JP6105947B2 - 保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品 Download PDF

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Description

本発明は、新規な保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品に関する。
例えば、使い捨て紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品には、***物、体液等を吸収するための吸収体が使用されている。前記吸収体は、一般的には、吸収材及びそれを保持する透水性部材(パルプ繊維等)から構成されている。そして、吸収材として、高吸水性ポリマーが多用されている。
ところが、高吸水性ポリマーは、自重の数十倍から数千倍の水を吸収・保水できる能力をもっているものの、尿のような多量のイオンが含まれている液体に対しての保水性が十分ではない。このため、保水性を高めるため、多糖類等の増粘剤を併用する方法が提案されている。
例えば、「アクリル酸系重合体を一成分とし、グァーガム、アルギン酸塩、及びザンサンガムから選ばれる1種又は2種以上の物質を他の成分として、これらの二成分を混合してなる吸収材」が知られている(特許文献1)。
また例えば、「多価金属イオンの存在下で増粘し得る多糖類を含有し、且つ該多糖類が体液又は***物中の水分中に溶解又は解離し得る状態で存在している、体液又は***物の増粘処理物品」が知られている(特許文献2、特許文献3)。
特開昭52−59651 特開2000−201976 特開2010−148923
しかしながら、これらの従来技術では、吸収開始時より吸収速度の明確な低下が起こり、それが時間の経過とともにより著しく低下するという問題が生じる。他方、吸収速度の低下を抑えるべく、増粘剤の物性又はその添加量を変えると、逆に十分な保水性が得られなくなるという問題が生じる。
従って、本発明は、著しい吸収速度の低下を抑えつつ、優れた保水性を発現させることができる保水助剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記保水助剤を含む吸収材及び吸収体を提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の成分を含む組成を採用することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品に係る。
1. 液体を吸収するための吸収体に含まれる保水助剤であって、
(1)前記保水助剤がキサンタンガム及び重量平均分子量(Mw)2700000Daltons以上であるグァーガムを含む粒子を含有し、
(2)前記グァーガム100重量部に対して前記キサンタンガム0.6〜10重量部を含み、
(3)前記粒子の強度が4000g/mm以上であり、
(4)前記粒子が、グァーガム粉末の粒子どうしがキサンタンガムによって結合してなる造粒物であり、
(5)前記粒子の平均粒子径が160〜850μmである、
ことを特徴とする保水助剤。
2. 前記粒子の粒度分布が、粒子径160μm未満の粒子が0〜10重量%であり、粒子径160〜850μmの粒子が90〜100重量%であり、粒子径850μmを超える粒子が0〜10重量%である、前記項1に記載の保水助剤。
3. 前記項1又は2に記載の保水助剤及び吸水性材料を含む吸収材。
4. 吸水性材料100重量部に対して前記項1又は2に記載の保水助剤が1〜10重量部含まれる、前記項3に記載の吸収材。
5. 前記項1又は2に記載の保水助剤を含む吸収体。
6. 1)保水助剤を含み、吸水性材料を含まない領域と、2)保水助剤を含まず、吸水性材料を含む領域とを有する、前記項5に記載の吸収体。
7. 前記項5又は6に記載の吸収体を含む吸収性物品。
8. ヒト又は動物の体液、血液、***物又は分泌物を吸収するために用いられる、前記項7に記載の吸収性物品。
9. キサンタンガムを溶媒に溶解させた溶液の存在下で、グァーガム粉末を含む原料粉末を造粒する工程を含む、前記項1に記載の保水助剤の製造方法。
10. 保水助剤及び吸収性材料を含む多層構造体を製造する方法であって、1)保水助剤及び/又は吸水性材料を透水性部材に配置する工程及び2)その上から、透水性部材を1層又は2層以上積層する工程を含む一連の工程を1回以上実施する、前記項5に記載の吸収体の製造方法。
本発明によれば、著しい吸収速度の低下を抑えつつ、優れた保水性を発揮する保水助剤を提供することができる。特に、本発明では、吸収速度の低下の原因の一つが、使用時における保水助剤の粒子の崩壊・溶解にあることを突き止めた上で、キサンタンガムを実質的にバインダーとして用い、特定のグァーガム粒子どうしを強固に結合・凝集させることによって調製された高い粒子強度をもつ造粒物(顆粒)を保水助剤として採用したものである。
このような特徴をもつ保水助剤は、液体(特に水又はそれを溶媒とする液体、例えばヒト、動物等の体液、血液、***物、分泌物等)を吸収するための吸収性物品、例えば使い捨て紙おむつ、生理用ナプキン、布おむつ用ライナー、パンティライナー、失禁パッド、外科用血液吸収材等の用途に好適である。
図1(a)及び(b)は、実施例1において、吸収体を作製する手順を示す概略図である。図1(a)は、透水性部材を上から積層する前の状態を示す。図1(b)は、透水性部材を積層した状態を示す。 図2(a)及び(b)は、実施例1で作製された多層構造からなる積層体及び吸収体の層構造を示す模式図である。図2(a)は、プレスする前の積層体を示す。図2(b)は、積層体をプレスして得られた吸収体を示す。 図3(a)及び(b)は、比較例1において、吸収体を作製する手順を示す概略図である。図3(a)は、透水性部材を上から積層する前の状態を示す。図3(b)は、透水性部材を積層した状態を示す。 図4(a)及び(b)は、比較例1で作製された多層構造からなる積層体及び吸収体の層構造を示す模式図である。図4(a)は、プレスする前の積層体を示す。図4(b)は、積層体をプレスして得られた吸収体を示す。 図5(a)〜(c)は、本発明の吸収体の平面構造の具体例を示す模式図である。
1.保水助剤及びその製造方法
(1)保水助剤
本発明の保水助剤(以下「本発明保水助剤」ともいう。)は、液体を吸収するための吸収体に含まれる保水助剤であって、
(1)前記保水助剤がキサンタンガム及び重量平均分子量(Mw)2700000Daltons以上であるグァーガム(以下、単に「グァーガム」という。)を含む粒子を含有し、
(2)前記グァーガム100重量部に対して前記キサンタンガム0.6〜10重量部を含み、
(3)前記粒子の強度が4000g/mm以上である、
ことを特徴とする。
本発明保水助剤は、グァーガム及びキサンタンガムを含む粒子を含有する。グァーガム及びキサンタンガムの合計量が本発明保水助剤中に占める割合は特に制限されないが、通常は80〜100重量%、特に95〜100重量%、さらには実質的に100重量%とすることが望ましい。
本発明保水助剤では、1つの粒子中にグァーガム及びキサンタンガムを含むことが好ましい。特に、1つの粒子中に両成分が均一に分布していることが好ましい。このような構成をとることによって、高い粒子強度をより確実に得ることができる。
本発明で用いるグァーガムは、特に重量平均分子量(Mw)が2700000Daltons以上であり、好ましくは2700000〜3300000Daltonsである。このような範囲内にあるグァーガムを用いることによって、優れた保水性等を得ることができる。このような重量平均分子量を有するグァーガム自体は公知又は市販のものを使用することができる。また、グァーガムは、後記の実施例で示す吸収倍率が25g/g以上、特に25g/g〜40g/gであることが望ましい。このような範囲に設定することによってよりいっそう優れた保水性を得ることができる。
キサンタンガムは、特にその種類(分子量、分子構造等)、製造方法(合成条件、培地・由来等)等は限定的でなく、公知又は市販のものをいずれも使用することができる。
グァーガム及びキサンタンガムの含有割合は、上記の所定の粒子強度が得られる限りは特に制限されないが、通常はグァーガム100重量部に対してキサンタンガム0.6〜10重量部とし、特にグァーガム100重量部に対してキサンタンガム1〜5重量部とすることが望ましい。上記範囲内に設定することによって、高い粒子強度等をより確実に得ることができる。
上記粒子は、本発明の効果を妨げない範囲内で他の成分が含まれていても良い。例えば、グァーガム及びキサンタンガム以外の多糖類(例えばグルコマンナン、カラギナン、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、プルラン等)、セルロース系化合物(例えばヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、メチルセルロース等)のほか、抗菌剤、吸着剤、pH調整剤、安定化剤、抗炎症剤、着色料、香料等の公知の添加剤が挙げられる。これらの他の成分は、上記粒子中に含まれていても良いが、その一部又は全部が粒子外に存在していても良い。特に、これらの他の成分も上記粒子中に含まれることが好ましい。
本発明保水助剤における上記粒子の粒子強度は4000g/mm以上、好ましくは7000g/mm以上である。このように極めて高い粒子強度を有することにより、使用時の粒子の崩壊・溶解を効果的に抑制ないしは防止できる結果、著しい吸収速度の低下を抑えつつ、優れた保水性を得ることが可能となる。なお、粒子強度の上限は特に限定的ではないが、上記効果をより確実に得るという見地より、16000g/mm程度とすることが望ましい。
本発明保水助剤の形態は特に限定されないが、一般的には顆粒状(粉末状)の形態で提供されることが望ましい。顆粒状の場合、その粒子径は適宜変更することができるが、通常は粒度分布が粒子径160μm未満の粒子が0〜10重量%であり、粒子径160〜850μmの粒子が90〜100重量%であり、粒子径850μmを超える粒子が0〜10重量%であることが望ましい。特に、粒子径180μm未満の粒子が0〜10重量%であり、粒子径180〜850μmの粒子が90〜100重量%であり、粒子径850μmを超える粒子が0〜10重量%であることがより望ましい。また、平均粒子径は、限定的ではないが、160〜850μm程度、特に200〜850μmとすることが好ましい。
特に、本発明保水助剤において、上記粒子は、グァーガム粉末の粒子どうしがキサンタンガムによって結合してなる造粒物であることが好ましい。すなわち、キサンタンガムがバインダー(結合剤)として役割を果たすとともにグァーガム粉末の粒子の一部が溶解することによって、グァーガム粒子表面の一部又は全部を被覆したキサンタンガム溶液(水溶液)を介して別のグァーガム粒子が結合する現象を繰り返す結果、所定の造粒物となると考えられる。従って、例えば、キサンタンガムを溶媒に溶解させた溶液の存在下で、グァーガム粉末を含む原料粉末を造粒することによって得られる造粒物を本発明保水助剤として好適に用いることができる。この場合、原料粉末には、キサンタンガム粉末は含まれていても良いし、含まれていなくても良い。これらの製造方法は、後記(2)において詳述する。上記のような粒子構造を有することにより、前記のような著しく高い粒子強度をより確実に実現することが可能となる。
本発明保水助剤は、液体を吸収するための吸収体に用いられる。例えば、ヒト、動物等の体液、血液、***物、分泌物等を吸収するための吸収性物品に好適に用いることができる。
(2)保水助剤の製造方法
本発明保水助剤の製造方法としては限定的ではないが、グァーガム及びキサンタンガムを用い、少なくともキサンタンガムが溶解するような条件下、グァーガム及びキサンタンガムを含む粒子を造粒する工程を含む製造方法によって本発明保水助剤を好適に製造することができる。例えば、1)キサンタンガムを溶媒に溶解させた溶液の存在下で、グァーガム粉末を含む原料粉末を造粒する工程を含む製造方法(第1方法)、2)キサンタンガム粉末及びグァーガム粉末を含む原料粉末に対し、グァーガム及びキサンタンガムを溶解できる溶媒の存在下で、前記原料粉末を造粒する工程を含む製造方法(第2方法)等によって好適に製造することができる。すなわち、前記(1)で説明した通り、特にキサンタンガムをバインダー(結合剤)として作用させることによって、極めて高い粒子強度を有する造粒物(保水助剤粒子)を好適に得ることができる。
第1方法
第1方法は、前記の通り、キサンタンガムを溶媒に溶解させた溶液の存在下で、グァーガム粉末を含む原料粉末を造粒する工程を含む製造方法である。
造粒方法としては、上記工程を実施できる方法であれば特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、圧縮成型法、振動成型法、圧力スイング法、真空成型法等のいずれであっても良い。また、造粒に際しては、公知又は市販の造粒装置を用いて実施することができる。これらの造粒方法の中でも、本発明では、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法等によって好適に造粒することができる。
造粒は、上記のように、キサンタンガムを溶媒に溶解させた溶液の存在下で実施することが望ましい。例えば、原料粉末に対して上記溶液を噴霧しながら造粒する方法を採用することができる。
上記溶液は、キサンタンガムを溶媒に溶解させることによって調製することができる。溶媒は、グァーガム及びキサンタンガムを溶解させるものであれば特に限定されない。このような溶媒としては、水又は水系溶媒を好適に用いることができる。水系溶媒としては、水と水溶性有機溶媒(エタノール等)の混合液を例示することができる。
本発明では、特に水を溶媒として用いることがより好ましい。このような溶媒を用いることによって、グァーガム粉末の粒子を固体として維持したまま、キサンタンガム溶液がバインダーとしての役割を果たすことによって所望の高強度の造粒物を調製することができる。
上記溶液のキサンタンガム濃度は特に制限されないが、通常は0.1〜100g/L、特に0.1〜10g/Lとすることが好ましい。また、キサンタンガム溶液の配合割合は、グァーガム100重量部(固形分)に対して前記溶液35重量部以上とすることが好ましく、より好ましくは50〜150重量部、さらに好ましくは100〜125重量部を用いる。これによっていっそう効率的に造粒物を調製することが可能となる。
造粒は、前記の所定の粒子径となるように制御することが好ましい。すなわち、粒度分布として、粒子径160μm未満の粒子が0〜10重量%であり、粒子径160〜850μmの粒子が90〜100重量%であり、粒子径850μmを超える粒子が0〜10重量%であることが望ましい。特に、粒子径180μm未満の粒子が0〜10重量%であり、粒子径180〜850μmの粒子が90〜100重量%であり、粒子径850μmを超える粒子が0〜10重量%であることがより望ましい。また、平均粒子径は160〜850μm程度、特に200〜850μmとすることが好ましい。上記のような粒度分布に制御するために、造粒後は、公知の方法に従って、例えば乾燥、分級、コーティング等の処理を必要に応じて実施することもできる。
第2方法
第2方法は、前記の通り、キサンタンガム粉末及びグァーガム粉末を含む原料粉末に対し、グァーガム及びキサンタンガムを溶解できる溶媒の存在下で、前記原料粉末を造粒する工程を含む製造方法である。
造粒方法は、所定割合に調節されたキサンタンガム粉末及びグァーガム粉末を含む原料粉末を用い、溶媒としてグァーガム及びキサンタンガムを溶解できる溶媒を用いるほかは、第1方法と同様にして造粒すれば良い。
原料粉末としては、キサンタンガム粉末及びグァーガム粉末を含む原料粉末を用いる。例えば、両粉末を乾式で混合して得られる混合粉末を好適に用いることができる。
グァーガム及びキサンタンガムを溶解できる溶媒としては、例えば第1方法で挙げた溶媒と同様のものを使用することができる。すなわち、水又は水系溶媒を好適に用いることができる。水系溶媒としては、水と水溶性有機溶媒(エタノール等)の混合液を例示することができる。
2.吸収材
本発明は、本発明保水助剤及び吸水性材料を含む吸収材(以下「本発明吸収材」ともいう。)を包含する。従って、本発明は、本発明保水助剤及び吸水性材料を含む吸収性組成物を包含する。
本発明吸収材は、本発明保水助剤のほか、吸水性材料等が含まれている。吸水性材料としては、吸水性高分子を好適に用いることができる。吸水性高分子としては、例えば公知又は市販の高吸水性ポリマーを好適に使用することができる。より具体的には、例えばポリアクリル酸塩系ポリマー、デンプン−アクリル酸塩グラフトポリマー、酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール系、CMC系等を挙げることができる。これらは、一般的には、粉末状、細粒状、顆粒状、繊維状等の形態で使用することができる。
吸水性材料を使用する場合、本発明保水助剤と吸水性材料との含有割合は、用いる吸水性材料の種類、所望の保水性等に応じて適宜設定することができるが、一般的には吸水性材料100重量部に対して本発明保水助剤1〜10重量部、特に2.5〜7.5重量部、さらには3〜7重量部とすることが好ましい。かかる範囲内において、所望の吸収速度を維持しながらも、よりいっそう優れた保水性を得ることができる。
本発明吸収材では、本発明保水助剤及び吸収性材料がどのようなかたちで吸収体に含まれていても良い。例えば、本発明保水助剤の粉末と吸収性材料の粉末との混合粉末であっても良いし、本発明保水助剤と吸収性材料を含む材料を造粒して得られた造粒物であっても良い。
本発明吸収材には、本発明の効果を妨げない限りは、本発明保水助剤及び吸水性材料のほかにも、前記で示したような添加剤が必要に応じて含まれていても良い。
3.吸収体
本発明は、少なくとも保水助剤が透水性部材に保持(又は固定)されてなる吸収体を包含する。従って、本発明の吸収体としては、例えば、1)保水助剤及び吸水性材料を含む吸収材が透水性部材に保持されてなる吸収体、2)保水助剤を含む材料と吸水性材料を含む材料とが別々に透水性部材に保持されてなる吸収体等のいずれも包含する。
前記1)の吸収体としては、例えば保水助剤及び吸水性材料を含む混合物が透水性部材に保持(固定)されているもの等が挙げられる。前記2)の吸収体としては、例えば保水助剤を含む材料と吸水性材料を含む材料とが透水性部材又はそれ以外の材料で隔離された状態で透水性部材に保持(固定)されているもの等が挙げられる。
吸収体で使用される透水性部材としては、一部又は全部が多孔質材料で構成されている部材を好適に用いることができる。多孔質材料としては、水又は水を溶媒(媒体)とする液体を透過させる材料であれば良く、例えば繊維質シート、多孔性高分子シート等を好適に用いることができる。繊維質シートとしては、不織布、織布等のいずれであっても良い。また、繊維質シートを構成する繊維としては、フラッフパルプ等の天然繊維のほか、合成繊維を使用することもできる。多孔性高分子シートとしては、例えば多孔性合成樹脂シート等を用いることができる。これらは、公知又は市販の吸収体で使用されている材料を使用することもできる。本発明では、特に天然繊維(好ましくはフラッフパルプ)から構成されるフラッフパルプ積層体を好適に用いることができる。
保水助剤等を保持する手段としては、特に限定的ではなく、公知又は市販の吸収体の場合と同様の方法を採用することができる。例えば、袋体の透水性部材に保水助剤等を充填する方法、透水性部材の気孔(間隙)に保水助剤等を加圧することによって充填する方法、接着剤又は粘着剤で透水性部材に固定する方法、透水性部材を構成し得る材料と保水助剤等を混合した後に成形する方法等が挙げられる。
吸収体における保水助剤の含有量は、所望の吸水性等に応じて適宜変更することができる。ただし、吸水性材料との割合は、特に前記2.で示した範囲内に調整することが好ましい。
本発明の吸収体の構造は特に限定されないが、多層構造を有するものであることが好ましい。例えば、透水性部材及び当該部材に保持された保水助剤及び/又は吸水性材料からなる層を少なくとも1層を含む多層構造を有する吸収体を好適に用いることができる。
このような多層構造は、例えば次のような方法で製造される多層構造体を好適に採用することができる。
(A)保水助剤及び吸収性材料を含む多層構造体であって、1)保水助剤及び/又は吸水性材料を、透水性部材に配置する工程及び2)その上から、透水性部材の1層又は2層以上を積層する工程からなる一連の工程を少なくとも1回以上実施する方法によって得られる多層構造体。なお、配置する保水助剤及び/又は吸収性材料の配置密度又は透水性部材の各層における密度は、適宜変更することができる。配置する保水助剤及び/又は吸収性材料、並びに透水性部材の使用量は適宜変更することができる。
(B)保水助剤及び吸収性材料を含む多層構造体であって、1)保水助剤及び吸水性材料を透水性部材に配置する工程及び2)その上から、透水性部材を1層又は2層以上積層する工程及び3)その上から、吸水性材料を配置する工程及び4)その上から、透水性部材を1層又は2層以上積層する工程を含み、かつ、前記3)及び/又は前記4)の工程が1回以上実施される方法によって得られる多層構造体。なお、混合する保水助剤及び/又は吸収性材料の混合密度又は透水性部材の各層における密度は、適宜変更することができる。混合する保水助剤及び/又は吸収性材料、並びに透水性部材の使用量は適宜変更することができる。
(C)保水助剤及び吸収性材料を含む多層構造体であって、保水助剤及び/又は吸水性材料と繊維質材料とを含む混合物からなる層に対し、保水助剤及び/又は吸水性材料と繊維質材料とを含む混合物からなる層又は透水性部材を1層又は2層以上積層する工程を少なくとも1回以上実施して得られる多層構造。なお、混合する保水助剤及び/又は吸収性材料の混合密度又は透水性部材の各層における密度は、適宜変更することができる。また、混合する保水助剤及び/又は吸収性材料、並びに透水性部材の重量は、適宜変更することができる。
上記(C)の方法において、用いる繊維質材料としては、透水性部材を構成し得る材料であれば限定的でなく、公知又は市販の短繊維又は長繊維を用いることができる。より具体的にはパルプ(繊維)等を用いることができる。パルプ自体は、公知又は市販のものを使用することができる。
前記(A)、(B)及び(C)のいずれの方法においても、保水助剤及び吸水性材料の形態は限定的でなく、例えば粉末、顆粒(造粒物)、成形体等のいずれの形態も採用することができる。例えば、後記の実施例で示すように、粉末ないしは顆粒状の保水助剤と粉末ないしは顆粒状の吸水性材料とを好適に用いることができる。
また、これら(A)、(B)及び(C)の方法において、多層構造を形成するに際し、必要に応じて積層体を加圧することもできる。加圧する方法は、公知又は市販のプレス装置等を用いる方法を採用することができる。
多層構造としては、例えば1)保水助剤及び/又は吸水性材料が透水性部材内部で保持されている場合、2)保水助剤及び/又は吸水性材料が透水性部材表面上で保持されている場合等のいずれの構造も包含する。
例えば、1)各層に保水助剤及び吸水性材料がともに含まれる場合、2)保水助剤を含み、吸水性材料を含まない領域(保水助剤領域)と、保水助剤を含まず、吸水性材料を含む領域(吸収性材料領域)とが併存する場合等のいずれも包含する。
本発明の吸収体の平面構造も限定的ではなく、例えば1つの層が保水助剤領域からなる層又は吸収性材料領域からなる層である場合のほか、図5(a)〜(c)に示すように、吸収性材料領域72が中央部に配置され、保水助剤領域71が前記吸収性材料領域の周囲の全体又はその一部(長手方向又は短手方向の両端部)に配置された平面構造であっても良い。
本発明の吸収体の構造を多層構造にすることによって、少なくとも保水助剤を近接して配置することにより保水効果が高まり、効率的にリウェットを低減することが可能になる。また、場所による膨潤が平均化されやすいので、吸収体全体として厚みの偏りができにくいという効果も得ることができる。
4.吸収性物品
本発明は、吸収体を含む吸収性物品(製品)を包含する。本発明の吸収性物品は、その吸収体として本発明の吸収体を使用するほかは、公知の構成を採用することができる。また、これら吸収性物品は、各物品の種類に応じて公知の方法で製造(組み立て)することができる。吸収性物品の具体例としては、例えば1)着用者の肌当接面側に位置する液透過性シート、2)着用者の非肌当接面側に位置する液不透過性シート及び3)前記液透過性シート及び液不透過性シートの間に配置された吸収体を含む吸収性物品が挙げられる。
液透過性シートとしては、公知又は市販の吸収性物品で使用されているものを用いることができる。例えば、液体を透過する構造を有するシート状材料、例えば開孔フィルム、織布、不織布等が挙げられる。上記織布及び不織布を構成する繊維は天然繊維及び化学繊維のいずれであっても良い。天然繊維としては、例えば粉砕パルプ、コットン等のセルロースが挙げられる。化学繊維としては、例えばレーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース;熱可塑性疎水性化学繊維、並びに親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維が挙げられる。上記熱可塑性疎水性化学繊維としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単繊維のほか、PE及びPPのグラフト重合物からなる繊維が挙げられる。前記不織布の例としては、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、これらの組み合わせからなる不織布(例えば、SMS等)等が挙げられる。
液不透過性シートは、液体を透過させないものであれば良いが、特に気体を透過させるものであることが好ましい。例えば、PE、PP等を含むフィルム;通気性を有する樹脂フィルム;スパンボンド又はスパンレース等の不織布に通気性を有する樹脂フィルムを接合したもの;SMS等の複層不織布等が挙げられる。吸収性物品の柔軟性を考慮すると、例えば、坪量約15〜約30g/mの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムが好ましい。
必要に応じて、液透過性シートと吸収体との間に、別の層としてセカンドシートを含むことができる。上記セカンドシートとしては、前記の液透過性シートと同様のものを使用することができる。
また、吸収性物品に含まれる吸収体の全体又は一部が、液透過性で前記吸収剤が透過しないバリアー性を有する層(いわゆるコアラップ)で覆われていても良い。前記層としては、例えば織布、不織布等を採用することができる。上記織布及び不織布としては、例えば天然繊維、化学繊維、ティッシュペーパー等が挙げられる。
本発明の吸収性物品の用途としては、公知又は市販の吸収性物品と同様の用途が例示できる。例えば、使い捨て紙おむつ、生理用ナプキン、布おむつ用ライナー、パンティライナー、失禁パッド、外科用血液吸収材等に適用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
なお、各実施例及び比較例における各試験は、以下の方法によって実施した。
1)平均粒子径の測定
自動乾式音波ふるい分け測定器(株式会社セイシン企業製「ROBOT SIFTER RPS−105」)によりJIS標準篩目開き710μm(22メッシュ)、目開き500μm(30メッシュ)、目開き425μm(36メッシュ)、目開き355μm(42メッシュ)、目開き300μm(50メッシュ)、目開き250μm(60メッシュ)、目開き180μm(83メッシュ)、目開き106μm(140メッシュ)を用い試料5gを5分間篩分することにより粒度分布を測定した。そして、篩下積算分布における積算50質量%粒子径を平均粒子径とした。
2)粒子強度の測定
試料をJIS標準篩にて分級し、平均粒子径に近似したそれぞれの粒子30個についてその強度を粒子強度測定装置GRANO(岡田精工社製)で計測した後、測定値の上下5個ずつを除いた20個分の測定結果の平均をそれぞれの強度とした。
3)吸収倍率の測定
a)試料0.25gをナイロンメッシュ袋に入れ、重量を量る。
b)人工尿50gを100mLビーカーに入れる。
c)試料0.25gが入ったナイロンメッシュ袋を人工尿50gが入った100mLビーカーの中に入れ、30分間放置した後のナイロンメッシュ袋全体の重量を測定し、下記式により吸収倍率を求めた。
吸収倍率=(cのナイロンメッシュ袋全体の重量−aのナイロンメッシュ袋全体の重量)/試料の重量(0.25g)
4)吸収時間の測定
a)シャーレ(外径90mm、高さ15mm)の片側半分に高吸水性ポリマー(住友精化株式会社、商品名「アクアキープSA55SXII」)1.0g及び試料0.05gを混合したものを入れる。比較例1については高吸水性ポリマー1.0gのみを入れる。
b)シャーレを高吸水性ポリマー及び試料が上になる様少し傾け、高吸水性ポリマー及び試料と反対側に人工尿10mLをピペットで投入する。
c)シャーレを傾けてシャーレ側面に沿って液を高吸水性ポリマー及び試料側に流すと同時に時間測定を開始する。
d)シャーレを傾けながら、液の流動性を確認し、液の流動が見られなくなった点を終点とする。
e)b〜dを5分間隔で行い、同様に吸収時間を測定し、3サイクル分の合計を吸収時間とした。
5)吸収体の保水量の測定
a)吸収体の重量及びナイロンメッシュ袋の重量を測定する。
b)吸収体をナイロンメッシュ袋に入れる。
c)吸収体に人工尿240mLを滴下する。
d)生理食塩水300mLが入ったバットに吸収体を浸漬し、30分間放置する。
e)浸漬した吸収体を遠心脱水機に入れて、75Gで90秒間脱水した後の吸収体の重量(袋込み)を測定し、下記式により保水量を求めた。
保水量=脱水後の吸収体重量(袋込み)−(試験前の吸収体の重量+ナイロンメッシュ袋の重量)
6)各試験で使用する人工尿の調製
尿素2w/v.%、塩化ナトリウム0.8w/v.%、硫酸マグネシウム0.08w/v.%、塩化カルシウム0.03w/v.%を含む水溶液を調製し、これを人工尿として用いた。
7)分子量測定
試料に水を加えて1mg/mLとなるように調整した後に15000rpm、2minにて遠心分離した。その後、0.2μmのフィルターで処理した溶液をViscotek TDAmax+GPCmax(Malvern社製)にて以下の条件で重量平均分子量(Mw)の測定を行った。
Mobile phase:0.1M NaNO+0.02% NaN
Column:2×A6000M(Malvern社製)
Standard:GPC/SEC Standards Kit, Polyethylene Oxide(PEO)(Malvern社製、19kDaltons)
Temperature:35℃
Flow rate:0.7mL/min
Sample concentration:1mg/mL
Injection volume:100μL
8)粘度測定
300mLのトールビーカー中に精製水199gを入れ、500rpmで撹拌しながら試料1gを徐々に加えた後、14時間撹拌した。この溶液の粘度についてB型粘度計(東機産業社製)を用い、液温13℃、M2ローター、30rpmで測定した。
実施例1
重量平均分子量(Mw)が3060000Daltons及び吸収倍率26g/gである市販のグァーガム100重量部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製)に装填した後、バインダーとして粘度400〜500mPa・sの市販のキサンタンガム1重量部を溶媒である精製水100重量部に溶解させたものを全量使用して造粒を行った。得られた造粒物を60℃で乾燥させた後、粒子径を180〜750μmに分級することによって、平均粒子径が400μmの顆粒からなる保水助剤を製造した。保水助剤の重量平均分子量(Mw)は2840000Daltonsであった。次いで、得られた保水助剤0.36gを高吸水性ポリマー(住友精化株式会社、商品名「アクアキープSA55SXII」)と混合することによって7.56gの吸収材を調製した。次に、前記の吸収材(7.56g)を4等分し、図1に示す手順に従って吸収体を作製した。すなわち、高吸水性ポリマー粒子3及び保水助剤粒子4からなる吸収材を4等分した吸収材(1.89g)を図1(a)に示すように透水性部材であるパルプ層5(フラッフパルプ積層体;坪量50g/m、大きさ30cm×10cm、1枚の重量1.5g)上に均等に振りかけた後、図1(b)に示すように上からパルプ層5を載せた。この図1(a)及び(b)に示す工程を4回繰り返して行うことによって、図2(a)に示すような「パルプ層/吸収材層/パルプ層/吸収材層/パルプ層/吸収材層/パルプ層/吸収材層/パルプ層」からなる積層体6を作製した。その後、この積層体6をプレス圧80kg/cm、プレス温度室温、プレス時間10〜15秒×4回という条件下にてプレスすることによって、図2(b)に示すように、吸収材を構成する高吸水性ポリマー粒子3及び保水助剤粒子4がパルプ層5に保持された吸収体7(15.06g)を得た。
比較例1
吸収材として実施例1と同様の高吸水性ポリマー7.56gのみを使用した。これを4等分し、図3に示す手順に従って吸収体を作製した。すなわち、高吸水性ポリマー粒子3からなる吸収材を4等分した吸収材(1.89g)を図3(a)に示すように透水性部材であるパルプ層5(フラッフパルプ積層体;坪量50g/m、大きさ30cm×10cm、1枚の重量1.5g)上に均等に振りかけた後、図3(b)に示すように上からパルプ層5を載せた。図3(a)及び(b)に示す工程を4回繰り返して行うことによって、図4(a)に示す「パルプ層/吸収材層/パルプ層/吸収材層/パルプ層/吸収材層/パルプ層/吸収材層/パルプ層」からなる積層体10を作製した。その後、この積層体をプレス圧80kg/cm、プレス温度室温、プレス時間10〜15秒×4回という条件下にてプレスすることによって、図4(b)に示すように、吸収材を構成する高吸水性ポリマー粒子3がパルプ層5に保持された吸収体11(15.06g)を得た。
比較例2
保水助剤の代わりに実施例1と同様の市販のグァーガム粉末0.36gを実施例1と同様の高吸水性ポリマーと混合することによって7.56gの吸収材を調製したほかは、実施例1と同様にして吸収体を作製した。
比較例3
実施例1と同様の市販のグァーガム100重量部と、バインダーとして市販のヒドロキシプロピルセルロース3重量部とをハイスピードミキサー(深江パウテック社製)に装填した後、溶媒としてエタノール40重量部を使用して造粒を行った。これを40℃で乾燥させた後、粒子径を180〜750μmに分級することによって、平均粒子径が300μmの顆粒からなる保水助剤を製造した。次いで、得られた保水助剤0.36gを実施例1と同様の高吸水性ポリマーと混合することによって7.56gの吸収材を調製したほかは、実施例1と同様にして吸収体を作製した。
試験例1
実施例1及び比較例1〜3で得られた保水助剤及び吸収体について、保水助剤の粒子強度及び平均粒子径、吸収倍率(30分後)、吸収速度(3サイクルの合計の吸収時間)及び吸収体の保水量を測定した。その結果を表1に示す。
表1の結果からも明らかなように、実施例1の保水性は、比較例1と比べて優れた性能を発揮していることがわかる。すなわち、実施例1では、多量の液体を吸収した後、時間が経過した際も水を放出することなく、吸収体中に保持していることがわかる。また、比較例2〜3の吸収速度の結果からもわかるように、一般に保水性を高めると吸収速度が低下するのに対し、実施例1の保水助剤はそのような低下現象を起こすことなく比較例1と同程度の吸収速度を維持していることがわかる。また、実施例1と比較例3の粒子強度を比較すると実施例1の保水助剤は比較例3に比べて高い粒子強度を有しており、これによって吸収速度の低下が抑えられていると考えられる。このように、本発明保水助剤を使用することにより、吸収速度を低下させることなく、優れた保水性を有する吸収体を提供することが可能となる。
実施例2
保水助剤の粒子径を500〜850μmに分級したほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
実施例3
保水助剤の粒子径を355〜500μmに分級したほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
実施例4
保水助剤の粒子径を250〜355μmに分級したほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
比較例4
保水助剤の粒子径を150μm以下に分級したほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
試験例2
実施例2〜4及び比較例4で得られた保水助剤及び吸収体について試験例1と同様にして試験を実施した。その結果を表2に示す。
表2の結果からも明らかなように、実施例2〜4は、比較例4に比べて優れた保水性を発揮していることがわかる。すなわち、これらの実施例では、多量の液体を吸収した後、時間が経過した際の保水性に優れている。また、比較例4では吸収速度の低下が起こっているのに対し、実施例2〜4の保水助剤はそのような低下現象を起こさないことがわかる。よって、本発明では、吸収速度が低下することなく、優れた保水性及び吸水性を発揮できるより最適な粒子強度は4000〜16000g/mm程度であると言える。
実施例5
バインダーとして実施例1と同様の市販のキサンタンガム1.5重量部を用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
実施例6
バインダーとして実施例1と同様の市販のキサンタンガム3重量部を用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
実施例7
バインダーとして実施例1と同様の市販のキサンタンガム5重量部を用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
比較例5
バインダーとして実施例1と同様の市販のキサンタンガム0.5重量部を用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
試験例3
実施例5〜7及び比較例5で得られた保水助剤及び吸収体について試験例1と同様にして試験を実施した。その結果を表3に示す。
表3の結果からも明らかなように、実施例5〜7の保水性は、比較例5と比較して優れた性能を発現している。すなわち、これらの実施例では、多量の液体を吸収した後、時間が経過した際の保水性に優れていることがわかる。一般に保水性を高めると吸収速度が低下する傾向にあるのに対し、実施例5〜7では、そのような低下現象がないことがわかる。従って、本発明では、吸収速度が低下することなく、より優れた保水性を発揮することのできる保水助剤を得るために最適なキサンタンガムの含有量はグァーガム100重量部に対して0.6重量部以上であると言える。
実施例8
バインダーとして粘度700〜800mPa・sの市販のキサンタンガムを用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
比較例6
重量平均分子量(Mw)が2600000Daltons及び吸収倍率が15g/gである市販のグァーガム、バインダーとして粘度700〜800mPa・sの市販のキサンタンガムを用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
比較例7
重量平均分子量(Mw)が2600000Daltons及び吸収倍率が15g/gである市販のグァーガムを用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
試験例4
実施例8及び比較例6〜7で得られた保水助剤及び吸収体について試験例1と同様にして試験を実施した。その結果を表4に示す。
表4の結果からも明らかなように、実施例1及び8の吸水能及び保水性は、比較例6〜7よりも優れていることがわかる。すなわち、実施例8では、多量の液体を吸収した後、時間が経過した際の保水性に優れていることがわかる。一般に保水性を高めると吸収速度が低下するのに対し、吸収時間の結果から実施例1及び8ではそのような低下が認められない。よって、本発明では、グァーガムとしては、特に重量平均分子量(Mw)が2700000Daltons以上、より好ましくは2700000〜3300000Daltons、吸収倍率が25g/g以上、より好ましくは25g/g〜40g/gに設定することによって、より優れた保水性を得ることができるとともに、特にバインダーのキサンタンガムは限定的ではないことがわかる。
実施例9
実施例1と同様の市販のグァーガム100重量部及びバインダーとして実施例1と同様の市販のキサンタンガム1重量部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製)に装填した後、溶媒として精製水100重量部を使用して造粒を行った。これを60℃で乾燥させた後、粒子径を180〜750μmに分級することによって、平均粒子径が400μmの顆粒からなる保水助剤を製造した。次いで、得られた保水助剤0.36gを実施例1と同様の高吸水性ポリマーと混合することによって7.56gの吸収材を調製したほかは、実施例1と同様にして吸収体を作製した。
試験例5
実施例9及び比較例1で得られた保水助剤及び吸収体について試験例1と同様にして試験を実施した。その結果を表5に示す。
表5の結果からも明らかなように、実施例9の保水性は、比較例1よりも優れていることがわかる。すなわち、この実施例では、多量の液体を吸収した後、時間が経過した際の保水性に優れていることがわかる。一般に保水性を高めると吸収速度が低下するのに対し、実施例9では吸収速度が低下しておらず、比較例1と同等の吸収速度を維持していることがわかる。よって、本発明では、保水助剤製造の際、あらかじめグァーガムとキサンタンガムの原料粉末を混合したものに溶媒を添加して造粒を行っても、造粒の過程においてキサンタンガムが溶媒に溶け、バインダーとして役割を果たすため、所望の性能を得ることができることがわかる。
実施例10
バインダーとして実施例1と同様の市販のキサンタンガム1.25重量部、溶媒として精製水125重量部を用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
比較例8
バインダーとして実施例1と同様の市販のキサンタンガム0.3重量部、溶媒として精製水30重量部を用いたほかは、実施例1と同様にして保水助剤、吸収材及び吸収体を作製した。
試験例6
実施例10及び比較例8で得られた保水助剤及び吸収体について試験例1と同様にして試験を実施した。その結果を表6に示す。
表6の結果からも明らかなように、実施例1及び実施例10の保水性は、比較例8よりも優れていることがわかる。すなわち、実施例1及び実施例10では、多量の液体を吸収した後、時間が経過した際の保水性に優れていることがわかる。一般に保水性を高めると吸収速度が低下するのに対し、吸収時間の結果から実施例1及び実施例10ではそのような低下が認められない。よって、本発明では、吸収速度が低下することなく、より優れた保水性を有することのできる保水助剤を得るために最適な溶媒の添加量は、グァーガム100重量部に対して30重量部以上であると言える。
比較例9
バインダーとして市販のマンナンを用いたほかは、実施例1と同様にして吸収材及び吸収体を作製した。
試験例7
実施例1及び比較例9で得られた保水助剤及び吸収体について試験例1と同様にして試験を実施した。その結果を表7に示す。
表7の結果からも明らかなように、実施例1の保水性は、比較例9よりも優れた性能を発現していることがわかる。すなわち、実施例1では、多量の液体を吸収した後、時間が経過した際の保水性に優れていることがわかる。このように、本発明の保水助剤では、所望の性能を得るためにバインダーとしてキサンタンガムを用いることが有効であることがわかる。

Claims (10)

  1. 液体を吸収するための吸収体に含まれる保水助剤であって、
    (1)前記保水助剤がキサンタンガム及び重量平均分子量(Mw)2700000Daltons以上であるグァーガムを含む粒子を含有し、
    (2)前記グァーガム100重量部に対して前記キサンタンガム0.6〜10重量部を含み、
    (3)前記粒子の強度が4000g/mm以上であり、
    (4)前記粒子が、グァーガム粉末の粒子どうしがキサンタンガムによって結合してなる造粒物であり、
    (5)前記粒子の平均粒子径が160〜850μmである、
    ことを特徴とする保水助剤。
  2. 前記粒子の粒度分布が、粒子径160μm未満の粒子が0〜10重量%であり、粒子径160〜850μmの粒子が90〜100重量%であり、粒子径850μmを超える粒子が0〜10重量%である、請求項1に記載の保水助剤。
  3. 請求項1又は2に記載の保水助剤及び吸水性材料を含む吸収材。
  4. 吸水性材料100重量部に対して請求項1又は2に記載の保水助剤が1〜10重量部含まれる、請求項3に記載の吸収材。
  5. 請求項1又は2に記載の保水助剤を含む吸収体。
  6. 1)保水助剤を含み、吸水性材料を含まない領域と、2)保水助剤を含まず、吸水性材料を含む領域とを有する、請求項5に記載の吸収体。
  7. 請求項5又は6に記載の吸収体を含む吸収性物品。
  8. ヒト又は動物の体液、血液、***物又は分泌物を吸収するために用いられる、請求項7に記載の吸収性物品。
  9. キサンタンガムを溶媒に溶解させた溶液の存在下で、グァーガム粉末を含む原料粉末を造粒する工程を含む、請求項1に記載の保水助剤の製造方法。
  10. 保水助剤及び吸収性材料を含む多層構造体を製造する方法であって、1)保水助剤及び/又は吸水性材料を透水性部材に配置する工程及び2)その上から、透水性部材を1層又は2層以上積層する工程を含む一連の工程を1回以上実施する、請求項5に記載の吸収体の製造方法。
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