JP6091945B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、高圧直流送電に適用される電力変換装置を高速に再起動する技術に関するものである。
近年、長距離送電や異系統連系を実現する手段として、高圧直流送電(以下、HVDC)への期待が高まっている。HVDCでは、送電損失の低減や、送電線路設備費の削減を実現することができ、長距離送電においては交流送電よりもコスト面で有利である。そのため、HVDCは国内外で急速に普及している。
HVDCには、交流系統の電力を直流に変換する、もしくは、直流線路に流れる直流を交流へ変換するための電力変換装置が採用されている。電力変換装置には、従来ではサイリスタを適用した他励式変換器が用いられていたが、最近では、自励式電圧形変換器の適用が盛んに検討されている。自励式電圧形変換器は、他励式変換器と比較して交流系統への依存度を低減することができ、設置面積の削減が可能である。
特に、マルチレベル変換器は、高電圧化と、出力電圧の正弦波化とを両立することが可能なので、実用化が進んでいる。その中でも、Modular Multilevel Converter(以下、MMC)は高い注目を集めている。MMCは、チョッパ回路を各アームに多段接続することによって高耐圧化を実現し、交流電圧を出力するようになっている。
このようなMMCでは、出力電圧が各チョッパ回路の出力電圧の和となって、チョッパ回路の段数分の電圧レベルを出力することができるので、階段状に波形整形することが可能である。このため、チョッパ回路の段数が数十段におよぶ回路規模のMMCでは、ほぼ正弦波状の出力を直接得ることができ、交流フィルタが不要になる。
また、MMCでは、それぞれのチョッパ回路の電圧が数kV程度と低くても、高い出力電圧が得られる。したがって、チョッパ回路のスイッチング素子には耐圧の低いIGBTなどの自己消弧型素子を容易に適用することができる。MMCは以上のような複数のメリットを持つため、HVDCに好適であって、適用例が非特許文献1などに述べられている。
ところで、MMCを代表とする自励式電圧形変換器は、交流から直流、あるいは直流から交流への電力変換動作を、直流側の電圧を利用して交流側へ電圧を出力することで実現している。したがって、自励式電圧形変換器をHVDCの電力変換装置に用いるとき、直流線路への落雷等の事故が発生すると、直流線路が地絡もしくは短絡して直流電圧が低下する。その結果、自励式電圧形変換器は動作を継続できなくなる。
例えば、非特許文献2には、自励式電圧形変換器をHVDCの電力変換装置に適用した場合の直流事故解析結果が記載されている。つまり、自励式電圧形変換器を用いた電力変換装置において、直流線路に事故が発生した場合、直流電圧を確立してからでないと、自励式電圧形変換器をHVDCの電力変換装置として再起動させることができない。従来の電力変換装置では、事故を速やかに除去し、消イオンに必要な所定の無電圧時間を経た後、再び直流線路を充電することで、直流電圧を確保している。
ここで、直流線路に事故が発生した場合の、電力変換装置の再起動の動作について、図9を参照して説明する。図9に示すように、電力変換装置には電力変換器1が設けられている。電力変換器1はチョッパ回路1aが直列接続されて構成されている。各チョッパ回路1aは、コンデンサおよびIGBT、ダイオードなどの半導体スイッチング素子から構成されている。チョッパ回路1aは、各々の回路に接続されたコンデンサ電圧をもとに出力電圧を得るために、個別のタイミングでスイッチング動作を行うようになっている。電力変換器1には、変圧器2及び交流遮断器3を介して交流系統4が接続されると共に、直流線路5が接続されている。
このような電力変換装置において、直流線路5に事故が発生して直流線路5の電圧が低下すると、交流電圧よりも直流線路5の電圧が低くなり、主回路ダイオードが点弧して交流系統4側から直流線路5へ事故電流が流入する。その結果、電力変換器1は過電流となって停止する。電力変換器1が停止するだけでは直流線路5の電圧は回復せず、事故電流は直流線路5へ流入し続ける。
その後、交流遮断器3を開放することで、事故電流の供給経路が遮断される。これにより、直流線路5の事故点は除去され、所定の無電圧時間の経過後(通常300ms程度)、交流系統4からチョッパ回路1aのコンデンサおよび直流線路5が充電される。このとき、充電に伴う過大な突入電流を抑制することを目的として、通常は、抵抗を介して直流線路5が充電される。これにより、直流線路5の電圧が確立される。直流線路5の電圧が確立された後は、充電に用いた抵抗は短絡され、電力変換器1の動作が開始されて電力変換装置の再起動が実施される。
"Trans bay cable −world’s first HVDC system using multilevel voltage-sourced converter" , T.WESTERWELLER, K. FRIEDRICH, U. ARMONIES(Siemens), A. ORINI(Prysmian), D.PARQUET, S.WEHN(Trans Bay Cable). ; CIGRE2010 Paris. "Fromconcept to reality; the development of a multi-level VSC HVDC Converter", N MMacleod, C D Barker and A J Totterdell(Alstom Grid); CIGRE 2011 BolognaSymposium Paper-263.
上記のように、従来の電力変換装置では、直流線路に事故が発生すると、まず事故を除去し、その後、所定の無電圧時間を経て、再び直流線路を充電して直流電圧を確立してからでないと、電力変換装置を再起動することができなかった。
このため、電力変換装置の再起動に時間がかかり過ぎることになり、運転再開に時間を要すると、この間の送電停止が両端の交流系統への電力需給に悪影響を与えかねない。そこで従来から、自励式電圧形変換器を有する電力変換装置には、直流線路に事故が発生しても、交流系統への擾乱を少なくしつつ、できる限り速やかに、再起動することが求められた。
本発明の実施形態は上記の課題を解決するためになされたものであり、多段接続されたチョッパ回路に蓄えられたエネルギーを用いて直流線路を充電することによって、交流系統への擾乱を回避すると共に、高速再起動を実現させる電力変換装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態は、交流系統の電力を直流に変換する、もしくは、直流線路に流れる直流を交流へ変換するための電力変換装置、あるいは交流系統の電力を直流に変換し、且つ直流線路に流れる直流を交流へ変換するための電力変換装置であって、コンデンサとスイッチング素子からなるチョッパ回路を直列接続して構成された電力変換器と、前記電力変換器に流れる電流を検出するセンサと、前記交流系統と前記電力変換器間に接続された交流遮断器と、が設けられており、前記電力変換器は、前記交流遮断器を開放した状態で、前記チョッパ回路の前記コンデンサに蓄積されたエネルギーを前記直流線路の静電容量に流すことにより前記直流線路の電圧を上昇させるように構成されたことを特徴とする。
第1の実施形態の構成図。 電力変換器動作中の直流事故電流経路を示した図。 第1の実施形態において電力変換器のゲートブロック状態の直流事故電流経路を示した図。 第1の実施形態においてチョッパ回路のコンデンサから直流線路を充電する際の動作を示した図。 変圧器が磁気飽和した時の動作を示した図。 第2の実施形態の動作を示す図。 第3の実施形態の構成図。 他の実施形態の構成図。 直流線路事故時の電力変換装置の動作を説明するための構成図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の実施形態は、図9に示した従来例と同様、HVDCに適用する電力変換装置であって、図9に示した従来例と同一の構成部材に関しては、同一符号を付して説明は省略する。
(1)第1の実施形態
[構成]
(全体構成)
第1の実施形態の構成について、図1〜図4を用いて具体的に説明する。第1の実施形態に係る電力変換装置には電力変換器10が設けられている。この電力変換器10と交流系統4との間に変圧器2が接続されている。変圧器2の一次側は、交流遮断器3を介して交流系統4へと接続されている。
(電力変換器)
電力変換器10は、1つのコンデンサ13と、2つのスイッチング素子12からなるチョッパ回路11を単位ユニットとして、この単位ユニットを直列に複数接続して構成される。電力変換器10の特徴は、交流遮断器3を開放した状態で、チョッパ回路11のコンデンサ13に蓄積されたエネルギーを、直流線路5の静電容量に流すことによって、直流線路5の電圧を上昇させるように構成される点にある。チョッパ回路11の構成については後段で詳述する。
電力変換器10は、3相50Hzもしくは60Hzの電源を、絶縁トランスを介して直流に電力変換するものである。また、電力変換器10には、複数個の単位ユニットを直列に接続して相アームが設けられている。通常、単位ユニットの直列数は多数であるが、図1では便宜上、2直列とする。相アームは正側アームと負側アームとから構成される。
正側アームの一端には直流線路5の正側が接続され、正側アームの他端にはリアクトル6が接続される。負側アームの一端には直流線路5の負側が接続され、負側アームの他端にはリアクトル7へ接続される。リアクトル6、7の間には、端子をとって交流出力部が設けられ、この交流出力部が変圧器2の二次側へ接続されている。
リアクトル6、7にはセンサ9が接続されている。センサ9は各チョッパ回路11における電流の平均値を演算することにより、電力変換器10の電流を検出するものである。センサ9には制御装置8が接続されている。制御装置8はセンサ9から検知信号を受け取り、各チョッパ回路11にゲート信号を送るようになっている。制御装置8は、センサ9が直流線路5の電圧低下に伴う過大電流を検知した信号を受け取ると、各チョッパ回路11にゲート信号を送って、スイッチング素子12がゲートブロックするように構成されている。以上は一相に対する説明であるが、他の二相も同様に構成される。
(チョッパ回路)
チョッパ回路11は、チョッパブリッジ単位変換器であって、自己消弧能力を持つスイッチング素子12を直列に2個接続したレグを1つと、1つのコンデンサ13とを並列に接続することによって構成される。各チョッパ回路11は、コンデンサ13の電圧が一定の値となるように制御する回路である。
各チョッパ回路11はコンデンサ13の電圧を電圧源とし、スイッチング素子12のオンオフ動作によって、チョッパ出力電圧を得るようになっている。このような各チョッパ回路11は、各々の回路に接続されたコンデンサ13の電圧をもとに出力電圧を得て、個別のタイミングでスイッチング動作を行うように構成されている。
第1の実施形態は、上記のチョッパ回路11を単位ユニットとしており、各アームに接続されたチョッパ回路11の出力電圧と、直流線路5の電圧の差分を出力電圧として、動作する。電力変換器10の出力電圧Vconv_outは、直流線路5の電圧をVhvdcとし、直流線路5の中性点(0.5Vhvdc)を電圧基準とした場合、次の式(1)で表せる。
Figure 0006091945
ただし、直流線路5の電圧をVhvdcとし、上側のアームに接続されたチョッパ回路11の出力電圧の和をVarm_P、下側のアームに接続されたチョッパの出力電圧の和をVarm_Nとする。
変換器出力電圧Vconv_outとしてVoutsinωtを出力させる場合、各アームの電圧Varm_P、Varm_Nはそれぞれ次の式(2)のようになる。
Figure 0006091945
また、各チョッパ回路11では、接続された二つのスイッチング素子12のうち、下側の素子を点弧することでゼロ電圧を出力し、上側の素子を点弧することで、コンデンサ13の電圧を出力するようになっている。したがって、チョッパ回路11では、0〜コンデンサ電圧の範囲の電圧しか出力することができず、負の電圧を出力することはできない。
そこでチョッパ回路11の出力電圧が負にならないような条件とするために、次の式(3)を満足する必要がある。
Figure 0006091945
よって、アーム内に接続されたチョッパ回路11の出力電圧の和であるVarm_PおよびVarm_Nは、次の条件式(4)を満足しなくてはならない。
Figure 0006091945
以上のことから、チョッパ回路11におけるコンデンサ13の電圧Vcellは、アーム内に接続されたチョッパ回路11の直列数をNとすると、次の式(5)のようになる。
Figure 0006091945
[作用]
HVDCに適用する電力変換器10では、交流系統4と連系するので、電力変換器10の出力電圧としては、交流系統4の電圧振幅以上の電圧を出力しなくてはならない。電力変換器10が交流系統4の電圧以上の振幅の出力電圧を得る必要があるということは、上述の関係式から明らかなように、アームに接続される各チョッパ回路11のコンデンサ13の電圧の和および直流線路5の電圧として、交流系統4の電圧振幅に相当する大きさの電圧が必要となることに他ならない。
ここで、直流線路5が被雷などの影響により地絡した場合の、本実施形態の作用について説明する。図2では、電力変換器10が動作している時の直流線路5の事故電流経路を示している。なお、図2では、制御装置8及びセンサ9の図示は省いている。直流線路5が地絡したとき、直流線路5の負側が接地されていると、直流線路5の電圧はほとんど失われることになる。したがって、電力変換器10の接続点である変圧器2の二次側における電圧振幅よりも、直流線路5の電圧の方が小さくなる。
この場合、チョッパ回路11の下側に接続されたスイッチング素子12に逆並列に接続
されたダイオードでは、カソード電圧よりもアノード電圧の方が高くなって点弧してしまう。チョッパ回路11下側のスイッチング素子12のダイオードが点弧すれば、スイッチング素子12のスイッチング動作にかかわらず、交流系統4側から直流線路5へと電流が流れ続けてしまう。
その結果、交流系統4側の電流を電力変換器10で制御できなくなり、過大な電流が直流線路5に継続して流れる。直流線路5へ過大な電流が流れている状態で、チョッパ回路11のスイッチング素子12がスイッチング動作を行うと、チョッパ回路11のコンデンサ13へ事故電流が流入し、コンデンサ13の電圧低下を招くことになる。
(スイッチング素子のゲートブロック)
このような事態に対処するために、第1の実施形態は次のような処理を行う。すなわち、センサ9が、直流線路5の電圧低下に伴う過大電流を検知すると、制御装置8は各チョッパ回路11にゲート信号を送り、チョッパ回路11に接続されたすべてのスイッチング素子12をゲートブロックする。図3は、電力変換器10においてゲートブロック状態の直流事故電流経路を示している。すなちわ、図3に示すようなゲートブロックを行うことで、第1の実施形態では、直流線路5の事故電流がコンデンサ13を経由することを回避することができ、各チョッパ回路11におけるコンデンサ13の電圧低下を防ぐことが可能となる。
(事故電流の遮断)
本実施形態では、スイッチング素子12をゲートブロックした後、変圧器2と交流系統4の間に接続された交流遮断器3を開放して、交流系統4から直流線路5へ流入する事故電流を遮断する。すなわち、第1の実施形態においては、交流遮断器3を開放することで、電力変換器10のチョッパ回路11へ可加されていた交流電圧がなくなり、事故電流を完全に遮断することができる。
ただし、交流遮断器3を開放することで事故電流を遮断することはできるが、直流線路5の電圧は未回復であり、交流系統4の電圧よりも低い状態のままである。この状態で交流遮断器3を閉じると、再びチョッパ回路11のダイオードが点弧してしまい、過大な電流が直流線路5に流れてしまうことになる。
(直流線路電圧の回復)
そこで第1の実施形態では、次のようにして直流線路5の電圧回復を図っている。図4では、第1の実施形態においてチョッパ回路11のコンデンサ13から直流線路5を充電する際の動作を示している。前述したように、第1の実施形態においては、直流線路事故による過大な電流の発生により、制御装置8がすべてのスイッチング素子12をゲートブロックするので、チョッパ回路11におけるコンデンサ13の電圧は、直流線路5の事故が生じる前の振幅レベルを維持している。
つまり本実施形態では、チョッパ回路11のコンデンサ13にはエネルギーが蓄積された状態にある。本実施形態においては、コンデンサ13に蓄積されたエネルギーを利用して直流線路5の浮遊容量を充電し、直流線路5の電圧を回復させることができる。直流線路5の電圧回復に際してはまず、交流遮断器3を開放した状態で、チョッパ回路11におけるすべてのスイッチング素子12をスイッチング動作させ、チョッパ回路11から電圧を出力して、直流線路5へ電流を流し込む。
直流線路5へ流入する電流ihvdc_chgは次式(6)で表すことができる。
Figure 0006091945
ただし、直流線路5の電圧をVhvdc、上側のアームに接続されたチョッパの出力電圧の和をVarm_P、下側のアームに接続されたチョッパ回路11の出力電圧の和をVarm_N、Lbを各アームに接続するリアクトル6、7のインダクタンス値sを微分演算子とする。
上記の(6)式に示すように、直流線路5へ流れ込む電流はチョッパ回路11の出力電圧(Varm_P,Varm_N)によって決定される。そのため、出力電圧の大きさを変化させることで、直流線路5へ流れ込む電流は自由に制御可能である。直流線路容量をCDC_Lineとすると直流線路電圧Vhvdcは次式(7)のようになる。
Figure 0006091945
以上のようにして、第1の実施形態では、交流遮断器3を開放した状態で、直流線路5の電圧を交流系統4の電圧以上の振幅までに回復させることができる。一般的に、各チョッパ回路11に接続されたコンデンサ13の静電容量は、直流線路5の浮遊容量よりも大きい。したがって、コンデンサ13は、直流線路5の電圧を交流系統4の電圧以上の振幅までに回復させるまでに十分なエネルギーを有している場合がほとんどである。このため、本実施形態では、コンデンサ13に蓄積されたエネルギーを利用して、直流線路5の電圧を確実に回復させることが可能である。
[効果]
第1の実施形態の効果は次の通りである。すなわち、直流線路5の電圧が変圧器2の二次側電圧以上の振幅になるまで、直流線路5へ電流を流すことで、交流遮断器3を投入しても、チョッパ回路11のダイオードが点弧することはなく、通常運転へ復帰することができる。
また、チョッパ回路11には高速なスイッチング動作を行える自己消弧型のスイッチング素子12を適用することで、チョッパ回路11の出力電圧を高速に操作することができる。さらに、第1の実施形態ではチョッパ回路11のコンデンサ13に蓄積されたエネルギーを、直流線路5の静電容量に流して、直流線路5への充電制御を高速に行うことが可能である。上記のような第1の実施形態によれば、直流線路5の電圧を早急に回復することができ、直流線路5の事故発生後、直流線路5の直流電圧をすばやく確実して、再起動を高速に実現することができる。
(2)第2の実施形態
[構成]
第2の実施形態の基本構成は前記第1の実施形態と同様であり、その特徴は次の点にある。すなわち、電力変換器10は、直流線路5の電圧を上昇させた後、交流遮断器3を開いた状態で、変圧器2に対し交流系統4に同期した交流電圧を出力するが、その際、出力する電圧値を操作して、電力変換器10から変圧器2に流入する電流の移動平均をゼロにするように構成されている。また、電力変換器10は変圧器2に対し交流電圧を出力する際、交流遮断器3を閉じてから交流系統4と連系するように構成されている。
(変圧器の磁気飽和)
第2の実施形態の作用効果について述べる前に、変圧器2が磁気飽和する可能性について説明する。先に述べた第1の実施形態では、交流遮断器3を投入することなく、直流線路5の電圧を充電している。直流線路5の電圧が変圧器2の二次側電圧よりも十分高い電圧まで充電が完了すれば、交流遮断器3を投入しても、チョッパ回路11のダイオードを介して直流線路5に過電流が流れることはなく、電力変換装置の再起動が可能になる。
しかしながら、図5に示したように、交流系統4への投入位相や残留磁束位置などの条件によっては、変圧器2が磁気飽和する可能性がある。変圧器2が磁気飽和すると、突入電流が流入して、系統電圧の低下や電圧歪みが数秒にわたり継続するなど、交流系統4へ悪影響を及ぼしかねない。
[作用効果]
そこで第2の実施形態に係る電力変換器10では、直流線路5の電圧を上昇させた後、交流遮断器3を開放した状態で、変圧器2の二次側から交流系統4に同期した電圧を、変換器2から可加し、残留磁束を除去することで、交流遮断器3投入時の変圧器2の磁気飽和を防いでいる。
第2の実施形態の動作について図6を用いて説明する。まず、交流遮断器3を開放した状態で直流線路5の電圧を、変圧器2の二次側の定格電圧振幅よりも大きい値まで充電する。直流線路5の充電が完了すれば、変圧器2に対して定格電圧相当の交流電圧を、電力変換器10から出力することが可能となる。次に、交流遮断器3を開放した状態で、変圧器2の二次側に対し交流系統4の電圧に同期した同位相の交流電圧を、電力変換器10から印加する。
ここで、変圧器2の残留磁束によって磁気飽和してしまう恐れがあるため、第2の実施形態では、電力変換器10が、定格電圧よりも十分に低い値の電圧振幅を変圧器2に電圧を印加する。その結果、励磁電流相当の電流が、電力変換器10から変圧器2に流れる。
そして第2の実施形態においては、この励磁電流の移動平均から偏磁量を推定し、電力変換器10から変圧器2に流入する励磁電流の移動平均が、ゼロになるように、電力変換器10から変圧器2への出力電圧を操作する。これにより、第2の実施形態では、残留磁束を除去することができ、残留磁束を除去しながら、電力変換器10から出力する電圧振幅を定格電圧まで上昇させる。
第2の実施形態では、このようにして残留磁束を除去すると共に、電力変換器10の出力電圧が定格電圧に達した状態で、交流遮断器3を投入する。したがって、電力変換器10が変圧器2に対し交流電圧を出力した後、交流遮断器3を閉じてから交流系統4と連系することになり、交流遮断器3を投入する時の過大な電流を、交流系統4に流すことがない。
以上のような第2の実施形態によれば、電力変換器10から励磁することで、磁束の動作点はゼロ付近となり、交流遮断器3の投入位相にかかわらず、変圧器2が磁気飽和することはない。また、第2の実施形態によれば、交流遮断器3の投入時に、過大な電流を交流系統4に流すこともなく、電力変換器10を迅速且つ確実に再起動することが可能となる。
(3)第3の実施形態
[構成]
第3の実施形態について図7を参照して説明する。第3の実施形態の特徴は、電力変換器10と直流線路5の間に開閉器14を設ける構成とする点にある。なお、図7では、制御装置8及びセンサ9の図示は省いている。
[作用効果]
直流線路5が被雷し、地絡状態となった場合、交流系統4側の交流遮断器3を開放することによって事故電流を遮断する。その後、電力変換器10の電圧が直流線路に印加されないようにするために、第3の実施形態では、開閉器14を開放して直流線路5と電力変換器10を切り離す。このような第3の実施形態によれば、所定の無電圧時間が経過した後は、まず、開閉器12を閉路することで、電力変換器10により直流回路5の充電を行うことができる。この点が第3の実施形態の独自の作用効果である。
(4)他の実施形態
なお、上記の実施形態は、本明細書において一例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図するものではない。すなわち、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことが可能である。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上記の実施形態では、電力変換器10と交流遮断器3の間に変圧器2を接続していたが、図8に示すように、電力変換器10と交流遮断器3との間に変圧器2を接続しないようにした実施形態であってもよい。このような実施形態であっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
1、10…電力変換器
1a、11…チョッパ回路
2…変圧器
3…交流遮断器
4…交流系統
5…直流線路
6、7…リアクトル
8…制御装置
9…センサ
12…スイッチング素子
13…コンデンサ
14…開閉器

Claims (6)

  1. 交流系統の電力を直流に変換する、もしくは、直流線路に流れる直流を交流へ変換するための電力変換装置、あるいは交流系統の電力を直流に変換し、且つ直流線路に流れる直流を交流へ変換するための電力変換装置であって、
    コンデンサとスイッチング素子からなるチョッパ回路を直列接続して構成された電力変換器と、
    前記電力変換器に流れる電流を検出するセンサと、
    前記交流系統と前記電力変換器間に接続された交流遮断器と、が設けられており、
    前記電力変換器は、前記交流遮断器を開放した状態で、前記チョッパ回路の前記コンデンサに蓄積されたエネルギーを前記直流線路の静電容量に流すことにより前記直流線路の電圧を上昇させるように構成されたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記センサが直流線路の電圧低下に伴う過大電流を検知すると、前記チョッパ回路のすべての前記スイッチング素子は、ゲートブロックを行うように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記電力変換器と前記直流線路の間には開閉器が接続され、前記開閉器は、前記直流線路の事故除去後の無電圧期間は前記電力変換器と前記直流線路とを切り離し、前記直流線路の再充電の前に再閉路するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換器には変圧器が接続され、当該変圧器と前記交流系統と間に前記交流遮断器が接続され、
    前記電力変換器は、前記直流線路の電圧を上昇させた後、前記交流遮断器を開いた状態で、前記変圧器に対し前記交流系統に同期した交流電圧を出力するように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記電力変換器は、前記直流線路の電圧を上昇させた後、前記交流遮断器を開いた状態で、前記変圧器に対し交流電圧を出力する際、出力する電圧値を操作して、前記電力変換器から前記変圧器に流入する電流の移動平均をゼロにするように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記電力変換器は、前記直流線路の電圧を上昇させた後、前記交流遮断器を開いた状態で、前記変圧器に対し交流電圧を出力する際、前記交流遮断器を閉じてから前記交流系統と連系するように構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載の電力変換装置。
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