<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1について説明する。図1Aは、本実施の形態にかかる電子機器が備える電子部品10の上面図である。図1Bは、本実施の形態にかかる電子機器が備える電子部品10の側面図である。本実施の形態にかかる電子機器は、電子部品10と実装基板20とを備えており、電子部品10は実装基板20に実装されている(図3A、図3B参照)。
電子部品10は高電圧で使用される電子部品、つまり高電圧が入出力される電子部品である。換言すると、電子部品10は、高電圧側の端子部と低電圧側の端子部との間の沿面距離を考慮する必要がある電圧レベルで動作する電子部品である。電子部品10は、例えばトランス、リレー、フォトカプラ、センサ等である。
図1A、図1Bに示すように、電子部品10は、第1の端子部11、第2の端子部12、および凹凸部13を備える。第1の端子部11と第2の端子部12は、互いに離間するように配置している。例えば、第1の端子部11は電子部品10の一方の端部に配置している。また、第2の端子部12は、電子部品10の一方の端部と対向する他方の端部に配置している。例えば、第1の端子部11は高電圧側の端子部であり、第2の端子部12は低電圧側の端子部である。
電子部品10の筐体(つまり、外周部分を構成している部材)は、絶縁材料を用いて構成している。また、第1の端子部11と第2の端子部12との間の少なくとも一部には、凹凸部13(第1の凹凸部)を形成している。このように凹凸部13(凸部14および凹部15)を設けることで、第1の端子部11と第2の端子部12との間の沿面距離を確保することができ、電子部品10の絶縁性(つまり、第1の端子部11と第2の端子部12との間の絶縁性)を高めることができる。本実施の形態では、電子部品10の両側の側面および上下面に凹凸部13を設けている。また、電子部品10の絶縁性を考慮すると、第1の端子部11および第2の端子部12以外の部分は絶縁材料の筐体で覆うことが好ましい。
図2Aは、本実施の形態にかかる実装基板20の上面図である。図2Bは、本実施の形態にかかる実装基板20の側面図である。図2A、図2Bに示すように、実装基板20は、第3の端子部21、第4の端子部22、および凹凸部23(第2の凹凸部)を備える。凹凸部23(凸部24および凹部25)は、第3の端子部21と第4の端子部22との間に配置されている。また、凹凸部23は、実装する電子部品10の凹凸部13と対応する位置に設けられている(図3A、図3B参照)。図2Bに示す実装基板20では、凹凸部23は、実装基板20の電子部品10が実装される側の面(第1の面)に形成されている。
例えば、本実施の形態にかかる実装基板20は、複数の絶縁体基板を互いに積層して構成してもよい。この場合は、実装基板20を構成する各々の絶縁体基板に、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることが好ましい。同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、実装基板20の振動や衝撃に対する耐性を高めることができる。また、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、実装基板20を構成する絶縁体基板の熱膨張係数を略等しくすることができ、実装基板20の温度サイクル特性を向上させることができる。
図3Aは、本実施の形態にかかる電子機器の上面図である。図3Bは、本実施の形態にかかる電子機器の側面図である。つまり、図3A、図3Bは、電子部品10を実装基板20に実装している状態を示している。図3Bに示すように、電子部品10の第1の端子部11は、リード部材27を用いて実装基板20の第3の端子部21と電気的に接続されている。また、電子部品10の第2の端子部12は、リード部材28を用いて実装基板20の第4の端子部22と電気的に接続されている。
ここで、リード部材27、28は、電子部品10と実装基板20とを電気的に接続すると共に、電子部品10を実装基板20に固定する固定部材として用いてもよい。なお、リード部材27、28とは別に固定部材を設けて、電子部品10を実装基板20に固定してもよい。図3A、図3Bに示す電子機器では、電子部品10の第1の端子部11と第2の端子部12とが実装基板20側を向くように電子部品10を実装している。
また、図3A、図3Bに示すように、本実施の形態にかかる電子機器では、電子部品10の凹凸部13と実装基板20の凹凸部23とが互いに対応する位置となるように実装している。すなわち、実装基板20の凸部24が電子部品10の凸部14と対向するように配置している。また、実装基板20の凹部25が電子部品10の凹部15と対向するように配置している。図3Bに示す場合は、電子部品10の実装基板20側の面に配置されている凸部14と、実装基板20の電子部品10側の面に配置されている凸部24とが対向している。
図4は、本実施の形態にかかる電子機器の凹凸部13、23付近の拡大側面図である。図4に示すように、電子部品10の凹凸部13における沿面距離d1は、凹凸部13に沿った距離となる。また、実装基板20の凹凸部23における沿面距離d2は、凹凸部23に沿った距離となる。ここで、本実施の形態では、電子部品10の凸部14と、実装基板20の凸部24とが互いに対向するように配置している。換言すると、電子部品10の凹凸部13の位相と実装基板20の凹凸部23の位相とが略同一となるように構成している。
このように、凸部14と凸部24とを互いに対向するように配置することで、電子部品10と実装基板20とが近づいた場合であっても、電子部品10の凹凸部13における沿面距離d1と実装基板20の凹凸部23における沿面距離d2とが減少することを抑制することができる。
すなわち、図6に示すように、電子部品10の凸部14の位置と、実装基板20の凸部24の位置とが互いにずれていると、電子部品10の凹凸部13における沿面距離および実装基板20の凹凸部23における沿面距離は、沿面距離d3となる。つまり、電子部品10の凹凸部13の位相と実装基板20の凹凸部23の位相とがずれていると、凹凸部13、23を通る沿面距離は、凸部14の先端部および凸部24の先端部を通る距離となり、凹部15、25の側壁や底面に沿った沿面距離は無視される。このため、凹凸部13、23を通る沿面距離は短くなる。
これに対して本実施の形態では、電子部品10の凹凸部13の位相と実装基板20の凹凸部23の位相とを略同一となるように構成している。よって、電子部品10の凹凸部13と実装基板20の凹凸部23とが近づいた場合であっても、電子部品10の凹凸部13における沿面距離d1と実装基板20の凹凸部23における沿面距離d2とが減少することを抑制することができる。したがって、電子部品10および実装基板20の絶縁性を保ちつつ、電子部品10と実装基板20とを近づけて配置することができ、電子部品10を実装基板20にコンパクトに実装することができる。
ここで、端子間の絶縁性は、端子間の沿面距離のうち最も沿面距離が短い箇所に依存する。このため、例えば凹部25を凹部15よりも深く形成したとしても、絶縁性は凹部15を通る沿面距離によって決定される。よって、凹凸部13が備える凹部15の深さと凹凸部23が備える凹部25の深さは略同一とすることが好ましい。また、凹凸部13が備える凸部14の間隔と凹凸部23が備える凸部24の間隔も略同一とすることが好ましい。また、凹凸部13の凸部14間の間隔および凹凸部23の凸部24間の間隔が略等間隔であることが好ましい。換言すると、凹凸部13および凹凸部23の形状が、線対称となるように形成することが好ましい。
なお、電子部品10の凹凸部13の位相と実装基板20の凹凸部23の位相は若干であれば互いにずれていてもよい。具体的には、図5に示すように、凹凸部13、23同士の位相のずれにより生じる、n番目(nは自然数)の凸部24の角部38とn+1番目の凸部14の角部39との距離が、許容される空間距離よりも長ければ、角部38と角部39との間で放電が生じないので、この場合の位相のずれは許容される。一方、図6に示すように、凹凸部13、23同士の位相のずれにより生じる、n番目(nは自然数)の凸部24の角部38とn+1番目の凸部14の角部39との距離が、許容される空間距離よりも短い場合は、角部38と角部39との間で放電が生じるので、この場合の位相のずれは許容されない。
図3Aに示すように、実装基板20に形成されている凹凸部23は、凸部24の長手方向(紙面上下方向)において所定の長さとなるように形成することが好ましい。以下、この理由について説明する。図7は、実装基板20の上面図であり、第1の端子部21と第2の端子部22との間の沿面距離d4(実装基板20の表面に沿った沿面距離)を説明するための図である。図8は、実装基板20の側面図であり、第1の端子部21と第2の端子部22との間の沿面距離d5(凹凸部23を通る沿面距離)を説明するための図である。
図7に示すように、実装基板20の表面に沿った、第1の端子部21と第2の端子部22との間の沿面距離d4は、実装基板20の凹凸部23の端部(凹凸部23の紙面上側の端部)に沿った距離となる。この場合、沿面距離d4は、凹凸部23の紙面上側の端部が実装基板20の紙面上側の端部に近くなるほど、長くなる。ここで、沿面距離d4は、実装基板20の表面に沿った沿面距離のうち、最短の沿面距離である。
また、図8に示すように、凹凸部23を通る、第1の端子部21と第2の端子部22との間の沿面距離d5は、実装基板20の凹凸部23に沿った距離となる。この場合、沿面距離d5は、凸部24の高さが高いほど、長くなる。ここで、沿面距離d5は、実装基板20の凹凸部23を通る沿面距離のうち、最短の沿面距離である。
第1の端子部21と第2の端子部22との間の絶縁性は、第1の端子部21と第2の端子部22との間の沿面距離のうち最も沿面距離が短い箇所に依存する。このため、実装基板20の表面に沿った沿面距離d4と凹凸部23を通る沿面距離d5とが略同一となるように、凹凸部23を形成することが好ましい。
図7、図8に示す実装基板20では、実装基板20の表面に沿った沿面距離d4が、凹凸部23を通る沿面距離d5と同程度となるように、凸部24の長手方向の長さを長くする必要がある。このような理由から、本実施の形態では、実装基板20の凹凸部23を、電子部品10の短手方向の長さよりも長くなるように形成している(図3A参照)。
図9は、本実施の形態にかかる電子機器の他の態様を示す側面図である。図9に示すように、第3の端子部21および第4の端子部22が実装基板30を貫通している場合は、実装基板30の表面36(第1の面)に凹凸部23を形成し、更に実装基板30の裏面37(第2の面)に凹凸部33を形成する。このとき、凹凸部23(凸部24および凹部25)は、実装基板30の表面36に配置されている第3の端子部21と第4の端子部22との間に配置する。また、凹凸部33(凸部34および凹部35)は、実装基板30の裏面37に配置されている第3の端子部31と第4の端子部32との間に配置する。また、凹凸部23および凹凸部33は、実装基板30に対して面対称となるように形成することが好ましい。
このように、第3の端子部21および第4の端子部22が実装基板30を貫通している場合に、実装基板30の裏面37に凹凸部33を形成することで、裏面37に配置されている第3の端子部31と第4の端子部32との間の沿面距離を確保することができ、絶縁性を向上させることができる。
図10は、本実施の形態にかかる電子部品10が備える凹凸部13の形状の一例を示す拡大断面図である。なお、図10〜図14では、電子部品10の凹凸部13の形状について説明するが、図10〜図14に示す形状は実装基板20の凹凸部23にも適用することができる。図10に示すd7は、電子部品10の表面に形成されている凸部14aと凸部14bの間隔である空間距離を示している。また、d8は、電子部品10の表面に形成されている単一の凹部15の側壁および底面に沿った沿面距離を示している。例えば、空間距離d7を長くするほど凸部14aと凸部14bとの間の距離が長くなり、凸部14aと凸部14bとの間の放電を抑制する効果が高くなる。また、例えば、凹部15を深く形成することで沿面距離d8を長くすることができ、電子部品10の表面における沿面距離を長くすることができる。すなわち、第1の端子部11と第2の端子部12との間の沿面距離を長くすることができ、これにより、電子部品10の絶縁性を向上させることができる。
本実施の形態では、電子部品10の表面に形成されている凸部14の間隔である空間距離d7と、電子部品10の表面に形成されている凹部15の側壁および底面に沿った距離である沿面距離d8とが所定の比になるように、凸部14および凹部15を形成している。ここで、空間距離d7と沿面距離d8との比(d7/d8)は、第1の端子部11および第2の端子部に印加される電圧、必要な沿面距離、電子部品10を使用する環境(気温、気圧、汚染度等)等を考慮して決定することができる。一例を挙げると、空間距離d7と沿面距離d8との比(d7/d8)は、d7/d8=1/3程度とすることができる。
このとき、実装基板20の凹凸部23の空間距離d7'と沿面距離d8'との比(d7'/d8')と、電子部品10の凹凸部23の空間距離d7と沿面距離d8との比(d7/d8)とを略同一とすることが好ましい。換言すると、凹凸部13の凸部14間の間隔である空間距離と、凹凸部13の単一の凹部15の側壁および底面に沿った距離である沿面距離との比は、凹凸部23の凸部24間の間隔である空間距離と、凹凸部23の単一の凹部25の側壁および底面に沿った距離である沿面距離との比と略同一とすることが好ましい。
また、本実施の形態では、凹凸部13の形状を図11〜14に示すような形状にしてもよい。例えば、図11に示すように、凹部15'の底面が電子部品10の中心方向に向かって湾曲しているように構成してもよい。凹部15'の底面を湾曲させることで、沿面距離d8が長くなり、電子部品10の表面における沿面距離を長くすることができる。また、凹凸部13の機械的強度を向上させることができる。
また、図12に示すように、凸部14a'、14b'の先端部の断面形状が湾曲形状18a、18bとなるように構成してもよい。このように凸部14a'、14b'の先端部を湾曲形状18a、18bとすることで、凸部14a'、14b'の機械的強度を向上させることができる。
また、図13に示すように、凹部15'の底面を湾曲させ、更に凸部14a'、14b'の先端部を湾曲形状18a、18bとしてもよい(図11と図12の組み合わせ)。
また、図14に示すように、2つの凸部14a''、14b''の付け根部分と、当該2つの凸部14a''、14b''に挟まれた凹部15''の底面とにおける断面形状が円弧状19となるように構成してもよい。このように凹部15''の断面形状を円弧状19とすることで、凹部15''を深くすることなく沿面距離を長くすることができる。
次に、本実施の形態にかかる実装基板の製造方法について説明する。図15は、本実施の形態にかかる実装基板20(図2B参照)の製造方法を説明するための側面図である。本実施の形態にかかる実装基板20は、構造体51と、凹凸部23を備える構造体52とを互いに積層して接着することで形成することができる。構造体51は、単一または複数の絶縁体基板を用いて形成することができる。複数の絶縁体基板を用いる場合は、複数の絶縁体基板を互いに積層して接着する。絶縁体基板を接着する際は、例えば熱硬化性樹脂等の接着部材を用いることができる。
構造体52は、複数の絶縁体基板を互いに積層して積層体を形成し、この積層体に凹凸部23を形成することで作製することができる。凹凸部23を形成する際は、例えばカッターやレーザ加工機を用いることができる。また、絶縁体基板としては、例えばガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙エポキシ基板、ベークライト基板などを用いることができる。
複数の絶縁体基板を用いて構造体51、52を形成する場合は、構造体51、52を構成する各々の絶縁体基板に、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることが好ましい。同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、構造体51、52の振動や衝撃に対する耐性を高めることができる。また、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、構造体51、52を構成する絶縁体基板の熱膨張係数を略等しくすることができ、構造体51、52の温度サイクル特性を向上させることができる。
また、両面に凹凸部23、33が配置された実装基板30(図9参照)を形成する際は、図16に示すように、構造体51、52に加えて、構造体53を形成する。構造体53の形成方法は、構造体52の形成方法と同様である。つまり、構造体53は、複数の絶縁体基板を互いに積層して積層体を形成し、この積層体に凹凸部33を形成することで作製することができる。そして、構造体51を構造体52、53で挟むように積層することで、両面に凹凸部23、33が配置された実装基板を形成することができる。
背景技術で説明したように、電子機器が小型化するにつれて、電子部品を実装基板にコンパクトに実装する技術が重要となってきている。例えば、実装基板に実装される電子部品が高電圧で使用される電子部品である場合は、端子間の絶縁性を確保するために、端子間の沿面距離を十分に確保する必要がある。このため、電子部品を実装基板にコンパクトに実装することが困難になるという問題があった。
例えば、実装基板に配置された端子間の沿面距離を直線距離で確保する場合は、実装基板を大型化する必要があった。また、絶縁性を確保するために、電子部品を実装基板に実装した後に電子部品と実装基板とを樹脂で封止した場合は、樹脂の内部に気泡が生じる場合があり絶縁性の確保が不確実となり、電子機器の品質が低下するという問題があった。また、実装基板を端子間において分割して端子間の絶縁性を確保した場合は、分割した実装基板間における位置精度の確保が困難となる。また、分割した実装基板に跨って配置された電子部品に不要な応力が働き、電子部品の信頼性が低下するという問題があった。
そこで本実施の形態にかかる電子機器では、実装基板20の凸部24を電子部品10の凸部14と対向する位置に配置している。換言すると、電子部品10の凹凸部13の位相と実装基板20の凹凸部23の位相とを略同一となるように構成している。よって、電子部品10の凹凸部13と実装基板20の凹凸部23とが近づいた場合であっても、電子部品10の凹凸部13における沿面距離と実装基板20の凹凸部23における沿面距離とが減少することを抑制することができる。したがって、電子部品10および実装基板20の絶縁性を保ちつつ、電子部品10と実装基板20とを近づけて配置することができるので、電子部品10を実装基板20にコンパクトに実装することができる。
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、電子部品を実装基板にコンパクトに実装することが可能な電子機器、実装基板、及び実装基板の製造方法を提供することができる。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図17Aは、本実施の形態にかかる実装基板の上面図である。図17Bは、本実施の形態にかかる実装基板の側面図である。本実施の形態では実施の形態1と比べて、実装基板60が貫通孔66を備えている点が異なる。これ以外は実施の形態1と同様である。
図17A、図17Bに示すように、本実施の形態にかかる実装基板60は、第3の端子部61、第4の端子部62、貫通孔66、および凹凸部63(第2の凹凸部)を備える。貫通孔66は、電子部品10が配置される位置と対応する位置(図18A参照)に形成されている。また、実装基板60は、実装基板60を平面視した際に貫通孔66の両側に位置し、第3の端子部61が配置されている側から第4の端子部62が配置されている側へと延びる第1の領域67および第2の領域68を備える。
第1および第2の領域67、68には、凹凸部63(凸部64および凹部65)がそれぞれ形成されている。例えば、凹凸部63は、第1および第2の領域67、68の周囲全体に形成することができる。つまり、凹凸部63は、第1の領域67における、実装基板60の表面および裏面、貫通孔66の側面、実装基板60の側面に形成することができる。同様に、凹凸部63は、第2の領域68における、実装基板60の表面および裏面、貫通孔66の側面、実装基板60の側面に形成することができる。ここで、凹凸部63は、実装する電子部品10の凹凸部13と対応する位置に形成されている。
例えば、本実施の形態にかかる実装基板60は、複数の絶縁体基板を互いに積層して構成してもよい。この場合は、実装基板60を構成する各々の絶縁体基板に、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることが好ましい。同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、実装基板60の振動や衝撃に対する耐性を高めることができる。また、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、実装基板60を構成する絶縁体基板の熱膨張係数を略等しくすることができ、実装基板60の温度サイクル特性を向上させることができる。
図18Aは、本実施の形態にかかる電子機器の上面図である。図18Bは、本実施の形態にかかる電子機器の側面図である。つまり、図18A、図18Bは、電子部品10を実装基板60に実装している状態を示している。なお、電子部品10は、実施の形態1で説明した電子部品10と同様であるので重複した説明は省略する。図18Bに示すように、電子部品10の第1の端子部11は、リード部材27を用いて実装基板60の第3の端子部61と電気的に接続されている。また、電子部品10の第2の端子部12は、リード部材28を用いて実装基板60の第4の端子部62と電気的に接続されている。
ここで、リード部材27、28は、電子部品10と実装基板60とを電気的に接続すると共に、電子部品10を実装基板60に固定する固定部材として用いてもよい。なお、リード部材27、28とは別に固定部材を設けて、電子部品10を実装基板60に固定してもよい。図18A、図18Bに示す電子機器では、電子部品10の第1の端子部11と第2の端子部12とが実装基板60側を向くように電子部品10を実装している。
また、図18A、図18Bに示すように、本実施の形態にかかる電子機器では、電子部品10の凹凸部13と実装基板60の凹凸部63とが互いに対応する位置となるように実装している。すなわち、実装基板60の凸部64が、電子部品10の凸部14と対向するように配置している。また、実装基板60の凹部65が、電子部品10の凹部15と対向するように配置している。換言すると、電子部品10の凹凸部13の位相と実装基板60の凹凸部63の位相とが略同一となるように構成している。
このように、凸部14と凸部64とを互いに対向するように配置することで、電子部品10と実装基板60とが近づいた場合であっても、電子部品10の凹凸部13における沿面距離と実装基板60の凹凸部63における沿面距離とが減少することを抑制することができる。したがって、電子部品10および実装基板60の絶縁性を保ちつつ、電子部品10と実装基板60とを近づけて配置することができるので、電子部品10を実装基板60にコンパクトに実装することができる。
ここで、本実施の形態にかかる電子機器では、図18A、図18Bに示すように、実装基板60に貫通孔66を設け、電子部品10の側面に配置されている凸部14と、実装基板60の貫通孔66側に配置されている凸部64とが対向するように電子部品10を実装している。この場合、上述した理由から、実装基板の凸部64と電子部品10の凸部14とを近づけることができる。よって、電子部品10を実装基板60に実装する際、電子機器を側面からみた状態で(図18B参照)、電子部品10と実装基板60とが重畳するように配置することができる。したがって、実装基板60の表面からの電子部品10の高さを低くすることができる。例えば、電子部品10が貫通孔66を貫通するように実装してもよい。
また、本実施の形態においても、凹凸部13が備える凹部15の深さと凹凸部63が備える凹部65の深さは略同一とすることが好ましい。また、凹凸部13が備える凸部14の間隔と凹凸部63が備える凸部64の間隔も略同一とすることが好ましい。また、凹凸部13の凸部14間の間隔および凹凸部63の凸部64間の間隔が略等間隔であることが好ましい。換言すると、凹凸部13および凹凸部63の形状が、線対称となるように形成することが好ましい。
図19Aは、本実施の形態にかかる実装基板の他の態様を示す上面図である。図19Bは、本実施の形態にかかる実装基板の他の態様を示す側面図である。図19A、図19Bに示すように、本実施の形態では、実装基板90の側面に必ずしも凹凸部93を設ける必要はない。換言すると、凹凸部93は、第1および第2の領域67、68の、実装基板90の表面および裏面と、貫通孔96の側面とに設けてもよい。
つまり、図19Aに示すように、第1の端子部61と第2の端子部62との間の、実装基板90の側面側を通る沿面距離d9が十分に長い場合は、実装基板90の側面に凹凸部93を設けなくてもよい。また、第1の端子部61と第2の端子部62との間の絶縁性は、第1の端子部61と第2の端子部62との間の沿面距離のうち最も沿面距離が短い箇所に依存する。よって、例えば、実装基板90の側面側を通る沿面距離d9が、貫通孔66の側面に形成された凹凸部93を通る沿面距離d10よりも略同一か又は長い場合は、実装基板90の側面に凹凸部93を設ける必要はない。
なお、本実施の形態にかかる電子機器を複数並べる場合は、図20に示すように、実装基板60_1、60_2の側面に凹凸部63を形成し、実装基板60_1の第2の領域68の凹凸部63と、実装基板60_2の第1の領域67の凹凸部63とが互いに対応するように(つまり、位相が略同一となるように)配置してもよい。すなわち、実装基板60_1の第2の領域68の凸部64と実装基板60_2の第1の領域67の凸部64とが互いに対向するように配置することで、実装基板60_1、60_2の側面における沿面距離が減少することを抑制することができる。
なお、本実施の形態においても、電子部品10や実装基板60、90の凹凸部の形状は、図10〜図14に示した形状としてもよい。
次に、本実施の形態にかかる実装基板の製造方法について説明する。図21は、本実施の形態にかかる実装基板60(図17A、図17B参照)の製造方法を説明するための側面図である。また、図22は構造体70の上面図である。図23は構造体73の上面図である。本実施の形態にかかる実装基板60は、構造体70を、構造体73および構造体76で挟むように積層することで形成することができる。
構造体70は、単一または複数の絶縁体基板を用いて形成することができる。複数の絶縁体基板を用いる場合は、複数の絶縁体基板を互いに積層して接着する。絶縁体基板を接着する際は、例えば熱硬化性樹脂等の接着部材を用いることができる。また、図22に示すように、構造体70の電子部品10が配置される位置と対応する位置(図18A参照)に貫通孔81を形成する。また、構造体70の第1および第2の領域82、83の側面(つまり、構造体70の側面および貫通孔81の側面)にそれぞれ凸部71と凹部72を形成する。
図21、図23に示すように、構造体73を形成する際は、複数の絶縁体基板を互いに積層して積層体を形成し、この積層体の電子部品10が配置される位置と対応する位置(図18A参照)に貫通孔85を形成する。更に、積層体の第1および第2の領域87、88の側面(つまり、構造体73の側面および貫通孔85の側面)および上面にそれぞれ凸部74と凹部75を形成する。なお、構造体76の作製方法については、構造体73の作製方法と基本的に同様である。
構造体に凹凸部を形成する際は、例えばカッターやレーザ加工機を用いることができる。また、各構造体を構成する絶縁体基板としては、例えばガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙エポキシ基板、ベークライト基板などを用いることができる。
また、複数の絶縁体基板を用いて構造体70、73、76を形成する場合は、構造体70、73、76を構成する各々の絶縁体基板に同一の材料からなる絶縁体基板を用いることが好ましい。同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、構造体70、73、76を積層した後の実装基板60の振動や衝撃に対する耐性を高めることができる。また、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、実装基板60を構成する絶縁体基板の熱膨張係数を略等しくすることができ、実装基板60の温度サイクル特性を向上させることができる。
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、電子部品を実装基板にコンパクトに実装することが可能な電子機器、実装基板、及び実装基板の製造方法を提供することができる。
<実施の形態3>
次に本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態では、電子部品10としてトランスを用いている。これ以外は、実施の形態1および2と同様であるので重複した説明は省略する。図24Aは、本実施の形態にかかるトランスの上面図である。図24Bは、本実施の形態にかかるトランスの側面図である。図24Cは、図24Bに示すトランスの切断線C−Cにおける断面図である。図24Dは、図24Bに示すトランスの切断線D−Dにおける断面図である。図24Eは、図24Aに示すトランスの切断線E−Eにおける断面図である。
図24A、図24Bに示すように、本実施の形態にかかるトランス101は、トランス本体部110とコア部112とを備える。トランス本体部110は、基材111、一次側導体層121、および二次側導体層126を備える(図24C〜図24E参照)。
基材111はトランス本体部110の母材となる構造体であり、絶縁材料を用いて構成することができる。基材111は、基材111の一次側115の端部に第1の端子部117を備える。また、基材111は、基材111の二次側116の端部に第2の端子部118を備える。例えば、トランス本体部110は矩形状であり、第1の端子部117と第2の端子部118はトランス本体部110の長手方向の各々の端部にそれぞれ配置されている。第1の端子部117は一次側導体層121と接続される端子である(図24C参照)。第2の端子部118は二次側導体層126と接続される端子である(図24D参照)。第1の端子部117および第2の端子部118は、基材111の一次側115および二次側116の端部においてそれぞれ基材111の外部に露出している。
第1の端子部117と第2の端子部118との間の基材111の表面の少なくとも一部には、凸部113および凹部114が形成されている。図24A、図24Bに示す例では、基材111の両側の側面および上下面に凸部113および凹部114を形成している。換言すると、基材111が備える面のうち、第1の端子部117と第2の端子部118との間に配置されている面に凸部113および凹部114を形成している。
図24Cに示すように、一次側導体層121は基材111内に設けられており、第1の端子部117と電気的に接続されている。一次側導体層121はトランスの一次巻線に対応している。例えば、一次側導体層121は、第1の端子部117から二次側116の方向に向かって延び、更に基材111の貫通孔119に設けられたコア部112を一周するように形成する。このとき、一次側導体層121の一端は第1の端子部117_1と接続し、他端は第1の端子部117_2と接続する。一次側導体層121は、例えば銅やアルミニウムなどの金属材料を用いて構成することができる。
なお、図24Eでは、トランス本体部110が4層の一次側導体層121を備える場合を例として示しているが、一次側導体層121の層の数は任意に決定することができる。複数の一次側導体層121を設けた場合、複数の一次側導体層121は、例えばスルーホールを介して互いに電気的に接続することができる。また、複数の一次側導体層121は、例えば複数の一次側端子127同士を接続することで互いに電気的に接続することができる。
図24Dに示すように、二次側導体層126は基材111内に設けられており、第2の端子部118と電気的に接続されている。二次側導体層126はトランスの二次巻線に対応している。例えば、二次側導体層126は、第2の端子部118から一次側115の方向に向かって延び、更に基材111の貫通孔119に設けられたコア部112を一周するように形成する。このとき、二次側導体層126の一端は第2の端子部118_1と接続され、他端は第2の端子部118_2と接続される。二次側導体層126は、例えば銅やアルミニウムなどの金属材料を用いて構成することができる。
なお、図24Eでは、トランス本体部110が4層の二次側導体層126を備える場合を例として示しているが、二次側導体層126の層の数は任意に決定することができる。複数の二次側導体層126を設けた場合、複数の二次側導体層126は、例えばスルーホールを介して互いに電気的に接続することができる。また、複数の二次側導体層126は、例えば複数の第2の端子部118同士を接続することで互いに電気的に接続することができる。
図24Eに示すように、一次側導体層121および二次側導体層126は絶縁材料を介して互いに積層されている。図24Eに示す例では、複数の一次側導体層121を積層方向の中央部付近に配置し、複数の二次側導体層126を積層方向の端部側(上面側および下面側)に配置している。しかし、図24Eに示す一次側導体層121および二次側導体層126の配置は一例であり、一次側導体層121および二次側導体層126の配置は任意に決定することができる。
また、基材111は複数の絶縁体基板を用いて構成してもよい。この場合、複数の一次側導体層121と、複数の絶縁体基板と、複数の二次側導体層126とを互いに積層することで、トランス本体部110を構成することができる。基材111を構成する絶縁体基板としては、例えばガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙エポキシ基板、ベークライト基板などを用いることができる。
複数の絶縁体基板を用いて基材111を構成する場合は、基材111を構成する各々の絶縁体基板に、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることが好ましい。同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、トランス本体部110の振動や衝撃に対する耐性を高めることができる。また、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、トランス本体部110を構成する絶縁体基板の熱膨張係数を略等しくすることができ、トランス本体部110の温度サイクル特性を向上させることができる。
コア部112は、一次側導体層121の少なくとも一部および二次側導体層126の少なくとも一部をそれぞれ囲むように配置する。コア部112はフェライトなどの磁性材料を用いて構成することができる。一次側導体層121および二次側導体層126をコア部112で囲むことで、一次側導体層121および二次側導体層126を磁気的に結合することができる。図24A、図24Bに示すように、コア部112はトランス本体部110の二次側116寄りの周囲を覆うように設ける。また、図24C、図24Dに示すように、コア部112の一部は、基材111に形成された貫通孔119に挿通されている。
ここで、本実施の形態にかかるトランスでは、第1の端子部117の電圧は第2の端子部118の電圧よりも高電圧である。よってコア部112は、電圧が低い第2の端子部118側に設けている。換言すると、コア部112の第1の端子部117側の端部と第1の端子部117との距離は、コア部112の第2の端子部118側の端部と第2の端子部118との距離よりも長い。
図24Eに示すように、コア部112は、断面形状がE型であるコア部材112a、112bを用いて構成することができる。そしてコア部材112a、112bでトランス本体部110を挟むことで、トランス本体部110にコア部112を取り付けることができる。図24Eに示すように、一次側導体層121および二次側導体層126は基材111内に埋設されているので、コア部112と直接接触することはなく、絶縁性が保たれている。
本実施の形態にかかるトランスでは、第1の端子部117に高電圧が印加される。ここで第1の端子部117は基材111の外部に露出しているため、第1の端子部117と第2の端子部118との間の沿面距離(コア部112が接地されている場合は、第1の端子部117とコア部112との間の沿面距離)を確保する必要がある。そこで本実施の形態にかかるトランスでは、第1の端子部117と第2の端子部118との間の基材111の表面の少なくとも一部に、凸部113および凹部114を形成している。
また、本実施の形態では、第1の端子部117の電圧は第2の端子部118の電圧よりも高いので、第1の端子部117とコア部112との間に配置されている凸部113および凹部114の数は、第2の端子部118とコア部112との間に配置されている凸部113および凹部114の数よりも多くしている。
図25Aは、本実施の形態にかかる実装基板の上面図である。図25Bは、本実施の形態にかかる実装基板の側面図である。図25A、図25Bに示すように、本実施の形態にかかる実装基板130は、第3の端子部131、第4の端子部132、貫通孔136、および凹凸部133(第2の凹凸部)を備える。また、実装基板130は、トランス101のコア部112を接地するための端子部139を備える。
貫通孔136は、トランス101が配置される位置と対応する位置(つまり、コア部112と第1の端子部117との間の位置と対応する位置。図26A参照)に形成されている。また、実装基板130は、実装基板130を平面視した際に貫通孔136の両側に配置され、第3の端子部131が配置されている側から第4の端子部132が配置されている側へと延びる第1の領域137および第2の領域138を備える。
第1および第2の領域137、138には、凹凸部133(凸部134および凹部135)がそれぞれ形成されている。例えば、凹凸部133は、第1および第2の領域137、138の周囲全体に形成することができる。つまり、凹凸部133は、第1の領域137における、実装基板130の表面および裏面、貫通孔136の側面、実装基板130の側面に形成することができる。同様に、凹凸部133は、第2の領域138における、実装基板130の表面および裏面、貫通孔136の側面、実装基板130の側面に形成することができる。ここで、凹凸部133は、実装するトランス101の凹凸部と対応する位置に形成されている。
例えば、本実施の形態にかかる実装基板130は、複数の絶縁体基板を互いに積層して構成してもよい。この場合は、実装基板130を構成する各々の絶縁体基板に、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることが好ましい。同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、実装基板130の振動や衝撃に対する耐性を高めることができる。また、同一の材料からなる絶縁体基板を用いることで、実装基板130を構成する絶縁体基板の熱膨張係数を略等しくすることができ、実装基板130の温度サイクル特性を向上させることができる。
図26Aは、本実施の形態にかかる電子機器の上面図である。図26Bは、本実施の形態にかかる電子機器の側面図である。つまり、図26A、図26Bは、トランス101を実装基板130に実装している状態を示している。図26Bに示すように、トランス101の第1の端子部117は、リード部材127を用いて実装基板130の第3の端子部131と電気的に接続されている。また、トランス101の第2の端子部118は、リード部材128を用いて実装基板130の第4の端子部132と電気的に接続されている。更に、トランス101のコア部112は、リード部材129を用いて接地用の端子部139と電気的に接続されている。
ここで、リード部材127、128、129は、トランス101と実装基板130とを電気的に接続すると共に、トランス101を実装基板130に固定する固定部材として用いてもよい。なお、リード部材127、128、129とは別に固定部材を設けて、トランス101を実装基板130に固定してもよい。
図26A、図26Bに示すように、本実施の形態にかかる電子機器では、トランス101の凹凸部(凸部113および凹部114)と実装基板130の凹凸部133とが互いに対応する位置となるように実装している。すなわち、実装基板130の凸部134がトランス101の凸部113と対向するように配置している。また、実装基板130の凹部135がトランス101の凹部114と対向するように配置している。換言するとトランス101の凹凸部の位相と実装基板130の凹凸部133の位相とが略同一となるように配置している。
このように、凸部113と凸部134とを互いに対向するように配置することで、トランス101と実装基板130とが近づいた場合であっても、トランス101の凹凸部における沿面距離と実装基板130の凹凸部における沿面距離とが減少することを抑制することができる。したがって、トランス101および実装基板130の絶縁性を保ちつつ、トランス101と実装基板130とを近づけて配置することができるので、トランス101を実装基板130にコンパクトに実装することができる。
なお、トランス101や実装基板130の凹凸部の形状等に関しては、実施の形態1、2で説明した場合と同様であるので重複した説明は省略する。また、実装基板130の製造方法については、実施の形態2で説明した場合と同様であるので重複した説明は省略する。
次に、トランス101の製造方法について説明する。図27A〜図27Cはトランス101の製造方法の一例を説明するための側面図である。図27Aに示すように、トランス本体部110を作製する際は、第1の構造体140、第2の構造体150、および第3の構造体160を形成する。第1の構造体140はトランス本体部110の中央部に配置される構造体であり、第2の構造体150はトランス本体部110の上部に配置される構造体であり、第3の構造体160はトランス本体部110の下部に配置される構造体である。
第1の構造体140は、複数の一次側導体層と複数の絶縁体基板と複数の二次側導体層とを互いに積層し、長手方向側面に凸部143および凹部144を形成することで作製することができる。また、第1の構造体140のコア部112が配置される箇所には貫通孔149を形成する。
第2の構造体150は、複数の絶縁体基板を互いに積層し、長手方向側面に凸部153および凹部154を、一方の主面に凸部155および凹部156をそれぞれ形成することで作製することができる。また、第2の構造体150のコア部112が配置される箇所には貫通孔159を形成する。
第3の構造体160は、複数の絶縁体基板を互いに積層し、長手方向側面に凸部163および凹部164を、一方の主面に凸部165および凹部166をそれぞれ形成することで作製することができる。また、第3の構造体160のコア部112が配置される箇所には貫通孔169を形成する。
そして図27Aに示すように、第1の構造体140の一方の主面146と第2の構造体150の他方の主面158とを接着し、第1の構造体140の他方の主面147と第3の構造体160の他方の主面168とを接着してトランス本体部110を作製する。第1乃至第3の構造体140、150、160の接着には、例えば熱硬化性樹脂等の接着部材を用いることができる。
その後、図27Bに示すようにトランス本体部110をコア部材112a、112bで挟むことで、図27Cに示すようにトランス本体部110にコア部112を取り付けることができる。このとき、一次側導体層の少なくとも一部および二次側導体層の少なくとも一部がコア部材112で囲まれるように、トランス本体部110にコア部112を配置する。図27B、Cでは、トランス本体部110を組み立てた後の凸部および凹部について、凸部113および凹部114と符号を付している。
なお、実装基板130は、同一の材料からなる複数の絶縁体基板を用いて構成することが好ましい。また、トランス本体部110も、同一の材料からなる複数の絶縁体基板を用いて構成することが好ましい。このとき、実装基板130を構成している複数の絶縁体基板と、トランス本体部110を構成している複数の絶縁体基板は、同一の材料で構成してもよく、また異なる材料で構成してもよい。実装基板130とトランス本体部110とを同一の材料からなる絶縁体基板を用いて構成した場合は、実装基板130とトランス本体部110の熱膨張係数を略等しくすることができ、実装基板130とトランス本体部110との間に働く応力を低減することができる。よって、トランス101の信頼性を向上させることができる。
また、上記ではコアを有するトランスを例として説明したが、本実施の形態ではコアがないタイプのトランスを電子部品として用いてもよい。
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、電子部品を実装基板にコンパクトに実装することが可能な電子機器、実装基板、及び実装基板の製造方法を提供することができる。
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。