JP6073162B2 - 発電システム、及び、その発電システムの運転方法 - Google Patents

発電システム、及び、その発電システムの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次励磁発電機と、その二次励磁発電機の回転子を駆動するエンジンとを備えた発電システム、及び、その発電システムの運転方法に関する。
上記のような発電システムでは、例えば、電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、交流側が電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が二次巻線に接続された第2電力変換機と、第1電力変換機の直流側と第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。そして、エンジン回転速度を目標回転速度の一定回転速度とし、二次励磁発電機の二次巻線に供給する交流の周波数を制御することで、二次励磁発電機の一次巻線から一定周波数(50〔Hz〕又は60〔Hz〕)の電力を出力しながら、エンジンを効率の面から良好な回転速度で運転させて、発電効率の向上を図るようにしている。
このような発電システムにおいて、特許文献2には下記の点が記載されている。
商用電力系統と系統連系を行なう分散電源用発電システムでは、商用電力系統(電力系統)の事故発生時において、単独運転によって生じる発電電力が商用電力系統へ流入することを防止するため、発電電力系統に設置する遮断器や、単独運転検出装置により、商用電力系統が保護されるようになっている。また、商用電力系統の事故により、単独運転の状況が発生した場合には、商用電力の受電点よりも下流(需要家側)に設置した遮断器により、発電電力系統の商用電力系統からの切り離しが行なわれる。該遮断器は、前記単独運転検出装置による単独運転の検出や、不足電力継電器による商用電力系統の事故の検出結果に基づいて作動するようになっている。
そこで、上記のような発電システムでは、商用電力系統(電力系統)において停電が発生した際、発電システムの単独運転を防止するために、一旦、商用電力系統並びに電力負荷へ接続する点に設置した遮断器により接続を遮断することが考えられる。この時、発電システムでは、電力負荷遮断時にエンジンへの負荷が減少することから、一時的にエンジン回転速度が上昇してしまう。このエンジン回転速度の上昇は、エンジンや発電機の耐久性の面で好ましくない。
この負荷遮断時におけるエンジン回転速度の上昇を抑制するために、燃料ガス配管の各気筒への分岐前にエア駆動のガス回収用シリンダを設け、負荷遮断時には電磁弁を閉弁した後、ガス回収用シリンダ内に残留ガスを吸い込み、燃料圧を減圧して速やかにエンジンを停止させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2012−100478号公報 特開2003−244850号公報 特開平6−129305号公報
上記特許文献3に記載のシステムでは、負荷遮断時におけるエンジン回転速度の上昇を抑制するために、ガス回収用シリンダを設けなければならず、システム構成の複雑化、大型化やコストアップを招くことになる。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、エンジン回転速度の上昇を抑制しながら、電力負荷との接続を遮断することができ、システム構成の簡素化、小型化やコストの低減を図ることができる発電システム、及び、その発電システムの運転方法を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明に係る発電システムの特徴構成は、電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部と、運転を制御する運転制御部とを備え、
前記運転制御部は、前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷とを接続し、目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する出力電力供給運転と、その出力電力供給運転から前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断運転とを実行可能であり、
前記負荷遮断運転では、前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断制御を行う際に、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも低回転速度の第1回転速度に制御する低回転速度制御を行うように構成されており、
前記運転制御部は、負荷遮断信号生成部にて生成された負荷遮断信号が入力されると、前記低回転速度制御を前記負荷遮断制御よりも優先して行い、エンジン回転速度を前記第1回転速度に低下させた状態で前記負荷遮断制御を行い、前記負荷遮断制御を行った後も前記低回転速度制御を維持するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、負荷遮断運転では、負荷遮断制御を行う際に低回転速度制御を行っているので、電力負荷を遮断した時に、エンジン回転速度が多少上昇するものの、エンジン回転速度が低回転速度である第1回転速度に制御されていることから、エンジン回転速度の上昇が抑えられる。これにより、電力負荷の遮断時におけるエンジン回転速度の上昇を抑制でき、エンジンや発電機にかかる負担を軽減することができる。しかも、負荷遮断運転において運転制御部による制御として、低回転速度制御を追加するだけであるので、特許文献3に記載の如く、ガス回収用シリンダ等の機器を追加することなく、システム構成の簡素化、小型化やコストの低減を図ることができる。
さらに、負荷遮断信号生成部にて負荷遮断信号の入力により、まずは、低回転速度制御を優先して行い、その上で、負荷遮断制御を行うことができる。これにより、負荷遮断制御を行うときには、すでにエンジン回転速度が目標回転速度よりも低回転速度側に低下しているので、エンジン回転速度を極力低回転速度側として、エンジン回転速度の上昇を抑えることができる。しかも、電力負荷を遮断した後も、低回転速度制御が維持されるので、エンジン回転速度の上昇を適切に抑えることができる。
本発明に係る発電システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部は、前記負荷遮断運転において、前記負荷遮断制御を行った後、前記低回転速度制御を終了させて、前記目標回転速度以上の回転速度にて前記エンジンを駆動させるようにエンジン回転速度を上昇させる回転速度上昇制御に移行するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、低回転速度制御を行うことで、エンジン回転速度は目標回転速度よりも低下するものの、その低回転速度制御の後に回転速度上昇制御を行うことで、エンジン回転速度を目標回転速度以上の回転速度まで復帰させておくことができる。例えば、一時的に電力負荷を遮断する必要が生じた場合には、負荷遮断運転を行った後、電力負荷に接続することで、再度、出力電力供給運転を行うことが想定される。よって、エンジン回転速度を目標回転速度以上の回転速度まで復帰させておくことで、出力電力供給運転への移行をスムーズに行うことができる。また、例えば、エンジン回転速度を目標回転速度以上の回転速度まで復帰させておくことで、発電システムに備えられた補機等には、目標周波数の出力電力を供給することができる。
本発明に係る発電システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部は、前記低回転速度制御中における前記エンジンに供給される混合気の空気比が前記低回転速度制御を行う前の空気比を基準とする設定範囲内となると、前記低回転速度制御を終了して前記回転速度上昇制御に移行するように構成されている点にある。
運転制御部が低回転速度制御を行うことで、例えば、エンジンにおける燃料供給弁の開度を閉じ側に制御することになる。これにより、エンジンの混合気の燃焼状態はリーン燃焼状態(希薄燃焼状態)となって、エンジンの運転が不安定な状態となり易い。このような不安定な状態で、低回転速度制御から回転速度上昇制御への移行を行うと、エンジン回転速度を変更させることになるので、その不安定な状態での運転を助長してしまう可能性がある。そこで、本特徴構成によれば、リーン燃焼状態(希薄燃焼状態)での低回転速度制御から回転速度上昇制御への移行を防止するために、エンジンに供給される混合気の空気比がどのような空気比となっているかによって、低回転速度制御から回転速度上昇制御へ移行するタイミングを設定している。そして、運転制御部は、エンジンに供給される混合気の空気比が低回転速度制御を行う前の空気比に対して安定した領域に回復したことを確認した上で、低回転速度制御から回転速度上昇制御への移行を行い、エンジンの運転が不安定な状態となるのを防止している。
本発明に係る発電システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部は、前記回転速度上昇制御において、前記目標回転速度よりも高回転速度の第2回転速度にエンジン回転速度を制御するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、回転速度上昇制御において、エンジン回転速度を第2回転速度に制御しておくことで、再度、出力電力供給運転を行う場合に、電力負荷に接続するに当たり、エンジン回転速度を高回転速度である第2回転速度にしておくことができる。これにより、電力負荷の接続によって、エンジン回転速度が低下するのを防止でき、出力電力の周波数が変動するのを抑制することができる。よって、出力電力供給運転への移行をスムーズに行うことができながら、電力負荷に目標周波数の出力電力を供給することができる。
本発明に係る発電システムの運転方法は、電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部とを備えた発電システムにおいて、
前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷とを接続し、目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する出力電力供給運転と、その出力電力供給運転から前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断運転とを実行可能であり、
前記負荷遮断運転では、前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断制御を行う際に、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも低回転速度の第1回転速度に制御する低回転速度制御を行い
負荷遮断信号生成部にて生成された負荷遮断信号が入力されると、前記低回転速度制御を前記負荷遮断制御よりも優先して行い、エンジン回転速度を前記第1回転速度に低下させた状態で前記負荷遮断制御を行い、前記負荷遮断制御を行った後も前記低回転速度制御を維持する点にある。
上述の本発明に係る発電システムと同様に、電力負荷を遮断した時に、エンジン回転速度が多少上昇するものの、エンジン回転速度が第1回転速度に制御されていることから、エンジン回転速度の上昇が抑えられる。これにより、電力負荷の遮断時におけるエンジン回転速度の上昇を抑制でき、エンジンや発電機にかかる負担を軽減することができる。しかも、低回転速度制御を行うという制御動作を追加するだけであるので、特許文献3に記載の如く、ガス回収用シリンダ等の機器を追加することなく、システム構成の簡素化、小型化やコストの低減を図ることができる。
また、負荷遮断信号生成部にて負荷遮断信号の入力により、まずは、低回転速度制御を優先して行い、その上で、負荷遮断制御を行うことができる。これにより、負荷遮断制御を行うときには、すでにエンジン回転速度が目標回転速度よりも低回転速度側に低下しているので、エンジン回転速度を極力低回転速度側として、エンジン回転速度の上昇を抑えることができる。しかも、電力負荷を遮断した後も、低回転速度制御が維持されるので、エンジン回転速度の上昇を適切に抑えることができる。
発電システムの全体構成を示す図 負荷遮断運転における動作を示すフローチャート 負荷遮断運転における出力、エンジン回転速度、制御弁開度、空気比の変化を示すグラフ 第2実施形態での負荷遮断運転における出力、エンジン回転速度、空気比の変化を示すグラフ
本発明に係る発電システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、発電システム100は、混合気Mを燃焼室1aにて燃焼させて回転動力を出力するエンジン1と、エンジン1の軸動力により電力負荷61へ供給される電力を発電する発電機構部101と、エンジン1の作動を制御するエンジン制御部102aと発電機構部101の作動を制御する発電機構制御部102bとを有する運転制御部102とを備えている。
(エンジン)
エンジン1は、通常の4サイクル式のエンジンとして構成されている。エンジン1の燃焼室1aには、混合気Mを吸引する吸気路3、及び、エンジン1から排出される排ガスEが通流する排気路4が接続されている。吸気路3には、ミキサ8を介して、天然ガス系都市ガス13A等の燃料ガスGを供給する燃料供給路9が接続されている。吸気路3の端部からエアークリーナ(図示せず)を通じて吸気される燃焼用空気Aは、ミキサ8において燃料供給路9から供給される燃料ガスGと混合されて、混合気Mが形成される。その混合気Mは、吸気路3において、過給機(図示せず)を通過して燃焼室1aに吸気される。燃焼室1aに吸気された混合気Mは、ピストン(図示せず)の上昇により圧縮された状態で点火プラグ(図示省略)にて点火されて燃焼・膨張することで、ピストンを押し下げて出力軸1bが回転し、回転動力が出力される。燃焼により発生した排ガスEは、燃焼室1aから排気路4に押し出され、過給機を回転させた後に、外部に排出される。また、このエンジン1には、出力軸1bの回転速度、すなわちエンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ1cが設けられており、回転速度センサ1cの検出情報は運転制御部102のエンジン制御部102aに入力させるように構成されている。
燃料供給路9には、ミキサ8への燃料ガスGの供給量を調整可能な燃料供給弁10が設けられている。制御装置70のエンジン制御部102aは、燃料供給弁10の開度を回転速度センサ1cの検出結果に基づいてフィードバック制御する形態で、エンジン1の出力を制御して、エンジン1の回転速度を制御目標となる設定回転速度に設定する出力制御を実行する。この出力制御では、エンジン1の回転速度が設定回転速度に対して低下傾向にある場合には、エンジン制御部102aが、燃料供給弁10の開度を拡大して燃料ガスGの供給量を増加させる。逆に、エンジン1の回転速度が設定回転速度に対して上昇傾向にある場合には、エンジン制御部102aが、燃料供給弁10の開度を縮小して燃料ガスGの供給量を減少させる。
吸気路3には、燃焼室1aに吸気される混合気Mの吸気量を調整可能なスロットルバルブ6が設けられている。エンジン制御部102aは、上述の出力制御において、エンジン1に供給される混合気Mの空気比を所定の空気比に調整するように、スロットルバルブ6の開度を制御している。つまり、エンジン制御部102aは、空気比が所定の空気比よりも低い場合に、スロットルバルブ6の開度を拡大し、逆に、空気比が所定の空気比よりも高い場合に、スロットルバルブ6の開度を縮小している。ここで、空気比とは、燃料の燃焼に必要な理論的な空気量と実際に供給する空気量の比(実際の空気量/理論空気量)である。また、空気比については、例えば、排気路4に備えた酸素センサ等のセンサ類からの検出情報に基づいて空気比を求める、あるいは、燃料供給弁10の開度と給気マニホールドの給気圧力とから空気比を求めることができる。
このように、出力制御では、エンジン制御部102aが、エンジン1の回転速度が設定回転速度になるように燃料供給弁10の開度を制御するとともに、空気比が所定の空気比になるようにスロットルバルブ6の開度を制御している。このような出力制御により、エンジン1の出力が調整されて、エンジン1の回転速度が設定回転速度に制御される。
(発電機構部)
発電機構部101は、エンジン1の軸動力により電力系統60や電力負荷61へ供給される電力を発電するものである。発電機構部101は、電力系統60や電力負荷61に接続された一次巻線(図示せず)を備える固定子2b(ステータ)と、二次巻線(図示せず)を備えエンジン1の回転動力で回転する回転子2a(ロータ)とを有する二次励磁発電機2と、二次巻線に励磁電流を印加する電力変換機としての第1電力変換機31及び第2電力変換機32とを備えている。
固定子2bの一次巻線は電力系統(商用電力系統)60に接続されており、第1電力変換機31の交流側が電力系統60に接続され、第2電力変換機32の交流側が回転子2aの二次巻線に接続され、第1電力変換機31の直流側と第2電力変換機32の直流側とを接続する直流部33とを備える。二次励磁発電機2は、電力系統60と同じ周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])の電力(三相の交流電力)を発電し、当該電力を、電力を消費する電力負荷61や電力系統60に供給することが可能に構成されている。尚、電力負荷61としては、例えば、冷暖房設備が備える室内機や室外機、或いは電灯等がある。
二次励磁発電機2の固定子2bが備える一次巻線は、第1スイッチ41及び第2スイッチ42を介して電力系統60に接続されている。また、固定子2bが備える一次巻線は、第1スイッチ41及び第3スイッチ43を介して電力負荷61にも接続されている。回転子2aが備える二次巻線は、フィルタ回路30、第2電力変換機32、直流部33、第1電力変換機31、フィルタ回路30、変圧器44、及び、第2スイッチ42を介して電力系統60に接続されている。また、回転子2aが備える二次巻線は、フィルタ回路30、第2電力変換機32、直流部33、第1電力変換機31、フィルタ回路30、変圧器44、及び第3スイッチ43を介して電力負荷61にも接続されている。
以下の説明では、固定子2bが備える一次巻線側を「二次励磁発電機の一次側」と呼び、回転子2aが備える二次巻線側を「二次励磁発電機の二次側」と呼ぶ場合がある。よって、二次励磁発電機2の一次側に発生する電力(電圧、電流)の周波数が、電力負荷61や電力系統60に供給される電力の周波数となる。
エンジン1の出力軸1bは、二次励磁発電機2の回転子2aに機械的に連結されており、当該回転子2aを駆動(回転駆動)する。エンジン1の出力軸1bは、本例では、回転子2aと一体回転するように連結(直結)されており、回転子2aはエンジン回転速度と同じ回転速度で回転する。尚、エンジン1の出力軸1bと回転子2aとの間に、減速機や増速機を設ける構成とすることもできる。
第1電力変換機31は、交流側(図1における右側)が第1スイッチ41を介して二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)に接続されているとともに、第2スイッチ42を介して電力系統60に接続されており、さらに第3スイッチ43を介して電力負荷61に接続されている。また、第1電力変換機31は、直流側(図1における左側)が直流部33に接続されている。第2電力変換機32は、交流側(図1における左側)が二次励磁発電機2の回転子2a(二次巻線)に接続されている。また、第2電力変換機32は、直流側(図1における右側)が直流部33に接続されている。そして、これらの第1電力変換機31及び第2電力変換機32のそれぞれは、直流側の直流電力を交流電力に変換(逆変換)して交流側に供給するインバータとしての機能と、交流側の交流電力を直流電力に変換(順変換)して直流側に供給するコンバータとしての機能と、の双方を果たすことが可能に構成されている。
このような第1電力変換機31や第2電力変換機32は、複数(例えば6個)のスイッチング素子を備えて構成される。スイッチング素子としては、MOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)やIGBT(insulated gate bipolar transistor)等の種々の構造のパワートランジスタを採用することができる。そして、第1電力変換機31や第2電力変換機32にはPWM(pulse width modulation:パルス幅変調)信号が入力され、当該PWM信号に基づきスイッチング素子がスイッチング動作(オンオフ動作)を行う。尚、第1電力変換機31や第2電力変換機32を作動させるためのPWM信号は、発電機構制御部102bにより生成される。
第1電力変換機31の交流側及び第2電力変換機32の交流側の双方には、インダクタンスとコンデンサとからなるフィルタ回路30が設けられている。このフィルタ回路30は、スイッチング素子のスイッチングにより発生した高周波成分を除去するフィルタであり、このフィルタ回路30により、第1電力変換機31や第2電力変換機32からの出力電圧波形が正弦波状に変換される。
また、第1電力変換機31の交流側に設けられたフィルタ回路30より二次励磁発電機2側(電力系統60側)には、変圧器44が設けられている。以下の説明では、「変圧器の一次側」は、変圧器44の第1電力変換機31側を指し、「変圧器の二次側」は、変圧器44の二次励磁発電機2側を指す。
直流部33は、第1電力変換機31の直流側と第2電力変換機32の直流側とを接続する部分である。直流部33にはキャパシタ34が備えられていると共に、蓄電装置62が接続されている。蓄電装置62は、発電機構部101の起動時に必要となる電力を供給自在となっている。また、蓄電装置62を利用して、電力負荷61や電力系統60に供給される電力の変動を抑えることも可能である。蓄電装置62は、例えば、蓄電池や電気二重層キャパシタ等で構成され、直流部33に対して電力を供給して放電すること、及び、直流部33から電力の供給を受けて充電することが可能に構成される。尚、蓄電装置62と直流部33との間にスイッチを介在させることもできる。
第1スイッチ41は、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と第1電力変換機31とを選択的に接続する。第2スイッチ42は、電力系統60と第1電力変換機31とを選択的に接続する。第1スイッチ41は、第2スイッチ42と協働して、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力系統60とを選択的に接続すると共に、第3スイッチ43と協働して、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61とを選択的に接続する。また、第2スイッチ42は、第3スイッチ43と協働して、電力系統60と電力負荷61とを選択的に接続する。
第1スイッチ41、第2スイッチ42、及び第3スイッチ43のそれぞれは、発電機構制御部102bが生成する開閉信号に基づき開閉制御される。これらのスイッチは、例えば、電磁石の動作によって開閉する電磁接触型のスイッチ等とすることができる。
発電機構部101は、発電電力の周波数(電圧、電流の周波数)に関して自由度の高いシステムとなっている。発電機構部101の発電電力の周波数(二次励磁発電機2の一次側に誘起される一次側電圧の周波数)をf1とし、回転子2aの回転周波数をf0とし、回転子2aの二次巻線を励磁するために当該二次巻線に供給される交流電流(励磁電流)の周波数をf2とすると、「f1=f0+f2」となる。ここで、回転子2aの回転周波数f0は、回転子2aの回転速度(回転数)をm[rpm]とし、二次励磁発電機2の磁極数をnとして、「f0=m×n/120」から求まる。
具体的には、回転子2aの回転速度が1100[rpm]であり、二次励磁発電機2の磁極数が「6」の場合には、回転子2aの回転周波数f0は55[Hz]となる。よって、この場合に、第2電力変換機32を制御して二次巻線に周波数が5[Hz]の励磁電流を供給すれば(f2=5[Hz])、周波数が60[Hz]の交流電力を得ることができる。逆に、第2電力変換機32を制御して二次巻線から周波数が5[Hz]の励磁電流を取り出せば(f2=−5[Hz])、周波数が50[Hz]の交流電力を得ることができる。尚、回転子2aの回転速度(即ちエンジン回転速度)は、同期回転速度以外の任意の回転速度を選択することができる。尚、同期回転速度は、電力系統60の周波数が60[Hz]であり、二次励磁発電機2の磁極数が「6」である場合には、1200[rpm]となる。
回転子2aの回転速度(即ちエンジン回転速度)が同一であっても、回転子2aの二次巻線に供給する励磁電流の周波数f2及び向きを変えることで発電電力の周波数f1を変化させることができる。即ち、発電機構制御部102bは、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、一次巻線の出力電力(即ち、発電電力)の周波数を電力系統60に同期させる同期制御を実行するように構成されている。尚、第2電力変換機32と回転子2aの二次巻線との間の励磁電流の向きは、第2電力変換機32から二次巻線へ励磁電流を供給するときの供給方向Xと、二次巻線から第2電力変換機32へ励磁電流を取り出すときの取出方向Yとの間で切り替えられる。よって、エンジン1の回転速度が変動したとしても、第2電力変換機32を制御して、電力系統60の周波数に対する回転子2aの回転速度の不足分(又は過剰分)に相当する周波数の励磁電流を二次励磁発電機2の二次巻線に供給する(又は二次巻線から取り出す)ことで、第1電力変換機31から電力系統60の周波数と同じ周波数の発電電力が取り出されることになる。
発電システム100は、運転制御部102によりその運転が制御され、第1〜第3スイッチ41〜43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61や電力系統60とを接続し、目標回転速度(例えば、1200[rpm])にてエンジン1を駆動させ、電力負荷61や電力系統60に目標周波数の出力電力を供給する出力電力供給運転を行うようにしている。この出力電力供給運転では、運転制御部102におけるエンジン制御部102aが、制御目標となる設定回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])とし、その目標回転速度にてエンジン1を駆動させるように出力制御を行い、運転制御部102における発電機構制御部102bが、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、発電電力の周波数を目標周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])に同期させる同期制御を行うようにしている。このような出力制御及び同期制御を行うことで、発電電力を電力系統60や電力負荷61の周波数と同じ周波数としており、この状態で、発電機構制御部102bが、第2、第3スイッチ42、43を閉制御することで、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力系統60や電力負荷61とを接続し、目標周波数(電力系統60や電力負荷61の周波数と同じ周波数)の発電電力を電力系統60や電力負荷61に供給するようにしている。
この発電システム100では、運転制御部102が、上述の出力電力供給運転から、第2、第3スイッチ42、43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61や電力系統60との接続を遮断する負荷遮断運転を行うように構成されている。この負荷遮断運転は、例えば、商用電力系統(電力系統60)において停電が発生した際、発電システム100の単独運転を防止するために、一旦、商用電力系統(電力系統60)並びに電力負荷61へ接続する点に設置した遮断器により接続を遮断するための運転である。このように、商用電力系統(電力系統60)において停電が発生した際の負荷遮断運転では、その停電の発生と同時に、発電機構制御部102bが、第2スイッチ42を開制御しており、その後、すぐに、運転制御部102が、第3スイッチ43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61との接続を遮断する負荷遮断運転を開始することになる。以下、この負荷遮断運転の動作について説明する。
図2のフローチャートに基づいて、負荷遮断運転について説明する。
運転制御部102は、まず、第3スイッチ43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61との接続を遮断する負荷遮断制御を行う際に、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])よりも低回転速度の第1回転速度(例えば、900[rpm])に制御する低回転速度制御を行う。つまり、発電機構制御部102bが負荷遮断制御を行うのと同時に、エンジン制御部102aが低回転速度制御を行っている(ステップ#1)。負荷遮断制御では、発電機構制御部102bが、第3スイッチ43を開制御して、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61との接続を遮断している。低回転速度制御では、エンジン制御部102aが、制御目標となる設定回転速度を第1回転速度(例えば、900[rpm])とし、エンジン回転速度を第1回転速度(例えば、900[rpm])に制御してエンジン1を駆動するように出力制御を行う。
このように、運転制御部102は、負荷遮断制御と低回転速度制御を同時に行い、負荷遮断制御を行った後も低回転速度制御を維持するように構成されている(ステップ#2)。そして、運転制御部102は、負荷遮断制御を行った後、低回転速度制御を終了させて、目標回転速度(例えば、1200[rpm])にてエンジン1を駆動させるようにエンジン回転速度を上昇させる回転速度上昇制御に移行するように構成されている(ステップ#3)。この回転速度上昇制御では、エンジン制御部102aが、制御目標となる設定回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])とし、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])に制御してエンジン1を駆動するように出力制御を行う。この回転速度上昇制御では、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力系統60及び電力負荷61とは接続されておらず、無負荷状態となっている。
このとき、発電機構制御部102bは、負荷遮断制御を行った後、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、発電電力の周波数を目標周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])に同期させる同期制御を行うようにしている。これにより、例えば、発電システム100に備えられた補機等に、目標周波数の出力電力を供給できるようになっている。また、このように、運転制御部102が回転速度上昇制御にてエンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])に制御しており、発電機構制御部102bが同期制御を行っていることから、再度、出力電力供給運転を行う際に、その出力電力供給運転への移行をスムーズに行うことができる。
以下、図3に基づいて、上述の負荷遮断運転を行うことで、発電機構部101からの出力、エンジン1におけるエンジン回転速度、制御弁開度、空気比がどのように変化するかについて説明する。
図3(a)は、発電機構部101からの出力の変化を示しており、図3(b)は、エンジン1におけるエンジン回転速度の変化を示しており、図3(c)は、スロットルバルブ6の開度S1及び燃料供給弁10の開度S2である制御弁開度の変化を示しており、図3(d)は、エンジン1に供給される混合気Mの空気比の変化を示している。図3(b)において、実際のエンジン回転速度N1を実線にて示しており、制御目標の設定回転速度となるエンジ回転速度(目標回転速度である1200〔rpm〕又は第1回転速度である900〔rpm〕)N2を点線にて示している。
また、エンジン回転速度については、図3(b)の一点鎖線N3にて比較例におけるエンジン回転速度の変化を示している。この比較例では、第3スイッチ43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61との接続を遮断する際に、低回転速度制御を行わず、エンジン回転速度を目標回転速度((例えば、1200[rpm])に維持するように制御したものである。
図3(a)に示すように、第3スイッチ43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61との接続を遮断して、出力を100%から0%に低下させている。このとき、図3(b)の実線N1で示すように、この出力低下によりエンジン回転速度が上昇するが、低回転速度制御を行うことで、その上昇量が抑えられている。つまり、図3(b)の一点鎖線で示す比較例N3では、エンジン回転速度の上昇量が大きく、エンジン1や二次励磁発電機2の耐久性の面で好ましくない。それに対して、低回転速度制御を行うことで、エンジン回転速度の上昇量を抑えることができ、エンジン1や二次励磁発電機2に大きな負担をかけることなく、エンジン1や二次励磁発電機2の耐久性の面で良好なものとなっている。
そして、負荷遮断制御が行われた後も、低回転速度制御を維持することで、エンジン回転速度が第1回転速度である900〔rpm〕に制御されるので、エンジン回転速度が低下していく。その後、低回転速度制御が終了されて回転速度上昇制御に移行され、エンジン回転速度が目標回転速度である1200〔rpm〕に制御されるので、エンジン回転速度が上昇していく。
ここで、低回転速度制御を終了して回転速度上昇制御への移行をどのようなタイミングにて行うかについて説明する。図3(b)に示すように、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61との接続を遮断すると、エンジン回転速度が上昇するので、エンジン制御部102aは、スロットルバルブ6の開度及び燃料供給弁10の開度を制御して、エンジン回転速度を第1回転速度である900〔rpm〕に近づけるようにしている。このとき、図3(c)に示すように、スロットルバルブ6の開度S1に先行して燃料供給弁10の開度S2を閉じる側に制御するので、エンジン1の混合気Mの燃焼状態はリーン燃焼状態(希薄燃焼状態)となり、エンジン1の運転が不安定な状態となり易い。このような不安定な状態で、制御目標である設定回転速度を変更すると、その不安定な状態での運転を助長してしまうことになる。
そこで、本実施形態では、リーン燃焼状態(希薄燃焼状態)での低回転速度制御から回転速度上昇制御への移行を防止するために、エンジン1に供給される混合気Mの空気比がどのような空気比となっているかによって、低回転速度制御から回転速度上昇制御へ移行するタイミングを設定している。即ち、運転制御部102が、図3(d)に示すように、低回転速度制御中におけるエンジン1に供給される混合気Mの空気比が低回転速度制御を行う前の空気比を基準とする設定範囲H内となると、低回転速度制御を終了して回転速度上昇制御に移行するように構成されている。図3(d)では、低回転速度制御を行う前の空気比が1.7となっており、その空気比を基準とする設定範囲Hを1.7〜1.9の範囲としている。このようにして、運転制御部102におけるエンジン制御部102aは、空気比が、低回転速度制御を行う前の空気比に対して安定した領域に回復したことを確認することで、低回転速度制御から回転速度上昇制御への移行を行い、エンジン1の不安定な状態での運転を助長してしまうのを防止している。
このようなタイミングでの移行を行うことで、エンジン回転速度N1については、図3(b)に示すように、第1回転速度である900〔rpm〕まで低下する前に、回転速度上昇制御に移行されて、エンジン回転速度が上昇することになる。そして、最終的には、目標回転速度である1200〔rpm〕で安定することになる。
ちなみに、制御弁開度、及び、空気比については、エンジン回転速度の制御目標となる設定回転速度が変化するタイミングでも変化することになる。例えば、図3において、低回転速度制御が終了して回転速度上昇制御が開始されるタイミングにて、制御弁開度、及び、空気比が変化することになる。ただし、上述の各種の制御を行うことによる変化に比べて、非常に小さな変化であるので、図3ではこの変化を省略している。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、運転制御部102が、負荷遮断制御を行うと同時に、低回転速度制御を行うようにしている。この第2実施形態では、これに代えて、運転制御部102は、負荷遮断信号生成部103にて生成された負荷遮断信号が入力されると、低回転速度制御を負荷遮断制御よりも優先して行い、負荷遮断制御を行った後も低回転速度制御を維持するように構成されている。
発電システム100において、例えば、各種の異常を検出することで、電力負荷61との接続を遮断する必要が生じる場合がある。また、例えば、計画停電等、電力系統60にてどのような時間帯に停電するかを予め把握している場合もある。そこで、このような場合には、負荷遮断運転をどのようなタイミングにて行うかを予め把握できるので、その把握した時点で、図1の点線にて示すように、負荷遮断信号生成部103にて負荷遮断信号を生成することができる。そして、負荷遮断信号生成部103にて生成された負荷遮断信号は、運転制御部102に入力されている。これにより、運転制御部102は、負荷遮断信号が入力されると、負荷遮断運転を開始させる。この負荷遮断運転では、まず、低回転速度制御を行い、エンジン回転速度を第1回転速度に低下させた状態で、負荷遮断制御を行うようにしている。
図4に基づいて、上述の負荷遮断運転を行うことで、発電機構部101からの出力、エンジン1におけるエンジン回転速度、空気比がどのように変化するかについて説明する。
図4(a)は、負荷遮断信号Fの入力を起点とする発電機構部101からの出力の変化を示しており、図4(b)は、エンジン1におけるエンジン回転速度の変化を示しており、図4(c)は、エンジン1に供給される混合気Mの空気比の変化を示している。図4(b)において、実際のエンジン回転速度N1を実線にて示しており、制御目標の設定回転速度となるエンジ回転速度(目標回転速度である1200〔rpm〕又は第1回転速度である900〔rpm〕)N2を点線にて示している。
図4(a)に示すように、負荷遮断信号Fが入力されると、低回転速度制御を行うことで、図4(b)に示すように、エンジン回転速度が目標回転速度である1200〔rpm〕から第1回転速度である900〔rpm〕に低下する。そして、エンジン回転速度が第1回転速度で安定した状態となると、あるいは、負荷遮断が必要なタイミングになると、運転制御部102は、負荷遮断制御を行い、第3スイッチ43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61との接続を遮断して、図4(a)に示すように、出力を100%から0%に低下させている。このとき、図4(b)の実線N1で示すように、この出力低下によりエンジン回転速度が上昇するが、予め低回転速度制御を行っているので、エンジン回転速度が目標回転速度である1200〔rpm〕まで上昇せず、そのエンジン回転速度の上昇が抑えられている。よって、エンジン1や二次励磁発電機2に大きな負担をかけることなく、エンジン1や二次励磁発電機2の耐久性の面で良好なものとなっている。
そして、負荷遮断制御が行われた後も、低回転速度制御を維持することで、エンジン回転速度が第1回転速度である900〔rpm〕に制御されるので、エンジン回転速度が低下していく。その後、低回転速度制御が終了されて回転速度上昇制御に移行され、エンジン回転速度が目標回転速度である1200〔rpm〕に制御されるので、エンジン回転速度が上昇していく。
この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、運転制御部102が、図4(c)に示すように、低回転速度制御中におけるエンジン1に供給される混合気Mの空気比が低回転速度制御を行う前の空気比を基準とする設定範囲H内となると、低回転速度制御を終了して回転速度上昇制御に移行するように構成されている。図4(c)では、低回転速度制御を行う前の空気比が1.7となっており、その空気比を基準とする設定範囲Hを1.7〜1.9の範囲としている。
ちなみに、この第2実施形態においても、空気比については、エンジン回転速度の制御目標となる設定回転速度が変化するタイミングでも変化することになる。例えば、図4において、低回転速度制御が開始されるタイミング、及び、低回転速度制御が終了して回転速度上昇制御が開始されるタイミングにて、空気比が変化することになる。ただし、上述の各種の制御を行うことによる変化に比べて、非常に小さな変化であるので、図4ではこの変化を省略している。
〔第3実施形態〕
上記第1及び第2実施形態では、回転速度上昇制御において、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200〔rpm〕)に制御している。この第3実施形態では、これに代えて、運転制御部102が、回転速度上昇制御において、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200〔rpm〕)よりも高回転速度の第2回転速度(例えば、1500〔rpm〕)に制御するようにしている。
これにより、運転制御部102が、再度、出力電力供給運転を行う場合に、電力負荷61に接続するに当たり、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200〔rpm〕)よりも高回転速度の第2回転速度(例えば、1500〔rpm〕)にしておくことができる。よって、電力負荷61の接続によって、エンジン回転速度が低下するのを防止でき、出力電力の周波数が変動するのを抑制することができる。したがって、出力電力供給運転への移行をスムーズに行うことができながら、電力負荷61に目標周波数の出力電力を供給することができる。
本発明は、電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部とを備え、エンジン回転速度の上昇を抑制しながら、電力負荷との接続を遮断することができ、システム構成の簡素化、小型化やコストの低減を図ることができる各種の発電システム、及び、その発電システムの各種の運転方法に適応可能である。
1 :エンジン
2 :二次励磁発電機
2a :回転子
2b :固定子
31 :第1電力変換機
32 :第2電力変換機
33 :直流部
43 :第3スイッチ(切換部)
44 :変圧器
60 :電力系統
61 :電力負荷
62 :蓄電装置
102 :運転制御部

Claims (5)

  1. 電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部と、運転を制御する運転制御部とを備え、
    前記運転制御部は、前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷とを接続し、目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する出力電力供給運転と、その出力電力供給運転から前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断運転とを実行可能であり、
    前記負荷遮断運転では、前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断制御を行う際に、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも低回転速度の第1回転速度に制御する低回転速度制御を行うように構成されており、
    前記運転制御部は、負荷遮断信号生成部にて生成された負荷遮断信号が入力されると、前記低回転速度制御を前記負荷遮断制御よりも優先して行い、エンジン回転速度を前記第1回転速度に低下させた状態で前記負荷遮断制御を行い、前記負荷遮断制御を行った後も前記低回転速度制御を維持するように構成されている発電システム。
  2. 前記運転制御部は、前記負荷遮断運転において、前記負荷遮断制御を行った後、前記低回転速度制御を終了させて、前記目標回転速度以上の回転速度にて前記エンジンを駆動させるようにエンジン回転速度を上昇させる回転速度上昇制御に移行するように構成されている請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記運転制御部は、前記低回転速度制御中における前記エンジンに供給される混合気の空気比が前記低回転速度制御を行う前の空気比を基準とする設定範囲内となると、前記低回転速度制御を終了して前記回転速度上昇制御に移行するように構成されている請求項に記載の発電システム。
  4. 前記運転制御部は、前記回転速度上昇制御において、前記目標回転速度よりも高回転速度の第2回転速度にエンジン回転速度を制御するように構成されている請求項又はに記載の発電システム。
  5. 電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部とを備えた発電システムにおいて、
    前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷とを接続し、目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する出力電力供給運転と、その出力電力供給運転から前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断運転とを実行可能であり、
    前記負荷遮断運転では、前記切換部にて前記一次巻線と前記電力負荷との接続を遮断する負荷遮断制御を行う際に、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも低回転速度の第1回転速度に制御する低回転速度制御を行い、
    負荷遮断信号生成部にて生成された負荷遮断信号が入力されると、前記低回転速度制御を前記負荷遮断制御よりも優先して行い、エンジン回転速度を前記第1回転速度に低下させた状態で前記負荷遮断制御を行い、前記負荷遮断制御を行った後も前記低回転速度制御を維持する、発電システムの運転方法。
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