JP6057139B2 - 動力伝達軸の製造方法 - Google Patents
動力伝達軸の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6057139B2 JP6057139B2 JP2015170717A JP2015170717A JP6057139B2 JP 6057139 B2 JP6057139 B2 JP 6057139B2 JP 2015170717 A JP2015170717 A JP 2015170717A JP 2015170717 A JP2015170717 A JP 2015170717A JP 6057139 B2 JP6057139 B2 JP 6057139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaft
- manufacturing
- resin coating
- spline
- intermediates
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Steering Controls (AREA)
Description
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、摺動部分に樹脂被膜を設けた動力伝達軸の製造時に、樹脂の表面をより滑らかに仕上げることを目的とする。
また、なじみ工程では、製造用中間体の相対摺動を開始すると、まず、各製造用中間体の摺動摩擦によって製造用中間体の温度が上昇する。そして、上記相対摺動を継続することにより、樹脂被膜の表面が相手側部材の表面になじむ。これにより、各製造用中間体の摺動抵抗が低下する。また、各製造用中間体の摺動抵抗が低下することに伴い、各製造用中間体の温度も低下する。このように、各製造用中間体の温度が所定温度を超えた後で、且つ各製造用中間体の摺動荷重が所定荷重を下回ったタイミングでなじみ工程を完了することで、なじみ工程を適切なタイミングで完了できる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は本発明の一実施形態の製造方法により製造された動力伝達軸が適用された中間軸を有する車両用操舵装置の概略構成図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結された操舵軸3と、操舵軸3に自在継手4を介して連結された動力伝達軸(スプライン伸縮軸)としての中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有する転舵軸としてのラック軸8とを備えている。
操舵軸3は、車体側部材18,19に固定されたステアリングコラム20によって、図示しない軸受を介して回転可能に支持されている。
減速機構25は、電動モータ24の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤ26と、駆動ギヤ26に噛み合い出力軸16と同伴回転する被動ギヤ27とを有している。駆動ギヤ26は例えばウォーム軸からなり、被動ギヤ27は例えばウォームホイールからなる。
図1および図2を参照して、動力伝達軸としての中間軸5は、内軸35と筒状の外軸36とを中間軸5の軸方向X1に沿って摺動可能に且つトルク伝達可能にスプライン嵌合させてなる。内軸35および外軸36の何れか一方がアッパーシャフトを構成し、他方がロアーシャフトを構成する。本実施形態では、外軸36がアッパーシャフトとして自在継手4に連結されており、内軸35がロアーシャフトとして自在継手6に連結されている。
ヨーク61はY字状をなし、筒状の基部61aと、基部61aから延びる一対のリム(limb)61b,61bと、を有している。基部61aには、嵌合孔が形成されており、この嵌合孔に出力軸16が嵌合固定されている。一対のリム61b,61bは、互いに平行に延びている。
十字軸63は、一対のリム61b,61bと、一対のリム62b,62bとの間に配置されている。十字軸63の4つの先端部は、それぞれ、リム61b,61b,62b,62bに軸受(図示せず)を介して連結されている。これにより、ヨーク61およびヨーク62は、十字軸63の中心63aを中心に相対回転可能である。十字軸63の中心63aは、外軸36の中心軸線L1上に配置されている。
自在継手4,6の構成は同様である。したがって、以下では自在継手6については、自在継手4の対応構成要素と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、図4(a)に示す鍛造工程では、素材を鍛造することにより、外スプライン40が形成された内軸製造用中間体41を得る。
次いで、図4(b)に示す前処理工程では、図4(a)の内軸製造用中間体41の外スプライン40の少なくとも歯面に、コーティングのための前処理を施す。具体的には、図4(c)の被覆工程において樹脂層44を形成する場合の前段階の処理として、上記外スプライン40の歯面を平滑化するため、例えば上記ショットブラスト、プライマー塗布等の下地処理を行う。これにより、図4(b)に示すような、歯面に前処理が施された外スプライン42を有する、内軸製造用中間体43(内軸35の芯金350に相当)を得る。
次いで、図4(e)に示すブローチ工程では、外軸製造用中間体46を用意する、外軸製造用中間体46は、素材を筒状に鍛造してなり、内周に内スプライン38が形成されている。外軸製造用中間体46の一端部には、自在継手4が取り付けられている。この外軸製造用中間体46内に、上記樹脂層44が形成された内軸製造用中間体45を挿入することで、ブローチ加工を行う。これにより、外軸製造用中間体46の内スプライン38の歯面によって、図4(f)に示すように、成形された樹脂被膜39を有する内軸製造用中間体47を得る。
次いで、図4(f)の溝形成工程では、樹脂被膜39の表面39aに、レーザ照射ユニット50から軸方向X1とは交差する方向にレーザ51(例えばYVO4 レーザやCO2 レーザ)を照射する。これにより、樹脂の一部を熱分解させて除去する。これにより、図4(g)に示すようならせん状の溝52が形成された樹脂被膜139を有する内軸製造用中間体147を得る。
なお、レーザ51による加工に代えて、ウォータジェットまたは硬質の微粒子を含んだ圧縮エアーによる微細溝加工を用いて溝52を形成してもよい。
図4(g)を参照して、溝52が形成された内軸製造用中間体147には、潤滑剤としてのグリース48が塗布される。グリース48は、中間軸5の出荷時に塗布されるグリースと同一である。グリース48は、例えば、内軸製造用中間体147の先端に塗布される。なお、潤滑剤として、上記グリース48の基油と同一成分の基油のみを内軸製造用中間体147の外周面に塗布してもよい。
上記した中間軸5の製造工程のうち、加熱なじみ工程について、より詳細に説明する。
図5は、加熱なじみ工程を行うための製造装置としてのスライド装置90の主要部を示す斜視図である。
駆動機構93は、第1保持機構91を介して製造用中間体46,147を軸方向X1に相対摺動させるために設けられている。駆動機構93は、例えば、アクチュエータとしての油圧シリンダによって構成されている。油圧シリンダは、ロッド94を含んでいる。ロッド94は、第1および第2保持機構91,92が互いに向かい合う方向(軸方向X1)に直線往復運動可能に構成されている。
第1および第2保持機構91,92は、互いに嵌め合わされた状態の製造用中間体46,147を保持するために設けられている。
第1保持機構91は、連結プレート95に結合されており、ロッド94とともに、直線往復運動可能である。第1保持機構91は、外軸製造用中間体46に設けられた自在継手4を保持するように構成されている。
第1プレート101は、円板状に形成されている。第1プレート101には、ねじ挿通孔101aが形成されている。このねじ挿通孔101aを挿通し、ねじ孔95aにねじ結合する固定ねじ105によって、第1プレート101は、連結プレート95に固定されている。
第2プレート102は、U字形形状に形成されており、一対の対向部102a,102aを含んでいる。対向部102a,102aは、互いに平行に延びている。第2プレート102の対向部102a,102aには、複数(例えば、4つ)のねじ挿通孔102bが形成されている。対向部102a,102aは、自在継手4のヨーク62のリム62b,62bを挟むように配置されている。対向部102a,102aの内側面102c,102cは、リム62b,62bの外側面に隣接しており、これらのリム62b,62bに接触可能である。この構成により、ヨーク62がヨーク61に対して、過度に揺動すること(一対のリム61b,61b間を通る直線L4回りのヨーク62の過度の揺動)を規制可能となっている。
図5を参照して、第2保持機構92は、スライド装置90に設けられた固定部材106に固定されている。第2保持機構92は、内軸製造用中間体147に設けられた自在継手6を保持するように構成されている。第2保持機構92は、第1保持機構91と同一の構成を有している。したがって、第2保持機構92の各構成要素については、第1保持機構91の対応構成要素と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。第2保持機構92の第1プレート101および第3プレート103によって、自在継手6のヨーク61のリム61bが挟持されている。
また、スライド装置90には、製造用中間体46,147を軸方向X1にスライドさせているときの摺動荷重を検出するための荷重検出装置としてのロードセル107が設けられている。ロードセル107は、例えば、ロッド94に取り付けられている。
ロードセル107の荷重検出信号、および温度センサ108の温度検出信号は、制御装置109に入力される。制御装置109は、入力された検出信号に基づいて、駆動機構93を制御する。
加熱なじみ工程では、制御装置109は、駆動機構93を駆動することにより、製造用中間体46,147を軸方向X1に相対摺動させ、樹脂被膜139に摩擦熱を付与する。内軸製造用中間体147を外軸製造用中間体46に押し込む動作の際には、駆動機構93のロッド94を、軸方向X1の一方X2(上方)に変位させる。これにより、第1保持機構91の第1プレート101、自在継手4および外軸製造用中間体46は、ロッド94とともに軸方向X1の一方X2側に変位する。このとき、第1保持機構91のうちの第1プレート101が、自在継手4のヨーク61に上向きの力を与えることで、自在継手4が上方に変位する。一方、自在継手6は、第2保持機構92の第1プレート101に受けられる。これにより、内軸製造用中間体147の軸方向X1の一方X2への変位が規制される。
さらに、加熱なじみ工程に先立ち、調芯機能を有する第1および第2保持機構91,92に製造用中間体46,147を取り付けるので、各製造用中間体46,147を精度よく位置決めして保持する必要がない。よって、スライド装置90に各製造用中間体46,147を取り付ける時間を短くできる。これにより、樹脂被膜139の仕上げにかかる時間を短くでき、中間軸5を、より効率よく製造できる。
加熱なじみ工程では、製造用中間体46,147の相対摺動を開始すると、まず、各製造用中間体46,147の摺動摩擦によって製造用中間体46,147の温度が上昇する。そして、上記相対摺動を継続することにより、樹脂被膜139の表面が内軸製造用中間体147の内表面になじむ。これにより、各製造用中間体46,147の摺動抵抗が低下する。また、各製造用中間体46,147の摺動抵抗が低下することに伴い、各製造用中間体46,147の温度TPも低下する。このように、各製造用中間体46,147の温度TPが最高温度TP1を超えた後で、且つ各製造用中間体46,147の摺動荷重Fが所定荷重F1を下回ったタイミングで加熱なじみ工程を完了することで、加熱なじみ工程を適切なタイミングで完了できる。
また、自在継手4を第1保持機構91に取り付け、自在継手6を第2保持機構92に取り付ける簡易な作業で、製造用中間体46,147をスライド装置90に容易にセットできる。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
上記実施形態では、内軸の外スプラインに樹脂被膜を形成する例に則して説明したが、これに限らない。外軸の内スプラインの少なくとも歯面に樹脂被膜を形成するようにしてもよい。この場合、外軸の製造用中間体の内スプラインに形成された樹脂層を削って樹脂被膜を成形するときに、内軸の製造用中間体を用いて上記樹脂層を加熱なじみ処理を行うことになる。
Claims (2)
- 外周に外スプラインが設けられた内軸と、前記外スプラインに摺動可能に噛み合う内スプラインが内周に設けられた筒状の外軸と、前記外スプラインおよび前記内スプラインの少なくとも一方に設けられた樹脂被膜と、を含む動力伝達軸の製造方法において、
前記内軸の製造用中間体の中心軸線と、前記外軸の製造用中間体の中心軸線とを一致させて、各前記製造用中間体を軸方向に相対摺動することにより、摩擦熱を発生させて、該摩擦熱によって前記樹脂被膜を加熱しつつ前記樹脂被膜の表面をなじみ加工するなじみ工程を備え、
前記なじみ工程では、各前記製造用中間体の間に潤滑剤を介在させており、
前記なじみ工程は、各前記製造用中間体の温度が所定温度を超えた後で、且つ各前記製造用中間体の摺動荷重が所定荷重を下回ったときに完了することを特徴とする動力伝達軸の製造方法。 - 請求項1において、前記なじみ工程は、各前記製造用中間体の温度がピーク温度に到達した後で、且つ各前記製造用中間体の摺動荷重が所定荷重を下回ったときに完了することを特徴とする動力伝達軸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015170717A JP6057139B2 (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | 動力伝達軸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015170717A JP6057139B2 (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | 動力伝達軸の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011061470A Division JP5867773B2 (ja) | 2011-03-18 | 2011-03-18 | 動力伝達軸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016014480A JP2016014480A (ja) | 2016-01-28 |
JP6057139B2 true JP6057139B2 (ja) | 2017-01-11 |
Family
ID=55230808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015170717A Active JP6057139B2 (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | 動力伝達軸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6057139B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3410168A4 (en) | 2016-01-28 | 2019-09-25 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | FIBER OPTIC CABLE |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3305979B2 (ja) * | 1997-03-18 | 2002-07-24 | 大同メタル工業株式会社 | すべり軸受 |
JP2004340248A (ja) * | 2003-05-15 | 2004-12-02 | Daido Metal Co Ltd | 摺動部材 |
JP5104332B2 (ja) * | 2008-01-18 | 2012-12-19 | 日本精工株式会社 | 伸縮軸の製造方法、及び、この製造方法によって製造した伸縮軸 |
JP5408194B2 (ja) * | 2010-10-11 | 2014-02-05 | 日本精工株式会社 | 伸縮軸の製造方法、及び、この製造方法によって製造した伸縮軸 |
-
2015
- 2015-08-31 JP JP2015170717A patent/JP6057139B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016014480A (ja) | 2016-01-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5867773B2 (ja) | 動力伝達軸の製造方法 | |
JP5453012B2 (ja) | スプライン伸縮軸の製造方法 | |
US8753215B2 (en) | Spline telescopic shaft and method for manufacturing the same and vehicle steering apparatus | |
JP5549658B2 (ja) | 伸縮軸の製造方法、及び、この製造方法によって製造した伸縮軸 | |
US5720102A (en) | Method for making a drive line slip joint assembly | |
WO2011105299A1 (ja) | スプライン伸縮軸、スプライン伸縮軸を備えた車両用操舵装置、およびスプライン伸縮軸の製造方法 | |
JP5419747B2 (ja) | スプライン伸縮軸の製造方法、スプライン伸縮軸及び車両操舵用伸縮軸 | |
JP2009168194A (ja) | 伸縮軸の製造方法、及び、この製造方法によって製造した伸縮軸 | |
JP2017025964A (ja) | 伸縮自在シャフト及びその製造方法 | |
JP2014238173A (ja) | スプライン伸縮軸及びその製造方法 | |
JP6057139B2 (ja) | 動力伝達軸の製造方法 | |
US10883533B2 (en) | Method of manufacturing spline telescopic shaft | |
JP2011173463A (ja) | スプライン伸縮軸の製造方法 | |
CN105313950A (zh) | 电动动力转向装置 | |
JP5034881B2 (ja) | 伸縮軸の製造方法、及び、この製造方法によって製造した伸縮軸 | |
JPWO2020137551A1 (ja) | 電動パワーステアリング装置用の直動軸、電動パワーステアリング装置、およびこれらの製造方法 | |
JP2013142437A (ja) | 伸縮軸 | |
JP2017089688A (ja) | ラックバーの製造方法 | |
JP6681018B2 (ja) | 伸縮軸およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160421 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160513 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161110 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161123 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6057139 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |