JP6096228B2 - 半導体膜の表面ムラ検出装置、レーザアニール装置および半導体膜の表面ムラ検出方法 - Google Patents
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Description
しかし、レーザ光のエネルギーのばらつきや光学系の傷や曇り、レーザ光の重複照射による半導体膜表面の凹凸などにより、レーザ形状方向のショットムラおよびレーザ走査方向のスキャンムラが生じることがあり、これらが後工程において不良品の原因となる。そのため、半導体膜表面の照射ムラ検査は欠かせないものとなっている。
前記半導体膜に検査光を照射する検査光出力部と、前記半導体膜で前記検査光が反射した反射光をカラー画像として受光する反射光受光部と、前記反射光受光部で受光したカラー画像の色成分に基づいて前記半導体膜の表面ムラを数値化する演算部と、数値化された前記表面ムラと、基板に照射されたレーザ光のエネルギー密度との関係に基づいた表示を行う表示部と、を備え、前記演算部は、前記反射光受光部で受光した反射光によって明度を数値化し、前記表示部は、数値化された前記表面ムラとともに数値化された明度に基づいた表示を行うものであることを特徴とする。
前記半導体膜に照射するレーザ光を出力するレーザ光出力部と、前記半導体膜上におけるレーザ光のエネルギー密度を調整する出力調整部と、前記半導体膜を走査する走査部と、本発明のいずれかの形態における半導体膜の表面ムラ検出装置と、を備えることを特徴とする。
これにより、照射後の基板の表面状態を良い状態で維持して生産を行うことが可能となる。
図1は、本発明の薄膜の表面ムラ検査装置を有するレーザアニール装置1の概略を示す図である。
レーザアニール装置1は、エキシマレーザを出力するレーザ光出力部2と、レーザ光の透過率を調整するアテニュエータ3と、レーザ光のビームを整形してラインビームを形成する光学系4と半導体膜側にビームを偏向するミラー5とを備えている。レーザ光出力部2、アテニュエータ3、光学系4、ミラー5は、図示しないアニール室の外部に設置されている。アテニュエータ3は、本発明の出力調整部に相当する。なお、レーザ光出力部2で出力するレーザ光の出力種別、連続波、パルス波などの種別は特に限定されるものではなく、複数のレーザ光が照射されるものであってもよい。
ステージ12、X方向移動モータ13、Y方向移動モータ14は、図示しないアニール室内に設置されている。ステージ12、X方向移動モータ13は、本発明の走査部に相当する。なお、走査部の構成は特に限定されるものではない。
上記したアテニュエータ3、X方向移動ドライバ15、Y方向移動モータ14には、制御部11に制御可能に接続されている。制御部10は、CPUおよび動作パラメータなどを記憶した記憶部などを主構成とし、前記CPUに所定の動作を実行させる制御プログラムを含んでいる。
上記した検査光出力部20、反射光受光部21、同期回路22、制御部11の一部機能および表示部17は、本発明の表面ムラ検出装置を構成する。
レーザ光出力部2より出力されたレーザ光10Aは、制御部11によって透過率が調整されたアテニュエータ3を通過して、出力調整が行われ、光学系4によって、強度分布が均一で所望のラインビーム形状に形成される。光学系4を経たレーザ光10Bは、ミラー5で反射されて、図示しないアニール室内に導入され、半導体膜101が形成されたガラス基板100(以下基板)に照射される。なお、この例では、半導体膜101は、アモルファスシリコン膜である。
なお、ステージ12は、レーザ光10Bの照射時に、X方向移動ドライバ15に従ってX方向移動モータ13で移動することで、レーザ光10Bが相対的に移動し、ガラス基板100に対しレーザ光10Bの走査がなされる。Y方向移動モータ14は、レーザ光10Bのビーム方向にステージ12を移動させることができ、ガラス基板100に対するレーザ光10Bの走査位置を変更する。
アニール中のステージ12の移動は、制御部11によって制御されており、X方向移動ドライバ15に応じたステージ12の位置移動に関する信号が同期回路22に送出されている。
反射光受光部21で受光された受光信号は、同期回路22を介して制御部11に送信される。
制御部11では、受光信号に基づいて表面ムラを算出する。
この例では、受光信号からカラー画像を取得し、カラー画像の色成分を検出し、検出された色成分に基づいてカラー画像をモノクロ化する。モノクロ化された画像のデータをコンボリューションして画像濃淡を強調した画像データを取得し、画像濃淡を強調した画像データを射影変換する。具体的な手順を図2にフローチャートに基づいて説明する。
照射された検査光は、ポリシリコン膜101Aで反射され、ポリシリコン膜101Aの所定エリアで反射した反射光が反射光受光部21で受光される(ステップs1)。受光信号は、制御部11に送信される。
本実施形態では、制御部11でカラー画像の内で最適な色成分を選択する。具体的には、最も光分布が大きい色を選択し、その色の強度によって画像をモノクロ化する(ステップs2)。
モノクロ化した画像データは、レーザのビーム方向を行、レーザの走査方向を列とする行列データで示すものとする。
例えば、画像データに、行方向を強調する行列として下記(1)の行列を用意し、列方向を強調する行列として下記(2)の行列を用意して画像データに掛け合わせる。
具体的には下記に示す式によってショット方向、スキャン方向にそれぞれ射影変換する。
ショット方向=(Max(Σf(x)/Nx-Min(Σf(x)/Nx)/平均
スキャン方向=(Max(Σf(y)/Ny-Min(Σf(y)/Ny)/平均
ただし、xはショット方向、yはスキャン方向であり、x、yは画像の位置、f(x)、f(y)は、x位置、y位置における画像データ、Σf(x)は、ショット方向xにおける画像データの総和、Σf(y)は、スキャン方向yにおける画像データの総和、Nx、Nyはショット方向、スキャン方向の画像の数、平均は、算出に用いた全画像データの平均値を示す。
なお、この例では、表面ムラの算出は、図2のフローチャートの手順に従って行ったが、本発明としては表面ムラの算出方法がこれに限定されるものではなく、適宜の算出方法を採用することができる。
表示結果は、図4に示すように、エネルギー密度(mJ/cm2)とムラスコアとの相関を示すグラフで示すようにしてもよい。これにより、最適なエネルギー密度が一見して分かる。
半導体膜101にレーザ光10Bを照射する際に、予め所定のエネルギー密度で照射する領域を定めておき、この領域に従って、アテニュエータ3を調整して、一枚のガラス基板に対し、これをX方向に移動して走査しつつ各領域毎に異なるエネルギー密度でレーザ光を照射する。これにより、図6に示すように、半導体膜101上には、エネルギー密度が異なる複数の照射領域(例えば照射領域102A〜102G)が得られる。各照射領域において、上記したように検査光を照射し、反射光を受光した結果に基づいて、各領域毎に表面ムラを算出することができる。
なお、基板上に形成する領域の数や、領域毎のエネルギー密度の変化は適宜設定することができる。例えば、想定される適正エネルギー密度(例えばAmJ/cm2)を中心付近に配置して、その値に対し、適宜の差(プラスまたはマイナス)を有する複数のエネルギー密度を設定してレーザ光照射を行うことができる。より多くの数のエネルギー密度で照射したい場合、基板を往復動させて、走査方向だけでなく、幅方向においても値の異なる複数のエネルギー密度でレーザ光を照射するようにしてもよい。
したがって、複数のエネルギー密度のうちで、最小となるムラスコアが最適なエネルギー密度とはならない場合がある。ただし、表面ムラに、反射光における明度を関連付けることによって、最適なエネルギー密度を容易に見いだすことができる。明度は、反射光受光部で得た受光結果に基づいて得ることができる。
ムラスコアは、最適エネルギー密度を示す極小点を有しているものの、その両側で最高点を経た後、エネルギー密度の大小が増えるに連れてムラスコアが低下している。一方、明度は、最適エネルギー密度を挟んで広い範囲のエネルギー密度に応じて高い数値を示している。このため、例えば、所定値以上となる明度や、最高明度に対する比率が高い範囲において、ムラスコアが最小となる範囲を選択すると、最適エネルギー密度となる確率が大幅に高くなる。したがって、エネルギー密度の選定においては、算出された表面ムラの他に、明度を考慮してエネルギー密度を選定するのが望ましい。
2 レーザ光出力部
3 アテニュエータ
4 光学系
5 ミラー
10A レーザ光
10B レーザ光
11 制御部
12 ステージ
13 x方向移動モータ
14 y方向移動モータ
15 x方向移動ドライバ
17 表示部
20 反射光出力部
21 反射光受光部
22 同期回路
Claims (10)
- レーザ光が照射されてアニールされた半導体膜上の表面ムラを検出する表面ムラ検出装置において、
前記半導体膜に検査光を照射する検査光出力部と、
前記半導体膜で前記検査光が反射した反射光をカラー画像として受光する反射光受光部と、
前記反射光受光部で受光したカラー画像の色成分に基づいて前記半導体膜の表面ムラを数値化する演算部と、
数値化された前記表面ムラと、基板に照射されたレーザ光のエネルギー密度との関係に基づいた表示を行う表示部と、を備え、
前記演算部は、前記反射光受光部で受光した反射光によって明度を数値化し、
前記表示部は、数値化された前記表面ムラとともに数値化された明度に基づいた表示を行うものであることを特徴とする半導体膜の表面ムラ検出装置。 - 前記表示部は、複数の前記エネルギー密度において、前記表面ムラに基づいた前記表示を行うことを特徴とする請求項1記載の半導体膜の表面ムラ検出装置。
- 前記演算部は、前記色成分に基づいて前記カラー画像をモノクロ化し、モノクロ化された画像のデータをコンボリューションして画像濃淡を強調した画像データを取得し、画像濃淡を強調した前記画像データを射影変換して表面ムラとして数値化することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体膜の表面ムラ検出装置。
- 前記表示部は、複数の前記エネルギー密度において数値化された明度に基づいて前記表示を行うものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体膜の表面ムラ検出装置。
- 前記演算部は、複数の前記エネルギー密度において、数値化された前記表面ムラまたは表面ムラおよび前記明度に基づいて、適正なエネルギー密度を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体膜の表面ムラ検出装置。
- 半導体膜にレーザ光を照射して前記半導体膜のアニール処理を行うレーザアニール装置において、
前記半導体膜に照射するレーザ光を出力するレーザ光出力部と、
前記半導体膜上におけるレーザ光のエネルギー密度を調整する出力調整部と、
前記半導体膜を走査する走査部と、
請求項1〜5のいずれかに記載の半導体膜の表面ムラ検出装置と、を備えることを特徴とするレーザアニール装置。 - 前記出力調整部と、前記レーザ光出力部と、前記走査部とを制御する制御部を備え、
該制御部は、前記レーザ光出力部から出力され、前記出力調整部によってエネルギー密度を変えたレーザ光を、前記走査部によって照射位置を変えた前記半導体膜の複数箇所に照射して、一つの半導体膜に、異なるエネルギー密度で照射された複数の照射領域を互いに位置を変えて設けることを特徴とする請求項6記載のレーザアニール装置。 - レーザ光照射によりアニール処理された半導体膜を用意する工程と、
前記半導体膜に検査光を照射する照射工程と、
前記半導体膜において前記検査光が反射した反射光を受光する受光工程と、
前記受光工程で取得したカラー画像の色成分に基づいて前記半導体膜の表面ムラを数値化する演算工程と、
数値化された前記表面ムラに基づいた表示と、基板に照射されたレーザ光のエネルギー密度との関係に基づいた表示を表示部に行う表示工程と、を有し、
前記演算工程では、前記受光工程で取得したカラー画像に基づいて明度を数値化し、
前記表示工程で、前記表面ムラとともに前記明度に基づいた表示を行うことを特徴とする半導体膜の表面ムラ検出方法。 - 前記表示工程では、基板に照射されたレーザ光の複数のエネルギー密度と、前記エネルギー密度に応じた表面ムラとが表示されることを特徴とする請求項8記載の表面ムラ検出方法。
- 前記半導体膜は、異なるエネルギー密度において、位置が異なる複数箇所にレーザ光が照射されてアニールされたものであり、
前記照射工程と前記受光工程では、前記複数箇所毎に検査光の照射と反射光の受光とが行われ、
前記演算工程では、前記複数箇所毎に表面ムラが数値化されることを特徴とする請求項8または9に記載の半導体膜の表面ムラ検出方法。
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