JP6051786B2 - 医療用三層チューブおよび三層チューブの押出成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用三層チューブおよび三層チューブの押出成形方法に関し、特に、輸液で使用する医療用三層チューブに関する。
輸液セットのように、輸液製剤が入った薬液バッグと先端の針との間や、接続具間にチューブを介在させた医療用品が知られている。このような医療用チューブは、輸液セット用チューブのみならず、種々の太さや長さのものがあり、液体を導通するものとして広く使用されている。また、様々な医療シーンで用いられるため、医療用チューブには、柔軟であって破断しにくい特性が求められる。
このような観点から、従来から医療用チューブにはPVC(ポリ塩化ビニル)が広く用いられている。
また、医療用途であることから一回使用が原則である。このため、結果として、大量の廃棄物が排出されるという実情がある。
一方で、PVCを初めとする塩素系プラスチックはダイオキシン類の主要発生源であることから、近年ではその使用を低減することが求められている。
また、PVCは、薬剤を吸着しやすく微量薬剤の投与には適さず、かつ、内在する可塑剤が溶出しやすいため人体へ影響も懸念される。従って、近年ではPVC製医療用チューブの使用を極力避けたいという潜在的な要請が存在する。
そこで、PVC代替としてPBD(ポリブタジエン)製の医療用チューブが使用される場合がある。PBDは、薬剤吸着性が小さく可塑剤の溶出もないため、医療用途としては好適である。しかしながら、PBDはPVCに比して破断強度が数割小さくなる傾向があり、弾性率も低い、という問題点がある。
医療現場では輸液バッグを吊すスタンドの移動の際や人間の移動の際に、突っ張ったり引っかけたりすることもあり、PVCと同等以上でなくとも、安全率を考えて、破断強度が極力高く、弾性の高い医療用チューブが望まれる。
特開2005−103192号 特許第3192217号 特許第4419448号
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、実質的に薬剤を吸着せず可塑剤の溶出もない、かつ、破断強度の大きく弾性に富む汎用医療用チューブを提供することを目的とする。
請求項1に記載の医療用三層チューブは、内層がポリブタジエン、外層がポリブタジエンであり、内層と外層との間に、ポリブタジエンと相溶する素材およびポリブタジエンと相溶しない耐破断性素材の混合樹脂であり、内層および外層との局所的な溶着箇所が全域にわたったメカニカルロックが形成された中間層を設け、内層および中間層ならびに外層および中間層が合着した耐破断性素材として成型したことを特徴とする。
すなわち、請求項1にかかる発明は、三層構造とし、実質的に薬剤を吸着せず可塑剤も溶出しない、かつ、破断強度の大きく弾性に富む、汎用できる医療用チューブの提供が可能となる。医療用チューブは押出成形にて製造されるところ、三層チューブを成型する場合には各層が剥離せず強固に結合している必要がある。本発明では、三層構造とするため、内層と外層の要求物性に由来する最適な素材選択の結果、両者が熱溶着等しない組合せとなっても、中間層を設けることにより両者を合着可能となる
間層は、後述するようにPBDとTPUのように相溶しないものであっても、相互に分散させてこれを押出成形することにより、最終的に中間層で素材同士によるメカニカルロックが形成され、内層や外層の素材との局所的な溶着箇所が全域にわたり、全体として合着した強固な押出成型体を得ることができる。三層とは、必ずしも明瞭な層界面が存在しない態様も含むものとする。
チューブの太さは特に限定されないが、例えば、内径が0.5mm〜5.0mm、外径が2.0mm〜7.0mmとすることができる。また、内層の肉厚と外層の肉厚との比は、例えば、2:8〜8:2の範囲とする例を挙げることができるが、押出成形性や均質性の観点からは6:4〜4:6の比とすることができる。また、中間層は、全体の10%〜50%の厚みとすることができる。
請求項2に記載の医療用三層チューブは、請求項1に記載の医療用三層チューブにおいて、間層が、ポリブタジエンと熱可塑性ポリウレタンの混合樹脂であり、ポリブタジエン:熱可塑性ポリウレタン=25wt%:75wt%〜60wt%:40wt%の配合比、肉厚を、全体の肉厚の15%〜50%としたことを特徴とする
すなわち、請求項2にかかる発明は、医療用として使用実績のある素材を組み合わせつつ耐破断性をPVCと同等以上に高めることが可能で、易接着性ないし易接合性も有する医療用チューブを提供可能になる。
また、請求項2にかかる発明は、単層のPBDチューブはもとより従来品であるPVCチューブと同等以上の高耐破断性を有する医療用チューブの提供が可能となる。好ましくは、ポリブタジエン:熱可塑性ポリウレタン=30wt%:70wt%〜50wt%:50wt%である。
請求項3に記載の医療用三層チューブの押出成形方法は、医療用三層チューブを押出成形する方法であって、内層が薬剤非吸着性と可塑剤非溶出性とを備える素材、外層がコネクタその他の医療用接続部品に対する易接着性素材ないし易接合性素材であり、中間層に、内層素材と外層素材との何れにも相溶する素材、および、内層素材と外層素材との少なくとも一方には相溶しない素材であって耐破断性を発現する素材を用い、当該二素材を加熱により混合して溶融し、押出成形により、中間層領域で当該二素材同士によるメカニカルロックを形成させつつ、内層素材および外層素材との局所的な溶着箇所を全域にわたらせ、全体として内層および中間層ならびに外層および中間層が合着した三層チューブを得ることを特徴とする。
すなわち、請求項にかかる発明は、内外層それぞれに要求特性において好適な素材を用いつつ、耐破断性その他の要求特性を持たせる結果内外層とは相溶しない素材を中間層の構成素材として用いる場合であっても、医療用に好適なチューブを得ることができる。また、製造工程の複雑化を招来することなく、既存の設備を用いた製造が可能である。
請求項に記載の医療用三層チューブの押出成形方法は、請求項に記載の医療用三層チューブの押出成形方法において、内層素材および外層素材をポリブタジエン、中間層をポリブタジエンと熱可塑性ポリウレタンとの混合樹脂とし、中間層を、ポリブタジエン:熱可塑性ポリウレタン=25wt%:75wt%〜60wt%:40wt%の配合比、肉厚を、全体の肉厚の15%〜50%としたことを特徴とする。
すなわち、請求項にかかる発明は、単層のPBDチューブはもとより従来品であるPVCチューブと同等以上の高耐破断性を有する医療用チューブの提供が可能となる。好ましくは、ポリブタジエン:熱可塑性ポリウレタン=30wt%:70wt%〜50wt%:50wt%である。
なお、請求項3を一般化し、三層チューブの押出成形方法であって、中間層に、内層素材とは相溶し外層素材とは相溶しない素材、および、外層素材とは相溶し内層素材とは相溶しない素材を用い、当該二素材を加熱により混合して溶融し、押出成形により、中間層で当該二素材同士によるメカニカルロックを形成させつつ、中間層界面領域で内外層素材と中間層素材との局所的な溶着箇所を全域にわたらせ、全体として内層および中間層ならびに外層および中間層が合着した三層チューブを得てもよい
すなわち、この技術では、中間層領域でメカニカルロックを形成し、種々の特性を持たせた三層チューブを得ることができる。また、製造工程の複雑化を招来することなく、既存の設備を用いた製造が可能である。なお、中間層の二素材はそれぞれ内層素材および外層素材としても良く、この場合は境界面が複雑に入り組んだ二層チューブとなる。すなわち当該技術では、三層チューブとは押出(射出)時に三層である二素材チューブも含まれるものとする。
本発明によれば、微量薬剤の導通にも使用でき、強度的な信頼性も高い汎用医療用チューブを提供可能となる。
また、内外層それぞれに要求特性において好適な素材を用いつつ、耐破断性その他の要求特性を持たせる結果内層または外層の少なくとも一方とは相溶しない素材を中間層の構成素材として用いる場合であっても、医療用に好適なチューブを得ることができる
本発明の医療用三層チューブを用いた輸液セットの構成例を示した説明図である。 本発明の医療用三層チューブの断面概念図を示した説明図である。 中間層の配合を異ならせた本発明の医療用三層チューブと従来チューブについて破断強度を比較した図である。 本発明の医療用三層チューブと従来チューブについて引張強度と伸びの関係を測定した結果を表した図である。 本発明の三層チューブの内側に接続部材を挿入接着し、引張強度を測定した結果を示した図である。 本発明の三層チューブの中間層の肉厚比を異ならせて引張強度を測定した結果を示した図である。 本発明の三層チューブの太さ等を異ならせて、従来品と引張強度を比較した結果を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の医療用三層チューブを用いた輸液セットの構成例を示した説明図である。図2は、本発明の医療用三層チューブの断面概念図を示した説明図である。なお、説明の便宜上、各構成部の縮尺は適宜変更してある。ここでは中間層にPBD+TPUの混合樹脂を用いた例について説明する。
輸液セット100は、図1に示したように、点滴液が貯留された輸液バッグ101と、チューブ102と、患者Cの静脈(腕)に穿刺する静脈針103とを含んだ構成である。また、チューブ102途中には、点滴液の流量を目視にて確認可能にする点滴筒104と、点滴液の流量調整をおこなうためのクランプ105とが存在している。
輸液バッグ101は、スタンドSに吊され、重力により点滴液がチューブ102を通って、患者Cの体内に移送される。このチューブ102は、場合により患者Cの横たわるベッドのある床面に達するなど比較的長く、時として強く引っ張られることがある。
そこで、チューブ102は破断強度を確保するために、図2に断面を示したように三層構造としている。内層121はPBD、中間層122はPBDとTPUの混合樹脂、外層123はPBDにより構成されている。これらは、管構造であって互いに密着しているが、接着剤により貼着するのでなく、押出成形により互いを合着させて製造している。
外層123にPBDを用いたのは、輸液バッグ101や静脈針103や点滴筒104などの他のコネクタないし部品との接着性や接合性を確保するためである。なお、組立性や操作性を向上させるため、滑剤を添加して成型しても良い。
内層121にもPBDを用いたのは、薬品を吸着し難く、微量薬剤を移送するときに好適であり、かつ、可塑剤の溶出もないためである。またPBDであればこれまでの使用実績もあるためである。この他、他の部品をチューブ102に内挿する場合もあり、外層に用いるのと同様に、PBDを用いることにより接着性や接合性も確保される。なお、微量薬剤を用いるときだけPBD製の単層チューブを用いることもできるが、医療用チューブは、通常、透明であって、PBD製であるかPVC製であるか現場では確認しにくく、また場合により確認する時間がない。よって、どのような薬剤を導通するときでもチューブの素材を意識せず使用できるようにチューブ102は三層チューブとしており、汎用性を確保している。なお、内層のPBDには、気泡除去性を高めるために、適宜界面活性剤を添加し親水性を向上させて成型してもよい。
中間層122は、PBDとTPUの混合樹脂層としている。これらは相溶しないが、押出成型機にそれぞれのペレットを投入し、溶融した混合樹脂として押し出される。内層121と外層123はともにPBDであるため、これが中間層素材のPBD部分と相溶して一体となり、かつ、中間層領域でTPUが小塊状、繊維状、網目状に複雑に散在し、強度発現を担う。これにより、両素材の特性を生かした医療用に適したチューブを提供可能となる。
内層121と外層123とは同程度の厚みとしているが、これに限らず、内層121は薬品耐吸着性および可塑剤非溶出性が確保されればよいので、例えば外層123の1/3の厚みとすることができる。また、中間層122は、TPUの混合比率を低減する場合には、中間層122の厚みを相対的に厚くするようにしてもよい。中間層122は、いわば内層121と外層123との接着部材、かつ、強度発現層として機能すればよいので、その厚みは例えば、全体の15%の厚みとすることができる。
次に、本発明の三層チューブの引張強度試験について説明する。三層チューブは、外層および内層PBD、中間層PBD+TPUの混合樹脂とした。また、比較例として、従来、医療用途として用いられているPVC単層チューブ(可塑剤DEHP添加)、PVC単層チューブ(可塑剤TOTM添加)、PBD単層チューブについても引張強度を測定した。
実験は、総て内径φ3.2mm×外径φ4.6mmとして統一した。また、三層チューブについては、外層厚0.30mm、中間層厚0.15mm、内層厚0.25mmとし、PBDとTPUの混合比(重量)をPBD:TPU=1:9,3:7,5:5としてそれぞれの破断強度を測定した。結果を図3に示す。
図から明らかなように、PBD:TPU=1:9〜3:7であれば、驚くべきことに従来のPVCより耐破断性が向上することがわかった。
次に、中間層PBD:TPU=3:7としたチューブの保持間隔を30mm、引張速度200mm/minとし、横軸に伸び(歪み%)、縦軸に応力(MPa)として、破断までの伸びと応力との関係を測定した。なお、ここでは、従来チューブもあわせて測定し、また、内外層PBD、中間層にポリエチレン(PE)+TPUの混合樹脂とした三層チューブも測定した。中間層PE+TPUのチューブは、内径φ2.7mm、外径φ4.6mm(外層厚0.25mm、中間層厚0.40mm、内層厚0.30mm)であり、他のチューブより肉厚のものを使用した。結果を図4に示す。
図から明らかなように、本発明の三層チューブは、PVCに比して、引っ張られても追従して伸び、かつ、切れにくいことが確認でき、医療現場で使用するのに好適なチューブであることがわかった。なお、中間層がPE+TPUである場合は、中途で応力低下が見られる。これは、層剥離が生じていることを示している。換言すれば、本発明の三層チューブは、層剥離を生じることなく、PVCより破断強度が高まった優れたチューブであるといえる。
次に、中間層(PBD+TPU)の配合比率と全体の厚みに対する肉厚比とを調整し、各種測定をおこなった。チューブは、内径φ3.2mm、外径φ4.6mmとし、外層厚0.315mm、内層厚0.315mmとして、中間層厚を全体の10%の厚みである0.07mmに固定し、中間層をPBD:TPU=10wt%:90wt%〜90wt%:10wt%で、10%ずつ配合比を異ならせて試料を作成した(内外層とも素材はPBDとした)。
チューブ内側に、接続部材としてPC製管を挿入接着し、チャック間距離を40mm、引張速度200mm/minとして引張強度を測定した。結果を図5に示す。
図示したように、PBD=10wt%、20wt%では層間剥離が生じ、それ以上の混合比率ではチューブ破断が生じた。これは、PBDが少ない場合は、内外層との接着部分が小さく、相溶しないTPUが多いため層間で剥離が生じ、逆にPBDが多い場合は、内外層との接着部分が多くなるもののTPUの強度発現が十分とはならず、PBD由来の破断が生じるものと考えられた。
特に好適なのは、測定結果を外挿し引張強度が60N以上となる、配合比がPBD:TPU=25wt%:75wt%〜60wt%:40wt%の範囲である。好ましくは、70N以上となる、PBD:TPU=30wt%:70wt%〜50wt%:50wt%の範囲である。なお、図示しないが、同様に配合比を変えて、部材と接続せず、チューブ両端をはさんでチューブ自体の引張強度を測定したところ、上記配合比範囲では引張強度が略100Nの一定強度を有することを確認した。また、チューブの耐水圧強度に関しても、上記配合比範囲では略同レベルの良好な結果を示した。チューブの耐キンク性については、上記配合比範囲では略同レベルであるもののPBDの配合比が高まるほどより良好な結果を示した。
次に、中間層の肉厚比に対するチューブ自体の引張強度を測定した。チューブは、内径φ3.2mm、外径φ4.6mmとし、外層厚と内層厚を同一として、中間層の肉厚を全体の5%〜50%まで5%刻みで異ならせて試料を作成した。ここで、内外層の素材はPBD、中間層はPBD:TPU=40wt%:60wt%とした。結果を図6に示す。また、同形のPVC単層チューブ、PBD単層チューブの結果もあわせて示した。
図示したように、肉厚比が全体の15%であればPVCと略同レベルであり、20%を越えるとPVC以上の引張強度を発揮することが確認できた。なお、肉厚比が40%を越えると、引張強度は横ばいとなった。一方、肉厚比が50%を越えるとチューブが硬くなってくるため、肉厚比は50%以下が好適である。
最後に、チューブの太さおよび配合比肉厚比を変え、チューブ自身の引張強度を従来品と比較した。図7(a)は、他社品も含めて内径φ3.2mm×外径φ4.6mm程度の径の大きなチューブを用いた結果である。本発明の三層チューブについては、内外層(PBD)が同厚、中間層厚が全体の20%、中間層におけるPBD:TPU=40wt%:60wt%とした結果である。図7(b)は、他社品も含めて内径φ1.0mm×外径φ2.7mm程度の径の小さなチューブを用いた結果である。本発明の三層チューブは、内外層(PBD)が同厚、中間層厚が全体の40%、中間層におけるPBD:TPU=50wt%:50wt%とした結果である。何れも、PVC単層チューブと同等の引張強度を有することが確認できる。
以上各結果が示すように、本発明によれば、PVCと同等の強度を有しつつPVCのような薬剤吸着や可塑剤溶出のない、PVCフリーの医療用用途に好適な新規代替チューブを提供可能となることが確認できた。
なお、以上の実験は中間層をPBD+TPUとしたが、中間層は強度発現を目的として、同様の熱可塑性エラストマー、すなわち、TPU以外に、SEBS、SBS、SEEPSを用いることができる。
また、上述のように相溶しない樹脂を用いた場合であっても、全体として強固に合着した押出成チューブを得られることがわかる。
すなわち、医療用三層チューブを押出成形する方法であって、中間層に、内層素材と外層素材との何れにも相溶する素材、および、内層素材と外層素材との少なくとも一方には相溶しない素材であって耐破断性、伸縮性その他の特性を発現する素材を用い、当該二素材を加熱により混合して溶融し、押出成形により、中間層領域で当該二素材同士によるメカニカルロックを形成させつつ、内層素材および外層素材との局所的な溶着箇所を全域にわたらせ、全体として内層および中間層ならびに外層および中間層が合着した三層チューブを得ることができる。
また、さらに一般化し、三層チューブを押出成形する方法であって、中間層に、内層素材とは相溶し外層素材とは相溶しない素材、および、外層素材とは相溶し内層素材とは相溶しない素材を用い、当該二素材を加熱により混合して溶融し、押出成形により、中間層で当該二素材同士によるメカニカルロックを形成させつつ、中間層界面領域で内外層素材と中間層素材との局所的な溶着箇所を全域にわたらせ、全体として内層および中間層ならびに外層および中間層が合着した三層チューブを得ることができる。
これらは、適宜、2ないし3の押出成型機に各材料を入れ、加熱溶融または加熱混合をおこない、三層チューブ形成用の金型へ素材注入して押し出し、直近下流の冷却水槽で冷却して成形すればよく、現行の設備を用いた生産が可能となるという利点も有する。
本発明によれば、輸液セット以外でも例えば、人工心肺回路といった、比較的大径のチューブに適用することもできる。
また、輸液回路中においてでも、瓶針から点滴筒までのいわゆる上部管、点滴筒から下流のいわゆるポンプチューブ、その他中間チューブ、延長チューブ等の各チューブでは、耐キンク性、部品接着性等、それぞれの優先指標が異なるが、適宜内/外/中間層の素材、内径、外径を適正化することにより、より好適な医療用チューブを提供することができる。
100 輸液セット
101 輸液バッグ
102 チューブ
103 静脈針
104 点滴筒
105 クランプ
121 内層
122 中間層
123 外層
S スタンド
C 患者

Claims (4)

  1. 内層がポリブタジエン、外層がポリブタジエンであり、
    内層と外層との間に、ポリブタジエンと相溶する素材およびポリブタジエンと相溶しない耐破断性素材の混合樹脂であり、内層および外層との局所的な溶着箇所が全域にわたったメカニカルロックが形成された中間層を設け、
    内層および中間層ならびに外層および中間層が合着した耐破断性素材として成型したことを特徴とする医療用三層チューブ。
  2. 間層は、ポリブタジエンと熱可塑性ポリウレタンの混合樹脂であり、ポリブタジエン:熱可塑性ポリウレタン=25wt%:75wt%〜60wt%:40wt%の配合比、肉厚を、全体の肉厚の15%〜50%としたことを特徴とする請求項に記載の医療用三層チューブ。
  3. 医療用三層チューブを押出成形する方法であって、
    内層が薬剤非吸着性と可塑剤非溶出性とを備える素材、外層がコネクタその他の医療用接続部品に対する易接着性素材ないし易接合性素材であり、
    中間層に、内層素材と外層素材との何れにも相溶する素材、および、内層素材と外層素材との少なくとも一方には相溶しない素材であって耐破断性を発現する素材を用い、
    当該二素材を加熱により混合して溶融し、
    押出成形により、中間層領域で当該二素材同士によるメカニカルロックを形成させつつ、内層素材および外層素材との局所的な溶着箇所を全域にわたらせ、全体として内層および中間層ならびに外層および中間層が合着した三層チューブを得ることを特徴とする医療用三層チューブの押出成形方法。
  4. 内層素材および外層素材をポリブタジエン、中間層をポリブタジエンと熱可塑性ポリウレタンとの混合樹脂とし、中間層を、ポリブタジエン:熱可塑性ポリウレタン=25wt%:75wt%〜60wt%:40wt%の配合比、肉厚を、全体の肉厚の15%〜50%としたことを特徴とする請求項に記載の医療用三層チューブの押出成形方法。

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