JP6041997B2 - ポリオキソメタレート化合物を光触媒とするシロキサンのヒドロシリル化方法 - Google Patents

ポリオキソメタレート化合物を光触媒とするシロキサンのヒドロシリル化方法 Download PDF

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Description

本発明は、シロキサン、特にポリオルガノシロキサン(通常シリコーンとも称される)の技術分野にある。より詳細には、本発明は、不飽和化合物とケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサンとのヒドロシリル化反応(重付加とも称される)に関する。
シリコーンの分野において、ヒドロシリル化は主要な反応である。
ヒドロシリル化反応の際には、不飽和を少なくとも1個含む化合物と、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含む化合物とを反応させる。この反応は、例えばアルケンタイプの不飽和の場合には反応式(1):
Figure 0006041997
によって説明することができ、アルキンタイプの不飽和の場合には反応式(2):
Figure 0006041997
によって説明することができる。
従って、ヒドロシリル化は、Si−H単位を含むシロキサン(特にシリコーン)と、アルケン又はアルキンタイプの不飽和を少なくとも1個有する化合物(例えばSi−ビニル単位を含むシリコーン)とを結合させることを可能にする。
ヒドロシリル化反応は、慣例的に、触媒作用によって実施される。一般的に、この反応に適した触媒は、白金触媒、例えばクロロ白金酸6水和物又はカーステッド触媒(これはリガンドとしてのジビニルテトラメチルジシロキサンで錯化された白金から成る(例えば米国特許第3775452号明細書を参照されたい))。
しかしながら、白金触媒の使用には問題がある。実際、白金は高価な金属であり、次第に品薄になってきていて、その価格は大幅に変動するので、工業的規模については白金の使用を回避するのが好ましい。結果として、ヒドロシリル化によって製造されるケイ素系化合物、例えばヒドロシリル化によって官能化されるシロキサン及びポリオルガノシロキサン並びにヒドロシリル化によって架橋可能なシリコーン組成物の価格は、白金の価格に合わせてスライドし、製造業者にとってもその顧客にとっても困ったことになる。
従って、白金を触媒とするヒドロシリル化反応の代替手段があれば有利である。白金を含有しない新規のタイプのシロキサンヒドロシリル化反応用触媒を提供するのが特に有利である。
過去には、その他の触媒を用いること、例えばロジウムやイリジウムを用いることが提唱されている。しかしながら、これらの金属は白金と同じぐらいレアであり、それらの使用は上記の問題を解決するものではない。国際公開WO2011/006044号には、マンガン、鉄、コバルト又はニッケルのピリジンジイミンリガンド含有錯体をヒドロシリル化触媒として用いることが記載されている。さらに、D. A. de Vekkiによる文献(“Hydrosilylation on Photoactivated Catalyst”, Russian Journal of General Chemistry, 2011, 81, 7, 1480-1492)には、C=C、C≡C及びC=O結合のヒドロシリル化のために光活性化可能な触媒が記載されている。
従って、本発明の目的の1つは、シロキサン化合物と不飽和化合物との間のヒドロシリル化方法であって、有利なことに高価ではなく、供給が容易であり、取扱いが容易であり且つ/又は毒性が低い若しくは毒性がない触媒を用いるものを提供することにある。加えて、この別態様の触媒を用いて得られるヒドロシリル化収率はできるだけ高いものであるのが望ましい。
さらに、ポリオキソメタレート類の化合物(通常POMと称される)を触媒として用いることが文献中に報告されている。POMは遷移金属酸化物のアニオン集合体(agregats、英語で"cluster")である。D. Tzirakisらの文献“Decatungstate as an efficient photocatalyst in organic chemistry”(Chemical Society Reviews, 2009, 38, 2609-2621)には、特にPOM(特にデカタングステート)の光化学的特性、及び光触媒としてのそれらの使用が報告されている。この文献には、炭素−水素結合の均一開裂による炭素−炭素結合の生成のため、酸素の存在下での酸化のため、及び有機汚染物質の分解のためのデカタングステートの使用が報告されている。
近年、研究者のJacques Lalevee、Nicolas Blanchard、Mohamad-Ali Tehfe及びJean Pierre Fouassierは、“Decatungstate (W10O32 4-)/Silane: a New and Promising Radical Source Under Soft Light Irradiation”というタイトルの文献(Macromolecular Rapid Communications, 2011, 32, 838-843)中で、デカタングステートをシランからシリル基を形成させるための光触媒として用いることができるということを初めて報告した。エポキシドの光重合は、この特性の具体的用途として示されてきた。しかし、ヒドロシリル化における用途は思い描かれてこなかった。さらに、これらの開示は、シロキサンに関するものではない。シロキサンの反応性は、シランのものとは異なるものである。
米国特許第3775452号明細書 国際公開WO2011/006044号
D. A. de Vekki "Hydrosilylation on Photoactivated Catalyst" (Russian Journal of General Chemistry, 2011, 81, 7, 1480-1492) D. Tzirakis et al. "Decatungstate as an efficient photocatalyst in organic chemistry" (Chemical Society Reviews, 2009, 38, 2609-2621) Jacques Lalevee, Nicolas Blanchard, Mohamad-Ali Tehfe and Jean Pierre Fouassier "Decatungstate (W10O324-)/Silane: a New and Promising Radical Source Under Soft Light Irradiation" (Macromolecular Rapid Communications, 2011, 32, 838-843)
本発明の目的の1つは、シロキサン化合物と不飽和化合物との間のヒドロシリル化方法であって、有利なことに高価ではなく、供給が容易であり、取扱いが容易であり且つ/又は毒性が低い若しくは毒性がない触媒を用いるものを提供することにある。加えて、この別態様の触媒を用いて得られるヒドロシリル化収率はできるだけ高いものであるのが望ましい。
本発明は、まず最初に、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)と、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物との間のヒドロシリル化方法であって、ポリオキソメタレートから選択される光触媒によって触媒されることを特徴とするものに関する。
本発明の主題はまた、
・ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)、
・少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物(B)、並びに
・ポリオキソメタレートから選択される光触媒
を含む組成物にもある。
最後に、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物を用いた少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物のヒドロシリル化反応の光触媒として、ポリオキソメタレート、好ましくはデカタングステートを使用することもまた、本発明の主題である。
図1は、アセトニトリル中の溶液状のデカタングステートの吸収スペクトルを表す。
本明細書を通じて、「・・・〜・・・の範囲」という表現は、境界を包含するものとする。
従って、本発明は、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)と不飽和化合物(B)との間のヒドロシリル化反応であって、ポリオキソメタレート(POM)によって光触媒されるものに関するものである。
上で説明したように、POMはすでに文献中に報告されている。POMは、少なくとも3個の遷移金属オキソアニオンが酸素原子をシェアし、一緒になって構造化三次元網状構造を形成するものから成るアニオン集合体である。
POMは、一般式[Xabcn-で表され、ここで、
Xは水素原子又はB、Al、Si、P、S、Ga、Ge、As、Ce、Th及びSbより成る群から選択される原子を表し;
Mは遷移金属を表し;
Oは酸素原子を表し;
aは0、1又は2であることができる整数を表し;
bは3〜20であることができる整数を表し;
cは6〜62であることができる整数を表し;
nは1以上の整数であり、好ましくは1〜10であることができる。
この一般式はまた、明示的に示してはいないものの、アニオン集合体の水和形態をも包含する。
この一般式において、Mで表されるすべての原子及びaが2である時の随意としてのXで表されるすべての原子は、同一であっても異なっていてもよい。
かくして、POMは遷移金属Mを含有する。POMの遷移金属は、周期表第4族、第5族、第6族及び第7族の元素から、好ましくは第5族及び第6族の元素から、選択される。遷移金属は、好ましくはバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)より成る群から選択され、より一層好ましくはバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)より成る群から選択され、さらにより一層好ましくはバナジウム(V)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)より成る群から選択される。POMがバナジウムをベースとする場合、用語ポリオキソバナデートを用いることができる。POMがモリブデンをベースとする場合、用語ポリオキソモリブデートを用いることができる。POMがタングステンをベースとする場合、用語ポリオキソタングステートを用いることができる。本発明において用いられるPOMは、ポリオキソバナデート、ポリオキソモリブデート、ポリオキソタングステート又はそれらの混合物であることができ、全く特定的にはポリオキソタングステートである。ポリオキソタングステートは、例えばCotton及びWilkinsonによる文献“Advanced Inorganic Chemistry: a comprehensive text”に記載されている。
POM中の遷移金属は、一般的に高酸化状態、好ましくはV又はVIにある。
1つの実施形態に従えば、POMは遷移金属及び酸素原子のみから成ることができ、これは一般式[Xabcn-において記号aが0であるということに相当する。この実施形態においては、POMの一般式は[Mbcn-(ここで、M、O、b、c及びnは上記の意味を持つ)である。このタイプのPOMは、「イソポリアニオン」という用語を用いて示すことができる。
しかしながら、別の実施形態においては、POMは1個以上のヘテロ原子を含むこともでき、これは一般式[Xabcn-において記号aが0以外であるということに相当する。Xは好ましくはリン(P)及びケイ素(Si)より成る群から選択される。このタイプのPOMは、「ヘテロポリアニオン」という用語を用いて示すことができる。
記号a、b、c及びnの値は、各種原子の原子価則がアニオン性の集合体を得ることを尊重するような値である。
本発明において用いられるPOMは、[W10324-、[Mo6192-、[V10286-、[PW12403-、[PMo12403-、[SiW10404-及びそれらの混合物より成る群から選択することができる。好ましくは、本発明において用いられるPOMは、リンを含有しないPOMから選択される。特に好ましくは、本発明において用いられるPOMは、[W10324-(通常“デカタングステート”と称される)である。
POMはイオン性化合物であるので、塩の形で存在することができる。対イオンは、プロトン(H+)、アルカリ金属イオン、特にNa+、K+及びLi+、ハロゲン含有カチオン、特にヨードニウム、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、フェロセニウムカチオン及びカルボカチオンより成る群から選択することができる。
本発明の主題である方法において用いられる光触媒は、デカタングステート塩であることができる。式(n−Bu4+4[W10324-のテトラブチルアンモニウムデカタングステート(TBADT)が特に好ましい。
POMは、先行技術において報告された方法に従って合成することができる。例えば、TBADTの合成は、Prottiらによる文献(Chem. Commun., 2009, 7351-7353)及び Chemseddineらによる文献(Inorg. Chem., 1984, 23, 2609)に記載されている。この合成は、タングステン酸ナトリウム及び臭化テトラブチルアンモニウムを酸性媒体中で用いて実施することができる。
一般的にPOM、特にデカタングステートは、光化学特性を有しているので、有利である。これらは実際、非常に温和な照射条件下で、近UV下で又は可視光線下でさえ、励起させることができる。図1は、アセトニトリル中でのデカタングステートの吸収スペクトルを示す。この光触媒は約300nm〜約420nmの範囲の波長を吸収することが注目される。アセトニトリル中でのデカタングステートの最大吸収は、約324nm周辺を中心とする。この化合物の可視範囲での吸収は、かなりのものである:400nmにおけるモル吸光係数(ε400nm)は約400L/モル・cmであり、390nmにおけるモル吸光係数(ε390nm)は約500L/モル・cmである。従って、この波長範囲においてこれを励起させることが可能である。こうして励起された光触媒は、ケイ素原子に結合した水素原子を有するシロキサン化合物上の水素原子の引抜きを実施することができる。
POM触媒は照射された時のみ活性なので、照射を停止することによってヒドロシリル化反応を停止させることは容易である。ひとたび反応が開始したら反応を制御したり停止させたりするのが難しい先行技術において用いられていた触媒と比較して、このことは利点となる。従って、本発明の利点の1つは、実際、反応の進行が制御可能であることである。かくして、このヒドロシリル化反応は、工業的危険性の観点から、より一層安全なものとなる。
本発明に従うヒドロシリル化反応の試薬の1つは、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)である。
本発明においては、用語「シロキサン」化合物は、≡Si−O−Si≡単位を少なくとも1個持つ化合物を意味するものとする。シラン化合物はシロキサン化合物のグループに属さない。
ヒドロシリル化反応を邪魔したり防止したりすることがある反応性化学官能基を含有しない限り、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含む任意のシロキサン化合物を、本発明に従う方法において用いることができる。
シロキサン化合物(A)は、少なくとも2個のケイ素原子、好ましくは少なくとも3個又はそれ以上のケイ素原子を含む。
このシロキサン化合物(A)は、式(I):
deSiO(4-(d+e))/2 (I)
(ここで、
・Zは水素原子以外の一価基を表し、
・d及びeは整数を表し、dは1又は2であり、eは0、1又は2であり、d+eは1、2又は3である)
の少なくとも1個の単位及び随意としての式(II):
fSiO(4-f)/2 (II)
(ここで、
Zは上と同じ意味を持ち、
fは0〜3の範囲の整数を表す)
の別の単位を含むポリオルガノシロキサンであるのが有利であり得る。
式(I)及び式(II)中に複数個のZ基が存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよいものとする。
式(I)において、記号dは好ましくは1であり得る。
さらに、式(I)及び式(II)において、Zは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(これは随意に1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びアリール基より成る群から選択される一価基を表すことができる。Zは有利にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリル及びフェニルより成る群から選択される一価基を表すことができる。式(I)の単位の例には、次のものがある:H(CH32SiO1/2、HCH3SiO2/2及びH(C65)SiO2/2
前記シロキサン化合物(A)は、有利には、式(I)の単位を少なくとも2個又はそれ以上含むポリオルガノシロキサンであることができる。
前記ポリオルガノシロキサンは、線状、分岐鎖状、環状又は網状構造を有することができる。
線状ポリオルガノシロキサンについては、これらは本質的に以下のものから成ることができる:
・式HZSiO2/2及びZ2SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「D」、
・式HZ2SiO1/2及びZ3SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「M」。
これらの線状ポリオルガノシロキサンは、1mPa・s〜100000mPa・sの範囲、好ましくは10mPa・s〜5000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を有するオイル、又は100000mPa・s超の25℃における動的粘度を有するガムであることができる。
環状ポリオルガノシロキサンについては、これらは、式HZSiO2/2及びZ2SiO2/2の単位から又は式HZSiO2/2のシロキシル単位のみから選択されるシロキシル単位「D」から成ることができる。式Z2SiO2/2の単位は特にジアルキルシロキシ又はアルキルアリールシロキシであることができる。これらの環状ポリオルガノシロキサンは、1mPa・s〜5000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を有することができる。
本明細書に記載したすべてのポリマーの25℃における動的粘度は、1972年2月のAFNOR規格NFT 76 102に従ってブルックフィールド粘度計を用いて測定することができる。
シロキサン化合物(A)であることができるポリオルガノシロキサンの例には、以下のものがある:
・ヒドロジメチルシリル末端を含むジメチルポリシロキサン;
・トリメチルシリル末端を含むジメチルヒドロメチルポリシロキサン;
・ヒドロジメチルシリル末端を含むジメチルヒドロメチルポリシロキサン;
・トリメチルシリル末端を含むヒドロメチルポリシロキサン;
・環状ヒドロメチルポリシロキサン。
分岐鎖状又は網状ポリオルガノシロキサンについては、これらもまた、以下のものを含むことができる:
・式HSiO3/2及びZSiO3/2の単位から選択されるシロキシル単位「T」;
・式SiO4/2のシロキシル単位「Q」。
シロキサン化合物(A)であることができるポリオルガノシロキサンの例には、下記の式を有する化合物がある。
Figure 0006041997
本発明に従うヒドロシリル化反応の第2の試薬は、不飽和化合物である。
本発明に従う不飽和化合物(B)は、芳香環の部分ではない不飽和を少なくとも1個含む化合物である。この不飽和化合物(B)は、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む。ヒドロシリル化反応を邪魔したり防止したりすることがある反応性化学官能基を含有しない限り、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む任意の化合物を、本発明に従う方法において用いることができる。
1つの実施形態に従えば、不飽和化合物(B)は、1個以上のアルケン官能基及び2〜40個の炭素原子を含む。これはまた、N、O、F、Cl、Br及びIから選択される1〜3個のヘテロ原子をも含むことができる。不飽和化合物(B)が数個のアルケン官能基を含む場合、該官能基は共役であっても共役でなくてもよい。
別の実施形態に従えば、不飽和化合物(B)は1個以上のアルキン官能基及び2〜4〜個の炭素原子を含む。これはまた、N、O、F、Cl、Br及びIから選択される1〜3個のヘテロ原子をも含むことができる。不飽和化合物(B)が数個のアルキン官能基を含む場合、該官能基は共役であっても共役でなくてもよい。
前記不飽和化合物(B)は、以下のものより成る群から選択することができる:
・非ポリマー系不飽和有機化合物、
・少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含むポリオルガノシロキサン化合物、並びに
・それらの混合物。
不飽和化合物(B)が非ポリマー系不飽和有機化合物から選択される場合、これは一般的に式(III)又は式(IV)の化合物から選択することができる。
Figure 0006041997
[ここで、R1、R2、R3及びR4は互いに独立して一価基を表す。R1、R2、R3及びR4は互いに独立して、以下のもの:
・水素原子、
・フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択されるハロゲン原子、
・アルキル基、
・シクロアルキル基、
・アリール基、
・ヘテロアリール基、
・ヘテロシクロアルキル基、
・アルコキシ基、
・アリールオキシ基、
・シクロアルコキシ基、
・アルキルシリル基、
・アルコキシシリル基、
・カルボン酸基、
・アルキルエステル基、
・ウレア基、
・アミド基、
・スルホンアミド基、
・イミド基、
・シアノ基、
・アルデヒド基、
・アルコール基、
・チオール基、
・アミン基、
・イミン基、
・スルフィド基、
・スルホキシド基
・スルホン基、又は
・アジド基:
(これらの基はそれら自体がそれらのアルキル及び/又はシクロアルキル及び/又はアリール部分上を、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のC1〜C8アルキル基で、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のC1〜C8アルコキシ基で、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のアリール基で、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のシクロアルキル基で、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のヘテロアリール基で、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のヘテロシクロアルキル基で、1個以上のハロゲン原子で、1個以上のカルボン酸基で、1個以上のエステル基で、1個以上のエーテル基で、1個以上のウレア基で、1個以上のアミド基で、1個以上のスルホンアミド基で、1個以上のイミド基で、1個以上のシアノ基で、1個以上のアルデヒド基で、1個以上のケトン官能基で、1個以上のアルコール基で、1個以上のチオール基で、1個以上のアミン基で、1個以上のイミン基で、1個以上のスルフィド基で、1個以上のスルホキシド基で、1個以上のスルホン基で及び/又は1個以上のアジド基で、置換されていることができる)
より成る群から選択することができ、また、R1、R2、R3及びR4から選択される少なくとも2個の基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1個以上のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基
(これらのシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のC1〜C8アルキル基で、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のC1〜C8アルコキシ基で、随意にハロゲン化されていてもよい1個以上のアリール基で、1個以上のハロゲン原子で、1個以上のカルボン酸基で、1個以上のエステル基で、1個以上のエーテル基で、1個以上のウレア基で、1個以上のアミド基で、1個以上のスルホンアミド基で、1個以上のイミド基で、1個以上のシアノ基で、1個以上のアルデヒド基で、1個以上のケトン官能基で、1個以上のアルコール基で、1個以上のチオール基で、1個以上のアミン基で、1個以上のイミン基で、1個以上のスルフィド基で、1個以上のスルホキシド基で、1個以上のスルホン基で及び/又は1個以上のアジド基で、置換されていることができ)
を形成することもでき、
残りの基は前に定義した通りである。]
本発明に従えば、用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素ベース鎖を意味するものとする。アルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチル、イソブチル、n−ブチル、n−ペンチル、イソアミル及び1,1−ジメチルプロピルより成る群から選択することができる。
本発明に従えば、用語「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子、好ましくは5〜8個の炭素原子を有する単環式又は多環式、好ましくは単環式又は二環式の飽和炭化水素ベース基を意味するものとする。シクロアルキル基が多環式である場合、複数の環状核は、共有結合を介して及び/若しくはスピラン原子を介して互いに結合することもでき、且つ/又は互いに縮合することもできる。シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンタン及びノルボランより成る群から選択することができる。
本発明に従えば、用語「アリール」は、5〜18個の炭素原子を有する単環式又は多環式芳香族炭化水素ベース基を意味するものとする。アリール基はフェニル、ナフチル、アントラセニル及びフェナントリルより成る群から選択することができる。
本発明に従えば、用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より成る群から選択される原子を意味するものとする。
本発明に従えば、用語「ヘテロアリール」は、アリール基(即ち5〜18個の炭素原子を有する単環式又は多環式芳香族炭化水素ベース基)中の少なくとも1個の炭素原子がO、N、S及びPから選択されるヘテロ原子で置き換えられたものを意味するものとする。ヘテロアリール基は、ピラニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル及びインドリルより成る群から選択することができる。
本発明に従えば、用語「ヘテロシクロアルキル」は、シクロアルキル基(即ち3〜20個の炭素原子を有する単環式又は多環式、好ましくは単環式又は二環式の飽和炭化水素ベース基)中の少なくとも1個の炭素原子がO、N、S及びPから選択されるヘテロ原子で置き換えられたものを意味するものとする。ヘテロシクロアルキル基は、特に、オキシラニル単環式基又はエポキシシクロヘキシル二環式基であることができる。
本発明に従えば、用語「アルコキシ」は、上で定義したアルキル基が酸素原子に結合したものを意味するものとする。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシより成る群から選択することができる。
本発明に従えば、用語「アリールオキシ」は、上で定義したアリール基が酸素原子に結合したものを意味するものとする。アリールオキシ基は、例えば、フェノキシ基であることができる。
本発明に従えば、用語「シクロアルコキシ」は、上で定義したシクロアルキル基が酸素原子に結合したものを意味するものとする。
本発明に従えば、用語「アルキルシリル」は、上で定義したアルキル基がケイ素原子に結合したものを意味するものとする。
本発明に従えば、用語「アルコキシシリル」は、上で定義したアルコキシ基がケイ素原子に結合したものを意味するものとする。
好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、以下のものを表す:
・水素原子;
・随意にヒドロキシル基で及び/又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C8アルキル基;
・随意にC1〜C4アルキル基で、ハロゲンで、C1〜C4アルキル基(それ自体が1個以上のハロゲンで置換されたもの)で、C1〜C4アルコキシ基で又はアミン官能基(随意にC1〜C4アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよい)で置換されていてもよいフェニル;
・ピリジン;
・C1〜C8アルキルエステル;
・シアノ官能基;
・カルボン酸官能基;
・C1〜C4アシルオキシ基、特にアセチルオキシ基;
・第一アミド基(これは特に窒素上を置換されていないもの又はC1〜C4アルキル基で一置換若しくは二置換されたものである);
・随意にヒドロキシル又はケトンで置換されたポリエトキシル化アルキル基;
・エポキシシクロヘキシル基;
・オキシラニル基又はオキシラニル基で置換されたC1〜C8アルキル基。
有利には、R1は水素原子であることができ、R2は水素原子以外の置換基を表すことができる。式(III)の化合物の場合、R3及びR4もまた水素原子であることができる。
前記不飽和化合物(B)はまた、以下のものより成る群から選択される非ポリマー系不飽和有機化合物であることもできる:
・アセチレン;
・C1〜C4アルキルアクリレート及びメタクリレート;
・アクリル酸又はメタクリル酸;
・アルケン、好ましくはオクテン、より一層好ましくは1−オクテン;
・アリルアルコール;
・アリルアミン;
・アリルグリシジルエーテル;
・ピペリジンアリルエーテル、好ましくは立体障害ピペリジンアリルエーテル;
・スチレン、好ましくはα−メチルスチレン;
・1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン;
・塩化アリル;
・クロロアルケン、好ましくは塩化アリル;及び
・フルオロアルケン、好ましくは4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1−ヘプテン。
不飽和化合物(B)はまた、複数のアルケン官能基、好ましくは2個又は3個のアルケン官能基を含む化合物から選択することもでき、好ましくは以下の化合物から選択することもできる:
Figure 0006041997
本発明に従うヒドロシリル化方法は、この実施形態に従えば、有機基(特に有利な化学官能基を含むもの)をシロキサン(特にポリオルガノシロキサン)に結合させることを可能にする。不飽和化合物(B)が単一のアルケン又はアルキン官能基を含む場合、本発明に従う方法は、官能化方法(全体的なもの又は部分的なものであることができる)として用いることができる。不飽和化合物(B)が2個又はそれ以上のアルケン又はアルキン官能基を含む場合、これは、複数個のシロキサン化合物(A)の間、好ましくは複数個のポリシロキサンの間)の橋としての働きをする。
不飽和化合物(B)が少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含むポリオルガノシロキサン化合物から選択される場合、これは一般的に少なくとも1個の式(V):
ghSiO(4-(g+h))/2 (V)
(ここで、
Yは2〜12個の炭素原子及び随意としての1個以上のヘテロ原子を有し、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を有する、直鎖状又は分岐鎖状基を表し;
Lはアルケン官能基及びアルキン官能基を含まない一価基を表し;
g及びhは整数を表し、gは1、2又は3であり、hは0、1又は2であり、g+hは1、2又は3である)
の単位を含み且つ随意に式(VI):
iSiO(4-i)/2 (VI)
(ここで、
Lは上と同じ意味を持ち、
iは0〜3の範囲の整数を表す)
の別の単位を含むポリオルガノシロキサンから選択することができる。
上記の式(V)及び式(VI)において、Y及びL基が複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(V)において、記号gは好ましくは1又は2であり、より一層好ましくは1である。
さらに、式(V)及び式(VI)において、Lは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(これは随意に1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアリール基より成る群から選択される一価基を表すことができる。Lは有利にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリル及びフェニルより成る群から選択される一価基を表すことができる。
さらに、式(V)及び式(VI)において、Y基中の少なくとも1個のアルケン官能基及び/又はアルキン官能基は、有利には鎖の末端にあることができる。Yは有利にはビニル、プロペニル、3−ブテニル、5−ヘキセニル、9−デセニル、10−ウンデセニル、5,9−デカジエニル及び6,11−ドデカジエニルより成る群から選択される基を表すことができる。
好ましくは、不飽和化合物(B)は、式(V)の単位を少なくとも2個又はそれ以上含むポリオルガノシロキサンから選択される。
前記ポリオルガノシロキサンは、線状、分岐鎖状、環状又は網状構造を有することができる。
線状ポリオルガノシロキサンについては、これらは本質的に以下のものから成ることができる:
・式Y2SiO2/2、YLSiO2/2及びL2SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「D」;
・式Y3SiO1/2、Y2LSiO1/2、YL2SiO1/2及びL3SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「M」。
単位「D」の例としては、ジメチルシロキシ、メチルフェニルシロキシ、メチルビニルシロキシ、メチルブテニルシロキシ、メチルヘキセニルシロキシ、メチルデセニルシロキシ及びメチルデカジエニルシロキシ基を挙げることができる。
単位「M」の例としては、トリメチルシロキシ、ジメチルフェニルシロキシ、ジメチルビニルシロキシ及びジメチルヘキセニルシロキシ基を挙げることができる。
これらの線状ポリオルガノシロキサンは、1mPa・s〜100000mPa・sの範囲、好ましくは10mPa・s〜5000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を有するオイル、又は100000mPa・s超の25℃における動的粘度を有するガムであることができる。
環状ポリオルガノシロキサンについては、これらは式Y2SiO2/2、YLSiO2/2及びL2SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「D」から成ることができる。かかる単位Dの例は、上に記載した。環状ポリオルガノシロキサンは、1mPa・s〜5000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を有することができる。
本明細書に記載したすべてのポリマーの25℃における動的粘度は、1972年2月のAFNOR規格NFT 76 102に従ってブルックフィールド粘度計を用いて測定することができる。
不飽和化合物(B)であることができるポリオルガノシロキサンの例には、以下のものがある:
・ジメチルビニルシリル末端を含むジメチルポリシロキサン;
・ジメチルビニルシリル末端を含むジメチルフェニルメチルポリシロキサン;
・ジメチルビニルシリル末端を含むジメチルビニルメチルポリシロキサン;
・トリメチルシリル末端を含むジメチルビニルメチルポリシロキサン;
・環状メチルビニルポリシロキサン。
本発明に従うヒドロシリル化方法は、この実施形態に従えば、シロキサン化合物(A)(好ましくはケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個有するポリシロキサン)と、少なくとも1個のアルケン官能基又は少なくとも1個のアルキン官能基を有するポリシロキサンとを、結合させることを可能にする。本発明に従う方法は、架橋方法として利用することができる。この場合、シロキサン化合物(A)として用いられるポリシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子当たり少なくとも3個含むのが好ましく、不飽和化合物(B)として用いられるポリシロキサンはアルケン又はアルキン官能基から選択される不飽和官能基を1分子当たり少なくとも2個含むのが好ましい。
本発明の1つの特別な実施形態に従えば、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)と、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物(B)とが、同一の化合物であることができる。
この化合物は、一方で少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含み、他方で少なくとも1個のケイ素原子及び該ケイ素原子に結合した少なくとも1個の水素原子を含むので、「二官能性」と記載することができる。この化合物は、ヒドロシリル化反応によってそれ自体で反応することができる。
かくして、本発明は、二官能性化合物自体のヒドロシリル化方法に関することもでき、この二官能性化合物は、一方で少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含み、他方で少なくとも1個のケイ素原子及び該ケイ素原子に結合した少なくとも1個の水素原子を含むものであり、この方法は、ポリオキソメタレートから選択される光触媒によって触媒されることを特徴とする。
前記二官能性化合物は、有利には、式(I):
deSiO(4-(d+e))/2 (I)
(ここで、
・Zは水素原子以外の一価基を表し、
・d及びeは整数を表し、dは1又は2であり、eは0、1又は2であり、d+eは1、2又は3である)
の少なくとも1個の単位及び式(V):
ghSiO(4-(g+h))/2 (V)
(ここで、
Yは2〜12個の炭素原子及び随意としての1個以上のヘテロ原子を有し、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を有する、直鎖状又は分岐鎖状基を表し;
Lはアルケン官能基及びアルキン官能基を含まない一価基を表し;
g及びhは整数を表し、gは1、2又は3であり、hは0、1又は2であり、g+hは1、2又は3である)
の少なくとも1個の単位及び随意としての式(VII):
jSiO(4-d)/2 (VII)
(ここで、
Wは水素原子以外の一価基であってアルケン官能基もアルキン官能基も含まないものであり、
jは0〜3の範囲の整数を表す)
の別の単位を含むポリオルガノシロキサンであることができる。
上記の式(I)、式(V)及び式(VII)中に複数個のZ、Y、L及びW基が存在する場合、これらは互いに同一であっても異なっていてもよいものとする。
式(I)において、記号dは好ましくは1であり得る。
さらに、式(I)において、Zは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(これは随意に1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びアリール基より成る群から選択される一価基を表すことができる。Zは有利にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリル及びフェニルより成る群から選択される一価基を表すことができる。式(I)の単位の例には、次のものがある:H(CH32SiO1/2、HCH3SiO2/2及びH(C65)SiO2/2
式(V)において、記号gは好ましくは1又は2、より一層好ましくは1であることができる。
さらに、式(V)において、Lは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(これは随意に1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアリール基より成る群から選択される一価基を表すことができる。Lは有利にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリル及びフェニルより成る群から選択される一価基を表すことができる。
さらに、式(V)において、Y基中のアルケン官能基及び/又はアルキン官能基は、有利には鎖の末端にあることができる。Yは有利にはビニル、プロペニル、3−ブテニル、5−ヘキセニル、9−デセニル、10−ウンデセニル、5,9−デカジエニル及び6,11−ドデカジエニルより成る群から選択される基を表すことができる。
式(VII)において、Wは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(これは随意に1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアリール基より成る群から選択される一価基を表すことができる。Wは有利にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリル及びフェニルより成る群から選択される一価基を表すことができる。
好ましくは、前記二官能性化合物は、式(I)の単位を少なくとも2個又はそれ以上含み且つ式(V)の単位を少なくとも2個又はそれ以上含むポリオルガノシロキサンである。
前記二官能性ポリオルガノシロキサンは、線状、分岐鎖状、環状又は網状構造を有することができる。
線状ポリオルガノシロキサンについては、これらは本質的に以下のものから成ることができる:
・式HZSiO2/2、2SiO2/2、YLSiO2/2及びW2SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「D」;
・式HZ2SiO1/2、Y3SiO1/2、Y2LSiO1/2、YL2SiO1/2及びW3SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「M」。
単位「D」の例としては、ジメチルシロキシ、ヒドロメチルシロキシ、メチルフェニルシロキシ、メチルビニルシロキシ、メチルブテニルシロキシ、メチルヘキセニルシロキシ、メチルデセニルシロキシ及びメチルデカジエニルシロキシ基を挙げることができる。
単位「M」の例としては、トリメチルシロキシ、ジメチルヒドロシロキシ、ジメチルフェニルシロキシ、ジメチルビニルシロキシ及びジメチルヘキセニルシロキシ基を挙げることができる。
これらの線状ポリオルガノシロキサンは、1mPa・s〜100000mPa・sの範囲、好ましくは10mPa・s〜5000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を有するオイル、又は100000mPa・s超の25℃における動的粘度を有するガムであることができる。
環状ポリオルガノシロキサンについては、これらは式HZSiO2/2、2SiO2/2、YLSiO2/2及びW2SiO2/2の単位から選択されるシロキシル単位「D」から成ることができる。かかる単位Dの例は、上に記載した。これらの環状ポリオルガノシロキサンは、1mPa・s〜5000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を有することができる。
本明細書に記載したすべてのポリマーの25℃における動的粘度は、1972年2月のAFNOR規格NFT 76 102に従ってブルックフィールド粘度計を用いて測定することができる。
二官能性化合物であることができるポリオルガノシロキサンの例には、以下のものがある:
・ジメチルビニルシリル末端を含むジメチルヒドロメチルビニルメチルポリシロキサン;
・ジメチルヒドロシリル末端を含むジメチルヒドロメチルビニルメチルポリシロキサン;
・ジメチルビニルシリル末端を含むジメチルヒドロメチルビニルメチルポリシロキサン;
・トリメチルシリル末端を含むジメチルヒドロメチルプロピルグリシジルエーテルメチルポリシロキサン。
以下において、不飽和化合物(B)及びシロキサン化合物(A)の使用については、当業者であれば二官能性化合物の使用もまた意図されることを理解するであろう。
本発明に従うヒドロシリル化方法においては、ポリオキソメタレートから選択される光触媒が不飽和化合物(B)とシロキサン化合物(A)との反応を触媒する。
実施の観点から、この方法は、不飽和化合物(B)を触媒の存在下でシロキサン化合物(A)と接触させることから成る工程を少なくとも1つ含む。これらの3つの成分の接触は、当業者に周知の慣用の技術に従って実施することができる。
本発明に従う方法は、溶媒中で実施することができる。好適な溶媒は、不飽和化合物(B)及びシロキサン化合物(A)と混和性であるものである。特定的な溶媒の例には、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタメチルヘプタン及び石油留分、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン及びo−、p−又はm−キシレン、ハロゲン化脂肪族又は芳香族炭化水素、例えばテトラクロロエチレン、並びにエーテル類、例えばテトラヒドロフラン及びジオキサンがある。また、不飽和化合物(B)又はシロキサン化合物(A)がヒドロシリル化反応の温度において液体の形にある場合には、この化合物を反応溶媒として用いることも可能である。その場合、有利には反応媒体は溶剤がないものであることができる。
前記の不飽和化合物(B)、シロキサン化合物(A)及び触媒は、同じ相中で接触させることができ、この場合には均質反応媒体を形成し、また、異なる相中で接触させることもできる。
第1の実施形態に従えば、本発明に従うヒドロシリル化方法は、均質溶液中で実施される。試薬、即ち不飽和化合物(B)及びシロキサン化合物(A)、並びに光触媒を、すべての成分を溶解させるように適切に選択される溶媒中に溶解させることができる。この溶媒は、好ましくは有機溶媒又は複数種の有機溶媒の混合物である。この溶媒は、アセトニトリル、ジクロロエタン、ニトロメタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン及びそれらの混合物より成る群から選択することができる。前記溶媒は、好ましくは、アセトニトリル及びアセトニトリルと別の又は数種の別の有機補助溶媒との混合物から選択される。この有機補助溶媒は、トルエン、ジクロロメタン及びテトラヒドロフランから選択することができる。1種以上の補助溶媒をアセトニトリルとの混合物として用いる場合、補助溶媒対アセトニトリルの容量比は、好ましくは1:10〜6:1の範囲、より一層好ましくは3:1〜4:1の範囲である。アセトニトリルを単独で反応溶媒として用いることには、完全に均質の反応媒体が得られるという利点がある。しかしながら、アセトニトリルは高価なので、アセトニトリルと共に補助溶媒を用いることもまた、必要なアセトニトリルの量を減らし、コストを下げることができるので、有利であると考えることができる。
第2の実施形態に従えば、前記ヒドロシリル化方法は、不均質触媒反応によって実施される。この実施形態においては、試薬、即ち不飽和化合物(B)及びシロキサン化合物を、光触媒なしで、これらの試薬を溶解させるように適切に選択される溶媒中に溶解させることができる。光触媒は、固体の形のままであることができる。不均質触媒反応は、試薬及び反応生成物からの触媒の容易な分離を可能にし、触媒の容易な再利用を可能にするので、特に有利である。反応相の溶媒は、好ましくは有機溶媒又は複数種の有機溶媒の混合物である。溶媒は、好ましくはトルエンである。
この第2の実施形態の不均質触媒反応によるヒドロシリル化方法において、本発明に従う光触媒は、随意に固体分散剤媒体中に導入することができる。様々な技術が、当業者に周知である。例えば、光触媒を固体担体上に含浸させたり、シリカ網状構造中に固定化したり、予備官能化シリカに結合させたり、イオン交換樹脂に結合させたり、又はポリマー膜中に結合させたりすることができる。
反応を均質触媒反応によって実施する場合も不均質触媒反応によって実施する場合も、本発明に従う触媒は、好ましくは0.01%〜50%の範囲、より一層好ましくは0.05%〜5%の範囲、さらにより一層好ましくは1%〜2%の範囲の濃度で、反応媒体中に導入される。この触媒濃度は、ヒドロシリル化反応中の不足している(少ない方の)試薬(これはシロキサン試薬(A)又は不飽和試薬(B)であることができる)に対する触媒のモル百分率として表される。
上記の反応式(1)及び(2)に従えば、ヒドロシリル化反応の化学量論的比は、不飽和化合物(B)1モルについてシロキサン化合物(A)1モルである。しかしながら、この化学量論比は、シロキサン化合物(A)及び/又は不飽和化合物(B)が1個より多くの反応性官能基を含む場合には、変えることができる。本発明に従う方法において、シロキサン化合物(A)のSi−H官能基対不飽和化合物(B)のアルケン及びアルキン官能基のモル比は、好ましくは1:100〜100:1の範囲である。このモル比の選択は、ヒドロシリル化反応の進行を制御することを可能にすることができる。
シロキサン化合物(A)のSi−H官能基対不飽和化合物(B)のアルケン及びアルキン官能基のモル比が厳密に1より小さい場合、Si−H官能基は不飽和官能基に対して不足している。もしもヒドロシリル化反応が完全なものだったら、反応生成物はもはやSi−H官能基を含有しないはずである。ヒドロシリル化反応を式(I)の単位を少なくとも1個含むポリオルガノシロキサンと上記の非ポリマー系不飽和有機化合物との間で実施する場合、ポリオルガノシロキサンの完全官能化を参照することができる。
逆の場合において、シロキサン化合物(A)のSi−H官能基対不飽和化合物(B)のアルケン及びアルキン官能基のモル比が1より厳密に大きい場合、Si−H官能基は不飽和官能基に対して過剰量である。この反応の生成物は、Si−H官能基を依然として含有するはずである。ヒドロシリル化反応を式(I)の単位を少なくとも1個含むポリオルガノシロキサンと上記の非ポリマー系不飽和有機化合物との間で実施する場合、ポリオルガノシロキサンの部分官能化を参照することができる。
かかる部分官能化反応は、ケイ素原子に結合した水素原子を有するシロキシ単位と有用な有機置換基で官能化されたシロキシ単位との両方を含むポリオルガノシロキサン化合物、例えばジメチルビニルメチルヒドロメチルポリシロキサンの調製をもたらすので、工業的観点から有利である。
従来の慣用の白金触媒によって触媒されたヒドロシリル化によるかかる化合物の調製には、問題があった。ヒドロシリル化反応が終了して反応媒体を空気中に放置した場合、反応媒体中に存在する白金は副反応を触媒することがある。これらは特にSi−H単位と空気からの水との間の脱水素縮合反応である。この反応は、反応媒体の表面のゲル化の原因となり、水素の放出を伴い、その結果として爆発の危険性がある。従って、得られる組成物は貯蔵が難しい。ヒドロシリル化反応後に反応媒体から痕跡量の白金触媒を取出すことは、不均質触媒を用いて反応を実施した場合にさえ、これまでは非常に難しかった。不均質触媒は一般的に反応媒体中に均質相中の白金を放出する。
この範疇において、本発明に従ってヒドロシリル化方法においてPOMタイプの光触媒を用いると、有利なことに、先行技術のこの副反応の問題を解決することを可能にすることができる。というのも、この光触媒は照射した時のみ活性だからである。照射を停止することにより、付随的な副反応が防止される。本発明に従ってヒドロシリル化反応によって部分的に官能化することによって得られる組成物は、有利なことに、貯蔵安定性であり、工業的な危険性の観点から安全である。また、官能化度を非常に容易に制御することもできる。
さらに、反応媒体は随意に脱ガスして酸素を取り除くことができる。随意としての脱ガス工程は、特に試薬が空気感受性化合物である場合に、反応速度を改善することを可能にすることができる。
ヒドロシリル化反応を促進するために、本発明に従う光触媒は、光源を用いて励起しなければならない。本発明に従う方法は、好ましくは、UV又は可視光線を光触媒に照査することから成る工程を少なくとも1つ含む。この照射は、所望の波長の光を発する任意の励起装置を用いて実施することができる。これは、慣例的に白熱ランプやLEDランプ、放電ランプ、特に水銀及びキセノン放電ランプ、蛍光ランプであることができる。また、レーザー源であることもできる。照射は好ましくは300nm〜500nmの範囲、より一層好ましくは300nm〜420nmの範囲、さらにより一層好ましくは350〜400nmの範囲の波長で実施される。照射のエネルギーは、好ましくは1mW/cm2〜5W/cm2の範囲、より一層好ましくは1mW/cm2〜200mW/cm2の範囲、さらにより一層好ましくは10mW/cm2〜100mW/cm2の範囲である。
1つの実施形態に従えば、ヒドロシリル化反応の間を通じて照射を一定に保つことができる。1つの別の実施形態に従えば、照射は、ヒドロシリル化反応の間に変化させたり中断させたりすることもできる。さらに別の実施形態に従えば、一定又は可変サイクル数に従って照射を細切れにする(これは照射を開始したり停止したりすること(サイクル)を意味する)こともできる。
ヒドロシリル化方法は、0℃〜150℃の範囲、好ましくは10℃〜30℃の範囲、より一層好ましくは周囲温度において、実施することができる。本発明においてヒドロシリル化反応の温度の測定については、照射源によってもたらされる可能性がある加熱は斟酌しないものとする。この方法は、有利には、大気圧において実施されるが、しかし減圧下、例えば0.01MPa(100ミリバール)〜0.08MPa(800ミリバール)の範囲、又は加圧下、例えば0.1MPa(1バール)〜8MPa(80バール)の範囲のいてこの方法を実施することも可能である。
本発明に従うヒドロシリル化方法は、バッチ式方法であることができる。この反応は、用いられる試薬、用いられる触媒及び反応条件に応じて、特に試薬及び触媒の濃度に応じて、変化する時間で、実施することができる。一般的に、反応時間は、1分〜24時間の範囲、好ましくは30分〜8時間の範囲、さらにより一層好ましくは1時間〜4時間の範囲であることができる。
しかしながら、本発明に従う方法を連続式で実施することも可能である。この実施形態に従えば、試薬は、1以上の連続流の形で反応器中に導入される。特に本方法を均質溶液状で実施する場合には、光触媒も、その一部について、反応器中に連続流で循環させることができる。不均質触媒の場合、これは反応器の内部に、例えば固定触媒床又は可動性触媒床の形で、設置することができる。本発明に従う方法が連続式方法である場合、反応器中を循環する流れの流量は、反応器の容量に従って、光触媒の存在下においてヒドロシリル化反応が実施されるのに充分な試薬滞留時間を確保するように、当業者が決定することができる。
本発明者らは、有利なことに、本発明に従う光触媒を使用することによって、実施するのが容易な操作条件下で、特に危険であったり爆発性であったりする化合物を用いることもなく、しかも完全に満足できる転化度で、ヒドロシリル化反応を実施することが可能になることを見出した。シロキサン試薬(A)及び/又は不飽和試薬(B)の転化度は、有利なことに、50%超、さらには60%超、さらには75%超、さらには80%超、さらには90%超、好ましくは90%〜100%の範囲であることができる。
本願発明において、用語「転化度」及び「変化度」(DCと略記される)は同義語であり、それぞれの試薬について、シロキサン試薬(A)のSi−H官能基の初期モル数又は不飽和試薬(B)のアルケン及びアルキン官能基の初期モル数から、反応後に残ったこれらの官能基のモル数を引いた値を、これらの官能基の初期モル数で割った値(%)を意味する。
本発明に従う方法によって得られる生成物は、続いての工程の際に随意に、当業者に周知の慣用の手段を用いて精製することができる。例えば、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって生成物を精製することができる。
本発明の主題はまた、上記のヒドロシリル化方法の実施のために特に設計された手段にもある。この手段は、
・ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)、
・少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物(B)、並びに
・ポリオキソメタレートから選択される光触媒
を含む組成物から成る。
この組成物は、本発明に従う光触媒されるヒドロシリル化反応を行うことができる反応媒体を形成する。これを行うために、この組成物は、上記のように照射され、光触媒を活性化する効果を持ち、不飽和化合物(B)とシロキサン化合物(A)との間の反応を可能にする。
好ましくは、不飽和化合物(B)、シロキサン化合物(A)及び光触媒は、本明細書において上記した通りである。
第1の実施形態に従えば、本発明に従う組成物は、溶液であることができる。この場合、ヒドロシリル化方法は、均質溶液中で行うことができる。好ましくは、この組成物は、均質溶液中でのヒドロシリル化方法の場合において上記したように選択することができる溶媒を含む。
第2の実施形態に従えば、本発明に従う組成物は、懸濁液であることができる。好ましくは、不飽和化合物(B)及びシロキサン化合物(A)は、光触媒が可溶性ではない溶媒中の均質反応媒体を形成する。この場合、ヒドロシリル化方法は、不均質触媒作用による方法であることができる。好ましくは、この組成物は、不均質触媒作用によるヒドロシリル化方法の場合において上記したように選択することができる溶媒を含む。光触媒は随意に上記したように固体分散剤媒体風に導入することができる。
本発明に従う組成物中の光触媒の濃度は、好ましくは0.01%〜50%の範囲、より一層好ましくは0.05%〜5%の範囲、さらにより一層好ましくは1%〜2%の範囲である。触媒の濃度は、ヒドロシリル化反応中の不足している(少ない方の)試薬(これはシロキサン試薬(A)であっても不飽和試薬(B)であってもよい)に対する触媒のモル百分率として表される。
さらに、シロキサン化合物(A)のSi−H官能基対不飽和化合物(B)のアルケン及びアルキン官能基のモル比は、好ましくは1:100〜100:1の範囲である。1つの実施形態に従えば、シロキサン化合物(A)のSi−H官能基対不飽和化合物(B)のアルケン及びアルキン官能基のモル比は、厳密に1未満である。Si−H官能基は不飽和官能基に対して不足している。別の実施形態に従えば、シロキサン化合物(A)のSi−H官能基対不飽和化合物(B)のアルケン及びアルキン官能基のモル比は、厳密に1より大きい。この場合、Si−H官能基は不飽和官能基に対して過剰である。
本発明に従う組成物は、随意に添加剤を含むことができる。これらの添加剤は、特に光増感剤から選択することができる。本発明において添加剤として用いることができる光増感剤は、欧州特許公開第1133971号及び同第1745083号公報に記載されている。光増感剤は、好ましくは、ケトン類、特に芳香族ケトン類、クマリン染料、キサンテン染料、キサントン類、チオキサントン類、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン類、多環式芳香族炭化水素、例えばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、フルオレン、フルオランテン及びクリセン、パラ位をアミノスチリル基で置換されたケトン化合物、アミノトリアリールメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料及びピリジウム染料より成る群から選択される。特に好ましいケトンタイプの光増感剤は、カンファーキノン、ベンゾフェノン及びチオキサントンである。本発明に従う組成物はまた、添加剤として、電子供与性化合物、例えば欧州特許公開第1133971号公報に記載されたものを含むこともできる。しかしながら、本発明に従う組成物中の添加剤の濃度は、有利には組成物の総重量に対して1000重量ppm未満、より一層好ましくは0〜300ppmの範囲である。
テトラブチルアンモニウムデカタングステート(TBADT)の合成
臭化テトラブチルアンモニウム(10.7g)及びタングステン酸ナトリウム2水和物(22.2g)を2つの三角フラスコ中で別々に水600ミリリットル中に溶解させ、激しく撹拌しながら90℃にした。制御された態様で、濃塩酸を滴下することによって、各溶液のpHを2に調節した(タングステン酸ナトリウム溶液の色が僅かに緑色になる)。次いで2つの溶液を混合し、90℃に1時間30分間保った。TBADTの白色懸濁液が形成した。これを周囲温度まで冷まし、次いで焼結ガラス(第4番多孔度)上で濾過した。固体を水で洗浄し、110℃において一晩オーブン乾燥させた。周囲温度に戻した後に、白色固体を乳鉢で粉砕して、白色微粉の外観を持つTBADTを製造した(20.3g、91%)。UV分光測定法(アセトニトリル中、ε323=1.35×104dm3/モル・cm)によって、純度80%超と評価された。
合成されたTBADTの吸収スペクトルを、Jasco V530UV−可視分光計を用いてアセトニトリル中で得た。吸収スペクトルを図1に再現する。
例1:アセトニトリル中におけるシロキサンによるアクリル酸エチルのヒドロシリル化
電磁式棒、アルゴン又は窒素導入口及び隔壁を備えた丸底フラスコ中に、TBADT(10モル%)、式(VIII):
Figure 0006041997
の1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン(1.5当量)、乾燥させて脱ガスした(3回連続の凍結/真空/溶融サイクルによる)アセトニトリル及びアクリル酸エチル(1当量)を続けて入れた。
この反応媒体に、365nmのUV領域で発光するUVランプ(Omnicure series 1000)によって、270mW/cm2のランプの最大エネルギーの20%に等しいエネルギーで、3時間照射した。反応が完了したら、溶媒を減圧下で蒸発させた。反応粗生成物のプロトンNMRは、転化度を評価することを可能にする。次いで反応粗生成物をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
転化度及び反応の相対収率を、300MHzにおける1H−NMR分析によって測定した。
式(XI)の化合物が84%の転化度及び10%の収率で得られた。
Figure 0006041997
収率とは、ここでは、反応後に得られた生成物(IX)のモル数をアクリル酸エチルのモル数の初期値で割った値(%)である。

Claims (16)

  1. ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)と少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物(B)との間のヒドロシリル化方法であって、
    一般式[X a b c n-
    (ここで、
    Xは水素原子又はB、Al、Si、P、S、Ga、Ge、As、Ce、Th及びSbより成る群から選択される原子を表し;
    Mは遷移金属を表し;
    Oは酸素原子を表し;
    aは0、1又は2であることができる整数を表し;
    bは3〜20であることができる整数を表し;
    cは6〜62であることができる整数を表し;
    nは1以上の整数であり、
    Mで表されるすべての原子及びaが2である時のXで表されるすべての原子は、同一であっても異なっていてもよく、
    前記遷移金属Mはバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)より成る群から選択される)
    で表されるポリオキソメタレートから選択される光触媒によって触媒されることを特徴とする、前記方法。
  2. 前記光触媒がデカタングステートであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シロキサン化合物(A)が少なくとも1個の式(I):
    deSiO(4-(d+e))/2 (I)
    (ここで、
    Zは水素原子以外の一価基を表し、
    d及びeは整数を表し、dは1又は2であり、eは0、1又は2であり、d+eは1、2又は3である)
    の単位及び随意としての式(II):
    fSiO(4-f)/2 (II)
    (ここで、
    Zは上と同じ意味を持ち、
    fは0〜3の範囲の整数を表す)
    の別の単位を含むポリオルガノシロキサンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 式(I)において記号dが1であり且つZが1〜8個の炭素原子を有し且つ随意に少なくとも1個のハロゲン原子で置換されたアルキル基及びアリール基より成る群から選択される一価基を表すことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記不飽和化合物(B)が1個以上のアルケン官能基及び/又は1個以上のアルキン官能基を含み、2〜40個の炭素原子を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記不飽和化合物(B)が
    ・非ポリマー系不飽和有機化合物、
    ・少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含むポリオルガノシロキサン化合物、並びに
    ・それらの混合物
    より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記不飽和化合物(B)が
    ・アセチレン;
    ・C1〜C4アルキルアクリレート及びメタクリレート;
    ・アクリル酸又はメタクリル酸;
    ・アルケン;
    ・アリルアルコール;
    ・アリルアミン;
    ・アルキルグリシジルエーテル;
    ・ピペリジンアリルエーテル;
    ・スチレン類;
    ・1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン;
    ・塩化アリル;
    ・クロロアルケン;及び
    ・フルオロアルケン:
    より成る群から選択される非ポリマー系不飽和有機化合物であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記不飽和化合物(B)が少なくとも1個の式(V):
    ghSiO(4-(g+h))/2 (V)
    (ここで、
    Yは2〜12個の炭素原子及び随意としての1個以上のヘテロ原子を有し、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を有する、直鎖状又は分岐鎖状基を表し;
    Lはアルケン官能基及びアルキン官能基を含まない一価基を表し;
    g及びhは整数を表し、gは1、2又は3であり、hは0、1又は2であり、g+hは1、2又は3である)
    の単位及び随意としての式(VI):
    iSiO(4-i)/2 (VI)
    (ここで、
    Lは上と同じ意味を持ち、
    iは0〜3の範囲の整数を表す)
    の別の単位を含むポリオルガノシロキサン化合物から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 前記のケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)並びに前記の少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物(B)が同一の二官能性化合物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記二官能性化合物が少なくとも1個の式(I):
    deSiO(4-(d+e))/2 (I)
    (ここで、
    Zは水素原子以外の一価基を表し;
    d及びeは整数を表し、dは1又は2であり、eは0、1又は2であり、d+eは1、2又は3である)
    の単位及び少なくとも1個の式(V):
    ghSiO(4-(g+h))/2 (V)
    (ここで、
    Yは2〜12個の炭素原子及び随意としての1個以上のヘテロ原子を有し、少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を有する、直鎖状又は分岐鎖状基を表し;
    Lはアルケン官能基もアルキン官能基も含まない一価基を表し;
    g及びhは整数を表し、gは1、2又は3であり、hは0、1又は2であり、g+hは1、2又は3である)
    の単位及び随意としての式(VII):
    jSiO(4-d)/2 (VII)
    (ここで、
    Wは水素原子以外の一価基であってアルケン官能基もアルキン官能基も含まないものであり、
    jは0〜3の範囲の整数を表す)
    の別の単位を含むポリオルガノシロキサンであることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記光触媒にUV又は可視光線(波長300nm〜500nmのもの)を照射することから成る工程を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 均質溶液中で実施することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 不均質均質溶液中で実施することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  14. ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物(A)、
    少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物(B)、並びに
    請求項1に記載のポリオキソメタレートから選択される光触媒
    を含む組成物。
  15. ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシロキサン化合物を用いた少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含む不飽和化合物のヒドロシリル化反応の光触媒としての請求項1に記載のポリオキソメタレートの使用。
  16. 前記ポリオキソメタレートがデカタングステートである、請求項15に記載の使用。
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