JP6070111B2 - 加速度センサ - Google Patents

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Description

本願に開示の技術は、特にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成される加速度センサに関するものである。
従来、MEMS技術を用いて製造される加速度センサには加速度に応じて静電容量が変化する静電容量部を備えるものがある。例えば、基板に対して固定された固定電極と、基板に対して相対的に揺動可能な錘部に設けられた可動電極とで静電容量部が構成され、該静電容量部の静電容量の変化によって加速度を検出する加速度センサがある(例えば、特許文献1など)。特許文献1に開示される加速度センサは、長方形板状に形成される錘部の長手方向(X方向)の両端部が基板に固定された支承部と弾性部材(例えばバネ)を介して連結されている。また、可動電極は、基板に固定される固定電極に対向するように錘部から一方向(Y方向)に延びるように延設されている。この加速度センサは、錘部が検出方向(X方向)に変動するのにともなって生ずる固定電極と可動電極との距離の変動に応じた静電容量の変化量から、加速度を検出する1軸加速度センサとして構成されている。
また、上記した1軸加速度センサに対してXYZの3つの検出方向に作用する加速度が検出可能な3軸加速度センサがある(例えば、特許文献2〜7など)。例えば、特許文献2に開示される加速度センサでは、錘部が基板に対して固定された4つの梁の各々と連結され加速度に応じてXYZの各検出方向に変動する構成となっている。また、この加速度センサでは、錘部の平面方向と平行なX方向及びY方向の加速度を検出するための可動電極が、錘部から各方向に延びるように延設され固定電極と対向する構成となっている。
特開平11−344507号公報 特開平07−245413号公報 特表2005−534016号公報 特開平06−258340号公報 特開平05−340960号公報 特許第2773495号公報 特許第3327595号公報
しかしながら、上記した加速度センサでは、可動電極が延設される方向の一端のみで固定される態様で固定電極と対向しており、加速度センサに対して加速度が加わった場合に可動電極が固定部分から先端に向かうに従って加速度が加わる方向に撓むこととなる。その結果、例えば、衝撃等によりセンサに大きな加速度が加わった場合に可動電極が固定電極に衝突して短絡が生じる虞がある。
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものである。静電容量型の加速度センサに関し、固定電極と可動電極の短絡の発生を抑制することができる加速度センサを提供することを目的とする。
本願に開示される技術に係る加速度センサは、基板と、基板から遊離して揺動可能に設けられる錘部と、基板に固定される固定電極と、錘部から延設され固定電極に対向して設けられる可動電極と、を備え、固定電極と可動電極との距離の変動に応じた静電容量の変化に基づいて、基板の平面方向に平行な検出方向の加速度を検出し、可動電極は、錘部と接続される固定部を少なくとも2箇所に備える。
この加速度センサでは、可動電極が錘部に対して2箇所以上の固定部により接続される。これにより、例えば、衝撃等によりセンサに大きな加速度が加わった場合に、固定部に挟まれた中間位置を中心として可動電極に対し生じる撓みや伸び等は、可動電極が2箇所以上の固定部により固定されているため抑制される。これにより、可動電極が固定電極に接触あるいは衝突することが防止され電極間の短絡を防止することが可能となる。
また、本願に開示される技術に係る加速度センサにおいて、固定部を可動電極の両端部に備える構成とすることによって、加速度に応じて可動電極に生じる撓み等がより確実に抑制される。
また、本願に開示される技術に係る加速度センサにおいて、可動電極は、基板の平面に対して直交すると共に検出方向に対して直交する平板面であり、固定部は、平板面の両端部に設けられる構成としてもよい。このような構成では、平板面をなす可動電極が検出方向に対して直交方向の両端部で錘部に固定されることで、加速度に応じて可動電極に生じる撓み等がより確実に抑制される。
また、本願に開示される技術に係る加速度センサにおいて、固定電極は、隣り合う可動電極に挟まれた領域に互いに隣接して配置される第1固定電極と第2固定電極とを備え、第1固定電極と可動電極、及び第2固定電極と可動電極で、錘部の揺動に対して容量値が互いに逆方向に変化する構成としてもよい。このような構成では、容量値が錘部の揺動に対して互いに逆方向に変化する第1及び第2固定電極を備える加速度センサにおいて、可動電極及び固定電極の電極間の短絡を防止することが可能となる。
また、本願に開示される技術に係る加速度センサにおいて、固定電極と可動電極とが、錘部の重心位置に配置される構成としてもよい。
当該加速度センサでは、互いに対向して静電容量を構成する固定電極と可動電極とが、錘部の重心位置に配置される。より詳細には、静電容量を構成する固定電極と可動電極とは、錘部の重心位置に検出方向に直交して互いに対向して配置される。ここで、1つの検出方向に対応する静電容量が分散して配置される構成では、各静電容量を構成する固定電極に基板等と接続するための接続部が必要となる。この接続部は、形状、構成、配置等によっては、可動電極と十分に対向しない、あるいは対向する場合であっても加速度による容量値の変化が相殺される等により有効な静電容量が出力されず加速度の検出に寄与しない部分となる虞がある。
これに対し、当該加速度センサでは、1つの検出方向に対応する静電容量を構成する固定電極と可動電極とが互いに対向して錘部の重心位置に集約し配置することができる。これにより、固定電極に設けられる接続部の形状、構成、配置等が最適化でき、対向する電極に占める接続部の割合を小さなものとして固定電極における加速度の検出に有効な電極部分の面積・長さ等を増大させ感度を向上させることができる。さらに、固定電極の面積・長さ等を大きくした場合には、それに対向して可動電極の面積・長さ等を大きくすることが想定されるが、当該加速度センサでは、加速度が加わることで可動電極に生じる撓み等が抑制されるため、可動電極の面積・長さ等を大きくした場合であっても、可動電極の固定電極への接触や衝突による短絡の発生を防止しつつ、静電容量を好適に集約することが可能となる。
本願に開示される技術によれば、静電容量型の加速度センサに関し、固定電極と可動電極の短絡の発生を抑制することができる加速度センサを提供することができる。
実施形態の加速度センサの概略構成を示す斜視図である。 (a)はセンサの平面図、(b)は図2(a)のA−A線端面図、(c)は図2(a)のB−B線端面図である。 センサの電気的接続を示す図である。 静電容量部の配置を説明するための模式図である。 可動電極の形状を説明するための概略斜視図である。 (a)本実施形態のバネを説明するための模式図、(b)(c)は比較例のバネを説明するための模式図である。 折りたたみ回数とバネ定数との関係を示すグラフである。 (a)〜(c)はセンサの製造工程を説明するための端面図である。 (a)〜(c)はセンサの製造工程を説明するための端面図である。 別の加速度センサの静電容量部の配置を説明するための模式図である。 別の加速度センサの静電容量部の配置を説明するための模式図である。 別の加速度センサを説明するための平面図である。
以下、本発明を具体化した一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、添付図面は、説明の便宜上、実際の寸法・縮尺とは異なって図示されている部分がある。
図1は、本実施形態に係る静電容量型の加速度センサをMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造したチップの概略構成を示している。同図1に示すように、加速度センサ10は、平面視略長方形板状に形成された基板12を備える。加速度センサ10は、基板12の長辺に沿った方向に並設される2つのチップ領域の各々に第1のセンサ21と第2のセンサ31とが形成されている。なお、以下の説明では、同図1に示すように、加速度センサ10の長辺に沿った方向(第1及び第2のセンサ21,31が並設される方向)をX方向、X方向に対して直角で加速度センサ10の短辺に沿った方向をY方向、X方向とY方向との両方に直角となる方向(基板12の基板平面に対して垂直な方向)をZ方向と称し、説明する。
第1のセンサ21は、枠部23と、錘部24と、一対のバネ部26と、静電容量部27とを備える。図2(a)に示すように、枠部23は、平面視形状が四角枠状に形成され、その囲われた内側部分に錘部24が設けられている。錘部24は、平面視略正方形状をなす板状に形成されている。錘部24は、Z方向に貫通する貫通孔24Aが複数形成され、該貫通孔24Aが錘部24に対してマトリックス状に形成されている。ちなみに、この貫通孔24Aは、錘部24がZ方向に移動する際の抵抗を減らす通気孔としての機能や後述する犠牲層をエッチングする際のエッチング液の導入口として機能するものである。
また、第1のセンサ21は、Y方向の両側部分にバネ部26が各々設けられている。バネ部26は、X方向の略中央部に設けられた梁部41と、梁部41におけるX方向の両側に設けられた一対のバネ43とを備える。梁部41は、平面視略長方形状の板状に形成され、長辺がY方向に沿って設けられている。錘部24と梁部41とは、各バネ43を介して連結されている。バネ43は、平面視形状が蛇行した形状をなしており、一端側の固定端43Aが梁部41の側面に固定され、他端側の可動端43Bが錘部24に接続されている。なお、詳細については後述するが、バネ43の蛇行した形状は、互いになす角度が直角となる短辺と長辺とが交互に繋がり、短辺がX方向に沿って設けられ長辺がY方向に沿って設けられるつづら折れ形状に形成されている。また、バネ43は、梁部41に固定される固定端43Aと、錘部24に接続される可動端43Bとの距離が長辺よりも長くなるように構成されており、X方向に対する剛性を高めて伸縮が規制される構造となっている。
図2(b)は図2(a)のA−A線端面図、図2(c)は図2(a)のB−B線端面図である。図2(b)に示すように、梁部41は、基板12上に立設されたアンカー部45と一体形成され固定されている。このため、図2(c)に示すように、錘部24は、固定された梁部41に対しバネ43を介して支持されることによって、基板12の上に浮いたような状態で保持されている。また、錘部24と錘部24を囲む枠部23とは互いに離間している。
図2(a)に示すように、静電容量部27は、第1及び第2固定電極28,29と、電極部30とを備える。静電容量部27は、第1のセンサ21及び錘部24の中央に設けられている。第1のセンサ21は、一対の第1及び第2固定電極28,29を複数組(本実施形態では6組)備える。第1及び第2固定電極28,29は、主面がZ方向に沿った略長方形板状に形成され、長辺がX方向に沿って設けられている。第1及び第2固定電極28,29は、互いの主面が対向するようにY方向に沿って交互に設けられている。換言すれば、第1及び第2固定電極28,29は、Y方向に沿って並設されている。
第1固定電極28は、X方向の一端側(図における上側の3つは左側、下側の3つは右側)にスルーホール28Aが設けられ基板12の上に形成された配線(図示略)と電気的に接続されている。また、第2固定電極29は、第1固定電極28とは反対のX方向の一端側(図における上側3つは右側、下側3つは左側)にスルーホール29Aが設けられ基板12上に形成された配線(図示略)と電気的に接続されている。第1固定電極28の電極の厚さ(Y方向の幅)は、スルーホール28Aが形成される接続部28Bが、他の部分に比べて大きくなっている。同様に、第2固定電極29の電極の厚さ(Y方向の幅)は、スルーホール29Aが形成される接続部29Bが、他の部分に比べて大きくなっている。
また、図2(b)に示すように、第1及び第2固定電極28,29は、スルーホール28A,29Aが設けられた端部を除く部分が基板12と離間するように形成されている。なお、第1及び第2固定電極28,29は、端部を含む全体が基板12に接続された構成としてもよい。
電極部30は、平面視において第1及び第2固定電極28,29の外周部分を囲むように形成された外周電極部30Aと、各第1及び第2固定電極28,29のY方向の間に設けられた可動電極部30Bとを備える。外周電極部30Aは、錘部24の中央部に一体形成される四角枠状をなし、第1及び第2固定電極28,29の各々と互いに離間している。可動電極部30Bは、第1及び第2固定電極28,29に対向するように錘部24から延設され、主面がZ方向に沿った略長方形板状に形成され、長辺がX方向に沿って設けられている。各可動電極部30Bは、X方向における両端部が錘部24に一体形成されている。
また、第1及び第2固定電極28,29は、Y方向で隣り合う可動電極部30Bに挟まれた領域に互いに隣接して配置されている。接続部28Bは、第1固定電極28と可動電極部30Bとが面一に対向するように、隣接する第2固定電極29側に拡幅されて形成されている。また、接続部29Bは、第2固定電極29と可動電極部30Bとが面一に対向するように、隣接する第1固定電極28側に拡幅されて形成されている。
図2(b)に示すように、基板12は、コア基板51と、コア基板51の上面を覆うように形成された絶縁層53と、絶縁層53の上に形成された第3固定電極55とを備える。梁部41と一体形成されたアンカー部45はパッド58と接続されており、錘部24が配線(図示略)を介して外部端子と電気的に接続されている。第1のセンサ21は、図3に示すように、錘部24の可動電極部30Bと第1及び第2固定電極28,29とで平行平板コンデンサC1,C2が構成される。なお、本実施形態の電極部30は、第1及び第2固定電極28,29と対向する外周電極部30Aの一部が、可動電極部30Bと同様に第1及び第2固定電極28,29とコンデンサを構成する可動電極として機能する構成となっている。平行平板コンデンサC1,C2は、第1のセンサ21に対しY方向(検出方向)に作用する加速度に応じて、第1及び第2固定電極28,29の各々と可動電極部30Bとの間の距離が変動し静電容量が変化する。例えば、Y方向の一方(図中の上方)に錘部24が変動するのにともなって平行平板コンデンサC1の静電容量が減少する一方で、平行平板コンデンサC2の静電容量が増加する。このような電極部30(可動電極部30B)と第1及び第2固定電極28,29との間の距離の変動にともなって変化する平行平板コンデンサの静電容量を測定することによってY方向に対する加速度を検出することが可能となる。
例えば、錘部24に接続される測定点61における電圧を上記した外部端子から処理回路に出力しコンデンサC1,C2の電位差(静電容量の差)を検出して加速度を算出する。なお、図3に示すように、第1のセンサ21は、静電容量の差の出力を大きくし感度を向上させるためにコンデンサC1,C2の各々を含むブリッジ回路が構成されている。また、このブリッジ回路を構成することで、非検出方向となるX方向に対する各コンデンサC1,C2の静電容量の変化を相殺し、いわゆる他軸感度の低減を図ることができる。また、第1のセンサ21は、加速度が加わらない無負荷時の測定点61におけるオフセット電圧をキャンセルするための補正回路を備えてもよい。
また、図2(b)に示す第3固定電極55は、錘部24とZ方向で対向するように絶縁層53の上面の全域に広がって形成されている。第1のセンサ21は、錘部24と第3固定電極55とでZ方向で対向する平行平板コンデンサが構成される。この平行平板コンデンサは、第1のセンサ21に対しZ方向に作用する加速度に応じて静電容量が変化する。第1のセンサ21では、錘部24と第3固定電極55との間の距離の変動にともなって変化する平行平板コンデンサの静電容量を測定することによってZ方向に対する加速度が検出される。
第1のセンサ21は、上記したようにY方向及びZ方向に作用する加速度を検出する一方で、バネ43(図2(a)参照)がX方向に対する伸縮が規制される構造となっており、錘部24がX方向に撓動しないようになっている。従って、第1のセンサ21は、Y方向及びZ方向の加速度が検出可能な2軸加速度センサとして構成されている。図1に示すように、加速度センサ10が備える第2のセンサ31は、第1のセンサ21と同様の構成となっており、枠部23と、錘部24と、一対のバネ部26と、第1及び第2固定電極28,29と、第3固定電極(図示略)とを備える。第2のセンサ31は、Z方向を回転軸として第1のセンサ21を90度回転した構造となっている。つまり、第2のセンサ31は、X方向及びZ方向に作用する加速度を検出する一方で、バネ部26のバネ43がY方向に対する伸縮が規制され、錘部24がY方向に撓動しないようになっている。従って、第2のセンサ31は、X方向及びZ方向の加速度が検出可能な2軸加速度センサとして構成されている。
このように構成された加速度センサ10では、第1及び第2のセンサ21,31の出力に基づいて3方向に対する加速度が検出される。また、加速度センサ10では、Z方向に対する加速度を第1及び第2のセンサ21,31の各々の錘部24と第3固定電極55との距離の変動に応じた静電容量の変化を測定し検出する。即ち、加速度センサ10は、Z方向に対する加速度を第1及び第2のセンサ21,31の両方の出力を合成した値を用いて検出する構成となっている。
次に、静電容量部27の配置について図4を用いて説明する。なお、図4は、静電容量部27の配置を示すための模式図であり、第1のセンサ21が備える各部材を適宜省略して示している。図4に示すように、静電容量部27は、錘部24の中央に設けられて一列に並んで配置されている。詳述すると、静電容量部27は、平面視正方形状の外周縁を有する錘部24における対角線の中点(重心70)が静電容量部27の中心となる位置になっている。ここでいう静電容量部27の中心とは、第1及び第2固定電極28,29と可動電極部30Bとの各部材を含む静電容量部27を立体的に見た場合の中心となる位置である。なお、静電容量部27の中心は、静電容量部27の構成等に応じて適宜設定する。また、本実施形態の第1のセンサ21は、この静電容量部27の中心が、錘部24の重心70と一致しており、平面的にだけでなく立体的に見た場合にも互いの中心となる位置が一致している。なお、本実施形態では、第2のセンサ31が第1のセンサ21と同様の構成となっており、各センサ21,31が静電容量部27の中心が錘部24の重心70に一致している。
ここで、第1及び第2固定電極28,29は、スルーホール28A,29Aが形成される接続部28B,29Bの電極の厚さ71が他の部分に比べて増大している。図10は、比較例としての第1のセンサ21Aの静電容量部27の配置を示している。図10に示す第1のセンサ21Aは、静電容量部27が第1及び第2固定電極28,29の長手方向(X方向)において2つ(2列)に分断された静電容量部27A,27Bを備える。静電容量部27A、27Bは、平面視において錘部24の重心70の位置に対してX方向で対称となる位置に分散した配置となっている。このような構成では、1つの検出方向(Y方向)に対応する静電容量部27が2つの静電容量部27A,27Bに分散して配置された構成となっており、各静電容量部27A,27Bの第1及び第2固定電極28,29に接続部28B,29Bが設けられる。
これに対し、図4に示す第1のセンサ21では、検出方向に対応する静電容量部27が錘部24の中央部に一列に集約して設けられ錘部24の中央部にY方向に沿って第1及び第2固定電極28,29及び電極部30が交互に並設されている。そのため、第1のセンサ21は、図10に示す第1のセンサ21Aと比較した場合に、接続部28B,29Bを省略した数分だけ小型化を図ることが可能となる。より具体的には、例えば、第1のセンサ21は、第1のセンサ21AとX方向で比較した場合に、接続部28B,29BのX方向の長さを幅72とすると、接続部28B,29Bの数分(幅72が2個分)の長さだけX方向の長さを短くすることが可能となる。従って、このような構成では、1つの検出方向に対応する静電容量部27が1箇所に集約されることによって、固定電極28,29に設けられる接続部28B,29Bの配置が最適化でき接続部28B,29Bの個数を削減して装置の小型化を図ることが可能となる。
また、第1及び第2固定電極28,29は、錘部24と離間している。そのため、例えば、第1のセンサ21は、第1のセンサ21AとX方向で比較した場合に、接続部28B,29Bと錘部24とのX方向における隙間の幅を幅73とすると、隙間の数分(幅73が2個分)の長さだけX方向の長さを短くすることが可能となる。つまり、接続部28B,29Bの省略に合わせて接続部28B,29Bと錘部24とのギャップを省略できるため、特に微細な機械構造の製造に適用されるMEMS技術を用いた加速度センサにおいて装置の小型化を効果的に図ることが可能となる。
また、この接続部28B,29Bは、各電極部30(外周電極部30A及び可動電極部30B)とのY方向(検出方向)における幅74が同一の距離となっている。上記したように、一般的には、静電容量を用いて加速度を検出するセンサでは、加速度による静電容量の差の出力を大きくし感度を向上させるためにブリッジ回路(図3参照)が構成されている。しかしながら、接続部28B,29Bは、電極部30との距離が等しい位置に設けられており、固定電極28,29及び電極部30から出力される加速度に応じた静電容量の差(変化量)において、接続部28B,29Bからの出力に相当する変化量がブリッジ回路を通じて出力されることで相殺される。結果として、このような接続部28B,29Bは、電極部30と対向する場合であっても加速度の検出に有効な静電容量の変化量が出力されず加速度の検出に寄与する部分とならない。
その一方で、第1のセンサ21は、感度が錘部24の重さと相関し、錘部24の重さを増大させることで感度を向上させることができる。このため、第1のセンサ21は、接続部28B,29Bが省略された部分に応じて錘部24を形成する領域を増大、即ち錘部24の重さを増大させることが可能となり、同一の大きさの静電容量を備える他の加速度センサに比べて感度を向上させることが可能となる。
ちなみに、例えば、図10に示す第1のセンサ21Aにおいて、静電容量部27Bを省略し、静電容量部27Aに集約、即ち、静電容量部27を錘部24の中央以外の位置に集約する構成が考えられる。しかしながら、このような構成は、例えば、錘部24に対してX方向の一方側のみに電極部30を形成することとなり、錘部24の重心が中央からずれることとなる。従って、加速度が加わった場合に、錘部24に対し回転方向の運動が生じて検出方向の加速度に対する所望の出力を得ることが困難となる。
次に、電極部30の可動電極部30Bの構造について詳細に説明する。
図5に示すように、第1のセンサ21の静電容量部27に設けられる可動電極部30Bは、長辺がX方向に沿った略長方形板状に形成され、長辺の両端部が錘部24に固定されている。この可動電極部30Bが錘部24に固定される部分(以下、「固定部」という)81,82は、錘部24と一体形成されている。
ここで、本実施形態との比較を行うために、可動電極部30Bが長手方向の一端側、例えば固定部81のみで錘部24に固定されるような構成について説明する。図5に示すように、例えば、可動電極部30Bの長手方向(X方向)の長さをL、短手方向(Z方向)の長さをh、厚さ(Y方向の長さ)をbとする。そして、固定部81のみが固定されるような可動電極部30Bに対して検出方向に加速度a(G)が加わった場合に、可動電極部30Bの他端側(固定部82側)の先端となる部分には、以下の式で表される撓み(変位)が生じる。
v=f/8EI=14.7(σaL/Eb
上記した式において、fは加速度a(G)が加わったときに可動電極部30Bに加わる単位長さ当たりの荷重(分布荷重)、Eは可動電極部30Bの材料(例えばシリコン)のヤング率(例えば、169GPa(ギガパスカル))、Iは断面2次モーメント、σは材料の密度(例えば2330kg/m)である。また、例えば、長さL=270μm(マイクロメートル)、長さh=10μm、厚さb=2μmとする。この場合に、a=10,000(G)の大きさの加速度がセンサ21に加わった場合には、v=2.7μmの変位が生じる。
一方で、電極部30(可動電極部30B)と第1及び第2固定電極28,29との間の幅74は、感度を向上させるために電極間の距離を狭くすること、あるいはエッチング等の製造工程での加工限界を考慮すると、幅74は約2.0〜2.5μmとなる。従って、上記したような可動電極部30Bの一端側を固定する構成では、仮に10,000=1万(G)の大きさの加速度が加わった場合には、可動電極部30Bの先端部分と第1及び第2固定電極28,29とが衝突し短絡が生じる。ちなみ、加速度a=1万(G)とは、この種のセンサに対して加えられる加速度としては一般的に許容範囲内とされる値である。
これに対し、本実施形態の第1のセンサ21では、各可動電極部30Bの長手方向の両端が固定部81,82において錘部24と接続されている。このような構成では、可動電極部30Bには、加速度が加わった場合に、両端が錘部24に固定されていることで長手方向(X方向)の中央部が変位するような力が加わる。しかしながら、可動電極部30Bの中央部が変位するためには、撓む以外に可動電極部30B自身が伸びるように変形する必要がある。このような可動電極部30Bの中央部が伸びて固定電極28,29と接触するための加速度は、本発明者らがシミュレーションした結果では加速度a=約750万(G)という値となった。従って、本実施形態の可動電極部30Bでは、その両端が錘部24に固定されることで、衝撃等により大きな加速度が加わった場合であっても、可動電極部30Bと第1及び第2固定電極28,29との衝突を防止することが可能となる。
また、第1のセンサ21は、静電容量部27が錘部24の中央に設けられ集約されていることから、1つの可動電極部30Bの長手方向の長さLを長くして静電容量を大きくすることで、感度の向上を図ることができる。その一方で、上記したように、可動電極部30Bを一方側のみで固定した場合には、長さLに応じた撓みが生じる。そのため、本実施形態では、可動電極部30Bの両端が錘部24に固定され撓みが生じにくい構造となっていることから、所望の静電容量とするために可動電極部30Bの長さLを長くした静電容量部27であっても好適に集約することが可能となる。
なお、例えば、第1のセンサ21に対し錘部24等の変動を規制するストッパーを設けて電極部30と第1及び第2固定電極28,29との衝突が生じる前に錘部24の変動を規制する構成が考えられる。しかしながら、このようなストッパーが機能する際には、既に錘部24が変動している状態であり、電極部30と第1及び第2固定電極28,29との幅74が例えば上記した2.0〜2.5μmよりも狭くなり、撓みによる衝突が生じ易くなる。従って、ストッパー等の錘部24の変動を規制する部材を備える第1のセンサ21であっても、可動電極部30Bの両端を錘部24に固定することで、より確実に電極部30と第1及び第2固定電極28,29との衝突を防止することが可能となる。
次に、バネ43の構造について説明する。
図6(a)に示すバネ100は、バネ43の一例である。バネ100は、上述したように、互いになす角度が直角となる短辺111と長辺112とが交互に繋がる形状に構成されている。なお、以下の説明では、図6(a)〜(c)に示すように、短辺111の長さをL1、長辺112の長さをL2と称し、説明する。また、図6(a)〜(c)に示す方向はバネ100,100A,100Bが伸縮する方向を示している。
バネ100は、長さL2が長さL1に比べて長く、錘部24(図2(a)参照)と梁部41(図2(a)参照)の各々に接続される両端の距離L3が長さL2よりも長くなるように構成されている。ここで、バネ100において、Y方向で往復する回数、換言すればY方向の一端側で折り返す回数(以下、「折りたたみ回数」という)をnとする。図6(a)に示すバネ100では、折りたたみ回数nは15回となる。バネ100は、折りたたみ回数nと、X,Y,Zの各方向に対応するバネ定数Kx,Ky,Kzが相関する関係にある。そこで、本発明者らは、バネ100の折りたたみ回数nに対するバネ定数Kx,Ky,Kzの変化について検討・シミュレーション等を重ねた結果、本発明をなすに至った。具体的には、図6(a)に示すように、例えば、Z方向と直交する平面においてバネ100が占有する領域S(図中のハッチングで囲む部分)の面積を一定として、折りたたみ回数nを変更しながらバネ定数Kx,Ky,Kzの検討を行った。
図7は、折りたたみ回数nに対するバネ定数Kx,Ky,Kzの値を示すグラフである。図7に示すように、X方向のバネ定数Kxは、折りたたみ回数nの増加にともなって増加する。図中の実線で示すグラフは、バネ定数Kxを試算した結果を示しており、折りたたみ回数nの増加にともなってX方向に対する剛性が高まり伸縮が規制されていくことがわかる。
一方で、Y方向のバネ定数Kyは、折りたたみ回数nの増加にともなって減少する。図中の破線で示すグラフは、バネ定数Kyを試算した結果を示しており、折りたたみ回数nの増加にともなってY方向に対する剛性が低くなり撓動し易くなっていくことがわかる。同様に、Z方向のバネ定数Kzは、折りたたみ回数nの増加にともなって減少する。図中の一点鎖線で示すグラフは、バネ定数Kzの試算結果を示し折りたたみ回数nの増加にともなってZ方向に撓動し易くなっていくことがわかる。
以上の内容を踏まえ、図7に示すグラフを用いて、バネ定数Kx,Ky,Kzによりバネ100を3種類に分類する。例えば、各バネ定数Kx,Ky,Kzが近似した値となる折りたたみ回数nを基準値n1(例えばn1=10)とし、折りたたみ回数nが基準値n1よりも小さくなるバネ100を第1種類とする。この第1種類に分類されるバネ100は、例えば、図6(b)に示されるように折りたたみ回数nを5回として構成されたバネ100Aである。このバネ100Aは、バネ100Aの両端の距離L3が長さL2よりも短い。バネ100Aは、X方向に対して変位し易く、Y,Z方向に対する伸縮が規制される特性を有する。つまり、このようなバネ100Aは、1方向に対して伸縮する特性を有するものであり、例えば特開平11−344507号公報(特許文献1)に示されるような1軸加速度センサに用いられるバネである。
次に、折りたたみ回数nを基準値n1として各バネ定数Kx,Ky,Kzがほぼ同一となるバネ100を第2種類とする。この第2種類に分類されるバネ100は、例えば、図6(c)に示されるように折りたたみ回数nを10回として構成されたバネ100Bである。このバネ100Bは、バネ100Bの両端の距離L3が長さL2とほぼ等しく、X,Y,Zの各方向に対して変位する。つまり、この種のバネ100Bは、3方向に対して伸縮あるいは撓動する特性を有するものであり、例えば特表2005−534016号公報(特許文献3)に示されるような3軸加速度センサに用いられるバネである。
そして、本実施形態の図6(a)に示されるバネ100は、折りたたみ回数nが基準値n1に比べて大きい第3種類に分類されるバネであり、2方向に対する撓動性を備えるものである。詳述すると、バネ100は、短辺111と長辺112とが繋がり蛇行して延びるX方向に対する剛性が高く伸縮し難い。また、バネ100は、蛇行して延びるX方向に対して直交するY方向に対する撓動性を有している。また、バネ100は、バネ100が占有する領域Sを設定した平面に対して垂直なZ方向に対する撓動性を有している。従って、このような特性のバネ100(バネ43)を備える第1のセンサ21では、Y方向及びZ方向に作用する加速度が検出される一方で、錘部24がX方向に変動しないためX方向に対する他軸感度を抑制でき検出精度の向上を図ることが可能となる。
次に、このように構成された加速度センサ10の感度について説明する。
加速度センサ10は、Z方向に対する加速度を第1及び第2のセンサ21,31の両方の出力を用いて検出する構成となっている。ここで、対向する電極の面積をS、電極の距離をd、誘電率をεとすると、静電容量Cは、次式で表される。
C=εS/d・・・・・・・・・(1)
錘部24は、平面方向がZ方向と直交する方向となる平板状に形成されており、Z方向に対する加速度を検出する可動電極の面積Sを他の方向(X方向、Y方向)に比べて大きくすることができる。そのため、本実施形態の第1及び第2のセンサ21,31は、Z方向に作用する加速度を検出するために設けられる静電容量の大きさが他の2方向に対して大きくすることができる。
また、上記式(1)を用いて距離の変化量Δdに対する静電容量の変化量ΔCの大きさは次式で表される。
ΔC/Δd=εS/d・・・・(2)
また、錘部24に作用する力は、運動方程式、弾性の法則から次式で表される。
F=ma=kΔd(m:錘部24の質量、a:加速度、k:バネ定数)・・(3)
上記式(2)、(3)から静電容量の変化量ΔCは次式で表される。
ΔC=(εS/d*m/k)a=(C/k*m/d)a・・・・・・(4)
従って、上記式(4)より、本実施形態のような静電容量型の加速度センサ10の加速度aに対する感度(静電容量の変化量)を上げるには、重りとしての錘部24の質量mを増加させる、あるいは錘部24と第1〜第3固定電極28,29,55の各々とで構成されるコンデンサの静電容量Cを増加させる、あるいはバネ定数Kx,Ky,Kzを小さくすることが考えられる。質量mは錘部24の大きさと相関する関係にある。静電容量Cは、Z方向においては錘部24のZ方向と直交する方向の面積Sと相関する関係にある。加速度センサ10は、図2(a)に示すように、平面視で見た場合には錘部24が平面の大部分の領域を占めている。これに対し、例えば1軸加速度センサ(上記の特開平11−344507号公報(特許文献1)に開示される加速度センサ等)をXYZの各方向に対応して設ける構成として、複数の加速度センサを同一平面上に並べて配置した構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、平面視で見た場合には、Z軸方向に寄与する錘部が平面の一部の領域のみを占めることとなる。つまり、本実施形態の加速度センサ10は、すべてのセンサ(第1及び第2のセンサ21,31)がZ方向の加速度の検出に寄与するため、Z方向に対して同一の感度となる3軸加速度センサを構成する場合を比較すると小型化に優れた構造となっている。
また、静電容量型の加速度センサの感度は、一般的にXYZの各方向に対する感度が等しくなることが好ましい。上記式(4)に示すように、各方向に対する感度を同程度とするために各方向の静電容量Cとバネ定数kとの比を等しくすることが考えられる。例えば、上記した加速度センサ10において、X方向の加速度を検出する第2のセンサ31の錘部24と第1及び第2固定電極28,29との電極間の静電容量をCx、バネ43のX方向に対するバネ定数をkxとする。また、Y方向の加速度を検出する第1のセンサ21の錘部24と第1及び第2固定電極28,29との電極間の静電容量をCy、バネ43のY方向に対するバネ定数をkyとする。なお、本実施形態では第1及び第2のセンサ21,31が同一構造であるため、静電容量CxとCy、バネ定数kxとkyは各々で同値となる。また、第1及び第2のセンサ21,31のZ方向の加速度を検出する錘部24と第3固定電極55との電極間の静電容量の各々を静電容量Cz1,Cz2、各センサ21,31のバネ43のZ方向に対するバネ定数の各々をkz1,kz2とする。なお、本実施形態では第1及び第2のセンサ21,31が同一構造であるため、静電容量Cz1,Cz2が同値となる。同様に、バネ定数kz1,kz2は同値となる。
そして、この場合における各方向の静電容量Cとバネ定数kとの比を等しくするためには、次式を満たすことが好ましい。
2*Cx/kz=2*Cy/ky=(Cz1/kz1+Cz2/kz2)・・・・(5)
従って、上記式(5)の値を指標として設計することで、互い直交する3軸の各々の方向の加速度に対する感度を同等とすることができ、本実施形態の加速度センサ10を容易に構成することが可能となる。なお、図3に示すように、本実施形態の第1及び第2のセンサ21,31の各々は、コンデンサC1,C2を含むブリッジ回路が構成され、各コンデンサC1,C2の静電容量の差を用いて加速度を算出する。従って、各センサ21,31の各方向に対する感度は、例えば、コンデンサC1,C2のうち一方のコンデンサの容量を2倍した値と相関することとなる。上記した式(5)は、このような静電容量型の加速度センサにおいて用いられるブリッジ回路を加味したものとなっている。
次に、第1のセンサ21の製造方法の一例について説明する。なお、第2のセンサ31の製造方法については第1のセンサ21と同様であるため説明を省略する。
まず、図8(a)に示すコア基板200を準備する。コア基板200は、例えば単結晶シリコンからなるウェハである。第1のセンサ21は、コア基板200上に多数のセンサ素子を形成し、その後にダイシングを行って複数の第1のセンサ21に個片化することにより製造される。
コア基板200の表面に絶縁層210を形成する。絶縁層210は、例えば、窒化シリコン(SiNx)や、二酸化シリコンの膜の上に窒化シリコンを積層した膜を熱酸化法や堆積法を用いて形成する。次いで、絶縁層210の表面に、例えばフォトリソグラフィー技術を用いて任意にパターニングされた第3固定電極212、パッド214及び図示しない配線を形成する。第3固定電極212及び配線(図示略)等は、ポリシリコンなど、後述する犠牲層215のエッチングに対して耐性がある材料を用いる。なお、LSI技術で一般的に用いられるアルミニウムを第3固定電極212及び図示しない配線に用いる場合は、当該アルミニウムの上に窒化シリコン膜を積層したり、前述した絶縁層210を複数層の積層膜で構成してその中に形成するなどして、犠牲層215のエッチングに対して耐性を上げることが好ましい。以上のように、絶縁層210、第3固定電極212及び配線(図示略)を複数層で構成してもよい。また、第3固定電極212及び配線(図示略)は、導電性を有する複数層で構成してもよい。
次いで、図8(b)に示すように、絶縁層210及び第3固定電極212を覆うように犠牲層215を形成する。犠牲層215は、例えば化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法により二酸化シリコンを成膜して形成する。犠牲層215の厚さは例えば2μm(マイクロメートル)である。次いで、図8(c)に示すように、犠牲層215に対しパッド214の表面の一部が露出するようにコンタクトホール216を形成する。コンタクトホール216は、例えばフォトリソグラフィー技術を用いて形成する。
次いで、図9(a)に示すように、犠牲層215の上に電極層217を形成する。コンタクトホール216内には電極層217の一部が充填される。電極層217は、例えばCVD法によりポリシリコンを成膜して形成する。電極層217の厚さは例えば5〜10μmである。次いで、図9(b)に示すように、電極層217に対してエッチングを施し、貫通孔219及び第1及び第2固定電極220,221を形成する。電極層217に対するエッチングは、例えば、フォトリソグラフィー技術を用いて任意のパターニングで形成されたレジスト(図示略)を電極層217の上に形成し、そのレジストの開口部から露出する領域に対しDeep−RIE(Reactive Ion Etching)法を用いて異方性エッチングをする。なお、図示しないがバネ43は、例えば、上記した第1及び第2固定電極220,221と同一工程にて形成される。
次いで、図9(c)に示すように、犠牲層215をエッチングする。犠牲層215のエッチングは、例えば、電極層217に形成された貫通孔219等からエッチング液(例えばバッファードフッ酸(BHF))を導入してエッチングする。このようにして、図1に示す第1のセンサ21が形成される。
以上、上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)加速度センサ10が備える第1及び第2のセンサ21,31は、第1及び第2固定電極28,29と電極部30(可動電極部30B)とを備える静電容量部27が錘部24の中央部に一列に集約して設けられている。このような構成では、1つの検出方向に対応する静電容量部27が1箇所に集約されることによって、第1及び第2固定電極28,29を基板12に接続する接続部28B,29Bの配置が最適化でき接続部28B,29Bの個数を削減して装置の小型化を図ることが可能となる。また、このような構成では、接続部28B,29Bが省略された部分に応じて錘部24を形成する領域を増大、即ち錘部24の重さを増大させることが可能となり、同一の大きさの静電容量を備える他の加速度センサに比べて感度を向上させることが可能となる。
(2)本実施形態の第1のセンサ21では、各可動電極部30Bの長手方向の両端が固定部81,82において錘部24と接続されている。このような構成では、可動電極部30Bの両端が錘部24に固定されることで、衝撃等により大きな加速度が加わった場合であっても、可動電極部30Bと第1及び第2固定電極28,29との衝突を防止することが可能となる。
また、可動電極部30Bの両端が錘部24に固定され撓みが生じにくい構造となっていることから、所望の静電容量とするために可動電極部30Bの長さL(図5参照)を長くした静電容量部27であっても、第1及び第2固定電極28,29と可動電極部30Bとの短絡の防止を図りつつ、感度の向上を図った加速度センサが構成できる。
(3)第1のセンサ21は、バネ43がY,Z方向の加速度に応じて伸縮しX方向の加速度に対する伸縮が規制されることで、加速度に応じて変動する錘部24と第1〜第3固定電極28,29,55との静電容量の変化からY,Z方向の加速度が検出される。つまり、第1のセンサ21は、バネ43がX方向に対する剛性を有しており、2軸加速度センサとして構成されている。加速度センサ10は、第2のセンサ31が第1のセンサ21と同様の構成となっており、第2のセンサ31によりX,Z方向の加速度が検出されることによって、3軸加速度センサとして構成されている。このような構成では、各センサ21,31のバネ43が1方向に対する剛性を有しており、製造工程の不具合により錘部24の重心がずれ回転が生じたような状態となる虞がなく、検出精度の向上を図った加速度センサ10が構成できる。
(4)加速度センサ10は、Z方向に対する加速度を第1及び第2のセンサ21,31の両方の出力を用いて検出する構成となっている。これにより、加速度センサ10は、すべてのセンサ(第1及び第2のセンサ21,31)がZ方向の加速度の検出に寄与するため、3つの1軸加速度センサで3軸加速度センサを構成する場合と比較すると、小型化に優れた構造となっている。
(5)バネ43は、可動端43Bが固定端43Aに対して第1のセンサ21を平面視した場合に外側に位置する構成となっている。このような構成では、錘部24に作用する回転モーメントの影響が低減され、第1のセンサ21の検出精度の向上を図ることができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、第1及び第2のセンサ21,31を2方向の加速度が検出可能な2軸加速度センサとして構成したが、1方向の加速度のみが検出可能な1軸加速度センサとして構成してもよい。例えば、第1のセンサ21のバネ43を、図6(b)に示す第1種類のバネ100Aとして構成し、Y方向の加速度センサを検出する1軸加速度センサとして構成してもよい。このような構成において、例えば、静電容量部27を錘部24の中央部分に集約する、あるいは可動電極部30Bの両端を錘部24に固定してもよい。
また、上記実施形態では、接続部28B,29Bが第1及び第2固定電極28,29の長手方向の一端側に設けられていたが、これに限定されない。例えば、図11に示す第1のセンサ21Bように、接続部28B,29Bを第1及び第2固定電極28,29の長手方向(X方向)の略中央部に設けた構成としてもよい。このような構成では、幅73の長さだけX方向の長さを短くすることが可能となり、装置の小型化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態では、静電容量部27の中心が錘部24の重心70と一致して集約されていたが、静電容量部27を錘部24の略中央部となる位置に集約してもよい。
また、上記実施形態では、第1のセンサ21を平面視略正方形状に形成したが、これに限定されない。例えば、図12に示す第1及び第2センサ301,302は、平面視略長方形状に形成されている。第1及び第2センサ301,302は、長辺がX方向に沿って延びる平面視略長方形状に形成されている。第1センサ301のバネ311は、上記実施形態の第1のセンサ21のバネ43に比べてX方向の長さが長くY方向の長さが短くなっている。また、第2センサ302のバネ312は、上記実施形態の第2のセンサ31のバネ43に比べてX方向の長さが長くY方向の長さが短くなっている。このような構成においてもバネ311,312が1方向に対する剛性を有しており、第1及び第2センサ301,302が2軸加速度センサとして構成される。つまり、本実施形態の第1及び第2のセンサ21,31の構成によれば、構造上の制限を少なくでき形状の自由度を高めることができる。
また、図12に示す第1及び第2センサ301,302では、錘部24と各部材とのスティクションを防止するためのストッパー320が設けられている。ストッパー320は、基板12(図1参照)に立設し錘部24をZ方向に貫通する柱状に形成されている。ストッパー320が錘部24と係合することにより、錘部24が他の部材、例えば第1固定電極28に貼り付くのを防止することができる。また、図示しないが、ストッパー320の錘部24と対向する面には、凸部が設けられており、ストッパー320と錘部24との接触面積を少なくして効果的にスティクションを防止する構成となっている。また、このような凸部を、他の部材、例えばアンカー部45の錘部24と対向する面に設けてストッパー320として機能させてもよい。また、スティクションを防止する機構は、ストッパー320に限らず、例えば任意の部材の端面を疎水性とする表面加工を施してもよい。
また、各部材の形状・構成等は一例であり、適宜変更してもよい。例えば、第1のセンサ21と第2のセンサ31は異なる構造でもよい。
ちなみに、加速度センサ10、第1のセンサ21,21A〜21E、第2のセンサ31は、加速度センサの一例として、錘部24は、錘部の一例として、静電容量部27は、静電容量部の一例として、第1及び第2固定電極28,29は、固定電極の一例として、接続部28B,29Bは、第1及び第2接続部の一例として、電極部30、外周電極部30A及び可動電極部30Bは、可動電極の一例として挙げられる。
10 加速度センサ、12 基板、21 第1のセンサ、24 錘部、27 静電容量部、28 第1固定電極、29 第2固定電極、28B,29B 接続部、30 電極部、30A 外周電極部、30B 可動電極部、31 第2のセンサ。

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板から遊離して揺動可能に設けられる錘部と、
    前記基板に固定された梁部と、
    前記錘部と前記梁部とを連結するバネと、
    前記基板に固定される第1固定電極、第2固定電極および第3固定電極と、
    前記錘部から延設され前記第1固定電極および前記第2固定電極に対向して設けられる可動電極と、を備え、
    前記可動電極は、前記基板の平面方向に平行な第1方向において、前記第1固定電極と前記第2固定電極の間に設けられ、
    前記第3固定電極は、前記基板の平面方向に垂直な第2方向において、前記錘部と対向し、
    前記バネは、前記基板の平面視、前記基板の平面方向に平行で前記第1方向に直交する第3方向に延びる蛇行した形状であり、
    前記バネは、互いになす角度が直角となる短辺と長辺とが交互に繋がり、前記短辺が前記第3方向に沿って設けられ長辺が前記第1方向に沿って設けられるつづら折れ形状に形成され、
    前記バネは、前記梁部に固定される固定端と前記錘部に接続される可動端との距離が前記長辺よりも長くなるように構成され、
    前記第1固定電極および前記第2固定電極と前記可動電極との距離の変動に応じた静電容量の変化に基づいて、前記第1方向の加速度を検出し、
    前記第3固定電極と前記錘部との距離の変動に応じた静電容量の変化に基づいて、前記第2方向の加速度を検出し、
    前記可動電極は、前記錘部と接続される固定部を少なくとも2箇所に備えることを特徴とする加速度センサ。
  2. 前記固定部は、前記可動電極の両端部に備えられることを特徴とする請求項1に記載の加速度センサ。
  3. 前記可動電極は、前記基板の平面に対して直交すると共に前記第1方向に対して直交する平板面であり、
    前記固定部は、前記平板面の両端部に設けられることを特徴とする請求項2に記載の加速度センサ。
  4. 前記第1固定電極および前記第2固定電極は、隣り合う前記可動電極に挟まれた領域に互いに隣接して配置され
    前記第1固定電極と前記可動電極、及び前記第2固定電極と前記可動電極で、前記錘部の揺動に対して容量値が互いに逆方向に変化することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の加速度センサ。
  5. 前記第1固定電極および前記第2固定電極と前記可動電極とは、前記錘部の重心位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の加速度センサ。
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