JP6061473B2 - 片持ち梁構造および桟橋構造 - Google Patents

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本発明は、コンクリート造からなる躯体が補強された片持ち梁構造および桟橋構造に関する。
従来、梁、柱、壁や床などを接合して空間や形状を構成するために、その接合する部分の基端から突出して張り出す片持ち梁構造の構造物が知られている。このような片持ち梁構造として、例えば、鉄筋コンクリート造の桟橋、井桁構造および柵構造などがあり、例えば特許文献1のようにコンクリートを鉄筋や鉄骨で補強して躯体の剛性を高めている。
特開2010−168808号公報
しかしながら、上述した片持ち梁構造では、基端部分の接合部に隅角部が形成されており、この隅角部には直交する双方の部材からの鉄筋が介在するため、過密配筋となり易く、十分に配筋することが困難となり、強度不足になっていた。このような従来の片持ち梁構造に梁先端部(張出し部)に荷重がかかると、前記隅角部から破壊が進行し、躯体表面のコンクリートが剥がれ、このコンクリート片が散逸することとなる。例えば、片持ち梁構造をなす桟橋が津波などの衝撃力を受けると、基端の岸部分に破壊が生じ、コンクリート片が散逸したり、梁部分が基端から分離し、津波に流されるという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、躯体の形状を保持することができ、破壊された躯体から生じるコンクリート片の散逸を防止することができる片持ち梁構造および桟橋構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る片持ち梁構造では、基端部と、該基端部から突出する自由端を有する張出し部と、が一体的に接合され、前記基端部及び前記張出し部に衝撃力が作用するコンクリート造からなる躯体のうち、前記張出し部の上面および下面と、前記基端部の上面と、前記基端部において前記張出し部および前記基端部の接合部を構成する角部を含む前記張出し部側の側面と、の表面が包み込まれた状態で樹脂製の補強塗膜により被覆されてなり、前記衝撃力により前記躯体の変形が塑性域に達して前記躯体のコンクリートが破壊される片持ち梁構造において、前記補強塗膜は、引張強度が10〜25MPa、破断伸びが200%以上の物性を有するポリウレア樹脂、又はポリウレタン樹脂からなり、前記躯体の表面を2〜4mmの範囲の塗布厚で被覆されてなり、前記躯体のコンクリートが破壊されても、前記補強塗膜の変形抵抗力によって前記補強塗膜によって被覆された前記躯体の形状が保持された状態をなし、前記躯体の局所破壊および全体破壊防止可能に設けられていることを特徴としている。
また、本発明に係るおよび桟橋構造では、上述した片持ち梁構造からなる桟橋構造であって、基端部は、海岸線に沿って延設された岸壁体であり、張出し部は、岸壁体の上端から延設された桟橋本体であり、桟橋本体の上面および下面と、岸壁体の上面および海側の側面と、に補強塗膜が被覆されていることを特徴としている。
本発明では、ポリウレア樹脂、又はポリウレタン樹脂からなる補強塗膜が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であり、例えば10〜25MPa程度の高強度と例えば200%以上の大きな破断伸び(伸び変形性能)を有する。このため、躯体の変形が塑性域に達しても、補強塗膜が躯体の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜によって躯体の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、衝撃力に対応することが可能な片持ち梁構造を設けることができる。
仮に、衝撃力を受けることにより躯体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜によって躯体の表面が被覆された状態が維持される。これにより、躯体のコンクリート片の散逸が防止され、また、躯体が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持される。例えば、躯体が海に設けられる桟橋の場合において、破壊によって生じたコンクリート片が津波とともに流出するといった被害の増大を防止することができる。
しかも、補強塗膜は変形抵抗を有しているので、躯体に衝撃が加わって撓み変形したときに、補強塗膜の変形抵抗力によって躯体を元の形状に戻す力が働く。その結果、躯体は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
そして、本発明では、補強塗膜が躯体のうち2面以上に設けられているので、躯体の2面以上が補強塗膜によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
また、本発明の片持ち梁構造によれば、躯体に補強塗膜を吹き付けや塗布することによって形成されるので、鉄板やゴム材などで躯体表面を補強する場合に比べて、容易に且つ安価に施工することができ、既設の躯体においても容易に施工できる。
また、本発明では、躯体の2面以上が補強塗膜によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
また、本発明では、衝撃力による躯体の破壊が張出し部を構成する隅角部に生じる場合において、上記した形状保持が効果的に発揮される。
また、本発明に係る片持ち梁構造では、補強塗膜は、躯体の表面全体に設けられていることが好ましい。
これにより、躯体の表面全体が補強塗膜によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより一層効果的に発揮される。
本発明の片持ち梁構造および桟橋構造によれば、津波等の衝撃力によって張出し部や基端部の躯体が破壊されたとしても、その躯体のコンクリート片の散逸を防ぎ(局所破壊防止)、転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持(全体破壊防止/形状保持)することができる。
そのため、コンクリート片の散逸に伴う被害を抑えることができる。
本発明の実施の形態による桟橋の概略構成を示す斜視図である。 図1に示す桟橋の側面図である。 図2に示す桟橋の接合部の拡大図である。 図3に示すA−A線断面図であって、張出し部の断面図である。 ポリウレア樹脂の力学的特性を示す図である。 実施例1による試験結果を示す図である。 実施例2による試験結果を示す図である。 (a)〜(c)は、実施例3による試験結果を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態による片持ち梁構造および桟橋構造について、図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態による桟橋1(片持ち梁構造)は、岸から海側へ向けて直線状に延びる構造体であって、鉄筋コンクリート造の躯体2の表面に靭性の高い樹脂製の補強塗膜3を被覆することで補強された構造である。
躯体2は、鉄筋コンクリート製であり、岸側の岸壁体21(基端部)と、岸壁体21から突出する自由端を有する桟橋本体22(張出し部)と、が一体的に接合された構造となっている。岸壁体21は、壁面を海S側に向けて、海岸線に沿って延設された壁体構造である。桟橋本体22は、岸壁体21の上端から、その壁面に対して直交する方向に延設されている。桟橋本体22は、海底より立設された複数本の支柱23によって下方から支持されている。ここで、本実施の形態の躯体2のうち桟橋本体22は、支柱23によって支持されているものの、岸壁体21と桟橋本体22との接合部Tを基端とする片持ち梁の作用が働いている。
図3および図4に示すように、躯体2に被覆される補強塗膜3は、桟橋本体22の上面22aおよび下面22bと、岸壁21の上面21aおよび海側の側面21bとの表面を所定の塗布厚(例えば図4の厚さ寸法Dは4mm)をもって被覆されている。
つまり、躯体2を被覆する補強塗膜3の上側は、桟橋本体22の上面22aから前記岸壁体21の上面21aに亘って延在する上側部分3Aが形成されている。また、補強塗膜3の下側は、桟橋本体22と岸壁体21との接合部Tを構成する角部を含み、桟橋本体22の下面22bの下面部分3Bと前記岸壁体21の側面21bの側面部分3Cとが連設されて一体に形成されている。
上記した補強塗膜3は、躯体2の表面に吹き付けやローラーなどで塗布される樹脂製の塗膜であって、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物からなる。例えば、補強塗膜3としては、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物であるポリウレア樹脂を用いることができる。
具体的に補強塗膜3は、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂からなる。例えば、ポリウレア樹脂の場合には、図5に示すような力学的特性を有している。ここで、補強塗膜3を構成する合成樹脂としては、例えば引張強度が鉄筋の十分の一程度の20MPa程度(10〜25MPa)であって、破断伸びが200%以上の物性を有する樹脂からなり、例えば「スワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)」が用いられる。なお、補強塗膜3の厚さ寸法Dは、2mm以上であることが好ましい。
ここで、躯体2に補強塗膜3を被覆する施工方法としては、塗布するコンクリート表面を十分に清掃して塵等を取り除いた後、プライマーを塗布し、その後、ポリウレア樹脂を躯体2の桟橋本体22の上面22aおよび下面22bと、岸壁21の上面21aおよび側面21bの全面にわたって所定厚さだけ塗布する。これにより、躯体2に層状の補強塗膜3が形成される。なお、プライマーの塗布は省略することも可能であり、或いは、補強塗膜3と躯体2との付着性を高めるために躯体2の表面を斫って凸凹に加工してもよい。
次に、上記した構成からなる桟橋1の作用について、具体的に説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態では、補強塗膜3が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であるため、躯体2の変形が塑性域に達しても、補強塗膜3が躯体2の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜3によって躯体2の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、衝撃力に対応することが可能な桟橋1を設けることができる。
仮に、衝撃力を受けることにより躯体2の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜3は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜3によって躯体2の表面が被覆された状態が維持される。これにより、躯体2のコンクリート片の散逸が防止され、また、躯体2が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持される。例えば、本実施の形態のように躯体2が海に設けられる桟橋1の場合において、破壊によって生じたコンクリート片が津波とともに流出するといった被害の増大を防止することができる。
しかも、補強塗膜3は変形抵抗を有しているので、桟橋1に衝撃が加わって躯体2が撓み変形したときに、補強塗膜3の変形抵抗力によって躯体2を元の形状に戻す力が働く。その結果、躯体2は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
また、躯体2に補強塗膜3を吹き付けや塗布することによって形成されるので、鉄板やゴム材などで躯体表面を補強する場合に比べて、容易に且つ安価に施工することができ、既設の桟橋においても容易に施工できる。
また、桟橋1の補強塗膜3が躯体2のうち2面以上に設けられ、とくに補強塗膜3が衝撃力を受ける躯体2の桟橋本体22の上面22aおよび下面22bと、桟橋本体22および岸壁体21の接合部Tを構成する角部(岸壁体21の側面21b)とに設けられているので、躯体2の2面以上が補強塗膜3によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
上述のように本実施の形態による片持ち梁構造および桟橋構造では、津波等の衝撃力によって桟橋本体22や岸壁体21の躯体2が破壊されたとしても、その躯体2のコンクリート片の散逸を防ぎ(局所破壊防止)、転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持(全体破壊防止/形状保持)することができる。そのため、コンクリート片の散逸に伴う被害を抑えることができる。
次に、上述した実施の形態による桟橋1(片持ち梁構造)の効果を裏付けるために行った試験例(実施例1、2)について以下説明する。
(実施例1)
実施例1では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布しない試験体1と、ポリウレア樹脂を塗布した試験体2、3、4とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1〜4の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1〜4の梁材は、縦100mm×横120mmで長さ寸法が1200mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mmのコンクリートを使用している。さらに、試験体2〜4の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1〜4を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1〜4の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
ここで、試験体1は梁材の6面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体2は梁材の6面に塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体3は梁材のうち長さ方向を水平方向に向けた状態で上面および下面の2面のみに塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したもの(4側面にポリウレア樹脂を塗布しない場合)であり、試験体4は鉄筋とポリウレア樹脂を施していないものである。
図6は、上記試験体1〜4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図6に示すように、試験体1の場合には、変形量δが略40mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上下2面にポリウレア樹脂2mmを塗布した試験体2の場合は、変形量δが略60mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体1の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2においては、降伏後(図6の降伏点P1より右側)でも30kNの荷重が維持されていることが確認できることから、ラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
(実施例2)
次に、実施例2では、上記実施例1における梁材の6面に塗布厚2mmでポリウレア樹脂を塗布し、衝撃曲げ試験で載荷速度を変えた試験を行い、変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
第1試験T1は4m/s(高速)の載荷速度とし、第2試験T2は0.5〜1m/s(中速)の載荷速度とし、第3試験T3は0.1〜0.5m/s(低速)の載荷速度とし、第4試験T4は0.0001m/s(準静的速度)の載荷速度とした。
図7は、上記第1試験T1〜第4試験T4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図7に示すように、各試験T1〜T4ともに降伏後でも準静的最大荷重が維持されていることがわかる。このことから、ポリウレア樹脂を梁材の6面全体にわたって塗布する場合には、載荷速度にかかわらず、準静的最大荷重が維持されることを確認することができる。このとき、梁材の試験体は大きく変形し、約5度程度の角度で屈曲していたが、コンクリート片が生じることもなく、梁材としての形状が保持されていた。このように、ポリウレア樹脂を塗布した梁材は、衝撃や持続的な加力に対して有効であり、コンクリート片の発生を防ぐことができることが確認できた。
(実施例3)
次に、実施例3では、図8(a)に示すように、コンクリート製のU字溝10を使用し、躯体表面にポリウレア樹脂3を塗布した第1U字溝10Aものと、塗布のない第2U字溝10Bに対して破壊試験を行い、変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
ポリウレア樹脂3を塗布した第1U字溝10Aは、妻部10bを除いた表面全周(曲げ引っ張りの生じる部分の躯体表面)に塗布厚2mmでポリウレア樹脂3を塗布したものである。そして、試験体であるU字溝10を側壁11を水平にした状態で、その側壁11の先端寄りの位置Pに側壁11から1m上方より20kgの重錘を落下させ、破壊が確認できる落下回数を確認する試験を行った。
この結果、図8(b)に示すように、ポリウレア樹脂3を被覆していない第2U字溝10Bでは、3回の重水の落下で隅角部10aより破壊(符号Kは亀裂)が進行し、隅角部10aを基点にして側壁11が下側に向けて折れ曲がっていることが確認された。
一方、図8(c)に示すように、ポリウレア樹脂3を被覆した第2U字溝10Aでは、20回を超えても、側壁11の躯体に亀裂K(破壊)、具体的には貫通亀裂や圧壊部分が確認されたものの、第U字溝10のような底壁12に対する側壁11の折れ曲がりは確認されなかった。
これにより、ポリウレア樹脂3によってコンクリートからなる躯体が拘束され、コンクリート片として分離することがなく、U字溝として形状が保持されていることを確認することができた。
以上、本発明による片持ち梁構造および桟橋構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では片持ち梁構造として桟橋1を適用対象としているが、これに限定されることはなく、例えば井桁構造や柵構造などで張出し部が形成される構造に適用することが可能である。
また、例えば張出し部の下側を通路として使用する構造などの場合、その張出し部の下側への漏水を防止する機能も求められているため、補強塗膜を目地部を跨いで塗布させて目地部を被覆するように設けることが好ましい。これにより、目地部が破損し、目地部が一旦大きく開いたとしても、補強塗膜の変形抵抗力によって戻る方向(すなわち、開かれた目地部を閉じる方向)の力が作用し、その結果、最終的な目地部の開き量が小さく抑えられるという効果を奏する。
また、上記した実施の形態では桟橋本体22の上面22aと下面22bのみに補強塗膜3を設けた構成としているが、このような被覆範囲に限定されることはなく、側面や先端面(図2に示す符号22c、22d)に補強塗膜3を被覆した構成とすることも可能である。この場合、桟橋本体22の躯体2の表面全体が補強塗膜3によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより一層効果的に発揮される。
また、補強塗膜3において、例えばガラス片やガラス繊維、ガラスフリット等を分散させてなる不燃性を有する混入材を、ポリウレア樹脂に混入させることも可能である。あるいは混入材として、例えばコンクリート、煉瓦、瓦、石綿スレート、鉄鋼、アルミニウム、モルタル、漆喰等のガラス以外の不燃材料であっても良い。
また、上記した実施の形態では、補強塗膜3として、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレア樹脂が用いられているが、本発明は、イソシアネートとポリオールとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレタン樹脂を補強塗膜として用いることも可能であり、また、イソシアネートとポリオールとアミンとの化学反応により形成された化合物からなる樹脂を補強塗膜として用いることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 桟橋(片持ち梁構造)
2 躯体
3 補強塗膜
21 岸壁体
21a 上面
21b 側面
22 桟橋本体
22a 上面
22b 下面
22c 側面
22d 先端面

Claims (3)

  1. 基端部と、該基端部から突出する自由端を有する張出し部と、が一体的に接合され、前記基端部及び前記張出し部に衝撃力が作用するコンクリート造からなる躯体のうち、前記張出し部の上面および下面と、前記基端部の上面と、前記基端部において前記張出し部および前記基端部の接合部を構成する角部を含む前記張出し部側の側面と、の表面が包み込まれた状態で樹脂製の補強塗膜により被覆されてなり、前記衝撃力により前記躯体の変形が塑性域に達して前記躯体のコンクリートが破壊される片持ち梁構造において、
    前記補強塗膜は、引張強度が10〜25MPa、破断伸びが200%以上の物性を有するポリウレア樹脂、又はポリウレタン樹脂からなり、前記躯体の表面を2〜4mmの範囲の塗布厚で被覆されてなり、
    前記躯体のコンクリートが破壊されても、前記補強塗膜の変形抵抗力によって前記補強塗膜によって被覆された前記躯体の形状が保持された状態をなし、
    前記躯体の局所破壊および全体破壊防止可能に設けられていることを特徴とする片持ち梁構造。
  2. 前記補強塗膜は、前記躯体の表面全体に設けられていることを特徴とする請求項に記載の片持ち梁構造。
  3. 請求項に記載の片持ち梁構造からなる桟橋構造であって、
    前記基端部は、海岸線に沿って延設された岸壁体であり、
    前記張出し部は、前記岸壁体の上端から延設された桟橋本体であり、
    前記桟橋本体の上面および下面と、前記岸壁体の上面および海側の側面と、に前記補強塗膜が被覆されていることを特徴とする桟橋構造。
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