JP6059020B2 - 釣竿用竿体とそれを備えた釣竿 - Google Patents

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Description

本発明は、釣竿用竿体とそれを備えた釣竿に関する。
例えば、竿元部にグリップ部を備える場合、コルクや発泡樹脂から筒状のグリップ部を形成し、それをプリプレグから筒状に形成された竿体の後部外周面に装着して構成することが多い。しかしながら、グリップ部を竿体とは別体構成とする場合には軽量化が困難となる。
これに対して、下記特許文献1のように、竿体の後部を急勾配で拡径させてグリップ部を一体的に形成する構成がある。この場合、竿体の形状に合わせたマンドレルにプリプレグを複数回巻回することによって、大径のグリップ部を含めて一体的に竿体を形成することができるため、軽量化には有利である。しかしながら、プリプレグをマンドレルに巻回する際に、急勾配で拡径するテーパ部等においてプリプレグにシワが生じやすいという問題があり、このシワを発生させないようにしながらプリプレグを巻回することは困難な作業となり、作業者に高い熟練度が要求された。
尚、下記特許文献2,3のように、急勾配で拡径するテーパ部の前側に位置する小径の竿本体を予め加熱焼成して形成しておき、その竿本体をテーパ部用のマンドレルの前端部に嵌合し、竿本体の後端部を覆うようにしながらテーパ部用のマンドレルにプリプレグを巻回するという手法もある。しかしながら、竿本体を予め加熱焼成して形成しておく必要があるので、製造が複雑になるうえに、上述したのと同様にテーパ部用のマンドレルにプリプレグを複数回巻回する際にプリプレグにシワが発生しやすく、作業には熟練が必要である。
実開昭59−182173号公報 特開昭60−120930号公報 特開昭60−237929号公報
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、作業者の熟練度が低くても簡単に製造することができる釣竿用竿体とそれを用いた釣竿を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係る釣竿用竿体は、プリプレグから筒状に形成された本体層を備え、該本体層には、前後の部分の勾配よりも急勾配で後側に向けて内外径共に拡径する急拡径部が存在している釣竿用竿体であって、本体層は、一体的に加熱焼成された前後二つの筒状部から構成され、該前後二つの筒状部のうち、一方の筒状部は、径の変化が相対的に小さい小変化筒状部であり、他方の筒状部は、径の変化が相対的に大きい大変化筒状部であり、小変化筒状部は、プリプレグが複数回巻きとされた構成であり、大変化筒状部は、プリプレグが一回巻きとされた層が複数層積層された構成であることを特徴とする。尚、竿先側を前側とし、竿尻側を後側とする。また、急拡径部の前側の部分である小径部の勾配や、急拡径部の後側の部分である大径部の勾配は、何れも0であってもよい、即ち、ストレート形状であってもよい。
該構成の釣竿用竿体にあっては、本体層の全領域を一枚のプリプレグを複数回巻回して形成した一つの筒状部から構成するのではなく、本体層を前後二つの領域に分けて、各領域毎に異なる巻回条件で形成した前後二つの筒状部から本体層を構成している。即ち、一回の加熱焼成によって本体層を形成するのであるが、その本体層を、径の変化が相対的に小さい領域と、径の変化が相対的に大きい領域に分けて巻回作業を行うようにする。径の変化が相対的に小さい領域は、巻回する際にプリプレグにシワが入りにくくて巻回作業が相対的に容易であるため、プリプレグを複数回巻回して筒状部を形成する。この筒状部を小変化筒状部と称する。該小変化筒状部においては、プリプレグが複数回巻回されているので、その内周面にはプリプレグの巻き初めの端部が存在し、小変化筒状部の外周面には巻き終わりの端部が存在する。一方、径の変化が相対的に大きい領域は、巻回する際にプリプレグにシワが入りやすく巻回作業が相対的に難しいため、一周分の筒状の層を形成するようにプリプレグを一回巻きとしてその周方向の両端部を内外重ね合わせる。この作業を複数回繰り返して筒状部を形成する。この筒状部を大変化筒状部と称する。該大変化筒状部にはプリプレグの周方向の両端部が内外重ね合わせられた重ね合わせ部が各層に一箇所ずつ存在している。このように、本体層の全領域を径の変化が相対的に小さい領域と径の変化が相対的に大きいに分けて、径の変化が相対的に小さい領域についてはプリプレグを複数回巻きとし、径の変化が相対的に大きい領域についてはプリプレグを一回巻きとすることにより、急勾配で拡径する急拡径部が存在していてもプリプレグにシワが発生しにくくなる。
特に、小変化筒状部と大変化筒状部が前後にオーバーラップしており、該オーバーラップ部が急拡径部に位置していることが好ましい。小変化筒状部と大変化筒状部が前後にオーバーラップすることで小変化筒状部と大変化筒状部との一体性が高まり本体層の強度も高くなる。そして、そのオーバーラップ部を急拡径部に位置させることにより、応力が集中しやすい箇所である急拡径部をオーバーラップ部により効果的に補強することができる。
更に、オーバーラップ部において、大変化筒状部が径方向内側に位置し、小変化筒状部が径方向外側に位置していることが好ましい。上述したように、大変化筒状部は、プリプレグを一回巻きとして形成された一周分の筒状の層が多層積層された構成であるが、この大変化筒状部を形成するためのプリプレグの巻回作業を先に行うようにして、しかる後に、小変化筒状部を形成すべく、オーバーラップ部を形成するようにしながらプリプレグを複数回巻回すると、プリプレグの巻回作業を効率良く行うことができると共に、オーバーラップ部も綺麗に形成できる。
また、急拡径部より前側の部分である小径部と急拡径部より後側の部分である大径部のうち一方の部分が他方の部分よりも長く、一方の部分の方が小変化筒状部として構成され、他方の部分の方が大変化筒状部として構成されていることが好ましい。小径部と大径部のうち長い方が小変化筒状部となるように前後二つの領域に区分けして本体層を形成することにより、大変化筒状部を形成するためのプリプレグの竿軸方向の長さが相対的に短くなってその巻回作業が容易になり、また、小変化筒状部を形成するためのプリプレグの竿軸方向の長さが相対的に長くなって効率良く小変化筒状部を形成することができる。
また、大変化筒状部を構成するプリプレグには、小変化筒状部側の端部から竿軸方向に延びる切り込み線が形成されていることが好ましく、大変化筒状部を形成するためのプリプレグをシワなく容易に巻回することができる。
また、本発明に係る釣竿は、上述したような釣竿用竿体を備えたものである。
以上のように、本体層を前後二つの領域に分けて各領域毎にプリプレグの巻回状態を変えて形成した前後二つの筒状部から本体層を構成することにより、一枚のプリプレグを複数回巻回して形成した一つの筒状部から本体層の全領域を構成する場合に比して、プリプレグにシワが発生しにくく、熟練度の低い作業者であっても容易に製造することができる。
本発明の一実施形態における釣竿の要部を示す断面図。 同実施形態の釣竿に使用されている竿体を示す断面図。 図2のA部拡大図。 同実施形態の竿体の製造方法を示す正面図。 同実施形態の竿体に使用されるプリプレグの構成図。
以下、本発明の一実施形態に係る釣竿及びそれに使用されている竿体について図1〜図5を参酌しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態における釣竿は、リールを取り付けるためのリールシート1を備えたものである。該リールシート1は、パイプシートとも称される筒状のものであって、リールシート本体10と、可動フード体11と、ナット12とを備えている。リールシート本体10は、合成樹脂等から成形により形成されたものであって、リールの脚部100を載置するためのリール脚載置部13と、リールの脚部100の一方が差し込まれる固定フード部14とを有している。尚、本実施形態ではスピニングリールを取り付けるためのリールシート1を例に説明しており、従って、図1に示すように、リールシート本体10のリール脚載置部13は使用状態において下側に位置する。また、リールシート本体10の固定フード部14は前側に位置している。リールシート本体10の後部には雄ねじ部15が形成されており、該雄ねじ部15にナット12が螺合している。ナット12の前側に、リールの脚部100の他方が差し込まれる可動フード体11が位置している。可動フード体11はナット12に相対回転可能に係止されているので、ナット12を回転させることで可動フード体11は回転することなくナット12と共に前後に移動する。該可動フード体11を前側に移動させる、即ち、固定フード部14に接近させることでリールの脚部100を前後に狭持しつつリールシート本体10に固定することができる。また、可動フード体11を後側に移動させる、即ち、固定フード部14から離反させることでリールの脚部100の固定状態が解除されて、リールを釣竿から取り外すことができる。更に、リールシート1の前側にはフロントグリップ部7が設けられている。該フロントグリップ部7は、リールシート本体10とは別体であって、EVA等の発泡性合成樹脂やコルク等から形成されている。
このようにリールシート1が装着された釣竿は、竿本体2と、該竿本体2の後側に所定長さの重ね合わせ部4を形成するようにして接着され一体化されたリアグリップ竿体3とを備えている。重ね合わせ部4においては、竿本体2の後部が内側に位置し、その外側にリアグリップ竿体3の前部が位置している。
竿本体2は、所定形状に裁断されたシート状のプリプレグをマンドレルに巻回して筒状に形成した本体層を備えたものであって、プリプレグの強化繊維としてはカーボン繊維やガラス繊維等が使用でき、特にカーボン繊維が好ましく、またカーボン繊維を使用する場合にはその比率を高くすることが好ましい。リアグリップ竿体3も、所定形状に裁断されたシート状のプリプレグをマンドレルに巻回して筒状に形成した本体層を備えており、その本体層はリアグリップ竿体3の全長に亘って形成されているものであるが、その製法については後述する。
リアグリップ竿体3の肉厚は略一定であり、竿本体2の後部における肉厚と略等しい肉厚を有している。該リアグリップ竿体3にリアグリップ部5が一体的に形成されており、該リアグリップ部5がリールシート1の後側に位置している。該リアグリップ部5は、釣竿を持っている手の肘を当てたり、両手でキャストする場合にはリールシート1を持つ手とは反対側の手で把持したりして使用される。
図2に示しているように、リアグリップ竿体3の後部には前部の勾配よりも大きい急勾配で拡径した急拡径部31が形成されており、該急拡径部31によりリアグリップ竿体3の後部にリアグリップ部5が一体的に形成されている。即ち、リアグリップ竿体3は、前側から順に、所定長さの径一定のストレート形状即ち勾配0である小径部30と、該小径部30から急勾配で内外径共に拡径していく急拡径部31と、該急拡径部31から後方に所定長さ伸びる径一定のストレート形状即ち勾配0である大径部32とから構成されている。この急拡径部31の主として後部領域と大径部32とからリアグリップ部5が構成されている。尚、大径部32の長さは、小径部30の長さよりも短く、急拡径部31の長さよりも短い。また、リアグリップ竿体3の小径部30にリールシート本体10が装着され、リアグリップ竿体3は、その小径部30において竿本体2と重ね合わせられている。尚、リアグリップ竿体3の後端には尻栓33が装着されている。
より詳細には、リアグリップ竿体3は、図3に示すように、本体層78とその径方向外側に積層された外層79とからなる。本体層78は、リアグリップ竿体3の全長に亘って形成されたものであって、プリプレグの巻回状態が異なる前後二つの筒状部からなる。即ち、本体層78は、一体的に加熱焼成された小変化筒状部70と大変化筒状部71とからなり、小変化筒状部70は本体層78の全長のうち前側の領域を構成し、大変化筒状部71は後側の領域を構成している。小変化筒状部70は、径の変化が相対的に小さく、大変化筒状部71は径の変化が相対的に大きい。この小変化筒状部70と大変化筒状部71は前後に所定長さに亘ってオーバーラップしており、該オーバーラップ部72は急拡径部31に位置している。従って、小変化筒状部70は、小径部30の全長と、急拡径部31の前側部分を構成し、大変化筒状部71は、大径部32及び急拡径部31の全長を構成する。また、オーバーラップ部72においては、小変化筒状部70が外側に位置し、大変化筒状部71が内側に位置している。該オーバーラップ部72における本体層78の厚さは、その前後の小変化筒状部70の厚さや大変化筒状部71の厚さに比して若干厚くなっていて、これによりオーバーラップ部72は急拡径部31の補強部として機能している。
このようなリアグリップ竿体3の詳細構造をその製法と共に説明する。図4のように、マンドレル60は、リアグリップ竿体3の形状に合わせた形状とされる。従って、マンドレル60は、前側から順に小径部30を形成するための第一の領域61と、急拡径部31を形成するための第二の領域62と、大径部32を形成するための第三の領域63とを有する形状となっている。
本体層78の後側の領域を構成する大変化筒状部71は、二枚の大径用のプリプレグ73から形成される。二枚の大径用のプリプレグ73は互いに同一形状であって、該大径用のプリプレグ73の後端部73bはマンドレル60の周方向に延びており前端部73aはマンドレル60の周方向に対して所定角度傾斜している。即ち、この大径用のプリプレグ73は幅方向両端部を上底及び下底とする台形であって、その幅W1(周方向の長さ)は、マンドレル60の第三の領域63を一周分巻回できる程度の寸法であり、その下底における全長L1(竿軸方向の長さ)は、大径部32の長さと急拡径部31の長さを足した長さに略等しいかそれよりも若干長い。また、大径用のプリプレグ73には、その前端部73aから竿軸方向後方に向けて切り込み線74が形成されている。該切り込み線74は大径用のプリプレグ73の全長の半分の長さを越えて後方に延びている。また、切り込み線74は幅方向に間隔をおいて複数本形成されており、詳細には、大径用のプリプレグ73の幅を五等分するように一定間隔毎に合計4本形成されている。このように切り込み線74は複数本形成されることが好ましく、その複数本の切り込み線74は大径用のプリプレグ73の幅を等分割するように一定間隔毎に形成されることが好ましい。尚、大径用のプリプレグ73には、図5に示すように強化繊維が竿軸方向に沿った縦シート81と強化繊維が周方向に沿った横シート82とを積層一体化させた積層シート83を使用することが好ましい。その強化繊維としては、上述した竿本体2の場合と同様であってカーボン繊維等を使用できる。
一方、本体層78の前側の領域を構成する小変化筒状部70は、一枚の小径用のプリプレグ75を複数回巻回することにより形成される。該小径用のプリプレグ75は、その前端部75aがマンドレル60の周方向に延びており、その後端部75bはマンドレル60の周方向に対して所定角度傾斜した形状であって、従って、小径用のプリプレグ75もまた幅方向両端部を上底及び下底とする台形である。尚、小径用のプリプレグ75の後端部75bにおける周方向に対する傾斜角度は、大径用のプリプレグ73の前端部73aにおける周方向に対する傾斜角度よりも大きい。また、小径用のプリプレグ75の幅W2は小径部30を複数回巻回できる程度の寸法であり、詳細には三回巻回できる程度の寸法であり、また、その下底における全長L2は、小径部30の長さよりも長く、小径部30の長さに急拡径部31の例えば約半分の長さを足した長さを有している。但し、小径用のプリプレグ75の下底における全長L2は、小径部30の長さよりも長ければよく、小径部30の長さを超える分の長さは任意であって、その超える部分の長さは、例えば急拡径部31の全長分であってもよいし、急拡径部31の前側の所定部分に相当する長さであってもよいが、好ましくは、小径用のプリプレグ75の後側の先端が、大径用のプリプレグ73の傾斜した前端部73aよりも後側の位置まで達するようにすることが好ましい。尚、小径用のプリプレグ75には、大径用のプリプレグ73と同様に縦シート81と横シート82とを積層一体化させた積層シート83を使用してもよいし、その他、強化繊維が竿軸方向に引き揃えられたプリプレグ等の各種のプリプレグを使用することができる。その強化繊維としては、上述した竿本体2の場合と同様であってカーボン繊維等を使用できる。
次にマンドレルへの巻回工程について説明すると、まず初めに大径用のプリプレグ73をマンドレル60の第二の領域62から第三の領域63にかけて巻回する。大径用のプリプレグ73をその幅方向両端部同士を内外重ね合わせるようにして一周分巻回して、一層目の筒状の層を形成する。該筒状の層には所定幅の重ね合わせ部が一箇所形成される。該一層目の筒状の層の上に更に二枚目の大径用のプリプレグ73を同様に巻回して二層目の筒状の層を形成する。その際、二層目の重ね合わせ部が一層目の重ね合わせ部に対して周方向に位置ずれするように二層目の大径用のプリプレグ73を巻回する。一層目と二層目の位相のずれは例えば180度とする。このようにしてマンドレル60の後部所定領域に二枚の大径用のプリプレグ73を巻回した後、その大径用のプリプレグ73に所定長さオーバーラップするようにしながら小径用のプリプレグ75をマンドレル60の主として第一の領域61に巻回する。この小径用のプリプレグ75は複数回、具体的には三回巻回する。
このようにして本体層78を形成した後、その外側に図示しないテープ状のプリプレグを全長に亘って螺旋状に巻回して、本体層78の外側に外層79を形成する。該テープ状のプリプレグはその長手方向に沿ってカーボン繊維等の強化繊維が引き揃えられたものであり、種々の厚さのものを使用できる。尚、テープ状のプリプレグは密巻に巻回することが好ましい。密巻とは隙間を空けない巻き状態であって且つオーバーラップすることがない状態で巻き付けていくことであり、この密巻によって外層79が隙間なく一定厚さで形成される。その後、図示しない成形テープを巻き付けて締め付ける。該成形テープは所定幅の重なり部分を持たせながら竿軸方向の一方側から他方側に向けて螺旋状に巻回していく。そして加熱焼成した後、成形テープを除去してマンドレル60を引き抜く。
このようにして形成されるリアグリップ竿体3にあっては、本体層78を前後二つの領域に分けて構成し、そのうちの径の変化が大きい方の領域を構成している大変化筒状部71については一周分の筒状の層を積層した構成とし、且つ、径の変化が小さい方の領域を構成している小変化筒状部70については一枚のプリプレグを複数回巻回した構成としているので、本体層78の全領域を一枚のプリプレグを複数回巻回した一つの筒状部から構成する場合に比して、大径用のプリプレグ73や小径用のプリプレグ75にシワが発生しにくくなり、熟練度が高くなくても容易に製造することができる。特に、大径用のプリプレグ73に多数の切り込み線74を形成しているので、シワの発生を容易に防止することができる。
また、大変化筒状部において一層目の筒状の層と二層目の筒状の層とを周方向に位置ずれさせているので、小径用のプリプレグ75の重ね合わせ部が一層目と二層目で周方向にずれて分散され、大変化筒状部71の肉厚を周方向に均一化しやすくなる。従って、一層目の重ね合わせ部と二層目の重ね合わせ部を180度対向させるようにすれば更にバランスが採れて好ましい。
また、小径部30と大径部32のうちの長い方である小径部30側を小変化筒状部70とし、短い方である大径部32側を大変化筒状部71としているので、大径用のプリプレグ73が小径用のプリプレグ75に比して短くなって巻回作業が容易になり、特に大径用のプリプレグ73におけるシワの発生を抑制することができる。また、相対的に長い小径用のプリプレグ75によって効率良く小変化筒状部70を形成することができる。
また更に、小変化筒状部70と大変化筒状部71を前後にオーバーラップさせているので、小変化筒状部70と大変化筒状部71との一体性が高まり本体層78の強度も高くなる。そして、オーバーラップ部72を急拡径部31に位置させているので、応力集中が発生しやすい急拡径部31を若干厚肉となったオーバーラップ部72により効果的に補強することができる。特に、オーバーラップ部72において、大変化筒状部71が径方向内側に位置し、小変化筒状部70が径方向外側に位置しているので、小径用のプリプレグ75を複数回巻回させながらオーバーラップ部72を形成でき、オーバーラップ部72が綺麗に仕上がる。
また、縦シート80と横シート81が予め積層されて一体化した積層シート83を大径用のプリプレグ73に使用した場合には、大変化筒状部71の強度を容易に確保することができる。更に、積層シート83を小径用のプリプレグ75にも同様に使用した場合には、大変化筒状部71と小変化筒状部70の強度上の連続性も容易に確保できる。
尚、本実施形態では大変化筒状部71を二層構造としたが三層以上の多層構造としてもよい。三層以上の多層構造とする場合には各層の重ね合わせ部が周方向に等間隔で配置されるようにすることが好ましい。また、小変化筒状部70においては小径用のプリプレグ75を三回巻きとしたがこの巻き数は任意であって二回巻きや四回巻き等であってもよい。
更に、大径用のプリプレグ73や小径用のプリプレグ75の形状についても適宜設計変更可能であって、上記説明では二枚の大径用のプリプレグ73を同一形状としたが互いに異なる形状にしてもよい。また、大径用のプリプレグ73に切り込み線74を形成したがこれを省略してもよく、あるいは、切り込み線74に代えて例えばV字状の切欠部を一箇所あるいは複数箇所設けるようにしてもよい。
また、オーバーラップ部72において小変化筒状部70を外側に大変化筒状部71を内側に位置させたが、逆であってもよい。更に、オーバーラップ部72の長さや厚さについても種々の変更が可能であり、オーバーラップ部72を設けないようにしてもよい。また更に、小径部30側を小変化筒状部70とし、大径部32側を大変化筒状部71としたが、これも逆にしてもよい。
尚、小径部30と大径部32の勾配を何れも0としたが、小径部30や大径部32の勾配を0ではなく緩い勾配として、後側に向けて徐々に拡径する形状としてもよい。
また、上記実施形態ではリアグリップ竿体3に適用した場合について説明したが、リアグリップ竿体3には限られず、各種の竿体に使用することができる。また、リールを装着する釣竿について説明したが、のべ竿等のようにリールを装着しないタイプの釣竿であってもよい。
尚、本体層78の内側に内層を形成してもよく、その内層も外層79と同様にテープ状のプリプレグを螺旋状に巻回することにより形成できる。また、マンドレル60にプリプレグを巻回して中空状の竿体とする以外に、ソリッド体の外側に本体層78を形成して中実状の竿体としてもよい。
1 リールシート
2 竿本体
3 リアグリップ竿体
4 重ね合わせ部
5 リアグリップ部
7 フロントグリップ部
10 リールシート本体
11 可動フード体
12 ナット
13 リール脚載置部
14 固定フード部
15 雄ねじ部
30 小径部
31 急拡径部
32 大径部
33 尻栓
60 マンドレル
61 第一の領域
62 第二の領域
63 第三の領域
70 小変化筒状部
71 大変化筒状部
72 オーバーラップ部
73 大径用のプリプレグ
73a 前端部
73b 後端部
74 切り込み線
75 小径用のプリプレグ
75a 前端部
75b 後端部
78 本体層
79 外層
81 縦シート
82 横シート
83 積層シート
100 リールの脚部

Claims (6)

  1. プリプレグから筒状に形成された本体層を備え、該本体層には、前後の部分の勾配よりも急勾配で後側に向けて内外径共に拡径する急拡径部が存在している釣竿用竿体であって、
    本体層は、一体的に加熱焼成された前後二つの筒状部から構成され、該前後二つの筒状部のうち、一方の筒状部は、径の変化が相対的に小さい小変化筒状部であり、他方の筒状部は、径の変化が相対的に大きい大変化筒状部であり、小変化筒状部は、プリプレグが複数回巻きとされた構成であり、大変化筒状部は、プリプレグが一回巻きとされた層が複数層積層された構成であることを特徴とする釣竿用竿体。
  2. 小変化筒状部と大変化筒状部が互いに前後にオーバーラップしており、該オーバーラップ部が急拡径部に位置している請求項1記載の釣竿用竿体。
  3. オーバーラップ部において、大変化筒状部が径方向内側に位置し、小変化筒状部が径方向外側に位置している請求項2記載の釣竿用竿体。
  4. 急拡径部より前側の部分である小径部と急拡径部より後側の部分である大径部のうち一方の部分が他方の部分よりも長く、一方の部分の方が小変化筒状部として構成され、他方の部分の方が大変化筒状部として構成されている請求項1乃至3の何れかに記載の釣竿用竿体。
  5. 大変化筒状部を構成するプリプレグには、小変化筒状部側の端部から竿軸方向に延びる切り込み線が形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の釣竿用竿体。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の釣竿用竿体を備えた釣竿。
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