JP6048464B2 - 2軸延伸ポリエステルフィルムにヒートシール性を付与する方法 - Google Patents
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Description
図1は、第1の実施形態に係る方法を説明する図である。図1には、一例として2軸配向ポリエチレンテレフタレートの層(以下、PET層という)を両表面(表面及び裏面)にそれぞれ含む積層体からなるフィルム1の平面図及びそのA−A’線に沿った断面図を示す。フィルム1は、2枚のPET層31、32の間に積層されたレーザー光を反射するアルミニウム層4を含んでいる。
図3は、第2の実施形態に係る方法を説明する図である。図3には、一例としてPET層33、34を両表面(表面及び裏面)に含み、PET層33、34の間にレーザー光を透過しやすいポリオレフィン系樹脂であるポリエチレン層6(以下、PE層6という)を含む積層体からなるフィルム5の平面図及びそのA−A’線に沿った断面図を示す。以下の説明では、第1の実施形態と重複する説明は、適宜省略をする。
図4は、第3の実施形態に係る方法を説明する図である。図4には、一例として配向ポリプロピレン層(OPP層)7、ポリエチレン層(PE層)6、PET層35をこの順に含む積層体からなるフィルム10の平面図及びそのA−A’線に沿った断面図を示す。以下の説明では、第1の実施形態と重複する説明は、適宜省略をする。
図5、6は、微細構造の変形例を示す平面図である。第1〜第3の実施形態で説明した微細構造は、図1〜3に示したような、複数の凸条が所定の間隔で平行に形成された連続線状以外の構造とすることもできる。微細構造として、連続線状、断続線状及び点状の少なくとも1つの凸形状または凹形状が複数形成された構造が挙げられる。例えば、断続線状の凸形状(図5の(a)、(b))、点状の凸形状(図5の(c))、または断続線状および点状の凸形状(図6の(d))が形成されていてもよい。このような微細構造のパターンは、レーザー光を走査しながら照射する際の出力、走査軌跡等に応じて多様に形成されうる。あるいは、微細構造は、図6の(e)に示す、四角形のような面的な形状単位が配列された構造であってもよい。このような構造は、レーザー光のスポット径、スポット形状を適宜設定して、面的にレーザー光を照射することによって形成されうる。また、形状単位は四角形に限らず例えば三角形状、円形状、帯形状等、任意の形状とすることができる。
第1〜第3の実施形態に係る方法によってヒートシール性を付与された積層体からなるフィルムを用いて例えば包装袋を製造することができる。包装袋の製造方法は、1枚以上のフィルムにヒートシール性を付与する工程と、1枚以上のフィルムのヒートシール性を付与された領域どうしをヒートシールする工程とを含む。図7に、フィルム及び包装袋の一例を示す。フィルム11、12、13は、周縁部のハッチングで示した箇所が本方法によってヒートシール性を付与されている。フィルム11、12の間に、2つ折りにしたフィルム13を挟み、ヒートシール処理を行うことで、包装袋20を製造することができる。包装袋は、包装袋20に限らず、1枚以上のフィルムを用いて多様に構成することができる。このような包装袋は、最内層に耐熱性、耐薬品性、保香性等に優れたポリエステルフィルムを用いているため、内容物を好適に収納することができる。
本実施例に係るフィルムは、表面から、2軸配向ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)/アルミニウム(厚さ9μm)/ポリエチレン(厚さ20μm)/2軸配向ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)の層構成の積層体からなるフィルムである。キーエンス社製の炭酸ガスレーザー装置ML−Z9510を用いて、このフィルムの裏面側の2軸配向ポリエチレンテレフタレートに出力21Wでレーザー光の照射を行った。照射する領域は100mm×100mmの領域とし、直径0.14mmの照射スポットを、走査速度4000mm/sec、走査間隔0.1mmで複数の平行な直線状に走査した。このような照射を行った裏面の領域どうしを2秒間、温度140℃、圧力0.2MPaの熱及び圧力を加えてヒートシールを行った。ヒートシール領域のシール強度を測定した結果、10N以上のシール強度を有することが確認できた。
本実施例に係るフィルムは、表面から、配向ポリプロピレン(厚さ20μm)/低密度ポリエチレン(厚さ30μm)/2軸配向ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)の層構成の積層体からなるフィルムである。本フィルムに対しても、実施例1と同じ装置及び条件で、裏面側にレーザー光照射を行った。また、レーザー光照射を行った裏面の領域どうしを、実施例1と同じ条件でヒートシールした。ヒートシール領域のシール強度を測定した結果、10N以上のシール強度を有することが確認できた。
本実施例に係るフィルムは、表面から、2軸配向ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)/中密度ポリエチレン(厚さ50μm)/2軸配向ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)の層構成の積層体からなるフィルムである。本フィルムに対しても、実施例1と同じ装置及び条件で、裏面側からレーザー光照射を行った。このとき、レーザー光は、中密度ポリエチレンを透過して、表面の2軸配向ポリエチレンテレフタレートにも到達した。レーザー光の照射面である裏面の領域どうしを、実施例1と同じ条件でヒートシールした。また、レーザー光の光非照射面である表面の領域どうしを、実施例1と同じ条件でヒートシールした。ヒートシール領域のシール強度を測定した結果、レーザー光照射面及びレーザー光非照射面のどちらも、10N以上のシール強度を有することが確認できた。
本実施例に係るフィルムは、実施例2に係るフィルムと同様の層構成を有する。本フィルムに対して、実施例1と同じ装置及び条件で、実施例2とは異なり配向ポリプロピレン層の側からレーザー光照射を行った。このとき、レーザー光は、配向ポリプロピレンおよび低密度ポリエチレンの各層を透過して、裏面の2軸配向ポリエチレンテレフタレートに到達した。レーザー光照射を行った裏面の領域どうしを、実施例1と同じ条件でヒートシールした。ヒートシール領域のシール強度を測定した結果、10N以上のシール強度を有することが確認できた。
本比較例に係るフィルムは、2軸配向ポリエチレンテレフタレート単体からなる厚さ12μmのフィルムである。本フィルムに対しても、実施例1と同じ装置及び条件でレーザー光照射を行った。レーザー光の照射を行った結果、照射領域のフィルムが、融解、収縮しフィルム状態を維持することができなかった。
2 ヒートシール性を付与する領域
31、32、33、34、35 2軸ポリエチレンテレフタレート層(PET層)
4 アルミニウム層
6 ポリエチレン層(PE層)
7 配向ポリプロピレン層(OPP層)
20 包装袋
Claims (1)
- 2軸延伸ポリエステルの層を一方の表面に含み、アルミニウムの層を中間層として含む積層体からなるフィルムの所定の領域において、前記2軸延伸ポリエステル層にレーザー光の照射スポットを管状干渉光学系を用いずに走査することによって前記レーザー光を連続的に照射し、前記所定の領域における前記2軸延伸ポリエステルの層にヒートシール性を付与する方法。
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