(発明の詳細な説明)
(一般的な定義)
「ポリマー」は、同種又は異種を問わず、モノマーを重合させることにより調製されるポリマー化合物を指す。「ポリマー」という一般用語は、「ホモポリマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」、及び「共重合体」という用語を含む。
「共重合体」は、少なくとも2種の異なるモノマーの重合により調製されるポリマーを指す。「共重合体」という一般用語は、「コポリマー」という用語(これは、通常、2種の異なるモノマーから調製されるポリマーを指す)及び「ターポリマー」という用語(これは、通常、3種の異なるモノマーから調製されるポリマーを指す)を含む。それは、4種以上のモノマーを重合させることにより作られるポリマーも包含する。
「オルガニル」は、官能基の種類にかかわらず、炭素原子に1つの自由原子価を有する任意の有機置換基、例えば、CH3CH2-、ClCH2-、CH3C(=O)-、4-ピリジルメチルを指す。
「ヒドロカルビル」は、炭化水素から水素原子を除去することにより形成される任意の一価の基、例えば、アルキル(例えば、エチル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、及びアリール(例えば、フェニル)を指す。
「ヘテロシクリル」は、複素環式化合物の任意の環原子から水素原子を除去することにより形成される任意の一価の基を指す。
「アルキル」又は「アルキル基」は、飽和の非分岐又は分岐脂肪族炭化水素から水素原子を除去することにより誘導される一般式CnH2n+1(式中、nは、整数、又は1〜20もしくは1〜8の整数である)を有する一価の基を指す。アルキル基の例としては、(C1-C8)アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。より長いアルキル基としては、ノニル及びデシル基が挙げられる。アルキル基は非置換であることができ、又は1以上の好適な置換基で置換されることができる。さらに、アルキル基は、分岐状又は非分岐状であることができる。いくつかの実施態様において、アルキル基は、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8個の炭素原子を含有する。
「シクロアルキル」又は「シクロアルキル基」は、炭素及び水素原子を含む非芳香族単環式又は多環式環からの水素原子の除去によりシクロアルカンから誘導される一価の基を指す。シクロアルキル基の例としては、(C3-C7)シクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル、並びに飽和環式及び二環式テルペン、並びに(C3-C7)シクロアルケニル基、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニル、並びに不飽和環式及び二環式テルペンが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は非置換であることができ、又は1もしくは2個の好適な置換基により置換されることができる。さらに、シクロアルキル基は、単環式又は多環式であることができる。いくつかの実施態様において、シクロアルキル基は、少なくとも5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子を含有する。
「アリール」又は「アリール基」は、水素原子を除去することにより単環式又は多環式芳香族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、ベンジル、又はトラニル基、セクシフェニレン、フェナントレニル、アントラセニル、コロネニル、及びトラニルフェニルが挙げられる。アリール基は非置換であることができ、又は1以上の好適な置換基により置換されることができる。さらに、アリール基は、単環式又は多環式であることができる。いくつかの実施態様において、アリール基は、少なくとも6、7、8、9、又は10個の炭素原子を含有する。
「アクリル酸エステル」は、式
を有する化合物を指し、式中、R'は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル、ヘテロシクリル、又は置換ヘテロシクリルである。特定の実施態様において、R'は、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換アリール、置換アルカリール、又は置換アリールアルキルである。いくつかの実施態様において、R'は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヒドロキシアルキル(例えば、2-ヒドロ
キシエチル)、アミノアルキル(例えば、2-アミノエチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、又は2-(ジエチルアミノ)エチル)である。さらなる実施態様において、R'は置換されている。アクリル酸エステルのいくつかの非限定的な例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸n-ヘプチル、アクリル酸2-メチルヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸n-ノニル、アクリル酸イソ-ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アセトアセトキシエチル、アクリル酸アセトアセトキシプロピル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-エトキシエチル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸カプロラクトン、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ヒドロキシアルキル(例えば、アクリル酸2-ヒドロキシエチル)、アクリル酸アミノアルキル(例えば、アクリル酸2-アミノエチル、アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、及びアクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル)、アクリル酸アルコキシアルキル(例えば、アクリル酸2-エトキシエチル)、アクリル酸アロキシアルキル(例えば、アクリル酸2-フェノキシエチル)、並びにそれらの組合せが挙げられる。
「メタクリル酸エステル」は、式
を有する化合物を指し、式中、R'は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル、ヘテロシクリル、又は置換ヘテロシクリルである。特定の実施態様において、R'は、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換アリール、置換アルカリール、又は置換アリールアルキルである。いくつかの実施態様において、R'は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヒドロキシアルキル(例えば、2-ヒドロ
キシエチル)、アミノアルキル(例えば、2-アミノエチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、又は2-(ジエチルアミノ)エチル)である。さらなる実施態様において、R'は置換されている。メタクリル酸エステルのいくつかの非限定的な例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸n-ヘプチル、メタクリル酸2-メチルヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸n-ノニル、メタクリル酸イソ-ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アセトアセトキシエチル、メタクリル酸アセトアセトキシプロピル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸カプロラクトン、メタクリル酸ヒドロキシアルキル(例えば、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、メタクリル酸アミノアルキル(例えば、メタクリル酸2-アミノエチル、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、及びメタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル)、メタクリル酸アルコキシアルキル(例えば、メタクリル酸2-エトキシエチル)、メタクリル酸アロキシアルキル(例えば、メタクリル酸2-フェノキシエチル)、並びにそれらの組合せが挙げられる。
「アルコキシカルボニル」は、一般式R'O-C(=O)-(式中、R'は、アルキル又は置換アルキルである)を有する一価の基を指す。いくつかの実施態様において、R'は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヒドロキシアルキル(例えば、2-ヒドロキシエチル)、アミノアルキル(例えば、2-アミノエチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、又は2-(ジエチルアミノ)エチル)である。特定の実施態様において、アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、ネオペントキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、ヘプトキシカルボニル、オクトキシカルボニル、デコキシカルボニル、イソデコキシカルボニル、ラウロキシカルボニル、又はステアロキシカルボニルである。特定の実施態様において、アルコキシカルボニルは、置換アルコキシカルボニル、例えば、ヒドロキシアルコキシカルボニル(例えば、2-ヒドロキシエトキシカルボニル)及びアミノアルコキシカルボニル(例えば、2-アミノエトキシカルボニル、2-(ジメチルアミノ)エトキシカルボニル又は2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル)である。
「ビニルモノマー」は、式(XV)を有する化合物を指す:
(式中、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、独立に、H、オルガニル基、又は官能基である)。いくつかの実施態様において、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、本明細書に定義されている通りである。
「イソプレノイド」及び「イソプレノイド化合物」は、本明細書で互換的に使用されており、イソペンテニル二リン酸から誘導可能な化合物を指す。
化合物又は化学的部分を説明するために使用される「置換された」は、その化合物又は化学的部分の少なくとも1つの水素原子が第二の化学的部分と置き換えられていることを指す。第二の化学的部分は、化合物の所望の活性に悪影響を及ぼさない任意の所望の置換基であることができる。置換基の例は、本明細書に開示される例示的な化合物及び実施態様に見出されるもの、並びにハロゲン;アルキル;ヘテロアルキル;アルケニル;アルキニル;アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル;アルコキシル;アロキシル;アルコキシアルコキシル;アミノ;ニトロ;チオール;チオエーテル;イミン;シアノ;アミド;ホスホナト;ホスフィン;カルボキシル;チオカルボニル;スルホニル;スルホンアミド;アシル;ホルミル;アシルオキシ;アルコキシカルボニル;グリシジル;オキシラニル;アセトアセトキシ;オキソ;ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル);単環式又は縮合もしくは非縮合多環式であることができる炭素環式シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル)或いは単環式又は縮合もしくは非縮合多環式であることができるヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、又はチアジニル);炭素環式又は複素環式、単環式又は縮合もしくは非縮合多環式アリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、又はベンゾフラニル);アミノ(一級、二級、又は三級);o-低級アルキル;o-アリール、アリール;アリール-低級アルキル;-CO2CH3;-CONH2;-OCH2CONH2;-NH2;-SO2NH2;-OCHF2;-CF3;-OCF3;-NH(アルキル);-N(アルキル)2;-NH(アリール);-N(アルキル)(アリール);-N(アリール)2;-CHO;-CO(アルキル);-CO(アリール);-CO2(アルキル);及び-CO2(アリール)であり;かつそのような部分は、縮合環構造又は架橋、例えば、-OCH2O-により任意に置換されることもできる。これらの置換基は、任意に、そのような基から選択される置換基でさらに置換されることができる。別途規定されない限り、本明細書に開示される化学基は全て、置換されることができる。
「有機リチウム試薬」は、炭素とリチウム原子との間の直接結合を有する有機金属化合物を指す。有機リチウム試薬のいくつかの非限定的な例としては、ビニルリチウム、アリールリチウム(例えば、フェニルリチウム)、及びアルキルリチウム(例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、メチルリチウム、イソプロピルリチウム、又は1〜20個の炭素原子を有する他のアルキルリチウム試薬)が挙げられる。
化合物を「実質的に含まない」組成物とは、組成物が、該組成物の総容量に基づいて、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、又は約0.01重量%未満の該化合物を含有することを意味する。
「実質的に線状」であるポリマーとは、ポリマーが、該組成物の総容量に基づいて、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、又は約0.01重量%未満の分岐状、星状、又は他の規則的なもしくは不規則な構造を含有することを意味する。
「実質的に分岐状」であるポリマーとは、ポリマーが、該組成物の総容量に基づいて、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、又は約0.01重量%未満の線状、星状、又は他の規則的なもしくは不規則な構造を含有することを意味する。
「実質的に星状」であるポリマーとは、ポリマーが、該組成物の総容量に基づいて、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、又は約0.01重量%未満の分岐状、線状、又は他の規則的なもしくは不規則な構造を含有することを意味する。
以下の記載において、本明細書に開示される数字は全て、「約」又は「およそ」という単語が該数字に関連して使用されているかどうかにかかわらず、およその値である。数字は、1パーセント、2パーセント、5パーセント、又は時には10〜20パーセント変動し得る。下限RL及び上限RUを有する数値範囲が開示される場合はいつでも、その範囲内にある任意の数字が具体的に開示される。特に、該範囲内の以下の数字が具体的に開示される:R=RL+k*(RU−RL)(式中、kは、1パーセント刻みで増分する1パーセント〜100パーセントの範囲の変数であり、すなわち、kは、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、…、50パーセント、51パーセント、52パーセント、…、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、又は100パーセントである)。さらに、上で定義された2つのR数により定義される任意の数値範囲も具体的に開示される。
本明細書に開示される組成物は、通常、ポリファルネセン及び任意に粘着付与剤を含む。他の実施態様において、本明細書に開示される組成物は、粘着付与剤を含まない。さらなる実施態様において、本明細書に開示される組成物は、粘着付与剤を含む。
いくつかの実施態様において、該ポリファルネセンは、ファルネセンホモポリマー、ファルネセン共重合体、又はそれらの組合せである。特定の実施態様において、該ポリファルネセンは、α-ファルネセン、β-ファルネセン、又はそれらの組合せなどの少なくとも1種のファルネセンから誘導される単位を含むファルネセンホモポリマーである。他の実施態様において、該ポリファルネセンは、少なくとも1種のファルネセンから誘導される単位及び少なくとも1種の共重合性ビニルモノマーから誘導される単位を含むファルネセン共重合体である。いくつかの実施態様において、該ファルネセン共重合体は、スチレン及び少なくとも1種のファルネセンから誘導される。他の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、メタクリル酸メチル及び少なくとも1種のファルネセンから誘導される。他の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、無水マレイン酸及び少なくとも1種のファルネセンから誘導される。他の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、メタクリル酸、スチレン、及び少なくとも1種のファルネセンから誘導される。さらなる実施態様において、該ファルネセン共重合体は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、及び少なくとも1種のファルネセンから誘導される。さらなる実施態様において、該ファルネセン共重合体は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、及び少なくとも1種のファルネセンから誘導される。なおさらなる実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ランダム、ブロック、又は交互共重合体である。なおさらなる実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ジブロック、トリブロック、又は他のマルチブロック共重合体である。
いくつかの実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、β-ファルネセンを、エチレン、スチレン、又はイソプレンなどのオレフィンを重合させるのに好適な任意の触媒の存在下で重合させることにより調製される。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)、(II)、(III)、(IV)、それらの立体異性体、又はそれらの組合せを有する1以上の単位を含む:
(式中、R
1は、式(XI):
を有し;かつR
2は、式(XII):
を有し、ここで、m、n、l、及びkの各々は、独立に、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、1〜約500,000、2〜約10,000、2〜約50,000、2〜約100,000、2〜約200,000、又は2〜約500,000の整数である)。いくつかの実施態様において、m、n、l、及びkの各々は、独立に、1〜100,000の整数である。他の実施態様において、m、n、l、及びkの各々は、独立に、2〜100,000の整数である。
特定の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(II)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、nは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。さらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(III)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、lは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(IV)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、kは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。
いくつかの実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)を有する少なくとも1つの単位及び式(II)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとnの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)を有する少なくとも1つの単位及び式(III)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとlの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(II)を有する少なくとも1つの単位及び式(III)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、nとlの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)を有する少なくとも1つの単位、式(II)を有する少なくとも1つの単位、及び式(III)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとnとlの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)を有する少なくとも1つの単位、式(II)を有する少なくとも1つの単位、式(III)を有する少なくとも1つの単位、及び式(IV)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとnとlとkの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセンホモポリマー中の式(I)、(II)、(III)、又は(IV)を有する1以上の単位は、任意の順序であることができる。
特定の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、α-ファルネセンを、オレフィンを重合させるのに好適な任意の触媒の存在下で重合させることにより調製される。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、それらの立体異性体、又はそれらの組合せを有する1以上の単位を含む:
(式中、R
3は、式(XIII):
を有し;かつR
4は、式(XIV):
を有し、ここで、m、n、l、及びkの各々は、独立に、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、1〜約500,000、2〜約10,000、2〜約50,000、2〜約100,000、2〜約200,000、又は2〜約500,000の整数である)。いくつかの実施態様において、m、n、l、及びkの各々は、独立に、1〜100,000の整数である。他の実施態様において、m、n、l、及びkの各々は、独立に、2〜100,000の整数である。
特定の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(V)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(VI)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、nは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。さらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(VII)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、lは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(VIII)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、kは、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。
いくつかの実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(V)を有する少なくとも1つの単位及び式(VI)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとnの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(V)を有する少なくとも1つの単位及び式(VII)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとlの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(VI)を有する少なくとも1つの単位及び式(VII)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、nとlの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(V)を有する少なくとも1つの単位、式(VI)を有する少なくとも1つの単位、及び式(VII)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとnとlの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(V)を有する少なくとも1つの単位、式(VI)を有する少なくとも1つの単位、式(VII)を有する少なくとも1つの単位、及び式(VIII)を有する少なくとも1つの単位を含み、ここで、mとnとlとkの合計は、約300よりも大きく、約500よりも大きく、又は約1000よりも大きい。なおさらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセンホモポリマー中の式(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有する1以上の単位は、任意の順序であることができる。
いくつかの実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、α-ファルネセンとβ-ファルネセンとの混合物を、オレフィンを重合させるのに好適な任意の触媒の存在下で重合させることにより調製される。他の実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、本明細書に開示される式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、もしくは(VIII)、それらの立体異性体、又はそれらの組合せを有する1以上の単位を含む。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセンホモポリマー中の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有する少なくとも1つの単位は、任意の順序であることができる。
いくつかの実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、それらの立体異性体、及びそれらの組合せから選択される2つの異なる式を有する2以上の単位を含む。他の実施態様において、そのようなファルネセンホモポリマーは、以下の式により表すことができる:AxBy(式中、x及びyの各々は少なくとも1であり、並びに式中、A及びBの各々は、独立に、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有し、かつAとBは異なる)。さらなる実施態様において、x及びyの各々は、独立に、1よりも大きく、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40であるか、又はそれよりも大きい。いくつかの実施態様において、A及びBは、実質的に分岐状又は実質的に星状ではなく、実質的に線状に結合している。他の実施態様において、A及びBは、ファルネセンホモポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。他の実施態様において、A及びBは、例えば、AA--A-BB---Bなどのセグメント化された構造を有するファルネセンホモポリマーを提供するように、2つの「セグメント」中にある。他の実施態様において、A及びBは、例えば、A-B、A-B-A、A-B-A-B、A-B-A-B-Aなどの交互構造を有するファルネセンホモポリマーを提供するように、ファルネセンホモポリマー鎖に沿って交互に分布している。
いくつかの実施態様において、該ファルネセンホモポリマーは、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、それらの立体異性体、及びそれらの組合せから選択される3つの異なる式を有する3以上の単位を含む。他の実施態様において、そのようなファルネセンホモポリマーは、以下の式により表すことができる:AxByCz(式中、x、y、及びzの各々は少なくとも1であり、並びに式中、A、B、及びCの各々は、独立に、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有し、かつAとBとCは異なる)。さらなる実施態様において、x、y、及びzの各々は、独立に、1よりも大きく、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40であるか、又はそれよりも大きい。いくつかの実施態様において、A、B、及びCは、実質的に分岐状又は実質的に星状ではなく、実質的に線状に結合している。他の実施態様において、A、B、及びCは、ファルネセンホモポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。他の実施態様において、A、B、及びCは、例えば、AA--A-BB--B-CC--Cなどのセグメント化された構造を有するファルネセンホモポリマーを提供するように、3つの「セグメント」中にある。他の実施態様において、A、B、及びCは、例えばA-B-C-A-B、A-B-C-A-B-Cなどの交互構造を有するファルネセンホモポリマーを提供するように、ファルネセンホモポリマー鎖に沿って交互に分布している。
特定の実施態様において、該ポリファルネセンは、ファルネセン共重合体である。他の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセンと少なくとも1種のビニルモノマーを、オレフィンとビニルモノマーを重合させるのに好適な任意の触媒の存在下で重合させることにより調製される。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、(a)本明細書に開示される式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のうちの少なくとも1つを有する1以上の単位;並びに(b)式(IX):
(式中、pは、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、1〜約500,000、2〜約10,000、2〜約50,000、2〜約100,000、2〜約200,000、又は2〜約500,000の整数であり;かつR
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、独立に、H、オルガニル基、又は官能基である)を有する1以上の単位を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるR
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、4〜8個の炭素原子を含有する一価の炭化水素基ではない。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるR
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、4〜8個の炭素原子を含有するアルキル基ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、(a)本明細書に開示される式(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)のうちの少なくとも1つを有する1以上の単位;並びに(b)本明細書に開示される式(IX)を有する1以上の単位を含む。他の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、(a)本明細書に開示される式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)のうちの少なくとも1つを有する1以上の単位;並びに(b)本明細書に開示される式(IX)を有する1以上の単位を含む。
いくつかの実施態様において、該ファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセンと少なくとも2種のビニルモノマーを、本明細書に開示されるオレフィンとビニルモノマーを重合させるのに好適な任意の触媒の存在下で重合させることにより調製される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、(a)本明細書に開示される式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)のうちの少なくとも1つを有する1以上の単位;(b)式(IX):
(式中、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル(例えば、ピリジル)、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ(すなわち、-COOH)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル)、アミノアルコキシカルボニル(例えば、2-アミノエトキシカルボニル)、ヒドロキシアルコキシカルボニル(例えば、2-ヒドロキシエトキシカルボニル)、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ(例えば、CH
3-C(=O)-O)、ニトリル、又はハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)である)を有する1以上の単位;並びに(c)式(IX):
(式中、R
5は、カルボキシ又はアルコキシカルボニルであり;R
7は、H又はアルキルであり;かつR
6及びR
8の各々は、独立に、Hであり、並びに式中、各々のpは、独立に、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、1〜約500,000、2〜約10,000、2〜約50,000、2〜約100,000、2〜約200,000、又は2〜約500,000の整数である)を有する1以上の単位を含む。
いくつかの実施態様において、該ファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン及び少なくとも2種のビニルモノマーを、オレフィン及びビニルモノマーを重合させるのに好適な任意の触媒の存在下で重合させることにより調製される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、(a)本明細書に開示される式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)のうちの少なくとも1つを有する1以上の単位;(b)式(IX):
(式中、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル(例えば、ピリジル)、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ(すなわち、-COOH)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル)、アミノアルコキシカルボニル(例えば、2-アミノエトキシカルボニル)、ヒドロキシアルコキシカルボニル(例えば、2-ヒドロキシエトキシカルボニル)、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ(例えば、CH
3-C(=O)-O)、ニトリル、又はハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)である)を有する1以上の単位;(c)式(IX):
(式中、R
5及びR
6の各々は、独立に、カルボキシであるか、又はR
5及びR
6は一緒に、-C(=O)-O-C(=O)-を形成し;R
7は、H又はアルキルであり;かつR
8はHである)を有する1以上の単位;並びに(d)式(IX):
(式中、R
5はアルコキシカルボニルであり;R
7は、H又はアルキルであり;かつR
6及びR
8の各々は、独立に、Hであり、並びに式中、各々のpは、独立に、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、1〜約500,000、2〜約10,000、2〜約50,000、2〜約100,000、2〜約200,000、又は2〜約500,000の整数である)を有する1以上の単位を含む。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ランダム共重合体である。他の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ビニルモノマー単位及びファルネセン単位がランダムに分布しているランダム共重合体である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ビニルモノマー単位及びファルネセン単位がランダムに分布しており、かつ該ファルネセン単位中の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、及び(XI)のうちの2つ以上が、ランダムに、交互に、又はブロックで分布しているランダム共重合体である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、交互共重合体である。他の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ビニルモノマー単位及びファルネセン単位が交互に分布している交互共重合体である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ビニルモノマー単位及びファルネセン単位が交互に分布しており、かつ該ファルネセン単位中の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、及び(XI)のうちの2つ以上が、ランダムに、交互に、又はブロックで分布している交互共重合体である。
特定の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、又はそれらの組合せを有する1以上の単位を含む1以上の第一ブロック及び式(IX)を有する1以上の単位を含む1以上の第二ブロックを有するブロック共重合体である。さらなる実施態様において、該ファルネセン共重合体は、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、又はそれらの組合せを有する1以上の単位を含む1以上の第一ブロック及び式(IX)を有する1以上の単位を含む1以上の第二ブロックを有するブロック共重合体である。なおさらなる実施態様において、1つの第一ブロック及び2つの第二ブロックがあり、ここで、該第一ブロックは、該2つの第二ブロックの間にある。なおさらなる実施態様において、該第二ブロックの各々は、スチレンから誘導される単位を含む。いくつかの実施態様において、該ファルネセンブロック共重合体は、ポリスチレン-ポリファルネセンジブロックポリファルネセン、ポリスチレン-ポリファルネセン-ポリスチレントリブロックポリファルネセン、又はそれらの組合せである。
いくつかの実施態様において、該ファルネセン共重合体は、以下の式により表すことができる:PxQy(式中、x及びyの各々は少なくとも1であり、並びに式中、Pは式(IX)を有し、かつQは、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有する)。さらなる実施態様において、x及びyの各々は、独立に、1よりも大きく、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40であるか、又はそれよりも大きい。いくつかの実施態様において、P及びQは、実質的に分岐状又は実質的に星状ではなく、実質的に線状に結合している。他の実施態様において、P及びQは、ファルネセン共重合体鎖に沿ってランダムに分布している。他の実施態様において、P及びQは、例えば、PP--P-QQ---Q又はPP--P-QQ---Q-P---PPなどのブロック構造を有するファルネセン共重合体を提供するように、2以上のブロック又はセグメント中にある。他の実施態様において、P及びQは、例えば、P-Q、P-Q-P、P-Q-P-Q、P-Q-P-Q-Pなどの交互構造を有するファルネセン共重合体を提供するように、ファルネセン共重合体鎖に沿って交互に分布している。いくつかの実施態様において、各々のQは、本明細書に開示される式AxBy又はAxByCzを有する。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(I)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約85重量%、多くても約80重量%、多くても約70重量%、多くても約60重量%、又は多くても約50重量%である。他の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(III)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、又は少なくとも約99重量%である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(II)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、約1重量%〜約99重量%、約5重量%〜約99重量%、約10重量%〜約99重量%、又は約15重量%〜約99重量%である。なおさらなる実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(IV)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約0.1重量%、多くても約0.5重量%、多くても約1重量%、多くても約2重量%、又は多くても約3重量%である。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、式(I)、(II)、(III)、又は(IV)を実質的に含まない。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約1重量%、多くても約5重量%、多くても約10重量%、多くても約20重量%、多くても約30重量%、多くても約40重量%、多くても約50重量%、多くても約60重量%、多くても約70重量%、多くても約80重量%、又は多くても約90重量%である。他の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、約1重量%〜約99重量%、約5重量%〜約99重量%、約10重量%〜約99重量%、又は約15重量%〜約99重量%である。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、式(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を実質的に含まない。
他の実施態様において、本明細書に開示されるmとnの合計は、約250よりも大きく、約300よりも大きく、約500よりも大きく、約750よりも大きく、約1000よりも大きく、又は約2000よりも大きい。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるmとlの合計は、約250よりも大きく、約300よりも大きく、約500よりも大きく、約750よりも大きく、約1000よりも大きく、又は約2000よりも大きい。特定の実施態様において、本明細書に開示されるmとnとlの合計は、約250よりも大きく、約300よりも大きく、約500よりも大きく、約750よりも大きく、約1000よりも大きく、又は約2000よりも大きい。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるmとnとlとkの合計は、約250よりも大きく、約300よりも大きく、約500よりも大きく、約750よりも大きく、約1000よりも大きく、又は約2000よりも大きい。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、又は粘度平均分子量(Mz)は、約1,000よりも大きく、約5,000よりも大きく、約10,000よりも大きく、約50,000よりも大きく、約100,000よりも大きく、200,000よりも大きく、300,000よりも大きく、約500,000よりも大きく、750,000よりも大きく、1,000,000よりも大きく、1,500,000よりも大きく、又は2,000,000よりも大きい。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンのMn、Mw、又はMzは、約10,000,000未満、約5,000,000未満、約1,000,000未満、約750,000未満、約500,000未満、約100,000未満、約50,000未満、約10,000未満、又は約5,000未満である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、引用により本明細書中に組み込まれる、「ポリマー又はエラストマー化合物のTgを測定するためのDSC手順の割当ての標準試験方法(Standard Test Method for Assignment of the DSC Procedure for Determining Tg of a Polymer or an Elastomeric Compound)」というタイトルのASTM D7426-08に準拠して測定したとき、50℃未満、40℃未満、30℃未満、20℃未満、10℃未満、0℃未満、-10℃未満、-20℃未満、-30℃未満、-40℃未満、-50℃未満、-55℃未満、-60℃未満、-65℃未満、-70℃未満、又は-75℃未満の少なくともガラス転移温度(Tg)を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、50℃超、40℃超、30℃超、20℃超、10℃超、0℃超、-10℃超、-20℃超、-30℃超、-40℃超、又は-50℃超の少なくともガラス転移温度(Tg)を有する。特定の実施態様において、該ポリファルネセンは、ASTM D7426-08に準拠して測定したとき、約-20℃〜約40℃、約-15℃〜約35℃、約-10℃〜約30℃、約-5℃〜約25℃、約0℃〜約20℃、又は約5℃〜約15℃の少なくともガラス転移温度(Tg)を有する。
いくつかの実施態様において、式(I)の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約80重量%である。他の実施態様において、mとnとlの合計は、約300よりも大きい。さらなる実施態様において、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IX)、(XI)、(XII)、及びそれらの立体異性体のうちの1又は複数における二重結合の少なくとも一部は、水素化されている。
いくつかの実施態様において、該ポリファルネセンは、ファルネセン共重合体である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ファルネセン共重合体全体の少なくとも約5モルパーセント、少なくとも約10モルパーセント、少なくとも約15モルパーセント、少なくとも約20モルパーセント、少なくとも約25モルパーセント、少なくとも約30モルパーセント、少なくとも約40モルパーセント、少なくとも約50モルパーセント、少なくとも約60モルパーセント、少なくとも約70モルパーセント、少なくとも約80モルパーセント、又は少なくとも約90モルパーセントの量のファルネセンから誘導される1以上の単位を含む。なおさらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ファルネセン共重合体全体の少なくとも約5モルパーセント、少なくとも約10モルパーセント、少なくとも約15モルパーセント、少なくとも約20モルパーセント、少なくとも約30モルパーセント、少なくとも約40モルパーセント、少なくとも約50モルパーセント、少なくとも約60モルパーセント、少なくとも約70モルパーセント、少なくとも約80モルパーセント、又は少なくとも約90モルパーセントの量のビニルモノマーから誘導される1以上の単位を含む。
特定の実施態様において、該ポリファルネセンは、1以上のポリマー分子を含み、該分子の各々は、独立に、式(X')を有する:
(式中、nは、1〜約500、1〜約1,000、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、又は1〜約500,000の整数であり;mは、0〜約500、0〜約1,000、0〜約5,000、0〜約10,000、0〜約50,000、0〜約100,000、0〜約200,000、又は0〜約500,000の整数であり;Xはファルネセンから誘導され;かつYはビニルモノマーから誘導され、但し、mが0であるとき、nは少なくとも2である)。いくつかの実施態様において、mは、1〜約500、1〜約1,000、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、又は1〜約500,000の整数である。特定の実施態様において、nとmの合計は、2〜約500、2〜約1,000、2〜約5,000、2〜約10,000、2〜約50,000、2〜約100,000、2〜約200,000、又は2〜約500,000である。
いくつかの実施態様において、Xは、式(I')〜(VIII')のうちの1つ又は複数を有する:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4は、本明細書に定義されている通りである)。
特定の実施態様において、Yは、式(IX')を有する:
(式中、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、独立に、H、オルガニル基、又は官能基である)。いくつかの実施態様において、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、独立に、H、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、又はO、N、S、P、もしくはそれらの組合せを含有する官能基である。
いくつかの実施態様において、R5、R6、R7、及びR8の各々は、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル(例えば、ピリジル)、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ(すなわち、-COOH)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル)、アミノアルコキシカルボニル(例えば、2-アミノエトキシカルボニル)、ヒドロキシアルコキシカルボニル(例えば、2-ヒドロキシエトキシカルボニル)、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ(例えば、CH3-C(=O)-O)、ニトリル、又はハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)である。
特定の実施態様において、式(X')のR5はカルボキシであり;かつR7は、H又はアルキルである。他の実施態様において、該R5はアルコキシカルボニルであり;かつR7は、H又はアルキルである。いくつかの実施態様において、該アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、ネオペントキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、ヘプトキシカルボニル、オクトキシカルボニル、デコキシカルボニル、イソデコキシカルボニル、ラウロキシカルボニル、又はステアロキシカルボニルである。
いくつかの実施態様において、R5は、ヒドロキシアルコキシカルボニル又はアミノアルコキシカルボニルであり;かつR7は、H又はアルキルである。特定の実施態様において、該ヒドロキシアルコキシカルボニルは2-ヒドロキシエトキシカルボニルであり;かつ該アミノアルコキシカルボニルは、2-アミノエトキシカルボニル、2-(ジメチルアミノ)エトキシカルボニル、又は2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニルである。
特定の実施態様において、該R5は、2-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、又は4-フルオロフェニルであり;かつR7はHである。いくつかの実施態様において、該R5は、ピリジル又はシアノであり;かつR7はHである。いくつかの実施態様において、該R5はアシルオキシであり;かつR7はHである。特定の実施態様において、該アシルオキシはCH3C(=O)-O-である。特定の実施態様において、R5はハロであり;かつR7は、H又はハロである。いくつかの実施態様において、R5はクロロであり;かつR7はHである。特定の実施態様において、R5はフルオロであり;かつR7はフルオロである。
特定の実施態様において、該ポリファルネセンは、1以上のポリマー分子を含み、該分子の各々は、独立に、式(X'')を有する:
(式中、nは、1〜約500、1〜約1,000、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、又は1〜約500,000の整数であり;m及びkの各々は、独立に、0〜約500、0〜約1,000、0〜約5,000、0〜約10,000、0〜約50,000、0〜約100,000、0〜約200,000、又は0〜約500,000の整数であり;Xはファルネセンから誘導され;かつY及びZの各々は、独立に、ビニルモノマーから誘導され、但し、mが0であり、かつkが0であるとき、nは少なくとも2である)。いくつかの実施態様において、m及びkの各々は、独立に、1〜約500、1〜約1,000、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、又は1〜約500,000である。特定の実施態様において、nとmとkの合計は、独立に、3〜約500、3〜約1,000、3〜約5,000、3〜約10,000、3〜約50,000、3〜約100,000、3〜約200,000、又は3〜約500,000である。
いくつかの実施態様において、nとmとkの合計は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10よりも大きい。他の実施態様において、nとmとkの合計は、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100よりも大きい。さらなる実施態様において、nとmとkの合計は、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000、約50,000、約100,000、約500,000、又は約1,000,000よりも大きい。
特定の実施態様において、mとkの合計は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10よりも大きい。他の実施態様において、mとkの合計は、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100よりも大きい。さらなる実施態様において、mとkの合計は、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000、約50,000、又は約100,000よりも大きい。いくつかの実施態様において、mとkの合計は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10未満である。他の実施態様において、mとkの合計は、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100未満である。さらなる実施態様において、mとkの合計は、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000、約50,000、又は約100,000未満である。
いくつかの実施態様において、m及びkの各々は、独立に、1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10よりも大きい。他の実施態様において、m及びkの各々は、独立に、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100よりも大きい。さらなる実施態様において、m及びkの各々は、独立に、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000よりも大きい。特定の実施態様において、m及びkの各々は、独立に、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10未満である。他の実施態様において、m及びkの各々は、独立に、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100未満である。さらなる実施態様において、m及びkの各々は、独立に、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000未満である。
いくつかの実施態様において、Xは、本明細書に定義されている通りである。特定の実施態様において、Y及びZの各々は、独立に、式(IX')を有する:
(式中、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、本明細書に定義されている通りである)。
特定の実施態様において、式(X'')のYのR5は、カルボキシ又はアルコキシカルボニルであり;YのR7は、H又はアルキルであり;かつYのR6及びR8の各々は、独立に、Hである。いくつかの実施態様において、式(X'')のZのR5は、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシカルボニル、又はアミノアルコキシカルボニルであり;ZのR7は、H又はアルキルであり;かつZのR6及びR8の各々は、独立に、Hである。他の実施態様において、該アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、ネオペントキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、ヘプトキシカルボニル、オクトキシカルボニル、デコキシカルボニル、イソデコキシカルボニル、ラウロキシカルボニル、又はステアロキシカルボニルであり;該ヒドロキシアルコキシカルボニルは、ヒドロキシエトキシカルボニルであり;かつ該アミノアルコキシカルボニルは、2-アミノエトキシカルボニル、2-(ジメチルアミノ)エトキシカルボニル、又は2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニルである。
いくつかの実施態様において、式(X'')のZのR5は、アルキル又はアリールであり;かつZのR6、R7、及びR8の各々は、独立に、Hである。特定の実施態様において、ZのR5は、フェニル、2-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、及び4-フルオロフェニルから選択されるアリールである。
特定の実施態様において、式(X'')のYのR5は、アルコキシカルボニル又はヒドロキシアルコキシカルボニルであり;YのR7はアルキルであり;かつYのR6及びR8の各々はHであり;ZのR5はアルコキシカルボニルであり;ZのR7は、H又はアルキルであり;かつZのR6及びR8の各々はHである。いくつかの実施態様において、式(X'')のYのR5はフェニルであり;YのR6、R7、及びR8の各々はHであり;ZのR5はシアノであり;かつZのR6、R7、及びR8の各々はHである。
特定の実施態様において、該ポリファルネセンは、1以上のポリマー分子を含み、該分子の各々は、独立に、式(X''')を有する:
(式中、nは、1〜約500、1〜約1,000、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、又は1〜約500,000の整数であり;m、k、及びlの各々は、独立に、0〜約500、0〜約1,000、0〜約5,000、0〜約10,000、0〜約50,000、0〜約100,000、0〜約200,000、又は0〜約500,000の整数であり;Xはファルネセンから誘導され;かつY、Z、及びQの各々は、独立に、ビニルモノマーから誘導され、但し、mが0であり、kが0であり、かつlが0であるとき、nは少なくとも2である)。いくつかの実施態様において、m、k、及びlの各々は、独立に、1〜約500、1〜約1,000、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、又は1〜約500,000である。特定の実施態様において、nとmとkとlの合計は、独立に、4〜約500、4〜約1,000、4〜約5,000、4〜約10,000、4〜約50,000、4〜約100,000、4〜約200,000、又は4〜約500,000である。
いくつかの実施態様において、nとmとkとlの合計は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10よりも大きい。他の実施態様において、nとmとkとlの合計は、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100よりも大きい。さらなる実施態様において、nとmとkとlの合計は、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000、約50,000、約100,000、約500,000、又は約1,000,000よりも大きい。
特定の実施態様において、mとkとlの合計は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10よりも大きい。他の実施態様において、mとkとlの合計は、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100よりも大きい。さらなる実施態様において、mとkとlの合計は、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000、約50,000、又は約100,000よりも大きい。いくつかの実施態様において、mとkとlの合計は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10未満である。他の実施態様において、mとkとlの合計は、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100未満である。さらなる実施態様において、mとkとlの合計は、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000、約50,000、又は約100,000未満である。
いくつかの実施態様において、m、k、及びlの各々は、独立に、1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10よりも大きい。他の実施態様において、m、k、及びlの各々は、独立に、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100よりも大きい。さらなる実施態様において、m、k、及びlの各々は、独立に、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000よりも大きい。特定の実施態様において、m、k、及びlの各々は、独立に、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10未満である。他の実施態様において、m、k、及びlの各々は、独立に、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、又は約100未満である。さらなる実施態様において、m、k、及びlの各々は、独立に、約500、約1,000、約1,500、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000未満である。
いくつかの実施態様において、Xは、本明細書に定義されている通りである。特定の実施態様において、Y、Z、及びQの各々は、独立に、式(IX')を有する:
(式中、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、本明細書に定義されている通りである)。
いくつかの実施態様において、式(X''')のYのR5は、カルボキシ又はアルコキシカルボニルであり;YのR7は、H又はアルキルであり;かつYのR6及びR8の各々は、独立に、Hである。いくつかの実施態様において、式(X''')のZのR5は、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシカルボニル、又はアミノアルコキシカルボニルであり;ZのR7は、H又はアルキルであり;かつZのR6及びR8の各々は、独立に、Hである。他の実施態様において、該アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、ネオペントキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、ヘプトキシカルボニル、オクトキシカルボニル、デコキシカルボニル、イソデコキシカルボニル、ラウロキシカルボニル、又はステアロキシカルボニルであり;該ヒドロキシアルコキシカルボニルはヒドロキシエトキシカルボニルであり;かつ該アミノアルコキシカルボニルは、2-アミノエトキシカルボニル、2-(ジメチルアミノ)エトキシカルボニル、又は2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニルである。
いくつかの実施態様において、式(X''')のQのR5及びR6の各々はカルボキシであるか、又はR5及びR6は一緒に-C(=O)-O-C(=O)-を形成する。特定の実施態様において、式(X''')のYのR5はカルボキシであり;YのR7は、H又はアルキルであり;かつYのR6及びR8の各々は、独立に、Hである。いくつかの実施態様において、式(X''')のZのR5はアルコキシカルボニルであり;ZのR7は、H又はアルキルであり;かつZのR6及びR8の各々は、独立に、Hである。いくつかの実施態様において、式(X''')のQのR5は、アルキル又はアリールであり;かつQのR6、R7、及びR8の各々は、独立に、Hである。いくつかの実施態様において、式(X''')のQのR5はアルコキシカルボニルであり;かつQのR6、R7、及びR8の各々は、独立に、Hである。
一般に、該ポリファルネセンは、ポリマー分子の混合物を含み、その各々は、式(X')を有し、式中、n及びmの各々は、独立に、特定の値を有する。本明細書に開示されるn又はmの値の平均及び分布は、出発材料のモル比、反応時間及び温度、連鎖停止剤の有無、開始剤が存在する場合その量、並びに重合条件などの様々な因子によって決まる。式(X')のファルネセン共重合体は未反応のコモノマーを含み得るが、該コモノマーの濃度は、極小又は検出不能とまではいかなくても、一般に低いであろう。n及びmの値により特定される重合の程度は、得られるポリマーの特性に影響を及ぼすことができる。いくつかの実施態様において、nは、1〜約5,000、1〜約10,000、1〜約50,000、1〜約100,000、1〜約200,000、又は1〜約500,000の整数であり;かつmは、0〜約5,000、0〜約10,000、0〜約50,000、0〜約100,000、0〜約200,000、又は0〜約500,000の整数である。他の実施態様において、nは、独立に、約1〜約5000、約1〜約2500、約1〜約1000、約1〜約500、約1〜約100、又は約1〜約50であり;かつmは、約0〜約5000、約0〜約2500、約0〜約1000、約0〜約500、約0〜約100、又は約0〜約50である。当業者は、平均のn及びmの値のさらなる範囲が想定され、かつそれが本開示の範囲内にあることを認識するであろう。
いくつかの実施態様において、式(X')、(X'')、又は(X''')は、それぞれ、式(X
a)、(X
b)、又は(X
c)により示される2つの末端基を含む:
(ここで、式中のアスタリスク(
*)の各々は、出発材料のモル比、連鎖停止剤の有無、及び重合工程の最後における特定の重合プロセスの状態などの多くの因子に応じて、ポリファルネセンの異なるポリマー分子間で異なることも異ならないこともある末端基を表す)。
いくつかの実施態様において、式(X')又は(Xa)のX及びYは、実質的に線状に結合している。他の実施態様において、式(X')又は(Xa)のX及びYは、実質的に分岐状に結合している。さらなる実施態様において、式(X')又は(Xa)のX及びYは、実質的に星状に結合している。なおさらなる実施態様において、X及びYの各々は、独立に、少なくとも1つのXブロック及び少なくとも1つのYブロックを有するジブロック、トリブロック、又はマルチブロックファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿って少なくとも1つのブロックを形成している。なおさらなる実施態様において、X及びYは、ランダムファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。なおさらなる実施態様において、X及びYは、交互ファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿って交互に分布している。
いくつかの実施態様において、式(X'')又は(Xb)のX、Y、及びZは、実質的に線状に結合している。他の実施態様において、式(X'')又は(Xb)のX、Y、及びZは、実質的に分岐状に結合している。さらなる実施態様において、式(X'')又は(Xb)のX、Y、及びZは、実質的に星状に結合している。なおさらなる実施態様において、X、Y、及びZの各々は、独立に、少なくとも1つのXブロック及び少なくとも1つのYブロック、少なくとも1つのZブロックを有するトリブロック又はマルチブロックファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿って少なくとも1つのブロックを形成する。なおさらなる実施態様において、X、Y、及びZは、ランダムファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。なおさらなる実施態様において、X、Y、及びZは、交互ファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿って交互に分布している。
いくつかの実施態様において、式(X''')又は(Xc)のX、Y、Z、及びQは、実質的に線状に結合している。他の実施態様において、式(X''')又は(Xc)のX、Y、Z、及びQは、実質的に分岐状に結合している。さらなる実施態様において、式(X''')又は(Xc)のX、Y、Z、及びQは、実質的に星状に結合している。なおさらなる実施態様において、X、Y、Z、及びQの各々は、独立に、少なくとも1つのXブロック、少なくとも1つのYブロック、少なくとも1つのZブロック、及び少なくとも1つのQブロックを有するテトラブロック又はマルチブロックファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿って少なくとも1つのブロックを形成している。なおさらなる実施態様において、X、Y、Z、Qは、ランダムファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。なおさらなる実施態様において、X、Y、Z、Qは、交互ファルネセン共重合体を提供するように、ポリマー鎖に沿って交互に分布している。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体中のファルネセンの量は、該ファルネセン共重合体の総量に基づいて、約1.5モル%超、約2.0モル%超、約2.5モル%超、約5モル%超、約10モル%超、約15モル%超、約20モル%超、約21モル%超、約22モル%超、約23モル%超、約24モル%超、約25モル%超、又は約30モル%超である。他の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体中のファルネセンの量は、該ファルネセン共重合体の総量に基づいて、約90モル%未満、約80モル%未満、約70モル%未満、約60モル%未満、約50モル%未満、約40モル%未満、又は約30モル%未満である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体中のビニルモノマーの量は、該ファルネセン共重合体の総モル又は重量に基づいて、約1.5%超、約2.0%超、約2.5%超、約5%超、約10%超、約15%超、又は約20%超である。他の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体中のビニルモノマーの量は、該ファルネセン共重合体の総モル又は重量に基づいて、約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、又は約30%未満である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体中のビニルモノマーの量は、ファルネセン共重合体の総モル又は重量に基づいて、約1%〜約90%、約5%〜約80%、約10%〜約70%、約10%〜約60%、約10%〜約50%、約10%〜約40%、又は約10%〜約30%である。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体中のファルネセン対少なくとも1種のビニルモノマーのモルパーセント比(すなわち、X対Y、又はX対YとZの合計、又はX対YとZとQの合計のモルパーセント比)は、約1:5〜約100:1である。他の実施態様において、X対Y、又はX対YとZの合計、又はX対YとZとQの合計のモルパーセント比は、約1:4〜約100:1;約1:3.5〜約100:1、約1:3〜約100:1、約1:2.5〜約100:1、又は約1:2〜約100:1である。いくつかの実施態様において、mは1以上であり、X対Y、又はX対YとZの合計、又はX対YとZとQの合計のモルパーセント比は、約1:4〜約100:1である。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(I')の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約85重量%、多くても約80重量%、多くても約70重量%、多くても約60重量%、又は多くても約50重量%である。他の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(III')の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、又は少なくとも約99重量%である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(II')の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、約1重量%〜約99重量%、約5重量%〜約99重量%、約10重量%〜約99重量%、又は約15重量%〜約99重量%である。なおさらなる実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(IV')の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約0.1重量%、多くても約0.5重量%、多くても約1重量%、多くても約2重量%、又は多くても約3重量%である。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、式(I')、(II')、(III')、又は(IV')を実質的に含まない。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(V')、(VI')、(VII')、又は(VIII')の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約1重量%、多くても約5重量%、多くても約10重量%、多くても約20重量%、多くても約30重量%、多くても約40重量%、多くても約50重量%、多くても約60重量%、多くても約70重量%、多くても約80重量%、又は多くても約90重量%である。他の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(V')、(VI')、(VII')、又は(VIII')の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%である。さらなる実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン中の式(V')、(VI')、(VII')、又は(VIII')の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、約1重量%〜約99重量%、約5重量%〜約99重量%、約10重量%〜約99重量%、又は約15重量%〜約99重量%である。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、式(V')、(VI')、(VII')、又は(VIII')を実質的に含まない。
ファルネセンと共重合可能である、ビニル基、すなわち、-CH=CH
2を含有する任意の化合物を、本明細書に開示されるファルネセン共重合体を製造するためのビニルモノマーとして使用することができる。本明細書に開示される有用なビニルモノマーとしては、エチレン、すなわち、CH
2=CH
2が挙げられる。特定の実施態様において、該ビニルモノマーは、式(XV)を有する:
(式中、R
5、R
6、R
7、及びR
8の各々は、独立に、H、オルガニル基、又は官能基である)。
いくつかの実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8のうちの少なくとも1つは、オルガニル基である。さらなる実施態様において、該オルガニル基は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビル、ヘテロシクリル、又は置換ヘテロシクリルである。特定の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8の各々は、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル(例えば、ピリジル)、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ(すなわち、-COOH)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル)、アミノアルコキシカルボニル(例えば、2-アミノエトキシカルボニル)、ヒドロキシアルコキシカルボニル(例えば、2-ヒドロキシエトキシカルボニル)、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ(例えば、CH3-C(=O)-O)、ニトリル、又はハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)である。特定の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5はアリールであり;かつR6、R7、及びR8の各々はHである。さらなる実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5はフェニルであり;かつR6、R7、及びR8の各々はHである。いくつかの実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5は、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ、又はニトリルであり;R7は、H又はアルキルであり;かつR6及びR8の各々はHである。他の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5は、カルボキシ又はアルコキシカルボニルであり;R7はアルキルであり;かつR6及びR8の各々はHである。さらなる実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5は、カルボキシ又はアルコキシカルボニルであり;R6、R7、及びR8の各々はHである。
特定の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8のうちの少なくとも1つはHである。他の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8の各々はHである。さらなる実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5はヒドロカルビルであり;かつR6、R7、及びR8の各々はHである。なおさらなる実施態様において、該ヒドロカルビルは、アルキル、シクロアルキル、又はアリールである。なおさらなる実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8はいずれも、アルケニル、シクロアルケニル、もしくはアルキニルではないか、又はこれらを含まない。なおさらなる実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8はいずれも、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、もしくは置換ヘテロシクリルではないか、又はこれらを含まない。
特定の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8のうちの少なくとも1つは、ハロ、O、N、S、P、又はそれらの組合せを含有する官能基である。好適な官能基のいくつかの非限定的な例としては、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、ニトロ、チオール、チオエーテル、イミン、シアノ、アミド、ホスホナト(-P(=O)(O-アルキル)2、-P(=O)(O-アリール)2、又は-P(=O)(O-アルキル)(O-アリール))、ホスフィナト(-P(=O)(O-アルキル)アルキル、-P(=O)(O-アリール)アルキル、-P(=O)(O-アルキル)アリール、もしくは-P(=O)(O-アリール)アリール)、カルボキシル、チオカルボニル、スルホニル(-S(=O)2アルキル、もしくは-S(=O)2アリール)、スルホンアミド(-SO2NH2、-SO2NH(アルキル)、-SO2NH(アリール)、-SO2N(アルキル)2、-SO2N(アリール)2、もしくは-SO2N(アリール)(アルキル))、ケトン、アルデヒド、エステル、オキソ、アミノ(一級、二級、もしくは三級)、-CO2CH3、-CONH2、-OCH2CONH2、-NH2、-OCHF2、-OCF3、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、-NH(アリール)、-N(アルキル)(アリール)、-N(アリール)2、-CHO、-CO(アルキル)、-CO(アリール)、-CO2(アルキル)、又は-CO2(アリール)が挙げられる。いくつかの実施態様において、該官能基は、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ(すなわち、-COOH)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル)、アミノアルコキシカルボニル(例えば、2-アミノエトキシカルボニル)、ヒドロキシアルコキシカルボニル(例えば、2-ヒドロキシエトキシカルボニル)、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ(例えば、CH3-C(=O)-O)、ニトリル、もしくはハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)であるか、又はこれらを含む。特定の実施態様において、該官能基は、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノアルコキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシカルボニル アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ、もしくはニトリルであるか、又はこれらを含む。いくつかの実施態様において、該官能基は、カルボキシもしくはアルコキシカルボニルであるか、又はこれらを含む。他の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8はいずれも、官能基ではないか、又は官能基を含まない。他の実施態様において、式(IX)、(IX')、又は(XV)のR5、R6、R7、及びR8はいずれも、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノアルコキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アシルオキシ、ニトリル、もしくはハロではないか、又はこれらを含まない。
いくつかの実施態様において、該ビニルモノマーは、置換もしくは非置換のオレフィン、例えば、エチレンもしくはスチレン、ハロゲン化ビニル(例えば、塩化ビニル)、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はそれらの組合せである。他の実施態様において、該スチレン、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、又はメタクリルアミドは非置換である。特定の実施態様において、該スチレン、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、又はメタクリルアミドは置換されている。置換スチレンのいくつかの非限定的な例としては、2-フルオロスチレン、4-フルオロスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、及びそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施態様において、該ビニルモノマーは、置換もしくは非置換のオレフィン、例えば、エチレンもしくはスチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はそれらの組合せである。特定の実施態様において、該ビニルモノマーは、置換もしくは非置換のオレフィン、例えば、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、又はそれらの組合せである。他の実施態様において、該ビニルモノマーは、エチレン、α-オレフィン、又はそれらの組合せである。好適なα-オレフィンのいくつかの非限定的な例としては、スチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、ノルボルネン、1-デセン、1,5-ヘキサジエン、及びそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施態様において、該ビニルモノマーは、スチレン、α-メチルスチレン、又はジビニルベンゼンなどのアリールである。さらなる例としては、官能化ビニルアリール、例えば、引用により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,041,761号により開示されているものが挙げられる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン及び少なくとも1種のオレフィンモノマーから誘導される。オレフィンとは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和炭化水素系化合物を指す。特定の実施態様において、該オレフィンは、共役ジエンである。触媒の選択に応じて、任意のオレフィンを本発明の実施態様で使用することができる。好適なオレフィンのいくつかの非限定的な例としては、ビニル不飽和性を含有するC2-20脂肪族及びC8-20芳香族化合物、並びにシクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエンなどの環式化合物、並びに限定されないが、5位及び6位においてC1-20ヒドロカルビル又はシクロヒドロカルビル基で置換されているノルボルネンを含む、ノルボルネンが挙げられる。好適なオレフィンの他の非限定的な例としては、そのようなオレフィンの混合物、及びそのようなオレフィンとC4-40ジオレフィン化合物との混合物が挙げられる。
好適なオレフィン又はα-オレフィンモノマーのいくつかの非限定的な例としては、スチレン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、及び1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4,6-ジメチル-1-ヘプテン、4-ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロヘキサン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、C4-40ジエン、並びにそれらの組合せが挙げられる。特定の実施態様において、該オレフィンモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、C4-40ジエンとしては、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、イソプレン、ミルセン、他のC4-40α-オレフィン、及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン並びにスチレン、置換スチレン、C4-40ジエン、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミドから選択される1種のビニルモノマーから誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン並びに1種のメタクリル酸エステル、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル(例えば、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、又はメタクリル酸アミノアルキル(例えば、メタクリル酸2-アミノエチル、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、及びメタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル)から誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン並びに1種のアクリル酸エステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシアルキル(例えば、アクリル酸2-ヒドロキシエチル)、又はアクリル酸アミノアルキル(例えば、アクリル酸2-アミノエチル、アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、及びアクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル)から誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン及び酢酸ビニルから誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン及びアクリル酸から誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン及びメタクリル酸から誘導される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン並びにスチレン、置換スチレン、C4-40ジエン、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びそれらの組合せから選択される2種のビニルモノマーから誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン並びに2種のメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、及びメタクリル酸イソデシル)から誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン並びに2種のアクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びアクリル酸ブチル)から誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン、1種のメタクリル酸エステル、及び1種のアクリル酸エステルから誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン、1種のメタクリル酸エステル又は1種のアクリル酸エステル、及びアクリル酸又はメタクリル酸から誘導される。特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン、スチレン、及びアクリロニトリルから誘導される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、少なくとも1種のファルネセン並びにスチレン、置換スチレン、C4-40ジエン、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びそれらの組合せから選択される3種のビニルモノマーから誘導される。
C4-40ジエンのいくつかの非限定的な例としては、イソプレン、ブタジエン、及びミルセンが挙げられる。置換スチレンのいくつかの非限定的な例としては、2-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、4-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、及び4-フルオロスチレンが挙げられる。ハロゲン化ビニルのいくつかの非限定的な例としては、塩化ビニル及びフッ化ビニリデンが挙げられる。
本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、ファルネセン及びスチレンから誘導することができる。該ファルネセン共重合体は、少なくとも1種のC2-20オレフィン、少なくとも1種のC4-18ジオレフィン、少なくとも1種のアルケニルベンゼン、又はそれらの組合せをさらに含むことができる。ファルネセンと重合させるのに有用な好適な不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和モノマー、共役もしくは非共役ジエンなどのポリエン、アルケニルベンゼンなどが挙げられる。そのようなコモノマーの例としては、エチレン、C2-20オレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどが挙げられる。他の好適なモノマーとしては、スチレン、ハロ又はアルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、並びにシクロアルケン、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、及びシクロオクテンが挙げられる。
いくつかの好適な非共役ジエンモノマーは、6〜15個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、又は環式炭化水素ジエンであることができる。好適な非共役ジエンのいくつかの非限定的な例としては、直鎖非環式ジエン、例えば、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、分岐鎖非環式ジエン、例えば、5-メチル-1,4-ヘキサジエン;3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン;3,7-ジメチル-1,7-オクタジエン、及びジヒドロミリセンとジヒドロオシネンとの混合異性体、単環脂環式ジエン、例えば、1,3-シクロペンタジエン;1,4-シクロヘキサジエン;1,5-シクロオクタジエン、及び1,5-シクロドデカジエン、並びに多環脂環式縮合及び架橋環ジエン、例えば、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ-(2,2,1)-へプタ-2,5-ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル、及びシクロアルキリデンノルボルネン、例えば、5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB);5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、及びノルボルナジエンが挙げられる。EPDMを調製するために通常使用されるジエンのうち、特に好ましいジエンは、1,4-ヘキサジエン(HD)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニリデン-2-ノルボルネン(VNB)、5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB)、及びジシクロペンタジエン(DCPD)である。特定の実施態様において、該ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)又は1,4-ヘキサジエン(HD)である。他の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ポリエン、例えば、ジエン、トリエン、テトラエンなどから誘導されない。
いくつかの実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ファルネセンとスチレンとC2-20オレフィンとの共重合体である。好適なオレフィンのいくつかの非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、及び1-オクテンが挙げられる。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、エチレンから誘導されない。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、1種以上のC2-20オレフィンから誘導されない。
特定の実施態様において、該ビニルモノマーは、テルペンを含まない。他の実施態様において、該ビニルモノマーは、イソプレン、ジペンテン、α-ピネン、β-ピネン、テルピノレン、リモネン(ジペンテン)、テルピネン、ツジェン、サビネン、3-カレン、カンフェン、カジネン、カリオフィレン、ミルセン、オシメン、セドレン、ビサルボン(bisalbone)、ビサルボン、ビサルボン、ジンギベレン、フムレン、シトロネロール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、イプセノール、テルピネオール、D-テルピネオール-(4)、ジヒドロカルベオール、ネロリドール、ファルネソール、ユーデスモール、シトラール、D-シトロネラール、カルボン、D-プレゴン、ピペリトン、カルベノン、ビサボレン、セリネン、サンタレン、ビタミンA、アビエチン酸、又はそれらの組合せから選択されるテルペンを含まない。さらなる実施態様において、該ビニルモノマーは、イソプレンを含まない。
ファルネセン共重合体は、そのポリマー構造中に少なくとも1つの官能基を取り込むことにより官能化することができる。例示的な官能基としては、例えば、エチレン性不飽和モノ-及びジ-官能性カルボン酸、エチレン性不飽和モノ-及びジ-官能性カルボン酸無水物、それらの塩、並びにそれらのエステルが挙げられる。そのような官能基をファルネセン共重合体にグラフトすることができ、又はそれらを任意の追加のコモノマーとともにファルネセンと共重合させて、ファルネセンと、官能性コモノマーと、任意に他のコモノマー(複数可)との共重合体を形成させることができる。当業者に公知の官能基をグラフトする任意の手段を使用することができる。1つの特に有用な官能基又はコモノマーは、無水マレイン酸である。いくつかの実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ファルネセンと、無水マレイン酸などの官能性コモノマーとの共重合体である。特定の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ファルネセンと、無水マレイン酸などの官能性コモノマーと、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、又はそれらの組合せを含むビニルモノマーとの共重合体である。
少なくとも1つの二重結合及び本明細書に開示される少なくとも1つの官能基を有する任意の化合物を官能性コモノマーとして用いて、本明細書に開示されるファルネセン共重合体を調製することができる。いくつかの実施態様において、該官能性コモノマーは、式(XVI)、(XVII)、(XVIII)、(XIX)、又は(XX)を有する:
(式中、Q
1及びQ
6の各々は、独立に、O、S、NR
23、又はN-Q
7であり;Q
2、Q
3、Q
4、及びQ
5の各々は、独立に、ハロ、Q
8、NR
24R
25、OR
26、又はO-Q
8であり;Q
7及びQ
8は、それぞれ、次式:
(式中、kは、1〜約10の整数であり;かつQ
9は、OH、NH
2、NHR
30、カルボキシル、エポキシ、又はグリシジルである)を有し;かつ
R
9〜R
30の各々は、独立に、H、C
1-20アルキル、C
1-20アルケニル、C
1-20アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、OH、NH
2、カルボキシル、エポキシ、もしくはグリシジルであるか、又はR
19及びR
22は一緒に-(CH
2)
m-基(ここで、mは、1〜約6の整数である)を形成し、かつ該C
1-20アルキル、C
1-20アルケニル、C
1-20アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、エポキシ、グリシジル、及び-(CH
2)
m-の各々は、任意に置換されている)。
特定の実施態様において、該官能性コモノマーは、式(XVI)を有する。式(XVI)を有する官能性コモノマーのいくつかの非限定的な例としては、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、及びそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施態様において、該官能性コモノマーは、式(XVII)を有する。式(XVII)を有する官能性コモノマーのいくつかの非限定的な例としては、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、塩化マレニル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸グリシジル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ジベンジル、マレイン酸p-クロロフェニルメチル、マレイン酸フェニルエチル、マレイン酸ジシクロペンチル、及びそれらの組合せが挙げられる。
特定の実施態様において、該官能性コモノマーは、式(XVIII)を有する。式(XVIII)を有する官能性コモノマーのいくつかの非限定的な例としては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3-ヒドロキシブチル、メタクリル酸4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルのカプロラクトン付加物、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルのエチレンオキシド付加物、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルのプロピレンオキシド付加物、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-ヒドロキシブチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチルのカプロラクトン付加物、アクリル酸2-ヒドロキシエチルのエチレンオキシド付加物、アクリル酸2-ヒドロキシエチルのプロピレンオキシド付加物、クロトン酸2-ヒドロキシエチル、クロトン酸2-ヒドロキシプロピル、クロトン酸3-ヒドロキシプロピル、クロトン酸3-ヒドロキシブチル、クロトン酸4-ヒドロキシブチル、クロトン酸5-ヒドロキシペンチル、クロトン酸6-ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、及びそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施態様において、該官能性コモノマーは、式(XIX)を有する。式(XIX)を有する官能性コモノマーのいくつかの非限定的な例としては、アリルアルコール、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシヘプチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p-グリシジルオキシスチレン、p-グリシジルオキシ-α-メチルスチレン、p-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)スチレン、p-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)-α-メチルスチレン、グリシジルエチレン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルエチレン、グリシジルビニルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルビニルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルアリルエーテル、及びそれらの組合せが挙げられる。
特定の実施態様において、該官能性コモノマーは、式(XX)を有する。式(XX)を有する官能性コモノマーのいくつかの非限定的な例としては、ビシクロ[2,2,2]-オクト-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、及びそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ファルネセンと、少なくとも1種のビニルモノマーと、少なくとも1種の官能性コモノマーとを、本明細書に開示される触媒又は開始剤の存在下で共重合させることによる、ファルネセンと、本明細書に開示される少なくとも1種のビニルモノマーと、本明細書に開示される少なくとも1種の官能性コモノマーとの共重合体である。特定の実施態様において、該ファルネセン共重合体は、ファルネセンと、少なくとも2種の異なるビニルモノマーと、少なくとも1種の官能性コモノマーとを、本明細書に開示される触媒又は開始剤の存在下で共重合させることによる、ファルネセンと、本明細書に開示される少なくとも2種の異なるビニルモノマーと、少なくとも1種の官能性コモノマーとの共重合体である。該ファルネセン共重合体中の該ファルネセン、該ビニルモノマー、及び該官能性コモノマーの各々の量は、本明細書に開示されている通りである。
官能性ファルネセン共重合体中に存在する官能基の量は変動し得る。いくつかの実施態様において、該官能基又はコモノマーは、該ファルネセン共重合体の総重量に基づいて、少なくとも約1.0重量%、少なくとも約2.5重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約7.5重量%、又は少なくとも約10重量%の量で存在する。他の実施態様において、該官能基は、該ファルネセン共重合体の総重量に基づいて、約40重量%未満、約30重量%未満、約25重量%未満、約20重量%未満、又は約15重量%未満の量で存在する。
ファルネセンを重合又は共重合させることができる任意の触媒を、本明細書に開示されるポリファルネセンを製造するために使用することができる。好適な触媒のいくつかの非限定的な例としては、有機リチウム試薬、チーグラーナッタ触媒、カミンスキー触媒、及び他のメタロセン触媒が挙げられる。いくつかの実施態様において、該触媒は、チーグラーナッタ触媒、カミンスキー触媒、メタロセン触媒、又はそれらの組合せである。ファルネセンを重合又は共重合させることができる他の触媒又は開始剤もまた、本明細書に開示されるポリファルネセンを製造するために使用することができる。他の触媒又は開始剤のいくつかの非限定的な例としては、フリーラジカル触媒又は開始剤、カチオン性触媒又は開始剤、及びアニオン性触媒又は開始剤が挙げられる。
いくつかの実施態様において、該触媒は、共触媒をさらに含む。さらなる実施態様において、該共触媒は、金属のヒドリド、アルキル、もしくはアリール、又はそれらの組合せである。なおさらなる実施態様において、該金属は、アルミニウム、リチウム、亜鉛、スズ、カドミウム、ベリリウム、又はマグネシウムである。
いくつかの実施態様において、該触媒は、有機リチウム試薬である。オレフィンを重合させるための触媒として作用することができる任意の有機リチウム試薬を本明細書で使用することができる。好適な有機リチウム試薬のいくつかの非限定的な例としては、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、又はtert-ブチルリチウムが挙げられる。好適なルイス塩基のいくつかの非限定的な例としては、TMEDA、PMDTA、又はスパルテインがある。いくつかの有機リチウム試薬は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、Zvi Rappoportらの文献、「有機リチウム化合物の化学(The Chemistry of Organolithium Compounds)」、第1部(2004)及び第2巻(2006)に開示されている。
いくつかの実施態様において、該触媒は、有機リチウム試薬とルイス塩基との混合物である。有機リチウム試薬を脱凝集させて、その溶解度及び反応性を高めることができる任意のルイス塩基を本明細書で使用することができる。凝集している有機リチウム試薬は、通常、2以上の炭素原子に配位している1つのリチウム及び2以上のリチウム原子に配位している1つの炭素原子を有する。好適なルイス塩基のいくつかの非限定的な例としては、1,2-ビス(ジメチルアミノ)エタン(テトラメチルエチレンジアミン又はTMEDAとしても知られる)、N,N,N'N'N''-ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDTA)、スパルテイン、及びそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施態様において、該触媒は、チーグラーナッタ触媒である。一般に、チーグラーナッタ触媒は、不均一系又は均一系であることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンを重合させるために使用されるチーグラーナッタ触媒は、不均一系チーグラーナッタ触媒である。いくつかの有用なチーグラーナッタ触媒は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、J.Boorの文献、「チーグラーナッタ触媒及び重合(Ziegler-Natta Catalysts and Polymerizations)」、Saunders College Publishing, pp.1-687(1979);並びにMalcolm P. Stevensの文献、「ポリマー化学、入門(Polymer Chemistry, an Introduction)」、第3版、Oxford University Press, pp.236-245(1999)に開示されている。
不均一系チーグラーナッタ触媒は、一般に、(1)周期律表のIV族からVIII族の元素を含む遷移金属化合物;及び(2)I族からIII族の金属を含む有機金属化合物を含む。遷移金属化合物は触媒と称され、一方、有機金属化合物は共触媒又は活性化剤とみなされる。遷移金属化合物は、一般に、金属並びに1種以上のアニオン及び配位子を含む。好適な金属のいくつかの非限定的な例としては、チタン、バナジウム、クロム、モリブデン、ジルコニウム、鉄、及びコバルトが挙げられる。好適なアニオン又は配位子のいくつかの非限定的な例としては、ハライド、オキシハライド、アルコキシ、アセチルアセトニル、シクロペンタジエニル、及びフェニルが挙げられる。好適なアニオン又は配位子のいくつかの他の非限定的な例としては、スルフィド、オキシド、オキシクロリド、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、アセチルアセトネート、アレン、シクロペンタジエニル、インデニル、ニトロソ、ハライド(例えば、CI、Br、I、もしくはF)、ホスフェート、クロメート、スルフェート、カルボキシレート、一酸化炭素、又はそれらの組合せが挙げられる。好適な遷移金属化合物のいくつかの非限定的な例としては、CoCl2、TiCl3、TiCl4、TiI4、Ti(OR)4(ここで、Rはアルキルである)、VCl3、VOCl3、VCl4、ZrCl4、Ti(OC6H9)4、及びCr(C6H5CN)6が挙げられる。いくつかの実施態様において、1種以上の電子供与体、例えば、アミン、エーテル、及びホスフィンをチーグラーナッタ触媒に付加して、活性を増大させることができる。
好適な遷移金属化合物のいくつかの他の非限定的な例としては、TiCl2、TiBr3、TiI3、ZrCl2、CrCl2、TiCl(O-i-Pr)3、CrCl3、NbCl5、VO(OET)Cl2、VO(OET)2Cl、VO(OET)3、V(acac)3、FeCl2、FeBr2、Fe(acac)2、Cp2TiCl2、Cp2Ti(アルキル)Cl、Cp2Ti(C6H5)2、Co(acac)3、Ti(OPr)4、Cr(acac)3、VCl3 .3THF、Cr(CO)6、MoO2(acac)2、MoO2(acac)3、MoO2(アルコキシ)2、To(NEt2)4、及びそれらの組合せが挙げられる。好適な遷移金属化合物のいくつかのさらなる非限定的な例としては、Zr(Ot-Bu)4、ZrBz4、CrCl3(THF)3、Ni(dppe)Cl2、Ni(COD)2、Pd(OAc)2、Co(dppe)Cl2、Fe(acac)3、TiCl3(THF)3、Me2Si(Cp)2ZrCl2、EBTHIZrCl2、Co(acac)3、Nd(N(SiMe3)2)3、TiCl4/VOCl3、Zr(OEt)4、ZrCl4(THF)2、及びそれらの組合せが挙げられる。
有機金属錯体をイオン化して活性のあるオレフィン重合触媒を生成させることができる任意の共触媒又は活性化剤を本明細書で使用することができる。一般に、有機金属共触媒は、アルミニウム、リチウム、亜鉛、スズ、カドミウム、ベリリウム、及びマグネシウムなどの金属のヒドリド、アルキル、又はアリールである。好適な共触媒のいくつかの非限定的な例としては、アルモキサン(メチルアルモキサン(MAO)、PMAO、エチルアルモキサン、ジイソブチルアルモキサン)、式AlR3(式中、Rはアルキルである)を有するアルキルアルミニウム化合物(例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム)、ジエチル亜鉛、ジ(i-ブチル)亜鉛、ジ(n-ヘキシル)亜鉛、及びエチル亜鉛(t-ブトキシド)などが挙げられる。他の好適な共触媒としては、非求核性アニオンを含有する酸塩が挙げられる。これらの化合物は、通常、ホウ素又はアルミニウムに結合した嵩高い配位子からなる。そのような化合物のいくつかの非限定的な例としては、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、アニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。好適な共触媒のいくつかの非限定的な例としては、ホウ素及び1以上のアルキル、アリール、又はアラルキル基を含む有機ボランも挙げられる。好適な共触媒の他の非限定的な例としては、置換及び非置換トリアルキル及びトリアリールボラン、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルボラン、トリ-n-オクチルボランなどが挙げられる。これらの及び他の好適なホウ素含有共触媒又は活性化剤は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、米国特許第5,153,157号、第5,198,401号、及び第5,241,025号に記載されている。
特定の実施態様において、チーグラーナッタ触媒は、支持体材料に含浸させることができる。いくつかの好適な支持体材料は、引用により本明細書中に組み込まれる、Malcolm P. Stevensの文献、「ポリマー化学、入門(Polymer Chemistry, an Introduction)」、第3版、Oxford University Press, p.251(1999)に開示されている。
支持体材料は、通常、オレフィン重合反応に不活性又は実質的に不活性な材料である。好適な支持体材料の非限定的な例としては、MgCl2、MgO、活性アルミナ及びミクロゲルアルミナなどのアルミナ、シリカ、マグネシア、珪藻土、フラー土、粘土、アルミナシリケート、多孔性希土類ハライド及びオキシハライド、並びにそれらの組合せが挙げられる。支持体材料は、引用により本明細書中に組み込まれる、S. Brunauer、P. H. Emmett、及びE. Tellerの文献、Journal of the American Chemical Society, 60, 309(1938)に記載されているような、表面積を測定するBET(Brunauer-Emmet-Teller)法により測定したとき、約5m2/g〜約450m2/gの表面積を有することができる。いくつかの実施態様において、支持体材料の表面積は、約10m2/g〜約350m2/gである。さらなる実施態様において、支持体材料の表面積は、約25m2/g〜約300m2/gである。
支持体材料は、約20〜約300ミクロン、約20〜約250ミクロン、約20〜約200ミクロン、約20〜約150ミクロン、約20〜約120ミクロン、約30〜約100ミクロン、又は約30〜約90ミクロンの平均粒径を有することができる。支持体材料の圧縮又は固め嵩密度は、約0.6〜約1.6g/cc、約0.7〜約1.5g/cc、約0.8〜約1.4g/cc、又は約0.9〜約1.3g/ccで変動することができる。
特定の実施態様において、本明細書に使用される触媒は、均一系チーグラーナッタ触媒としても知られるカミンスキー触媒であるか、又はこれを含む。カミンスキー触媒を用いて、独特の構造及び物性を有する本明細書に開示されるポリファルネセンなどのポリオレフィンを生成させることができる。いくつかのカミンスキー触媒又は均一系チーグラーナッタ触媒は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、Malcolm P. Stevensの文献、「ポリマー化学、入門(Polymer Chemistry, an Introduction)」、第3版、Oxford University Press, pp.245-251(1999);並びにJohn Scheirs及びWalter カミンスキーの文献、「メタロセン系ポリオレフィン:調製、特性、及び技術(Metallocene-Based Polyolefins: Preparation, Properties, and Technology)」、第1巻、Wiley(2000)に開示されている。
いくつかの実施態様において、共触媒は、カミンスキー触媒とともに使用される。共触媒は、本明細書に開示される共触媒のいずれであってもよい。いくつかのカミンスキー触媒及び共触媒は、引用により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,655,739号に開示されている。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体を製造するための触媒は、メタロセン触媒であるか、又はメタロセン触媒を含む。いくつかのメタロセン触媒は、全て引用により本明細書中に組み込まれる、Tae Oan Ahnらの文献、「メタロセン触媒によるチーグラーナッタ触媒の修飾及びそのオレフィン重合挙動(Modification of a Ziegler-Natta catalyst with a metallocene catalyst and its olefin polymerization behavior)」、Polymer Engineering and Science, 39(7), p.1257(1999);並びにJohn Scheirs及びWalter Kaminskyの文献、「メタロセン系ポリオレフィン:調製、特性、及び技術(Metallocene-Based Polyolefins: Preparation, Properties, and Technology)」、第1巻、Wiley(2000);並びに米国特許第7,655,739号に開示されている。
いくつかの実施態様において、該触媒又は開始剤は、フリーラジカル触媒又は開始剤である。オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意のフリーラジカル開始剤を本明細書で使用することができる。いくつかのフリーラジカル開始剤は、引用により本明細書中に組み込まれる、Denisovらの文献、「フリーラジカル開始剤のハンドブック(Handbook of Free Radical Initiators」、Wiley-Interscience, pp. 1-904(2003)に開示されている。好適なフリーラジカル開始剤のいくつかの非限定的な例としては、過酸化水素、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシケトン、アゾ化合物、有機ポリオキシド、光開始剤、過硫酸塩、及びそれらの組合せが挙げられる。
オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意のアゾ化合物を本明細書で使用することができる。好適なアゾ化合物のいくつかの非限定的な例としては、アゾビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、4,4'-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)、及びそれらの組合せが挙げられる。市販のアゾ化合物のいくつかの非限定的な例としては、VAZO(登録商標) 52、56、64、67、68、及び88が挙げられ、これらは全て、デラウェア州ウィルミントンのDuPontから入手することができる。
オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意のヒドロペルオキシドを本明細書で使用することができる。好適なヒドロペルオキシドのいくつかの非限定的な例としては、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチル過酸化水素、t-アミル過酸化水素、及びそれらの組合せが挙げられる。
オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意のジアルキルペルオキシドを本明細書で使用することができる。好適なジアルキルペルオキシドのいくつかの非限定的な例としては、過酸化ジクミル、過酸化ジラウリル、過酸化ジ-tert-ブチル、過酸化ジイソプロピル、ジ(2-t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、3,3,5-トリメチル1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、及びそれらの組合せが挙げられる。
オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意のジアシルペルオキシドを本明細書で使用することができる。好適なジアシルペルオキシドのいくつかの非限定的な例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、及びそれらの組合せが挙げられる。
オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意のペルオキシエステルを本明細書で使用することができる。好適なペルオキシエステルのいくつかの非限定的な例としては、tert-ブチルペルオキシアセテート、エチルペルオキシベンゾエート、及びそれらの組合せが挙げられる。
オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意の有機ポリオキシドを本明細書で使用することができる。好適な有機ポリオキシドのいくつかの非限定的な例としては、ジアルキルトリオキシド、ヒドロトリオキシド、テトラオキシド、及びそれらの組合せが挙げられる。
オレフィンを重合させるための開始剤として作用することができる任意の光開始剤を本明細書で使用することができる。好適な光開始剤のいくつかの非限定的な例としては、アセトフェノン、ベンジル及びベンゾイン化合物、ベンゾフェノン、チオキサントン、キノン化合物、カチオン性光開始剤、並びにそれらの組合せが挙げられる。
好適なアセトフェノンのいくつかの非限定的な例としては、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4'-モルホリノブチロフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、4'-エトキシアセトフェノン、4'-tert-ブチル-2',6'-ジメチルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、4'-ヒドロキシアセトフェノン、4'-フェノキシアセトフェノン、及びそれらの組合せが挙げられる。
好適なベンジル及びベンゾイン化合物のいくつかの非限定的な例としては、ベンジル、4,4'-ジメチルベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、4,4'-ジメトキシベンゾイン、及びそれらの組合せが挙げられる。
好適なベンゾフェノンのいくつかの非限定的な例としては、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物、4-ベンゾイルビフェニル、4,4'-ビス[2-(1-プロペニル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,4-ジメチルベンゾフェノン、3-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、2-メチルベンゾフェノン、3-メチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、メチルベンゾイルホルメート、及びそれらの組合せが挙げられる。
好適なチオキサントンのいくつかの非限定的な例としては、チオキサンテン-9-オン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、及びそれらの組合せが挙げられる。
好適なキノン化合物のいくつかの非限定的な例としては、9,10-フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、カンファーキノン、アントラキノン-2-スルホン酸、ナトリウム塩、及びそれらの組合せが挙げられる。
好適な過硫酸塩(例えば、ペルオキソ一硫酸塩及びペルオキソ二硫酸塩)のいくつかの非限定的な例としては、過硫酸アンモニウム(ペルオキソ一硫酸アンモニウム又はペルオキソ二硫酸アンモニウム)、過硫酸カリウム(ペルオキソ一硫酸カリウム又はペルオキソ二硫酸カリウム)、過硫酸ナトリウム(ペルオキソ一硫酸ナトリウム又はペルオキソ二硫酸ナトリウム)、及びそれらの組合せが挙げられる。
好適なカチオン性光開始剤のいくつかの非限定的な例としては、ビス(4-tert-ブチルフェニル)インドニウムトリフレート、(4-ブロモフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、(4-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、ジフェニルインドニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルインドニウムニトレート、ジフェニルインドニウムパーフルオロ-1-ブタンスルホネート、ジフェニルインドニウムp-トルエンスルホネート、ジフェニルインドニウムトリフレート、(4-フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、N-ヒドロキシナフタルイミドトリフレート、(4-ヨードフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、(4-メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、1-ナフチルジフェニルスルホニウムトリフレート、(4-フェノキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、(4-フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ-1-ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリス(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウムトリフレート、及びそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施態様において、フリーラジカルは、その全てが本明細書に開示されるフリーラジカル開始剤のうちの1つ又は複数を伴う、熱分解、光分解、及びレドックス反応などの化学的プロセスにより生成される。特定の実施態様において、フリーラジカルは、その全てがフリーラジカル開始剤を伴わない、電離放射線(例えば、α線、β線、γ線、又はx線)、電気分解、及び超音波処理などのプロセスにより生成される。他の実施態様において、フリーラジカルは、熱分解、光分解、レドックス反応、電離放射線、電気分解、超音波処理、又はそれらの組合せにより生成される。
特定の実施態様において、フリーラジカルは、開始剤(例えば、過酸化水素、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシケトン、アゾ化合物、及び有機ポリオキシド)を、1以上の結合(例えば、O-O又はO-N結合)が壊れて、1以上のラジカルを生じるまで加熱する熱分解により生成される。いくつかの実施態様において、該熱分解の温度は、約20℃超、約30℃超、約40℃超、約50℃超、約60℃超、約70℃超、約80℃超、約90℃超、又は約100℃超である。
いくつかの実施態様において、フリーラジカルは、開始剤(例えば、アゾ化合物)に、1以上の結合(例えば、O-N結合)が壊れて、1以上のラジカルを生じるまで放射線を照射する光分解により生成される。特定の実施態様において、該放射線は、可視光線、紫外線、x線、ガンマ線、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、該光分解の温度は、約50℃未満、約40℃未満、約30℃未満、約20℃未満、約10℃未満、又は約0℃未満である。
特定の実施態様において、フリーラジカルは、酸化的フリーラジカル開始剤(例えば、過酸化水素、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、及びジアシルペルオキシド)が、有機還元剤(例えば、ジエチルアニリン、ヒドラジン、シュウ酸、ギ酸、アスコルビン酸、もしくはそれらの組合せ)又は無機還元剤(例えば、Fe2+、Cr2+、V2+、Ti3+、Co2+、Cu+、もしくはそれらの組合せ)或いはそれらの組合せにより還元されて、1以上のラジカルを生じるレドックス反応により生成される。いくつかの実施態様において、該レドックス反応の温度は、約50℃未満、約40℃未満、約30℃未満、約20℃未満、約10℃未満、又は約0℃未満である。酸化的フリーラジカル開始剤と還元剤との組合せがレドックス開始剤である。フリーラジカルは、該レドックス開始剤から、室温で又は高温で生成させることができる
いくつかの実施態様において、該触媒又は開始剤は、カチオン性触媒又は開始剤である。好適なカチオン性開始剤のいくつかの非限定的な例としては、強プロトン酸(例えば、リン酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフリン酸、又はそれらの組合せ)、ルイス酸(例えば、SnCl4、AlCl3、BF3、及びTiCl4、又はそれらの組合せ)、安定なカルベニウムイオン(トリチルカチオン、トロピリウムカチオン、又はそれらの組合せ)が挙げられる。
いくつかの実施態様において、該触媒又は開始剤は、アニオン性触媒又は開始剤である。好適なアニオン性開始剤のいくつかの非限定的な例としては、金属アミド、金属アルコキシド、金属水酸化物、金属シアン化物、ホスフィン、アミン、並びに有機金属化合物(グリニャール試薬及び本明細書に開示される有機リチウム試薬)が挙げられる。特定の実施態様において、該金属は、Cs、K、Na、Li、Mg、Ca、又はそれらの組合せである。
該触媒又は開始剤の濃度は、ファルネセン、1種以上のビニルモノマー、又はそれらの組合せの重合をもたらすことができる量で有り得る。いくつかの実施態様において、該触媒又は開始剤の濃度は、組成物又はエマルジョンの総重量(又は容量)に基づいて、重量で(又は容量で)少なくとも約0.01%、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、又は約20%である。特定の実施態様において、該触媒又は開始剤の濃度は、組成物又はエマルジョンの総重量(又は容量)に基づいて、重量で(又は容量で)多くても約0.01%、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、又は約20%である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセンホモポリマーは:
(a)微生物を使用することにより単純な糖又は非発酵性炭素源からファルネセンを製造する工程;及び
(b)該ファルネセンを本明細書に開示される触媒の存在下で重合させる工程
を含む方法により調製される。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は:
(a)微生物を使用することにより単純な糖又は非発酵性炭素源からファルネセンを製造する工程;及び
(b)該ファルネセンと少なくとも1種のビニルモノマーを本明細書に開示される触媒の存在下で共重合させる工程
を含む方法により調製される。
本明細書に開示される方法の重合工程(b)又は共重合工程(b)は、アニオン性重合、カチオン性重合、フリーラジカル重合、金属触媒挿入重合、及びエマルジョン重合であることができる。
アニオン性重合は、本明細書に開示されるアニオン性触媒の存在下で実施することができる。アニオン性重合は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、Maurice Mortonの文献、「アニオン性重合:原理及び実践(Anionic Polymerization: Principles and Practice)」、Academic Press, pp. 1-244(1983);並びにHenry Hsiehらの文献、「アニオン性重合:原理及び実践的応用(Anionic Polymerization: Principles and Practical Applications)」、CRC Press, pp. 1-744(1996)に記載されている。
カチオン性重合は、本明細書に開示されるカチオン性触媒の存在下で実施することができる。カチオン性重合は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、Eric J. Goethals(編)、「カチオン性重合及び関連プロセス(Cationic Polymerization and Related Processes)」、Academic Press, pp. 1-424(1984);並びにRudolf Faust(編)、「カチオン性重合:基礎及び応用(Cationic Polymerization: Fundamentals and Applications)」、American Chemical Society, pp. 1-210(1997)に記載されている。
フリーラジカル重合は、本明細書に開示されるフリーラジカル開始剤の存在下で実施することができる。フリーラジカル重合は、引用により本明細書中に組み込まれるG. Moadらの文献、「フリーラジカル重合の化学(The Chemistry of Free Radical Polymerization)」、Pergamon Press, pp. 1-408(1996)に記載されている。
いくつかの実施態様において、フリーラジカル重合は、重合性混合物又は組成物を、少なくとも1種のフリーラジカル開始剤の存在下で共重合させて、ファルネセン共重合体を形成させることにより実施され、ここで、該重合性混合物又は組成物は、ファルネセン及び少なくとも1種のビニルモノマーを含み、かつ該少なくとも1種のフリーラジカル開始剤は、過酸化水素、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシケトン、アゾ化合物、有機ポリオキシド、光開始剤、過硫酸塩、又はそれらの組合せである。特定の実施態様において、該ファルネセンは、重合性混合物の総重量に基づいて、20重量%超の量である。いくつかの実施態様において、該ファルネセンは、α-ファルネセン、β-ファルネセン、又はそれらの組合せである。
特定の実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、スチレン、置換スチレン、C4-40ジエン、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、メタクリル酸エステルを含む。特定の実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、スチレンを含む。いくつかの実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、ブタジエンを含む。特定の実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、スチレン及びブタジエンを含む。
金属触媒挿入重合は、チーグラーナッタ触媒、カミンスキー触媒、又は本明細書に開示される任意の他のメタロセン触媒の存在下で実施することができる。
エマルジョン重合は、本明細書に開示されるフリーラジカル開始剤の存在下、エマルジョン中で実施することができる。エマルジョン重合は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、Chorng-Shyan Chernの文献、「エマルジョン重合の原理及び応用(Principles and Applications of Emulsion Polymerization)」、John Wiley & Sons社、pp. 1-252(2008);並びにPeter A. Lovell(編)、「エマルジョン重合及びエマルジョンポリマー(Emulsion Polymerization and Emulsion Polymers)」、John Wiley & Sons社、pp. 1-826(1997)に記載されている。
エマルジョン重合は、通常、エマルジョン重合組成物を含むエマルジョン中で起こるラジカル重合の一種である。いくつかの実施態様において、該エマルジョン重合組成物は、a)ファルネセン及び本明細書に開示される少なくとも1種のビニルモノマーを含む重合性混合物;b)少なくとも1種の乳化剤;c)少なくとも1種のフリーラジカル開始剤、例えば、本明細書に開示されているもの;並びにd)水を含む。
いくつかの実施態様において、エマルジョン重合は、モノマー(油)の液滴が水の連続相中で(乳化剤により)乳化されている水中油型エマルジョンである。特定の実施態様において、フリーラジカル開始剤は水溶性であり、反応媒体は水である。
水性エマルジョン重合において、水は、通常、連続媒体を形成し、その中で重合が起こる。該水を、水と混和する1種以上の追加の溶媒と混合してもよいし、混合しなくてもよい。いくつかの実施態様において、連続媒体は、該連続媒体の総重量に基づいて、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、又は少なくとも約95重量%の量の水を含む。
好適な乳化剤のいくつかの非限定的な例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、及びそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施態様において、1種以上のアニオン性界面活性剤、1種以上の非イオン性界面活性剤、又はそれらの組合せが使用される。
水中で油を乳化することができる任意のアニオン性界面活性剤を本明細書で使用することができる。いくつかの実施態様において、該アニオン性界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルフェート、アルキルアリールスルホネート(例えば、アルキル-ナフタレンスルホネート及びアルキルベンゼンスルホネート)、もしくはそれらの組合せであるか、又はこれらを含む。
水中で油を乳化することができる任意の非イオン性界面活性剤を本明細書で使用することができる。いくつかの実施態様において、該非イオン性界面活性剤は、アルキルポリオキシアルキレン、アリールポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンブロックコポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、もしくはそれらの組合せであるか、又はこれらを含む。他の実施態様において、該非イオン性界面活性剤は、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアリールエーテル(例えば、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルフェニルエーテル)、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアミン、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルアミン、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、もしくはそれらの組合せであるか、又はこれらを含む。好適なポリオキシエチレンC8-20-アルキルエーテルのいくつかの非限定的な例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、又はそれらの組合せが挙げられる。好適なポリオキシエチレンC8-20-アルキルアリールエーテルのいくつかの非限定的な例としては、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、又はそれらの組合せが挙げられる。好適なポリオキシエチレンC8-20-アルケニルエーテルの1つの非限定的な例は、ポリオキシエチレンオレイン酸エーテルである。好適なポリオキシエチレンC8-20-アルキルアミンのいくつかの非限定的な例としては、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、又はそれらの組合せが挙げられる。好適なポリオキシエチレンC8-20-アルケニルアミンの1つの非限定的な例は、ポリオキシエチレンオレイルアミンである。他の実施態様において、該非イオン性界面活性剤は、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、又はそれらの組合せである。特定の実施態様において、該非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン親水性テールを含有する。
エマルジョン重合は、エマルジョン重合組成物を含有する反応容器中で起こり得る。いくつかの実施態様において、該エマルジョン重合組成物は、ファルネセン及び少なくとも1種のビニルモノマーを含む重合性混合物、少なくとも1種の乳化剤、少なくとも1種のフリーラジカル開始剤、並びに水を含む。
ファルネセンと少なくとも1種のビニルモノマーとのエマルジョン重合の方法は、オレフィン及び/又はビニルモノマーのエマルジョン重合に好適な任意の公知の方法であることができる。いくつかの実施態様において、該方法は、ファルネセンと少なくとも1種のビニルモノマーとを、水性媒体中、少なくとも1種のフリーラジカル開始剤及び少なくとも1種の乳化剤の存在下で共重合させることを含む。
ファルネセンと少なくとも1種のビニルモノマーとのエマルジョン重合を用いて、ポリマーエマルジョンを調製することができる。いくつかの実施態様において、該ポリマーエマルジョンは:(a)ファルネセン及び少なくとも1種のビニルモノマーを含む重合性混合物;少なくとも1種の乳化剤;少なくとも1種の開始剤;並びに水を含む水性エマルジョンを提供すること;並びに(b)該重合性混合物の少なくとも一部をエマルジョン重合させて、ポリマーエマルジョンを形成させることを含む方法により調製することができる。いくつかの実施態様において、該方法は、該ポリマーエマルジョンを乾燥させてエマルジョンポリマーを形成させる工程をさらに含む。該ポリマーエマルジョンは、任意の公知の乾燥技術、例えば、直接乾燥、間接乾燥、接触乾燥、ドラム乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、誘電乾燥、凍結乾燥、超臨界乾燥、自然風乾燥、リフラクタンスウィンドウ乾燥、赤外線域乾燥、又はそれらの組合せにより乾燥させることができる。乾燥したエマルジョンポリマーは、取り扱うのに好適な任意の好都合な形態(例えば、粉末、ペレット、又はフィルム)であることができる。
特定の実施態様において、該ファルネセンは、α-ファルネセンもしくはβ-ファルネセン又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、該ファルネセンは、重合性混合物の総重量に基づいて、約10重量%〜約60重量%、約20重量%〜約50重量%、又は約30重量%〜約40重量%の量である。
本明細書に開示される任意のビニルモノマーをエマルジョン重合組成物に使用することができる。特定の実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、スチレン、置換スチレン、C4-40ジエン、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はそれらの組合せである。特定の実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、メタクリル酸又はアクリル酸及びメタクリル酸エステルを含む。他の実施態様において、該メタクリル酸又はアクリル酸は、重合性混合物の総重量に基づいて、約0.1重量%〜約5重量%、約0.25重量%〜約4重量%、約0.5重量%〜約3重量%、又は約0.75重量%〜約2重量%の量である。他の実施態様において、該メタクリル酸又はアクリル酸は、重合性混合物の総重量に基づいて、約5重量%〜約50重量%、約10重量%〜約40重量%、約15重量%〜約35重量%、又は約20重量%〜約30重量%の量である。さらなる実施態様において、該メタクリル酸エステルは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、アクリル酸エステルをさらに含む。さらなる実施態様において、該メタクリル酸エステルは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、又はそれらの組合せである。特定の実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施態様において、該少なくとも1種のビニルモノマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、又はそれらの組合せを含む。
エマルジョン重合組成物の成分を任意の方法で合わせることができる。いくつかの実施態様において、エマルジョン重合組成物の2以上の成分、又はその一部を、それらの成分又はその一部の組成物を反応容器に入れる前に一緒に混合することができる。特定の実施態様において、反応容器の外にある、一緒に混合されない任意の成分又はその一部を、同時に又は順次に反応容器に添加することができる。さらなる実施態様において、エマルジョン重合組成物の成分を提供する上記の方法の任意の組合せを使用することができる。
エマルジョン重合組成物が反応容器中に存在してから、エマルジョン重合組成物がエマルジョン重合を受ける条件が提供される。特定の実施態様において、フリーラジカル開始剤が1以上のフリーラジカルを形成させるのに必要とされるような条件が提供される。いくつかの実施態様において、使用されるフリーラジカル開始剤に応じて、反応混合物を加熱してもよく、又は還元剤を添加してもよく、又はエマルジョン重合組成物を放射線に暴露させてもよく、又はそれらの組合せであってもよい。特定の実施態様において、エマルジョン重合の成功を可能にする他の条件(例えば、モノマーの乳化、モノマーの濃縮、フリーラジカル開始剤の濃縮など)も提供される。そのような条件は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、Chorng-Shyan Chernの文献、「エマルジョン重合の原理及び応用(Principles and Applications of Emulsion Polymerization)」、John Wiley & Sons社、pp. 1-252(2008);並びにPeter A. Lovell(編)、「エマルジョン重合及びエマルジョンポリマー(Emulsion Polymerization and Emulsion Polymers)」、John Wiley & Sons社、pp. 1-826(1997)に見出すことができる。
いくつかの実施態様において、エマルジョン重合組成物がエマルジョン重合を受ける条件は、反応容器中へのエマルジョン重合組成物の導入と同時に達成される。他の実施態様において、エマルジョン重合組成物の成分は同時には添加されず、エマルジョン重合組成物がエマルジョン重合を受ける条件は、反応容器中への最終分量のエマルジョン重合組成物の導入と同時に達成される。
特定の実施態様において、エマルジョン重合組成物がエマルジョン重合を受ける条件は、反応容器中へのエマルジョン重合組成物の後に達成される。いくつかの実施態様において、エマルジョン重合組成物の全ての成分を反応容器中に提供し、その後、エマルジョン重合組成物を、少なくとも1種のフリーラジカル開始剤の少なくとも一部が1以上のフリーラジカルを形成させる温度にまで加熱することができる。
いくつかの実施態様において、エマルジョン重合組成物がエマルジョン重合を受ける条件が達成された後、追加のビニルモノマー(複数可)を添加してもよく、追加の水を添加してもよく、追加の乳化剤(複数可)を添加してもよく、追加のフリーラジカル開始剤(複数可)を添加してもよく、又はそれらの組合せを添加してもよい。
エマルジョン重合プロセスは、一段階又は多段階として特徴付けることができる。一段階では、1種以上のビニルモノマーの第一の組成物を重合が完了するまで重合させる。その後、1種以上のビニルモノマーの第二の組成物(これは、第一の組成物と異なっていても、同じであってもよい)を第一段階で形成されるポリマーの存在下で重合させる場合、第二の組成物の重合は第二段階として知られる。さらなる後続の段階を実施することもできる。いくつかの実施態様において、エマルジョン重合プロセスは、一段階プロセスである。
エマルジョン重合プロセスの各々の段階において、1種以上のビニルモノマーは、ショット添加として、又は段階的添加として、又はそれらの組合せとしてのいずれかで添加される。ショット添加では、1種以上のビニルモノマーは、(重合時間の持続時間と比べて)比較的速やかに添加され、その後、該1種以上のビニルモノマーの添加は、しばらく中断される。モノマーのショット添加を伴うエマルジョン重合プロセスの特定の段階において、1回のショット添加を、その段階用の全ての1種以上のビニルモノマーを添加するために用いることができるか、又は複数回のショット添加を用いることができる。
いくつかの実施態様において、ニトロソ又はニトロオキシド化合物などのフリーラジカル阻害剤は、重合の開始前に反応容器中に導入される。そのような阻害剤の存在は、二次粒子の生成を低下又は消失させることができ、したがって、エマルジョンポリマーの粒径の注意深い制御を助ける。いくつかの実施態様において、ニトロソ又はニトロオキシド化合物などのフリーラジカル阻害剤は、重合の開始前に反応容器中に導入されない。
特定の実施態様において、使用される1種以上のビニルモノマーは、任意の酸基(例えば、カルボン酸基)を有するビニルモノマーを含まない。いくつかの実施態様において、使用される1種以上のビニルモノマーは、任意のイオン基(例えば、酸基)を有するビニルモノマーを含まない。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるプロセスにより生成されるエマルジョンポリマーは、イオン基を有さない。イオン基とは、エマルジョンポリマーが約2〜約12の範囲のpHにあるときに、ほとんど又は完全にイオン化された形態にある化学基を指す。
いくつかの実施態様において、使用されるビニルモノマーのうちの少なくとも1種は、酸基又はイオン基を有する。特定の実施態様において、酸基(例えば、アクリル酸もしくはメタクリル酸)又はイオン基を有するビニルモノマーの量は、重合性混合物の総重量に基づいて、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1.0重量%未満、約0.5重量%未満、約0.25重量%未満、又は約0.1重量%未満である。いくつかの実施態様において、酸基又はイオン基を有するビニルモノマーの量は、重合性混合物の総重量に基づいて、約50重量%超、約40重量%超、約30重量%超、約20重量%超、約10重量%超、約5重量%超、又は約1重量%超である。特定の実施態様において、酸基又はイオン基を有するビニルモノマーの量は、重合性混合物の総重量に基づいて、約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%、約5重量%〜約45重量%、約10重量%〜約40重量%、約15重量%〜約35重量%、約0.1重量%〜約20重量%、約0.1重量%〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%である。
乳化剤の濃度は、水中で重合性混合物を効果的に乳化することができる任意の量であり得る。いくつかの実施態様において、乳化剤の濃度は、エマルジョン重合組成物の総重量(又は容量)に基づいて、重量で(又は容量で)少なくとも約0.01%、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、又は約20%である。特定の実施態様において、界面活性剤の濃度は、エマルジョン重合組成物の総重量(又は容量)に基づいて、重量で(又は容量で)多くても約0.01%、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、又は約20%である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるエマルジョンポリマーのMwは、約5,000よりも大きく、約10,000よりも大きく、約50,000よりも大きく、約100,000よりも大きく、約200,000よりも大きく、約500,000よりも大きく、約1,000,000よりも大きく、約2,000,000よりも大きく、約3,000,000よりも大きく、又は約4,000,000よりも大きい。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるエマルジョンポリマーは、ASTM D7426-08に準拠して測定したとき、約-70℃〜約40℃、約-60℃〜約30℃、又は約-50℃〜約20℃の少なくともガラス転移温度(Tg)を有する。いくつかの実施態様において、該Tgは、約-60℃〜約0℃、約-50℃〜約0℃、約-40℃〜約0℃、約-30℃〜約0℃、約-60℃〜約10℃、又は約-50℃〜約20℃である。特定の実施態様において、該Tgは、約-30℃〜約30℃、約-20℃〜約30℃、約-10℃〜約20℃、約-5℃〜約25℃、約0℃〜約20℃、又は約5℃〜約15℃である。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるエマルジョンポリマーは、ポリマーエマルジョンを形成させるための水性連続媒体中に分散したポリマー粒子の形態にある。いくつかの実施態様において、該ポリマー粒子は、約10nm超、約20nm超、約25nm超、約50nm超、約75nm超、又は約100nm超の平均直径を有する。いくつかの実施態様において、該ポリマー粒子は、約2,000nm未満、約1,000nm未満、約500nm未満、約250nm未満、又は約100nm未満の平均直径を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、β-ファルネセンを触媒の存在下で重合させることにより調製され、ここで、該ポリファルネセン中のcis-1,4-微細構造の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、多くても約80重量%、多くても約75重量%、多くても約70重量%、多くても約65重量%、又は多くても約60重量%である。いくつかの実施態様において、β-ファルネセンをビニルモノマーと共重合させて、ファルネセンコポリマーを形成させる。他の実施態様において、該ビニルモノマーは、スチレンである。さらなる実施態様において、該ファルネセンコポリマーは、ブロックコポリマーである。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、α-ファルネセンを触媒の存在下で重合させることにより調製され、ここで、該ポリファルネセン中のcis-1,4-微細構造の量は、該ポリファルネセンの総重量に基づいて、約1重量%〜約99重量%、約10重量%〜約99重量%、約20重量%〜約99重量%、約30重量%〜約99重量%、約40重量%〜約99重量%、約50重量%〜約99重量%、約1重量%〜約99重量%、約1重量%〜約90重量%、約1重量%〜約80重量%、約1重量%〜約70重量%、又は約1重量%〜約60重量%である。いくつかの実施態様において、α-ファルネセンをビニルモノマーと共重合させて、ファルネセンコポリマーを形成させる。他の実施態様において、該ビニルモノマーは、スチレンである。さらなる実施態様において、該ファルネセンコポリマーは、ブロックコポリマーである。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンは、当業者に公知の任意の水素化剤により部分的に又は完全に水素化することができる。例えば、飽和ポリファルネセンは、(a)本明細書に開示されるファルネセンを本明細書に開示される触媒の存在下で重合させて、ポリファルネセンを形成させること;及び(b)該ポリファルネセン中の二重結合の少なくとも一部を水素化試薬の存在下で水素化することにより調製することができる。いくつかの実施態様において、該ファルネセンを本明細書に開示されるビニルモノマーと共重合させて、ファルネセンコポリマーを形成させる。他の実施態様において、該ビニルモノマーは、スチレンである。さらなる実施態様において、該ファルネセンコポリマーは、ブロックコポリマーである。なおさらなる実施態様において、該ファルネセンはα-ファルネセンもしくはβ-ファルネセン又はそれらの組合せである。
特定の実施態様において、該水素化試薬は、水素化触媒の存在下の水素である。いくつかの実施態様において、該水素化触媒は、Pd、Pd/C、Pt、PtO2、Ru(PPh3)2Cl2、ラネーニッケル、又はそれらの組合せである。一実施態様において、該触媒は、Pd触媒である。別の実施態様において、該触媒は、5%Pd/Cである。さらなる実施態様において、該触媒は、高圧反応容器中の10%Pd/Cであり、水素化反応は完了まで進行させられる。通常、完了後に、反応混合物を洗浄し、濃縮し、乾燥させて、対応する水素化生成物を生じさせることができる。或いは、C=C結合をC-C結合に還元することができる任意の還元剤を使用することもできる。例えば、ポリファルネセンを、過塩素酸5-エチル-3-メチルルミフラビニウムなどの触媒の存在下、酸素雰囲気下で、ヒドラジンによる処理により水素化して、対応する水素化生成物を生じさせることができる。ヒドラジンによる還元反応は、引用により本明細書中に組み込まれる、Imadaらの文献、J. Am. Chem. Soc, 127, 14544-14545(2005)に開示されている。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセンのC=C結合の少なくとも一部は、触媒及び水素の存在下、室温での水素化により、対応するC-C結合に還元される。他の実施態様において、式(I')〜(III')、(V')〜(VII')、及び(XI)〜(XIV)、並びにそれらの立体異性体のうちの1つ又は複数のC=C結合の少なくとも一部は、触媒及び水素の存在下、室温での水素化により、対応するC-C結合に還元される。さらなる実施態様において、該水素化触媒は、10%Pd/Cである。
特定の実施態様において、該ビニルモノマーは、スチレンである。いくつかの実施態様において、該ファルネセンは、α-ファルネセンもしくはβ-ファルネセン又はそれらの組合せである。他の実施態様において、該ファルネセンは、微生物を使用することにより調製される。さらなる実施態様において、該ファルネセンは、単純な糖又は非発酵性炭素源から誘導される。
(ファルネセン)
ファルネセン、例えば、α-ファルネセン及びβ-ファルネセンは、任意の源から誘導することができるか、又は当業者に公知の任意の方法により調製することができる。いくつかの公知の方法は、引用により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,655,739号に記載されている。いくつかの実施態様において、ファルネセンは、化学的源(例えば、石油もしくは石炭)から誘導されるか、又は化学合成法により得られる。他の実施態様において、ファルネセンは、石油又はコールタールの分留により調製される。さらなる実施態様において、ファルネセンは、任意の公知の化学合成法により調製される。好適な化学合成法の1つの非限定的な例としては、引用により本明細書中に組み込まれる、Anet E. F. L. Jの文献、「(E,Z)-α-、(Z,Z)-α-、及び(Z)-β-ファルネセンの合成(Synthesis of (E,Z)-α-, (Z,Z)-α-, and (Z)-β-farnesene)」、Aust. J. Chem., 23(10), 2101-2108(1970)に記載されているような、ピリジン中でのホスホリルクロリドによるネロリドールの脱水が挙げられる。
(ポリファルネセンを製造する一般的な手順)
ファルネセンの重合又はファルネセンと1種以上のビニルモノマー及び/もしくは1種以上の官能性コモノマーとの共重合は、広い温度範囲で実施することができる。特定の実施態様において、重合温度は、約-30℃〜約280℃、約30℃〜約180℃、又は約60℃〜約100℃である。該ビニルモノマーの分圧は、約15psig(0.1MPa)〜約50,000psig(245MPa)、約15psig(0.1MPa)〜約25,000psig(172.5MPa)、約15psig(0.1MPa)〜約10,000psig(69MPa)、約15psig(0.1MPa)〜約5,000psig(34.5MPa)、又は約15psig(0.1MPa)〜約1,000psig(6.9MPa)の範囲であることができる。
本明細書に開示されるポリファルネセンを製造するために使用される触媒の濃度は、多くの因子によって決まる。いくつかの実施態様において、該濃度は、1リットル当たり約0.01マイクロモル〜1リットル当たり約100マイクロモルの範囲である。重合時間は、プロセスの種類、触媒濃度、及び他の因子によって決まる。通常、重合時間は、数分〜数時間以内である。
ファルネセン共重合体のフリーラジカル重合手順の非限定的な例を以下で概説する。β-ファルネセンなどのファルネセン及び本明細書に開示される1種以上のビニルモノマー及び/又は本明細書に開示される1種以上の官能性コモノマーをシクロヘキサンなどの溶媒に添加して、重合性混合物を、反応器中で、任意に窒素又はアルゴン雰囲気下で形成させることができる。該重合性混合物をモレキュラーシーブなどの乾燥剤で乾燥させることができる。該重合性混合物を、モノマーの全て又はかなりの部分が消費されるまで、室温又は高温で本明細書に開示されるフリーラジカル触媒により重合させる。
ファルネセン共重合体のエマルジョン重合手順の非限定的な例を以下で概説する。β-ファルネセンなどのファルネセン及び本明細書に開示される1種以上のビニルモノマー及び/又は本明細書に開示される1種以上の官能性コモノマー及び本明細書に開示される界面活性剤を、反応器中で、任意に窒素又はアルゴン雰囲気下で水に添加することができる。該混合物を撹拌して、エマルジョン混合物を形成させる。該エマルジョン混合物を、モノマーの全て又はかなりの部分が消費されるまで、室温又は高温で本明細書に開示されるフリーラジカル触媒により重合させる。
(ポリファルネセン組成物)
ポリファルネセンを用いて、多種多様な用途のためのポリファルネセン組成物を調製することができる。いくつかの実施態様において、該ポリファルネセン組成物は、本明細書に開示されるポリファルネセン及び第二のポリマー又は少なくとも1種の添加剤を含む。特定の実施態様において、該ポリファルネセン組成物は、第二のポリマーを含む。他の実施態様において、該ポリファルネセン組成物は、第二のポリマーを含まない。該第二のポリマーは、ビニルポリマーもしくはポリファルネセン、非ビニルポリマーもしくはポリファルネセン、又はそれらの組合せであることができる。ビニルポリマー及びポリファルネセンのいくつかの非限定的な例は、引用により本明細書中に組み込まれる、Malcolm P. Stevensの文献、「ポリマー化学、入門(Polymer Chemistry, an Introduction)」、第3版、Oxford University Press, pp.17-21及びpp.167-279(1999)に開示されている。好適な第二のポリマーのいくつかの非限定的な例としては、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、スチレンポリマー、フェノール樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はそれらの組合せが挙げられる。
特定の実施態様において、該ポリファルネセン対該第二のポリマーの比は、約1:99〜約99:1、約1:50〜約50:1、約1:25〜約25:1、又は約1:10〜約10:1である。
いくつかの実施態様において、該第二のポリマーは、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/α-オレフィン共重合体、エチレンとプロピレンとのコポリマー、及びエチレンと酢酸ビニルとのコポリマー(EVA))、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、スチレンポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)など)、フェノール樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、該第二のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)、又はそれらの組合せである。該第二のポリマーは、それをポリファルネセン組成物に添加する前に、ファルネセン共重合体と配合することができる。いくつかの実施態様において、該第二のポリマーは、ファルネセン共重合体との予備配合なしに、ポリファルネセン組成物に直接添加される。
ポリマー組成物中の該ポリファルネセン対該第二のポリマーの重量比は、約1:99〜約99:1、約1:50〜約50:1、約1:25〜約25:1、約1:10〜約10:1、約1:9〜約9:1、約1:8〜約8:1、約1:7〜約7:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、約1:2〜約2:1、約3:7〜約7:3、又は約2:3〜約3:2であることができる。
いくつかの実施態様において、該第二のポリマーは、ポリオレフィンである。ポリファルネセンと部分的に又は完全に相溶性である任意のポリオレフィンを使用することができる。好適なポリオレフィンの非限定的な例としては、ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリブチレン(例えば、ポリブテン-1);ポリペンテン-1;ポリヘキセン-1;ポリオクテン-1;ポリデセン-1;ポリ-3-メチルブテン-1;ポリ-4-メチルペンテン-1;ポリイソプレン;ポリブタジエン;ポリ-1,5-ヘキサジエン;オレフィンから誘導される共重合体;オレフィンと、他のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタンなどとから誘導される共重合体;及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施態様において、該ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテン-1、ポリ-3-メチルブテン-1、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリイソプレン、ポリブタジエン;ポリ-1,5-ヘキサジエン、ポリヘキセン-1、ポリオクテン-1、及びポリデセン-1などのホモポリマーである。
好適なポリエチレンのいくつかの非限定的な例としては、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量高密度ポリエチレン(HMW-HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)、及びそれらの組合せが挙げられる。ポリプロピレンのいくつかの非限定的な例としては、低密度ポリプロピレン(LDPP)、高密度ポリプロピレン(HDPP)、高溶融張力ポリプロピレン(HMS-PP)、及びそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施態様において、該第二のポリマーは、高溶融張力ポリプロピレン(HMS-PP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、もしくはそれらの組合せであるか、又はこれらを含む。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、該ポリファルネセン組成物の加工性、外観、物理的、化学的、及び/又は機械的特性を向上させ及び/又は制御する目的で、少なくとも1種の添加剤を含む。いくつかの実施態様において、該ポリファルネセン組成物は、添加剤を含まない。当業者に公知の任意のプラスチック添加剤を、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物に使用することができる。好適な添加剤の非限定的な例としては、フィラー、グラフト開始剤、粘着付与剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、可塑剤、酸化防止剤、発泡剤、発泡剤活性化剤(例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛など)、UV安定剤、酸掃去剤、着色剤もしくは顔料、助剤(例えば、シアヌル酸トリアリル)、潤滑剤、防曇剤、流動助剤、加工助剤、押出助剤、カップリング剤、架橋剤、安定性調節剤、造核剤、界面活性剤、溶媒、難燃剤、帯電防止剤、及びそれらの組合せが挙げられる。ポリファルネセン組成物を製造するのに好適ないくつかの添加剤は、引用により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,655,739号に開示されている。
添加剤の総量は、ポリマー組成物の総重量の0%超〜約80%、約0.001%〜約70%、約0.01%〜約60%、約0.1%〜約50%、約1%〜約40%、又は約10%〜約50%の範囲であることができる。いくつかのポリマー添加剤は、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Zweifel Hansらの文献、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio、第5版(2001)に記載されている。
任意に、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、可塑剤を含むことができる。一般に、可塑剤は、ポリマーの柔軟性を増大させ、かつポリマーのガラス転移温度を低下させることができる化学物質である。当業者に公知の任意の可塑剤を、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物に添加することができる。可塑剤の非限定的な例としては、鉱油、アビエチン酸エステル、アジピン酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、アゼライン酸エステル、安息香酸エステル、塩素化パラフィン、クエン酸エステル、エポキシド、グリコールエーテル及びそのエステル、グルタル酸エステル、炭化水素油、イソ酪酸エステル、オレイン酸エステル、ペンタエリスリトール誘導体、リン酸エステル、フタル酸エステル、エステル、ポリブテン、リシノール酸エステル、セバシン酸エステル、スルホンアミド、トリメリト酸エステル及びピロメリト酸エステル、ビフェニル誘導体、ステアリン酸エステル、ジフランジエステル、フッ素含有可塑剤、ヒドロキシ安息香酸エステル、イソシアン酸エステル付加物、多環芳香族化合物、天然製品誘導体、ニトリル、シロキサン系可塑剤、タール系製品、チオエステル、及びそれらの組合せが挙げられる。使用される場合、ポリマー組成物中の可塑剤の量は、ポリマー組成物の総重量の0%超〜約15重量%、約0.5〜約10重量%、又は約1〜約5重量%である。いくつかの可塑剤は、引用により本明細書中に組み込まれる、George Wypychの文献、「可塑剤のハンドブック(Handbook of Plasticizers)」、ChemTec Publishing, Toronto-Scarborough, Ontario(2004)に記載されている。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、ポリファルネセン組成物中のポリマー成分及び有機添加剤の酸化を防止することができる酸化防止剤を任意に含む。当業者に公知の任意の酸化防止剤を、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物に添加することができる。好適な酸化防止剤の非限定的な例としては、芳香族又はヒンダードアミン、例えば、アルキルジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル又はアラルキル置換フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化p-フェニレンジアミン、テトラメチル-ジアミノジフェニルアミンなど;フェノール、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール;1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンジル)ベンゼン;テトラキス[(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン(例えば、IRGANOX(商標) 1010、ニューヨーク州、Ciba Geigy製);アクリロイル修飾フェノール;オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメート(例えば、IRGANOX(商標) 1076、Ciba Geigyから市販);亜リン酸エステル及び亜ホスホン酸エステル;ヒドロキシルアミン;ベンゾフラノン誘導体;並びにそれらの組合せが挙げられる。使用される場合、ポリマー組成物中の酸化防止剤の量は、ポリマー組成物の総重量の0%超〜約5重量%、約0.0001〜約2.5重量%、約0.001〜約1重量%、又は約0.001〜約0.5重量%であることができる。いくつかの酸化防止剤は、引用により本明細書中に組み込まれる、Zweifel Hansらの文献、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio、第5版、第1章、1〜140ページ(2001)に記載されている。
他の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、UV放射によるポリファルネセン組成物の劣化を防止又は低減することができるUV安定剤を任意に含む。当業者に公知の任意のUV安定剤を、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物に添加することができる。好適なUV安定剤の非限定的な例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、アリールエステル、オキサニリド、アクリル酸エステル、ホルムアミジン、カーボンブラック、ヒンダードアミン、ニッケルクエンチャー、ヒンダードアミン、フェノール系酸化防止剤、金属塩、亜鉛化合物、及びそれらの組合せが挙げられる。使用される場合、ポリマー組成物中のUV安定剤の量は、ポリマー組成物の総重量の0%超〜約5重量%、約0.01〜約3重量%、約0.1〜約2重量%、又は約0.1〜約1重量%であることができる。いくつかのUV安定剤は、引用により本明細書中に組み込まれる、Zweifel Hansらの文献、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio、第5版、第2章、141〜426ページ(2001)に記載されている。
さらなる実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、人間の目に対するポリファルネセン組成物の外観を変えることができる着色剤又は顔料を任意に含む。当業者に公知の任意の着色剤又は顔料を、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物に添加することができる。好適な着色剤又は顔料の非限定的な例としては、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化亜鉛、及び二酸化チタンなどの金属酸化物、混合金属酸化物、カーボンブラック、有機顔料、例えば、アントラキノン、アンタントロン、アゾ及びモノアゾ化合物、アリールアミド、ベンゾイミダゾロン、BONAレーキ、ジケトピロロ-ピロール、ジオキサジン、ジスアゾ化合物、ジアリリド化合物、フラバントロン、インダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、金属錯体、モノアゾ塩、ナフトール、β-ナフトール、ナフトールAS、ナフトールレーキ、ペリレン、ペリノン、フタロシアニン、ピラントロン、キナクリドン、及びキノフタロン、並びにそれらの組合せが挙げられる。使用される場合、ポリマー組成物中の着色剤又は顔料の量は、ポリマー組成物の総重量の0%超〜約10重量%、約0.1〜約5重量%、又は約0.25〜約2重量%であることができる。いくつかの着色剤は、引用により本明細書中に組み込まれる、Zweifel Hansらの文献、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio、第5版、第15章、813〜882ページ(2001)に記載されている。
任意に、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、とりわけ、容量、重量、コスト、及び/又は技術的性能を調整するために使用することができるフィラーを含むことができる。当業者に公知の任意のフィラーを、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物に添加することができる。好適なフィラーの非限定的な例としては、タルク、炭酸カルシウム、白亜、硫酸カルシウム、粘土、カオリン、シリカ、ガラス、ヒュームドシリカ、マイカ、珪灰石、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ三水和物などのアルミナ水和物、ガラス微小球、セラミック微小球、熱可塑性微小球、バライト、木粉、ガラス繊維、炭素繊維、マーブルダスト、セメントダスト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン、チタネート、及びそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施態様において、該フィラーは、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス、ガラス繊維、アルミナ、二酸化チタン、又はそれらの混合物である。他の実施態様において、該フィラーは、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、又はそれらの混合物である。使用される場合、ポリマー組成物中のフィラーの量は、ポリマー組成物の総重量の0%超〜約80重量%、約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%、約1〜約30重量%、又は約10〜約40重量%であることができる。いくつかのフィラーは、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、米国特許第6,103,803号及びZweifel Hansらの文献、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio、第5版、17章、901〜948ページ(2001)に開示されている。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、粘着付与剤を含む。他の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、粘着付与剤を含まない。接着剤を製造するためにエラストマーに添加することができる任意の材料を、粘着付与剤として本明細書で使用することができる。粘着付与剤のいくつかの非限定的な例としては、天然及び変性樹脂;天然又は変性ロジンのグリセロール又はペンタエリスリトールエステル;天然テルペン(natured terpene)のコポリマー又はターポリマー;ポリテルペン樹脂又は水素化ポリテルペン樹脂;フェノール系変性テルペン樹脂又はその水素化誘導体;脂肪族もしくは脂環式炭化水素樹脂又はその水素化誘導体;芳香族炭化水素樹脂又はその水素化誘導体;芳香族変性脂肪族もしくは脂環式炭化水素樹脂又はその水素化誘導体;或いはそれらの組合せが挙げられる。特定の実施態様において、粘着付与剤は、引用により本明細書中に組み込まれるASTM 28-67に準拠して測定したとき、60℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、又は100℃以上の環球法(R&B)軟化点を有する。特定の実施態様において、粘着付与剤は、ASTM 28-67に準拠して測定したとき、80℃以上のR&B軟化点を有する。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物中の粘着付与剤の量は、該組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%〜約70重量%、約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%、又は約0.1重量%〜約40重量%、又は約0.1重量%〜約30重量%、又は約0.1重量%〜約20重量%、又は約0.1重量%〜約10重量%の範囲である。他の実施態様において、本明細書に開示される組成物中の粘着付与剤の量は、該組成物の総重量に基づいて、約1重量%〜約70重量%、約5重量%〜約70重量%、約10重量%〜約70重量%、約15重量%〜約70重量%、約20重量%〜約70重量%、又は約25重量%〜約70重量%の範囲である。
任意に、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、部分的に又は完全に架橋することができる。架橋が望ましい場合、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物は、該ポリファルネセン組成物の架橋を引き起こし、それにより、特にその弾性率及び剛性を増加させるために使用することができる架橋剤を含む。ポリファルネセン組成物の利点は、ポリイソプレン及びポリブタジエンなどの他のポリマーのようにポリマー骨格ではなく、その側鎖で架橋が起こり得ることである。当業者に公知の任意の架橋剤を、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物に添加することができる。好適な架橋剤の非限定的な例としては、有機過酸化物(例えば、アルキル過酸化物、アリール過酸化物、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール、及び環式過酸化物)、並びにシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、及び3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)が挙げられる。使用される場合、ポリマー組成物中の架橋剤の量は、該ポリマー組成物の総重量の0%超〜約20重量%、約0.1重量%〜約15重量%、又は約1重量%〜約10重量%であることができる。いくつかの好適な架橋剤は、どちらも引用により本明細書中に組み込まれる、Zweifel Hansらの文献、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio、第5版、14章、725〜812ページ(2001)に開示されている。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン共重合体は、1種以上のファルネセンと1種以上のビニルモノマーとを共重合させることにより調製されるファルネセン変性ポリマーを含む。特定の実施態様において、1種以上のビニルモノマーから誘導される未変性ポリマーは、任意の公知のオレフィンホモポリマー又は共重合体であることができる。さらなる実施態様において、1種以上の他のビニルモノマーはいずれも、架橋剤と反応することができる不飽和側鎖を有さない。該不飽和側鎖はファルネセンから誘導されるので、本明細書に開示されるファルネセン変性ポリマーは、本明細書に開示される架橋剤により架橋することができる。
特定の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン変性ポリマー中のファルネセンの量は、該ファルネセン変性ポリマーの総重量に基づいて、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約7.5重量%、約1重量%〜約5重量%、約1重量%〜約4重量%、約1重量%〜約3重量%、又は約1重量%〜約2重量%であることができる。他の実施態様において、本明細書に開示されるファルネセン変性ポリマー中の1種以上の他のビニルモノマーの量は、該ファルネセン変性ポリマーの総重量に基づいて、約80重量%〜約99重量%、約90重量%〜約99重量%、約92.5重量%〜約99重量%、約95重量%〜約99重量%、約96重量%〜約99重量%、約97重量%〜約99重量%、又は約98重量%〜約99重量%である。
(ポリマー組成物の成分の配合)
ポリファルネセン組成物の成分、すなわち、ファルネセン共重合体、添加剤、任意の第二のポリマー(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、並びに添加剤(例えば、架橋剤)は、当業者に公知の方法を用いて混合又は配合することができる。好適な配合方法の非限定的な例としては、溶融配合、溶媒配合、押出などが挙げられる。
いくつかの実施態様において、ポリファルネセン組成物の成分を、米国特許第4,152,189号においてGuerinらにより記載されている方法により溶融配合する。まず、溶媒が存在する場合、約5トル(667Pa)〜約10トル(1333Pa)の圧力で、約100℃〜約200℃又は約150℃〜約175℃の適切な高温に加熱することにより、全ての溶媒を該成分から除去する。次に、該成分を所望の比率で容器中に量り入れ、容器の内容物を溶融状態になるまで撹拌しながら加熱することにより、フォームを形成させる。
他の実施態様において、物品の成分を、溶媒配合を用いて処理する。まず、所望のフォームの成分を好適な溶媒に溶解させ、その後、混合物を混合又は配合する。次に、溶媒を除去して、フォームを提供する。
さらなる実施態様において、分散混合、分布混合、又は分散混合と分布混合との組合せを提供することができる物理的配合装置を、均一なブレンドを調製する際に使用することができる。物理的配合のバッチ法と連続法の両方を使用することができる。バッチ法の非限定的な例としては、BRABENDER(登録商標)混合装置(例えば、BRABENDER PREP CENTER(登録商標)、ニュージャージー州サウスハッケンサックのC. W. Brabender Instruments社から入手可能)又はBANBURY(登録商標)内部混合及びロール混練(コネチカット州アンソニアのFarrel Companyから入手可能)装置を使用する方法が挙げられる。連続法の非限定的な例としては、単軸スクリュー押出、二軸スクリュー押出、ディスク押出、往復単軸スクリュー押出、及びピンバレル単軸スクリュー押出が挙げられる。いくつかの実施態様において、添加剤を、ファルネセン共重合体、任意の第二のポリマー、又はフォームの押出時に、供給ホッパー又は供給スロートに通して押出機に添加することができる。押出によるポリマーの混合又は配合は、引用により本明細書中に組み込まれる、C. Rauwendaalの文献、「ポリマー押出(Polymer Extrusion)」、Hanser Publishers, New York, NY, 322〜334ページ(1986)に記載されている。
1種以上の添加剤がポリファルネセン組成物中に必要とされる場合、所望の量の添加剤を、1回で又は複数回で、ファルネセン共重合体、第二のポリマー、又はポリマー組成物に添加することができる。さらに、添加は、任意の順序で行なうことができる。いくつかの実施態様において、まず、添加剤を添加し、ファルネセン共重合体と混合又は配合し、その後、添加剤を含有する共重合体を第二のポリマーと配合する。他の実施態様において、まず、添加剤を添加し、第二のポリマーと混合又は配合し、その後、添加剤を含有する第二のポリマーをファルネセン共重合体と配合する。さらなる実施態様において、ファルネセン共重合体を第二のポリマーとまず配合し、その後、添加剤をポリマー組成物と配合する。
ポリマー組成物の成分を、当業者に公知の任意の好適な混合又は配合装置で混合又は配合することができる。その後、全成分が均一に混合され、もとの状態のままであることを保証するために、ポリマー組成物中の成分を発泡剤及び架橋剤の分解温度未満の温度で混合することができる。ポリマー組成物を比較的均一に混合した後、組成物を成形し、その後、発泡剤及び架橋剤を活性化させるのに十分な時間、ある条件(例えば、熱、圧力、剪断など)に暴露させて、フォームを形成させる。
(ポリファルネセンを含む組成物の用途)
本明細書に開示されるポリファルネセン又はポリファルネセン組成物は、多種多様な用途に使用することができる。例えば、それらを種々の従来の熱可塑性製作プロセスで用いて、単層フィルムなどの少なくとも1つのフィルム層、又はキャストコーティング、ブローコーティング、カレンダーコーティング、もしくは押出コーティングプロセスにより調製される多層フィルム中の少なくとも1つの層を含む物体;ブロー成形品、射出成形品、又は回転成形品などの成形品;押出品;繊維;及び織布又は不織布などの有用な物品を製造することができる。本発明のポリマーを含む熱可塑性組成物としては、他の天然又は合成ポリマー、添加剤、強化剤、耐発火性添加剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、増量剤、架橋剤、発泡剤、及び可塑剤とのブレンドが挙げられる。特に有用なのは、1種以上の本発明のポリマーを少なくとも部分的に含む、外面層を有する、芯鞘繊維などの多成分繊維である。
本明細書に開示されるポリファルネセン又はポリファルネセン組成物から調製することができる繊維としては、短繊維、屑繊維、多成分、芯鞘、撚合物、及びモノフィラメントが挙げられる。任意の繊維形成プロセスを本明細書で使用することができる。例えば、好適な繊維形成プロセスとしては、スピンボンド、溶融ブロー技術、ゲルスパン繊維、織布及び不織布、又はポリエステル、ナイロン、もしくは綿などの他の繊維とのブレンドを含む、そのような繊維から作られる構造物、熱形成物品、異形押出及び共押出を含む押出形状品、カレンダー処理物品、及び延伸、撚合、又は捲縮された糸又は繊維が挙げられる。本明細書に開示されるポリファルネセン又はポリファルネセン組成物はまた、ワイヤー及びケーブルコーティング作業、並びに真空成形作業のためのシート押出において、及び射出成形、ブロー成形プロセス、又は回転成形プロセスの使用を含む成形品の形成に有用である。本明細書に開示されるポリファルネセン又はポリファルネセン組成物を、ポリオレフィン処理の分野の当業者に周知である従来のポリオレフィン処理技術を用いて、前述のものなどの加工品へと形成させることもできる。
分散液又はエマルジョン(水性と非水性の両方)を、本明細書に開示されるポリファルネセン又はポリファルネセン組成物を用いて形成させることもできる。本明細書に開示されるポリファルネセン又はポリファルネセン組成物を含む起泡フォームを形成させることもできる。ポリマーを、過酸化物、電子線、シラン、アジド、又は他の架橋技術の使用などの任意の公知の手段により架橋することもできる。ポリマーを、例えば、グラフト(例えば、無水マレイン酸(MAH)、シラン、もしくは他のグラフト剤の使用による)、ハロゲン化、アミノ化、スルホン化、又は他の化学修飾により化学修飾することもできる。
上記の製品の好適な最終用途としては、弾性フィルム及び繊維;ソフトタッチ商品、例えば、歯ブラシの柄及び家電製品のハンドル;ガスケット及び異形材;接着剤(ホットメルト接着剤及び感圧接着剤を含む);履物(靴底及び靴のライナーを含む);自動車内装品及び異形材;フォーム商品(連続気泡と独立気泡の両方);他の熱可塑性ポリマー、例えば、高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、又は他のオレフィンポリマー用の耐衝撃性改良剤;被覆布;ホース;チューブ;隙間充填材;キャップライナー;フローリング;並びに潤滑剤用の、流動点改良剤としても知られる、粘度指数改良剤が挙げられる。
本明細書に開示されるポリファルネセン組成物を用いて、様々な用途、例えば、自動車、建設、医療、食品及び飲料、電気、電化製品、事務用機械、並びに消費者市場の物品(consumer markets)を製造することもできる。いくつかの実施態様において、ポリファルネセン組成物を用いて、玩具、グリップ、ソフトタッチハンドル、バンパー摩擦ストリップ、フローリング、自動車フロアマット、車輪、キャスター、家具及び電化製品の脚部、タグ、シール、静的又は動的ガスケットなどのガスケット、自動車のドア、バンパーフェイシア、グリルコンポーネント、ロッカーパネル、ホース、ライニング、オフィス用品、ライナー、隔壁、チューブ、蓋、ストッパー、プランジャーチップ、デリバリーシステム、台所用品、靴、靴の内袋、及び靴底から選択される成形部品又は物品を製造する。
本明細書に開示されるポリマーエマルジョンは、塗料、コーティング剤、例えば、紙コーティング剤及び織物コーティング剤、接着剤、及びレオロジー改良剤などの様々な用途に使用することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるポリファルネセン組成物を用いて、公知のポリマープロセス、例えば、押出(例えば、シート押出及び異形押出);成形(例えば、射出成形、回転成形、及びブロー成形);紡糸;並びにブローフィルム及びキャストフィルムプロセスより、成形品、フィルム、シート、及びフォームを調製する。一般に、押出は、ポリマーを高温高圧の領域に通してスクリューに沿って連続的に押し込み、該高温高圧領域でポリマーを溶融させて圧縮し、最後にダイから押し出すプロセスである。押出機は、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、ディスク押出機、又はラム押出機であることができる。ダイは、フィルムダイ、ブローフィルムダイ、シートダイ、パイプダイ、チューブダイ、又は異形押出ダイであることができる。ポリマーの押出は、どちらも引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる、C. Rauwendaalの文献、「ポリマー押出(Polymer Extrusion)」、Hanser Publishers, New York, NY(1986);並びにM. J. Stevensの文献、「押出機の原理及び操作(Extruder Principals and Operation)」、Ellsevier Applied Science Publishers, New York, NY(1985)に記載されている。
射出成形も、様々な用途向けの様々なプラスチック部品を製造するために広く利用されている。一般に、射出成形は、ポリマーを溶融させ、所望の形状の反対の形である型に高圧で射出し、所望の形状及び大きさの部品を形成させるプロセスである。型は、スチール及びアルミニウムなどの金属製であることができる。ポリマーの射出成形は、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Beaumontらの文献、「成功する射出成形:プロセス、設計、及びシミュレーション(Successful Injection Molding: Process, Design, and Simulation)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio(2002)に記載されている。
成形は、一般に、ポリマーを溶融させ、所望の形状の反対の形である型に導き、所望の形状及び大きさの部品を形成させるプロセスである。成形は、無加圧又は加圧式であることができる。ポリマーの成形は、引用により本明細書中に組み込まれる、Hans-Georg Eliasの文献、「プラスチック入門(An Introduction to Plastics)」、Wiley-VCH, Weinhei, Germany, pp.161-165(2003)に記載されている。
回転成形は、中空のプラスチック製品を製造するために一般に使用されるプロセスである。さらなる成形後操作を使用することにより、他の成形及び押出技術と同じくらい効率的に、複雑な部品を製造することができる。回転成形は、加熱、溶融、成形、及び冷却段階の全てがポリマーを型に入れた後に起こるため、形成時に外圧が加わらないという点において、他の加工方法と異なる。ポリマーの回転成形は、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Glenn Beallの文献、「回転成形:設計、材料、及び加工(Rotational Molding: Design, Materials & Processing)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio(1998)に記載されている。
ブロー成形は、中空のプラスチック容器を作るために使用することができる。このプロセスは、軟化したポリマーを型の中央に入れ、該ポリマーを型の壁に対してブローピンで膨脹させ、製品を冷却により固らさせることを含む。3つの一般的なタイプのブロー成形:押出ブロー成形、射出ブロー成形、及び延伸ブロー成形がある。射出ブロー成形は、押し出すことができないポリマーを加工するために使用することができる。延伸ブロー成形は、ポリプロピレンなどの、ブローが困難な結晶性及び結晶化可能ポリマーに使用することができる。ポリマーのブロー成形は、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Norman C. Leeの文献、「ブロー成形の理解(Understanding Blow Molding)」、Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio(2000)に記載されている。
以下の実施例は、本発明の実施態様を例示するために提示されているが、本発明を記載された具体的な実施態様に限定することを意図するものではない。反対のことが示されない限り、部及びパーセンテージは全て、重量によるものである。数値は全て、おおよそのものである。数字の範囲が与えられている場合、記述された範囲外の実施態様も本発明の範囲内にあり得ることが理解されるべきである。各々の実施例で記載される具体的な詳細は、本発明の必要な特徴であると解釈されるべきでない。
(出発材料の精製)
重量で97.6%の純度を有するβ-ファルネセンを、カリフォルニア州エメリービルのAmyris社から入手した。該β-ファルネセンは、ジンギベレン、ビサボレン、ファルネセンエポキシド、ファルネソール異性体、E,E-ファルネソール、スクアレン、エルゴステロール、及びファルネセンのいくつかの二量体などの炭化水素系不純物を含んでいた。該β-ファルネセンを3Åのモレキュラーシーブで精製して該不純物を除去し、窒素雰囲気下で再蒸留して純度を上げた。シクロヘキサンを窒素雰囲気下で蒸留して水分を排除し、乾燥剤とともに保存した。
(示差走査熱量分析)
TA Q200示差走査熱量計を用いて、本明細書に開示されるポリマー試料のガラス転移温度(Tg)を決定した。5mgの試料をアルミニウムパンに入れた。空の参照パン及び試料パンを±0.01mg以内に保った。該試料を約-175℃から約75℃まで10℃/分の速度で走査した。Tgを熱流中での階段変化転移として確認した。転移の中間点を試料のTgとして報告した。
(ゲル浸透クロマトグラフィー)
GPCを用いて、ポリマー試料の分子量及び多分散性を決定した。Waters 2414反射指数検出器をWaters 1515アイソクラティックHPLCポンプとともに使用した。HPLC等級のテトラヒドロフランを溶媒として使用した。多分散画分をGPCから回収した。試料の分子量は、通常、数平均分子量(Mn)又は重量平均(Mw)として記録した。各ピークの固有の多分散性の決定を妨げるピークの重複がある場合、ピーク分子量(Mp)を本明細書に取り入れた。
(熱重量分析)
試料の分解温度を熱重量分析(TGA)により決定した。約20mgの試料を風袋計量済パンに入れた。その後、該パンをファーナスに入れた。気流を平衡化させておいた。その後、試料を室温から580℃まで10℃/分で加熱した。試料の1%及び5%重量減少に対する温度をそれぞれ報告した。
(紫外-可視分光法)
紫外-可視(UV-Vis)分光法を用いて、反応中のモノマー消費をモニタリングした。モノマーが全て消費されてしまうまで、反応を持続させておいた。Shimadzu UV-2450 UV-Vis分光計を使用した。バックグラウンド測定を空の石英キュベットによる5回の測定から平均化した。アリコートを反応容器から定期的に採取し、その後、これをビーム距離1cmの正方形石英キュベットに入れた。試料の吸光度は、アリコート中のモノマーの濃度に正比例する。反応の進行を、230nmでのβ-ファルネセンの特徴的吸収ピークについて、UV-Vis分光法によりモニタリングした。
(引張強度)
試料の引張強度を、INSTRON(商標)引張試験機を用いて決定した。試料を流し込んでフィルムにし、適当な寸法に切った。処理後の試料の厚さ及び幅を測定した。標点距離2.54cmをクロスヘッドスピード25mm/分で用いた。
(ラップ試験)
ラップ試験を用いて、試料の接着性を特徴付けた。2つの基材を接着剤により結合させた。その後、基材を引き剥がし、接着剤を剪断した。構築物は、3つの方法のうちの1つで破損する。基材が破損した場合、基材破壊と呼んだ。接着剤が裂けた場合、凝集破壊と呼んだ。基材と接着剤の界面が破損した場合、接着破壊と呼んだ。INSTRON(商標)引張試験機を用いて、破壊に関与する力を特徴付けた。接着剤を基材の2cm2部分に25mm/分のクロスヘッドスピードで塗布した。アルミニウムを基材として使用した。結合させる前に、アルミニウムをアセトンで洗浄した。
(1H及び13C核磁気共鳴)
1H及び13C核磁気共鳴を用いて、試料の化学微細構造を特徴付けた。Varian Mercury 300MHz NMRをこれらの測定に使用した。重水素化クロロホルムを溶媒として使用した。スペクトルを回収するために、数回の測定を繰り返した。
(実施例1)
第二級アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤であるTERGITOL(商標) 15-S-20非イオン性界面活性剤(Dow Chemical社から入手)を脱イオン水で79.50%活性から15.33%活性に希釈した。アニオン性スルホスクシネート界面活性剤であるAEROSOL(商標) EF-810(Cytec Industries社から入手)を30.10%活性の状態で使用した。
250mLの丸底フラスコ中で、55.00mLの脱イオン水を窒素で少なくとも15分間スパージして、溶存酸素を除去した。
希釈したTERGITOL(商標) 15-S-20(8.39g)及びAEROSOL(商標) EF-810(1.84g)を該丸底フラスコに添加し、少なくとも15分間撹拌した。別のフラスコ中で、38.50gのファルネセン、70.40gのメタクリル酸メチル(「MMA」)、及び1.10gのメタクリル酸(「MAA」)を合わせ、撹拌して混合物を形成させた。該混合物を水/界面活性剤混合物にゆっくりと添加し、約15分間撹拌して、プレエマルジョンを形成させた。
PTFE撹拌羽根付き撹拌シャフト;冷却器;窒素注入口付き温度サーモカップル;及びプレエマルジョンに接続したシリンジポンプからのチューブの差込口を備えた500mLの4首丸底フラスコ中で、90.00mLの脱イオン水を窒素ガスで約15分間スパージした。
希釈したTERGITOL(商標) 15-S-20(4.17g)及びAEROSOL(商標) EF-810(0.91g)を該フラスコに添加し、200rpmで約15分間、加熱しながら撹拌した。溶液を約70℃に加熱した。該溶液が約65℃〜約70℃になったとき、重炭酸ナトリウム(5.0gの脱イオン水中、0.55g)を緩衝剤として添加した。
シリンジポンプに呼び水を入れ、チューブにプレエマルジョンを充填した。温度が安定したとき、22mLのプレエマルジョン(約10%)をフラスコに7.5mL/分の速度で添加した。
プレエマルジョンの添加後、溶液を約2分間撹拌し、その後、過硫酸アンモニウム開始剤(4.0gの脱イオン水中、0.55g)を添加し、約15分間撹拌した。溶液の温度は約4〜7℃上昇した。
反応を開始させた後、220mLのプレエマルジョンをフラスコに3時間かけてポンプ注入した。
プレエマルジョンの添加が完了した後、溶液を約70℃で約30分間保持した。その後、フラスコを75℃に上昇させ、75℃で30分間保持した。その後、フラスコを80℃に上昇させ、80℃で30分間保持した。最後に、フラスコを85℃に上昇させ、85℃で60分間保持し、その後、試料をガスクロマトグラフィー(「GC」)で分析した。GC分析を用いて、反応液中のモノマーの変換を測定した。
その後、フラスコ中のポリマーを室温に冷却し、好適な容器中に濾過した。実施例1の重量平均分子量及び多分散性指数(「PDI」)をサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。
ポリマーを、真空オーブン中、約55℃で約2時間乾燥させて、水を除去した。実施例1のガラス転移温度(「Tg」)を10℃/分の走査速度で示差走査熱量測定(「DSC」)により測定した。
(実施例2)
44gのファルネセン(40重量%)及び64.9gのMMA(59.00重量%)を38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例2の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例2の重量平均分子量、PDI、及びTgを表1に示す。
(実施例3)
33gのファルネセン(30.00重量%)及び75.9g(69.00重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35.00重量%)及び70.4gのMMA(64.00重量%)の代わりに使用することを除き、実施例3の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例3の重量平均分子量、PDI、及びTgを表1に示す。
(実施例4)
27.5gのファルネセン(25.00重量%)及び81.4g(74.00重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例4の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例4の重量平均分子量、PDI、及びTgを表1に示す。
(実施例5)
22gのファルネセン(20重量%)及び 86.9g(79重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.40gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例5の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例5の重量平均分子量、PDI、及びTgを表1に示す。
(実施例6)
実施例6は比較例であった。55gのアクリル酸ブチル(「BA」)(50重量%)及び53.9g(49重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35.00重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例6の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例6の重量平均分子量、PDI、及びTgを表1に示す。
(実施例7)
35.2gのファルネセン(32重量%)及び73.7g(67重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例7の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実験は2回行った。実施例7の重量平均分子量、PDI、及びTgの平均値を表2に示す。
(実施例8)
36.3gのファルネセン(33重量%)及び72.6g(66重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例8の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実験は2回行った。実施例8の重量平均分子量、PDI、及びTgの平均値を表2に示す。
(実施例9)
37.4gのファルネセン(34重量%)及び71.5g(65重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例9の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実験は2回行った。実施例9の重量平均分子量、PDI、及びTgの平均値を表2に示す。
(実施例10)
38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4g(64重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例10の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実験は2回行った。実施例10の重量平均分子量、PDI、及びTgの平均値を表2に示す。
(実施例11)
39.6gのファルネセン(36重量%)及び69.3g(63重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例11の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実験は2回行った。実施例11の重量平均分子量、PDI、及びTgの平均値を表2に示す。
(実施例12)
実施例12は比較実験であった。55gのBA(50重量%)及び53.9g(49重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例12の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実験は2回行った。実施例12の重量平均分子量、PDI、及びTgの平均値を表2に示す。
表2の変換データは、実施例7〜12の各々が99%を超える全モノマー変換を有することを示している。実施例1〜5及び7〜11のTgを図1に示す。
(実施例13)
2つの追加の成分をプレエマルジョンに添加し;かつ44gのファルネセン(40重量%)、11gのBA(10重量%)、及び53.9gのMMA(49重量%)を38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例13の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。該成分は、0.50gの1-ドデカンチオール及び1.00gのメチル-β-シクロデキストリンであった。1-ドデカンチオールを連鎖移動剤として添加して、成長するポリマーがそれ自体に対して反応するのを防いだ。メチル-β-シクロデキストリンを相間移動剤として添加して、ファルネセンと1-ドデカンチオールの両方の水性媒体中の通過を助けた。実施例13の重量平均分子量、PDI、及びTgを表3に示す。
(実施例14)
33gのファルネセン(30重量%)及び22gのBA(20重量%)を44gのファルネセン(40重量%)及び11gのBA(10重量%)の代わりに使用することを除き、実施例14の調製手順は、実施例13の調製手順と同じであった。実施例14の重量平均分子量、PDI、及びTgを表3に示す。
(実施例15)
22gのファルネセン(20重量%)及び33gのBA(30重量%)を44gのファルネセン(40重量%)及び11gのBA(10重量%)の代わりに使用することを除き、実施例15の調製手順は、実施例13の調製手順と同じであった。実施例15の重量平均分子量、PDI、及びTgを表3に示す。
(実施例16)
11gのファルネセン(10重量%)及び44gのBA(40重量%)を44gのファルネセン(40重量%)及び11gのBA(10重量%)の代わりに使用することを除き、実施例16の調製手順は、実施例13の調製手順と同じであった。実施例16の重量平均分子量、PDI、及びTgを表3に示す。
(実施例17)
実施例17は比較例であった。55gのBA(50重量%)を44gのファルネセン(40重量%)及び11gのBA(10重量%)の代わりに使用することを除き、実施例17の調製手順は、実施例13の調製手順と同じであった。実施例17の重量平均分子量、PDI、及びTgを表3に示す。
実施例13〜16は、実施例17よりも低い分子量及び低いPDIを有する。実施例13〜16のTgを図2に示す。
(実施例18)
11.05gのMMA(0.1104モル)、67.69gのβ-ファルネセン(0.3312モル)、及び0.574gの過酸化ベンゾイル(「BPO」、0.00237モル)の混合物を、PTFE撹拌羽根付きのオーバーヘッド撹拌シャフトを備えた250mLの3首丸底フラスコに、N2雰囲気のグローブボックス中で添加した。ファルネセン対MMAの比は、3:1であった。フラスコを密閉し、グローブボックスから取り出し、加熱マントル上に置き、オーバーヘッドスターラーに取り付けた。アルゴン注入口をフラスコ及びオイルバブラーに接続した。250rpmの撹拌速度をオーバーヘッドスターラーに対して設定し、アルゴンがバブラーを通って1秒間に約1個の泡の割合でバブリングするように、アルゴン流を調整した。加熱マントルを75℃に設定し、反応を15時間進行させておいた。加熱マントル及びアルゴンガス注入口を取り外し、1.107gのブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」、0.005024モル)をフラスコに添加した。溶液を5分間撹拌した後、ポリマーを該溶液から沈殿させた。沈殿は、該溶液を2Lの氷冷メタノール中に滴下することにより行なわれた。ポリマーを沈殿させたら、メタノール溶液をデカントし、ポリマーをテトラヒドロフラン(「THF」)に再溶解させた。得られたポリマーのTHF溶液を2Lの氷冷メタノール中に沈殿させ、その後、メタノール溶液をデカントした。ポリマーをTHFに再溶解させ、2Lの氷冷メタノール中に再沈殿させた。メタノールをデカントし、残留溶媒をロータリーエバポレーターで除去することによりポリマーを乾燥させ、その後、単離されたポリマーを真空(50ミクロン)下に一晩置いた。19.62g(24.91%)の収量の明澄透明な粘稠液が実現された。
実施例18は、以下の分析データを特徴とした:
GPC(THF、PS標準): M
w=146kDa、M
w/M
n=2.4。DSC(2℃/分、N
2): T
g(変曲)=-66.15℃。実施例18の重量平均分子量、PDI、及びTgを表4に示す。
(実施例19)
ファルネセン対MMAの比が1:0であることを除き、実施例19の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(79.008g、0.38661モル)、MMA(0g、0.0モル)、BPO(0.607g、0.00251モル)。反応液を75℃で7時間加熱した後、BHT(0.565g、0.00256モル)を添加した。8.412g(10.65%)の収量の明澄透明な粘稠液が得られた。実施例19の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例20)
ファルネセン対MMAの比が1:0であることを除き、実施例20の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(79.25g、0.3878モル)、MMA(0g、0.0モル)、BPO(0.607g、0.00251モル)。反応液を75℃で18.5時間加熱した後、BHT(1.111g、0.005042モル)を添加した。19.349g(24.42%)の収量の明澄透明な粘稠液が得られた。実施例20の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例21)
ファルネセン対MMAの比が5:1であることを除き、実施例21の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(66.788g、0.32682モル)、MMA(6.54g、0.0653モル)、BPO(0.532g、0.00220モル)。反応液を75℃で13.5時間加熱した後、BHT(0.969g、0.00440モル)を添加した。13.949g(19.02%)の収量の明澄透明な粘稠液が得られた。実施例21の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例22)
ファルネセン対MMAの比が1:1であることを除き、実施例22の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(58.47g、0.2861モル)、MMA(26.17g、0.2614モル)、BPO(0.603g、0.00249モル)。反応液を75℃で15.25時間加熱した後、BHT(1.102g、0.005001モル)を添加した。29.98g(35.42%)の収量の明澄透明な粘稠液が得られた。実施例22の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例23)
ファルネセン対MMAの比が1:1であることを除き、実施例23の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(52.328g、0.25606モル)、MMA(25.633g、0.25602モル)、BPO(0.551g、0.00227モル)。反応液を75℃で7.75時間加熱した後、BHT(1.008g、0.004574モル)を添加した。16.354g(21.0%)の収量の明澄透明な粘稠液が得られた。実施例23の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例24)
ファルネセン対MMAの比が1:2であることを除き、実施例24の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(47.618g、0.23301モル)、MMA(46.659g、0.46603モル)、BPO(0.653g、0.00270モル)。反応液を75℃で6時間加熱した後、BHT(1.196g、0.005427モル)を添加した。19.7g(20.9%)の収量の明澄透明な粘稠液が得られた。実施例24の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例25)
ファルネセン対MMAの比が1:5であることを除き、実施例25の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(29.842g、0.14603モル)、MMA(73.088g、0.73000モル)、BPO(0.690g、0.00285モル)。反応液を75℃で6時間加熱した後、BHT(1.254g、0.005691モル)を添加した。28.026g(27.2%)の収量の白くて不透明な硬い固体が得られた。実施例25の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例26)
ファルネセン対MMAの比が1:5であることを除き、実施例26の調製手順は、実施例18の調製手順と同じであった。以下の量の反応物を使用した:ファルネセン(29.839g、0.14601モル)、MMA(73.943g、0.73854モル)、BPO(0.691g、0.00285モル)。反応液を75℃で4.25時間加熱した後、BHT(1.254g、0.00569モル)を添加した。20.030g(19.3%)の収量の白くて不透明な硬い固体が得られた。実施例26の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表4に示す。
(実施例27)
実施例19(7.966g)をヘプタン(250mL)に溶解させ、1Lのハステロイ圧力反応器中に添加し、次いで、5%Pd/C触媒(0.402g)を添加した。該反応器を密閉し、反応器筐体に入れ、オーバーヘッドスターラー及びガス注入口に接続した。溶液を240rpmで撹拌し、反応器をN2ガスで880psiまで加圧した。最小限の圧力降下が30分間にわたって観察された。その後、反応器を排気し、900psiのH2ガスを再充填した。該反応器を95℃まで2時間加熱し、その後、温度を140℃に上昇させた。反応が一晩進行した後、圧力をゆっくりと放出した。溶液をセライトのプラグに通して濾過し、減圧下で濃縮し、その後、高真空(50ミクロン)下で一晩乾燥させた。単離されたポリマー(7.608g、92.76%)は、透明な粘稠液であった。
実施例27は、以下の分析データを特徴とした:
GPC(THF、PS標準): M
w=70kDa、M
w/M
n=1.6; DSC(2℃/分、N
2): T
g(変曲)=-74.88℃。実施例27の重量平均分子量、PDI、及びTgを表5に示す。
(実施例28)
実施例20(17.264g)から得られるポリマーをTHF(800mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Ru/C(0.902g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を300rpmとし、反応器をH2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。12.028gの収量の明澄透明な粘稠液が得られた。実施例28の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例29)
実施例21(7.883g)から得られるポリマーをヘプタン(820mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Ru/C(0.394g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を300rpmとし、反応器をH2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。7.666g(99.88%)の収量の少し曇った粘稠液が得られた。実施例29の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例30)
実施例18(18.018g)から得られるポリマーを1:1の容量対容量比の酢酸エチルとヘプタンの混合物(850mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Pd/C(0.906g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を300rpmとし、反応器をH2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。16.946g(96.457%)の収量の半透明な淡灰色の粘稠液が得られた。実施例30の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例31)
実施例22(28.95g)から得られるポリマーをTHF(800mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Pd/C(1.453g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を300rpmとし、反応器をH2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。6.002gの収量の半透明な淡灰色の高粘性/ガラス質材料が得られた。実施例31の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例32)
実施例23(14.09g)から得られるポリマーをヘプタン(500mL)及び酢酸エチル(230mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Pd/C(0.706g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を250rpmとし、反応器をH2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。9.872g(71.46%)の収量の淡灰色の半透明な高粘性/ガラス質固体が得られた。実施例32の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例33)
実施例24(17.4g)から得られるポリマーをヘプタン(730mL)及び酢酸エチル(200mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Pd/C(0.873g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を300rpmとし、反応器をH2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。13.666g(79.7%)の収量の明澄なガラス質固体が実現された。実施例33の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例34)
実施例25(22.674g)から得られるポリマーをTHF(700mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Ru/C(1.138g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を300rpmとし、反応器をH2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。16.477g(73.296%)の収量の白色のガラス質固体が得られた。実施例34の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例35)
実施例26(19.624g)から得られるポリマーをTHF(800mL)に溶解させ、使用される触媒が5%Ru/C(0.993g)であることを除き、調製方法は実施例27と同じであった。撹拌速度を300rpmとし、反応器をH
2ガスで600psiまで加圧した。該反応器を140℃に加熱し、反応を一晩進行させた。11.863g(60.973%)の収量の灰色のガラス質固体が得られた。実施例35の重量平均分子量、PDI、及びTgを測定した。これを表5に示す。
(実施例36)
無水マレイン酸(34.323g、0.3500モル)、過酸化ベンゾイル(2.921g、0.01206モル)、及びジオキサン(190mL)を、オーバーヘッドスターラー、アルゴン注入口、及び添加漏斗を備えた3首丸底フラスコ中に添加した。オーバーヘッドスターラーを250rpmの撹拌速度に設定し、溶液をアルゴンで約35分間スパージした。フラスコを加熱ブロック中に置き、溶液を約30℃に加熱した。その一方で、ジエチルアニリン(0.627g、0.00425モル)、β-ファルネセン(71.510g、0.34992モル)、及びジオキサン(50mL)を漏斗中に添加し、ジエチルアニリン溶液をアルゴンで約15分間スパージした。該ジエチルアニリン溶液をフラスコ中に4.5時間かけて滴加した。加熱ブロックをフラスコから取り外した。ブチル化ヒドロキシトルエン(2.644g、0.01200モル)を該フラスコ中に添加し、5分間撹拌した。メタノールを、オーバーヘッドスターラーで、500rpmで撹拌しながら、溶液を2Lの氷冷メタノール中に沈殿させた。ポリマーが大きなピンク色の繊維塊として沈殿し、メタノール溶液がピンク色になった。該メタノール溶液をデカントし、ポリマーをジオキサン(250mL)に再溶解させ、2Lの氷冷メタノール中に滴下して再沈殿させた。メタノールを再度デカントし、ポリマーをジオキサン(250mL)に再溶解させ、2Lの氷冷メタノール中に再沈殿させた。3回目の沈殿からのメタノールをデカントし、ポリマーを高真空(50ミクロン)下で一晩乾燥させると、29.65g(28.02%)の硬い黄褐色の固体が得られた。実施例36は、以下の分析データを特徴とした:
GPC(THF、PS標準): M
w=55kDa、M
w/M
n=1.4; DSC(2℃/分、N
2): T
g(変曲)=8.85℃。
(実施例37)
スチレン(11.50g、0.1104モル)、β-ファルネセン(67.69g、0.3312モル)、及び過酸化ベンゾイル(0.574g、0.00237モル)を、PTFE撹拌羽根付きのオーバーヘッドスターラーシャフトを備えた250mLの3首丸底フラスコ中に、N2雰囲気のグローブボックス中で添加する。フラスコを密閉し、グローブボックスから取り出し、加熱マントル上に置き、オーバーヘッドスターラーに取り付ける。アルゴン注入口をフラスコ及びオイルバブラーに接続する。250rpmの撹拌速度をオーバーヘッドスターラーに対して設定し、アルゴンがバブラーを通って1秒間に約1個の泡の割合でバブリングするように、アルゴン流を調整した。加熱マントルを約75℃に設定し、反応を15時間進行させておいた。加熱マントル及びアルゴンガス注入口を取り外し、ブチル化ヒドロキシトルエン(1.107g、0.005024モル)をフラスコ中に添加する。得られる溶液を5分間撹拌しておき、その後、ポリマーを溶液から沈殿させる。得られる溶液を2Lの氷冷メタノール中に滴下することにより沈殿が行なわれる。ポリマーを沈殿させたら、メタノール溶液をデカントし、ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)に再溶解させる。得られるポリマーのTHF溶液を氷冷メタノール(2L)中に沈殿させ、メタノール溶液をデカントする。ポリマーを再度THFに再溶解させ、氷冷メタノール(2L)中に再沈殿させる。メタノールをデカントし、ポリマーを乾燥させる。残留溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、その後、単離されたポリマーを真空(50ミクロン)下に一晩置くことにより、ポリマーを乾燥させる。
(実施例38)
35.2gのファルネセン(32重量%)及び73.7g(67重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例38の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例38の重量平均分子量は193kDaであった。実施例38のTgは15.32℃であった。
(実施例39)
37.4gのファルネセン(34重量%)及び71.5g(65重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例39の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例39の重量平均分子量は169kDaであった。実施例39のTgは12.86℃であった。
(実施例40)
39.6gのファルネセン(36重量%)及び69.3g(63重量%)のMMAを38.5gのファルネセン(35重量%)及び70.4gのMMA(64重量%)の代わりに使用することを除き、実施例40の調製手順は、実施例1の調製手順と同じであった。実施例40の重量平均分子量は157kDaであった。実施例39のTgは5.24℃であった。
(実施例41)
実施例41は、実施例6から得られるエマルジョンから調製されたフィルムであった。該エマルジョンを、スクエアドローダウンを用いてアルミニウムパネルに塗布すると、約5ミル(すなわち、0.127mm)の厚さを有する湿潤フィルムが得られた。該エマルジョンには合体剤を添加しなかった。該フィルムを、強制空気オーブン中、45℃で10分間乾燥させ、その後、7日間、72°F±5°Fの温度及び50%±10%相対湿度でコンディショニングした。
(実施例42)
実施例42は、エマルジョンを実施例38から得ることを除き、実施例41の手順に従って調製された。
(実施例43)
実施例43は、エマルジョンを実施例39から得ることを除き、実施例41の手順に従って調製された。
(実施例44)
実施例44は、エマルジョンを実施例40から得ることを除き、実施例41の手順に従って調製された。
(最低フィルム形成温度(「MFFT」))
MFFT試験は、引用により本明細書中に組み込まれる、「エマルジョンビヒクルの最低フィルム形成温度の標準試験方法(Standard Test Method for Minimum Film Forming Temperature of Emulsion Vehicles)」というタイトルの米国材料試験協会(「ASTM」) D2354-10試験に準拠して実施することができる。これは、エマルジョンビヒクルが合着して連続フィルムを形成する最低温度の決定方法を提供する。
実施例41〜44から得られたフィルムをMFFT試験で試験した。MFFT試験をASTM D2354-10に準拠してRhopoint 90装置で実施した。実施例41〜44の最低フィルム形成温度を測定した。これを下の表6に示す。
(鉛筆硬度)
鉛筆硬度試験は、鉛筆による引っかきを受けたときのコーティングフィルム硬度を評価するものである。この試験は、引用により本明細書中に組み込まれる、「鉛筆試験によるフィルム硬度の標準試験方法(Standard Test Method for Film Hardness by Pencil Test)」というタイトルのASTM D3363-05試験に準拠して実施することができる。6B〜8Hの様々な芯軟度の標準的な鉛筆を使用する。硬度のスケール(最も柔らかい〜最も硬い)は、6B<5B<4B<3B<2B<B<HB<F<H<2H<3H<4H<5H<6H<8Hである。6Bの評価は、フィルムが非常に柔らかいことを示す。8Hの評価は、極めて硬いフィルムを示す。
該試験は以下の工程を含む。まず、フィルムを実施例1〜40のいずれか1つから得られるエマルジョンから形成させることができる。鉛筆をフィルムの表面に置く。該鉛筆を45℃で保持し、約5cm/秒で押す。連続的により硬い鉛筆を使用することにより、フィルムが破損するまで、該フィルムを引っかく。この時点で、フィルムを最初に破損させる芯をフィルムの鉛筆硬度とみなす。
実施例41〜44から得られたフィルムの鉛筆硬度をASTM D3363-05に準拠して測定した。結果を下の表7に示す。
(耐ブロック性試験)
実施例6及び38〜40から得られた乾燥フィルムを耐ブロック性試験で試験した。耐ブロック性試験は、ASTM 2793-99に準拠して実施した。該試験は、Leneta社(Mahwah, NJ)製のサグ及びレベリングテストチャート7B紙を基板として用いて「向かい合わせの」状態で実行した。実施例6及び38〜40からのエマルジョンを、スクエアドローダウンを用いて基板に塗布すると、約5ミル[すなわち、0.127mm]の厚さを有する湿潤フィルムが得られた。該フィルムを、強制空気オーブン中、45℃で10分間乾燥させ、その後、室温で7日間保持した。フィルムがそれ自体と接触し、1キログラムの重量が基板の上に1時間、24時間、及び48時間配置されるように、基板を折り重ねた。試験結果を表8に示す。「10」の評価は、フィルムとフィルムの間に粘着がないことを意味し、一方、「1」の評価は、フィルムとフィルムの間に100%の密閉が存在することを意味する。
実施例38〜40は、48時間後に7以上の耐ブロック性評価を有していたが、実施例6は、24時間後に機能しなくなった。
(加速フィルム寿命試験)
この試験は、引用により本明細書中に組み込まれるASTM D4587試験に準拠して実施することができる。これは、光、熱、及び水分への暴露により生じるその物理及び光学特性の悪化に抵抗するフィルムの能力を決定する。これは、蛍光紫外線(「UV」)及び凝縮装置中での製品の加速暴露試験のための試験条件の選択方法を提供する。該試験は、蛍光UV光暴露及び凝縮のサイクルを繰り返して実施される。フィルムは、実施例1〜40から形成させることができる。フィルムは、250及び500時間の試験持続時間で試験することができる。
この試験は、引用により本明細書中に組み込まれる、「非金属材料のUV暴露用の蛍光装置を操作する標準的技法(Standard Practice for Operating Fluorescent Light Apparatus for UV Exposure of Non-Metallic Materials)」というタイトルのASTM G154試験に準拠して実施することもできる。該方法では、材料が実際の使用で(直接の又は窓ガラス越しの)日光及び雨又は露としての水分に暴露されたときに生じる風化作用を再現するための蛍光UV光及び水装置が使用される。試験標本を制御された環境条件下で蛍光UV光に暴露させる。この試験方法では、フィルムの明るさの変化及びフィルムの色の変化を表す数値であるΔEの値が計算される。1未満の値はいずれも裸眼では検出することができず、合格とみなされる。A 340バルブを該試験で使用し、測定を144、250、及び500時間で行なった。
実施例41〜44から得られたフィルムのUV光の暴露下での色及び明るさの変化に対する耐性をASTM G154に準拠して試験した。試験結果を表9に示す。
(明澄な着色有機フィルムに対する家庭用化学薬品の効果の標準試験方法)
この試験は、引用により本明細書中に組み込まれるASTM D1308試験に準拠して実施することができる。該試験は、変色、光沢の変化、ブリスタリング、軟化、膨潤、接着の低下、又は特殊な現象などの表面の好ましくない変化をもたらす、明澄な着色有機フィルムに対する化学薬品の効果の決定方法を提供する。使用される化学薬品としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール(「IPA」)、キシレン、酸性又はアルカリ性溶液、石鹸又は洗剤溶液、油又はグリースなどのうちの1つ又は複数を挙げることができる。フィルムを実施例1〜6から形成させる。試料は、IPAで二重摩擦(double rub)(上下動)することができる。
この試験は、引用により本明細書中に組み込まれる、「溶媒摩擦によるケイ酸エチル(無機)ジンクリッチプライマーの耐MEK性を測定する標準的技法(Standard Practice for Measuring MEK Resistance of Ethyl Silicate(Inorganic) Zinc-Rich Primers by Solvent Rub)」というタイトルのASTM D4752-10試験に準拠して実施することもできる。実施例41〜44から得られたフィルムをASTM D4752に準拠して試験した。2ポンドの分銅をチーズクロスに包み、イソプロパノールに浸漬させ、その後、フィルムに亀裂が現れ始めるまで、フィルムパネル上で前後に引きずった。分銅をパネル上で前後に引きずることを1回の実行とみなした。結果を表10に示す。実行回数が多ければ多いほど、フィルムの完全性及びイソプロパノールに対する耐性が優れている。
実施例41は試験に不合格であった。実施例42〜44は試験に合格した。実施例42〜44は、イソプロパノールの二重摩擦に暴露させた場合、良好な耐化学薬品性及びフィルム完全性を有すると考えられた。
(化学薬品スポット試験)
耐化学薬品性の別の試験は化学薬品スポット試験として知られており、該試験では、イソプロパノール、エチルアルコール、酢、及びS.C. Johnson Company製の洗濯製剤Fantastikなどの一般的な家庭用化学薬品1滴を、実施例41〜44の乾燥フィルムに塗布又は「スポット」した。
フィルムを、15分及び1時間暴露した後の軟化と色の変化とについて評価した。結果を表11〜12に示す。フィルムを1〜5に評価する。「5」の評価は、フィルムの軟化も色の変化も示さない最も良いものを意味し、「1」の評価は、最も悪いものを意味する。
実施例41〜44を上記の試験により試験した。実施例1〜37から得られるフィルムを上記の試験により試験することもできる。
本発明を限られた数の実施態様に関して説明してきたが、ある実施態様の具体的な特徴を本発明の他の実施態様に帰するべきでない。本発明の全ての態様を表す実施態様は1つとしてない。いくつかの実施態様において、組成物又は方法は、本明細書に言及されていない多くの化合物又は工程を含み得る。他の実施態様において、組成物又は方法は、本明細書に列挙されていない化合物もしくは工程を含まないか、又はこれらを実質的に含まない。記載された実施態様からの変形及び修正が存在する。最後に、本明細書に開示された数字はいずれも、その数字を記載する際に「約」又は「およそ」という語が使用されているかどうかにかかわらず、おおよそを意味するものと解釈されるべきである。添付の特許請求の範囲は、全てのこれらの修正及び変形を本発明の範囲内にあるものとして網羅することを意図する。