以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る接続関係判別システム1000について説明する。図1に示すように、接続関係判別システム1000は、第1通信装置100と、負荷装置200と、を備える。また、図1に示すように、電力消費システム2000は、電気機器310と、電気機器320と、電気機器330と、主幹ブレーカ400と、分岐ブレーカ410と、分岐ブレーカ420と、を備える。なお、主幹ブレーカ400と、分岐ブレーカ410と、分岐ブレーカ420とは、分電盤2100に収納されているものとする。
本実施形態では、電気機器310、電気機器320、電気機器330のそれぞれが配置された位置は、分電盤2100が配置された位置とは離れており、電気機器と分岐ブレーカとの接続関係を適切に示す電源系統図は存在しないものとする。そこで、本実施形態では、ユーザは、接続関係判別システム1000を用いて、どの電気機器がどの分岐ブレーカに接続されているのかを確認する例について説明する。なお、ある電気機器に交流電力を供給する分岐ブレーカを、この電気機器に接続された分岐ブレーカと呼ぶ。
本実施形態では、ユーザは、メンテナンス対象の電気機器をメンテナンスするために、メンテナンス対象の電気機器に接続された分岐ブレーカを遮断する必要があるものとする。ただし、ユーザは、この分岐ブレーカを遮断する前に、この分岐ブレーカに接続された他の電気機器の電源を、誤動作の防止などの観点からオフにする必要があるものとする。そこで、ユーザは、接続関係判別システム1000を用いて、メンテナンス対象の電気機器に接続された分岐ブレーカを特定し、さらに、特定した分岐ブレーカに接続された他の電気機器を特定する。本実施形態では、メンテナンス対象の電気機器が電気機器310であり、電気機器310に接続された分岐ブレーカが分岐ブレーカ410であり、分岐ブレーカ410には電気機器310以外に電気機器320も接続されているものとする。また、電気機器330は、分岐ブレーカ420に接続されているものとする。
接続関係判別システム1000が実行する接続関係判別処理は、メンテナンス対象の電気機器に接続された分岐ブレーカを特定する第1段階の処理と、特定された分岐ブレーカに接続された他の電気機器を特定する第2段階の処理と、に大別される。図1には、第1段階の処理に用いられる構成要素のみを示している。なお、第2段階の処理では、負荷装置200に代えて、第2通信装置150が用いられる。
第1通信装置100は、電線を介して、第2通信装置150と通信する装置である。ただし、第1段階の処理では、第1通信装置100は、通信機能を利用せず、データ処理装置として機能する。第1通信装置100は、電線に流れる電流の値の時系列データに基づいて、この電線に負荷装置200が接続されているか否かを判別する。第1通信装置100は、例えば、PLC(Power Line Communications)機能を有する装置である。図2に示すように、第1通信装置100は、制御部11と、計測部12と、通信部13と、電源部14と、表示部15と、を備える。
制御部11は、第1通信装置100全体の動作を制御する。制御部11は、計測部12を制御して、電線L1に流れる電流の値の時系列データを取得する。制御部11は、通信部13を制御して、第2通信装置150と通信する。制御部11は、時系列データを取得していない期間に電力を蓄え、時系列データを取得している期間に自立運転が可能となるように、電源部14を制御する。制御部11は、表示部15を制御して、判別結果を表示する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。
計測部12は、電流センサ16を備える。電流センサ16は、電線L1に流れる電流の値を検出する。計測部12は、電線L1の電位と電線N1の電位とを検知する機能を有する。計測部12は、例えば、電線L1の電位や電線N1の電位が接地電位(0V)となったタイミングを、各処理の同期に利用することができる。計測部12は、電流センサ16により検知された電流の値を、予め定められたサンプリング周期でサンプリングする。このサンプリング周期は、商用電源3000の周期(例えば、20ms)よりも十分に短いものとする。計測部12は、サンプリングにより、電線L1に流れる電流の値の時系列データを取得する。計測部12は、取得した時系列データを、図示しないバッファメモリに記憶する。計測部12は、制御部11による制御に従って、バッファメモリに記憶された時系列データを、制御部11に供給する。計測部12は、例えば、電力計を備える。
通信部13は、制御部11による制御に従って、PLCを実行する。例えば、通信部13は、電線L1や電線N1を介して、第2通信装置150に測定開始信号を送信する。また、通信部13は、電線L1や電線N1を介して、第2通信装置150から送信された時系列データを受信する。通信部13は、受信した時系列データを制御部11に供給する。
電源部14は、電線L1と電線N1とを介して、第1通信装置100が消費する電力を取得する。電源部14は、電線L1と電線N1とを介して供給された交流電力を直流電力に変換して、第1通信装置100が備える各構成に供給する。電源部14は、電力を蓄積する機能を有する。電源部14は、測定期間中は、第1通信装置100の自立運転が可能になるように、制御部11により制御される。なお、測定期間は、時系列データを取得している期間であり、非測定期間は、時系列データを取得していない期間である。電源部14は、非測定期間中は、電線L1と電線N1を介して電力の供給を受け、供給された電力を、第1通信装置100が備える各構成に供給するとともに蓄積する。一方、電源部14は、測定期間中は、電線L1と電線N1を介して電力の供給を受けず、蓄積した電力を、第1通信装置100が備える各構成に供給する。
表示部15は、制御部11による制御に従って、判別結果を示す情報などを表示する。表示部15は、例えば、液晶ディスプレイ、タッチスクリーン、LED(Light Emitting Diode)などを備える。
負荷装置200は、予め定められた電流パターンで交流電力を消費する装置である。この電流パターンは、電気機器310、電気機器320、電気機器330などにより消費される電流パターンと区別可能な特殊な電流パターンであることが好適である。例えば、この電流パターンは、数周期に1回だけ、交流電圧がゼロクロスするタイミングを基準とする予め定められた期間だけ、正または負の電流が流れる電流パターンである。
図3に示すように、負荷装置200は、抵抗器201と、抵抗器202と、スイッチ203と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)204と、IGBT205と、マイコン206と、スイッチ207と、スイッチ208と、スイッチ209と、分圧回路210と、ゼロクロス検出回路211と、電源回路212と、トランス213と、などにより構成される。
負荷装置200は、IGBT204やIGBT205などのスイッチングデバイスと、抵抗器201や抵抗器202などの電力消費用の抵抗とが直列に接続された回路を有する。この回路は、電源電圧に同期して、電源周期のうちの予め定められた期間、予め定められたスイッチング周波数で駆動される。これにより、流れる電流の振幅や電流の流れる期間が任意のパターンに設定され、設定されたパターンに応じて電流が消費される。IGBT204やIGBT205のスイッチングパターンは、マイコン206により設定される。
ここで、図4を参照して、交流電圧と各部に流れる電流の関係を示す。図4(A)は、電線L11−電線N11間に印加される電圧(交流電圧)を示す図である。図4(B)は、負荷装置200に流れる電流を示す図である。図4(B)に示すように、負荷装置200には、2周期に1回だけ、交流電圧がゼロクロスするタイミングを基準とする予め定められた期間だけ、正の電流が流れる。
図4(C)は、電気機器310に流れる電流を示す図である。図4(C)に示すように、電気機器310には、電気機器310の種類や動作モードなどに応じたパターンの電流が流れる。図4(D)は、電線L11に流れる電流を示す図である。図4(D)に示すように、電線L11には、負荷装置200に流れる電流と電気機器310に流れる電流との和の電流が流れる。このように、電線L11に流れる電流には、負荷装置200に流れる電流が含まれる。第1通信装置100は、電線L1に流れる電流に、負荷装置200に流れる電流が含まれていると判別した場合、電線L1と電線L11とが接続されていると判別し、電気機器310と分岐ブレーカ410とが接続されていると判別する。なお、電線L1と電線L11とが接続されていることは、電線L1と電線L11とが同一の電線であるともいえる。以下、ある電線が他の電線と接続されていることは、ある電線が他の電線と同一であることも含む概念であるものとする。図1の説明に戻る。
電気機器310は、電線L11と電線N11とを介して供給された交流電力を、電気機器310の機能に応じた電流パターンで消費する機器である。電気機器320は、電線L12と電線N12とを介して供給された交流電力を、電気機器320の機能に応じた電流パターンで消費する機器である。電気機器330は、電線L13と電線N13とを介して供給された交流電力を、電気機器330の機能に応じた電流パターンで消費する機器である。
主幹ブレーカ400は、商用電源3000から供給された交流電力を、分岐ブレーカ410と分岐ブレーカ420とに分配する。主幹ブレーカ400は、電線L0と電線N0とにより、分岐ブレーカ410と分岐ブレーカ420とのそれぞれと接続される。
分岐ブレーカ410は、主幹ブレーカ400を介して、商用電源3000から交流電力の供給を受ける。分岐ブレーカ410は、電線L1と電線N1とを介して、電気機器310と電気機器320とのそれぞれに電力を供給する。
分岐ブレーカ420は、主幹ブレーカ400を介して、商用電源3000から交流電力の供給を受ける。分岐ブレーカ420は、電線L2と電線N2とを介して、電気機器330に電力を供給する。
なお、電線L1は、電線L11と電線L12とに接続され、電線N1は、電線N11と電線N12とに接続されている。また、電線L2は、電線L13に接続され、電線N2は、電線N13に接続されている。しかしながら、図1に示すように、これらの接続関係は、ユーザには、わからないものとする。
商用電源3000は、電力会社などが需要家に交流電力を供給する電源である。商用電源3000は、分電盤2100内に収納された主幹ブレーカ400を介して、電気機器310、電気機器320、電気機器330に、交流電力を供給する。商用電源3000は、L相とN相とによる交流電力を供給する。なお、L相とN相との電位差は、例えば、実効値で100Vである。
以上説明したように、第1段階の処理は、メンテナンス対象の電気機器と並列に負荷装置200が接続され、メンテナンス対象の電気機器に接続されていると予測される分岐ブレーカと並列に第1通信装置100が接続された状態で実行される。なお、メンテナンス対象の電気機器は、電気機器310であり、メンテナンス対象の電気機器に接続されていると予測される分岐ブレーカは、分岐ブレーカ410である。つまり、ユーザは、第1段階の処理前の準備として、電気機器310に接続された電線L11及び電線N11に、電気機器310と並列に負荷装置200を接続する。また、ユーザは、第1段階の処理前の準備として、分岐ブレーカ410に接続された電線L1及び電線N1に、分岐ブレーカ410と並列に第1通信装置100を接続する。
第1段階の処理では、第1通信装置100は、L1に流れる電流の値の時系列データに基づいて、L1に流れる電流に、負荷装置200に流れている電流が重畳されているか否かを判別する。ここで、L1に流れる電流には、負荷電流200に流れる電流のほか、電気機器310に流れる電流や、電気機器320に流れる電流も含まれる。しかしながら、負荷電流200に流れる電流のパターンが特殊な電流パターンであるため、上記判別を誤る確率が低いと考えられる。
次に、図5を参照して、第2段階の処理が実行されるときの接続関係判別システム1000の構成について説明する。第2段階の処理が実行されるとき、接続関係判別システム1000は、第1通信装置100と、第2通信装置150と、を備える。
第1通信装置100は、第2段階の処理では、第2通信装置150と通信する。第1通信装置100は、電線L1や電線N1を介して、測定開始信号を第2通信装置150に送信する。また、第1通信装置100は、測定開始信号を送信した後、電線L1に流れる電流の値の時系列データを取得する。また、第1通信装置100は、電線L11に流れる電流の値の時系列データを、電線L1や電線N1を介して、第2通信装置150から受信する。そして、第1通信装置100は、電線L1に流れる電流の値の時系列データと、電線L11に流れる電流の値の時系列データとを比較することにより、分岐ブレーカ410に電気機器310以外の電気機器が接続されているか否かを判別する。第1通信装置100は、判別結果を示す情報を表示する。なお、第1通信装置100は、時系列データを測定している間、自立運転する。
第2通信装置150は、第1通信装置100と通信する。第2通信装置150は、電線L11や電線N11を介して、測定開始信号を第1通信装置100から受信する。また、第2通信装置150は、測定開始信号を受信した後、電線L11に流れる電流の値の時系列データを取得する。また、第2通信装置150は、電線L11に流れる電流の値の時系列データを、電線L11や電線N11を介して、第1通信装置100に送信する。なお、第2通信装置150は、時系列データを測定している間、自立運転する。第2通信装置150は、例えば、PLC機能を有する装置である。図6に示すように、第2通信装置150は、制御部21と、計測部22と、通信部23と、電源部24と、を備える。
制御部21は、第2通信装置150全体の動作を制御する。制御部21は、計測部22を制御して、電線L11に流れる電流の値の時系列データを取得する。制御部21は、通信部23を制御して、第1通信装置100と通信する。制御部21は、時系列データを取得していない期間に電力を蓄え、時系列データを取得している期間に自立運転が可能となるように、電源部24を制御する。制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備える。
計測部22は、電流センサ26を備える。電流センサ26は、電線L11に流れる電流の値を検出する。計測部22は、電線L11の電位と電線N11の電位とを検知する機能を有する。計測部22は、例えば、電線L11の電位や電線N11の電位が接地電位(0V)となったタイミングを、各処理の同期に利用することができる。計測部22は、電流センサ26により検知された電流の値を、予め定められたサンプリング周期でサンプリングする。このサンプリング周期は、商用電源3000の周期(例えば、20ms)よりも十分に短いものとする。計測部22は、サンプリングにより、電線L11に流れる電流の値の時系列データを取得する。計測部22は、取得した時系列データを、図示しないバッファメモリに記憶する。計測部22は、制御部21による制御に従って、バッファメモリに記憶された時系列データを、制御部21に供給する。計測部22は、例えば、電力計を備える。
通信部23は、制御部21による制御に従って、PLCを実行する。例えば、通信部23は、電線L11や電線N11を介して、第1通信装置100から送信された測定開始信号を受信する。通信部23は、受信した制御開始信号を制御部11に供給する。通信部23は、電線L11や電線N11を介して、計測部22により取得された時系列データを、第1通信装置100に送信する。
電源部24は、電線L11と電線N11とを介して、第2通信装置150が消費する電力を取得する。電源部24は、電線L11と電線N11とを介して供給された交流電力を直流電力に変換して、第2通信装置150が備える各構成に供給する。電源部24は、電力を蓄積する機能を有する。電源部24は、測定期間中は、第2通信装置150の自立運転が可能になるように、制御部21により制御される。電源部24は、非測定期間中は、電線L11と電線N11を介して電力の供給を受け、供給された電力を、第2通信装置150が備える各構成に供給するとともに蓄積する。一方、電源部24は、測定期間中は、電線L11と電線N11を介して電力の供給を受けず、蓄積した電力を、第2通信装置150が備える各構成に供給する。
次に、図7を参照して、接続関係判別システム1000の基本的な機能について説明する。接続関係判別システム1000は、機能的には、負荷装置101、第1電流値測定部102、第1時系列データ取得部103、第1判別部104、第2時系列データ取得部105、第2電流値測定部106、第3時系列データ取得部107、第2判別部108、を備える。なお、接続関係判別システム1000は、少なくとも1つの分岐ブレーカと少なくとも1つの電気機器との接続関係を判別するシステムである。
負荷装置101は、予め定められた電流パターンで交流電力を消費する。負荷装置101は、例えば、負荷装置200を備える。
第1電流値測定部102は、少なくとも1つの分岐ブレーカのうちの第1分岐ブレーカを流れる電流の値を測定する。第1分岐ブレーカは、メンテナンス対象の電気機器が接続されていると考えられる分岐ブレーカである。例えば、第1分岐ブレーカは、分岐ブレーカ410である。第1電流値測定部102は、例えば、電流センサ16を備える。
第1時系列データ取得部103は、第1期間において第1電流値測定部102により測定された値の時系列データ(以下、「第1時系列データ」という。)を取得する。ここで、第1期間は、負荷装置101が少なくとも1つの電気機器のうちの第1電気機器と並列に第1電気機器に交流電力を供給する第1電線に接続されている期間である。第1電気機器は、メンテナンス対象の電気機器である。例えば、第1電気機器は、電気機器310である。また、第1電線は、電線L11や電線N11である。第1時系列データ取得部103は、例えば、計測部12を備える。
第1判別部104は、第1時系列データ取得部103により取得された第1時系列データと上述した予め定められた電流パターンとに基づいて、第1電気機器が第1分岐ブレーカに接続されているか否かを判別する。例えば、第1判別部104は、第1時系列データが、上述した電流パターンを含む時系列データであるか否かを判別する。例えば、第1判別部104は、第1時系列データと上述した電流パターンを示す時系列データとの相関値が第1閾値以上である場合、第1電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていると判別する。第1判別部104は、例えば、制御部11を備える。
第2時系列データ取得部105は、第1判別部104により第1電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていると判別された場合、第2期間において第1電流値測定部102により測定された値の時系列データ(以下、「第2時系列データ」という。)を取得する。第2期間は、第1段階の処理が終了し、第2段階の処理が開始された後の期間である。例えば、第2期間は、開始指示信号が出力された時刻から、予め定められた時間が経過するまでの期間である。第2時系列データ取得部105は、例えば、計測部12を備える。
第2電流値測定部106は、第1電線に流れる電流の値を測定する。第2電流値測定部106は、例えば、電流センサ26を備える。
第3時系列データ取得部107は、第2期間と重複する第3期間において第2電流値測定部106により測定された値の時系列データ(以下、「第3時系列データ」という。)を取得する。第3時系列データ取得部107は、例えば、計測部22を備える。
第2判別部108は、第2時系列データ取得部105により取得された第2時系列データと第3時系列データ取得部107により取得された第3時系列データとに基づいて、少なくとも1つの電気機器のうちの第1電気機器以外の電気機器が第1分岐ブレーカに接続されているか否かを判別する。例えば、第2判別部108は、第2時系列データと第3時系列データとの相関値が第2閾値以上である場合、第1電気機器以外の電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていないと判別する。
なお、第2時系列データと第3時系列データとの相関値は、例えば、第2時系列データと第3時系列データとを相対的にずらしながら、両者の重複する部分について相関値を求め、求められた相関値の最大値と考えることができる。つまり、第1通信装置100と第2通信装置150とは、完全に同期をとることができないため、第2時系列データと第3時系列データとの時間軸を一致させることは難しい。そこで、第2時系列データと第3時系列データとをずらしながら重複部分の相関値を求めた場合、相関値が最大となるときに時間軸が一致するとみなしている。
なお、第2段階の処理が開始された段階では、少なくとも電気機器310と分岐ブレーカ410とが接続されていることは確定している。従って、仮に分岐ブレーカ410に電気機器310以外の電気機器320が接続されていたとしても、この相関値はある程度高いものになることが期待できる。そこで、第2閾値は、第1閾値よりも高く設定されることが好適である。
接続関係判別システム1000は、機能的に、上述した構成以外の構成を備えていてもよい。例えば、接続関係判別システム1000は、図示しないが、機能的に、さらに、第4時系列データ取得部と、第3判別部と、第5時系列データ取得部と、第6時系列データ取得部と、第3電流値測定部と、第7時系列データ取得部と、第4判別部と、を備えていてもよい。
第4時系列データ取得部は、第2判別部108により第1電気機器以外の電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていると判別された場合、第4期間において第1電流値測定部102により測定された値の時系列データ(以下、「第4時系列データ」という。)を取得する。第4期間は、負荷装置101が少なくとも1つの電気機器のうちの第1電気機器以外の第2電気機器と並列に第2電気機器に交流電力を供給する第2電線に接続されている期間である。
第2電気機器は、第1分岐ブレーカに接続されていると予測される第1電気機器以外の電気機器である。例えば、第2電気機器は、電気機器320である。この場合、第2電線は、電線L12や電線N12である。つまり、第4期間は、負荷装置200を、電気機器310に代えて電気機器320に、並列に接続された後の期間である。第4時系列データ取得部は、例えば、計測部12を備える。
第3判別部は、第4時系列データ取得部により取得された第4時系列データと上述した予め定められた電流パターンとに基づいて、第2電気機器が第1分岐ブレーカに接続されているか否かを判別する。第3判別部は、例えば、第1判別部104と同様の手法により、第2電気機器が第1分岐ブレーカに接続されているか否かを判別する。第3判別部は、例えば、制御部11を備える。
第5時系列データ取得部は、第3判別部により第2電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていると判別された場合、第5期間において第1電流値測定部102により測定された値の時系列データ(以下、「第5時系列データ」という。)を取得する。第5期間は、例えば、電気機器320と並列に第2通信装置150が接続された後、開始指示信号が出力された時刻から、予め定められた時間が経過するまでの期間である。第5時系列データ取得部は、例えば、計測部12を備える。
第6時系列データ取得部は、第5期間と重複する第6期間において第2電流値測定部106により測定された値の時系列データ(以下、「第6時系列データ」という。)を取得する。第6時系列データ取得部は、例えば、計測部22を備える。
第3電流値測定部は、第2電線に流れる電流の値を測定する。第3電流値測定部は、例えば、電流センサ26を備える。
第7時系列データ取得部は、第5期間と第6期間とに重複する第7期間において第3電流値測定部により測定された値の時系列データ(以下、「第7時系列データ」という。)を取得する。第7時系列データ取得部は、例えば、計測部22を備える。
第4判別部は、第5時系列データ取得部により取得された第5時系列データと第6時系列データ取得部により取得された第6時系列データと第7時系列データ取得部により取得された第7時系列データとに基づいて、少なくとも1つの電気機器のうちの第1電気機器と第2電気機器以外の電気機器が第1分岐ブレーカに接続されているか否かを判別する。
例えば、第4判別部は、第5時系列データと第6時系列データと第7時系列データとの時間軸を揃える。この場合、第4判別部は、例えば、第5時系列データと第6時系列データとの時間軸を揃え、次に、第5時系列データと第7時系列データとの時間軸を揃える。なお、時間軸を揃えることは、比較される2つの時系列データ同士の相関値が最大になるように、時間軸をずらすことである。そして、第4判別部は、第6時系列データと第7時系列データとの時間軸を揃えた上で、第6時系列データと第7時系列データとを加算することにより、新たな時系列データを求める。そして、第4判別部は、第5時系列データと、新たに求めた時系列データとの相関値が第3閾値以上である場合、第1電気機器と第2電気機器以外の電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていないと判別する。
また、第3期間は、複数の期間を包含していてもよい。以下、図8と図9とを参照して、第3期間が、第1部分期間と第2部分期間と第3部分期間と第4部分期間と第5部分期間とを含む例について説明する。
図8は、電流が非周期的に変化する場合に、時系列データの相関関係が高い部分が特定される様子を模式的に示す図である。電流が非周期的に変化するとは、電流の変化が周期的ではなく、同様の電流パターンが繰り返されないことを意味する。例えば、電気機器310で消費される電流と電気機器320で消費される電流とのいずれもが非周期的に変化する場合、電線L1に流れる電流も非周期的に変化する。
図8において、T2は第2期間を示し、TD2は、第2期間において電線L1に流れた電流の値の時系列データである第2時系列データを示す。また、図8において、T3−1、T3−2、T3−3、T3−4、T3−5は、それぞれ、第3期間に含まれる第1部分期間、第3期間に含まれる第2部分期間、第3期間に含まれる第3部分期間、第3期間に含まれる第4部分期間、第3期間に含まれる第5部分期間を示す。さらに、図8において、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5は、それぞれ、第1部分期間、第2部分期間、第3部分期間、第4部分期間、第5部分期間において電線L11に流れた電流の値の時系列データ(第3時系列データの一部)を示す。
まず、第1通信装置100は、第2通信装置150に測定開始信号を送信した後、TD2の取得を開始する。一方、第2通信装置150は、第1通信装置100から測定開始信号を受信した後、TD3−1の取得を開始する。本実施形態では、通信などの処理による遅延のため、第1通信装置100がTD2の取得を開始する時刻よりも、第2通信装置150がTD3−1の取得を開始する時刻の方が遅いものとする。また、本実施形態では、第2通信装置150が備えるバッファメモリは、第1通信装置100が備えるバッファメモリよりも容量が小さく、T2よりもT3−1(T3−2等も同様)の方が短いものとする。
ここで、測定期間が終了し、第1通信装置100によりTD2が取得され、第2通信装置150によりTD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5が取得されたものとする。この場合、第2通信装置150は、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5を、第1通信装置100に送信する。ここで、第1通信装置100は、TD2と、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれとで、時間軸を合わせる処理を実行する。
第1通信装置100は、まず、TD2とTD3−1とで時間軸をずらしながら、相関値が最大となるオフセット時間(または、サンプリング数)を求める。なお、電流が非周期的に変化する場合、相関値がピークとなるオフセット時間は、1つだけに決定される。そこで、TD2とTD3−1とで、決定されたオフセット時間分だけ時間軸をずらすことで、TD2とTD3−1との時間軸を合わせることができる。そして、第1通信装置100は、最大の相関値と、オフセット時間とを特定する。
第1通信装置100は、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについても、TD2と時間軸を合わせ、最大の相関値と、オフセット時間とを特定する。そして、第1通信装置100は、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定した最大の相関値がいずれも閾値以上であり、且つ、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定したオフセット時間の長さが時系列データの取得順である場合、分岐ブレーカ410に電気機器310のみが接続されていると判別する。
一方、第1通信装置100は、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定した最大の相関値のいずれかが閾値未満である場合、または、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定したオフセット時間の長さが時系列データの取得順でない場合、分岐ブレーカ410に電気機器310以外の電気機器が接続されていると判別する。
図9は、電流が周期的に変化する場合に、時系列データの相関関係が高い部分が特定される様子を模式的に示す図である。電流が周期的に変化するとは、電流の変化が周期的であり、同様の電流パターンが繰り返されることを意味する。例えば、電気機器310で消費される電流と電気機器320で消費される電流とのいずれかが周期的に変化する場合、電線L1に流れる電流も周期的に変化する。
測定期間が終了した場合、第2通信装置150は、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5を、第1通信装置100に送信する。一方、第1通信装置100は、TD2と、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれとで、時間軸を合わせる処理を実行する。
ここで、電流が非周期的に変化する場合、相関値がピークとなるオフセット時間が、複数検出されることになる。この場合、第1通信装置100は、最大の相関値と相関値が最大となるオフセット時間とだけを特定するのではなく、ピークとなる相関値と相関値がピークとなるオフセット時間の組み合わせを全て特定する。
第1通信装置100は、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについても、TD2と時間軸を合わせ、ピークとなる相関値と相関値がピークとなるオフセット時間の組み合わせを全て特定する。そして、第1通信装置100は、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定したピークの相関値がいずれも閾値以上であり、且つ、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定したオフセット時間の長さが時系列データの取得順である場合、分岐ブレーカ410に電気機器310のみが接続されていると判別する。なお、図9に示す例では、TD3−1とTD3−2との間にTD3−4があり、厳密には、時系列データの取得順とは言えない。しかしながら、図9に示すように、特定されたオフセット時間の長さが規則的であればよい。
一方、第1通信装置100は、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定したピークの相関値のいずれかが閾値未満である場合、または、TD3−1、TD3−2、TD3−3、TD3−4、TD3−5のそれぞれについて特定したオフセット時間の長さが時系列データの取得順でない場合、分岐ブレーカ410に電気機器310以外の電気機器が接続されていると判別する。
次に、図10に示すフローチャートを参照して、接続関係判別システム1000が実行する接続関係判別処理について説明する。
まず、制御部11は、第1チェックの準備が完了したか否かを判別する(ステップS101)。第1チェックは、メンテナンス対象の電気機器に接続されていると予測される分岐ブレーカが、実際に、メンテナンス対象の電気機器に接続されているか否かのチェックである。制御部11は、例えば、表示部15がタッチスクリーンである場合、このタッチスクリーンに、第1チェックの準備が完了した旨の操作が受け付けられたことを判別した場合、第1チェックの準備が完了したと判別する。なお、ユーザは、負荷装置200を電気機器310と並列に接続し、第1通信装置100を分岐ブレーカ410と並列に接続した後、第1チェックの準備が完了した旨の操作を実行する。制御部11は、第1チェックの準備が完了していないと判別すると(ステップS101:NO)、ステップS101に処理を戻す。
一方、制御部11は、第1チェックの準備が完了したと判別すると(ステップS101:YES)、第1時系列データを取得する(ステップS102)。例えば、制御部11は、計測部12を制御して、第1時系列データを取得する。
制御部11は、ステップS102の処理を完了すると、第1時系列データに予め定められた電流パターンが包含されているか否かを判別する(ステップS103)。例えば、制御部11は、負荷装置200の電流パターンを示す時系列データと、第1時系列データとの相関値が、閾値以上であるか否かを判別する。
制御部11は、第1時系列データに予め定められた電流パターンが包含されていないと判別すると(ステップS103:NO)、第1分岐ブレーカの選択が誤りである旨を表示する(ステップS104)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、第1分岐ブレーカの選択が誤りである旨を表示する。制御部11は、ステップS104の処理を完了すると、ステップS101に処理を戻す。なお、ユーザは、第1分岐ブレーカの選択が誤りである旨を確認した場合、第1通信装置100を接続する分岐ブレーカを変更する。
一方、制御部11は、第1時系列データに予め定められた電流パターンが包含されていると判別すると(ステップS103:YES)、第1分岐ブレーカの選択が正しい旨を表示する(ステップS105)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、第1分岐ブレーカの選択が正しい旨を表示する。なお、ユーザは、第1分岐ブレーカの選択が正しい旨を確認した場合、負荷装置200に代えて第2通信装置150を、電気機器310に接続する。
制御部11は、ステップS105の処理を完了すると、第2チェックの準備が完了したか否かを判別する(ステップS106)。第2チェックは、メンテナンス対象の電気機器が接続されている分岐ブレーカに他の電気機器が接続されているか否かのチェックである。制御部11は、例えば、表示部15がタッチスクリーンである場合、このタッチスクリーンに、第2チェックの準備が完了した旨の操作が受け付けられたことを判別した場合、第2チェックの準備が完了したと判別する。なお、ユーザは、負荷装置200に代えて第2通信装置150を、電気機器310に接続した後、第2チェックの準備が完了した旨の操作を実行する。制御部11は、第2チェックの準備が完了していないと判別すると(ステップS106:NO)、ステップS106に処理を戻す。
制御部11は、ステップS106の処理を完了すると、測定開始信号を送信する(ステップS107)。例えば、制御部11は、通信部13を制御して、測定開始信号を、第2通信装置150に送信するとともに、計測部12に、第2時系列データの取得の開始を指示する。一方、第2通信装置150は、測定開始信号を受信したことに応答して、第3時系列データの取得を開始する。
制御部11は、ステップS107の処理を完了すると、第2時系列データを取得する(ステップS108)。例えば、制御部11は、計測部12から第2時系列データを取得する。
制御部11は、ステップS108の処理を完了すると、第3時系列データを取得する(ステップS109)。例えば、制御部11は、通信部13が第2通信装置150から受信した第3時系列データを取得する。
制御部11は、ステップS109の処理を完了すると、相関値が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS110)。例えば、制御部11は、第2時系列データと第3時系列データとの時間軸をずらしながら相関値を求め、閾値以上となる相関値があるか否かを判別する。
制御部11は、相関値が閾値以上であると判別すると(ステップS110:YES)、他の電気機器が接続されていない旨を表示する(ステップS111)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、分岐ブレーカ410には、電気機器310以外の電気機器が接続されていない旨を表示する。制御部11は、ステップS111の処理を完了すると、接続関係判別処理を完了する。
一方、制御部11は、相関値が閾値以上でないと判別すると(ステップS110:NO)、他の電気機器が接続されている旨を表示する(ステップS112)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、分岐ブレーカ410には、電気機器310以外の電気機器が接続されている旨を表示する。制御部11は、ステップS112の処理を完了すると、接続機器追跡処理を実行する。以下、図11を参照して、接続機器追跡処理について詳細に説明する。
まず、制御部11は、第3チェックの準備が完了したか否かを判別する(ステップS201)。第3チェックは、メンテナンス対象の電気機器に接続されている分岐ブレーカに接続されていると予測される電気機器が、実際に、この分岐ブレーカに接続されているか否かのチェックである。制御部11は、例えば、表示部15がタッチスクリーンである場合、このタッチスクリーンに、第3チェックの準備が完了した旨の操作が受け付けられたことを判別した場合、第3チェックの準備が完了したと判別する。なお、ユーザは、電気機器310から第2通信装置150を外し、負荷装置200を電気機器320と並列に接続した後、第3チェックの準備が完了した旨の操作を実行する。制御部11は、第3チェックの準備が完了していないと判別すると(ステップS201:NO)、ステップS201に処理を戻す。
一方、制御部11は、第3チェックの準備が完了したと判別すると(ステップS201:YES)、第4時系列データを取得する(ステップS202)。例えば、制御部11は、計測部12を制御して、第4時系列データを取得する。
制御部11は、ステップS202の処理を完了すると、第4時系列データに予め定められた電流パターンが包含されているか否かを判別する(ステップS203)。例えば、制御部11は、負荷装置200の電流パターンを示す時系列データと、第4時系列データとの相関値が、閾値以上であるか否かを判別する。
制御部11は、第4時系列データに予め定められた電流パターンが包含されていないと判別すると(ステップS203:NO)、第2電気機器の選択が誤りである旨を表示する(ステップS204)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、第2電気機器の選択が誤りである旨を表示する。制御部11は、ステップS204の処理を完了すると、ステップS201に処理を戻す。なお、ユーザは、第2電気機器の選択が誤りである旨を確認した場合、分岐ブレーカ410に接続する第2電気機器を変更する。
一方、制御部11は、第4時系列データに予め定められた電流パターンが包含されていると判別すると(ステップS203:YES)、第2電気機器の選択が正しい旨を表示する(ステップS205)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、第2電気機器の選択が正しい旨を表示する。なお、ユーザは、第2電気機器の選択が正しい旨を確認した場合、負荷装置200に代えて第2通信装置150を電気機器320に接続する。また、ユーザは、別の第2通信装置150を電気機器310にも接続する。
制御部11は、ステップS205の処理を完了すると、第4チェックの準備が完了したか否かを判別する(ステップS206)。第4チェックは、メンテナンス対象の電気機器が接続されている分岐ブレーカにさらに他の電気機器が接続されているか否かのチェックである。制御部11は、例えば、表示部15がタッチスクリーンである場合、このタッチスクリーンに、第4チェックの準備が完了した旨の操作が受け付けられたことを判別した場合、第4チェックの準備が完了したと判別する。なお、ユーザは、負荷装置200に代えて第2通信装置150を電気機器310に接続し、別の第2通信装置150を電気機器310にも接続した後、第4チェックの準備が完了した旨の操作を実行する。制御部11は、第4チェックの準備が完了していないと判別すると(ステップS206:NO)、ステップS206に処理を戻す。
制御部11は、ステップS206の処理を完了すると、測定開始信号を送信する(ステップS207)。例えば、制御部11は、通信部13を制御して、測定開始信号を、第2通信装置150と別の第2通信装置150に送信するとともに、計測部12に、第5時系列データの取得の開始を指示する。一方、第2通信装置150は、測定開始信号を受信したことに応答して、第6時系列データの取得を開始する。また、別の第2通信装置150は、測定開始信号を受信したことに応答して、第7時系列データの取得を開始する。
制御部11は、ステップS207の処理を完了すると、第5時系列データを取得する(ステップS208)。例えば、制御部11は、計測部12から第5時系列データを取得する。
制御部11は、ステップS208の処理を完了すると、第6時系列データを取得する(ステップS209)。例えば、制御部11は、通信部13が第2通信装置150から受信した第6時系列データを取得する。
制御部11は、ステップS209の処理を完了すると、第7時系列データを取得する(ステップS210)。例えば、制御部11は、通信部13が別の第2通信装置150から受信した第7時系列データを取得する。
制御部11は、ステップS210の処理を完了すると、相関値が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS211)。例えば、制御部11は、第5時系列データと第6時系列データとの時間軸を合わせ、第5時系列データと第7時系列データとの時間軸を合わせる。そして、制御部11は、第6時系列データと第7時系列データとの和の時系列データと、第5時系列データとの相関値を求め、閾値以上となる相関値があるか否かを判別する。
制御部11は、相関値が閾値以上であると判別すると(ステップS211:YES)、他の電気機器が接続されていない旨を表示する(ステップS212)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、分岐ブレーカ410には、電気機器310と電気機器320以外の電気機器が接続されていない旨を表示する。制御部11は、ステップS212の処理を完了すると、接続機器追跡処理を完了する。
一方、制御部11は、相関値が閾値以上でないと判別すると(ステップS211:NO)、他の電気機器が接続されている旨を表示する(ステップS213)。例えば、制御部11は、表示部15を制御して、分岐ブレーカ410には、電気機器310と電気機器320以外の電気機器が接続されている旨を表示する。
制御部11は、ステップS213の処理を完了すると、接続機器再追跡処理を実行する(ステップS214)。なお、接続機器再追跡処理は、分岐ブレーカ410に接続されていることが確定した電気機器が増えることを除き、基本的な処理内容は、接続機器追跡処理と同様である。そして、制御部11は、接続機器再追跡処理において、分岐ブレーカ410に接続されている全ての電気機器を特定すると、接続機器再追跡処理を完了する。制御部11は、ステップS214の処理を完了すると、接続機器追跡処理を完了する。制御部11は、接続機器追跡処理を完了すると、接続関係判別処理を完了する。
以上説明したように、本実施形態では、負荷装置が第1電気機器と並列に第1電線に接続されている第1期間において第1分岐ブレーカに流れる電流に基づいて、第1電気機器が第1分岐ブレーカに接続されているか否かが判別され、第1電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていると判別された場合、第2期間において第1分岐ブレーカに流れる電流と、第2期間と重複する第3期間において第1電気機器に交流電力を供給する第1電線に流れる電流とに基づいて、第1分岐ブレーカに第1電気機器以外の電気機器が接続されているか否かが判別される。このように、本実施形態では、第1電気機器に第1分岐ブレーカが接続されているか否かを判別するだけでなく、第1電気機器に第1分岐ブレーカが接続されている場合に、さらに第1分岐ブレーカに第1電気機器以外の電気機器が接続されているか否かも判別することができる。従って、本実施形態によれば、効率的に接続関係を追跡することができ、電気機器と分岐ブレーカとの接続関係の判別における利便性の向上が期待できる。
また、本実施形態では、第1電気機器以外の電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていると判別された場合、負荷装置が第2電気機器と並列にされた第4期間において第1分岐ブレーカに流れる電流に基づいて、第2電気機器が第1分岐ブレーカに接続されているか否かがさらに判別される。従って、本実施形態によれば、電気機器と分岐ブレーカとの接続関係の判別における利便性の向上がさらに期待できる。
また、本実施形態では、第2電気機器が第1分岐ブレーカに接続されていると判別された場合、第1分岐ブレーカに第1電気機器と第2電気機器以外の電気機器が接続されているか否かがさらに判別される。従って、本実施形態によれば、電気機器と分岐ブレーカとの接続関係の判別における利便性の向上がさらに期待できる。
また、本実施形態では、第1電線を介して通信する第1通信装置と第2通信装置とがそれぞれ異なる部分の時系列データを取得し、いずれか一方の装置が、判別処理を実行する。従って、本実施形態によれば、電気機器と分岐ブレーカとの接続関係の判別における利便性の向上がさらに期待できる。
また、本実施形態では、第1通信装置と第2通信装置とは、時系列データを取得する間、自立運転する。従って、本実施形態によれば、正確に、電気機器と分岐ブレーカとの接続関係を判別することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。
例えば、上記実施形態では、第1通信装置100がマスタ装置であり、第2通信装置150がスレーブ装置である例について説明した。本発明において、第1通信装置100がスレーブ装置であり、第2通信装置150がマスタ装置であってもよい。なお、マスタ装置は、例えば、時系列データをスレーブ装置から受信し、判別処理や判別結果の表示処理を実行する装置である。一方、スレーブ装置は、例えば、時系列データをマスタ装置に送信し、判別処理や判別結果の表示処理を実行しない装置である。
上記実施形態では、マスタ装置が判別結果を表示する例について説明した。本発明において、マスタ装置は、判別結果を示す音声を出力してもよいし、判別結果を示す情報を、他の装置に送信してもよい。この場合、マスタ装置は、スピーカや他の装置と通信するための通信装置を備える。
本発明に係る第1通信装置100や第2通信装置150の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ等を本発明に係る第1通信装置100や第2通信装置150として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。