JP6090422B2 - マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置 - Google Patents

マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、基板表面に薄膜を形成するために使用されるマグネトロンスパッタリング装置に組み込まれる磁場発生装置に関する。
スパッタリングとは、Ar等の不活性物質を高速で衝突させることによりターゲットを構成する原子や分子がたたき出される現象をいい、このたたき出された原子や分子を基板上に付着させることで、薄膜を形成することができる。マグネトロンスパッタリング法は、陰極内部に磁場を組み込むことにより、基板へのターゲット物質の堆積速度を向上させることができ、しかも基板への電子の衝突が起こらないため低温で成膜が可能な手法である。従って、半導体IC、フラットパネルディスプレー、太陽電池等の電子部品や、反射膜等の製造プロセスにおいては、基板表面に薄膜を形成するためにマグネトロンスパッタリング法が多く用いられている。
マグネトロンスパッタリング装置は、真空チャンバー内に陽極側の基板と、基板と相対するように配置したターゲット(陰極)と、ターゲットの下方に配置した磁場発生装置とを具備する。陽極と陰極との間に電圧を印加することによりグロー放電を起こし、真空チャンバー内の不活性ガス(0.1 Pa程度のArガス等)をイオン化させ、一方でターゲットから放出された二次電子を磁場発生装置により形成した磁場により捕獲し、ターゲット表面でサイクロイド運動を行わせる。電子のサイクロイド運動によりガス分子のイオン化が促進されるため、膜の生成速度は磁場を用いない場合に比べ格段に大きくなり、膜の付着強度が大きくなる。
特開2008-156735号は、図15(a)及び図15(b)に示すような、非磁性体からなるベース210と、その表面に設置された棒状の中央磁極片220と、その周囲に設けられた長円形状の外周磁極片230と、前記中央磁極片と前記外周磁極片との間に配置された複数の永久磁石240,250とを有し、前記永久磁石240,250は水平方向に磁化されかつ同極性の磁極が前記中央磁極片に対向するように配置されているとともに、前記中央磁極片の高さ及び前記外周磁極片の高さは前記永久磁石の高さ以上に形成されているマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置200を開示しており、この磁場発生装置を使用することにより、プラズマ状態の不活性ガスの閉じこめに必要な強度(磁束密度水平成分が10 mT以上)の磁場領域が、特にコーナー部において広がるので、コーナー部でのエロージョン領域を拡大させ、直線部及びコーナー部のエロージョンを均一にすることができると記載している。
しかしながら、この磁場発生装置によって得られる磁場は、中央磁極片に対向する部分の磁束密度が他の部分に比べて低いため、ターゲットの中央部分(中央磁極片に対向する部分)のエロージョン進行が遅い。ターゲットの使用効率をさらに向上させるため、ターゲット上の磁束密度の分布を平均化し、ターゲットの中央磁極片に対向する部分のエロージョン進行を相対的に速めることのできる技術の開発が望まれている。
特公平7-74439号は、内側磁極と、この内側磁極を取り囲んだ反対の極性を持つ外側磁極と、前記内側磁極から外側磁極近傍の両磁極上に配置されたターゲット材とを有し、前記両磁極は垂直方向の磁化を有する永久磁石,又は軟磁性体からなり、前記両磁極間に、水平方向の磁化を有する永久磁石を設け、さらに前記外側磁極の外側面に前記水平方向とは逆向きの磁化を有する永久磁石を設けたマグネトロンスパッタ装置を開示しており、ターゲット材上のプラズマを安定に保持すると同時に、ターゲット材の局所的なエロージョンを防止し、ターゲット材の寿命を著しく長くすることができると記載している。
しかしながら、特公平7-74439号に記載のマグネトロンスパッタ装置は、ターゲット材の局所的なエロージョンを防止するために、ターゲット材よりも外側(外側磁極の外側)にまで永久磁石を設けた構成になっているため、磁気発生装置が大型化するとともに、コストアップするという問題がある。
従って、本発明の目的は、ターゲットの中央磁極部材に対向する部分のエロージョン進行を相対的に速めることにより、ターゲット上の磁束密度の分布を平均化し、ターゲットの利用効率を向上させることのできるマグトロンスパッタリング用磁場発生装置を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、直線状の中央磁極部材と、外周磁極部材とによって形成されるレーストラック状の領域に、ターゲット面に対して平行な方向に磁化された複数の永久磁石を設置してなるマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記永久磁石をターゲット面に対して垂直な方向に磁化された複数の永久磁石とその両側に配置されたターゲット面に対して平行な方向に磁化された複数の永久磁石とを組み合わせてなる磁石ユニットに置き換えることにより、中央磁極片に対向するターゲット面上の磁束密度垂直成分(ターゲット表面に対して垂直な成分)が低下し、ターゲットの中央磁極片に対向する部分のエロージョン進行を相対的に速めることができることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の、ターゲットに対向し、ターゲット表面に磁場を発生させるためのマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置は、
直線部及びコーナー部からなるレーストラック形状を有し、
非磁性体からなるベース上に、(a)直線状の中央磁極部材と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材と、(c)前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間に、前記中央磁極部材を取り囲むように、かつ磁化方向が前記ターゲット表面に垂直になるように配置された複数の垂直永久磁石と、(d)前記中央磁極部材と前記垂直永久磁石との間に、一方の磁極が前記中央磁極部材に対向し、他方の磁極が前記垂直永久磁石に対向するように設置された複数の第1の水平永久磁石と、(e)前記外周磁極部材と前記垂直永久磁石との間に、一方の磁極が前記外周磁極部材に対向し、他方の磁極が前記垂直永久磁石に対向するように設置された複数の第2の水平永久磁石とを有し、
前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の、前記垂直永久磁石に対向する側の極が、前記垂直永久磁石の前記ターゲット表面に対向する側の極と同じであることを特徴とする。
前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の磁化方向長さの合計は、前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間隔の50〜95%であるのが好ましい。
前記第1及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが等しく、それらの前記厚さを100としたとき、前記垂直永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さは0〜150であるのが好ましい。
前記コーナー部を構成する垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石の、前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さは、それぞれ前記直線部を構成する前記垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石の、前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さの30〜100%であるのが好ましい。
前記コーナー部を構成する第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さは、前記コーナー部を構成する第1の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さよりも薄いのが好ましい。
前記コーナー部を構成する垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石が、平面視で前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間隙の面積の30%以上を占めるのが好ましい。
前記コーナー部の、前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間隙は、前記垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石と、前記垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石以外の部分を充填する非磁性体のスペーサとから構成してもよい。
前記コーナー部を構成する中央磁極部材の端部、外周磁極部材及び垂直永久磁石のうちの一部又は全部を除去してマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置を構成してもよい。
本発明のもう一つのマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置は、
非磁性体からなるベース上に、(a)直線状の中央磁極部材と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材と、(c)前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間に、前記中央磁極部材を取り囲むように設置された中間磁極部材と、(d)前記中央磁極部材と前記中間磁極部材との間に、一方の磁極が前記中央磁極部材に対向し、他方の磁極が前記中間磁極部材に対向するように設置された複数の第1の水平永久磁石と、(e)前記外周磁極部材と前記中間磁極部材との間に、一方の磁極が前記外周磁極部材に対向し、他方の磁極が前記中間磁極部材に対向するように設置された複数の第2の水平永久磁石とを有し、
前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の、前記中間磁極部材に対向する側の極が同じであることを特徴とする。
前記中間磁極部材の幅は、前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さの10〜75%の長さであるのが好ましい。
前記第1及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが等しく、それらの前記厚さを100としたとき、前記中間磁極部材の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが0〜150であるのが好ましい。
前記コーナー部を構成する中央磁極部材の端部、外周磁極部材及び中間磁極部材のうちの一部又は全部を除去してマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置を構成してもよい。
前記ターゲット表面に印加される磁場を、前記直線部において軸方向と直交する方向について測定したとき、前記ターゲット表面に対して平行な方向の磁束密度の極大値が、前記中央磁極部材に対向する部分の前記ターゲット表面に対して垂直な方向の磁束密度よりも大きいのが好ましい。
前記ターゲット表面に印加される磁場の、前記ターゲット表面に対して垂直な方向の磁束密度がゼロとなる位置において、前記ターゲット表面に対して平行な方向の磁束密度は10 mT以上であるのが好ましい。
本発明の磁場発生装置を用いることにより、ターゲットの中央磁極部材に対向する部分のエロージョン進行が相対的に速まり、ターゲットのエロージョン進行をより均一にできるので、ターゲットの利用効率を向上させることができる。
本発明の磁場発生装置を用いることにより、ターゲット又は磁場発生装置を機械的に揺動する機構が必要なくなるため、装置が小型化し、コストダウンが図れる。
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の一例を示す平面図である。 図1(a)におけるA-A断面図である。 図1(a)におけるB-B断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の他の一例を示す平面図である。 図2(a)におけるC-C断面図である。 図2(a)におけるD-D断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のさらに他の一例を示す平面図である。 図3(a)におけるE-E断面図である。 図3(a)におけるF-F断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のさらに他の一例を示す平面図である。 図4(a)におけるG-G断面図である。 図4(a)におけるH-H断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のさらに他の一例を示す平面図である。 図5(a)におけるI-I断面図である。 図5(a)におけるJ-J断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のさらに他の一例を示す平面図である。 図6(a)におけるK-K断面図である。 図6(a)におけるL-L断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のコーナー部用磁石の他の一例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のコーナー部の他の一例を示す平面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のコーナー部のさらに他の一例を示す平面図である。 実施例1の磁場発生装置を示す平面図である。 図10(a)におけるM-M断面図である。 比較例1の磁場発生装置を示す平面図である。 図11(a)におけるN-N断面図である。 実施例1の磁場発生装置におけるAライン、Bライン、Cライン及びDラインを示す模式図である。 比較例1の磁場発生装置におけるAライン、Bライン、Cライン及びDラインを示す模式図である。 実施例1の磁場発生装置によってターゲット面上に発生する磁束密度の平行成分及び垂直成分をAライン、Bライン、Cライン及びDラインに沿ってプロットしたグラフである。 比較例1の磁場発生装置によってターゲット面上に発生する磁束密度の平行成分及び垂直成分をAライン、Bライン、Cライン及びDラインに沿ってプロットしたグラフである。 従来のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の一例を示す平面図である。 図15(a)におけるO-O断面図である。
[1] マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置
(A)全体構成
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置は、ターゲット表面にレーストラック状の磁場を発生させるための装置であり、例えば図1(a)、図1(b)及び図1(c)に示すように、ターゲット7に対向し、直線部20及び2つのコーナー部30,30からなるレーストラック形状を有している。
(1)第1の構成
第1のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置1は、非磁性体からなるベース6上に、(a)直線状の中央磁極部材2と、(b)前記中央磁極部材2を取り囲むように設置された外周磁極部材3と、(c)前記中央磁極部材2と前記外周磁極部材3との間に、前記中央磁極部材2を取り囲むように、かつ磁化方向が前記ターゲット表面7aに垂直になるように配置された複数の垂直永久磁石4a,5aと、(d)前記中央磁極部材2と前記垂直永久磁石4a,5aとの間に、一方の磁極が前記中央磁極部材2に対向し、他方の磁極が前記垂直永久磁石4a,5aに対向するように設置された複数の第1の水平永久磁石4b,5bと、(e)前記外周磁極部材3と前記垂直永久磁石4a,5aとの間に、一方の磁極が前記外周磁極部材3に対向し、他方の磁極が前記垂直永久磁石4a,5aに対向するように設置された複数の第2の水平永久磁石4c,5cとを有し、前記第1の水平永久磁石4b,5b及び第2の水平永久磁石4c,5cの、前記垂直永久磁石4a,5aに対向する側の極が、前記垂直永久磁石4a,5aの前記ターゲット表面7aに対向する側の極と同じであることを特徴とする。
(i)直線部の構成
直線部20は、例えば図1(a)及び図1(b)に示すように、非磁性体からなるベース6上に設置された(a)四角柱状の中央磁極部材2と、(b)前記中央磁極部材2と平行に、前記中央磁極部材2の両側に離間して設置された四角柱状の2つの外周磁極部材3と、(c)前記中央磁極部材2及び前記外周磁極部材3との間に、前記中央磁極部材2及び外周磁極部材3と平行に、磁化方向が前記ターゲット表面7aに垂直で、一方の同極性の磁極(図ではN極)が前記ターゲット表面7aに対向するように連接して配置された、平面視で長方形の複数の垂直永久磁石4aと、(d)前記中央磁極部材2と前記垂直永久磁石4aとの間に、磁化方向がターゲット表面7aに対して平行で、一方の同極性の磁極(図ではS極)が中央磁極部材2に対向し、他方の同極性の磁極(図ではN極)が前記垂直永久磁石4aに対向するように設置された、平面視で長方形の複数の第1の水平永久磁石4bと、(e)前記外周磁極部材3と前記垂直永久磁石4aとの間に、磁化方向がターゲット表面7aに対して平行で、一方の同極性の磁極(図ではS極)が前記外周磁極部材3に対向し、他方の同極性の磁極(図ではN極)が前記垂直永久磁石4aに対向するように設置された、平面視で長方形の複数の第2の水平永久磁石4cとからなり、前記第1の水平永久磁石4b及び第2の水平永久磁石4cの、前記垂直永久磁石4aに対向する側の極(図ではN極)が、前記垂直永久磁石4aの前記ターゲット表面に対向する側の極(図ではN極)と同じである。
直線部20には、前記垂直永久磁石4a、第1の水平永久磁石4b及び第2の水平永久磁石4cが連接してなる永久磁石ユニット4が、前記中央磁極部材2と前記外周磁極部材3との間隙を充填するように配置される。前記永久磁石ユニット4は、第1の水平永久磁石4bの磁化方向(各永久磁石が連接する方向)長さLb及び第2の水平永久磁石4cの磁化方向(各永久磁石が連接する方向)長さLcの合計(Lb+Lc)が、前記永久磁石ユニット4の全長L(連接方向の長さ)の50〜95%となるように構成されるのが好ましく、前記全長Lの80〜90%となるように構成されるのがより好ましい。従って、前記垂直永久磁石4aの前記連接方向長さLa(前記第1の水平永久磁石4bと第2の水平永久磁石4cとの間隔に相当)は、前記全長Lの5〜50%となるように構成されるのが好ましく、前記全長Lの10〜20%となるように構成されるのがより好ましい。前記第1の水平永久磁石4bの磁化方向長さLb及び第2の水平永久磁石4cの磁化方向長さLcは異なっていても良いが、ほぼ同じ長さであるのが好ましい。
第1の水平永久磁石4bのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtb、及び第2の水平永久磁石4cのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtcは、お互いに等しいのが好ましく、垂直永久磁石4aのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtaは、厚さLtb及び厚さLtcと同じであっても異なっていてもよい。この垂直永久磁石4aのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtaを変化させることによって、発生させる磁場の強度及び分布を調節することができる。前記垂直永久磁石4aのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtaは、前記厚さLtb及び厚さLtcの50〜150%であるのが好ましく、80〜120%であるのがより好ましい。前記厚さLtaは、直線部を構成する全ての垂直永久磁石4aで同じである必要はなく、目的に応じて、部分的に厚さLtaを変化させてもよい。
前記垂直永久磁石4a、第1の水平永久磁石4b、及び第2の水平永久磁石4cは、それぞれの永久磁石を前記ベース6上に、接着剤等で貼りつけて配置してもよいし、あらかじめ前記垂直永久磁石4a、第1の水平永久磁石4b、及び第2の水平永久磁石4cを貼り合わせて一体に構成した永久磁石ユニット4を前記ベース6上に貼りつけて配置しても良い。また各垂直永久磁石4a、第1の水平永久磁石4b、及び第2の水平永久磁石4cは、2個以上の永久磁石から構成されていても良い。
図1(a)では、前記中央磁極部材2及び前記外周磁極部材3との間に、垂直永久磁石4a、第1の水平永久磁石4b、及び第2の水平永久磁石4cからなる永久磁石ユニット4を複数個連接させて直線部20の磁気回路を構成しているが、これらの複数の永久磁石ユニット4によって構成する代わりに、一体に形成された永久磁石ユニット4を用いて直線部20の磁気回路を構成してもよい。また必要な磁場強度や磁石の材質に応じて、複数の永久磁石ユニット4を離間して並べて直線部20の磁気回路を構成してもよい。離間して配置する場合、永久磁石ユニット4と永久磁石ユニット4との間隙は、非磁性のスペーサで充填しても良いし、何も置かなくても良い。永久磁石ユニット4の数及び大きさは特に限定されず、製造上又は組立易さの観点からどのような大きさに分割してもよく、またそれぞれの大きさが異なっていても良い。
(ii)コーナー部の構成
コーナー部30は、例えば図1(a)及び図1(c)に示すように、(a)中央磁極部材2の端部2aと、(b)前記中央磁極部材2の端部2aを中心として半多角形状に設置されたコーナー部外周磁極部材3cと、(c)前記中央磁極部材2の端部2aと前記コーナー部外周磁極部材3cとの間に、前記コーナー部外周磁極部材3cと平行に、磁化方向が前記ターゲット表面7aに垂直で、一方の同極性の磁極(図ではN極)が前記ターゲット表面7aに対向するように連接して配置された、平面視で台形の複数の垂直永久磁石5aと、(d)前記中央磁極部材2の端部2aと前記垂直永久磁石5aとの間に、磁化方向がターゲット表面7aに対して平行で、一方の同極性の磁極(図ではS極)が中央磁極部材2の端部2aに対向し、他方の同極性の磁極(図ではN極)が前記垂直永久磁石5aに対向するように設置された、平面視で台形の複数の第1の水平永久磁石5bと、(e)前記コーナー部外周磁極部材3cと前記垂直永久磁石5aとの間に、磁化方向がターゲット表面7aに対して平行で、一方の同極性の磁極(図ではS極)が前記コーナー部外周磁極部材3cに対向し、他方の同極性の磁極(図ではN極)が前記垂直永久磁石5aに対向するように設置された、平面視で台形の複数の第2の水平永久磁石5cとからなり、前記第1の水平永久磁石5b及び第2の水平永久磁石5cの、前記垂直永久磁石5aに対向する側の極(図ではN極)が、前記垂直永久磁石5aの前記ターゲット表面に対向する側の極(図ではN極)と同じである。前記中央磁極部材2の端部2a及び前記コーナー部外周磁極部材3cは、図1(a)では半多角形状だが、半円状であってもよい。また前記垂直永久磁石5a、第1の水平永久磁石5b及び第2の水平永久磁石5cは、図1(a)では平面視で台形であるが、平面視で長方形であっても良い。
コーナー部30には、前記垂直永久磁石5a、第1の水平永久磁石5b及び第2の水平永久磁石5cが連接してなる永久磁石ユニット5が、前記中央磁極部材2の端部2aと前記コーナー部外周磁極部材3cとの間隙を充填するように配置される。前記永久磁石ユニット5の構成は、前述した直線部用の永久磁石ユニット4の構成と同様である。すなわち前記永久磁石ユニット5は、第1の水平永久磁石5bの磁化方向(各永久磁石が連接する方向)長さLb'及び第2の水平永久磁石5cの磁化方向(各永久磁石が連接する方向)長さLc'の合計(Lb'+Lc')が、前記永久磁石ユニット5の全長L'(連接方向の長さ)の50〜95%となるように構成されるのが好ましく、前記全長L'の80〜90%となるように構成されるのがより好ましい。従って、前記垂直永久磁石5aの前記連接方向長さLa'(前記第1の水平永久磁石5bと第2の水平永久磁石5cとの間隔に相当)は、前記全長L'の5〜50%となるように構成されるのが好ましく、前記全長L'の10〜20%となるように構成されるのがより好ましい。前記第1の水平永久磁石5bの磁化方向長さLb'及び第2の水平永久磁石5cの磁化方向長さLc'は異なっていても良いが、ほぼ同じ長さであるのが好ましい。
前記永久磁石ユニット5の前記全長L'、垂直永久磁石5aの長さLa'、第1の水平永久磁石5bの長さLb'及び第2の水平永久磁石5cの長さLc'は、前記永久磁石ユニット4の対応する部分の長さ(全長L、長さLa、長さLb及び長さLc)と同じになるように構成してもよいが、コーナー部分のターゲットのエロージョン領域を拡張する等の目的に応じて、前記永久磁石ユニット4の対応する部分の長さと異なる長さで構成しても良い。この場合でも、コーナー部の垂直永久磁石5aの連接方向長さLa'は、直線部の垂直永久磁石4aの連接方向長さLaと同じにするのが好ましい。
第1の水平永久磁石5bのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtb'、及び第2の水平永久磁石5cのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtc'は、お互いに等しいのが好ましく、垂直永久磁石5aのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLta'は、厚さLtb'及び厚さLtc'と同じであっても異なっていてもよい。この垂直永久磁石5aのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLta'を変化させることによって、発生させる磁場の強度及び分布を調節することができる。前記垂直永久磁石5aのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLta'は、前記厚さLtb'及び厚さLtc'の50〜150%であるのが好ましく、80〜120%であるのがより好ましい。前記厚さLta'は、コーナー部を構成する全ての垂直永久磁石5aで同じである必要はなく、目的に応じて、部分的に厚さLta'を変化させてもよい。
コーナー部用の永久磁石ユニット5は、図1(a)に示すように、中央磁極部材2の端部2aと、中央磁極部材2の端部2aを中心として半多角形状に設置されたコーナー部外周磁極部材3cとの間隙を全て充填するように配置されていてもよいし、図7に示すように、コーナー部用永久磁石ユニット5とコーナー部用永久磁石ユニット5との間に間隙5eを空けて配置しても良い。このように間隙5eを開けてコーナー部用永久磁石ユニット5を配置することによりターゲット表面上の磁束密度を調節することができる。間隙5eには、非磁性体のスペーサを充填しても良い。中央磁極部材2の端部2aとコーナー部外周磁極部材3cとの間隙の総面積に対するコーナー部用永久磁石ユニット5の占有率は、特に限定しないが、30%以上であるのが好ましい。
コーナー部用永久磁石ユニット5の平面視による形状は、コーナー部外周磁極部材3cの形状に応じて設定するのが好ましい。コーナー部用永久磁石ユニット5は、図7に示すように、コーナー部外周磁極部材3cが半多角形状である場合、平面視でほぼ台形であるのが好ましく、図8に示すように、コーナー部外周磁極部材3cが半円状の場合、平面視でほぼ扇形であるのが好ましい。また図9に示すように、平面視で長方形であっても良い。コーナー部用永久磁石ユニット5の数及び大きさは特に限定されず、製造上又は組立易さの観点からどのような大きさに分割してもよく、またそれぞれの大きさが異なっていても良い。
前記垂直永久磁石5a、第1の水平永久磁石5b、及び第2の水平永久磁石5cは、それぞれの永久磁石を前記ベース6上に、接着剤等で貼りつけて配置してもよいし、あらかじめ前記垂直永久磁石5a、第1の水平永久磁石5b、及び第2の水平永久磁石5cを貼り合わせて一体に構成したコーナー部用永久磁石ユニット5を前記ベース6上に貼りつけて配置しても良い。また各垂直永久磁石5a、第1の水平永久磁石5b、及び第2の水平永久磁石5cは、2個以上の永久磁石から構成されていても良い。
前記垂直永久磁石5aのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLta'、前記第1の水平永久磁石5bのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtb'、及び前記第2の水平永久磁石5cのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtc'は、前記直線部を構成する永久磁石ユニット4の対応する部分の厚さ(それぞれLta、Ltb、及びLtc)と同じになるように構成してもよいが、コーナー部分のターゲットのエロージョン領域を拡張する等の目的に応じて、前記直線部を構成する永久磁石ユニット4の対応する部分の厚さと異なる厚さで構成しても良い。
例えば、図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示すように、コーナー部用永久磁石ユニット5のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLt'が、直線部用永久磁石ユニット4のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtよりも薄くなるように構成してもよい。ここでコーナー部用永久磁石ユニット5を薄くする場合、コーナー部30のベース6を厚くして、コーナー部用永久磁石ユニット5とターゲット表面7aとの距離は変更しないようにするのが好ましい。このような構成にすることにより、コーナー部に対応する部分のターゲット表面上の磁束密度を調節することができる。コーナー部用永久磁石ユニット5の前記厚さLt'は、必要に応じて適宜設定することができるが、直線部用永久磁石ユニット4の前記厚さLtの30〜100%であるのが好ましい。
さらにターゲット表面上の磁束密度を調節するために、例えば図3(a)、図3(b)及び図3(c)に示すように、前記コーナー部を構成する中央磁極部材の端部2a、外周磁極部材3c及び垂直永久磁石5aを除去することもできる。前記コーナー部の中央磁極部材の端部2a、外周磁極部材3c及び垂直永久磁石5aを全て除去しても良いが、ターゲット表面上の磁束密度を適度な大きさに調節するため、それらのうちの一部を除去してもよい。一部を除去する場合、両コーナー部30,30で対称になるように、また中央磁極部材2の長軸を通りターゲット表面に直交する面に対して対称(図3(a)の上下で対称)になるように構成するのが好ましい。
(2)第2の構成
前記第1の構成において、前記直線部20を構成する垂直永久磁石4a及びコーナー部30を構成する垂直永久磁石5aを、図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、磁性体(軟磁性体)からなる中間磁極部材8に置き換えてマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置を構成しても良い。前記直線部20を構成する垂直永久磁石4a及びコーナー部30を構成する垂直永久磁石5aの全てを中間磁極部材8に置き換えても良いし、一部だけを中間磁極部材8に置き換えても良い。第2の構成は、垂直永久磁石4a,5aを中間磁極部材8に置き換えた以外、前記第1の構成と同様なので、以下中間磁極部材8についてのみ詳細に説明する。
(i)直線部の構成
前記中間磁極部材8の幅は、前記直線部20を構成する第1の水平永久磁石4b及び第2の水平永久磁石4cのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さの10〜75%の長さであるのが好ましく、20〜60%の長さであるのがより好ましい。
前記中間磁極部材8のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtaは、第1の水平永久磁石4bのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtb、及び第2の水平永久磁石4cのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtcと同じであっても異なっていてもよい。この中間磁極部材8のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtaを変化させることによって、発生させる磁場の強度及び分布を調節することができる。前記中間磁極部材8のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtaは、前記厚さLtb及び厚さLtcの50〜150%であるのが好ましく、80〜120%であるのがより好ましい。
(ii)コーナー部の構成
前記中間磁極部材8の幅は、前記第1の水平永久磁石5b及び第2の水平永久磁石5cのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さの10〜75%の長さであるのが好ましく、20〜60%の長さであるのがより好ましい。
前記中間磁極部材8のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLta'は、第1の水平永久磁石5bのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtb'、及び第2の水平永久磁石5cのターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLtc'と同じであっても異なっていてもよい。この中間磁極部材8のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLta'を変化させることによって、発生させる磁場の強度及び分布を調節することができる。前記中間磁極部材8のターゲット表面7aに垂直な方向の厚さLta'は、前記厚さLtb'及び厚さLtc'の50〜150%であるのが好ましく、80〜120%であるのがより好ましい。
さらにターゲット表面上の磁束密度を調節するために、例えば図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示すように、前記コーナー部を構成する中央磁極部材の端部2a、外周磁極部材3c及び中間磁極部材8を除去することもできる。前記コーナー部の中央磁極部材の端部2a、外周磁極部材3c及び中間磁極部材8を全て除去しても良いが、ターゲット表面上の磁束密度を適度な大きさに調節するため、それらのうちの一部を除去してもよい。一部を除去する場合、両コーナー部30,30で対称になるように、また中央磁極部材2の長軸を通りターゲット表面に直交する面に対して対称(図5(a)の上下で対称)になるように構成するのが好ましい。
(3)第3の構成
前記第1の構成において、前記直線部20を構成する中央磁極部材2、外周磁極部材3及び垂直永久磁石4a、並びに前記コーナー部30を構成する中央磁極部材の端部2a、外周磁極部材3c及び垂直永久磁石5aを全て除去して、図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示すようにマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置を構成しても良い。
(B)永久磁石
直線部及びコーナー部を構成する永久磁石は、公知の永久磁石材料で形成することができる。永久磁石材料の材質は設備の構成(磁場発生装置からターゲットまでの距離)や必要な磁場強度によって適宜設定すれば良い。本発明においては、ターゲット表面7aにおける磁場の磁束密度垂直成分がゼロとなる位置における磁束密度の平行成分が10 mT以上となるように永久磁石を選択するのが好ましい。
高い磁束密度を得たい場合には、R(Nd等の希土類元素のうちの少なくとも一種)、T(Fe又はFe及びCo)及びBを必須成分とするR-T-B系異方性焼結磁石等の希土類磁石(耐食性の点から各種の表面処理を施したもの)を使用すれば良く、必要な磁束密度がそれほど高くないときにはフェライト磁石でも良い。また直線部とコーナー部との磁束密度を変えたい場合には、それぞれに必要な磁束密度にあわせ、直線部用永久磁石、及びコーナー部用永久磁石の材質や寸法を設定すれば良い。
(C)磁極部材
磁極部材には公知の磁性体(軟磁性体)を用いるのが好ましい、特に磁性を有する鋼材を用いるのが好ましい。
[2]その他の態様
本発明の磁場発生装置を複数台所定間隔で並列に配置することにより、一体型のターゲットを使用して大型の基板に成膜することができる。また磁場発生装置には、磁場発生装置の上面とターゲット面との距離を調節する機構を設けてもよい。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
図10(a)及び図10(b)に示すように、Al-Mg系合金(A5052)製のベース6上に、フェライト系ステンレス(SUS430)製の中央磁極部材2、外周磁極部材3、及びフェライト焼結磁石(日立金属製NMF-12F、残留磁束密度:約450 mT)からなる直線部用永久磁石ユニット4(垂直永久磁石4a、第1の水平永久磁石4b及び第2の水平永久磁石4c)及びコーナー部用永久磁石ユニット5(垂直永久磁石5a、第1の水平永久磁石5b及び第2の水平永久磁石5c)を配置し、磁場発生装置1(W=160 mm、L=70 mm、La=10 mm、Lb=30 mm、Lc=30 mm、a=10 mm、b=5 mm、及びc=25 mm)を作製した。
比較例1
直線部用永久磁石ユニット4及びコーナー部用永久磁石ユニット5を、図11(a)及び図11(b)に示すように、それぞれ直線部用永久磁石40及びコーナー部用永久磁石50に置き換えた以外実施例1と同様にして磁場発生装置1(W=170 mm、L=75 mm、a=10 mm、b=5 mm、及びc=25 mm)を作製した。
実施例1及び比較例1の磁場発生装置1表面(ターゲットと対向する面)から25 mmの位置(ターゲット表面の位置に相当)における磁束密度を磁場解析により求め、前記磁束密度のターゲット表面に対して平行な成分(磁束密度平行成分)及び垂直な成分(磁束密度垂直成分)を、図12(a)及び図12(b)に示すように、Aライン(直線部中央)、Bライン(コーナー部)、Cライン(コーナー部)及びDライン(コーナー部)に沿って求め、図13(実施例1)及び図14(比較例1)にプロットした。
図13及び図14から、直線部用永久磁石40及びコーナー部用永久磁石50を直線部用永久磁石ユニット4及びコーナー部用永久磁石ユニット5に置き換えたことにより、中央磁極部材2に対向する部分(中心からの距離が0 mm近辺)の磁束密度垂直成分が低下し、かつ磁束密度垂直成分がゼロとなる点が中心方向に移動した。これらの結果から、本発明の磁場発生装置(実施例1)は、従来のもの(比較例1)に比べて、特にターゲットの中央磁極部材2に対向する部分のエロージョンが相対的に促進され、ターゲットの利用効率が向上すると予測できる。

Claims (14)

  1. ターゲットに対向し、ターゲット表面に磁場を発生させるための、直線部及びコーナー部からなるレーストラック形状のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置であって、
    非磁性体からなるベース上に、(a)直線状の中央磁極部材と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材と、(c)前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間に、前記中央磁極部材を取り囲むように、かつ磁化方向が前記ターゲット表面に垂直になるように配置された複数の垂直永久磁石と、(d)前記中央磁極部材と前記垂直永久磁石との間に、一方の磁極が前記中央磁極部材に対向し、他方の磁極が前記垂直永久磁石に対向するように設置された複数の第1の水平永久磁石と、(e)前記外周磁極部材と前記垂直永久磁石との間に、一方の磁極が前記外周磁極部材に対向し、他方の磁極が前記垂直永久磁石に対向するように設置された複数の第2の水平永久磁石とを有し、
    前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の、前記垂直永久磁石に対向する側の極が、前記垂直永久磁石の前記ターゲット表面に対向する側の極と同じであることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  2. 請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の磁化方向長さの合計が、前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間隔の50〜95%であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  3. 請求項1又は2に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記第1及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが等しく、それらの前記厚さを100としたとき、前記垂直永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが0〜150であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記コーナー部を構成する垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが、それぞれ前記直線部を構成する垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さの30〜100%であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  5. 請求項4に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記コーナー部を構成する第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが、前記コーナー部を構成する第1の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さよりも薄いことを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記コーナー部を構成する垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石が、平面視で前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間隙の面積の30%以上を占めることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  7. 請求項6に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記コーナー部の、前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間隙は、前記垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石と、前記垂直永久磁石、第1の水平永久磁石、及び第2の水平永久磁石以外の部分を充填する非磁性体のスペーサとからなることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置から、前記コーナー部を構成する中央磁極部材の端部、外周磁極部材及び垂直永久磁石のうちの一部又は全部を除去した構成を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  9. ターゲットに対向し、ターゲット表面に磁場を発生させるための、直線部及びコーナー部からなるレーストラック形状のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置であって、
    非磁性体からなるベース上に、(a)直線状の中央磁極部材と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材と、(c)前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間に、前記中央磁極部材を取り囲むように設置された中間磁極部材と、(d)前記中央磁極部材と前記中間磁極部材との間に、一方の磁極が前記中央磁極部材に対向し、他方の磁極が前記中間磁極部材に対向するように設置された複数の第1の水平永久磁石と、(e)前記外周磁極部材と前記中間磁極部材との間に、一方の磁極が前記外周磁極部材に対向し、他方の磁極が前記中間磁極部材に対向するように設置された複数の第2の水平永久磁石とを有し、
    前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の、前記中間磁極部材に対向する側の極が同じであることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  10. 請求項9に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記中間磁極部材の幅が、前記第1の水平永久磁石及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さの10〜75%の長さであることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  11. 請求項9又は10に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記第1及び第2の水平永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが等しく、それらの前記厚さを100としたとき、前記中間磁極部材の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが0〜150であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置から、前記コーナー部を構成する中央磁極部材の端部、外周磁極部材及び中間磁極部材のうちの一部又は全部を除去した構成を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記ターゲット表面に印加される磁場を、前記直線部において軸方向と直交する方向について測定したとき、前記ターゲット表面に対して平行な方向の磁束密度の極大値が、前記中央磁極部材に対向する部分の前記ターゲット表面に対して垂直な方向の磁束密度よりも大きいことを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記ターゲット表面に印加される磁場の、前記ターゲット表面に対して垂直な方向の磁束密度がゼロとなる位置において、前記ターゲット表面に対して平行な方向の磁束密度が10 mT以上であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
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