JP6054779B2 - ベルトプレス型脱水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、上下水処理、産業廃水処理等の水処理において発生する汚泥を連続的に脱水するベルトプレス型脱水装置の濾布ベルトの洗浄に係わるものであり、ベルトプレス型脱水装置の濾布ベルトの洗浄に気体と液体とを混合した気液混合ミストを噴射する二流体ノズルを用いたベルトプレス型脱水装置に関するものである。
従来、ベルトプレス型脱水装置は各種の汚泥の脱水に広く採用されているが、高脱水効率を維持するためには運転中、常時、多量の洗浄水で濾布ベルトを洗浄する必要があり、洗浄水としての水道水、工業用水の確保や、洗浄廃水の処理が問題になることがある。
そのため、ベルトプレス型脱水装置の洗浄水削減の取り組みは従来から行われており、特許文献1や特許文献2では、ベルトプレス型脱水装置から排出される脱水濾液や濾布ベルト洗浄排水を回収し、清澄化した後、濾布ベルト洗浄水として再利用する方法が記載されている。また特許文献3や特許文献4では濾布ベルトに圧縮空気を噴射することで濾布ベルトの洗浄を行う方法が記載されている。特許文献4では圧縮空気に水分を添加して濾布ベルトの洗浄を行う方法も記載されている。
実開平6−15893号公報 特開平10−263889号公報 特開2003−112199号公報 特開平11−221598号公報
しかしながら、上記ベルトプレス型脱水装置の濾布ベルト洗浄に関する洗浄水削減の方法には以下のような問題点があった。
(1)ベルトプレス型脱水装置から排出される脱水濾液や濾布ベルト洗浄排水を回収し、清澄化した後、濾布ベルト洗浄水として再利用する方法(例えば特許文献1,2)では、脱水濾液中に混入するリークしたSS(浮遊固体)や、濾液中の残留ポリマを除去した上で濾布ベルト洗浄水として再利用する必要があるため、脱水濾液中のSSや残留ポリマを除去する設備が必要となり、その処理水量が多い程、脱水濾液中のSSや残留ポリマを除去する設備の運転管理、維持管理の負担が増大する。また、脱水濾液や濾布ベルト洗浄排水を再利用する方法においても、濾布ベルトの洗浄には多量の洗浄水を使用するため、設備腐食等の設備の劣化を早める可能性がある。そのため、濾布ベルト洗浄に使用する再利用水も含んだ洗浄水量自体を削減することが望まれている。
(2)濾布ベルトの洗浄とは、濾布ベルト表面あるいは織目に食い込んだ微粒子を高圧で織目を通して洗い去ることであり、従って濾布ベルトの洗浄には強い貫通力を持った流体である水の使用が好ましい。一方引用文献3,4のように、濾布ベルト洗浄に圧縮空気のみを用いた場合では、従来の水を用いた洗浄に比べ、洗浄効果が乏しくなる傾向にあり、圧縮空気のみによる洗浄では汚泥微粒子を濾布ベルトから十分に洗い去ることは難しく、濾布ベルトが目詰まりし易くなる。そして、汚泥微粒子が残留した濾布ベルトで脱水操作を繰り返せば、含水率悪化等の脱水性能の低下を招き、安定した脱水処理の継続が困難になる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、濾布ベルトの洗浄に使用する洗浄水量を削減できると同時に、安定した脱水処理が継続可能なベルトプレス型脱水装置を提供することを目的とする。
本発明は、一対の無端状の濾布ベルトをそれぞれ複数個のロールに走行可能に掛装し、前記両濾布ベルトの一部分同士を互いに対面平行して走行するように設置し、前記対面平行とした濾布ベルトの間に汚泥を挟圧して脱水するベルトプレス型脱水装置において、脱水後の汚泥を剥離した後濾布ベルトの洗浄位置に、気体と液体とを混合して噴霧打力を高めた気液混合ミストを噴射して濾布ベルトを洗浄する二流体ノズルを設置し、前記二流体ノズルは、圧縮気体を導入する気体導入部と、液体を導入する液体導入部と、前記気体導入部から導入した圧縮空気に前記液体導入部から導入した液体を衝突し混合させる気液混合部と、前記気液混合部で混合された気液混合流体を噴射する噴射孔とを一体に設けた構造であり、前記一対の濾布ベルトを洗浄する際、前記二流体ノズルに供給する洗浄水全体の水量は、濾布ベルトの幅1m当り1.5m3/h以上で6.0m3/h未満、前記二流体ノズルに供給される気体圧力は、0.15〜0.5MPa、気体流量は、濾布ベルトの幅1m当り100〜300NL/min、前記濾布ベルトの送り速度は、0.5〜2m/minであることを特徴としている。
このように本発明は、二流体ノズルを用い、液体(水など)と気体(空気など)とを混合して液体の微粒化を図った気液混合ミストを噴射して、濾布ベルトの洗浄を行うものである(以下、「空気(気体)−水(液体)併用洗浄」とも記す)。二流体ノズルにより液体と気体とを混合した気液混合ミストは、液体単独の場合に比べ噴霧打力が高まる。このため洗浄液単独の場合に比べて少ない洗浄液量であっても、濾布ベルト表面あるいは織目に食い込んだ微粒子を気液混合ミストの有する強い貫通力により、織目を通して洗い去ることで、濾布ベルトの洗浄を行うことができる。そのため、濾布ベルトの洗浄に気体と液体とを混合した気液混合ミストを噴射する上記二流体ノズルを使用することで、濾布ベルト洗浄液量を大幅に削減することが可能となる。つまり本発明に係るベルトプレス型脱水装置によれば、濾布ベルトの洗浄に使用する洗浄液量を削減できると同時に、安定した脱水処理が継続可能となる。
実験によれば、この水量以上であれば、水のみをノズルから噴霧して濾布ベルトを十分洗浄できて継続的に安定した脱水処理が可能な場合(この場合の水量は多くなる)と比べて、同等な洗浄効果が得られた。なお、一対の濾布ベルト全体に対する総水量を規定しているので、脱水する汚泥の種類や装置の構造によって両濾布ベルトに付着する汚泥の量が異なる場合は、付着した汚泥の量が多い濾布ベルトに供給する水量を多くし、汚泥の量が少ない濾布ベルトに供給する水量を少なくし、全体として幅1m当り1.5m 3 /h以上とすればよい。
ところで、前述の特許文献4の段落「0012」には、「圧縮空気に水分を含有させ」との記載があり、汚泥搬送ベルトを空気洗浄する場合に圧縮空気に水分の添加を行うことが記されている。しかしながら特許文献4の場合は、「圧縮空気に水分を含有させることで、無端状搬送ベルトに付着したスラッジに水分を含浸させ、無端状搬送ベルトに対する付着力を弱め、スラッジを除去し易くすると共に、スラッジの乾燥を防止してスラッジの周囲への飛散を防止している」(同段落「0012」)と記載され、また「洗浄水を添加する場合でも洗浄水はスラッジをほぐす程度に添加するだけで済むため、洗浄水で洗浄する従来の洗浄方法と比較して排水量を格段に抑制することができる」(同段落「0018」)と記載されているように、「洗浄水を添加する場合でも洗浄水はスラッジをほぐす程度に添加するだけ」の極小量の水を使用するだけであり、その目的は「スラッジに水分を含浸させ、無端状搬送ベルトに対する付着力を弱め、スラッジを除去し易くするとともに、スラッジの乾燥を防止してスラッジの周囲への飛散を防止している」ものである。従って本発明の二流体ノズルのように、気体と液体とを混合して噴霧打力を高めた気液混合ミスト(特許文献4の場合は噴霧打力を高めていない)を形成し、濾布ベルト表面あるいは織目に食い込んだ微粒子を気液混合ミストの有する強い貫通力により、織目を通して洗い去ることで、濾布ベルトの洗浄を行うという思想・構成とは全く異なる思想・構成である。
なお前記二流体ノズルは、ノズル先端から濾布ベルトまでの高さ方向の距離が3〜15cmで、前記気液混合ミストを濾布ベルト面に対して直角に噴射する様に設置され、前記噴射孔が前記気液混合液体を噴射する広がり角度が60〜80°のスリット状噴射孔であり、さらに前記二流体ノズルは、前記一対の濾布ベルトに対して、それぞれ1又は複数個ずつ設置することが好ましい。また二流体ノズルとしては、そのスプレーパターン(噴霧形状)が楕円形状(扁平形状、即ち一方の方向に長くてそれに直交する方向の厚みが薄い形状)であるものが好ましい。噴霧の長手方向が、濾布ベルトに対して略直交する方向を向くようにセットすれば、少ない数の二流体ノズルで効率よく濾布ベルト全体を洗浄することができる。また1つの濾布ベルトに対して1個又は少数個の二流体ノズルを設置した際に、洗浄範囲が濾布ベルトの幅に足りないような場合は、この二流体ノズルを濾布ベルトの幅方向に往復動させるように構成しても良い。
また前記二流体ノズルに供給される気体圧力は、0.15MPa以上であることが好ましい。実験によれば、この気体圧力以上であれば、水のみをノズルから噴霧して濾布ベルトを十分洗浄できて継続的に安定した脱水処理が可能な場合と比べて、同等な洗浄効果が得られた。
また前記濾布ベルトの送り速度は、0.5〜2m/minであることが好ましい。実験によれば、この送り速度の範囲内であれば、上記二流体ノズルを使用することで、洗浄水量を削減することができた。
さらに前記二流体ノズルは、前記濾布ベルトの幅方向に向けて複数個設置され、各々の二流体ノズルから噴射される気液混合ミストが重ならないように該二流体ノズルの取り付け角度が調節されていることが好ましい。その理由は、一つの二流体ノズルから噴射される気液混合ミストと他の二流体ノズルから噴射される気液混合ミストが接触し、重なり合うと、気液混合ミストが重なった箇所でお互いの気液混合ミストの噴霧打力を打ち消し合い、その箇所での濾布ベルトの洗浄効果が得られにくいためである。
本発明によれば、気体と液体とを混合して噴霧打力を高めた気液混合ミストを噴射する二流体ノズルを使用するので、洗浄水単独でミストを噴射する場合に比べ、少ない洗浄水量であっても、濾布ベルトの洗浄を確実に行うことができる。即ち、濾布ベルト洗浄水量を削減することが可能となる。
ベルトプレス型脱水装置1及びその付帯設備の全体概略構成図である。 二流体ノズル60の一例を示す概略断面図である。 二流体ノズル60の先端部分のみを図2に示す矢印A方向から見た図である。 洗浄装置60A(60B)の一例を示す概略斜視図である。 洗浄装置60A(60B)によって濾布ベルト10(20)に噴霧された気液混合ミストの噴霧状態(スプレーパターンSP)を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるベルトプレス型脱水装置1及びその付帯設備の全体概略構成図である。同図に示すようにベルトプレス型脱水装置1は、一対(2枚)の無端状の濾布ベルト10,20を、それぞれ複数個のロールに走行可能に掛装して構成されている。
濾布ベルト10は、4つの圧搾ロール31,33,35,37と、3つのロール39,41,43に巻き掛けられ、十分な張力で張設されている。一方濾布ベルト20は、4つの圧搾ロール31,33,35,37と、3つのロール45,47,49に巻き掛けられ、十分な張力で張設されている。濾布ベルト10,20としては、一般に使用されている合成樹脂(この例ではポリエステル)製のフィルタークロスを用いている。
圧搾ロール31,33,35,37は、2枚の濾布ベルト10,20の一部分同士が狭い間隔で互いに対面平行して走行するように設置されている。その他のロール39〜49は、濾布ベルト10,20を緊張したり、蛇行を修正したりする等の目的で、所望の位置に設置されている。
下側に設置された濾布ベルト20の汚泥投入側の上面には汚泥投入器51が設置されている。一方両濾布ベルト10,20の汚泥排出側には、各濾布ベルト10,20の表面に付着した脱水後の汚泥を引き剥がすスクレーパ53,55が設置され、さらに各濾布ベルト10,20の前記スクレーパ53,55よりも下流側の位置には、それぞれ濾布ベルト10,20を洗浄する洗浄装置60A,60Bが設置されている。洗浄装置60A,60Bは、それぞれ複数の二流体ノズル60を濾布ベルト10,20の幅方向に併設して構成されている。
図2は1つの二流体ノズル60の一例を示す概略断面図、図3は二流体ノズル60の先端部分のみを図2に示す矢印A方向から見た図である。両図に示すように二流体ノズル60は、気体と液体を混合するノズル本体61と、ノズル本体61の先端に取り付けられ気液混合流体を噴出するノズル63と、前記ノズル本体61の側面に取り付けられノズル本体61に液体を供給する液体供給部材65とを具備して構成されている。
ノズル本体61内には軸線方向に向かって主流路67が形成され、主流路67は、上流側から気体導入部69、オリフィス部71、気液混合部73、混合室75を具備している。混合室75は気液混合部73よりもその内径を大きくしている。液体供給部材65内には、前記主流路67と交差する方向を向く液体流路77が貫通して設けられ、その上流側は液体導入部79であり、下流側はノズル本体61に設けた第2オリフィス部81に連通している。第2オリフィス81は気液混合部73に開口、連通している。ノズル63内には、前記主流路67の混合室75に連通するドーム形状の孔83と、この孔83と先端面間を連通する噴射孔85とを設けている。孔83の内径は前記混合室75の内径よりも小さく、これによって段差面87が形成されている。噴射孔85はスリット状でテーパ状に広がる形状に形成されている。即ち噴射孔85は図3に示すように、細長いスリット状で、孔83側からの広がり角度αを60°としている。
ノズル本体61の気体導入部69には気体供給管89が接続され、気体供給管89の上流側には、空気流量計91、調圧器93、コンプレッサ95が接続されている。液体供給部材65の液体導入部79には液体供給管97が接続され、液体供給管97の上流側には、流量計99、洗浄水ポンプ101、洗浄水タンク103が接続されている。洗浄水としては、水道水や工水、生物処理水などが使用可能である。さらにベルトプレス型脱水装置1から排出される脱水濾液や濾布ベルト洗浄排水を回収し、清澄化した後、これを洗浄水として再利用しても良い。洗浄排水を再利用する場合には、二流体ノズル60の閉塞を引き起こさないように、洗浄排水中のSSを除去する必要がある。洗浄排水中のSSを除去する設備としては、ろ過装置、ろ過フィルター、膜ろ過装置、加圧浮上分離装置などが適用できる。
以上説明したように、この二流体ノズル60は、気体導入部69と液体導入部79と気液混合部73と噴射孔85とを一体に設けた構造となっている。
図4は複数個の二流体ノズル60を有する洗浄装置60A(60B)の一例を示す概略斜視図、図5は前記洗浄装置60A(60B)によって濾布ベルト10(20)に噴霧された気液混合ミストの噴霧状態(スプレーパターンSP)を示す概略図である。これらの図に示すように二流体ノズル60は、濾布ベルト10(20)の幅方向(長手方向に交差する方向)に向けて複数個設置されている。各々の二流体ノズル60から噴射される気液混合ミストが重ならないように、二流体ノズル60の取り付け角度が調節されている。その理由は、一つの二流体ノズル60から噴射される気液混合ミストと他の二流体ノズル60から噴射される気液混合ミストが接触し、重なり合うと、気液混合ミストが重なった箇所でお互いの気液混合ミストの噴霧打力を打ち消し合い、その箇所での濾布ベルト10(20)の洗浄効果が得られにくいためである。そのため、二流体ノズル60から噴射される気液混合ミストのスプレーパターンSPが濾布ベルト幅方向と成す角度の小さい方の角度θを3〜45°、より好ましくは5〜30°となるように各二流体ノズル60の取り付け角度を調節する。これは、θが小さいと各々の二流体ノズル60から噴射される気液混合ミストが重なるためである。また、θが大きいと濾布ベルト幅方向の噴射距離が短くなり、二流体ノズル60の取り付け個数が多くなるためである。ちなみに、θが30°、噴霧距離(ノズル63先端から濾布ベルト10(20)までの距離)が12cmの場合、濾布ベルト幅1m当りの二流体ノズル60の取り付け個数を10個とすることで、濾布ベルト10(20)全体を良好に洗浄することができる。二流体ノズル60の取り付け角度を調節する上では、二流体ノズル60のスリット状の噴射孔85が濾布ベルト幅方向となす角度をθに調節することで気液混合ミストのスプレーパターンSPが濾布ベルト幅方向となす角度がθとなる。
なお二流体ノズル60の取り付け個数は、図4に示す個数に限定されず、要は、二流体ノズル60から噴射される気液混合ミストにより、濾布ベルト10,20全体を良好に洗浄できる個数であれば、その個数に制約は無い。但し、二流体ノズル60の取り付け個数が多くなると、濾布ベルト10,20の洗浄水量削減時に二流体ノズル1個当たりの洗浄水量が少なくなるため、気液混合ミストの噴霧打力が弱くなり、濾布ベルト10,20の洗浄が不十分となる恐れがある。そのため濾布ベルト洗浄水量削減の観点から、二流体ノズル60の取り付け個数を極端に多くすることは好ましくない。二流体ノズル60の取り付け個数としては、二流体ノズル60の構造、取り付け位置、噴霧距離にもよるが、濾布幅1m当り15個以下、さらに好ましくは濾布幅1m当たり10個以下とすることが望ましい。
さらに二流体ノズル60の設置個数は1個又は少数個とし、これを濾布ベルト10,20の幅方向に往復移動させるように構成しても良い。即ち、上記例では二流体ノズル60を取り付けた洗浄装置60A(60B)を固定した状態で使用する場合について記述しているが、二流体ノズル60を取り付けた洗浄装置に駆動機構を備え、洗浄装置が濾布ベルト10,20の幅方向全長に渡って往復移動することで濾布ベルト10,20を洗浄するように構成しても良い。この場合、洗浄装置が濾布ベルト10,20の幅方向全長に渡って往復移動するため、洗浄装置に取り付ける二流体ノズル60の数は洗浄装置を固定した場合よりも少なくて済む。ただし、洗浄装置が濾布ベルト10,20の幅方向全長に渡って往復移動して濾布ベルト10,20を洗浄する場合は、洗浄装置を固定して濾布ベルト10,20を洗浄する場合に比べて、濾布ベルト10,20の洗浄斑を生じ易く、洗浄効果の面から洗浄装置を固定して濾布ベルト10,20を洗浄する方式がより好ましい。以下、特に断りの無い場合は、洗浄装置を固定して濾布ベルト10,20の洗浄を行う方式に関するものである。
また洗浄装置60A(60B)の二流体ノズル60の先端から濾布ベルト10,20までの高さ方向の距離(噴霧距離)は3〜15cm、より好ましくは5〜10cmとする。これは、高さ方向の距離が短い場合には気液混合ミストの噴射距離が短くなり、二流体ノズル60の取り付け個数が多くなるためであり、また、高さ方向の距離が長い場合には気液混合ミストの噴霧打力が弱まり、濾布ベルト10,20の洗浄に適さないためである。
また気液混合ミストの有する強い貫通力により、濾布ベルト10,20表面あるいは織目に食い込んだ汚泥粒子を洗い去ることで、濾布ベルト10,20の洗浄を行うためには、二流体ノズル60から噴射される気液混合ミストは濾布ベルト面に対して直角に噴射することが好ましい。
本願発明では、濾布ベルト10,20の表・裏関係なく洗浄することができるが、対象汚泥や濾布ベルトの材質や構造により、適正な濾布ベルト10,20の洗浄面を選択することが好ましい。
図1に戻って、汚泥投入器51には、造粒槽105から汚泥が供給される。造粒槽105には、汚泥供給手段107と薬液供給手段109が接続されている。汚泥供給手段107は、汚泥を貯蔵する汚泥貯槽111と、汚泥貯槽111の汚泥を造粒槽105に移送する汚泥供給ポンプ113とを有している。一方薬液供給手段109は、溶解水と高分子凝集剤を投入する薬品溶解槽115と、薬品溶解槽115の高分子凝集剤を造粒槽105に移送する薬品注入ポンプ117とを有している。高分子凝集剤としては、有機性高分子凝集剤(以下「ポリマ」という)を用い、カチオンポリマを単独で使用したり、単独カチオンとアニオンの両方のポリマを使用したり、カチオン、アニオンの両性ポリマを使用したりする。
さらにこのベルトプレス型脱水装置1には、このベルトプレス型脱水装置1から排出された排水を一時溜める排水槽119及び排水槽119の排水を外部に移送する排水ポンプ121と、ベルトプレス型脱水装置1から排出された脱水ケーキを外部に搬出する脱水ケーキコンベヤ123が付設されている。
以上のように構成されたベルトプレス型脱水装置1において、汚泥貯槽111内の汚泥を汚泥供給ポンプ113によって造粒槽105に供給し、同時に薬品溶解槽115内の高分子凝集剤を薬品注入ポンプ117によって造粒槽105に供給し、造粒槽105において汚泥と微量の高分子凝集剤とを混合攪拌し、水切りが容易で緻密なペレット(粒状物)とする(造粒工程)。次に造粒された汚泥は、汚泥投入器51から濾布ベルト20上に均一に分散・供給され、傾斜する濾布ベルト20上を上昇しながら遊離水を分離(水切り)し、半固形状にする(重力脱水工程)。
重力脱水(重力濃縮)を終えた汚泥は2枚の濾布ベルト10,20に挟み込まれて、複数段(4段)の圧搾ロール31〜37を通過するときに、これら圧搾ロール31〜37により機械的に圧搾され、脱水が進行する(圧搾脱水工程)。次に低含水率の脱水ケーキとなって濾布ベルト10,20に付着している汚泥は、それぞれスクレーパ53,55によって除去される。除去された脱水ケーキは、脱水ケーキコンベヤ123によって搬出される。
一方、脱水ケーキが除去された濾布ベルト10,20の表面(この例の場合は脱水ケーキが付着していた側の面)は、洗浄装置60A,60Bの二流体ノズル60により、それぞれ洗浄される。
即ち、図2において、コンプレッサ95から供給された圧縮気体(以下「圧縮空気」という)は、調圧器93と空気流量計91によって圧力及び流量が調整された後、ノズル本体61の主流路67に供給される。一方洗浄水タンク103から洗浄水ポンプ101により送水された洗浄水は、この洗浄水ポンプ101と流量計99によって流量が調整された後、液体供給部材65の液体流路77内に供給される。
液体流路77内に導入された洗浄水は、気液混合部73内に吐出され、気液混合部73内を流れる空気に側面衝突で混合される。気液混合部73で混合された気水混合流体は、混合室75を通ってノズル63の孔83に流入するが、その際、段差面87と衝突して、粒子の微粒化が図られる。孔83に流入した気水混合流体は、スリット状の噴射孔85より噴射される。噴射された気水混合ミストは、噴射孔85の形状に応じて、広角扇形で且つ噴霧厚さが薄いスプレーパターンとなり、且つスプレーパターン全域にわたって粒径が均等で、且つ空気量及び液量共に略均等となる。スリット状の噴射孔85の長さ方向の噴射角度は50°以下にすると広がり方向の噴射距離が短くなりすぎ、また80°以上にすると噴霧打力が弱まるため、60°〜80°(即ち広がり角度α=60°〜80°)とすることで噴霧打力の強い噴霧距離の適切な気液混合ミストを噴射することが可能となり、ベルトプレス型脱水装置1の濾布ベルト10,20の洗浄に用いて好適になる。
このように二流体ノズル60によって、水と空気とを混合した気液混合ミストを濾布ベルト10,20に噴射すれば、水単独の場合に比べ噴霧打力が高まる。このため洗浄水単独の場合に比べて少ない洗浄水量であっても、濾布ベルト10,20表面あるいは織目に食い込んだ微粒子を気液混合ミストの有する強い貫通力により、織目を通して洗い去ることで、効果的に濾布ベルト10,20の洗浄が行える。この洗浄による洗浄排水と、汚泥からの脱水濾液は、排水槽119に集められ、排水ポンプ121によって外部に排出される。
洗浄が終了した濾布ベルト10,20は、再び汚泥投入器51側に戻り、上記動作を繰り返す。
ここで二流体ノズル60に供給される圧縮空気の最適圧力について説明する。二流体ノズル60に供給される圧縮空気の圧力は0.15MPa以上とすることで、濾布ベルト洗浄の洗浄水量削減効果が得られることが、以下の実験で確認できた。さらに圧縮空気の圧力を0.2MPaとした場合、圧力0.15MPaの場合に比べて圧縮空気の圧力が高まることで気液混合ミストの噴霧打力の強さが増し、洗浄水量削減効果が高まることも、以下の実験で確認できた。圧縮空気の圧力が0.2MPa以上では、圧縮空気の圧力を高めることにより、気液混合ミストの噴霧打力の強さが増す傾向にはあり、濾布ベルト60の洗浄効果は高まるが、濾布ベルト洗浄の洗浄水量削減効果はそれほど大きくならないことも確認できた。そのため、コンプレッサ95を必要以上に過大としないためにも、二流体ノズル60に供給する圧縮空気の圧力は実用的な範囲で0.5MPa以下とすることが好ましい。従って、二流体ノズル60に供給する圧縮空気の圧力としては、0.15〜0.5MPaが好適であり、より好ましくは、0.2〜0.5MPaが好適である。
次に二流体ノズル60に供給される洗浄水量について説明する。上述のように、濾布ベルト10,20の洗浄に気体と液体とを混合した気液混合ミストを噴射する二流体ノズル60を使用することで洗浄水量が削減できることが、以下の実験で確認できた。具体的には、ベルトプレス型脱水装置1の濾布ベルト洗浄を洗浄水単独で行った場合に好適な洗浄効果が得られた洗浄水量は、濾布ベルト幅1m当り6m3/hであったのに対して、上記二流体ノズル60を使用した場合に同様の洗浄効果が得られた最小の洗浄水量は、濾布ベルト幅1m当り1.5m3/hであった。つまり洗浄水量を4分に1まで削減可能であった。ここで洗浄水量は、濾布ベルト10,20の両方を洗浄する場合の全洗浄水量を意味する(以下同様)。
洗浄水量をさらに極端に少なくすると、気液混合ミストの噴霧打力が弱まり、濾布ベルト10,20の洗浄が不十分となるため、濾布ベルト10,20が目詰まりし易い傾向にあり、汚泥微粒子が残留した濾布ベルト10,20で脱水操作を繰り返すことで含水率低下を招く。特にし尿処理場や下水処理場などで発生する有機分を多く含んだ汚泥をベルトプレス型脱水装置1で脱水する場合には、脱水後の汚泥を剥離した後の濾布ベルト10,20表面や織目に食い込んだ汚泥の微粒子の付着は強固であるため、この傾向が顕著である。そのため、二流体ノズル60を使用した場合でも、洗浄水量は水単独の場合の4分の1以上、具体的には上述のように、濾布ベルト幅1m当り1.5m3/h以上が必要であった。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
実施例として、図1に示すベルトプレス型脱水装置1にて、し尿処理場の余剰汚泥の濃縮汚泥(以下「供給汚泥」という)を対象に、ベルトプレス型脱水装置1で汚泥の脱水処理を行った。ベルトプレス型脱水装置1の有効濾布ベルト幅は0.5mとした。汚泥貯槽111から供給される供給汚泥の汚泥濃度は2%とし、カチオンポリマで凝集後、ベルトプレス型脱水装置1に供給した。汚泥貯槽111から造粒槽105に移送される汚泥供給量は2.5m3/hとした。濾布ベルト10,20の送り速度(以下、「濾布速度」とも記す)を1m/minとした。
そして脱水が完了し、スクレーパ53,55により脱水ケーキを剥離した後、洗浄装置60A,60Bで上下2枚の濾布ベルト10,20の洗浄を行った。各洗浄装置60A,60Bは前記図2に示す構造の二流体ノズル60を5個ずつ備えた構造である。そして圧縮空気と洗浄水を各二流体ノズル60に供給し、濾布ベルト10,20の洗浄を両者均等の洗浄水量にて行った。洗浄面は図1に示す通り、脱水ケーキの剥離面とした。洗浄水としては工水を使用した。
表1は、二流体ノズル60に供給する空気量、空気圧力、洗浄水量を変更して洗浄を継続して行い、結果として脱水ケーキに含まれる含水率を測定した結果を示す表である。
Figure 0006054779
ここで含水率とは、濾布ベルト10,20の洗浄と汚泥の脱水を繰り返して行って、定常的になった脱水ケーキ中の含水率をいう。例えば、この例の場合、脱水前の供給汚泥の汚泥濃度は2%なので、含水率は98%である。これを含水率80%の脱水ケーキにすると、体積では1/10の量になるので、十分な脱水が行えたと言える。一方表1の含水率(%)の欄で、「×」と記載したのは、濾布ベルト10,20の洗浄と汚泥の脱水を繰り返して行った際、次第に脱水ケーキの含水率が悪化(上昇)し、最終的には圧搾脱水工程で汚泥が濾布ベルト10,20から漏れ出る状態となり、脱水処理の継続が困難になったことを示している。
洗浄方法としては、水洗浄のみ(従来法1,比較例3)、空気洗浄のみ(比較例1)、空気洗浄後に水洗浄(比較例2)、空気―水併用洗浄(実験例1〜9)を行った。比較例2の場合のみ、空気洗浄用の二流体ノズル60(5個ずつ)の後段に、水洗浄用の二流体ノズル(5個ずつ)を備えた洗浄装置とした。比較例2以外は、前記二流体ノズル60に水のみ、空気のみ、水と空気の両者を供給することで洗浄を行った。従来法1は、洗浄水のみで濾布ベルト10,20の洗浄を行う従来法(以下、「水洗浄」とも記す)である。各条件の切り替え時には、この従来法による濾布ベルト10,20の洗浄を十分に行った。
(従来法1)
上述のように、従来法1は、従来から行われている、洗浄水のみで濾布ベルト10,20の洗浄を行う方法である。即ちこの従来法1では、洗浄水量を3m3/hとすることで、良好な濾布ベルト10,20の洗浄が行えた。このときの脱水ケーキの含水率は80〜82%で好適であった。
(比較例1)
空気洗浄のみの比較例1では、濾布ベルト10,20の洗浄後も濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト洗浄面の反対側に汚泥粒子が残留していることが目視により確認できた。最初の濾布ベルト洗浄後の脱水では脱水ケーキの含水率が84%と悪化していた。さらに濾布ベルト10,20の洗浄と脱水を繰り返すと、次第に含水率が悪化し、最終的には圧搾脱水工程で汚泥が濾布ベルト10,20から漏れ出る状態となった。即ち圧縮空気のみによる洗浄では、汚泥微粒子を濾布ベルト10,20から十分に洗い去ることは難しく、濾布ベルト10,20が目詰まりし易くなった。そのため、汚泥微粒子が残留した濾布ベルト10,20で脱水操作を繰り返すことで、含水率悪化等の脱水性能の低下を招き、安定した脱水処理の継続が困難となった。
(比較例2)
空気洗浄後に水洗浄を行う比較例2では、空気洗浄のみの比較例1よりも濾布ベルト洗浄効果が高まるが、洗浄水量を従来法1の半分としたため、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト洗浄面の反対側に残留している汚泥粒子を十分に洗い流すことが困難であった。そのため、濾布ベルト10,20の洗浄と脱水を繰り返すと、次第に含水率が悪化し、最終的には圧搾脱水工程で汚泥が濾布ベルト10,20から漏れ出る状態となった。
(比較例3)
洗浄水量を従来法1の半分とした洗浄水のみで濾布ベルト10,20の洗浄を行う比較例3の場合も、比較例2と略同様であった。
比較例1〜3の洗浄効果を比べると、比較例2>比較例3>>比較例1であるが、何れも最終的には圧搾脱水工程で汚泥が濾布ベルト10,20から漏れ出る状態となり、濾布ベルト洗浄効果としては不十分であった。
(実験例1)
空気−水併用洗浄とした実験例1では、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト10,20に付着していた汚泥粒子を十分に洗い去ることが可能であり、目視による観察では、従来法1と同程度の洗浄効果が確認できた。実験例1では洗浄が良好であるため、安定した脱水処理の継続が可能であり、脱水ケーキの含水率は従来法と同じ80〜82%であった。
以上のことからわかるように、濾布ベルト10,20の洗浄に気体と液体を混合して噴霧打力を高めた気液混合ミストを噴射する二流体ノズルを使用した実験例1では、濾布ベルト10,20の洗浄が良好であり、安定した脱水処理の継続が可能であった。つまり実験例1では、洗浄水単独の従来法1に比べて少ない洗浄水量であっても、気液混合ミストの有する強い貫通力により、濾布ベルト表面あるいは織目に食い込んだ汚泥粒子を洗い去ることで、濾布ベルト10,20の洗浄を行うことができるため、濾布ベルト洗浄水量を削減することが可能となる。
(実験例1〜4)
実験例1〜4では、空気−水併用洗浄での洗浄水量の比較を行った。即ち、空気圧0.5MPa、空気量300NL/minに設定し、洗浄水量を0.5〜1.5m3/hの範囲で変更して比較した。
洗浄水量を0.75〜1.5m3/hとした実験例1〜3では、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト10,20に付着していた汚泥粒子を十分に洗い去ることが可能であり、目視による観察では、従来法1と同程度の洗浄効果が確認できた。実験例1〜3では洗浄が良好であるため、安定した脱水処理の継続が可能であり、脱水ケーキの含水率は従来法と同じ80〜82%であった。
一方、洗浄水量を0.5m3/hに低減した実験例4では、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト洗浄面の反対側に残留している汚泥粒子を十分に洗い流すことが困難であり、濾布ベルト10,20の洗浄と脱水を繰り返すと次第に含水率が悪化し、最終的には圧搾脱水工程で汚泥が濾布ベルト10,20から漏れ出る状態となった。
以上のことからわかるように、濾布ベルト10,20の洗浄に、気体と液体とを混合した気液混合ミストを噴射する二流体ノズル60を使用することで、洗浄水量を削減することが可能となるが、実験例4のように、洗浄水量を少なくしすぎると、気液混合ミストの噴霧打力が弱まり、濾布ベルト10,20の洗浄が不十分となるため、濾布ベルト10,20が目詰まりし易くなり、安定した脱水処理の継続が困難となった。そのため、二流体ノズル使用時の洗浄水量は、実験例3の0.75m3/hまで削減可能であることが確認できた。実験例3の洗浄水量は、濾布幅1m当り1.5m3/hに相当する。
(実験例3、5〜9)
実験例3、5〜9では、空気−水併用洗浄での空気圧力の比較を行った。
まず実験例3、5〜7では、洗浄水量を0.75m3/hに設定し、空気圧力を0.15〜0.5MPaの範囲で変更して比較した。実験例5〜7では空気量は空気圧力に応じた空気量として特に調整を行わなかった。
洗浄水量を0.75m3/h、空気圧力を0.20〜0.5MPaとした実験例3,5,6では、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルトに付着していた汚泥粒子を十分に洗い去ることが可能であり、目視による観察では、従来法1と同程度の洗浄効果が確認できた。実験例3,5,6は洗浄が良好であるため、安定した脱水処理の継続が可能であり、脱水ケーキの含水率は従来法1と同じ80〜82%であった。
洗浄水量を0.75m3/h、空気圧力を0.15MPaとした実験例7では、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト洗浄面の反対側に残留している汚泥粒子を十分に洗い流すことが困難であり、濾布ベルト10,20の洗浄と脱水を繰り返すと次第に含水率が悪化し、最終的には圧搾脱水工程で汚泥が濾布ベルト10,20から漏れ出る状態となった。
しかし空気圧力が0.15MPaの場合でも、洗浄水量を1.5m3/hに設定し、空気−水併用洗浄を行った実験例9では、目視による観察では、従来法1と同程度の洗浄効果が確認でき、濾布ベルト10,20の洗浄が良好であるため、安定した脱水処理の継続が可能であり、脱水ケーキの含水率は従来法1とほぼ同じである80〜83%であった。
以上の説明から明らかなように、洗浄水量の削減効果としては、空気圧力を0.20〜0.5MPaとした実験例3,5,6で従来法1の4分の1(0.75m3/h、即ち濾布ベルト幅1m当り1.5m3/h)、空気圧力を0.15MPaに設定した実験例9で従来法1の2分の1(1.5m3/h、即ち濾布ベルト幅1m当り3.0m3/h)であった。即ち、圧縮空気の圧力を0.2〜0.5MPaとした場合、圧力を0.15MPaとした場合に比べて圧縮空気の圧力を高めることで気液混合ミストの噴霧打力の強さが増すため、洗浄水量削減効果は高まるが、二流体ノズル60に供給する圧縮空気の圧力を0.15MPa以上とすることで、濾布ベルト洗浄の洗浄水量削減効果は得られることが確認できた。
表2は、濾布速度を変更して洗浄を継続して行い、結果として脱水ケーキに含まれる含水率を測定した結果を示す表である。
Figure 0006054779
即ち、濾布速度1m/minで脱水処理を行った前記実験例6の条件において、濾布速度を0.5〜2m/minに設定した条件での脱水処理について検討を行った。実験例10では濾布速度を0.5m/minに、実験例11では濾布速度を2m/minに設定した。実験例10及び11では濾布速度以外の条件は実験例6と同じである。なお実験例6、10、11の濾布速度と同一条件で、洗浄方法を水洗浄とし、洗浄水量を3m3/hとした従来法1,2,3での脱水処理を行い、従来法と実験例との脱水性能の比較を行った。
各条件で汚泥供給量を2.5m3/hとしたが、濾布速度の遅い実験例10の条件でも重力濃縮部での汚泥の水切りは良好であり、濾布速度を0.5〜2m/minの条件で汚泥供給量を2.5m3/hで一定としても脱水処理に支障は無かった。
本発明の空気−水併用洗浄で濾布ベルト10,20の洗浄を行った場合、実験例6,10,11の各条件において、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト10,20に付着していた汚泥粒子を十分に洗い去ることが可能であり、目視による観察では、従来法1,2,3と同程度の洗浄効果が確認できた。実験例6,10,11では洗浄が良好であるため、安定した脱水処理の継続が可能であり、脱水ケーキの含水率は実験例6では80〜82%、実験例10では79〜81%、実験例11では82〜84%であった。濾布速度が同じであり、水洗浄を行った従来法と空気−水併用洗浄を行った本発明、具体的には実験例6と従来法1、実験例10と従来法2、実験例11と従来法3の含水率はほぼ同じ値であった。このことから、濾布速度が少なくとも0.5〜2m/minの範囲では、本願発明により、洗浄水単独の従来法1に比べて少ない洗浄水量であっても、気液混合ミストの有する強い貫通力により、濾布ベルト表面あるいは織目に食い込んだ汚泥粒子を洗い去ることで、濾布ベルト10,20の洗浄を行うことができるため、濾布ベルト洗浄水量を削減することが可能となることが確認できた。
また、濾布速度0.5m/minとした実験例10の条件で、洗浄水量を0.75m3/hから0.5m3/hに削減した実験例12では、濾布ベルト10,20の織目内部や濾布ベルト洗浄面の反対側に残留している汚泥粒子を十分に洗い流すことが困難であり、濾布ベルト10,20の洗浄と脱水を繰り返すと次第に含水率が悪化し、最終的には圧搾脱水の工程で汚泥が濾布ベルト10,20から漏れ出る状態となった。
即ち濾布速度を遅くした実験例12の場合でも、実験例4と同様に洗浄水量を少なくすると、気液混合ミストの噴霧打力が弱まり、濾布ベルト10,20の洗浄が不十分となるため、濾布ベルト10,20が目詰まりし易い傾向にあり、安定した脱水処理の継続は困難であった。
以上の結果から、濾布速度が少なくとも0.5〜2m/minの範囲では、濾布ベルト10,20の洗浄に気体と液体とを混合した気液混合ミストを噴射する二流体ノズル60を使用することで、洗浄水量を削減することは可能であるが、洗浄水量として0.75m3/h(濾布幅0.5m当り)が必要であった。また、濾布速度の速度に応じて、洗浄水量を変更する必要、具体的には濾布速度が速く、洗浄装置を通過する時間の短い場合に洗浄水量を高める、あるいは濾布速度が遅く、洗浄装置を通過する時間が長い場合に洗浄水量を下げる必要は無かった。
このことは、二流体ノズル60を使用した気液混合ミストによる濾布ベルト10,20の洗浄においては、気液混合ミストの噴霧打力の強さが重要であることを示している。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、二流体ノズル60の構造は上記図2に示す構造のものに限定されず、要は気体と液体とを混合して噴霧打力を高めた気液混合ミストを噴射する機能を有している構造の二流体ノズルであれば、どのような構造であってもよい。またベルトプレス型脱水装置の構造が上記図1に示す構造のものに限定されないことは言うまでもなく、要は一対の無端状の濾布ベルトをそれぞれ複数個のロールに走行可能に掛装し、前記両濾布ベルトの一部分同士を互いに対面平行して走行するように設置し、前記対面平行とした濾布ベルトの間に汚泥を挟圧して脱水する構造のベルトプレス型脱水装置であれば、どのような構造のベルトプレス型脱水装置であっても本発明を適用できる。
1 ベルトプレス型脱水装置
10,20 濾布ベルト
31,33,35,37 圧搾ロール
39,41,43 ロール
51 汚泥投入器
53,55 スクレーパ
60A,60B 洗浄装置
60 二流体ノズル
61 ノズル本体
63 ノズル
65 液体供給部材
67 主流路
69 気体導入部
71 オリフィス部
73 気液混合部
75 混合室
77 液体流路
79 液体導入部
81 第2オリフィス部
83 孔
85 噴射孔
87 段差面
89 気体供給管
91 空気流量計
93 調圧器
95 コンプレッサ
97 液体供給管
99 流量計
101 洗浄水ポンプ
103 洗浄水タンク
105 造粒槽
107 汚泥供給手段
109 薬液供給手段
111 汚泥貯槽
113 汚泥供給ポンプ
115 薬品溶解槽
117 薬品注入ポンプ
119 排水槽
121 排水ポンプ
123 脱水ケーキコンベヤ

Claims (3)

  1. 一対の無端状の濾布ベルトをそれぞれ複数個のロールに走行可能に掛装し、前記両濾布ベルトの一部分同士を互いに対面平行して走行するように設置し、前記対面平行とした濾布ベルトの間に汚泥を挟圧して脱水するベルトプレス型脱水装置において、
    脱水後の汚泥を剥離した後濾布ベルトの洗浄位置に、気体と液体とを混合して噴霧打力を高めた気液混合ミストを噴射して濾布ベルトを洗浄する二流体ノズルを設置し、
    前記二流体ノズルは、圧縮気体を導入する気体導入部と、液体を導入する液体導入部と、前記気体導入部から導入した圧縮空気に前記液体導入部から導入した液体を衝突し混合させる気液混合部と、前記気液混合部で混合された気液混合流体を噴射する噴射孔とを一体に設けた構造であり、
    前記一対の濾布ベルトを洗浄する際、前記二流体ノズルに供給する洗浄水全体の水量は、濾布ベルトの幅1m当り1.5m3/h以上で6.0m3/h未満、前記二流体ノズルに供給される気体圧力は、0.15〜0.5MPa、気体流量は、濾布ベルトの幅1m当り100〜300NL/min、前記濾布ベルトの送り速度は、0.5〜2m/minであることを特徴とするベルトプレス型脱水装置。
  2. 前記請求項1に記載のベルトプレス型脱水装置であって、
    前記二流体ノズルは、ノズル先端から濾布ベルトまでの高さ方向の距離が3〜15cmで、前記気液混合ミストを濾布ベルト面に対して直角に噴射する様に設置され、前記噴射孔が前記気液混合液体を噴射する広がり角度が60〜80°のスリット状噴射孔であり、
    さらに前記二流体ノズルは、前記一対の濾布ベルトに対して、それぞれ1又は複数個ずつ設置されていることを特徴とするベルトプレス型脱水装置。
  3. 前記請求項1に記載のベルトプレス型脱水装置であって、
    前記二流体ノズルは、前記濾布ベルトの幅方向に向けて複数個設置され、各々の二流体ノズルから噴射される気液混合ミストが重ならないように該二流体ノズルの取り付け角度θ3〜45°に調節されていることを特徴とするベルトプレス型脱水装置。
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