JP6049378B2 - 疲労試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高温下で疲労試験が行われる疲労試験装置に関する。
一般的に、材料の疲労強度データを取得する際には、図9(a)、(b)に示すように、測定対象となる材料から丸棒型試験片200、300(試験対象物)を採取して疲労試験が行われる。この丸棒型試験片200は図9(a)に示すように、試験片の両つかみ部にネジ部210が形成されたものや、図9(b)に示すように、試験片の両つかみ部にフランジ部310が形成されたものなどがある。このような丸棒型試験片200、300においては、例えば試験片のネジ部210を、疲労試験装置の固定治具に締め込んだり、フランジ部310を疲労試験装置のフランジ治具に挟み込んだりすることによって、疲労試験装置に試験片が固定されるようになっている。
ところで、測定対象となる材料の形状や寸法によっては、丸棒型試験片の採取が困難な場合がある。このような場合には、試験片の両端にフランジ部が形成された板状型試験片(試験対象物)を用いる。板状型試験片においては、固定治具の凹部に試験片を嵌合させるとともに固定治具に試験片のつかみ部(以下、単につかみ部と称されることがある。)を挟み込む(ボルトによる締め込みで固定)方法や、つかみ部にピン穴を形成しこのピン穴にピンを挿入する方法などによって、疲労試験装置に試験片が固定される。
しかしながら、ピンによる固定方法は、つかみ部のピン穴とピンの寸法公差の関係上、固定部に間隙が生じるおそれがある。そのため、引張荷重のみを負荷することは可能であるが、引張・圧縮荷重が負荷されるような疲労試験では、荷重が負荷された際に、試験片を十分に拘束(固定)できない。したがって、ピンによる固定方法は引張・圧縮荷重を負荷する疲労試験に適していない。
一方、試験片を固定治具で挟み込みにより固定する方法では、試験片をしっかり固定できるため、引張・圧縮荷重が負荷される疲労試験を行うことが可能であり、疲労試験装置では試験片を固定治具で挟み込む方法が採用されている。
また、疲労試験の際には、試験片がつかみ部において滑らないことが重要であり、例えば、特許文献1には、疲労試験装置のつかみ部に凹凸を形成し、試験片をより安定的に固定する方法が開示されている。
特開昭60−220844号公報
ところで、つかみ部を固定治具の挟み込みにより固定する方法では、ボルトによる締め込み力が重要となる。大気中で疲労試験を実施する場合、疲労試験装置の空間スペースに比較的制限がないため、試験荷重とのバランスを考慮し、つかみ部の寸法、ボルトの寸法や本数等を調整することで十分な締め付け力により試験片を固定することが出来る。
しかしながら、例えば高温水中下のような環境で疲労試験をする場合、圧力容器内に治具及び試験片を組み込む必要があるため、試験片のつかみ部などの寸法が制約され、十分な締め付け力を加えることが出来ず、試験条件によってはつかみ部に滑りが発生する場合がある。このように、つかみ部において滑りが発生した場合、疲労試験の際の荷重−変位のデータを正確に取得することができず、疲労特性を把握することは困難となる。また、特許文献1のように、つかみ部に凹凸を形成しても、滑りが発生するおそれがあり、さらに試験片を安定的に固定する方法が求められている。
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、高温下で疲労試験を行う場合において、試験対象物のつかみ部に発生する滑りを抑制し、疲労試験の測定精度を向上させることが可能な疲労試験装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述したような課題を解決すべく、高温環境下で試験される疲労試験装置において試験対象物のつかみ部に発生する滑りについて鋭意検討を行った。
その結果、試験片を固定する際には、固定治具に形成された凹部に試験片のつかみ部を嵌合させてからネジなどで締めつけられて固定されるが、荷重負荷方向における試験片と固定治具の凹部との間に寸法公差等に起因する間隙が生じており、この間隙がつかみ部に滑りを発生させていることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づき完成させたものであって、その要旨は以下の通りである。
すなわち、本発明の疲労試験装置は、前記試験対象物の一方側に形成された第一つかみ部と嵌合する第一凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより前記第一つかみ部が固定される第一固定治具と、前記試験対象物の他方側に形成された第二つかみ部が嵌合する第二凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより第二つかみ部が固定される第二固定治具と、前記第一つかみ部の前記一方側の端面と当該一方側の端面に対向する前記第一凹部の面との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第一固定治具の線膨張係数よりも大きい第一スペーサと、前記第二つかみ部の前記他方側の端面と当該他方側の端面に対向する前記第二凹部の面との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第二固定治具の線膨張係数よりも大きい第二スペーサと、を備える。
本発明の疲労試験装置によれば、固定治具の有する凹部と試験対象物(試験片)との間に形成された間隙にスペーサが設けられており、このスペーサが高温下において熱膨張するので、固定治具と試験対象物との間に生じる間隙を埋めることができる。したがって、高温下で疲労試験を実施する際に、固定治具と試験対象物との間の間隙に起因して生じる試験対象物のつかみ部での滑りを抑制し、高温下での疲労試験の測定精度をより向上させることが可能となる。なお、ここで高温下とは、例えば高温水中下、高温・高圧水中下、高温大気下等の高温環境下を意味し、高温とは、常温よりも高い温度であって、例えば100℃以上である。
さらに、高温下において、第一凹部と第一つかみ部、及び第二凹部と第二つかみ部との間の間隙をスペーサで埋め、高温下での疲労試験の際につかみ部において滑りが発生することを確実に抑制することが可能となる。そして、高温下においてより測定精度の高い疲労試験のデータを取得することができる。
さらに、スペーサの熱膨張係数が固定治具の熱膨張係数より大きい場合は、高温下において、固定治具の凹部と試験対象物のつかみ部との間の間隙を確実に埋めることができるので、つかみ部における滑りを抑制し、疲労試験の測定精度をより向上させることができる。
また、本発明の疲労試験装置は、高温下で試験対象物に対して引張・圧縮荷重を付加する荷重負荷手段を備えた疲労試験装置であって、前記試験対象物の一方側に形成され、前記引張・圧縮方向と垂直方向に延びるフランジ部を有した第一つかみ部と嵌合する第一凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより前記第一つかみ部が固定される第一固定治具と、前記試験対象物の他方側に形成され、前記引張・圧縮方向と垂直方向に延びるフランジ部を有した第二つかみ部が嵌合する第二凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより第二つかみ部が固定される第二固定治具と、前記第一つかみ部のフランジ部の前記他方側の端面と前記第一凹部との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第一固定治具の線膨張係数よりも大きい第一スペーサと、前記第二つかみ部のフランジ部の前記一方側の端面と前記第二凹部との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第二固定治具の線膨張係数よりも大きい第二スペーサと、を備える。
また、前記スペーサは、平板形状であることが好ましい。
スペーサを平板形状にすることによって、スペーサが、固定治具の凹部と試験対象物の端面と面で接触し広範囲にわたって間隙を埋めることができるので、つかみ部における滑りを確実に抑制し、疲労試験の測定精度をより向上させることができる。
本発明によれば、高温下で疲労試験を行う場合において、つかみ部に発生する滑りを抑制し、疲労試験の測定精度を向上させることが可能な疲労試験装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る疲労試験装置に用いられる試験片(試験対象物)の概略図である。(a)は正面図、(b)は側面図である。 一実施形態に係る疲労試験装置の概略構成を示す正面図である。 一実施形態に係る疲労試験装置の概略構成を示す側面図である。 図2の試験片と固定治具の拡大図であって、試験片と治具との固定を説明するための図である。 図3の試験片と固定治具の拡大図であって、試験片と治具との固定を説明するための図である。 スペーサの変形例を示す図である。 スペーサの変形例を示す図である。 実施例に係る疲労試験の荷重−変位曲線を示す図である。(a)は試験片と凹部との間にスペーサがある場合、(b)は試験片と凹部との間にスペーサがない場合の荷重−変位曲線を示している。 疲労試験に用いられる丸棒型試験片の概略説明図である。(a)はネジ部を有する試験片、(b)はフランジ部を有する試験片である。
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る疲労試験装置1に用いられる試験片100(試験対象物)の形状について説明する。図1(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る試験片100は、板状型試験片であり、くびれ部110と、つかみ部120と、を有している。
くびれ部110の中央には平行部111が形成されており、疲労試験を行うとこの平行部111において最も大きな応力が負荷され、平行部111において優先的に疲労破壊が生じるようになっている。このようなくびれ部110は例えば、機械加工によって形成すれば良い。
つかみ部120は、試験片100の一方側(図1において左側)に形成された第一つかみ部121と、試験片100の他方側(図1において右側)に形成された第二つかみ部122とから構成されている。このつかみ部120(第一つかみ部121及び第二つかみ部122)には、後述する固定治具30の凹部35に試験片100を嵌合させるためのフランジ部123と、固定孔124とが形成されている。
次に、本発明の実施形態に係る疲労試験装置1について説明する。
本実施形態に係る疲労試験装置1は、図2及び図3に示すように、ロードフレーム10と、このロードフレーム10の中央から下方に向けて延在するベース部20と、ベース部20の下方に配置され試験片100を固定するための固定治具30と、試験片100に対して荷重を負荷する荷重負荷手段40と、試験片100の伸びを測定する伸び計50と、この伸び計50に接続された伝達棒60と、これらの部材を覆うように配置された圧力容器70と、を備えている。
なお、図2及び図3においては、圧力容器70の外方については図示が省略されている。
ロードフレーム10は、天板11と、この天板11から下方に延在する4本の支柱12とを備えている。そして、この天板11の中央部から下方に向けてベース部20が延在している。
固定治具30は、試験片100を疲労試験装置1に固定するための治具であり、試験片100のフランジ部と嵌合させるための凹部35が形成されている。本実施形態においては、固定治具30は、試験片100の上側に配置された第一固定治具31と、試験片100の下側に配置された第二固定治具32とから構成されている。
第一固定治具31は、試験片100の第一つかみ部121(図2において上側の試験片100端部)を固定しており、第二固定治具32は、試験片100の第二つかみ部122(図2において下側の試験片100端部)を固定している。そして、第二固定治具32は、駆動部と接続されている。
ここで、試験片100の線膨張係数(熱膨張係数)は、上記の固定治具30の線膨張係数(熱膨張係数)よりも大きいことが好ましい。
荷重負荷手段40は、駆動部41と、図示しないアクチュエータとを備えている。この荷重負荷手段40は、アクチュエータが動作することによって、駆動部41が上下方向に移動可能とされており、疲労試験の際には、試験片100に引張及び圧縮の荷重を繰り返し負荷可能となっている。
伸び計50は、疲労試験の際に試験片100の伸びを測定するためのものである。この伸び計50は、接触式の伸び計であり、伸び計50の先端側には、一対のナイフエッジ51(圧接子)が設けられ、試験片100の平行部111に当接されている。伸び計50は、その先端側(図3において右側)が伸び計50を支持する支持治具52a、52bに支持され、基端側(図3において左側)が支持治具52cによって支持されている。伸び計50は、連結部50aにおいて図示しない板バネが介在されている。
支持治具52a、52b、52cは、ロードフレーム10の支柱12に固定されており、弾性体53(ばね)を介して伸び計50を支持するようになっている。そして、伸び計50は、接続部材54と弾性体53を介して、試験片100の伸びを伝達棒60に伝達する伝達治具55に接続され、さらに伝達治具55が伝達棒60に接続されている。
伝達棒60は2本あり、上下方向に延在している。この伝達棒60の基端側(図2及び図3において上側)には、伝達治具55が接続されている。そして、伝達棒60の先端側(図2、3において下側)には、コイル56が設けられている。このコイル56は、図示しない伸び計出力検知器に接続されている。
圧力容器70は、疲労試験を高温下で行うために設けられた容器である。本実施形態においては、圧力容器70の内部には水が封入可能とされており、圧力容器70内は、高温・高圧水中環境を維持できるようになっている。ここで高温とは、常温よりも高い温度であって、例えば100℃〜373℃の範囲である。
このような構成の疲労試験装置1においては、疲労試験を行う場合、上下方向に引張・圧縮荷重が負荷されて上下方向に試験片100が伸縮すると、伸び計50のナイフエッジ51、51間の距離が変動する。このナイフエッジ51、51間の距離に応じて、伸び計50の連結部50aに設けられている板バネを介して、伝達棒60に上下方向の力が伝達されてコイル56に起電力が発生する。そして、2つのコイル56、56に発生する起電力の差から、伸び計出力検知器によって試験片100の伸びが計測されるようになっている。
次に、本実施形態に係る疲労試験装置1における試験片100のつかみ部120について説明する。
図4及び図5に示すように、試験片100は、第一つかみ部121(上側)が第一固定治具31に固定されており、第二つかみ部122(下側)が第二固定治具32に固定されている。第一固定治具31及び第二固定治具32には、試験片100を固定するための第一凹部36及び第二凹部37が形成されており、この凹部35の内方において、試験片100の位置決めと固定の機能を兼ねた位置決め治具81を介してネジ82で固定されている。本実施形態においては、第一つかみ部121及び第二つかみ部122はそれぞれ6本のネジ82で固定されている。
そして、つかみ部120と固定治具30の凹部35との間には、スペーサ90が配置されている。より具体的には、本実施形態においては、第一つかみ部121と第一固定治具31の第一凹部36との間には第一スペーサ91が配置されている。また、第二つかみ部122と第二固定治具32の第二凹部37との間にも同様に、第二スペーサ92が配置されている。
本実施形態においては、これらの第一スペーサ91及び第二スペーサ92は、平板形状とされている。
ここで、スペーサ90の線膨張係数(熱膨張係数)は、固定治具30の線膨張係数(熱膨張係数)よりも大きいことが好ましい。
本発明の一実施形態に係る疲労試験装置1によれば、試験片100のつかみ部120(第一つかみ部121及び第二つかみ部122)と固定治具30(第一固定治具31及び第二固定治具32)の凹部35(第一凹部36及び第二凹部37)との間にスペーサ90(第一スペーサ91及び第二スペーサ92)を介在させており、高温水中環境で疲労試験を行う場合に、スペーサ90が熱膨張し試験片100と固定治具30との間の間隙を埋めるので、疲労試験の際に固定部に発生し易い滑りを抑制することができる。したがって、疲労試験の精度をより向上させることができ、精度の良い疲労試験データを取得可能となる。
さらに、好ましくはスペーサ90の線膨張係数(熱膨張係数)は、固定治具30の線膨張係数(熱膨張係数)より大きい構成とされており、高温下において固定治具30の凹部35と試験片100のつかみ部120との間の間隙を確実に埋めることができるので、つかみ部120における滑りを抑制し、疲労試験の測定精度をより向上させることができる。
また、好ましくは試験片100(試験対象物)の線膨張係数(熱膨張係数)は、固定治具30の線膨張係数よりも大きい構成とされており、高温下において固定治具30よりも試験対象物の方がより熱膨張するので、固定治具30の凹部35と試験片100のつかみ部120との間の間隙を狭くすることができる。したがって、つかみ部120における滑りを抑制し、疲労試験の測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態においては、スペーサ90は平板形状とされており、スペーサ90が治具の凹部35と試験片100(試験対象物)の端面と面で接触し広範囲にわたって間隙を埋めることができるので、つかみ部120における滑りを確実に抑制し、疲労試験の測定精度をより向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態である疲労試験装置について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、上記の実施形態においては、試験片が平板型試験片の場合について説明したが、丸棒型試験片に対して、本実施形態に係る疲労試験装置を用いて疲労試験を行っても良い。
また、上記の実施形態においては、圧力容器の内部において高温・高圧水中環境で疲労試験を行う場合について説明したが、高温の大気環境下で疲労試験を行っても良い。
また、上記の実施形態においては、伸び計は接触式の伸び計である場合について説明したが、接触式以外の方式の伸び計を用いても良い。
また、上記の実施形態においては、スペーサが平板形状の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、外形が円弧状のスペーサ190であっても良い。すなわち、高温下において試験片のつかみ部と固定治具の凹部との両方に少なくとも1箇所以上当接する構成であれば良く、このような構成の場合には、疲労試験時に生じる滑りを抑制することが可能である。
また、図7に示すように、フランジ部123の下側と固定治具30との間にスペーサ290を介在させても良い。
次に、本実施形態の疲労装置試験に係る実施例について説明する。
本実施例においては、上述の構成の疲労試験装置を用いて疲労試験を実施した。試験片、固定治具、スペーサの材質を以下のように設定した。
疲労試験に用いられる試験片の材質は、SUS316とした。なお、試験片の試験荷重方向における長さを43mmに設定した。
疲労試験装置の固定治具(第一固定治具及び第二固定治具)の材質は、SUS410とした。
スペーサ(第一スペーサ、第二スペーサ)の材質は、SUS304とし、厚さを0.15mmに設定した。
疲労試験は、高温高圧水中環境で行い、圧力容器内の高温水の温度を325℃に設定した。
なお、SUS316の線膨張係数は約17.5×10−6mm/mm℃、SUS410の線膨張係数は約11.5×10−6mm/mm℃、SUS304の線膨張係数は18.4×10−6mm/mm℃である。
本実施例においては、試験片の第一つかみ部と第一固定治具の第一凹部との間の間隙、及び試験片の第二つかみ部と第二固定治具の第二凹部との間の間隙が0.2mmである。これらの間隙に厚さ0.15mmの第一スペーサ及び第二スペーサを挿入する。この場合、固定治具と試験片のつかみ部との間隙が0.05mmとなる。なお、この間隙は、各部材の寸法公差の関係上、0にすることは困難である。
次に、20℃(室温)から325℃に圧力容器内の水を昇温した場合、温度差ΔTは、ΔT=325(℃)−20(℃)=305(℃)
となる。このとき、試験片のつかみ部、固定治具、スペーサの荷重負荷方向の膨張長さΔLは、
ΔL=(20℃における長さ)×ΔT×(線膨張係数)
で求められる。
したがって、第一スペーサ及び第二スペーサのそれぞれの325℃における厚さ方向の膨張長さΔL1は、
ΔL1=0.15(mm)×305(℃)×18.4×10−6(mm/mm℃)=0.00084(mm)
となる。
第一つかみ部及び第二つかみ部のそれぞれの膨張長さΔL2も同様に、昇温することによって膨張し、ΔL2は、
ΔL2=L0×ΔT×(線膨張係数)=43(mm)×305(℃)×17.5×10−6(mm/mm℃)=0.23(mm)
となる。ここで、L0は、試験片のつかみ部の長さ(43mm)である。
また、第一固定治具及び第二固定治具のそれぞれの膨張長さΔL3も同様に、昇温することによって膨張し、ΔL3は、
ΔL3=43(mm)×305(℃)×11.5×10−6(mm/mm℃)=0.15(mm)
となる。なお、ここでは、第一固定治具及び第二固定治具の20℃における長さを43mmとして計算している。
上記より、昇温前の第一つかみ部と第一固定治具の第一凹部、及び第二つかみ部と第二固定治具の第二凹部との間隙はそれぞれ膨張によって広くなり、その間隙の荷重負荷方向の長さは、0.05mm+0.15mm=0.20mmとなる。
また、第一スペーサと第一つかみ部、及び第二スペーサと第二つかみ部の膨張の長さは、0.00084mm+0.23mm=0.23084mmとなる。
したがって、スペーサを固定治具と試験片との間に介在させることによって、昇温後に固定治具と試験片との間の間隙を埋めることができ、疲労試験中のつかみ部における滑りの発生を抑制可能となる。
次に、スペーサを介在させた場合と、介在させていない場合の2条件で疲労試験を行った際の荷重−変位曲線を示す。
なお、この疲労試験においては、試験片の弾性限界を超え、試験片が塑性変形するまで荷重を負荷し、引張と圧縮の荷重を負荷している。すなわち、図8の荷重−変位曲線は、低サイクル疲労試験で引張・圧縮荷重を負荷した際の荷重−変位曲線の1サイクルを示している。また、図8(b)においては、理解しやすいように試験片のつかみ部において滑りが発生した段階までを図示しており、荷重−変位曲線の1サイクル全てを示しているわけではない。
疲労試験の結果、図8(a)に示すように、スペーサを介在させた場合は、試験片のつかみ部において滑りが生じることがなく良好な荷重−変位曲線が得られ、疲労試験を高精度で行うことが可能である。
一方、スペーサが配置されていない場合は、図8(b)に示すように、引張荷重を負荷した後に、圧縮荷重を負荷していく際に、圧縮の荷重が大きくなると、つかみ部において滑りが生じて、圧縮荷重が減る現象が生じている(図8(b)において矢印で示す箇所参照)。そして、この滑りが生じた後には、その後、図8(b)に示すように、圧縮荷重を大きくしていっても荷重が増加していかない。
この結果より、スペーサを介在させることで、疲労試験の際に試験片のつかみ部において生じる滑りを抑制し、疲労試験を高精度で実施できることが確認された。
1 疲労試験装置
30 固定治具
31 第一固定治具
32 第二固定治具
35 凹部
36 第一凹部
37 第二凹部
40 荷重負荷手段
90、190、290 スペーサ
91 第一スペーサ
92 第二スペーサ
100 試験片(試験対象物)
121 第一つかみ部
122 第二つかみ部

Claims (4)

  1. 高温下で試験対象物に対して引張・圧縮荷重を付加する荷重負荷手段を備えた疲労試験装置であって、
    前記試験対象物の一方側に形成された第一つかみ部と嵌合する第一凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより前記第一つかみ部が固定される第一固定治具と、
    前記試験対象物の他方側に形成された第二つかみ部が嵌合する第二凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより第二つかみ部が固定される第二固定治具と、
    前記第一つかみ部の前記一方側の端面と当該一方側の端面に対向する前記第一凹部の面との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第一固定治具の線膨張係数よりも大きい第一スペーサと、
    前記第二つかみ部の前記他方側の端面と当該他方側の端面に対向する前記第二凹部の面との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第二固定治具の線膨張係数よりも大きい第二スペーサと、を備えることを特徴とする疲労試験装置。
  2. 高温下で試験対象物に対して引張・圧縮荷重を付加する荷重負荷手段を備えた疲労試験装置であって、
    前記試験対象物の一方側に形成され、前記引張・圧縮方向と垂直方向に延びるフランジ部を有した第一つかみ部と嵌合する第一凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより前記第一つかみ部が固定される第一固定治具と、
    前記試験対象物の他方側に形成され、前記引張・圧縮方向と垂直方向に延びるフランジ部を有した第二つかみ部が嵌合する第二凹部を有し、前記引張・圧縮荷重が付加される方向と垂直方向に延びるネジにより第二つかみ部が固定される第二固定治具と、
    前記第一つかみ部のフランジ部の前記他方側の端面と前記第一凹部との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第一固定治具の線膨張係数よりも大きい第一スペーサと、
    前記第二つかみ部のフランジ部の前記一方側の端面と前記第二凹部との間の間隙に設けられて、その線膨張係数が、前記第二固定治具の線膨張係数よりも大きい第二スペーサと、
    を備える疲労試験装置。
  3. 前記スペーサは、平板形状であることを特徴とする請求項1に記載の疲労試験装置。
  4. 前記第一スペーサ及び前記第二スペーサは、前記引張・圧縮方向の両側面のうち少なくとも一方が凸状の断面円弧状の面からなる請求項1又は2に記載の疲労試験装置。
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