JP6107222B2 - 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法、および炭素繊維の製造方法。 - Google Patents

炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法、および炭素繊維の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、アクリル系前駆体繊維の製造工程(製糸工程)において高い生産性を保ちながら、品位・操業性に優れ、かつ高品質の炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を製造する方法、および炭素繊維の製造方法に関するものである。
炭素繊維は、その比強度、比弾性率が高い特徴を生かして航空・宇宙用途をはじめとしたあらゆる用途に展開されている。特にポリアクリロニトリル系前駆体繊維を出発原料とした炭素繊維は、比強度が高く加工性も優れているため広く利用される。近年、炭素繊維の需要拡大に伴い低コスト化の要望が高く、製造プロセスのさらなる高速化が求められてきている。一般的にポリアクリロニトリル系炭素繊維は、前駆体繊維を酸化性雰囲気中で220〜300℃に加熱(耐炎化処理)して耐炎化繊維に転換後、不活性雰囲気中で1000℃以上に加熱(炭素化処理)して得られるが、製造過程で単繊維同士の接着が発生すると毛羽が発生し、操業性が悪化するとともに強度低下が著しくなる。この問題を解決するため、前駆体繊維の製造工程においては、主に耐熱性・離型性に優れた各種変性シリコーンを主成分とする油剤を前駆体繊維に付与することで接着抑制を図る多数の提案がなされている。油剤は、出来るだけ少ない量で単繊維に均一に付与され油剤皮膜を形成することが理想的であり、油剤付与の際には走行する繊維を一定張力で拡幅し、繊維の束内まで油剤を速やかに浸透させることが重要であり、適切な範囲のオイル粘度から選択された油剤を繊維に付与することにより均一付与の相乗効果を高めることができる。
さらに、油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度を特定の範囲に保つことは製糸工程ならびに焼成工程での品質・操業性を高めるための重要なファクターの一つであり、膨潤度が高すぎる(糸の緻密性が低い)と油剤が単繊維内部まで浸透し、単繊維表面に付与する油剤が少なくなるため、接着が発生し操業性の悪化および炭素繊維の品質低下の懸念が生じる。また、膨潤度が低すぎる(糸の緻密性が高い)と繊維の集束性が高すぎて油剤が繊維の束内まで浸透しにくくなるため、均一に油剤を付与することが困難になる。
以下に説明する従来の技術において、これら繊維への油剤均一付与に関わる要素である繊維の糸幅、張力、油剤のオイル粘度、繊維膨潤度の観点からアプローチした技術は存在しなかった。具体的には、油剤浴中を走行するトウの間隔を、ガイドを用いて一定幅に保つことで単糸の損傷を防止し、品位・操業性向上を図ったアクリル系繊維トウの製造方法(特許文献1)、複数の繊維からなるトウに油剤を付与する際、走行するトウの幅を堰により規制する油剤付与方法(特許文献2)、または油浴中に備えた超音波発信器で油浴に振動を与えながら油剤処理する方法(特許文献3) 、多孔バスケットローラーを有するバイブロ処理機などを用いてトウ及び処理液に振動を与えながら油剤処理する方法(特許文献4)、油浴中に糸条を浸漬して油剤を付与するに際し、振動するガイドバーを糸条に接触させる方法(特許文献5)などが提案されている。
しかしながら、特許文献1、2では油剤工程に導入する繊維密度を比較的一定に保ち、隣接する繊維との混繊を防止することで繊維の損傷を防止することが可能だが、繊維張力、油剤のオイル粘度、ならびに油剤付与直前の繊維膨潤度については考慮されていないため、繊維への油剤の均一付与効果が小さく、得られる炭素繊維の品質が不十分な結果であった。また、特許文献3,4では、繊維を機械的に拡幅することで繊維の束内まで油剤が浸透しやすくなり均一付与の観点から好ましいが、油剤浴中で積極的に振動を与えるのはかえって油剤自体の安定性が低下し、油剤の粒径が大きくなるため繊維への油剤付与状態が均一でなく、油剤が過剰に付与された箇所は焼成工程での表面欠陥を生成し、炭素繊維の強度低下につながる問題が生じる。
そのほかにも、油剤槽中にネジポンプを用いて油剤圧送し、繊維束全幅に油剤を噴射する油剤付与方法(特許文献6)も提案されているが、油剤噴射の影響で隣接して走行する繊維の混繊が発生して繊維が損傷し、巻き付きや糸切れトラブルを誘発するので操業性の維持が困難である。
また、特許文献7では、アクリル繊維束に油剤処理液を接触させてから乾燥するまでの時間を規定することによって、油剤の均一付与を図る提案がなされているが、製糸速度のさらなる高速化の観点からは油剤付与後の時間を確保することは達成しがたい課題となる。
さらには、油剤を付与する直前の繊維の膨潤度が高すぎると油剤が単繊維内部まで浸透しやすく表面に付与する油剤が少なくなるため、続く乾燥工程で単繊維同士が接着し、後延伸工程で単繊維切れが発生し品位・操業性の低下を招くことになり、ひいては得られる炭素繊維の強度低下に繋がる。また逆に低すぎると、繊維の収束性が高すぎて油剤が繊維の束内に浸透しにくい問題がある。たとえば、特許文献8では、延伸後の糸条の膨潤度を一定の範囲に調整してから、水溶性シリコーン油剤を付与する提案がなされているが、繊維密度、繊維張力、油剤のオイル粘度との関係が考慮されていないため、油剤工程で隣接する糸条との混繊に伴う単糸切れが発生し、品位・操業性の維持は困難な結果であり、且つ得られる炭素繊維の品質も不十分な結果であった。
特許3891025号公報 特開2009−263817号公報 特開昭59−204914号公報 特公昭55−17132号公報 特開平1−266214号公報 特開2002−249920号公報 特開2009−215664号公報 特開昭58−214517号公報
本発明はかかる従来技術の背景に鑑み、アクリル系前駆体繊維の製造工程における油剤工程において、高い生産性を保ちながら繊維を損傷させることなく速やかに繊維の束内まで均一に油剤を付与する製造方法により、品位・操業性が良好なアクリル前駆体繊維を得て、高品質の炭素繊維を提供せんとするものである。
すなわち、本発明の目的は、繊維の損傷を抑制しながら繊維の束内まで均一に油剤付与するアクリル系前駆体繊維の製造方法を提供すること、および、高い生産性を保ちながら品位ならびに操業性に優れたアクリル系前駆体繊維、ないし高品質の炭素繊維の製造方法を提供することにある。
かかる課題を解決するため本発明は、アクリル系重合体を、乾湿式紡糸もしくは湿式紡糸法により紡出して得た繊維を、水洗・浴延伸後に油剤工程で油剤を付与するに際して、油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度が90〜230%の範囲であり、油剤工程での平均繊維密度が80〜220tex/mm、ならびに平均繊維張力が0.6〜1.3g/texの範囲であり、繊維への油剤の付与を、油剤を水分散させた水分散液を用いて行うことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法である。
また、本発明の好ましい炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法は、前記油剤の25℃におけるオイル粘度が500〜10000cStの範囲内にあり、前記水分散液が少なくとも1種のアミノ変性シリコーンを含む水分散液である。
また、本発明の炭素繊維の製造方法は、このようにして製造された炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を、酸化性雰囲気中220〜300℃で焼成おこなった後、不活性雰囲気中1000℃以上で焼成して得られる、炭素繊維の製造方法である。
本発明において、アクリル系前駆体繊維の製造工程における油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度を制御することで単繊維内部への油剤浸透を抑制し、油剤工程での平均繊維密度、平均繊維張力を一定の範囲に制御し、繊維への油剤の付与を、油剤を水分散させた水分散液を用いて行うことにより、好ましくは、前記油剤が一定のオイル粘度の範囲内にあり、前記水分散液が少なくとも1種のアミノ変性シリコーンを含むものであることにより、繊維を損傷させることなく繊維の束内まで均一に油剤を付与することが可能となり、高い生産性を保ちながら品位・操業性に優れたアクリル系前駆体繊維を得ることができる。また、本発明のアクリル系前駆体繊維を焼成することにより、高品質の炭素繊維を得ることが可能となる。
本発明者らは、高い生産性を保ちながら繊維を損傷させることなく、繊維の束内まで均一に油剤を付与する炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法について鋭意検討し、以下の着想に至った。すなわち、油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度、油剤工程を走行する繊維の繊維密度・繊維張力ならびに油剤のオイル粘度が繊維への油剤均一付与の観点から重要な要素であることを見出し、高い生産を保ちながら品位・操業性に優れた高品位のアクリル系前駆体繊維を得ることを可能としたのである。
ここで、本発明の炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造に用いられるアクリル系重合体は、アクリロニトリルを主成分とする重合体であり、アクリロニトリルを90質量%以上99.9質量%以下と、アクリロニトリルと共重合可能な単量体とを共重合したアクリル系共重合体が好ましく用いられる。アクリロニトリルと共重合可能な単量体のうち好ましいものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、およびそれらのアルカリ塩やアンモニウム塩、ヒドロキシエチルアクリロニトリル等があげられ、さらにアクリル酸メチルなどの第3成分を含むことも可能である。アクリル系重合体におけるアクリロニトリル共重合比率を90質量%以上とすることによって、焼成工程での繊維の減量率が大きくなりすぎたり、耐熱性が低下したりすることによる、生産性低下を防ぐことが出来る。また、99.9質量%以下とすることによって、アクリル系前駆体繊維の延伸性の低下を防止し良好なプロセス性を確保することが出来る。
かかるアクリル系重合体は、有機や無機の溶媒に溶解した状態で紡糸原液として調製される。紡糸原液の安定性の観点から、溶媒としてはジメチルアセトアミド(DMAc)やジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒が好ましく使用される。かかる紡糸原液を用いて紡糸する方法として、本発明では、湿式または乾湿式紡糸により凝固浴に導入し繊維化する方法を用いる。凝固浴から引き出された繊維は、凝固溶媒を水洗した後に温水または熱水中で所望の倍率で延伸するか、温水または熱水中で所望の倍率で延伸した後に水洗され、油剤工程へと導入される。
本発明においては、油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度は90〜230%の範囲にあることが、繊維の束内まで均一に油剤を付与し、高品質の炭素繊維を得るために必要であり、さらに好ましい範囲としては120〜200%の範囲である。繊維膨潤度を230%以下とすることによって、油剤を付与した際に油剤が単繊維中に浸透し単繊維表面に付与する油剤が少なくなることで派生する乾燥工程での単繊維接着を防ぎ、品質・品位・操業安定化の効果が高い。また、膨潤度を90%以上とすることによって、付与される油剤との親和性を確保し、かつ繊維膨潤度を低下させすぎることで発生する浴延伸工程での単繊維間接着を抑制することが出来る。これらは、重合体の共重合組成、分子量、溶媒種類、重合体粘度、油剤付与時の単繊維繊度を設定して、延伸温度、倍率を調整することによって設定が可能である。ここにおいて、油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度は90〜230%の範囲であって、紡糸直後から延伸するに従い、一旦繊維膨潤度を増加させた後、減少に応じた時点にあることが好ましい。繊維膨潤度を延伸の進行によって、一旦増加させたのち230%以下にすることによって、繊維の束内に含まれる水と油剤の置換がスムーズにおこなわれるので、良好な油剤の均一付与性を確保することが出来る。つまり、繊維膨潤度が一旦増加する前、230%になった時点で油剤付与をおこなっても、単繊維間接着などの問題によって得られる前駆体繊維の品位や操業性がやや低下する傾向がある。なお、本発明における繊維膨潤度とは、以下の測定方法で求められる。
油剤工程に導入する直前の繊維を約10gサンプリングし、12〜16hr水洗する。次に遠心脱水機(たとえばコクサン株式会社製 H−110A)にて3000rpmで3分間脱水し脱水後の繊維重量を求める。その後、脱水後のサンプルを105℃で温調された乾燥機で2.5hr乾燥し、乾燥後の繊維重量を求め下記式により繊維膨潤度を算出する。
式:繊維膨潤度(%)=((脱水後の繊維重量―乾燥後の繊維重量)/乾燥後の繊維重量))×100。
また、本発明において油剤工程に導入される繊維は、先の浴延伸工程や水洗工程で一定量の水分を含んだ膨潤状態にあり、油剤が付与された際に繊維の束内に含まれる水から油剤への置換がスムーズにおこなわなければ油剤の均一付与を図ることは困難であり、高速化してさらに速度が上がれば油剤工程での処理時間は減少し、より繊維の束内への油剤の浸透が難しくなる。この問題を解消するために、繊維密度を下げる、つまり糸幅を極力広げると繊維の束内まで油剤が浸透しやすくなるが、単に油剤工程での繊維の延伸比を弛緩サイドに下げて糸幅を広げようとすると、走行する繊維が蛇行したり、繊維張力が低くなりすぎたりして、集束性が損なわれ、毛羽などが生じやすくなり品位が低下する問題がある。これらを防ぐために、隣接する繊維との間にガイド等を挿入する方法もあるが、機幅が長くなり装置の大型化が避けられない等の課題を生じることもある。逆に擦過効果を高めようと張力を高く設定しすぎれば、ガイド等との擦過力が過多となり、やはり毛羽などを生じることで品位が低下する問題があった。
そこで本発明においては、油剤工程を走行する繊維の平均繊維密度を80〜220tex/mmの範囲に設定し、走行する繊維の平均繊維張力を0.6〜1.3g/texとすることが必要である。より好ましい範囲としては、平均繊維密度が90〜210tex/mmであり、かつ平均繊維張力が0.8〜1.1g/texの範囲である。平均繊維密度を80tex/mm以上とすることにより、少ないスペースで同時に高密度の繊維を処理することができ、220tex/mm以下とすることにより、繊維の束内への油剤浸透性を確保することが出来る。また、平均繊維張力は0.6g/tex以上とすることにより、油剤工程を走行する繊維の糸道を安定させ、隣接する繊維との混繊を防ぐことで、品位・操業性を保つことが可能になり、1.3g/tex以下とすることにより、繊維の束内への浸透性を確保するとともに、繊維の擦過傷や、毛羽の発生を防ぐことが可能となる。
ここで、平均繊維密度とは、油剤工程の入りと出における糸幅を繊度で割り返した単純平均値で測定されるものであり、平均繊維張力とは油剤工程の入りと出における張力の単純平均値で測定されるものである。
本発明における油剤工程において、油剤成分を水に分散させた水溶性エマルジョン、乳化剤を用いたエマルジョン、ならびにシリコーン油剤と非シリコーン油剤を混合したエマルジョンなどを走行する繊維に付与する。油剤を付与する方法としては特に限定されないが、例えば前記した特許文献で述べた多孔バスケットローラーを有するバイブロ処理機などを用いてトウ及び処理液に振動を与えながら油剤処理する方法や、油浴中に糸条を浸漬して油剤付与する方法が挙げられる。この中でも繊維の束内部まで均一に油剤を速やかに行き渡らせる効果があるので、油浴中に糸条を浸漬して油剤付与する方法(ディップ方式)が好ましい。ディップ方式としては、油剤槽内にジグザグに配置されたガイドバーを介して繊維を走行させながら付与させることで、安定した糸道で繊維同士の混繊による毛羽などの発生を防ぎ、繊維内部まで油剤の浸透を図ることができるのでさらに好ましい。このときガイドバーの本数は特に限定されないが、好ましくは等間隔に3本以上、さらに好ましくは5〜7本の奇数本あるのがさらに好ましい。材質も特に限定されないが、ステンレスのクロムメッキしたものを鏡面や梨地に仕上げたものや、平滑に仕上げたセラミックス、繊維に傷が付かないよう“テフロン(登録商標)”などでコートされたものが使用できる。また、多孔バスケットローラーを有するバイブロ処理機などを用いて繊維を振動させ、束内部への油剤浸透を機械的におこなっても良い。
本発明で使用する油剤は、炭素繊維製造プロセスにおける熱処理によって単繊維同士が接着し、強度低下の支配因子となる表面欠陥の発生を抑制する効果を達成できるのであれば特に限定されない。本発明の油剤工程で用いる油剤としては、例えばアルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンなどのシリコーン油剤や、例えばステアリン酸メチル、オレイン酸メチルなどの脂肪酸エステル、さらに例えばラウリルアルコール、セチルアルコールなどの高級アルコール、例えばパルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、例えば高級アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステルなどの硫酸エステル、例えばスルホン化炭化水素、アルキルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、例えばアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルなどのリン酸エステル、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル誘導体、例えばポリエチレングリコールアルキルエステル、ゾルビタンアルキルエステル、グリセリンアルキルエステルなどのエステル誘導体、例えばアルキルアミン酸中和物、アルキルアシドアミン酸中和物などの第三級カチオン、さらには第四級カチオン系界面活性剤、パラフィン、鉱物油等を使用することができ、これらは単独または組み合わせて使用することができる。
この中でもより好ましくは、基本骨格にシロキサン結合(−SiO−)を有するシリコーン系油剤が好ましく、このケイ素原子に結合する基は、水素原子および/または炭素数1〜3のアルキル基やフェニル基、またはこれらのアルコキシ基などが挙げられる。これらの中で特にジメチルシロキサンが基本骨格として好ましい。また、繊維への均一付与という観点からは、繊維への油剤の付与を、油剤を水に分散させた水分散液で行うことが好ましく、この中でも水分散液としての長期安定性の観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの乳化剤を用いた水系エマルションがより好ましい。
また、本発明において、繊維に付与する油剤は、25℃におけるオイル粘度が500〜10000cStの範囲内であることが好ましく、また、用いられる水分散液が、少なくとも1種のアミノ変性シリコーンを含むものであることが好ましい。さらに好ましくは、油剤にエポキシ変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを混合しても良く、その場合は混合したときのオイル粘度が上記の範囲内であることが好ましい。本発明ではオイル粘度を10000cSt以下とすることによって、繊維の束内まで油剤が入りやすくなり、均一な油剤皮膜を形成させる観点から好ましい。さらに粘度を500cSt以上とすることによって、油剤が単繊維の内部まで浸透し、繊維表面に付与する油剤が少なくなることで派生する乾燥工程での単繊維間接着を抑制し、品位・操業性の低下を抑制することが可能となる。さらに好ましい範囲としては、1000〜7000cStである。
なお、本発明に用いる油剤の25℃におけるオイル粘度とは、オイル単成分、または単成分を混合させた粘度のことであり、オイル温度が25℃の試料をキャノンフェンスケ粘度計に入れてガラス管中の落下速度から粘度を算出する。
また、油剤工程における繊維走行速度は30m以上であることが好ましい。ここで定義する繊維走行速度とは、アクリル系前駆体繊維の製造過程で油剤を付与する工程での平均速度であり、最終の巻取速度とは直接の関係はない。糸の繊度や配向度を所望の範囲とするために、延伸倍率を決定したとき、その範囲では油剤工程における繊維走行速度は、全体の繊維の生産性に直接関係してくる。例えば繊維走行速度が49m/分のときの生産性は、25m/分のときの生産性と比べほぼ速度比に比例した1.9倍程度の生産性を有する。繊維走行速度を30m/分以上とすることによって、高い生産性を確保しながら良好な品位と強度ポテンシャルの高い前駆体繊維を得ることができ、それを焼成することによって高品質な炭素繊維を製造することができる。より好ましい範囲は40m/分以上である。
以上の製造方法により油剤付与した繊維は、続く乾燥工程にて速やかに乾燥されるのが良い。乾燥の方法は特に限定されないが、複数のサクションドラムドライヤーや加熱ローラーに直接接触させる方法が好ましく用いられる。乾燥温度は、単繊維同士が接着しない範囲で高く設定できる。具体的には、130〜200℃が好ましく、さらに好ましくは160〜200℃である。乾燥温度を200℃以下に抑えることにより、単繊維同士の接着を抑制し、続く後延伸工程での単繊維切れやローラー巻き付きを低減することができる。また、乾燥温度を130℃以上でおこなうことにより、サクションドラムドライヤーや加熱ローラーの数を少なくすることが可能でコスト的に好ましい。
また、繊維への加熱状態が均一になるよう、繊維はできるだけ拡幅した状態でローラーに接触させるのが良い。乾燥された繊維は、好ましくは続く後延伸工程にて毛羽が発生しない程度に駆動ロールの延伸倍率を調整し、加圧蒸気中で2倍以上に延伸をおこない、アクリル系前駆体繊維を得る。
本発明で製造されるアクリル系前駆体繊維は、単繊維本数が1000〜100000のものであることが好ましく、油剤工程における単繊維本数は500〜60000であることがより好ましい。必要に応じて油剤付与後から巻取の間に合糸して最終のアクリル系前駆体繊維を得る。アクリル系前駆体繊維の単繊維の繊度は、0.4〜1.5dtexであることが好ましく、0.6〜1.3dtexであることがさらに好ましい。
このようにして得られたアクリル系前駆体繊維を焼成することにより、炭素繊維を製造することができる。具体的には、前駆体繊維を空気などの酸化性雰囲気中で220〜300℃に加熱して耐炎化処理をおこなう。処理温度は低温から高温に向けて複数段階に分けて昇温するのが耐炎化繊維を得る上で好ましく、さらに毛羽の発生を伴わない範囲で高い延伸比で繊維を延伸するのが、炭素繊維の性能を十分に発現させる上で好ましい。次いで得られた耐炎化繊維を窒素などの不活性雰囲気中で1000℃以上に加熱することにより、炭素繊維を製造する。その後、電解質水溶液中で陽極酸化おこなうことにより、炭素繊維表面に官能基を付与し樹脂との接着性を高めることが可能となる。また、エポキシ樹脂等のサイジング剤を付与し耐擦過性に優れた炭素繊維を得ることが好ましい。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
<繊維膨潤度>
油剤工程に導入する直前の繊維を約10gサンプリングし、12〜16hr水洗する。次に遠心脱水機(たとえばコクサン株式会社製 H−110A)にて3000rpmで3分間脱水し脱水後の繊維重量を求める。その後、脱水後のサンプルを105℃で温調された乾燥機で2.5hr乾燥し、乾燥後の繊維重量を求め下記式により繊維膨潤度を算出する。
式:繊維膨潤度(%)=((脱水後の繊維重量―乾燥後の繊維重量)/乾燥後の繊維重量))×100
<品位判定>
アクリル系前駆体繊維を巻き上げた製品パッケージの外観(製品端面を5cm厚み、製品表面を20cm幅に換算した毛羽・毛玉個数の合計)の目視判定。判定基準は下記の通り。
◎判定=毛羽もしくは毛玉個数が0〜1個
○判定=毛羽もしくは毛玉個数が2〜5個
△判定=毛羽もしくは毛玉個数が6〜10個
×判定=毛羽もしくは毛玉個数が11個以上。
<炭素繊維ストランド強度>
炭素繊維のストランド強度は、炭素繊維に下記組成の樹脂を含浸させ130℃に温調した熱風循環式オーブン中で35分間硬化させて得られるストランドをJIS R 7601:1986に準じて引張試験することにより求めた。
・CELLOXIDE 2012P:100質量部
(株)ダイセル
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(BF3・MEA):3質量部
・アセトン:4質量部。
<品質判定>
上記の測定方法により、得られたストランド引張強度の最大値を100とし相対的に指数評価おこなった判定基準は下記の通りである。
◎判定=90を超える
○判定=80を超え、90以下
△判定=70を超え、80以下
×判定=70以下。
<総合判定>
品位、およびCF物性における総合判定結果は下記の通りである。
◎判定=合格(品位・CF物性の両方が満足できるレベル)
○判定=合格(品位もしくはCF物性が満足できるレベル)
△判定=不合格(品位もしくはCF物性いずれかが不満足なレベル)
×判定=不合格(品位・CF物性の両方が不満足なレベル)。
(実施例1〜8)
ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により、アクリロニトリル99.5質量%とイタコン酸0.5質量%からなるポリアクリロニトリルを得た後、乾湿式紡糸法により40質量%ジメチルスホキシド水溶液からなる凝固浴中へ紡出し、続く水洗工程にて繊維を水洗後、浴延伸工程にて延伸をおこなった。このとき、繊維膨潤度は、延伸するに従い一旦増加後減少に転じ、油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度は130%であった。続く油剤工程では25℃におけるオイル粘度が5000cStのアミノ変性シリコーン油剤を濃度が3.0質量%となるように純水で希釈して調整をおこなった。油剤工程へ導入する繊維走行速度を49m/分と設定し、走行する平均繊維密度ならびに平均繊維張力は、表1の通り設定し油剤浴中に繊維を浸漬した。その後、油剤浴から出た繊維をニップロールにて余剰油水分を絞り乾燥工程へと導入した。続く乾燥工程では、160℃に温調した加熱ローラーを用いて乾燥処理をおこなった。続く後延伸工程にて加圧スチーム中で2倍に延伸し、単繊維繊度0.1tex、単繊維本数3000本のアクリル前駆体繊維を得た。その後、焼成工程にてアクリル前駆体繊維を空気中240〜280℃の耐炎化炉内を駆動ロールで搬送しながら焼成し耐炎化繊維に転換した。さらに不活性雰囲気中300〜800℃の前炭化炉内を駆動ロールで搬送して予備炭化した後、不活性雰囲気中の最高温度1500℃の炭化炉内を駆動ロールで搬送しながら焼成をおこない炭素繊維を得た。実施例1で得られた前駆体繊維の品位は良好であり、かつ炭素繊維のストランド強度に優れる良好なものであった。また実施例2〜8についても、表1に示す条件を適用して、高品位の前駆体繊維を得ることが可能となり、かつストランド強度に優れた高品位の炭素繊維を得た。
(実施例9、10)
油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度を浴延伸工程の浴温度、延伸倍率により調整し表1のとおりとした以外は実施例1と同様の製造方法により繊維を油剤工程へ導入した。その結果、表1に示すように高品位の前駆体繊維を得ることが可能となり、かつストランド強度に優れた高品位の炭素繊維を得た。
(実施例11、12)
油剤の25℃におけるオイル粘度を表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様の製造方法により繊維を油剤工程へ導入した。その結果、表1に示すように高品位の前駆体繊維を得ることが可能となり、かつストランド強度に優れた高品位の炭素繊維を得た。
(実施例13〜15)
油剤工程での繊維走行速度を変えて油剤浴に導入する以外は、実施例1と同様の製造方法により繊維を油剤工程へ導入した。その結果、表1に示すように高品位の前駆体繊維を得ることが可能となり、かつストランド強度に優れた高品位の炭素繊維を得た。
(比較例1〜6)
油剤工程を通過させる際の平均繊維密度ならび平均繊維張力以外は実施例1〜8と同様の製造方法にて前駆体繊維ならびに炭素繊維を得た。その結果、表1に示すように前駆体繊維の品位が悪化。得られた炭素繊維のストランド強度も不満足な結果であった。
(比較例7、8)
油剤の25℃におけるオイル粘度を表1の通り変更した以外は、実施例1と同様の製造方法にて油剤工程へ繊維を導入した。その結果、表1に示すように前駆体繊維の品位が悪化し、得られた炭素繊維のストランド強度も不満足な結果であった。
(比較例9、10)
油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度を浴延伸温度・延伸倍率により調整し表1のとおりとした以外は、実施例1と同様の製造方法により繊維を油剤工程へ導入した。その結果、表1に示すように前駆体繊維の品位が悪化し、得られた炭素繊維のストランド強度も不満足な結果であった。
(比較例11)
油剤工程での繊維走行速度を変えて油剤浴に導入する以外は、比較例4と同様の製造方法により繊維を油剤工程へ導入した。その結果、表1に示すように前駆体繊維の品位が悪化し、得られた炭素繊維のストランド強度も不満足な結果であった。
Figure 0006107222

Claims (3)

  1. アクリル系前駆体繊維を製造する方法において、アクリル系重合体を、乾湿式紡糸もしくは湿式紡糸法により紡出して得た繊維を、水洗・浴延伸後に油剤工程で油剤を付与するに際して、油剤工程に導入する直前の繊維膨潤度が90〜230%の範囲であり、油剤工程での平均繊維密度が80〜220tex/mm、ならびに平均繊維張力が0.6〜1.3g/texの範囲であり、繊維への油剤の付与を、油剤を水分散させた水分散液を用いて行うことを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法。
    なお、繊維膨潤度は下記式で算出される。
    式:繊維膨潤度(%)=((脱水後の繊維重量―乾燥後の繊維重量)/乾燥後の繊維重量))×100
  2. 前記油剤の25℃におけるオイル粘度が500〜10000cStの範囲内にあり、前記水分散液が少なくとも1種のアミノ変性シリコーンを含む水分散液である、請求項1記載の炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法で得られる炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を、酸化性雰囲気中220〜300℃で焼成おこなった後、不活性雰囲気中1000℃以上で焼成して得られる、炭素繊維の製造方法。
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