JP6051540B2 - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6051540B2
JP6051540B2 JP2012049363A JP2012049363A JP6051540B2 JP 6051540 B2 JP6051540 B2 JP 6051540B2 JP 2012049363 A JP2012049363 A JP 2012049363A JP 2012049363 A JP2012049363 A JP 2012049363A JP 6051540 B2 JP6051540 B2 JP 6051540B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microlens
focus detection
contrast value
microlenses
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012049363A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013186187A (ja
Inventor
直之 大西
直之 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2012049363A priority Critical patent/JP6051540B2/ja
Publication of JP2013186187A publication Critical patent/JP2013186187A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6051540B2 publication Critical patent/JP6051540B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Description

本発明は、焦点検出装置に関する。
複数の方向の中から被写体のコントラストが高い方向を焦点検出方向として選択して、位相差検出方式による焦点検出を行う焦点検出装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−198771号公報
上記従来技術では、複数方向のコントラストを互いに比較しても、それらの差が少ない被写体の場合、適切に焦点検出方向を決定できず、焦点検出精度が落ちてしまうという問題があった。
請求項1に記載の発明による焦点検出装置は、光学系を透過した被写体からの光が入射する第1のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズに対して第1の方向に配置された第2のマイクロレンズと、前記第2のマイクロレンズに対して前記第1の方向と交差する第2の方向に配置された第3のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズと前記第3のマイクロレンズとにそれぞれ設けられ、前記光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する複数の画素と、前記光学系の異なる瞳領域を通過した光を受光する、前記第1、第2のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素の信号から、前記光学系の合焦状態を検出する検出部と、前記第1、第2、第3のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力され、前記第1、第3、第2のマイクロレンズの順に並んだ信号の列と、前記第1、第2のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力された信号の列とを比較し、前記光学系の合焦状態の検出に用いる前記第1、第2のマイクロレンズの画素を前記複数の画素から選択する選択部とを備える。
請求項2に記載の発明による焦点検出装置は、光学系を透過した被写体からの光が入射する第1のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズに対して第1の方向に配置された第2のマイクロレンズと、前記第2のマイクロレンズに対して前記第1の方向と交差する第2の方向に配置された第3のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズと前記第3のマイクロレンズとにそれぞれ設けられ、前記光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する複数の画素と、前記光学系の異なる瞳領域を通過した光を受光する、前記第1、第2、第3のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素の信号から、前記光学系の合焦状態を検出する検出部と、前記第1、第2、第3のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力され、前記第1、第3、第2のマイクロレンズの順に並んだ信号の列と、前記第1、第2のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力された信号の列とを比較し、前記光学系の合焦状態の検出に用いる前記第1、第2、第3のマイクロレンズの画素を前記複数の画素から選択する選択部とを備える。
本発明によれば、結像光学系の焦点調節状態を精度よく検出できる。
本発明の実施の形態によるデジタルカメラの構成を例示する図である。 焦点検出センサの構成を例示する図である。 AF演算に用いる光電変換素子列を説明する図である。 焦点検出方向を説明する図である。 被写体像の一例を示す図である。 (A)は、マイクロレンズ列H1を説明する図であり、(B)は、マイクロレンズ列R1を説明する図であり、(C)は、マイクロレンズ列L1を説明する図である。 (A)は、マイクロレンズ列H1に対応する出力信号列の出力値を説明する図であり、(B)は、マイクロレンズ列R1に対応する出力信号列の出力値を説明する図であり、(C)は、マイクロレンズ列L1に対応する出力信号列の出力値を説明する図である。 マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する一対の出力信号列の相関量を説明する図である。 (A)は、マイクロレンズ列H2を説明する図であり、(B)は、マイクロレンズ列R2を説明する図であり、(C)は、マイクロレンズ列L2を説明する図である。 (A)は、マイクロレンズ列H2に対応する出力信号列の出力値を説明する図であり、(B)は、マイクロレンズ列R2に対応する出力信号列の出力値を説明する図であり、(C)は、マイクロレンズ列L2に対応する出力信号列の出力値を説明する図である。 マイクロレンズ列H2、R2、L2に対応する一対の出力信号列の相関量を説明する図である。 AF演算処理の流れを説明するフローチャートである。 第1の実施の形態における焦点検出方向決定処理の流れを説明するフローチャートである。 第2の実施の形態における焦点検出方向決定処理の流れを説明するフローチャートである。 変形例2で用いるマイクロレンズ列を説明する図である。 変形例3における焦点検出方向を説明する図である。 (A)は、変形例4で用いるマイクロレンズ列H1、V1を説明する図であり、(B)は、変形例4で用いるマイクロレンズ列H2、V2を説明する図である。
(第1の実施の形態)
図面を参照して、本発明による第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明を適用したデジタルカメラの構成を示す横断面図である。なお、本発明に係わる機器および装置以外のカメラの一般的な機器および装置については図示と説明を省略する。本実施形態のデジタルカメラでは、撮影レンズ20を備えるレンズ鏡筒2がカメラボディ1に装着される。レンズ鏡筒2は、交換可能である。
カメラボディ1には、ハーフミラー10が設けられている。ハーフミラー10の後方には撮像素子11が配置され、ハーフミラー10の上方には焦点検出センサ12が配置されている。またカメラボディ1の上部には、EVF(電子ビューファインダ)13が設けられている。さらに、カメラボディ1には、制御装置14が設けられている。
ハーフミラー10は、透過光と反射光を分割するための光学部材であり、例えばペリクルミラーなどの薄いミラーが用いられる。撮像素子11および焦点検出センサ12は、それぞれ、CCDやCMOSなどから構成され、撮影レンズ20の予定焦点面上に配置される。撮像素子11および焦点検出センサ12は、それぞれ、撮影レンズ20により結像された被写体像を電気信号に変換して出力する。EVF13は、撮像素子11による撮像画像を液晶表示素子に表示して、撮影者に視認させるものである。制御装置14は、不図示のマイクロコンピューター、ROM、RAM、A/Dコンバーターなどから構成される。焦点検出センサ12および制御装置14は、位相差検出方式の焦点検出装置を構成し、撮影レンズ20の焦点調節状態を示すデフォーカス量を算出する。
レンズ鏡筒2は、撮影レンズ20、レンズ駆動部21などを備えている。レンズ駆動部21は、不図示のアクチュエータにより撮影レンズ20を駆動する。なお、カメラボディ1の制御装置14とレンズ鏡筒2のレンズ駆動部21とは、不図示の接点を介して電気的に接続されており、各種情報の授受を行う。
撮影レンズ20を透過した被写体光の一部は、ハーフミラー10を透過して撮像素子11へ導かれ、撮像素子11により撮像される。撮像素子11から出力された画像信号は、所定の信号処理が施された後、不図示の記録媒体(メモリカードなど)に書き込まれる。また、撮像素子11から出力された画像信号は、所定の信号処理が施された後、EVF13に表示される。
撮影レンズ20を透過した被写体光の残りの一部は、ハーフミラー10により反射され、焦点検出センサ12へ導かれる。制御装置14は、焦点検出センサ12からの出力信号に基づいてデフォーカス量を算出し、このデフォーカス量に基づいて撮影レンズ20におけるフォーカシングレンズの駆動量を算出して、レンズ駆動部21に出力する。レンズ駆動部21は、この駆動量に基づいてフォーカシングレンズを駆動して合焦位置へ移動させる。
−焦点検出センサの構成−
図2(A)は、焦点検出センサ12の詳細な構成を示す斜視図であり、図2(B)は、焦点検出センサ12の詳細な構成を示す正面図である。焦点検出センサ12は、マイクロレンズアレイ121と光電変換素子アレイ122とを備える。なお、光電変換素子アレイ122はマイクロレンズアレイ121の背後のごく近傍に配置されるが、図2(A)では説明のために実際より離して記載している。
マイクロレンズアレイ121は、複数のマイクロレンズMLが二次元状に配列された構成であり、撮影レンズ20のピントを合わせようとする面、すなわち撮像素子11の撮像面と等価な面の近傍に配置される。またマイクロレンズMLは、一列ごとに半ピッチずれて配置されている。すなわちマイクロレンズMLは、奇数列の位置と偶数列の位置とが半ピッチずれて構成されている。なお、マイクロレンズMLのピッチは、例えば100μm以下で配列される。また、図2においてマイクロレンズMLを球形で記載したが、より高密度に構成できるよう、マイクロレンズMLを正六角形としてハニカム構造に配置するようにしてもよい。
光電変換素子アレイ122では、複数の光電変換素子を二次元状に配列した光電変換素子群PDが、各々のマイクロレンズMLに対応する形で二次元状に配列されている。なお、図2では、1つのマイクロレンズMLに対応して、5行5列に配列された25個の光電変換素子からなる光電変換素子群PDが設けられているが、1つのマイクロレンズMLに対応する光電変換素子の数は、この一実施の形態の数に限定されない。
−位相差検出方式によるAF演算−
本実施形態では、瞳分割型位相差検出方式によるAF演算を行う。瞳分割型位相差検出方式では、撮影レンズ20の瞳の一対の領域を通った一対の光束を受光する一対の光電変換素子の出力を繋げた一対の出力信号列に対して公知の相関演算を行い、像ずれ量(シフト量)を求める。そして、この像ずれ量に基づいてデフォーカス量を算出する。
例えば、水平方向について像ずれ量を求める場合には、図3に示すように、マイクロレンズMLに対応する光電変換素子群PDにおいて水平方向に並ぶ一対の光電変換素子からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}(i=1,2,3,・・・)を用いる。
具体的には、撮影レンズ20が開放F値である場合、図3(A)に示すように検出開角αが広いので、例えば、各光電変換素子群PDの左端の光電変換素子p1からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}と、各光電変換素子群PDの右端の光電変換素子p5からなる光電変換素子列の出力信号列{b(i)}とを用いる。なお、実際には、図3(B)に示すように、各光電変換素子群PDにおいて左端列の中央3つの光電変換素子の出力信号を平均した出力信号列{a(i)}と、各光電変換素子群PDにおいて右端列の中央3つの光電変換素子の出力信号を平均した出力信号列{b(i)}とを用いる。
また、開放F値よりも絞り口径が小さくなるほど、図3(C)に示すように、検出開角αが狭くなるので、例えば、各光電変換素子群PDの左から2番目の光電変換素子p2からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}と、各光電変換素子群PDの右から2番目の光電変換素子p4からなる光電変換素子列の出力信号列{b(i)}とを用いる。なお、実際には、図3(D)に示すように、各光電変換素子群PDにおいて左から2番目の列の中央3つの光電変換素子の出力信号を平均した出力信号列{a(i)}と、各光電変換素子群PDにおいて右から2番目の列の中央3つの光電変換素子の出力信号を平均した出力信号列{b(i)}とを用いる。
AF演算における相関演算では、出力信号列{a(i)}に対して出力信号列{b(i)}を相対的にずらしながら(1)式により2つの信号列間のシフト量kにおける相関量C(k)を演算する。なお、(1)式において、Σはiに関する所定範囲の総和演算を表す。
C(k)=Σ|a(i)−b(i+k)|・・・(1)
(1)式の演算結果は、一対の出力信号列{a(i)}および{b(i)}の相関が最も高いシフト量において相関量C(k)が最小(小さいほど相関度が高い)となる。(1)式の演算結果より、最小の相関量C(kj)となるシフト量kjを求めると、続いて下記(2)〜(5)式による3点内挿の手法を用い、連続的な相関量に対する最小値C(x)を与えるシフト量xを求める。
x=kj+D/S ・・・(2)
C(x)=C(kj)−|D| ・・・(3)
D={C(kj−1)−C(kj+1)}/2 ・・・(4)
S=MAX{C(kj+1)−C(kj),C(kj−1)−C(kj)} ・・・(5)
(2)式で求めたシフト量xより、撮影レンズ20のデフォーカス量DEFを下記(6)式で求めることができる。
DEF=KX・PY・x ・・・(6)
(6)式において、PYは検出ピッチであり、KXは検出開角の大きさによって決まる変換係数である。
−焦点検出方向決定処理−
ところで、上述したように、焦点検出センサ12のマイクロレンズMLは一列ごとに半ピッチずれて配置されている。そのため、マイクロレンズMLのピッチ幅が最も狭い方向(すなわち最も高精度に焦点検出できる方向)は、図4に示すように、水平方向H、水平方向Hから反時計周りに60度回転した方向(以下、右斜め方向と呼ぶ)R、水平方向Hから時計周りに60度回転した方向(以下、左斜め方向と呼ぶ)Lの3方向である。
また位相差検出方式では、被写体のエッジに垂直な方向において焦点検出を行った方が、焦点検出精度が高くなる。そこで本実施形態のデジタルカメラでは、AF演算処理を行う際に、上記3方向H、R、Lの中から被写体のエッジに垂直な方向に最も近い方向を求め、焦点検出方向として決定する焦点検出方向決定処理を行う。
ここで、図5に示すように被写体像Imが鉛直方向のエッジを有する場合を一例として、焦点検出方向決定処理を説明する。まず制御装置14は、図6に示す3つのマイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する光電変換素子列の出力信号列において、それぞれコントラストを求める。なお図6では、説明のため、出力信号を使用する光電変換素子を黒く塗りつぶして示すとともに、マイクロレンズMLおよび光電変換素子群PDに入射する被写体像Imを重ねて記載している。また図6では、一つの光電変換素子からの出力信号を一つの出力信号(a1,b1,a2,b2,…)として用いるように示しているが、実際には、上述したように、複数の光電変換素子からの出力信号の平均値を一つの出力信号として用いる。さらに実際には、上述したように、検出開角の大きさによっても用いる光電変換素子列は異なる。
マイクロレンズ列H1は、図6(A)に示すように、水平方向Hに一列に並ぶ複数のマイクロレンズMLで構成される。制御装置14は、マイクロレンズ列H1の背後に配置された光電変換素子群PDにおいて水平方向Hに並ぶ一対の光電変換素子からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いて、上記(1)式により相関演算を行う。そして、上記3点内挿の手法を用いて上記(2)〜(5)式によりシフト量xを求める。このとき(5)式により求まるS(最小の相関量C(kj)とその隣の相関量C(kj+1)またはC(kj−1)との差、すなわち最小の相関量C(kj)近傍における相関量C(k)の傾き)は、コントラストに比例した値となる。そこで、本実施形態の焦点検出方向決定処理では、このSをコントラスト値として用いる。
マイクロレンズ列R1は、図6(B)に示すように、右斜め方向Rに一列に並ぶ複数のマイクロレンズMLで構成される。制御装置14は、マイクロレンズ列R1の背後に配置された光電変換素子群PDにおいて略右斜め方向Rに並ぶ一対の光電変換素子からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いて、上記相関演算を行う。そして、上記3点内挿の手法を用いてシフト量xを求めると共にコントラスト値Sを求める。
マイクロレンズ列L1は、図6(C)に示すように、左斜め方向Lに一列に並ぶ複数のマイクロレンズMLで構成される。制御装置14は、マイクロレンズ列L1の背後に配置された光電変換素子群PDにおいて略左斜め方向Lに並ぶ一対の光電変換素子からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いて、上記相関演算を行う。そして、上記3点内挿の手法を用いてシフト量xを求めると共にコントラスト値Sを求める。
図7(A)は、マイクロレンズ列H1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の出力値を示すグラフである。図7(B)は、マイクロレンズ列R1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の出力値を示すグラフである。図7(C)は、マイクロレンズ列L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の出力値を示すグラフである。なお、図7(A)〜(C)は、出力信号列{a(i)}および{b(i)}の相関が最も高い状態を例に示す。
図6(A)〜(C)に示すように、各マイクロレンズ列H1、R1、L1が被写体像Imのエッジ部分にまたがっているため、図7(A)〜(C)に示すように、各マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}では、エッジ部分で出力値が大幅に変化している。
図8は、マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の相関量C(k)をそれぞれ示すグラフである。図8では、マイクロレンズ列H1に対応するコントラスト値をS(H1)、マイクロレンズ列R1に対応するコントラスト値をS(R1)、マイクロレンズ列L1に対応するコントラスト値をS(L1)として示す。なお、(5)式に示したように、コントラスト値Sは、最小の相関量C(kj)とその隣の相関量C(kj+1)またはC(kj−1)との差(すなわち最小の相関量C(kj)近傍における相関量C(k)の傾き)である。
図8に示すように、コントラスト値S(H1)、S(R1)、S(L1)は、互いに近い値となっている。これは、図7(A)〜(C)に示したように、マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}が、出力値の変化の仕方が互いに近似しているためである。
位相差検出方式では、エッジに垂直な方向(ここでは水平方向H)において像ずれ量(シフト量)を検出した方が、デフォーカス量の検出精度が高くなる。しかしながら、図5に示す被写体の場合、上述したようにマイクロレンズ列H1、R1、H1に対応するコントラスト値S(H1)、S(R1)、S(L1)は、互いに近い値となっているため、これらを比較するだけでは、適切な焦点検出方向を決定し難い。
そこで、本実施形態では、図9に示すマイクロレンズ列H2、R2、L2に対応する光電変換素子列の出力信号列においても、それぞれコントラスト値Sを求める。なお図9においても、説明のため、出力信号を使用する光電変換素子を黒く塗りつぶして示すとともに、マイクロレンズMLおよび光電変換素子群PDに入射する被写体像Imを重ねて記載している。また図6では、一つの光電変換素子からの出力信号を一つの出力信号(a1,b1,a2,b2,…)として用いるように示しているが、実際には、上述したように、複数の光電変換素子からの出力信号の平均値を一つの出力信号として用いる。さらに実際には、上述したように、検出開角の大きさによっても用いる光電変換素子列は異なる。
マイクロレンズ列H2は、図9(A)に示すように、水平方向Hにおいてジグザグに並ぶ複数のマイクロレンズMLで構成される。マイクロレンズ列H2では、マイクロレンズMLが半ピッチずつずれて並んでいる。制御装置14は、マイクロレンズ列H2の背後に配置された光電変換素子群PDにおいて水平方向Hに並ぶ一対の光電変換素子からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いて、上記相関演算を行う。そして、上記3点内挿の手法を用いてシフト量xを求めると共にコントラスト値Sを求める。
マイクロレンズ列R2は、図9(B)に示すように、右斜め方向Rにおいてジグザグに並ぶ複数のマイクロレンズMLで構成される。マイクロレンズ列R2でも、マイクロレンズMLが半ピッチずつずれて並んでいる。制御装置14は、マイクロレンズ列R2の背後に配置された光電変換素子群PDにおいて略右斜め方向Rに並ぶ一対の光電変換素子からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いて、上記相関演算を行う。そして、上記3点内挿の手法を用いてシフト量xを求めると共にコントラスト値Sを求める。
マイクロレンズ列L2は、図9(C)に示すように、左斜め方向Lにおいてジグザグに並ぶ複数のマイクロレンズMLで構成される。マイクロレンズ列L2でも、マイクロレンズMLが半ピッチずつずれて並んでいる。制御装置14は、マイクロレンズ列L2の背後に配置された光電変換素子群PDにおいて略左斜め方向Lに並ぶ一対の光電変換素子からなる光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いて、上記相関演算を行う。そして、上記3点内挿の手法を用いてシフト量xを求めると共にコントラスト値Sを求める。
図10(A)は、マイクロレンズ列H2に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の出力値を示すグラフである。図10(B)は、マイクロレンズ列R2に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の出力値を示すグラフである。図10(C)は、マイクロレンズ列L2に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の出力値を示すグラフである。なお、図7(A)〜(C)は、出力信号列{a(i)}および{b(i)}の相関が最も高い状態を例に示す。
図9(A)に示したようにマイクロレンズ列H2では、出力信号a(5)からa(6)に対応する部分で被写体像Imのエッジ部分にまたがっているため、図10(A)に示すように、マイクロレンズ列H2に対応する出力信号列{a(i)}は、エッジ部分で出力値が大幅に変化している。マイクロレンズ列H2に対応する出力信号列{b(i)}も同様である。
一方、図9(B)に示したようにマイクロレンズ列R2では、出力信号a(3)からa(4)に対応する部分で被写体像Imのエッジ部分を左から右にまたぐものの、再度出力信号a(5)に対応する部分でエッジ部分を右から左にまたぎ、再度出力信号a(6)に対応する部分でエッジ部分を左から右にまたいでいる。ゆえに図10(B)に示すように、マイクロレンズ列R2に対応する出力信号列{a(i)}では、一つのエッジ部分を複数回またぐ分、エッジ部分の出力値が上下に振動しながら変化している。マイクロレンズ列R2に対応する出力信号列{b(i)}も同様である。
同様に、図9(C)に示したマイクロレンズ列L2でも、出力信号a(7)からa(8)に対応する部分で被写体像Imのエッジ部分を左から右にまたぐものの、再度出力信号a(9)に対応する部分でエッジ部分を右から左にまたぎ、再度出力信号a(10)に対応する部分でエッジ部分を左から右にまたいでいる。ゆえに図10(C)に示すように、マイクロレンズ列L2に対応する出力信号列{a(i)}でも、一つのエッジ部分を複数回またぐ分、エッジ部分の出力値が上下に振動しながら変化している。マイクロレンズ列L2に対応する出力信号列{b(i)}も同様である。
図11は、マイクロレンズ列H2、R2、L2に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}の相関量C(k)をそれぞれ示すグラフである。図11では、マイクロレンズ列H2に対応するコントラスト値をS(H2)、マイクロレンズ列R2に対応するコントラスト値をS(R2)、マイクロレンズ列L2に対応するコントラスト値をS(L2)として示す。なお、(5)式に示したように、コントラスト値Sは、最小の相関量C(kj)とその隣の相関量C(kj+1)またはC(kj−1)との差(すなわち最小の相関量C(kj)近傍における相関量C(k)の傾き)である。
マイクロレンズ列R2およびL2に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}では、図10(B)および(C)に示したように出力値が上下に振動しながら変化する分、コントラストが低下する。ゆえに、図11に示すように、マイクロレンズ列R2およびL2に対応する相関量C(k)は、マイクロレンズ列H2に対応する相関量C(k)に比べて小さくなっている。また、マイクロレンズ列R2およびL2に対応するコントラスト値S(R2)、S(L2)も、マイクロレンズ列H2に対応するコントラスト値S(H2)に比べて小さくなっている。
さらにマイクロレンズ列H2に対応するコントラスト値S(H2)と、図8に示したマイクロレンズ列H1に対応するコントラスト値S(H1)とは、互いに近い値となっている。しかしながら、マイクロレンズ列R2に対応するコントラスト値S(R2)は、図8に示したマイクロレンズ列R1に対応するコントラスト値S(R1)と比べてだいぶ小さくなっている。同様に、マイクロレンズ列L2に対応するコントラスト値S(L2)は、図8に示したマイクロレンズ列L1に対応するコントラスト値S(L1)と比べてだいぶ小さくなっている。
このように、被写体のエッジに垂直な方向(ここでは水平方向H)では、マイクロレンズ列H1およびH2に対応するコントラスト値Sは互いに近い値をとる。一方、被写体のエッジに垂直な方向から離れた方向(ここでは右斜め方向Rおよび左斜め方向L)では、マイクロレンズ列R1またはL1に対応するコントラスト値Sと比較して、マイクロレンズ列R2またはL2に対応するコントラスト値Sがだいぶ小さくなる。
そこで、本実施形態の焦点検出方向決定処理では、マイクロレンズ列H1とH2、R1とR2、L1とL2に対応するコントラスト値Sをそれぞれ比較する。この比較の結果、コントラスト値S同士が最も近かった方向を、被写体のエッジに垂直な方向に最も近い方向であると推定し、焦点検出方向として決定する。
次に、図12に示すフローチャートを用いて、カメラボディ1の制御装置14が実行するAF演算処理の流れを説明する。ステップS101において、制御装置14は、不図示のAF起動スイッチ(SW1)がオンされているか否かを判定する。制御装置14は、AF起動スイッチがオンされている場合にはステップS101を肯定判定してステップS102へ進む。一方、制御装置14は、AF起動スイッチがオンされていない場合にはステップS101を否定判定し、ステップS101の判定処理を繰り返す。
ステップS102において、制御装置14は、焦点検出センサ12の蓄積制御を行い、ステップS103へ進む。
ステップS103において、制御装置14は、焦点検出センサ12から受光信号を読み出して、ステップS104へ進む。
ステップS104において、制御装置14は、上述したようにマイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}に基づいて上記相関演算を行ってデフォーカス量を演算し、ステップS105へ進む。
ステップS105において、制御装置14は、上述したようにマイクロレンズ列H2、R2、L2に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}に基づいて上記相関演算を行ってデフォーカス量を演算し、ステップS106へ進む。
ステップS106において、制御装置14は、上述した焦点検出方向決定処理を行う。ここで図13に示すフローチャートを用いて、焦点検出方向決定処理の流れを説明する。ステップS201において、制御装置14は、マイクロレンズ列H1に対応するデフォーカス量演算の際に求まるコントラスト値S(H1)と、マイクロレンズ列H2に対応するデフォーカス量演算の際に求まるコントラスト値S(H2)とを比較する。具体的には、マイクロレンズ列H1のコントラスト値S(H1)に対するマイクロレンズ列H2のコントラスト値S(H2)の割合を演算して、ステップS202へ進む。
ステップS202において、制御装置14は、マイクロレンズ列R1に対応するデフォーカス量演算の際に求まるコントラスト値S(R1)と、マイクロレンズ列R2に対応するデフォーカス量演算の際に求まるコントラスト値S(R2)とを比較する。具体的には、マイクロレンズ列R1のコントラスト値S(R1)に対するマイクロレンズ列R2のコントラスト値S(R2)の割合を演算して、ステップS203へ進む。
ステップS203において、制御装置14は、マイクロレンズ列L1に対応するデフォーカス量演算の際に求まるコントラスト値S(L1)と、マイクロレンズ列L2に対応するデフォーカス量演算の際に求まるコントラスト値S(L2)とを比較する。具体的には、マイクロレンズ列L1のコントラスト値S(L1)に対するマイクロレンズ列L2のコントラスト値S(L2)の割合を演算して、ステップS204へ進む。
ステップS204において、制御装置14は、マイクロレンズ列H1のコントラスト値S(H1)に対するマイクロレンズ列H2のコントラスト値S(H2)の割合が最大であるか否かを判定する。制御装置14は、ステップS201〜S203の演算結果のうち、マイクロレンズ列H1のコントラスト値S(H1)に対するマイクロレンズ列H2のコントラスト値S(H2)の割合が最大である場合、ステップS204を肯定判定してステップS205へ進む。一方、ステップS201〜S203の演算結果のうち、この他の演算結果が最大である場合は、ステップS204を否定判定してステップS206へ進む。
ステップS205において、制御装置14は、水平方向Hを焦点検出方向として決定し、マイクロレンズ列H1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}から求めたデフォーカス量を、焦点調節に用いるデフォーカス量として決定して、図13の処理を終了する。
一方、ステップS206において、制御装置14は、マイクロレンズ列R1のコントラスト値S(R1)に対するマイクロレンズ列R2のコントラスト値S(R2)の割合が最大であるか否かを判定する。制御装置14は、ステップS201〜S203の演算結果のうち、マイクロレンズ列R1のコントラスト値S(R1)に対するマイクロレンズ列R2のコントラスト値S(R2)の割合が最大である場合、ステップS206を肯定判定してステップS207へ進む。一方、ステップS201〜S203の演算結果のうち、マイクロレンズ列L1のコントラスト値S(L1)に対するマイクロレンズ列L2のコントラスト値S(L2)の割合が最大である場合は、ステップS206を否定判定してステップS208へ進む。
ステップS207において、制御装置14は、右斜め方向Rを焦点検出方向として決定し、マイクロレンズ列R1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}から求めたデフォーカス量を、焦点調節に用いるデフォーカス量として決定して、図13の処理を終了する。
一方、ステップS208において、制御装置14は、左斜め方向Lを焦点検出方向として決定し、マイクロレンズ列L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}から求めたデフォーカス量を、焦点調節に用いるデフォーカス量として決定して、図13の処理を終了する。
制御装置14は、このようにして図13の焦点検出方向決定処理を行うと、ステップS107(図12)へ進む。ステップS107において制御装置14は、ステップS106で決定したデフォーカス量に基づいて、フォーカシングレンズの合焦位置までのレンズ駆動量を演算して、ステップS108へ進む。
ステップS108において制御装置14は、フォーカシングレンズが合焦位置に到達完了したか否かを判定する。フォーカシングレンズが合焦位置に到達完了した場合には、ステップS108を肯定判定して、図12の処理を終了する。一方、フォーカシングレンズが合焦位置に到達完了していない場合にはステップS108を否定判定し、ステップS109へ進む。
ステップS109において制御装置14は、ステップS107で演算したレンズ駆動量をレンズ駆動部21に出力し、レンズ駆動部21によりフォーカシングレンズを駆動させ、ステップS101へ戻る。なお、上述したステップS104において制御装置14は、マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応するデフォーカス量演算の際に焦点検出可能でないと判定した場合には、レンズ駆動部21によりフォーカシングレンズを至近端と無限遠端との間で駆動させる動作(いわゆるスキャン動作)を行って合焦位置を探索する。また制御装置14は、レンズ駆動部21によりフォーカシングレンズを動かしていた途中で被写体を見失った場合は、先に検出できていたデフォーカス量に基づき、フォーカシングレンズのレンズ駆動を継続させる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態の焦点検出装置は、二次元状に配列された複数のマイクロレンズMLを備える。また、焦点検出装置は、マイクロレンズMLを介して撮影レンズ20の瞳の第1対の領域を通った第1対の光束を受光するように水平方向Hに並んで配置された第1対の光電変換部と、マイクロレンズMLを介して撮影レンズ20の瞳の第2対の領域を通った第2対の光束を受光するように右斜め方向Rに並んで配置された第2対の光電変換部と、マイクロレンズMLを介して撮影レンズ20の瞳の第3対の領域を通った第3対の光束を受光するように左斜め方向Lに並んで配置された第3対の光電変換部と、を有し、マイクロレンズMLの各々に対応して設けられた複数の光電変換素子群PDを備える。さらに、焦点検出装置は、水平方向Hに配列されたマイクロレンズ列H1に対応する光電変換素子群PDから第1対の信号列を取得し、水平方向Hにおいてジグザグに配列されたマイクロレンズ列H2に対応する光電変換素子群PDから第2対の信号列を取得する制御装置14を備える。さらに、焦点検出装置は、右斜め方向Rに配列されたマイクロレンズ列R1に対応する光電変換素子群PDから第3対の信号列を取得し、右斜め方向Rにおいてジグザグに配列されたマイクロレンズ列R2に対応する光電変換素子群PDから第4対の信号列を取得する制御装置14を備える。さらに、焦点検出装置は、左斜め方向Lに配列されたマイクロレンズ列L1に対応する光電変換素子群PDから第5対の信号列を取得し、左斜め方向Lにおいてジグザグに配列されたマイクロレンズ列L2に対応する光電変換素子群PDから第6対の信号列を取得する制御装置14を備える。さらに、焦点検出装置は、第1対および第2対の信号列の関係と、第3対および第4対の信号列の関係と、第5対および第6対の信号列の関係とに基づいて、水平方向H、右斜め方向R、左斜め方向Lのうち、いずれかを焦点検出方向として選択する制御装置14を備える。さらに、焦点検出装置は、水平方向Hを選択した場合には、第1対の信号列に基づいて撮影レンズ20の焦点調節状態を検出し、右斜め方向Rを選択した場合には、第3対の信号列に基づいて撮影レンズ20の焦点調節状態を検出し、左斜め方向Lを選択した場合には、第5対の信号列に基づいて撮影レンズ20の焦点調節状態を検出する制御装置14を備える。これにより、適切に焦点検出方向を決定できるので、撮影レンズ20の焦点検出を精度よく行うことができる。
(2)上記(1)の焦点検出装置において、制御装置14は、第1対の信号列から第1コントラスト値S(H1)を算出し、第2対の信号列から第2コントラスト値S(H2)を算出し、第3対の信号列から第3コントラスト値S(R1)を算出し、第4対の信号列から第4コントラスト値S(R2)を算出し、第5対の信号列から第5コントラスト値S(L1)を算出し、第6対の信号列から第6コントラスト値S(L2)を算出するように構成した。また、制御装置14は、第1コントラスト値S(H1)および第2コントラスト値S(H2)の大きさの関係と、第3コントラスト値S(R1)および第4コントラスト値S(R2)の大きさの関係と、第5コントラスト値S(L1)および第6コントラスト値S(L2)の大きさの関係と、に基づいて、水平方向H、右斜め方向Rおよび左斜め方向Lのいずれかを焦点検出方向として選択するように構成した。これにより、被写体のエッジに垂直な方向に最も近い方向を焦点検出方向として選択することができる。
(3)上記(2)の焦点検出装置において、制御装置14は、第1コントラスト値S(H1)に対する第2コントラスト値S(H2)の割合が、第3コントラスト値S(R1)に対する第4コントラスト値S(R2)の割合および第5コントラスト値S(L1)に対する第6コントラスト値S(L2)の割合よりも大きい場合は、水平方向Hを焦点検出方向として選択するように構成した。また、制御装置14は、第3コントラスト値S(R1)に対する第4コントラスト値S(R2)の割合が、第1コントラスト値S(H1)に対する第2コントラスト値S(H2)の割合および第5コントラスト値S(L1)に対する第6コントラスト値S(L2)の割合よりも大きい場合は、右斜め方向Rを焦点検出方向として選択するように構成した。さらに、制御装置14は、第5コントラスト値S(L1)に対する第6コントラスト値S(L2)の割合が、第3コントラスト値S(R1)に対する第4コントラスト値S(R2)の割合および第1コントラスト値S(H1)に対する第2コントラスト値S(H2)の割合よりも大きい場合は、左斜め方向Lを焦点検出方向として選択するように構成した。これにより、被写体のエッジに垂直な方向に最も近い方向を焦点検出方向として選択することができる。
(第2の実施の形態)
図14に示すフローチャートを用いて、本発明の第2の実施の形態における焦点検出方向決定処理の流れを説明する。なお、第2の実施の形態では、焦点検出方向決定処理以外については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
図14のステップS301〜S303において、制御装置14は、上述した図13のステップS201〜S203と同様の処理を行い、ステップS304へ進む。ステップS304において制御装置14は、水平方向H、右斜め方向R、左斜め方向Lの3方向全てについて、ステップS301〜S303で演算したコントラスト値Sの割合が所定閾値(例えば80%)以上であるか否かを判定する。上記3方向全ての上記コントラスト値Sの割合が所定閾値以上である場合は、制御装置14は、ステップS304を肯定判定してステップS305へ進む。一方、少なくとも一方向において上記コントラスト値Sの割合が所定閾値未満である場合は、制御装置14は、ステップS304を否定判定してステップS306へ進む。
上記3方向全ての上記コントラスト値Sの割合が所定閾値以上である場合は、上記3方向のいずれで焦点検出を行っても、検出精度の差が少ないことが想定される。そこで、ステップS305において制御装置14は、水平方向H、右斜め方向R、左斜め方向Lの3方向全てを焦点検出方向として決定する。そして制御装置14は、水平方向H、右斜め方向R、左斜め方向Lの像ずれ量から求めたデフォーカス量(マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列から求めたデフォーカス量)の平均値を、焦点調節に用いるデフォーカス量として決定する。その後、図14の処理を終了する。
一方、ステップS306において制御装置14は、3つの焦点検出方向H、R、Lのうち2つの焦点検出方向について、上記コントラスト値Sの割合が所定閾値(例えば80%)以上であるか否かを判定する。2方向について上記コントラスト値Sの割合が所定閾値以上の場合、制御装置14はステップS306を肯定判定してステップS307へ進む。一方、一方向のみが上記コントラスト値Sの割合が所定閾値以上の場合、または3方向全てにおいて上記コントラスト値Sの割合が所定閾値未満の場合、制御装置14はステップS306を否定判定してステップS308へ進む。
上記コントラスト値Sの割合が所定閾値以上である2方向については、いずれで焦点検出を行っても、検出精度の差が少ないことが想定される。そこで、ステップS307において制御装置14は、上記コントラスト値Sの割合が所定閾値以上であった2方向を焦点検出方向として決定する。そして制御装置14は、当該2方向の像ずれ量から求めたデフォーカス量(マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列から求めたデフォーカス量のうち、当該2方向に対応する出力信号列から求めたデフォーカス量)の平均値を、焦点調節に用いるデフォーカス量として決定する。その後、図14の処理を終了する。
一方、ステップS308において制御装置14は、上記コントラスト値Sの割合が最も高かった方向を、焦点検出方向として決定する。そして制御装置14は、マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列から求めたデフォーカス量のうち、決定した焦点検出方向に対応する出力信号列から求めたデフォーカス量を、焦点調節に用いるデフォーカス量として決定する。その後、図14の処理を終了する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態の焦点検出装置において、制御装置14は、第1コントラスト値S(H1)に対する第2コントラスト値S(H2)の割合と、第3コントラスト値S(R1)に対する第4コントラスト値S(R2)の割合と、第5コントラスト値S(L1)に対する第6コントラスト値S(L2)の割合とが所定閾値以上である場合は、水平方向H、右斜め方向Rおよび左斜め方向Lの全てを焦点検出方向として選択するように構成した。また、制御装置14は、水平方向H、右斜め方向Rおよび左斜め方向Lの全てを焦点検出方向として選択した場合、第1対の信号列(マイクロレンズ列H1に対応)と、第3対の信号列(マイクロレンズ列R1に対応)と、第5対の信号列(マイクロレンズ列L1に対応)とに基づいて撮影レンズ20の焦点調節状態を検出するように構成した。これにより、撮影レンズ20の焦点調節状態を精度よく検出することができる。
(変形例1)
上述した実施の形態では、マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}から求めたデフォーカス量を、撮影レンズ20の焦点調節に用いる例について説明した。しかしながら、マイクロレンズ列H2、R2、L2に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}から求めたデフォーカス量を、撮影レンズ20の焦点調節を用いるようにしてもよい。マイクロレンズ列H2、R2、L2ではマイクロレンズMLが半ピッチで並ぶため、変形例1によれば、被写体のエッジが焦点検出方向に対して垂直に存在する場合に、一段と精度よく焦点調節を行うことができる。
(変形例2)
上述した実施の形態では、マイクロレンズ列H1、R1、L1に対応する出力信号列{a(i)}および{b(i)}から求めたデフォーカス量を、撮影レンズ20の焦点調節に用いる例について説明した。しかしながら、マイクロレンズ複数列分のデフォーカス量を求め、それらの平均値を撮影レンズ20の焦点調節に用いるようにしてもよい。
例えば、焦点検出方向決定処理において水平方向Hを焦点検出方向として決定した場合について説明する。この場合の制御装置14は、図15に示すように、水平方向Hに並ぶ複数のマイクロレンズMLで構成され、互いに隣接する複数列(例えば3列)のマイクロレンズ列Hx、Hy、Hzについて、それぞれ対応する一対の光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}からデフォーカス量を求める。そして制御装置14は、マイクロレンズ列Hx、Hy、Hzに対応するデフォーカス量の平均値を、焦点調節に用いるデフォーカス量として決定する。
(変形例3)
上述した実施の形態では、水平方向H、右斜め方向R、左斜め方向Hの3方向の中から焦点検出方向を選択する例について説明したが、焦点検出方向の選択肢の数はこれに限らなくてよい。たとえば、図16に示すように、上記3方向に、さらに、鉛直方向V、水平方向Hから反時計回りに30度回転した方向RX、水平方向Hから時計周りに30度回転した方向LXの3方向を加えた6方向の中から焦点検出方向を選択するようにしてもよい。
(変形例4)
上述した実施の形態では、マイクロレンズMLが一列ごとに半ピッチずれて配列された焦点検出センサ12を用いる例について説明したが、図17に示すようにマイクロレンズMLが正方配列で配置された焦点検出センサを用いるようにしてもよい。
この場合の制御装置14は、たとえば水平方向Hおよび鉛直方向Vの2方向から、焦点検出方向を選択する。具体的に、制御装置14は、図17(A)に示すように、水平方向Hに並ぶマイクロレンズ列H1および鉛直方向Vに並ぶマイクロレンズ列V1について、それぞれに対応する一対の光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いてコントラスト値を求める。また、制御装置14は、図17(B)に示すように、水平方向Hにおいてジグザグに並ぶマイクロレンズ列H2および鉛直方向Vにおいてジグザグに並ぶマイクロレンズ列V2について、それぞれに対応する一対の光電変換素子列の出力信号列{a(i)}および{b(i)}を用いてコントラスト値を求める。そして制御装置14は、これらのコントラスト値に基づいて、上述した実施の形態と同様にして焦点検出方向を決定する。
(変形例5)
上述した実施の形態では、(5)式により求まるS、すなわち相関量C(k)の最小値近傍における相関量C(k)の傾きを、コントラスト値として用いる例について説明した。しかしながら、コントラストに比例する値であればこの他の値を用いるようにしてもよく、例えば、相関量C(k)の平均値をコントラスト値として用いるようにしてもよい。
(変形例6)
上述した実施の形態では、マイクロレンズ列H1、R1、L1のコントラスト値Sに対するマイクロレンズ列H2、R2、L2のコントラスト値Sの割合に基づいて、焦点検出方向を選択する例について説明した。しかしながら、マイクロレンズ列H1、R1、L1のコントラスト値Sとマイクロレンズ列H2、R2、L2のコントラスト値Sとの差分に基づいて、焦点検出方向を選択するようにしてもよい。この場合、コントラスト値Sの差分が最も小さい方向を、焦点検出方向として選択すればよい。
(変形例7)
上述した第2の実施の形態の焦点検出方向決定処理において、ステップS304およびS306の判定で用いる所定閾値は、コントラスト値Sの高低に応じて変更するようにしてもよい。たとえば、コントラスト値Sが全体的に高い場合には所定閾値を高めに設定したり、コントラスト値Sが全体的に低い場合には所定閾値を低めに設定したりしてもよい。
(変形例8)
本発明を一眼レフタイプのデジタルカメラに適用するようにしてもよい。この場合、ミラーダウン時において、メインミラーを透過した被写体光がサブミラーによって焦点検出センサ12に導かれるように、焦点検出センサ12を配置すればよい。
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、上記実施形態に各変形例の構成を適宜組み合わせてもかまわない。
1…カメラボディ、2…レンズ鏡筒、10…ハーフミラー、11…撮像素子、12…焦点検出センサ、14…制御装置、20…撮影レンズ、21…レンズ駆動部、ML…マイクロレンズ、PD…光電変換素子群

Claims (2)

  1. 光学系を透過した被写体からの光が入射する第1のマイクロレンズと、
    前記第1のマイクロレンズに対して第1の方向に配置された第2のマイクロレンズと、
    前記第2のマイクロレンズに対して前記第1の方向と交差する第2の方向に配置された第3のマイクロレンズと、
    前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズと前記第3のマイクロレンズとにそれぞれ設けられ、前記光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する複数の画素と、
    前記光学系の異なる瞳領域を通過した光を受光する、前記第1、第2のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素の信号から、前記光学系の合焦状態を検出する検出部と、
    前記第1、第2、第3のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力され、前記第1、第3、第2のマイクロレンズの順に並んだ信号の列と、前記第1、第2のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力された信号の列とを比較し、前記光学系の合焦状態の検出に用いる前記第1、第2のマイクロレンズの画素を前記複数の画素から選択する選択部と
    を備える焦点検出装置。
  2. 光学系を透過した被写体からの光が入射する第1のマイクロレンズと、
    前記第1のマイクロレンズに対して第1の方向に配置された第2のマイクロレンズと、
    前記第2のマイクロレンズに対して前記第1の方向と交差する第2の方向に配置された第3のマイクロレンズと、
    前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズと前記第3のマイクロレンズとにそれぞれ設けられ、前記光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する複数の画素と、
    前記光学系の異なる瞳領域を通過した光を受光する、前記第1、第2、第3のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素の信号から、前記光学系の合焦状態を検出する検出部と、
    前記第1、第2、第3のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力され、前記第1、第3、第2のマイクロレンズの順に並んだ信号の列と、前記第1、第2のマイクロレンズにそれぞれ設けられた画素から出力された信号の列とを比較し、前記光学系の合焦状態の検出に用いる前記第1、第2、第3のマイクロレンズの画素を前記複数の画素から選択する選択部と
    を備える焦点検出装置。
JP2012049363A 2012-03-06 2012-03-06 焦点検出装置 Active JP6051540B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049363A JP6051540B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 焦点検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049363A JP6051540B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 焦点検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013186187A JP2013186187A (ja) 2013-09-19
JP6051540B2 true JP6051540B2 (ja) 2016-12-27

Family

ID=49387685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012049363A Active JP6051540B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 焦点検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6051540B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015141084A1 (ja) * 2014-03-18 2015-09-24 富士フイルム株式会社 撮像装置及び合焦制御方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006133515A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Olympus Corp 焦点検出装置を有するカメラ
JP2007065330A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Canon Inc カメラ
JP4821674B2 (ja) * 2007-03-28 2011-11-24 株式会社ニコン 焦点検出装置および撮像装置
JP5375010B2 (ja) * 2007-10-02 2013-12-25 株式会社ニコン 撮像装置
JP5380857B2 (ja) * 2008-02-21 2014-01-08 株式会社ニコン 焦点検出装置および撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013186187A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6593396B2 (ja) 検出装置および撮像装置
JP5191168B2 (ja) 焦点検出装置および撮像装置
JP5212396B2 (ja) 焦点検出装置
JP4935544B2 (ja) 撮像装置
US8634015B2 (en) Image capturing apparatus and method and program for controlling same
EP2615825A2 (en) Image processing apparatus, image sensing appparatus, control method, program, and recording medium
US8160437B2 (en) Focus detection apparatus
EP2937725B1 (en) Imaging apparatus, method for calculating information for focus control, and camera system
JP2008309882A (ja) デジタルカメラ
US20190215441A1 (en) Focus detection device and image-capturing apparatus
US20120113313A1 (en) Image pickup apparatus that performs automatic focus control and control method for the image pickup apparatus
JP2011039499A (ja) 自動焦点検出装置
US9602716B2 (en) Focus-detection device, method for controlling the same, and image capture apparatus
JP2008310072A (ja) デジタルカメラ
JP6476547B2 (ja) 焦点検出装置および撮像装置
JP6051540B2 (ja) 焦点検出装置
JP5407314B2 (ja) 焦点検出装置および撮像装置
JPS58207013A (ja) 合焦検出方法
JP2009086144A (ja) 撮像装置及びそれを有する撮像機器
JP2013218204A (ja) 焦点検出装置および撮像装置
JP2017032874A (ja) 焦点検出装置及び方法、及び撮像装置
JP2009162845A (ja) 撮像素子、焦点検出装置および撮像装置
JP6257201B2 (ja) 焦点検出装置、その制御方法、および制御プログラム、並びに撮像装置
JP6610227B2 (ja) 撮像装置
JP2019074634A (ja) 撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6051540

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250