JP6093159B2 - 止水部材、及び開口部装置 - Google Patents
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Description
このような不具合を開口部装置の施工のやり直しで解消することは、現実的には困難である。また、特許文献1に記載のような従来における止水部材でもこのような問題を解決することができる構成とはなっていない。
なお、ここに示す各図では説明のため一部の部材を省略したり、部材の形状を誇張して表すことがある。
また、以下の説明では、開口部装置が建物開口部に設置された姿勢で、開口部装置により仕切られた部屋から開口部装置を見たときに上下となる方向を見付け方向上下、左右となる方向を見付け方向左右、仕切られた隣接する部屋間の内外方向を見込み方向と記載することがある。さらに、見付け方向左右及び見付け方向上下に平行な面を見付け面、並びに見込み方向に平行な面を見込み面と記載することがある。
開口部装置1は、枠体10、及び該枠体10の枠内に配置される障子30を備えている。本形態では開閉軸部材として機能するピボットヒンジにより枠体10と障子30とが連結され、該ピボットヒンジを軸として障子30を揺動させることにより開閉できるように構成されている。
本形態ではこのように障子が揺動することにより開閉する形態を示したが、本発明は後述する止水部材を用いることができれば特に開閉の形態は限定されない。例えば折れ戸式に開閉する障子を備える開口部装置であってもよい。
図3及び図4では断面図のうち、上枠11及び下枠14、並びに、吊元側縦枠17及び戸先側縦枠21が表れる両端部に注目して示し、その間の一部は省略している。また、図3、図4に浴室側、更衣室(浴室外)側が表してある。
ここで、各図では見易さのため、一部の部材を省略したり、部材の形状を誇張、変形して示す場合がある。
上枠11は枠体10のうち上枠を形成する長尺の部材であり、図3に表れる断面を有している。上枠11は、その長手方向が建物開口部の上縁に沿って配置され、建物躯体に固定されている。上枠11の断面形状は特に限定されることなく通常の形態を用いることもできる。本形態では、上記したようにピボットヒンジで障子30を開閉可能とするため、上枠11のうち吊元側端部には軸受け11aが配置されている。
また、上枠11のうち更衣室側には見付け方向上下の下方に向けて片11bが延びその先端にパッキン11cが取り付けられており、これにより戸当たりが形成されている。
図3からわかるように、下枠本体15は、当該断面において見込み方向に延びる片15aを有している。そして該片15aの見込み方向の更衣室側で、上記上枠11のパッキン11cと同じ見込み方向位置に溝15bが設けられている。当該溝15bは下枠本体15の長手方向全長に亘って延びている。
また、本形態では、上記のようピボットヒンジで障子30を開閉可能とするため、下枠本体15のうち吊元側端部には下側ピボット軸15cが上方に向けて突出するように配置されている。
取付部16aは上記した下枠本体15の溝15bに挿入されて第一止水パッキン16を保持する機能を有する。取付部16aは第一止水パッキン16を安定して保持する観点から硬質の樹脂やゴムにより形成されていることが好ましい。
止水部16bは取付部16aの上に配置され、第一止水パッキン16bが溝15bに挿入された姿勢で溝15bから上枠11側に向けて上方に突出するように配置され、止水をする機能を有する部位である。止水部16bは図3からわかるように、中空の断面形状を備えていることが好ましい。これにより、人が踏むなどして倒れても再び起立する性能を高めることができる。止水部16bは、人が踏むことや再び起立する必要がある観点から軟質の樹脂やゴムにより形成されることが好ましい。
また、止水部16bの浴室側の面(浴室側の見付け面)にはひれ部16cが設けられている。図3からわかるようにひれ部16cは障子30の閉鎖の姿勢で障子30に接触して水密を図る部材である。
このような第一止水パッキン16は、下枠本体15の溝15bに、取付部16aが差し込まれるようにして取り付けられる。
本形態では吊元側縦枠17のうち浴室側及び更衣室側のそれぞれから戸先側縦枠21側に向けて見付け方向左右に延びる片17a、片17bが設けられている。片17aの先端は更衣室側に向けて折り曲げられている。
図4からわかるように、戸先側縦枠本体22は、当該断面において見込方向に延びる片22aを有している。そして該片22aの見込方向の更衣室側で、上記下枠14の第一止水パッキン16と概ね同じ見込み方向位置に見付け方向左右で吊元側縦枠17側に向けて片22bが延在し、その先端に溝22cが形成されている。溝22cは浴室側に開口を有する溝であり、戸先側縦枠本体22の全長に亘って延びている。
ひれ部23bは取付部23aから湾曲するように延びる部材であり、その先端が浴室側で戸先側縦枠本体22に向かうように湾曲している。当該湾曲は障子30側に向けて凸となっている。ひれ部23bは、図4からわかるように障子30の閉鎖の姿勢で障子に接触して水密を図る。
このような第二止水パッキン23は、戸先側縦枠本体22の溝22cに、取付部23aが差し込まれるように取り付けられる。従って、ひれ部23bが取付部23aよりも障子30側となるように配置される。
図5、図6(a)、図6(b)からわかるように、支持体24は、基部24a及び支持部24bを有している。
基部24aは、図5からわかるように、支持体24を戸先側縦枠本体22に固定させて支持体24を保持する部位である。従って基部24aの形状は戸先側縦枠本体22の形状に合わせて適宜変更できる。
支持部24bは、基部24aから突出して延びる部位である。後述するように、当該支持部24bが第二止水パッキン23を更衣室側から押圧して第一止水パッキン16との密着性を向上させる。
支持体24は、第二止水パッキン16をある程度の力で押圧して保持するとともに、障子30からの押圧力に対して所定の変形が許容されるべきであることから、硬質の樹脂やゴムにより形成されていることが好ましい。
従って支持体24は、その大部分が第二止水パッキン23のひれ部23bの湾曲した凹側に隠蔽される。図8には、図7に対して、第一止水パッキン16及び第二止水パッキン23を装着した図を示した。図8からもわかるように支持体24は、その大部分が第二止水パッキン23のひれ部23bの湾曲した凹側に隠蔽されている。また、図8から、戸先側の下部入隅部において、第一止水パッキン16の端面が、第二止水パッキン23の湾曲したひれ部23bの凸側に突き当てられていることもわかる。
パネル31は、矩形板状の面材であり、公知のものを用いることができる。これには例えばガラス板やポリスチレン樹脂等による樹脂板を挙げることができる。
また、上框32のうち下框33側端部には、該下框33側に延びる2つの片が設けられ、その間にグレージングチャンネル32aが配置されている。
また、下框33のうち上框32側端部には、該上框32側に延びる2つの片が設けられ、その間にグレージングチャンネル33aが配置されている。
また、吊元框34のうち戸先框35側端部には、浴室側及び更衣室側のそれぞれに片が設けられ、その間にグレージングチャンネル34aが配置されている。
一方、吊元框34の下端には、下枠本体15に具備された下側ピボット軸15c(図3参照)を挿入して受ける軸受けが設けられている(不図示)。
本形態では、戸先框35のうち吊元框34側端部には、浴室側及び更衣室側のそれぞれに片が設けられ、その間にグレージングチャンネル35aが配置されている。
一方、戸先側では図4からわかるように、第二止水パッキン23を介して障子30が戸先側縦枠22を接触して戸先側の止水性が確保される。吊元側は上記のように縦ガラリ40が形成されているので、パッキンによる止水は行われていないが、水返し手段34bにより水が更衣室側へ侵入することを防止している。
これにより、支持体24の支持部24bの先端がひれ部23bを障子30及び第一止水パッキン16側に押圧し、ひれ部23bとの密着性を向上させ、止水性を高めることができる。なお、支持体24の支持部24bがひれ部23bと戸先側縦枠との距離より長く形成された場合、余剰の支持部24bがひれ部23bの中で折れ曲がり戸先側縦枠とひれ部との隙間を埋めることができ、さらに止水性が向上する。
障子30を閉鎖し、図9(b)に示した姿勢にすると、障子30の更衣室側の面(見付け面)からの押圧力により、第一止水パッキン16のひれ部16cは障子30に押されて変形し、第二止水パッキン23のひれ部23bも同様に障子30に押されて変形する。このとき、支持体24の支持部24bが第二止水パッキン23のひれ部23bの湾曲した内側から押圧し、支持体24の支持部24bの先端がひれ部23bを障子30及び第一止水パッキン16側に押圧し、ひれ部23bとの密着性を向上させ、止水性を高める。
ここで、仮に支持体24が配置されない場合、第二止水パッキン23のひれ部23bはその湾曲形状により障子30から押されたときに第一止水パッキン16から離隔する方向(図9の紙面左)に移動してしまう虞がある。このように移動してしまうと第一止水パッキン16と第二止水パッキン23とが離れてしまい、この部分で通路が形成されて止水性が低下してしまう。特に開口部装置の建付けが理想の状態からずれ、障子30が第二止水パッキン23を押す力が弱くなるとその傾向が顕著になる。
これに対して本発明では支持体24が第二止水パッキン23のひれ部23bを第一止水パッキン16に押し付けるように作用するので、理想の建付け状態である場合のみでなく、若干の建付けの誤差があっても止水性を確保することができる。
10 枠体
11 上枠
14 下枠
15 下枠本体
16 第一止水パッキン(止水部材)
17 吊元側縦枠
21 戸先側縦枠
22 戸先側縦枠本体
23 第二止水パッキン(止水部材)
24 支持体(止水部材)
30 障子
Claims (6)
- 第一の止水パッキンと、
前記第一の止水パッキンの端面が突き当てられる第二の止水パッキンと、
前記第二の止水パッキンのうち、前記第一の止水パッキンが突き当てられた面とは反対側に配置され、前記第二の止水パッキンを前記第一の止水パッキンに向けて押圧可能な支持体と、を有し、
前記第二の止水パッキンは、取付部と、該取付部から延在するひれ部と、を備える、
止水部材。 - 前記支持体は、基部と、前記基部から延在しその先端が前記第二の止水パッキンを押圧する支持部と、を有する請求項1に記載の止水部材。
- 前記取付部から延在する前記ひれ部は湾曲しており、前記支持体は前記ひれ部の湾曲した凹状部側に配置される、請求項1又は2に記載の止水部材。
- 建物開口部の縁に沿って配置される上枠、下枠及び2つの縦枠が枠組みされた枠体と、前記枠体の枠内に配置される障子と、を備え、
前記枠体には枠内の入隅部の少なくとも1つに止水部材が配置されており、
前記止水部材は、
前記入隅部を形成する一方の前記上枠、前記下枠又は前記縦枠に配置される第一の止水パッキンと、
前記入隅部を形成する他方の前記上枠、前記下枠又は前記縦枠に配置され、前記第一の止水パッキンの端面が突き当てられる第二の止水パッキンと、
前記入隅部における前記第二の止水パッキンのうち、前記第一の止水パッキンが突き当てられた面とは反対側の前記枠体に配置され、前記第二の止水パッキンを前記第一の止水パッキンに向けて押圧可能である支持体と、を有し、
前記第二の止水パッキンは、前記枠体に固定される取付部と、該取付部から延在するひれ部と、を備える、
開口部装置。 - 前記支持体は、前記枠体に固定される基部と、前記基部から延在しその先端が前記第二の止水パッキンを押圧する支持部と、を有する請求項4に記載の開口部装置。
- 前記取付部から延在する前記ひれ部は湾曲しており、前記支持体は前記ひれ部の湾曲した凹状部側に配置される、請求項4又は5に記載の開口部装置。
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