JP6062783B2 - ポリフェノール組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水への溶解性に優れるポリフェノール組成物の製造方法に関する。
昨今、生理機能を有する様々な素材が提案され、これらを含有する数多くの健康食品が上市されている。なかでも、ポリフェノールは、抗酸化力を有することが知られており、抗動脈硬化、抗アレルギー、血流増強等の効果が期待されるため、健康食品の重要な成分として認識されている。
しかしながら、ポリフェノールには難水溶性のものが多く、それらを清涼飲料等の水性食品へ使用することは難しい。
そこで、難水溶性ポリフェノールを水に可溶化させる技術が検討され、例えば、ヘスペリジン配糖体を柑橘果汁ならびに果汁飲料に添加ののち加熱し、含まれているフラボノイド化合物を溶解する方法(特許文献1);難水溶性フラボイドとβ−サイクロデキストリンを加熱処理して難水溶性フラボノイドをβ−サイクロデキストリンに包接させた後、α−グルコシルヘスペリジンを共存させる方法(特許文献2);水性媒体中に難溶性のフラボノイドと大豆サポニン及び/又はマロニルイソフラボン配糖体を共存させ、加熱処理してフラボノイドを可溶化させる方法(特許文献3);水性媒体の存在下、難水溶性ポリフェノール類と、カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上を100〜180℃で加熱処理するポリフェノール組成物の製造方法(特許文献4)が提案されている。
特開2000−236856号公報 特開2008−271839号公報 国際公開第2005/003112号パンフレット 国際公開第2011/155505号パンフレット
α−グルコシルヘスペリジン等のヘスペリジン配糖体は製造工程が複雑でコストが高いため、これを可溶化剤として使用することは経済的に好ましくない。また、マロニルイソフラボン配糖体等の可溶化剤を用いると、難水溶性ポリフェノールの溶解度を高めることはできるものの、可溶化剤の大豆に由来する独特の穀物臭が感じられるため、使用用途が限定されるといった問題が考えられる。また、水性媒体の存在下に100〜180℃に加熱処理する方法では、耐圧容器が必要になる点の問題がある。
したがって、本発明は、特殊な装置を必要とせず、安価で、組成物の風味への影響が少ない素材を用いて、水への溶解性に優れるポリフェノール組成物を製造する方法を提供することに関する。
本発明者らは、難水溶性ポリフェノール類の可溶化技術について種々検討したところ、難水溶性ポリフェノール類と、カテキン類、クロロゲン酸類又は難水溶性ポリフェノール類のメチル化物とを、0℃以上90℃以下という温度条件下で、エタノール濃度が30体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に溶解し、得られた溶解液を乾燥すれば、飛躍的に難水溶性ポリフェノール類の溶解濃度が増加すること、また、斯かる処理を経た粉末状組成物では、水に再溶解した場合、室温下においても難水溶性ポリフェノール類の析出が抑えられ高い溶解性が維持されることを見出した。更にエタノール、カテキン類、クロロゲン酸類又は難水溶性ポリフェノール類のメチル化物による組成物の風味への影響は少ないことを見出した。
すなわち、本発明は、(A)難水溶性ポリフェノール類と(B)カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上とを、0℃以上90℃以下で、エタノール濃度が30体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に溶解して溶解液を得る工程、及び得られた溶解液を乾燥する工程を含むポリフェノール組成物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、水への溶解性に優れるポリフェノール組成物を、特殊な装置を用いることなく、安価に提供することができる。本発明のポリフェノール組成物は、可溶化剤による風味への影響が少ないため、様々な飲食品や医薬品に有用である。
本発明のポリフェノール組成物の製造方法においては、(A)難水溶性ポリフェノール類と(B)カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上とを、0℃以上90℃以下で、エタノール濃度が30体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に溶解して溶解液を得る工程、及び得られた溶解液を乾燥する工程を含む。以下、「カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上」を単に成分(B)ともいう。
本明細書において「難水溶性ポリフェノール類」とは、logP値が−1.0以上4.0以下のものを云う。難水溶性ポリフェノール類は、logP値が−0.5以上3.5以下のものが好ましい。logP値は、1−オクタノール/水間の分配係数の常用対数をとった値で、有機化合物の疎水性を示す指標である。この値が正に大きい程疎水性が高いことを表す。ポリフェノール類のlogP値は、日本工業規格 Z7260−107記載のフラスコ振盪法により測定できる。詳細は実施例に記載した。また、25℃における水への溶解量が5g/L以下のものに適用するのが好ましく、2g/L以下がより好ましく、さらに1g/L以下、さらに0.5g/L以下、さらに0.1g/L以下が好ましい。
(A)難水溶性ポリフェノール類としては、ベンゼン環にヒドロキシル基が1個以上、更に2個以上結合したフェノール性物質が好ましく適用できる。例えば、植物由来のフラボノイド、タンニン、フェノール酸等が挙げられる。より好ましく適用できる難水溶性ポリフェノール類としては、フラボノール類、フラバノン類、フラボン類、イソフラボン類、フェノールカルボン酸類、アントシアニジン類、ヒドロキシケイ皮酸誘導体、エラグ酸等が挙げられる。
具体的には、ルチン、ケルシトリン、イソケルシトリン、ケルセチン、ミリシトリン、ダイゼイン、ダイジン、グリシテイン、グリシチン、ゲニステイン、ゲニスチン、ミリセチン、ヘスペリジン、ネオヘスペリジン、ヘスペレチン、ナリンギン、クルクミン、リンゲニン、プルニン、アストラガリン、ケンフェロール、レスベラトロール、アピイン、アピゲニン、デルフィニジン、デルフィン、ナスニン、ペオニジン、ペオニン、ペツニン、ペオニジン、マルビジン、マルビン、エニン、シアニジン、ロイコシアニジン、シアニン、クリサンテミン、ケラシアニン、イデイン、メコシアニン、ペラルゴニジン、カリステフィン、カフェ酸、フェルラ酸、p−クマル酸、エラグ酸等が挙げられる。なかでも、ルチン、ケルセチン、ヘスペリジン、ナリンギン、クルクミン、レスベラトロール、カフェ酸、フェルラ酸、エラグ酸が好ましい。難水溶性ポリフェノール類は、1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。
本発明において成分(B)としては、カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いられるカテキン類は、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称である。カテキン類の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
カテキン類は茶抽出物を用いてもよい。茶抽出物としては、茶抽出液、その濃縮物及びそれらの精製物から選択される少なくとも1種を使用することができる。
ここで、「茶抽出液」とは、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒を用いて抽出された抽出液であって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。なお、水溶性有機溶媒として、例えば、エタノール等の低級アルコールを使用することができる。また、抽出方法としては、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用できる。
抽出に使用する茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、玉露、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が例示される。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が例示される。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、カテキン類の含有量の点から、緑茶が好ましい。
また、「茶抽出液の濃縮物」とは、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選択される茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された溶液の水分の一部を除去してカテキン類濃度を高めたものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。その形態としては、固体、水溶液、スラリー状等の種々のものが挙げられる。茶抽出液の濃縮物として市販品を使用してもよく、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」等の緑茶抽出液の濃縮物がある。
茶抽出液等の精製は、溶剤やカラムを用いて精製することにより行うことができる。
本発明で用いられるクロロゲン酸類は、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸及び5−フェルロイルキナ酸のモノフェルロイルキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。クロロゲン酸類の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。
また、クロロゲン酸類は、塩の形態でもよく、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩等が挙げられる。
クロロゲン酸類は、これを含む植物の抽出物、その濃縮物又はそれらの精製物等を使用することができる。このような植物抽出物としては、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、生コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等から抽出されたものが挙げられる。なかでも、クロロゲン酸類含量等の点から、生コーヒー豆抽出物が好ましい。コーヒーの木の種類としては、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種及びアラブスタ種のいずれでもよい。なお、抽出、濃縮、精製の方法・条件は特に限定されず、公知の方法及び条件を採用することができる。
また、クロロゲン酸類として市販のクロロゲン酸類含有製剤を使用してもよく、例えば、フレーバーホルダーRC(長谷川香料(株))が挙げられる。
本発明で用いられる難水溶性ポリフェノール類のメチル化物は、前述の難水溶性ポリフェノール類をメチル化し、水に可溶化したものである。メチル化の位置、個数は特に限定されない。具体的にはメチルヘスペリジン、メチルケルセチン、メチルレスベラトロール、メチルルチン等が挙げられ、メチルヘスペリジンが好ましい。メチルヘスペリジンには、主に、カルコン型化合物(A)及びフラバノン型化合物(B)が含まれることが知られており、その構成成分として、例えば以下に示す構造のものが挙げられる。
Figure 0006062783
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
ここで、医薬品添加物および食品添加物としてのメチルヘスペリジンは、主に、化合物(C)及び(D)の混合物として取り扱われている。
Figure 0006062783
(式中、Glは、グルコース残基、Rhは、ラムノース残基を表す。また、Gl−2は、グルコース残基の2位(C−1の場合、3位も含む)、Rh−2は、ラムノース残基の2位を表す。)
また、化粧品原料としてのヘスペリジンメチルカルコンは、(E)で示される化合物として取り扱われている。なお、カルコン型化合物を多く含む組成の場合、ヘスペリジンメチルカルコンとも呼ばれる。
Figure 0006062783
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
本発明において用いられるメチルヘスペリジンは、上記で示したカルコン型化合物(A)とフラバノン型化合物(B)の両方を含むものでもよいし、また、それぞれの片方のみを含むものでもよい。
本発明において、より好適なメチルヘスペリジンとしては、化合物(C)と化合物(D)の混合物が挙げられる。
メチルヘスペリジンは、公知の方法、例えば、ヘスペリジンを水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、そのアルカリ溶液に対応量のジメチル硫酸を作用させ、反応液を硫酸で中和し、n−ブチルアルコールで抽出し、溶媒を留去したのち、イソプロピルアルコールで再結晶することにより製造できるが(崎浴、日本化學雑誌、79、733−6(1958))、その製造法はこれに限るものではない。
メチルヘスペリジンとして市販のメチルヘスペリジン含有製剤を使用してもよく、例えば、「メチルヘスペリジン」(東京化成工業(株))、「ヘスペリジンメチルカルコン」(Sigma社)、「メチルヘスペリジン」(浜理薬品工業(株))が挙げられる。
本発明においては、(A)難水溶性ポリフェノール類と(B)カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上とを、0℃以上90℃以下で、エタノール濃度が30体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に溶解して溶解液を得る工程を含む。用いるエタノール水溶液のエタノール濃度は、30体積%以上であることが重要であり、30体積%未満の場合には(A)難水溶性ポリフェノール類の溶解度が低くなる。また、90体積%以下であることも重要であり、90体積%を超えると成分(B)の溶解度が低くなる。成分(A)の溶解度に加え、得られるポリフェノール組成物の成分(B)由来の臭い防止の点から、エタノール濃度は32体積%以上がより好ましく、更に35体積%以上、更に40体積%以上、更に50体積%以上、更に60体積%以上、更に70体積%以上が好ましい。また、エタノール濃度は88体積%以下がより好ましく、85体積%以下が更に好ましい。具体的には、エタノール濃度は32体積%以上88体積%以下がより好ましく、更に35体積%以上85体積%以下、更に50体積%以上85体積%以下、更に60体積%以上85体積%以下が好ましい。
より好ましくは、(A)難水溶性ポリフェノール類を高濃度のエタノール水溶液又はエタノールに溶解し、一方成分(B)を水又は低濃度のエタノール水溶液に溶解し、これらの2種の溶液を混合して30体積%以上90体積%以下のエタノール濃度になるようにするのが好適である。
成分(A)を溶解するための高濃度のエタノール水溶液中のエタノール濃度は50体積%以上が好ましく、更に70体積%以上、更に80体積%以上、更に90体積%以上が好ましい。上限は特に限定されないが、100体積%以下が好ましく、更に95体積%以下が好ましい。成分(B)を溶解するための溶媒は水が好ましいが、低濃度のエタノール水溶液を用いる場合のエタノール濃度は50体積%以下が好ましく、更に40体積%以下、更に30体積%以下、更に20体積%以下が好ましい。
(A)難水溶性ポリフェノール類と成分(B)とを、上記のエタノール水溶液に溶解する際の温度は0℃以上90℃以下で十分であり、かかる温度条件で溶解すれば常圧で処理が可能であり特殊な装置を必要としない点で好ましい。溶解温度の下限は、難水溶性ポリフェノール類の溶解性を高める観点より5℃以上が好ましく、10℃以上が更に好ましい。また、溶解温度の上限は、エネルギー効率、及びエタノール水溶液の沸点の点から、85℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、75℃以下が更に好ましく、70℃以下が更に好ましく、60℃以下が更に好ましい。具体的には、溶解温度は、5℃以上85℃以下が好ましく、10℃以上80℃以下がより好ましく、10℃以上75℃以下が更に好ましく、10℃以上70℃以下が更に好ましく、10℃以上60℃以下が更に好ましい。
得られた溶解液における、成分(B)に対する(A)難水溶性ポリフェノール類の質量比[(A)/(B)]は、小さいほど乾燥後に得られるポリフェノール組成物の溶解性が高くなり、大きいほどポリフェノール組成物中の難水溶性ポリフェノール類の純度を高めることができる。これらの点から、0.01以上が好ましく、更に0.05以上、更に0.1以上、更に0.2以上、更に0.3以上、更に0.5以上が好ましい。また、10以下が好ましく、更に8以下、更に7以下、更に5以下、更に3以下、更に2以下が好ましい。具体的にはA/Bは、0.01以上10以下が好ましく、0.05以上8以下、0.1以上7以下がより好ましく、0.1以上5以下がさらに好ましく、0.2以上5以下がさらに好ましく、0.3以上5以下がさらに好ましい。
また、前記のように(A)難水溶性ポリフェノール類を高濃度のエタノール水溶液又はエタノールに溶解し、成分(B)を水又は低濃度のエタノール水溶液に溶解して、これらの溶液を混合する場合の、高濃度エタノール水溶液又はエタノール中の(A)難水溶性ポリフェノール類の含有量は、0.5g/L以上100g/L以下が好ましく、1g/L以上50g/L以下が更に好ましく、2g/L以上10g/L以下が更に好ましい。また、水又は低濃度エタノール水溶液中の成分(B)の含有量は、0.5g/L以上100g/L以下が好ましく、1g/L以上50g/L以下がより好ましく、2g/L以上10g/L以下が更に好ましい。
(A)難水溶性ポリフェノール類の溶解に要する時間は、操作、温度等により異なるが、通常0.1分以上30分以下で十分であり、0.2分以上15分以下が好ましく、0.5分以上10分以下がより好ましい。
溶解処理後、溶解液を必要により、好ましくは50℃以下、更に好ましくは30℃以下に冷却する工程を行ってもよい。更に、必要により溶解液から固体部を除去する工程を行ってもよい。固体部を除去する方法としては、特に制限されず、例えば遠心分離やデカンテーション、ろ過により行うことができる。
本発明は、次いで溶解液を乾燥する工程を含む。乾燥とは、溶解液から溶媒を除去することをいう。乾燥手段としては、凍結乾燥、蒸発乾固、噴霧乾燥が挙げられる。なかでも、凍結乾燥又は噴霧乾燥が、ポリフェノール組成物を結晶性を持たない固体物の状態とし、ポリフェノール組成物の水への溶解性を一層高め、(A)難水溶性ポリフェノール類の初期溶解度を向上させる点から好ましい。
凍結乾燥又は噴霧乾燥の方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できる。
例えば、噴霧乾燥の場合、処理液をノズルからスプレーし、100℃以上220℃以下、好ましくは130℃以上190℃以下の熱風中を落下させることにより、乾燥することができる。
また、凍結乾燥の場合、処理液を液体窒素やクールバス、冷凍庫等で凍結し、粉砕し、篩別したのち真空で水分を昇華させて、乾燥することができる。処理液の凍結温度は−70℃以上0℃以下が好ましい。乾燥中の絶対圧力は0.1Pa以上1000Pa以下が好ましく、0.5Pa以上100Pa以下がより好ましく、1Pa以上10Pa以下が更に好ましい。
噴霧乾燥又は凍結乾燥後、必要に応じて、分級、造粒、粉砕等を行ってもよい。
かくして得られるポリフェノール組成物は、粉末状であり、これを水に溶解したとき難水溶性ポリフェノール類の水への溶解性が4倍以上、特に4倍〜40倍にも向上しており、室温下においても難水溶性ポリフェノール類の析出が抑えられる。また、カテキン類、クロロゲン酸類又は難水溶性ポリフェノール類のメチル化物による組成物の風味への影響も少ない。
したがって、本発明のポリフェノール組成物は、様々な飲食品や医薬品等に使用可能である。例えば、飲食品としては、飲料、パン類、麺類、クッキー等の菓子類、スナック類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、粉末コーヒー等のインスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、調味料、栄養補助食品等の液状、固形状又は半固形状の飲食品が挙げられる。また医薬品としては、錠剤(チュアブル錠等)、カプセル剤、粉末剤等の剤型が挙げられる。とりわけ、容器詰飲料に利用するのが有用である。容器詰飲料としては、緑茶等の茶系飲料や、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、ニアウォーター等の非茶系飲料が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の製造方法を開示する。
<1>(A)難水溶性ポリフェノール類と(B)カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上とを、0℃以上90℃以下で、エタノール濃度が30体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に溶解して乾燥する工程を含むポリフェノール組成物の製造方法。
<2>(A)難水溶性ポリフェノール類が、logP値−1.0以上4.0以下のポリフェノール類、好ましくはlogP値−0.5以上3.5以下のポリフェノール類である<1>の製造方法。
<3>(A)難水溶性ポリフェノール類が、25℃における水への溶解量が好ましくは5g/L以下、より好ましくは2g/L以下、さらに1g/L以下、さらに0.5g/L以下、さらに0.1g/L以下である<1>又は<2>の製造方法。
<4>(A)難水溶性ポリフェノール類が、好ましくはフラボノール類、フラバノン類、フラボン類、イソフラボン類、フェノールカルボン酸類、アントシアニジン類、ヒドロキシケイ皮酸誘導体及びエラグ酸から選ばれるもの、より好ましくはルチン、ケルシトリン、イソケルシトリン、ケルセチン、ミリシトリン、ダイゼイン、ダイジン、グリシテイン、グリシチン、ゲニステイン、ゲニスチン、ミリセチン、ヘスペリジン、ネオヘスペリジン、ヘスペレチン、ナリンギン、クルクミン、リンゲニン、プルニン、アストラガリン、ケンフェロール、レスベラトロール、アピイン、アピゲニン、デルフィニジン、デルフィン、ナスニン、ペオニジン、ペオニン、ペツニン、ペオニジン、マルビジン、マルビン、エニン、シアニジン、ロイコシアニジン、シアニン、クリサンテミン、ケラシアニン、イデイン、メコシアニン、ペラルゴニジン、カリステフィン、カフェ酸、フェルラ酸、p−クマル酸及びエラグ酸から選ばれるもの、より好ましくはルチン、ケルセチン、ヘスペリジン、ナリンギン、クルクミン、レスベラトロール、カフェ酸、フェルラ酸及びエラグ酸から選ばれるものである<1>〜<3>のいずれかの製造方法。
<5>カテキン類が、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<4>のいずれかの製造方法。
<6>クロロゲン酸類が、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸及び5−フェルロイルキナ酸のモノフェルロイルキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸並びに3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸から選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<5>のいずれかの製造方法。
<7>難水溶性ポリフェノール類のメチル化物が、好ましくはメチルヘスペリジン、メチルケルセチン、メチルレスベラトロール及びメチルルチンから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはメチルヘスペリジンである<1>〜<6>のいずれかの製造方法。
<8>エタノール水溶液のエタノール濃度の下限が好ましくは32体積%以上、より好ましくは35体積%以上、更に好ましくは40体積%以上、更に好ましくは50体積%以上、更に好ましくは60体積%以上、更に好ましくは70体積%以上であり、エタノール濃度の上限が好ましくは88体積%以下、より好ましくは85体積%以下であり、更に好ましくはエタノール濃度は32体積%以上88体積%以下、好ましくは35体積%以上85体積%以下、更に好ましくは50体積%以上85体積%以下、更に好ましくは60体積%以上85体積%以下である<1>〜<7>のいずれかの製造方法。
<9>溶解温度が、溶解温度の下限が、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上であり、溶解温度の上限が、好ましくは85℃以下、より好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、更に好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下であり、更に好ましくは溶解温度は、5℃以上85℃以下、好ましくは10℃以上80℃以下、より好ましくは10℃以上75℃以下、更に好ましくは10℃以上70℃以下、更に好ましくは10℃以上60℃以下である<1>〜<8>のいずれかの製造方法。
<10>溶解処理が、好ましくは0℃以上90℃以下の温度で、30体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に、(A)難水溶性ポリフェノール類と成分(B)とを混合して溶解する<1>〜<9>のいずれかの製造方法。
<11>溶解処理が、好ましくは(A)難水溶性ポリフェノール類を50体積%以上のエタノール水溶液又はエタノールに溶解し、一方、成分(B)を水又は50体積%以下のエタノール水溶液、好ましくは水に溶解し、30体積%以上90体積%以下のエタノール濃度になるように、これらの2種の溶液を混合して、0℃以上90℃以下の温度にする<1>〜<10>のいずれかの製造方法。
<12>成分(B)に対する(A)難水溶性ポリフェノール類の質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上であり、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下、更に好ましくは7以下、更に好ましくは以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは2以下であり、また、好ましくは0.01以上10以下、好ましくは0.05以上8以下、より好ましくは0.1以上7以下、更に好ましくは0.1以上5以下、更に好ましくは0.2以上5以下である<1>〜<11>のいずれかの製造方法。
<13>乾燥手段が、噴霧乾燥又は凍結乾燥であり、好ましくは噴霧乾燥である<1>〜<12>のいずれかの製造方法。
<14><1>〜<13>のいずれかの方法により得られる粉末状のポリフェノール組成物。
[難水溶性ポリフェノール類及びメチルヘスペリジンの測定]
難水溶性ポリフェノール類及びメチルヘスペリジンの測定は、日立製作所製高速液体クロマトグラフを用い、インタクト社製カラムCadenza CD−C18 (4.6mmφ×150mm、3μm)を装着し、カラム温度40℃でグラジエント法により行った。移動相A液は0.05mol/L酢酸水溶液、B液はアセトニトリルとし、1.0mL/分で送液した。グラジエント条件は以下のとおりである。
時間(分) A液(%) B液(%)
0 85 15
20 80 20
35 10 90
50 10 90
50.1 85 15
60 85 15
試料注入量は10μL、検出はフェルラ酸は波長320nm、ケルセチンは波長283nm、メチルヘスペリジンは波長360nmの吸光度により定量した。
また、エラグ酸の定量は、同じ装置を用いてグラジエント条件のみを以下のように設定して行った。
時間(分) A液(%) B液(%)
0 99 1
10 90 10
20 85 15
40 10 90
50 10 90
50.1 85 15
60 85 15
試料注入量は10μL、波長254nmの吸光度により定量した。
[難水溶性ポリフェノール類のlogP値の測定]
日本工業規格 Z7260−107記載のフラスコ振盪法に従って測定した。まず1−オクタノールと蒸留水を25℃で24時間振とうして平衡化させた。次いで蓋付きガラス瓶にポリフェノール10mgを量りとり、平衡化させた1−オクタノールと蒸留水をそれぞれ4mLずつ加え、25℃で4日間振とうした。遠心分離により1−オクタノール相と水相を分け、上記[難水溶性ポリフェノールの測定]と同様にしてHPLCにより各相のポリフェノール類の濃度を測定した。2相間の分配係数の常用対数を取った値をlogP値とした。
[カテキン類の測定]
試料を蒸留水で適宜希釈し、液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(濃度勾配条件)
時間(分) A液(体積%) B液(体積%)
0 97 3
5 97 3
37 80 20
43 80 20
43.5 0 100
48.5 0 100
49 97 3
62 97 3
[クロロゲン酸類の測定]
(分析機器)
HPLC(日立製作所(株)製)を使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。
送液ユニット(デガッサ内蔵):L−2130、
オートサンプラ(クーラー付):L−2200、
カラムオーブン:L−2300、
分離カラム:Cadenza CD−C18、Size:4.6mm i.d.×150mm、3μm(インタクト(株))
検出器(紫外可視吸光光度計):L−2420:
(分析条件)
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
紫外線吸光光度計検出波長:325nm(クロロゲン酸類)、
溶離液A:0.05mol/L酢酸、0.01mol/L酢酸ナトリウム、及び0.1mmol/L HEDPOを含有する5%アセトニトリル、
溶離液B:アセトニトリル
(濃度勾配条件)
時間(分) A液(体積%) B液(体積%)
0 100 0
10 100 0
15 95 5
20 95 5
22 92 8
50 92 8
52 10 90
60 10 90
60.1 100 0
70 100 0
(実施例1)
フェルラ酸製剤(築野食品工業(株)製、フェルラ酸含有量100%)10gを95体積%エタノール1270gに溶解した。またクロロゲン酸製剤(コーヒー豆抽出物の精製乾燥(クロロゲン酸類含有量40%)25gを水380gに溶解した。これら2つの液体を室温(20℃±5℃)で混合し、2Lの溶解液を調製した。溶解液のエタノール濃度は79体積%であった。溶解液に濁りは見られなかった。この溶解液を、噴霧乾燥機(ヤマト科学(株)製、SPRAY DRYER ADL311S、入口エアー温度140℃、出口エアー温度73℃)に6.5g/minの流速で供給し、粉末の形態にてポリフェノール組成物を得た。
(実施例2)
フェルラ酸製剤5gとクロロゲン酸製剤12.5gとを60体積%エタノール水1Lに溶解した。溶解液に濁りは見られなかった。実施例1と同様に噴霧乾燥してポリフェノール組成物を得た。
(実施例3)
エタノール水濃度を50体積%とした以外は実施例2と同様にしてポリフェノール組成物を得た。乾燥前の溶解液に濁りは見られなかった。
(比較例1)
フェルラ酸製剤10gとクロロゲン酸製剤25gを薬匙で物理混合してポリフェノール組成物を得た。
(比較例2)
クロロゲン酸製剤を用いないこと以外は実施例1と同様に行った。乾燥前の溶解液に濁りは見られなかった。
(比較例3)
エタノール水濃度を95体積%とした以外は実施例2と同様にしてポリフェノール組成物を得た。乾燥前の溶解液は濁っていた。
(比較例4)
エタノール水濃度を20体積%とした以外は実施例2と同様にしてポリフェノール組成物を得た。乾燥前の溶解液は濁っていた。
(実施例4)
フェルラ酸製剤5gとエピガロカテキンガレート(EGCG)製剤(DMS Nutritional Products社製TEAVIGO、EGCG含有量100%)5gを用いた以外は実施例2と同様にしてポリフェノール組成物を得た。乾燥前の溶解液に濁りは見られなかった。
(実施例5)
フェルラ酸製剤にかえてケルセチン製剤(ACROS ORGANICS社製、ケルセチン含有量95%)6gを用い、クロロゲン酸製剤にかえてエピガロカテキンガレート製剤を6g用いた以外は実施例1と同様に行った。乾燥前の混合液に濁りは見られなかった。
(比較例5)
ケルセチン製剤6gとエピガロカテキンガレート製剤6gを薬匙で物理混合してポリフェノール組成物を得た。
(実施例6)
エラグ酸二水和物(和光純薬工業(株)製、エラグ酸含量89%)2gを95体積%エタノール318gに溶解した。またクロロゲン酸製剤(実施例1と同じ)5gを水95gに溶解した。これら2つの液体を60℃で混合し、0.5Lの溶解液を調製した。溶解液のエタノール濃度は79体積%であった。溶解液に濁りは見られなかった。この溶解液を実施例1と同様に噴霧乾燥して粉末の形態にてポリフェノール組成物を得た。
(比較例6)
エラグ酸二水和物2gとクロロゲン酸製剤5gを薬匙で物理混合してポリフェノール組成物を得た。
(実施例7)
エラグ酸二水和物2gを95体積%エタノール318gに溶解した。またエピガロカテキンガレート製剤(実施例4と同じ)4gを水95gに溶解した。これら2つの液体を60℃で混合し、0.5Lの溶解液を調製した。溶解液のエタノール濃度は79体積%であった。溶解液に濁りは見られなかった。この溶解液を実施例1と同様に噴霧乾燥して粉末の形態にてポリフェノール組成物を得た。
(比較例7)
エラグ酸二水和物2gとエピガロカテキンガレート製剤4gを薬匙で物理混合してポリフェノール組成物を得た。
(実施例8)
エラグ酸二水和物2gを95体積%エタノール318gに溶解した。またメチルヘスペリジン製剤(浜理薬品工業(株)製、メチルヘスペリジン含有量100質量%)8gを水95gに溶解した。これら2つの液体を60℃で混合し、0.5Lの溶解液を調製した。溶解液のエタノール濃度は79体積%であった。溶解液に濁りは見られなかった。この溶解液を実施例1と同様に噴霧乾燥して粉末の形態にてポリフェノール組成物を得た。
(比較例8)
エラグ酸二水和物2gとメチルヘスペリジン製剤8gを薬匙で物理混合してポリフェノール組成物を得た。
[溶解性の評価]
乾燥ポリフェノール組成物0.525gに蒸留水(25℃)5mLを加え、20mLのガラス製サンプル瓶に入れてロータリーシェーカー(アズワン製、150r/min)で25℃で5分間振盪し、孔径0.2μmのメンブレンフィルターでろ過してHPLCで定量した。
[風味の評価]
3名のパネルにより、乾燥ポリフェノール組成物0.1gを舌の上に乗せ、次いで蒸留水20mLとともに飲み込み、以下に示す判定基準に従って風味の評価を行い、その平均値をもって評点とした。
5:成分(B)の風味は感じられない
4:成分(B)の風味が僅かに感じられる
3:成分(B)の風味が弱く感じられる
2:成分(B)の風味が感じられるが、成分(B)単独よりは弱い
1:成分(B)の風味が強く感じられる
結果を表1に示す。
Figure 0006062783
表1から明らかなように、難水溶性ポリフェノール類とカテキン類、クロロゲン酸類又は難水溶性ポリフェノール類のメチル化物とを、0℃以上90℃以下の温度条件下、エタノール濃度が30体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に溶解した後、乾燥して得られたポリフェノール組成物のポリフェノールの水に対する溶解度は4倍〜40倍にも向上した。また、得られたポリフェノール組成物に対するカテキン類、クロロゲン酸類又は難水溶性ポリフェノール類のメチル化物の風味への影響も少ないことがわかる。さらに、エタノール濃度が高い場合に、得られたポリフェノール組成物の成分(B)由来の臭いが低減されていた。

Claims (5)

  1. (A)難水溶性ポリフェノール類と(B)カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上とを、0℃以上90℃以下で、エタノール濃度が60体積%以上90体積%以下のエタノール水溶液に溶解して溶解液を得る工程、及び得られた溶解液を乾燥する工程を含むポリフェノール組成物の製造方法であって、(A)難水溶性ポリフェノール類のlogP値が1.51以上3.5以下であり、(A)難水溶性ポリフェノール類の溶解時間が0.1分以上30分以下である、ポリフェノール組成物の製造方法
  2. (A)難水溶性ポリフェノール類を50体積%以上のエタノール水溶液又はエタノールに溶解し、一方成分(B)を水又は50体積%以下のエタノール水溶液に溶解し、得られた2種の溶液を混合して溶解液を調製する、請求項記載のポリフェノール組成物の製造方法。
  3. エタノール水溶液のエタノール濃度が60体積%以上85体積%以下である請求項1又は2記載のポリフェノール組成物の製造方法。
  4. 乾燥方法が噴霧乾燥である請求項1〜のいずれか1項記載のポリフェノール組成物の製造方法。
  5. 溶解液における(B)カテキン類、クロロゲン酸類及び難水溶性ポリフェノール類のメチル化物から選ばれる1種又は2種以上に対する(A)難水溶性ポリフェノール類の質量比(A)/(B)が0.01以上10以下である、請求項1〜のいずれか1項記載のポリフェノール組成物の製造方法。
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