JP6095578B2 - 全身における組織恒常性の撹乱をモニターする方法及び手段 - Google Patents

全身における組織恒常性の撹乱をモニターする方法及び手段 Download PDF

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Description

本発明は医療診断の分野に関する。本発明は、診断キットを含めた新しいツール、並びにとりわけ生理的プロセスの評価、生活習慣及び、環境暴露、疾患の早期診断及びモニタリング、及びその治療を目的とした、全身スキャン方法を提供する。
全身スキャンは、健康な状態及び疾病の診断及び治療を支援するための対象の全身のスキャンである。全身スキャンは、コンピュータ断層撮影(CAT)技術が使用される場合には全身CTスキャンとしても知られるが、全身スキャンを実施することができる医用画像技術には多数のタイプがある。全身スキャンは、理論的に、初期の致死的疾患(例えば、癌)を捕らえて、命を救うことができる。しかし、実際には、現在知られている全身スキャンの利点はリスク及びコストにまさることができない。したがって、疾患があるとは診断されていない患者、又は疾患を示唆する症候のない患者のスクリーニングに全身スキャンを使用することについては論争がある。疾患をスクリーニングするどの試験とも同様に、全身CTスキャンのリスクを初期の治療可能な疾患を特定する利点と比べる必要がある。ほとんどの他の診断X線処置と比較して、CTスキャンは、放射線被曝が比較的多く、晩年に癌を発症する可能性が極めて小さいもののそれでも有意に増加し得る。重要なことには、現行の撮像技術は、一度に1人の対象しか分析することができない高価な装置を必要とする。それに対して、血液検査は、多数の個体で並行して実施することができ、必要な計測手段は多数の診断検査室で広範に利用可能である。さらに、血液検査の場合、患者は、スクリーニングセンターに行く必要がなく、血液試料を地元で採取し、その後送付すればよい。
本発明者らは、初期に治療可能な疾患を特定する利点がリスクを大きく上回る、対象の全身をスキャンする代替の手段及び方法が必要であることを認識した。本発明者らは、生理的プロセスの評価、健康状態全般のスクリーニング、並びに疾患の早期診断及びモニタリング及びその管理(例えば、治療)を目的とした概念的に新しい全身スキャンシステムを開発した。この全身スキャンシステムは、フローサイトメトリーボディスキャン(Flow Cytometric Body Scan)(FlowBoScan)、又は撹乱された組織恒常性及び疾患を映す鏡として組織マクロファージを血液中で使用する組織マクロファージスキャン(Tissue Macrophage Scan)(TiMaScan)を含む。この新規ツールは、有害な照射に体を暴露させる必要がない。対照的に、TiMaScanは、末梢血などの容易に入手可能な体試料に対して実施することができる。
ヒト及び動物の体の組織コンパートメントはすべて、細胞増殖と細胞死、主にアポトーシス(I型)及び自己貪食(II型)によるプログラム細胞死の繊細な恒常性バランスによって維持されている。組織のタイプに応じて、恒常性活性は上下する。例えば、腸上皮細胞、骨髄造血細胞及び皮膚上皮は代謝回転が速いが、この代謝回転は神経系、肝臓、腎臓、筋肉などの別の組織では遅い。それでも、全組織において、恒常性レベルが高くても低くても細胞恒常性が維持される。基本的恒常性レベルに加えて、活性化、再生及び老化プロセスは、増殖及び細胞死の恒常性に影響を及ぼし、増大又は退縮をもたらす。例えば、頻繁な使用による活性化は、スポーツにおける特定の身体トレーニングによる筋肉体積及び組成の増加、練習中断時のこうした筋肉の退縮など、基本的恒常性レベルをより高い恒常性レベルに高める。さらに、重労働又は化学品暴露による皮膚の損傷は、手掌及び足裏の皮膚を厚くし、損傷が消滅すると皮膚肥厚は消失する。
以下の特定の症状は、細胞恒常性レベルを変化させ、さらには撹乱さえし得る。
−組織損傷(外傷又は外科的介入)及びそれに続く修復、
−アルコール中毒及び肝機能障害又はマラソン及びトライアスロン参加並びに筋肉疲労などの器官系の機能的ストレス、
−(早発性)加齢性退縮(老化)、
−例えばコルチコステロイドなどの薬物による、抑制及びそれに続く再生、
−例えば自己免疫疾患における、炎症並びにそれに続く再生及び/又は線維形成による修復、
−結核、ライム病、Q熱などの持続性くすぶり型及び潜行性の感染症、
−増殖の調節不全と、それに続く過形成、潜在的にやはりそれに続く異形成及び悪性転換。
高い恒常性増殖及びアポトーシスレベルにもかかわらず、死細胞又は瀕死の細胞は組織切片にはめったに認められない。死細胞及びアポトーシス細胞は組織マクロファージによって素早く効率的に除去されていることが明白である。個々の組織マクロファージは、関係組織において特別な(限られた)領域のために働き、アポトーシス細胞及び他の組織損傷を効率的に除去できると考えられる。各組織マクロファージは、限られた数のアポトーシス細胞(例えば、細胞のサイズ及びタイプに応じて20から40個の細胞)を扱う可能性が高いので、監視領域の体積/サイズは、組織のタイプ及び関係組織の恒常性活性レベルに依存する。恒常性レベルが高いほど、又は修復若しくは増殖レベルが高いほど、関係組織を壊死組織片のない状態に維持し、組織の機能障害による構造的組織変化を回避するために、より多くの組織マクロファージが必要である。その結果、単位組織体積当たりの組織マクロファージ数は、組織タイプ、組織活性、損傷後の炎症又は修復の発生率などに応じて変わり得る。組織マクロファージがその作用空間におけるその局所的任務を果たすとすぐに、これらの末期マクロファージは、その作用部位を離れ、リンパ管を介して血流に移動し、恐らくはひ臓において、体から排除される。
骨髄中の単球分化経路は、CD14高/CD16−古典的単球(「組織流入」単球)を連続的に産生する。これは、血液中で利用可能になり、炎症性単球として患部組織に補充することができ、そこで成熟してCD14高/CD16+及びCD14高/CD16高組織マクロファージの不均一な(het)集団になる(図1)。これらの細胞がその監視及び食作用の任務を果たすとすぐに、それらは末期マクロファージとなり、リンパ管系を介してCD14het/CD16het CTMとして血流に移動し(「組織流出」単球/マクロファージ)、そこではそれらは脆弱な細胞であり、寿命が短い(図1)。
少なくとも部分的には、CTMは末梢血において検出可能である。正常血液においては、不均一にCD14及びCD16を発現する小集団のCTMが検出可能である。これらのCTMは、加齢中及び特定の臨床状態、例えば、幹細胞移植(SCT)後、並びに炎症、敗血症、癌及び過剰な運動の場合に増加する(図2)。
推定される移動及び再循環プロセスは、古典的単球及びCTMの相対度数が部位ごとに異なり、骨髄及び血液中では不均一CD14+/CD16+及びCD14dim/CD16高CTMの度数が低く、リンパ液中では度数が高いという知見によって支持される(表1)(Orfao等、未発表の結果)。
健常者と疾患状態の両方において、各組織マクロファージの食胞中のタンパク質断片及びペプチドのセットは、組織特異的ペプチドからなると考えられる。というのは、組織マクロファージの監視領域が1つの組織タイプ、恐らくは更に関係組織内の小組織領域に限られる可能性が高いからである。その結果、ある一定の瞬間における血液中のCTMの全集団は、全身の組織すべての恒常性レベルを反映している。食胞ペプチドのセットに基づいて、個々のCTMをその起源組織に帰属できるはずである。循環組織特異的マクロファージ(CTSM)の相対組成は、血液中の相対及び絶対数において、並びに異なる組織由来のタンパク質断片及びペプチドのその含有量において、安定である可能性がある。ただし、年齢に関連した、性別に関連した、代謝に関連した、及び活性に関連した差が生じる。というのは、かかる差は細胞恒常性に影響を及ぼすからである。重要なことには、体内の任意の部位における(組織損傷などの)恒常性変化は、相対及び絶対数の変化、並びに循環組織マクロファージの集団におけるタンパク質断片及びペプチドの細胞内レベルの相対組成の変化をもたらす。かかる変化は、1つ以上の異なるサブセットのCTM及びCTSMを含み得る。かかる変化としては、通常は発現されるエピトープの欠如、通常は存在しないエピトープの異常発現、又は通常発現されるエピトープの発現レベルの変化が挙げられる。
本発明においては、本発明者らは、細胞表面マーカーの独特の組合せを使用した、血液中の循環組織マクロファージ(CTM)及びそのサブセットを検出及び同定するシステムを開発した。このシステムは、組織において単一CTMによって局所的に捕獲されたタンパク質(例えば、ペプチド)の(例えば、1種類以上のプロテアーゼによる)細胞内プロセシング及び分解に由来する産物に対するエピトープの認識に焦点をおいたものである。新規システムの具体的な能力は、個々のCTMサブセットの起源について血液試料中のCTMコンパートメント全体のスクリーニングが可能であることに関わり、複数の組織特異的タンパク質断片又はペプチドの組合せに基づいてこれらのサブセットの定義づけが可能であることに関わる。さらに、これらの循環組織特異的マクロファージ(CTSM)の更なるサブセット化は、腫よう性タンパク質などの異常発現タンパク質に由来するペプチドなどの別のペプチドの発現に基づくことができる。このようにして、全CTMコンパートメントが、恒常性であろうと撹乱であろうと、全身の種々の組織における進行中のプロセスを示す(反映する)。これらのCTMサブセットの測定によって、これらの疾患の組織局在化を含めて、健康状態のモニタリング、及び特定の疾患のスクリーニングが可能になる。診断が行われるとすぐに、関連するCTMサブセットのモニタリングを、例えば、疾患の消滅又は安定性を評価するために、及び/又は治療の有効性を評価するために、個体の状態の経過観察に使用することができる。
血液中のCD16組織マクロファージは、古典的CD14++/CD16単球に直接由来しないが、組織における監視及び食作用に能動的に寄与し、リンパ管系を介して血流に再循環した組織マクロファージに由来する(Van Dongen及びOrfao、未発表データ)。 幾つかのタイプの単球/マクロファージサブセットは、正確なフローサイトメトリーゲーティング戦略と、それに続くCD14及びCD16染色パターンの分析によって検出することができる。A.健康なドナーにおいては古典的単球はCD14/CD16であるが、CTM集団はCD14及びCD16の不均一な(het)発現を示し、この集団が幾つかのサブセットからなることを示している。B.感染症(例えば、野兎病菌)患者においては、CD14het/CD16hetサブセットは相対的にも絶対的にも増加する。C.幾つかのCTMサブセットは、野兎病菌感染患者のCD14−CD16ドットプロットにおいて特定することができる(A.Orfao等、未発表結果)。 CD14/CD16古典的単球とより不均一なCTMの正確な識別は、CD14、CD16、CD33、CD45、CD64、CD123、CD300e、HLADRなどの評価マーカーすべての主成分分析(APS view、Infinicytソフトウェア;Cytognos、サラマンカ、ES)によって改善することができる。A.CD14/CD16ドットプロット及びCD14/CD123ドットプロットは、古典的単球とCTMが連続体であることを示唆している。B.APS1における全8種類のマーカーの主成分分析によれば、古典的単球とCTMは別々の集団である。APS2の図においては、これら2つの集団は密接に関連しているように見える。 血液白血球のCD14、CD16、CD36、CD45、CD64、CD300e及びHLADRの発現に対する染色によって、古典的単球及び少なくとも3つのCTMサブセット、すなわち、初期CTM、後期CD36+CTMサブセット、及び後期CD36−CTMサブセットが極めて正確に認識される。現れた染色においては、まず、中間SSC及びCD45に対するゲーティングが行われ(パネルA)、続いてCD300e及びHLADR陽性に基づく包含ゲーティングが行われる(パネルB)。含まれる細胞は、古典的単球すべて及びCTMすべてであり、これは更にCD14及びCD16マーカーを用いて評価することができ(パネルC)、3つの主サブセット、すなわち古典的単球、初期CTM及び後期CTMを生成する(パネルD)。初期CTMの正確な認識、及びCTMの更なるサブセット化はCD64及びCD36を使用して可能である(パネルE及びF)。CD64は、初期CTM(及び古典的単球)上でより高いレベルで発現されるが、他のCTMサブセットはすべてCD64をより低いレベルで発現する(パネルF)。CD64低CTM(後期CTM)は、高から陰性までの不均一なCD36発現を示す(パネルE及びF)。評価した全7種類のマーカーのAPS viewによれば、種々の単球/マクロファージ細胞集団(パネルG)、すなわち古典的単球、初期CTM、CD36−後期CTMサブセットを含めた後期CTMサブセットが明確に分離される(パネルH)。 血液白血球のCD14、CD16、CD36、CD45、CD64、CD300e及びHLADRに対する染色によって、古典的単球及びCTMサブセットが正確に認識される。これらの単球及びCTMサブセットは、年齢(小児期、青年期、成体、高齢者)、疾患タイプ(局所的、全身的など)、病期(急性、慢性、くすぶり型など)に応じてその組成が異なり得る。パネルAは、成体において典型的に見られるCD300e/HLADR細胞集団のパターンを示す。それに対して、パネルBの病気の子供の血液試料は異なるパターンを示し、成体血液では小さい又は存在しないCD16低/CD14−/CD36−/CD64低CTM集団の存在が顕著である。注:成体血液中のほとんどのCD36−後期CTMはCD16を高いレベルで発現する。 9名の健常対照群及び診断時の9名の神経こう腫患者の血液試料に対するCD14/CD16/CD45/CD300e/HLADR/GFAP染色の結果。抗GFAP抗体は、タンパク質のN末端エピトープに対するものであった。パネルA:健常対照群(左パネル)及び神経こう腫患者(右パネル)におけるGFAP染色の例。神経こう腫患者においては、GFAP陽性初期CTMのクラスターが確認されたが、かかかる細胞は健常対照群では検出されなかった。パネルB:初期CTM集団内のGFAP+細胞の割合を、全CD300e+細胞(単球及びCTM)当たりの初期CTMの割合、及び神経こう腫のサイズに対してプロットした。実質的にすべての神経こう腫患者(7/9)が1%を超えるGFAP+初期CTMであった。重要なことには、GFAP陽性細胞の度数も、神経こう腫瘤のサイズと幾らかの相関を示す。 異なるタイプの疾患又は健康状態におけるCTSMの増加の例。A.心筋梗塞。B.骨折。C.結腸癌。D.転移乳癌。E.骨における転移癌。F.アテローム性動脈硬化症。G.アルツハイマー病。H.多発性硬化症。I.自己免疫性甲状腺炎。J.シェーグレン症候群。K.1型真性糖尿病。L.全身性硬化症。M.SLE患者における糸球体腎炎(Glomerulonephrites)。N.ライム病。O.結核。P.肺アスペルギルス。Q.筋肉トレーニング。R.組織損傷の外科的介入
したがって、一実施形態においては、本発明は、撹乱された組織恒常性及び疾患を映す鏡として循環組織マクロファージ(CTM)を使用して、対象における組織損傷の早期検出、疾患の早期診断及びモニタリング、及び/又は治療の有効性の評価のために、対象の健康状態を判定する方法を提供する。この方法は以下のステップを含む。
a)循環組織マクロファージ(CTM)を含む前記対象由来の生物学的試験試料を用意するステップ、
b)異なるCTMサブセットの特定及び列挙のために、骨格マーカーCD14、CD16及びCD300e並びに好ましくは更にHLADRに対する異なって標識された異なる抗体のパネルで前記CTMを染色するステップ、
c)その起源組織における個々のCTMによる非CTMタンパク質の細胞内分解に由来する少なくとも1個のプロテアーゼ誘導タンパク質断片上の1種類以上のエピトープに対する1種類以上の検出抗体を使用した前記CTMの固定、透過化及び染色、それによって循環組織特異的マクロファージ(CTSM)の少なくとも1つのサブセットを特定するステップ、
d)個々の細胞に関連した各々異なる標識抗体の信号量を測定するための骨格マーカーCD14、CD16及びCD300eのゲーティングによる前記染色CTM及びCTSMの多パラメータフローサイトメトリー分析のステップ、
e)各CTMサブセット、及び測定された細胞内エピトープの各々を発現する各特定のCTSMサブセット内の個々の細胞の相対及び絶対数を測定するステップ、
f)(i)評価された個々のプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1セットによって規定された異なる正常及び変化組織から各々生ずる各CTMサブセット及び各特定のCTSMサブセット内の細胞の相対及び絶対数と、ii)評価された個々の細胞内ペプチドごとに関連付けられた抗体関連信号の量とを計算して、試験CTSM染色プロファイルを得るステップ、並びに
g)前記試験CTSM染色プロファイルを各評価組織の正常CTSM染色プロファイルと比較し、異常な試験染色プロファイルが組織損傷、変化した組織恒常性、疾患の存在、及び/又は耐性に対する治療の有効性を示すステップ。
IREM2は「骨髄細胞によって発現される免疫受容体2」を表す。CD抗原の命名法においては、このタンパク質は、CD300E又はCD300eと命名された。このタンパク質は、CD300LE[CD300分子様ファミリーメンバーLE]としても知られる。IREM2発現は、単球、マクロファージ及び樹状細胞に限定されると考えられ、分化によって下方制御される。
HLADRは、染色体6領域6p21.31上のヒト白血球抗原複合体によってコードされるMHCクラスII細胞表面受容体である。HLADRは、αβヘテロ二量体、細胞表面受容体であり、各サブユニットは2個の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞質側末端を含む。α鎖とβ鎖の両方は膜に固定される。HLADRとそのリガンドの複合体、9アミノ酸長以上のペプチドは、T細胞受容体(TCR)のリガンドを構成する。
本明細書では略語「CTM」は循環組織マクロファージを表す。「CTMサブセット」とは、CD14高/CD16+、CD14高/CD16高、CD14+/CD16高、CD14低/CD16高、CD14−/CD16高、CD14−/CD16低CTM、CD11c+/CD16+、CD11c+/CD16高、CD11c+/CD16低CTM、CD33高/CD16+、CD33高/CD16高、CD33+/CD16高、CD33+/CD16低CTM、CD300e+/CD16+、CD300e+/CD16高、CD300e+/CD16低CTM、CD16+、CD16高、CD16低CTM、CD14高/CD16+/CD300e+/HLADR+、CD14高/CD16高/CD300e+/HLADR+、CD14+/CD16高/CD300e+/HLADR+、CD14−/CD16高/CD300e+/HLADR+、及びCD14−/CD16低/CD300e+/HLADR+CTMを含めて、CTMの種々のサブセットを指す。
「CTSM」とは、循環組織特異的マクロファージを指し、その組織特異性は、組織特異的タンパク質由来のプロテアーゼ消化断片(ペプチド)の細胞内染色によって規定される。「プロテアーゼ誘導タンパク質断片」は、摂取され、処理され、マクロファージの食胞中でプロテアーゼによって消化された非CTMタンパク質に由来する断片又はペプチドである。「骨格マーカー」という表現は、CTMコンパートメント及びCTMサブセットの特定及び列挙のためのマーカーの反復セットを指す。これらのマーカーに加えて、追加の膜マーカー及び細胞内染色を、CTMサブセット、特に組織特異的マクロファージ、いわゆるCTSMサブセットの特定に使用することができる。
本発明によれば、骨格マーカーのセットは、少なくともマーカーCD14、CD16及びCD300eに対する抗体を含み、好ましくはHLADR及び/又はCD45が補充される。一実施形態においては、CD14、CD16及びCD300eの組合せを使用する。別の一実施形態においては、CD14、CD16、CD300e及びHLADRの組合せを使用する。好ましくは、それは、さらに、CD11c、CD33、CD35、CD36、CD45及びCD64マーカーの1種類以上に対する抗体を含む。CD45、CD36及び/又はCD64抗体が特に好ましい。極めて有用である抗体パネルは、CD14、CD16、CD300e及びCD64;CD14、CD16、HLADR及びCD64;CD14、CD16、CD300e、HLADR及びCD64;CD14、CD16、CD300e、HLADR及びCD45;CD14、CD16、CD300e、HLADR、CD64及びCD36に対する抗体を含む、又は該抗体からなる。一態様においては、CTMの染色は、マーカーCD14、CD16、CD11c、CD33、CD36、CD45、CD64、CD123、CD86、CD300e及びHLA−DRに対する異なって標識された異なる抗体のパネルを用いて実施される。特定の一態様においては、CTMの染色は、マーカーCD14、CD16、CD300e、HLADR、CD45、CD64及びCD36に対する異なって標識された異なる抗体のパネルを用いて実施される。これにより、単球すべて及びCTMすべての正確なゲーティング、単球とCTMの正確な識別、及びCTMのサブセット化が可能になる(図3)。
非マクロファージ起源の摂取タンパク質の場合のマクロファージ分析は、当該技術分野において記述されている。しかし、本発明による少なくとも3種類の特異的表面マーカー(CD14、CD16、CD300eプラスHLA−DR及び/又はCD45)を発現する細胞のポジティブ選択に基づくマクロファージ標的集団のフローサイトメトリーサブセット化の利点は、記述も示唆もされていない。
Japink等(Gastroenterology、Elsevier、134巻4号(2008−04−01)、A−487ページ)は、直腸結腸新生物の早期検出又は再発のためのフローサイトメトリーによる血液試料由来のCD14+/CD16+細胞における細胞内癌胎児(carcinoemyonic)抗原(CEA)の測定を開示している。
Herwig等(European Urology Suppl.、5巻2号、(2006−04−01)、275ページ、XP005522982及びJ.of Urology、181巻4号(2009−04−01)、653ページ、XP025979386)は、前立腺癌の診断における細胞内PSA用の多色フローサイトメトリー分析CD14+/CD16+末梢血単核球を開示している。
国際公開第2010/015633号は、組織から循環系に再循環する血液マクロファージによって組織から細胞内に吸収される分子マーカーを特徴付ける方法を記述している。そのために、CD14/CD16陽性標的集団が、場合によってはCD56、CD57及び/又はCD161発現細胞のネガティブ選択と組み合わせて、規定される。
国際公開第2009/1000953号は、Aベータ断片の細胞内断片のための活性化マクロファージ(CD14/CD16)の分析に関する。Aベータ断片は、貯留細胞溶解物を生成する細胞溶解及び免疫沈降後のMALDI−TOF−MSによって検出される。CD45、CD14、CD16及びCD19に対する抗体の組合せを使用して、活性化マクロファージ及びB細胞集団を特定する。
Almeida等(Clin.Immunol.100巻3号、325〜338ページ、2001)は、正常ヒト末梢血系列(−)/CD16(+)/HLA−DR(+)/CD14(低)細胞、CD14(+)単球、及びCD160樹状細胞の形態学的、細胞化学的、免疫表現型的及び機能的特性の比較分析を実施した。CD14、CD16及びHLADRプラス他の系列特異的マーカー(例えば、Tリンパ球の除外のためのCD3、B細胞を除外するためのCD19、及びNK細胞を除外するためのCD56)に対する抗体の組合せを使用した単核球の細胞選別を開示している。選別された細胞は、続いて、単球特異的特性の形態学的及び細胞化学的検査によって分析される。処理された組織特異的タンパク質の細胞内染色については記述も示唆もされていない。
本明細書の多色フローサイトメトリー法は、好ましくは、側方散乱(SSC)分析と組み合わせた、CD14、CD16及びCD300e(IREM2)、好ましくはCD14、CD16、CD300e(IREM2)及びHLADRの細胞表面発現に基づく特異的ゲーティング戦略を含む(図4)。単球−マクロファージ細胞集団のゲーティング戦略は、包含ステップ及びサブセット特定ステップで構成される。包含ステップは、「古典的単球」(「組織流入」単球)と組織マクロファージ(「組織流出」単球/マクロファージ=循環組織マクロファージ;CTM)の両方の包含を目的とする。後続ステップは、古典的単球をCTMから識別すべきであり、特にCTM集団内のサブセットを特定すべきである。したがって、本発明の一実施形態においては、ゲーティング戦略は、(i)古典的単球とCTMの両方を含む包含ゲーティング戦略と、それに続く(ii)古典的単球をCTMから識別し、CTM集団内の1つ以上のサブセットを特定する、サブセット特定ゲーティング戦略を含む。
種々のゲーティング戦略を考えることができる。古典的単球すべて並びにCTMの大多数及び一部のCTMサブセット化を検出するための最も単純な戦略は、少なくともCD14、CD16及びCD300eによる染色を含む。古典的単球すべて及び(すべてではないが)大部分のCTMは、側方散乱(SSC)とCD300e(IREM2)+細胞の組合せに対するゲーティングによって検出される(CD300eを発現する低〜中間SSCの細胞を選択する)。古典的単球すべて並びに実質的にすべてのCTM及び一部のCTMサブセット化を検出するためのより正確な戦略は、少なくともCD14、CD16、CD300e及びHLADRによる染色を含む。古典的単球すべてと実質的にすべてのCTMは、側方散乱(SSC)とCD300e及びHLADRの組合せに対するゲーティングによって検出される(すなわち、同時にCD300eとHLADRを同時発現する低〜中間SSCの細胞を選択する)。古典的単球すべて並びにCTMすべて及び一部のCTMサブセット化を検出するための極めて正確な戦略は、少なくともCD14、CD16、CD45、CD300e及びHLADRによる染色を含む。全流入及び全流出単球/マクロファージは、側方散乱(SSC)とCD45、CD300e及びHLADR陽性細胞の組合せに対するゲーティングによって検出することができる。より具体的には、同時にCD300eとHLADRを同時発現するCD45を有する低〜中間SSCの細胞が選択される(図4A及びB)。したがって、包含ステップは以下のいずれか1つを含むことができる。
(i)CD300eを発現する低〜中間SSCの細胞を選択するための、少なくともCD14、CD16及びCD300eによる染色、及びSSCとCD300e+細胞の組合せに対するゲーティング、
(ii)同時にCD300eとHLADRを同時発現する低〜中間SSCの細胞を選択するための、少なくともCD14、CD16、CD300e及びHLADRによる染色、及び側方散乱(SSC)とCD300e及びHLADR+細胞の組合せに対するゲーティング、又は
(iii)少なくともCD14、CD16、CD45、CD300e及びHLADRによる染色、及びSSCとCD45、CD300e及びHLADR陽性細胞の組合せに対するゲーティング、好ましくは同時にCD300eとHLADRを同時発現するCD45を有する低〜中間SSCの細胞に対するゲーティング(図4A〜D)。
本発明は、CTMサブセットの特定のための幾つかのゲーティング戦略も提供する。一実施形態においては、その戦略によって、古典的単球(CD14+/CD16−)及び一部のCTMサブセットの特定が可能になる。CTMサブセットは、上記包含ゲートの一つ内で、好ましくは少なくともSSC、CD300e及びHLADRを使用して、少なくともCD14及びCD16の追加の使用に基づき、規定される。したがって、一実施形態においては、ゲーティング戦略は、古典的(CD14+/CD16−)単球と、CD14高/CD16低〜CD14高/CD16高並びにCD14低/CD16高〜CD14−/CD16高及びCD14−/CD16低として特定される2つの主要なCTMサブセットとの特定を含む(図4D)。
別の一実施形態においては、サブセットゲーティング戦略は、少なくともCD14、CD16及びCD64の追加の使用に基づく、(好ましくは、少なくともSSC、CD300e及びHLADRを使用する)上記包含ゲートの一つ内の古典的単球及び幾つかのCTMサブセットのより正確な検出を可能にする3ステップからなる。
第1ステップにおいては、古典的単球及びより成熟したCTM段階は、CD64低(後期CTM)対CD64高(古典的単球プラス初期CTM)に対するゲーティングによって特定される。第2ステップは、CD16+/CD14+表現型を有する事象としての他の初期CTM細胞すべて(対古典的単球)の選択による単球とCTMの識別を目的とする。その結果、CD64低及びCD16+/CD64高として規定された選択細胞はCTMコンパートメント全体を構成し、一方、一般的ゲーティングステップで選択された他のゲート細胞すべては古典的単球に相当する。第3ステップにおいては、選択されたCTM間のCD64、CD14及びCD16の発現レベルに基づき、異なる機能又は成熟関連コンパートメントに更に細分することができる:CD64高/CD14高/CD16低〜CD64高/CD14高/CD16高、CD64高/CD14低/CD16高、CD64低/CD14−/CD16高及びCD64低/CD14−/CD16低。したがって、一態様においては、サブセット特定ステップは以下を含む。
−後期CTMを表すCD64低対古典的単球プラス初期CTMを表すCD64高に対してゲーティングを行うこと、続いて
−他の初期CTM細胞すべて(対古典的単球)をCD16+/CD14+表現型を有する事象として選択することによって単球とCTMを識別すること、並びにCTMコンパートメント全体をCD64低として及びCD16+/CD64高として規定すること、続いて
−CD64、CD14及びCD16の発現レベルに基づいて選択されたCTMを異なる機能又は成熟関連コンパートメントに更に細分すること、好ましくは前記異なるコンパートメントはCD64高/CD14高/CD16低〜CD64高/CD14高/CD16高、CD64高/CD14低/CD16高、CD64低/CD14−/CD16高及びCD64低/CD14−/CD16低である。
更なる別の一実施形態においては、本発明は、古典的単球の前駆体を含む特定の試料(例えば、小児末梢血又は成体骨髄)の場合に役立ち得る、CTM集団の追加のサブセット化を可能にする戦略を提供する。CD64と組み合わせたCD36の使用は、以下の亜集団を用いて前述の戦略の第3ステップにおいて古典的単球とCTMの両方の成熟段階すべてをより良好に特定するのに寄与する(図4E〜H)。
−古典的単球:CD64高/CD36低(古典的単球の前駆体)〜CD64高/CD36高細胞(真の成熟単球)、
−CTMサブセット:CD64高/CD36高/CD14高/CD16低〜CD64高CD36高/CD14高/CD16高、CD64高/CD36高CD14低/CD16高及びCD64低/CD36高/CD14−/CD16高〜CD64低/CD14−/CD16低/CD36−〜低細胞。
これと共に、CD14、CD16、CD36及びCD64に基づく選択CTMを更に細分するステップを含み、好ましくは少なくとも1つの以下のCTMサブセットの特定を含む、方法も提供する。
CD64高/CD36高/CD14高/CD16低〜CD64高/CD36高/CD14高/CD16高、CD64高/CD36高/CD14低/CD16高、CD64低/CD36高/CD14−/CD16高及びCD64低/CD14−/CD16低/CD36−〜低細胞(図4及び図5)。
循環組織マクロファージを含むことが知られている、又は含むと思われている、ほ乳動物対象、典型的にはヒト対象から単離された任意のタイプの生物試料を使用することができる。例えば、生物学的試験試料は、末梢血、腹水、胸水、脳脊髄液、骨髄、リンパ節、リンパ液、滑液、又は固体組織から調製される単一細胞懸濁液を含む。末梢血は、静脈穿刺などの最小侵襲手順によって対象から容易に得ることができるので、特に適している。
本発明の方法は、CTSMサブセットに関する情報の組合せを可能にする多管形式で実施するのが有利である。これは、正常な恒常性状態では、個々のCTSMが単一組織からのペプチド(タンパク質断片)にのみ陽性であるという妥当な仮定に基づく。したがって、2個以上の一定分量の同じ生物学的試験試料をCTMサブセットの特定のために同じ骨格マーカーで、ただし個々のCTSM集団のより詳細なサブセット化のための異なる追加の抗体試薬で、組織起源に従って、組織関連タンパク質に由来するプロテアーゼ誘導タンパク質断片の検出に基づき、全身の組織における恒常性状態のスキャニング及び組織恒常性の潜在的撹乱を目的として、並行して染色する方法も提供する。
Herwig他(2004、2005、EP1516182)及びLeers等(2008)は、彼らが細胞内前立腺特異抗原(PSA)を含むと主張する循環CD14het/CD16het組織マクロファージの存在の前立腺癌患者における検出を開示した。Leers等(2008)は、良性過形成対限局性前立腺癌対転移前立腺癌の患者において、血液中のPSA陽性組織マクロファージの度数が次第に増加すると結論づけた(Leers et al,Am J Clin Pathol 2008)。しかし、彼らの提示したフローサイトメトリーデータは、PSA染色に関して偽陽性の結果を含むように見える。
−PSA陽性細胞は、「制御された」マーカー設定によるCTM集団からのカットオフ以外、分離集団として検出することができない。
−外見上PSA陽性のCD14dim/CD16高組織マクロファージの高い度数は、光散乱プロットとCD14対CD16プロットの両方で異常な位置にあり、二重形成を示し、その結果、PSAに対して偽陽性の可能性があることを示している。
したがって、CTMの高い度数は前立腺由来のものであろうとも、PSA染色による決定的な証拠は説得力がない。これは、CTSM集団中に存在するPSAペプチドに対する適用された抗PSA抗体の反応性が不十分であることに起因する可能性が高い。この状況では、適用されたPSA抗体が、PSAの細胞内プロセシング及び分解に由来する断片又はペプチド上のエピトープではなく、無処置のPSAタンパク質を認識するように選択されたことに注意しなければならない。その結果、PSA抗体によって認識された最初のPSAエピトープは、CTSM中に存在したPSAペプチドでは失われ、したがって検出不可能である可能性が高い。
Herwig等(European Urology Suppl.、5巻2号、(2006−04−01)、275ページ、XP005522982及びJ.of Urology、181巻4号(2009−04−01)、653ページ、XP025979386)、Leers等(2008)、Brozek(国際公開第2010/015633号)、及びJapink等(Gastroenterology、Elsevier、134巻4号(2008−04−01)、A−487ページ)によるゲーティング戦略は、CTMすべての包含には不十分であり、すべての非CTMの除外にも不十分である。これは、主に、上記科学者らが、SSC及びCD45のみに基づく包含ゲーティング、又はCD19、CD56、CD57及び/又はCD161に基づくネガティブ選択を選択して、多重細胞(cell multiplets)の適切な排除を確認しなかったことに起因する。かかるゲーティング戦略は、偽陽性の結果をもたらし、偽陰性の結果ももたらし得る。
他者(Herwig等、Leers等及びJapink等)及び本発明者ら自身のグループによる以前の研究とは対照的に、本発明者らは、ここで、T、NK及びBリンパ球などの他の細胞を除外する必要なしに、追加の陽性マーカー選択(CD300e+細胞及び好ましくは更にHLADR+)に基づく古典的単球及びCTMの異なるサブセットすべてを特定する手順を提案する。かかる手順により、CD300e−リンパ球を直接除外することが容易になり、同時に、CTMの選択が専らCD14+及び/又はCD16+細胞に基づく場合に通常除外される後期CD14−/CD16低CTMの特定が容易になる(図4及び図5)。
本明細書に記載の包含マーカー及びCTMサブセットマーカーのない診断CTMキットは、細胞集団の正確な相対及び絶対的定量化が必要である通常の診療に信頼して利用することができない。
本明細書に記載の方法のステップc)は、その起源組織における個々のCTMによるタンパク質の細胞内分解に由来する少なくとも1個のプロテアーゼ誘導タンパク質断片上の1種類以上のエピトープに対する1種類以上の検出抗体を使用した循環組織特異的マクロファージ(CTSM)の少なくとも1つのサブセットの特定を含む。当業者は、本発明の根底にある概念によれば種々の手法を企図できることが理解されるはずである。例えば、検出抗体試薬は、以下の細胞内染色のための抗体を含む(図6)。
a)細胞内プロセシングされた組織関連タンパク質に由来する単一プロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
b)1種類の細胞内プロセシングされた組織関連タンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
c)単一器官又は組織の正常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
d)単一器官又は組織の異常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
e)正常タンパク質のペプチドエピトープに対する少なくとも1種類の抗体と異常タンパク質のペプチドエピトープに対する少なくとも1種類の抗体の組合せを含めて、単一器官又は組織の正常及び異常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、並びに
f)2つ以上の器官又は組織の正常又は異常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ。
一実施形態においては、CTMのサブセット化に使用される骨格試薬のパネルを、2つ以上の器官又は組織の正常又は異常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープに対する1種類又は複数の試薬と組み合わせる。CTMのサブセット化に使用される試薬のパネルを、少なくとも1つが変化組織である異なる器官又は組織に由来する各々異なるタンパク質のペプチドエピトープに対する少なくとも2種類の試薬の組合せを含めて、2つ以上の異なる器官又は組織の正常及び異常細胞の2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープに対する1種類又は複数の試薬と組み合わせることができる。
一実施形態においては、少なくとも1種類の検出抗体によって異常タンパク質に由来する1種類以上のペプチドエピトープの検出が可能になり、好ましくは異常タンパク質が、発癌タンパク質、変異タンパク質、融合タンパク質、アレルゲンに由来するタンパク質、及びウイルス、細菌、寄生生物又は真菌のような病原体に由来するタンパク質からなる群から選択される。
マクロファージ中に存在するプロテアーゼ並びに組織特異的及び疾患特異的タンパク質によれば、各CTSMサブセットの食胞中に存在するペプチドを(少なくとも部分的に)予測することが可能である。関連する組織特異的タンパク質断片又はペプチドに対する抗体の開発によって、循環組織マクロファージの詳細な特性分析、及び異なるCTSMの複数のサブセットの特定が可能になる。全CTM及びCTSMコンパートメントの組成が評価されると、例えば、加齢に関連した組織恒常性、組織ストレス、特定の疾患又は療法の変化に関係したCTM及びCTSM集団のサイズ及び相対組成の変化を検出及び特定することができる。
このようにして、CTM−CTSMコンパートメントのサイズ及び組成を精査することは、組織恒常性及び組織恒常性の撹乱を映す鏡となる。その結果、経時モニタリングによって、特定の活動、老化、疾患、治療などに起因する恒常性変化の発生を見通すことができる。したがって、CTSMサブセットのフローサイトメトリー分析は、組織統合性及び/又は組織撹乱の評価のための診断ツールを提供する。それによって、フローサイトメトリーCTSMサブセットスクリーニングは、全身スキャニング、いわゆる「フローサイトメトリーボディスキャニング」(FlowBoScan)又は「組織マクロファージスキャン」(TiMaScan)のための感度の高い方法になる。
FlowBoScan又はTiMaScanは、古典的CTスキャン又は別の全身スキャン及び撮像システムよりも感度が高い可能性が高い。というのは、CTSMコンパートメントは、損傷、炎症、癌などの恒常性が撹乱された組織に特に注目して単一細胞中に濃縮された組織すべてからの「組織ごみ」(アポトーシス及び死細胞)の集まりによって拡大ボディスキャンを提供するからである。その結果、本明細書に開示するCTSMに基づくスキャンは、したがって、欠陥が低レベルで散在するときと欠陥が小さい限局的な欠陥として存在するときの両方で、初期の組織損傷又は疾患を検出することができる。さらに、診断がなされ、治療が開始されるとすぐに、関連するCTSMサブセットをモニターして、療法の有効性、すなわち疾患過程に関係するCTSMの消滅(又は残存)を見通すことができる。
治療の有効性のモニタリングと並行して、施される療法の毒性も、望ましくない副作用、例えば、細胞毒の造血細胞関連毒性としてやはり療法によってより標的とされやすい別の組織に由来するCTSMサブセットを分析することによってモニターすることができる。その結果、組合せられたCTSMの結果に従って療法強度を誘導することさえ可能になり得る。この形式の個別化医療は、その後の続発症を防止し、それによって生活の質を高めるのにますます重要になってきている(Alllison、Nature Biotechnol 2008)。
本発明による方法において提案された組織恒常性撹乱の測定は、一見、血清タンパク質の測定に似ているように思えるかもしれない。しかし、血清中の組織タンパク質の一部しか検出することができない(例えば、肝臓トランスアミナーゼ、PSA及びカリクレインファミリーの別のセリンプロテアーゼ、又はミオグロビン)。さらに、心筋梗塞、肝損傷などの実質的な組織損傷の場合にのみ、これらの血清タンパク質レベルが増加する。血清中の他の組織タンパク質は容易に検出することができない。これは、分化した輸送タンパク質、C反応性タンパク質(CRP)及び他の血しょうタンパク質を介して、さらに、局所的細胞プロテアーゼ及び炎症又は食細胞(例えば、組織マクロファージ)による組織タンパク質破壊を介して、自己抗原を免疫監視から隠す生理学的機序と一致する。最後に、放出された組織特異的タンパク質は、正常な恒常性及び正常な恒常性の撹乱初期においては体全体で多量の組織液(例えば、リンパ)及び血清で希釈されて、典型的には検出不可能な濃度になる。
本明細書に記載のCTSMサブセットの検出及び特定システムは、単一CTSM細胞における細胞内プロセシング及び消化されたタンパク質(例えば、ペプチド)に由来する断片上のエピトープの検出に焦点がおかれている。このシステムは「FlowBoScan」又は「TiMaScan」と称され、CTM及びCTMサブセット並びにこれらのCTMの組織特異的サブセットであるCTSM及びCTSMサブセットの相対及び絶対的な度数の評価によるフローサイトメトリーボディスキャンである。上記システムの特定の能力は、個々のCTSMサブセットの起源について血液試料中のCTSMコンパートメント全体のスクリーニングが可能であることに関わり、腫よう性タンパク質、融合タンパク質、アレルゲン由来のタンパク質、微生物由来のタンパク質などの異常発現又は疾患関連タンパク質に由来するものを含めて、複数の組織特異的タンパク質断片(ペプチド)の組合せに基づいてこれらのサブセットの定義づけが可能であることに関わる。このようにして、全CTSMコンパートメントが、恒常性であろうと撹乱であろうと、全身の種々の組織における進行中のプロセスを示す(反映する)。
血液中の標的細胞としては、CD16+組織マクロファージ(例えば、CD14het/CD16het CTM)、CD14++/CD16−単球、及び骨髄樹状細胞(CD11c+/CD14−/CD16−/HLADR+)、形質細胞様樹状細胞(CD11c−/CD123++/CD14−/CD16−/HLADR+)、樹状細胞前駆体などの循環樹状細胞の異なる集団が挙げられる。異なる器官及び組織に由来するCTSMは、正常な生理的条件下でリンパ管系及び血液を介して循環する。したがって、血液中の存在とは別に、それらは、その起源組織にも、とりわけ腹水、胸水、局所又は所属リンパ節に排出されるリンパ液などの別の関連体液にも見ることができる。本発明においては、本発明者らは、主に(ただしそれだけに限定されないが)血液中のCTSMコンパートメントに焦点を合わせる。
血液中のCTSMの特定及び列挙のために、多パラメータフローサイトメトリーが適切に使用される。フローサイトメトリー手順は、血液試料中のCTMの全集団の同時特定、並びに1つ又は複数の器官及び組織において組織マクロファージによって処理された組織及び/又は疾患関連タンパク質由来の1個又は複数の断片又はペプチドの1種類以上のエピトープの細胞内存在に関して単一細胞レベルでのCTM全集団の特性分析(CTSMサブセットの特定)を目的とする。
この目的のために、異なって標識された抗体マーカーの2つのグループの組合せで血液試料を染色する(表2参照)。
1.CTMの異なるサブセットの特定及び列挙を目的とした第1のセットの(骨格)マーカー、
2.その起源組織において個々のCTMによって処理された1種類以上のタンパク質の分解に由来するタンパク質断片又はペプチドの1種類以上のエピトープの同時細胞内検出に向けた第2のグループのマーカー。
これらの抗体は、その別々の検出及び定量化を可能にする検出可能な標識が付けられている。検出可能な(例えば、蛍光色素)標識は、当該技術分野で知られている。例えば、異なって標識された抗体試薬のパネルは、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、フィコエリトリン(PE)、ペリジン葉緑素タンパク質(PerCP)、アロフィコシアニン(APC)、alexa fluor 488、alexa 647、alexa 710、alexa fluor 405、cyanin 5(Cy5)、Cyanin 5.5(Cy5.5)、pacific blue(PacB)、brilliant violet(例えば、BV421)、horizon violet 450(HV450)、pacific orange(PacO)、HV500、Krome Orange、OC515、量子ドット、及びPE、APC又はPerCPと結合したその複合物(例えば、PE/Cy5、PE/Cy5.5、PE/Cy7、PerCP/Cy5.5、APC/Cy7、PE−Texas Red)、APCCy750から選択される適合蛍光色素の組合せ、又は任意の追加の適合蛍光色素若しくは蛍光色素タンデムを含む。
別の一実施形態においては、異なって標識された抗体試薬のパネルは、適合放射性同位体の組合せを含む。
表2 CTM及びCTSMの試料調製及び多色染色の例示的手順
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手順A CTM及びCTSMの細胞表面マーカーの染色
1.各特異的CTM又はCTSM抗体パネルの推奨に従って細胞表面マーカーに対する適切な体積の抗体を添加する。
2.必要に応じて、PBS+0.5%BSAを使用して最終体積100μL/管にする。
3.十分混合する。
4.光から保護して室温(RT)で15分間インキュベートする。
5.1×FACS溶解液(蒸留水(dHO)で1/10vol/vol希釈された10×FACS溶解液;Becton Dickinson、サンホゼ、CA)2mLを添加する。
6.十分混合する。
7.光から保護して室温で10分間インキュベートする。
8.540gで5分間遠心分離する。
9.パスツールピペット又は真空系を使用して細胞ペレットを乱さずに上清を廃棄して、各管に約50μLを残す。
10.2mLのPBS+0.5%BSAを細胞ペレットに添加する。
11.十分混合する。
12.540gで5分間遠心分離する。
13.パスツールピペット又は真空系を使用して細胞ペレットを乱さずに上清を廃棄して、各管に約50μLを残す。
14.細胞ペレットを200μLのPBS+0.5%BSAに再懸濁させる。
15.染色後の細胞を得る、又は(すぐに得られない場合)多色フローサイトメーターで測定するまで4℃で最大3時間貯蔵する。
手順B 細胞表面膜並びにCTM及びCTSMの細胞内マーカーの混合染色
16.手順Aステップ13から続く。
17.各特異的CTM又はCTSM抗体パネルの推奨に従って適切な体積の抗体を添加する。
18.必要に応じて、PBS+0.5%BSAを使用して体積100μL/管にする。
19.十分混合する。
20.光から保護して室温で15分間インキュベートする。
21.2mLのPBS+0.5%BSAを細胞ペレットに添加する。
22.十分混合する。
23.540gで5分間遠心分離する。
24.パスツールピペット又は真空系を使用して細胞ペレットを乱さずに上清を廃棄して、各管に約50Lを残す。
25.細胞ペレットを軽く混合して再懸濁させる。
26.試薬A(固定液Fix&Perm(商標)、An der Grub、ウィーン、オーストリア)100μLを添加する。
27.光から保護して室温で15分間インキュベートする。
28.2mLのPBS+0.5%BSAを細胞ペレットに添加する。
29.十分混合する。
30.540gで5分間遠心分離する。
31.パスツールピペット又は真空系を使用して細胞ペレットを乱さずに上清を廃棄して、各管に約50μLを残す。
32.細胞ペレットを軽く混合して再懸濁させる。
33.試薬B(透過処理溶液Fix&Perm(商標))100μLを添加する。
34.十分混合する。
35.細胞内ペプチド(タンパク質断片)に対する適切な体積の抗体を添加する。
36.十分混合する。
37.光から保護して室温で15分間インキュベートする。
38.2mLのPBS+0.5%BSAを細胞ペレットに添加する。
39.十分混合する。
40.540gで5分間遠心分離する。
41.パスツールピペット又は真空系を使用して細胞ペレットを乱さずに上清を廃棄して、各管に約50μLを残す。
42.細胞ペレットを200μLのPBS+0.5%BSAに再懸濁させる。
43.染色後の細胞を得る、又は(すぐに得られない場合)多色フローサイトメーターで測定するまで4℃で最大3時間貯蔵する。
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別の固定及び透過処理方法、例えば、FACS溶解液を使用することもできる。
最少3種類、好ましくは4種類の骨格マーカーがCTMの特定に必要である。この骨格マーカーセットは、少なくともCD14、CD16及びCD300eを含み、好ましくは更にHLADRを含む。更なる有用であるマーカーとしては、CD11c、CD33、CD36、CD45及び/又はCD64細胞表面白血球抗原(例えば、CD14/CD16、CD11c/CD16、CD33/CD16、CD64/CD16、CD11c/CD14/CD16、CD33/CD14/CD16、CD33/CD11c/CD16、CD300e/CD14/CD16、CD300e/HLADR/CD14/CD16、CD300e/HLADR/CD64/CD16/CD14、CD300e/CD11c/CD16/CD64、CD300e/HLADR/CD64/CD36/CD16/CD14、又はCD45が添加されたこれらのマーカーのマーカー組合せ)が挙げられる。単一細胞表面マーカー(又は2種類のマーカーでも)の発現のわずかな差は、CTM及びCTMサブセットすべての正確な認識には必ずしも十分ではないかもしれないが(図2C)、複数のマーカーの全体プロファイルは主成分分析(PCA)などの多変量解析によって評価され、例えば、Infinicytソフトウェアの自動集団分別−APS view−、又は多次元尺度(MDS)分析を使用して、CTM及びCTMサブセットをより正確に特定することができる(図3)。図3に示す例においては、APS1及びAPS2の図において、第1対第2主成分及び第3対第4主成分の二次元表示が、CD14、CD16及び別の複数の骨格マーカーが染色されたCD14het/CD16het細胞の場合について示されている。古典的単球とCTMを識別する最も強力なパラメータの組合せは、それぞれ主成分1、2、3及び4の値を減少させることによって使用される。
したがって、本発明は、撹乱された組織恒常性及び疾患を映す鏡として循環組織マクロファージ(CTM)を使用して、対象における組織損傷の早期検出、疾患の早期診断及びモニタリング、及び/又は治療の有効性の評価のために、対象の健康状態を判定する方法も提供する。この方法は以下のステップを含む。
a)循環組織マクロファージ(CTM)を含む対象由来の生物学的試験試料を用意するステップ、
b)異なるCTMサブセットの特定及び列挙のために、骨格マーカーCD14、CD16、CD300e並びに好ましくは更にHLADR、CD64及びCD36に対する異なって標識された異なる抗体のパネルで前記CTMを染色するステップ(図4及び5)、
c)個々の細胞に関連した各々異なる標識抗体の信号量を測定する前記染色CTMの多パラメータフローサイトメトリー分析のステップ、前記分析は、例えば、Infinicytソフトウェアの自動集団分別−APS view−、又は多次元尺度(MDS)分析を使用した、多変量解析、好ましくは主成分分析(PCA)を含む(図4及び5)、
d)各CTMサブセット内の個々の細胞の相対及び絶対数を測定するステップ、
e)(i)各CTMサブセット内の細胞の相対及び絶対数を計算するステップ、並びに
f)試験CTSM染色プロファイルを各評価組織の正常CTM染色プロファイルと比較し、異常な試験染色プロファイルが組織損傷、変化した組織恒常性、疾患の存在、及び/又は耐性に対する治療の有効性を示すステップ。
PCAは、直交変換を使用して、相関している可能性がある変数の観測値のセットを、主成分と呼ばれる無相関の変数の値のセットに変換する数学的手順である。主成分の数は、元の変数の数以下である。この変換は、第1の主成分ができるだけ高い分散を有する(すなわち、データの可変性のできるだけ多くを説明する)ように限定され、次の各成分は、前述の成分に直交する(相関しない)制約の下でできるだけ高い分散を有する。主成分は、データセットが一緒に正規分布する場合にのみ独立していることが保証される。PCAは、元の変数の相対尺度に敏感である。適用分野に応じて、それは、離散型Karhunen−Loeve変換(KLT)、Hotelling変換又は固有直交分解(POD)とも称される。PCAの代わりに、MDS又は任意の他のタイプの確立された多変量解析を使用することもできる。
好ましい一実施形態においては、上記染色の評価は、≧4色フローサイトメトリー、より好ましい実施形態においては≧5色フローサイトメトリー手法を含む。≧1の使用マーカー(色)は、その起源組織において局所的に捕獲され、CTMによって処理された1種類又は複数の組織及び/又は疾患関連タンパク質の分解に由来する断片又はペプチドの細胞内エピトープを特定するマーカーに対応し、それ以外のマーカーはそれぞれ骨格マーカーである。
上記骨格マーカーに加えて、別のマーカーを別の非CTM細胞集団の特異的除外に使用することができる。例えば、CD15及び/又はCD24を好中球の除外に使用することができ、CD56及び/又はCD7をNK細胞の除外に、CD3をTリンパ球の除外に、CD19及び/又はCD20をB細胞の除外に、CD123を形質細胞様樹状細胞の除外に使用することができる。
試料中のCTM及び別の細胞集団の染色は、異なる十分に記述された細胞固定、細胞透過処理並びに赤血球溶解手順及び試薬と組み合わせた従来の直接免疫蛍光技術を使用した、細胞表面膜マーカーと細胞内マーカーの両方の染色を含む(表2参照)。
注目すべきことに、個々の末梢血試料の場合、CTMによって処理された1種類又は複数の組織及び/又は疾患関連タンパク質のタンパク質断片又はペプチドエピトープの数は、使用されるフローサイトメーターの多色分析能力が限られているので、選択された骨格マーカーと組み合わせて測定され得るよりも多くなり得る。こうした場合には、複数の一定分量の同じ末梢血試料が必要であり、同じセットの骨格マーカー、並びにCTMによって処理された1種類又は複数の組織及び/又は疾患関連タンパク質由来のエピトープの異なる(部分的に重複した、又は重複していない)パネルで各々染色される。
従来のデータ収集手順を使用してフローサイトメーターで測定後、こうした場合においては、Infinicytソフトウェア(Cytognos SL、サラマンカ、スペイン)の統合及び計算ツールを使用して、試料中に存在するCTM集団に含まれる個々の細胞の全タンパク質断片関連エピトープ測定値を含む単一データファイルを作成することが有利である。対象となるCTM細胞及びその(亜)集団を特定する場合、逐次ブール(Boolean)ゲーティングに基づくInfinicytソフトウェアで実行されるものなどの多次元ゲーティング戦略、主成分分析、及び多次元尺度構成法をそれぞれ骨格マーカー及び特性分析マーカーに基づいて使用することができる。有用であるゲーティング戦略は上記されている。
さらに、単位試料体積当たりの特定されたCTM集団全体及びその異なる亜集団の絶対的細胞数を評価する従来手順を併用して、単位試料体積当たりの正確な細胞数を計算することができる。かかる手順は、容積測定手法、又はTrueCOUNT(Becton Dickinson Biosciences、サンホゼCA、USA)、FlowCOUNT(Beckman Coulter、マイアミ、FL、USA)、PerfectCOUNT(Cytognos SL)ビーズなどの市販内部基準ビーズを使用することができる。
当業者は、CTM分析に関するフローサイトメトリー研究を含む本発明が、種々の疾患、障害、又は他の生理学的変化及び異常(の早期検出)に使用できることを理解し、認識されたい。本明細書に開示する概念に基づく分析を実施するための試薬を含む診断キットを本明細書に記述する。
診断キットは、CD14高/CD16+、CD14高/CD16高、CD14+/CD16高、CD14低/CD16高 CD14−/CD16高、CD14−/CD16低、CD11c+/CD16+、CD11c+/CD16高、CD11c+/CD16低、CD33高/CD16+、CD33高/CD16高、CD33+/CD16高、CD33+/CD16低、CD300e+/CD16+、CD300e+/CD16++及びCD300e+/CD16低CTMサブセットの少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの異なるサブセットの特定及び列挙を目的とした、異なって標識された抗体を含む1セットの骨格マーカーを第1の容器に含むことができる。異なって標識された抗体を含む1セットの骨格マーカーを第1の容器に含み、骨格マーカーがCD300e、CD14及びCD16、好ましくは更にHLADRである、診断キットを提供する。キットは、場合によっては、好ましくは本明細書に開示する方法に従って、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つのCTMサブセットの特定及び列挙のためのキットの使用説明書。
第1の容器は、マーカーCD14、CD16及びCD300e、好ましくはCD14、CD16、CD300e及びHLA−DRに対する抗体を含む。より好ましくは、マーカーCD36、CD64又はCD45に対する抗体の群から選択される少なくとも1種類の追加の抗体が存在する。例えば、CD14、CD16、CD300e、HLADR及びCD45に対する少なくとも1セットの抗体が、場合によっては、抗CD64抗体と組み合わせて使用される。特定の一態様においては、第1の容器は、マーカーCD14、CD16、CD300e、HLADR、CD64及びCD36に対する抗体を含む。
好ましい一実施形態においては、診断キットは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つのCTMサブセットの特定及び列挙を目的とした、異なって標識された抗体を含む1セットの骨格マーカーを第1の容器に含む。骨格マーカーはCD14、CD16及びCD300e、好ましくは更にHLADRである。特に好ましい一態様においては、本発明は、CD14、CD16、CD300e、HLADR、CD45、CD64及びCD36に対する抗体の組合せを含み、抗体の各々が異なる検出可能な標識と複合化された、キットを提供する(図4)。例えば、キットは、蛍光色素1(FL1)と複合化されたCD14抗体、蛍光色素2(FL2)と複合化されたCD16抗体、蛍光色素3(FL3)と複合化されたCD300e抗体、蛍光色素4(FL4)と複合化されたHLADR抗体、蛍光色素5(FL5)と複合化されたCD45抗体、蛍光色素6(FL6)と複合化されたCD64抗体、及び蛍光色素7(FL7)と複合化されたCD36抗体を含む。当業者は、蛍光色素のあらゆる有用な組合せを使用できることを理解されたい。例えば、キットは、蛍光色素組合せAPCH7(例えば、抗CD14−APCH7)、PECy7(例えば、抗CD16−PECy7)、APC(例えば、抗CD300e−APC)、PacB(例えば、抗HLADR−PacB)、FITC(例えば、抗CD36−FITC)及びPE(例えば、抗CD64−PE)を含む。
組織特異的循環マクロファージを特定するために、キットは、その起源組織における個々のCTMによるタンパク質の細胞内分解に由来する少なくとも1個のプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の標識された検出抗体を第2の容器に含むことができる。
理解されるように、抗体(単数又は複数)を検出する標的(単数又は複数)は、対象となる特定の症状又は疾患に応じて選択することができる。有用な(蛍光色素複合)抗体は市販されている。図7は、単に、各々異なる検出抗体を必要とする異なる適用例の任意のセットを示す。(参照により本明細書に援用する)国際公開第2010/015633号は、請求項9において、有用である抗体の標的のリストを開示している。
検出抗体標的を選択するために有用な考慮事項としては以下が挙げられる。抗原は、好ましくは、PSA、CEAなどの分泌タンパク質ではない。というのは、このタンパク質の血清レベルが高いとCTMサブセット中又は上で「バックグラウンド」が拡散する可能性があるからである。さらに、組織特異的タンパク質は、好ましくは、同じ組織の未成熟細胞上でも発現されるべきである。さらに、選択されたタンパク質ドメイン/エピトープは、好ましくは、「プロテオーム」、すなわち別のタンパク質において発生すべきでない。
考慮される別の関連する要素は、細胞増殖とアポトーシスの間の活性レベルが恒常的であるので、ほとんどの組織が、血液中の組織マーカー陽性CTMの正常なバックグラウンドを与えることである。しかし、一部の外側の上皮層はこの「正常なバックグラウンド」を与えない可能性が高い。例えば、健康な個体においては、連続的に更新される腸上皮は、主に腸管内腔に放出される。これは、腸特異的タンパク質断片を有するCTMが血液中に実質的に存在しないと予想されることを意味している。しかし、腸上皮細胞が悪性浸潤細胞に転換すると、局所のCTMは、アポトーシス悪性細胞を貪食し、腸(例えば、結腸)特異的タンパク質断片を有するCTSMとして血液中で検出可能になる。結腸特異的タンパク質断片を有する(増加した)循環CTSMの検出は、結腸癌の早期検出のための全国的なスクリーニングプログラムに使用することができる。同じことが肺上皮細胞にもあてはまる可能性が高い。肺上皮細胞は、肺胞及び気管支に放出され、気管支を介して我々の体から除去される肺胞マクロファージによって貪食される可能性が高い(繊毛運動によって痰に除去された粘液)。しかし、(肺癌にあるような)浸潤上皮細胞は、血液中の肺上皮陽性CTSMをもたらす。最後に、類似プロセスが皮膚でも起こり、正常なメラニン細胞は皮膚表面から失われる。これは、基底膜を通過して浸潤性になる黒色腫細胞とは対照的である。かかる状況下でのみ、網膜に由来するMelan−A陽性細胞の低いバックグラウンドの上に、血液中のMelan−A陽性CTSMを検出することが可能になり得る。
本発明による方法又はキットの極めて重要な別の適用例は、潜行性感染症の場合などの非自己(すなわち外因性)タンパク質断片の検出である。特に、診断が極めて困難である潜行性感染症の場合。例えば、(肺外の)結核を診断することは、現在使用されている血清学的及びPCR試験がすべて高いレベルの誤った結果を示すので、極めて困難である。血液CTMサブセット中のマイコバクテリウム特異的タンパク質断片の検出は、体全体にわたって疾患の汎発を評価するためにも優れた代替の潜在的にはるかに信頼できる診断ツールを提供する。同じことがアスペルギルス症、ライム病、Q熱などの別の病原体に起因する疾患にもあてはまる。
特定の一実施形態においては、本発明は、第2の容器が、それぞれ心臓、腎臓、肝臓又は肺移植を受けた患者における移植後の器官生存及び移植拒絶プロセスの評価を目的とした、心筋特異的タンパク質(例えば、トロポニン又はCK−MB)、腎臓/糸球体特異的タンパク質、肝臓特異的タンパク質又は肺特異的タンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含む、診断キットを提供する。
第2の実施形態においては、第2の容器が、心筋特異的タンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含む診断キットは、(心筋梗塞を伴う)狭心症又は心臓の広範な虚血を検出する手段及び方法を提供する。損傷を受けた心筋由来の末期TSMは、リンパ管系を介して血液に移動し、そこで、心筋特異的タンパク質に由来するタンパク質断片を含むCTSMとして相対的にも絶対的にも多数検出することができる(図7A)。かかる分析は、進行性狭心症の早期診断及び/又は心筋梗塞の程度及び修復のモニタリングに有用であり得る。
別の一実施形態においては、本発明のキット中の第2の容器は、骨折の複雑さ及び程度の評価、並びに骨折及び外科的介入後の骨再形成の進行の評価を可能にする、オステオカルシン、オステオポンチン、骨特異的アルカリホスファターゼなどの骨タンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含む。例えば、骨再形成のモニタリングは、例えば複雑骨折の患者において実施することができる。骨特異的タンパク質(例えば、オステオカルシン、オステオポンチン及び/又は骨アルカリホスファターゼペプチド)由来の断片を含むCTSMの定期的な列挙によってかかるモニタリングが可能になる(図7B)。
別の一実施形態においては、本発明は、第2の容器が、悪性腫ようの早期診断及びモニタリングに使用される、上皮タンパク質、好ましくは***上皮タンパク質、食道上皮タンパク質、胃上皮タンパク質、すい臓上皮タンパク質、結腸上皮タンパク質、直腸−S状結腸上皮タンパク質、甲状腺上皮タンパク質、肺若しくは気管支上皮タンパク質、前立腺上皮タンパク質、ぼうこう上皮タンパク質、頚部上皮タンパク質、子宮上皮タンパク質、黒色腫タンパク質、腎糸球体タンパク質の細胞内分解に由来する1個以上のプロテアーゼ誘導タンパク質断片に対する、又は別の上皮細胞マーカーに対する、少なくとも1種類の検出抗体を含む、例えば悪性腫ようの早期診断及びモニタリングのための、キットを提供する。浸潤性結腸癌の早期診断及びモニタリングは、結腸上皮特異的タンパク質断片を含む血液中のCTSMの検出によって実施することができる(図7C)。かかる適用例は、定期的モニタリング(例えば、毎年又は6か月ごと)によって浸潤性結腸癌への大腸ポリポーシスの進行の早期診断が可能になり得るので、家族性大腸ポリポーシス患者に特に価値がある。
第5の実施形態においては、本発明は、肝臓における乳癌転移の早期検出手段及び方法を提供する。肝臓(又は骨、肺などの別の器官)における転移についての乳癌患者のスクリーニングは、***上皮タンパク質と肝臓特異的タンパク質の両方に由来するタンパク質断片を同時に含むCTSMを探索することによって可能になる(図7D)。1個のCTSMにおける2つの全く異なる組織由来の2つの異なるタイプのタンパク質断片の混在は、転移、例えば、肝臓、骨、肺又は中枢神経系(CNS)への転移の存在を暗示する。一実施形態においては、本発明の方法は、乳癌、前立腺癌などの肝臓又は骨転移の尺度として、肝臓又は骨と癌細胞に由来する組織特異的タンパク質断片の複合検出を含む。
進行性浸潤性前立腺癌は、早期に検出する必要がある。本発明は、前立腺上皮タンパク質と骨特異的タンパク質(図7E)又は別のタイプのタンパク質、例えば、肝臓、肺及びCNSの両方に由来するペプチドを含むCTSMの存在について前立腺癌患者をスクリーニングする手段及び方法を提供する。転移の検出及びモニタリングのための類似の手法は、すべてのタイプの癌に対して可能である。
別の一実施形態は、組織マクロファージが動脈硬化巣に侵入し、その役割が完了するとすぐに血管に直接戻る可能性が高い、アテローム性動脈硬化症に関する。かかるCTSMは、エンドセリン1などの内皮タンパク質由来のタンパク質断片を含む(図7F)。したがって、(例えば、アテローム性動脈硬化症、及びアテローム性動脈硬化症患者における内皮損傷の程度の評価を目的とした)かかる分析に使用される診断キットは、内皮タンパク質(例えば、エンドセリン1)の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含むことができる。
更なる一実施形態は、脳又は神経疾患、特にアルツハイマーの早期診断及びモニタリングのための方法及びキットに関し、少なくとも1種類の検出抗体によって、脳又は神経特異的タンパク質、例えば、Apoε4又はアミロイド前駆体タンパク質(APP)の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出が可能になる。アルツハイマーの診断は、遅れて、確認が困難であることが多い。疾患進行のモニタリングも複雑である。その結果、本発明の独立した診断アッセイは、例えば、早期の支持療法及び時間内の財務管理のために、アルツハイマー患者及びその家族の介護を支援することができる。これは、Apoε4によって消化されたAPP及び/又は別の中枢神経系(CNS)組織及び疾患関連タンパク質に由来する断片又はペプチドを含む、増加した、又は増加中のCTSMを検出することによって実施することができる(図7G)。APP−ペプチド陽性CTSMの数値の上昇は初期アルツハイマーを暗示し得るものであり、かかるAPP陽性CTSMの更なる増加は疾患進行を暗示し得る。
脳特異的タンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含むキットは、例えば反復性一過性脳虚血発作(TIA)患者における、脳血管障害(CVA)の早期診断、並びに脳梗塞の程度及び回復のその後のモニタリングにも使用される。
別の一実施形態は、多発性硬化症(MS)に関する。MSの診断は、複雑であるので、疾患進行のモニタリングに使用することもできる独立した診断アッセイの恩恵を受けるであろう。これは、神経を覆う髄鞘の分解に由来するミエリン特異的ペプチドを含むCTSMの相対及び絶対的度数の正確な検出を含む本明細書に記載の方法を使用して実施することができる(図7H)。
再生不良性貧血、I型真性糖尿病、甲状腺炎、自己免疫性ぼうこう炎、シェーグレン症候群、自己免疫性糸球体腎炎(glomerulonefritis)、リウマチ様関節炎、全身性硬化症、他の自己免疫性結合組織病などの自己免疫疾患の早期診断及び確認並びに自己免疫疾患のモニタリングに適切な診断キットを提供する。かかるキットは、内因子、ランゲルハンス島特異的タンパク質又はインスリン、甲状腺上皮タンパク質、ぼうこう上皮タンパク質、涙腺及び/又は唾液腺特異的タンパク質、腎糸球体特異的タンパク質、滑膜特異的タンパク質、筋肉及び結合組織特異的タンパク質からなる群から選択されるタンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を第2の容器に含むことができる。例えば、毒性又は自己免疫性甲状腺炎の早期診断又は確認は、甲状腺組織特異的タンパク質に由来するタンパク質断片を含むCTSMの相対及び絶対的度数の検出によって可能となり得る(図71)。
シェーグレン症候群の診断は困難であり、やはり複雑な鑑別診断のゆえに、一般にかなり遅れて成される。耳下腺又は涙腺タンパク質の断片を含むCTSMの計数が高いと、診断過程を有意に支持することができる(図7J)。
頻繁に1型真性糖尿病を発症する家族の幼児は、ランゲルハンス島由来の断片若しくはペプチド、又はインスリンなどの別の特異的タンパク質を含むCTSMの存在をモニターすることができる(図7K)。かかるスクリーニングによって、顕性糖尿病を発症する前に早期診断することができ、それによって免疫調節又は免疫抑制による早期介入が可能になる。
さらに、全身性硬化症患者においては、診断は必ずしも容易ではない。したがって、結合組織タンパク質及び内皮細胞タンパク質の断片の存在を介した線維症及び脈管障害の早期検出にCTMシステムを使用することができる(図7L)。
全身性エリテマトーデス(SLE)患者は、頻繁に進行性糸球体腎炎(glomerulophritis)を発症し、最後には不可逆的腎不全になる。かかる腎臓損傷は、一般に、ほとんどの腎機能が既に失われた後期に発見され、その結果、もはや免疫抑制治療が不可能である。したがって、本発明者らは、SLE患者すべての腎臓特異的タンパク質の断片を含むCTSMの存在及び増加を定期的にモニターすることを提案する(図7M)。腎臓損傷の(高いクレアチニンレベルが見いだされるはるか前の)早期診断によって、免疫調節又は別の免疫抑制治療による早期介入が可能になる。
更なる一実施形態は、ライム病などの微生物(感染)に起因する疾患に関する。ライム病の診断は、非典型的な臨床像、及び/又はダニ咬傷に関連した皮膚病変部などの古典的症候の欠如という理由から、複雑であることが多い。ライム病患者における合併症の診断が遅れると、不可逆的な器官損傷となり得る。その結果、ライム病の診断に利用可能な独立した診断アッセイを有することが臨床的に有意義である。これは、ボレリア特異的タンパク質由来のペプチドを含むCTSMの検出によって実施することができる(図7N)。好ましくは、産生した抗体に対する選択されたエピトープは、ボレリア系統とは無関係であるべきであり、その結果、各タイプのボレリア感染を単一のアッセイで検出することができる。さもなければ、幾つかの異なるタイプのボレリア系統由来のペプチドに対する複数の抗体を使用して、特定の患者においてライム病を引き起こす関係したボレリア系統を特定することもできる。
従来の結核診断テストは、特に肺外結核の場合に、幾つかの制限がある。抗体に基づく幾つかの血清アッセイが開発されたが、そのすべてが少なくとも部分的に肺外診断を見落としている。しかし、マイコバクテリウム結核の断片を含むCTSMの検出は、肺外結核の正確な診断に寄与することができる(図70)。
顆粒球減少症患者は、アスペルギルス症に対する感受性が高い。アスペルギルス症の診断が早いほど、疾患の結果は良好である。したがって、関係する系統とは無関係に、アスペルギルス由来の断片を含むCTSMの存在(及び増加)について顆粒球減少症患者すべてをモニターすることが賢明かもしれない(図7P)。
したがって、肝炎、ライム病、結核、レプラ又はアスペルギルス症の早期検出(又は診断の確認)及びモニタリングのために、第2の容器が、肝炎ウイルス、ボレリア、マイコバクテリウム、アスペルギルスなどのウイルス、細菌、真菌のような病原体由来のタンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含む、診断キットも提供する。特定の一態様においては、診断キットは、結核の骨局在化及びアスペルギルス症の早期診断及びモニタリングを目的にし、骨タンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体、並びにマイコバクテリウム又はアスペルギルス由来のタンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を第2の容器に含む。
本発明は、持久力トレーニングにおけるスポーツマンの練習のモニタリング、より具体的には個体が練習不足か練習し過ぎかどうかを判定するためにも使用される。持久力スポーツは、競技会において適切な瞬間に正しいトレーニング状態に達するための注意深い練習プログラムを必要とする。最適な練習頻度及び強度は、個体間でかなり異なり、身体、環境、及び現時点では不明である遺伝(人種)的要素に依存し得る。さらに、レベルの高い運動後の回復は、個々のスポーツマンで異なり得る。持久力スポーツにおけるスポーツマンの練習及び回復の指導は、骨格タンパク質に由来するペプチドに陽性であるCTSMコンパートメントの注意深いモニタリングによって支援することができる(図7Q)。これは、練習し過ぎと練習不足の両方を防止するために、練習スケジュールにおけるスポーツマンへの指導を改善し、個々のスポーツの結果をかなり改善することができる。
更なる一実施形態は、例えば、手術における研修医の外科的技能を評価するための、又は同じ適応症に対する2つ以上の異なる外科的処置を評価するための、組織損傷の評価に関する。(骨格筋又は結合組織由来のペプチド、例えば、コラーゲン由来のペプチドを含む)CTM又はCTSMの検出及び列挙はかかる評価に役立ち得る(図7R)。第2の容器が骨格筋の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含む、診断キットを提供する。かかるキットは、持久力スポーツ(例えば、マラソン、トライアスロン、スケート、水泳、サイクリング、クロスカントリースキー)などの(国際的な)スポーツ大会におけるスポーツマンの練習及び回復のモニタリング及び指導に使用される。
更なる一実施形態においては、本発明は、健康状態の個人的CTSMプロファイル評価を提供するのに使用することができる。CTSMのサブセット分布は、かかる組成が年齢及び他のパラメータ、かかる生活習慣(例えば、喫煙及び飲酒)、スポーツなどの活動に依存するので、個体間でわずかに異なる可能性が高い。個体の定期的(例えば、毎年又は6か月ごとの)モニタリングによって、健康状態の良好な見通しを得ることができ、疾患の早期検出及び診断が可能になる。本発明によって、以下の特定のリスク及び害に対するスクリーニングに使用することができる個別化されたCTSMプロファイルの設計が可能になる。
・職業的暴露(工業毒など)、
・生活習慣(喫煙、食事、飲酒など)、
・家族関連疾患(心血管、癌、アルツハイマーなど)
防止及び/又は早期診断を目的として、個体ごとに組織由来のペプチドの特定の個別化された組合せをモニターすることができる。
CTSMに基づくフローサイトメトリー健康スキャニングの適用例:CTSMサブセットの分布を求め、それによって細胞再生、維持、修復、老化及びアポトーシスの恒常性の生理学的及び非生理学的変化を求める。
1.生理的条件:成長、加齢、妊娠、閉経、身体活動性、概日リズム、
・小児の成長:乳児期、小児期、青年期における器官の発達、例えば、骨コンパートメントにおける高い活性(成長及び再形成)、及び結果として骨由来ペプチドを含むCTSMサブセットの増加、
・幼児における大きい胸腺に反映されている、幼児における多数のB及びTリンパ球の産生のための極めて活性なリンパ様前駆細胞コンパートメント、
・加齢:器官退縮及びCTSMサブセットの増加を伴う老化、
・妊娠:胎盤機能及び機能不全(胎盤中毒の早期検出及び分娩時間)、
・胸腺退縮及びT細胞産生の減少:多数のT細胞(約90%)が胸腺においてネガティブ選択される、
・卵巣機能:卵巣CTSMの減少による(早発)閉経の検出、
・骨形成及び骨密度:加齢中、例えば、思春期/青年期、加齢及び早期閉経における骨形成及び骨吸収の評価。
2.生活習慣:例えば、
・喫煙:粘膜及び上皮細胞バランスの測定による肺損傷の評価、
・アルコール:アルコール摂取に関連した肝損傷の評価、
・スポーツ:回復能力の異なるトップスポーツマンに対して個別化された練習プログラムを設計するための耐久スポーツ(例えば、マラソン、トライアスロン)における筋肉由来CTSMの評価、
・皮膚の太陽/UV光暴露:UV暴露レベル及び関連した損傷を評価するための皮膚上皮ペプチド及びメラニンペプチドの測定(UV露光の表面範囲及び強度)。
3.環境物質(environmental agents)への暴露
組織マクロファージにおける毒性成分の直接評価、又は以下の場合などの関係組織における間接的毒性測定
・石綿、
・塗料中の神経毒性材料、
・核事故後の放射線被曝の結果。
4.一般組織損傷(皮膚、粘膜、筋肉及び/又は骨):
・外傷:外傷の程度、及び回復の進行のモニタリング、
・外科的介入:例えば、手術における研修医の技能の評価のための、例えば、「手術の質」の尺度としての手術後組織損傷の評価、
・体全体にわたる複数の病変部を有する敗血症の影響、
・癌治療などの医療行為の器官損傷及び他の望ましくない毒性副作用、
・特定の組織、例えば、熱傷に対する温度の影響(サイズ、深さ及び体表)、
・骨折、並びに骨折の複雑さ及び広がり(例えば、オステオカルシンペプチド及び/又はオステオポンチンペプチド及び/又は骨アルカリホスファターゼペプチドの測定)。
5.炎症及び自己免疫疾患:
・全身性硬化症などの自己免疫疾患の広がり、
・シェーグレン病:特定の上皮ペプチドの測定による涙腺及び唾液腺の関与についてのより早い診断及びより明確な定義、
・自己免疫性ぼうこう炎;ぼうこう上皮ペプチドを含むCTSMの測定、
・糸球体腎炎:自己免疫性腎炎における腎臓損傷の程度、又は全身性エリテマトーデス(SLE)患者における腎臓損傷の早期検出、又は腎移植後の患者における拒絶プロセスの早期検出、
・リウマチ様関節炎:CTSM中の関節成分(滑膜ペプチド)の検出、
・血管炎:例えば、内皮細胞ペプチドを含むCTSMを有する側頭動脈炎。
6.神経障害及び神経変性疾患:
・アルツハイマー病:変異Apoε4、APPなどの疾患関連タンパク質由来のペプチドを含むCTSMを介した早期診断、
・多発性硬化症:例えば、CTSM中のミエリンペプチドの検出、
・パーキンソン病
・クロイツフェルト ヤコブ病などのプリオン病。
7.感染症(特に、持続性くすぶり型及び潜行性):
同じTSMサブセット中の組織特異的ペプチドと微生物特異的ペプチドの複合検出:
・マイコバクテリウム感染症:BCG陽性患者及び小児における難しい診断、
・Q熱:難しい診断及び難しい治療有効性評価、
・ライム病:疾患の診断が難題のままであるあいまいな愁訴を有する患者におけるボレリア由来ペプチドの検出、
・B型肝炎及びC型肝炎:肝損傷及び/又はウイルスタンパク質由来ペプチドのモニタリング、
・侵襲性真菌及び酵母感染症の診断:アスペルギルス感染症の難しい診断;循環組織マクロファージにおける真菌抗原の検出、及び関係するCTSMの特定による関係組織の特定。
8.代謝障害:
・肥満:例えば、脂肪細胞由来のタンパク質断片の異なる疾患特異的プロファイル、
・1型糖尿病(若年性インスリン依存性糖尿病):すい臓中のインスリン産生細胞の主要な損傷が起こる前の初期段階における検出、
・2型糖尿病(遅発性):アテローム硬化型合併症が存在する場合、機能(サイトカイン産生)の低下したCD14dim/CD16++組織マクロファージが増加、
・性腺機能低下におけるテストステロン治療:組織マクロファージの増加、ただし機能は低下。
9.起源の不明な疾患:
例えば、筋肉由来ペプチド及び他の疾患マーカー(例えば、ウイルス成分)の検出:
・線維筋痛、
・慢性疲労症候群:組織マクロファージ中のウイルス成分の検出、
・起源の不明な(特発性)発熱:組織関連損傷の直接の反映としてのCTSMのプロファイルの定義。
10.悪性腫よう:
ほとんどの癌の場合、上皮膜抗原を1種類以上の組織特異的マーカーと組み合わせて一般的マーカーとして使用することができる。
・癌全般:例えば、EMA(上皮膜抗原)由来のペプチド、
・乳癌:例えば、CA15−3抗原由来のペプチド、
・甲状腺癌:例えば、腫ようマーカーとしてのRET由来のペプチド、
・食道癌、
・胃癌、
・結腸癌:例えば、癌胎児性抗原(CEA)由来のペプチド、
・直腸/S状結腸癌、
・肺癌、
・子宮頚癌又は子宮癌、
・前立腺癌:例えば、PSA及びERGペプチド、
・ぼうこう癌、
・黒色腫:例えば、メラニンペプチド;MART−1/Melan−A
・すい臓癌、
・腎癌など、
・神経芽細胞腫:例えば、ジシアロガングリオシドGD2由来のペプチド、
・脳腫よう、例えばGFAP(図6)、
・中皮腫:石綿被爆労働者のスクリーニング、及び循環組織マクロファージ中の中皮由来ペプチドを介した早期診断、
・下垂体腫ようなどの診断が困難な希少癌。
11.腫よう転移の早期検出及びモニタリング:
同じCTSMサブセット中の腫よう由来のペプチドと浸潤組織由来のペプチドの複合検出、例えば、
・骨又は肝臓における乳癌転移:同じTSMサブセット中の***由来のペプチドと骨又は肝臓由来のペプチドの複合検出、
・肝臓における結腸癌転移:同じCTSMサブセット中の結腸由来のペプチドと肝臓由来のペプチドの複合検出、
・骨における前立腺癌転移:同じCTSMサブセット中の結腸由来のペプチドと骨由来のペプチドの複合検出、
・血管内B細胞リンパ腫:同じCTSMサブセット中の内皮由来ペプチドとB細胞由来ペプチドの複合検出(検出された高レベルの組織マクロファージ:血液白血球の>10%)
・脳内リンパ腫:同じCTSM中のCNSペプチドとB細胞ペプチドの複合検出。
12.循環器疾患:
・狭心症:心筋梗塞を伴う又は伴わないECG異常、
・血栓形成リスクのある患者における凝固障害
・II型糖尿病患者におけるアテローム硬化型病変部。
神経こう腫患者及び健常対照群のCTMにおけるグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)染色
材料及び方法
まず、診断時の(外科的介入前の)神経こう腫患者(n=9)及び健常対照群(n=9)から新たに収集された血液試料を、表2(手順A、ステップ1から13)に記載の染色手順に従って、CD300e(UP−H2)−APC(Immunostep、サラマンカ、スペイン)、CD14(MO−P9)−APCH7(BD Biosciences San Jose、CA、USA)、CD16(3G8)−PECy7(BD Biosciences San Jose、CA、USA)、CD45(HI30)−PacO(InVitrogen、グランドアイランド、NY、USA)、及びHLADR(L243)−PacB(BioLegend、サンディエゴ、CA、USA)で表面膜染色した。表面膜染色後、表2(手順B、ステップ16から43)に記載の染色手順に従って、抗GFAP(N−18)−PE抗体で試料を細胞内染色した。抗GFAP抗体は、タンパク質のN末端エピトープに対するものであり、Santa Cruz Biotechnology(サンタクルーズ、CA、USA)から入手した。細胞固定及び透過化をFix&Perm(An der Grub、ウィーン、AT)を用いて実施した。染色細胞をFACSCantoII多色フローサイトメーター(BD Biosciences)を用いて測定し、データをInfinicytソフトウェア(Cytognos、サラマンカ、スペイン)によって分析した。単球及びCTMのゲーティングは、中間SSC及びCD45発現に対するゲーティングとそれに続くCD300e及びHLADR陽性に対するゲーティングに基づいた(一般的染色パターンについては図4参照)。次いで、更にCD16及びCD14発現を分析し、続いて細胞内GFAP染色を評価した(図6A参照)。
結果
初期CTMの割合は、全評価集団(古典的単球+CTMすべて)に対して表され、GFAP陽性は、初期CTM集団内の陽性細胞割合として表された。健常対照群はすべて初期CTMが10%未満であり、健常対照群の6/9は初期CTMが5%未満であった。9名の健常対照群におけるGFAP陽性初期CTMの割合は、1%未満(0.6%、0.7%及び7回の0%)であった(図6B参照)。神経こう腫患者は初期CTMが8/9例で5%を超え、4/9例で10%を超えた。GFAP陽性初期CTM割合は、約1%から約31%まで変動した(0.9%、1.0%、1.3%、1.4%、2.5%、4.5%、8.7%、29.9%、30.7%))。GFAP陽性CTM割合は、神経こう腫瘤のサイズと幾らかの相関を示した(図6B参照)。

Claims (19)

  1. 血液中の循環組織マクロファージ(CTM)及びそのサブセットを検出及び同定する方法であって、
    a)循環組織マクロファージ(CTM)を含む対象由来の生物学的試験試料を用意するステップ、
    b)異なるCTMサブセットの特定及び列挙のために、骨格マーカーCD14、CD16及びCD300eに対する異なって標識された異なる抗体のパネルで前記CTMを染色するステップ、
    c)その起源組織における個々のCTMによる非CTMタンパク質の細胞内分解に由来する少なくとも1個のプロテアーゼ誘導タンパク質断片上の1種類以上のエピトープに対する1種類以上の検出抗体を使用した前記CTMの固定、透過化及び染色、それによって循環組織特異的マクロファージ(CTSM)の少なくとも1つのサブセットを特定するステップ、
    d)個々の細胞に関連した各々異なる標識抗体の信号量を測定するための骨格マーカーCD14、CD16及びCD300eのゲーティングによる前記染色CTM及びCTSMの多パラメータフローサイトメトリー分析のステップ、
    e)各CTMサブセット、及び測定された細胞内エピトープの各々を発現する各特定のCTSMサブセット内の個々の細胞の相対及び絶対数を測定するステップ、
    f)(i)評価された個々のプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1セットによって規定された異なる正常及び変化組織から各々生ずる各CTMサブセット及び各特定のCTSMサブセット内の細胞の相対及び絶対数と、ii)評価された個々の細胞内ペプチドごとに関連付けられた抗体関連信号の量とを計算して、試験CTSM染色プロファイルを得るステップ、並びに
    g)前記試験CTSM染色プロファイルを各評価組織の正常CTSM染色プロファイルと比較するステップ
    を含む、方法。
  2. ステップb)が、マーカーCD300e、CD14、CD16及びHLADRに対する抗体で染色することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップb)が、さらに、マーカーCD45、CD64及びCD36の1種類以上に対する抗体で染色することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップd)が、側方散乱(SSC)分析と組み合わせてCD300e、CD14及びCD16の細胞表面発現に基づくゲーティング戦略を実施することを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ゲーティング戦略が、(i)側方散乱(SSC)分析と組み合わせて、CD300e及びHLADRの発現に基づく古典的単球とCTMの両方を包含する包含ステップと、(ii)それに続いて、前記古典的CD14高/CD16−単球をCTMから識別し、前記CTM集団内のサブセットを特定するサブセット特定ステップとで構成される、請求項4に記載の方法。
  6. 以下のいずれか1つを含む、請求項5に記載の方法:
    (i)CD300eを発現する低〜中間SSCの細胞を選択するための、少なくともCD300e、CD14及びCD16についての染色、並びにSSCとCD300e+細胞の組合せに対するゲーティング、
    (ii)同時にCD300eとHLADRを同時発現する低〜中間SSCの細胞を選択するための、少なくともCD300e、CD14、CD16及びHLADRについての染色、並びに側方散乱(SSC)とCD300e+及びHLADR+細胞の組合せに対するゲーティング、又は
    (iii)少なくともCD300e、CD14、CD16、CD45及びHLADRについての染色、並びにSSCとCD300e+、CD45+及びHLADR+細胞の組合せに対するゲーティングであって、同時にCD300eとHLADRを同時発現するCD45を有する低〜中間SSCの細胞を選択するためのゲーティング。
  7. 前記サブセット特定ステップが、古典的(CD14高/CD16−)単球並びにCD14高/CD16低〜CD14高/CD16高、CD14低/CD16高及びCD14−/CD16高〜CD14−/CD16低細胞として特定される2つの主要なCTMサブセットの特定を含む、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記CTMサブセット特定ステップが、
    −後期CTMを表すCD64低対古典的単球プラス初期CTMを表すCD64高に対してゲーティングを行うこと、続いて
    −他の初期CTM細胞すべて(対古典的単球)をCD16+/CD14+表現型を有する事象として選択することによって単球とCTMを識別すること、並びにCTMコンパートメント全体をCD64低として及びCD16+/CD14+/CD64高として規定すること、続いて
    −CD64、CD14及びCD16の発現レベルに基づいて選択されたCTMを異なる機能又は成熟関連コンパートメントに更に細分すること、前記異なるコンパートメントはCD64高/CD14高/CD16低〜CD64高/CD14高/CD16高、CD64高/CD14低/CD16高、CD64低/CD14−/CD16高及びCD64低/CD14−/CD16低である
    を含む、請求項5又は6に記載の方法。
  9. 前記選択されたCTMを更に細分するステップがCD64、CD14、CD16及びCD36に基づき、少なくとも1つの以下のCTMサブセット、すなわちCD64高/CD36高/CD14高/CD16低〜CD64高/CD36高/CD14高/CD16高、CD64高/CD36高/CD14低/CD16高、CD64低/CD36高/CD14−/CD16高及びCD64低/CD14−/CD16低/CD36−〜低細胞の特定を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記生物試料が、末梢血、腹水、胸水、脳脊髄液、骨髄、リンパ節、リンパ液、滑液、又は固体組織から調製される単一細胞懸濁液を含む、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ステップc)が以下の細胞内染色を含む、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法:
    a.細胞内プロセシングされた組織関連タンパク質に由来する単一プロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
    b.1種類の細胞内プロセシングされた組織関連タンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
    c.単一器官又は組織の正常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
    d.単一器官又は組織の異常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、
    e.正常タンパク質のペプチドエピトープに対する少なくとも1種類の抗体と異常タンパク質のペプチドエピトープに対する少なくとも1種類の抗体の組合せを含めて、単一器官又は組織の正常及び異常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ、並びに
    f.2つ以上の器官又は組織の正常又は異常細胞に由来する2種類以上の細胞内プロセシングされたタンパク質に由来する2個以上の異なるプロテアーゼ誘導タンパク質断片の1種類以上のエピトープ。
  12. 前記少なくとも1種類の検出抗体によって異常タンパク質に由来する1種類以上のペプチドエピトープの検出が可能になり、前記異常タンパク質が、発癌タンパク質、変異タンパク質、融合タンパク質、アレルゲンに由来するタンパク質、及びウイルス、細菌、寄生生物又は真菌のような病原体に由来するタンパク質からなる群から選択される、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記異なって標識された抗体のパネルが、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、フィコエリトリン(PE)、ペリジン葉緑素タンパク質(PerCP)、アロフィコシアニン(APC)、alexa fluor 488、alexa 647、alexa 710、alexa fluor 405、cyanin 5(Cy5)、Cyanin 5.5(Cy5.5)、pacific blue(PacB)、horizon violet 450(HV450)、pacific orange(PacO)、brilliant violet(BV)、HV500、OC515、Krome Orange、量子ドット、及びPE、APC又はPerCPと結合したその複合物(例えば、PE/Cy5、PE/Cy5.5、PE/Cy7、PerCP/Cy5.5、APC/Cy7、PE−Texas Red、APCCy750)から選択される適合蛍光色素の組合せ、又は任意の追加の適合蛍光色素若しくは蛍光色素タンデムを含む、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 1セットの骨格マーカーに対する異なって標識された抗体を第1の容器に含む診断キットであって、前記骨格マーカーがCD300e、CD14、CD16、HLADR、及びCD36であり、さらに、その起源組織における個々のCTMによる非CTMタンパク質の細胞内分解に由来する少なくとも1個のプロテアーゼ誘導タンパク質断片上の1種類以上のエピトープに対する少なくとも1種類の検出抗体を含む第2の容器を含む、診断キット。
  15. 前記第1の容器が、更にマーカーCD64又はCD45に対する抗体の群から選択される少なくとも1種類の抗体を含む、請求項14に記載の診断キット。
  16. 前記第1の容器がCD300e、CD14、CD16、HLADR、CD45、CD64及びCD36に対する抗体を含む、請求項15に記載の診断キット。
  17. 前記第2の容器が、悪性腫ようの早期診断及びモニタリングに使用される、***上皮タンパク質、食道上皮タンパク質、胃上皮タンパク質、すい臓上皮タンパク質、結腸上皮タンパク質、直腸−S状結腸上皮タンパク質、甲状腺上皮タンパク質、肺若しくは気管支上皮タンパク質、前立腺上皮タンパク質、ぼうこう上皮タンパク質、頚部上皮タンパク質、子宮上皮タンパク質、黒色腫タンパク質、腎糸球体タンパク質の細胞内分解に由来する1個以上のプロテアーゼ誘導タンパク質断片に対する、又は別の上皮細胞マーカーに対する、少なくとも1種類の検出抗体を含む、請求項14ないし16のいずれかに記載の診断キット。
  18. 前記第2の容器が、アルツハイマー病、神経こう腫又は多発性硬化症の早期診断及びモニタリングに使用される、Apoε4、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、GFAP及びミエリンからなる群から選択される、脳又は神経特異的タンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含む、請求項14ないし17のいずれかに記載の診断キット。
  19. 前記第2の容器が、それぞれ心臓、腎臓、肝臓又は肺移植を受けた患者における移植後の器官生存及び移植拒絶プロセスの評価に使用される、心筋特異的タンパク質(例えば、トロポニン又はCK−MB)、腎臓/糸球体特異的タンパク質、肝臓特異的タンパク質又は肺特異的タンパク質の細胞内分解に由来する1種類以上のエピトープの検出を可能にする少なくとも1種類の検出抗体を含む、請求項14ないし18のいずれか1項に記載の診断キット。
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