JP6065628B2 - 時系列データの異常監視装置、異常監視方法および異常監視プログラム - Google Patents

時系列データの異常監視装置、異常監視方法および異常監視プログラム Download PDF

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Description

本発明は、時系列データを扱う監視制御システムにおける、監視対象の異常およびその予兆を検知するためのカオス解析技術に関する。
従来、時系列データを扱う監視制御システムにおいて、監視対象の異常およびその予兆を検知するために、例えば特許文献1〜3および非特許文献1に記載のカオス理論に基づく軌道平行測度法(Trajectory Parallel Measure Method:TPM法)を用いた装置、方法が提案されている。
図15は特許文献1、非特許文献1で開示されている解析アルゴリズムを示している。図15において、230は監視対象とするシステムから時系列データを得る手段であり、例えば対象とするシステムから計測機器によって検出した時系列データを取り込んでデータ格納部に格納した時系列データを取得する。
前記得られた時系列データは、時系列データの埋め込み処理部231においてn次元状態空間への埋め込み処理が行なわれる。この埋め込み処理はある次元と遅れにて行なわれるが、次元と遅れは対象とするシステムによって事前に設定しておく。
232は、前記埋め込み処理がなされたデータ系列の系全体からデータベクトルをランダムに(乱数により)複数個選択するデータベクトル選択部であり、233は、前記選択された複数のデータベクトル各々の近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出部である。
前記選択される複数のデータベクトルのうちの1個のデータベクトルXiと近傍空間での近傍ベクトルXj,Xkの関係は例えば図16のように示される。図16は、前記埋め込みに基づく再構成状態空間におけるアトラクタの局所的特徴を表しており、図中のTiはデータベクトルXiの単位接ベクトル(接線方向)、Tj,Tkは近傍ベクトルXj,Xkの単位接ベクトル(接線方向)を示している。
234は、前記得られたデータベクトルXiと近傍ベクトルXjの軌道に対する接線方向TiとTjを演算する接線方向演算部である。
235は、前記演算された接線方向TiとTjの平行度を評価値として算出する(平行度は、接線方向の向きが揃っているほど0となる)平行度評価部である。
前記平行度評価部235における接線方向TiとTjの平行度が、設定された標本数(N個分)に達しているかは判断部236によって判断され、達していなければデータベクトル選択部232から処理を再度繰り返し実行し、設定された標本数に達している場合は前記平行度の平均を平行度判定部237で求め、それが平均以上であれば決定論に基づく時系列データであると判定し、平均以下であれば確率過程に基づく時系列データ、すなわちランダムノイズであると判定する。
上記のように、特許文献1、非特許文献1に記載の軌道平行測度法を用いた解析アルゴリズムでは、平行度(平行測度)を求めるためのデータベクトルの選択は、図16に示す近傍空間を乱数によって複数個選び出し、各々の近傍内でデータベクトルXiを選定することを特徴としている。
また、特許文献2、3においても、軌道平行測度法のデータベクトルの選定については前記図15、図16で述べた技術を活用している。
特許第3785703号公報 特許第4713272号公報 特開2007−48097号公報
藤本 泰成、五百旗頭 正、谷村 隆義、「観測された時系列データの決定論的性質を測る軌道平行測度法」、日本ファジイ学会誌 Vol.9,No.4,pp580−588(1997) 小杉 信、「局所的接線算出アルゴリズムを用いた円弧による曲線の創成」、電子情報通信学会論文誌D、電子情報通信学会、1977年12月20日、Vol.J60−D、No.12、pp.1023−1030
従来の特許文献1〜3、非特許文献1に記載の技術は異常検知に必要となる特徴量の計算を、対象とするデータ系列の系全体から、任意の点を複数抽出して計算する方式であった。このため演算コストが大きくなる点や、オフラインでの演算が主となる点において、例えば時系列データを扱うオンライン系の監視制御システムへの応用が困難であった。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、異常検知処理における演算コストを極めて低く抑えてリアルタイムでの演算を実現し、オンライン方式での異常検知へ応用することを可能とした時系列データの異常監視装置、方法、プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1から3に記載の時系列データの異常監視装置は、監視対象から時系列データを検出し、該検出した時系列データを取り込むデータ収集手段と、前記データ収集手段により取り込まれた時系列データを蓄積するデータ蓄積手段と、前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得された時系列データからn次元状態空間に埋め込み処理を行なう時系列データの埋め込み処理手段と、所定の時間毎に前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データから現在時刻に最も近いデータベクトルに基づいて定められるデータベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、前記選択されたデータベクトルおよび近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する接線方向演算手段と、前記演算されたデータベクトルの軌道に対する接線方向と近傍ベクトルの軌道に対する接線方向との平行度を評価する平行度評価手段と、前記平行度評価手段の評価結果から、各時刻毎の、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルにおける平行度を測定し、前記平行度測定データから前記時系列データの異常を判定する平行度判定手段と、前記平行度判定手段によってある時刻における前記データベクトルについての平行度が測定される毎に、前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データの現在時刻点を更新する現在時刻点更新手段とを備えたことを特徴としている。
また請求項5から7に記載の時系列データの異常監視方法は、データ収集手段が、監視対象から時系列データを検出し、該検出した時系列データを取り込むデータ収集ステップと、データ蓄積手段が、前記データ収集手段により取り込まれた時系列データを蓄積するデータ蓄積ステップと、データ取得手段が、前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データを取得するデータ取得ステップと、時系列データの埋め込み処理手段が、前記データ取得手段により取得された時系列データからn次元状態空間に埋め込み処理を行なう時系列データの埋め込み処理ステップと、データベクトル選択手段が、所定の時間毎に前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データから現在時刻に最も近いデータベクトルに基づいて定められるデータベクトルを選択するデータベクトル選択ステップと、近傍ベクトル検出手段が、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出ステップと、接線方向演算手段が、前記選択されたデータベクトルおよび近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する接線方向演算ステップと、平行度評価手段が、前記演算されたデータベクトルの軌道に対する接線方向と近傍ベクトルの軌道に対する接線方向との平行度を評価する平行度評価ステップと、平行度測定手段が、前記平行度評価手段の評価結果から、各時刻毎の、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルにおける平行度を測定し、前記平行度測定データから前記時系列データの異常を判定する平行度判定ステップと、現在時刻点更新手段が、前記平行度判定手段によってある時刻における前記データベクトルについての平行度が測定される毎に、前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データの現在時刻点を更新する現在時刻点更新ステップとを備えたことを特徴としている。
上記構成において、データベクトル選択手段は、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルに基づいて定められるデータベクトルのみを選択し、平行度判定手段は前記選択された一つのデータベクトルの平行度を測定し異常判定を行なうので、異常検知処理における演算コストが極めて低く抑えられ、リアルタイムでの演算を実現することができる。さらに、現在時刻点更新手段によって時系列データの現在時刻点が更新される。
これらのことによって、現在の手法ではオフラインでの異常検知が主たる解析対象であった事に対し、本発明によればオンライン方式での異常検知へ応用することが可能となる。
また請求項4に記載の時系列データの異常監視装置は、前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データから、設定期間以上経過したデータを削除する蓄積データ更新手段を備えたことを特徴としている。
また請求項8に記載の時系列データの異常監視方法は、蓄積データ更新手段が、前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データから、設定期間以上経過したデータを削除する蓄積データ更新ステップを備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、蓄積データ更新手段によって異常検知への寄与度が低いデータは分析対象から除外される。このためデータ分析のために蓄積されるデータを適正量に維持することができる。
また請求項9に記載のプログラムは、コンピュータを請求項1から4のいずれか1項に記載の異常監視装置の各手段として機能させるプログラムであることを特徴としている。
上記構成によれば、オンライン方式での異常検知へ応用することが可能な時系列データの異常監視プログラムを提供することができる。
(1)請求項1〜9に記載の発明によれば、異常検知処理における演算コストが極めて低く抑えられ、リアルタイムでの演算を実現することができ、現在の手法ではオフラインでの異常検知が主たる解析対象であった事に対し、オンライン方式での異常検知へ応用することが可能となる。
(2)請求項3、7に記載の発明によれば、異常検知処理の遅延を抑制することができる。
(3)請求項4、8に記載の発明によれば、異常検知への寄与度が低いデータを分析対象から除外することが可能となり、データ分析のために蓄積されるデータを適正量に維持することができる。
本発明の一実施形態例を示す全体構成図。 本発明の一実施形態例におけるデータ判定処理部の詳細な構成を示すブロック図。 本発明の実施形態例で入力されるローレンツアトラクタの説明図。 本発明の実施形態例の異常判定で利用する、特定区間に10%ホワイトノイズが重畳されたローレンツアトラクタの説明図。 (a)時系列データをn次元状態空間に埋め込む処理を説明する説明図、(b)n次元状態空間に埋め込まれたアトラクタを例示する図。 本発明の手法によるデータベクトル選択の様子を示す説明図。 本発明の手法による時刻毎のデータベクトル選択の様子を示す説明図。 本発明の手法によるホワイトノイズ検知を説明するための、時系列データとそこから算出された軌道平行測度のグラフ。 本発明の一実施形態例におけるデータ判定処理部の詳細な構成を示すブロック図。 実施形態2の異常監視装置における接線方向の算出方法を説明する説明図。 本発明の一実施形態例の異常監視装置に入力される時系列データ例を示す図。 本発明の実施形態2の時系列データの識別方法で算出された軌道平行測度のグラフ。 本発明の実施形態1の時系列データの識別方法で算出された軌道平行測度のグラフ。 実施形態1および実施形態2の時系列データの識別方法における接線方向の算出方法を説明する説明図。 特許文献1に記載の判定処理部のブロック図。 特許文献1に記載のアトラクタの局所的特徴の説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではなく、正常時は設計通りの動作により決定論的挙動が支配的であるが、異常が発生すると確率過程に基づくランダムノイズが重畳されるようなシステムの異常監視に適用することができる。
(実施形態1)
図1は本発明の時系列データの異常監視装置の一実施形態例の全体構成を示し、図2は本実施形態例のデータ判定処理部の詳細を示している。
図1において、10は監視・制御対象であり、例えば回転機械系の軸振動異常検出装置で構成される。なお、監視・制御対象10から送信されるデータとして、圧力センサや温度センサの計測値等を入力してもよい。
20は異常監視装置であり、監視・制御対象10から時系列データを検出し、該検出した時系列データを取り込むデータ収集手段としてのデータ収集部21と、前記データ収集部21により取り込まれた時系列データを蓄積するデータ蓄積手段としてのデータ蓄積部22と、前記データ蓄積部22の蓄積データに対して図2で述べる各種の処理を施し、時々刻々と変化する時系列データに対する軌道平行測度を、アトラクタとして埋め込まれたデータ系列の先端の一つ手前の点に対して算出し、該算出されたデータから前記時系列データの異常を判定するデータ判定処理部23とを備えている。
30は、異常監視装置20によって判定された結果を出力する分析結果出力部であり、例えばディスプレイやプリンタ等で構成される。
データ判定処理部23の詳細を示す図2において、230´は、前記データ蓄積部22に蓄積された時系列データを、対象とする時系列データとして取得するデータ取得手段としてのデータ取得部である。
データ取得部230´における対象とする時系列データの例を図3、図4に示す。図3はローレンツアトラクタを成すデータ集合であり、図4は時系列データ中の特定区間に対して10%ホワイトノイズが重畳されたローレンツアトラクタを成すデータ集合である。
231は、前記データ取得部230´により取得された時系列データからn次元状態空間に埋め込み処理を行なう、時系列データの埋め込み処理手段としての時系列データの埋め込み処理部である。この時系列データの埋め込み処理部231の埋め込み処理は図15の時系列データの埋め込み部231と同一である。
具体的に説明すると、時系列データの埋め込み処理部231では、図5(a)に示すように、観測された時系列データy(t)から、ベクトルXt=(y(t),y(t−τ),・・・,y(t−(n−1)τ))をつくる(τは遅れ時間)。このベクトルは、n次元再構成状態空間Rnの1点を示すこととなる。したがって、tを変化させると、このn次元再構成状態空間に図5(b)に示すような軌道を描くことができる。なお、次元nと遅れ時間τは、対象とするシステムに応じて予め設定される値である。
232´は、前記埋め込まれた時系列データの、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端から一つ手前のデータベクトルのみを選択するデータベクトル選択手段としてのデータベクトル選択部である。
例えばアトラクタの局所的特徴を示す図6に示すように、データベクトルの先端部分からデータベクトルXiを求める。このときデータベクトルXiは、乱数により複数選択するのではなく、データ系列の最先端(黒丸で示す現在時刻点)から一つ手前のみを選択するものとする。この部分が前記図15のデータベクトル選択部232と異なる部分である。
尚図6は、前記埋め込みに基づく再構成状態空間におけるアトラクタの局所的特徴を表しており、図中のTiはデータベクトルXiの単位接ベクトル(接線方向)、Tj,Tkは近傍ベクトルXj,Xkの単位接ベクトル(接線方向)を示している。
また、データベクトル選択部232´は、前述した各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端から一つ手前のデータベクトルを選択するに限らず、最先端から二つ手前、三つ手前、…(n個手前(nは2以上の正数))のデータベクトルのみを選択するようにしても良い。
233は、前記選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段としての近傍ベクトル検出部である。近傍ベクトル検出部233は図6に示すように、選択された一つのデータベクトルXiに対して図15の近傍ベクトル検出部233と同様に近傍空間内での近傍ベクトルを検出する。
234は、前記選択されたデータベクトルおよび近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する接線方向演算手段としての接線方向演算部である。この接線方向演算部234は、前記図15の接線方向演算部234と同様に、前記得られたデータベクトルXiと近傍ベクトルXjの軌道に対する接線方向TiとTjを演算する。例えば、選択されたデータベクトルを対象点C、対象点Cの1つ前の点を点B、対象点Cの1つ後の点を点Aとしたとき、対象点Cにおける接線方向Tを3点B,C,Aを通る円の対象点Cにおける接線として計算する。
この接線方向Tは、以下の(1)〜(6)の条件に基づいて算出することができる。
(1)C+Tが3点B,C,Aを含む高々の2次元の部分空間に含まれる。
(2)接線方向Tが円の中心Pから対象点CへのベクトルPCと直交する。
(3)接線方向Tが単位ベクトルである。
(4)円の中心Pが3点B,C,Aを含む高々の2次元の部分空間内に含まれる。
(5)円の中心Pから点Bと点Cの中点へのベクトルが、点Bから点Cへのベクトルと直交する。
(6)円の中心Pから点Cと点Aの中点へのベクトルが、点Cから点Aへのベクトルと直交する。
点と位置ベクトルを同一視して、上記の条件に基づいて方程式を立て、この方程式を解くことで、式(1)で示す点B,C,Aと接線方向Tの関係式を求めることができる。なお、接線方向Tは、互いに逆方向の2つの結果が得られるので、式(1)では、点の並び順に合わせて点Bから点Cを通って点Aへ向かう向きのものを選択している。
Figure 0006065628
235は、前記図15の平行度評価部235と同様に、前記演算された接線方向TiとTjの平行度を評価値として算出する(平行度は、接線方向の向きが揃っているほど0となる)平行度評価手段としての平行度評価部である。
237´は、平行度評価部235の評価結果から、各時刻毎の前記選択されたデータベクトルXiにおいて算出される平行度(接線方向TiとTjの平行度;軌道平行測度)に基づいて時系列データの異常を判定する平行度判定手段としての平行度判定部である。
この平行度判定部237´が行なう平行度の測定は、前記選択された唯一のデータベクトルXiにおける平行度を求めるものであるため、従来の図15の判断部236のように、設定された標本数分に達するまで平行度を求める処理が不要となる。
このため、平行度の判定式は下記式(2)に示すように、式(3)(非特許文献1の式(2))よりも簡略化される。
Figure 0006065628
尚γiは局所空間における平行度である。
図7はデータベクトルXiの選択の様子を表したものである。本発明手法では、時々刻々と変化する時系列データに対する軌道平行測度を、アトラクタとして埋め込まれたデータ系列の先端の一つ手前の点に対して算出している。図7において、例えば時刻t−2のとき、選択されるデータベクトルXiはXi t-2となり、時刻t−1のときXi t-1、時刻tのときXi tというように現在時刻の変化とともに逐次データベクトルXiを選択し、その都度、軌道平行測度を求めていく。これら各時刻における軌道平行測度は、例えばデータ蓄積部22に蓄積しておく。
図8は、図4の時系列データと、そこから算出した軌道平行測度とを、グラフ化したものである。このグラフより、10%のホワイトノイズが重畳された区間(異常区間)に突入した直後に軌道平行測度が大きく増加していることが分かる。平行度判定部237´が行なう異常判定は、この軌道平行測度の変化を統計的な手法を用いて行なっている。
すなわち、例えば、予め時系列データの平行測度を測定し、ノイズが重畳されていない区間を正常とし正常区間内の軌道平行測度の平均値をとって、その平均値を閾値として設定しておき、各時刻毎の前記選択されたデータベクトルにおける平行度測定データの平均値が前記設定された平均値を越えれば異常、そうでなければ正常とするものである。
本実施形態例によれば、図8で述べたように、10%ホワイトノイズが重畳された区間の時系列データの平行度平均値は、ノイズが重畳されていない区間の時系列データの平行度測定データの平均値よりも大となることから、ノイズ検知(異常検知)に堅牢な手法である。
238は、前記平行度判定部237´において、ある時刻において選択されたデータベクトルXiについての軌道平行測度が測定される毎に、データベクトルXiを選択するための基準となる現在時刻点(図6、図7の黒丸で示す最先端)の更新を行なう、現在時刻点更新手段としての現在時刻点更新部である。現在時刻更新部238は、現在時刻点の更新を行なう際、必要に応じてデータ蓄積部22から最新データを追加取得してn次元状態空間に埋め込む。
239は、データ蓄積部22の蓄積データを適正量に維持するため、異常検知への寄与度が低いデータをデータ蓄積部22から削除する(このとき削除されたデータに対応するn次元状態空間のベクトルも同時に削除することで分析対象から除外する)蓄積データ更新手段としての蓄積データ更新部である。
この蓄積データ更新部239は、例えば時系列データの中で古いデータは異常検知への寄与度が低いため、設定期間以上経過したデータおよびこのデータに対応するn次元状態空間のベクトルをデータ蓄積部22から削除する。
本発明の時系列データの異常監視方法の実施形態例は、例えば図1、図2の各部を備えた装置において、前記各部の説明で述べた各処理を実行するものである。すなわち、
<ステップS1> データ収集部21が、監視・制御対象10から時系列データを検出し、該検出した時系列データを取り込む。
<ステップS2> データ蓄積部22が、前記データ収集部21により取り込まれた時系列データを蓄積する。
<ステップS3> データ取得部230´が、前記データ蓄積部22に蓄積された時系列データを取得する。
<ステップS4> 時系列データの埋め込み処理部231が、前記データ取得部230´により取得された時系列データからn次元状態空間に埋め込み処理を行なう。
<ステップS5> データベクトル選択部232´が、前記時系列データの埋め込み処理部231により埋め込まれた時系列データの、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端から例えば一つ手前のデータベクトルを選択する。
<ステップS6> 近傍ベクトル検出部233が、前記データベクトル選択部232´により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する。
<ステップS7> 接線方向演算部234が、前記データベクトル選択部232´により選択されたデータベクトルと、近傍ベクトル検出部233により検出された近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する。
<ステップS8> 平行度評価部235が、前記接線方向演算部234により演算されたデータベクトルの軌道に対する接線方向と、近傍ベクトルの軌道に対する接線方向との平行度を評価(算出)する。
<ステップS9−1> 平行度判定部237´が、前記平行度評価部235の評価結果から、各時刻毎の、前記データベクトル選択部232´により選択されたデータベクトルにおける平行度を測定(取得)する。
<ステップS9−2> データ蓄積部22が前記平行度測定データを蓄積する。
<ステップS9−3> 平行度判定部237´が、前記データ蓄積部22に蓄積された平行度測定データから前記時系列データの異常を判定する。
<ステップS10> 現在時刻点更新部238が、前記平行度判定部237´によってある時刻における前記データベクトルについての平行度が測定される毎に、前記時系列データの埋め込み処理部231により埋め込まれた時系列データの現在時刻点を更新する。このとき現在時刻点の時系列データがまだ埋め込まれていなければデータ蓄積部22から追加取得してn次元状態空間に埋め込む。
<ステップS11> 蓄積データ更新部239が、前記データ蓄積部22に蓄積された時系列データおよびn次元状態空間から、設定期間以上経過したデータを削除する。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る時系列データの異常監視装置は、実施形態1の異常監視装置20のデータベクトル選択部232´の処理と、接線方向演算部234の処理が異なること以外は、実施形態1の異常監視装置20と同じである。よって、本発明の実施形態2に係る時系列データの異常監視装置の構成は、図1に示す異常監視装置20と同じであるので、詳細な説明を省略する。
実施形態1に係る異常監視装置20における接線方向の導出方法では、選択した点の前後の点に基づいて接線方向を導出しているので、選択した点より新しいデータが必要となる。その結果、時々刻々と変化する時系列データの異常検知を行なう場合において、現在時刻に最も近い点を選択することができず、時系列データの異常検知時間に遅延が生じるおそれがある。そこで、実施形態2に係る異常監視装置では、接線方向の算出を、基準点と、基準点より前の点に基づいて算出することで、現在時刻に最も近い時系列データを基準点として選択することができ、時系列データの異常検知時間の遅延を抑制する。
図9は、実施形態2に係る時系列データの異常監視装置のデータ判定処理部の詳細を示している。
実施形態2に係る異常監視装置のデータ判定処理部は、データベクトル選択部232´の処理と、接線方向演算部234の処理が異なること以外は、図2に示したデータ判定処理部23と同様であるので、実施形態1に係るデータ判定処理部23と同じ構成については同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
232´´は、時系列データの埋め込み処理部231で埋め込まれた時系列データの、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択するデータベクトル選択手段としてのデータベクトル選択部である。なお、データベクトル選択部232´´は、前述した各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択するに限らず、最先端から1つ手前、2つ手前、…(n個手前(nは1以上の正数))のデータベクトルを選択するようにしても良い。
234´は、図10に示すように、データベクトル選択部232´´で選択されたデータベクトルXiおよび近傍ベクトル検出部233で検出された近傍ベクトルXj,Xkの、軌道に対する接線方向Ti,Tj,Tkを演算する接線方向演算手段としての接線方向演算部である。
接線方向演算部234´は、例えば、選択されたデータベクトルを対象点X、対象点Xの1つ前の点を点Y、対象点Xの2つ前の点を点Zとしたとき、対象点Xにおける接線方向Tを3点X,Y,Zを通る円の対象点Xにおける接線として計算する。
この接線方向Tは、以下の(1)〜(6)の条件に基づいて算出することができる。
(1)X+Tが3点X,Y,Zを含む高々の2次元の部分空間に含まれる。
(2)接線方向Tが円の中心Pから対象点XへのベクトルPXと直交する。
(3)接線方向Tが単位ベクトルである。
(4)円の中心Pが3点X,Y,Zを含む高々の2次元の部分空間内に含まれる。
(5)円の中心Pから点Xと点Yの中点へのベクトルが、点Yから点Xへのベクトルと直交する。
(6)円の中心Pから点Xと点Zの中点へのベクトルが、点Zから点Xへのベクトルと直交する。
点と位置ベクトルを同一視して、上記の条件に基づいて方程式を立て、この方程式を解くことで、式(4)で示す点X,Y,Zと接線方向Tの関係式を求めることができる。なお、接線方向Tは、互いに逆方向の2つの結果が得られるので、式(4)では、点の並び順に合わせて点Zおよび点Yから点Xへ向かう向きのものを選択している。
Figure 0006065628
[実施例]
具体的な時系列データの一例として、図11に示す時系列データを実施形態2に係る異常監視装置に入力し、入力された時系列データの軌道平行測度を逐次測定した。
図11に示すように、入力される時系列データは、時刻t以前はローレンツ・カオス・データ(決定論的カオス時系列データ)が入力され、時刻t以降はローレンツ・カオス・データにホワイトノイズを10%重畳したデータ(確率過程に基づく時系列データを10%含む決定論的カオス時系列データ)が入力される時系列データである。
実施形態2に係る異常監視装置による時系列データの処理手順を以下に示す。なお、実施形態1に係る異常監視装置20の時系列データの処理手順と同じ処理については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
<ステップS1>〜<ステップS4> 実施形態1に係る異常監視装置20の時系列データの処理手順と同じである。
<ステップS5´> データベクトル選択部232´´が、例えば、前記時系列データの埋め込み処理部231により埋め込まれた時系列データから各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択する。
<ステップS6> 近傍ベクトル検出部233が、前記データベクトル選択部232´´により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する。
<ステップS7´> 接線方向演算部234´が、前記データベクトル選択部232´´により選択されたデータベクトルと、近傍ベクトル検出部233により検出された近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する。
<ステップS8>〜<ステップS11> 実施形態1に係る異常監視装置20の時系列データの処理手順と同じである。
図12に、入力された時系列データの軌道平行測度の測定結果を示す。図12に示すように、ランダムノイズを含まない決定論的カオス時系列データが入力されているときには、軌道平行測度の値は、0.1以下である。一方、10%のホワイトノイズが重畳されたローレンツ・カオス・データが入力される時間t以降では、軌道平行測度の値が大きく増加している。
実施形態1に係る異常監視装置20に実施例と同じ時系列データ(図11に示す時系列データ)を入力し、軌道平行測度を測定した。測定結果を図13に示す。図13に示すように、ランダムノイズを含まない決定論的カオス時系列データが入力されているときには、軌道平行測度の値は、0.1以下である。一方、10%のホワイトノイズが重畳されたローレンツ・カオス・データが入力される時間t以降では、軌道平行測度の値が大きく増加している。
図12に示す実施形態2に係る異常監視装置の計測結果と図13に示す実施形態1に係る異常監視装置20の結果とを比較すると、実施形態2に係る異常監視装置では、t時間経過(10%ホワイトノイズが重畳されたローレンツ・カオス・データが入力された)直後に軌道平行測度が大きく増加している。これに対して、実施形態1に係る異常監視装置20では、実施形態2に係る異常監視装置と比較してt時間経過直後の軌道平行測度の増加が緩やかである。つまり、実施形態2に係る異常監視装置に係る異常監視方法は、実施形態1に係る異常監視装置20の異常監視方法よりも、時系列データで発生した異常(ランダムノイズの発生)をより早く検知することができる。
また、実施形態2に係る異常監視装置の異常監視方法も、実施形態1に係る異常監視装置20の異常監視方法も、3点を通る点に基づいて軌道平行測度を算出しているが、実施形態2に係る異常監視装置の異常監視方法のほうが、軌道平行測度の値がより大きく変化している。つまり、正常データ(ローレンツ・カオス・データ)が入力された場合では、実施形態2に係る異常監視装置の判定結果と実施形態1に係る異常監視装置20の判定結果とではほぼ同じ結果が出力されているのに対し、異常データ(ホワイトノイズが重畳されたローレンツ・カオス・データ)が入力された場合では、実施形態2に係る異常監視装置の判定結果は実施形態1に係る異常監視装置20の判定結果の3倍弱大きな値となっている。これは、実施形態2に係る異常監視装置の異常監視方法が実施形態1に係る異常監視装置20の異常監視方法より異常検知の感度が高いことを示している。
図14に示すように、時系列データの接線方向を算出する場合において、基準となる点Xiと、点Xiの前後の点Xi+1,Xi-1を通る円の点Xiにおける接線を求める近似方法(実施形態1における接線算出方法)が一般的な算出方法である。また、接線を求める点を中心とした5点を使って、基準となる点における接線を算出するアルゴリズムも提案されている(非特許文献2)。しかし、3点Xi-1,X,Xi+1を通る円の接線方向としては正確性が劣るかもしれないが、3点Xi-1,X,Xi+1を通る円が決まれば、Xi-1,Xi+1においてもその円の接線を求めることはできる。
実施形態2に係る異常監視装置に係る時系列データの識別方法は、図14に示すように、軌道平行測度を計算する際に算出される接線方向を、基準点と、基準点より前の点に基づいて算出する。つまり、3点を通る円の端点(基準点)における接線方向を利用する。これは、接線方向として厳密に正しいものを求めなくても、比較するデータベクトルと近傍ベクトルで同じ計算方法を用いることで、算出された接線方向が時系列データの変化の比較指標として用いることができるというものである。なお図14で示されるように端点から接線を求めることで変化に対する感度はより高くなると考えられる。
以上のように、本発明の実施形態2に係る異常監視装置および異常監視方法によれば、接線方向を算出する基準点と、この基準点より前の点を通る円に基づいて、基準点における接線方向を算出する。よって、軌道平行測度の計算の基準点として最先端(現在時刻に最も近い点)の値を用いることができる。つまり、時々刻々と変わる時系列データから異常検知する場合に、異常検知に利用するデータとして、最先端の点を用いることができる。その結果、時系列データを逐次取得して時系列データに含まれるノイズを検出する逐次軌道平行測度法の計算において、より早く時系列データの異常を検出することができる。また、時系列データの異常を感度よく検出することができる。
以上のように、本発明の異常監視装置および異常監視方法によれば、少ないパラメータ(埋め込み次元、遅れ時間)の設定により、時系列データから極めて早期に異常を検出することができるようになる。
また、上記のように構成された実施形態1に係る異常監視装置20および実施形態2に係る異常監視装置は、例えばコンピュータにより構成され、通常のコンピュータのハードウェアリソース、例えばROM,RAM,CPU、入力装置、出力装置、通信インターフェース、ハードディスク、記録媒体およびその駆動装置等を備えている。
このハードウェアリソースとソフトウェアリソース(OS、アプリケーションなど)との協働の結果、実施形態1に係る異常監視装置20および実施形態2に係る異常監視装置は、図1、図2、図9に示すように、データ収集部21、データ蓄積部22、データ取得部230´、時系列データの埋め込み処理部231、データベクトル選択部232´,232´´、近傍ベクトル検出部233、接線方向演算部234,234′、平行度評価部235、平行度判定部237´、現在時刻点更新部238および蓄積データ更新部239を実装する。
前記データ蓄積部22は、ハードディスクあるいはRAMなどの保存手段・記憶手段に構築されているものとする。
なお、各実施形態の時系列データの異常監視装置における各手段の一部もしくは全部の機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、本実施形態の時系列データの異常監視方法における手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータでその機能を実現するためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えばFD(Floppy(登録商標) Disk)や、MO(Magneto−Optical disk)、ROM(Read Only Memory)、メモリカード、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM、CD−R、CD−RW、HDD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記のプログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
10…監視・制御対象
20…異常監視装置
21…データ収集部
22…データ蓄積部
23…データ判定処理部
30…分析結果出力部
230´…データ取得手段
231…時系列データの埋め込み処理部
232´,232´´…データベクトル選択部
233´…近傍ベクトル検出部
234,234´…接線方向演算部
235…平行度評価部
237´…平行度判定部
238…現在時刻点更新部
239…蓄積データ更新部

Claims (9)

  1. 監視対象から時系列データを検出し、該検出した時系列データを取り込むデータ収集手段と、
    前記データ収集手段により取り込まれた時系列データを蓄積するデータ蓄積手段と、
    前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データを取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段により取得された時系列データからn次元状態空間に埋め込み処理を行なう時系列データの埋め込み処理手段と、
    所定の時間毎に前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データから現在時刻に最も近いデータベクトルに基づいて定められるデータベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、
    前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、
    前記選択されたデータベクトルおよび近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する接線方向演算手段と、
    前記演算されたデータベクトルの軌道に対する接線方向と近傍ベクトルの軌道に対する接線方向との平行度を評価する平行度評価手段と、
    前記平行度評価手段の評価結果から、各時刻毎の、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルにおける平行度を測定し、前記平行度測定データから前記時系列データの異常を判定する平行度判定手段と、
    前記平行度判定手段によってある時刻における前記データベクトルについての平行度が測定される毎に、前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データの現在時刻点を更新する現在時刻点更新手段とを備えたことを特徴とする時系列データの異常監視装置。
  2. 前記データベクトル選択手段は、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端から一つ手前のデータベクトルを選択することを特徴とする請求項1に記載の時系列データの異常監視装置。
  3. 前記データベクトル選択手段は、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択し、
    前記接線方向演算手段は、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの軌道に対する接線方向を、当該選択されたデータベクトルおよびこのデータベクトルより前のデータベクトルに基づいて導出される円の該選択されたデータベクトルにおける接線として算出し、前記近傍ベクトル検出手段により検出された近傍ベクトルの軌道に対する接線方向を、当該近傍ベクトルおよびこの近傍ベクトルより前のデータベクトルに基づいて導出される円の該近傍ベクトルにおける接線として算出することを特徴とする請求項1に記載の時系列データの異常監視装置。
  4. 前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データから、設定期間以上経過したデータを削除する蓄積データ更新手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の時系列データの異常監視装置。
  5. データ収集手段が、監視対象から時系列データを検出し、該検出した時系列データを取り込むデータ収集ステップと、
    データ蓄積手段が、前記データ収集手段により取り込まれた時系列データを蓄積するデータ蓄積ステップと、
    データ取得手段が、前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データを取得するデータ取得ステップと、
    時系列データの埋め込み処理手段が、前記データ取得手段により取得された時系列データからn次元状態空間に埋め込み処理を行なう時系列データの埋め込み処理ステップと、
    データベクトル選択手段が、所定の時間毎に前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データから現在時刻に最も近いデータベクトルに基づいて定められるデータベクトルを選択するデータベクトル選択ステップと、
    近傍ベクトル検出手段が、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出ステップと、
    接線方向演算手段が、前記選択されたデータベクトルおよび近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する接線方向演算ステップと、
    平行度評価手段が、前記演算されたデータベクトルの軌道に対する接線方向と近傍ベクトルの軌道に対する接線方向との平行度を評価する平行度評価ステップと、
    平行度測定手段が、前記平行度評価手段の評価結果から、各時刻毎の、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルにおける平行度を測定し、前記平行度測定データから前記時系列データの異常を判定する平行度判定ステップと、
    現在時刻点更新手段が、前記平行度判定手段によってある時刻における前記データベクトルについての平行度が測定される毎に、前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データの現在時刻点を更新する現在時刻点更新ステップとを備えたことを特徴とする時系列データの異常監視方法。
  6. 前記データベクトル選択ステップにおいて、前記データベクトル選択手段は、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端から一つ手前のデータベクトルを選択することを特徴とする請求項5に記載の時系列データの異常監視方法。
  7. 前記データベクトル選択ステップにおいて、前記データベクトル選択手段は、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択し、
    前記接線方向演算ステップにおいて、前記接線方向演算手段は、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの軌道に対する接線方向を、当該選択されたデータベクトルおよびこのデータベクトルより前のデータベクトルに基づいて導出される円の該選択されたデータベクトルにおける接線として算出し、前記近傍ベクトル検出手段により検出された近傍ベクトルの軌道に対する接線方向を、当該近傍ベクトルおよびこの近傍ベクトルより前のデータベクトルに基づいて導出される円の該近傍ベクトルにおける接線として算出することを特徴とする請求項5に記載の時系列データの異常監視方法。
  8. 蓄積データ更新手段が、前記データ蓄積手段に蓄積された時系列データから、設定期間以上経過したデータを削除する蓄積データ更新ステップを備えたことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の時系列データの異常監視方法。
  9. コンピュータを請求項1から4のいずれか1項に記載の異常監視装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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