以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
はじめに、図1〜図4を参照して、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100について説明する。実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100は、信号が重畳された電流を流す信号用電流線1が絶縁基板2の裏面上に、信号用電流線1に電流が流れることにより発生する磁界を検出する磁界検出装置10が絶縁基板2の表面上にそれぞれ設けられていることにより構成されている。
信号用電流線1は、図中Y方向に沿って直線状に延びるように設けられている。言い換えると、信号用電流線1は平面コイルではない。つまり、信号用電流線1は、後述する磁界検出装置10に対して一方向の磁界を印加する。
信号用電流線1の電流方向に対して垂直な面(図中XZ平面)における断面形状は、長方形状である。信号用電流線1の当該断面における長辺の長さLは、絶縁基板2の厚みTよりも長く設けられている。このようにすれば、断面形状が長方形である信号用電流線1に断面の法線方向(Y方向)に流れる電流は、断面における長辺の長さLに対して信号用電流線1からの距離が短い場所では面電流としての性質を有することになる。その結果、信号用電流線1に電流が流れることにより生じる磁界の強さの距離依存性を小さくすることができ、磁界検出装置10が設けられている領域において十分な強さの磁界を生じさせることができる。なお、一般的に電流線に流れる電流により発生する磁界は電流線を中心に同心円状に発生して電流線からの距離が遠くになるにつれて小さくなるのに対し、平板形状の電流線で断面を同じ電流密度で電流が流れる理想的な面電流により発生する磁界は平板面からの距離に依存しない。
信号用電流線1を構成する材料は、導電性を有する任意の材料とすることができるが、たとえば銅(Cu)やアルミニウム(Al)など金属材料またはこれらの合金であってもよい。
絶縁基板2は、信号用電流線1と磁界検出装置10との間を電気的に絶縁している。絶縁基板2は、厚みTを有する板状部材として構成されている。絶縁基板2のX方向における長さは、たとえば信号用電流線1の長さLおよび磁界検出装置10のX方向における長さよりも長く、絶縁基板2のY方向における長さは磁界検出装置10の長さよりも長い。なお、絶縁基板2のX方向における長さは信号用電流線1の長さLよりも短くても良い。たとえばX方向における長さLの信号用電流線1上に、X方向における長さが長さLよりも短い絶縁基板2が貼り合わせされることにより、磁気結合型アイソレータ100が構成されていてもよい。
絶縁基板2の表面上には、磁界検出装置10と電気的に接続されている配線パターンが形成されており、当該配線パターンは電源5等に接続されている。
絶縁基板2の内部には、バイアス磁界用電流線6が設けられている。バイアス磁界用電流線6は、絶縁基板2の内部に設けられていることにより絶縁基板2の裏面上に設けられている信号用電流線1と電気的に絶縁されている。バイアス磁界用電流線6は、磁界検出装置10が形成されている領域において、バイアス磁界用電流線6に電流が流れることにより生じる磁界の向きが信号用電流線1に電流が流れることにより生じる磁界の向きと直交するように設けられている。たとえば、バイアス磁界用電流線6はX方向に延びるように設けられている。バイアス磁界用電流線6は任意の形状、寸法とすればよいが、バイアス磁界用電流線6の当該断面における長辺の長さが絶縁基板2の厚みTよりも長く設けられているのが好ましい。
なお、信号用電流線1を絶縁基板2の内部に設置し、バイアス磁界用電流線6を絶縁基板2の裏面に設置してもよい。また、信号用電流線1とバイアス磁界用電流線6とは、互いに電気的に絶縁される限りにおいて絶縁基板2を挟むように形成されている構造に限られず、たとえば互いに絶縁材料で被覆されていてもよい。
絶縁基板2を構成する材料は、電気絶縁性を有する任意の材料とすればよく、たとえばガラス、二酸化珪素(SiO2)、セラミック、樹脂などとすることができ、また他の材料で構成された基板に上記材料などが堆積して構成されていてもよい。
図2は、絶縁基板2の表面上に形成されている磁界検出装置10の上面図である。図2中の磁気抵抗効果素子3に描かれた矢印は、磁気抵抗効果素子3aの固定層54の磁化の方向を表している。図2を参照して、磁界検出装置10は、複数の磁気抵抗効果素子3aを含んでいる。複数の磁気抵抗効果素子3aは、直列に接続されることによって直列接続素子31Aを構成している。磁気抵抗効果素子3aは、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)である。直列接続素子31Aは、一方の端部が絶縁基板2の表面上に形成されているグランドパッド23と電気的に接続されており、他方の端部が絶縁基板2の表面上に形成されている電源パッド24に電気的に接続されている。直列接続素子31Aと各パッド23,24とは、たとえば金属配線により電気的に接続されている。グランドパッド23は接地されている。電源パッド24は、抵抗7を介して電圧源または電流源に電気的に接続されている。
図3に、磁気抵抗効果素子3aの断面図を示す。図3を参照して、TMR素子としての磁気抵抗効果素子3aは、基板51と、下部電極層52と、反強磁性層53と、第1強磁性層としての固定層54と、非磁性層55と、第2強磁性層としての自由層56と、上部電極層57とが順番に積層することにより構成されている。
基板51を構成する材料は、たとえば珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ガラスなどであってもよい。
下部電極層52および上部電極層57を構成する材料は、任意の導電性材料とすればよいが、たとえばタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、Si、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)等であってもよい。
下部電極層52および上部電極層57は金属配線に接続される。金属配線を構成する材料は、導電性を有する任意の材料とすることができるが、たとえばCuやAlが用いられている。
反強磁性層53を構成する材料は、反強磁性を有する任意の材料とすればよいが、たとえばイリジウム−マンガン合金(IrMn)、白金−マンガン合金(PtMn)、鉄−マンガン合金(FeMn)、ニッケル−マンガン(NiMn)等であってもよい。また、反強磁性層53は、例えばRuやCuなどの薄い非磁性層を挟んで積層された2層の強磁性層が互いに反強磁性結合をするSAF(Synthetic Anti−Ferromagnetic)構造として構成されていてもよい。
固定層54および自由層56を構成する材料は、強磁性を有する任意の材料とすればよいが、たとえばFe、Co、Niのいずれかを主成分として含む金属や、いずれかの合金であってもよく、ニッケル−鉄合金(NiFe)あるいはコバルト−鉄合金(CoFe)であってもよい。また、固定層54や自由層56は、これらの材料からなる薄膜を積層した積層体として構成されていてもよい。
非磁性層55を構成する材料は、電気的絶縁性を有する任意の材料とすればよいが、たとえばアルミナ(Al2O3)、酸化マンガン(MgO)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、スピネル(MgAl2O4)等の酸化膜であってもよく、窒化物や弗化物であってもよい。
反強磁性層53と固定層54とは交換結合している。そのため、固定層54の磁化方向R(図2参照)は固定されており、たとえば信号用電流線1等により生じた磁界を受けても磁化の方向Rは変化しない。非磁性層55は、トンネル絶縁膜として構成されている。
複数の磁気抵抗効果素子3aの平面形状(XY平面)は長軸および短軸を有する長方形状を有している。複数の磁気抵抗効果素子3aは、それぞれの短軸方向が信号用電流線1の延びる方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)に沿って配置されている。複数の磁気抵抗効果素子3aの各固定層54の磁化方向Rは、信号用電流線1が延びる方向(Y方向)と垂直であって磁気抵抗効果素子3aの短軸方向に沿うように固定されており、信号用電流線1に電流が流れることにより生じる磁界の方向(+X方向)と平行に固定されているなお、本明細書において、X方向、Y方向、およびZ方向のそれぞれについて、各図中の座標軸に示す矢印の方向を正(+)の方向とし、正方向の逆方向を負(−)の方向として記載する。また、本明細書において、平行とは2つのベクトルが同一の向きでかつ平行であることをいい、反平行とは2つのベクトルが反対の向きでかつ平行であることをいう。なお、本明細書における平行、反平行は、装置の製造上の誤差やクリアランス等を当然に含むものを意図する。
複数の磁気抵抗効果素子3aは、それぞれが電気的に直列に接続し、かつY方向に直線状に接続することにより、直列接続素子31Aを形成している。直列接続素子31Aは絶縁基板2の表面上において信号用電流線1と重なる領域上であって、当該領域のX方向における中央に配置されているのが好ましい。図4に直列接続素子31Aの断面図を示す。直列接続素子31Aは、隣接する磁気抵抗効果素子3aが下部電極層52または上部電極層57を共有することにより電気的に直列に接続されている。直列接続素子31Aを構成する磁気抵抗効果素子3aは、図2および図4に示す例では4個であるが、これに限られるのではなく、任意の数で構成されていればよい。なお、図4に示す直列接続素子31Aの例では、直列接続素子31Aとグランドパッド23や電源パッド24との電気的な接続は、上部電極層57とたとえば金属配線等を介して行われていればよい。
次に、実施の形態1に係る磁気抵抗効果素子3aの製造方法について説明する。はじめに、基板51が準備される。基板51には、あらかじめトランジスタ、ダイオード、配線等により電子回路が形成されていてもよい。
次に、基板51上に、下部電極層52、反強磁性層53、固定層54、非磁性層55、自由層56、および上部電極層57が形成される。各層の形成方法は、任意の方法とすればよく、たとえばDCマグネトロンスパッタリングなどの各種スパッタリング法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、蒸着法、鍍金法などを採用することができる。このとき、固定層54は、成膜された後、磁界が印加された状態で所定の温度の熱処理が施されることにより、当該処理中に印加される磁界の方向と平行な方向に磁化される。固定層54の磁化方向Rは、磁気抵抗効果素子3aの短軸方向に沿っており、+X方向である。熱処理の温度は、反強磁性層53と固定層54との間の交換結合が実質的に無くなる温度とすればよい。このようにして、図3に示す磁気抵抗効果素子3aの積層構造が形成される。
次に、図4を参照して、このようにして得られた当該積層構造が所定のパターンに加工されることにより、磁気抵抗効果素子3およびこれが直列に接続されてなる直列接続素子31Aが形成される。たとえばフォトレジストを用いて所定のパターン形状を有するレジストマスクが形成され、その後、レジストマスクを用いてイオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)により、当該所定の形状を有する直列接続素子31Aが得られる。たとえば、まず上記積層構造において上部電極層57から反強磁性層53に至る各層がエッチングされる。次に、当該エッチング領域に挟まれた上記積層構造の一部において上部電極層57から基板51に至る各層がエッチングされる。次に、上部電極層57から基板51に至る各層がエッチングされた領域を挟んで対向する上部電極層57同士を電気的に接続する金属配線層58を形成する。金属配線層58を形成する方法は、任意の方法を採用することができる。このようにして、下部電極層52を介して電気的に直列に接続されている2つの磁気抵抗効果素子3a同士が、金属配線層58を介して電気的に直列に接続されることにより、図4に示す磁気抵抗効果素子3aが4つ直列に接続されてなる直列接続素子31Aが形成される。
このとき、各磁気抵抗効果素子3aの平面形状(XY平面での形状)は、上述のように長軸および短軸を有する長方形となる。この結果、自由層56の磁化方向は、磁気抵抗効果素子3aの長軸方向となる。このようにして、実施の形態1に係る磁気抵抗効果素子3aおよび直列接続素子31Aを得ることができる。
さらに、絶縁基板2が準備される。絶縁基板2の表面上にはグランドパッド23,電源パッド24が形成されている。また、絶縁基板2の裏面上には信号用電流線1が形成されている。直列接続素子31Aは、絶縁基板2の表面上に固定される。さらに、金属配線等により直列接続素子31Aとグランドパッド23,電源パッド24とがそれぞれ電気的に接続される。このようにして、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100を得ることができる。
なお、直列接続素子31Aは、複数の磁気抵抗効果素子3aが電気的に直列に接続されている限りにおいて、図4に示すようにY方向に直線状に形成されているものに限られない。図5を参照して、たとえば複数の磁気抵抗効果素子3aがY方向に直列に接続されているとともに、X方向に延びるように形成されている下部電極層52または上部電極層57によってX方向に並ぶように設けられた複数の磁気抵抗効果素子3a間が電気的に接続されている、直列接続素子31Bであってもよい。この場合にも、個々の磁気抵抗効果素子3aの固定層54の磁化方向は、いずれも+X方向として形成されていればよい。
次に、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100の動作について説明する。磁気結合型アイソレータ100は、信号用電流線1に信号電流が流れると、この電流値に比例した磁界が磁界検出装置10を構成する磁気抵抗効果素子3aに印加され、当該磁界の強さに応じて自由層56の磁化方向が変化する。その結果、直列接続素子31Aを構成する磁気抵抗効果素子3aは固定層54と自由層56との磁化の相対的な関係に応じて非磁性層55を通る電流の大きさが変化し、TMR素子としての磁気抵抗効果素子3aの積層方向(Z方向)の電気抵抗が変化する。これにより、磁気抵抗効果素子3aの電気抵抗値は当該磁界に対して線形に変化する。磁気抵抗効果素子3aの抵抗変化を電源パッド24,23間の電圧値として測定することにより、信号用電流線1に流れる電流値に対して線形に変化する電圧値を得ることができる。
図6は、磁界検出装置10に信号電流が入力されたときの磁界検出装置10の抵抗値の変化を示すグラフである。図6の横軸は磁界検出装置10に印加される電流値を示し、縦軸は磁界検出装置10の抵抗値の変化を示す。信号用電流線1に電流が+Y方向に流れることにより固定層54の磁化方向と平行な磁界が磁界検出装置10に印加されると、直列接続素子31Aの抵抗は直線的に増加してある磁界で一定となる。一方、信号用電流線1の電流量を減少させていき、さらに−Y方向に電流を流していくと、抵抗は線形に減少してある磁界で一定となる。磁界検出装置10は、この抵抗の変化を電源パッド24とグランドパッド23との間の電圧信号として出力することができる。このとき、磁気結合型アイソレータ100は、信号用電流線1の電流値に対し、電源パッド24,23間の電圧値が線形に変化することができるため、たとえば温度や電流値など線形に変化するアナログ情報を送受信したい場合にも、AD(Analog−to−Digital)変換とDA(Digital−to−Analog)変換をしなくても、直接アナログ情報を送信することができ、回路コストを削減できる。
ここで、図6を参照して、磁気抵抗効果素子3の磁界‐抵抗特性は、磁界を増加したときと減少させたときでは同一の磁界であっても抵抗が異なり、ヒステリシス特性を示す。当該ヒステリシスを抑えるためには、信号電流が発生する磁界以外にさらに磁界を印加して、自由層56を単磁区状態にしておく方法が有効である。たとえば信号用電流線1と直交するようにX方向に延びるバイアス磁界用電流線6を設け、これに電流を流すことにより、自由層56はその形状磁気異方性による磁化方向(+Y方向)と平行な磁界を受けて単磁区状態とされ得る。これにより、磁気抵抗効果素子3aの磁界−抵抗特性の線形領域における信号磁界に対する感度を変えることができる。つまり、バイアス磁界用電流線6に流れる電流の大きさを調整することにより、磁気抵抗効果素子3aの信号磁界に対する感度を調整することができる。なお、バイアス磁界用電流線6に電流が流れることにより生じる磁界(以下、バイアス磁界という)は、信号用電流線1によって発生する磁界と90度異なり、直列接続素子31Aが自由層56の磁化の変化を検出する際のノイズとならない。
磁気抵抗効果素子3aに対しバイアス磁界を印加する方法は、バイアス磁界用電流線6により生じさせる方法に限られず、永久磁石(図示しない)を設置することにより生じさせてもよい。永久磁石とすれば、バイアス磁界の発生に電力が消費されないため、電力の消費量を削減することができる。永久磁石の発生する磁界と信号用電流線1の発生する磁界が直交するように、永久磁石は設置される。永久磁石は磁界検出装置10から十分に離れて配置されることが好ましい。このようにすると、一様なバイアス磁界を磁界検出装置10に印加することが可能となる。
次に、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100の作用効果について説明する。磁気結合型アイソレータ100は、Y方向に直線状に延びる信号用電流線1が設けられており、これが信号磁界を発生させている。従来の結合型アイソレータは平面コイルを用いて信号磁界を発生させているが、この場合には信号電流が+Y方向へ流れる領域と−Y方向へ流れる領域とができるため、磁界検出装置が検出する磁界の強さは磁界検出装置と平面コイルとの位置関係に応じてそれぞれの領域で生じる磁界の影響を受ける。その結果、磁気結合型アイソレータの変換精度を高めようとすれば、上記の両領域間の距離を離すために平面コイルを大型化する必要があり、結合型アイソレータが大型化するという問題があった。また、結合型アイソレータを小型化しようとすれば、上記の両領域により生じる磁界が影響し合って変換精度が低下するという問題があった。また、磁界検出装置の設置位置が設計中心からずれた場合などには、磁界検出装置が受ける逆方向の磁界の影響度も変化するため、位置ロバスト性が低下するという問題があった。
これに対し、実施の形態1に係る信号用電流線1は直線状に延びるように設けられているため、信号用電流線1を流れる電流は+Y方向または−Y方向のいずれか一方に流れる。これにより、同時に逆方向の磁界が生じることがないため、変換精度が高く、かつ小型化することができる。また、平面コイルを用いた場合と比べて、位置ロバスト性を向上させることができる。
また、磁気抵抗効果素子3aの形状を長軸および短軸が存在する長方形とすることで、自由層の無磁界状態における磁化を長軸方向に設計し、固定層の磁化方向は、磁場中で熱処理を行うことで短軸方向に固定する。固定層の磁化方向に磁界を印加すると、磁気抵抗効果素子の抵抗は磁界に対して線形に変化する。この特性を利用して、信号となる電流を流して、発生する磁界を磁気抵抗効果素子に印加し、磁気抵抗効果素子の抵抗変化を電圧値として測定すれば、信号となる電流値に線形に変化する電圧値が得られる。つまり、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100によれば、AD変換回路やDA変換回路等を用いずにアナログ信号やデジタル信号を送受信可能とすることができる。
(実施の形態2)
次に、図7および図8を参照して、実施の形態2に係る磁気結合型アイソレータ100について説明する。実施の形態2に係る磁気結合型アイソレータ100は、基本的には実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100と同様の構成を備えるが、磁性体コアとしての集磁コア41および磁気シールド43をさらに備えている点で異なる。
集磁コア41は、信号用電流線1に信号電流が流れることにより生じる磁界の方向(Y方向)に沿って信号用電流線1および絶縁基板2の周囲を囲み、磁界検出装置10を挟むような開口部分42を有している。つまり、磁界検出装置10に設けられている磁気抵抗効果素子3は集磁コア41の開口部分42間に配置されている。
開口部分42の間隔は任意の距離とすることができるが、開口部分42間における磁界を強くするという観点からは、短いほうが好ましい。また、開口部分42間の磁界を強めるためには、集磁コア41の断面(YZ平面)の中央部分の長さ(磁路長)を短くし、かつ集磁コア41の断面積を大きくすることが好ましい。
なお、図7および図8に示す磁気結合型アイソレータ100では、磁界検出装置10のみが開口部分42に挟まれる構成になっているが、絶縁基板2等も含めて挟まれていてもよい。
磁気シールド43は、たとえば信号用電流線1、絶縁基板2、磁界検出装置10、集磁コア41などの全体を囲むように設けられている。磁気シールド43には開口が形成されていてもよく、当該開口は磁界検出装置10が実質的に検出対称としない磁界の方向(Z方向)であることが好ましい。図7および図8に示す例では、磁気シールド43のZ方向における上端部と下端部とが開口している。磁気シールド43の開口は、集磁コア41の開口部分42よりも広く設けられているのが好ましい。信号用電流線1に電流が流れることにより生じる磁界は、透磁率が大きい経路を優先的に通るため、広く開口した磁気シールド43よりも開口部分42の間隔が短い集磁コア41を通ることになる。磁気シールド43は、角型環状構造を有していてもよいし円筒形状であってもよい。
集磁コア41および磁気シールド43を構成する材料は、たとえば鉄や、電磁鋼板、フェライト、アモルファス金属など、透磁率が1よりも十分大きな材料であればどんなものでもよいが、外乱磁界の影響を抑えるためには透磁率が高い材料を利用することが望ましい。
このようにすれば、たとえば信号用電流線1に+Y方向に電流が流れる場合、開口部分42には+X方向に磁界が発生する。具体的には、信号用電流線1の周囲に環状に生じる磁界は、透磁率の高い磁性体材料でできた集磁コア41内部を通り開口部分42を通って、再び集磁コア41を通り一回りする。このとき、磁束は透磁率が大きい経路を優先的に通るため、集磁コア41が設けられていない場合と比べて開口部分42での磁界を強めることができる。そのため、たとえば信号用電流線1と磁界検出装置10との間の距離が離れても、大きな磁界を磁界検出装置10に印加することが可能となり、磁界検出装置10が検出可能な大きさの磁界を得ることができる。また、信号用電流線1に流れる信号電流が微小な場合であっても、磁界検出装置10が検出可能な大きさの磁界を得ることができる。この結果、磁界検出装置10の磁界検出精度をより高めることができる。
また、たとえば信号用電流線1を流れる電流が発生する磁界以外に、外乱となる磁界が磁界検出装置10の感磁方向(磁気抵抗効果素子3aの各層が拡がる面(XY平面)内における任意の方向、たとえば固定層54の磁化方向または自由層56の磁化方向)であるX方向やY方向に印加された場合にも、当該磁界は透磁率の高い材料中を通るため、空気よりも磁性体で構成された磁気シールド43を通って再び空気中に放射されることになる。そのため、外乱となる磁界が磁気シールド43の内部に配置されている磁界検出装置10に与える影響を小さくすることができる。
このとき、信号用電流線1は特定の方向に電流が流れるように設けられている限りにおいて、直線状に設けられていなくてもよく、曲線状に設けられていてもよい。ただし、信号用電流線1は、上述のように平面コイルでない。なお、例えば電流が+Y方向に流れる部分と−Y方向に流れる部分とを有する平面コイルとして信号用電流線1が設けられている場合には、信号用電流線1を囲むように設けられた集磁コア41は平面コイルが発生させる信号磁界の強度を強めることが困難である。たとえば、集磁コア41の開口部分42が平面コイルにおいて電流が+Y方向に流れる部分と−Y方向に流れる部分との中間に位置する場合には、開口部分42において逆方向の信号磁界が同時に発生するため両信号磁界は相殺されて強度を強めることができない。これに対し、実施の形態2に係る磁気結合型アイソレータ100では、信号用電流線1は平面コイルではなく一方向(Y方向)に電流が流れるように設けられているため、集磁コア41を用いることにより上記のような効果を奏することができる。
磁気シールド43の開口部は、その面積が集磁コア41の開口部分42の面積よりも大きく、かつ、磁気抵抗効果素子3から離れた場所に配置されていてもよい。これにより、信号用電流線1を流れる電流が発生させる磁界は、磁気シールド43よりも集磁コア41に集められて磁界検出装置10に印加することができる。
なお、外乱磁界が磁界検出装置10に与える影響が小さいのであれば、集磁コア41のみを利用してもよいし、信号用電流線1に電流が流れることにより生じる磁界で十分検出可能であれば磁気シールド43のみを利用してもよい。また、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100と同様に、信号用電流線1が発生する磁界に直交するバイアス磁界を印加可能なバイアス磁界用電流線6(図1参照)や永久磁石が設けられていてもよい。この場合、バイアス磁界用電流線6や永久磁石は磁気シールド43内に設けられていればよい。
図8(b)を参照して、集磁コア41はいわゆるカットコアとして複数に分割可能に設けられていてもよい。このようにすれば、たとえば実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100を準備した後、これを囲うようにカットコアとしての集磁コア41を組み合わせることにより、実施の形態2に係る磁気結合型アイソレータ100を容易に構成することができる。
(実施の形態3)
次に、図9を参照して、実施の形態3に係る磁気結合型アイソレータ100について説明する。実施の形態3に係る磁気結合型アイソレータ100は、基本的には実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100と同様の構成を備えるが、磁界検出装置12が複数の直列接続素子32A,32B,32C,32Dからなるブリッジ回路として構成されている点で異なる。
図9中の直列接続素子32A〜32Dに描かれた矢印R1,R2は、各々の直列接続素子を構成する磁気抵抗効果素子3の固定層54(図3参照)の磁化の方向を表している。直列接続素子32A〜32Dには、実施の形態1で説明した直列接続素子31Aもしくは直列接続素子31Bが利用され得る。
直列接続素子32A〜32Dは、信号用電流線1を平面視したときに信号用電流線1と重なる領域内に形成されている。また、直列接続素子32A〜32Dは、直列接続素子32A〜32Dを構成する磁気抵抗効果素子3の長軸方向と信号用電流線1に流れる電流の方向(+Y方向または−Y方向)とが沿うように形成されている。つまり、各磁気抵抗効果素子3の自由層56の磁化方向は、+Y方向または−Y方向となるように設けられている。
一方、直列接続素子32A〜32Dの固定層54の磁化の方向は、信号用電流線1に電流が流れたときに生じる磁界の方向と平行または反平行となるように配置されている。具体的には、直列接続素子32A,32Bは固定層54の磁化方向R1が−X方向に固定されており、それぞれ一つの抵抗器として形成されている。直列接続素子32Cおよび直列接続素子32Dは固定層54の磁化方向R2が+X方向に固定されており一つの抵抗器として形成できる。なお、直列接続素子32A,32Bの固定層54の磁化方向R1と直列接続素子32C,2Dの固定層54の磁化方向R2がお互いに180°異なっている限りにおいて、直列接続素子32A,32Bの固定層54の磁化方向R1が+X方向で、直列接続素子32C,32Dの固定層54の磁化方向R2が−X方向でも良い。
磁化方向R1の固定層54を有する直列接続素子32Aと、磁化方向R2の固定層54を有する直列接続素子32Cとが直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路27Aが構成されている。具体的には、電源パッド24b、直列接続素子32A,32C、グランドパッド23aが順番に電気的に直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路27Aが形成されている。また、直列接続素子32Aと直列接続素子32Cとの間に出力パッド21が形成されている。
同様に、磁化方向R1の固定層54を有する直列接続素子32Bと、磁化方向R2の固定層54を有する直列接続素子32Dとが直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路27Bが構成されている。具体的には、電源パッド24a、磁化方向R2の固定層54を有する直列接続素子32D、磁化方向R1の固定層54を有する直列接続素子32B、グランドパッド23bが順番に電気的に直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路27Bが形成されている。また、直列接続素子32Dと直列接続素子32Bとの間に出力パッド22が形成されている。電源パッド24a、24bは電圧源もしくは電流源に接続されており、グランドパッド23a、23bはいずれも接地されている。
次に、実施の形態3に係る磁界検出装置12の動作について説明する。信号用電流線1による信号磁界が印加されていない状態から信号用電流線1に+Y方向に電流が流れることにより、ハーフブリッジ回路27Aに+X方向の磁界が印加されると、直列接続素子32Aの抵抗は増加するのに対し、直列接続素子32Cの抵抗は減少する。そのため、出力パッド21とグランドパッド23a間の電圧は減少する。一方、ハーフブリッジ回路27Bにおいては、直列接続素子32Bの抵抗は増加するのに対し、直列接続素子32Dの抵抗は減少する。これにより、出力パッド22とグランドパッド23b間の電圧は増加する。これに対し、信号用電流線1に−Y方向の電流が流れることにより、ハーフブリッジ回路27Aに−X方向の磁界が印加されると、出力パッド21とグランドパッド23a間の電圧が増加し、出力パッド22とグランドパッド23b間の電圧が減少する。
つまり、信号用電流線1による信号磁界に応じて、出力パッド21とグランドパッド23a間の電圧と出力パッド22グランドパッド23b間の電圧がそれぞれ正反対に応答して変動する。そのため、これらの電圧の差を検出することにより、直列接続素子32A〜32Dに等しく印加されるノイズの影響を軽減することができ、磁界検出精度を高めることができる。
なお、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100と同様に、直列接続素子32A〜32Dのヒステリシスを抑えるために、信号用電流線1が発生する磁界に直交するバイアス磁界を印加可能なバイアス磁界用電流線6(図1参照)や永久磁石が設けられていてもよい。
(実施の形態4)
次に、図10を参照して、実施の形態4に係る磁気結合型アイソレータ100について説明する。実施の形態4に係る磁気結合型アイソレータ100は、基本的には実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100と同様の構成を備えるが、固定層54の磁化方向R(図10参照)が磁気抵抗効果素子3の長軸方向(+X方向)に固定されている点で異なる。すなわち、磁気抵抗効果素子3の長軸方向が、信号用電流線1に流れる電流により発生する磁界と同じ方向となるように配置されている点で異なる。
実施の形態4における複数の磁気抵抗効果素子3cは、それぞれ長軸方向が信号用電流線1に流れる電流により生じる磁界と同じ方向となるように配置されており、かつ互いに電気的に直列に接続されて直列接続素子31Cを構成している。直列接続素子31Cは絶縁基板2の表面上において信号用電流線1と重なる領域上であって、X方向における信号用電流線1の中央部と重なる領域上に配置されているのが好ましい。
磁気抵抗効果素子3cは、固定層54の磁化方向Rが磁場中熱処理による誘導磁気異方性によって+X方向に固定されている。また、自由層56の磁化方向は、形状磁気異方性により無磁界において長軸方向(+X方向または−X方向)を向いている。
図11に、信号用電流線1の電流値に対する磁界検出装置10の抵抗の変化を示す。信号用電流線1に+Y方向の電流が流れることにより固定層54の磁化方向Rと平行に磁界が印加されると、直列接続素子31Cの抵抗は、所定の電流値を境に急激に変化してその後一定値となる。信号用電流線1に流れる+Y方向の電流値を減少させ、さらに−Y方向に電流を流すと、直列接続素子31Cの抵抗は所定の電流値を境に急激に変化してその後一定となる。
このように、実施の形態4に係る磁気結合型アイソレータでは、信号用電流線1に流通させる電流に対して、直列接続素子31Cの電気抵抗値が2値的な変数として変化するため、たとえばアナログ情報がしきい値以上であるか否かを判定したい場合に好適である。このような場合、実施の形態4に係る磁界検出装置12を用いてTMR素子のしきい値を設計しておくことで、比較器を用いることなく直接アナログ情報がしきい値以上であるか否かを判定し、判定結果を(0),(1)信号として送信することができる。その結果、実施の形態4に係る磁気結合型アイソレータ100は比較器を備える必要がないため、製造コストを削減することができ、消費電力を抑えることができる。さらに、磁気結合型アイソレータ100を小型化することができる。
直列接続素子31Cを構成する磁気抵抗効果素子3cは、図では4個で例示しているが何個であっても良い。直列接続素子31Cを直列に接続する方法は、実施の形態1に係る磁界検出装置10と同様とすることができる。
(実施の形態5)
次に、図12を参照して、実施の形態5に係る磁気結合型アイソレータ100について説明する。実施の形態5に係る磁気結合型アイソレータ100は、基本的には実施の形態3に係る磁気結合型アイソレータ100と同様の構成を備えるが、ブリッジ回路を構成する複数の直列接続素子33A〜33Dが、実施の形態1に係る直列接続素子31Aに代えて実施の形態4に係る直列接続素子31Cで構成されている点で異なる。
図12中の直列接続素子33A〜33Dに描かれた矢印Rは、各々の直列接続素子を構成する磁気抵抗効果素子3cの固定層54の磁化の方向を表す。実施の形態4に係る磁界検出装置14において、磁化方向R1の固定層54を有する直列接続素子33Aと、磁化方向R2の固定層54を有する直列接続素子33Cとが直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路28Aが構成されている。具体的には、電源パッド24b、直列接続素子33A,33C、グランドパッド23aが順番に電気的に直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路28Aが形成されている。また、直列接続素子33Aと直列接続素子33Cとの間に出力パッド21が形成されている。
同様に、磁化方向R1の固定層54を有する直列接続素子33Bと、磁化方向R2の固定層54を有する直列接続素子33Dとが直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路28Bが構成されている。具体的には、電源パッド24a、磁化方向R2の固定層54を有する直列接続素子33D、磁化方向R1の固定層54を有する直列接続素子33B、グランドパッド23bが順番に電気的に直列に接続されることにより、ハーフブリッジ回路28Bが形成されている。また、直列接続素子33Dと直列接続素子33Bとの間に出力パッド22が形成されている。
次に、実施の形態5に係る磁界検出装置14の動作について説明する。信号用電流線1による信号磁界が印加されていない状態から信号用電流線1に+Y方向に電流が流れることにより、ハーフブリッジ回路28Aに+X方向の磁界が印加されるときには、直列接続素子33Aの抵抗は所定の電流値以上となると急激に増加する。これに対し、直列接続素子33Cの抵抗は、所定の電流値以下となると急激に減少する。そのため、出力パッド21とグランドパッド23a間の電圧は所定の電流値を境に急激に減少する。一方、ハーフブリッジ回路28Bにおいては、直列接続素子33Bの抵抗は所定の電流値を境に急激に増加するのに対し、直列接続素子33Dの抵抗は所定の電流値を境に急激に減少する。そのため、出力パッド22とグランドパッド23b間の電圧は所定の電流値を境に急激に増加する。これに対し、信号用電流線1に−Y方向の電流が流れることにより、ハーフブリッジ回路28Aに−X方向の磁界が印加されると、出力パッド21とグランドパッド23a間の電圧は所定の電流値を境に急激に増加し、出力パッド22とグランドパッド23b間の電圧は所定の電流値を境に急激に減少する。
このようにすれば、実施の形態5に係る磁界検出装置14は、実施の形態3に係る磁界検出装置12と同様の効果を奏することができるとともに、実施の形態4に係る磁界検出装置13と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態6)
次に、図13〜図15を参照して、実施の形態6に係る磁気結合型アイソレータ101について説明する。実施の形態6に係る磁気結合型アイソレータ101は、基本的には実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100と同様の構成を備えるが、絶縁基板2の裏面に設けられている信号用電流線1に代わって、絶縁基板2および磁界検出装置10を内部に配置したソレノイドコイル8が形成されている点で異なる。
ソレノイドコイル8を流れる電流が発生する磁界は、巻き数に比例して大きくなる。ソレノイドコイル8は、直線状の電流線に比べて、同一の電流値を流したときにより強い磁界を発生させることができる。言い換えると、信号磁界の発生にソレノイドコイル8を用いることにより、より微小な電流値の変化であっても磁界検出装置10に検出可能な程度の信号磁界を生じさせることができる。
また、ソレノイドコイル8の巻線内部では、位置に依存せず、向きと大きさが一様な磁界が発生する。このため、磁界検出装置10の設置位置が設計中心からずれたとしても所望の磁界が印加されることになるため、位置ロバスト性を向上させることができる。
また、図14および図15を参照して、外乱磁界からの影響を低減するためには、内部に磁界検出装置10等を備えたソレノイドコイル8の全体を磁気シールド43で囲んでもよい。磁気シールド43は、実施の形態2に係る磁気シールド43と同等のものを利用すればよい。このようにすれば、実施の形態2に係る磁気結合型アイソレータ100と同様の効果を奏することができる。
また、実施の形態1に係る磁気結合型アイソレータ100と同様に、バイアス磁界用電流線6(図1参照)や永久磁石が設けられていてもよい。バイアス磁界用電流線6や永久磁石は、ソレノイドコイル8の内側に設けられていてもよいし、外側に設けられていてもよい。
実施の形態1〜実施の形態6に係る磁気結合型アイソレータ100において、磁気抵抗効果素子3a,3cは長軸と短軸とを有する限りにおいて、長方形状に限られず楕円形状であってもよい。
実施の形態1〜実施の形態6に係る磁気結合型アイソレータ100は、それぞれを適宜組み合わせて適用することも可能である。たとえば、実施の形態3〜実施の形態5に係る磁気結合型アイソレータ100に実施の形態2に係る集磁コア41および磁気シールド43を適用してもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。