JP6055333B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
本発明は、無線通信システム、基地局装置、通信装置、通信制御方法、およびプログラムに関する。本発明は、特に、マシン通信する通信装置を複数含む無線通信システム、無線通信システムを構成する基地局装置、通信装置、無線通信システムと基地局装置と通信装置とにおける通信制御方法、および基地局装置と通信装置とを制御するためのプログラムに関する。
従来、LTE (Long Term Evolution)をはじめとする公衆無線通信システムにおいては、パケット接続によって利用者に様々なサービスを提供することが可能となっている。このような公衆無線通信システムでは、サービスに応じて要求される情報速度および遅延量などが異なる。それゆえ、公衆無線通信システムは、QoS (Quality of Service)に応じた複数のクラスを用意し、サービス毎に適切なベアラを設定している。図19は、LTEにおけるクラス分けを表した図である。図19を参照して、LTEでは、9つのクラスが用意されている。
また、近年、利用者の操作を伴わずにマシン同士が通信(マシン通信)を行うMTC(Machine Type Communication)の分野が注目を集めている。MTCの応用分野は、セキュリティ、医療、農業、ファクトリーオートメーション、ライフライン制御など多岐にわたる。MTCの応用分野として、以下の非特許文献1に示すように、スマートメータと呼ばれる測定器で測定した電力等の情報を集約することにより送配電を効率的に行うスマートグリッドが、特に注目を集めている。
このようなMTCデバイス同士の通信およびMTCデバイスを管理するMTCサーバとMTCデバイスとの間の通信は、今後大きく伸びることが予想されている。現在、非特許文献2に記載されているように、当該通信に対して、LTEなどの3GPP(Third Generation Partnership Project)ネットワークを使った方式、IEEE802.15規格の近距離通信方式を使った方式などを適用することが検討されている。
ところで、MTCでは非常に多くのデバイスが関わることにより、制御信号が膨大になることが懸念されている。これに対し、以下の非特許文献2には、グループベースのMTC管理方法が提案されている。このMTC管理方法では、様々なQoS要求のMTCデバイスをQoSの許容値によりグループ分けし、各MTCデバイスに対してグループに応じたAGTI(Access Grant Time Interval)が割り当てられる。
MTCデバイスの通信方式としては、たとえば以下の非特許文献3に記載されているように、IDMA(Interleave Division Multiple Access)方式が注目されている。また、非特許文献3には、IDMA方式をMTC通信に利用する利点として、スケジューリングが不要になることと、マルチユーザ干渉キャンセラーを効果的に適用できることとが挙げられている。
以下では、IDMA方式における信号の受信処理および復調処理について説明する。移動体通信におけるチャネルに対しては、IDMAとOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)とを組み合わせて用いるOFDM−IDMAと呼ばれる方式を用いることが特に有効である。以下の非特許文献4には、このようなOFDM−IDMAの原理が説明されている。また、図20は、OFDM−IDMAの原理を説明するための図である。
図20を参照して、まず、各ユーザの各MTCデバイスは、送信目的のデータをエンコーダで符号化する。次いで、各MTCデバイスは、符号化したデータをインターリーバでインターリーブする。次いで、各MTCデバイスは、インターリーブされた信号を変調する。次いで各MTCデバイスは、変調された信号に対して逆離散フーリエ変換を行なう。これにより、各MTCデバイスでは、送信信号が生成される。エンコーダは、MTCデバイス間で共通のものが使われる。インターリーバは、デバイス毎に異なるものが使われる。
基地局装置のアンテナに入力される信号は、複数のMTCデバイスの信号が混ざり合っている。また、基地局装置のアンテナに入力される信号には、雑音および干渉がさらに加わっている。基地局装置は、当該信号に対して離散フーリエ変換を行なう。次いで、基地局装置は、離散フーリエ変換により得られた信号に対して、MUD(Multi User Detection:マルチユーザ検出)を行なう。これより、基地局装置は、受信した信号を各ユーザの信号に分離する。MUDは、複数のユーザの信号が混ざり合った信号から各ユーザの信号成分を抽出するものである。MUDでは、IDMA信号に対しては繰り返し処理によって徐々に干渉成分を減らしていく方法が採られる。
図21は、MUDの動作を説明するための図である。図21を参照して、基地局装置においてDFT処理された信号は、ESE(Elementary Signal Estimator)に送られる。ESEは、ガウス近似を用いて、ビット毎の平均値および分散を求める。ESEは、当該平均値および分散を、各ユーザのデバイスのインターリーバに対応したデインターリーバに送る。デインターリーバは、デインターリーブした信号(出力)をAPP(A Posteriori Probability)デコーダに送る。APPデコーダは、チャネルビットの対数尤度の受信系列から復号を行い、復号結果を各ユーザ用の復号された信号として出力するとともに、再符号化して対数尤度情報の精度を向上してインターリーバに出力する。ESEは、各APPデコーダから送られた各ユーザの送信信号の尤度情報をもとに、平均値および分散を再計算する。MUDは、以上の処理を繰り返し行うことにより、信号推定の精度を高めていく。
また、特開2007−60212号公報(特許文献1)には、基地局装置と携帯端末装置との間のアップリンク通信において、送信データの中継を行うリレー(中継装置、リピータ)を用いる構成が開示されている。
また、以下の非特許文献5には、マシン通信に適用されるセルラ技術のグローバル標準化動向が説明されている。
富永ほか、スマートグリッドとICT[II],電子情報通信学会誌 Vol.95, No.1, 2012年
Shao-Yu Lien et.al., Toward Ubiquitous Massive Accesses in 3GPP Machine-to-Machine Communications, IEEE Communications Magazine, April 2011
松本ほか、小パケット通信おけるIDMAの特性評価、電子情報通信学会技報、RCS2011−342, 2011年3月
Li Ping et.al., The OFDM−IDMA Approach to Wireless Communication Systems, IEEE Wireless Communications, June 2007
池田ほか、"マシン通信システム向けセルラ技術標準化活動"、パナソニック技報、Vol.57, No.1, 2011年4月号
しかしながら、非特許文献2のMTC管理方法は、個々のMTCデバイスが接続要求をおこなう必要がある。それゆえ、当該MTC管理方法では、接続要求に関わる制御信号を削減することはできない。また、当該MTC管理方法では、システムがMTCデバイスの許容値をみたさない場合は接続が拒否される。それゆえ、当該MTC管理方法では、大量のMTCデバイスを接続するという要求を満たすことができない。
一方、非特許文献3の方法では、アクセス要求の手順を省略している。それゆえ、基地局装置は、どのMTCデバイスが送信してくるかがわからない。したがって、実際には、基地局装置は、データを送信していないMTCデバイスの信号も想定して受信処理を行なう必要がある。具体的には、基地局装置は、実際に送信されていない信号の受信処理を行なうため、実際に送信されていない信号の成分を考慮して演算処理の変数値を生成する必要がある。このため、MUDの繰り返し処理の初期段階において、誤差が発生する。このように、基地局装置のMUDにおいては、余分な演算が発生するとともに、受信性能が劣化する可能性がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、複数のマシン通信する通信装置(MTCデバイス)が基地局装置に対して効率的に接続可能な無線通信システム、無線通信システムを構成する基地局装置、通信装置、無線通信システムと基地局装置と通信装置とにおける通信制御方法、および基地局装置と通信装置とを制御するためのプログラムを提供することにある。
(1)本発明のある局面に従うと、無線通信システムは、各々がマシン通信する複数の通信装置と、複数の通信装置と無線通信する基地局装置とを備えた無線通信システムである。基地局装置は、複数の通信装置のうち、第1のアプリケーションデータフォーマットを用いて基地局装置に対してデータを送信する第1のグループの通信装置の各々から、基地局装置にアクセスを要求するための要求信号を受信する受信手段と、第1のグループの通信装置のうちゲートウェイとして動作している通信装置に対して、第1の無線リソースを割り当てる割当手段とを含む。ゲートウェイとして動作している通信装置は、第1のグループにおいてゲートウェイとして動作していない通信装置の各々から、データを受信する受信手段と、第1の無線リソースを用いて、ゲートウェイとして動作していない通信装置の各々から受信したデータを基地局装置に送信する送信手段を含む。
(2)好ましくは、第1のグループの通信装置の各々は、第2の無線リソースを用いて、基地局装置へのアクセスを要求するための要求信号を基地局装置に送信する。
(3)好ましくは、基地局装置は、第1のグループの通信装置の中から、ゲートウェイとして機能させる通信装置を決定し、基地局を介して、第1のグループにおけるゲートウェイとして機能させる通信装置以外の通信装置の各々に、第1のグループにおけるゲートウェイを特定させるための情報を通知する。
(4)好ましくは、基地局装置は、第1のグループの通信装置のうち、複数の通信装置をゲートウェイとして機能させる。第1のグループにおける複数の通信装置のうちゲートウェイとして動作していない通信装置の各々は、複数のゲートウェイのうちのいずれかを介して、基地局装置にデータを送信する。
(5)好ましくは、複数の通信装置のうち、第2のアプリケーションデータフォーマットを用いて基地局装置にデータを送信する第2のグループの通信装置の各々は、第1のグループにおいてゲートウェイとして動作している通信装置を介して、基地局装置にデータを送信する。
(6)好ましくは、第1のグループの通信装置の各々が送信するデータは、通信装置毎に異なるインターリーブパターンにより生成されたインターリーブ分割多重アクセス方式に基づくデータである。
(7)好ましくは、第1のアプリケーションデータフォーマットでは、データのブロックサイズが予め定められた値に規定されている。
(8)好ましくは、第1のグループの通信装置の各々は、予め定められた第1の機能を有する。第2のグループの通信装置の各々は、予め定められた第2の機能を有する。
上記の構成によれば、複数のマシン通信する通信装置(MTCデバイス)は基地局装置に対して効率的に接続可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態に係る通信システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<A.システム構成>
図1は、無線通信システム1の概略構成を表した図である。図1を参照して、無線通信システム1は、複数のMTCデバイス100A〜100Dと、基地局装置(eNB:evolved Node B)200と、MME(Mobile Management Entity)300と、サーバ装置400とを少なくとも備えている。
図1は、無線通信システム1の概略構成を表した図である。図1を参照して、無線通信システム1は、複数のMTCデバイス100A〜100Dと、基地局装置(eNB:evolved Node B)200と、MME(Mobile Management Entity)300と、サーバ装置400とを少なくとも備えている。
基地局装置200は、セル900を構成する。各MTCデバイス100A〜100Dは、基地局装置200と通信可能なセル900に在圏している。基地局装置200は、MME300と通信可能に接続されている。MME300は、ネットワーク(移動通信ネットワークおよび/またはインターネット)500を介して、サーバ装置400と通信可能に接続されている。
MTCデバイス100A〜100Dは、マシン通信する通信装置である。ここで、「マシン通信する通信装置」とは、予め定められた形式(または種類)のデータを自動的に送信または受信する通信装置を意味する。
MTCデバイス100A,100Bは、監視カメラである。MTCデバイス100C,100Dは、電力メータ(スマートメータ(登録商標))である。各MTCデバイス100A〜100Dは、通信機能を備えている。各MTCデバイス100A〜100Dは、基地局装置200と通信する。各MTCデバイス100A〜100Dから送信されたデータ(画像データまたは測定データ)は、基地局装置200およびMME300を介して、サーバ装置400に送信される。
MME300は、主に移動局装置(UE:User Equipment)の移動性管理、セッション管理、非アクセス層シグナリングの処理及びセキュリティ、アラームメッセージ伝送、アラームメッセージに合った基地局の選択などを実行する。
MTCデバイス100A〜100Dは、MTCゲートウェイとしての機能を有している。MTCデバイス100A〜100Dの各々は、他のMTCデバイスを傘下(配下)にしたローカルネットワーク(以下、単に「ローカルネットワーク」と称する)を構成可能である。たとえば、MTCデバイス100Aは、MTCデバイス100Bを傘下にしたローカルネットワークを構成可能である。いずれのMTCデバイスがゲートウェイとして動作するかは、MME300またはMME300よりも上位の装置(たとえば、サーバ装置400)によって決定される。なお、各ローカルネットワークでは、ネットワークに適切なRAT(Radio Access Technology)が選択されており、MTCゲートウェイとして動作しているMTCデバイス以外のMTCデバイスは、MTCゲートウェイとの間で当該RATにおいて規定された通信を行なう。
以下では、説明の便宜上、MTCデバイス100A〜100Dを区別することなく1つのMTCデバイスを表す場合には、「MTCデバイス100」と称する。
<B.処理の概要>
以下、無線通信システム1で行なわれる処理の概要について説明する。
以下、無線通信システム1で行なわれる処理の概要について説明する。
無線通信システム1では、少なくとも各MTCデバイス100A〜100Dの送信するデータのブロックサイズが共通するように、MTCデバイス100A〜100Dがグループ分けされている。すなわち、基地局装置200にデータを送信する際のアプリケーションデータフォーマット(図10,11等)の違いに応じて、グループ分けがなされている。さらに、同一のグループでは、各MTCデバイスのトラフィック分布が共通するように、無線通信システム1が構成されている。
また、以下では、機能が共通するMTCデバイス100A,100BがグループA(第1のグループ)に、機能が共通するMTCデバイス100C,100DがグループB(第2のグループ)に分けられているとする。どのMTCデバイスがどのグループに属しているのかは、後述するグループIDで特定される(図4)。
基地局装置200またはMME300は、複数のグループ(グループA,グループB)の各々に対して、アクセス要求受付区間を設定する。たとえば、基地局装置200またはMME300は、グループAに対してアクセス要求受付区間PAを設定し、グループBに対してアクセス要求受付区間PBを設定する。なお、基地局装置200およびMME300以外の他の実体(図示せず)が、アクセス要求受付区間を設定するように、無線通信システム1を構成してもよい。
アクセス要求受付区間とは、無線通信システム1のアップリンクで利用可能な無線リソースをいう。具体的には、アクセス要求受付区間とは、連続する複数のリソースブロックで構成される。たとえば、基地局装置200またはMME300は、グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々に対して、グループAにおいて共通する無線リソースRAαを割り当て、グループBのMTCデバイス100C,100Dの各々に対して、グループBにおいて共通する無線リソースRBαを割り当てる。アクセス要求受付区間の詳細については、後述する。
各MTCデバイス100は、グループ毎に設定されたアクセス要求受付区間において、予め定められた信号フォーマットのアクセス要求信号を、基地局装置200に送信する。基地局装置200は、アクセス要求信号に対応したアクセス許可信号を各MTCデバイス100に対して一括して送信する。具体的には、基地局装置200は、グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々に対して、当該グループAにおいて共通する無線リソースRAβを割り当て、グループBのMTCデバイス100C,100Dの各々に対して、当該グループBにおいて共通する無線リソースRBβを割り当てる。
さらに、基地局装置200は、グループAのMTCデバイス100A,100Bの中から、MTCゲートウェイとして機能させるMTCデバイスを決定する。また、基地局装置200は、グループBのMTCデバイス100C,100Dの中から、MTCゲートウェイとして機能させるMTCデバイスを決定する。
基地局装置200は、無線リソースRAβの割り当てを示すリソース割当情報およびグループAにおけるMTCゲートウェイを特定(指定)するためのゲートウェイ割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C1)を、グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々に送信する。また、無線リソースRBβの割り当てを示すリソース割当情報およびグループBにおけるMTCゲートウェイを特定するためのゲートウェイ割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C2)を、グループBのMTCデバイス100C,100Dの各々に送信する。
ゲートウェイ割当情報においてMTCゲートウェイとして動作することを指示されたMTCデバイス(たとえば、グループAにおけるMTCデバイス100B、グループBにおけるMTCデバイス100C)は、通常のMTCデバイスとして動作するのみならず、MTCゲートウェイとしても動作する。
各グループにおいてMTCゲートウェイとして動作していないMTCデバイス(たとえば、MTCデバイス100A,100D)は、ローカルネットワークにおいて規定された無線リース(MTCゲートウェイによって指定された無線リソース)を用いて、予め定められた信号フォーマットで、データを自デバイスが属するグループのMTCゲートウェイに送信する。たとえば、MTCデバイス100Aは、映像データをMTCデバイスBに送信する。
各グループにおいてMTCゲートウェイとして動作しているMTCデバイスは、同じグループにおいてMTCゲートウェイとして動作していないMTCデバイスから、上記データを受信する。たとえば、MTCデバイス100Bは、MTCデバイス100Aから映像データを受信する。
各グループにおいてMTCゲートウェイとして動作しているMTCデバイスは、MTCゲートウェイとして動作していないMTCデバイスから受信したデータと、自デバイスが自ら取得したデータとを、アクセス許可信号に含まれるリソース割当情報にしたがって、予め定められた信号フォーマットを用いて基地局装置200に送信する。具体的には、グループAにおいてゲートウェイとして機能しているMTCデバイス(たとえば、MTCデバイス100B)は、無線リソースRAβを用いて、映像データを基地局装置200に送信する。グループBにおいてゲートウェイとして機能しているMTCデバイス(たとえば、MTCデバイス100C)は、無線リソースRBβを用いて、測定データを基地局装置200に送信する。
上記のように、無線通信システム1では、複数のMTCデバイス100をグループ化してアクセス要求、リソース割り当て、およびデータ送信を一括して行うことにより、多くのMTCデバイス100のネットワーク(基地局装置200,MME300,サーバ装置400)への接続を効率的に行うことができる。
さらに、各グループにおいてMTCデバイスの1つをゲートウェイとして機能させることにより、無線リソースの割り当ての際の当該ネットワーク側からの制御情報をグループ単位で送信すればよい。このため、各グループにおいてMTCデバイスの1つをゲートウェイとして機能させることにより、ゲートウェイとして機能させない場合よりも、ネットワーク(基地局装置200,MME300,サーバ装置400)における負荷(トラフィック)を分散させることができる。それゆえ、各グループにおいてMTCデバイスの1つをゲートウェイとして機能させることにより、ゲートウェイとして機能させない場合よりも、多くのMTCデバイス100のネットワーク(基地局装置200,MME300,サーバ装置400)への接続を効率的に行うことができる。
なお、以下では、説明の便宜上、基地局装置200が、複数のグループの各々に対してアクセス要求受付区間を設定する構成を例に挙げて説明する。
<C.ハードウェア構成>
(c1.MTCデバイス100)
図2は、MTCデバイス100のハードウェア構成の概略を表す図である。図2を参照して、MTCデバイス100は、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ111と、通信処理回路112と、無線IF113と、センサ114と、A/D(Analog to Digital)変換器115と、タイマ116と、電源制御回路117と、電源118と、MTC−GW(Gateway)処理部119と、短距離網処理部120と、短距離網IF部121とを含んで構成される。
(c1.MTCデバイス100)
図2は、MTCデバイス100のハードウェア構成の概略を表す図である。図2を参照して、MTCデバイス100は、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ111と、通信処理回路112と、無線IF113と、センサ114と、A/D(Analog to Digital)変換器115と、タイマ116と、電源制御回路117と、電源118と、MTC−GW(Gateway)処理部119と、短距離網処理部120と、短距離網IF部121とを含んで構成される。
CPU110は、電源制御回路117から起動指示信号が入力された場合、メモリ111に記憶されたプログラムを読み出す。CPU110は、読み出したプログラムを動作させてMTCデバイス100全体の動作を制御する。CPU110は、メモリ111から予め記憶された機器識別子(デバイスID)およびMTCグループ識別子(グループID)を読み出す。CPU110は、通信処理回路112から入力された基地局装置200からの受信情報から、グループIDに対応したアクセス要求受付区間に対応する情報を抽出する。CPU110は、上記抽出されたアクセス要求受付区間に対応する情報をメモリ111に記憶する。CPU110は、上記アクセス要求受付区間に対応して、スケジュール情報を生成し、電源制御回路117に設定する。
CPU110は、A/D変換器115から入力されたディジタルデータをメモリ111に一時記憶する。CPU110は、上記アクセス要求受付区間に対応して、アクセス要求信号を生成する。CPU110は、生成されたアクセス要求信号を、基地局装置200へ送信する信号として通信処理回路112に出力する。CPU110は、通信処理回路112から入力された基地局からのアクセス許可信号に対応して、メモリ111に一時記憶しておいたディジタルデータを基地局装置200に送信するための信号を生成する。CPU110は、生成された信号を、通信処理回路112に出力する。CPU110は、電源制御回路117から停止指示信号が入力された場合、動作中のプログラムの動作を停止することにより、タイマ116および電源制御回路117以外の動作を停止させる。
通信処理回路112は、無線IF113から入力された基底周波数帯域の信号(受信した信号)を処理して情報信号系列または制御情報系列を生成する。通信処理回路112は、静止得された系列を、CPU110に出力する。通信処理回路112は、CPU110から入力された信号を、基地局装置200に送信するための基底周波数帯域の信号として、無線IF113に出力する。
無線IF113は、基地局装置200から電波で受信した信号をダウンコンバートして、基底周波数帯域の信号を生成する。無線IF113は、生成した基底周波数帯域の信号を通信処理回路112に出力する。無線IF113は、通信処理回路112から入力された基底周波数帯域の信号をアップコンバートして無線周波数帯域の信号を生成する。無線IF113は、生成した無線周波数領域の信号を、電力を増幅して電波で基地局装置200に出力する。
センサ114は、MTCデバイス100の周囲環境を表すアナログデータを検知する。センサ114は、例えば、画像を撮影するカメラ、あるいは電力を計測するための電圧計および電流計を含む電力センサが該当する。センサ114は、検知したアナログデータをA/D変換器115に出力する。
A/D変換器115は、センサ114から入力されたアナログデータをA/D変換してディジタルデータを生成する。A/D変換器115は、生成したディジタルデータをCPU110に出力する。
タイマ116は、現在の時刻を逐次に計測し、計測した時刻情報をCPU110および電源制御回路117に出力する。
電源制御回路117においては、電源118を起動させる起動時刻と停止させる停止時刻とに関する情報を表すスケジューリング情報が予め設定されている。但し、「停止」とは、タイマ116および電源制御回路117が動作し、その他の機能部が停止する状態を意味する。電源制御回路117は、タイマ116から入力された時刻情報が、当該時刻情報に対応するスケジューリング情報が表す起動時刻に達した場合、起動することを表す起動指示信号を生成する。電源制御回路117は、タイマ116から入力された時刻情報が、該時刻情報に対応するスケジューリング情報が表す停止時刻に達した場合、停止することを表す停止指示信号を生成する。電源制御回路117は、生成した起動指示信号又は停止指示信号をCPU110及び電源118に出力する。
電源118は、電源制御回路117から起動指示信号が入力された場合、MTCデバイス100の各部に電力を供給する。電源118は、電源制御回路117から停止指示信号が入力されCPU110の動作が停止した後、タイマ116及び電源制御回路117以外の各部への電源118の供給を停止する。
MTC−GW処理部119は、CPU110に対して、MTCゲートウェイ情報を要求する。MTC−GW処理部119は、MTCゲートウェイ情報を入手した場合は、MTCゲートウェイ傘下として短距離通信網で通信するMTCデバイスとして、MTC端末登録要求信号を生成する。MTC−GW処理部119は、MTC端末登録要求信号を、短距離網処理部120に出力する。
MTC−GW処理部119は、MTCゲートウェイからの受信信号(登録可否)を短距離網処理部120から入手した場合、受信信号をCPU110へ出力する。MTC−GW処理部119は、一定時間経過しても受信がない場合、登録否の信号を生成する。MTC−GW処理部119は、生成した信号をCPU110に出力する。
MTC−GW処理部119は、MTCゲートウェイ割当情報を入手した場合、MTCゲートウェイとして他のMTCデバイスと短距離通信網で通信するMTCデバイスとして、短距離網処理部120からの送られてくる別のMTCデバイスからの登録要求信号を待つ。MTC−GW処理部119は、登録要求信号を入手した場合は、当該登録要求信号をCPU110に出力する。MTC−GW処理部119は、CPU110からの登録可否の信号を受信した場合、当該受信した信号を短距離網処理部120へ出力する。
短距離網処理部120は、短距離網IF部121から入力された無線周波数帯域の受信信号を、基底周波数帯域の受信信号に変換する。短距離網処理部120は、変換した受信信号をCPU110に出力する。短距離網処理部120は、CPU110から送信信号が入力される。短距離網処理部120は、入力された送信信号を基底周波数帯域から無線周波数帯域の送信信号に変換する。短距離網処理部120は、変換した無線周波数帯域の送信信号を短距離網IF部121に出力する。
短距離網IF部121は、短距離網処理部120から入力された無線周波数帯域の送信信号を、他のMTCデバイスまたはMTCゲートウェイに送信する。短距離網IF部121は、MTCデバイスまたはMTCゲートウェイからの無線周波数帯域の受信信号を受信する。短距離網IF部121は、受信した無線周波数帯域の受信信号を短距離網処理部120に出力する。
MTCデバイス100における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ111に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカードその他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタその他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、無線IF113を介してダウンロードされた後、メモリ111に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU110によってメモリ111から読み出され、さらにメモリ111に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU110は、そのプログラムを実行する。
同図に示されるMTCデバイス100を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、メモリ111、メモリカードその他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。
なお、記録媒体としては、DVD-ROM、CD−ROM、FD、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。また、ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
(c2.基地局装置200)
図3は、基地局装置200の典型的なハードウェア構成を表した図である。図3を参照して、基地局装置200は、アンテナ210と、無線処理部230と、制御・ベースバンド部250とを備える。
図3は、基地局装置200の典型的なハードウェア構成を表した図である。図3を参照して、基地局装置200は、アンテナ210と、無線処理部230と、制御・ベースバンド部250とを備える。
無線処理部230は、デュプレクサ2301と、パワーアンプ2303と、ローノイズアンプ2305と、送信回路2307と、受信回路2309と、直交変復調部2311とを備える。制御・ベースバンド部250は、ベースバンド回路251と、制御装置252と、電源装置255と、タイミング制御部253と、通信インターフェイス254とを備える。制御装置252は、CPU2521と、ROM2522と、RAM2523と、不揮発性メモリ2524と、HDD(Hard Disk Drive)2525とを備える。
直交変復調部2311は、ベースバンド回路251で処理されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を直交変復調し、アナログ信号(RF(Radio Frequency)信号)と変換する。送信回路2307は、直交変復調部2311で生成されたRF信号を、電波として送出する周波数に変換する。受信回路2309は、受信した電波を直交変復調部2311で処理する周波数に変換する。
パワーアンプ2303は、送信回路2307で生成したRF信号を、アンテナ210から送信するために電力増幅する。ローノイズアンプ2305は、アンテナ210で受信した微弱電波を増幅し、受信回路2309に渡す。
制御装置252は、基地局装置200全体の制御、および呼制御のプロトコルや制御監視を行なう。タイミング制御部253は、伝送路等から抽出した基準クロックを基に、基地局装置200内部で使用する各種クロックを生成する。
通信インターフェイス254は、イーサネット(登録商標)などの伝送路を接続し、IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)、IPv6(Internet Protocol Version 6)等のプロトコルを処理してIPパケットの授受を行なう。
ベースバンド回路251は、通信インターフェイス254を用いて授受するIPパケットと、無線上に乗せるOFDM信号(ベースバンド信号)の変換(変復調)を行なう。また、ベースバンド信号は無線処理部230との間で授受される。
電源装置255は、基地局装置200に供給される電圧を、基地局装置200内部で使用する電圧に変換する。
基地局装置200における処理は、各ハードウェアおよびCPU2521により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、HDD2525等に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード(図示せず)その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタその他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス254を介してダウンロードされた後、HDD2525に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU2521によってHDD2525から読み出され、さらに不揮発性メモリ2524に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU2521は、そのプログラムを実行する。
同図に示される基地局装置200を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、HDD2525、不揮発性メモリ2524、メモリカードその他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、基地局装置200の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
なお、記録媒体としては、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、コンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。また、ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
<D.処理の詳細>
次に、無線通信システム1で行なわれる処理の詳細について説明する。
次に、無線通信システム1で行なわれる処理の詳細について説明する。
図4は、MTCデバイス100のグループ分けを説明するための図である。上述したように、共通の機能(特性)を持つMTCデバイス同士が共通のグループに分けられている。
図4を参照して、データテーブル4では、サービス分野、アプリケーション、およびサービス業者にて、グループを表すグループIDが対応付けられている。データテーブル4は、基地局装置200またはMME300に格納されている。サービス分野としては、たとえば、セキュリティ分野、医療分野、計測分野等が挙げられる。アプリケーションとしては、たとえば、ビルメンテナンス、自動車、人体の状態測定(心拍数、体温、血圧等)、老人サポート、電力、ガス、水道等の分野で用いられるアプリケーションが挙げられる。
例えば、グループIDが“0001”(「グループA」に対応)の監視カメラによるビルメンテナンスのためのアプリケーションでは、監視カメラ(MTCデバイス100A,100B)の映像を300kbpsで連続的に送信する。たとえば、MTCデバイス100AおよびMTC100Bは、A社の監視カメラに該当する。MTCデバイス100A,100Bは,遅延を許容して通信効率を高めるために、一秒間に一回300kbitのデータブロックを基地局装置200に送信する。
グループIDが“0009”(「グループB」に対応)の電力メータによる消費電力測定のアプリケーションでは、電力メータ(MTCデバイス100C,100D)は、1時間に1回の割合で32ビットのデータブロックを送信する。たとえば、MTCデバイス100CおよびMTC100Dは、I社の監視カメラに該当する。
各MTCデバイス100は、位置登録処理によって、MME300からグループIDの割り当てを受ける。なお、位置登録の際の通信は、以下のアクセス要求受付区間に縛られない。あるいは、予めメモリ(ROM(Read Only Memory)またはUSIM(Universal Subscriber Identification Module)等)に設定されたIDをグループIDとして用いることも可能である。
基地局装置200は、各グループに対してアクセス要求受付区間をそれぞれ設定する。基地局装置200は、設定したアクセス要求受付区間を報知情報として各MTCデバイス100に通知する。この際、無線通信システム1では、各グループのMTCデバイス100が自装置のグループを表した情報を含む情報ブロックのみを受信するようにし、図示しない非MTCデバイス(MTCデバイス以外のユーザ端末装置)は当該情報を受信しないように、各端末装置(MTCデバイスおよび非MTCデバイス)を構成してもよい。または、位置登録の際に、グループを表した情報を、MTCデバイス100に通知することも可能である。
各MTCデバイス100は、自装置のグループに割り当てられたアクセス要求受付区間において、上記グループIDに基づき、報知情報等で指示されたフォーマットでアクセス要求信号を基地局装置200に送信する。
基地局装置200は、受信した信号に基づいて、どのMTCデバイス100がアクセス要求信号を送信したかを判定する。なお、アクセス要求信号として直交性の高い信号を使用することにより、基地局装置200は複数のMTCデバイス100から同時にアクセス要求信号を受信することが可能とする。
図5は、アクセス要求受付区間の一例を説明するための図である。具体的には、図5は、グループAに割り当てられたアクセス要求受付区間PAを表した図である。図5を参照して、グループAのMTCデバイス100A,100Bは割り当てられたアクセス要求受付区間PAで、アクセス要求を基地局装置200に送信する。アクセス要求受付区間PAは、1つのフレームにおける予め定められたサブフレーム(上りリンクサブフレーム)における、周波数方向に連続した6つのリソースブロックで構成される。具体的には、アクセス要求受付区間PAは、リソースブロックE1とリソースブロックE6とで規定される区間である。
なお、LTEでは、複数の上りリンクサブフレームの各々は、時間軸方向に隣接した2つのスロット(上りリンクスロット)で構成される。各スロットは、周波数軸方向に複数のリソースブロックを含む。各リソースブロックは、180kHz×0.5msecの領域で構成される。また、各リソースブロックは、複数のリソースエレメント(周波数軸方向に12個、時間軸方向に7個の計84個のリソースエレメント)で構成される。
このように、グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々は、1つのフレームにおける予め定められたサブフレーム(上りリンクサブフレーム)における、周波数方向に連続した6つのリソースブロック(無線リソース)を用いて、データを基地局装置200に送信する。
MTCデバイス100A,100Bは、グループAに対応する、フレームの番号、上りリンクサブフレームの番号、および周波数オフセットに基づき、アクセス要求受付区間PAを判断する。なお、フレームの番号は、役10秒間隔で繰り返されるため、区間同士の間隔を長くするためには、別のパラメータが必要となる。また、MTCデバイス100A,100Bは、root sequence indexで与えられるパラメータを使って系列を生成し、デバイスIDに対応したシフト処理を行なう。
基地局装置200は、MTCデバイス100から送信されたアクセス要求信号を受信する。基地局装置200は、受信したアクセス要求信号が、指定したグループのデバイスからのアクセス要求信号であることを確認する。基地局装置200は、アクセス要求信号の数が許容数以下であれば、これらのMTCデバイス100に対してリソース割当情報(アクセス許可,スケジューリング)を含む制御信号を送信する。
図6は、アクセス許可信号(制御情報)に含まれるリソース割当情報のフォーマットを表した図である。図6を参照して、リソース割当情報のフォーマット6を用いることにより、1つのリソース割当情報によって、複数のデバイスの割り当てを通知することができる。デバイス数Nは、割り当てを行うMTCデバイス100の数を表す。デバイスID(ID1〜IDN)は各MTCデバイス100のIDを示す。ゲートウェイリソース情報のフィールドには、割り当てるリソースにおけるリソースブロックの開始位置と長さとの情報が含まれている。ゲートウェイフラグは、MTCゲートウェイとして指定したMTCデバイスを指定する。指定される基準としては、たとえば、通信品質の最も良いMTCデバイスであることが挙げられる。MCS(Modulation and Coding Scheme)は送信の際の変調方式と符号化率との組み合わせを示す。ゲートウェイTF(Transport Format)は送信フォーマットを示す。
図7は、割り当てられたリソースの一例を説明するための図である。図7を参照して、デバイスIDによって指定されたN個のMTCデバイス100のうちゲートウェイフラグにより指定されたMTCデバイス100は、リソース情報のフィールドで示されるリソースブロックを使用する。リソースを割り当てられたMTCデバイス100は、指定されたMCSとTFとを使用する。つまり、リソースを割り当てられたMTCデバイス100は、区間QAにおいて、指定されたMCSとTFとを使用して、データ(映像データ等)を、基地局装置200に送信する。
たとえば、グループAのMTCゲートウェイ(たとえば、MTC100B)は、割り当てられた区間QAで、データを基地局装置200に送信する。区間QAは、1つのフレームにおける予め定められた上りリンクサブフレームにおける、周波数方向に連続した12個のリソースブロックで構成される。具体的には、区間QAは、リソースブロックE101とリソースブロックE112とで規定される区間である。この場合、グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々は、1つのフレームにおける予め定められた上りリンクサブフレームにおける、周波数方向に連続した12つのリソースブロック(無線リソース)を用いて、映像データを基地局装置200に送信する。
ところで、上記の図6では、1つのグループ(たとえばグループA)において、MTCゲートウェイが1つ存在する構成を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、基地局装置200からの距離に応じて1つのグループを複数のグループ(以下、「サブグループ」とも称する)に細分化して、細分化したそれぞれのグループにおいてMTCゲートウェイが存在するように、無線通信システム1を構成してもよい。つまり、細分化したそれぞれのグループ同士で異なったMCSおよびTFを割り当てるように、無線通信システム1を構成してもよい。
図8は、細分化したそれぞれのグループ同士で異なったMCSおよびTFを割り当てる場合における、リソース割当情報のフォーマット8を表した図である。つまり、図8は、1つのグループを細分化することにより構成された複数のサブグループの各々において1つのMTCデバイスをMTCゲートウェイとして動作させる場合における、MTCゲートウェイに対するリソース割当情報のフォーマット8を表した図である。
図8を参照して、フォーマット8では、1つのグループ(たとえば、グループA)が2つのサブグループに細分化されている。フォーマット8におけるデバイスIDA1〜IDANで特定されるNA個のMTCデバイス100のうちゲートウェイフラグにより指定されたMTCデバイス100(つまり、MTCゲートウェイ)は、ゲートウェイリソース情報VAで指定されるリソースブロックを使用する。リソースを割り当てられたMTCデバイス100は、指定されたゲートウェイMCSAとゲートウェイTFAとを使用して、データを基地局装置200に送信する。
デバイスIDB1〜IDBNで特定されるNB個のMTCデバイス100のうちのゲートウェイフラグにより指定されたMTCデバイス100(つまり、MTCゲートウェイ)は、ゲートウェイリソース情報VBで指定されるリソースブロックを使用する。リソースを割り当てられたMTCデバイス100は、指定されたゲートウェイMCSBとゲートウェイTFBとを使用して、データを基地局装置200に送信する。
つまり、NA個のMTCデバイス100のうちの指定された一つのMTCデバイス100は、割り当てられた無線リース(たとえば後述する区間QB)において、ゲートウェイMCSAとゲートウェイTFAとを使用して、データ(映像データ等)を基地局装置200に送信する。また、NB個のMTCデバイス100のうち指定された1つのMTCデバイス100は、別途割り当てられた無線リソース(後述する区間QC)において、ゲートウェイMCSBとゲートウェイTFBとを使用して、データ(映像データ等)を基地局装置200に送信する。
図9は、細分化したそれぞれのグループ同士で異なったMCSおよびTFを割り当てる場合における、割り当てられたリソースの一例を説明するための図である。図9を参照して、たとえば、NA個のMTCデバイス100のうちの指定された一つのMTCデバイス100は、割り当てられた区間QBで、データを基地局装置200に送信する。区間QBは、1つのフレームにおける予め定められた上りリンクサブフレームにおける、周波数方向に連続した10個のリソースブロックで構成される。具体的には、区間QBは、リソースブロックE201とリソースブロックE210とで規定される区間である。
また、NB個のMTCデバイス100のうちの指定された一つのMTCデバイス100は、割り当てられた区間QCで、データを基地局装置200に送信する。区間QCは、1つのフレームにおける予め定められた上りリンクサブフレームにおける、周波数方向に連続した11個のリソースブロックで構成される。具体的には、区間QCは、リソースブロックE301とリソースブロックE311とで規定される区間である。なお、リソースブロックE301は、リソースブロックE210と隣接している。
図10は、グループAのMTCデバイス100A,100B(監視カメラ)に用いられるアプリケーションのデータフォーマットを表した図である。図10を参照して、MTCデバイス100A,100Bは、撮像により得られた動画データを、300kビットで送信するデータフォーマット10を用いて、撮像した映像データを、基地局装置200およびMME300を介してサーバ装置400に送信する。
図11は、グループBのMTCデバイス100C,100D(電力メータ)に用いられるアプリケーションのデータフォーマットを表した図である。図11を参照して、MTCデバイス100C,100Dは、測定により得られた消費電力データを、16ビットで送信するデータフォーマット11を用いて、基地局装置200およびMME300を介してサーバ装置400に送信する。
また、MTCデバイスから送信するデータには図10および11に示すアプリケーションデータのほかにあらかじめ設定された自身のIPアドレスや宛先となるMTCサーバのIPアドレスを含むIPヘッダ、およびポート番号等を含むTCPまたはUDPのヘッダ等の情報を含めることも可能である。
基地局装置200は、同時に同じグループの複数のMTCデバイス100の送信を割り当てると、各MTCデバイス100から同時に送信される信号の長さは統一化される。異なるデータ長の送信データを共通のTFに割り当てるとパディングが必要になるので非効率になるが、この場合は統一されたデータ長の信号を共通のTFに対応付けることで効率的な送信が可能になる。各MTCデバイスは、MTCデバイス100に対して固有に割り当てられたデバイスIDを使って、送信する信号を生成する。
ところで、無線通信システム1では、複数のMTCデバイス100が共通の無線リソースを使用することになるので、信号は衝突し互いに干渉を与える可能性がある。基地局装置200が、他のMTCデバイス100の信号の干渉を抑圧して、各MTCデバイス100から送信されたデータを抽出する方法はいくつか考えられる。無線通信システム1では、データを抽出する方法として、上述したIDMA方式を用いる。
IDMA方式に関する上述した非特許文献3ではセル内のすべての端末に共通のMCSのみ通知し、スケジューリングを行わないとしているが、無線通信システム1ではアクセス要求信号に応じてMTCデバイス100のスケジューリングを行なう。しかし、スケジューリングは複数のMTCデバイス100に対して一括して送ることができるため、スケジューリングに要する制御情報は、1つ1つのMTCデバイスに対してスケジューリングを行なう従来の方法に比べて、圧倒的に小さくなる。
また、IDMA信号の受信および復調処理については、図20および図21に基づいて説明した方法を用いる。このため、ここでは繰り返し説明は行なわない。
信号推定の精度を高めていくための上述したMUDによる繰り返し処理を行う際、各MTCデバイス100のデータが共通のMCSおよびTFを用いて送信されることは重要である。各MTCデバイス100がそれぞれ異なるMCSおよび/または異なるTFでデータを基地局装置200に送信すると、基地局装置200でのMUD処理がMTCデバイス100毎に異なるため、処理の割り当てが複雑になる。MCSおよびTFが統一されていると、基地局装置200は、繰り返し行われる各MTCデバイス100から送られてくる信号の復号処理を並列化して行うことが容易になる。すなわち、MCSおよびTFが共通化できない場合は、図21のインターリーバの長さや、デコーダの処理量、記憶容量等が異なってくることに加え、処理遅延もばらばらになる。MCSおよびTFを統一することにより、各ユーザのデインターリーバ,APPデコーダ,およびインターリーバの構成を共通化させて、インターリーブパターンのみを変更すればよい。MCSおよびTFを統一することにより、処理遅延も均一になるため、基地局装置200は、復号処理の並列化が行いやすい。さらに、MCSおよびTFを統一することにより、基地局装置200は、MCSおよびTFを決定するための品質測定、およびデータ量の通知などの処理を行う必要がなくなる。
<E.機能的構成>
図12は、MTCデバイス100の機能的構成と、基地局装置200の機能的構成とを説明するための図である。なお、図12では、MTCデバイスに関しては、便宜上、グループAの2つのMTCデバイス100A,Bのみを記載している。図12を参照して、MTCデバイス100は、送信部101と、受信部102とを備える。基地局装置200は、割当部201と、送信部202と、受信部203とを備える。
図12は、MTCデバイス100の機能的構成と、基地局装置200の機能的構成とを説明するための図である。なお、図12では、MTCデバイスに関しては、便宜上、グループAの2つのMTCデバイス100A,Bのみを記載している。図12を参照して、MTCデバイス100は、送信部101と、受信部102とを備える。基地局装置200は、割当部201と、送信部202と、受信部203とを備える。
(1)基地局装置200の割当部201は、複数のMTCデバイス100のうち、第1のアプリケーションデータフォーマットを用いて基地局装置200にデータを送信するグループAのMTCデバイス100A,100Bの各々に対して、グループAにおいて共通する無線リソースRAαを割り当てる。また、割当部201は、複数のMTCデバイス100のうち、第2のアプリケーションデータフォーマットを用いて基地局装置200にデータを送信するグループBのMTCデバイス100C,100D(図示せず)の各々に対して、グループBにおいて共通する無線リソースRBαをさらに割り当てる。
グループAのMTCデバイス100A,100Bにおける各送信部101は、無線リソースRAαを用いて、基地局装置200へのアクセスを要求するための要求信号を基地局装置に200送信する。また、グループBのMTCデバイス100C,100Dにおける各送信部101は、無線リソースRBαを用いて、基地局装置200へのアクセスを要求するための要求信号を基地局装置に200送信する。
基地局装置200の受信部203は、グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々から、要求信号を受信する。また、受信部203は、グループBのMTCデバイス100C,100Dの各々から、要求信号を受信する。
また、割当部201は、要求信号を送信したMTCデバイス100A,100BのうちのMTCゲートウェイとして動作させるMTCデバイス(図12では、MTCデバイス100B)に対して、無線リソースRAβを割り当てる。さらに、割当部201は、要求信号を送信したMTCデバイス100C,100DのうちのMTCゲートウェイとして動作させるMTCデバイス(たとえば、MTCデバイス100C)に対して、無線リソースRBβを割り当てる。
基地局装置200の送信部202は、無線リソースRAβの割り当てを示すリソース割当情報とグループAにおけるMTCゲートウェイを特定(指定)するためのゲートウェイ割当情報とを含んだアクセス許可信号(制御情報C1)を、要求信号を送信したMTCデバイス100A,100B通信装置の各々に送信する。また、送信部202は、無線リソースRBβの割り当てを示す割当情報とグループBにおけるMTCゲートウェイを特定するためのゲートウェイ割当情報とを含んだアクセス許可信号(制御情報C2)を、要求信号を送信したMTCデバイス100C,100Dの各々に送信する。
グループAのMTCデバイス100A,100Bの各受信部102は、基地局装置200から、無線リソースRAβの割り当てを示すリソース割当情報およびゲートウェイ割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C1)を受信する。一方、グループBのMTCデバイス100C,100Dの各受信部102は、基地局装置200から、無線リソースRBβの割り当てを示すリソース割当情報およびゲートウェイ割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C2)を受信する。
グループAのMTCデバイス100Aの送信部101は、グループAのローカルネットワークにおいて指定された無線リソースを用いて、対象となるデータ(監視カメラで撮像された映像データ)を、MTCゲートウェイとして動作しているMTCデバイス100Bに送信する。グループAのMTCデバイス100Bの送信部101は、無線リソースRAβを用いて、対象となるデータ(各監視カメラで撮像された映像データ)を基地局装置200に送信する。
また、グループBのMTCデバイス100Dの送信部101は、グループBのローカルネットワークにおいて指定された無線リソースを用いて、対象となるデータ(電力メータにより測定された消費電力)を、MTCゲートウェイとして動作しているMTCデバイス100Cに送信する。グループBのMTCデバイス100Cの送信部101は、無線リソースRBβを用いて、対象となるデータ(各電力メータにより測定された消費電力)を基地局装置200に送信する。
(2)グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々に対して、共通のグループIDが設定されている。また、グループBのMTCデバイス100C,100Dの各々に対しても、グループAとは異なる、共通のグループIDが設定されている。
前記基地局装置200の割当部201は、グループAのグループIDを有するMTCデバイス100A,100Bの各々に対して、グループAにおいて共通する無線リソースRAαを割り当てる。また、割当部201は、グループBのグループIDを有するMTCデバイス100C,100Dの各々に対して、グループBにおいて共通する無線リソースRBαを割り当てる。
(3)無線リソースRAβの割り当てを示す割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C1)、および無線リソースRBβの割り当てを示す割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C2)は、MTCデバイス100を識別するための複数のデバイスIDを含んでいる(図6等)。
無線リソースRAβの割り当てを示す割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C1)は、グループAにおけるMTCゲートウェイとして動作するMTCデバイスが使用する信号形式(MCSおよび/またはTF)をさらに含む。また、無線リソースRBβの割り当てを示す割当情報を含んだアクセス許可信号(制御情報C2)は、グループBにおけるMTCゲートウェイとして動作するMTCデバイスが使用する共通の信号形式(MCSおよび/またはTF)をさらに含む。
(4)グループAのMTCデバイス100A,100Bの各々が送信する映像データは、MTCデバイス100A,100B毎に異なるインターリーブパターンにより生成されたインターリーブ分割多重アクセス方式に基づくデータである。つまり、第1グループ内でも、異なるインターリーブパターンにより映像データが生成される。また、グループBのMTCデバイス100C,100Dの各々が送信する消費電力は、MTCデバイス100C,100D毎に異なるインターリーブパターンにより生成されたインターリーブ分割多重アクセス方式に基づくデータである。
(5)第1のアプリケーションデータフォーマットでは、データのブロックサイズが予め定められた値に規定されている。また、第2のアプリケーションデータフォーマットでは、データのブロックサイズが予め定められた値に規定されている。
(6)グループAのMTCデバイス100A,100Bは、監視カメラといった撮像機能を有する。さらに、MTCデバイス100A,100Bは、基地局装置200との間における通信において同じトラフィック分布を有する。
グループBのMTCデバイス100C,100Dは、電力メータといった消費電力測定機能を有する。さらに、MTCデバイス100C,100Dは、基地局装置200との間における通信において同じトラフィック分布を有する。
<F.制御構造>
図13は、無線通信システム1における処理の流れを表したシーケンスチャートである。各MTCデバイス100は、予め位置登録を行っており、上記のデバイスIDとして、個別のID(たとえばTMSI:temporary mobile subscriber identity)が割り当てられている。なお、位置登録の際の通信は、以下のアクセス要求受付区間に縛られない。あるいは、位置登録を行わずに、個別のデバイスIDとして、ROM(Read Only Memory)、USIM(Universal Subscriber Identification Module)等に予め設定されたID(たとえば、IMEI:International Mobile Equipment Identity、またはIMSI:International Mobile Subscriber Identity)を用いることも可能である。
図13は、無線通信システム1における処理の流れを表したシーケンスチャートである。各MTCデバイス100は、予め位置登録を行っており、上記のデバイスIDとして、個別のID(たとえばTMSI:temporary mobile subscriber identity)が割り当てられている。なお、位置登録の際の通信は、以下のアクセス要求受付区間に縛られない。あるいは、位置登録を行わずに、個別のデバイスIDとして、ROM(Read Only Memory)、USIM(Universal Subscriber Identification Module)等に予め設定されたID(たとえば、IMEI:International Mobile Equipment Identity、またはIMSI:International Mobile Subscriber Identity)を用いることも可能である。
図13を参照して、シーケンスSQ2において、各MTCデバイス100(100A〜100D)は、基地局装置200から報知情報を受信する。これにより、各MTCデバイス100は、自装置の属するグループのアクセス要求受付区間の情報を受信する。
この際、各グループのMTCデバイス100は自装置のグループの情報を含む情報ブロックのみの受信が可能なように各MTCデバイス100を構成する。また、図示しない非MTCデバイス(MTCデバイス100以外のユーザ端末)は、これらの情報を受信しないようにする。報知情報は、PRACHのリースブロック割り当てと、信号フォーマットと、使用可能なプリアンブル系列(Preamble sequence)とを、セットで含んでいる。プリアンブル系列は、アクセス要求を送信する際に用いる信号系列である。あるいは、基地局装置200は、同様の情報を位置登録の際にMTCデバイス100に個別に通知することも可能である。
シーケンスSQ4において、グループAのMTCデバイス100Aは、自装置の上記IDと対応したプリアンブルパターンを選択して、指定されたアクセス要求受付区間PAにアクセス要求信号を送信する。シーケンスSQ6において、グループAのMTCデバイス100Bは、自装置の上記IDと対応したプリアンブルパターンを選択して、指定されたアクセス要求受付区間PAにアクセス要求信号を送信する。
シーケンスSQ8において、グループBのMTCデバイス100Cは、自装置の上記IDと対応したプリアンブルパターンを選択して、指定されたアクセス要求受付区間PBにアクセス要求信号を送信する。シーケンスSQ10において、グループBのMTCデバイス100Dは、自装置の上記IDと対応したプリアンブルパターンを選択して、指定されたアクセス要求受付区間PBにアクセス要求信号を送信する。
なお、たとえば、IDは16ビットで与えられ、プリアンブルパターンの数は512とする。MTCデバイス100は、IDの下位9ビットに対応するプリアンブルパターンを選択する。プリアンブルパターンは、プリアンブル系列と、当該プリアンブル系列のサイクリックシフトとによって決定される。LTEのPRACHのパターンにならって、系列長を839とすると、一つの系列のシフトで上記のパターン数が確保できる。プリアンブルパターンの数を増やす場合には、複数のプリアンブル系列を用いてパターン数を増やすか、系列長の長いプリアンブル系列を使うようにすればよい。
シーケンスSQ12において、基地局装置200は、マッチドフィルタ等を用いて、アクセス要求受付区間PAおよびアクセス要求受付区間PBで受信した信号の各々に、どのプリアンブルパターンが含まれるかを検出する。基地局装置200は、検出されたプリアンブルパターンに対応するMTCデバイス100を判定して、送信割り当てを行うか否かを判断する。プリアンブルパターンに対してMTCデバイス100のIDは1対多の対応関係を有するため、基地局装置200がMTCデバイス100を一意に特定できるとは限らない。この場合、基地局装置200は、プリアンブルに対応するMTCデバイス100のIDの内、アクセス要求受付区間を設定したグループに属する複数のMTCデバイスに対して、送信割り当てを行なう。なお、グループに属するMTCデバイス100の数が多い場合には、シーケンスSQ4,SQ6,SQ8,SQ10において、プリアンブルパターンの数を増やすなどの対策をとる。
シーケンスSQ14において、基地局装置200は、送信割り当てを行うMTCデバイス100A,100Bに対して、リソース割当情報およびゲートウェイ割当情報を含むアクセス許可信号を一括送信する。つまり、基地局装置200は、グループA用のリソース割当情報およびゲートウェイ割当情報を含む制御情報C1を、グループAのMTCデバイス100A,100Bに送信する。
制御情報C1に含まれるゲートウェイ割当情報においてMTCデバイス100Bがゲートウェイとして動作することが指定されている場合、シーケンスSQ16において、MTCデバイス100Bは、MTCゲートウェイとして動作を開始する。また、MTCデバイス100Bと同じグループのMTCデバイス100Aは、MTCデバイス100BがMTCゲートウェイに指定されたことを認識する。
シーケンスSQ18において、基地局装置200は、送信割り当てを行うMTCデバイス100C,100Dに対して、リソース割当情報およびゲートウェイ割当情報を含むアクセス許可信号を一括送信する。つまり、基地局装置200は、グループB用のリソース割当情報およびゲートウェイ割当情報を含む制御情報C2を、グループBのMTCデバイス100C,100Dに送信する。
制御情報C2に含まれるゲートウェイ割当情報においてMTCデバイス100Cがゲートウェイとして動作することが指定されている場合、シーケンスSQ20において、MTCデバイス100Cは、MTCゲートウェイとして動作を開始する。また、MTCデバイス100Cと同じグループのMTCデバイス100Dは、MTCデバイス100CがMTCゲートウェイに指定されたことを認識する。
シーケンスSQ22において、MTCデバイス100Aは、MTCデバイス100Aを含むローカルネットワークにおいて指定された無線リソースを用いて、グループAにおいてMTCゲートウェイとして機能しているMTCデバイス100Bに対して映像データを送信する。シーケンスSQ26において、MTCデバイス100Bは、MTCデバイス100Aから受信した映像データとMTCデバイス100Bが自ら撮像した映像データとに対してMDUの処理を行ない、割り当てられた無線リソースを用いて(図14参照)、MTCデバイス100Aから受信した映像データと、MTCデバイス100Bが自ら撮像した映像データとを、基地局装置200に送信する。このように、MTCデバイス100Bは、自らが撮像した映像データを基地局装置200に送信するのみならず、MTCデバイス100Aからの映像データを中継して基地局装置200に送信する。なお、MTCデバイス100AおよびMTCデバイス100Bの各々が送信する映像データは、IDMAを用いて生成される。MTCデバイス100A,100Bは、それぞれ、自装置についてのIDと対応したパターンのインターリーバを用いる。
基地局装置200は、対応したインターリーバでMTCデバイス100A,100Bの信号を分離して受信する。IDMA信号の受信手順については説明済みであるので、ここでは説明を繰り返さない。
シーケンスSQ24において、MTCデバイス100Dは、MTCデバイス100Dを含むローカルネットワークにおいて指定された無線リソースを用いて、グループBにおいてMTCゲートウェイとして機能しているMTCデバイス100Cに対して消費電力の測定データを送信する。シーケンスSQ28において、MTCデバイス100Cは、MTCデバイス100Dから受信した測定データとMTCデバイス100Cが自ら測定することより得られた測定データとに対してMDUの処理を行ない、割り当てられた無線リソースを用いて(図14参照)、MTCデバイス100Dから受信した測定データと、MTCデバイス100Cが自ら測定することより得られた測定データとを、基地局装置200に送信する。このように、MTCデバイス100Cは、自らが測定することにより得られた測定データを基地局装置200に送信するのみならず、MTCデバイス100Dからの測定データを中継して基地局装置200に送信する。なお、MTCデバイス100CおよびMTCデバイス100Dの各々が送信する消費電力データは、IDMAを用いて生成される。MTCデバイス100C,100Dは、それぞれ、自装置についてのIDと対応したパターンのインターリーバを用いる。
基地局装置200は、対応したインターリーバでMTCデバイス100C,100Dの信号を分離して受信する。IDMA信号の受信手順については説明済みであるので、ここでは説明を繰り返さない。
ところで、上述した非特許文献3の方法ではアクセス要求の手順を経ないので、どのMTCデバイスが送信してくるかがわからない。それゆえ、基地局装置で全てのインターリーバを試す必要がある。しかしながら、本実施の形態の方法では、予めアクセス要求を受け付けるため、基地局装置200が送信割当を行なったMTCデバイス100のインターリーバのみを復調すればよい。
また、シーケンスSQ12のプリアンブルの受信時に、MTCデバイス100と基地局装置200との間の伝搬路の状態を測定し、当該測定結果をMUDの処理で利用することも可能である。
図14は、グループAおよびグループBの各MTCデバイスに対して割り当てられたリソースの一例を説明するための図である。
図14を参照して、グループAのMTCゲートウェイとして動作しているデバイス100Bは、たとえば割り当てられた区間QDで、映像データを基地局装置200に送信する。区間QDは、1つのフレームにおける予め定められた上りリンクサブフレームにおける、周波数方向に連続した12個のリソースブロックで構成される。具体的には、区間QDは、リソースブロックE401とリソースブロックE412とで規定される区間である。
また、グループBのMTCゲートウェイとして動作しているデバイス100Cは、たとえば割り当てられた区間QEで、測定データを基地局装置200に送信する。区間QEは、1つのフレームにおける予め定められた上りリンクサブフレームにおける、周波数方向に連続した12個のリソースブロックで構成される。具体的には、区間QEは、リソースブロックE501とリソースブロックE512とで規定される区間である。
図15は、無線通信システム1における通信のある局面を表した図である。具体的には、図15は、図13のシーケンスSQ22、SQ24,SQ26,SQ28における通信を説明するため図である。図15を参照して、MTCデバイス100BとMTCデバイス100Cとが各グループA,Bにおいて、MTCゲートウェイとして機能している。
MTCデバイス100Bは、上述したように、MTCデバイス100Aから映像データを受信し、当該受信した映像データをMTCデバイス100Bが撮像することにより取得した映像データとともに基地局装置200に送信する。MTCデバイス100Cは、上述したように、MTCデバイス100Dから測定データを受信し、当該受信した測定データをMTCデバイス100Cが測定することにより取得した測定データとともに基地局装置200に送信する。
<G.変形例>
(g1.第1の変形例)
上述した無線通信システム1(図1,15等)では、グループ数が2つ(グループA,B)、ゲートウェイの数が2つ(MTCデバイス100B,100C)であった。グループの数およびゲートウェイの数は、これに限定されず、たとえば、グループ数が3つで、ゲートウェイの数が3つであってもよい。
(g1.第1の変形例)
上述した無線通信システム1(図1,15等)では、グループ数が2つ(グループA,B)、ゲートウェイの数が2つ(MTCデバイス100B,100C)であった。グループの数およびゲートウェイの数は、これに限定されず、たとえば、グループ数が3つで、ゲートウェイの数が3つであってもよい。
図16は、グループ数が3つで、ゲートウェイの数が3つの無線通信システム1Aの概略構成を表した図である。図16を参照して、無線通信システム1Aは、複数のMTCデバイス100A〜100Iと、基地局装置200と、MME300と、サーバ装置400とを少なくとも備えている。各MTCデバイス100A〜100Iは、基地局装置200と通信可能なセル900に在圏している。
MTCデバイス100E〜100Iは、他のMTCデバイスと同様、マシン通信する通信装置である。MTCデバイス100Eは、監視カメラである。MTCデバイス100Fは、電力メータである。MTCデバイス100G,100H,100Iは、タブレット端末である。MTCデバイス100A,100B,100EがグループAを構成する。MTCデバイス100C,100D,100FがグループBを構成する。MTCデバイス100G,100H,100IがグループCを構成する。
MTCデバイス100Gが、MTCデバイス100G,100H,100IからなるローカルネットワークにおけるMTCゲートウェイとして動作している。MTCデバイス100Bは、MTCデバイス100A,100B,100EとからなるーカルネットワークにおけるMTCゲートウェイとして動作している。MTCデバイス100Cは、MTCデバイス100C,100D,100FとからなるーカルネットワークにおけるMTCゲートウェイとして動作している。各MTCデバイス100A〜100Iから送信されたデータは、基地局装置200およびMME300を介して、サーバ装置400に送信される。
このように、無線通信システム1Aは、3つのグループ(グループA,B,C)と、3つのMTCゲートウェイ(MTCデバイス100B,100C,100G)とを有する。
(g2.第2の変形例)
無線通信システム1においては、1つのグループに1つのMTCゲートウェイが存在する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。1つグループに複数のMTCゲートウェイを備えるように、無線通信システムを構成することも可能である。
無線通信システム1においては、1つのグループに1つのMTCゲートウェイが存在する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。1つグループに複数のMTCゲートウェイを備えるように、無線通信システムを構成することも可能である。
たとえば、基地局装置からの距離またはQoS等に応じて1つのグループ内で細分化してサブグループ化し、各サブグループでゲートウェイを1つ指定することで、1つのグループに対し、ゲートウェイを複数割り当てることができる(図8参照)。
図17は、1つのグループに対して複数のゲートウェイを割り当てた無線通信システム1Bの概略構成を表した図である。図17を参照して、無線通信システム1Bは、複数のMTCデバイス100A〜100Fと、複数のMTCデバイス100J,100K,100Lと、基地局装置200と、MME300と、サーバ装置400とを少なくとも備えている。各MTCデバイス100A〜100F,100J〜100Lは、基地局装置200と通信可能なセル900に在圏している。
MTCデバイス100J〜100Lは、他のMTCデバイスと同様、マシン通信する通信装置である。MTCデバイス100J〜Lは、監視カメラである。MTCデバイス100A,100B,100E,100J,100K,100LがグループAを構成する。MTCデバイス100C,100D,100FがグループBを構成する。
MTCデバイス100Jが、MTCデバイス100J,100K,100LからなるローカルネットワークにおけるMTCゲートウェイとして動作している。MTCデバイス100Bは、MTCデバイス100A,100B,100EとからなるーカルネットワークにおけるMTCゲートウェイとして動作している。MTCデバイス100Cは、MTCデバイス100C,100D,100FとからなるーカルネットワークにおけるMTCゲートウェイとして動作している。各MTCデバイス100A〜100F,100J〜Lから送信されたデータは、基地局装置200およびMME300を介して、サーバ装置400に送信される。
このように、無線通信システム1Bでは、グループAにおいてMTCデバイスとして動作していないMTCデバイスの各々は、当該グループの複数のMTCゲートウェイのうちのいずれかを介して、基地局装置200にデータを送信する。
サブグループを距離で分ける場合には、基地局装置200は、MTCゲートウェイが基地局装置200に送信する信号品質に合わせてリソース割り当てをMTCゲートウェイ毎に効率的に設定することが可能となる。
サブグループをQoSで分ける場合には、基地局装置200は、予め優先順位を設定したMTCデバイスに対して優先度(高、中、低)毎のMTCゲートウェイを設定することにより、MTCゲートウェイは、通信の遅延や停止が許されない時間条件が厳しいときでも、データを確実に基地局装置200に送信することが可能となる。
(g3.第3の変形例)
トラフィックが集中することを回避できればよいため、必ずしも、グループの数(m)とゲートウェイの数(n)とが同じである必要はない。複数のグループで1つのゲートウェイを共用してもよい(m≧n>1)でもよい。たとえば、グループの数を3つ、ゲートウェイの数を2つとする場合も可能である。
トラフィックが集中することを回避できればよいため、必ずしも、グループの数(m)とゲートウェイの数(n)とが同じである必要はない。複数のグループで1つのゲートウェイを共用してもよい(m≧n>1)でもよい。たとえば、グループの数を3つ、ゲートウェイの数を2つとする場合も可能である。
図18は、グループの数が3つ、かつゲートウェイの数が2つである無線通信システム1Cの概略構成を表した図である。図18を参照して、MTCデバイス100A,100B,100EがグループAを構成する。MTCデバイス100C,100D,100FがグループBを構成する。MTCデバイス100G,100HがグループCを構成する。
MTCデバイス100Bは、MTCデバイス100A,100B,100Eとからなるーカルネットワーク(グループAのローカルネットワーク)と、MTCデバイス100G,100Hとからなるーカルネットワーク(グループCのローカルネットワーク)とにおけるMTCゲートウェイとして動作している。MTCデバイス100Cは、MTCデバイス100C,100D,100FとからなるーカルネットワークにおけるMTCゲートウェイとして動作している。
無線通信システム1Cを上記のような構成にすることにより、トラフィックの集中を避け、かつゲートウェイの数を適切な数にすることができる。それゆえ、MTCゲートウェイの基地局装置200への効率的な接続が可能となる。
この場合、図8に示したフォーマット8従ってグループとして分けた後に、ゲートウェイリソース情報と、ゲートウェイMCSと、ゲートウェイTFとを、各グループで同じ情報に設定し、ゲートウェイフラグは1つMTCデバイスだけ設定すればよい。図8の場合には、ゲートウェイリソース情報VAとゲートウェイリソース情報VBとを同じ値とし、ゲートウェイMCSAとゲートウェイMCSBとを同じ値とし、ゲートウェイTFAとゲートウェイTFBとを同じ値とする。さらに、適切なMTCデバイスの1つをMTCゲートウェイとしてゲートウェイフラグを指定する。図18のグループA,Cは、このような手順にて構成される。
なお、上記においては、MTCゲートウェイとして動作させるMTCデバイスを基地局装置200が決定する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、MME300、サーバ装置400等、基地局装置200よりも上位の装置が、MTCゲートウェイとして動作させるMTCデバイスを決定するように、無線通信システム1,1A,1B,1Cを構成してもよい。
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1’ 無線通信システム、100,100A〜100H,100SC,100PM MTCデバイス、101,202 送信部、102,203 受信部、103 パスロス算出部、104,205 比較部、105 位置情報取得部、110 CPU、111 メモリ、112 通信処理回路、113 無線IF、114 センサ、115 変換器、116 タイマ、117 電源制御回路、118 電源、119 GPS受信機、119 MTC−GW処理部、120 短距離網処理部、121 短距離網IF部、200,200’ 基地局装置、201 割当部、204 距離算出部、210 アンテナ、230 無線処理部、250 ベースバンド部、251 ベースバンド回路、252 制御装置、253 タイミング制御部、254 通信インターフェイス、255 電源装置、300 MME、400 サーバ装置、810,820 領域、900 セル、E1,E6,E11,E16,E21,E26,E101,E108,E201,E210,E301,E310,E401,E411 リソースブロック、QA,QB,QC,QD 区間。
Claims (5)
- 各々がマシン通信する複数の通信装置と、前記複数の通信装置と無線通信する基地局装置とを備えた無線通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記複数の通信装置のうち、第1のアプリケーションデータフォーマットを用いて前記基地局装置に対してデータを送信可能な第1のグループの通信装置の各々から、前記基地局装置にアクセスを要求するための要求信号を受信する受信手段と、
前記第1のグループの通信装置のうちゲートウェイとして動作している通信装置に対して、第1の無線リソースを割り当てる割当手段とを含み、
前記ゲートウェイとして動作している通信装置は、
前記第1のグループにおいて前記ゲートウェイとして動作していない通信装置の各々から、前記データを受信する受信手段と、
前記第1の無線リソースを用いて、前記ゲートウェイとして動作していない通信装置の各々から受信した前記データを前記基地局装置に送信する送信手段を含む、無線通信システム。 - 前記第1のグループの通信装置の各々は、第2の無線リソースを用いて、前記基地局装置へのアクセスを要求するための要求信号を前記基地局装置に送信する、請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記基地局装置は、
前記第1のグループの通信装置の中から、前記ゲートウェイとして機能させる通信装置を決定し、
前記基地局を介して、前記第1のグループにおけるゲートウェイとして機能させる通信装置以外の通信装置の各々に、前記第1のグループにおけるゲートウェイを特定させるための情報を通知する、請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記基地局装置は、前記第1のグループの通信装置のうち、複数の通信装置をゲートウェイとして機能させ、
前記第1のグループにおける複数の通信装置のうちゲートウェイとして動作していない通信装置の各々は、前記複数のゲートウェイのうちのいずれかを介して、前記基地局装置に前記データを送信する、請求項2または3に記載の無線通信システム。 - 前記複数の通信装置のうち、第2のアプリケーションデータフォーマットを用いて前記基地局装置にデータを送信する第2のグループの通信装置の各々は、前記第1のグループにおいてゲートウェイとして動作している通信装置を介して、前記基地局装置に前記データを送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
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