JP6089729B2 - シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 - Google Patents

シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シームレスベルト、これを用いた画像形成装置、及びシームレスベルトの製造方法に関する。
中間転写ベルトとして、連続生産でき生産性の高い熱可塑性樹脂を用いたシームレスベルトの開発が進められている。カーボンブラックなどの導電性粒子を用いて中間転写ベルトの抵抗を調整する場合、ベルトの表面に分散したカーボンブラックが露出してしまうため、カーボンブラックを起点とする放電により異常画像が発生したり、粒子の光散乱により、トナー濃度を検知する際に重要なセンサーの信号が乱れたりするという問題がある。また、中間転写ベルトの電気特性は、表面抵抗率>体積抵抗率の関係にあり、更に表面抵抗率の電圧依存性が小さいことが求められる。こういった課題に対して中間転写ベルトを多層構成とし、表層の抵抗をイオン導電性材料で調整する技術が既に知られている。
しかし、イオン導電性材料で表層の抵抗を調整する場合、添加量が少ないと十分な導電性が得られないし、添加量が多いと表層にブリードアウトし、中間転写ベルトに残る転写残トナーのクリーニング性を著しく低下させたり、感光体を汚染して帯電不良を引き起こしたりする。更に、多層成形で重要となる基材樹脂との溶融粘度の差が大きくなり、安定した多層ベルトを成形できないという問題がある。
特許文献1には、抵抗率の電圧依存性を小さくする目的で、イオン導電性ポリマーである、主鎖中にアルキルオキシドユニットを持つ親水性ポリマー10〜45重量%を含むナイロン12からなる体積抵抗値10〜1012Ω・cmのイオン導電層と、カーボンブラック5〜22重量%を含むナイロン12からなるベース層とを押出成形により環状ダイスから共押出した電子写真装置用無端円筒状2層フイルムが開示されている。
この技術は、表層にイオン導電性樹脂を添加する点で本発明と類似するが、表層に添加されるイオン導電性ポリマーの添加量が10〜45重量%と多く、ブリード、感光体の汚染、成形時の不安定性という問題は解消できていない。
本発明は、表層中の導電性樹脂の添加量が少なくても十分な電気特性が得られ、かつクリーニング性や感光体の汚染性などの画像形成装置で必要な要件を満たすシームレスベルトの提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも基材層と表層を有し、該表層が、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂で構成され、表層中のポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%であることを特徴とするシームレスベルト。
本発明によれば、表層中の導電性樹脂の添加量が少なくても十分な電気特性が得られ、かつ、クリーニング性や感光体の汚染性などの画像形成装置で必要な要件を満たすシームレスベルトを提供できる。
ポリエーテルユニットがランダムに配置された導電性樹脂のDSC曲線を示す図。 本発明で用いる導電性樹脂の代表的な2種のDSC曲線を示す図。 本発明の画像形成装置の一例の構成を示す概略断面図。 感光体を配設する作像部の構成を示す概略断面図。 現像装置の構成を示す概略断面図。 プロセスカートリッジの一例の構成を示す概略断面図。 中間転写ベルトの一例の構成を示す外観図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明1)の実施の形態には、以下の2)〜)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記導電性樹脂が、式(1)で示されるポリエーテルユニットを有するポリマーであることを特徴とする1)記載のシームレスベルト。
Figure 0006089729
上記式中、Rは炭素数20以上の直鎖若しくは分岐のアルキル基、又は分子量1000以上の式(2)で示される基、Yは水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基、Xは炭素数1〜4のアルキレン基、Wは、エステル基、エーテル基、アミノ基、アミド基、カーボネート基、酸無水物基、ウレタン基、ウレア基、又は直接結合、mは自然数であり、mが19以下の場合は、Rは分子量1000以上の式(2)で表される基である。
Figure 0006089729
上記式中、Zは水素原子、メチル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基であり、nは自然数である。
3) 前記表層が、更に表層材料全体の5重量%以下の有機微粒子及び無機微粒子から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする1)又は2)に記載のシームレスベルト。
) 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが、1)〜)のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
) 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写するために該記録媒体を搬送する転写ベルトと、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記転写ベルトが、1)〜)のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
) 少なくとも基材層用樹脂と表層用樹脂の2種の樹脂を共押出するシームレスベルトの製造方法であって、表層用樹脂として、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂と架橋剤で構成され、ポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%である樹脂組成物を用いることを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
) 前記架橋剤が、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする)記載のシームレスベルトの製造方法。
本発明に係る少なくとも基材層と表層を有するシームレスベルトは、表層の電気特性、特に表面抵抗率を調整するために用いる導電性樹脂に特徴がある。即ち、本発明で用いる導電性樹脂は、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有することを特徴とする。
図1は比較例で用いた導電性樹脂のDSC曲線(2ndスキャン)であるが、20℃〜70℃の間にポリエーテルユニットの明確な吸熱ピークは見られない。一方、図2は実施例で用いた導電性樹脂のDSC曲線であるが、これらの2ndスキャンの曲線をみると、20℃又は40℃付近に明確な吸熱ピークを有する。この違いを生じる理由は明確になっていないが、ポリエーテルユニットが高分子鎖中にランダム又は交互に配置されているか(従来の導電性樹脂)、ブロック状に配置されているか(本発明で用いる導電性樹脂)の違いによると考えられる。ポリエーテルユニットがブロック状に配置されることによりミクロドメインを形成するため、20〜70℃に明確な吸熱ピークを示すようになると考えている。
また、本発明で用いる導電性樹脂は、ポリエーテルユニットの繰り返し数を5〜20とすることにより、少量での抵抗調整が可能になるので、ブリードや感光体汚染がないシームレスベルトを得ることが出来る。
同じようにポリエーテルユニットを持つ導電性樹脂であっても、図2に示すような特性のものの方が少ない添加量で済む理由は、以下のように考えられる。
図1のように融点が150℃〜200℃付近にある樹脂に、融点が200℃の導電性樹脂を添加した系を想定すると、べルト成形時、導電性樹脂を含有する溶融樹脂が押出成形機から環状に押し出され、直ちに外気で冷却される。このとき、該溶融樹脂は押出成形機で溶融混練された状態で固化してベルトが成形されるが、導電性樹脂は、均一に微分散された状態で固化するものと考えられる。
一方、図2のように、低温側にも融点がある場合は、溶融樹脂が固化する温度と、導電性樹脂が固化する温度が異なるため、ベルト状に成形された後も、導電性樹脂のドメインが成長していると考えられる。そして、このドメインのサイズが大きければ、十分な導電パスを形成できるため、少量の添加で導電性が付与できると考えられる。
導電性樹脂の添加量を大幅に低減できると、次のような効果が得られる。
(a)ベルト表面への導電性樹脂のブリードを抑制できる。
(b)平滑性が高く良好な表面性の成形物が得られる。
(c)多層同時押出し時の基材樹脂層との溶融粘度(特性)の差が小さくなり、安定した成形物が得られる。
次に、本発明のシームレスベルトの形状、特性などについて説明する。
[シームレスベルトの組成、外観、形状]
本発明のシームレスベルトは、少なくとも基材層と表層を有し、表層は少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂から成る。表層中のポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合は、1〜10重量%とする。1重量%未満では抵抗を下げる効果が発現しないし、10重量%よりも多いと、ブリードが発生し、転写ベルトとして使用したときのクリーニング性が悪く、感光体表面の汚染を引き起こす。
表層の厚みは、シームレスベルトの厚みに対して、1〜30%となるように成形することが好ましい。
また、シームレスベルトの厚みは、50〜300μmの範囲にあることが好ましい。
また、本発明のシームレスベルトは、表層材料中に有機微粒子及び無機微粒子から選ばれた少なくとも1種を添加することが好ましい。メカニズムは不明であるが、これらの微粒子を添加すると、光沢の安定性、表層の表面への導電性樹脂のブリードが抑制される。ブリードの抑制には架橋材の添加も効果がある。ブリードが抑制されると、ベルトクリーニング性や感光体の汚染性などが改善され、画像品質への悪影響を防止することができる。また、多層押出成形時に安定した成形性を確保することができる。上記微粒子の添加量は5重量%以下が好ましい。5重量%を超えるとベルトの表面光沢が低下したり、成形時の良好な樹脂の流動性が損なわれる。
[機械特性]
本発明のシームレスベルトを中間転写ベルト用材料として用いる場合には、引張弾性率1000〜3000Mpa、引張破断伸度10〜300%であることが好ましい。弾性率が1000Mpa未満では、装置装着時に中間転写ベルトに十分な張力を発生させることができないし、3000Mpaを超えると耐折性試験の結果が著しく低下する。また、引張破断伸度が10%未満では画像形成中にベルトが破損するといった問題が発生する。
[電気特性]
本発明のシームレスベルトを中間転写ベルト用材料として用いる場合には、中間転写ベルトの電気特性の一つである体積抵抗率を制御する必要がある。中間転写ベルトの体積抵抗率は10〜1010(Ω・cm)が好ましく、より好ましくは、10〜10(Ω・cm)範囲である。このとき表面抵抗率は10〜1012(Ω/□)の範囲にあることが好ましい。また、表面抵抗率>体積抵抗率の関係にあることが好ましい。
表面抵抗率及び体積抵抗率が前記下限値未満では、トナーとの静電的な付着力が上昇し、2次転写効率が低下する。また、前記上限値を超えると、印加した転写バイアスによりベルトに誘起された電荷が除電されず、画像メモリなど画像品質に影響を与える。
更に体積抵抗率≧表面抵抗率の関係になると、画像ドットが飛散したり、エッジが滲んだようになり、シャープな画質が得られない。
前記表面抵抗率や体積抵抗率は、例えばダイヤインスツルメンツ社製の測定装置「ハイレスタ」などにより測定することができる。
[表面光沢]
表面光沢は、60°光沢値で30〜100の範囲にあることが好ましい。光沢値の測定は日本電飾社製の光沢度計で行うことができる。光沢値が30より低いとトナー濃度センサーの正反射光が十分に検知できない。また、光沢値が100を超えると散乱光が十分に検知できなくなる。
[トナー濃度検知性]
本発明のシームレスベルトを用いた転写ベルト上でトナー付着量を読み取るため、転写ベルトにはトナー濃度検知性能が求められる。トナー濃度検知は、例えば赤外光を入射した際の正反射光及び拡散反射光成分を測定し、ベルト上にどの程度トナーが付着しているかを読み取ることにより行われる。このとき、ベルトの表面光沢が低いとベルト表面からの反射光とベルト上に付着したトナー表面からの反射光に十分な差がなく濃度検知がエラーとなる。目安となるベルトの表面光沢は、測定角度60°で50以上であることが好ましい。後述する比較例5に示したようなカーボンブラックだけで抵抗調整した場合は、光沢度の値が50以下となりマシーンに搭載した際、トナー濃度が検出不能となる。
[クリーニング性]
紙に画像を転写した後、本発明のシームレスベルトを用いた転写ベルト上に残るトナーは、クリーニング部材で掻き取られて除去される。このとき、転写ベルト表面に低分子量成分が存在すると、トナーが完全に除去されずクリーニング不良となる。
本発明では、抵抗調整のために導電性樹脂を添加しているが、導電性樹脂のような分子量の比較的小さな成分を添加すると、クリーニングには不利になる。故に、樹脂の分子量、添加量には注意が必要である。本発明では導電性樹脂の添加量が10重量%以上になると、クリーニング不良が発生する。
このような表面の低分子量成分を結合させ、高分子量化させるために、少量の架橋剤を加えてもよい。導電性樹脂の添加量が10重量%程度でも架橋剤を加えればクリーニング不良が発生を防止することができる。
次に、本発明のシームレスベルトに用いる材料について説明する。
[導電性樹脂]
本発明では、ポリエーテルユニットを有する導電性樹脂を用いるが、耐屈曲性を考慮すると結晶性高分子が好ましい。該導電性樹脂の具体例としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド(PAO)、ポリエーテルアミド(PEA)、ポリエーテルエステルアミド(PEEA)等が挙げられ、市販品では例えばPAOとしてアクアコーク(住友精化社製)、ポリエーテルエステルアミドとしてペレスタット、ポリエーテルとポリオレフィンのブロック共重合体であるペレクトロン(三洋化成工業社製)等が入手可能である。
これらの中でも、ポリエーテルアミド成分、ポリエーテルエステルアミド成分又はポリエステル−エーテルブロック共重合体成分を含有する高分子イオン導電剤が好適であり、更に、これに加えて低分子イオン導電剤成分を含有することが好ましい。
また、上記ポリエーテルアミド成分及びポリエーテルエステルアミド成分としては、ポリエーテル成分が(−CH−CH−O−)を含有し、ポリアミド成分がポリアミド12又はポリアミド6を含有するものが特に好ましい。
また、親水性ポリマーのユニットと、ポリオレフィンなどの疎水性ポリマーのユニットとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して繰り返し交互に結合したブロック共重合体も、好適に用いることができる。
前記ポリオレフィンとしては、ポリマーの両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するポリオレフィンが挙げられ、特に、ポリプロピレン及びポリエチレンが好適である。
前記親水性ポリマーとしては、水酸基を有するポリオキシアルキレン等のポリエーテルジオール、両末端カルボキシル基のポリアミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステルアミド、ポリアミドイミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルアミドイミド、ポリエステルとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステル、ポリアミドとポリエーテルジアミンとから構成されるポリエーテルアミド等が使用でき、中でも、水酸基を有するポリオキシアルキレンが好ましい。
具体例としては、両末端が水酸基のポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール)等が挙げられる。
導電性樹脂は、無機塩又は有機塩を添加して用いると安定性した導電性が得られるので好ましい。また、劣化防止のため酸化防止剤やラジカル補捉剤を加えてもよい。
無機塩又は有機塩の例としては、無機又は低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛又はアンモニウム塩が挙げられ、例えば、LiClO、LiCFSO、NaClO、LiBF、NaBF、KBF、NaCFSO、KClO、KPF、KCFSO、KCSO、Ca(ClO、Ca(PF、Mg(ClO、Mg(CFSO、Zn(ClO、Zn(PF又はCa(CFSO等が挙げられる。
導電性樹脂の体積抵抗率は、10〜1010(Ω・cm)の範囲にあることが好ましく、10〜10(Ω・cm)の範囲にあることが更に好ましい。
導電性樹脂の添加量はシームレスベルト材料全体の1〜10重量%が好ましい。1重量%以上であれば抵抗を下げる効果が得られる。また、10重量%以下であれば、シームレスベルトの引裂き性や割れ性、あるいはフィルミンングのようなシームレスベルトの汚染性に問題を生じるようなことはない。
[微粒子]
表層に添加する前記有機微粒子や無機微粒子の形状としては、球状、針状、円盤状などがある。これらの微粒子の材料としては電子導電剤やイオン導電剤が挙げられるが、有機フィラーや無機フィラーが好ましい。
前記微粒子の1次粒子径は5〜500nmとする。5nm未満では分散が困難になるし、500nmを超えると表面の平滑性に悪影響を及ぼすことがある。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカー等が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
[製造方法]
本発明のシームレスベルトの製造方法は、基材層用樹脂と表層用樹脂を共押出して同時成形する方法及び基材層と表層を順に成形する方法が挙げられるが、共押出が好ましい。共押出によると所望の高い表面光沢度が得られるし、2層の界面の接着性も良好となる。
共押出とは、例えば基材層と表層の2層の場合、各層の材料を押出す2台の押出機と、一つの2層用環状ダイスを用い、溶融させた各層の材料を同時に環状ダイスに送り込み、ダイス中で積層して押出す方法であり、一工程で短時間に積層シームレスベルトが得られる。3層以上の場合は、層数に応じた押出機とダイスを用いればよい。
表層用樹脂の材料であるポリプロピレン樹脂は、硬化性樹脂に比べて強度が劣る。また本発明で用いるような導電性樹脂を添加した場合、導電性樹脂の低分子量成分がベルトの表層にブリードアウトすることがある。成形時に多くの熱やストレスが樹脂にかかるため樹脂の分子鎖が分解したり、切断したりすることによりオリゴマー成分がベルト中に生成される。このオリゴマー成分は、画像出力を行う際に、クリーニング不良やベルト汚染の原因となる。そこで、ベルト成形時に樹脂コンパウンド中に架橋剤を適量添加しておくと、こういった問題を抑制することができる。
架橋剤としては、架橋反応を起こし得るものであれば特に制限されないが、アリル系多官能モノマーが好適である。その具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(DA−MGIC)などが挙げられるが、中でもDA−MGICは、少量で架橋効果が発現するため好適である。
また、他の架橋剤としては、多官能(メタ)アクリル系モノマーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート及びこれらの混合物を用いることもできる。
これらは1種を単独で使用しても、いずれか2種以上の混合物として使用してもよい。
架橋剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対し0.5〜15重量部程度が好ましく、2〜10重量部程度がより好ましい。配合量が多すぎると、外観不良や強度低下に繋がるため好ましくない。
本発明の画像形成装置(プリンタ)の基本構成について図面を参照して説明する。
図3は、本発明の画像形成装置の一例の構成を示す概略断面図である。これは電子写真方式の画像形成装置に適用した例である。
この画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す)、シアン(以下、「C」と記す)、マゼンタ(以下、「M」と記す)、ブラック(以下、「K」と記す)の4色のトナーからカラー画像を形成するものである。
まず、複数の潜像担持体を備え、この複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置(「タンデム型画像形成装置」)の基本構成について説明する。
この画像形成装置は、潜像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
図4は、感光体を配設する作像部2の構成を示す概略断面図である。なお、作像部2Y、2C、2M、2Kにおける各感光体1Y、1C、1M、1K周りの構成はすべて同じであるため、1つの作像部2についてのみ図示し、色分け用の符号Y、C、M、Kについては省略してある。感光体1の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電手段としての帯電装置3、現像手段としての現像装置5、感光体1上のトナー像を記録媒体又は中間転写体10に転写する転写手段としての転写装置6、感光体1上の未転写トナーを除去するクリーニング装置7の順に配置されている。帯電装置3と現像装置5との間には、帯電した感光体1の表面の画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段としての露光装置4から発せられる光が感光体1まで通過できるようにスペースが確保されている。
帯電装置3は感光体1の表面を負極性に帯電させる。この例における帯電装置3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラを備えている。
即ち、この帯電装置3は、帯電ローラを感光体1の表面に接触又は近接させ、その帯電ローラに負極性バイアスを印加することにより、感光体1の表面を帯電する。感光体1の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置3には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電装置3として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体1の表面に当接するように設置してもよい。この構成の場合には、帯電ローラの表面と感光体1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3aの表面と感光体1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体1の表面が帯電される。このようにして帯電した感光体1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電荷像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体1に対して各色に対応した静電荷像を書き込む。なお、この露光装置4はレーザ方式であるが、LEDアレイと結像手段とからなる他の方式を採用することもできる。
トナーボトル31Y、31C、31M、31Kから現像装置5内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラ5bによって搬送され、現像ローラ5a上に担持される。この現像ローラ5aは、感光体1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、感光体1と対向する領域(以下、「現像領域」と記す。)において、感光体1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上のトナーが、感光体1の表面を摺擦しながら、トナーを感光体1の表面に供給する。このとき、現像ローラ5aには、電源から−300Vの現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。
転写装置6における中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ11、12、13に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト10上には、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない一次転写ローラ14を用いた構成を採用している。具体的には、各感光体1Y、1C、1M、1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写装置6としての一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kを配置している。ここでは、各一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体1Y、1C、1M、1Kとによって、一次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各一次転写ローラ14に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト10に転写させる場合、感光体1と中間転写ベルト10は、圧接していることが好ましい。このときの圧接力は、10〜60N/mの範囲にあることが好ましい。
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置15が設けられている。このベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置15内から搬送手段により廃トナータンクまで搬送される。また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、二次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と二次転写ローラ16との間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。また、ここでは、キャリアを含まない一成分現像剤を使用している。
現像装置5は、図3に示したトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y、31C、31M、31Kは、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることにより、トナーエンド時にはトナーボトル31Y、31C、31M、31Kだけを交換すれば済む。したがって、トナーエンド時にまだ寿命に達していない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
図5は、現像装置の構成を示す概略断面図である。
現像剤収納器中の現像剤(トナー)は、現像剤供給部材としての供給ローラ5bで攪拌されながら、感光体1に供給する前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ5aのニップ部分に運ばれる。このとき供給ローラ5bと現像ローラ5aは、ニップ部で逆方向(カウンタ回転)に回転している。更に、現像ローラ5aに当接するように設けられた現像剤層規制部材としての規制ブレード5cで、現像ローラ5a上のトナー量が規制され、現像ローラ5a上にトナー薄層が形成される。また、トナーは、供給ローラ5bと現像ローラ5aのニップ部と規制ブレード5cと現像ローラ5aの間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
図6はプロセスカートリッジの一例の構成を示す概略断面図である。
本発明においては、静電潜像担持体、静電潜像帯電手段、現像手段、電潜像担持体等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。図6に示したプロセスカートリッジは静電潜像担持体、静電潜像帯電手段、図5で説明した現像手段を備えている。
次に、本発明のシームレスベルトを用いた中間転写ベルトについて説明する。
図7は、中間転写ベルトの一例の構成を示す外観図である。中間転写ベルト1は略円筒形状の無端状ベルトであるが、可撓性を有しており、自在に変形可能である。図7は、2本のロールに架け渡してベルト外周面の全体形状が長円形となった状態を示している。
中間転写ベルト1の寸法は、円筒形状としたときの外径が100〜300mm、幅Wが100〜350mmである。また、厚みtは、50〜300μmである。
また、中間転写ベルト1の材料であるベルト成形物の引張弾性率は800〜4000Mpa、表面抵抗率は1.0×10〜1.0×1012Ω/□である。ここで、引張弾性率及び体積抵抗率の測定方法は、例えば次のとおりである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、説明中の配合量に関する「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」である。また、Mnは数平均分子量である。
下記のようにして、ポリエーテルユニットを有する導電性樹脂(1)、(2)を得た。
<導電性樹脂(1)>
[無水マレイン酸変性ポリプロピレンの合成]
ガラス容器中に、800部のポリプロピレン、320部の無水マレイン酸及び80部のキシレンを仕込み、120℃で均一な溶液とした後、少量のキシレンに溶かした40部の過酸化ベンゾイルを滴下し、120℃で6時間反応させた。反応終了後、アセトン中でポリマーを析出させ、ろ過乾燥して無水マレイン酸変性ポリプロピレンの粉末を得た。

[導電性樹脂(1)の合成]
ステンレス製オートクレーブに、上記無水マレイン酸変性ポリプロピレン60部、ポリエチレングリコール(アルドリッチ社製202444、Mn:3350)33部、及び、酢酸ジルコニル0.5部を入れ、230℃、1mmHg以下の条件で4時間重合させて、ブロックポリマーの導電性樹脂(1)を得た。Mnは、27000であった。
導電性樹脂(1)の示差走査熱量測定(DSC)を実施したところ、2回目の昇温操作において、少なくとも65℃付近に吸熱ピークを確認できた。
<導電性樹脂(2)>
上記導電性樹脂(1)における無水マレイン酸変性ポリプロピレン66部と、12−アミノアウリン酸(東京化成工業社製)34部を、窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃で3時間、10mmHg以下の減圧下で反応させて、12−アミノラウリン酸で変性したポリプロピレンを得た。
次いで、この変性ポリプロピレン60部、ポリエチレングリコール(アルドリッチ社製202444、Mn:3350)33部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7部、酸化防止剤(チバジャパン社製イルガノックス1010)0.3部、酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の条件で4時間重合させて、導電性樹脂(2)を得た。Mnは、27900であった。導電性樹脂(2)の示差走査熱量測定(DSC)を実施したところ、2回目の昇温操作において、少なくとも20℃付近に吸熱ピークを確認できた。
<導電性樹脂3>
導電性樹脂(3)として市販の導電性樹脂ペレクトロンPVH(三洋化成社製)を用いた。この導電性樹脂(3)の示差走査熱量測定(DSC)を実施したところ、2回目の昇温操作において、少なくとも40℃付近に吸熱ピークを確認できた。
実施例1〜9
(基材層用の樹脂ペレットの作製)
下記のポリプロピレン樹脂とカーボンブラックを重量比92:8で使用し、200℃で2軸押出混練機により混練して、基材層用の樹脂ペレットを作製した。
・ポリプロピレン樹脂:日本ポリプロ社製、ノバテックEG7FTB
・カーボンブラック:電気化学工業社製、デンカブラック

(表層用の樹脂ペレットの作製)
表1に示す組成の表層用材料を、200℃で2軸押出混練機により混練して、表層用の樹脂ペレットを作製した。なお、表1中の数値は重量%である。
Figure 0006089729
上記表1中の材料の詳細は次のとおりである。
・ノバテックEG7FTB:日本ポリプロ社製のポリプロピレン樹脂
・カーボンブラック:電気化学工業社製、デンカブラック
・二酸化チタン:日本アエロジル社製、二酸化チタンP25
・架橋剤:日本化成社製 TAIC(トリアリルイソシアヌレート)
(シームレスベルトの成形)
2層を同時に押出成形できる環状のダイス(φ210mm)を装着した押出成形機を使用し、上記基材用樹脂ペレットと表層用樹脂ペレットを、それぞれホッパーから投入し、押出成形して実施例1〜9の2層シームレスベルトを作製した。
上記シームレスベルトの厚み、表層の厚み、表層の表面光沢度、表面抵抗率、体積抵抗率を測定した。光沢度及び抵抗率の測定は次のようにして行った。結果を表2に示す。
[光沢度測定]
表面光沢度は、光沢度計(PG−IIM:日本電色工業社製)を用いて測定角度60°で測定した。
[抵抗率測定]
抵抗率は、ハイレスタUP MCP−HT450型(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。表面抵抗率は、10V及び500V、10秒印加後の値を測定し、体積抵抗率は、250V、10秒印加後の値を測定し複数の測定地点の平均を測定値とした。また、表面抵抗率の10V印加時の値と500V印加時の値の比を算出することにより、表面抵抗率の電圧依存性の指標とした。
高品質な画像を得るために、この値は、1よりも大きく、3よりも小さい値であることが好ましい。
Figure 0006089729
実施例1〜9で作製したシームレスベルトについて、下記のようにして初期の画像品質、1万枚出力後の画像品質、トナー濃度検知性、及びクリーニング性を評価した。結果を表3に示す。

[画像品質]
シームレスベルトを市販のプリンタ(リコー社製IPSiO SP C320)に装着して画像出力を行い、次の基準で評価した。出力画像は、5mm間隔で平行に並ぶ複数のラインと200dpi相当のドットを含む画像とし、A4普通紙に印刷した。
〔評価基準〕
○:ライン画像やドット画像にムラや文字の滲みが見られない。
△:ライン画像やドット画像にムラや文字の滲みが僅かに認められる。
×:ムラや文字の滲み(ドットチリ)が見られる。
[トナー濃度検知性]
1万枚出力後のトナー濃度検知性を、日本電色工業社製の光沢度計(PG−11M)で測定した光沢度により、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:光沢度が50以上
×:光沢度が50未満
[クリーニング性]
1万枚出力後のベルト表面を目視で観察し、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:ベルト表面がトナーで汚染されておらず、画像への影響もない場合
△:ベルト表面がトナーで汚染されているが、画像への影響はない場合
×:ベルト表面がトナーで汚染されていて紙出力した際、画像を乱している場合

Figure 0006089729
比較例1〜5
(表層用の樹脂ペレットの作製)
表4に示す組成の表層用材料を、200℃で2軸押出混練機により混練して、表層用の樹脂ペレットを作製した。なお、表4中の数値は重量%である。また、ペレスタットNC6321以外の材料は、表1と同じである。
Figure 0006089729
・ペレスタットNC6321:三洋化成工業社製のポリエチレンオキシド鎖を有するブロック共重合体、DSC測定では20℃〜60℃付近に吸熱ピークは見られなかった。
(シームレスベルトの成形)
実施例における表層用の樹脂ペレットを、上記比較例の表層用の樹脂ペレットに代えた点以外は、実施例と同様にして2層シームレスベルトを作製し、実施例と同様にして、シームレスベルトの厚み、表層の厚み、表層の表面光沢度、表面抵抗率、体積抵抗率を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0006089729
比較例1〜5で作製したシームレスベルトを用いた点以外は、実施例と同様にして初期の画像品質、1万枚出力後の画像品質、トナー濃度検知性、及びクリーニング性を評価した。結果を表6に示すが、明らかに問題のある結果となった。
Figure 0006089729
1 感光体
1Y イエロー感光体
1C シアン感光体
1M マゼンタ感光体
1K ブラック感光体
2 作像部
2Y イエロー作像部
2C シアン作像部
2M マゼンタ作像部
2K ブラック作像部
3 帯電装置(帯電ローラ)
3a 帯電ローラ
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
11 支持ローラ
12 支持ローラ
13 支持ローラ
14 一次転写ローラ
14Y イエロー一次転写ローラ
14C シアン一次転写ローラ
14M マゼンタ一次転写ローラ
14K ブラック一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 二次転写ローラ
20 給紙カセット
21 給紙ローラ
22 レジストローラ対
23 加熱定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24 排紙ローラ
31Y イエロートナーボトル
31C シアントナーボトル
31M マゼンタトナーボトル
31K ブラックトナーボトル
T トナー(現像剤)
特許第3623551号公報

Claims (7)

  1. 少なくとも基材層と表層を有し、該表層が、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂で構成され、表層中のポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%であることを特徴とするシームレスベルト。
  2. 前記導電性樹脂が、式(1)で示されるポリエーテルユニットを有するポリマーであることを特徴とする請求項1記載のシームレスベルト。
    Figure 0006089729
    上記式中、Rは炭素数20以上の直鎖若しくは分岐のアルキル基、又は分子量1000以上の式(2)で示される基、Yは水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基、Xは炭素数1〜4のアルキレン基、Wは、エステル基、エーテル基、アミノ基、アミド基、カーボネート基、酸無水物基、ウレタン基、ウレア基、又は直接結合、mは自然数であり、mが19以下の場合は、Rは分子量1000以上の式(2)で表される基である。
    Figure 0006089729
    上記式中、Zは水素原子、メチル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基であり、nは自然数である。
  3. 前記表層が、更に表層材料全体の5重量%以下の有機微粒子及び無機微粒子から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシームレスベルト。
  4. 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが、請求項1〜のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写するために該記録媒体を搬送する転写ベルトと、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記転写ベルトが、請求項1〜のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 少なくとも基材層用樹脂と表層用樹脂の2種の樹脂を共押出するシームレスベルトの製造方法であって、表層用樹脂として、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂と架橋剤で構成され、ポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%である樹脂組成物を用いることを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
  7. 前記架橋剤が、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項記載のシームレスベルトの製造方法。
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