JP6072639B2 - 缶詰入りたくあん製品,ならびにその製造方法 - Google Patents

缶詰入りたくあん製品,ならびにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は,缶詰入りたくあん製品,ならびにその製造方法に関する。
たくあんは,大根を主原料とした最も一般に普及している漬物の一つである。たくあんの製造方法は,季節や産地,用いる大根の品種などに応じて,様々な手法が用いられる。主として,収穫した大根をそのまま塩押しする製造方法が一般的であるが,昔ながらの製造方法として,大根を天日で干したものを塩漬けする方法もある。
産業製品として用いられるたくあんは,大根に対し3.0%〜10.0%の食塩を加えて漬込み,数日から長いものは1年以上貯蔵した後,下味をつけるため下漬と調味液漬が行われパッケージングされる(特許文献1,2)。
たくあんは,高塩分で保存性が比較的高いものだった。このことからたくあんは,古くは樽に詰められ,問屋を通じて八百屋を中心とした小売に配達され,消費者に販売されていた。すなわち,たくあん自体は,小売を通じて販売されていたものであり,製造元から消費者に直接販売できる個別の製品としては成立していなかった。
しかしながら,昭和50年代半ば以降,ラミネート包装技術の発展もあって,市場に流通するたくあんは,ラミネート包装たくあんの形で,直接,消費者に販売される製品として成立するようになった。現在においては,市場に流通するそのほとんどが,ラミネート包装されたたくあん製品であり,他の包装形式のたくあん製品は皆無と言っていいほど,一般には流通していないのが現状である。
特開平06−030693 特開2003−047397
前述の通り,現在では,市場に流通するたくあんのほとんどが,ラミネート包装されたたくあん製品であり,この状況が30年ほど続いている。
発明者らは,創業以来約70年,たくあんの製造・販売を行ってきた老舗法人に所属しており,たくあんに関して他に追随を許さないほど数多くの見識を有するものであるが,ラミネート包装されたたくあん製品の現状について考察を行ったところ,ラミネート包装の技術的優位性が際立っている点に着目した。
すなわち,ラミネート包装であれば,たくあんそのものを視認して,消費者は選択することができることから,たくあんの外観自体が消費者に対して訴求力を有する点である。
また,ラミネート包装は,シールを貼る,もしくは印刷を変更するなどすることにより,容易にデザインを変更することができるし,樽等と比較して容量を食わないため在庫スペースをそれほど必要とせず,管理も容易である。結果として,ラミネート包装は,他の包装方式や製品形態と比較すると,コストを低く抑えることができる。
さらに,ラミネート包装で行われる加熱殺菌は殺菌効果の高いものであり,かつ,もともと保存性の高い(腐りにくい)たくあんでは,その加熱殺菌はより有効であり製品の品質が安定したという点である。
しかしながら,ラミネート包装のたくあん製品にも,いくつかの課題があることを発明者らは,感じていた。
第一の課題として,臭いが漏れてしまう点である。すなわち,ラミネート包装ではどうしてもたくあん独特の臭いが漏れてしまいがちであり,この点は必ずしも好ましいことではない。
第二の課題として,包装強度の点である。すなわち,ラミネート包装は,搬送中などに,強い衝撃が及ぶと,袋が破損する恐れがある。このことは,液漏れにもつながるものである。
発明者らは,上記課題が,保存食として優れているたくあんの携帯性を損なっていると感じていた。すなわち,より適切な包装形態があれば,たくあんの保存食としての優位性をより活かすことができ,かつ,手軽にたくあんを楽しむことができると考えたものである。
上記事情を背景として,本発明では,保存食としてのたくあんの優位性をより活かすことができるたくあん製品の開発を課題とする。
発明者らは,30年来続いてきたラミネート包装たくあん製品という技術常識に反し,缶詰入りたくあん製品に着想し,缶詰入りたくあん製品に関する発明を完成させた。
これにより,ラミネート包装たくあん製品と比較して,臭いの漏れを防ぐことが可能となり,包装強度も向上するため,保存食としてのたくあんの優位性を,より活かすことが可能になったものである。
加えて,手軽にたくあんを楽しめるよう,容器である缶詰や中身のたくあんの形状に改良を加えた,改良缶詰入りたくあん製品の発明を完成させた。
しかしながら,発明者らは,これら缶詰入りたくあん製品を製造する過程において,新たなる課題を発見した。
すなわち,缶詰製品で通常行われる加熱加圧殺菌方法では,たくあんの変色や軟化がおこるため,噛んだ時にパリパリ音がするような食感が失われてしまい,必ずしも好ましくない点である。そこで発明者らは,原料である大根ないし製造条件に工夫を凝らすことにより,この課題を克服した缶詰入りたくあん,ならびに製造方法に関する発明を完成させた。
本発明は,以下の構成からなる。
本発明の第一の構成は,大根を主原料とし,これにpH調整剤を含む調味液を添加し,缶に詰められたことを特徴とする缶詰入りたくあん製品である。
本発明の第二の構成は,缶詰がプルトップ缶であることを特徴とする第一の構成に記載の缶詰入りたくあん製品である。
本発明の第三の構成は,前記大根が,スライス状に加工されていることを特徴とする第一ないし第二の構成に記載の缶詰入りたくあん製品である。
本発明の第四の構成は,スライス厚が,3〜5mmであることを特徴とする第三の構成に記載の缶詰入りたくあん製品である。
本発明の第五の構成は,調味液が,砂糖,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,コハク酸,グルタミン酸Na,アスコルビン酸Na,スクラロース,アラニン,グリシンのいずれか又は複数を含み,それぞれの重量比が4%以下であることを特徴とする第一ないし第四の構成に記載の缶詰入りたくあん製品
本発明の第六の構成は,前記大根が,干し大根であることを特徴とする第一ないし第五の構成に記載の缶詰入りたくあん製品である。
本発明の第七の構成は,缶詰中身の温度が60℃以上100℃未満であって,30分から60分加熱殺菌されたことを特徴とする第一ないし第六の構成に記載の缶詰入りたくあん製品である。
本発明の第八の構成は,前記pH調整剤により,pHが4.6以下に調整されることを特徴とする第一ないし第七の構成に記載の缶詰入りたくあん製品である。
本発明の第九の構成は,缶詰に大根を入れる大根詰め工程と,調味液を添加する調味液添加工程と,缶の封をする巻き締め工程と,封がされた缶詰入りたくあんを加熱殺菌する加熱殺菌工程とからなる缶詰入りたくあん製品の製造方法であって,加熱殺菌における条件が,缶詰中身の温度が60℃以上100℃未満であって,加熱時間が30分から60分であることを特徴とする缶詰入りたくあんの製造方法である。
本発明の第十の構成は,さらに,pH調整剤により,pHが4.6以下であることを特徴とする第九の構成に記載の缶詰入りたくあんの製造方法である。
本発明により,保存食としてのたくあんの優位性をより活かすことができるたくあん製品の提供が可能となった。すなわち,本発明は,以下の優れた効果を有する。
(1) 本発明の第一の構成である缶詰入りたくあん製品により,におい漏れや容器破損が回避でき,たくあん製品としての携帯性を損なわず,保存食としてのたくあんの優位性を活かすことができるという効果を有する。
(2) 本発明の第二ないし第四の構成によれば,缶詰入りたくあん製品を缶切で空けたり,または,中身のたくあんを包丁で切ったりする作業を要しないため,速やかに缶詰入りたくあんを楽しめることができ,缶詰入りたくあん製品の利便性が向上するという効果を有する。
(3) 本発明の第五ないし第八の構成によれば,缶詰入りたくあん製品中のたくあんの歯ごたえや味をより向上させることが可能となり,缶詰入りたくあん製品の品質が向上するという効果を有する。
(4) 本発明の第九ないし第十の構成によれば,前記缶詰入りたくあん製品を効率よく製造できるという効果を有する。
缶詰入りたくあん製品の製造工程を示すフローチャート 缶詰入りたくあん製品の加熱殺菌における温度推移を示した図 缶詰入りたくあん製品の34日後の外観を示した図 缶詰入りたくあん製品の34日後の外観を示した図 缶詰入りたくあん製品の34日後の外観を示した図 非缶詰入りたくあん製品の34日後の外観を示した図
以下,本発明の缶詰入りたくあん製品等について説明を行う。
[I.缶詰入りたくあんの構成]
1.たくあん原料
(1) たくあんの原料としては大根を使用する。使用する大根種としては,たくあんに通常用いられる大根を用いればよく,例えば,干し理想,新八洲,白秋などが挙げられる。また,使用する大根については,生大根を用いてもよいし,干し大根を用いてもよい。
(2) たくあんの原料として,干し大根を用いることが好ましい。これにより,たくあんの歯ごたえを,より向上させるとともに,後述する加熱殺菌条件を比較的幅のある条件で行うことができることから,缶詰入りたくあん製品の歩留まりや品質向上に資するという効果を有する。
干し大根を原料として用いる場合,冷蔵庫(庫内温度−1℃〜5℃)に低温貯蔵することで熟成を行うことができるが,この熟成期間中に異常発酵がなく,かつ,漬け込んだ原料塩分について低塩化(4.5%〜5%)したものを用いることが好ましい。これにより,一般的なたくあん製造工程と違い,脱塩工程を設ける必要がなく,干し大根の持つ凝縮された旨みを保持したたくあん原料となる。
(3) 干し大根としては,例えば,品質の優れている宮崎県産干し大根を使用することができる。加えて,原料に使用する干し大根は,乾燥良好なものを使用し,雨や寒波によってカビが発生したものや変色したもの,乾燥不十分なものは使用しないことが好ましい。
(4) たくあんは,後述のとおり,塩押しないし下漬け等により前処理を行ったものを使用する。この際,スライス状に加工したものを用いることが好ましい。これにより,缶開封後のたくあんを,包丁で切る作業を要することなくそのまま楽しむことができ,缶詰入りたくあん製品の利便性を向上させる効果を有する。加えて,スライス厚については,少なくとも3mm以上,5mm以下あることが好ましい。これにより,加熱殺菌を行っても食感の維持が容易となるとともに,後述する調味液添加工程による調味液の浸透も効果的に行うことができ,結果として,缶詰入りたくあん製品の品質・歩留まりを向上させるという効果を有する。
2.調味液
(1) 調味液については,pH調整剤を含有させる限り特に限定する必要はなく,種々の構成の調味液とすることができる。調味液として,例えば,砂糖,食塩,グルタミン酸Na,醸造酢,各種抽出エキスなどを用いることができる。
(2) pH調整剤としては,食品添加物として認められる種々のpH調整剤を用いることができ,例えば,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,コハク酸などを用いることができる。
(3) 調味液として,砂糖,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,コハク酸,グルタミン酸Na,アスコルビン酸Na,スクラロース,アラニン,グリシンのいずれか又は複数を含み,それぞれの重量比が4%以下であることが好ましい。これにより,缶詰入りたくあん製品の味を向上させるとともに,後述する加熱殺菌による味の変化等を抑制できるという効果を有する。
(4) なお,本発明の缶詰入りたくあん製品について,その他の副原料を添加してもかまわない。これにより,副原料を適宜選択することでバラエティ溢れる製品とすることができる。副原料として例えば,コンブやトウガラシ等が挙げられる。
3.缶
(1) 缶詰入りたくあん製品に用いられる缶については,特に限定する必要はなく,食品に用いられる種々の缶を用いることができる。
(2) 好ましくは,プルトップ缶を用いることができる。これにより,缶切を用いず缶を開けることが可能となり,缶詰入りたくあん製品の利便性を向上させる効果を有する。
[II.缶詰入りたくあん製品の製造方法]
1.調味漬工程(S1)
調味漬工程は,たくあん原料を調味液に漬け,味付けを行う工程である。このたくあん原料の調味液による味付けが可能な限り特に限定する必要はなく,種々の手法を用いることができる。例えば,たくあん原料を,調味液に10℃以下の条件で2日間以上漬けるなどである。
2.スライス工程(S2)
(1) スライス工程は,たくあん原料をスライスする工程である。スライス皇帝は,たくあん原料をスライスできる限り特に限定する必要はなく,種々の手法を用いて行うことができる。また,調味漬工程の後に行ってもよいし,その前に行うこともできる。
(2) スライス工程において,機械等を用いてたくあん原料を,食するのに適した厚さにスライス加工する。この際,少なくとも3mmの厚さ,上限を5mm程度のスライス厚とすることが好ましい。これにより,加熱殺菌を行っても食感の維持が容易となるとともに,後述する調味液添加工程による調味液の浸透も効果的に行うことができ,結果として,缶詰入りたくあん製品の品質・歩留まりを向上させるという効果を有する。
3.大根詰め工程(S3)
(1) 大根詰め工程は,たくあん原料を缶詰に詰める工程である。缶詰へたくあん原料を詰めることができる限り特に限定する必要はなく,機械や手作業等により,行うことができる。
(2) 大根詰め工程として,例えば,25℃〜45℃になるよう熱湯で加温した調理済スライス大根を缶に充填するなどすればよく,ポケット4号缶を用いる場合,70から100g程度の調理済みスライス大根を充填すればよい。
4.調味液添加工程(S4)
(1) 調味液添加工程は,缶詰に調味液を添加する工程である。缶詰への調味液の添加が可能な限り特に限定する必要はなく,種々の手法で調味液の添加を行うことができる。
(2) 調味液添加工程として,例えば,75℃〜90℃に加熱した調味液を缶に充填するなどすればよい。
(3) この調味液添加により,缶内のpHを4.6以下にすることが好ましい。これにより,容器包装詰食品に対するボツリヌス菌の生育を抑制することが可能となり,缶詰入りたくあん製品の品質向上に資するという効果を有する。
5.巻き締め工程(S5)
巻き締め工程は,たくあん原料および調味液を添加した後の缶の封を行う工程である。缶の封を行える限り特に限定する必要はなく,種々の手法を用いることができる。通常,缶の巻き締めを行い,液漏れ,蓋の波打ち等の目視検査を行う。
6.加熱殺菌工程(S6)
(1) 加熱殺菌工程は,巻き締め工程後の缶詰入りたくあん製品について,加熱により殺菌を行う工程である。缶詰入りたくあん製品の加熱殺菌が可能な限り特に限定する必要はなく,種々の手法を採用することができる。
(2) 加熱殺菌工程の一例として,缶詰で一般的に行なわれる加熱加圧殺菌(120℃,4分)が挙げられる。
(3) 加熱殺菌工程の条件として,缶詰内の温度を60℃以上100℃未満にコントロールしつつ,30分から60分の加熱殺菌時間とすることが好ましい。これにより,たくあんの変色や軟化が生じにくくなるため,缶詰入りたくあん製品の味および品質の向上に資するという効果を有する。
7.その他
缶詰入りたくあん製品の製造は,加熱殺菌工程終了後,適宜,下記の工程をへるなどして,製造を完了する。
(1) 冷却・乾燥
加熱殺菌の後,35℃以下で20分間以上冷却し,乾燥して目的物である缶詰入りたくあん製品を得る。
(2) X線検査・ラベル貼付・外観検査・箱詰め
缶詰製品のX線検査を行い,側面にラベルを貼付する。次いで巻き締め不良,缶の凹みや傷を再度目視で検査し,良品につき箱詰めして出荷となる。
本発明により,保存食としてのたくあんの優位性をより活かすことができるたくあん製品の提供が可能となった。さらに本発明は,以下の優れた効果を有する。
(1)食酢や梅酢,酸味料等の調味液を加え,pH4.6以下とした場合,缶の巻き締め後の殺菌条件が,60℃以上100℃未満,30分から60分で可能となる。このため,たくあん特有の良好な風味を維持しつつ,パリパリとした食感を有し,携帯も容易で手軽に喫食できる。
(2)カビの発生等の品質低下の問題を確実に抑制することで保存性が高まり,寒暖差のある過酷な環境においても美味しく喫食でき,非常用食品等の新たな需要を喚起することができる。
<<実験例1>>
1.缶詰入りたくあんについて,各種条件で加熱殺菌を行った試作品の作製を行い,それぞれの味,歯ごたえ,外観,保存性について検討を行った。保存性については,各条件の缶詰入りたくあん製品を35℃にて保存下,34日後の無菌試験で評価を行った。
[官能試験]
1.試食により官能試験を行った。製造方法については,条件3に従って製造した試作品を用いた。
2.パネラーは20名,内10名は女性,年齢は20〜60歳と幅広くした。味や香り食感などの喫食における比較テストである。
3.その結果,一般的なたくあんと比較しても食感も良好で美味しいとの評価であった。「食べ飽きない」「繰り返し食べたくなる」「他の人たちにも勧めたい」といった感想が得られた。このようなことをふまえ,宮崎県の地域特産品や防災用品として本発明のたくあん缶詰の商品化と需要者への普及を図ることの必要性を実感した。
<<実験例2>>
1.干し大根をたくあん原料として用い,約3mmにスライスしたたくあん原料80g,調味液25gの加熱殺菌前缶詰入りたくあん製品を作製した。
2.この缶詰入りたくあん製品,3缶について,実験例1の条件3に従い,加熱殺菌を行い,外部環境の温度(槽内温度)と,缶内の温度(中心温度)についてモニタリングを行った。
3.結果を図2に示す。70℃の加熱により,中心温度は上昇していき,約15分の加熱により,中心温度は約70℃に達した。その後,一時的に120℃で加熱することにより,中心温度は上昇し,100℃未満ぎりぎりになることが分かった。
4.これらの結果から,加熱殺菌により,外部環境の温度をコントロールすることにより,缶内部の温度をコントロールできることが確認された。
<<実験例3>>
1.下記条件で作製を行ったサンプル例について,試作直後と保存後について,その品質について確認を行った。
2.結果を表2,ならびに図3から図6に示す。
(1) 缶詰入りたくあん製品については,サンプル1においては加熱条件の影響を受け,中身のたくあんスライスが軟化し,歯ごたえがやや劣るという印象であった。
(2) サンプル2ないし3においては,歯ごたえが良好であり,特にサンプル3においては,味のバランスおよび光沢ともに最も優れていた。
(3) 加えて,いずれの缶詰入りたくあん製品も,34日後の外観については,特に問題ないものであった(図3から5)。
(4) なお,比較対象としてのサンプル4については,34日後には黒く変色しており,保存に耐えないことが確認された。

Claims (2)

  1. 3〜5mmのスライス状に加工された干し大根を主原料とし,これにpH調整剤を含んだ調味液を添加し,プルトップ缶に詰められた缶詰入りたくあん製品であって,
    前記調味液が,砂糖,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,コハク酸,グルタミン酸Na,アスコルビン酸Na,スクラロース,アラニン,グリシンのいずれか又は複数を含み,それぞれの重量比が4%以下であり,
    缶詰に3〜5mmのスライス状に加工された干し大根を入れる大根詰め工程と,
    75℃から90℃に加熱され,pH調整剤によりpH4.6以下に調整された調味液を缶に充填し添加する調味液添加工程と,
    缶の封をする巻き締め工程と,
    封がされた缶詰入りたくあんを,缶詰中身の温度が60℃以上100℃未満であって,加熱時間が30分から60分で,加熱殺菌する加熱殺菌工程とにより製造されることを特徴とするたくあん製品
  2. 3〜5mmのスライス状に加工された干し大根を主原料とし,これにpH調整剤を含んだ調味液を添加し,プルトップ缶に詰められた缶詰入りたくあん製品の製造方法であって,
    前記調味液が,砂糖,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,コハク酸,グルタミン酸Na,アスコルビン酸Na,スクラロース,アラニン,グリシンのいずれか又は複数を含み,それぞれの重量比が4%以下であり,
    缶詰に3〜5mmのスライス状に加工された干し大根を入れる大根詰め工程と,
    75℃から90℃に加熱され,pH調整剤によりpH4.6以下に調整された調味液を缶に充填し添加する調味液添加工程と,
    缶の封をする巻き締め工程と,
    封がされた缶詰入りたくあんを,缶詰中身の温度が60℃以上100℃未満であって,加熱時間が30分から60分で,加熱殺菌する加熱殺菌工程とにより製造されることを特徴とするたくあん製品の製造方法
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