JP6073843B2 - 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠 - Google Patents

硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠 Download PDF

Info

Publication number
JP6073843B2
JP6073843B2 JP2014184592A JP2014184592A JP6073843B2 JP 6073843 B2 JP6073843 B2 JP 6073843B2 JP 2014184592 A JP2014184592 A JP 2014184592A JP 2014184592 A JP2014184592 A JP 2014184592A JP 6073843 B2 JP6073843 B2 JP 6073843B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tablet
orally disintegrating
disintegrating tablet
humidifier
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014184592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016056137A (ja
Inventor
光敏 多々良
光敏 多々良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sato Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Sato Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sato Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Sato Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2014184592A priority Critical patent/JP6073843B2/ja
Publication of JP2016056137A publication Critical patent/JP2016056137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6073843B2 publication Critical patent/JP6073843B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

本発明は、硬度と崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法、及び、該製造方法により製造される口腔内崩壊錠に関する。
口腔内崩壊錠は、嚥下機能が低下した高齢者、錠剤を飲むことが苦手な小児や、外出時などで水を用意できない場合などに適した剤形で、医療用領域ではOD錠として製品化が進められている。
口腔内崩壊錠の技術は多岐にわたり、1990年以降、国内外で活発に研究・開発されてきた。
口腔内崩壊錠は、その処方や製法に基づく分類がなされている(非特許文献1)。非特許文献1に記載の分類において、本発明は、「速崩化」として大分類され、「圧縮錠」として中分類され、さらに「乾燥紛体を低圧打錠・加湿・乾燥」に小分類される口腔内崩壊錠に関するものである。
上記の分類に属する製剤技術として、特許文献1〜4に記載の技術が存在する。
特許文献1は、乾燥状態の錠剤材料を、錠剤の形態として次段の工程に移行させる際に、その形態を維持可能な硬度とするために最低必要な低圧力で打錠し、これを加湿し乾燥する工程を備える口腔内崩壊錠の製造方法を記載している。
特許文献2は、薬剤組成物を特定の低圧力で打錠し、加湿し、乾燥して錠剤の空隙率を20〜40%とする口腔内崩壊錠の製造方法を記載している。
特許文献3は、特許文献1に記載の製造方法によって製造される口腔内崩壊錠を記載している。
特許文献4は、薬物及び水溶性結合剤は含むが、崩壊剤を含有しない口腔内崩壊錠であって、該水溶性結合剤が特定の粘度と平衡水分含量を有する口腔内崩壊錠を記載している。
その他、口腔内崩壊錠の空隙率に着目した技術として、特許文献2、5及び6に記載の技術が存在する。
特許文献2は、空隙率が20〜40%の口腔内崩壊錠を記載している。
特許文献5は、空隙率が10〜80%の口腔内崩壊錠を記載している。
特許文献6は、空隙率が20〜50%の口腔内崩壊錠を記載している。
特許第2919771号明細書 特開2000-95674号公報 特許第4504467号明細書 特開2001-342128号公報 特開2004-43472号公報 特開2011-46750号公報
PLCM(耕薬)研究会 第6回シンポジウム 口腔内崩壊錠等の現状と展望 講演要旨集、16頁、2012年1月30日発行
打錠物を加湿及び乾燥する工程を含む従来の口腔内崩壊錠の製造法は、錠剤の崩壊性を維持しつつ錠剤硬度を上げることを目的の一つとするものである。
また、従来技術では、口腔内崩壊錠の崩壊性は、その空隙率との関係で検討が行われてきた。
しかしながら、従来技術の製造法にしたがい製造した口腔内崩壊錠や、従来技術に従い空隙率を設定した口腔内崩壊錠は、その硬度と崩壊性とを高いレベルで同時に満たすものではなかった。
本発明者は、種々の薬物を用いた口腔内崩壊錠の製造条件の最適化研究を行ったところ、水の微粒子を多く含んだ環境下で打錠物の加湿を行った場合、加湿前後で錠剤の空隙率はほとんど変化しなかったにも関わらず、崩壊時間が遅延する現象を見いだした。更に研究を進めたところ、本発明者は、口腔内崩壊錠の空隙率と崩壊性との間には必ずしも相関性がなく、低圧打錠により高い空隙率を確保しても、加湿及び乾燥条件によっては、崩壊性が損なわれることを見いだした。
更に本発明者は、口腔内崩壊錠を服用した際に唾液が錠剤表面から錠剤内部へ素早く浸透して崩壊するためには、錠剤の細孔分布、すなわち、錠剤の細孔径と細孔体積との関係が重要であることを見出した。
本発明者は更に研究を進めた結果、口腔内崩壊錠の製造において、特定の粒径を有するエリスリトールを特定量で用い、かつ、特定の打錠条件及び加湿条件を用いると、特定の細孔分布を持った口腔内崩壊錠が得られ、かかる細孔分布を持った口腔内崩壊錠が硬度と崩壊性とを高いレベルで同時に満たすことを見いだした。本発明は係る知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、下記に関するものである。
1.口腔内崩壊錠の製造方法であって、
(1)薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む混合粉末、又は、薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む造粒混合物を打錠して錠剤を得る工程であって、
該錠剤のエリスリトール含量が、該錠剤の総質量に対して50〜98質量%であり、
該打錠を、工程(3)で得られた口腔内崩壊錠に下記(i)及び(ii):
(i)細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gである、
(ii)細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00である
を与える打錠圧で行う工程、
(2)工程(1)で得られた錠剤を、加湿庫内を通過させる工程であって、
加湿庫に接続された加湿器から発生する水蒸気の露点が、加湿庫内の温度より1〜5℃低く設定されている工程、及び
(3)工程(2)で得られた錠剤を乾燥させて、口腔内崩壊錠を得る工程
を含み、
該口腔内崩壊錠の細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gであり、
該口腔内崩壊錠の細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00であり、
該口腔内崩壊錠の錠剤硬度が49〜147Nであり、かつ、
該口腔内崩壊錠の崩壊時間が5〜30秒である、製造方法。

2.工程(1)〜工程(3)を、コンベアを利用して連続的に行う、前記1に記載の製造方法。

3.工程(2)において、錠剤の加湿庫内の通過時間が30秒〜5分間である、前記1又は2に記載の製造方法。

4.工程(1)の打錠圧が2942N以下である、前記1〜3のいずれかに記載の製造方法。

5.工程(1)で用いる薬物の平均粒子径が15〜90μmである、前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。

6.工程(1)において、湿潤剤を用いて得た造粒混合物を用いる、前記1〜5のいずれかに記載の製造方法。

7.前記1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造される、口腔内崩壊錠。
後述の実施例で示されるように、本発明の製造方法によって得られる口腔内崩壊錠は硬度と崩壊性とを高いレベルで同時に満たす。優れた崩壊性は、服用後に口腔内で速やかに崩壊して薬物の医療効果を発揮することを可能にする。優れた硬度は、錠剤形状を安定に保持することを可能にし、取扱い性(例えば、商品輸送中の安定性)の向上をもたらす。
更に本発明の製造方法は、上述の優れた性質を有する口腔内崩壊錠を簡単に歩留まり良く製造することができる。
図1は、比較例5-1の錠剤表面SEM画像である。 図2は、実施例5の錠剤表面SEM画像である。 図3は、比較例5-2の錠剤表面SEM画像である。
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法は、
(1)薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む混合粉末、又は、薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む造粒混合物を打錠して錠剤を得る工程であって、
該錠剤のエリスリトール含量が、該錠剤の総質量に対して50〜98質量%であり、
該打錠を、工程(3)で得られた口腔内崩壊錠に下記(i)及び(ii):
(i)細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gである、
(ii)細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00である
を与える打錠圧で行う工程、
(2)工程(1)で得られた錠剤を、加湿庫内を通過させる工程であって、
加湿庫に接続された加湿器から発生する水蒸気の露点が、加湿庫内の温度より1〜5℃低く設定されている工程、及び
(3)工程(2)で得られた錠剤を乾燥させて、口腔内崩壊錠を得る工程
を含み、
該口腔内崩壊錠の細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gであり、
該口腔内崩壊錠の細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00であり、
該口腔内崩壊錠の錠剤硬度が49〜147Nであり、かつ、
該口腔内崩壊錠の崩壊時間が5〜30秒である、製造方法である。
以下、各工程を詳述する。
工程(1)
工程(1)では、薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む混合粉末、又は、薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む造粒混合物を打錠して錠剤を得る。
薬物
薬物は、口腔内崩壊錠として投与が可能なものであれば特に制限はない。薬物は常温で固体又は液体いずれの状態であってもよい。また、薬物は全身作用性であってもよく、局所作用性であってもよい。
薬物の具体例としては、催眠鎮静薬・抗不安薬、抗てんかん薬、解熱鎮痛消炎薬、抗パーキンソン薬、精神神経用薬、局所麻酔薬、脳循環代謝改善薬、鎮けい薬、鎮暈薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、血管拡張薬、高脂血症用薬、呼吸促進薬、鎮咳薬、去たん薬、鎮咳去たん薬、気管支拡張薬、含嗽薬、止しゃ薬・整腸薬、抗潰瘍薬、健胃消化薬、制酸薬、便秘薬、利胆薬、滋養強壮保健薬、痛風治療薬、糖尿病用薬、抗生物質、抗菌薬、骨粗しょう症用薬、骨格筋弛緩薬、抗リウマチ薬、ホルモン薬、アルカロイド系麻薬、血液凝固阻止薬、抗悪性腫瘍薬、抗ヒスタミン薬や、アレルギー用薬等が挙げられる。
薬物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
薬物の平均粒子径は、後述する口腔内崩壊錠の細孔分布を容易に設定できる点で、後述する配合量の多いエリスリトールと同様の平均粒子径であることが好ましく、具体的には15〜90μmであることが好ましく、30〜80μmであることがより好ましい。
薬物の平均粒子径が15μm以上であると、薬物の比表面積の増加を抑えて、口腔内崩壊錠の硬度及び崩壊性をより良好なものとすることができる。平均粒子径が15μm未満の薬物を用いる場合には、薬物の見掛けの比表面積を低減するために、造粒混合物として打錠することが好ましい。
薬物の平均粒子径が90μm以下であると、口腔内崩壊錠における薬物の含量均一性を高くすることができる。なお、薬物の苦味を抑えるための造粒コーティング等の特殊加工を薬物に施す場合、薬物の平均粒子径を90μm以内に調整することが困難な場合がある。この場合には、薬物の含量均一性を向上させるために、エリスリトールと一緒に造粒混合物として打錠することが好ましい。
薬物の平均粒子径は、日本薬局方第15局に参考情報「30.レーザー回折法による粉体粒度測定」として記載されたレーザー回折法、例えば、HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法により測定することができる。
薬物の含量は、薬物の種類等に応じて適宜設定することができるが、例えば、工程(1)で得られる錠剤の総質量に対して0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜45質量%である。
なお、薬物の含量が、工程(1)で得られる錠剤の総質量に対して0.1質量%未満の場合は、薬物の含量均一性の観点から、水、エタノール、又は、水とエタノールとの混液(後述の結合剤溶液であってもよい)に薬物を溶解又は分散して、造粒時に添加することが好ましい。
エリスリトール
エリスリトールは賦形剤として用いる。エリスリトールの水溶液の粘度は、賦形剤として用いられる他の糖類の水溶液の粘度と比べて低い。具体的には、エリスリトール30質量%水溶液の37℃での粘度は1.46cStであり、比較対象としての精製白糖(日本薬局方)30質量%水溶液の37℃での粘度は.2.19cStである(ウベローデ粘度計による測定値)。
水溶液粘度が低いエリスリトールを用いる本発明の口腔内崩壊錠では、服用後に唾液が錠剤の細孔から浸入して、エリスリトールを溶かしながら錠剤内部に進んでいく際、エリスリトール水溶液の低粘度により錠剤内部への浸入がより速やかに起こる。そのため、本発明の口腔内崩壊錠は高い崩壊性を発揮することができる。
このエリスリトールの配合効果は、口腔内崩壊錠の細孔への唾液の浸入が阻害されやすい撥水性或いは難溶解性の薬物や、口腔内崩壊錠の細孔の閉塞を起こしやすい易溶解性の薬物に対しても得ることができる。
本発明で用いるエリスリトールの平均粒子径は15〜90μm、好ましくは18〜85μmである。平均粒子径が15μm以上であると、口腔内崩壊錠の細孔自体の体積が小さくなりすぎることを抑制し、後述する口腔内崩壊錠の細孔分布へ適切に設定して、エリスリトールの配合効果を得ることができる。
エリスリトールの平均粒子径が90μm以下であると、口腔内崩壊錠の細孔自体の体積が大きくなりすぎることを抑制し、後述する口腔内崩壊錠の細孔分布へ適切に設定して、エリスリトールの配合効果を得ることができる。
エリスリトールの平均粒子径は、日本薬局方第15局に参考情報「30.レーザー回折法による粉体粒度測定」として記載されたレーザー回折法、例えば、HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法により測定することができる。
平均粒子径が15〜90μmのエリスリトールは公知物質であり、市場において容易に入手することできるか、又は、調製可能である。
エリスリトールの含量は、工程(1)で得られる錠剤の総質量に対して50〜98質量%、好ましくは53〜97質量%である。
エリスリトールの含量が50質量%以上であると、唾液の浸入口である細孔を口腔内崩壊錠内に充分な数で設けて、良好な崩壊性を得ることができる。
エリスリトール含量の上限値は、他の錠剤成分(薬物、滑沢剤及び結合剤)の含量との関係で設定される。
工程(1)におけるエリスリトールの配合方法は、薬物及び結合剤と均一化する観点から、薬物及び後述する結合剤溶液とともに造粒することが好ましい。
結合剤
結合剤は、各錠剤成分を結合して錠剤硬度を上げるために配合される。
結合剤は、医薬品分野で結合剤として用いられている物質のうち、口腔内崩壊錠へ配合が可能なものを特に制限なく用いることができる。結合剤の具体例としては、例えば、ポビドンや、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロール、プルラン、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中では、後述する工程(2)の効果(加湿による錠剤成分の結合)をより高めることのできる水溶性結合剤であるヒドロキシプロピルセルロースやポビドンが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
結合剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
結合剤は公知物質であり、市場において容易に入手することができる。
結合剤の平均粒子径について、他の成分との混合均一性を高め、後述する口腔内崩壊錠の細孔分布を容易に設定できる点で、1〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましい。
結合剤の平均粒子径が1μm以上であると、他成分との良好な混合均一性が得られ、口腔内崩壊錠の細孔分布を容易に設定することができる。
結合剤の平均粒子径が100μm以下であると、結合剤の配合効果を充分に得ることができる。
結合剤の平均粒子径は、日本薬局方第15局に参考情報「30.レーザー回折法による粉体粒度測定」として記載されたレーザー回折法、例えば、HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法により測定することができる。
なお、後述するように、工程(1)で結合剤を溶液として用いる場合には、その平均粒子径に特段の制限はない。
結合剤の含量は、工程(1)で得られる錠剤の総質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは1〜3質量%である。
結合剤の含量が0.1質量%以上であると、硬度により優れた口腔内崩壊錠を得ることができる。結合剤の含量が10質量%以下であると、崩壊性により優れた口腔内崩壊錠を得ることができる。
工程(1)における結合剤の配合方法について、配合効果をより高めて錠剤硬度を更に上げるために、水、エタノール、又は、水とエタノールとの混液に溶解した結合剤溶液として用いてもよい。
結合剤溶液は、結合剤を後述の湿潤剤に溶解したものであってもよい。
結合剤の溶液粘度は、錠剤の崩壊性の点から低い方が好ましく、具体的には、結合剤含量が2質量%の水溶液の粘度が1.5〜6.0mPa・s(20℃)であることが好ましい。
滑沢剤
滑沢剤は、錠剤成分の打錠機への付着(打錠用杵・臼へのスティッキング)を防ぎ、錠剤の製造を円滑に行うために配合される。
滑沢剤は、医薬品分野で滑沢剤として用いられている物質のうち、口腔内崩壊錠へ配合が可能なものを特に制限なく用いることができる。滑沢剤の具体例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化植物油、ロイシン、イソロイシン、タルク、無水ケイ酸、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。これらの中では、フマル酸ステアリルナトリウム、ロイシン及びイソロイシンが、その親水性の点から錠剤の崩壊性を劣化させることがないため好ましく、フマル酸ステアリルナトリウムがより好ましい。
滑沢剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
滑沢剤は公知物質であり、市場において容易に入手することできるか、又は、調製可能である。
滑沢剤の平均粒子径は、他の成分との混合均一性を高め、後述する口腔内崩壊錠の細孔分布を容易に設定できる点で、1〜50μmであることが好ましい。
滑沢剤の平均粒子径が1μm以上であると、他の成分との混合均一性をより高めることができる。
滑沢剤の平均粒子径が50μm以下であると、配合効果を充分に得ることができる。
滑沢剤の平均粒子径は、日本薬局方第15局に参考情報「30.レーザー回折法による粉体粒度測定」として記載されたレーザー回折法、例えば、HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法により測定することができる。
滑沢剤の含量は、工程(1)で得られる錠剤の総質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、特に好ましくは0.1〜1.5質量%である。
滑沢剤の含量が0.01質量%以上であると、滑沢剤の配合効果を充分に得ることができる。
滑沢剤の含量が5質量%以下であると、口腔内崩壊錠の撥水性が過剰に増加することを抑制して、その崩壊性をより良好に維持することができる。
工程(1)における滑沢剤の配合方法について、内部滑沢剤として他の錠剤成分と混合してもよく、打錠時に外部滑沢剤として噴霧してもよい。
任意成分
工程(1)では、上述の必須成分(薬物、エリスリトール、結合剤及び滑沢剤)の他、任意成分を必要に応じて用いることができる。
任意成分としては、糖類(エリスリトールを除く)、甘味剤(エリスリトールを除く)、香料、矯味剤、色素や、pH調整剤等が挙げられる。
任意成分の平均粒子径は、他の成分との混合均一性を高め、後述する口腔内崩壊錠の細孔分布を容易に設定できる点で、エリスリトールの平均粒子径と同じであることが好ましい。
任意成分の平均粒子径は、日本薬局方第15局に参考情報「30.レーザー回折法による粉体粒度測定」として記載されたレーザー回折法、例えば、HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法により測定することができる。
任意成分の含量は、その配合目的に応じて適宜設定することができるが、吸湿性の高い任意成分を用いる場合は、工程(1)で得られる錠剤の総質量に対して1質量%以下であることが好ましい。
任意成分の含量が1質量%以下であると、口腔内崩壊錠の物性に悪影響を与えることなく配合効果を得ることができる。
工程(1)における任意成分の配合方法に特に制限はない。例えば、任意成分が液体である場合、造粒時にそのまま添加してもよく、無水ケイ酸などの粉末吸着剤に吸着させて粉体として添加してもよい。
工程(1)の実施方法
上述の錠剤成分は、混合粉末又は造粒混合物として打錠操作に付する。
混合粉末とは、錠剤成分が原末の状態で均一に混合されたものをいう。混合粉末の製造は、製剤分野で一般的に用いられている混合手段のうち、錠剤成分を均一に混合することができるもの(例えば、高速撹拌式混合造粒機やコンテナミキサー等)を特に制限なく用いて行うことができる。
造粒混合物とは、錠剤成分を湿式造粒して得られるものをいう。具体的には、錠剤成分の全て又はその一部を、湿潤剤とともに造粒、乾燥及び整粒した後に、残部とともに均一に混合して得られるものをいう。
湿潤剤の具体例としては、例えば、水、エタノール、又は、水とエタノールの混液が挙げられる。
湿潤剤は、各錠剤成分から独立した存在であってもよく、一部の錠剤成分の溶液を構成する成分(例えば、結合剤溶液の溶媒)であってもよい。
造粒混合物の製造は、製剤分野で一般的に用いられている手段を特に制限なく用いて行うことができる。例えば、薬物、エリスリトール、結合剤及び湿潤剤を、撹拌式造粒機や流動層造粒機を用いて造粒し、通風式乾燥機や流動層乾燥機で乾燥し、スクリーン型整粒機で、例えば日本薬局方18号ふるいを通過するように整粒した後に、混合機を用いて滑沢剤と均一に混合することにより製造することができる。
造粒混合物は、流動性の点から、見掛けのかさ密度が0.4〜0.6kg/Lであるか、及び/又は、粒度が日本薬局方30号ふるい残留が5%以下であり、かつ、日本薬局方100号ふるい通過が20%以下であることが好ましい。
工程(1)の打錠は、後述する工程(3)で得られた口腔内崩壊錠に下記(i)及び(ii):
(i)細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gであり、かつ
(ii)細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00である
の細孔分布を与える打錠圧を用いて行う。
上記の(i)及び(ii)の細孔分布は、工程(3)で得られた口腔内崩壊錠が有する細孔分布と同じである。したがって、細孔分布は、後述の口腔内崩壊錠の物性の欄で詳述する。
後述の実施例5と比較例5−1との対比から理解されるように、工程(1)で得られた錠剤と、工程(3)で得られた口腔内崩壊錠とは、その細孔分布における相違がほとんどない。したがって、工程(1)で用いる打錠圧は、工程(3)で得られた口腔内崩壊錠の細孔分布を指標にして容易に設定することができる。例えば、打錠圧のみを変化させて複数の製造方法を実施し、得られた口腔内崩壊錠の細孔分布と打錠圧との関係を明らかにする(例えば、検量線を作成する)ことにより、打錠圧を容易に決定することができる。一般的には、打錠圧が2942N(300kgf)以下であると、細孔分布(i)及び(ii)を満たす口腔内崩壊錠を得ることができる。打錠圧の具体例としては、9〜2942N(1〜300kgf)、好ましい例としては98〜1961N(10〜200kgf)が挙げられる。
打錠は、錠剤製造分野で一般的に用いられている手段(例えばロータリー打錠機や単発式打錠機等)を特に制限なく用いて行うことができる。
工程(2)
工程(2)は、工程(1)で得られた錠剤を加湿庫内での加湿処理に付する工程である。工程(2)を実施することにより、工程(1)で得られた錠剤の細孔分布を維持したまま錠剤成分を結合させることができる。続いて工程(3)(乾燥工程)を実施することにより、所定の錠剤硬度を持つ口腔内崩壊錠を得ることができる。
工程(2)の加湿処理は水蒸気を用いて行う。
工程(2)の加湿処理は、加湿器が接続された加湿庫内で行う。
加湿器及び加湿庫は、加湿器から発生する水蒸気の露点を設定し、維持することができるものであれば、薬品製造分野、食品製造分野や、菓子製造分野で用いられている装置及び設備を特に制限なく用いることができる。
工程(2)の加湿処理は、加湿庫に接続された加湿器から発生する水蒸気の露点を、加湿庫内の温度より1〜5℃低く、好ましくは2〜5℃低く設定して得られた雰囲気中で行う。
加湿器から発生する水蒸気の露点を加湿庫内の温度より1℃以上低くすると、加湿庫内で水蒸気(直径:約0.4nm)が過飽和状態となり水微粒子(直径:約10μm以上)の発生を防ぐことができる。水微粒子が発生すると、錠剤の表面付近の細孔に付着し工程(1)で得られた細孔分布が変化したり、細孔が塞がれたことにより錠剤内部への水蒸気の侵入が妨げられたりする。そのため、錠剤内部での錠剤成分の結合が抑制されて、所定の錠剤硬度及び崩壊時間を持つ口腔内崩壊錠が得られないことがある。
上記の水蒸気の露点温度の下限値(加湿庫内の温度より5℃低い)以上であると、錠剤の細孔に水蒸気が十分に侵入せず所定の錠剤硬度が得られないことを回避することができる。
工程(2)で加湿処理を行う期間、すなわち、錠剤の加湿庫内の通過時間は、薬物の性質や錠剤の大きさ等に応じて変化するが、一般的には30秒以上、好ましくは30秒〜5分、より好ましくは1〜3分である。
加湿庫には錠剤搬送用の入口及び出口が設けられているところ、入口及び出口付近では加湿庫内部と比べて温度が安定しないことがある。そのため、錠剤の加湿庫内の通過時間を30秒以上とすることにより、錠剤へ充分な加湿処理を施すことができる。錠剤の加湿庫内の通過時間を5分以下とすると、錠剤を搬送するコンベアベルトの長さを短くして、工程(1)、工程(2)及び続く工程(3)の連続実施を容易に行うことができる。
工程(3)
工程(3)は、工程(2)で得られた錠剤を乾燥処理に付する工程である。工程(3)を実施することにより、工程(2)で得られた錠剤から水分を除去し、所定の錠剤硬度及び崩壊時間を持つ口腔内崩壊錠を得ることができる。
工程(3)の乾燥処理は、工程(2)で得られた錠剤から水分を除去することができるものであれば、錠剤製造分野で一般的に用いられている装置及び設備を特に制限なく用いることができる。具体例としては、通風式乾燥機、遠赤外線乾燥機や、流動層乾燥機等が挙げられる。
乾燥は、工程(1)で得られた錠剤の水分含量(すなわち、工程(2)の加湿処理前の錠剤)と同等の水分含量(例えば、70℃で15分間の乾燥減量として0.1〜0.5%)が得られるまで行うことが好ましい。
本発明の製造方法では、工程(1)〜(3)をバッチ式ではなく連続式で行う(連続的に実施する)ことが好ましい。
工程(1)〜工程(3)を連続的に行うと、バッチ式で必要とされる作業(各工程の生成物の搬入、保管及び搬出の作業)が不要となり、更に、打錠速度に合わせて加湿及び乾燥の処理を行うことができるので、生産効率をより向上させることができる。更に、工程(1)で得られた錠剤は錠剤硬度が極めて低く慎重な取扱いが求められるところ、バッチ式で必要とされる作業を不要とすることで、錠剤の欠けや摩損が発生する状況を回避することもできる。
工程(1)〜工程(3)の連続実施は、錠剤(又はその材料)を、各工程が実施される設備へ連続的に運搬する手段、例えばコンベアを用いて行うことができる。
口腔内崩壊錠の物性
上述の工程(1)〜(3)を実施することで、本発明の口腔内崩壊錠を得ることができる。本発明の口腔内崩壊錠は以下の物性を有する。
細孔分布
本発明の口腔内崩壊錠は、以下に示す細孔分布(i)及び(ii):
(i)細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gである
(ii)細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00である
を有する。
本発明の口腔内崩壊錠では、細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/g、好ましくは0.16〜0.39ml/gである。
細孔体積V1が0.15ml/g以上であると、錠剤内へ唾液が浸入しやすくなり、後述の崩壊時間(5〜30秒)を得ることができる。
細孔体積V1が0.40ml/g以下であると、錠剤内で錠剤成分間の接点を充分な数で存在させて、後述の錠剤硬度(49〜147N)を得ることができる。
本発明の口腔内崩壊錠では、細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00、好ましくは0.52〜0.93である。
V2/V1比が0.50以上であると、錠剤内へ唾液が浸入しやすくなり、後述の崩壊時間(5〜30秒)を得ることができる。これは、細孔全体の中で径の小さい細孔(V2)の比率が高くなることにより、錠剤の細孔径が小さいほど唾液の錠剤への侵入が大きくなる現象がより強く発現するためであると考えられる。
V2/V1比の上限値1.00は、理論上の上限値である。
細孔体積V1及びV2は、水銀圧入法によって測定することができる。水銀圧入法の測定原理は、日刊工業新聞社刊、粉体工学会編、粉体工学叢書、第1巻 粉体の基礎物性、112頁、「5.4.2 細孔特性、(i)水銀圧入法」の欄、2005年11月30日 初版1刷発行に記載されている。
具体的には、測定装置として島津製作所製マイクロメリティックス細孔分布計オートポア9520型を用い、試料である口腔内崩壊錠(一錠)を標準3cc大片用セル(ステム容積0.4cc)に採り、下記の測定条件にて測定することができる。

初期圧:3.5 kPa
水銀接触角:130 degrees(装置デフォルト値)
水銀表面張力:485 dynes/cm(装置デフォルト値)

なお、細孔体積V1及びV2の測定は、一般に利用可能な分析機関(例えば、株式会社島津テクノリサーチ)に依頼して行うこともできる。
錠剤硬度
本発明の口腔内崩壊錠の硬度は49〜147N、好ましくは50〜100Nである。
錠剤硬度が49N以上であると、錠剤の形状を安定に保持し、優れた取扱い性(例えば、商品輸送中の安定性)を得ることができる。
錠剤硬度が147N以上の場合、要求水準以上であるため、加湿時間を短縮することで生産性を上げた方が良い。
錠剤硬度は、製剤分野で一般的に用いられている測定装置(例えば、Tablet Tester 8M(DR.SCHLEUNIGER製))を用いて測定することができる。
崩壊時間
本発明の口腔内崩壊錠の崩壊時間は5〜30秒、好ましくは10〜30秒である。
崩壊時間が5〜30秒であると、口腔内崩壊錠として優れた崩壊性(服用時に口腔内で速やかに崩壊する)を得ることができる。
なお、5〜30秒という崩壊時間は、USP米国薬局方において、Orally Disintegrating Tabletsの崩壊時間として推奨されている「30秒以内」を満たすものでもある。
崩壊時間の測定は、日本薬局方に定められた崩壊試験法に従い、崩壊試験器(例えば、富山産業製崩壊試験機NT-200)を用いて測定することができる。
本発明の実施例を以下に述べるが、本発明はこれらの実施例に限定されるべきではなく、多くの変形が、本発明の技術思想内で当業者により可能である。
以下の実施例では、本発明の口腔内崩壊錠の詳細とその製造法の詳細な具体例を記載するとともに、これらの崩壊錠が、比較例とは異なり、本発明の構成要件を充足することにより、所期の効果を奏することを検証する。
口腔内崩壊錠の調製
下記の実施例および比較例の口腔内崩壊錠は、次の手順にしたがい調製した。

工程(1)
下記に示す手順により、造粒混合物を湿式造粒法により調製した。
薬物、エリスリトールを、湿潤剤(50質量%エタノール水溶液)に溶解した結合剤溶液とともに、高速撹拌式造粒機VG-25(パウレック製)を用いて均一に混合・造粒して造粒物を得た。
造粒物を、通風式乾燥機を用いて60℃で2時間乾燥し、乾燥減量(70℃で15分間)を0.5%以下とした。乾燥した造粒物を、スクリーン型整粒機コーミル(パウレック製)で日本薬局方18号ふるいを通過するように整粒した。
整粒した造粒物に滑沢剤を加え、クロスロータリー混合機にて均一に混合して造粒混合物を得た。造粒混合物の粒度は日本薬局方30号ふるい残留が5%以下であり、日本薬局方100号ふるい通過が20%以下であった。
造粒混合物を、ロータリー打錠機クリーンプレス12(菊水製作所)にて打錠した。

工程(2)
打錠した錠剤を、コンベアにて加湿庫内を通過させた。加湿庫には、発生する水蒸気の露点を制御可能な加湿器が接続されていた。

工程(3)
加湿庫内を通過させた錠剤を、通風式乾燥機を備えた乾燥庫内を通過させることにより乾燥して、口腔内崩壊錠を得た。

尚、上記に記載のない錠剤成分の物性や製造条件は、各実施例及び比較例に記載のものを使用した。
出発物質及び口腔内崩壊錠の物性は、下記の方法により測定した。

薬物の平均粒子径
HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法。

エリスリトールの平均粒子径
HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法。

滑沢剤の平均粒子径
HORIBAレーザー式粒度分布計LA-950を用いた乾式法。

口腔内崩壊錠の細孔体積V 1 及びV 2
水銀圧入法。具体的には、島津製作所製マイクロメリティックス細孔分布計オートポア9520型を用い、試料である口腔内崩壊錠(1錠)を標準3cc大片用セル(ステム容積0.4cc)に採り、下記の測定条件にて測定した。
初期圧:3.5 kPa
水銀接触角:130 degrees(装置デフォルト値)
水銀表面張力:485 dynes/cm(装置デフォルト値)

口腔内崩壊錠の錠剤硬度
Tablet Tester 8M(DR.SCHLEUNIGER製)を用いて測定した。各実施例及び比較例に付き10錠測定した。

口腔内崩壊錠の崩壊時間
崩壊試験器(富山産業製崩壊試験機NT-200)を用い、日本薬局方崩壊試験法に従い測定した。各実施例及び比較例に付き6錠測定した。

口腔内崩壊錠の空隙率
下記の式に従い算出した。
空隙率(%)=(V3-W/M)/V3×100
M:造粒混合物の真密度(g/cm3)
V3:口腔内崩壊錠の体積(cm3)
W:口腔内崩壊錠の質量(g)
実施例1及び比較例1
実施例1及び比較例1では、加湿器から発生する水蒸気の露点設定の影響を検討した。
実施例1及び比較例1に共通する製造条件(加湿器から発生する水蒸気の露点設定を除く)は以下の通りであった。
工程(1)
造粒混合物の打錠圧:686N(70kgf)

工程(2)
加湿庫の温度:50℃
加湿器から発生する水蒸気の露点設定:加湿庫の温度(50℃)に対して-6〜0℃の範囲
加湿庫内の通過時間:3分間

工程(3)
乾燥温度:60℃
乾燥時間:10分間

その他の製造条件は表1に示す。
得られた口腔内崩壊錠の錠剤質量は400mgであり、錠剤直径は11mmであった。
結果を表1に示す。
表1
加湿器から発生する水蒸気の露点が加湿庫の温度より6℃低い比較例1-1は、錠剤硬度が本発明の基準(49〜147N)を満たさなかった。これは、加湿のための水蒸気量が不足し、錠剤中の粉体間に生成する架橋構造が十分でなかったためであると考えられる。
また、加湿器から発生する水蒸気の露点が加湿庫の温度と同じである比較例1-2は、V2/V1が0.50を下回り、本発明の崩壊性の基準(5〜30秒)を満たさなかった。
一方、加湿器から発生する水蒸気の露点が加湿庫温度に対して-5℃である実施例1-1と、-1℃である実施例1-2においては、両者ともV1が0.15〜0.40ml/gの範囲であり、かつ、V2/V1が0.50〜1.00の範囲であり、錠剤硬度及び崩壊性ともに本発明の基準を満たした。
この試験結果は、錠剤の空隙率に差がなくても、加湿器の露点設定によって、細孔の状態すなわちV2/V1が大きく変わり、錠剤物性に影響を与えることを示している。
口腔内崩壊錠の錠剤硬度
実施例1及び比較例1の各口腔内崩壊錠をブリスター包装(ブリスター:ポリ塩化ビニリデン(住友ベークライトVSL-4601)、アルミ箔:厚み20μm)した。錠剤の中央部に爪を立ててブリスターから錠剤を取り出し、その際の錠剤の割れの有無を確認した。実施例1及び比較例1のそれぞれについて、100錠のブリスターを評価した。結果を表2に示す。
表2
表2は、本発明の錠剤硬度の基準(49〜147N)を満たさない比較例1-1では、錠剤の割れが生じたことを示している。
口腔内崩壊錠の崩壊性
実施例1及び比較例1の各口腔内崩壊錠の崩壊性について、官能試験を10名にて実施した。結果を表3に示す。
表3
表3は、本発明の錠剤崩壊時間の基準(5〜30秒)を満たさない比較例1-2では、錠剤の崩壊が遅いと感じた人が現れたことを示している。
実施例2及び比較例2
実施例2及び比較例2では、エリスリトールの平均粒子径の影響を検討した。
実施例2及び比較例2に共通する製造条件は以下の通りであった。
工程(1)
造粒混合物の打錠圧:294N(30kgf)

工程(2)
加湿庫の温度:45℃
加湿器から発生する水蒸気の露点設定:43℃(加湿庫の温度に対して-2℃)
加湿庫内の通過時間:2分間

工程(3)
乾燥温度:60℃
乾燥時間:5分間

その他の製造条件は表4に示す。
得られた口腔内崩壊錠の錠剤質量は250mgであり、錠剤直径は9.0mmであった。
結果を表4に示す。
表4

エリスリトールの平均粒子径が本発明の基準(15〜90μm)を満たしている実施例2-1、実施例2-2及び実施例2-3は、V2/V1が本発明の基準(0.50〜1.00)の範囲内であり、更に錠剤硬度(49〜147N)及び崩壊性(5〜30秒)の基準を満たした。
一方、エリスリトールの平均粒子径が15μmを下回る比較例2-1は、V2/V1が本発明の基準の範囲外であり、本発明の錠剤硬度の基準も満たさなかった。
また、エリスリトールの平均粒子径が90μmを超える比較例2-2は、V2/V1が本発明の基準の範囲外であり、本発明の錠剤硬度及び崩壊性の基準を満たさなかった。
実施例3及び比較例3
実施例3及び比較例3では、エリスリトールの配合量(含量)の影響を検討した。
実施例3及び比較例3に共通する製造条件は以下の通りであった。
工程(1)
造粒混合物の打錠圧:490N(50kgf)

工程(2)
加湿庫の温度:50℃
加湿器から発生する水蒸気の露点設定:47℃(加湿庫の温度に対して-3℃)
加湿庫内の通過時間:3分間

工程(3)
乾燥温度:65℃
乾燥時間:10分間

その他の製造条件は表5−1に示す。
得られた口腔内崩壊錠の錠剤質量は300mgであり、錠剤直径は11mmであった。
結果を表5−1に示す。
表5−1
実施例3-1及び3-2は、配合量の多い薬物としてアセトアミノフェンを用いた例である。そこで、配合量が少ない薬物としてスコポラミン臭化水素酸塩水和物を用いた例として、実施例3-3を評価した。
実施例3-3の製造条件は以下の通りであった。
工程(1)
造粒混合物の打錠圧:392N(40kgf)

工程(2)
加湿庫の温度:45℃
加湿器から発生する水蒸気の露点設定:43℃(加湿庫の温度に対して-2℃)
加湿庫内の通過時間:2分間

工程(3)
乾燥温度:60℃
乾燥時間:5分間

その他の製造条件は表5−2に示す。
得られた口腔内崩壊錠の錠剤質量は250mgであり、錠剤直径は9.0mmであった。
結果を表5−2に示す。
表5−2
表5−1について、エリスリトール含量が本発明の基準(工程(1)で得られた錠剤の総質量に対して50〜98質量%)を満たしている実施例3-1及び実施例3-2は、V2/V1が本発明の基準(0.50〜1.00)の範囲内であり、更に錠剤硬度(49〜147N)及び崩壊性(5〜30秒)の基準も満たした。
一方、エリスリトール含量が50質量%に満たない比較例3-1及び比較例3-2は、硬度及び崩壊性ともに本発明の基準を満たさなかった。
表5−2は、薬物の配合量が少ない場合であっても、エリスリトール含量を本発明の基準内に設定することにより、錠剤硬度及び崩壊性の基準を満たすことができることを示している。
実施例4及び比較例4
実施例4及び比較例4では、V1の変動をもたらす工程(1)の打錠圧の影響を検討した。
実施例4及び比較例4に共通する製造条件は以下の通りであった。

工程(2)
加湿庫の温度:55℃
加湿器から発生する水蒸気の露点設定:53℃(加湿庫の温度に対して-2℃)
加湿庫内の通過時間:3分間

工程(3)
乾燥温度:60℃
乾燥時間:20分間

その他の製造条件は表6に示す。
得られた口腔内崩壊錠の錠剤質量は300mgであり、錠剤直径は10mmであった。
結果を表6に示す。
表6
工程(3)で得られた口腔内崩壊錠のV1及びV2/V1が本発明の基準(V1が0.15〜0.40ml/g、かつ、V2/V1)が0.50〜1.00)を満たす打錠圧を用いて製造した実施例4-1及び実施例4-2は、本発明の錠剤硬度(49〜147N)及び崩壊性(5〜30秒)の基準を満たした。
一方、V1が本発明の上限値を超えてしまう打錠圧を用いて製造した比較例4-1は、本発明の錠剤硬度の基準を満たさなかった。これは、錠剤成分である粉体間の接点数が少なく、粉体間の架橋が不足したためであると考えられる。
また、V1が本発明の下限値よりも低くなってしまう打錠圧を用いて製造した比較例4-2は、本発明の錠剤硬度及び崩壊性の基準を満たさなかった。これは、V1が小さいため加湿時の水蒸気の錠剤内部への浸入が少なく、錠剤成分である粉体間の水蒸気による架橋が不足したためであると考えられる。
実施例5及び比較例5
実施例5及び比較例5では、工程(2)及び(3)の条件の影響を検討した。
実施例5及び比較例5に共通する製造条件は以下の通りであった。
なお、比較例5-1では工程(2)及び(3)を実施せず、工程(1)で得られた錠剤を口腔内崩壊錠とした。

工程(1)
造粒混合物の打錠圧:785N(80kgf)

工程(2)(比較例5-1では実施せず)
実施例5で用いた条件
加湿庫の温度:45℃
加湿器から発生する水蒸気の露点設定:43℃(加湿庫の温度に対して-2℃)
加湿庫内の通過時間:2分間

比較例5-2で用いた条件
加湿庫の温度:45℃
加湿器から発生する水蒸気の露点設定:46℃(加湿庫の温度に対して+1℃)
加湿庫内の通過時間:2分間

工程(3)(比較例5-1では実施せず)
乾燥温度:60℃
乾燥時間:10分間

その他の製造条件は表7に示す。
得られた口腔内崩壊錠の錠剤質量は250mgであり、錠剤直径は9mmであった。
結果を表7に示す。
表7
V1及びV2/V1についての実施例5と比較例5-1との対比は、工程(2)及び工程(3)の実施の有無が、V1及びV2/V1に大きな変化をもたらさないことを示している。これは、工程(1)(打錠)によって設定された錠剤のV1及びV2/V1が、工程(2)(加湿)及び工程(3)(乾燥)の実施後も保持されていることを示すものである。
このことは、比較例5-1の錠剤表面SEM画像(図1)と、実施例5の錠剤表面SEM画像(図2)とからも理解することができる。
図1は、比較例5-1(工程(2)及び(3)なし)の錠剤表面が多孔質であることを示している。
図2は、実施例5(工程(2)及び(3)あり)の錠剤表面が、比較例5-1と同様に多孔質であることを示している。
錠剤表面の状態に相違がない一方、比較例5-1の口腔内崩壊錠は錠剤硬度について本発明の基準(49〜147N)を満たさず、脆いものであった。
ここで、図3は、比較例5-2の錠剤表面SEM画像である。比較例5-2は、工程(2)の加湿器から発生する水蒸気の露点設定が本発明の条件を満たしていない。
図3は、比較例5-2の錠剤表面が実施例5と比べて滑らかであり、錠剤表面の細孔が減少していることを示している。これは、加湿庫内で水蒸気が過飽和状態となり水微粒子が形成し、この水微粒子が錠剤表面の薬物やエリスリトール等を溶かしたためであると考えられる。また、表7は、比較例5-2のV2が実施例5よりも低く、比較例5-2の崩壊時間も実施例5よりも劣っていることを示している。これは、加湿庫内で水蒸気が過飽和状態となり水微粒子が形成し、この水微粒子が錠剤の表面付近の細孔へ侵入して工程(1)で得られた細孔(特に、細孔径0.1〜10μmの細孔(V2))を塞いだためであると考えられる。
これらの結果は、工程(1)によって設定された錠剤のV1及びV2/V1が、工程(2)及び工程(3)の実施後も保持されていること、並びに、工程(2)及び工程(3)が本発明で規定する錠剤硬度及び崩壊時間をもたらすことを示している。
本発明は、製剤分野で利用することが可能である。

Claims (6)

  1. 口腔内崩壊錠の製造方法であって、
    (1)薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む混合粉末、又は、薬物、平均粒子径が15〜90μmのエリスリトール、結合剤及び滑沢剤を含む造粒混合物を打錠して錠剤を得る工程であって、
    該錠剤のエリスリトール含量が、該錠剤の総質量に対して50〜98質量%であり、
    該打錠を、工程(3)で得られた口腔内崩壊錠に下記(i)及び(ii):
    (i)細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gである、
    (ii)細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00である
    を与える打錠圧で行う工程、
    (2)工程(1)で得られた錠剤を、加湿庫内を通過させる工程であって、
    加湿庫に接続された加湿器から発生する水蒸気の露点が、加湿庫内の温度より1〜5℃低く設定されている工程、及び
    (3)工程(2)で得られた錠剤を乾燥させて、口腔内崩壊錠を得る工程
    を含み、
    該口腔内崩壊錠の細孔径0.1〜100μmの細孔体積V1が0.15〜0.40ml/gであり、
    該口腔内崩壊錠の細孔径0.1〜10μmの細孔体積V2のV1に対する比(V2/V1)が0.50〜1.00であり、
    該口腔内崩壊錠の錠剤硬度が49〜147Nであり、かつ、
    該口腔内崩壊錠の崩壊時間が5〜30秒である、製造方法。
  2. 工程(1)〜工程(3)を、コンベアを利用して連続的に行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(2)において、錠剤の加湿庫内の通過時間が30秒〜5分間である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 工程(1)の打錠圧が2942N以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 工程(1)で用いる薬物の平均粒子径が15〜90μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 工程(1)において、湿潤剤を用いて得た造粒混合物を用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
JP2014184592A 2014-09-10 2014-09-10 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠 Active JP6073843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014184592A JP6073843B2 (ja) 2014-09-10 2014-09-10 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014184592A JP6073843B2 (ja) 2014-09-10 2014-09-10 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016153773A Division JP6201017B2 (ja) 2016-08-04 2016-08-04 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016056137A JP2016056137A (ja) 2016-04-21
JP6073843B2 true JP6073843B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=55757418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014184592A Active JP6073843B2 (ja) 2014-09-10 2014-09-10 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6073843B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180107950A (ko) * 2017-03-23 2018-10-04 김윤환 압축플라스틱 패널을 이용한 점착식 벽면마감재 및 그 제조방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116033892A (zh) * 2020-08-18 2023-04-28 悠哈味觉糖有限公司 口中速崩性固体食品及其制造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PE20070698A1 (es) * 2005-11-14 2007-08-17 Teijin Pharma Ltd Comprimido de disgregacion rapida intraoral que contiene hidrocloruro de ambroxol
JP5956475B2 (ja) * 2012-02-03 2016-07-27 旭化成株式会社 苦味マスク顆粒含有口腔内崩壊錠

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180107950A (ko) * 2017-03-23 2018-10-04 김윤환 압축플라스틱 패널을 이용한 점착식 벽면마감재 및 그 제조방법
KR101958883B1 (ko) * 2017-03-23 2019-03-15 김윤환 압축플라스틱 패널을 이용한 점착식 벽면마감재 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016056137A (ja) 2016-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4875001B2 (ja) アリピプラゾールの湿式造粒医薬組成物
KR970009894B1 (ko) 고 성형성 부형제 및 그의 제조방법
RU2669351C1 (ru) Покрытая пленкой таблетка, содержащая холина альфосцерат, и способ ее изготовления
US20210380422A1 (en) Porous silica particle composition
EP2293781A1 (en) Granulation of active pharmaceutical ingredients
AU2013281582B2 (en) Pharmaceutical composition containing fimasartan and hydrochlorothiazide
JPH10502056A (ja) 改質可能なでんぷんアセテート組成物およびその製造方法並びに使用方法
FI79942C (fi) Pao polykaprolakton baserat inert bindemedel foer oralt administrerbara laekemedel och foerfarande foer framstaellning av en galenisk form innehaollande detta bindemedel.
JP6201017B2 (ja) 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠
JP6073843B2 (ja) 硬度及び崩壊性に優れた口腔内崩壊錠の製造方法及び該製造方法により製造される口腔内崩壊錠
WO2011131370A1 (en) Melt-granulated fingolimod
KR101421330B1 (ko) 붕괴정
Lakshmi et al. Preparation and comparative evaluation of liquisolid compacts and solid dispersions of valsartan
CN1449745A (zh) 包衣的固体催眠制剂
CN104324013B (zh) 吲达帕胺缓释剂的制备工艺
Suryadevara et al. Dissolution rate enhancement of irbesartan and development of fast-dissolving tablets
CN104398482B (zh) 应用复合乳糖的吲达帕胺缓释药物
CN103989643B (zh) 含有雷美替胺和共聚维酮的片剂
Akiladevi et al. A Study on the Effect of disintegrants and Processing Methods on the Physicochemical and In Vitro Release Characteristics of Immediate Release Tablets of Bosentan Monohydrate
CN112826804B (zh) 一种依托考昔组合物
WO2017170762A1 (ja) 経口投与用球状吸着炭を含む錠剤
JPH0153249B2 (ja)
Majekodunmi et al. Development of Novel Drug Delivery System Using Calcium Silicate
JP6216408B2 (ja) 固体剤形で非常に難溶性の薬物を調製する方法
CN108434110B (zh) 米索前列醇组合物、片剂及其用途

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161107

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6073843

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250