JP6098431B2 - 電子写真用画像転写シート、および画像記録体の製造方法 - Google Patents
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即ち、請求項1に係る発明は、
少なくとも基材層を有する基体と、
熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有し、30℃以下で接着性を発現せず、且つ500mJ/cm 2 の紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層を少なくとも有する、前記基体から剥離し得る転写層と、
を備える電子写真用画像転写シートである。
前記画像受像層が、4級アンモニウム塩および4級アンモニウム塩を側鎖に有するアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種を含有する請求項1に記載の電子写真用画像転写シートである。
請求項1または請求項2に記載の電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の表面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成し、前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせて積層体とし、前記積層体を加熱圧着し且つ加熱圧着された前記積層体の前記画像受像層に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させ、前記基体を前記転写層から剥離することで、前記転写層および前記画像形成材料からなる画像を前記画像支持体に転写してなる画像記録体である。
請求項1または請求項2に記載の電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の表面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせて積層体とする重合せ工程と、
前記積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
加熱圧着された前記積層体の前記画像受像層に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる紫外線照射工程と、
前記基体を前記転写層から剥離することで、前記転写層および前記画像形成材料からなる画像を前記画像支持体に転写する剥離工程と、
を有する画像記録体の製造方法。
<画像転写シート>
本実施形態に係る電子写真用画像転写シート(以下単に「転写シート」とも称す)は、基体と、前記基体から剥離し得る転写層と、を備える。前記基体は少なくとも基材層を有し、また前記転写層は画像受像層を少なくとも有する。前記画像受像層には、熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有する。尚、画像受像層は30℃以下で接着性を発現せず、且つ紫外線照射後における伸度が5%以上である。
これに対し、本実施形態に係る転写シートは、画像受像層の紫外線照射後における伸度が5%以上であることで、画像記録体の経時による表面での亀裂の発生が抑制される。
画像受像層に含まれる硬化性の樹脂が硬化すると収縮が発生するものと考えられ、画像記録体での画像支持体と画像受像層との熱膨張係数の違いのために、時間が経過するにしたがって画像記録体の表面に亀裂が発生していたものと推察される。一方、本実施形態では紫外線照射後の画像受像層の伸度が上記範囲であることで、熱膨張係数の違いによる変形に対しても画像受像層が適度に追随し得るものと思われ、その結果経時で発生する亀裂が抑制されるものと考えられる。
これに対し、本実施形態に係る転写シートは、30℃以下で接着性を発現しない画像受像層を備えることで、画像受像層上に画像を加熱定着する際の加熱定着部材への巻き付きが抑制され、また転写シートを作製する際に巻き取った転写シート同士における貼り付きも抑制される。
転写シートにおいて画像受像層の外側に他の表面層を有していない態様、つまり画像受像層が最表面となっている態様では、該画像受像層に熱可塑性樹脂を含有する場合に、含まれる該熱可塑素性樹脂の影響で画像受像層が粘着性を示すことがある。そのため、画像形成の際の加熱定着部材への巻き付きや、転写シートを作製し巻き取った際の転写シート同士の貼り付きが生じていたものと考えられるが、本実施形態では上記の温度範囲で接着性を発現しない画像受像層を備えることで、加熱定着部材への上記巻き付きや、巻き取った際の上記貼り付きが抑制されるものと考えられる。
また、上記紫外線照射によって樹脂を硬化することで、画像受像層と該画像受像層に接する画像支持体との接着性が向上させられる。
これに対し、本実施形態に係る転写シートは未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有しており、転写シートを画像支持体に重ね合せて加熱圧着を施した後に前述の通り紫外線照射を施して樹脂を硬化させることで、塩化ビニル等の材質のケースに収納した場合であっても前記オフセットの発生が抑制され、画像の変形が抑制される。
また前記転写層には、画像受像層の他に、透明支持体、接着層、他の画像受像層等を有していてもよい。
図1は、本実施形態の転写シートの一例を示す概略断面図である。図1に示す本実施形態の転写シートは、背面層150と、基材層110と、離型層160と、を有する基体、および画像受像層140を有する転写層がこの順に積層されて構成される。
・画像受像層
画像受像層には、熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有する。尚、画像受像層は30℃以下で接着性を発現せず、且つ紫外線照射後における伸度が5%以上である。
紫外線照射後における伸度が5%以上であることは、即ち紫外線照射によって硬化された後に伸縮性を有することを意味する。この伸縮性によって、画像支持体と画像受像層との熱膨張係数の違いのために、時間が経過するにしたがって発生する画像記録体の表面の亀裂が抑制されるものと考えられる。
画像受像層の紫外線照射後における伸度は、紫外線を照射していない画像受像層に対して紫外線照射(高圧水銀)ランプにて500mJ/cm2となるよう紫外線を照射して画像受像層を硬化させた後、幅15mm×長さ50mmのフィルムに切り出し、引張り試験機(今田製作所:SVZ-50NA)にて10mm/minの速度で延伸し、目視で画像受像層に亀裂が入った時点までの延伸率(引張り試験開始前の長さに対する延伸された長さ)を伸度とする。
30℃以下で接着性を発現しない(所謂タックフリーである)ことにより、画像受像層上に画像を加熱定着する際の加熱定着部材への巻き付きが抑制され、また転写シートを作製する際に巻き取った転写シート同士における貼り付きも抑制される。
高炭素クロム軸受鋼鋼材のSUJ2製の1/32インチの鋼球を用い、試験試料(転写シート)に対し、助走路100mm、試験試料面の距離100mm、傾斜角20°、環境温度30℃の条件で前記鋼球を転がした際に鋼球の減速が生じない(より詳細には鋼球の減速が0.01mm/sec以下である)ことを、本明細書においては接着性を発現していないこととする。
本実施形態では画像受像層に熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有する。
画像記録体を製造する場合に、転写シートを画像支持体に重ね合せて加熱圧着を施しその後に紫外線照射を施すことで、紫外線照射を施すまでは画像受像層中の加熱された樹脂が可塑性を示し、加熱圧着の際に巻き込まれた残留気泡を低減させられる。
また、上記紫外線照射によって樹脂を硬化することで、画像受像層と該画像受像層に接する画像支持体との接着性が向上させられる。
紫外線硬化性樹脂として好ましいものは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化し得る多官能アクリレートが挙げられる。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化し得る多官能アクリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得られるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、上記の多官能(メタ)アクリレートの他に、画像受像層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは10質量%以下の2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートを添加してもよい。
更には、下記一般式(1)で示される構造を有する(構造となる)モノマーと一般式(2)で示される構造を有する(構造となる)モノマーとが共重合された紫外線硬化型アクリルポリマーがより好適である。
アクリル主鎖は数多くの(メタ)アクリル酸エステル系のモノマーから選択し自由に設計し得るため、用途や要求される性能に応じて分子量および二重結合等の量などを考慮して設計される。
−他の樹脂−
画像受像層に含まれる樹脂としては、上記紫外線硬化性樹脂の他に、ポリエチレン、ポロプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、ウレア樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂を、画像受像層の伸長性と硬度を損わない範囲内で含有してもよい。
さらに画像受像層は、天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどの離型剤を含有していてもよい。
ワックスは具体的には、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスや低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックスなどの合成ワックスなどが挙げられ、これらは単独使用に限らず混合して複数使用される。
本実施形態においては、前記画像受像層には粒子を含有してもよく、特に平均粒子径が3μm以上30μm以下の粒子を0.3質量%以上25質量%以下含有していることが望ましく、画像受像層膜厚の1.2倍以上の兵器塩粒子径を有するものがより望ましい。
前記粒子の形状としては、球状粒子が一般的であるが、板状、針状、不定形状であってもよい。
粒子の割合が前記範囲内の場合は、画像転写シートから画像記録体に加熱圧着する際、画像の乱れや画像濃度の低下も許容範囲内で画像品質が良く、作製された画像記録体の表面硬度も許容範囲内とし易く、画像記録体としての品質も維持される。
本実施形態における画像受像層には、界面活性剤(より好ましくは4級アンモニウム塩、および4級アンモニウム塩を側鎖に含むアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種)を含有することが望ましい。
その目的は、転写シートに安定した半導電性を持たせられ、外部からの静電吸着物(浮遊ゴミ)を引き付け難くすること、または付着した吸着物(ゴミ)を容易に払いのけられることが挙げられ、異物のない品質の良い画像記録体を作製する為である。
また、別の目的として、電子写真方式における画像形成においては、静電気力を利用して装置内にある像保持体(感光体)または一次転写ベルトから画像形成材料を転写シート上に移行させるが、画像形成材料を品質良く移行させるには、電子写真法においては原理的に転写シート表面は、半導電性が好ましい。その表面抵抗率は常温(22℃)において1×107Ω/□以上1×1013Ω/□以下が好ましく、より好ましくは1×108Ω/□以上1×1012Ω/□以下がより好ましい。
本実施形態における画像受像層は、紫外線硬化性樹脂を用いることで、作製される画像記録体の表面硬度を得ている。上記一般式の構造を取り入れて紫外線硬化させるアクリレートオリゴマーも市販され、これらは画像記録体の表面硬度を低下させず表面抵抗率を前記範囲にし得る観点で、より望ましい。具体的には、DIC(株)社製:ユニディックEKC−492、EKC−565、V−9030、日本合成化学(株)社製:紫光UV−AS102等がある。
次に、本実施形態に用い得る透明支持体について説明する。
上記透明支持体としては、プラスチックフィルムが代表的に用いられる。この中でも、OHPフィルムとして使用される光透過性のあるフィルムである、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどが挙げられ、その中でも特に、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルムが望ましく用いられる。
この透明支持体の基材層側の面や後述する基材層における透明支持体側の面は、離型性処理を施していることがさらに望ましい。
これら離型性処理としては、一般的に離型性の材料を表面処理することが行われる。離型性材料としては特に制限されないが、シリコン系材料が望ましい。これらシリコン系材料は少なくともシラン系組成物を含む縮合物樹脂、または、これらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物からなるものである。また、さらに有機樹脂を含んでいることが望ましい。
・基材層
次に、本実施形態に用いられる基材層について説明する。
上記基材層としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルムが代表的に用いられる。例えば、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどが望ましく用いられ、さらに白色など不透明であってもよい。
また、本実施形態に係る転写シートは、図1に示すごとく、前記画像受像層と前記基材層とが離型層を介して形成されていてもよい。
「離型層」とは、転写シート上に画像が形成され、その画像を画像支持体上に転写する行程の前行程まで物理的に画像受像層と基材層とをつなぎ合わせる接着剤としての機能と、画像をラミネートし冷却したあと画像転写する工程で画像受像層から剥れる離型機能とを有する層を指す。
「粘着層」とは、転写シート上に画像が形成され、その画像を画像支持体上に転写する行程の前行程まで物理的に透明支持体と基材層とをつなぎ合わせる接着剤としての機能と、画像をラミネートし冷却したあと画像転写する工程で透明支持体から剥れる離型機能とを有する層を指す。
また、図示しないものの、前記画像受像層と透明支持体との接着性を強固にし、転写シートを用いて作製された画像支持体からの透明支持体の剥がれの発生を抑制する目的で、前記画像受像層と透明支持体とを接着層を介して設けてもよい。
接着層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、0.1μm以上10μm以下の範囲であることが望ましく、1μm以上5μm以下の範囲であることがより望ましい。
本実施形態に係る転写シートは、更に基材層の外側(転写層が設けられる側とは反対側)に背面層を設けてもよい。
また、本実施形態の転写シートの基体側表面および転写層側表面の表面抵抗率が、1.0×108Ω以上3.2×1013Ω以下の範囲であることが望ましく、上記表面抵抗率は更に1.0×109Ω以上1.0×1012Ω以下の範囲であることがより望ましい。
また、マット剤が画像受像層や背面層、基材層表面に設けられる画像受像層以外の塗工層に添加されることが望ましい。
ここで、画像転写シートの製造方法について、図2に示される本実施形態の一例に係る画像転写シートを例に挙げて説明する。図2に示す本実施形態の画像転写シートは、背面層150と、基材層110と、粘着層120と、透明支持体130と、画像受像層140と、から構成される。
また、基材層110表面に粘着層120となる粘着剤を塗布し且つ基材層110のもう一方の表面に背面層150となる塗工層を塗布し硬化させる。一方で透明支持体130を形成する前述のフィルム等の表面に画像受像層140となる塗工層を塗布した後、透明支持体130の画像受像層140とは反対側の面と基材層110の粘着層120側の面とを貼付けることによっても形成し得る。
上記塗布は、基材層110のどちらの面を先に塗工してもよいし、同時に両面塗工してもよい。
基材層110の表面に塗工層を形成する際の乾燥は、風乾でもよいが、熱乾燥を行えば容易に乾燥される。乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、または加熱ローラに接触させる方法など通常使用される方法が採用される。
また、背面層の膜厚としては、前記表面抵抗率の範中にあることが望ましく、0.01以上0.3μm以下が望ましい。
ICチップ等の情報チップが入ったカードの厚みは基準として840μmまでと規定(例えばJISX6301:2005等)されており、それを超えると規格外となる。しかし、ICチップ等の情報チップが入ったカードのコアとなる部分は既に760μmの厚みがあり、このカードのコアの表面に、ラミネートフィルムを用いて画像を転写するには、片面への転写であれば転写される層の厚みが80μm以下、両面への転写であれば転写される層の厚みが40μm以下とする必要がある。しかし、ラミネートフィルム(転写シート)は電子写真式画像形成装置等の画像形成装置に通紙しなくてはならないため、コシの強さを保持する観点から最低75μmの厚みを有することが望ましい。
画像受像層および透明支持体の総厚みが80μm以下に規定された転写シートにおいて、全体の総厚みが75μm以上であることにより、画像形成装置に通紙する際のコシの強さが保持され、一方135μm以下であることにより、トナー等の画像形成材料の転写性が良好に保持され、画質に優れた画像が形成される。尚、画像受像層および透明支持体の総厚みが12μm以上であることにより、透明支持体上への画像受像層のムラの無い形成がし易くなり、大面積での保持がし易くなる傾向がある。
次に、上記に説明した本実施形態に係る画像転写シートを用いて作製される画像記録体について説明する。
例えば、トナー画像が可変情報を含む場合、可変情報に対応した部分のトナー画像は、画像記録体毎に異なるトナー画像としてもよい。
本実施形態に用いられる画像支持体としては、プラスチックシートが望ましく、特に、画像記録体としたときに形成された画像が見えやすいよう不透明であることが望ましく、白色化したプラスチックシートが代表的に使用される。
画像支持体中に半導体回路を内蔵させる方法としては、前記半導体回路が固定されたインレットと呼ばれるシートを、画像支持体を構成するシート材料間に挟み、熱プレスによって熱融着一体化させる方法が一般的に望ましく用いられる。また、上記インレットシートなしに直接、半導体回路を配置し、熱融着一体化させてもよい。
さらに、画像記録体として使用上許される範囲であれば、半導体回路を画像支持体の内部ではなく、表面に露出した状態で配置してもよい。
次に、本実施形態の画像記録体の作製方法について説明する。図4は、本実施形態の画像記録体の作製装置を示す概略構成図である。
図4に示す画像記録体の作製装置10は、画像形成装置12と、丁合い装置14(位置決め部)と、ラミネート装置16(加熱圧着部)と、剥離装置17(剥離部)と、から構成されている。
搬送路40、42としては、板状部材と、その表面を転写シート22またはプラスチックシート38を搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして転写シート22が画像形成装置12から排出されるタイミング、またはプラスチックシート38が排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、転写シート22またはプラスチックシート38を丁合い部36に搬送する。
ラミネート装置16における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置がいずれも好適に採用される。例えば、前記積層体を熱ロール対などによるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置、または熱プレス技法、ならびに熱プレス装置を用いて、圧着される。
まず、画像形成装置12において、転写シート22のうち、プラスチックシート38の裏面(図面中下側)に積層される第1の転写シート22aが、転写シート収納部18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第1の転写シート22aの上面(図面中上側)に電子写真方式によりトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。このとき、第1の転写シート22aの上面に定着画像が形成されているので、第1の転写シート22aは、そのまま搬送路26を経て排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
電子写真用画像転写シート(転写シートA1)を以下のように作製した。以下、その作製方法を工程ごとに説明する。
熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂としてアクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−077、固型分濃度40%)50部に、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)0.6部、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)1部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−1を調製した。
熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂(綜研化学社製:フォレットFF−4M、固型分濃度30%)20部と、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)0.5部と、粒子として架橋型アクリル樹脂の真球状粒子(綜研化学社製:MX−200、体積平均粒子径2μm)0.45部と、メチルエチルケトン200部と、を混合して十分攪拌し、背面層塗工液b−1を調製した。
基材層として片面に離型処理(離型層)を施した二軸延伸PETフィルム(パナック社製パナピール100SG−2、厚み101μm)の未処理面に、前記背面層塗工液b−1をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分乾燥させ、基材層裏面側に膜厚0.3μmの背面層を形成した。この基材の離型処理した離型層面に、前記受像層塗工液a−1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、膜厚5μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして画像転写シートA1を50枚作製した。
この転写シートA1の背面層の表面抵抗率は1.4×1011Ω/□、画像受像層の表面抵抗率は、3.7×1012Ω/□であった。
−画像受像層の30℃での接着性確認−
前述の方法により、環境温度30℃の条件での鋼球の減速を観察し、接着性が発現しているか否かを確認した。結果を表1に示す。
前述の方法により、画像受像層に対して紫外線照射(高圧水銀)ランプにて500mJ/cm2となるよう紫外線を照射して画像受像層を硬化させ、引張り試験機(今田製作所:SVZ-50NA)にて10mm/minの速度で延伸し、目視で画像受像層に亀裂が入った時点までの延伸率(引張り試験開始前の長さに対する延伸された長さ)を求めた。尚、例えば50mmから60mmまで延伸したものを伸度20%と表記する。結果を表1に示す。
室温22℃、湿度55%の条件下において、上記転写シートA1を50枚重ね、その上に300mm×300mmのアルミニウム板2Kgを載せ、24時間保持した。
その後、アルミニウム板を50枚重ねられた前記転写シートA1上から取り除き、一番上にある転写シートA1から1枚づつシートの角(エッジ)を持ち上げて、シート間で接着(タック)しているか否かを確認した。タックしていれば複数枚が重なって持ち上がることになる。
全て問題がなく分離し得た場合は、Aとする。1回でも複数の転写シートが重なって持ち上がった場合は、Bとする。結果を表1に示す。
その後、前記転写シートA1の50枚を電子写真装置(富士ゼロックス社製:DocuColor1450GA)のトレイにセットして、顔写真や名前、1から5ポイントの大きさの英数字、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に連続で50枚印字作業を行って、装置内でのシートに起因する搬送停止(ジャム)あるいはフィルムが重なって搬送してしまう重送が発生するか否かを確認した。
ジャムや重送が1回でも発生した場合にはB、発生しない場合をAとした。結果を表1に示す。
転写シートA1上に形成された画像の画質について、目視により画像欠陥(像つぶれ、像流れ)の発生の度合いを評価した。
画像欠陥の発生が確認されなければA、多少でも画像欠陥が見られた場合をBとした。結果を表1に示す。
画像記録体を作製するに当たり、図4に示した画像記録体の作製装置10からラミネート装置16と剥離装置17を丁合装置14部分から分離して作動するよう調整した。
画像記録体は、白色顔料等が添加されたPET−G樹脂の白色シート(三菱樹脂社製:PG−WHI、厚み740μm)を画像支持体として、この白色シートの表裏に、画像が形成された前記転写シートA1の画像形成面で重ね合わせ、図4のラミネート装置16の一対の金属ベルト46のニップ間に挿入した。ラミネート条件は、加圧ロール52が130℃、圧力は10Kg/cm2、搬送速度は5mm/secである。
さらにラミネート後排出された積層体が透明ガラス板60上を通過するとき、その上下から紫外線照射ランプ62(高圧水銀)にて500mJ/cm2となるよう紫外線を照射し、画像受像層を硬化させた。その後、剥離装置17で画像転写シートA1の画像受像層が画像支持体(白色シート)に転写され、基材層と画像記録体が分離され、画像記録体A1が排出受け56に排出される。
−画像接着性の評価−
画像記録体A1に転写された画像の接着性の評価は、画像記録体A1の表面に転写された画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を700g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で180度剥離を行った時の画像の剥がれを評価した。
本評価では、まったく問題が無かった場合は、Aとした。少しでも画像が剥がれたりした場合は、Bとした。結果を表1に示す。
画質に関しては、細線文字印字部分のラミネート後の正確な再現性を評価した。
画像として1から5ポイントの英数字の解像度を文字の判別し得るポイント数で評価し、3ポイントより小さい英数字が確認し得た場合は、A。4ポイントまでの英数字が確認がし得た場合は、B。5ポイントより大きい英数字しか確認し得ない場合は、Cとした。結果を表1に示す。
残留気泡に関しては、転写されている画像の7ポイント英数字「O」と「8」の丸の内側にラミネート時に空気が逃げ切れず、目視によって気泡として残存したことが明らかに確認し得た場合は、C。確認し得ない場合はA。判別が難しい場合はBとした。結果を表1に示す。
冷熱衝撃評価は、画像支持体と画像受像層の熱膨張係数が異なる場合を想定して、高温低温のサイクルを繰り返して、画像受像層に大きな変化が生じるか否かを確認した。具体的には、エスペック社製:TSA−72ELを使用して、高温:70℃、低温:0℃、各15分の曝し時間で、500サイクル連続して行い、画像記録体表面に亀裂が発生していた場合は、B。亀裂が発生していない場合は、Aとした。結果を表1に示す。
市販のソフト塩化ビニル製のカードケースに画像記録体(カード)を入れて高温高湿(65℃80%)下で24時間放置し、カードの表面材料や画像がケースにオフセットした場合は、B。オフセットが発生していない場合は、Aとした。結果を表1に示す。
<受像層塗工液a−2の調製>
紫外線硬化性樹脂としてメタクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−018C、固型分濃度40%)50部、四級アンモニウム塩を側鎖に結合したウレタンアクリレート系の紫外線硬化剤(日本合成化学社製:紫光UV−AS102、固型分濃度40%)25部、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)1部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:SSX−115、平均粒子径:15μm)4.5部を、添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−2を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−2を用いて、受像層膜厚10μmの受像層(表面抵抗率:1.0×1013Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA2と画像記録体A2を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
<受像層塗工液a−3の調製>
実施例2の紫外線硬化性樹脂の替わりにメタクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−054C、固型分濃度54%)37部に変更し、フィラーとして架橋型ポリアクリル酸メチルの真球状粒子(綜研化学社製:MX−1000、平均粒子径:10μm)1.5部を添加した以外は実施例1と同様にして、受像層塗工液a−3を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−3を用いて、受像層膜厚6.5μmの受像層(表面抵抗率:9.1×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA3と画像記録体A3を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
<受像層塗工液a−4の調製>
紫外線硬化性樹脂としてアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックRC29−120、固型分濃度50%)40部、四級アンモニウム塩を結合したウレタンアクリレート系の紫外線硬化剤(日本合成化学社製:紫光UV−AS102、固型分濃度40%)25部、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)0.4部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:SSX−115、平均粒子径:15μm)0.5部、希釈溶媒として酢酸ブチル100部、酢酸エチル100部に添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−4を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−4を用いて、受像層膜厚8μmの受像層(表面抵抗率:8.5×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA4と画像記録体A4を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
<受像層塗工液a−5の調製>
紫外線硬化性樹脂としてアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックEKC−1054、固型分濃度50%)40部、四級アンモニウム塩を結合したウレタンアクリレート系の紫外線硬化剤(日本合成化学社製:紫光UV−AS102、固型分濃度40%)25部、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)0.4部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:SSX−110、平均粒子径:10μm)1部、希釈溶媒としてメチルイソブチルケトン100部に添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−5を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−5を用いて、受像層膜厚6μmの受像層(表面抵抗率:6.7×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA5と画像記録体A5を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
<受像層塗工液a−6の調製>
実施例1の紫外線硬化性樹脂の替わりにアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックV−6840、固型分濃度50%)30部に変更し、希釈溶媒としてメチルイソブチルケトン200部に混合した以外は実施例1と同様にして、受像層塗工液a−6を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−6を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:3.2×1011Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA6と画像記録体A6を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
<受像層塗工液c−1の調製>
実施例1の(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−077、固型分濃度40%)の替わりに熱可塑性ポリエステル樹脂(東洋紡績社製:バイロン24SS、固型分濃度30%)50部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)0.5部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−1を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−1を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:8.2×1009Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC1と画像記録体C1を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC1の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。また、画像記録体C1の画像接着性、画質、残留気泡、冷熱衝撃評価は問題なかったが、高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては、ケースとカードが接着し、無理やり剥したら一部画像がケース内側に移行(オフセット)してしまった。結果をまとめて表1に示す。
<受像層塗工液c−2の調製>
実施例1のウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−077、固型分濃度40%)の替わりにアクリル系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックRC29−124、固型分濃度60%)を用いた以外は実施例1と同様にして受像層塗工液c−2を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−2を用いて、受像層膜厚7μmの受像層を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC2を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC1は画像受像層がタックするため装置内でジャムして画像も出力できなかった。よって、画像記録体C2の作製は出来なかった。結果をまとめて表1に示す。
<受像層塗工液c−3の調製>
シリコーンアクリル系紫外線硬化樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:UVHC1101、固型分濃度100%)20部を用いて、四級アンモニウム塩を側鎖に結合したアクリレート系樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット1SX−1055、固型分濃度41%)20部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−3を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−3を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:3.8×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC3と画像記録体C3を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC3の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C3の画像接着性は、一部の画像が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂が発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
<受像層塗工液c−4の調製>
シリコーンアクリル系紫外線硬化樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:UVHC1101、固型分濃度100%)20部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)2部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−4を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−4を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:3.8×1010Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC4と画像記録体C4を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC4の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C4の画像接着性は、一部の画像と画像受像層全体が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂がヘビ革文様状に発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
<受像層塗工液c−5の調製>
シリコーン系熱硬化性樹脂化合物(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:SHC900、固型分濃度30%)60部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)2部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−5を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−5を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:5.5×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC5と画像記録体C5を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC5の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C5の画像接着性は、一部の画像と画像受像層全体が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂がヘビ革文様状に発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては問題なかったが、画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
<受像層塗工液c−6の調製>
熱硬化性シリコーン系材料(信越化学工業社製:KP−86、固型分濃度20%)80部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)2部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−6を調製した。
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−6を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:5.5×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC6と画像記録体C6を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC6の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C6の画像接着性は、一部の画像と画像受像層全体が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂がヘビ革文様状に発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
12 画像形成装置
14 丁合い装置(位置決め部)
16 ラミネート装置(加熱圧着部)
17 剥離装置(剥離部)
18 転写シート収納部
20 画像形成部
22、100 転写シート
24、26、40、42 搬送路
26a 反転路
28 排出口
32 カム
34 プラスチックシート収納部(画像支持体収納部)
36 丁合い部
38、200 プラスチックシート(画像支持体)
46 ベルト
56 排出受け
57 転写シート排出受け
60 透明ガラス板
62 紫外線照射ランプ
110 基材層
120 粘着層
130、170 透明支持体
140、180 画像受像層
150 背面層
160 離型層
190 画像形成材料
200 画像支持体
300 画像記録体
Claims (3)
- 少なくとも基材層を有する基体と、
熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有し、30℃以下で接着性を発現せず、且つ500mJ/cm 2 の紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層を少なくとも有する、前記基体から剥離し得る転写層と、
を備える電子写真用画像転写シート。 - 前記画像受像層が、4級アンモニウム塩および4級アンモニウム塩を側鎖に有するアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種を含有する請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
- 請求項1または請求項2に記載の電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の表面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせて積層体とする重合せ工程と、
前記積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
加熱圧着された前記積層体の前記画像受像層に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる紫外線照射工程と、
前記基体を前記転写層から剥離することで、前記転写層および前記画像形成材料からなる画像を前記画像支持体に転写する剥離工程と、
を有する画像記録体の製造方法。
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