JP6072419B2 - 植毛手袋 - Google Patents

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本発明は植毛手袋に関し、更に詳しくは、手袋内面の触感に優れた植毛手袋、及び手袋内面の触感に優れるとともに耐電圧性に優れた植毛手袋に関する。
家庭用手や作業用手袋として、繊維製手袋基体の外面にゴムや樹脂が被覆された所謂サポート手袋と、繊維製手袋基体を有さずゴムや樹脂からなる所謂アンサポート手袋があり、更に、アンサポート手袋には植毛された植毛手袋と植毛されていない非植毛手袋とがある。
植毛手袋としては、例えば、ゴム又は樹脂製の手袋基体の内面に極細短繊維を被着した植毛手袋(特許文献1)や、保湿成分で処理された短繊維を被着した保湿性手袋(特許文献2)が提案されている。しかしながら、これらはいずれも手袋基体に植毛層を接着するための接着層としてアクリル系接着剤を用いているが、天然ゴムからなる手袋基体上にアクリル系接着剤を用いて植毛層を接着する場合、SP値の違い等から接着層が手袋基体から簡単に剥離するという問題がある。
この問題を解決するために、例えば、天然ゴムからなる手袋基体とアクリル系接着層との間にアンカーコート層を設けた手袋(特許文献3)や、アクリル系モノマーでグラフト化した改質天然ゴムを接着層として用いた手袋(特許文献4)が開示されている。
一方、電気自動車、ハイブリッド車が急速に進む昨今、これらの製造工程や整備には、静電気による衝撃を避けるために耐電圧性を有する手袋の使用が不可欠である。例えば、JIS規格及び厚生労働省告示において、交流電圧300Vを超え600V以下の使用電圧では、試験電圧3000V/1分間の基準を満たすことが求められている。
このような基準を満足する手袋として、例えば、芳香族ビニル化合物系ブロックを有するブロック共重合体又は該ブロック共重合体を含有する熱可塑性エラストマー組成物によって形成された電路作業用絶縁用手袋が開示されている(特許文献5)。
特開2007−063688号公報 特開2004−204430号公報 特開平5−305689号公報 特開2004−27445号公報 特開2010−185168号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載の手袋は、アンカーコート層のために手袋の厚さが増加し作業性を低下させるため好ましくない。また、上記特許文献4に記載の手袋は、植毛層の剥離や手袋厚さの増加による作業性の低下の問題は解消されるものの、改質された特殊な天然ゴムを用いるため高コストとなり、また、接着層表面の皮膜化(皮張り:皮が張った状態)が速いため、接着される植毛層の量が少量となったり不均一に形成され、その結果、手袋内面の触感を低下させるという問題をはらんでいる。
一方、特許文献5に記載の電路作業用絶縁用手袋は、特殊な素材によって絶縁性を確保するため高価なものが多いという問題がある。
本発明はかかる実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決し、手袋の内面の触感に優れた植毛手袋、及び手袋内面の触感に優れるとともに耐電圧性に優れた植毛手袋を提供するものである。
本発明の特徴は、天然ゴムからなる手袋基体の内面に接着層及び植毛層を有する手袋において、前記接着層がノニオン性界面活性剤を含有する天然ゴムからなる植毛手袋である。
本発明の他の特徴は、手袋基体がワックス類を含有する植毛手袋である。
本発明の他の特徴は、蒸発残留物が60μg/ml以下である植毛手袋である。
本発明の他の特徴は、3000Vの交流電圧を1分間印加しても、短絡しない植毛手袋である。
本発明の他の特徴は、手袋基体の厚さが0.4〜1.2mmである植毛手袋である。
本発明の他の特徴は、手型表面に天然ゴム配合液を付着させ半ゲル化又は固化させ、水洗、乾燥した後ノニオン性界面活性剤を含有する天然ゴム配合液からなる接着層を付着させ、植毛加工を行う植毛手袋の製造方法である。
本発明の他の特徴は、手袋基体がワックス類を含有する植毛手袋の製造方法である。
本発明の他の特徴は、水洗を少なくとも15分間行う植毛手袋の製造方法である。
本発明の他の特徴は、手袋基体の厚さを0.4〜1.2mmとする植毛手袋の製造方法である。
本発明の植毛手袋は、接着層にノニオン性界面活性剤を含有することにより、接着層の皮膜化を遅延させて該接着層に所望量の植毛層が接着されるので、手袋内面の触感に優れている。また、タック性が要求されない植毛手袋の場合は、手袋基体にワックス類を含有させることによりタック性の低減された植毛手袋が提供される。
また、手袋の蒸発残留物を60μg/ml以下とすることにより、手袋基体と接着層との接着強度が高められ、使用中に植毛層が手袋基体から剥離する等のトラブルが発生しない。
また、本発明の植毛手袋は、3000Vの交流電圧を1分間印加しても短絡せず、耐電圧性に優れている。手袋基体の厚さは0.4〜1.2mmが好適である。
本発明の植毛手袋は、手型表面に天然ゴム配合液を付着させ半ゲル化又は固化させ、水洗、乾燥した後ノニオン性界面活性剤を含有する天然ゴム配合液からなる接着層を付着させ、植毛加工を行うことにより得ることができる。
手袋基体にワックス類を含有させることによタック性の低減された手袋を得ることができる。手袋基体の厚さは、0.4〜1.2mmが好適である。
水洗を少なくとも15分間行うことにより、手袋の蒸発残留物を60μg/ml以下とすることができ、手袋基体と接着層との接着強度を高めることができる。
図1は手袋基体と接着層との接着強度を評価する方法において、摩耗面の摩耗状態を示す写真である。 図2はタック性の有無を示す写真である。
本発明の植毛手袋は、天然ゴムからなる手袋基体の内面に植毛層を有する手袋において、前記植毛層がノニオン性界面活性剤を含有する天然ゴムからなる接着層を介して接着されていることを特徴とする。
手袋基体としては、体積抵抗率、電流値及び加工性の面から天然ゴムが用いられる。体積抵抗率は、材料による通電のしやすさを数値にしたもので、天然ゴムの体積抵抗率は1014〜1015であり、NBRの1010〜1011、CRの1012〜1013に比べて高い体積抵抗率を有し、電気を通しにくく耐電圧性に優れている。
天然ゴムラテックスとしては、水系天然ゴムラテックス、溶剤系天然ゴムラテックスに分類されるが、本発明の手袋基体には、労働環境等の観点から水系天然ゴムラテックスが好ましい。水系天然ゴムラテックスの市販品としては、MLA21(Rivertex社製)、LA−TZ(Pknk Sunwise Cheminy社製)等が挙げられるが、蒸発残留物を少なくできる点ではMLA21が好ましい。
手袋基体の厚さは、余り薄くなると強度や耐電圧性が不十分となる傾向があり、一方、余り厚くなると作業性が低下する傾向があるので、通常0.4〜1.2mm程度が好ましい。
本発明の植毛手袋は、素材に天然ゴムを用いるので表面にタック性があり、滑り止め性が極めて良好である。しかしながら、例えば、自動車の製造時や整備を行う際には、掌上で保持していたネジを指先に移動させて把持するといった作業が必要であるが、タック性が強過ぎると、このような作業が困難となる。このような場合には、手袋基体にワックス類を添加することにより手袋表面のタック性を低減することができる。このようなワックス類としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、パラフィン系合成ワックス等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。ワックス類は融点が低い程、又はパラフィン含有量が多い程、タック性の低減効果が得られる傾向がある。ワックス類の添加量は、天然ゴムラテックス100重量部(固形分)に対し0.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜3重量部である。ワックス類の添加量が0.5重量部未満ではタック性低減効果が十分でなく、一方、10重量部を超えるとワックスがブリードし、粉状物が発生する傾向がある。
天然ゴムには、必要に応じ、pH調整剤、顔料等の着色剤、硫黄、加硫促進剤、金属酸化物、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を配合することができる。
本発明における接着層は手袋基体と植毛層とを接着させる層で、天然ゴムが用いられ、特に水系天然ゴムラテックスが好ましい。接着層は、急激にゲル化が起こると表面に皮膜化が起きて植毛パイルの突き刺さりを妨げ、十分な量の植毛層が接着されにくくなり、植毛量が少なくなったり、不均一になる。
このような皮膜化を抑制するために、ノニオン性界面活性剤が添加される。ノニオン性界面活性剤の中でもポリオキシエチレン誘導体が好ましく、これらの誘導体の中ではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton X100又はTriton X102、The Dow Chemical Company製)等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤を添加することにより、これが天然ゴムの安定剤として働き、天然ゴムの皮膜化(ゲル化)を遅らせるものと考えられる。ノニオン性界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテックス100重量部(固形分)に対し0.1〜1.0重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜0.8重量部である。ノニオン性界面活性剤の添加量が0.1重量部未満では皮膜化を遅延させる効果が十分でなく、一方、1.0重量部を超えると皮膜化が遅くなりすぎて接着層に植毛パイルが埋まり、手袋内面の風合いが悪くなる傾向がある。
接着層には、必要に応じ、pH調整剤、顔料等の着色剤、硫黄、加硫促進剤、金属酸化物、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を配合することができる。
手袋完成後の接着層の厚みは0.05〜0.8mmが好ましく、0.1〜0.5mmがさらに好ましい。0.05mm未満では接着層が薄すぎて、植毛パイルの接着層に埋没している部分の割合が接着層に埋没しないで露出している部分に比べて小さくなり、接着層から植毛パイルが脱離するおそれが大きくなるため好ましくない。また、0.8mmを超えると、植毛パイルの接着層に埋没している部分の割合が、接着層に埋没しないで露出している部分に比べて大きくなり、チクチクとした触感となり、人によって発疹がでるおそれが大きいため好ましくない。
植毛層としては、レーヨン、コットン等の繊維が好ましく、繊度は0.5〜1.7デシテックス、長さは0.3〜1.0mm程度が好ましく、特に、レーヨン/コットンの質量割合が70/30程度で繊度が1.0デニール程度、長さが0.5mm程度のものが好ましい。
本発明の植毛手袋は、手型表面に天然ゴム配合液を付着させ半ゲル化又は固化させ、水洗、乾燥した後、ノニオン性界面活性剤を含有する天然ゴム配合液からなる接着層を付着させ、植毛加工を行うことにより製造することができる。
好ましい製造方法について記載すると、加熱した、陶器製等の手型を凝固剤に浸漬させ引き上げた後、乾燥させる。
次に、上記手型を手袋基体配合液に浸漬させた後に引き上げ、乾燥させる。この工程は、必要に応じ、複数回繰り返すことができ、これにより手袋基体の厚さを大きくすることができる。
次に、常温の水に手型を浸漬させ水洗する。この水洗により手袋の蒸発残留物が60μg/ml以下に減らすことができ、手袋基体と接着層との接着強度を高めることができる。水洗時間は通常10分以上、好ましくは15分以上で十分な接着強度が得られ、例えば、植毛手袋を着用中に汗をかいても植毛層の手袋基体からの剥離が防止される。上限については特に制限されないが、余り長くしても効果に殆ど差が認められないので不経済であり、生産性が低下するので30分程度が好ましい。水洗後、乾燥させ、手型上のゴム皮膜表面の水分を乾燥させる。ゴム皮膜表面の水分がなくなれば良いため、常温で乾燥させてもよいが、50〜90℃程度で3〜5分程度乾燥させることが生産性の点から望ましい。
次に、手型を接着層配合液に浸漬させた後に引き上げ、乾燥する。
次に、接着層に植毛層を静電植毛加工する。その後、加熱することにより加硫を行う。
加硫終了後、手型から手袋を反転離型させ、再度水洗し、乾燥させて本発明の植毛手袋を得る。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
以下の実施例及び比較例で得られた植毛手袋の物性及び特性は下記の方法で測定又は評価した。
蒸発残留物:
植毛手袋から採取したフィルム1cm2 当り2mlの水にて60℃で30分間浸出し、得られた浸出液を蒸発乾固したときの残渣を蒸発残留物とする。蒸発残留物は60μg/ml以下が好ましい。
耐電圧性試験(漏洩電流値、短絡又は通電):
JIS T8112に基づき、JIS T8010に規定する方法に従って試験した。植毛手袋は指先を下にして、手袋内側の水位が同一となるように水槽に垂直に浸して試験を行った。
手袋基体と接着層との接着強度:
植毛手袋の甲部より採取した試験片を40℃の水に2時間浸漬した後、試験機Nu−Martindale(James H.Head Co.,Ltd.製)のホルダーに試験片を植毛層が外側になるように取り付けて200回摩耗させた後、試験片の摩耗状態を肉眼で観察した。手袋基体と接着層との接着強度が小さい場合には、摩擦により接着層が剥がれ又は削られることにより手袋基体が露出するが、接着強度が大きい場合は、接着層が摩擦しても削られにくく手袋基体が露出する割合は小さい。従って、接着層の露出割合が大きい程、手袋基体と接着層の接着強度が大きい。
図1に示す写真は、水洗時間0分(実施例4)、10分(実施例5)、15分(実施例6)、30分(実施例3)の場合の試験片の摩擦後の摩耗状態表面を示しているが、白色部が接着層、黒色部が手袋基体である。従って、白色部の割合が大きい程、接着強度が大きいと判断できる。表中、◎:非常に強い、○:強い、△:やや弱い、×:弱い、を示す。
植毛手袋の風合:
植毛手袋を装着した際の風合の良、不良を評価した。
タック性:
植毛手袋を装着し、人差指で転写シート(商品名:クリーン転写シート、販売元:ショーワグローブ株式会社)上に3秒間触れた後の転写シート表面の変化を目視にて評価した。
図2に示すように、転写シート表面が変化した場合を「タック性あり」、変化しない場合を「タック性なし」と評価した。
実施例1
1:凝固剤、手袋基体配合液、接着層配合液及び植毛用パイル
表1に示す凝固剤、表2に示す手袋基体配合液、表3に示す接着層配合液を調製した。植毛用パイルとして、レーヨン/コットン(70/30、京都パイル製)を使用した。
2:製造方法
(1)55℃の陶器製の手型を凝固剤に2 秒間浸漬させ引き上げた後、55℃で8分間乾燥させる。
(2)次に、その手型を手袋基体配合液に浸漬させ105秒経過した後に引き上げる。引き上げたのち、55℃で4分間乾燥させる。乾燥後、常温(20℃〜30℃)の水に手型を浸漬させ30分間水洗を行う。水洗後、90℃で3分間乾燥させ、手型上の本体フィルム表面の水分を乾燥させる。
(3)その後、手型を接着層配合液に浸漬させ60秒経過した後に引き上げる。
(4)50℃で1分間乾燥した後、静電植毛加工を行う。
(5)その後、75℃で90分間、90℃で50分間乾燥させることによって加熱加硫を行い、加硫終了後、手型から手袋を反転離型させ、再度水洗し、乾燥させることによって手袋を得た。
実施例2
実施例1における手袋基体配合液を表4に示す配合液に変更した以外は実施例1と同様にして植毛手袋を得た。
実施例3
実施例1において行った「手袋基体配合液に浸漬させ105秒経過した後に引き上げ、55℃で4分間乾燥させる」工程を30分間の水洗前にさらに2回追加した(計3回)以外は実施例1 と同様にして手袋を得た。
実施例4
実施例2で行った30分の水洗工程を0分に変更した以外は実施例2と同様にして植毛手袋を得た。
実施例5
実施例2で行った30分の水洗工程を10分に変更した以外は実施例2と同様にして植毛手袋を得た。
実施例6
実施例2で行った30分の水洗工程を15分に変更した以外は実施例2と同様にして植毛手袋を得た。
実施例7
実施例2で凝固剤として使用した硝酸カルシウム量を50重量部に変更した以外は実施例2と同様にして植毛手袋を得た。
実施例8
実施例1における手袋基体配合液からパラフィンワックスを除いた配合液に変更した以外は実施例1と同様にして植毛手袋を得た。
比較例1
実施例1の接着層配合液で用いた天然ゴム系ラテックスMLA21をアクリル系ラテックス(Nipol Lx-854E、日本ゼオン株式会社製) に変更した以外は実施例1と同様にして植毛手袋を得た。
比較例2
実施例1の接着層配合液からノニオン性界面活性剤を除いた配合系を使用した以外は実施例1と同様にして植毛手袋を得た。
比較例3
比較例1で凝固剤として使用した硝酸カルシウム量を20重量部に変更し、その後の「手袋基体配合液に浸漬させ105秒経過した後に引き上げる」工程を「手袋基体配合液に浸漬させ即引き上げる」に変更した以外は比較例1と同様にして植毛手袋を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた植毛手袋について、上記した方法で物性、特性を測定又は評価した。結果を表5に示す。
実施例1〜8と比較例2との比較から、接着層にノニオン性界面活性剤を含有させることにより、皮膜化が抑制遅延され、所望量の植毛層が均一に接着され、風合の良好な植毛手袋が得られるのに対し、ノニオン性界面活性剤を含有させない場合は、皮膜化により植毛量が少なくなり風合の良好な植毛手袋が得られない。
また、実施例1〜8と比較例1との比較から、天然ゴム系接着剤を用いることにより、手袋基体からの接着層の剥離がなく、風合の良好な植毛手袋が得られるのに対し、アクリル系接着剤を用いると、手袋基体からの接着層の剥離が起き、風合の良好な植毛手袋が得られない。
また、実施例1〜8と比較例3との比較から、手袋基体に絶縁性のある天然ゴムを使用し、接着層に絶縁性のある天然ゴムを使用し、手袋基体の厚さを大きくすることにより、短絡しない植毛手袋が得られる。
また、実施例1〜7と実施例8との比較から、手袋基体にワックスを含有させることにより、タック性の低減された植毛手袋が得られる。
更に、実施例6から水洗時間が15分以上で手袋基体と接着層との十分な接着強度が得られる。
叙上のとおり、本発明によれば、接着層の皮膜化の遅延により所望量の植毛層が手袋基体内面に形成されるので手袋内面の触感に優れた植毛手袋が提供され、また、安価な天然ゴムを用いるので耐電圧性に優れた植毛手袋が安価に提供される。

Claims (9)

  1. 天然ゴムからなる手袋基体の内面に接着層及び植毛層を有する手袋において、前記接着層がノニオン性界面活性剤を含有する天然ゴムからなることを特徴とする植毛手袋。
  2. 手袋基体がワックス類を含有することを特徴とする請求項1記載の植毛手袋。
  3. 蒸発残留物が60μg/ml以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の植毛手袋。
  4. 3000Vの交流電圧を1分間印加しても、短絡しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の植毛手袋。
  5. 手袋基体の厚さが0.4〜1.2mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の植毛手袋。
  6. 手型表面に天然ゴム配合液を付着させ半ゲル化又は固化させ、水洗、乾燥した後、ノニオン性界面活性剤を含有する天然ゴム配合液からなる接着層を付着させ、植毛加工を行うことを特徴とする植毛手袋の製造方法。
  7. 手袋基体がワックス類を含有することを特徴とする請求項6記載の植毛手袋の製造方法。
  8. 水洗を少なくとも15分間行うことを特徴とする請求項6又は7記載の植毛手袋の製造方法。
  9. 手袋基体の厚さを0.4〜1.2mmとすることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の植毛手袋の製造方法。
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