以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
無線通信基地局と移動体通信端末の両方がLTEとWiFiとの双方をサポートしていれば、無線通信基地局の通信エリアに在圏している通信端末は、LTE及びWiFiのうちより高い通信品質を確保できる方式を選択して使用することが望ましい。
移動体通信端末の通信品質は、移動体通信端末が受信している無線通信基地局の電波強度や、無線通信基地局がいずれの通信方式をどのくらい使用しているか等に依存する。無線通信基地局と移動体通信端末との間で通信品質に関連する情報を共有し、その情報を基に移動体通信端末が使用すべき通信方式を決定することで、移動体通信端末がより高品質な通信が可能な通信方式を選択して使用することが可能となる。
「移動体通信端末がいずれの通信方式を使用する方がより高い通信品質を得ることができるか」という問題は、その移動体通信端末が在圏している無線通信基地局エリア内の局所的な問題である。そのため、無線通信基地局が自身の通信エリアに在圏している移動体通信端末から情報を収集し、移動体通信端末の使用すべき通信方式を無線通信基地局が決定する方針を採用する。
なお、以下では,移動体通信端末から情報を収集し、移動体通信端末の利用すべき通信方式を決定することができる無線通信基地局をCognitive Femtoと表現する。また、Cognitive Femtoに情報を提供し、利用すべき通信方式を決定してもらうことができる移動体通信端末をCognitive UEと表現する。
Cognitive UEがCognitive Femtoの決定した通信方式を使用するために、以下の手順を実施する。
(1)Cognitive Femtoが、Cognitive UEの情報を収集する。
(2)Cognitive Femtoが収集した情報から各Cognitive UEが使用すべき通信方式を決定する。
(3)Cognitive FemtoがCognitive UEに対して使用すべき通信方式を通知する。
上記の手順を実行するために本実施形態では以下を実現する。
・上記の(1)及び(3)に関して、Cognitive FemtoとCognitive UEとの間で情報を送受信するための通信経路の確立
・上記の(2)に関してCognitive Femtoが、Cognitive UEの使用する通信方式を決定するアルゴリズム
(通信経路の確立)
情報を送受信するための通信経路に関して、Cognitive FemtoとCognitive UEとの間の無線区間のみを利用して直接に情報の送受信を行なうことは事実上不可能である。これは、LTEでは3GPPの規定により無線通信基地局が自身に接続している移動体通信端末との間の無線区間で直接に送受信できるのは制御信号のみであり、ユーザデータの送受信は行なえないからである。また、移動体通信端末がネットワーク上の別ノードが送受信しているユーザデータの内容や、移動体通信端末の個別情報を無線通信基地局が傍受することも不可能である。
LTE通信中であっても、同時にWiFi通信を行ない、WiFi通信で移動体通信端末のLTE関連の品質情報や個別情報を無線通信基地局に送信する手法も考えられる。しかし、現在の移動体通信端末が搭載しているオペレーティングシステム(OS)では、LTE通信とWiFi通信とは排他的な処理であり、同時に利用することは不可能である。
LTE通信を行なっているCognitive UEとCognitive Femtoとが無線区間のみでの情報の送受信を行なうことが不可能であるため、例えば有線区間を用いて情報の送受信を行なうことが考えられる。しかし、インターネットを経由する有線区間を利用する場合、Cognitive FemtoからCognitive UEに接続開始を要求すること、及び、Cognitive UEからCognitive Femtoに接続開始を要求することには技術的な課題がある。
Cognitive UEにはLTE通信のためにMobile OperatorからMobile Operator Core Network内で使用するIP(Internet Protocol) Addressが割り当てられている。しかし、Cognitive UEに割り当てられるIP Addressは、前述したCognitive Femtoが知ることのできない、Cognitive UEの個別情報に該当する(図1参照)。
そのため、このIP Addressを用いてCognitive FemtoからCognitive UEに対して通信開始を要求することは不可能である。仮に、何らかの方法でCognitive FemtoがCognitive UEのIP Addressを知ることができたとしても、そのIP AddressがCognitive Femtoからリーチャブル(別の一般的な通信装置から接続可能)であるという保証はない。
なお、図1において、GWはインターネットとISP(Internet Service Provider)が提供するISPネットワークとのゲートウェイを表している。また、PDN(Packet Date Network) GWは、インターネットとコアネットワーク(Mobile Operator Core Network)とのゲートウェイを表している。これらの表記法は、後記の図2〜図9においても同様である。
Cognitive Femtoも、Cognitive UEと同様にMobile Operator Core Network内で使用するIP AddressをMobile Operatorから割り当てられている。仮に、Cognitive UEが、このCognitive Femtoに割り当てられたIP Addressを知ることができたとしても、そのIP Addressに向けてCognitive UEからMobile Operator Core Network内だけを通ってユーザデータを送信することは不可能である(図2参照)。
Cognitive UEが利用するユーザデータは、PDN GWを経由してインターネットに送信される。Mobile Operator Core Networkから割り当てられているIP Addressは、Mobile Operator Core Network内で使用するものなので、一度インターネットに出てしまう通信の宛先としては使用できない(図3参照)。そもそも、Mobile Operator Core Networkから割り当てられたIP Addressといっても、UEとHeNBとで割り当てられたIP Addressの体系が同一であるという保証もない。
また、WiFiをサポートするためにCognitive FemtoにはInternet Service Provider(ISP)等からリーチャブルなIP Addressが割り当てられている。このIP AddressがGlobal IP Addressであるならば、Cognitive UEがそのGlobal IP Addressを知っていれば、Cognitive UEからCognitive Femtoに対して通信開始を要求し、情報を送受信するための通信経路を確立することが可能である(図4参照)。
しかし、Cognitive FemtoがBroad Band Router(BBR)等を介して設置される可能性も十分考えられる。この場合、ISPが払い出すGlobal IP AddressはBBRに設定され、Cognitive FemtoにはBBRが払い出したLocal IP Addressが設定される。この場合、Cognitive UEがCognitive Femtoに割り当てられたLocal IP Addressを知っていたとしても、Cognitive Femtoの上位に設置されているBBRまで接続することができないので、Cognitive Femtoへの接続は不可能である(図5参照)。
以上のことから、Cognitive FemtoとCognitive UEとが互いのIP Addressを用いて汎用的に通信を行なうことは非常に難しい。
そこで、本実施形態では、図6〜図9に模式的に例示するように、Cognitive Femto10とCognitive UE20との通信を中継するための通信装置(中継通信装置)30をネットワーク(例えばインターネット)に設置する。
別言すると、Cognitive Femto10とCognitive UE20との間の通信は、通信装置30を介して間接的に行なわれる。なお、以下では、Cognitive Femto10とCognitive UE20との間の通信を中継する通信装置をCognitive Server30と表現する。
Cognitive Server30は、Cognitive Femto10の設置箇所によらず、Cognitive Femto10とCognitive UE20との間の通信経路を確保し、当該通信経路を通じて通信データ(例えば無線品質に関する情報等)の転送処理を実施する。
Cognitive Server30は、例示的に、インターネットに設置されたGlobal IP Addressをもつ通信装置である。Cognitive Femto10とCognitive UE20との間の通信は、Cognitive Server30を経由する。
すなわち、Cognitive Femto10は、Cognitive UE20に対してデータ送信を行なおうとする場合、直接にはCognitive UE20に向けてデータ送信を行なわない。代替的に、Cognitive Femto10は、一旦、Cognitive Server30に向けてデータ送信を行ない、Cognitive Server30がそのデータをCogntive UE20に転送する(図7及び図9参照)。
また、Cognitive UE20は、Cognitive Femto10に対してデータ送信を行なおうとする場合、直接にはCognitive Femto10に向けてデータ送信を行なわない。代替的に、Cognitive UE20は、一旦、Cognitive Server30に向けてデータ送信を行ない、Cognitive Server30がそのデータをCogntive Femto10に転送する(図6及び図8参照)。
なお、図6及び図7は、ISPネットワークにBBRが設置されている場合に、当該BBRを経由して通信が行なわれる様子を例示しており、図8及び図9は、PDW GWを経由して通信が行なわれる様子を例示している。Cognitive UE20は、いずれのルートによる通信であるかを意識しなくてよい。
Cognitive Server30は、Cognitive Femto10が送信元のデータをCognitive UE20に転送し、Cognitive UE20が送信元のデータをCognitive Femto10に転送するために、保持しているマッピングテーブルを参照し転送先を決定する。
(Cognitive Serverのマッピングテーブル生成)
Cognitive Femto10は、起動時に自身がCognitive Femto10として動作することをCognitive Server30に通知する。そのため、Cognitive Femto10は、Cognitive Femto登録要求を生成してCognitive Server30宛に送信する。
Cognitive Femto登録要求には、次表1に例示するように、Cognitive Femtoの識別子として、3GPPが無線通信基地局の固有識別子として定めるCell Global Identity(CGI)を含めてよい。
図16にCognitive Server30の機能ブロック図を示す。図16に示すCognitive Server30は、例示的に、データ送受信処理部CS−1、演算処理部CS−2及び記憶部CS−3を備える。
データ送受信処理部CS−1は、データ受信処理部S−1、データ送信処理部S−2、データ送信処理部S−3、及び、データ受信処理部S−4を備える。これらの各処理部S−1〜S−4の機能は、ゲートウェイCPU(GWCPU)やネットワークインタフェースカード(NIC)等を用いて実現できる。
記憶部CS−3は、FemtoマッピングテーブルS−5及びUEマッピングテーブルS−6を記憶する。記憶部CS−3には、例示的に、ハードディスク装置、RAM、フラッシュメモリ等の当業者に知られている各種のメモリ等を用いることができる。
演算処理部CS−2は、Femtoマッピングテーブル登録/更新処理部S−7、UEマッピングテーブル登録/更新処理部S−8、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9、及び、マッピングテーブルタイムアウト監視処理部S−10としての機能を具備する。演算処理部CS−2には、例示的に、CPUやDSP等の演算処理能力を有するプロセッサを用いることができる。
Cognitive Server30は、Cognitive Femto登録要求を受信した場合、以下の動作を実行する。
データ受信処理部S−1は、Cognitive Femto登録要求を受信すると、Femtoマッピングテーブル登録/更新処理部S−7に、Cognitive Femto登録要求の受信を通知する。
Femtoマッピングテーブル登録/更新処理部S−7は、次表2に例示するように、Cognitive Femto登録要求が送られてきたパケットのSource IP Address、Source Port及びCognitive Femto登録要求に含まれている送信元Cognitive FemtoのCGIを要素とするレコードをFemtoマッピングテーブルS−5に登録する。
表2において、Femto Address及びFemto Portに、Cognitive Femto登録要求が送られてきたパケットのSource IP Address及びSource Portがそれぞれ登録される。また、Last Access Timeには登録時刻が記述される。
Source IP Address及びSource Portの情報は、Cognitive Femto宛にCognitive Femto登録要求を送信した送信元通信装置の情報である。したがって、送信元通信装置がCognitive Femto10であれば、Source IP Address及びSource PortはCognitive Femto10の情報である。しかし、送信元通信装置がGW等の他の通信装置であれば、Source IP Address及びSource Portは当該他の通信装置の情報である。
Femtoマッピングテーブル登録/更新処理部S−7は、Cognitive Femto10の識別情報とCognitive Femto10が送信したCognitive Femto登録要求(基地局登録要求情報)の送信元に関する情報とを関連付けたFemtoマッピングテーブルS−5を管理する基地局マッピングテーブル管理部の一例である。
一方、Cognitive UE20は、Cognitive Femto10のエリアへの入圏時に、自身がCognitive UE20として動作することをCognitive Server30に通知する。そのため、Cognitive UE20は、Cognitive UE登録要求をCognitive Server30宛に送信する。
Cognitive UE登録要求には、次表3に例示するように、Cognitive UE20の識別子として、3GPPが移動体通信端末の固有識別子として定めるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)を含めてよい。
Cognitive Server30は、Cognitive UE登録要求を受信すると、以下の動作を実行する。
データ受信処理部S−4(図16参照)は、Cognitive UE登録要求を受信すると、UEマッピングテーブル登録/更新処理部S−8に、Cognitive UE登録要求の受信を通知する。
UEマッピングテーブル登録/更新処理部S−8は、次表4に例示するように、Cognitive UE登録要求が送られてきたパケットのSource IP Address,Source Port、及び、Cognitive UE登録要求に含まれている送信元Cognitive UE20のIMSIを要素とするレコードをUEマッピングテーブルS−6に登録する。Last Access Timeには登録時刻が記述される。
UEマッピングテーブル登録/更新処理部S−8は、Cognitive UE20の識別情報とCognitive UE20が送信したCognitive UE登録要求(端末登録要求情報)の送信元に関する情報とを関連付けたUEマッピングテーブルS−6を管理する移動通信端末マッピングテーブル管理部の一例である。
(Cognitive Server30の中継処理)
(Cognitive Server30がCognitive Femto10からパケットを受信した場合)
データ受信処理部S−1(図16参照)は、Cognitive Femto10からパケットを受信すると、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9に、パケットの受信を通知する。
マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、UEマッピングテーブルS−6を参照し、Cognitive Femto10から受信したパケットに含まれるCognitive UE IMSIから、パケットを真の送信先UE20に送信するためのIP AddressとPort Numberとを取得する。
マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、取得したIP AddressとPort Numberとをデータ送信処理部S−3に通知する。
データ送信処理部S−3は、通知されたIP Address及びPort Numberを宛先としてパケットを送信する。
マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、受信したパケット内で指定されていた送信元Cognitive Femto CGIと同じCGIをもつFemtoマッピングテーブルS−5のレコードのLast Access Timeをその時点の時刻に上書きする。
また、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、受信したパケット内で指定されていた宛先Cognitive UE IMSIと同じIMSIをもつUEマッピングテーブルS−6のレコードのLast Access Timeをその時点の時刻に上書きする。
なお、受信したパケットに記載された送信元Cognitive Femto10のCGIと同じCGIをもつレコードがFemtoマッピングテーブルS−5に存在するが、パケットのSource IP Address及びSource PortがFemtoマッピングテーブルS−5のレコードの値と異なることがある。その場合、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、FemtoマッピングテーブルS−5のレコードのSource IP Address及びSource Portを受信したパケットのものに変更(更新)する。
(Cognitive Server30がCognitive UE20からパケットを受信した場合)
データ受信処理部S−4(図16参照)は、Cognitive UE20からパケットを受信すると、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9に、パケットの受信を通知する。
マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、FemtoマッピングテーブルS−5を参照し、Cognitive UE20から受信したパケットに含まれるCognitive Femto CGIから、パケットを真の送信先Femto10に送信するためのIP AddressとPort Numberとを取得する。
マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、取得したIP AddressとPort Numberとをデータ送信処理部S−2に通知する。
データ送信処理部S−2は、通知されたIP Address及びPort Numberを転送先としてパケットを送信する。
以上より、データ送受信処理部CS−1、Femtoマッピングテーブル登録/更新処理部S−7、及び、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、転送処理部の一例である。転送処理部は、各マッピングテーブルS−5及びS−6に基づいてCognitive UE20とCognitive Femto10との間の通信経路を確立し、その通信経路を通じてCognitive UE20と前記無線通信基地局との間の通信データの転送処理を実施する。
マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、受信したパケット内で指定されていた送信元Cognitive UE IMSIと同じIMSIをもつUEマッピングテーブルS−6のレコードのLast Access Timeをその時点の時刻に上書きする。
また、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、受信したパケット内で指定されていた宛先Cognitive Femto CGIと同じCGIをもつFemtoマッピングテーブルS−5のレコードのLast Access Timeをその時点の時刻に上書きする。
なお、受信したパケットに記述された送信元Cognitive UE20のIMSIと同じIMSIをもつレコードがUEマッピングテーブルS−6に存在するが、パケットのSource IP Address及びSource PortがUEマッピングテーブルS−6のレコードの値と異なることがある。その場合、マッピングテーブル参照/データ転送処理部S−9は、UEマッピングテーブルS−6のレコードのSource IP Address及びSource Portを受信したパケットのものに変更(更新)する。
また、Cognitive Serverは、動作が停止しているCognitive Femto10やCognitive UE20を検知するために、以下の動作を実行してよい。
すなわち、マッピングテーブルタイムアウト監視処理部S−10(図16参照)は、FemtoマッピングテーブルS−5を走査し、Last Access Timeに基づいて、一定期間、更新のないレコードを削除する。
また、マッピングテーブルタイムアウト監視処理部S−10は、UEマッピングテーブルS−6を走査し、Last Access Timeに基づいて、一定期間、更新のないレコードを削除する。
(通信方式を決定するアルゴリズム)
Cognitive Femto10は、Cognitive UE20から収集した電波環境情報、周辺の電波環境、通信の輻輳状態、最大接続可能移動体通信端末数、接続比率荷重係数等に基づいて、Cognitive UE20が用いるべき通信(接続)方式を決定する。Cognitive Femto 10は、決定した通信方式をCognitive UE20に通知する。別言すると、Cognitive Femto 10は、Cognitive UEの電波品質とCognitive Femtoの通信負荷とに基づいて通信方式を切り替える処理(アルゴリズム)を実現する。
Cognirive UEが使用する通信方式を決定するアルゴリズムは、以下の手順に分割できる。
・Cognitive UE20が、Cognitive Femto10に対して在圏登録する。
・在圏登録をしたCognitive UE20が、無線品質をCognitive Femto10に通知する。
・Cognitive Femto10が、通知された情報に基づいて、Cognitive UE20が使用すべき通信方式を選定する。
(Cognitive UE登録処理)
Cognitive Femto10は、自身のエリアに在圏しているCognitive UE20を次表5に例示する管理テーブルで管理している。
一方、Cognitive UE20は、自身の情報として次表6に例示する情報を保持している。
図17に、Cognitive Femto10の機能ブロック図を示す。図17に示すCognitive Femto10は、例示的に、データ送受信処理部CF−1、記憶部CF−2、演算処理部CF−3、及び、無線制御部CF−4を備える。
データ送受信処理部CF−1は、データ受信処理部F−1及びデータ送信処理部F−2を備える。これらの各処理部F−1及びF−2の機能は、NIC等を用いて実現できる。
記憶部CF−2は、表5に例示した管理テーブルF−7を記憶する。記憶部CF−2には、例示的に、ハードディスク装置、RAM、フラッシュメモリ等の当業者に知られている各種のメモリ等を用いることができる。
演算処理部CF−3は、切替制御処理部F−3、無線品質更新処理部F−4、管理テーブルタイムアウト監視処理部F−8、及び、起動処理部F−10としての機能を具備する。管理テーブルF−7、切替制御処理部F−3、無線品質更新処理部F−4、及び、管理テーブルタイムアウト監視処理部F−8を含むブロックは、Cognitive機能部(アプリケーション)F−9を成す。演算処理部CF−3には、例示的に、CPUやDSP等の演算処理能力を有するプロセッサを用いることができる。
無線制御部CF−4は、例示的に、WiFi通信を制御するWiFi制御処理部F−5、及び、LTE通信を制御するLTE制御処理部F−6を備える。無線制御部CF−4は、SoC(System-On-a-Chip)やDSP等を用いて実現できる。
Cognitive Femto10は、起動時に以下のように動作する。
Cognitive起動処理部F−10は、Cognitive Femto10が起動すると、Cognitive機能部F−9を有効にする。
Cognitive起動処理部F−10は、データ送信処理部F−2を介してCognitive Server30宛にCognitive Femto登録要求(表1参照)を送信する。データ送信処理部F−2は、UE登録要求を送信する端末登録要求送信処理部の一例である。
一方、図18に、Cognitive UE20の機能ブロック図を示す。図18に示すCognitive UE20は、例示的に、データ送受信処理部CU−1、記憶部CU−2、演算処理部CU−3、及び、無線制御部CU−4を備える。
データ送受信処理部CU−1は、データ送信処理部U−1及びデータ受信処理部U−2を備える。これらの各処理部U−1及びU−2の機能は、NIC等を用いて実現できる。
記憶部CU−2は、表6に例示したUE情報(テーブル)U−8を記憶する。記憶部CU−2には、例示的に、ハードディスク装置、RAM、フラッシュメモリ等の当業者に知られている各種のメモリ等を用いることができる。
演算処理部CU−3は、無線品質取得処理部U−3、切替制御処理部U−4、及び、Cognitive Femto入圏検知処理部U−5としての機能を具備する。UE情報U−8、無線品質取得処理部U−3、及び、切替制御処理部U−4を含むブロックは、Cognitive機能部(アプリケーション)U−9を成す。演算処理部CU−3には、例示的に、CPUやDSP等の演算処理能力を有するプロセッサを用いることができる。
無線制御部CU−4は、例示的に、WiFi通信を制御するWiFi制御処理部U−6、及び、LTE通信を制御するLTE制御処理部U−7を備える。無線制御部CU−4は、SoCやDSP等を用いて実現できる。
Cognitive UE20は、Cognitive Femto10のエリア内に入ると、以下のように動作する。
まず、Cognitive UE20のCognitive Femto入圏検知処理部U−5は、LTE制御処理部U−7から取得した情報(CGI,Tracking Area Code,Physical Cell Identity,Closed Subscriber Group等のセル識別情報)を基に、入圏したセルがCognitive Femto10であると判断すると、Cognitive機能部U−9を有効にする。
Cognitive機能部U−9の無線品質取得処理部U−3は、WiFi制御処理部U−6及びLTE制御処理部U−7を通じて周辺の電波情報を取集し、表6に例示したUE情報U−8を生成する。生成したUE情報U−8は、無線品質取得処理部U−3により記憶部CU−2に記憶される。
無線品質取得処理部U−3は、UE情報U−8と同じ情報をCognitive UE登録要求(表3参照)に含めて、当該要求をデータ送信処理部U−1からCognitive Femto10に通知する。
Cognitive Femto10(図17参照)は、データ受信処理部F−1によりCognitive UE登録要求を受信すると、無線品質更新処理部F−4に、Cognitive UE登録要求の受信を通知する。
無線品質更新処理部F−4は、Cognitive UE登録要求に含まれるIMSIをキーにして管理テーブルF−7(表5参照)を参照する。当該Cognitive UE登録要求を送信してきたCognitive UE20のIMSIが管理テーブルF−7(表5参照)に存在しない場合、無線品質更新処理部F−4は、CognitiveUE登録要求の内容を基に管理テーブルF−7に新規レコードを登録する。この時のLTE Quality Mark及びWiFi Quality Markは、後述する「無線品質更新処理」と同様の方法で無線品質更新処理部F−4が算出する。また、Last Access Timeは、受信時の時刻とする。
無線品質更新処理部F−4は、Cognitive UE20が送信したUE登録要求をCognitive Server30からCoginitive Server30により確立された通信経路を通じて受信すると、UE登録要求を管理テーブルF−7に登録する登録処理部の一例である。
図10に、Cognitive UE登録シーケンスの一例を示す。
図10に例示するように、Cognitive UE20は、電源投ON時等において、Cognitive Femto10との間でアタッチ(Attach)処理を実施する(処理P10)。
アタッチ処理とは、Cognitive UE20をネットワーク(Cognitive UE20)に登録するシーケンスである。アタッチ処理は、Cognitive UE20のLTE制御処理部U−6及びCognitive Femto10のLTE制御部F−6により実施される。
アタッチ処理の後、Cognitive UE20は、既述のように、Cognitive Femto入圏検知処理部U−5により、入圏したセルがCognitive Femto10であると判断すると、Cognitive機能部U−9を有効にする(処理P20)。
Cognitive機能部U−9は、WiFi制御処理部U−5に対してON要求を送信してWiFi通信を有効にする(処理P30)。WiFi制御処理部U−5は、Cognitive Femto10のWiFi制御処理部F−5との間で所定の認証処理を実施してCognitive Femto10とWiFi接続する(処理P40)。
これにより、Cognitive UE20は、無線品質取得処理部U−3により、WiFi制御処理部U−6及びLTE制御処理部U−7を通じて周辺の電波情報を取集することが可能となる。
そして、無線品質取得処理部U−3は、UE情報U−8を作成し(処理P50)、当該UE情報U−8をCognitive UE登録要求(表3参照)に含めてデータ送信処理部U−1からCognitive Femto10に通知する(処理P60)。
Cognitive Femto10は、データ受信処理部F−1によりCognitive UE登録要求を受信すると、既述のように、無線品質更新処理部F−4により、CognitiveUE登録要求の内容を基に管理テーブルF−7にレコードを登録する(処理P70)。
Cognitive Femto10は、管理テーブルF−7へのレコードの登録が完了すると、その旨(Cognitive UE登録通知)を、データ送信処理部F−2を介してCognitive UE20宛に送信してよい(処理P80)。
なお、Cognitive Femto10は、管理テーブルタイムアウト監視処理部F−8により、管理テーブルF−7を走査し、Last Access Timeに基づいて一定期間、更新の無いレコードを削除するようにしてもよい。これにより、管理テーブルF−7(図17及び表5参照)においてレコードが無制限に増加することを防ぐことができる。
また、Cognitive UE20は、Cognitive Femtoのエリア外に出た場合、次のように動作する。すなわち、Cognitive UE20のCognitive Femto入圏検知処理部U−5(図18参照)は、LTE制御処理部U−7から取得した情報(CGI,Tracking Area Code,Physical Cell Identity,Closed Subscriber Group等のセル識別情報)を基に、Cognitive Femto10のエリア外に出たと判断すると、Cognitive機能部U−9を無効にする。
(無線品質更新処理)
Cognitive UE20は、周辺の無線品質の変化を検知した場合、次のように動作する。すなわち、無線品質取得処理部U−3は、WiFi制御処理部U−6及びLTE制御処理部U−7を通じて無線品質の変化を検出すると、その情報を基にUE情報U−8を更新する。
なお、周辺の無線品質としてBluetoothの品質も考慮する場合、無線品質取得処理部U−3は、その無線品質の変化もBluetooth制御処理部(図示省略)を通じて検出することができる。Bluetooth制御処理部は、図18に例示する無線制御部CU−4の一機能として備えることができる。
無線品質取得処理部U−3は、更新されたUE情報U−8のSuperior Interface Type及びActive Interface Type以外の情報を、次表7に例示する無線品質変更要求情報としてデータ送信処理部U−1を介してCognitive Femto10宛に送信する。データ送信処理部U-1は、取得した無線品質に関する情報をCognitive Femto10宛に送信する無線品質送信処理部の一例である。
Cognitive UE20から上記の無線品質変更要求情報を受信したCognitive Femto10(図17参照)は、次のように動作する。すなわち、データ受信処理部F−1を介して無線品質変更要求情報を受信した無線品質更新処理部F−4は、受信した無線品質変更要求情報に含まれるIMSIと同じIMSIをもつ管理テーブルF−7のレコードを、受信した無線品質変更要求情報の内容で更新する。なお、LTE Quality Mark及びWiFi Quality Markについては、受信した無線品質変更要求情報から算出し、Last Access Timeについては受信時の時刻とする。
LTE Quality Markは、非限定的な一例として、隣接するLTEセルのRSRP(dBm)を電力(mW)に戻して加算し再びdBmに戻した値をCognitive Femto10のLTEのRSRP(dBm)から減じた値とすることができる。
また、Other Radio Interferenceとして例えばBluetooth(登録商標)を考慮する場合、WiFi Quality Markは、次の値とすることができる。すなわち、WiFi Quality Markは、非限定的な一例として、隣接するWiFi AP(Access Point)及び隣接するBluetoothのRSSI(dBm)を電力(mW)に戻して隣接するWiFiのチャネルに応じた荷重(重み)を掛けて加算し再びdBmに戻した値をCognitive Femto10のWiFiのRSSI(dBm)から減じた値とすることができる。
図11に、無線品質更新処理(シーケンス)の一例を示す。
Cognitive UE20のCognitive機能部U−9は、LTE制御処理部U−6、WiFi制御処理部U−5、及び、Bluetooth制御処理部(図示省略)のいずれかから無線品質の変化を通知される(処理P100〜P120)。
すると、Cognitive機能部U−9は、無線品質取得処理部U−3により、通知された情報を基にUE情報U−8を更新する(処理P130)。また、無線品質取得処理部U−3は、既述のように、更新されたUE情報U−8のSuperior Interface Type及びActive Interface Type以外の情報を、表7に例示する無線品質変更要求情報としてCognitive Femto10宛に送信する(処理P140)。
Cognitive Femto10は、既述のように、受信した無線品質変更要求情報に含まれるIMSIと同じIMSIをもつ管理テーブルF−7のレコードを、受信した無線品質変更要求情報の内容で更新する(処理P150)。更新が完了すると、Cognitive Femto10は、その旨(無線品質変更通知)をCognitive UE20宛に送信してよい。
(切替制御処理)
Cognitive Femto10は、以下に例示する情報(a)〜(d)を基に、LTE通信とLTEに接続しているUE数とWiFiに接続しているUE数との理想的な比率(LoadBalancingRate)を算出する。そして、Cognitive Femto10は、実際のLTE/WiFi接続比率がLoadBalancingRate(目標比率)に近づくようにCognitive UE20の優先接続方式をLTE Quality Mark及びWiFi Quality Markに基づいて決定する。
(a)Cognitive Femto10自身が受けているLTE/WiFiの干渉値
(b)Cognitive Femto10のLTE/WiFiのリソース利用率
(c)Cognitive Femto10のLTE/WiFiの接続可能UE数の最大値
(d)Cognitive Femto10に設定されている、LTEに接続しているUEとWiFiに接続しているUEとの比率の荷重
Cognitive Femto10(図17参照)は、次のようにしてLoadBalancingRateを算出する。
まず、切替制御処理部F−3は、WiFi制御処理部F−5及びLTE制御処理部F−6からLTE/WiFiのリソース利用率及び接続可能UE数の最大数を取得する。
また、切替制御処理部F−3は、WiFi制御処理部F−5及びLTE制御処理部F−6からCognitive Femto10自身が受けているLTE/WiFIの干渉値を取得する。あるいは、切替制御処理部F−3は、管理テーブルF−7の各Cognitive UE20の情報からCognitive Femto10自身が受けているLTE/WiFIの干渉値を推定してもよい。
切替制御処理部F−3は、LTE/WiFiの接続数の荷重係数がある場合はその値を記憶部CF−2から取得する。
そして、切替制御処理部F−3は、取得した上記の情報からLoadBalancingRateを算出する。Cognitive Femto10は、切り替え処理を実施するため以下の表8に例示する切替判定パラメータを記憶部CF−2に記憶する。
LTE Utilizationは、LTEの利用率であり、RB(Resource Block)の利用率に相当する。WiFi Utilizationは、WiFiの利用率であり、トータルスループット利用率に相当する。
LoadBalancingRateを算出したCognitive Femto10は、各Cognitive UE20の接続方式を以下のように決定する。
すなわち、切替制御処理部F−3は、WiFi制御処理部F−5及びLTE制御処理部F−6から全てのUE(Cognitive UE20でない一般のUEを含めてよい)を対象にLTE接続UE数とWiFi接続UE数とを取得する。
切替制御処理部F−3は、管理テーブルF−7から各Cognitive UE20の現在の接続方式を取得する。
切替制御処理部F−3は、全てのUE(Cognitive UE10でない一般のUEを含めてよい)のLTE接続UE数とWiFi接続UE数との比率がLoadBalancingRateに近づくように、各Cognitive UE10のSuperior Interface Typeを変更する(図15の処理P310)。当該変更は、各Cognitive UE10のLTE Quality Mark及びWiFi Quality Markに基づいて実施する。
切替制御処理部F−3は、Superior Interface Typeを変更した各Cognitive UE10にデータ送信処理部F−2を介して次表9に例示する接続方式変更要求を送信する(図15の処理P320)。
切替制御処理部F−3は、管理テーブルF−7に登録したUE登録要求情報の送信元であるCognitive UE20において取得されたCognitive UE20周辺の無線品質に関する情報をCognitive Server30からCognitive Server30により確立された通信経路を通じて受信すると、当該情報とCognitive Femto20の通信負荷に関する情報とに基づいて、Cognitive UE20の通信方式を制御する制御部の一例である。
Cognitive UE20(図18参照)は、Cognitive Femto10から接続方式変更要求を受信すると、次のように動作する。
まず、切替制御処理部U−4は、データ受信処理部U−2を介して受信した接続方式変更要求に基づいてUE情報U−8(表6参照)のSuperior Interface Typeを変更する(図15の処理P330)。
切替制御処理部U−4は、Superior Interface Typeで指定された方式を有効にするようにWiFi制御処理部U−6及びLTE制御処理部U−7に通知する。
接続方式がSuperior Interface Typeで指定された方式に切り替わると、切替制御処理部U−4は、UE情報U−8のActive Interface Typeに切り替え後の方式を反映する(図15の処理P340及びP360)。なお、当該反映は、通信状態がアイドル状態のときに実施してよい。通信状態がアクティブ状態のときは、通信状態がアイドル状態に遷移してから(図15の状態遷移P350)当該反映を実施すればよい。
切替制御処理部U−4は、接続方式が切り替わると、その旨(接続方式変更通知)をCognitive Femto10宛に送信する(図15の処理P370)。Cognitive Femto10(Coginitive機能部F−9:図17参照)は、当該接続方式変更通知を受信すると、管理テーブルF−7(表5参照)のActive Interface Typeを通知された接続方式に変更する(図15の処理P380)。
以下に、LoadBalancingRateとLTE Quality Mark及びWiFi Quality Markとに基づいて、Superior Interface Typeを変更するCognitive UE20を選出するアルゴリズムの一例を示す。
(LTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRateよりも所定値以上大きい場合)
LTEに接続しているCognitive UE20でLTE Quality Markの小さいCognitive UE20から、LTE Quality MarkとWiFi Quality Markとを比較する。WiFi Quality Markの方が高かった場合、そのCognitive UEのSuperior Interface TypeをWiFiに変更する。この動作はLTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以下になるまで、またはLTEに接続しているCognitive UEが0になるまで続ける。
全てのCognitive UE20を走査したにも関わらず、LTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以下になることも、LTEに接続しているCognitive UEが0になることもなかった場合は、次のように動作する。すなわち、LTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以下になるまで、またはLTEに接続しているCognitive UEが0になるまで、LTE Quality Markの小さいCognitive UE20からSuperior Interface TypeをWiFiに変更する。
上記動作を行なってもLTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以下になることも、LTEに接続しているCognitive UEが0になることもなかった場合、切替動作をその時点で停止する。
(LTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRateよりも所定値以上小さい場合)
WiFiに接続しているCognitive UE20でWiFi Quality Markの小さいCognitive UE20から、WiFi Quality MarkとLTE Quality Markとを比較する。LTE Quality Markの方が高かった場合、そのCognitive UEのSuperior Interface TypeをLTEに変更する。この動作は、LTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以上になるまで、またはWiFiに接続しているCognitive UEが0になるまで続ける。
全てのCognitive UE20を走査したにも関わらず,LTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以上になることも、WiFiに接続しているCognitive UEが0になることもなかった場合、次のように動作する。すなわち、LTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以上になるまで、またはWiFiに接続しているCognitive UEが0になるまでWiFi Quality Markの小さいCognitive UEからSuperior Interface TypeをLTEに変更する。
上記動作を行なってもLTEに接続しているUEの比率がLoadBalancingRate以上になることも、WiFiに接続しているCognitive UEが0になることもなかった場合、切替動作をその時点で停止する。
図12〜図14に、上述した切替判定処理のフローチャートを例示する。
図12に例示するように、Cognitive Femoto10の切替制御処理部F−3は、各UEのLTE Quality Mark及びWiFi Quality Markを算出する(処理P210)。また、切替制御処理部F−3は、Cognitive Femto10のLTE Utilization及びWiFi Utilizationを算出する(処理P211)。
さらに、切替制御処理部F−3は、Cognitive Femto10のLTECellInterference及びWiFiCellInterferenceを算出する(処理P212)。また、切替制御処理部F−3は、Cognitive Femto 10のLoadBalancingRateを算出する(処理P213)。なお、以上の処理P210〜P213の順序は不問である。
切替制御処理部F−3は、(LoadBalancingRate−0.1)≧(LTEに接続しているUEの比率)であるか否かを判定する(処理P214)。判定の結果がYESの場合、図13に例示するように、切替制御処理部F−3は、LTE Quality Mark>WiFi Quality Markとなっているか否かを判定する(処理P215)。
判定の結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、WiFi接続中のCognitive UE20の中でWiFi Quality Markが最も低いCognitive UE20のSuperior Interface TypeをLTEに変更する(処理P216)。
そして、切替制御処理部F−3は、LoadBalancingRate≦(LTEに接続しているUEの比率)であるか否かを判定する(処理P217)。判定の結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、処理P215へ戻る。判定の結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。
一方、処理P215において判定の結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、WiFi接続中のCognitive UEが存在するか否かを判定する(処理P218)。判定の結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。判定の結果がYESの場合、切替制御処理部U−4は、WiFi接続中のCognitive UE20が存在するか否かを判定する(処理P218)。
判定結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。判定結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、LTE Quality Mark>WiFI Quality MarkとなっているWiFi接続中のCognitive UE20の中でWiFi Quality Markが最も低いCognitive UEのSuperior Interface TypeをLTEに変更する(処理P219)
そして、切替制御処理部F−3は、LoadBalancingRate≦(LTEに接続しているUEの比率)となっているか否かを判定する(処理P220)。判定の結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。判定の結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、処理P218に戻る。
また、処理P214での判定結果がNOの場合、図14に例示するように、切替制御処理部F−3は、(LoadBalancingRate+0.1)≦(LTEに接続しているUEの比率)となっているか否かを判定する(処理P221)。
判定結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。判定結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、WiFi Quality Mark>LTE Quality MarkとなっているLTE接続中のCognitive UE20が存在するか否かを判定する(処理P222)。
判定結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、WiFi Quality Mark>LTE Quality MarkとなっているLTE接続中のCognitive UEの中でLTE Quality Markが最も低いCognitive UEのSuperior Interface TypeをWiFiに変更する(処理P223)。
そして、切替制御処理部F−3は、LoadBalancingRate≧(LTEに接続しているUEの比率)となっているか否かを判定する(処理P224)。判定結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。判定結果がNOの場合、切替制御処理部U−4は、処理P222に戻る。
なお、処理P222での判定結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、LTE接続中のCognitive UE20が存在するか否かを判定する(処理P225)。判定結果がNOの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。判定結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、LTE接続中のCognitive UE20の中でLTE Quality Markが最も低いCognitive UEのSuperior Interface TypeをWiFiに変更する(処理P226)。
そして、切替制御処理部F−3は、LoadBalancingRate≧(LTEに接続しているUEの比率)となっているか否かを判定する(処理P227)。判定結果がYESの場合、切替制御処理部F−3は、切替判定処理を終了する。判定結果がNOの場合、切替制御処理部U−4は、処理P225に戻る。
(Cognitive System継続処理)
Cognitive Femto10及びCognitive UE20は、Cognitiveシステムの継続のために以下の動作を実行する。
Cognitive Femto10がCognitive UE20に対してデータを送信しておらず、かつ、Cognitive UE20からのデータの受信もない期間が一定以上続く場合がある。その場合、Cognitive Femto10のCognitive起動処理部F−10(図17参照)は、Cognitive Server30に対して、再度、Cognitive Femto登録要求を行なう。これにより、Cognitive Femto10がCognitive Server30のFemtoマッピングテーブルへの登録が維持される。
また、Cognitive UE20がCognitive Femto10に対してデータを送信しておらず,かつ、Cognitive Femto10からのデータの受信もない期間が一定以上続く場合がある。その場合、Cognitive UE20の無線品質取得処理部U−3は、無線品質に変化がなかったとしても、Cognitive Femto10に対して無線品質変更要求を行なう。これにより、Cognitive Femto10でCognitive UE20が管理され続けることを保証できる。また、Cognitive Server30のUEマッピングテーブルS−6(図16参照)で管理され続けることを保証できる。
以上のように、複数の通信方式をサポートするCognitive Femto10及びCognitive UE20に関して、Cognitive Femto10主導でCognitive UE20が利用する通信方式を決定することで、より高品質な通信を実現することができる。
また、Cognitive Server30を用いるネットワーク構成により、Cognitive Femto10の設置環境を意識せずに、Cognitive Femto10とCognitive UE20との間の通信が可能となる。
さらに、既述の「無線品質更新処理」及び「切替制御処理」により、Cognitive UE20それぞれの電波品質とCognitive Femto10の通信負荷とを考慮した通信方式の切り替えが可能となる。