JP6094834B2 - 補聴器フィッティング装置、補聴器、及び補聴器フィッティング方法 - Google Patents

補聴器フィッティング装置、補聴器、及び補聴器フィッティング方法 Download PDF

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Description

本発明は、難聴者の聴力に適したフィッティングパラメータを容易に設定できる、補聴器フィッティング装置、補聴器、及び補聴器フィッティング方法に関するものである。
補聴器の使用設定を行う補聴器フィッティング装置は、補聴器の補聴特性を、この補聴器使用者の聴力に合わせて設定する(フィッティング)ものである。そのためには、先ずは、可聴周波数帯の低音から高音にわたって使用者の聴力が測定される。次にその聴力データを基に、補聴特性が調整される。しかしながら、その調整作業は、熟練者が行ったとしても長時間かかってしまうことが多い。
すなわち、音の聞こえ方に対する感覚は、個人ごとに、また測定環境(季候、測定空間の大きさ等)、時間、体調などによっても大きく異なる。そのため、それらが原因となり、調整に時間がかかる場合がある。具体的には、調整を進めて徐々に最終値に追い込んでいるつもりであるにも拘らず、使用者が先程の音の方が良かったと言って調整作業が逆戻りしてしまうこともしばしば発生する。その結果として調整時間が長時間となってしまう。そこで、対話型遺伝的アルゴリズムを利用することで、この補聴特性を短時間で設定できるようにする取り組みも、検討されている(例えば、下記特許文献1)。この対話型遺伝的アルゴリズムを利用すると、使用者自身がシステムより提供された複数のパラメータの聴き比べを行うだけでフィッティングを行うことが出来る。
特開2001−175637号公報
しかしながら、実際に使用者が満足する調整結果を得るまでには、上記聴き比べ結果をもとに交叉や突然変異などの操作を行い、その結果得られたパラメータに対して再度、聴き比べを行う、といった作業を繰り返す必要がある。すなわち、例えば1回の聴き比べで10個のパラメータの調整を行うとした場合、その後の交叉や突然変異の操作を、聴き比べの結果が収束するまで例えば10回繰り返す必要がある。
このように、対話型遺伝的アルゴリズムを利用した場合、使用者自身で調整が行えるものの、とても多くの時間を要してしまう。
そこで、本発明は、上記従来の補聴器フィッティング装置の課題を考慮し、フィッティングにおける作業をより少なくし、短時間で効率よくフィッティングを行える補聴器フィッティング装置、補聴器、補聴器フィッティング方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
そしてこの目的を達成するために、第1の本発明の補聴器フィッティング装置は、データベースと、調整データ決定部とを備えている。データベースは、補聴器のフィッティングによって得られた複数の既得調整データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されている。調整データ決定部は、各階層において複数の分類の中からいずれかの分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する。
又、第2の本発明の補聴器は、受信部と、調整データ決定部と、補聴処理部と、出力部とを備えている。受信部は、音声を受信する。調整データ決定部は、補聴器のフィッティングによって得られた既得調整データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されたデータベースと接続され、各階層において複数の分類の中からいずれかの分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する。補聴処理部は、決定された調整データに基づいて、受信した音声に対して補聴処理を行う。出力部は、補聴処理が行われた音声を出力する。
又、第3の本発明の補聴器は、受信部と、調整データ決定部と、補聴処理部と、出力部とを備える。受信部は、音声を受信する。調整データ決定部は、補聴器のフィッティングによって得られた複数の既得調整データが所定の優先順位に基づいて並べ替え可能に保存されているデータベースに接続され、並べ替えられた複数の既得調整データの中から1つの既得調整データを選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する。補聴処理部は、決定された調整データに基づいて、受信した音声に対して補聴処理を行う。出力部は、補聴処理が行われた音声を出力する。
本発明によれば、フィッティングにおける作業をより少なくし、短時間で効率よくフィッティングを行える補聴器フィッティング装置、補聴器、補聴器フィッティング方法、プログラム、及び記録媒体を提供することが出来る。
本発明の実施形態1における補聴器のフィッティング装置を示す構成図 図1に示す補聴器のフィッティング装置の制御ブロック図 本発明の実施形態1における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態1における補聴器におけるフィッティング方法のフローチャート 本発明の実施形態1における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態1における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態1における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態1における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態1における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態2における補聴器の使用状態を示す図 本発明の実施形態2における補聴器のブロック図 本発明の実施形態2における補聴器におけるフィッティング方法のフローチャート 本発明の実施形態2における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態2における補聴器フィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態3における補聴器のブロック図 本発明の実施形態3における補聴器におけるフィッティング方法を説明する図 本発明の実施形態3における補聴器におけるフィッティング方法のフローチャート 本発明の実施形態3におけるフィッティング方法を説明する図 本発明の他の実施形態における補聴器のフィッティング方法を説明するブロック図
以下に、本発明にかかる実施形態のフィッティング装置について図面を参照しながら説明する。
<調整作業の時間短縮>
はじめに、本実施形態の目的である、調整作業の時間短縮の概要について説明する。
補聴器フィッティングを行う際には、先ず可聴周波数帯の低音から高音にわたって使用者の聴力が測定される。次に、その聴力データに基づいて、フィッティング理論等の初期調整手法を用いて初期フィッティングが行われ、初期調整データとして各フィッティングパラメータの値が求められる。その次に、初期調整データに対して微調整が行われ、最終的に補聴器に適用する最終調整データが求められる。
このような補聴器フィッティングにおいて、発明者は、約200名の調整差分データのサンプルの分析を行った。ここで、調整差分データ(既得調整データの一例)とは、過去にフィッティングを行った他人の最終調整データに関するデータであって、NAL−NL1などの初期調整手法によって求められた初期調整データから微調整によってどのくらい各フィッティングパラメータの値を変更したかという変更量であり、微調整データともいう。
そして、発明者は、この変更量を分析した結果、上記変更量を類似度に応じて分類わけすることにより、フィッターが補聴器の使用者に応じて行う微調整の典型的なパターンを、その分類パターンとして抽出できることが分かった。そこで、発明者は、この分類された調整差分データを利用して、効率的にフィッティングを行うことを考え出した。
以下の本発明にかかる実施形態1における補聴器フィッティング装置について説明する。
(実施形態1)
<フィッティング装置1の構成の概要>
図1は、本実施形態1におけるフィッティング装置1の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の補聴器のフィッティング装置1(補聴器フィッティング装置の一例)は、図1のような構成で難聴者に合わせた補聴パラメータの調整を行う。図2は、本実施形態1におけるフィッティング装置の制御ブロックを示す図である。フィッティング装置1は、階層分類DB(階層分類データベース)12と、調整データ決定部20とを備えている。
調整データ決定部20は、フィッティングパラメータの各値を決定する。調整データ決定部20は、フィッティングに際して各種情報を表示する表示部2と、フィッティング装置1に対して情報を入力するための入力部として、キーボード3及びマウス4を備えている。詳しくは後述するが、このキーボード3及びマウス4は、分類を選択する際の選択部19としても機能する。また、フィッティング装置1には、接続ボックス5を経由して補聴器6が接続されており、この補聴器6は難聴者である使用者7の耳に装着されている。この補聴器6は、使用者7の耳穴に向けて音声を発するイヤフォン13と、補聴器6が耳に装着された状態で使用者7とは反対向けに配置され、外部の音声を受信するマイクロフォン14を有している。
使用者7は、表示部2に表示された、フィッティングにおける指示や問いかけに応じて、キーボード3もしくはマウス4などを操作する。そして、使用者7が、その操作した結果に応じたフィッティングパラメータを、接続ボックス5を経由して補聴器6に設定し、補聴器6のイヤフォン13からは、そのフィッティングパラメータを反映した評価音が出力される。
そして使用者7は、補聴器6から実際に出力される評価音を聞きながら、使用者7に適するように調整していくことになる。なお、本実施形態では、フィッティング装置1を操作する人と難聴者を、同一人物の使用者7として説明しているが、実際には、フィッティング装置1を操作する人を、フィッティング専門のフィッターや、販売店の店員等が行っても良い。
また、補聴器6から評価音が出力されるとしたが、フィッティング装置1にスピーカーを配し、補聴器6にフィッティングパラメータを書きこんだ上、スピーカーよりテスト音を出力することにより、補聴器のマイクロフォン14より取り込んだ音に対して補聴処理を施した評価音を使用者に試聴させる構成にしても良い。
<フィッティング装置1の制御構成>
図2は、フィッティング装置1の制御ブロック図である。図2に示すように、フィッティング装置1は、各種演算を行う制御部8を備えている。この制御部8にはフィッティング作業における各種情報を表示する表示部2と、各種情報を入力するキーボード3、マウス4が接続されている。また、制御部8には、抜き差し可能なコネクターである接続部9を介して接続ボックス5及び補聴器6が接続されている。
さらに、制御部8には、メモリ10と、候補設定部11を経由して階層分類DB12が接続されている。このメモリ10には、本実施形態のフィッティングを行うためのソフトウェアや、演算過程における演算結果などが一時的に記憶される。候補設定部11は、後述するユーザー操作において表示部2に提示するフィッティングデータ候補を特定する。階層分類DB12(階層分類データベース)は、調整差分データを階層的に保存している階層分類データベースである。
候補設定部11がフィッティングデータを特定するとは、階層分類DB12に保存されている調整差分データの中から、必要な調整差分データを読み出すことである。
<階層分類DB12>
図3は、階層分類DB12に保存されている調整差分データを、その調整差分データの類似度によって分類わけし、2次元調整差分データマップとして表した図である。なお実際のサンプル数は約200であるが、この例では説明を簡略化するために20のサンプル数で説明を行う。X1〜X20が、それぞれサンプルを示している。
まず、2次元マップ上に配置された調整差分データを、類似度に応じてクラスタC1からクラスタC4(分類の一例)の4パターンに分類している。この例では、X1〜X4の4名がクラスタC1、X7〜X12の6名がクラスタC2、X5〜X6の2名がクラスタC3、X14〜X20の7名がクラスタC4に分類されている。ここでは4パターンに分類したが、2パターン、6パターンや8パターンなどでも構わない。分類するパターン数は後述する選択肢の数に対応するため一覧性の高い数にすれば良い。
また、X0は微調整を行っていない初期調整のパラメータである初期調整データを表しており、使用者7の聴力とフィッティング理論から決まる初期状態を示すものである。ここで、フィッティング理論としては、上述したNAL−NL1(National Acoustic Laboratories ? non-linear 1)、NAL−NL2、DSL(Desired Sensation Level)i/o、DSLv5、POGO(prescription of Gain/Output)、FIG6等を用いることが出来る。またフィッティングパラメータとしては、ゲイン、コンプレッション、TK(threshold knee point)等が挙げられ、例えば、250、500、1k、2k、4kヘルツ(Hz)等の周波数ごとに設けられている。
クラスタC1からクラスタC4では、それぞれのクラスタの最も中心に近いものを、そのクラスタの代表特性として設定している。例えば、それぞれのクラスタ(分類の一例)に含まれている微調整パラメータの周波数ごとの平均値を重心として、この重心に最も近いパラメータを代表特性とすればよい。図3においては太字で表し、下線を付しているサンプルが代表特性であり、クラスタC1ではX3、クラスタC2ではX11、クラスタC3ではX0、クラスタC4ではX15が代表特性となっている。使用者7はこれら代表特性の聞き比べを行う。すなわち、これらの代表特性の調整データ(重心調整データ)で調整した音声を聞き比べる。
階層分類DB12は、図3に示すように第1階層では、4つのクラスタC1〜C4に分類されているが、他の階層においても分類されている。すなわち、後述する図6に示すように、クラスタC4は、更にクラスタC4−1〜C4−4の4つのクラスタに分類されている。このように階層的にクラスタ分類を行う手法としては、既知の手法(例えば、最短距離法、最長距離法、郡平均法、重心法、メディアン法、ウォード法)を用いることが出来る。例えば、各サンプルX1〜X20のフィッティングパラメータをベクトル表示し、そのベクトル間の距離を算出して距離が短いほどフィッティングパラメータ間の類似度が高いとすることが出来る。類似度を算出するパラメータとしては、フィッティングパラメータの全てを使用しても良いし、一部のパラメータのみ使用しても良い。
例えば、フィッティング理論を用いた初期フィッティングによって得られた初期調整データのn個のフィッティングパラメータ(ゲイン、コンプレッション、TK等)のサンプルXmの値について、ベクトル成分表示を用いて(Xm1、Xm2、Xm3、・・・Xmn)と表し、微調整による初期フィッティングからの各フィッティングパラメータの変更量を(δm1、δm2、δm3、・・・δmn)と表すと、サンプルXmの最終調整データのフィッティングパラメータの夫々の値は(Xm1+δm1、Xm2+δm2、Xm3+δm3、・・・Xmn+δmn)と表される。尚、上述した調整差分データは、(δm1、δm2、δm3、・・・δmn)のことであり、微調整フィッティングパラメータともいう。又、上記X0は、微調整フィッティングパラメータの値が全て0となっている。
上記より、サンプルX1の調整差分データは、(δ11、δ12、δ13、・・・δ1n)と表され、サンプルX2の調整差分データは、(δ21、δ22、δ23、・・・δ2n)と表される。このサンプルX1とサンプルX2の間の類似度を示すベクトル間距離は、例えば、(δ11−δ21)2+(δ12−δ22)2+(δ13−δ23)2+・・・+(δ1n−δ2n)2と表すことが出来る。
このベクトル間距離が短いほど類似度が高いとして階層的クラスタ分析を行うことが出来る。
尚、フィッティングパラメータのうち全てのパラメータを用いなくても良く、例えば、周波数毎に設定されているゲインのみを用いてもよい。すなわち、サンプルX1の5つの周波数(250、500、1k、2k、4kヘルツ(Hz))のゲインに対する微調整による変更量だけを用いても良い。
<フィッティング>
以下に、本発明にかかる実施形態1の補聴器フィッティング方法について説明する。
図4は、本実施形態の補聴器フィッティング方法のフロー図である。
図4に示すように、本実施形態の補聴器フィッティング装置の操作手順は次のようになる。
尚、本実施形態では、使用者7に対する初期フィッティングパラメータは予め求められており、キーボード3及びマウス4を用いて予めフィッティング装置1のメモリ10に登録されている。
初期フィッティングパラメータを求める際には、可聴周波数帯の低音から高音にわたって使用者の聴力データの測定が行われ、ファーストフィットとしてNAL−NL1などの初期調整手法を用いて使用者7の聴力データに応じた初期フィッティングパラメータの値が求められる。尚、このように聴力測定を行うのが通例だが、聴力測定環境がない場合においては、例えば、軽度難聴、中度難聴、高度難聴などの大きな分類で代表的な聴力データを予め用意し、その聴力データをもとにNAL−NL1などの初期調整手法を用いて初期パラメータの値を求めるとしても良い。すなわち、聴力測定環境がない場合でも、使用者7自身が感じている難聴度合いを選択するだけで初期フィッティングパラメータを求めることが実現できる。
上記のように決められた使用者7の初期フィッティングパラメータの値は、キーボード3及びマウス4を用いて予めフィッティング装置1に登録されていると説明したが、使用者の聴力データをもとにフィッティング装置1がNAL-NL1などの手法を用いて求めても良い。
本実施形態のフィッティング方法では、S100においてフィッティングが開始されると、はじめにS101においてLayer(層)(階層の一例)=1と設定される。
続いて、S102において表示部2に(図5参照)クラスタC1からクラスタC4のうちいずれかのクラスタを選択するための画面が表示される。図5では、S101におけるPは4個に設定されている。表示部2には、クラスタを選択するためにクラスタC1〜C4を示す情報、記号(図5に示す1,2,3,4)等(分類に関する情報の一例)の表示が行われる。
次に、S103において使用者7は評価音声の試聴を行うために、キーボード3もしくはマウス4を用いて、いずれかのクラスタを選択する。又、図5では、周囲が白い状態の数字が選択されていることを示している(後述する図7、図9でも同様)。
すると、S104において使用者7の聴力データに対して、その選択されたクラスタの代表特性である調整量を反映した評価音が補聴器6から再生される。使用者7は、クラスタC1からクラスタC4の評価音声を聞き比べ、その中で最善と思われる代表特性が属するクラスタをS105において選択する。すなわち、最善と思われるクラスタをS105で選択しない限り、S103及びS104が繰り返されるため、全てのクラスタの評価音声の聴き比べを行うことが出来る。
ここで、S103において試聴するクラスタとしてクラスタC1を選択した場合、クラスタC1の代表特性はX3であるため、その調整差分データは(δ31、δ32、δ33、・・・δ3n)となる。そして、使用者7の初期調整データを(S1、S2、S3、・・・Sn)とすると、クラスタC1の評価音声は、(S1+δ31、S2+δ32、S3+δ33、・・・Sn+δ3n)を調整量として調整した音声となる。同様に、クラスタC2の評価音声は、代表特性がX11であるため、(S1+δ111、S2+δ112、S3+δ113、・・・Sn+δ11n)を調整量として調整した音声となる。又、クラスタC3では、代表特性がX0であるため、評価音声は、(S1、S2、S3、・・・Sn)を調整量として調整した音声となる。又、クラスタC4の評価音声は、代表特性がX15であるため、(S1+δ151、S2+δ152、S3+δ153、・・・Sn+δ15n)を調整量として調整した音声となる。
このようにして1番目の階層において、その階層における複数のクラスタから1つのクラスタが選択されると、S106において、Layer(層)=Nであるか否かが判定され、Nでない場合には、S107においてLayer(層)がインクリメントされる。すなわち、2層目におけるクラスタの選択へと制御が進む。尚、本実施形態ではN=3に定義されているため、3番目の階層においてクラスタの選択が行われると、制御はS106からS108へと進む。
詳しく記載すると、1層目のクラスタC1〜C4において、例えばクラスタC4を選択した場合には、次に2番目の階層において、このクラスタC4をさらに分類したものからS102〜S105のステップによって最適なクラスタを選択することになる。図6はクラスタC4を分類したものであり、X14、X15がクラスタC4−1、X16がクラスタC4−2、X17がクラスタC4−3、X18,X19,X20がクラスタC4−4に分類されている。そして、これらクラスタの代表特性は、それぞれのクラスタの略中心に位置しているものとなり、クラスタC4−1がX14、クラスタC4−2がX16、クラスタC4−3がX17、クラスタC4−4がX20となる。クラスタの略中心に位置しているサンプルとは、例えば、そのクラスタに属している全てのサンプルの微調整データの平均値に最も近い微調整データを有するサンプルのことである。尚、クラスタ内にデータが1つしか属していない場合には、そのサンプルが代表特性となる。また、クラスタ内に2つのサンプルが属している場合には、平均値からの類似度が同じとなるため、例えば、X0に近い方のサンプルを代表特性としてもよい。
具体的には、S102において表示部2に(図7参照)、クラスタC4−1からクラスタC4−4を選択する画面が表示されており、使用者7は、S103においてキーボード3もしくはマウス4を用いて、いずれかのクラスタを選択する。すると、S104において使用者7の聴力データに対して、その選択されたクラスタの代表特性である微調整量を反映した評価音が補聴器6から再生される。使用者7は、S105においてクラスタC4−1からクラスタC4−4の評価音を聞き比べ、その中で最善と思われるものを選択する。図6では、線Qで囲まれているX20が選択されている。これらの動作は、1番目の階層と同様であるため説明は省略する。
ここでクラスタC4−4が選択された場合は、このクラスタC4−4に分類されている、X18、X19、X20(図7参照)に関して、使用者7が聞き比べを行うこととなる。
尚、現在は2番目の階層であるため、制御はS106からS107へと進み、Layer(層)=3となる。そして、3番目の階層において、S102〜S105の制御が行われ、クラスタの選択が行われる。
具体的には、S102において表示部2に(図9参照)、クラスタC4−4−1からクラスタC4−4−3のいずれかを選択する画面が表示されており、使用者7は、S103においてキーボード3もしくはマウス4を用いて、いずれかを選択する。尚、本実施形態ではクラスタC4−4−1にはX18のみ属しており、クラスタC4−4−2にはX19のみ属しており、クラスタC4−4−3にはX20のみ属している。
すると、S104において、その選択されたクラスタに設定されている代表特性である微調整量を反映した評価音が補聴器6から再生される。使用者7は、S105においてX18からX20の評価音を聞き比べ、その中で最善と思われるものを選択する。
次に、S106において、現在はLayer(層)=3であり、本実施形態ではN=3に設定されているため、制御はS108へと進み、最後に選択されたクラスタの代表特性が、使用者7の最終的な微調整データ(微調整でのフィッティングパラメータの各値)として決定される。
尚、補聴器6に適用する最終調整データとしては、初期調整データに微調整データを加えた値となる。
このように分類されたクラスタを、順を追ってたどっていくことで、最終的にたどり着いた代表特性が、使用者7の微調整値となる。これは本実施形態のように、過去の調整データから抽出した微調整を分類し階層化しておくことにより初めて実現可能となる。一般に、大きな分類から順を追って小さな分類に絞り込んでいくことは、例えばDVDレコーダーのメニューなどでも一般的に使用される方法である。しかし、補聴器の調整において、どのような階層を作れば良いのかは、微調整のノウハウを顕在化することと等しく難しい課題であった。
本実施形態のように、他人のフィッティング結果を、NAL−NL1などのフィッティング理論から求まる初期調整量(基準調整量)からの差分値として利用し、階層的に分類することにより上記課題を解決した。たとえば200パターンの微調整データの中から最適な調整を選び出すことを、高々4階層分の聴き比べ、すなわち4*4=16パターンの調整値の聴き比べを行うだけで実現可能とした。
また、遺伝的アルゴリズムを利用した従来方法で行われる、交叉や突然変異といった操作はフィッティングのノウハウと関係なく機械的にパラメータの探索が行われるものであるため、効率的な探索は困難であるのに対し、本発明の方法ではパラメータの探索自体が過去のフィッティング事例から求められたフィッティングパターンを反映したものであるため、調整作業の効率化、すなわち調整時間の短縮につながる。
<特徴>
(1)
本実施形態のフィッティング装置1は、階層分類DB12(データベースの一例)と、調整データ決定部20とを備えている。階層分類DB12には、補聴器のフィッティングによって得られた複数の調整差分データ(既得調整データの一例)が、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されている。調整データ決定部20は、各階層において複数のクラスタ(分類の一例)の中からいずれかのクラスタを選択することによって、補聴器に対する微調整データ(調整データの一例)を決定する。
これにより、調整量の類似度に応じて階層的に分類されている調整差分データをもとに、補聴器の微調整データを決定することが出来るため、聴き比べの回数を減らし、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(2)
又、本実施形態のフィッティング装置1では、調整量は、補聴器のフィッティングにおいて最終的に決定された最終調整データと、所定の初期調整手法によって得られる初期調整データとの差分値である。
これにより、初期フィッティングによって得られる初期調整データから微調整した量である差分値を用いて、調整差分データを階層的に分類することが出来る。このため、補聴器のフィッティングを行う時の初期フィッティング後の微調整作業を、階層を降りていくことで効率的に行うことが出来る。
(3)
又、本実施形態のフィッティング装置1では、調整データ決定部20は、接続部9(送信部の一例)を備えている。接続部9は、代表特性(分類を代表する代表調整データの一例)を補聴器6に送信する。調整データ決定部20は、選択部19を有する。選択部19によって、代表特性に基づいて調整された補聴器6から発せられた評価用の音声に応じて、各階層においていずれかのクラスタを選択する。
これにより、評価音に基づいて、クラスタを選択することが出来、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(4)
又、本実施形態のフィッティング装置1では、図3に示すように、代表特性は、クラスタに含まれている全ての調整差分データの平均値に最も類似した調整差分データである。
これにより、分類の中の最も平均的な調整差分データによる評価音の出力や、フィッティングを行うことが出来るため、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(5)
又、本実施形態のフィッティング装置1の調整データ決定部20は、クラスタを選択するために、各々の階層においてクラスタに関する情報を表示する表示部2を更に有する。
これにより、表示部2に表示された選択候補のクラスタをキーボード3又はマウス4(選択部の一例)により選択できるため、使用者の迷いを少なくし、その結果として調整作業の効率化、すなわち調整時間を短縮することが出来る。
(6)
又、本実施形態の補聴器フィッティング方法は、補聴器のフィッティング方法によって得られた複数の調整差分データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存された階層分類DB12を用いた補聴器フィッティング方法であって、S100〜S109(調整データ決定ステップの一例)を備えている。S100〜S109(調整データ決定ステップの一例)では、各階層において複数のクラスタの中からいずれかのクラスタを選択することによって、補聴器6に対する調整データを決定する。
これにより、調整量の類似度に応じて階層的に分類されている調整差分データをもとに、補聴器の微調整データを決定することが出来るため、聴き比べの回数を減らし、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(7)
又、本実施形態の補聴器フィッティング方法におけるS100〜S109(調整データ決定ステップの一例)は、各々の階層における複数のクラスタについて、それぞれのクラスタを代表する代表特性(代表調整データの一例)に基づいて補聴器6に対して調整を行い、調整された補聴器6から評価音(検査用の音声の一例)を出力するS104(検査音出力動作の一例)と、評価音に基づいて、各々の階層における複数のクラスタの中からいずれかのクラスタを選択するS105(選択動作の一例)と、S104(評価音出力動作の一例)及びS105(選択動作の一例)を繰り返し、補聴器6に対する微調整データ(調整データの一例)を決定するS102〜S108(繰り返し動作の一例)を有している。
これにより、評価音に基づいて、クラスタを選択することが出来、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(8)
又、本実施形態の補聴器フィッティング方法におけるS100〜S107(調整データ決定ステップの一例)は、各々の階層における複数のクラスタを表す情報、記号等(分類に関する情報の一例)を表示するS102(表示動作の一例)を有し、クラスタを表す情報、記号等を表示されたクラスタに関する情報を選択することによってS104(評価音出力動作の一例)が行われる。
これにより、表示部2に表示された選択候補のクラスタをキーボード3又はマウス4(選択部の一例)により選択できるため、使用者の迷いを少なくし、その結果として調整作業の効率化、すなわち調整時間を短縮することが出来る。
<他の実施形態>
(A)
本発明では、調整差分値を2次元のマップ上に配置して説明を行った。この方法によるとまず全データを4つに分け、さらに各々のクラスタを4つに分けといった形に整理を行う、トップダウン的なアプローチとなるが、この方法に限定されるものではない。要するに階層的に分類ができる方法であれば、どのような方法でクラスタリングしたものでも構わない。例えば、200パターンの調整差分データを近いものどうしからまとめ上げ、ツリー構造の形にクラスタリングを行うボトムアップクラスタリングの方法でもとめた調整差分データを利用することもできる。
(B)
また、本実施形態では、200例のパターンの調整差分データをもとに説明をしたが、200例に限らなくても良い。しかしながら、データがより多く蓄積された場合、実例を使用するとより多くの階層の聞き比べが必要となる。例えば、1000例のデータが蓄積された場合は、1000通りのパターンを一階層あたり四つの分類に分けたとすると、階層は五階層となって、五階層の聞き比べが必要となる。しかし、より深い階層ではパターン間の差が小さくなり、聞き比べも難しくなる。
すなわち、聞き比べても違いが分かり難いため、現実的には四階層において聞き比べを完了できるようにするのが好ましい。そのため、例えばボトムアップクラスタリングで1000例の実データを200例程度に分類し、各々のクラスタの重心(平均値)を求めることにより、微調整のパターンを抽出する。このようにして抽出した200例程度のパターンを利用して階層分類DBを構成すれば好適である。
また、上記のように1000例の実データから200例程度のパターンを抽出することにより、この200例の各パターンに対して1000例のうち何例が属するかという頻度を求めることができる。つまり、属する例が多いパターンほど、過去にフィッティングを行った他人の調整結果において、好ましいと判断されて選択される頻度が高いものということになる。そこで、本実施例では各クラスタの代表特性として重心(平均値)に近いパターンを選択するとして説明したが、この頻度をもとに選択してもよく、さらに好適である。すなわち、代表特性は、それぞれの分類に含まれる調整差分データの中で過去にフィッティングを行った他人の調整結果において、好ましいと判断されて選択される頻度の最も高いものとすればよい。尚、属するか否かという判断は、200例の各パターンの所定の類似度の範囲内であるか否かで行っても良い。
このように、複数の調整差分データが、それぞれのクラスタの中で頻度によって優先順位が付与されており、代表特性は、最も優先順位の高いデータとしてもよい。
これにより、優先順位の高い調整データによる評価音の出力や、フィッティングを行うことが出来るため、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(C)
なお、上記実施形態で説明した200パターンの微調整データ内には、今回の使用者7の聴力データに類似する聴力データを有する人物に対するフィッティングデータが含まれているほうがより好ましい。
すなわち、上記(B)に記載の例のように1000例の実データから200例程度のパターンを抽出する際に、使用者7の聴力データと類似度の高い聴力データを有する例を抽出することにより、初期フィッティング後の微調整において、使用者に適した既存の調整差分データが多いため、より正確に補聴器フィッティングを行うことが可能となる。
(D)
また、上記実施形態では、既得調整データの一例として調整差分データを説明し、階層分類DB12は、それぞれのサンプルの調整差分データを有しているが、調整差分データだけに限らず、それぞれのサンプルの初期フィッティングによる初期調整データも有していてもよい。この場合、既得調整データの一例は、調整差分データ及び初期調整データに対応する。
(E)
又、上記実施形態では、代表特性として、クラスタに含まれている全ての調整差分データの平均値に最も類似した調整差分データを用いていたが、平均値自体を代表特性として用いても良い。
(F)
又、上記実施形態では、調整差分データをベクトル表示した際のベクトル間距離が短いほど類似度が高いとして階層的クラスタ分析を行うと説明したが、後述する実施形態3のように、調整差分データの各パラメータの値の差の総和が小さい程、類似しているとして階層的クラスタ分析を行っても良い。具体的には、サンプルX1とサンプルX2の間の差の総和は、(δ11−δ21)+(δ12−δ22)+(δ13−δ23)+・・・+(δ1n−δ2n)と表すことが出来る。
(実施形態2)
次に、本発明にかかる実施形態2における補聴器について説明する。
本実施形態2の補聴器は、補聴器において上述したフィッティングが行えるように構成されている。このような構成により、フィッティング装置を用いなくても補聴器単体で上記実施形態において得られた効果を実現することが可能である。
<補聴器21の構成>
図10は、本実施形態2の補聴器21を示す図である。図10に示すように、補聴器21は補聴器装着者22の耳(図示せず)に装着される。
この補聴器21は図10に示すように、補聴器装着者22の耳の上部に掛かって装着され、補聴器装着者22の耳穴(図示せず)に向けて音声を発するイヤフォン23と、このイヤフォン23が補聴器装着者22の耳に装着された状態で補聴器装着者22とは反対側に向けて配置されたマイクロフォン24と、前記イヤフォン23に有線または無線にて接続された本体ケース25とを備えている。
図11は、本実施形態2の補聴器21の制御ブロック図である。図11に示すように、補聴器21は、イヤフォン23、マイクロフォン24、A/Dコンバータ26、補聴処理部27、D/Aコンバータ28、フィッティングメモリ29、調整データ決定部70と、階層分類DB31と、ターゲットゲイン算出部32と、検査音DB(検査音データベース35)とを備えている。
マイクロフォン24は、図11に示すように、A/Dコンバータ26を介して補聴処理部27に接続され、さらにこの補聴処理部27にはD/Aコンバータ28を介して上記イヤフォン23が接続されている。補聴処理部27は、A/Dコンバータ26によってデジタル化された音声に、補聴器装着者22に適した補聴処理を行ってD/Aコンバータ28へと送る。D/Aコンバータ28でアナログ変換された音声は、イヤフォン23から補聴器装着者22に発せられる。
また、調整データ決定部70は、操作部33と、制御部30と、検査音出力部34とを有しており、制御部30には、階層分類DB31とターゲットゲイン算出部32が接続されており、検査音出力部34には、検査音DB35が接続されている。
また、補聴処理部27には補聴器21に対する調整データを保存するフィッティングメモリ29(記憶部)が接続されており、このフィッティングメモリ29には、制御部30を介して、階層分類データベース31、ターゲットゲイン算出部32および操作部33が接続されている。
ここで、階層分類データベース31は、上記実施形態1において説明した調整差分データを階層に分けて分類して保存したものである。すなわち、階層分類データベース31には、複数の既得調整データが複数の調整分類に分類され、その調整分類が階層にして保存されている。尚、詳細については後述する。
さらに、制御部30には、検査音出力部34が接続され、この検査音出力部34を介して、検査音DB(検査音データベース)35と上記D/Aコンバータ28とが接続されている。
ここで、検査音データベース35は、補聴器装着者22に対する聴力検査を行うための検査音データを保存している。検査音データは、例えば、250、500、1k、2k、4kヘルツ(Hz)などの周波数ごとの音データである。そして、この検査音データは、検査音出力部34を介して、D/Aコンバータ28に送られ、アナログ音声信号に変換された後に、イヤフォン23から検査音として出力される。
ターゲットゲイン算出部32は、フィッティング理論を用いた初期フィッティングにおけるフィッティングパラメータの各値を算出する。補聴器装着者22の聴力データに応じて、例えば250、500、1k、2k、4kヘルツ(Hz)などの周波数ごとのゲインを算出する。
つまり、本実施形態の補聴器21は、ターゲットゲイン算出部32を用いて補聴器装着者22に対してフィッティングの初期調整を行い、さらに、階層分類データベース31を用いて補聴器装着者22に対してフィッティングの微調整を行うことによって、補聴器21自体で補聴器装着者22に対するフィッティングを完了できる。
また、図10及び図11に示すように、操作部33は、調整開始ボタン36、決定ボタン37、切替えボタン43、確定ボタン44、オプション選択ボタン59を有している。調整開始ボタン36は、補聴器装着者22に対する初期フィッティング及び微調整の操作を開始するためのボタンである。決定ボタン37は、微調整を完了するときに用いられる。切替えボタン43は、例えば、後述する第1階層において分類を切替える際に用いられる。確定ボタン44は、各階層において分類を決定する際に用いられる。オプション選択ボタン59は、例えば使用しているイヤーチップ等のオプションに応じて選択を行う際に用いられる。
制御部30は、操作部33からの操作を受け付け、制御部30内のメモリに記憶されているプログラムに従ってフィッティングの制御を行う。
<階層分類DB31>
次に、階層分類DB31(階層分類データベース)について説明する。
図13は、階層分類DB31に保存されている調整差分データを示す図である。図13に示す調整差分データ(既得調整データの一例)では、それぞれの最終調整データにおいて初期フィッティングの初期調整データから周波数ごとにゲインがどれだけ変更されたかが示されている。いいかえると、それぞれの周波数における最終調整データのパラメータのゲインと初期調整データのパラメータのゲインとの差分を表している。ここで、図13の縦列38は調整差分データの番号を表し、横列39は周波数を表している。例えば、番号が2の調整差分データは、250Hzの周波数において、初期パラメータよりもゲインが10低くなる。
図14は、本実施形態における階層分類を示す図である。このように調整差分データ1〜Nから上記階層分類データベースを作成する際には、実施形態1と同様に調整差分データ1〜Nを類似度に応じて分類する。
図14に示すように、これらの1からNまでの調整差分データは、階層に分けて分類されて、図11に示す階層分類DB(階層分類データベース)31に保存されている。例えば、本実施形態においては、第一階層40は二つに分類されている。第一階層40の第1分類41には6個の調整差分データ(番号1,3,6,7,8,N)が分類され、第2分類42には3個の調整差分データ(番号2,4,5)が分類されている。尚、9〜N−1までの調整差分データは図示を省略している。
補聴器装着者22は、それぞれの分類の代表特性の評価音を聞いて、その中から最も好ましいものを選択することになる。この代表特性は、例えば、それぞれの分類に含まれている調整差分データの周波数ごとの平均値とすればよい。図14では、第1分類41の代表特性がD1、第2分類42の代表特性がD2で示されている。より具体的には、例えば、第2分類42の場合、第2分類42には番号2、4、5の調整差分データが属している。250Hzの周波数における番号2、4、5の調整差分データの初期フィッティングのゲインからの差分値は、それぞれ−10、−10、−8であるため、平均値は、約−9.3となる。これにより、代表特性D2の250Hzの差分値は−9.3となる。他の周波数についても同様に計算すると、代表特性D2の各周波数(250、500、1k、2k、4k(Hz)における差分値は、(−9.3、−5、−1.7、−2.3、−1.7)となる。
また、図14に示すように、第二階層45において、第1分類41と第2分類42はそれぞれ2つの分類に分けられている。第1分類41は第1−1分類61と第1−2分類62に分けられ、第2分類42は第2−1分類63と第2−2分類64に分けられている。この第1−1分類61には、番号1,3,7,8の調整差分データが属し、その代表特性がD1−1で示されている。又、第1−2分類62には、番号6,Nの調整差分データが属し、その代表特性がD1−2で示されている。一方、第2−1分類63には、番号2,4の調整差分データが属し、その代表特性がD2−1で示されている。又、第2−2分類64には、番号5の調整差分データが属し、その代表特性がD2−2で示されている。尚、第2−2分類64は、番号5の調整差分データだけを含んでいるため、番号5の調整差分データが第2−2分類64の代表特性となる。
更に、第三階層46では、第1−1分類61が、第1−1−1分類65と、第1−1−2分類66に分けられている。第1−1−1分類65には、番号1と番号3の調整差分データが属しており、その代表特性がD1−1−1で示されている。第1−1−2分類66には、番号7と番号8の調整差分データが属しており、その代表特性がD1−1−2で示されている。
以上の構成において本実施形態では、図10に示す補聴器21において補聴器装着者22に対してフィッティングを行うために、次のような手順を実行することになる。
<フィッティング>
図12は、本実施形態の補聴器フィッティング方法のフロー図である。
まずは、補聴器21の本体ケース25に設けられている調整開始ボタン36を操作することによって、補聴器装着者22に対してフィッティングが開始される(図12のS201)。
調整開始ボタン36が操作されると、S202において、制御部30は、フィッティング理論を用いた初期フィッティングを行うために、イヤフォン23から検査声を出力する。具体的には、例えば、250、500、1k、2k、4kヘルツ(Hz)のそれぞれの周波数ごとに検査音データベース35に保存されている検査音データが検査音出力部34を介してD/Aコンバータ28に送られる。そして、検査音データはアナログ音声信号に変換された後に、それぞれの周波数ごとに順番にイヤフォン23から検査音として出力される。
この検査音を補聴器装着者22が聞き取れた場合は決定ボタン37を操作して、補聴器装着者22は検査音が聞こえたことをフィードバックする。このフィードバックを受け取ると補聴器21は次の周波数に対応する検査音をイヤフォン23から出力する。
ここで、検査音が出力される順番は、周波数の小さい方から順に出力しても良いし、大きい方から順番に出力しても良い。また、予め順番を不規則に設定しておいて出力しても良い。出力する回数も一回のみとしても良いし、同じ周波数に対応する音を複数回出力しても良い。つまり、補聴器装着者22に対して、先入観や判断ミスなどを排除し、より純然たる精度の高い判断結果を得ることができるようにすれば良い。
これに対して、検査音が聞き取れなかった場合は、補聴器装着者22は何の操作も行わないことになるので、制御部30は、所定の時間が経過した後に、次の周波数に対応する検査音をイヤフォン23から出力するように制御を行う。
このような動作を繰り返して250、500、1k、2k、4k(Hz)のそれぞれの周波数に対する補聴器装着者22の聴力の測定結果が得られる。すなわち、補聴器装着者22の聴力データが得られる。
補聴器装着者22の聴力データが得られると、ターゲットゲイン算出部32は、上記実施形態1において説明した初期フィッティングとして、NAL−NL1などの初期調整手法を用いて補聴器装着者22の聴力データに応じた初期のフィッティングパラメータを求めて補聴器21の補聴特性を調整し、初期フィッティングが完了する(図12のS202)。
ここで、初期のフィッティングパラメータは、軽度難聴、中度難聴、高度難聴などの大きな分類で代表的な聴力データを予め用意し、その聴力データをもとにNAL−NL1などの初期調整手法を用いて求められても良い。この方法によれば、補聴器装着者22が自認している難聴度合いを選択するだけで、初期フィッティングを簡易に完了させることができる。
初期フィッティングが完了すると、補聴器21は、初期フィッティングが完了したということを音声などによって補聴器装着者22に知らせる。音声は補聴器21のイヤフォン23などから出力すればよい。
次に、補聴器装着者22は、再度、補聴器21の本体ケース25に設けられている調整開始ボタン36を操作する。この操作により、補聴器装着者22に対して、より適切な聞こえを実現するための微調整が開始される。ここでは微調整の操作を開始するために調整開始ボタン36を兼用したが、別に操作ボタンを設けても良い。
調整開始ボタン36が再度操作されると、所定の数の調整データが算出される(図12のS203)。本実施形態では調整差分データの数はN個として、1からNの番号を付して説明する。ここで、調整データを算出するとは、初期フィッティングによる初期調整データに、調整差分データを加えて調整データを作ることに相当する。
まず、層(Layer)=1として、第一階層40が選択される(図12のS204)。
すると、第一階層40の第1分類41と第2分類42の代表特性の調整差分データの各パラメータの値が制御部30によって読み込まれ、微調整パラメータの書き換えが行われる(図12のS205、S206)。すなわち、補聴器装着者22の初期フィッティングによって得られた初期調整データの周波数(250、500、1k、2k、4k(Hz)におけるゲインを(S1、S2、S3、S4、S5)とする。第2分類42の代表特性は、(−9.3、−5、−1.7、−2.3、−1.7)であるため、第2分類42の評価音声は、(S1−9.3、S2−5、S3−1.7、S4−2.3、S5−1.7)を調整量として調整した音声となる。
書き換えられた微調整パラメータに応じて、検査音データベース35に保存されている評価音データが検査音出力部34を介してD/Aコンバータ28に送られる。そして、評価音データはアナログ音声信号に変換された後に、補聴器21のイヤフォン23から代表特性の評価音として出力され、補聴器装着者22はその評価音を試聴する(図12のS207)。評価音データとしては、会話音声やニュースの読み上げ音声などを利用すると効果的で、さらにマルチトーカーノイズなどを付加することで、より実使用にあったパラメータを選択することが出来るようになる。
次に、補聴器装着者22は補聴器21の本体ケース25に設けられた上下の切替えボタン43を操作して第1分類41と第2分類42を切替える。(図12のS208、S209)
このようにして、補聴器装着者22は第1分類41と第2分類42の代表特性の評価音を聞き比べて好ましいと判断した分類のときに確定ボタン44を操作して、好ましい分類を確定し、階層が次の階層に移動する。(図12のS208、S210)。
本実施形態においては、第二階層45に移動することになる。そして、上述した第一階層40において評価音を聞き比べた手順と同様に第二階層45においても聞き比べが行われ、好ましい分類が判断され、確定される(図12のS205)。
このような作業を繰り返して最下層の階層まで聞き比べが行われ、好ましい分類を判断し、確定した後、決定ボタン37を操作してフィッティングを完了する(図12のS211)。本実施形態においては、図14に示すように第三階層46が最下層となっている。
以上のようにして決定された代表特性のパラメータの値を補聴器装着者22の初期フィッティングでのパラメータ値に反映させることによって、最終調整データのフィッティングパラメータの値が決定される。そして、最終的に決定されたフィッティングパラメータが、フィッティングメモリ29に保存され、補聴処理部27は、マイクロフォン24で受信した音声を最終的に決定されたフィッティングパラメータを用いて補聴処理を行い、補聴処理が行われた音声が、イヤフォン23から補聴器装着者22に向けて出力される。
以上のように、本実施形態では、補聴器単体においてフィッティングが行えるように構成することによって、フィッティング装置を用いなくても補聴器単体で上記実施形態1において得られた効果を実現することが可能となるので、調整作業の効率化、すなわち調整時間の短縮につながる。
また、フィッティングにおいてフィッティング装置を必要としないので、補聴器装着者22自らがフィッティングを自宅などに居ながら行うことができるため、極めて利便性が向上する。
さらに、補聴器21からの音声が聞き取り難いと補聴器装着者22が感じたときに、補聴器装着者22自ら、その場でフィッティングを行うことができるので、補聴器装着者22の満足度を向上させることができる。
<特徴>
(1)
本実施形態の補聴器21は、マイクロフォン24(受信部の一例)と、調整データ決定部70と、補聴処理部27と、イヤフォン23(出力部の一例)とを備えている。マイクロフォン24は、音声を受信する。調整データ決定部70は、補聴器のフィッティングによって得られた調整差分データ(既得調整データの一例)が、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存された階層分類DB31と接続され、各階層において複数の分類の中からいずれかの分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する。補聴処理部27は、決定された調整データに基づいて、受信した音声に対して補聴処理を行う。イヤフォン23は、補聴処理が行われた音声を出力する。
これにより、調整量の類似度に応じて階層的に分類されている調整差分データをもとに、補聴器の調整データを決定することが出来るため、聴き比べの回数を減らし、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
また、補聴器単体において微調整が行えるため、微調整を行うためにフィッティング装置を用いなくてもよいので、微調整を行うためだけに販売店を訪問する必要がなく、利便性が向上する。また、販売店まで行く必要がないため、調整作業の効率化、すなわち調整時間の短縮につながる。
(2)
本実施形態の補聴器21では、調整量は、補聴器のフィッティングにおいて最終的に決定された最終調整データと、所定の初期調整手法によって得られる初期調整データとの差分値である。
これにより、初期フィッティングによって得られる初期調整データから微調整した量である差分値を用いて、調整差分データを階層的に分類することが出来る。このため、補聴器のフィッティングを行う時の初期フィッティング後の調整作業を効率的に行うことが出来る。
(3)
本実施形態の補聴器21の調整データ決定部70は、検査音出力部34と、操作部33とを有する。評価音出力部34は、分類を代表する代表特性(代表調整データの一例)に基づいて評価用の音声を発する。操作部33(選択部の一例)は、発せられた音声に基づいて、いずれかのクラスを選択する。
これにより、評価音声に基づいて、分類を選択することが出来、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(4)
本実施形態の補聴器21では、所定の初期調整手法は、フィッティング理論を用いた調整手法であり、初期調整データとは、フィッティング理論を用いた初期フィッティングによって得られたデータである。
これにより、NAL−NL1(National Acoustic Laboratories ? non-linear 1)、NAL−NL2、DSL(Desired Sensation Level)i/o、DSLv5、POGO(prescription of Gain/Output)、FIG6等のフィッティング理論を用いて初期フィッティングを行うことが出来、この初期フィッティングに対して個人の聞こえに合わせて行われる微調整が、調整差分データを階層的に効率よく探索することが出来るようになるため、効率良く微調整を行うことが出来る。
(5)
本実施形態の補聴器21は、補聴器の使用者の聴力に基づいて初期フィッティングを行うターゲットゲイン算出部32(初期調整部の一例)を更に備えている。
これにより、初期フィッティングも補聴器単体で行うことが出来るため、聞え難いときなどに、販売店を訪問する必要がないため、利便性が向上する。
(6)
又、本実施形態の補聴器フィッティング方法は、補聴器のフィッティング方法によって得られた複数の調整差分データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存された階層分類DB31を用いた補聴器フィッティング方法であって、S201〜S211(調整データ決定ステップの一例)を備えている。S201〜S211(調整データ決定ステップの一例)では、各階層において複数の分類の中からいずれかのクラスを選択することによって、補聴器21に対する調整データを決定する。
これにより、調整量の類似度に応じて階層的に分類されている調整差分データをもとに、補聴器の微調整データを決定することが出来るため、聴き比べの回数を減らし、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(7)
又、本実施形態の補聴器フィッティング方法におけるS201〜S211(調整データ決定ステップの一例)は、各々の階層における複数のクラスについて、それぞれのクラスを代表する代表特性(代表調整データの一例)に基づいて補聴器21に対して調整を行い、調整された補聴器21から評価音声(検査用の音声の一例)を出力するS206及びS207(検査音出力動作の一例)と、評価音声に基づいて、各々の階層における複数のクラスタの中からいずれかのクラスタを選択するS208(選択動作の一例)と、S206、S207(検査音出力動作の一例)及びS208(選択動作の一例)を繰り返し、補聴器21に対する微調整データ(調整データの一例)を決定するS205〜S210(繰り返し動作の一例)を有している。
これにより、評価音声に基づいて、クラスを選択することが出来、効率的に微調整データを決定することが出来る。
<他の実施形態>
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(A)
また、既得調整データの一例である調整差分データは、それぞれの調整分類の中で予め優先順位が付与されており、各階層の代表特性が、その優先順位をもとに決定されるとしても良い。すなわち、過去にフィッティングを行った他人の調整結果に基づいて、調整過程において好ましいと判断されて選択される頻度の高かった調整データから順番に優先順位を高くすることで、より聞き比べを行いやすくすることが出来る。
また優先順位は過去にフィッティングを行った他人の調整結果において、好ましいと判断されて選択される頻度の最も高いもの、すなわち、優先順位の最も高いものなどとしてもよい。ここで、図13に示す各調整差分データの頻度を求めるには、予め過去の調整データ(N個以上)を類似度によりN個に分類し、各分類において何例の過去の調整データが含まれるかをカウントするなどの方法を用いることが出来る。尚、各分類において含まれるか否かという判断は、各調整差分データの所定の類似度の範囲内であるか否かで行っても良い。
(B)
上記実施形態2では、既得調整データの一例として調整差分データを説明し、調整差分データは、微調整によって初期フィッティングにおける各パラメータのゲインから周波数ごとにゲインがどれだけ変更されたかのデータであるが、ゲインだけに限られなくてもよい。本実施形態2の調整差分データが、実施形態1で述べた調整差分データのように、コンプレッション、TK等についての変更量も含んでいてもよい。
(C)
また、上記実施形態では、階層分類DB31は、それぞれの調整差分データとして、周波数ごとのゲインの差分値を有しているが、差分値だけに限らず、それぞれの調整差分データについての初期調整データも有していてもよい。この場合、既得調整データの一例は、調整差分データ及び初期調整データに対応する。
(D)
また、本実施形態では、代表特性として分類内に属する調整差分データの平均値を用いているが、実施形態1のように、平均値に最も類似する調整差分データを代表特性として用いても良い。
(実施形態3)
上記実施形態2においては、階層分類データベース31を用いて補聴器装着者22に対してフィッティングの微調整を行う構成としていたが、本実施形態3のような構成によっても同様の効果を実現することができる。
図15は、本実施形態3における補聴器80の制御ブロック図である。本実施形態3では、上記実施形態2において制御部30に接続されていた階層分類データベース31の代わりに、図15に示すように制御部30にソート部47を介して差分DB(差分データベース)48が接続されている。尚、外観構成は、実施形態2の図10と同様であるため、説明を省略し、以下の説明では本実施形態の補聴器80として図10を代用する。
図16は、本実施形態の差分データベース48に保存されている差分データを説明するための図である。
差分データベース48は、本実施形態においては図16に示すような類似度DBと図13の調整差分データからなる。ここで、類似度DBとは、上記実施形態2において説明した図13に示す階層分類データベース31において、横列39に示すそれぞれの周波数ごとに、縦列38に示す調整差分データごとの調整値の差の総和をとったものとしている。
例えば、図13に示す第一調整差分データ49と第二調整差分データ50とのそれぞれの周波数ごとの差は、250(Hz)において10、500(Hz)において5、そのほかの周波数、1k、2k、4k(Hz)においてはそれぞれ0であるので、総和は、図16の領域51に示すように15となる。他の調整差分データの組み合わせについても同様にして算出した結果をまとめたものが差分データベース48に保存されている。すなわち、差分データベース48には、各パラメータにおいて微調整によって初期フィッティングから変更した増減値の総和が保存されている。
この類似度データベース48の数値が小さいほど比較した二つの調整差分データは良く似ている。すなわち、類似度が高いということになる。
又、ソート部47は、差分DB48に保存された類似度DBに保存された類似度に従ってソートする。
このように構成された本実施形態において、補聴器装着者22に対してフィッティングを行うために、図17に示すような手順を実行することになる。
<フィッティング>
図17は、本実施形態の補聴器フィッティング方法のフローを示す図である。
補聴器装着者22の聴力データを測定し、初期フィッティングを行い、その後、調整差分データを算出する手順(図17のS301からS303)は上記実施形態2のS201からS203と同様であるので説明は省略する。
図17のS303に示す工程において調整差分データが算出されると、補聴器装着者22は、選択された調整差分データに対する調整差分データの類似度が高いものから順番に、それぞれの周波数に対する評価音を聞いて、その中から好ましいものを選択することになる。
すなわち、例えば、まず、第一調整差分データ49が選択される(図17のS304)。
そして、第一調整差分データ49の微調整パラメータが制御部30によって読み込まれ、微調整パラメータの書き換えが行われる(図17のS305)。
書き換えられた微調整パラメータに応じて、検査音データベース35に保存されている評価音データが検査音出力部34を介してD/Aコンバータ28に送られる。評価音データがアナログ音声信号に変換された後に、補聴器80のイヤフォン23から評価音として出力され、補聴器装着者22はその評価音を試聴する(図17のS306)。
次に、補聴器装着者22は補聴器21の本体ケース25に設けられた切替えボタン43を操作して調整差分データを切替える。(図17のS307、S308)
このようにして、補聴器装着者22は第一調整差分データ49から順番に、それぞれの微調整パラメータの評価音を順次聞き比べて、好ましいと判断した調整差分データのときに確定ボタン44を操作する。
すると、ソート部47によって、差分データベース48に保存されている1〜N個の調整差分データ(図13参照)が、図16の類似度DBをもとに、確定ボタン44を操作して選択した調整差分データに対して類似度が高いものから順番に並べ替えられる。(図17のS307、S309)。
例えば、S307において、図18に示すように第一順序52において第二調整差分データ50を好ましいと判断して、補聴器装着者22が確定ボタン44を操作すると、ソート部47は第二順序53に示すように第二調整差分データ50から順番に第四調整差分データ54、第三調整差分データ55というように、第二調整差分データ50に対して類似度が高いものから順番にソート部47によって調整差分データが並び替えられる。すなわち、図16に示す類似度データの値の小さいものから順番に並び替えられる。なお本実施例の第一順序52においては、どのような調整差分データが好まれるか分からないため番号順で出力するようにしたが、第二順序53以降と同様に類似度にもとづいて調整差分データを提示することも有効である。
そして、図17のS304からS308の手順を繰り返して、補聴器装着者22は選択された調整差分データに対して類似度が高いものから順番に、それぞれの調整差分データのパラメータにもとづいて調整された評価音を順次聞き比べる。
このとき、図17のS307、S308の手順では、切替えボタン43を操作するたびに、選択された調整差分データに対して類似度が高いものから順番に、調整差分データが切り替わる。
以上のような作業を繰り返して、最終的に最も好ましいと判断した調整差分データの状態において決定ボタン37を操作してフィッティングを完了する(図17のS310)。
具体的には、図18の例で説明すると、第二順序53において、S305からS308を繰り返しS307において第三調整差分データ55が確定(選択の一例)されると、第三順序90に示すように、第三調整差分データ55に類似度が高い第七調整差分データ、第1調整差分データ、第8調整差分データの順に並べ替えられる。そして、この順序で、それぞれの調整差分データに対応して調整された評価音を聴き比べ、図18では、第三調整差分データ55が最も好ましいと判断され、決定ボタン37を押すことによって決定される。
以上のようにして、本実施形態では、上記実施形態2と同様の効果を得ることができる。
<特徴>
(1)
本実施形態の補聴器80は、マイクロフォン24(受信部の一例)と、調整データ決定部70と、補聴処理部27と、イヤフォン23(出力部の一例)とを備えている。マイクロフォン24は、音声を受信する。調整データ決定部70は、補聴器のフィッティングによって得られた調整差分データ(既得調整データの一例)が所定の優先順位に基づいて並べ替え可能に保存されている差分DB48(データベースの一例)に接続され、並べ替えられた複数の調整差分データの中から1つの調整差分データを選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する。補聴処理部27は、決定された調整データに基づいて、受信した音声に対して補聴処理を行う。イヤフォン23は、補聴処理が行われた音声を出力する。
これにより、優先順位に基づいて並べ替えた調整差分データから選択することが出来るため、よりはやく自分に適した調整差分データを選択することが可能となる。そのため、効率的に微調整を行うことが出来る。
(2)
本実施形態の補聴器80では、調整データ決定部70は、検査音出力部34と、操作部33(選択部の一例)とを有する。検査音出力部34は、1つの調整差分データを選択するために、並べ替えられた複数の微調整データのなかから指定された調整差分データに基づいて評価用の音声を発する。操作部33は、発せられた音声に基づいて、いずれかの調整差分データを選択する。
これにより、評価音声に基づいて、分類を選択することが出来、効率的にフィッティング作業を行うことが出来る。
(3)
本実施形態の補聴器80では、複数の調整差分データは、選択された調整差分データを基準として所定の優先順位に基づいて並べかえられる。
これにより、選択した既得調整データに例えば図18に示すように類似した順に複数の調整差分データを並べ替えることが出来るため、よりはやく自分に適した調整差分データを選択することが可能とであり、効率的に微調整を行うことが出来る。
(4)
本実施形態の補聴器80では、優先順位は、補聴器のフィッティングにおいて最終的に決定された最終調整データと、所定の初期調整手法によって得られる初期調整データとの差分値を比較して決定される。
これにより、初期フィッティングによって得られる初期調整データから微調整した量である差分値を用いて、微調整データを並べ替えることが出来る。このため、補聴器のフィッティングを行う時の初期フィッティング後の微調整作業を効率的に行うことが出来る。
(5)
本実施形態の補聴器80では、所定の初期調整手法は、フィッティング理論を用いた調整手法であり、初期調整データとは、フィッティング理論を用いた初期フィッティングによって得られたデータである。
これにより、NAL−NL1(National Acoustic Laboratories ? non-linear 1)、NAL−NL2、DSL(Desired Sensation Level)i/o、DSLv5、POGO(prescription of Gain/Output)、FIG6等のフィッティング理論を用いて初期フィッティングを行うことが出来、この初期フィッティングに対して優先順位に基づいて並べ替えられた既得調整データを利用することによって、効率良く微調整を行うことが出来る。
(6)
本実施形態の補聴器80は、補聴器の使用者の聴力に基づいて初期フィッティングを行うターゲットゲイン算出部32(初期調整部の一例)を更に備えている。
これにより、初期フィッティングも補聴器単体で行うことが出来るため、聞え難いときなどに、販売店を訪問する必要がないため、利便性が向上する。
(7)
又、本実施形態の補聴器フィッティング方法は、補聴器のフィッティングによって得られた複数の調整差分データが保存されている差分データベース48を用いた補聴器フィッティング方法であって、S301〜S310(調整データ決定ステップの一例)を備えている。S301〜S310(調整データ決定ステップの一例)は、所定の優先順位に基づいて並べ替えられた複数の調整差分データの中から1つの調整差分データを選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する。
これにより、優先順位に基づいて並べ替えた調整差分データから選択することが出来るため、よりはやく自分に適した調整差分データを選択することが可能となる。そのため、効率的に微調整を行うことが出来る。
(8)
又、本実施形態の補聴器フィッティング方法におけるS301〜S310(調整データ決定ステップの一例)は、1つの微調整データを選択するために、並べ替えられた複数の微調整データのなかから指定された微調整データに基づいて評価音声を発するS305及びS306(評価音声出力動作の一例)と、発せられた評価音声に基づいて、いずれかの微調整データを選択するS307(選択動作の一例)と、選択された微調整データを基準として類似度(所定の優先順位の一例)に基づいて複数の微調整データを並べかえるS309(並べ替え動作の一例)と、S305及びS306(テスト音声出力動作の一例)、S307(選択動作の一例)、及びS308(並べ替え動作の一例)を繰り替えし、補聴器に対する調整データを決定するS304〜S309(繰り返し動作の一例)とを有している。
これにより、評価音声に基づいて、調整差分データを選択することが出来、効率的に微調整データを決定することが出来る。
<他の実施形態>
(A)
なお、上記実施形態2においては階層分類データベース31を補聴器21に一体で設ける構成として説明したが、階層分類データベース31を補聴器21と別体で設けてもよい。又、上記実施形態3では差分データベース48を補聴器80に一体で設ける構成として説明したが、差分データベース48を補聴器80と別体で設けても良い。
実施形態2の構成を用いて説明すると、例えば、図19に示すように補聴器21の制御部30に通信部56を接続し、この通信部56と有線または無線で接続されたサーバー57を階層分類データベース31と接続して、階層分類データベース31をサーバー57および通信部56を介して補聴器21の制御部30に接続すればよい。
実施形態3においても、図18と同様にサーバー57に差分データベース48を接続すればよい。また、ソート部47が補聴器80側に設けられておらず、サーバー57に設けられていてもよい。
(B)
また、上記実施形態2および上記実施形態3の補聴器21において、補聴器21のイヤフォン23に装着するイヤーチップなどのオプションが選択できるようになっている場合は、上記実施形態2の階層分類データベース31や上記実施形態3の差分データベース48に保存されているデータは、そのオプションに対応しているデータベースを選択できるようにしても良い。
すなわち、図10に示すように補聴器21の本体ケース25にオプション選択ボタン59を設けて、例えば、使用しているイヤーチップなどのオプションに応じたデータベースを選択できるようにすればよい。
(C)
上述した実施形態1〜3の補聴器フィッティング方法の全部または一部は、例えばプログラムを用いて実現されてもよい。
例えば、実施形態1のフィッティング方法の、各階層において複数のクラスタの中からいずれかの分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定するS100〜S107(調整データ決定ステップの一例)の全部又は一部の動作がプログラムを用いて実現されてもよい。
又、実施形態2のフィッティング方法の、各階層において複数の調整差分データの中からいずれかの分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定するS201〜S211(調整データ決定ステップの一例)の全部又は一部の動作がプログラムを用いて実現されてもよい。
又、実施形態3のフィッティング方法の、所定の優先順位に基づいて並べ替えられた複数の前記既得調整データの中から1つの前記既得調整データを選択することによって、補聴器に対する調整データを決定するS301〜S310(調整データ決定ステップの一例)の全部又は一部の動作がプログラムを用いて実現されてもよい。
そして、上記実施形態1〜3の制御方法の各ステップ、動作等の全部または一部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われても良い。上記プログラムはコンピュータと協働して動作する。
又、上記プログラムの利用形態としては、例えばコンピュータにより読取り可能なROM等の記録媒体に記録されていてもよい。更に、プログラムの利用形態として、例えばインターネット等の伝送媒体、光、電波などの伝送媒体中を伝送し、コンピュータによって読取られる態様であってもよい。例えば、上記実施形態の補聴器フィッティング装置1又は補聴器21、80がUSB等によってコンピュータと接続され、上述した情報読取り方法を実現するプログラムがインターネットを通じて伝送されてもよい。このコンピュータはCPU等のハードウェアに限らなくてもよく、ファームウェアや、OSであってもよい。また、調製データ決定ステップの各ステップ、処理、工程等の全部または一部をハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアにより実現しても良い。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
本発明の補聴器フィッティング装置、補聴器、及び補聴器フィッティング方法によれば、フィッティングにおける作業をより少なくし、短時間で効率よくフィッティングを行うことが出来る効果を有し、補聴器のフィッティングとして広く活用が期待されるものとなる。
1 フィッティング装置
2 表示部
3 キーボード
4 マウス
5 接続ボックス
6 補聴器
7 使用者
8 制御部
9 接続部
10 メモリ
11 候補設定部
12 階層分類DB
19 選択部
20 調整データ決定部
21 補聴器
22 補聴器装着者
23 イヤフォン
24 マイクロフォン
25 本体ケース
26 A/Dコンバータ
27 補聴処理部
28 D/Aコンバータ
29 フィッティングメモリ
30 制御部
31 階層分類データベース
32 ターゲットゲイン算出部
33 操作部
34 検査音出力部
35 検査音データベース
36 調整開始ボタン
37 決定ボタン
38 縦列
39 横列
40 第一階層
41 第1分類
42 第2分類
43 切替えボタン
44 確定ボタン
45 第二階層
46 第三階層
47 ソート部
48 差分データベース
49 第一調整差分データ
50 第二調整差分データ
51 領域
52 第一順序
53 第二順序
54 第四調整差分データ
55 第三調整差分データ
56 通信部
57 サーバー
61 第1−1分類
62 第1−2分類
63 第2−1分類
64 第2−2分類
65 第1−1−1分類
66 第1−1−2分類
70 調整データ決定部
80 補聴器
90 第三順序

Claims (30)

  1. 補聴器のフィッティングによって得られた複数の既得調整データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されたデータベースと、
    各階層において複数の前記分類の中からいずれかの前記分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定部と、
    を備えた、補聴器フィッティング装置。
  2. 前記調整量は、補聴器のフィッティングにおいて最終的に決定された最終調整データと、所定の初期調整手法によって得られる初期調整データとの差分値である、請求項1に記載の補聴器フィッティング装置。
  3. 前記分類を代表する代表調整データを補聴器に送信する送信部を更に備え、
    前記調整データ決定部は、前記代表調整データに基づいて調整された前記補聴器から発せられた評価用の音声に応じて、各階層においていずれかの前記分類を選択する選択部を有する、請求項1に記載の補聴器フィッティング装置。
  4. 前記代表調整データは、前記分類に含まれている全ての前記既得調整データの平均値又は平均値に最も類似した既得調整データである、請求項3記載の補聴器フィッティング装置。
  5. 複数の前記既得調整データは、それぞれの分類の中で優先順位が付与されており、
    前記代表調整データは、最も優先順位の高い既得調整データである、請求項3に記載の補聴器フィッティング装置。
  6. 前記優先順位は、補聴器のフィッティングに用いられた回数が多い順である、請求項5記載の補聴器フィッティング装置。
  7. 前記調整データ決定部は、
    前記分類を選択するために、各々の前記階層において前記分類に関する情報を表示する表示部を更に有する、請求項1記載の補聴器フィッティング装置。
  8. 音声を受信する受信部と、
    補聴器のフィッティングによって得られた既得調整データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されたデータベースと接続され、各階層において複数の前記分類の中からいずれかの前記分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定部と、
    決定された前記調整データに基づいて、受信した前記音声に対して補聴処理を行う補聴処理部と、
    前記補聴処理が行われた前記音声を出力する出力部と、
    を備えた補聴器。
  9. 前記調整量は、補聴器のフィッティングにおいて最終的に決定された最終調整データと、所定の初期調整手法によって得られる初期調整データとの差分値である、請求項8記載の補聴器。
  10. 前記調整データ決定部は、
    前記分類を代表する代表調整データに基づいて評価用の音声を発する検査音出力部と、
    発せられた前記音声に基づいて、いずれかの前記分類を選択する選択部を有する、請求項8記載の補聴器。
  11. 前記複数の既得調整データは、それぞれの前記分類の中で優先順位が付与されており、
    前記代表調整データは、それぞれの前記分類の中で最も優先順位の高いデータである、
    請求項10に記載の補聴器。
  12. 音声を受信する受信部と、
    補聴器のフィッティングによって得られた複数の既得調整データが所定の優先順位に基づいて並べ替え可能に保存されているデータベースに接続され、並べ替えられた複数の前記既得調整データの中から1つの前記既得調整データを選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定部と、
    決定された前記調整データに基づいて、受信した前記音声に対して補聴処理を行う補聴処理部と、
    前記補聴処理が行われた前記音声を出力する出力部と、
    を備えた補聴器。
  13. 前記調整データ決定部は、
    1つの前記既得調整データを選択するために、並べ替えられた複数の前記既得調整データのなかから指定された前記既得調整データに基づいて評価用の音声を発する検査音出力部と、
    発せられた前記音声に基づいて、いずれかの前記既得調整データを選択する選択部を有する、請求項12記載の補聴器。
  14. 複数の前記既得調整データは、選択された前記既得調整データを基準として前記所定の優先順位に基づいて並べかえられる、請求項12記載の補聴器。
  15. 前記優先順位は、補聴器のフィッティングにおいて最終的に決定された最終調整データと、所定の初期調整手法によって得られる初期調整データとの差分値を比較して決定される、請求項12に記載の補聴器。
  16. 前記所定の初期調整手法は、フィッティング理論を用いた調整手法であり、
    前記初期調整データとは、前記フィッティング理論を用いた初期フィッティングによって得られたデータである、請求項9又は15に記載の補聴器。
  17. 補聴器の使用者の聴力に基づいて前記初期フィッティングを行うための初期調整部を更に備えた、請求項16に記載の補聴器。
  18. 前記データベースは、前記調整データ決定部と通信によって接続されている、請求項8又は12に記載の補聴器。
  19. 補聴器のフィッティングによって得られた複数の既得調整データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されたデータベースを用いた補聴器フィッティング方法であって、
    各階層において複数の前記分類の中からいずれかの前記分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定ステップを備えた、補聴器フィッティング方法。
  20. 前記調整データ決定ステップは、
    各々の前記階層における複数の前記分類について、それぞれの前記分類を代表する代表調整データに基づいて前記補聴器に対して調整を行い、調整された前記補聴器から評価用の音声を出力する検査音出力動作と、
    前記検査用の音声に基づいて、各々の前記階層における複数の前記分類の中からいずれかの前記分類を選択する選択動作と、
    前記検査音出力動作及び前記選択動作を繰り返し、前記補聴器に対する前記調整データを決定する繰り返し動作と、
    を有する、請求項19に記載の補聴器フィッティング方法。
  21. 前記代表調整データは、前記分類に含まれている全ての前記既得調整データの平均値又は平均値に最も類似した前記既得調整データである、請求項20記載の補聴器フィッティング方法。
  22. 前記代表調整データは、前記分類中において、補聴器のフィッティングに用いられた回数が最も多い前記既得調整データである、請求項20記載の補聴器フィッティング方法。
  23. 前記調整データ決定ステップは、
    各々の前記階層における複数の前記分類に関する情報を表示する表示動作を有し、
    表示された前記分類に関する情報を選択することによって前記検査音出力動作が行われる、請求項20記載の補聴器フィッティング方法。
  24. 補聴器のフィッティングによって得られた複数の既得調整データが保存されているデータベースを用いた補聴器フィッティング方法であって、
    所定の優先順位に基づいて並べ替えられた複数の前記既得調整データの中から1つの前記既得調整データを選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定ステップを備えた、補聴器フィッティング方法。
  25. 前記調整データ決定ステップは、
    1つの前記既得調整データを選択するために、並べ替えられた複数の前記既得調整データのなかから指定された前記既得調整データに基づいて評価用の音声を発する検査音出力動作と、
    発せられた前記評価音声に基づいて、いずれかの前記既得調整データを選択する選択動作と、
    選択された前記既得調整データを基準として前記所定の優先順位に基づいて複数の前記既得データを並べかえる並べ替え動作と、
    前記検査音出力動作、前記選択動作、及び前記並べ替え動作を繰り替えし、前記補聴器に対する前記調整データを決定する繰り返し動作とを有する、請求項24記載の補聴器フィッティング方法。
  26. 請求項19記載の補聴器フィッティング方法の、各階層において複数の前記分類の中からいずれかの前記分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
  27. 請求項24記載の補聴器フィッティング方法の、所定の優先順位に基づいて並べ替えられた複数の前記既得調整データの中から1つの前記既得調整データを選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
  28. 請求項26又は27記載のプログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体。
  29. 複数の調整データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されたデータベースと、
    各階層において複数の前記分類の中からいずれかの前記分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定部と、
    を備えた、補聴器フィッティング装置。
  30. 複数の調整データが、調整量の類似度に応じて階層的に分類されて保存されたデータベースを用いた補聴器フィッティング方法であって、
    各階層において複数の前記分類の中からいずれかの前記分類を選択することによって、補聴器に対する調整データを決定する調整データ決定ステップを備えた、補聴器フィッティング方法。

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