JP6086008B2 - 抵抗膜式タッチパネル装置 - Google Patents
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Description
本発明は、抵抗膜式タッチパネル装置に係わり、より詳細には、タッチパネルのタッチされた位置の座標と対応する電圧の検出方法に関する。
従来、抵抗膜式タッチパネルによる座標の検出は図5の説明図に示す原理で行なわれている。タッチパネルはフィルムの一面に抵抗膜を形成した第1抵抗膜フィルム(X座標検出用)70と第2抵抗膜フィルム(Y座標検出用)80とを互いの抵抗膜を対向させて配置し、これらの間に図示しないスペーサが備えられている。従ってこれらの間に静電容量が存在する。つまり、タッチパネル自体がコンデンサを形成していることになる。
一方、タッチパネルは指でタッチされることにより、2枚の抵抗膜フィルムの抵抗膜が電気的に接触する構成となっている。また、第1抵抗膜フィルム70の左右には抵抗膜71に接続された電極72と電極73とが対向して、また、第2抵抗膜フィルム80の上下には抵抗膜81に接続された電極82と電極83とが対向して、それぞれ備えられている。
一方、タッチパネルは指でタッチされることにより、2枚の抵抗膜フィルムの抵抗膜が電気的に接触する構成となっている。また、第1抵抗膜フィルム70の左右には抵抗膜71に接続された電極72と電極73とが対向して、また、第2抵抗膜フィルム80の上下には抵抗膜81に接続された電極82と電極83とが対向して、それぞれ備えられている。
X座標を検出する場合、電極72と電極73との間に直流電源90の電圧を印加する。ここで、タッチされた押圧点92では直流電源90の電圧が分圧されており、この分圧された電圧を第2抵抗膜フィルム80の抵抗膜81を介して電圧計91で測定し、この測定電圧(X座標電圧)をX座標に換算する。なお、Y座標を検出する場合、上記とは逆に第2抵抗膜フィルム80の電極82と電極83との間に直流電源90の電圧を印加し、分圧された電圧(Y座標電圧)を第1抵抗膜フィルム70の抵抗膜を介して検出してY座標に換算する。
図6は従来の方式によるX座標電圧の検出動作を説明する説明図である。図6(1)は人によるタッチパネルの押下状態を、図6(2)はフィルム間の静電容量が小さい場合のX座標用抵抗膜フィルムでの電圧であるX検出電圧を、図6(3)はフィルム間の静電容量が大きい場合のX座標用抵抗膜フィルムでの電圧であるX検出電圧を、図6(4)はX座標用抵抗膜フィルムでの電圧を推測する場合のX検出電圧を、それぞれ示している。なお、t0〜t4の時間は予め定めた時間である。
図6(1)において、タッチパネルは未押下から押下となっている。図6(2)において、タッチパネルが押下された状態でX座標用抵抗膜フィルムにt0のタイミングで直流電圧が印加されると、フィルム間のコンデンサに電荷が急激にチャージされて印加された電圧までX検出電圧が上昇し、その後フィルム間のコンデンサにチャージされた電荷が放電されるに従ってX検出電圧が低下する。低下した電圧が一定になれば、X座標用抵抗膜フィルムに印加された電圧がタッチパネルの押下により分圧された電圧を示すことになる。従って、t0において押下電圧閾値以上の電圧があればタッチパネルが押下されたことになる。一方、t4で低下したX検出電圧が一定になった場合にX座標電圧を示すことになる。
ところが、フィルム間の静電容量は度重なる操作や経年変化により徐々に容量が増加する傾向にあり、図6(3)に示すようにフィルム間のコンデンサにチャージされた電荷が放電されるまで時間がかかるため、t0から所定時間待機し、t4でX検出電圧を検出しても検出誤差が発生して正確なX座標電圧が測定できなくなる問題があった。また、この所定時間を長くすると、座標電圧を検出するまでの時間が長くなり、フィルム間の静電容量が小さいものであってもタッチパネルの反応が遅くなってしまう問題があった。
このようなフィルム間の静電容量のバラツキは経年変化だけでなく、個々のタッチパネルの製造過程においても発生する。個別のタッチパネルでの静電容量のバラツキに対処するため、個々のタッチパネルに対するソフトウェアでの対応や、タッチパネルの静電容量による選別対応が考えられるが、このような対処では手間がかかったり、高価になる問題がある。
このようなフィルム間の静電容量のバラツキは経年変化だけでなく、個々のタッチパネルの製造過程においても発生する。個別のタッチパネルでの静電容量のバラツキに対処するため、個々のタッチパネルに対するソフトウェアでの対応や、タッチパネルの静電容量による選別対応が考えられるが、このような対処では手間がかかったり、高価になる問題がある。
そこで、どのような静電容量のタッチパネルであっても対応するため、図6(4)に示すように、t0でタッチパネルの押下を確認した後、t1〜t3の一定間隔のタイミングで3回だけX座標の電圧であるV1〜V3を測定し、この3つの電圧の減少傾向から、最終的に一定となる電圧を推測する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図7は座標検出電圧の推測原理を説明する説明図である。図7の縦軸はX座標の電圧を、横軸は時間をそれぞれ示している。図7に示すように、フィルム間に蓄積された電荷が時間の経過とともに放電することにより、分圧された電圧は一定の曲線状に低下するため、t1からt2、t2からt3と対応するV1〜V2、V2〜V3の電圧変化から分圧された電圧が一定となる予測電圧Vxを求める予測演算処理を実行し、この予測電圧VxをX座標電圧とする。この方法であれば所定時間内にX座標電圧を求めることができる。
しかしながら、正確に予測するためにはサンプリング回数を増やして予測演算処理を所定時間内に実行しなければならないため、処理能力が高いCPUが必要であり、タッチパネル装置が高価になるという問題があった。
本発明は以上述べた問題点を解決し、予測演算処理を用いずともタッチパネルのフィルム間の静電容量の変化に対応して常に精度の高い座標電圧を求めることができる抵抗膜式タッチパネル装置を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、2枚の抵抗膜を対向させ一方の膜にX方向の電圧を印加するX駆動部と、他方の膜にY方向の電圧を印加するY駆動部と、時間を計時する計時部と、前記各駆動部へ駆動信号を出力すると共に、押下された位置の前記抵抗膜のそれぞれの電圧を検出する制御部と、同電圧の検出タイミングを規定する測定遅延時間を記憶した記憶部とを備えた抵抗膜式タッチパネル装置であって、
前記制御部は前記抵抗膜が押下された位置の電圧である座標電圧を求める場合、
前記X駆動部、又は前記Y駆動部の駆動を開始した後に計時部に計時を開始させ、記憶されている前記測定遅延時間による時間の経過後に2回検出した前記抵抗膜の電圧差が予め定めた所定電圧以上の時、さらに前記抵抗膜の電圧を繰り返して検出し、検出した最新2回における前記電圧差が予め定めた所定電圧未満となった場合、前記計時部で計時した時刻を前記測定遅延時間として前記記憶部に記憶することを特徴とする。
前記制御部は前記抵抗膜が押下された位置の電圧である座標電圧を求める場合、
前記X駆動部、又は前記Y駆動部の駆動を開始した後に計時部に計時を開始させ、記憶されている前記測定遅延時間による時間の経過後に2回検出した前記抵抗膜の電圧差が予め定めた所定電圧以上の時、さらに前記抵抗膜の電圧を繰り返して検出し、検出した最新2回における前記電圧差が予め定めた所定電圧未満となった場合、前記計時部で計時した時刻を前記測定遅延時間として前記記憶部に記憶することを特徴とする。
以上の手段を用いることにより、本発明による抵抗膜式タッチパネル装置によれば、
請求項1に係わる発明は、座標電圧を求める場合、記憶部に記憶した測定遅延時間が経過した後、抵抗膜の電圧差が予め定めた所定電圧以内となるまで繰り返し検出する構成のため、タッチパネルの静電容量が増加した場合であっても、この静電容量による座標電圧の検出誤りを低減させ、予測演算処理を用いずとも常に精度の高い座標電圧を求めることができる。
請求項1に係わる発明は、座標電圧を求める場合、記憶部に記憶した測定遅延時間が経過した後、抵抗膜の電圧差が予め定めた所定電圧以内となるまで繰り返し検出する構成のため、タッチパネルの静電容量が増加した場合であっても、この静電容量による座標電圧の検出誤りを低減させ、予測演算処理を用いずとも常に精度の高い座標電圧を求めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は本発明による抵抗膜式タッチパネル装置の実施例を示すブロック図である。
このタッチパネル装置は、タッチパネル7と、X駆動部1と、Y駆動部2と、A/D変換部3と、A/D変換部4と、記憶部6と、計時部であるタイマー8と、これらを制御する制御部5とを備えている。
このタッチパネル装置は、タッチパネル7と、X駆動部1と、Y駆動部2と、A/D変換部3と、A/D変換部4と、記憶部6と、計時部であるタイマー8と、これらを制御する制御部5とを備えている。
タッチパネルはフィルムの一面に抵抗膜(約600オーム)を形成した第1抵抗膜フィルム(X座標検出用)70と第2抵抗膜フィルム(Y座標検出用)80とを互いの抵抗膜を対向させて配置し、これらの間に図示しないスペーサが備えられている。従ってこれらの間に最小で約1.5ピコファラッドの静電容量が存在する。つまり、タッチパネル自体がコンデンサを形成していることになる。なお、この静電容量は経時変化などにより5ピコファラッド程度まで増加する場合がある。
一方、タッチパネルは指でタッチされることにより、2枚の抵抗膜フィルムの抵抗膜が電気的に接触する構成となっている。また、第1抵抗膜フィルム70の左右には抵抗膜71に接続された電極72と電極73とが対向して、また、第2抵抗膜フィルム80の上下には抵抗膜81に接続された電極82と電極83とが対向して、それぞれ備えられている。
X駆動部1は、その内部にスイッチ1aとスイッチ1bと1メグオームの抵抗1cとを備えている。スイッチ1aの一方の端子には+3ボルトの電源が接続され、スイッチ1aの他方の端子は第1抵抗膜フィルム70の電極73に、また、電極72はA/D変換部3の入力側とスイッチ1bの一方の端子にそれぞれ接続されている。なお、スイッチ1bの他方の端子はグランドに接続され、さらにスイッチ1bの端子間には抵抗1cが接続されている。そしてA/D変換部3の出力側は制御部5に接続され、制御部5からはスイッチ1aとスイッチ1bとの開閉を行なうX駆動信号がX駆動部1へ出力されている。なお、A/D変換部3の入力側の電圧をY検出電圧と呼称する。
Y駆動部2は、その内部にスイッチ2aとスイッチ2bと1メグオームの抵抗2cとを備えている。スイッチ2aの一方の端子には+3ボルトの電源が接続され、スイッチ2aの他方の端子は第2抵抗膜フィルム80の電極82に、また、電極83はA/D変換部4の入力側とスイッチ2bの一方の端子にそれぞれ接続されている。なお、スイッチ2bの他方の端子はグランドに接続され、さらにスイッチ2bの端子間には抵抗2cが接続されている。そしてA/D変換部4の出力側は制御部5に接続され、制御部5からはスイッチ2aとスイッチ2bとの開閉を行なうY駆動信号がY駆動部2へ出力されている。なお、A/D変換部4の入力側の電圧をX検出電圧と呼称する。
制御部5は予め決められた周期でタッチパネルの押下を監視しており、タッチパネル7が押下されたか否かを確認する場合、全てのスイッチが開の状態からスイッチ1aのみ閉とする。タッチパネル7が押下されていない場合、抵抗膜81に電圧が発生しないため、抵抗2cでグランドに接続されていることにより抵抗膜81の電圧であるX検出電圧はほぼゼロボルトとなり、この電圧がA/D変換部4を介して制御部5で認識される。
一方、タッチパネル7が押下された場合、第1抵抗膜フィルム70の抵抗値に対して抵抗2cの値が非常に大きいため、抵抗膜81にほぼ3ボルトの電圧が発生し、この電圧がA/D変換部4を介して制御部5で認識される。従って制御部5はA/D変換部4から出力されるX検出電圧値を監視することでタッチパネル7が押下されたか否かを確認できる。そして、制御部5はこのタッチパネル7の押下監視のタイミング毎に前述したように、スイッチ1aの閉状態におけるX検出電圧の検出を実行してタッチパネルの押下監視を繰り返し実行する。
一方、タッチパネル7が押下された場合、第1抵抗膜フィルム70の抵抗値に対して抵抗2cの値が非常に大きいため、抵抗膜81にほぼ3ボルトの電圧が発生し、この電圧がA/D変換部4を介して制御部5で認識される。従って制御部5はA/D変換部4から出力されるX検出電圧値を監視することでタッチパネル7が押下されたか否かを確認できる。そして、制御部5はこのタッチパネル7の押下監視のタイミング毎に前述したように、スイッチ1aの閉状態におけるX検出電圧の検出を実行してタッチパネルの押下監視を繰り返し実行する。
制御部5は、タッチパネル7の押下を確認した場合、次にスイッチ1bを閉にし、この時のX検出電圧値を検出する。この場合、第1抵抗膜フィルム70の対向する電極72の間で分圧された電圧が抵抗膜81に印加されることになるため、制御部5は入力されたX検出電圧値から換算してX座標を求めることができる。その後、スイッチ1aとスイッチ1bとを開にし、スイッチ2aとスイッチ2bとを閉にすることで、前述のように、今度はA/D変換部3を介して入力されたY電圧値からY座標を求めることができる。
図2は本発明による抵抗膜式タッチパネル装置の動作を説明する説明図であり、タッチパネル7のフィルム間の静電容量が小さい場合を説明するものである。なお前提条件として全てのスイッチは開状態であるとする。
図2(1)はタッチパネル7の押下状態を、図2(2)はスイッチ1aの開閉状態を、図2(3)はスイッチ1bの開閉状態を、図2(4)はスイッチ2aの開閉状態を、図2(5)はスイッチ2bの開閉状態を、図2(6)はX検出電圧を、図2(7)はY検出電圧を、それぞれ示している。なお、図2の横軸は時間であり、t0〜t7は時刻である。
図2(1)はタッチパネル7の押下状態を、図2(2)はスイッチ1aの開閉状態を、図2(3)はスイッチ1bの開閉状態を、図2(4)はスイッチ2aの開閉状態を、図2(5)はスイッチ2bの開閉状態を、図2(6)はX検出電圧を、図2(7)はY検出電圧を、それぞれ示している。なお、図2の横軸は時間であり、t0〜t7は時刻である。
図2(2)に示すように制御部5は予め決められた周期でタッチパネルの押下を確認するため、スイッチ1aを検出周期に従って開閉状態とし、スイッチ1aが閉状態の時にX検出電圧を検出する。具体的には図2(6)に示すように、スイッチ1aを閉にした時刻をt0とした場合、t0から5マイクロセカンド後のt1にX検出電圧、ここでは3.0ボルトを検出する。この電圧はタッチパネル7が押下されたか否かを判定する押下電圧閾値(2.8ボルト)以上であるため、タッチパネル7が押下されたと判断する。そして、図2(3)に示すように、t1から5マイクロセカンド後のt2でスイッチ1bを閉にする。
一方、制御部5はt1の時点で記憶部6に記憶されている測定遅延時間値、ここでは10マイクロセカンドを読み出し、この値の時間だけ経過した後、t3でX検出電圧(1.7ボルト)を検出する。なお、測定遅延時間値は予め記憶された値であるが、後述する条件の時に値が更新される。このため、制御部5はt1からの経過時間をタイマー8で計時している。
制御部5は固定された時間である検知間隔時間(5マイクロセカンド)がt3から経過したt4で再度、X検出電圧(1.6ボルト)を検出する。そして、t3とt4とで検出した電圧の差が所定値(0.1ボルト)以内であるため、制御部5はタッチパネル7のコンデンサの電荷がほとんど放電されてX検出電圧が安定したと判断する。そして、制御部5はt4で検出したX検出電圧(1.6ボルト)をX座標電圧値として記憶部6に記憶する。
制御部5はt4でX検出電圧を検出した後、スイッチ1aとスイッチ1bとを共に開とし、スイッチ2aとスイッチ2bとを閉とする。そして、これらのスイッチ制御から測定遅延時間だけ経過したt5でY検出電圧(2.0ボルト)を検出し、検出した電圧をY座標電圧値として記憶部6に記憶する。なお、t2で静電容量の放電が開始され、t4で放電が終了しているため、この間の時間は測定遅延時間からt1〜t2の時間を減算し、この結果にt3〜t4の時間を加算することで求められる。一方、t1〜t2もt3〜t4も共に5マイクロセカンドであるため、Y検出電圧を求める場合は、結果的に第2抵抗膜フィルム80に電圧を印加してから、つまり、スイッチ2aとスイッチ2bとを閉としてから測定遅延時間が経過したt5でY検出電圧を検出することで精度の高いY座標電圧を求めることができる。
そして、制御部5は記憶しているX座標電圧値とY座標電圧値とをそれぞれ座標の値に換算してX座標とY座標とを算出する。この換算方法は周知の技術であり、例えばX座標を0〜300とした場合、これに対応するX座標の電圧値0〜3.0ボルトの割合によってX座標を算出する。なお、Y座標も同様に算出する。
そして、制御部5は記憶しているX座標電圧値とY座標電圧値とをそれぞれ座標の値に換算してX座標とY座標とを算出する。この換算方法は周知の技術であり、例えばX座標を0〜300とした場合、これに対応するX座標の電圧値0〜3.0ボルトの割合によってX座標を算出する。なお、Y座標も同様に算出する。
図2(2)に示すように、次の検出周期の先頭で制御部5は前述したt0のタイミングと同様にt6でスイッチ1aを閉とし、この5マイクロセカンド後のt7でタッチパネル7の押下の有無を検出する。この時、図2(1)に示すようにすでにタッチパネル7の押下が無い場合、抵抗膜71に印加された電圧がタッチパネル7のコンデンサに充電され、この充電によってX検出電圧が変化する。この電圧変化はコンデンサに充電される過渡的な電圧の変化であるため、図2(6)に示すようにコンデンサへの充電が完了するとすぐに電圧が低下する。制御部5は、t7の時点で検出したX検出電圧(0.8ボルト)が押下電圧閾値(2.8ボルト)以下であるためタッチパネル7は押下されていないと判断する。
図3は本発明による抵抗膜式タッチパネル装置の動作を説明する説明図であり、タッチパネル7のフィルム間の静電容量が経年変化により大きくなった場合を説明するものである。なお前提条件として全てのスイッチは開状態であるとする。
図3(1)はタッチパネル7の押下状態を、図3(2)はスイッチ1aの開閉状態を、図3(3)はスイッチ1bの開閉状態を、図3(4)はスイッチ2aの開閉状態を、図3(5)はスイッチ2bの開閉状態を、図3(6)はX検出電圧を、図3(7)はY検出電圧を、それぞれ示している。なお、図3の横軸は時間であり、t0〜t8は時刻である。
図3(1)はタッチパネル7の押下状態を、図3(2)はスイッチ1aの開閉状態を、図3(3)はスイッチ1bの開閉状態を、図3(4)はスイッチ2aの開閉状態を、図3(5)はスイッチ2bの開閉状態を、図3(6)はX検出電圧を、図3(7)はY検出電圧を、それぞれ示している。なお、図3の横軸は時間であり、t0〜t8は時刻である。
基本的な動作は図2で説明しているので、ここではタッチパネル7のフィルム間の静電容量が増加した場合の動作を中心に説明する。
制御部5はt1でタッチパネル7の押下を確認すると記憶部6に記憶していた測定遅延時間(10マイクロセカンド)を読み出す。そしてこの測定遅延時間が経過したt3のタイミングでX検出電圧(2.0ボルト)を検出する。そして、検知間隔時間(5マイクロセカンド)が経過した後に再度、t4のタイミングでX検出電圧(1.8ボルト)を検出する。
制御部5はt1でタッチパネル7の押下を確認すると記憶部6に記憶していた測定遅延時間(10マイクロセカンド)を読み出す。そしてこの測定遅延時間が経過したt3のタイミングでX検出電圧(2.0ボルト)を検出する。そして、検知間隔時間(5マイクロセカンド)が経過した後に再度、t4のタイミングでX検出電圧(1.8ボルト)を検出する。
そして前述したように、制御部5はt3とt4とで検出したX検出電圧の差(0.2ボルト)が所定値(0.1ボルト)以上であるため、タッチパネル7のフィルム間の電荷は放電途中であると判断する。このため、制御部5はt4から検知間隔時間経過後のt5で再度、X検出電圧(1.6ボルト)を検出する。
制御部5は最新の2つの検出電圧であるt4のX検出電圧(1.8ボルト)とt5のX検出電圧(1.6ボルト)の検出電圧の差(0.2ボルト)が所定値(0.1ボルト)以上であるため、タッチパネル7のフィルム間の電荷はまだ、放電途中であると判断する。 このため、制御部5はt5から検知間隔時間経過後のt6で再度、X検出電圧(1.6ボルト)を検出する。t5とt6とで検出したX検出電圧(1.6ボルト)の検出電圧の差(0.0ボルト)が所定値(0.1ボルト)未満であるため、制御部5はタッチパネル7のフィルム間の電荷の放電が終了したと判断する。
従って制御部5はt6で検出したX検出電圧(1.6ボルト)をX座標電圧値として記憶部6へ記憶する。一方、制御部5は前述したようにt1からの経過時間をタイマー8で計時している。そして、タッチパネル7のフィルム間の電荷の放電が終了したと判断したt6の1つ前のタイミングであるt5とタイマー8で計時を開始したt1との間の時間を測定遅延時間として記憶部6へ記憶する。具体的にはt1〜t6のまで計時時間から検知間隔時間(5マイクロセカンド)を差し引いた20マイクロセカンドを測定遅延時間としている。
図3の例は図2の例に比較して2回分(10マイクロセカンド)の検知間隔時間だけX検出電圧の確定に時間がかかっており、制御部5はX検出電圧の繰り返し検出が完了するまでスイッチ1aとスイッチ1bとを閉状態のままとする。一方、X座標電圧値を記憶した後の制御は図2の場合と同じであり、制御部5はt6でX検出電圧を検出した後、スイッチ1aとスイッチ1bとを共に開とし、同時にスイッチ2aとスイッチ2bとを閉とする。
そして、制御部5は記憶部6に記憶している測定遅延時間(20マイクロセカンド)を読み出し、これらのスイッチ制御から測定遅延時間だけ経過したt7でY電圧(2.0ボルト)を検出し、検出した電圧をY座標電圧値として記憶部6に記憶する。そして、制御部5は記憶しているX座標電圧値とY座標電圧値とをそれぞれ座標の値に換算してX座標とY座標とを算出する。
以上説明したように、X又はY座標電圧を求める場合、記憶部6に記憶した測定遅延時間が経過した後、X又はYの抵抗膜の電圧の電圧差が所定電圧以内となるまで繰り返し検出する構成のため、タッチパネル7の静電容量が増加した場合であっても、この静電容量による座標電圧の検出誤りを低減させ、予測演算処理を用いずとも精度の高い座標電圧を求めることができる。
次に図4のフローチャートを用いて制御部5の動作を説明する。また、図4において、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を示す。また、図4中の『Y』はYesを、『N』はNoをそれぞれ示している。なお前提条件として全てのスイッチは開状態である。
制御部5はまず最初にタッチパネル押下の検出タイミングであるか確認する(ST1)。この実施例では1ミリセカンド毎に確認を行なう。タッチパネル押下の検出タイミングでなければ(ST1−N)、ST1へジャンプする。
タッチパネル押下の検出タイミングであれば(ST1−Y)、スイッチ1aを閉にして5マイクロセカンド待機する(ST2)。そして、X検出電圧を検知する(ST3)。次に検知したX検出電圧の値が予め定められた押下電圧閾値よりも小さいか確認する(ST4)。検知したX検出電圧の値が予め定められた押下電圧閾値よりも小さい場合(ST4−Y)、タッチパネル7の押下がないため、スイッチ1aを開にし(ST5)、その後ST1へジャンプする。
一方、検知したX検出電圧の値が予め定められた押下電圧閾値よりも小さくない場合(ST4−N)、制御部5はタイマー8を用いて時間の計時を開始する(ST6)。そして、5マイクロセカンド待機した後、スイッチ1bを閉にする(ST7)。次に記憶部6に記憶している測定遅延時間と計時時間とが等しくなった時、X検出電圧を検知する(ST8)。
次に検知間隔時間だけ待機し、X検出電圧を検知する(ST9)。そして、前回と今回のX検出電圧の電圧差が予め定めた所定値より小さいか確認する(ST10)。前回と今回のX検出電圧の電圧差が予め定めた所定値より小さくない場合(ST10−N)、タッチパネル7のフィルム間の電荷はまだ、放電途中であるため、ST9へジャンプする。
前回と今回のX検出電圧の電圧差が予め定めた所定値より小さい場合(ST10−Y)、現在の計時時間から検知間隔時間を減算した結果を測定遅延時間して記憶部6へ記憶する(ST11)。ただし、1回目と2回目のX検出電圧の電圧差が所定値よりも小さい場合は測定遅延時間の記憶を実行しない。もしくは、算出した測定遅延時間よりも記憶されている測定遅延時間が大きい場合は測定遅延時間の記憶を実行しないようにしてもよい。
次にスイッチ1aとスイッチ1bとを開にし、スイッチ2aとスイッチ2bとを閉にする(ST12)。
次にスイッチ1aとスイッチ1bとを開にし、スイッチ2aとスイッチ2bとを閉にする(ST12)。
そして、記憶部6に記憶した測定遅延時間だけ待機した後にY検出電圧を検知し、スイッチ1aとスイッチ1bとスイッチ2aとスイッチ2bとを開にする(ST13)。そして検知した最新のX検出電圧とY検出電圧とをそれぞれX座標とY座標とに変換して算出する(ST14)。そしてST1へジャンプする。
なお、本実施例ではY検出電圧の検出タイミングをスイッチ2aとスイッチ2bとを閉にしてから測定遅延時間だけ遅延させているが、これに限るものでなく、X座標用のX検出電圧を求めた時と同じ手法を用いて、Y検出電圧を複数回検出して最新の2つのY検出電圧の電圧差が所定値以内となるまで繰り返し検知してからY座標用のY検出電圧を求めるようにしてもよい。
また、本実施例ではタッチパネル押下を検出する場合、スイッチ1aを閉としてから固定時間(5マイクロセカンド)経過後にX検出電圧を検出しているが、これに限るものでなく、測定遅延時間と対応させて遅延させるようにしてもよい。これにより、タッチパネルの静電容量が大きい場合に検出タイミングを遅らせることができ、誤ってタッチパネル未押下を押下と誤認識することを低減させることができる。
1 X駆動部
1a スイッチ
1b スイッチ
1c 抵抗
2 Y駆動部
2a スイッチ
2b スイッチ
2c 抵抗
3 A/D変換部
4 A/D変換部
5 制御部
6 記憶部
7 タッチパネル
8 タイマー(計時部)
70 抵抗膜フィルム
71 抵抗膜
72 電極
73 電極
80 抵抗膜フィルム
81 抵抗膜
82 電極
83 電極
1a スイッチ
1b スイッチ
1c 抵抗
2 Y駆動部
2a スイッチ
2b スイッチ
2c 抵抗
3 A/D変換部
4 A/D変換部
5 制御部
6 記憶部
7 タッチパネル
8 タイマー(計時部)
70 抵抗膜フィルム
71 抵抗膜
72 電極
73 電極
80 抵抗膜フィルム
81 抵抗膜
82 電極
83 電極
Claims (1)
- 2枚の抵抗膜を対向させ一方の膜にX方向の電圧を印加するX駆動部と、他方の膜にY方向の電圧を印加するY駆動部と、時間を計時する計時部と、前記各駆動部へ駆動信号を出力すると共に、押下された位置の前記抵抗膜のそれぞれの電圧を検出する制御部と、同電圧の検出タイミングを規定する測定遅延時間を記憶した記憶部とを備えた抵抗膜式タッチパネル装置であって、
前記制御部は前記抵抗膜が押下された位置の電圧である座標電圧を求める場合、
前記X駆動部、又は前記Y駆動部の駆動を開始した後に計時部に計時を開始させ、記憶されている前記測定遅延時間による時間の経過後に2回検出した前記抵抗膜の電圧差が予め定めた所定電圧以上の時、さらに前記抵抗膜の電圧を繰り返して検出し、検出した最新2回における前記電圧差が予め定めた所定電圧未満となった場合、前記計時部で計時した時刻を前記測定遅延時間として前記記憶部に記憶することを特徴とする抵抗膜式タッチパネル装置。
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