JP6054540B2 - 正極活物質、非水電解質電池及び電池パック - Google Patents

正極活物質、非水電解質電池及び電池パック Download PDF

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Description

実施形態は、正極活物質、非水電解質電池及び電池パックに関する。
リチウムイオン二次電池の電気自動車やハイブリッド電気自動車への適用が進むにつれ、更なる高エネルギー密度化が必要とされている。現在、安全性の高い正極材料として、LiFePO4等が実用化されているが、平均作動電位がLi基準で3.4Vと低い。リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化のためには、より高作動電位の正極活物質が不可欠である。
上記の要望を満たす正極材料として、近年、タボライト型またはトリプライト型の結晶構造を有するLi(Fe,Mn)SO4Fが幅広く研究されている。タボライト型のLi(Fe,Mn)SO4Fの平均作動電位は3.6V(vs. Li/Li+)、トリプライト型のLi(Fe,Mn)SO4Fの平均作動電位は3.9V(vs. Li/Li+)であることから、これらは次世代の高エネルギー密度二次電池正極材料として有望である。しかしながら、これらの正極材料は、潮解性が高く、電池製造時の空気中の水分や、電池内部で発生する水分によって特性が低下するという問題点を有する。
特表2010−510631号公報 特開2009−129721号公報
実施形態は、潮解が抑制され、放電容量及び充放電サイクル性能を向上することが可能な正極活物質、非水電解質電池及び電池パックを提供することを目的とする。
実施形態によれば、第1の化合物を含む粒子と、第2の化合物を含む被覆層とを含む正極活物質が提供される。第1の化合物は、一般式LiMSO4F(MはFe,Mn及びZnよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される。被覆層は、粒子の表面を被覆する。第2の化合物は、一般式LiM’PO4(M’はFe,Mn,Co及びMgよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される。
第1実施形態に係る扁平型非水電解質電池の断面図。 図1のA部の拡大断面図。 第1実施形態に係る他の扁平型非水電解質電池を模式的に示す部分切欠斜視図。 図3のB部の拡大断面図。 第2実施形態に係る電池パックの分解斜視図。 図5の電池パックの電気回路を示すブロック図。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によれば、粒子と、被覆層とを含む正極活物質が提供される。粒子は、一般式LiMSO4F(MはFe,Mn及びZnよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される第1の化合物を含む。また、被覆層は、粒子の表面を被覆し、一般式LiM’PO4(M’はFe,Mn,Co及びMgよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される第2の化合物を含む。第2の化合物はオリビン型の結晶構造を有する。
被覆層は、第1の化合物が雰囲気中の水分と反応するのを抑えることができるため、正極活物質の潮解を回避することができる。また、被覆層に含まれる第2の化合物は、リチウム(又はリチウムイオン)を吸蔵放出するため、被覆層は正極活物質層として機能し、被覆層を通して第1の化合物にリチウム又はリチウムイオンが供給される。よって、被覆層は、第1の化合物のリチウム(又はリチウムイオン)の吸蔵放出反応を妨げることなく、正極活物質の潮解を回避することができる。これにより、実施形態に係る正極活物質を含む非水電解質電池は、優れた充放電サイクル性能を実現することができる。
第1の化合物は、タボライト型の結晶構造を有する場合、その平均作動電位はリチウム基準で3.6V(vs. Li/Li+)となる。また、第1の化合物がトリプライト型結晶構造を有する場合、平均作動電位は3.9V(vs. Li/Li+)となる。第2の化合物の平均作動電位は、3.4〜4.0V(vs. Li/Li+)で、例えばLiFePO4の場合に3.4V(vs. Li/Li+)である。よって、第2の化合物の平均作動電位は第1の化合物とほぼ等しい。非水電解質電池の放電において、まず、第1の化合物によるリチウム(又はリチウムイオン)吸蔵反応が生じた後、第2の化合物によるリチウム(又はリチウムイオン)吸蔵反応が生じ、放電終止に至る。第1の化合物による充放電反応が主体となることから、正極は高電位を維持できる。その結果、高エネルギー密度な非水電解質電池を実現することができる。
従って、実施形態によれば、潮解反応が抑制され、非水電解質電池のエネルギー密度及び充放電サイクル性能を向上することが可能な正極活物質を提供することができる。
以下、正極活物質について、さらに説明する。
正極活物質の潮解を防止するため、被覆層は、粒子の表面全体を均一に被覆していることが望ましい。また、正極活物質を100質量%とした場合、被覆層の量を0.5質量%以上20質量%以下にすることが望ましい。被覆層の量を0.5質量%以上にすることにより、正極活物質の潮解による充放電性能の劣化を防止することができる。被覆層の量が多い方が、正極活物質の潮解を防止する効果が高くなるものの、平均作動電位の低い第2の化合物の割合が多くなることから、正極の作動電位が低くなる恐れがある。被覆層の量を20質量%以下にすることにより、高い正極電位を実現することができる。被覆層の量のより好ましい範囲は、1質量%以上20質量%以下である。
正極活物質の電気伝導性を向上させるため、正極活物質の表面を炭素含有層で被覆してもよい。炭素含有層は、被覆層上に形成されることが望ましい。炭素含有層に含まれる炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック及び黒鉛よりなる群から選択される少なくとも1種類の材料を挙げることができる。
粒子の平均粒径(被覆層を除く)は、0.1μm以上10μm以下の範囲であることが望ましい。平均粒径を0.1μm以上にすることにより、正極活物質の比表面積が適度な大きさになり、雰囲気中の水分と第1の化合物との反応を被覆層で防止する効果を高くすることができる。また、平均粒径を10μm以下にすることにより、粒子内のリチウム(またはリチウムイオン)拡散速度を高くして高い放電容量を得ることができる。平均粒径のより好ましい範囲は、0.1μm以上1μm以下である。
被覆層の厚さは、1nm以上1μm以下の範囲であることが望ましい。厚さを1nm以上にすることにより、正極活物質の潮解を防止する効果を高くすることができる。また、粒子のリチウム(またはリチウムイオン)の吸蔵放出は、被覆層を通して行われるため、厚さを1μm以下にすることにより、正極活物質のリチウム(またはリチウムイオン)の吸蔵放出を円滑にすることができる。厚さのより好ましい範囲は、10nm以上100nm以下である。
粒子の平均粒径及び被覆層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定することができる。例えば、正極より測定する際には、正極に対し集束イオンビーム等によって薄片化された正極活物質を用いて10万倍にてTEM観察を行い、得られた画像から、その粒径および被覆層の厚さを測定する。測定は少なくとも任意の10点で測定した結果の平均とする。
正極活物質は、例えば、以下に説明する方法で合成される。まず、遷移金属硫酸塩水和物と、フッ化リチウムを密閉容器に封入し、250℃以上300℃以下の範囲で加熱することにより、第1の化合物を含む粒子を合成する。遷移金属には、第1の化合物に含まれるMと同じ種類の元素、すなわち、Fe,Mn及びZnよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素が含まれる。MとしてFeのみを用いた場合、LiFeSO4Fはタボライト型の結晶構造を有し、平均作動電位は3.6V(vs. Li/Li+)となる。また、Mとして、Fe:Mnが9:1またはFe:Znが9:1からなるものを用いた場合、結晶構造はトリプライト型となり、平均作動電位は3.9V(vs. Li/Li+)となる。
得られた第1の化合物を含む粒子と、M’ (M’はFe,Mn,Co及びMgよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)の硫酸塩水和物と、リン酸リチウムに非水溶媒(例えば、有機溶媒、イオン液体等)を加えて密閉容器に封入し、150℃以上350℃以下の範囲で加熱することによって、第1の化合物を含む粒子の表面に、第2の化合物を含む被覆層が被覆され、正極活物質が得られる。
第1の実施形態の正極活物質によれば、第1の化合物を含む粒子の表面を第2の化合物を含む被覆層で被覆するため、潮解反応が抑制され、非水電解質電池の放電容量及び充放電サイクル性能を向上することが可能な正極活物質を提供することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質とを含む非水電解質電池が提供される。正極は、第1の実施形態に係る正極活物質を含む。また、非水電解質電池は、正極と負極の間に配置されるセパレータと、外装部材とを含む。外装部材には、正極、負極、セパレータ及び非水電解質が収容される。
以下、正極、負極、非水電解質、セパレータ及び外装部材について説明する。
1)正極
正極は、正極集電体と、正極集電体の片面または両面に形成され、正極活物質、導電剤及び結着剤を含む正極材料層(正極活物質含有層)とを含む。
活物質には、例えば、第1実施形態の正極活物質を用いることができる。使用する正極活物質の種類は1種類または2種類以上にすることができる。
導電剤は、活物質の集電性能を高め、集電体との接触抵抗を抑える。導電剤の例は、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素質物を含む。
結着剤は、活物質と導電剤を結着させる。結着剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを含む。
正極材料層中の活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ80質量%以上95質量%以下、3質量%以上18質量%以下及び2質量%以上17質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤は、3質量%以上の量にすることにより上述した効果を発揮することができる。導電剤は、18質量%以下の量にすることにより高温保存下での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。結着剤は、2質量%以上の量にすることにより十分な正極強度が得られる。結着剤は、17質量%以下の量にすることにより、正極中の絶縁材料である結着剤の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
正極集電体は、例えばアルミニウム箔、またはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを正極集電体に塗布し、乾燥し、その後、プレスを施すことにより作製される。正極はまた正極活物質、導電剤及び結着剤をペレット状に形成して正極材料層とし、これを正極集電体上に形成することにより作製されてもよい。
2)負極
負極は、負極集電体と、この負極集電体の片面または両面に形成され、負極活物質、導電剤及び結着剤を含む負極材料層(負極活物質含有層)とを備える。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属、合金などが挙げられる。使用する負極活物質の種類は1種類または2種類以上にすることができる。
金属酸化物は、チタン含有金属酸化物であることが望ましい。チタン含有金属酸化物の例には、リチウムチタン酸化物、チタン酸化物、ニオブチタン複合酸化物が含まれる。
リチウムチタン酸化物の例には、スピネル構造のLi4+xTi512(xは-1≦x≦3)、ラムステライド構造のLi2+xTi37(xは-1≦x≦3)が含まれる。
チタン酸化物の例には、アナターゼ構造のTiO2、単斜晶系のTiO(B)が含まれる。TiO(B)は、300〜500℃の範囲で熱処理されているものが好ましい。TiO(B)は、Nbを0.5〜10重量%含有することが好ましい。これにより負極容量を高容量化することができる。電池に充放電が施された後のチタン酸化物には、不可逆なリチウムが残存することがあるため、電池に充放電が施された後のチタン酸化物はLidTiO2(0<d≦1)で表すことができる。
ニオブチタン複合酸化物の例には、LiNbaTibC(0≦x≦3、0<a≦3、0<b≦3、5≦c≦10)が含まれる。LiNbaTibCの例には、LiNbTiO、LiNbTi、LiNbTiOが含まれる。800℃〜1200℃で熱処理されたLiTi1−yNbNb7+σ(0≦x≦3、0≦y≦1、0≦σ≦0.3)は、真密度が高く、体積比容量を増大することができる。LiNbTiOは、高密度及び高容量であるため、好ましい。これにより負極容量を高容量化することができる。また、上述の酸化物におけるNbまたはTiの一部をV,Zr,Ta、Cr,Mo、W、Ca,Mg、Al,Fe、Si、B、P、K及びNaよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素で置換しても良い。
リチウムチタン酸化物粒子は、表面に水分子を吸着しやすい。中でも、スピネル構造を有するリチウムチタン酸化物粒子は、その傾向が強い。このため、第1の化合物を含む粒子の表面を、第2の化合物を含む被覆層で被覆しない場合に、リチウムチタン酸化物粒子を負極活物質として用いるには、電池を製造する雰囲気の露点を厳格に管理して雰囲気中の水分量を制御する必要があり、管理を厳格に行っても、被覆層を用いない場合には、第1の化合物が潮解する。第1の実施形態に係る正極活物質を用いると、リチウムチタン酸化物粒子を含む負極活物質を用いた際の製造雰囲気中の水分量の厳格な管理を不要にすることができる。よって、第1の実施形態に係る正極活物質を用いることにより、電極及び電池の製造における量産性とコストを改善することができる。
導電剤は、負極活物質の集電性能を高め、負極集電体との接触抵抗を抑える。導電剤の例は、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛を含む。
結着剤は、負極活物質と導電剤を結着できる。結着剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴムを含む。
負極材料層中の負極活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ70質量%以上96質量%以下、2質量%以上28質量%以下及び2質量%以上28質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極材料層の集電性能を向上させ、非水電解質電池の大電流特性を向上させることができる。また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極材料層と集電体の結着性を高め、サイクル特性を向上させることができる。一方、導電剤及び結着剤はそれぞれ28質量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
負極集電体は、1V(vs. Li/Li+)よりも貴である電位範囲において電気化学的に安定であるアルミニウム箔またはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金箔であること好ましい。
負極は、例えば負極活物質、導電剤及び結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体に塗布し、乾燥し、その後、プレスを施すことにより作製される。負極は、また負極活物質、導電剤及び結着剤をペレット状に形成して負極材料層とし、これを負極集電体上に形成することにより作製されてもよい。
3)非水電解質
非水電解質は、例えば電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質、または液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質を用いることができる。
液状非水電解質は、電解質を0.5M以上2.5M以下の濃度で有機溶媒に溶解することが好ましい。
電解質の例は、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]のリチウム塩、またはこれらの混合物を含む。電解質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPFが最も好ましい。
有機溶媒の例は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネートのような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)、ジエトエタン(DEE)のような鎖状エーテル;またはγ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)を含む。これらの有機溶媒は、単独または混合溶媒の形態で用いることができる。
高分子材料の例は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)を含む。
好ましい有機溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)からなる群のうち、少なくとも2つ以上を混合した混合溶媒、またはγ−ブチロラクトン(GBL)を含む混合溶媒である。これらの混合溶媒を用いることにより、高温特性の優れた非水電解質電池を得ることができる。
4)セパレータ
セパレータには、例えば、多孔質フィルムまたは合成樹脂製不織布を用いることができる。セパレータを構成する材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)よりなる群から選択される少なくとも1種類を挙げることができる。ポリエチレンまたはポリプロピレンを含む多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であるために安全性を向上できる。
5)外装部材
外装部材は、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルムから形成されるか、厚さ1mm以下の金属製容器が用いられる。金属製容器は、厚さ0.5mm以下であることがより好ましい。
外装部材の形状は、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、及びボタン型から選択できる。外装部材の例には、電池寸法に応じて、例えば携帯用電子機器等に積載される小型電池用外装部材、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池用外装部材などが含まれる。
ラミネートフィルムは、樹脂層間に金属層を介在した多層フィルムが用いられる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂層は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等から選択される1種類以上の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材の形状に成形することができる。
金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等から選択される1種類以上の元素を含む合金が好ましい。合金中に鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属が1種類以上含まれる場合、その量は100質量ppm以下にすることが好ましい。
第2の実施形態に係る非水電解質電池を、図面を参照してより具体的に説明する。図1は、扁平型非水電解質二次電池の断面図である。図2は図1のA部の拡大断面図である。なお、各図は実施形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる点があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜設計変更することができる。
扁平状の捲回電極群1は、2枚の樹脂層の間に金属層を介在したラミネートフィルムからなる袋状外装部材2内に収納されている。扁平状の捲回電極群1は、図2に示すように、外側から負極3、セパレータ4、正極5、セパレータ4の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。
負極3は、負極集電体3aと負極活物質含有層3bとを含む。最外層の負極3は、図2に示すように負極集電体3aの内面側の片面のみに負極活物質含有層3bを形成した構成を有する。その他の負極3は、負極集電体3aの両面に負極活物質含有層3bが形成されている。正極5は、正極集電体5aの両面に正極活物質含有層5bが形成されている。
図1に示すように、捲回電極群1の外周端近傍において、負極端子6が最外層の負極3の負極集電体3aに接続され、正極端子7が内側の正極5の正極集電体5aに接続されている。これらの負極端子6および正極端子7は、袋状外装部材2の開口部から外部に延出されている。例えば液状非水電解質は、袋状外装部材2の開口部から注入される。袋状外装部材2の開口部を負極端子6および正極端子7を挟んでヒートシールすることにより捲回電極群1および液状非水電解質が完全密封される。
負極端子は、負極活物質のリチウム吸蔵・放出電位において電気化学的に安定であり、かつ導電性を有する材料から形成されることができる。具体的には、銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiよりなる群から選択される1種類以上の元素を含むアルミニウム合金等が挙げられる。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。
正極端子は、リチウムイオン金属に対する電位が3V以上5V以下、好ましくは3V以上4.25V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを有する材料から形成されると良い。具体的には、アルミニウム、または、Mg、Ti、Zn、Ni、Cr、Mn、Fe、Cu及びSiよりなる群から選択される1種類以上の元素を含むアルミニウム合金等が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。
第2実施形態に係る非水電解質電池は、図1および図2に示す構成のものに限らず、例えば図3および図4に示す構成の電池であってもよい。図3は、第2実施形態に係る別の扁平型非水電解質二次電池を模式的に示す部分切欠斜視図であり、図4は図3のB部の拡大断面図である。
積層型電極群11は、2枚の樹脂フィルムの間に金属層を介在したラミネートフィルムからなる外装部材12内に収納されている。積層型電極群11は、図4に示すように正極13と負極14とをその間にセパレータ15を介在させながら交互に積層した構造を有する。正極13は複数枚存在し、それぞれが集電体13aと、集電体13aの両面に担持された正極活物質含有層13bとを備える。負極14は複数枚存在し、それぞれが負極集電体14aと、負極集電体14aの両面に担持された負極活物質含有層14bとを備える。各負極14の負極集電体14aは、一辺が負極14から突出している。突出した負極集電体14aは、帯状の負極端子16に電気的に接続されている。帯状の負極端子16の先端は、外装部材11から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極13の正極集電体13aは、負極集電体14aの突出辺と反対側に位置する辺が正極13から突出している。正極13から突出した正極集電体13aは、帯状の正極端子17に電気的に接続されている。帯状の正極端子17の先端は、負極端子16とは反対側に位置し、外装部材11の辺から外部に引き出されている。
以上記載した第2の実施形態によれば、第1の実施形態の正極活物質を含むため、放電容量及び充放電サイクル性能が向上された非水電解質電池を実現することができる。
(第3の実施形態)
第3実施形態に係る電池パックについて、図面を参照して説明する。第3実施形態に係る電池パックは、第2の実施形態に係る非水電解質電池(単電池)を1個又は複数有する。複数の単電池を含む場合、各単電池は、電気的に直列もしくは並列に接続して配置される。また、電池パックは、非水電解質電池の電圧が検知可能な保護回路をさらに備えることが望ましい。
図5及び図6に、電池パック20の一例を示す。この電池パック20は、図1に示した構造を有する扁平型電池21を複数含む。図5は電池パック20の分解斜視図であり、図6は図5の電池パック20の電気回路を示すブロック図である。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6及び正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池23を構成している。これらの単電池21は、図6に示すように電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子6および正極端子7が延出する単電池21側面と対向して配置されている。プリント配線基板24には、図6に示すようにサーミスタ25、保護回路26および外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、プリント配線基板24が組電池23と対向する面には、組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子6に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29,31は、プリント配線基板24に形成された配線32,33を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34aおよびマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図5および図6の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子7および負極端子6が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮チューブを周回させた後、熱収縮チューブを熱収縮させて組電池を結束させる。
図5、図6では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。あるいは、直列接続と並列接続を組合せてもよい。組み上がった電池パックをさらに直列又は並列に接続することもできる。
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。電池パックは、大電流を取り出したときにサイクル特性が優れていることが要求される用途に好適に用いられる。具体的には、デジタルカメラの電源として、又は、例えば二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、及び、アシスト自転車の車載用電池として用いられる。特に、車載用電池として好適に用いられる。
以上の第3の実施形態によれば、第2の実施形態の非水電解質電池を含むため、高容量で、且つ、充放電サイクル性能に優れた電池パックを提供することができる。
以下、実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
遷移金属硫酸塩水和物としてFeSO・HOと、LiFを密閉容器に封入し、300℃で3日間加熱することにより、タボライト型のLiFeSO4F粒子を合成した。得られたLiFeSO4F粒子と、Feの硫酸塩水和物としてFeSO・7HOと、Li3PO4に非水溶媒として1-エチル-3-メチルイミダゾリウム-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを加えて密閉容器に封入し、150℃で加熱することによって、LiFeSO4F粒子の表面を、LiFePO4層で被覆し、正極活物質を得た。
正極活物質を100質量%とした場合、LiFeSO4F粒子が97質量%で、LiFePO4層が3質量%であった。
(実施例2〜5)
粒子の平均粒径及び被覆層の厚さを下記表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得た。
(実施例6,7)
遷移金属硫酸塩水和物として、実施例6でFe0.9Mn0.1SO・HO、実施例7でFe0.9Zn0.1SO・HOを用いること以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得た。
(実施例8〜10)
Feの硫酸塩水和物として、実施例8でFeSO・7HOとMnSO・5HO、実施例9でFeSO・7HOとCoSO・7HO、実施例10でFeSO・7HOとMgSO・7HOを用いること以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得た。
(実施例11)
実施例1で得られた正極活物質に、アセチレンブラックを正極活物質に対して2重量%加えて、ボールミルにて混合し、正極活物質表面に炭素被膜を形成した。
(比較例1)
一般式LiMSO4Fに係る活物質としてタボライト型のLiFeSO4F粒子を用い、表面の被覆を行わないものを正極活物質とした。
(比較例2)
一般式LiMSO4Fに係る活物質としてLiFe0.9Mn0.1SO4Fを用い、表面の被覆を行わないものを正極活物質とした。
(比較例3)
一般式LiMSO4Fに係る活物質としてLiFe0.9Zn0.1SO4Fを用い、表面の被覆を行わないものを正極活物質とした。
(比較例4)
タボライト型のLiFeSO4F粒子を97質量部と、LiFePO4粒子3質量部の混合物を正極活物質として用意した。
(比較例5)
実施例1と同様にして合成したタボライト型のLiFeSO4F粒子と、LiCO及びCoを加えて、Ar雰囲気で800℃で加熱することによって、LiFeSO4F粒子の表面を、LiCoO2層で被覆し、正極活物質を得た。
実施例及び比較例の正極活物質について、粒子の平均粒径及び被覆層の厚さをTEM観察により測定し、その結果を下記表1に示す。また、表1には、粒子と被覆層の割合(質量%)を併記する。得られた実施例及び比較例の正極活物質を大気中に48時間放置し、潮解の有無を観察した。
また、実施例及び比較例の正極活物質を用い、以下の方法で非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質に、導電材として正極全体に対して8重量%の黒鉛粉末、結着剤として正極全体に対して5重量%のPVdFをそれぞれ配合してn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した後、厚さ15μmのアルミニウム合金箔(純度99%)に両面塗布し、乾燥し、プレス工程を経て、正極を作製した。
負極活物質に、スピネル構造のLi4Ti512粒子を用いた。負極活物質粒子と、平均粒子径5μmのBET比表面積10m2/gの黒鉛粉末と、結着剤としてPVdFとを重量比で90:6:4となるように配合してn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させ、ボールミルを用いて攪拌を行い、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム合金箔(純度99.3%)に塗布し、乾燥し、加熱プレス工程を経ることにより、負極を作製した。
一方、厚さ20μmのセルロース製の不織布セパレータを正極に密着させ、セパレータで正極を覆った後、これらに負極を重ねると共に、負極をセパレータを介して正極と対向させ、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。この電極群をさらにプレスし扁平状に成形した。厚さが0.3mmのアルミニウム合金(Al純度99%)からなる薄型の金属缶(容器)に電極群を収納した。
非水電解質として、ジエチルカーボネート(DEC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率80:20)に電解質としてLiPF6を1.0mol/L溶解することにより液状非水電解質(非水電解液)を調製した。この非水電解質を容器内の電極群に注液し、厚さ4mm、幅30mm、高さ60mmの薄型非水電解質電池を作製した。
得られた実施例及び比較例の電池について、以下の条件で放電容量及び100サイクル後の容量維持率を測定し、その結果を表2に示す。
放電容量の測定条件:25℃の環境下で電池を1Cレートの定電流で電圧2.8Vまで充電した後、定電圧モードで電流値が収束するまで充電し、満充電状態から0.2Cレートの定電流で1.0Vまで放電した時の正極活物質重量あたりの容量を測定した。
100サイクル後の容量維持率の測定条件:25℃の環境下で電池を1Cレートの定電流で電圧2.8Vまで充電した後、定電圧モードで電流値が収束するまで充電し、満充電状態から0.2Cレートの定電流で1.0Vまで放電した時の正極活物質重量あたりの容量を1サイクル目の容量とした。放電時のレートを1Cとする以外は、1サイクル目と同じ方法で98サイクルの充放電を行った後、再度1サイクル目と同じ方法で充放電を行い100サイクル目の容量を測定した。100サイクル後の容量維持率は1サイクル目の容量に対する、100サイクル目の容量比から算出した。
Figure 0006054540
Figure 0006054540
表1及び表2に示すように、実施例1〜10の正極活物質は、潮解が見られないのに対し、比較例1〜4の正極活物質は潮解した。比較例1〜3の正極活物質は、被覆層がないために潮解したと考えられる。また、比較例4のように、第1の化合物粒子に第2の化合物粒子を混合すると、第1の化合物粒子の表面に第2の化合物が付着するが、第1の化合物粒子の表面の大部分が露出しているため、潮解したと考えられる。一方、比較例5では、LiCoO2層を形成するための熱処理によって第1の化合物粒子が熱分解した。
以上述べた少なくとも一つの実施形態及び実施例の正極活物質によれば、一般式LiMSO4F(MはFe,Mn及びZnよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される第1の化合物を含む粒子の表面を、一般式LiM’PO4(M’はFe,Mn,Co及びMgよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される第2の化合物を含む被覆層で被覆するため、潮解反応が抑制され、非水電解質電池のエネルギー密度及び充放電サイクル性能を向上することが可能な正極活物質を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,11…電極群、2,12…外装部材、3,13…正極、3a,13a…正極集電体、3b,13b…正極活物質含有層、4,15…セパレータ、5,14…負極、5a,14a…負極集電体、5b,14b…負極活物質含有層、6,16…負極端子、7,17…正極端子、20…電池パック、21…単電池、22…粘着テープ、23…組電池、24…プリント配線基板、28…正極側配線、29…正極側コネクタ、30…負極側配線、31…負極側コネクタ、37…収納容器、38…蓋。

Claims (6)

  1. 一般式LiMSO4F(MはFe,Mn及びZnよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される第1の化合物を含む粒子と、
    前記粒子の表面を被覆し、一般式LiM’PO4(M’はFe,Mn,Co及びMgよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)で表される第2の化合物を含む被覆層と
    を含むことを特徴とする正極活物質。
  2. 表面を被覆する炭素含有層をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
  3. 前記粒子の平均粒径は、0.1μm以上10μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の正極活物質。
  4. 前記被覆層の厚さは、1nm以上1μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の正極活物質。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極活物質を含む正極と、
    負極と、
    非水電解質と
    を含むことを特徴とする非水電解質電池。
  6. 請求項5に記載の非水電解質電池を一以上含むことを特徴とする電池パック。
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