JP6061393B2 - 劣化状態評価装置、劣化状態評価方法及び劣化状態評価プログラム - Google Patents

劣化状態評価装置、劣化状態評価方法及び劣化状態評価プログラム Download PDF

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Description

この発明は、被塗装物の表面に塗膜を有する評価対象物の劣化状態を評価する劣化状態評価装置、劣化状態評価方法及び劣化状態評価プログラムに関する。
鋼構造物の防食を目的として塗装する場合、防食性、耐侯性、景観性など異なる性能を有する塗料を塗り重ねた複合塗膜(以下、塗装系と呼ぶ)が一般に適用される。近年、塗替え塗装周期の延伸による維持管理費用低減のニーズから、長期防食性の期待できる塗装系が主流となっており、その防食性は室内促進劣化試験による経時の外観変化から評価されることが多い。しかしながら、防食性の高い塗装系は塗膜変状を生じにくく、目視で定量的かつ短期間に防食性を評価するのは困難である。一方、目視以外の防食性評価手法には付着性評価やピンホール試験などの破壊試験もある。
従来の付着性試験方法は、金属素地の表面に非導電性のコーティング物を有する検査対象物の被検面に電解溶液の溜りを作る非導電性の囲い部材と、この囲い部材内の電解液中に位置する電極と、検査対象物の金属素地側がカソード側になり電極側がアノード側になるように電流を流す給電手段と、カソード電流を検出する電流検出手段と、カソード電流の密度及びピーク変動比の演算結果に基づいてコーティング物の付着性を判定する付着性判定手段とを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の付着性試験方法では、コーティング物の表面から金属素地に達する人工傷を付け、電解溶液中の金属素地と電極との間を電気的に短絡状態にして、コーティング物の付着性を判定している。
特開平07-234202号公報
従来の付着性試験方法は、コーティング物の表面から金属素地に達する人工傷を付ける必要があるため、破壊個所近傍の塗膜は評価対象外となり、試験に供する試験片枚数が増加してしまう問題点がある。また、従来の付着性試験方法は、試験片のような小型の検査対象物の場合には防食性を容易に評価することができるが、現場の実構造物のような大型の検査対象物の場合には防食性を容易に評価することができない問題点がある。
鉄道の鋼橋などの鋼構造物では、現場において主に鉄桁の塗装劣化状態が目視により検査されており、「塗装劣化状態およびケレン程度見本帳」(鉄道総合技術研究所発行)の見本写真と鉄桁とを対照して、さび、ふくれ、はがれなどの劣化状態を判定し、塗膜劣化状態について検査され塗り替え時期が判定されている。その結果、被塗装部の塗膜の耐用年数を経過し、塗膜が劣化し、亀裂、はく離及びさびなどが発生したり、塗面が著しく変色したりして、塗膜劣化現象が生じて被塗装部自体の劣化が懸念される場合には、適正な下地調整をして塗り替え塗装が実施される。このような塗り替え塗装では、被塗装部の表面の塗膜をはく離するとともに、被塗装部の表面のさび、油脂、汚れその他塗料の付着性や防錆に有害な物質を、サンドブラストなどの機械的処理や酸洗いなどの化学的処理によって再塗装前に除去している。しかし、被塗装部の表面のさびを完全に除去することは実際には困難であるため、さびが残存している被塗装部の表面を再塗装している。このような被塗装部の表面にさびが残存している箇所は、腐食が激しい箇所でもあるため、被塗装部の表面にさびが残存している箇所における再塗装後の塗膜の変状や耐久性をモニタリングする必要がある。
この発明の課題は、被塗装部の腐食や塗膜の減耗による劣化状態を非破壊で簡単に評価することができる劣化状態評価装置、劣化状態評価方法及び劣化状態評価プログラムを提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図〜図4に示すように、被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A,3B)の劣化状態を評価する劣化状態評価装置であって、前記評価対象物の質量(M10,…,M1N,M20,…,M2N)の時間変化を表す質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3N)を演算する質量変化量演算部(6c)と、前記質量変化量演算部の演算結果に基づいて、前記評価対象物の劣化状態(D11,…,D1N,D31,…,D3N)を評価する劣化状態評価部(6f)とを備え前記評価対象物は、実構造物(1)の被塗装部(2a)と同一材質の被塗装部(3a)の表面に、この実構造物の被塗装部の表面の塗膜(2b)と同一材質及び同一膜厚の塗膜(3b)を有し、前記実構造物の塗り替え時にこの評価対象物の被塗装部の表面に塗膜を形成し、この実構造物と同一環境下に所定時間配置され、前記質量変化量演算部は、前記所定時間経過後の前記評価対象物を所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物の質量変化量を演算し、前記劣化状態評価部は、前記評価対象物の質量変化量に基づいてこの評価対象物の劣化状態を評価することによって、前記実構造物の劣化状態を評価すること特徴とする劣化状態評価装置(6)である。
請求項2の発明は、請求項に記載の劣化状態評価装置において、図2、図3(A)及び図4に示すように、前記質量変化量演算部は、さび(R)のない被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A)の質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)に基づいて、この評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)を演算し、前記劣化状態評価部は、前記評価対象物(1)の塗膜(2b)の減耗による質量変化量に基づいて、前記実構造物の塗膜の減耗による劣化状態(D11,…,D1N)を評価することを特徴とする劣化状態評価装置である。
請求項3の発明は、請求項又は請求項に記載の劣化状態評価装置において、図2〜図4に示すように、前記質量変化量演算部は、さび(R)のある被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3B)の質量変化量(ΔM21,…,ΔM2N)と、さび(R)のない被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A)の質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)との差に基づいて、この評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量(ΔM31,…,ΔM3N)を演算し、前記劣化状態評価部は、前記評価対象物(1)の被塗装部(2a)の腐食による質量変化量に基づいて、前記実構造物の被塗装部の腐食による劣化状態(D31,…,D3N)を評価することを特徴とする劣化状態評価装置である。
請求項4の発明は、図〜図4及び図9に示すように、被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A,3B)の劣化状態を評価する劣化状態評価方法であって、前記評価対象物の質量(M10,…,M1N,M20,…,M2N)の時間変化を示す質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3N)を演算する質量変化量演算工程(#160)と、前記質量変化量演算工程における演算結果に基づいて、前記評価対象物の劣化状態(D11,…,D1N,D31,…,D3N)を評価する劣化状態評価工程(#170)とを含み前記評価対象物は、実構造物(1)の被塗装部(2a)と同一材質の被塗装部(3a)の表面に、この実構造物の被塗装部の表面の塗膜(2b)と同一材質及び同一膜厚の塗膜(3b)を有し、前記実構造物の塗り替え時にこの評価対象物の被塗装部の表面に塗膜を形成し、この実構造物と同一環境下に所定時間配置され、前記質量変化量演算工程は、前記所定時間経過後の前記評価対象物を所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物の質量変化量を演算する工程を含み、前記劣化状態評価工程は、前記評価対象物の質量変化量に基づいてこの評価対象物の劣化状態を評価することによって、前記実構造物の劣化状態を評価する工程を含むこと特徴とする劣化状態評価方法(#100)である。
請求項5の発明は、請求項に記載の劣化状態評価方法において、図2、図3(A)、図4及び図9に示すように、前記質量変化量演算工程は、さび(R)のない被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A)の質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)に基づいて、この評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)を演算する工程を含み、前記劣化状態評価工程は、前記評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量に基づいて、前記実構造物(1)の塗膜(2b)の減耗による劣化状態(D11,…,D1N)を評価する工程を含むことを特徴とする劣化状態評価方法である。
請求項6の発明は、請求項又は請求項に記載の劣化状態評価方法において、図2〜図4及び図9に示すように、前記質量変化量演算工程は、さび(R)のある被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3B)の質量変化量(ΔM21,…,ΔM2N)と、さび(R)のない被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A)の質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)との差に基づいて、この評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量(ΔM31,…,ΔM3N)を演算する工程を含み、前記劣化状態評価工程は、前記評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量に基づいて、前記実構造物(1)の被塗装部(2a)の腐食による劣化状態(D31,…,D3N)を評価する工程を含むことを特徴とする劣化状態評価方法である。
請求項7の発明は、図〜図4及び図10に示すように、被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A,3B)の劣化状態を評価する劣化状態評価プログラムであって、前記評価対象物の質量(M10,…,M1N,M20,…,M2N)の時間変化を表す質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3N)を演算する質量変化量演算手順(S120)と、前記質量変化量演算手順における演算結果に基づいて、前記評価対象物の劣化状態(D11,…,D1N,D31,…,D3N)を評価する劣化状態評価手順(S140)とをコンピュータに実行させ前記評価対象物は、実構造物(1)の被塗装部(2a)と同一材質の被塗装部(3a)の表面に、この実構造物の被塗装部の表面の塗膜(2b)と同一材質及び同一膜厚の塗膜(3b)を有し、前記実構造物の塗り替え時にこの評価対象物の被塗装部の表面に塗膜を形成し、この実構造物と同一環境下に所定時間配置され、前記質量変化量演算手順は、前記所定時間経過後の前記評価対象物を所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物の質量変化量を演算する手順を含み、前記劣化状態評価手順は、前記評価対象物の質量変化量に基づいてこの評価対象物の劣化状態を評価することによって、前記実構造物の劣化状態を評価する手順を含むこと特徴とする劣化状態評価プログラムである。
請求項8の発明は、請求項に記載の劣化状態評価プログラムにおいて、図2、図3(A)、図4及び図10に示すように、前記質量変化量演算手順は、さび(R)のない被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A)の質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)に基づいて、この評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)を演算する手順を含み、前記劣化状態評価手順は、前記評価対象物(1)の塗膜(2b)の減耗による質量変化量に基づいて、前記実構造物の塗膜の減耗による劣化状態(D11,…,D1N)を評価する手順を含むことを特徴とする劣化状態評価プログラムである。
請求項9の発明は、請求項又は請求項に記載の劣化状態評価プログラムにおいて、図2〜図4及び図10に示すように、前記質量変化量演算手順は、さび(R)のある被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3A)の質量変化量(ΔM21,…,ΔM2N)と、さび(R)のない被塗装部(3a)の表面に塗膜(3b)を有する評価対象物(3B)の質量変化量(ΔM11,…,ΔM1N)との差に基づいて、この評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量(ΔM31,…,ΔM3N)を演算する手順を含み、前記劣化状態評価手順は、前記評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量に基づいて、前記実構造物(1)の被塗装部(2a)の腐食による劣化状態(D31,…,D3N)を評価する手順を含むことを特徴とする劣化状態評価プログラムである。
この発明によると、被塗装部の腐食や塗膜の減耗による劣化状態を非破壊で簡単に評価することができる。
この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置によって劣化状態が評価される鋼構造物を模式的に示す斜視図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置によって劣化状態が評価される鋼構造物の塗替え塗装工事後の状態を模式的に示す断面図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置によって劣化状態が評価される評価対象物を模式的に示す断面図であり、(A)はさびのない被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の断面図であり、(B)はさびのある被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の断面図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置の構成図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態測定装置の質量情報記憶部のデータ構造を概略的に示す模式図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態測定装置の質量変化量情報記憶部のデータ構造を概略的に示す模式図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態測定装置の相関情報記憶部のデータ構造を概略的に示す模式図であり、(A)は評価対象物の塗膜の減耗による劣化状態と質量変化量との相関関係を概略的に示す模式図であり、(B)は評価対象物の被塗装部の腐食による劣化状と質量変化量との相関関係を概略的に示す模式図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置の劣化状態情報記憶部のデータ構造を概略的に示す模式図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態評価方法の工程図である。 この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施例に係る試験片の乾燥時間と質量変化量との関係を示すグラフである。 この発明の実施例に係る試験片のサイクル毎の質量変化量及び塗膜膨れによる変状面積率を示すグラフである。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1及び図2に示す実構造物1は、実際の現場に設置される構造物であり、鋼材によって構成された固定構造物である。実構造物1は、例えば、鉄道車両が走行する線路の下部に空間を確保し列車の荷重を支持する橋梁などの鋼構造物である。実構造物1は、図1に示すように、鋼板と山形鋼とを溶接などによって接合してI形の桁に組み立てた主桁1aを備えており、この主桁1aは主桁1aの下部板を形成する下フランジ1bと、主桁1aの上部板を構成する上フランジ1cと、下フランジ1bと上フランジ1cとを結合する腹板1dなどから構成されている。実構造物1は、例えば、鉄道の鋼橋の場合には通常20年前後毎(特に腐食の激しい鉄道の鋼橋の場合には5〜6年毎)に塗り替え塗装工事が実施される。実構造物1は、図2に示すように、被塗装部2aと塗膜2bなどを備えており、被塗装部2aの表面に塗膜2bを有する。
被塗装部2aは、実構造物1の素材を構成する部分である。被塗装部2aは、例えば、一般構造用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材又は溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材などの鋼材である。塗膜2bは、実構造物1の腐食を防止する塗料によって形成される部分である。塗膜2bは、例えば、防食性、耐候性及び景観性などの異なる性能を有する塗料を塗り重ねて形成された複合塗膜である。塗膜2bは、例えば、ショットブラスト、サンドブラスト、ケレンハンマなどの機械的な処理、又は塩酸、硫酸、リン酸などで酸洗いする化学的処理によって、実構造物1の被塗装部2aの表面(被塗装面)上のさび、油脂、汚れ、その他塗料の付着性や防錆に有害な物質を除去する素地調整(ケレン)が実施された後に、この実構造物1の被塗装部2aの表面に塗布されて形成される。塗膜2bは、図2に示すように、実構造物1の被塗装部2aの表面のさびRを素地調整によって完全に除去されたときにはこの被塗装部2aの表面に形成されるが、被塗装部2aの表面のさびRを素地調整によって完全に除去できなかったときにはこのさびRの表面にも形成される。
さびRは、実構造物1の被塗装部2aの表面に発生する酸化物又は水酸化物による腐食生成物である。さびRは、主として大気中に触れている鉄表面に生成する水酸化物又は酸化物を主体とする化合物であり、鉄(Fe)が腐食により水酸化鉄(Fe(OH)2)や含水水酸化鉄(FeOOH)などの化合物になることで生成される。さびRは、塗膜2b内に浸入した水分及び酸素と被塗装部2aの表面との電気化学的な反応により生成される。
図3及び図4に示す評価対象物3A,3Bは、劣化状態評価装置6によって劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nが評価される対象物である。評価対象物3A,3Bは、図1に示す実構造物1の塗り替え塗装工事完了時に、図2に示すような実構造物1の表面のさびRを素地調整によって完全に除去できなかった箇所の近くに、図1に示すように接着剤などによって取り付けられ配置される。評価対象物3A,3Bは、図3に示すように、被塗装部3aと塗膜3bなどを備えており、被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する。図3(A)に示す評価対象物3Aは、図2に示すさびRが完全に除去された被塗装部2aの表面に塗膜2bを有する実構造物1を模擬した試験片である。評価対象物3Aは、図3(A)に示すように、さびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有しており、被塗装部3aの表面からさびRを素地調整によって完全に除去した状態で、この被塗装部3aの表面に塗膜3bが形成されている。一方、図3(B)に示す評価対象物3Bは、図2に示すさびRが完全に除去されていない被塗装部2aの表面に塗膜2bを有する実構造物1を模擬した試験片である。評価対象物3Bは、図2に示すように、実構造物1の被塗装部2aからさびRを不完全に除去した状態で、この被塗装部2aに塗膜2bが形成された実構造物1と同じ状態である。評価対象物3Bは、図3(B)に示すように、さびRのある被塗装部3aの表面に塗膜3bを有しており、被塗装部3aの表面のさびRを素地調整によって完全に除去していない状態で、この被塗装部3aの表面に塗膜3bが形成されている。評価対象物3A,3Bは、図1に示すように、実構造物1の塗り替え時に被塗装部3aの表面に塗膜3bを形成して、この実構造物1と同一環境下に所定時間(例えば、1年以上2年以下)配置される。
図3に示す被塗装部3aは、実構造物1と同一材質の部材である。被塗装部3aは、例えば、図1及び図3に示すように、所定の厚さに形成されており、図1に示すように外観が四角形の板状部材である。図3に示す塗膜3bは、実構造物1の被塗装部2aの表面の塗膜2bと同一材質及び同一膜厚の部材である。塗膜3bは、図1及び図2に示す実構造物1の塗り替え時に被塗装部3aの表面に塗装され形成される。
図4に示す乾燥装置4は、評価対象物3A,3Bを乾燥する装置である。乾燥装置4は、評価対象物3A,3Bを乾燥室内に収容した状態でこの乾燥室内を真空状態にしてこの評価対象物3A,3Bを乾燥させる。乾燥装置4は、例えば、気圧の低い状態では100℃以下で水が気化する原理を利用して、評価対象物3A,3Bを乾燥させる真空乾燥機などであり、加熱方式のように温度を上げずに水分を除去可能であり、評価対象物3A,3Bを熱により傷めずに、水分を含む評価対象物3A,3Bを減量可能である。
質量測定装置5は、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを測定する装置である。質量測定装置5は、塵や気流が測定結果に影響を与えないように収容室内に評価対象物3A,3Bを収容した状態でこの評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを測定する。質量測定装置5は、例えば、荷重を歪み量に変換して評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを測定するロードセル式の電子天秤、又は磁石の外周のコイルに流れる電流を調整して荷重と釣り合うときの電流値から評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを測定する電磁式の電子天秤のような精密天秤である。
図4に示す劣化状態評価装置6は、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する装置である。劣化状態評価装置6は、評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nに基づいて、被塗装部3aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1N及び腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価することによって、実構造物1の被塗装部2aの塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1N及び腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価装置6は、例えば、新品の実構造物1の劣化状態を評価するのではなく、塗り替え塗装工事によって素地調整されて再塗装された後の実構造物1の劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価装置6は、図4に示すように、質量情報入力部6aと、質量情報記憶部6bと、質量変化量演算部6cと、質量変化量情報記憶部6dと、相関関係情報記憶部6eと、劣化状態評価部6fと、劣化状態情報記憶部6gと、劣化状態評価プログラム記憶部6hと、表示部6iと、制御部6jなどを備えている。劣化状態評価装置6は、パーソナルコンピュータなどを中心として構成されており、劣化状態評価プログラムに従って所定の処理を実行する。
質量情報入力部6aは、評価対象物3A,3Bの質量情報を入力させる手段である。質量情報入力部6aは、質量測定装置5による測定結果を使用者の手動操作によって入力する入力装置又は補助入力装置などである。質量情報入力部6aは、質量測定装置5による測定結果を質量情報(質量信号)として制御部6jに出力する。
図4及び図5に示す質量情報記憶部6bは、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを記憶する手段である。質量情報記憶部6bは、例えば、質量測定装置5が測定した評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを質量情報として記憶するメモリなどである。質量情報記憶部6bは、図5に示すように、各実構造物1を区別するために各実構造物1に付与されている固有情報(実構造物識別情報)I1,…,IN毎に、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを時間T0,…,TNと対応させて質量情報としてそれぞれ記憶する。ここで、図5に示す時間T0は、実構造物1の塗り替え時であり、時間T1,…,TNは時間T0からの経過時間である。質量M10,…,M1Nは、時間T0,…,TNにおける評価対象物3Aの質量である。質量M20,…,M2Nは、時間T0,…,TNにおける評価対象物3Bの質量である。
図4に示す質量変化量演算部6cは、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nの時間変化を表す質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを演算する手段である。ここで、質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nは、時間T0を基準とする時間T1,…,TNにおける評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量M10,…,M1Nの時間変化である。質量変化量ΔM21,…,ΔM2Nは、時間T0を基準とする時間T1,…,TNにおける評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食及び塗膜3bの減耗による質量M20,…,M2Nの時間変化である。質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nは、時間T0を基準とする時間T1,…,TNにおける評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による質量M20,…,M2Nの時間変化である。質量変化量演算部6cは、時間T1,…,TN経過後の評価対象物3A,3Bを所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを演算する。ここで、乾燥時間は、200時間未満に設定すると、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを高精度に評価することが困難であるため、200時間以上に設定することが好ましい。質量変化量演算部6cは、時間T0における評価対象物3A,3Bの質量M10,M20を基準として、時間T1,…,TNにおける評価対象物3A,3Bの質量M11,…,M1N,M21,…,M2Nの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを演算する。
質量変化量演算部6cは、図3(A)に示すさびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに基づいて、この評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nを演算する。質量変化量演算部6cは、図5に示す時間TNにおける評価対象物3Aの質量変化量ΔM1Nを演算する場合には、時間TNにおける評価対象物3Aの質量M1Nから、時間T0における評価対象物3Aの質量M10を減算して、質量変化量ΔM1Nを演算する。質量変化量演算部6cは、例えば、時間T1における評価対象物3Aの質量M11から時間T0における評価対象物3Aの質量M0を減算して、時間T1における評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量変化量ΔM11(=質量M11−質量M10)を演算する。
質量変化量演算部6cは、図3(A)に示すさびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nと、図3(B)に示すさびRのある被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Bの質量変化量ΔM21,…,ΔM2Nとの差に基づいて、この評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nを演算する。質量変化量演算部6cは、図6に示す時間TNにおける評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による質量変化量ΔM3Nを演算する場合には、時間TNにおける評価対象物3Bの質量変化量ΔM2Nから、時間TNにおける評価対象物3Aの質量変化量ΔM1Nを減算して、質量変化量ΔM3Nを演算する。質量変化量演算部6cは、例えば、時間T1における評価対象物3Bの質量変化量ΔM21から、時間T1における評価対象物3Aの質量変化量ΔM11を減算して、時間T1における評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食に起因する質量変化量ΔM31(=質量変化量ΔM21−質量変化量ΔM11)を演算する。質量変化量演算部6cは、演算後の評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,M2N,ΔM31,…,ΔM3Nを質量変化量情報(質量変化量信号)として制御部6jに出力する。
図4及び図6に示す質量変化量情報記憶部6dは、評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,M1N,ΔM21,…,M2N,ΔM31,…,M3Nを記憶する手段である。質量情報記憶部6bは、例えば、質量変化量演算部6cが演算した評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを質量変化量情報として記憶するメモリなどである。質量変化量情報記憶部6dは、図6に示すように、評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを時間T1,…,TNと対応させて固有情報I1,…,IN毎に質量変化量情報としてそれぞれ記憶する。
図4及び図7に示す相関関係情報記憶部6eは、質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM31,…,ΔM3Nと劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nとの間の相関関係に関する相関関係情報C11,…,C1N,C31,…,C3Nを記憶する手段である。相関関係情報記憶部6eは、例えば、図7に示すように、評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM31,…,ΔM3Nと劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nとの対応関係を相関関係情報C11,…,C1N,C31,…,C3Nとして記憶するメモリなどである。相関関係情報記憶部6eは、評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM31,…,ΔM3Nと劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nとの相関関係C11,…,C1N,C31,…,C3Nを表す関数を固有情報I1,…,IN毎に記憶している。ここで、図7に示す縦軸は、質量変化量ΔM(mg)であり、横軸は劣化状態D(%)である。図7(A)に示す劣化状態D11,…,D1Nは、評価対象物3Aの塗膜3b及び実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化程度を0〜100%の数値で表している。図7(B)に示す劣化状態D31,…,D3Nは、評価対象物3Bの被塗装部3a及び実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化程度を0〜100%の数値で表している。相関関係情報記憶部6eは、図7(A)に示すように、塗膜3bの減耗による評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nと劣化状態D11,…,D1Nとの相関関係を相関関係情報C11,…,C1Nとして記憶している。相関関係情報記憶部6eは、例えば、評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nの減少に応じて塗膜3bの減耗が進行するような一次関数的な直線を相関関係情報C11,…,C1Nとして記憶している。相関関係情報記憶部6eは、図7(B)に示すように、被塗装部3aの腐食による評価対象物3Bの質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nと劣化状態D31,…,D3Nとの相関関係を相関関係情報C31,…,C3Nとして記憶している。相関関係情報記憶部6eは、例えば、評価対象物3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nの増加に応じて被塗装部3aの腐食が進行するような指数関数的な曲線を相関関係情報C31,…,C3Nとして記憶している。相関関係情報記憶部6eは、例えば、評価対象物3A,3Bと同一の試験片を用意し、実構造物1と同一環境下を模擬した室内促進劣化試験などの腐食試験をこの試験片に実施したときに、この試験片の質量変化量と劣化状態との相関関係を測定して相関関係情報C11,…,C1N,C31,…,C3Nとして予め記憶する。
図4及び図8に示す劣化状態評価部6fは、質量変化量演算部6cの演算結果に基づいて、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する手段である。劣化状態評価部6fは、評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3N及び評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価する。劣化状態評価部6fは、図1、図3及び図4に示す評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nに基づいてこの評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価することによって、図1、図2及び図4に示す実構造物1の劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価部6fは、図3(A)に示す評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに基づいて、図1及び図2に示す実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価する。劣化状態評価部6fは、図7(A)に示す相関関係情報記憶部6eが記憶する相関関係情報C11,…,C1Nを参照して、質量変化量演算部6cが演算した質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに対応する評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価し、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価する。また、劣化状態評価部6fは、図3(B)に示す評価対象物3Aの被塗装部3aの腐食による質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nに基づいて、図1及び図2に示す実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価部6fは、図7(B)に示す相関関係情報記憶部6eが記憶する相関関係情報C31,…,C3Nを参照して、質量変化量演算部6cが演算した質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nに対応する評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価し、実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価部6fは、例えば、固有情報I1の実構造物1の塗り替え時(時間T0)から所定時間(時間TN)経過した時のこの実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D1Nを評価するときには、図7(A)に示すように相関関係情報C11から質量変化量ΔM1N(mg)に対応する劣化状態D1N(%)であると評価する。劣化状態評価部6fは、例えば、固有情報I1の実構造物1の塗り替え時(時間T0)から所定時間(時間TN)経過した時のこの実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D3Nを評価するときには、図7(B)に示すように相関関係情報C31から質量変化量ΔM3N(mg)に対応する劣化状態D3N(%)であると評価する。劣化状態評価部6fは、評価後の実構造物1の劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを劣化状態情報(劣化状態信号)として制御部6jに出力する。
図4及び図8に示す劣化状態情報記憶部6gは、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを記憶する手段である。劣化状態情報記憶部6gは、例えば、図4に示す劣化状態評価部6fが評価した評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを劣化状態情報として記憶するメモリなどである。劣化状態情報記憶部6gは、図8に示すように、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3N及び実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを時間T1,…,TNと対応させて固有情報I1,…,IN毎に質量変化量情報としてそれぞれ記憶する。
図4に示す劣化状態評価プログラム記憶部6hは、被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する劣化状態評価プログラムを記憶する手段である。劣化状態評価プログラム記憶部6hは、情報記録媒体から読み取った劣化状態評価プログラム、又は電気通信回線を通じて取り込まれた劣化状態評価プログラムなどを記憶するメモリである。
表示部6iは、種々の情報を表示する手段である。表示部6iは、例えば、図8に示すような実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1N及び実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを固有情報I1,…,IN毎に表示する。
図4に示す制御部6jは、劣化状態評価装置6に関する種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部6jは、劣化状態評価プログラム記憶部6hから劣化状態評価プログラムを読み出して、この劣化状態評価プログラムに従って所定の評価処理を実行する。制御部6jは、質量情報入力部6aが出力する質量情報を質量情報記憶部6bに出力したり、質量情報記憶部6bに質量情報の記憶を指令したり、質量情報記憶部6bから質量情報を読み出して質量変化量演算部6cにこの質量情報を出力したり、質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nの演算を質量変化量演算部6cに指令したり、質量変化量情報を質量変化量情報記憶部6dに出力したり、質量変化量情報記憶部6dに質量変化量情報の記憶を指令したり、相関関係情報記憶部6eから相関関係情報C11,…,C1N,C31,…,C3Nを読み出してこの相関関係情報C11,…,C1N,C31,…,C3Nを劣化状態評価部6fに出力したり、劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nの評価を劣化状態評価部6fに指令したり、劣化状態情報記憶部6gに劣化状態情報を出力したり、劣化状態情報記憶部6gに劣化状態情報の記憶を指令したり、劣化状態情報記憶部6gから劣化状態情報を読み出してこの劣化状態情報を表示部6iに出力したり、劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nの表示を表示部6iに指令したりする。制御部6jには、質量情報入力部6a、質量情報記憶部6b、質量変化量演算部6c、質量変化量情報記憶部6d、相関関係情報記憶部6e、劣化状態評価部6f、劣化状態情報記憶部6g、劣化状態評価プログラム記憶部6h及び表示部6iなどが相互に通信可能なようにバスなどの通信手段によって接続されている。
次に、この発明の実施形態に係る劣化状態評価方法を説明する。
図9に示す劣化状態評価方法#100は、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する方法である。劣化状態評価方法#100は、図3に示す評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを演算し、塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1N及び被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価することによって、図1及び図2に示す実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1N及び被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価方法#100は、図9に示すように、評価対象物製造工程#110と、評価対象物設置工程#120と、評価対象物回収工程#130と、乾燥工程#140と、質量測定工程#150と、質量変化量測定工程#160と、劣化状態評価工程#170などを含む。
評価対象物製造工程#110は、評価対象物3A,3Bを製造する工程である。評価対象物製造工程#110では、図3(A)に示すように、さびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを形成して評価対象物3Aを製造する。評価対象物製造工程#110では、実構造物1の被塗装部2aの表面の素地調整によって、完全にさびRを除去できさびRが残存していない状態と同程度の被塗装部3aの表面に塗膜3bを形成して、評価対象物3Aを製造する。また、評価対象物製造工程#110では、図3(B)に示すように、さびRのある被塗装部3aの表面に塗膜3bを形成して評価対象物3Bを製造する。評価対象物製造工程#110では、実構造物1の被塗装部2aの表面の素地調整によって、完全にさびRを除去できずさびRが残存している状態と同程度の被塗装部3aの表面に塗膜3bを形成して、評価対象物3Bを製造する。評価対象物製造工程#110では、図1及び図2に示す実構造物1の塗り替え塗装完了と同時に、実構造物1の被塗装部2aと同一材質の被塗装部3aの表面に、この実構造物1の塗膜2bと同一材質及び同一膜厚の塗膜3bを形成して評価対象物3A,3Bを製造する。
評価対象物設置工程#120は、評価対象物3A,3Bを実構造物1に設置する工程である。評価対象物設置工程#120では、図1に示すように、評価対象物製造工程#110において製造した評価対象物3A,3Bを、実構造物1の塗り替え塗装完了と同時に、この評価対象物3A,3Bの塗膜3b側が表側になるように実構造物1の塗膜2bの表面に並べて設置する。評価対象物設置工程#120では、図2に示すように、実構造物1の被塗装部2aの表面の素地調整によって完全にさびRを除去できずさびRが残存している箇所の近くに、評価対象物3A,3Bを実構造物1とともに同一環境下に所定時間経過するまで設置する。
評価対象物回収工程#130は、評価対象物3A,3Bを実構造物1から回収する工程である。評価対象物回収工程#130では、評価対象物設置工程#120において設置した評価対象物3A,3Bを塗り替え塗装完了から所定時間経過後に、図4に示すように実構造物1から取り外して回収する。評価対象物回収工程#130では、例えば、実構造物1の塗り替え塗装工事が10〜15年毎に実施されるときには、この塗り替え塗装工事の実施予定期間よりも短い期間内で評価対象物3A,3Bを回収する。
乾燥工程#140は、評価対象物3A,3Bを乾燥する工程である。乾燥工程#140では、図4に示すように、評価対象物回収工程#130において評価対象物3A,3Bを実構造物1から取り外した後に、この評価対象物3A,3Bを回収して乾燥装置4の乾燥室内で真空状態にして乾燥させる。乾燥工程#140では、例えば、評価対象物3A,3Bを200時間以上の乾燥時間で乾燥させて、評価対象物3A,3Bから水分を除去する。
質量測定工程#150は、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを測定する工程である。質量測定工程#150では、図4に示すように、乾燥工程#140において乾燥した評価対象物3A,3Bを乾燥装置4の乾燥室内から取り出した後に、この評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを質量測定装置5によって測定する。
質量変化量測定工程#160は、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nの時間変化を表す質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを演算する工程である。質量変化量測定工程#160では、質量測定工程#150において測定した評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを、図4に示す劣化状態評価装置6の質量情報入力部6aを使用して使用者が入力すると、図6に示す評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nが演算される。質量変化量測定工程#160では、実構造物1に評価対象物3A,3Bを設置してから所定時間経過後の評価対象物3A,3Bを所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを演算する。質量変化量演算工程#160では、図3(A)に示すさびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに基づいて、この評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量変化量ΔM11,…,ΔM1を演算する。また、質量変化量演算工程#160では、図3(B)に示すさびRのある被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Bの質量変化量ΔM21,…,ΔM2Nと、図3(A)に示すさびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nとの差に基づいて、この評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nを演算する。
劣化状態評価工程#170は、質量変化量測定工程#160における演算結果に基づいて、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する工程である。劣化状態評価工程#170では、評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3N及び評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nが評価される。劣化状態評価工程#170では、評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nに基づいてこの評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価することによって、図1に示す実構造物1の劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価工程#170では、評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに基づいて、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価する。劣化状態評価工程#170では、例えば、図7(A)に示す相関関係情報C11,…,C1Nを参照して、質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに対応する評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nが評価されて、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nが評価される。また、劣化状態評価工程#170では、評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nに基づいて、実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価する。劣化状態評価工程#170では、例えば、図7(B)に示す相関関係情報C31,…,C3Nを参照して、質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nに対応する評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nが評価されて、実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nが評価される。劣化状態評価工程#170において評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nの評価が完了した後に、評価対象物設置工程#120においてこの評価対象物3A,3Bが実構造物1に戻されて再設置されて、評価対象物設置工程#120以降の工程が繰り返される。
次に、この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置の動作を説明する。
以下では、図2に示す制御部6jの動作を中心として説明する。
ステップ(以下、Sという)100において、劣化状態評価プログラム記憶部6hから劣化状態評価プログラムを制御部6jが読み込む。図示しない電源が使用者にON操作されると図4に示す劣化状態評価装置6に電力が供給されて、劣化状態評価プログラム記憶部6hから劣化状態評価プログラムを制御部6jが読み込み、一連の劣化状態評価処理を制御部6jが実行する。
S110において、質量情報が入力されているか否かを制御部6jが判断する。図4に示すように、実構造物1の塗り替え塗装完了から所定時間経過後に、評価対象物3A,3Bが実構造物1から回収されて、乾燥装置4によって乾燥され、質量測定装置5によって質量測定がされる。その後に、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを質量情報入力部6aによって使用者が入力すると、図5に示すように各固有情報I1,…,INに対応する評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nが質量情報記憶部6bに記憶される。評価したい実構造物1に対応する固有情報I1,…,INを使用者が選択すると、この固有情報I1,…,INに対応する評価対象物3A,3Bの質量情報を質量情報記憶部6bから制御部6jが検索する。評価したい実構造物1の固有情報I1,…,INに対応する質量情報が質量情報記憶部6bに記憶されていると制御部6jが判断したときにはS120に進み、評価したい実構造物1の固有情報I1,…,INに対応する質量情報が質量情報記憶部6bに記憶されていないと制御部6jが判断したときには一連の劣化状態評価処理を終了する。
S120において、質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nの演算を質量変化量演算部6cに制御部6jが指令する。評価したい実構造物1の固有情報I1,…,INに対応する質量情報を質量情報記憶部6bから制御部6jが読み出して、この質量情報を制御部6jが質量変化量演算部6cに出力すると、図6に示す質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを質量変化量演算部6cが演算する。
S130において、質量変化量情報の記憶を質量変化量情報記憶部6dに制御部6jが指令する。質量変化量演算部6cが質量変化量情報を制御部6jに出力すると、この質量変化量情報の記憶を質量変化量情報記憶部6dに制御部6jが指令し、この質量変化量情報を質量変化量情報記憶部6dが記憶する。
S140において、劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nの評価を劣化状態評価部6fに制御部6jに指令する。評価したい実構造物1の固有情報I1,…,INに対応する相関関係情報C11,…,C1N,C31,…,C3Nを相関関係情報記憶部6eから制御部6jが読み出して、この固有情報I1,…,INに対応する相関関係情報C11,…,C1N,C31,…,C3Nを劣化状態評価部6fに制御部6jが出力する。また、評価したい実構造物1の固有情報I1,…,INに対応する質量変化量情報を制御部6jが読み出して、この固有情報I1,…,INに対応する質量変化量情報を劣化状態評価部6fに制御部6jが出力する。その結果、図7(A)に示す相関関係情報C11,…,C1Nを劣化状態評価部6fが参照して、質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに対応する評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを劣化状態評価部6fが評価し、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを劣化状態評価部6fが評価する。また、図7(B)に示す相関関係情報C31,…,C3Nを劣化状態評価部6fが参照して、質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nに対応する評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを劣化状態評価部6fが評価し、実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを劣化状態評価部6fが評価する。
S150において、劣化状態情報の記憶を劣化状態情報記憶部6gに制御部6jが指令する。劣化状態評価部6fが劣化状態情報を制御部6jに出力すると、この劣化状態情報の記憶を劣化状態情報記憶部6gに制御部6jが指令し、図8に示すようにこの劣化状態情報を劣化状態情報記憶部6gが記憶する。
S160において、種々の情報の表示を表示部6iに制御部6jが指令する。その結果、例えば、図8に示すように、各固有情報I1,…,INに対応する実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1N及び実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nが表示部6iの画面上に表示される。
この発明の実施形態に係る劣化状態評価装置、劣化状態評価方法及び劣化状態評価プログラムには、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nの時間変化を表す質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを質量変化量演算部6cが演算し、この質量変化量演算部6cの演算結果に基づいて、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを劣化状態評価部6fが評価する。このため、評価対象物3A,3Bの被塗装部3aの腐食や塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを非破壊で簡単に評価することができる。その結果、外観ではなく質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nの変化から非破壊で塗膜3bの耐久性などを高精度に評価することができる。
(2) この実施形態では、被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3N及び/又は塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを劣化状態評価部6fが評価する。このため、目視以外の非破壊手法によって塗装系の防食性などを簡単に評価することができる。
(3) この実施形態では、評価対象物3A,3Bは実構造物1の被塗装部2aと同一材質の被塗装部3aの表面に、この実構造物1の被塗装部2aの表面の塗膜と同一材質及び同一膜厚の塗膜3bを有する。また、この実施形態では、評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM31,…,ΔM3Nに基づいてこの評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを劣化状態評価部6fが評価することによって、実構造物1の劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを劣化状態評価部6fが評価する。このため、実構造物1の被塗装部2aと同一材質であって塗膜2bと同一材質及び同一膜厚の評価対象物3A,3Bを試験片として用意し、この評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価することによって、実構造物1の劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを簡単に評価することができる。
(4) この実施形態では、実構造物1の塗り替え時に評価対象物3A,3Bの被塗装部3aの表面に塗膜を形成し、この実構造物1と同一環境下にこの評価対象物3A,3Bが所定時間配置される。また、この実施形態では、所定時間経過後の評価対象物3A,3Bを所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nを質量変化量演算部6cが演算する。このため、実構造物1と同一環境下に評価対象物3A,3Bを配置することによって、評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを高精度に評価することができる。また、評価対象物3A,3Bを適正な時間乾燥させることによって、評価対象物3A,3Bに水分が残存して評価対象物3A,3Bの質量変化量ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3Nに測定誤差が生ずるのを防ぐことができる。
(5) この実施形態では、さびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに基づいて、この評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nを質量変化量演算部6cが演算する。また、この実施形態では、評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに基づいて、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを劣化状態評価部6fが評価する。このため、評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価することによって、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを簡単に評価することができる。
(6) この実施形態では、さびRのある被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nと、さびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Bの質量変化量ΔM21,…,ΔM2Nとの差に基づいて、この評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nを質量変化量演算部6cが演算する。また、この実施形態では、評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nに基づいて、実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを劣化状態評価部6fが評価する。このため、評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価することによって、実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを簡単に評価することができる。
次に、この発明の実施例について説明する。
(乾燥時間決定のための事前試験)
(試験片)
塗膜下の腐食状態が異なる場合、塗膜及びさび中への吸水量が異なることが予想される。そこで、塗膜下での腐食状態が異なる試料として、表1に示す試験片A〜Eを用いて、乾燥時間決定のための事前試験を実施した。試験片A〜Eは、いずれもサンドブラスト処理したSS400冷間圧延鋼板(150mm×70mm×3.2mm)を使用した。鋼板の片面をエポキシ樹脂塗料で塗装した後に、試験片A〜Dについては、表1に示す腐食条件でもう一方の片面を腐食させて塗装さび鋼板とした。ワイヤブラシで浮きさびを除去した後、全ての試験片A〜Eを塗装した。適用する塗装系は、鉄道橋で用いられる長期耐久性の期待できる塗替え塗装系T-7とした。これは、厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料3回塗(標準塗布量200g/m2)の上に厚膜型ポリウレタン樹脂塗料1回塗(標準塗布量150g/m2)の塗装仕様である。さらに、実際の質量測定は室内促進劣化試験を実施後に真空乾燥するため、本試験においても、後述する鉄道総研式複合サイクル試験を実施した。このとき、試験片B〜Dについては複合サイクル試験を10サイクル実施し、塗膜下で腐食を進行させて変状面積率約50%の塗膜膨れを発生させた。
(試験手順)
室内促進劣化試験では、乾湿の繰返しにより塗膜の劣化反応や腐食反応を促進させるため、湿潤の工程で塗膜又はさび中への吸水が生じると、試験終了時に水分が残存し、試験片A〜Eの質量変化量を明確に測定できない可能性がある。 このため、真空乾燥機を用いて、各試験片A〜Eを60℃、約0.1kPaの雰囲気下に静置した。試験片A〜Eの質量を測定する場合には、各試験片A〜Eを真空乾燥機からデシケータに移し、30分後に精密天秤を用いて10mgの単位まで測定した。測定を終えた試験片A〜Eは再び真空乾燥機に戻し、次に測定するまで同じ温度及び気圧条件下で静置した。
(試験結果)
図11に示す縦軸は、質量変化量(mg)であり、横軸は乾燥時間(h)である。図11に示すように、いずれの試験片A〜Eについても、塗膜やさび中に含まれる水分の放出によると考えられる質量の減少が確認された。鋼材表面が腐食していない試験片Eよりも試験片A〜Dの方がより質量減少しており、さらには塩水噴霧時間が長い試験片ほど質量減少量が大きくなる傾向にある。質量減少量はいずれの試験片でも乾燥開始から約100時間までが大きく、それ以降はわずかな減少傾向にあった。このため、乾燥時間は少なくとも200時間以上とすることが望ましいと考えられ、本試験における乾燥時間を12日間(288時間)に定めた。以上より、図4に示す劣化状態評価装置6によって評価対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価する場合には、評価対象物3A,3Bの質量M10,…,M1N,M20,…,M2Nを測定する前に、適切な真空乾燥時間で評価対象物3A,3Bを乾燥させる必要があることが確認された。
(室内促進劣化試験後の試験片の質量測定)
(試験片)
次に、塗装さび鋼板の質量変化量と塗膜変状面積の関係を評価するために、表2に示す試験片F〜Hを用いて室内促進劣化試験を実施し、試験片F〜Hの質量を測定した。試験片F〜Hは、いずれもサンドブラスト処理したSS400冷間圧延鋼板(150mm×70mm×3.2mm)の片面をエポキシ樹脂塗料で塗装した後に、0.05w/w%塩水噴霧及び蒸留水噴霧を行い、もう一方の片面を腐食させた。各試験片F〜Hを表2に示す方法で素地調整した後、塗装系T-7を塗装した。試験片Fは、図3(B)に示すさびRのある被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Bに相当する。試験片G,Hは、図3(A)に示すさびRのない被塗装部3aの表面に塗膜3bを有する評価対象物3Aに相当する。
(試験手順)
室内促進劣化試験には、複合塗膜の耐久性を評価する場合に用いられる鉄道総研式複合サイクル試験を採用した。鉄道総研式複合サイクル試験の試験条件を表3に示す。表3に示すように、1サイクル終了ごとに、真空乾燥機を用いて各試験片F〜Hを60℃、約0.1kPaの雰囲気下に288時間静置した。試験片F〜Hの質量を測定する場合には、各試験片F〜Hを真空乾燥機からデシケータに移し、30分後に精密天秤を用いて10mgの単位まで測定した。このとき、外観評価として、試験片F〜Hに発生する塗膜膨れの変状面積率を算出した。
図12に示す左側の縦軸は、質量変化量(mg)であり、右側の縦軸は変状面積率(%)であり、横軸は経過サイクル数(cycle)である。ここで、図12に示す変状面積率は、試験片G,Hについては塗膜変状が確認されなかったため、試験片Fの変状面積率のみを示している。図12に示すように、試験片G,Hでは、質量変化量が単調に減少することが確認された。その結果、試験片G,Hでは、さびのない鋼板の表面に塗膜を形成しているため、劣化促進試験によって鋼板の表面のさびが塗膜によって保護されて進行せず、塗膜の減耗のみによって全体の質量が減少することが確認された。この要因として、塗膜下の含水水酸化鉄 (FeOOH)と鉄(Fe)との反応でマグネタイト(Fe3O4)及び水が生成するため、この生成した水の質量分だけ試験片G,H全体の質量が減少したことや、塗装系T-7の上塗り塗膜及びその裏面の塗膜がオゾン暴露などにより減耗したことが考えられる。一方、試験片Fでは、さびのある鋼板の表面に塗膜を形成しているため、劣化促進試験によって鋼板の表面のさびが進行するとともに塗膜の減耗が進み、塗膜の減耗による質量の減少量よりもさびによる質量の増加量の方が大きく、全体としては質量が有意に増加することが確認された。また、試験片Fでは、鋼板の腐食が進行して塗膜/鋼材界面でのさび生成により、塗膜膨れ、割れなどの変状を生じ塗膜変状面積率が増加することが確認された。その結果、試験片Fでは、サイクル数の増加に対して質量変化量と塗膜変状面積率との間に相関関係が見出されており、その関係は指数関数的であることが確認された。
以上より、目視以外の非破壊手法によって塗装系の防食性を評価することを目的として、室内促進劣化試験に供した塗装さび鋼板の質量変化と防食性の関係について評価したところ、塗膜の変状面積率と試験片質量とが相関することが確認された。図12に示すように、ブラスト処理によって完全にさびが除去されている試験片G,Hの質量変化量に基づいて、試験片G,Hの塗膜の減耗による劣化を評価可能であることが確認された。その結果、図3(A)に示す評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nに基づいて評価対象物3Aの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価することによって、実構造物1の塗膜2bの減耗による劣化状態D11,…,D1Nを評価可能であることが確認された。
また、図12に示す試験片Fの質量変化量は、試験片Fの塗膜の減耗による質量変化量と試験片Fの鋼板の腐食による質量変化量とを示していると考えられる。このため、ワイヤブラシによって不完全にさびが除去されている試験片Fの質量変化量(鋼板の腐食及び塗膜の減耗による質量変化量)から、ブラスト処理によって完全にさびが除去されている試験片G,Hの質量変化量(塗膜の減耗による質量変化量)を減算することによって、試験片Fの鋼板の腐食による劣化を評価可能であることが確認された。その結果、図3(B)に示す評価対象物3Bの質量変化量ΔM31,…,ΔM3Nから評価対象物3Aの質量変化量ΔM11,…,ΔM1Nを減算し、評価対象物3Bの被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価することによって、実構造物1の被塗装部2aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価可能であることが確認された。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、実構造物1として鋼構造物を例に挙げて説明したが、コンクリート構造物などの他の構造物や鉄道車両などの車両についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、実構造物1の被塗装部2a及び評価対象物3A,3Bの被塗装部3aが鋼材である場合を例に挙げて説明したが、亜鉛、アルミニウム、アルミニウムめっき鋼、溶融亜鉛めっき鋼、亜鉛めっき鋼又は溶射被膜などについてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、実構造物1の被塗装部2a及び評価対象物3Bの被塗装部3aに生成される腐食生成物として鋼材の赤さびを例に挙げて説明したが、亜鉛めっき鋼やアルミニウムめっき鋼などに生成される白さびなどの腐食生成物についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、評価対象物3A,3Bの塗膜3bの減耗による劣化状態D11,…,D1N及び被塗装部3aの腐食による劣化状態D31,…,D3Nを評価する場合を例に挙げて説明したが、いずれか一方のみを評価することもできる。さらに、この実施形態では、劣化状態評価工程#170において測定対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3Nを評価した後に質量を測定した後に、この評価対象物3A,3Bを実構造物1に戻し再設置しているが、この発明をこのような工程に限定するものではない。例えば、乾燥工程#140において測定対象物3A,3Bを乾燥させた後に実構造物1に戻し再設置することもできる。また、測定対象物3A,3Bの劣化状態D11,…,D1N,D31,…,D3NをN回評価する場合には、測定対象物3A,3BをN個ずつ用意しておき、1回の評価後に測定対象物3A,3Bを実構造物1に戻さず評価の度に測定対象物3A,3Bを廃棄し、次の評価のときに他の測定対象物3A,3Bを使用することもできる。
1 実構造物
2a 被塗装部
2b 塗膜
3A,3B 評価対象物
3a 被塗装部
3b 塗膜
4 乾燥装置
5 質量測定装置
6 劣化状態評価装置
6a 質量情報入力部
6b 質量情報記憶部
6c 質量変化量演算部
6d 質量変化量情報記憶部
6e 相関関係情報記憶部
6f 劣化状態評価部
6g 劣化状態情報記憶部
6h 劣化状態評価プログラム記憶部
6i 表示部
6j 制御部
R さび
10,…,M1N,M20,…,M2N 質量
0,…,TN 時間
ΔM11,…,ΔM1N,ΔM21,…,ΔM2N,ΔM31,…,ΔM3N 質量変化量
11,…,C1N,C31,…,C3N 相関関係情報
11,…,D1N,D31,…,D3N 劣化状態
1,…,IN 固有情報

Claims (9)

  1. 被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の劣化状態を評価する劣化状態評価装置であって、
    前記評価対象物の質量の時間変化を表す質量変化量を演算する質量変化量演算部と、
    前記質量変化量演算部の演算結果に基づいて、前記評価対象物の劣化状態を評価する劣化状態評価部とを備え
    前記評価対象物は、
    実構造物の被塗装部と同一材質の被塗装部の表面に、この実構造物の被塗装部の表面の塗膜と同一材質及び同一膜厚の塗膜を有し、
    前記実構造物の塗り替え時にこの評価対象物の被塗装部の表面に塗膜を形成し、この実構造物と同一環境下に所定時間配置され、
    前記質量変化量演算部は、前記所定時間経過後の前記評価対象物を所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物の質量変化量を演算し、
    前記劣化状態評価部は、前記評価対象物の質量変化量に基づいてこの評価対象物の劣化状態を評価することによって、前記実構造物の劣化状態を評価すること、
    特徴とする劣化状態評価装置。
  2. 請求項に記載の劣化状態評価装置において、
    前記質量変化量演算部は、さびのない被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量に基づいて、この評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量を演算し、
    前記劣化状態評価部は、前記評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量に基づいて、前記実構造物の塗膜の減耗による劣化状態を評価すること、
    を特徴とする劣化状態評価装置。
  3. 請求項又は請求項に記載の劣化状態評価装置において、
    前記質量変化量演算部は、さびのある被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量と、さびのない被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量との差に基づいて、この評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量を演算し、
    前記劣化状態評価部は、前記評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量に基づいて、前記実構造物の被塗装部の腐食による劣化状態を評価すること、
    を特徴とする劣化状態評価装置。
  4. 被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の劣化状態を評価する劣化状態評価方法であって、
    前記評価対象物の質量の時間変化を示す質量変化量を演算する質量変化量演算工程と、
    前記質量変化量演算工程における演算結果に基づいて、前記評価対象物の劣化状態を評価する劣化状態評価工程とを含み
    前記評価対象物は、
    実構造物の被塗装部と同一材質の被塗装部の表面に、この実構造物の被塗装部の表面の塗膜と同一材質及び同一膜厚の塗膜を有し、
    前記実構造物の塗り替え時にこの評価対象物の被塗装部の表面に塗膜を形成し、この実構造物と同一環境下に所定時間配置され、
    前記質量変化量演算工程は、前記所定時間経過後の前記評価対象物を所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物の質量変化量を演算する工程を含み、
    前記劣化状態評価工程は、前記評価対象物の質量変化量に基づいてこの評価対象物の劣化状態を評価することによって、前記実構造物の劣化状態を評価する工程を含むこと、
    特徴とする劣化状態評価方法。
  5. 請求項に記載の劣化状態評価方法において、
    前記質量変化量演算工程は、さびのない被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量に基づいて、この評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量を演算する工程を含み、
    前記劣化状態評価工程は、前記評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量に基づいて、前記実構造物の塗膜の減耗による劣化状態を評価する工程を含むこと、
    を特徴とする劣化状態評価方法。
  6. 請求項又は請求項に記載の劣化状態評価方法において、
    前記質量変化量演算工程は、さびのある被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量と、さびのない被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量との差に基づいて、この評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量を演算する工程を含み、
    前記劣化状態評価工程は、前記評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量に基づいて、前記実構造物の被塗装部の腐食による劣化状態を評価する工程を含むこと、
    を特徴とする劣化状態評価方法。
  7. 被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の劣化状態を評価する劣化状態評価プログラムであって、
    前記評価対象物の質量の時間変化を表す質量変化量を演算する質量変化量演算手順と、
    前記質量変化量演算手順における演算結果に基づいて、前記評価対象物の劣化状態を評価する劣化状態評価手順とをコンピュータに実行させ
    前記評価対象物は、
    実構造物の被塗装部と同一材質の被塗装部の表面に、この実構造物の被塗装部の表面の塗膜と同一材質及び同一膜厚の塗膜を有し、
    前記実構造物の塗り替え時にこの評価対象物の被塗装部の表面に塗膜を形成し、この実構造物と同一環境下に所定時間配置され、
    前記質量変化量演算手順は、前記所定時間経過後の前記評価対象物を所定の乾燥時間で乾燥させた後に、この評価対象物の質量変化量を演算する手順を含み、
    前記劣化状態評価手順は、前記評価対象物の質量変化量に基づいてこの評価対象物の劣化状態を評価することによって、前記実構造物の劣化状態を評価する手順を含むこと、
    特徴とする劣化状態評価プログラム。
  8. 請求項に記載の劣化状態評価プログラムにおいて、
    前記質量変化量演算手順は、さびのない被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量に基づいて、この評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量を演算する手順を含み、
    前記劣化状態評価手順は、前記評価対象物の塗膜の減耗による質量変化量に基づいて、前記実構造物の塗膜の減耗による劣化状態を評価する手順を含むこと、
    を特徴とする劣化状態評価プログラム。
  9. 請求項又は請求項に記載の劣化状態評価プログラムにおいて、
    前記質量変化量演算手順は、さびのある被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量と、さびのない被塗装部の表面に塗膜を有する評価対象物の質量変化量との差に基づいて、この評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量を演算する手順を含み、
    前記劣化状態評価手順は、前記評価対象物の被塗装部の腐食による質量変化量に基づいて、前記実構造物の被塗装部の腐食による劣化状態を評価する手順を含むこと、
    を特徴とする劣化状態評価プログラム。
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