JP6046200B2 - 伝送線路及び検査治具 - Google Patents

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Description

本発明は、伝送線路及び検査治具に関するものである。
従来、プローブカードを利用した半導体の検査に使用される伝送線路(プローブ)としては、同軸線路(同軸ケーブル)やストリップ線路(ストリップライン)が用いられている。
例えば特許文献1には、伝送線路が、導電針体(中心導体)と、この導電針体の先端側を除いた外周を覆う誘電体と、この誘電体の外周を覆う外部導体と、この外部導体の外周を覆うシースとを備えることにより構成された同軸線路が開示されている。特許文献1において、同軸線路の外部導体はアース基板に接続されている。
また、特許文献2には、デバイスステージ上に配置された半導体装置(被検査体)の電極に、導体線が有する中心導体の一方の先端を押し当て、この中心導体の他端に接続されたコネクタにより外部コネクタに接続する伝送線路が開示されている。この特許文献2に記載の伝送線路はストリップ線路を用いており、プローブ先端の電極がデバイス電極に接触した際、先端部分では、金属カバー内で摺動接触子を挟んでチップ基板部のグランド面と金属カバー内面とが電気的接触を保つ構造とされている。
特開平7−50322号公報 特開平11−133059号公報
ところで、近年、半導体装置における電気信号の高周波化(例えば1GHz超え)にともない、プローブカードを利用した半導体装置の検査装置において、電気信号を伝送するときのインピーダンスの不整合が問題になってきている。また、半導体装置の高密度化により、半導体装置の電極パッドの大きさが直径100μm、配列ピッチが140μm程度と小さくなると、同軸構造やストリップ線路からなる伝送線路を用いた検査装置は、使用が困難である。
例えば、特許文献1では、電極パッドの大きさが約60μm角で配列ピッチが100μmの半導体装置の検査を行っているが、特性インピーダンスを約50Ωとするために、外径約70μmの導電針体の外周に、誘電体、外部導体及びシースを順次設けた外径0.8mmの同軸ケーブルを用いている。
しかし外径0.8mmの同軸ケーブルでは、上述の配列ピッチの半導体装置の検査を行うコンタクトプローブとして配列することができないため、その先端側を15mmほど剥いて導電針体のみとし、電極パッドにコンタクトできるように構成している。このため、同軸構造でない導電針体の先端部分ではインピーダンスの不整合が起こり、検査精度が悪化してしまう。このように微小サイズの電極パッド及び配列ピッチを有する半導体装置の検査においては、サイズ的に同軸ケーブル構造のコンタクトプローブをそのまま使用することが困難であるが、サイズの問題の解消のために単線の線状導体を用いると、インピーダンスの不整合の問題が生じてしまう。
また、特許文献2に開示されたようなストリップ線路を用いた検査装置では、中心導体の水平方向あるいは、垂直方向にグランド電極が必要になる。つまり、1つの信号電極の周りにグランド電極が必ず対で1つ必要になる。したがって、伝送線路に対してグランド電極が対となるように構成されている半導体装置しか検査できないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高周波で使用される半導体装置を検査する際に、半導体装置表面の信号電極の近傍に、プローブと対になるグランド電極がなくてもインピーダンス不整合を低減することが可能な伝送線路及び検査治具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る伝送線路は、線状に延伸し、一端部が被検査体に接続されるとともに他端部が基板に接続される複数の導体線と、グランドに接続された導体板と、を備え、前記導体線は電気信号を伝送する中心導体を有し、前記導体板は、前記中心導体に対して間隔をあけて該中心導体の長手方向に沿うように配設されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る伝送線路において、前記導体線及び前記導体板は、互いに略平行に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る伝送線路において、前記導体板は、該導体板の少なくとも一方の面に絶縁層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る伝送線路において、前記導体線は、前記一端部及び他端部を除く領域に形成された絶縁層を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る検査治具は、前述のいずれか一項に記載の伝送線路と、前記導体線の一端部側を支持するプレートと、前記導体線の他端部に接続される基板と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高周波で使用される半導体装置を検査する際に、半導体装置表面の信号電極の近傍に、プローブと対になるグランド電極がなくてもインピーダンス不整合を低減することが可能な伝送線路及び検査治具を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る伝送線路を備える検査治具の正面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る伝送線路を備える検査治具の断面を示す概略図である。 図3は、図2のA−A矢視断面を示す概略図である。 図4は、本発明の実施形態に係る伝送線路の概略説明図である。 図5は、本発明の実施形態に係る伝送線路が備える導体線の概略説明図である。 図6は、本発明の実施形態に係る伝送線路が備える導体板の概略説明図である。 図7は、本発明の実施形態に係る伝送線路における導体線と導体板の配置を説明するための概略図である。 図8は、導体線と導体板の距離の関係を説明するための概略図である。 図9は、被検査体の電極の位置を説明するための概略図である。 図10は、実施例2で使用した測定装置の概略図である。 図11は、実施例2の実験結果を示す図である。 図12は、実施例3で使用した測定装置の概略図である。 図13は、実施例3の実験結果を示す図である。 図14は、実施例3の実験結果を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る伝送線路及び検査治具について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。
図1は、本発明の実施形態に係る伝送線路10を備える検査治具1の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る伝送線路10を備える検査治具1の断面を示す概略図である。図3は、図2のA−A矢視断面を示す概略図である。
検査治具1は、伝送線路10と、プレート20と、基板30(プローブカード)と、補強板40と、を備えている。この検査治具1は、プローブカードを用いた、被検査体S(半導体装置)の検査装置に適用される治具である。例えば、検査治具1の基板30に形成された線路が測定器に接続されて、各種検査が行われる。
図4は、本発明の実施形態に係る伝送線路10の概略説明図である。伝送線路10は、図4に示すように、線状に延伸し、一端部(図4において上端部)が被検査体Sに接続されるとともに他端部(図4において下端部)が基板30に接続される複数の導体線11と、グランドに接続された導体板15と、を備えている。
図5は、本発明の実施形態に係る伝送線路10が備える導体線11の概略説明図である。導体線11は、電気信号を伝送する中心導体12と、この中心導体12の外周に形成された絶縁層13とを有している。この導体線11の一端部(図5において左端部)及び他端部(図5において右端部)には、絶縁層13が形成されておらず、中心導体12が剥き出しとされている。
導体線11の一端部は、中心導体12が剥き出しになっている長さが、他端部よりも若干長くなっている。導体線11の一端部において、中心導体12が剥き出しとされている長さは、例えば550μm以上700μm以下である。導体線11の他端部において、中心導体12が剥き出しとされている長さは、例えば200μm以上400μm以下である。本実施形態においては、伝送線路10は、15本の導体線11を備えている。これらの導体線11は、互いに略平行(図4において紙面、上下方向に略平行)に配置されている。
中心導体12の材質として具体的には、タングステンやパラジウムなどが挙げられる。本実施形態において、中心導体12の直径は50μm、中心導体12の長さは5.00mmとされている。
絶縁層13として具体的には、ポリウレタンやテフロン(登録商標)などが挙げられる。絶縁層13の厚さは、例えば5μm以上50μm以下である。本実施形態においては、絶縁層13の厚さは、10μmとされている。すなわち、本実施形態において、導体線11の直径は、70μmである。
図6は、本発明の実施形態に係る伝送線路10が備える導体板15の概略説明図である。導体板15は、略長方形の形状を有し、長手方向の端面から外側に向けて突出する凸部16が1か所形成されている。本実施形態においては、凸部16の大きさは、幅0.5mm、高さ0.15mmとされている。また、この凸部16は、後述する下プレート25の開口部26の下面側から0.05mm以下突出している。また、導体板15には、ノックピン51が挿通される孔17(貫通孔)が2か所形成されている。本実施形態において、導体板15及び導体線11は、互いに略平行に配設されている。
導体板15の材質は特に限定されるものではないが、本実施形態において導体板15の材質は、リン青銅とされ、その厚さは460μmとされている。
また、導体板15の片面又は両面には、絶縁層18が形成されていても良い(図8参照)。絶縁層18としては、例えば、ポリウレタンやポリイミドなどが挙げられる。絶縁層18の厚さは、例えば5μm以上50μm以下である。
図7は、本発明の実施形態に係る伝送線路10における導体線11と導体板15の配置を説明するための概略図であり、図3の一部を拡大して示している。15本の導体線11のうち、導体板15の一方の面及び他方の面の近傍にそれぞれ4本ずつ導体線11が配置されている(図7において、符号Aで示されている)。これらの導体線11は、導体板15との間に隙間を設けて配置されている。より具体的には、図8に示すように、導体板15と導体線11の中心導体12との間に距離hの間隔が設けられている。すなわち、導体線11と導体板15とが電気的に接続されないように構成されている。
図7において、符号Aで示される8本の導体線11には、高周波の電気信号が伝送される。本実施形態においては、符号Aで示される8本の導体線11は、隣り合う導体線11の中心導体12の距離が100μmに設定されている。また、その他の7本の導体線11は、導体板15の端部周辺に配設されている。
ここで、距離hは、10μm以上100μm以下の範囲とされていることが好ましい。より好ましくは、距離hは、10μm以上25μm以下の範囲である。
図1、2に戻って、プレート20は、上プレート21と下プレート25とによって構成されている。このプレート20は、導体線11及び導体板15を保持するとともに、導体線11及び導体板15を所定の位置に配設するためのものである。また、上プレート21及び下プレート25は、例えばエンジニアリングプラスチックによって構成されている。
上プレート21は、平面視で略矩形の形状を有し、図4に示すように、中央部にはチップホルダ24を設けるための凹部22が形成されている。凹部22には、被検査体Sの電極Sa(図9参照)の配列に対応する孔23(例えば直径50μm以上70μm以下)が形成されている。孔23の直径は、中心導体12の直径よりもわずかに拡径されていれば良い。また、上プレート21には、導体板15をガイドするための溝(図示なし)が形成されている。
チップホルダ24は、被検査体Sを保持するためのものであり、被検査体Sを保持した状態で上プレート21の凹部22に挿入されている。
下プレート25も平面視で略矩形の形状を有し、導体板15の凸部16が配置される開口部26が形成されている。また、下プレート25には、被検査体Sの電極Sa(図9参照)の配列に対応する孔27(例えば直径70μm以上90μm以下)が形成されている。孔27の直径は、導体線11の直径よりもわずかに拡径されていれば良い。
なお、上プレート21の孔23及び下プレート25の孔27には、上述した15本の導体線11が挿通されており、上プレート21及び下プレート25にこれらの導体線11が支持されている。これにより、導体線11は、被検査体Sの電極Saと対応する配列とされる。
基板30は、いわゆるプローブカードであり、基板30には被検査体Sの電極Saと同様の配列の電極(電極パッド)が形成されている。この基板30の電極に、導体線11の他端部(図4において下端部)が物理的に接触し、電気的に接続されている。基板30には外部からコネクタを通して電源からの電力や電気信号(テスト信号)が入力される。基板30にはグランドが設けられており、導体板15の凸部16がこの基板30のグランドと物理的に接触している。
基板30に形成された電極の径は、例えば50μm以上100μm以下、ピッチは100μm以上200μm以下とされている。また、基板30の電極の材質は、例えば銅に金メッキを施したものである。
補強板40は、上述の基板30及びプレート20を配置するためのものであり、補強板40の載置面に基板30などが載置されている。補強板40の材質は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金である。
本実施形態において、被検査体Sは、高周波で使用される半導体装置である。被検査体Sには、図9に示すように電極Saが15か所形成されている。
次に、本発明の実施形態に係る検査治具1の組み立て方法について説明する。まず、2本のノックピン51を導体板15に挿通し、これらノックピン51及び導体板15を、下プレート25に形成されたノックピン51及び導体板15が入る溝に挿入する。このとき、導体板15の凸部16が下プレート25の開口部26に配置されるようにする。
次いで、上プレート21の溝(図示なし)に導体板15が嵌るように導体板15を配置するとともに、下プレート25と対向するように上プレート21を配置する。そして、ノックピン52を挿入後、ネジ53をネジ止めし、上プレート21と下プレート25とを一体化する。
次に、下プレート25の孔27から導体線11を挿入し、導体線11の先端(一端部)を被検査体Sが設けられる上プレート21の孔23の外側まで挿通する。このとき、導体線11の一端部が、上プレート21の上面よりも外側に約100μm突出するようにする。
上記のように導体線11を挿入完了後、下プレート25の外側の面に、基板30を配置する。このとき、基板30の電極が形成されている側の面が下プレート25と接するように、ノックピン52を基板30と補強板40とに挿通する。次いで、補強板40の下側から、補強板40、基板30、及び下プレート25をネジ54でネジ止めする。
ここで、上述したように、基板30に形成された電極が導体線11の他端部と接続されるように構成されている。また、導体板15の凸部16は、基板30のグランドと物理的に接触するように構成されている。
被検査体S(半導体装置)を検査治具1に配設する場合は、被検査体Sをチップホルダ24に保持した後、上プレート21の凹部22にチップホルダ24を挿入する。例えば底面厚さ100μmのチップホルダ24には、直径約110μmの孔が形成されており、それらの孔に電極Saとなる半田バンプが配設されている。被検査体Sの半田バンプは被検査体Sの底面よりわずかに突出している。そして、被検査体Sをチップホルダ24に保持し上プレート21の凹部22に載置した状態で、さらにチップカバーをチップホルダ24の上に重ね、下プレート25側に押し込むことにより被検査体Sの電極Saと導体線11の中心導体12とが電気的に接続される。
以上のような構成とされた本実施形態に係る伝送線路10及び検査治具1において、基板30のグランドに接続された導体板15は、導体線11の中心導体12に対して間隔をあけて導体線11(中心導体12)の長手方向に沿うように配設されている。これにより導体線11が単体で設けられる場合よりも導体線11のインピーダンスが低減するので、基板30及び被検査体Sとのインピーダンスの不整合を低減することができる。すなわち、導体線11に隣接して導体板15が配置されていることにより、高周波で使用される被検査体Sを検査する際に、被検査体Sの底面の電極Sa(信号電極)の近傍にプローブと対になるグランド電極がなくても、インピーダンスの不整合を低減することができる。
また、本実施形態では、導体線11の長手方向において、導体線11の両端部を除く広い範囲にわたって導体板15が沿うように配設されているので、上述したインピーダンスの不整合を十分に低減することができる。
また、導体線11は、両端部(一端部及び他端部)を除く領域に絶縁層13が形成されているので、インピーダンスを低くすることによりインピーダンスの不整合をより低減することができる。
また、導体線11と対向する導体板15の面に絶縁層18が形成されている場合には、インピーダンスを低くすることによりインピーダンスの不整合をより低減することができる。
なお、上記の実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば上記の実施形態では、導体板15及び導体線11が、互いに略平行に配設されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、互いに傾斜する方向に配設されていても良い。また、上記の実施形態では、複数の導体線11が互いに略平行に配設されている場合について説明したが、導体線11同士が互いに傾斜する方向に配設されていても良い。
(実施例1)
次に本発明の効果を確認するために行った実施例1〜3について説明する。まず実施例1について説明する。実施例1では、上述した実施形態で説明した検査治具1を用いてインピーダンスの不整合に関して実験を行った。
図8で示したように、導体板15の導体部分から導体線11の中心導体12までの距離をhとし、実施例1では、表1に示すように距離hを種々の値に設定して実験を行った。なお、導体板15の絶縁層18を表1に示すように設定して、実験を行った。実験の結果を表1に示す。なお、比較例1では、導体板を配置せずに実験を行った。
基本的に高周波伝送線路のインピーダンスZは、Z=√(L/C)で定義される。Lはインダクタンスである。容量Cは導体線の被覆材料と被覆厚さ、導体板までの距離、及び導体線と導体板との間に入る材料(誘電率)に影響される。
Figure 0006046200
表1に示すように、導体板と導体線の中心導体との距離hを10〜100μmとした発明例1〜9では、インピーダンスが低く、良好であった。例えば、距離hが10μmの場合(発明例1)はインピーダンスが42Ω、距離hが25μmの場合(発明例5)は、インピーダンスが66Ωであった。
距離hを25μmとし、導体板にポリウレタンを約10μm被覆した場合(発明例6)は、インピーダンスは62Ωであった。また、距離hを25μmとし、導体板にポリイミドを10μm被覆した場合(発明例7)は、インピーダンスは64Ωであった。
導体板と絶縁層(導体線の被膜)の間隔を10μm(距離h=20μm)にした場合、インピーダンスは60Ωとなった(発明例2)。さらに、導体板に10μmポリウレタン被膜を形成するとインピーダンスは54Ωになる(発明例3)。発明例3においてポリウレタンからポリイミドに被膜を変えた場合(発明例4)、インピーダンスは57Ωとなった。このことから、導体板に絶縁層を上記のように形成することによりインピーダンスを調整でき、インピーダンスの不整合をより低減可能であることが確認された。
一方、導体板を配置していない比較例1では、インピーダンスの値が127Ω以上となり、発明例1〜9と比較して、インピーダンスの整合性が著しく劣った。
次に、導体板と導体線の中心導体との距離hを変えてインピーダンスを測定した時の結果を表2に示す。この表2では、導体線の絶縁層をポリウレタンとし、厚さを10μmとした。また、導体板には絶縁層を形成せずに測定を行った。
Figure 0006046200
表2に示すように、導体板が、導体線の中心導体からの距離hが25μmより短く配置されている時はインピーダンスが66Ωより低くなる。導体板と導体線の中心導体との距離hを25μmよりも長くするとインピーダンスは66Ωより高くなる。本実施例においては、隣り合う導体線の中心導体間の距離が100μmで平行に配置されているので、導体板と導体線の中心導体との距離hを100μm以下にすることでインピーダンスを100Ω以下にすることができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2では、伝達線路特性としてTDR(Time Domain Reflectometry)測定の実験結果を示す。TDR測定は、上述した実施形態の伝送線路10を適用した測定装置100(図10参照)を用いて測定を行った。測定装置100は、測定器101(TDR測定器:Tektronix社製、TDS8200)と、測定器101から延びる同軸線102と、検査治具1とを備えている。検査治具1の基板30に形成された基板30の線路31が、コネクタ105を介して同軸線102に接続されている。検査治具1の伝送線路10には被検査体Sが電気的に接続されている。また、測定装置100において、測定器101と反対側の末端には終端器104が設けられている。なお、図10においては、測定用の信号入出力コネクタや電源入力コネクタ等は、省略されている。
被検査体Sの電極Saの配列は、図9に示した通りである。本実施例2では、伝送線路の伝送路の特性を測定するために、被検査体として、被検査体Sと同様の電極Saを有するプリント基板を使用した。図9に示す丸付き数字3と4の電極Saには高周波の電気信号が伝送され、丸付き数字3と4の電極Saは、インピーダンスが50Ωに整合された基板線路(図示なし)のパターンで導体線と接続した。また、丸付き数字9と10の電極Saも50Ωに整合されたパターンで導体線と接続した。基板線路のパターンの長さは30mmである。また、基板の比誘電率は3.4である。使用するTDRのパルス立ち上がり時間は34psである。なお、実施例2では、導体板と導体線の絶縁層との間の距離を15μmに設定し、導体線の絶縁層の厚さを10μmに設定した。
図11にTDRの測定結果を示す。導体板を導体線の近傍に配設した本発明例は、インピーダンスの最大値が66Ωであった。一方、導体板を配置しない場合は、インピーダンスの最大値が127Ω以上であった。すなわち、導体板を配設することによってインピーダンスを大きく低減し、インピーダンスの不整合を低減できることが確認された。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。実施例3は、図12に示す測定装置200を用いて伝送線路伝達特性を評価したものである。測定装置200は、測定器201(ネットワークアナライザー:Agilent Technologies社製、N5230C PNA−L)と、測定器201から延びる同軸線202と、上述の実施形態で説明した検査治具1とを備えている。検査治具1には、被検査体Sが載置されている。また、同軸線202、203と検査治具1は、コネクタ205を介して接続されている。
この測定装置200は、入力側と出力側の線路を有しており、測定器201から出力される電気信号は、同軸線202、コネクタ205、基板30の線路31、伝送線路10、の順に伝わり、被検査体Sの丸付き数字3で示される電極Sa(図9参照)に入力される。そして、入力された電気信号は、丸付き数字4で示される電極Sa(図9参照)に伝わり被検査体Sから検査治具1側に出力され、伝送線路10、基板30の線路31、コネクタ205、同軸線203の順に伝わり、測定器201に入力される(図12の矢印は、電気信号の伝わる方向を示している。)。なお、図12においては、測定用の信号入出力コネクタや電源入力コネクタ等は、省略されている。
伝送線路伝達特性は、基板30のコネクタ205aに入力される電気信号の電圧を基準にし、伝達特性の減衰量はコネクタ205bまでの量が測定される。ここで測定される伝達特性は、測定器201から被検査体Sまでの線路の2倍の減衰量になる。それは、被検査体Sまでの線路での電気信号の減衰と被検査体Sを通過して出力される間の電気信号の減衰の両方を測定しているからである。
図13に、実施例3の実験結果である伝送線路伝達特性を示す。これは、伝送線路のインピーダンスが66Ωの場合の伝送線路伝達特性である。図13より1GHzで減衰は−0.6/2dBである。3GHzでは、−1.2/2dBである。5GHzでは、−4.4/2dBである。7GHzでは、−6.2/2dBである。10GHzでは、−7.6/2dBである。伝送線路としては、通常−3dBの減衰量が電気信号を伝送できるかどうかの判断の指標になることが多い。図13に示す実験結果から、実施例3の伝送線路(インピーダンス66Ω)では6GHzまでは使用可能と判断できる。
次に伝送線路のインピーダンスを種々の値に変えて、同様に測定した実験結果を図14に示す。図14のグラフは減衰を実際には負の値で示すべきところであるが、図14では正負を反転して、正の値として示している。また、測定データであるので、図13と同じく図14も減衰量が片道の2倍である。なお、図14においては、3GHz、5GHz、7GHzの実験結果のそれぞれの指数近似曲線と、10GHzの実験結果の線形近似曲線も合わせて示している。
図14より3GHz、5GHzではインピーダンスが100Ωでも減衰量が6dBを超えていないので伝送線路としての減衰は半分の3dB以下である。3GHzでは本発明例の伝送線路は40Ωから100Ωの範囲で6dBを超えていない。5GHzでは図14より40Ωから100Ωの範囲で6dBを超えていない。7GHzでは図14より40Ωから90Ωの範囲で6dBを超えていない。10GHzでは図14より40Ωから66Ωの範囲で6dBを超えていない。
このように本願の発明例の伝送線路は、導体板と導体線を有する伝送線路のインピーダンスと、これに接続される線路とのインピーダンスの不整合を低減し電気信号を伝送することができるものである。
図14と表2の実験結果から、中心導体を50μmとした場合、導体板と導体線の中心導体との距離を10以上100μm以下の範囲とするとインピーダンスの不整合を低減でき、電気信号を伝送することができる。さらに、導体板と中心導体との距離を10以上25μm以下の範囲に設定すると10GHzまでの伝送が可能になる。導体板と中心導体との距離を10μm以上50μm以下の範囲に設定すると7GHzまでの伝送が可能である。
1 検査治具
10 伝送線路
11 導体線
12 中心導体
13 絶縁層
15 導体板
16 凸部
17 孔
18 絶縁層
20 プレート
21 上プレート
22 凹部
23 孔
24 チップホルダ
25 下プレート
26 開口部
27 孔
30 基板
31 線路
40 補強板
51、52 ノックピン
53、54 ネジ
100、200 測定装置
101、201 測定器
102、202、203 同軸線
104 終端器
105、205、205a、205b コネクタ
S 被検査体
Sa 電極

Claims (4)

  1. 線状に延伸し、一端部が被検査体に接続されるとともに他端部が基板に接続される複数の導体線と、
    グランドに接続された導体板と、を備え、
    前記導体線は電気信号を伝送する中心導体と、該中心導体の外周において、前記一端部及び前記他端部を除く領域に形成された絶縁層と、を有し、
    前記導体板は、前記中心導体に対して間隔をあけて該中心導体の長手方向に沿うように配設されていることを特徴とする伝送線路。
  2. 前記導体線及び前記導体板は、互いに略平行に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の伝送線路。
  3. 前記導体板は、該導体板の少なくとも一方の面に絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の伝送線路。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の伝送線路と、
    前記導体線の一端部側を支持するプレートと、
    前記導体線の他端部に接続される基板と、を備えることを特徴とする検査治具。
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