JP6072665B2 - 作業方法及び作業装置 - Google Patents

作業方法及び作業装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6072665B2
JP6072665B2 JP2013223415A JP2013223415A JP6072665B2 JP 6072665 B2 JP6072665 B2 JP 6072665B2 JP 2013223415 A JP2013223415 A JP 2013223415A JP 2013223415 A JP2013223415 A JP 2013223415A JP 6072665 B2 JP6072665 B2 JP 6072665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
workpiece
unit
work
points
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013223415A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015085401A (ja
Inventor
和紀 赤見
和紀 赤見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013223415A priority Critical patent/JP6072665B2/ja
Publication of JP2015085401A publication Critical patent/JP2015085401A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6072665B2 publication Critical patent/JP6072665B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Description

この発明は、搬送装置に接触した状態下に搬送されるワークに対して作業を施す作業方法及び作業装置に関する。
自動車等の工業製品を製造する際、搬送装置を用いてワークを搬送させながら、作業用ロボットによる組み付け・塗装等の各種作業が順次実行される。近時、作業効率を向上させるべく、搬送を停止することなくワークに対して作業を施す試みがなされている。
例えば、特許文献1では、作業用ロボットをワークの搬送と同期させて移動させることで、両者の相対的な位置関係を一定に保つ同期搬送装置が提案されている。
特許第4202953号公報
ところで、搬送装置を用いてワークを搬送させる際、この搬送装置の作動に起因する振動が発生する場合がある。この振動は接触部位を介してワークに伝達されるため、ワーク及び作業用ロボットの間の相対的な位置関係を変動させる因子になり得る。しかし、上記した特許文献1では、ワークに生じ得る振動について何ら考慮しておらず、更なる工夫の余地があった。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、搬送動作に伴うワークの振動にかかわらず、高い位置決め精度を保ったままの作業を実行可能な作業方法及び作業装置を提供することを目的とする。
本発明に係る作業方法は、搬送装置に接触した状態下に搬送されるワークに対して作業を施す作業部を有する作業装置を用いた方法であって、前記ワーク及び/又は前記搬送装置の振動状態を一定の時間間隔にて逐次計測することで、少なくともm(mは、2以上の整数である)点分の振動データ列を取得する計測工程と、計測された前記振動データ列からk(kは、1以上の整数である)点だけ先の計測時点における前記振動状態を予測する予測工程と、予測された前記振動状態を前記ワークの振動変位量に換算し、前記先の計測時点が経過する前に、前記振動変位量が加算された作業位置を前記作業部に教示する教示工程を備え、前記予測工程は、第1の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近のm点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第1の予測値を算出する第1算出工程と、第2の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近の(m+j)(jは、1≦j≦mを満たす整数である)点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第2の予測値を算出する第2算出工程と、算出された前記第1及び前記第2の予測値を結合することで前記振動状態を予測する結合工程とを含み、前記第2算出工程では、j点分だけ計測時点が異なる振動データ同士の差分データ列から前記第2の予測値を算出する。
このように、計測された振動データ列から先の計測時点における振動状態を予測する予測工程と、予測された前記振動状態をワークの振動変位量に換算し、前記先の計測時点が経過する前に、前記振動変位量が加算された作業位置を作業部に教示する教示工程を設けたので、ワークの振動変位量を考慮に入れた教示が可能になり、その結果、特定の時点(先の計測時点)における教示位置がワークの作業位置に略一致する。これにより、搬送動作に伴うワークの振動にかかわらず、高い位置決め精度を保ったままの作業を実行できる。
また、搬送時に発生する振動の挙動には、時間的な相関性が高い一方、微視的には非周期的であるという傾向がある。そこで、自己回帰モデルを用いることで振動状態の予測精度が向上する。
さらに、振動データの時間変化に対する感度が相対的に高い予測手法から得た第1の予測値、及び、前記感度が相対的に低い予測手法から得た第2の予測値を結合することで、振動データの急激な時間変化に対する追従誤差が低減する。
本発明に係る作業装置は、搬送装置に接触した状態下に搬送されるワークに対して作業を施す作業部を有する装置であって、前記ワーク及び/又は前記搬送装置の振動状態を一定の時間間隔にて逐次計測することで、少なくともm点分の振動データ列を取得する計測部と、前記計測部により計測された前記振動データ列からk点だけ先の計測時点における前記振動状態を予測する振動予測部と、前記振動予測部により予測された前記振動状態を前記ワークの振動変位量に換算し、前記先の計測時点が経過する前に、前記振動変位量が加算された作業位置を前記作業部に教示する教示部を備え、前記振動予測部は、第1の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近のm点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第1の予測値を算出する第1算出処理と、第2の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近の(m+j)(jは、1≦j≦mを満たす整数である)点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第2の予測値を算出する第2算出処理と、算出された前記第1及び前記第2の予測値を結合することで前記振動状態を予測する結合処理とを実行し、前記第2算出処理では、j点分だけ計測時点が異なる振動データ同士の差分データ列から前記第2の予測値を算出する。
本発明に係る作業方法及び作業装置によれば、計測された振動データ列から先の計測時点における振動状態を予測し、該振動状態をワークの振動変位量に換算し、前記先の計測時点が経過する前に、前記振動変位量が加算された作業位置を作業部に教示するようにしたので、ワークの振動変位量を考慮に入れた教示が可能になり、その結果、特定の時点(先の計測時点)における教示位置がワークの作業位置に略一致する。これにより、搬送動作に伴うワークの振動にかかわらず、高い位置決め精度を保ったままの作業を実行できる。
また、搬送時に発生する振動の挙動には、時間的な相関性が高い一方、微視的には非周期的であるという傾向がある。そこで、自己回帰モデルを用いることで振動状態の予測精度が向上する。さらに、振動データの時間変化に対する感度が相対的に高い予測手法から得た第1の予測値、及び、前記感度が相対的に低い予測手法から得た第2の予測値を結合することで、振動データの急激な時間変化に対する追従誤差が低減する。
本発明に係る作業方法を実施する搬送システムの全体ブロック図である。 図1に示す搬送システムの模式図である。 この実施形態に係る搬送システムの側面図である。 図3に示す搬送システムの平面図である。 図3に示す作業装置の側面図である。 図3に示す作業装置の背面図である。 図1、図5及び図6に示す作業装置の動作説明に供されるフローチャートである。 振動データ列の予測結果を示すグラフである。 作業装置の動作の流れを示すチャート図である。 各予測モデルにおける追従誤差の特性を示すグラフである。
以下、本発明に係る作業方法について、これを実施する作業装置との関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
[搬送システム10の全体構成]
図1は、本発明に係る作業方法を実施する搬送システム10の全体ブロック図である。図2は、図1に示す搬送システム10の模式図である。
図1に示すように、搬送システム10は、ワークWに対して所定の作業を施す作業装置20と、作業対象であるワークWを搬送する搬送装置30とを備える。図2例では、塗装工程が終了した自動車の車体をワークWとして用いると共に、上方から吊るした状態下にワークWを搬送するハンガーコンベアを搬送装置30として用いる。
作業装置20は、例えば、塗装のために仮付けされたドアをワークWから取り外す作業を行う装置である。具体的には、作業装置20は、移動部40と、計測部50と、作業部60と、制御部70とを基本的に備える。
移動部40は、制御部70の制御に従い、ワークWの搬送方向に沿って移動(ワークWの追跡を含む)する。図2例では、移動部40は、レール43、44(図4参照)に沿って、ワークWの搬送方向(或いは、追跡方向)に平行して移動可能な台車41、42である。
計測部50は、作動中である搬送装置30に接触した状態下に発生する、ワークW及び/又は搬送装置30の振動状態を一定の時間間隔Δtにて逐次計測する。図2例では、計測部50は、台車41の上面に設置されたセンサ装置52、53、台車42の上面に設置されたセンサ装置54、55である。
また、計測部50は、制御部70と協働することで、ワークW上にある計測位置Pmの振動状態を示す振動データxmを逐次計測し、該振動データxmの時系列を取得し、バッファメモリ51側に順次出力する。バッファメモリ51は、計測部50からの振動データxmを先入れ・先出し(FIFO;First-In First-Out)形式で格納する記憶装置である。以下、振動データxmの時系列を振動データ列{x(n)}という。
作業部60は、制御部70による制御の下、ワークWに対して所定の作業を施す。図2例では、作業部60は、台車41の上面に設置されたロボット61、62、台車42の上面に設置されたロボット63、64である。
制御部70は、上記した移動部40、計測部50、バッファメモリ51、及び作業部60を含む各構成を統括的に制御するユニットである。具体的には、制御部70は、移動部40による追跡制御を実行する追跡制御部71と、振動データ列{x(n)}からワークWの振動状態を予測する振動予測部72と、作業位置を作業部60に教示する位置教示部73とを備える。
[搬送システム10の具体的構成]
続いて、本発明を実施する搬送システム10の一実施形態を、図3〜図6を参照して詳細に説明する。図3は搬送システム10の側面図であり、図4は図3に示す搬送システム10の平面図である。また、図5は図3に示す作業装置20の側面図であり、図6は図3に示す作業装置20の背面図である。
図3及び図4に示すように、搬送システム10は、ワークWに対して所定の作業を施す作業装置20と、ワークWを搬送する搬送装置30と、を含んで構成される。図中におけるA地点−B地点間は、ワークWに対して作業を施すステーションを示している。
搬送装置30は、自動車の車体(ワークW)の製造ラインの一部を構成し、ここではハンガーコンベアである。具体的には、搬送装置30は、搬送経路に沿って設けられた支持レール31と、支持レール31に吊り下げられて移動するハンガ32とを備える。支持レール31には、図示しないチェーンが設けられており、当該チェーンが支持レール31に案内されて移動することで、ハンガ32が牽引される。
図4に示すように、作業装置20は、台車41、42及びレール43、44を含んで構成される。レール43、44は、ワークWの搬送経路に沿って設けられ、台車41、42の移動方向を規制する。また、台車41、42はそれぞれ、図示しないモータを備えており、制御部70から供給されるパルス信号に応じてA地点からB地点まで移動する。具体的には、台車41、42は、A地点からワークWの追跡(同期移動)を開始し、B地点まで移動する。その後、B地点に到着すると当該ワークWの追跡を終了し、A地点まで移動し、次に到達するワークWの追跡を開始する。なお、図示の便宜上、図3及び図4では、前後のワークWの間隔及びA−B地点間の距離を適宜簡略化して図示している。
図5及び図6に示すように、台車41、42の上面には、計測部50としてのセンサ装置52〜55、作業部60としてのロボット61〜64、及び、制御部70としてのコントロールユニット75が設置されている。
センサ装置52〜55は、台車41、42の上面のうちワークWの下方の位置に設置され、ワークWの底面にある計測位置Pm(例えば、溶接用穴部の形成位置)の振動状態を計測する。例えば、センサ装置52〜55は、ワークWの底面までの距離及び水平方向の位置から、計測位置Pmの3次元位置を計測可能に構成されている。
ロボット61〜64は、台車41、42の上面に設置され、台車41、42に追跡されているワークWに対して、その側面から所定の作業を施す作業ロボットである。ロボット61〜64は、例えば、複数の関節が独立して回転動作する多関節マニピュレータにより構成される。
制御部70としてのコントロールユニット75は、台車41、42の移動、ロボット61〜64の動作等の各制御を実行する。コントロールユニット75は、1つ又は2つ以上の装置により構成されてもよい。例えば、台車41、42及びロボット61〜64と対応する数の装置を設けてもよく、1つの装置のみで台車41、42及びロボット61〜64を制御可能に構成されてもよい。
コントロールユニット75内の追跡制御部71は、搬送装置30に設けられた図示しないエンコーダからの出力信号に基づいてハンガ32の位置を検出し、この位置を手掛かりにして、ワークWとの相対的位置関係を略一定に保つように台車41、42の追跡・移動を制御する。
コントロールユニット75内の振動予測部72は、各センサ装置52〜55からの出力信号(振動データ列{x(n)})に基づいて、計測位置Pmの挙動を予測する。上述した通り、ワークW及び台車41、42の間の相対的位置関係が略一定に保たれているので、計測位置Pmの挙動はワークWの振動状態に略一致する。
コントロールユニット75内の位置教示部73は、作業位置Pt1、Pt2を教示するための情報(以下、教示情報)をロボット61〜64側に出力する。教示情報には、例えば、ロボット61を基準とするローカル座標系上の作業位置Pt1、後述する振動変位量Δxが含まれる。
[作業装置20の動作]
続いて、作業装置20の動作について、図7〜図9を参照しながら詳細に説明する。先ずは、ワークWの振動状態の予測処理の具体例について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、1つのロボット61を例に説明するが、他のロボット62〜64に関しても同様に動作する。
ステップS1において、計測部50は、ワークW及び/又はロボット61の振動状態を一定の時間間隔Δt(例えば、Δt=20[ms]相当)で計測することで、現在の振動データxmを取得する。計測部50は、例えば、ワークW上にある計測位置Pmの1軸座標(搬送方向の位置)を取得する。
ステップS2において、制御部70は、バッファメモリ51に格納された(m+j+1)点の振動データ列{x(n)}をFIFO(First-In First-Out)形式で更新させる。nは、[−j,m]の範囲にある任意の整数である。nの値が大きいほど新しいデータであり、nの値が小さいほど古いデータであることを示す。換言すれば、x(m)は最新のデータである一方、x(−j)は最古のデータである。
また、jは、振動データ列{x(n)}の位相のシフト数に相当し、1≦j≦mを満たす整数(例えばj=8)とする。mは、自己回帰モデルの次数(以下、「AR次数」という)に相当し、2以上の整数(例えばm=12)とする。
ステップS3において、振動予測部72は、ステップS2で更新された振動データ列{x(n)}を読み出した後、該振動データ列{x(n)}における第1の自己回帰係数(具体的には、係数{ai})を算出することで「第1算出処理」を実行する。第1の自己回帰モデルは、直近のm点分の振動データ列{x(n)}(n=0,1,‥,m)と、係数{ai}(i=1,2,‥,m)を用いて、次の(1)式で与えられる。
Figure 0006072665
(1)式から理解されるように、本モデルの状態空間を表現する行列は上三角行列であり、n<0の範囲にある振動データ列{x(n)}の寄与が全て0である点に留意する。ここで、ガウス・ジョルダンの掃き出し法を用いて係数{ai}を求めることで、演算処理の高速化を図ることができる。
また、ワークWの搬送時に発生する振動の挙動には、時間的な相関性が高い一方、微視的には非周期的であるという傾向がある。そこで、上記した自己回帰モデルを用いることで振動状態の予測精度が向上する。
ステップS4において、振動予測部72は、ステップS3で算出された係数{ai}を用いてk点だけ先の振動データx(m+k)を算出し、第1の予測値xOSとして決定する。具体的には、振動予測部72は、第1の予測モデルにおける係数{ai}を用いながら、振動データx(m+1)、x(m+2)、‥の予測処理を1点ずつk回繰り返すことでx(m+k)を予測する。kは、1以上の整数であり、作業装置20の即時応答性を考慮して任意に設定できる。
ステップS5において、振動予測部72は、ステップS2で更新された振動データ列{x(n)}を読み出した後、該振動データ列{x(n)}における第2の自己回帰係数(具体的には、係数{bi})を算出することで「第2算出処理」を実行する。第2の自己回帰モデルは、直近の(m+j)点分の振動データ列{x(n)}(n=−j,−j+1,‥,m)と、係数{bi}(i=1,2,‥,m)を用いて、次の(2)式で与えられる。
Figure 0006072665
(2)式から理解されるように、本モデルは、j点分だけ計測時点が異なる振動データx(n)、x(n−j)同士の差分データ列{x(n)−x(n−j)}に基づく自己回帰モデルである点に留意する。また、(1)式と同様に、本モデルの状態空間を表現する行列は上三角行列であり、n<0の範囲にある差分データ列{x(n)−x(n−j)}の寄与が全て0である。
ステップS6において、振動予測部72は、ステップS5で算出された係数{bi}を用いてk点だけ先の振動データx(m+k)を算出し、第2の予測値xUSとして決定する。具体的には、振動予測部72は、第2の予測モデルにおける係数{bi}を用いながら、差分データx(m+1)−x(m−j+1)、x(m+2)−x(m−j+2)、‥の予測処理を1点ずつk回繰り返すことで、x(m+k)−x(m−j+k)を予測する。そして、この差分データに対して既知のx(m−j+k)を加算することで、x(m+k)が得られる。
ステップS7において、振動予測部72は、ステップS4で算出された第1の予測値xOS、及び、ステップS6で算出された第2の予測値xUSを結合する「結合処理」を実行することで、k点先の予測値xpを算出する。この予測値xpは、例えば2つの値の平均、xp=(xOS+xUS)/2として算出される。以下、この予測モデルを「AR予測結合モデル」と称する場合がある。
図8は、振動データ列{x(n)}の予測結果を示すグラフである。グラフの横軸は時間(単位:s)であり、グラフの縦軸は振動データ列{x(n)}としてのワーク位置(単位:mm)である。
実線で示すグラフは実際の計測値(xm)に相当し、破線で示すグラフは係数{ai}に基づく第1の予測値xOSに相当する。本図から理解されるように、第1の予測モデルでは、計測値(xm)の変曲点(換言すれば、極大点又は極小点)を予測・反映するタイミングの遅れが存在するため、極大点近傍にてオーバーシュートが発生している。
また、薄く塗り潰した領域は、係数{bi}に基づく第2の予測値xUSが網羅する範囲に相当する。より詳細には、j=1〜12の範囲でシフト数jを変更したときの、第2の予測値xUSにおける包絡線に囲まれた領域に相当する。本図から理解されるように、第2の予測モデルでは、計測値(xm)の変曲点レベル(例えば、極大点)に到達する前に次の変化傾向(例えば、低下傾向)を即時に反映するため、極大点近傍にてアンダーシュートが発生している。
これに対して、一点鎖線で示すグラフは、第1の予測値xOS、第2の予測値xUSを結合した予測値xpに相当する。本図から理解されるように、AR予測結合モデルでは、振動データxmの時間変化に対する感度が相対的に高い予測手法から得た第1の予測値xOS、及び、感度が相対的に低い予測手法から得た第2の予測値xUSを結合することで、振動データxmの急激な時間変化に対する追従誤差が低減する。この結果、通常の自己回帰モデルにて約4mmの追従誤差が発生するのに対して、AR予測結合モデルでは約1.5mmに抑制できる。
図7のステップS8において、位置教示部73は、ステップS7で算出された予測値xpのゲインを適宜調整する。この調整は、位相成分の急激な変化に伴う追従誤差の発生を抑制するために行われる。
ステップS9において、位置教示部73は、ロボット61を基準とする座標変換を実行することで、ステップS8で調整された予測値xpをワークWの振動変位量Δxに変換する。ここで、振動変位量Δxは、計測位置Pmの理想値と実測値の偏差に相当する。
ステップS10において、位置教示部73は、ステップS9で変換された振動変位量Δxを反映した教示情報をロボット61側に出力する。より詳細には、位置教示部73は、既知である作業位置Pt1の座標に振動変位量Δxを加算した新たな座標を出力する。以上のようにして、予測処理に関わる作業装置20の動作が終了する。
図9は、作業装置20の動作の流れを示すチャート図である。本図例では、5つの工程(或いは、作業装置20の「処理」内容)、具体的には、(1)振動データxmを取得する「振動取得」工程、(2)振動データx(m+k)を予測する「振動予測」工程、(3)作業位置Pt1、Pt2を作業部60に教示する「位置教示」工程、(4)作業部60による「準備」工程、及び(5)作業部60による「作業」工程が表記されている。
以下、Δt=1、m=12、k=9に設定すると共に、t=20、25にてワークWに対して作業を実行する場合を例に説明する。
t=0〜11において、振動取得工程(OP1)が逐次実行される。この工程は、図7のステップS1、S2に対応する。なお、振動取得工程は、ワークWの追跡の開始時点から終了時点まで継続される。
t=11〜14において、1回目の振動予測工程(OP2)が実行される。この工程は、図7のステップS3〜S7に対応する。例えば、第1の自己回帰モデルの場合、t=0〜11の範囲にて計測された振動データ列{x(n)}が使用される。
t=14〜16において、1回目の位置教示工程(OP3)が実行される。この工程は、図7のステップS3〜S7に対応する。その後、t=16において、1回目の準備工程(OP4)及び2回目の振動予測工程(OP2)が並列的に開始される。
t=16〜19において、1回目の準備工程(OP4)が実行されることで、ロボット61は、作業位置Pt1にアクセス可能な位置・姿勢になるように駆動制御される。その後(t≧19)、1回目の作業工程を開始する時点t=20まで待機する。
t=20〜21において、1回目の作業工程(OP5)が実行される。一方、t=16〜19の範囲で1回目の振動予測工程(OP2)が実行された後、ロボット61の動作が終了するまで、すなわち、t=19〜21の範囲で待ち状態になっている。
t=21〜23において、2回目の位置教示工程(OP3)が実行される。その後、t=23〜24において、2回目の準備工程(OP4)が実行された後、2回目の作業工程を開始する時点t=25まで待機する。
[この実施形態の効果]
以上のように、作業装置20は、搬送装置30に接触した状態下に搬送されるワークWに対して作業を施す作業部60を有する装置である。そして、作業装置20は、ワークW及び/又は搬送装置30の振動状態を一定の時間間隔Δtにて逐次計測することで、少なくともm点分の振動データ列{x(n)}を取得する計測部50と、振動データ列{x(n)}からk点(例えば、k=9)だけ先の計測時点における振動状態を予測する振動予測部72と、予測された振動状態をワークWの振動変位量Δxに換算し、先の計測時点が経過する前に、振動変位量Δxが加算された作業位置Pt1、Pt2を作業部60に教示する位置教示部73を備える。
また、この作業方法は、ワークW及び/又は搬送装置30の振動状態を一定の時間間隔Δtにて逐次計測することで、少なくともm点分の振動データ列{x(n)}を取得する計測工程[ステップS1、S2]と、振動データ列{x(n)}からk点だけ先の計測時点における振動状態を予測する予測工程[ステップS3〜S7]と、予測された振動状態をワークWの振動変位量Δxに換算し、先の計測時点が経過する前に、振動変位量Δxが加算された作業位置Pt1、Pt2を作業部60に教示する教示工程[ステップS9、S10]を備える。
このように、計測された振動データ列{x(n)}から先の計測時点における振動状態を予測し、該振動状態をワークWの振動変位量Δxに換算し、先の計測時点が経過する前に、振動変位量Δxが加算された作業位置Pt1、Pt2を作業部60に教示するようにしたので、ワークWの振動変位量Δxを考慮に入れた教示が可能になり、その結果、特定の時点(先の計測時点)における教示位置がワークWの作業位置Pt1、Pt2に略一致する。これにより、搬送動作に伴うワークWの振動にかかわらず、高い位置決め精度を保ったままの作業を実行できる。
図10は、各予測モデルにおける追従誤差の特性を示すグラフである。グラフの横軸は加速度(単位:mm/s2)であり、グラフの縦軸は追従誤差(単位:mm)である。この「追従誤差」は、図8の場合と同様に、実際値と予測値の間の極大値の差分の絶対値に相当する。
本図では、ワークWを一定速度で搬送している途中、任意の加速度を与え、ワークWに突発的な振動を発生させた際の追従誤差をプロットしている。三角形のプロットはAR予測(より詳細には、予測結合モデル)を用いた実測値を示し、菱形のプロットはPID制御を用いた実測値を示す。また、実線は「AR予測」に関する回帰直線であり、破線は「PID制御」に関する回帰直線である。本グラフから理解されるように、「AR予測」での直線の傾きは、「PID制御」の傾きと比べて約半分である。すなわち、「AR予測」を採用することで、追従誤差が約半分に低減される。
[補足]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば、上記した実施形態では、移動部40として台車41、42及びレール43、44を例にとって説明したが、移動部40はこれに限られず、その他の構成により実現してもよい。移動部40は、ワークWに対して作業を施す作業部60(ロボット61〜64)のアームを伸縮・屈曲させることで、搬送方向に沿ってワークWを追跡してもよい。
また、上記した実施形態では、計測部50としてセンサ装置52〜55を例にとって説明したが、ワークW及び/又は搬送装置30に生じた振動を検出可能であれば種々の構成を採用してもよい。例えば、ワークWを搬送するハンガ32に加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサを含む各種センサを取り付けてもよい。また、ワークW自体に各種センサを取り付けてもよい。
また、ワークW、搬送装置30、又は作業工程の内容は、上記した実施形態の例に限られない。例えば、搬送装置30として、上記のハンガーコンベアの他、スラットコンベア、ベルトコンベア等の搬送方式を種々適用できる。
また、振動状態の予測方法は自己回帰モデルに限られず、位置決め精度が十分に保たれる条件の下に、線形予測法、パターンマッチングを含む公知の予測アルゴリズムを種々採用してもよい。
10…搬送システム 20…作業装置
30…搬送装置 40…移動部
50…計測部 60…作業部
70…制御部 71…追跡制御部
72…振動予測部 73…位置教示部
Pm…計測位置 Pt1、Pt2…作業位置
W…ワーク

Claims (2)

  1. 搬送装置に接触した状態下に搬送されるワークに対して作業を施す作業部を有する作業装置を用いた作業方法であって、
    前記ワーク及び/又は前記搬送装置の振動状態を一定の時間間隔にて逐次計測することで、少なくともm(mは、2以上の整数である)点分の振動データ列を取得する計測工程と、
    計測された前記振動データ列からk(kは、1以上の整数である)点だけ先の計測時点における前記振動状態を予測する予測工程と、
    予測された前記振動状態を前記ワークの振動変位量に換算し、前記先の計測時点が経過する前に、前記振動変位量が加算された作業位置を前記作業部に教示する教示工程と
    を備え
    前記予測工程は、
    第1の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近のm点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第1の予測値を算出する第1算出工程と、
    第2の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近の(m+j)(jは、1≦j≦mを満たす整数である)点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第2の予測値を算出する第2算出工程と、
    算出された前記第1及び前記第2の予測値を結合することで前記振動状態を予測する結合工程と
    を含み、
    前記第2算出工程では、j点分だけ計測時点が異なる振動データ同士の差分データ列から前記第2の予測値を算出する
    ことを特徴とする作業方法。
  2. 搬送装置に接触した状態下に搬送されるワークに対して作業を施す作業部を有する作業装置であって、
    前記ワーク及び/又は前記搬送装置の振動状態を一定の時間間隔にて逐次計測することで、少なくともm(mは、2以上の整数である)点分の振動データ列を取得する計測部と、
    前記計測部により計測された前記振動データ列からk(kは、1以上の整数である)点だけ先の計測時点における前記振動状態を予測する振動予測部と、
    前記振動予測部により予測された前記振動状態を前記ワークの振動変位量に換算し、前記先の計測時点が経過する前に、前記振動変位量が加算された作業位置を前記作業部に教示する教示部と
    を備え、
    前記振動予測部は、
    第1の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近のm点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第1の予測値を算出する第1算出処理と、
    第2の自己回帰係数で表現されるm次の自己回帰モデルを用いて、直近の(m+j)(jは、1≦j≦mを満たす整数である)点分の振動データ列から、前記先の計測時点における第2の予測値を算出する第2算出処理と、
    算出された前記第1及び前記第2の予測値を結合することで前記振動状態を予測する結合処理と
    を実行し、
    前記第2算出処理では、j点分だけ計測時点が異なる振動データ同士の差分データ列から前記第2の予測値を算出する
    ことを特徴とする作業装置。
JP2013223415A 2013-10-28 2013-10-28 作業方法及び作業装置 Expired - Fee Related JP6072665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013223415A JP6072665B2 (ja) 2013-10-28 2013-10-28 作業方法及び作業装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013223415A JP6072665B2 (ja) 2013-10-28 2013-10-28 作業方法及び作業装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015085401A JP2015085401A (ja) 2015-05-07
JP6072665B2 true JP6072665B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=53048772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013223415A Expired - Fee Related JP6072665B2 (ja) 2013-10-28 2013-10-28 作業方法及び作業装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6072665B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57127820A (en) * 1981-01-30 1982-08-09 Sumitomo Metal Ind Ltd Method of monitoring cyclically moving body
JPS62171005A (ja) * 1986-01-23 1987-07-28 Nissan Motor Co Ltd 追従制御方法
JPH03109902A (ja) * 1989-09-22 1991-05-09 Kao Corp 脂肪酸蒸留方法及びその装置
JP2007290128A (ja) * 2007-07-25 2007-11-08 Mitsubishi Electric Corp ロボット制御装置
JP5476413B2 (ja) * 2012-03-27 2014-04-23 東京都下水道サービス株式会社 回転機械の健全性診断方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015085401A (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109318226B (zh) 机器人控制装置、机器人控制方法及存储介质
CN111026164B (zh) 一种机器人目标跟踪轨迹规划方法
JP5887383B2 (ja) 物品をコンベヤに整列させる物品整列装置
JP2007011978A (ja) ロボットの運動制御装置
EP3134780B1 (en) Compensating robot movement deviations
JP5733518B2 (ja) 運動予測制御装置と方法
JP7368135B2 (ja) 複数の可動部を有する物品搬送システム
US20190061149A1 (en) Robot system
JP2007076807A (ja) パワーアシスト装置とその適応モデル予測制御方法
JP2024052768A (ja) 搬送システム、搬送方法、および物品の製造方法
US9156626B2 (en) Work method and work device
JP6072665B2 (ja) 作業方法及び作業装置
JP5446887B2 (ja) 制御装置、ロボット、ロボットシステム及びロボットの追従方法
EP2730987A2 (en) Robot system for improving accuracy of a synchronizing control between a robot and a conveying device
KR100741562B1 (ko) 로봇의 용접선 위치 추종 제어방법
JP2014117787A (ja) 制御装置
JP2007290128A (ja) ロボット制御装置
CN110262291A (zh) 控制装置、控制方法以及存储介质
CN110370278B (zh) 一种基于工业机器人抖动分析的路线调整***及方法
JP2009294979A (ja) 制御装置
JP2022139157A (ja) 搬送システムおよびその制御方法
JP6009952B2 (ja) 作業方法及び作業装置
JP7294883B2 (ja) 制御装置、機械システム、及び時刻同期方法
JP2023066171A (ja) 質量推定方法、制御装置およびロボットシステム
JP6025583B2 (ja) 位置測定方法及び位置測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6072665

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees