が平坦に形成されていたが、本発明における吸収性コアは、図6に示す吸収性コア40Aのように、小吸収部43の先端面が凸曲面状をなしていても良い。また、図6に示す吸収性コア40Aにおける小吸収部43は、凸曲面状の先端面に、頂部43t及び該頂部43tを挟む両側に形成された傾斜面43sを有しており、頂部寄りの嵌合凹部47t、即ち頂部43tに最も近い嵌合凹部47tの深さd1が、線状凹部41寄りの嵌合凹部47s、即ち線状凹部41に最も近い嵌合凹部47sの深さd2よりも深い。嵌合凹部47t,47sは、パルプ繊維層44側の面にコアラップシートを重ね、該コアラップシート側から加圧して形成するものであるため、深さが浅い嵌合凹部47sよりも深さが深い嵌合凹部47tを形成する場合の方が、圧縮の程度が大きくなり、嵌合凹部47tの底部周辺の密度も嵌合凹部47sの底部周辺の密度よりも高くなる。
そのため、浅い嵌合凹部47sにおいてはコアラップシート5Bが破れにくくも固定性があり、深い嵌合凹部47tでしっかりと固定性を発揮することができる点において優れる。また、頂部寄りの嵌合凹部47tがより深いことにより、小吸収部43の頂部付近の液の引き込み性が向上すると共に、コアラップシート5A側まで影響をより与えやすくなり、吸収体を一層効率良く利用することができる。
なお、凸曲面状の先端面は、頂部の周囲に環状の傾斜面43sを有するものであっても良いし、頂部43tの前後両側又は左右両側のみに傾斜面43sを有するものであっても良い。
また、上述した実施形態の吸収性コア40においては、図2に示すように、嵌合凹部47の深さdが、パルプ繊維層44の厚みt3未満であるが、嵌合凹部47の深さdは、パルプ繊維層44の厚みt3以上とすることも好ましい。嵌合凹部47の深さdをパルプ繊維層44の厚みt3以上とすることにより、柔軟でクッション性があるパルプ繊維層44だけではコアラップシート5Bの陥入部51が嵌合凹部47から抜けやすいが、パルプ繊維層44と比べ比較的硬い混合層45まで嵌合凹部47が達することで抜けにくくなり、固定性が更に向上する。
嵌合凹部47の深さdとパルプ繊維層44の厚みt3との比(D/t3)は、好ましくは2以上、より好ましくは3.5以上であり、また、好ましくは15以下、より好ましくは10以下であり、また、好ましくは2〜15であり、より好ましくは3〜10である。
また、上述した実施形態の吸収体4における吸収性コア40は、前述したように、平面視において一方向に長い形状を有し、おむつ1の背側部Aに配される長手方向の一端部、おむつ1の腹側部Bに配される長手方向の他端部、及びおむつ1の股下部Cに配される中央部とを有している〔図3参照〕。また、吸収性コア40の前記中央部は、前記一端部及び前記他端部よりも幅が狭くなっている。
そして、前記中央部に形成された小吸収部43Cの嵌合凹部47の深さが、前記一端部及び前記他端部に形成された小吸収部43A,43Bの嵌合凹部47の深さより深くなっている。
吸収性コア40の中央部は、***部対向部を含み、一端部又は他端部に比して供給される液の量が多い。その中央部における小吸収部43Cに他の部位の嵌合凹部よりも深くすることにより、吸液時に、吸収性コア40の構造が壊れることを一層効果的に防止することができる。
このような観点から、中央部の小吸収部43Cの嵌合凹部47の深さは、一端部及び他端部それぞれの小吸収部43A,43Bの嵌合凹部の深さに対する比(小吸収部43Cにおける深さ/小吸収部43A,43Bにおける深さ)が、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上であり、更に好ましくは1.4以上であり、また、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であり、また、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1.4〜2である。
また、嵌合凹部47の占める面積が多すぎる場合には吸収体コア40の圧縮の程度が増すため吸収体コア40の柔軟性が損なわれる。また少なすぎる場合には固定性において十分な効果が発揮されない。このため、小吸収部に形成する嵌合凹部は、その面積率又は個々の大きさ(面積)が下記条件を満たすことが好ましく、面積率及び個々の大きさ(面積)が共に下記条件を満たすことがより好ましい。
(嵌合凹部の面積率)
小吸収部に形成する嵌合凹部の面積率は、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上であり、また、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下であり、また、好ましくは1〜30%、より好ましくは1〜20%である。嵌合凹部の面積率は、下記式で求められる
嵌合凹部の面積率(%)=(1つの小吸収部に形成された嵌合凹部の総面積/その小吸収部の面積) ×100
(嵌合凹部の大きさ)
小吸収部に形成する個々の嵌合凹部の面積は、該小吸収部の面積に対する割合が、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であり、また、好ましくは10%以下、より好ましくは1%以下であり、また、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.2〜1%である。
また、嵌合凹部の面積は、好ましくは3mm2以上、より好ましくは12mm2以上であり、また、好ましくは400mm2以下、より好ましくは300mm2以下であり、また、好ましくは3〜400mm2、より好ましくは12〜300mm2である。
ここで、小吸収部及び嵌合凹部の面積とは、吸収体を平面視したときの面積を意味し、下記の測定方法により測定する。
<小吸収部及び嵌合凹部の面積の測定方法>
トレス台の上に吸収体を置き、暗室内でデジタルカメラで撮影する。得られた画像を画像解析装置(株式会社NEXUS製 NEW QUBE ver.4.20)を用いて二値化を行い、小吸収部を囲んでいる部分内の面積を小吸収部の面積とする。
嵌合凹部の面積も同様にして測定する。
上述した一又は二以上の効果が一層確実に奏されるようにする観点から、本発明の吸収体は、以下の構成を有することが好ましい。
小吸収部43と凹部41の底部42との密度比(小吸収部の密度/凹部の底部の密度)は、好ましくは1以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは5以下であり、また、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。
小吸収部43の密度は、好ましくは0.03〜0.30g/cm3、更に好ましくは0
.05〜0.25g/cm3であり、凹部41の底部42の密度は、好ましくは0.01
〜0.15g/cm3、更に好ましくは0.02〜0.10g/cm3である。
小吸収部43の面積率は、好ましくは60〜95%、更に好ましくは70〜80%であり、凹部41の底部42の面積率は、好ましくは5〜40%、更に好ましくは5〜30%である。
小吸収部43と凹部41の底部42との坪量比(小吸収部の坪量/凹部の底部の坪量)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上であり、また、好ましくは30以下、より好ましくは15以下であり、また、好ましくは1.2〜30、より好ましくは1.5〜15である。
小吸収部43の坪量は、好ましくは100〜700g/m2、更に好ましくは300〜600g/m2であり、凹部41の底部42の坪量は、好ましくは10〜300g/m2、更に好ましくは30〜200g/m2である。吸収性コア40の坪量は、好ましくは200〜800g/m2、更に好ましくは250〜600g/m2である。
小吸収部43と凹部41の底部42との密度比(小吸収部の密度/凹部の底部の密度)は、好ましくは1以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは5以下であり、また、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。
小吸収部43の密度は、好ましくは0.03〜0.30g/cm3、更に好ましくは0.05〜0.25g/cm3であり、凹部41の底部42の密度は、好ましくは0.01〜0.15g/cm3、更に好ましくは0.02〜0.10g/cm3である。
小吸収部43の面積率は、好ましくは60〜95%、更に好ましくは70〜80%であり、凹部41の底部42の面積率は、好ましくは5〜40%、更に好ましくは5〜30%である。
凹部41の底部42の厚みt1(図2参照)と小吸収部43の厚みt2(図2参照)との比(t1/t2)は、好ましくは0.1〜0.9、更に好ましくは0.2〜0.8である。
凹部41の底部42の厚みt1は、好ましくは0.5〜5.0mm、更に好ましくは1.0〜3.0mmであり、小吸収部43の厚みt2は、好ましくは2.0〜10.0mm、更に好ましくは2.0〜7.0mmである。
なお、ここでいう、各部の厚みt1、t2及びt3は、それぞれ、吸収性コア40を、できるだけその厚みを潰さないように切断し、その切断面を顕微鏡(株式会社キーエンス製のマイクロスコープVHX−1000)等で拡大して荷重をかけずに各部の厚みをそれぞれ測定したものである。測定はそれぞれ10点測定を行い、その平均値をそれぞれの各部の厚みの値とする。ここで、パルプ繊維層44の厚みt3の測定は、湿潤状態で測定を行った。具体的には、以下のようにして測定した。
ナイロン製メッシュ袋に吸収体を入れ、吸収体が折れずに収まるように容器に入れる。 吸収体の表面が十分に浸るまで容器に人工尿を注ぎ、静置する。1時間後、吸収体ごとメッシュ袋を取り出し、吸いきれなかった余分な液を除くため水平に吊しておき、その1時間後を膨潤状態とし、この状態で、上記のようにして厚みを測定した。
吸収性コア40の各部(凹部41の底部42、小吸収部43)の密度は、JIS−P8118:1998に準じて測定され、具体的には次式によって算出される。
密度D(g/cm3)=坪量W(g/m2)/厚みT(mm)
前記式中の坪量Wは、JIS−P8124に記載の方法に準じて測定され、凹部41の底部42及び小吸収部43をそれぞれ加工寸法に合わせて一定の面積にカットし重量を測定して坪量を算出する。具体的には、裁断機又はカッターによって試験片をカットし、はかりによって該試験片の重量を測定し、その測定値を面積で除して坪量Wを算出する。また、前記式中の厚みTは、JIS−P8118:1998に準じて測定される。但し、厚みTの測定には、2つの平行な加圧面(固定加圧面と可動加圧面)を持つマイクロメーターであるピーコック式精密測定器(型式R1−C)を用い、測定子可動加圧面の直径は5mm、圧力は100kPa以下で測定し、測定用試験片の大きさは、下記プレートの大きさ以上とする。試験片上に20mm×20mmのプレート(重量5.4g)を置き、測定子可動加圧面を2mm/sの速度で操作し、該プレートに当て、安定直後の値を読み取る。加圧面間(試験片に加わる圧力)の圧力は1.3kPa以下になる。
なお、表面シート2としては、当該技術分野において従来用いられている液透過性のシートを用いることができ、例えば、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布;開口手段によって液透過可能とされたフィルム等が挙げられる。これらの不織布やフィルムには、界面活性剤等の親水化剤を用いた親水化処理が施されていても良い。裏面シート3としては、例えば、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等の各種液不透過性ないし撥水性のものを用いることができる。また、サイドシート6としては、裏面シート3と同様のものを用いることができる。
次に、吸収体4の製造方法について説明する。図7には、吸収体4の製造に好ましく使用される吸収体の製造装置が示されている。
吸収体の製造装置10は、図7に示すように、積繊装置11、加圧装置80及びエンボス装置90を備えている。
積繊装置11は、外周面に複数の集積用凹部12が所定の間隔で形成された積繊ドラム13と、パルプ繊維49及び吸水性ポリマー46を、積繊ドラム13の外周面に供給するダクト14とを備えている。図7中には、パルプ繊維49が、パルプ繊維を伴う空気の流れとして示されている。ダクト14は、積繊ドラム13の外周面の一部を覆う一端部と、パルプ繊維等の繊維を導入する繊維材料導入装置15に接続された他端部とを有しており、それらの間に吸水性ポリマー46の導入装置16が設けられている。また、ダクト14内には、ダクト14内を、吸水性ポリマー46が流れる上段14Uと、吸水性ポリマー46が流れない下段14Dとに仕切る仕切り部材14Sが設けられている。繊維材料導入装置1は、例えば、シート状の木材パルプを粉砕して解繊パルプとし、その解繊パルプをパルプ繊維としてダクト内に送り込む粉砕器を備えている。
積繊ドラム13は、円筒状をなし、図7中の矢印R1方向に回転駆動されるようになされている。積繊ドラム13の外周面には、製造する吸収性コア40に付与すべき形状に対応する形状の集積用凹部12,12・・が形成されている。
積繊ドラム13には、吸気ファン(図示せず)が接続されており、該吸気ファンの駆動により、積繊ドラム内の仕切られた空間D〜Fを負圧に維持可能になされている。個々の集積用凹部12の底面には、多数の細孔(図示せず)が形成されており、個々の集積用凹部12が負圧に維持された空間D〜F上を通過している間、該集積用凹部の底面部の細孔が吸引孔として機能する。
また、集積用凹部12の底面には、線状凹部41(41A〜41E)を形成するための難通気性部材18が配置されている。難通気性部材18は、集積用凹部12の底面から突出するように固定されており、非通気性部材であっても良く、例えば金属やプラスチックからなる。図7中、符号19は、集積用凹部12からの離型を促進するためのエアー吐出装置である。
積繊ドラムを備えた公知の積繊装置と同様に、集積用凹部12の底面から吸引しつつ、ダクト14内に吸収性コアの形成材料46,49(以下、コア形成材料ともいう)を供給することによって、図9に示すように、コア形成材料46,49が集積用凹部12内に所定形状に堆積する。また、ダクト14内に、仕切り部材14Sを設けて、吸水性ポリマー46が流れない下段14Dを設けたことによって、集積用凹部12には、図9に示すように、先ずパルプ繊維のみが堆積して集積用凹部の底部に実質的にパルプ繊維のみからなるパルプ繊維層44が形成された後、パルプ繊維及び吸水性ポリマーが堆積して混合層45が形成される。
こうして得られたコア形成材料の積繊物48においては、難通気性部材18上にコア形成材料が堆積してなる部位(凹部対応部)48aが、相対的にコア形成材料46,49の堆積量が少なく、その他の部位(小吸収部対応部)48bが、相対的に吸収性材料46,49の堆積量が多くなっており、積繊物48全体として凹凸構造を有している。
その後、集積用凹部12内の積繊物48は、積繊ドラム13の回転によりその下部へ搬送され、バキュームコンベア等の公知の搬送手段17上へ移行する。搬送手段17上には、積繊物48の移行前に予めコアラップシート5Aが載置されており、積繊物48はコアラップシート5A上に移行する。更に、積繊物48の上面にコアラップシート5Bが載置される。そして、積繊物48及び積繊物48を挟むコアラップシート5A,5Bからなる積層体4Aが、加圧装置80によって厚み方向に圧縮され、積繊物48の厚みを積極的に減少させる。加圧装置80は、例えば、図7に示すように、表面平滑な一対のロール81,82を備え、両ロール間に導入された被加圧物を上下面から加圧して厚み方向に圧縮可能に構成されている。
加圧装置80によって積繊物48の全体を圧縮すると、コア形成材料が相対的に多く厚みの大きい小吸収部対応部48b(図9参照)は、コア形成材料が相対的に少なく厚みの小さい凹部対応部48a(図9参照)よりも強く圧縮される。その結果、積繊物48における小吸収部対応部48bは、吸収性コア40において相対的に密度の高い小吸収部43となり、積繊物48における凹部対応部48aは、吸収性コア40において相対的に密度の低い凹部41(41A〜41E)となる。
そして、加圧後の積層体4Aがエンボス装置90に導入される。エンボス装置90は、表面に多数のエンボス用の突起92(ピン)を備えたピンロール91と、表面平滑なアンビルロール93とを備えている。積層体4Aを、エンボス装置90を導入する際には、吸収性コアとなる積繊物48のパルプ繊維層44側にピンロール91側を配置し、積繊物48の混合層45側にアンビルロール93を配置する。
このエンボス装置90によるエンボス加工においては、積繊物48の小吸収部43におけるパルプ繊維層44に、ピンロール91の突起92によりコアラップシート5Bが押し込まれ、それにより、積繊物48の小吸収部43に、コアラップシート5Bが陥入した嵌合凹部47が形成される。このようにして目的とする吸収体4が得られる。
なお、エンボス加工は、ピンロール91を加熱して行っても良いし、ピンロール91を加熱しないで行っても良いが、コアラップシートと吸収性コアとをホットメルト接着剤で接合する場合には、ホットメルト型接着剤が界面に広がり、強度を一層向上させるために、ホットメルト型接着剤の溶融粘度が好ましくは800mPa・sec以上、より好ましくは1000mPa・sec、また、好ましくは6000mPa・sec以下、より好ましくは5000mPa・sec以下、また好ましくは800mPa・sec〜6000mPa・sec、より好ましくは1000mPa・sec〜5000mPa・secとなるように、加熱することが好ましい。このときピンロール91、特に突起92を120〜160℃に加熱することが好ましい。また、アンビルロール93も加熱しても良いし加熱しないでも良い。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば、嵌合凹部及びそれに陥入したコアラップシートの陥入部の平面視形状は、円形や図5に示すプラス「+」の記号状のもの代えて、楕円形、正方形、三角形、トランプのハートマーク状等、任意の形状とすることができる。また、凹部41の配置パターン、小吸収部43の平面視形状等も、図3に示すものに制限されず適宜選択可能であり、例えば、複数の小吸収部43の全てが平面視において同じ大きさの四角形形状となるように、線状の凹部41を配置しても良い。また、小吸収部を、吸収性コアの着用者の背側部Aに配される部位、吸収性コアの着用者の背側部Bに配される部位、及び股下部Cに配される部位のうちの、何れか1つの部位のみに形成しても良いし、何れか2つの部位のみに形成しても良い。また、吸収性コアに形成した小吸収部の総てに、嵌合凹部及びそれに陥入した陥入部を形成するのに代えて、一部の小吸収部のみに、嵌合凹部及びそれに陥入した陥入部を形成しても良い。
また、前記実施形態では、2枚のコアラップシート5A,5Bを用いて吸収性コア40を被覆していたが、吸収性コア40の両面を、1枚のコアラップシートのみを用いて被覆しても良い。
また、前記実施形態では、吸収性コア40は、混合層45側の面40aを表面シート2側に向けて配されていたが、パルプ繊維層44側の面40bを表面シート2側に向けて配することもできる。
また、表面シート2とコアラップシート5Aとの間に、紙、不織布等の透過シート(セカンドシート)を配置しても良い。
また、本発明における吸収性物品は、図1に示す如き展開型の使い捨ておむつや予めパンツ型に成形されたパンツ型の使い捨ておむつ等の使い捨ておむつの他、失禁パッド、生理用ナプキン等であっても良い。
上述した実施形態に関し、さらに以下の吸収体、吸収性物品、及び吸収体の製造方法を開示する。
<1> 吸収性コアと該吸収性コアを挟むコアラップシートを備えた吸収体であって、
前記吸収性コアは、パルプ繊維を含み吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維層と、パルプ繊維と吸水性ポリマーを含む混合層とが厚み方向に連続して形成されており、
前記吸収性コアは、前記パルプ繊維層側の面に、線状凹部、及び該線状凹部によって該吸収性コアが複数の領域に区画化されて形成された複数の小吸収部を有しており、
前記小吸収部は、前記線状凹部の底部に比して高坪量であり、前記混合層は、前記線状凹部の底部を介して平面方向に連続しており、
前記小吸収部内に、該小吸収部よりも小さい、前記パルプ繊維層側の面から前記混合層側に向かって凹んだ嵌合凹部が形成され、該嵌合凹部それぞれに前記コアラップシートが陥入している、吸収体。
<2> 前記小吸収部は、前記線状凹部の底部に比して高密度となっている、前記<1>記載の吸収体。
<3> 前記吸収性コアの1つの小吸収部に対して、複数の前記嵌合凹部が形成されている、前記<1>又は<2>記載の吸収体。
<4> 前記1つの小吸収部に形成された前記複数の嵌合凹部は、それらの全体を囲み長さが最小の環状ラインの内側の面積が、該小吸収部の面積の1/3以上である、前記<3>記載の吸収体。
<5> 前記1つの小吸収部に形成された前記複数の嵌合凹部は、それらの全体を囲み長さが最小の環状ラインの形状が、該小吸収部の平面視形状と相似形となるように配置されている、前記<1>〜<4>の何れか1記載の吸収体。
<6> 前記吸収性コアは、前記小吸収部の先端面が凸曲面状をなしている、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収体。
<7> 前記小吸収部は、頂部及び該頂部を挟む両側に形成された傾斜面を有しており、該頂部寄りの嵌合凹部の深さが、前記線状凹部寄りの嵌合凹部の深さよりも深い、前記<2>〜<6>の何れか1に記載の吸収体。
<8> 前記頂部寄りの嵌合凹部の底部周辺の密度が、前記線状凹部寄りの嵌合凹部の底部周辺の密度よりも高い、前記<7>記載の吸収体。
<9> 前記嵌合凹部の深さが、湿潤状態における前記パルプ繊維層の厚み以上である、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収体。
<10> 前記嵌合凹部の深さdと前記パルプ繊維層の厚みt3との比(D/t3)は、好ましくは2以上、より好ましくは3.5以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収体。
<11> 前記吸収性コアは、平面視において一方向に長い形状を有し、吸収性物品の背側部に配される長手方向の一端部、吸収性物品の腹側部に配される長手方向の他端部、吸収性物品の股下部に配される中央部とを有し、前記中央部に形成された小吸収部の嵌合凹部の深さが、前記一端部及び前記他端部に形成された小吸収部の嵌合凹部の深さより深い、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収体。
<12> 前記中央部の小吸収部の嵌合凹部の深さの、一端部及び他端部それぞれの小吸収部の嵌合凹部の深さに対する比(中央部の小吸収部43Cにおける深さ/一端部及び他端部の小吸収部における深さ)が、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上であり、更に好ましくは1.4以上であり、また、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である、前記<11>記載の吸収体。
<13> 前記小吸収部に形成する嵌合凹部は、面積率が好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上であり、また、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下であり、個々の面積が該小吸収部の面積の好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であり、また、好ましくは10%以下、より好ましくは1%以下である、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収体。
<14> 嵌合凹部の面積は、好ましくは3mm2以上、より好ましくは12mm2以上であり、また、好ましくは400mm2以下、より好ましくは300mm2以下である、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収体。
<15> 前記小吸収部と前記線状凹部の底部との坪量比(小吸収部の坪量/凹部の底部の坪量)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上であり、また、好ましくは30以下、より好ましくは15以下である、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収体。
<16> 前記小吸収部の坪量は、好ましくは100〜700g/m2、更に好ましくは300〜600g/m2であり、前記線状凹部の底部の坪量は、好ましくは10〜300g/m2、更に好ましくは30〜200g/m2である、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収体。
<17> 前記小吸収部と前記線状凹部の底部との密度比(小吸収部の密度/線状凹部の底部の密度)は、好ましくは1以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収体。
<18> 肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に配置された吸収体を備え、該吸収体が、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収体である吸収性物品。
<19> 前記吸収体に含まれる前記吸収性コアが、前記混合層側の面を、前記表面シート側に向けて配されている前記<18>記載の吸収性物品。
<20> 前記<1>〜<17>のいずれか1に記載の吸収体を製造する方法であって、
線状凹部を形成するための難通気性部材が配置され、吸水性ポリマーが流れない下段を設けるための仕切り部材を設けた集積用凹部を有する積繊ドラムを用いて、パルプ繊維のみが堆積して実質的にパルプ繊維のみからなるパルプ繊維層が形成された後、パルプ繊維及び吸水性ポリマーが堆積して混合層が形成させ、その後、コアラップシートで挟み、加圧圧縮した後、パルプ繊維層側からピンエンボスによりエンボス加工を施す、吸収体の製造方法。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図2及び3に示す吸収体4と同様の構造を有する吸収体を製造した。得られた吸収体の吸収性コアは、線状の凹部及び複数の小吸収部を有するブロック型の吸収性コアであり、1枚当たりのパルプ繊維の含有量は6g、1枚当たりの吸水性ポリマーの含有量は9gとした。コアラップシートとしては、坪量16g/m2の紙からなるコアラップシートを用いた。また、エンボス加工を施す直前の積層体4Aの厚みは、3.0mmとし、エンボス加工に用いたピンロール91とアンビルロール93との間のクリアランスは0.80mmとした。ここでいうクリアランスは、ピンロール91の突起92の先端とアンビルロール93の表面との間の距離である。
また、エンボス加工は、個々の小吸収部に複数の嵌合凹部が形成されるように行い、小吸収部に形成する嵌合凹部の面積率は10%とし、個々の嵌合凹部の面積は小吸収部の面積の0.3%とした。また、得られた吸収体においては、長手方向中央部における嵌合凹部の深さと長手方向両端部における嵌合凹部の深さとに差が生じていた。
〔実施例2〕
実施例1において、エンボス加工の際のクリアランスを0.96mmに代えた以外は、実施例1と同様にして、吸収体を製造した。
〔比較例1〕
実施例1及び2において、エンボス加工を施す直前の積層体を比較例1のサンプルとした。
〔吸収体の評価〕
実施例及び比較例の各サンプル(吸収体)について、嵌合凹部の深さ、剥離強度の測定及び落下試験を行い、吸収性コアの構造の安定性を評価した。それらの結果を表1に示した。また、実施例及び比較例の各サンプル(吸収体)の、小吸収部の坪量、及び線状凹部の底部の坪量を測定し、結果を表1に示した。
<嵌合凹部の深さ>
株式会社キーエンス製のマイクロスコープVHX−1000を用い、倍率20倍で観察し、10点の平均値を測定値とする。サンプルの測定部はフェザー剃刃S(片刃)を使用し、押し当てて切断面とした。なお、長手方向中央部は小吸収部43C、長手方向両端部は小吸収部43A及び小吸収部43Bにおける頂部よりの嵌合凹部47tの深さをそれぞれ10点測定し、平均して求めた。また、小吸収部頂部よりの嵌合凹部47tの深さd1及び小吸収部線状凹部寄りの嵌合凹部47sの深さd2は小吸収部43A及び小吸収部43Bにおける深さを各5点測定し、平均して求めた。
<剥離強度>
吸収体を表面シート、裏面シートと貼りあわせた展開状態で、吸収体前側端部165mmを注入点として、人工尿120gを漏斗を用いて一分間かけて一括注入する。サンプルを幅70mm、長さ170mm(注入点から前側70mm、後ろ側100mmの位置)で切り取り、台紙と表面材を一緒にクリップで挟み、引張強度測定器(アイコーエンジニアリング社製プッシュプルゲージ)を用いて剥離強度を測定する。値は最大値を読み取る。
<落下試験>
吸収体を表面シート、裏面シートと貼りあわせた展開状態で、吸収体前側端部165mmを注入点として、人工尿120gを漏斗を用いて一分間かけて一括注入する。3分静置させた後、サンプルをゴム製の人体モデルに装着させ、脚を10回開閉させる。サンプルを取り外し、2つ折の状態で端部を長さ120mmの紐に吊り下げられたクリップに挟む。クリップを紐が固定されている棒の位置まで引き上げてから手を離して自然落下させる。吸収体が壊れるまで(分離するまで)落下を繰り返す。吸収体の壊れは、サンプル落下後に触感により確認し、壊れがない場合は再度落下を行う。吸収体が壊れるまでの落下回数を落下試験評価とし、この回数が多いほど、吸液後の保形性に優れる評価となる。
〔おむつの評価〕
実施例及び比較例の各サンプルを用いて使い捨ておむつを製造し、以下の方法により、加圧下の液戻り量を下記方法によって測定した。それらの結果を下記表1に示す。使い捨ておむつは、表面シート及び裏面シートとして下記を用い、これらの間に実施例及び比較例の吸収体を挟んで構成した。
表面シート:ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維を構成繊維とする坪量25g/m2のエアスルー不織布
裏面シート:坪量20g/m2のPE製樹脂フィルム
<加圧下液戻り量の測定方法>
使い捨ておむつを平面状に拡げ、表面シートを上に向けて水平面上に固定した状態で、おむつに対し30cm×10cmの面積当たり2kPaの荷重を加えつつ、吸収体の中心部における該表面シート上に人工尿40gを注入して吸収させ、10分間放置し、更に人工尿40gを注入して吸収させた。斯かる人工尿の注入操作を4回繰り返し、合計160gの人工尿をおむつに吸収させた。次いで、おむつにおける人工尿の吸収部位上にADVANTEC製の5Cろ紙を16枚重ね、更にその上に荷重を2分間加えて、おむつに吸収させた人工尿をろ紙に吸収させた。ろ紙に対する荷重は10cm×10cmの面積に3.5kgが加わるようにした。2分経過後荷重を取り除き、人工尿を吸収したろ紙の重量を測定した。この重量から人工尿吸収前のろ紙の重量を差し引き、その値を液戻り量とした。液戻り量が少ないほど、吸収体(吸収性コア)の利用効率が高く高評価となる。尚、下記表1では、比較例1の液戻り量を基準とした液戻り量の相対値(当該サンプルの液戻り量/比較例1のサンプルの液戻り量)を示した。
人工尿の組成は次の通り。尿素1.940質量%、塩化ナトリウム0.795質量%、硫酸マグネシウム(七水和物)0.111質量%、塩化カルシウム(二水和物)0.062質量%、硫酸カリウム0.198質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.004質量%及びイオン交換水(残量)。
Figure 0006108522
表1に示す通り、実施例1,2の吸収体は、剥離強度及び落下試験回数のいずれについても、比較例1の吸収体より優れていた。
また、パルプ繊維層を被覆するコアラップシート側の面を観察したところ、実施例1,2の陥入部には、ほどんど損傷が認められなかった。
また、実施例1,2の吸収体と、比較例1の吸収体とを、手に持ち柔軟性を比較したところ、柔軟性に明確な差は認められず、いずれについても良好な柔軟性を有していた。
また、実施例1及び2の吸収体を用いた使い捨ておむつは、加圧下の液戻り量についても、比較例1の吸収体を用いた使い捨ておむつより少なく、吸収性能にも優れていることが確認された。
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40,40A 吸収性コア
40b パルプ繊維層側の一面
40a 混合層側の一面
41,41A〜41E 線状凹部
42 線状凹部の底部
43 小吸収部
5A,5B コアラップシート
51 コアラップシートの陥入部
11 積繊装置
12 集積用凹部
13 積繊ドラム
14 ダクト
14U 上段
14D 下段
14S 仕切り部材
43,43A〜43C 小吸収部
44 パルプ繊維層
45 混合層
46 吸水性ポリマー
47,47t,47s 嵌合凹部
49 パルプ繊維
80 加圧装置
90 エンボス装置
91 ピンロール
92 突起(ピン)
93 アンビルロール

Claims (8)

  1. 吸収性コアと該吸収性コアを挟むコアラップシートを備えた吸収体であって、
    前記吸収性コアは、パルプ繊維を含み吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維層と、パルプ繊維と吸水性ポリマーを含む混合層とが厚み方向に連続して形成されており、
    前記吸収性コアは、前記パルプ繊維層側の面に、線状凹部、及び該線状凹部によって該吸収性コアが複数の領域に区画化されて形成された複数の小吸収部を有しており、
    前記小吸収部は、前記線状凹部の底部に比して高坪量であり、前記混合層は、前記線状凹部の底部を介して平面方向に連続しており、
    前記小吸収部内に、該小吸収部よりも小さい、前記パルプ繊維層側の面から前記混合層側に向かって凹んだ嵌合凹部が形成され、該嵌合凹部それぞれに前記コアラップシートが陥入しており、
    前記吸収性コアの1つの小吸収部に対して、複数の前記嵌合凹部が形成されており、
    前記小吸収部は、頂部及び該頂部を挟む両側に形成された傾斜面を有しており、該頂部寄りの嵌合凹部の深さが、前記線状凹部寄りの嵌合凹部の深さよりも深い、吸収体。
  2. 前記1つの小吸収部に形成された前記複数の嵌合凹部は、それらの全体を囲み長さが最小の環状ラインの内側の面積が、該小吸収部の面積の1/3以上である、請求項1に記載の吸収体。
  3. 前記1つの小吸収部に形成された前記複数の嵌合凹部は、それらの全体を囲み長さが最小の環状ラインの形状が、該小吸収部の平面視形状と相似形となるように配置されている、請求項1又は2に記載の吸収体。
  4. 吸収性コアと該吸収性コアを挟むコアラップシートを備えた吸収体であって、
    前記吸収性コアは、パルプ繊維を含み吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維層と、パルプ繊維と吸水性ポリマーを含む混合層とが厚み方向に連続して形成されており、
    前記吸収性コアは、前記パルプ繊維層側の面に、線状凹部、及び該線状凹部によって該吸収性コアが複数の領域に区画化されて形成された複数の小吸収部を有しており、
    前記小吸収部は、前記線状凹部の底部に比して高坪量であり、前記混合層は、前記線状凹部の底部を介して平面方向に連続しており、
    前記小吸収部内に、該小吸収部よりも小さい、前記パルプ繊維層側の面から前記混合層側に向かって凹んだ嵌合凹部が形成され、該嵌合凹部それぞれに前記コアラップシートが陥入しており、
    前記嵌合凹部の深さが、湿潤状態における前記パルプ繊維層の厚み以上である吸収体。
  5. 吸収性コアと該吸収性コアを挟むコアラップシートを備えた吸収体であって、
    前記吸収性コアは、パルプ繊維を含み吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維層と、パルプ繊維と吸水性ポリマーを含む混合層とが厚み方向に連続して形成されており、
    前記吸収性コアは、前記パルプ繊維層側の面に、線状凹部、及び該線状凹部によって該吸収性コアが複数の領域に区画化されて形成された複数の小吸収部を有しており、
    前記小吸収部は、前記線状凹部の底部に比して高坪量であり、前記混合層は、前記線状凹部の底部を介して平面方向に連続しており、
    前記小吸収部内に、該小吸収部よりも小さい、前記パルプ繊維層側の面から前記混合層側に向かって凹んだ嵌合凹部が形成され、該嵌合凹部それぞれに前記コアラップシートが陥入しており、
    前記吸収性コアは、平面視において一方向に長い形状を有し、吸収性物品の背側部に配される長手方向の一端部、吸収性物品の腹側部に配される長手方向の他端部、吸収性物品の股下部に配される中央部とを有し、前記中央部に形成された小吸収部の嵌合凹部の深さが、前記一端部及び前記他端部に形成された小吸収部の嵌合凹部の深さより深い吸収体。
  6. 前記小吸収部に形成する嵌合凹部は、面積率が1〜30%であり、個々の面積が該小吸収部の面積の0.1〜10%である、請求項1〜の何れか1項記載の吸収体。
  7. 肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に配置された吸収体を備え、該吸収体が、請求項1〜の何れか1項記載の吸収体である吸収性物品。
  8. 前記吸収体に含まれる前記吸収性コアが、前記混合層側の面を、前記表面シート側に向けて配されている請求項7に記載の吸収性物品。
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