JP6039465B2 - 口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤 - Google Patents

口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤 Download PDF

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Description

本発明は、口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤に関する。
口腔乾燥症(Xerostomia)は、ドライマウスとも呼ばれ、唾液の分泌が低下する病気である。
口腔乾燥症の患者数は正確な統計がないものの、約800万人ともいわれている。ドライマウスは男性よりも女性に表れやすく、全体の9割は女性で、更にその9割は50歳代〜70歳代が占めているといわれている。
口腔乾燥症の原因は様々であり、例えば、加齢、ストレス、不規則な生活、食生活、生活環境、偏食、喫煙、唾液腺障害、シェーグレン症候群等の全身疾患の症状、放射線治療による唾液腺の破壊、HIV感染(エイズ)、薬剤の副作用などが挙げられる。
前記副作用を起こす薬剤としては、例えば、トリクロルメチアザイドやフロセミド等の利尿剤、レセルピンや塩酸クロニジン等の降圧剤、硫酸アトロピン等の抗コリン剤、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、また各種の鎮咳去痰剤、抗パーキンソン剤、向精神剤、抗うつ剤、トランキナイザー、筋弛緩剤などが挙げられる。
口腔外科、耳鼻咽喉科領域における悪性腫瘍に対しては、放射線療法が重要性を増している。しかし、照射範囲の関係で放射線による唾液腺の多大な損傷は避けがたく、その結果、特に重度の口腔乾燥症を発症しやすい。放射線療法の普及に伴い、今後も口腔乾燥症の患者数が増加することが予測される。
一般に年齢が上がるに伴って、定期的に常用する薬剤も増加する。薬剤量の増加による副作用として、唾液分泌量や身体の水分量が減少し、口腔乾燥症の症状が現れる。また、加齢とともに口や顎の筋力が低下し、唾液分泌量が低下する。その結果、70歳以上では男性で約16%、女性で約25%も唾液分泌量が低下するといわれている。
口腔乾燥症に罹ると、初期には、口の中のネバネバ感、歯垢、舌苔、口臭の増加などが起こる。しかし、症状が重くなるにつれ、口腔内の灼熱感、疼痛、舌痛、味覚異常、舌乳頭萎縮、口腔粘膜の炎症、びらん、潰瘍形成、舌や口角の亀裂、その他咀嚼、嚥下及び発声、会話の困難、睡眠の中断、摂食障害を引き起こし、経管栄養や点滴に体内への栄養の補給を頼らざるを得なくなる場合もある。
口腔乾燥症は口腔粘膜の潰瘍、齲食、歯周病を含めた歯科疾患、口腔内や呼吸器感染症の頻度の増加、口臭の原因となり、これらに対する適切な対応が強く望まれているのが現状である。
口腔乾燥症の緩和を目的とする成分等として、人工唾液(例えば、熱可逆性ポリマーと生体接着性ポリマーとを含む熱可逆性組成物等)、含嗽剤、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸配合保湿洗口剤、ポリビニルピロリドンとアニオン性粘膜付着性物質とを含む口腔ケア組成物(保湿クリーム)などがあるが、これは一時的な口腔内の湿潤をもたらすに過ぎない。
現在、口腔乾燥症の治療薬としては、塩酸セビメリン(以下「セビメリン」とも称する)が最も注目されている。
前記セビメリンには唾液分泌の持続的な促進作用がみられる。セビメリンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体の作用薬であり,脳においてはM1ムスカリン受容体に作用し、唾液腺においてはM3ムスカリン受容体に作用している。
唾液腺は三大唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)と小口腔腺に分けられ、それらの分泌細胞はすべて副交感神経の支配を受け、唾液腺の細胞膜にはM3ムスカリン受容体が存在している。耳下腺と顎下腺は交感神経の支配も受け、アドレナリン受容体が存在している。副交感神経の中枢は延髄に、交感神経の中枢は脊髄にある。
唾液の組成の大部分は水であり、残りは無機成分(Na、K、Ca2+、Mg2+の塩化物、炭酸塩、リン酸塩等)や有機成分(アミラーゼ、ムチン、リゾチーム、神経成長因子、上皮成長因子、免疫グロブリン等)である。ヒト(成人)の場合、1日に1.0L〜1.5Lの唾液が分泌される。
唾液の分泌は、唾液腺を支配している自律神経(交感神経、副交感神経)の興奮により制御されている。夜間眠っている時には唾液の分泌量が少なく、昼間起きている時には分泌量が多い。
水チャンネルとして知られるアクアポリン(aquaporin:AQP)は、膜タンパク質(major intrinsic protein)ファミリーに属しており、細胞間隙の水をはじめとする低分子物質を細胞内へ取り込む役割を担っていることが知られている。ヒトでは、13種類のアクアポリン(AQP0〜AQP12)の存在が知られている。
アクアポリンはいずれも6回膜を貫通し、そのN末端及びC末端のアミノ酸は細胞質側に位置している。
アクアポリンは全身に広く分布して,体内の水の恒常性に関わっている。
例えば、AQP1は脳や赤血球、血管内皮をはじめ多くの臓器に存在し、AQP2は主に腎臓の管腔膜側、AQP3は表皮や腎臓の血管側膜、AQP4は脳のグリア細胞や内耳、網膜、AQP5は表皮や、唾液腺や涙腺の管腔膜側などに分布する。
前記セビメリンは唾液腺細胞の基底側膜にあるM3ムスカリン受容体に作用することで、AQP5を細胞質より管腔膜へ細胞内移動させて管腔膜で増量させることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
即ち、セビメリンは唾液腺細胞のM3ムスカリン受容体に作用してAQP5を管腔膜で増量させることで、唾液の分泌を促進していると考えられる。
唾液の分泌と、AQP5以外のアクアポリンとの関係は今のところ知られていないが、AQP6がAQP5同様、唾液腺細胞で発現していること、口腔粘膜上皮で、AQP3及びAQP9が有棘細胞層上部で細胞表面に発現していることなどが明らかにされている(例えば、非特許文献2参照)。
セビメリンは、副作用として吐き気、腹痛、下痢、食欲不振、唾液腺痛、唾液腺腫大などの消化器系症状が生じることがある。それ以外に、動悸や頻尿、多汗、頭痛、胸痛、倦怠感なども報告されている。また、抗コリン作用をもつ薬剤との併用で効果が薄れてしまう。
セビメリンは現在のところ、シェーグレン症候群以外は処方対象となっていない。
したがって、口腔乾燥症の改善及び予防効果を有し、かつ安全性が高く、そのため、口腔用組成物として広く利用が可能な、優れた物質は、未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
また、表皮細胞は、前記アクアポリンとして、主としてAQP3、それ以外に、AQP5が存在しており、これらは水に加えて、水分保持作用に関与するグリセロールや尿素等の低分子化合物をも取り込む役割を担っていると考えられている。
天然物由来のAQP3発現促進剤としては、例えば、ノウゼンハレン科植物、金不換、ヒメハギ、小花遠志、アスパラサスリネアリス、コガネバナ、カンゾウ、ドクダミ、チョウジ、マロニエ、マチルスオドラチシマ、ヘチマ、アヤメ科クロッカス属サフラン、バラ科のイチゴ属などの植物抽出物、又、アクアポリン3発現促進作用を有する化合物としてグリチルリチン酸ジカリウムが知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
天然物由来のAQP5発現促進剤としては、例えば、バラ科のイチゴ属などの植物抽出物が知られている(特許文献5参照)。
パイナップル抽出物は、グルコシルセラミド(ヒドロキシ脂肪酸誘導体)を含むことが知られており(例えば、特許文献7参照)、更に、前記パイナップル抽出物はEGF産生促進作用(特許文献7参照)、FGF−2産生促進作用(特許文献7参照)、フィブロネクチン産生促進作用(特許文献7参照)、ラミニン−5産生促進作用(特許文献8参照)、表皮ヒアルロン酸産生促進(特許文献8参照)、及びヒアルロニダーゼ活性阻害作用(特許文献8参照)を有することが知られているが、口腔乾燥症改善、予防効果やアクアポリンの産生促進作用を有することは知られていない。
特開2004−168732号公報 特開2009−46465号公報 特開2009−256271号公報 特開2005−343882号公報 特開2009−298765号公報 特開2011−148732号公報 特開2012−158573号公報 特開2012−097008号公報
Ishikawa Y.et al.,FEBS Lett.vol.477,pp.253−257(2004) 井上 孝,歯科学報,第110巻,第34−49頁(2010)
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた口腔乾燥症改善、予防効果を有し、安全性の高い口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、及び口腔乾燥症予防剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、優れたアクアポリン産生促進作用を有し、安全性の高いアクアポリン産生促進剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> パイナップルセラミドを含有することを特徴とする口腔用医薬組成物である。
<2> パイナップルセラミドを含有することを特徴とする口腔乾燥症改善剤である。
<3> パイナップルセラミドを、アクアポリンの産生促進作用の有効成分として含有されてなる前記<2>に記載の口腔乾燥症改善剤である。
<4> パイナップルセラミドを含有することを特徴とする口腔乾燥症予防剤である。
<5> パイナップルセラミドを、アクアポリンの産生促進作用の有効成分として含有されてなる前記<4>に記載の口腔乾燥症予防剤である。
<6> パイナップルセラミドを含有することを特徴とするアクアポリン産生促進剤である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決することができ、優れた口腔乾燥症改善、予防効果を有し、安全性の高い口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、及び口腔乾燥症予防剤を提供することができる。
また、本発明によれば、従来における前記諸問題を解決することができ、優れたアクアポリン産生促進作用を有し、安全性の高いアクアポリン産生促進剤を提供することができる。
図1は、本発明の実施例における口腔内乾燥の改善試験(試験例1〜4)期間中(2012年9月29日〜2012年10月27日)の温度及び湿度を示す図である。 図2Aは、本発明の試験例1(口腔内の肉眼観察評価)のプラセボ群に関して、チュアブル摂取前後の評価結果をまとめたグラフである。 図2Bは、本発明の試験例3(口腔内の肉眼観察評価)のパインセラ群に関して、チュアブル摂取前後の評価結果をまとめたグラフである。 図3Aは、本発明の試験例2(口腔内水分量の測定)における各被験者のチュアブル摂取前後の口腔水分測定値を示すグラフである。 図3Bは、本発明の試験例2(口腔内水分量の測定)における各被験者のチュアブル摂取前後の口腔水分測定値の増減(チュアブル摂取前を100%とした相対値)を示すグラフである。 図3Cは、本発明の試験例2(口腔内水分量の測定)における各群(パインセラ群、プラセボ群)で、チュアブル摂取前後の口腔水分測定値の増減をまとめた結果を示すグラフである。 図4Aは、本発明の試験例3(口腔乾燥に関する自覚症状の評価)のプラセボ群に関して、チュアブル摂取前後のアンケート結果をまとめたグラフである。 図4Bは、本発明の試験例3(口腔乾燥に関する自覚症状の評価)のパインセラ群に関して、チュアブル摂取前後のアンケート結果をまとめたグラフである。 図5Aは、本発明の試験例4(VAS法による評価)の「口腔内の潤い」に関するVAS値をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示すグラフである。 図5Bは、本発明の試験例4(VAS法による評価)の「口腔内の潤い」に関するVAS値の増減をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示すグラフである。 図5Cは、本発明の試験例4(VAS法による評価)の「寝起きの口腔内のネバネバ感」に関するVAS値をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示すグラフである。 図5Dは、本発明の試験例4(VAS法による評価)の「寝起きの口腔内のネバネバ感」に関するVAS値の増減をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示すグラフである。 図5Eは、本発明の試験例4(VAS法による評価)の「***の潤い」に関するVAS値をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示すグラフである。 図5Fは、本発明の試験例4(VAS法による評価)の「***の潤い」に関するVAS値の増減をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示すグラフである。
(口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、アクアポリン産生促進剤)
本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤は、パイナップルセラミドを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記口腔用医薬組成物、前記口腔乾燥症改善剤、前記口腔乾燥症予防剤、及び前記アクアポリン産生促進剤中の前記パイナップルセラミドの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<パイナップルセラミド>
前記パイナップルセラミドは、パイナップルから抽出されたグルコシルセラミド(ヒドロキシ脂肪酸誘導体)として、下記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を主成分として含有してなり、更に必要に応じてパイナップルから抽出された他のヒドロキシ脂肪酸誘導体を含有してなる。前記パイナップルセラミドは、下記構造式(2)〜(5)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体の少なくともいずれかを更に含有することが好ましい。
前記パイナップルセラミドとしては、パイナップル可食部を溶媒により抽出することにより得られたものが好ましく、パイナップル可食部の圧搾後の残渣を溶媒により抽出することにより得られたものがより好ましい。
<<ヒドロキシ脂肪酸誘導体>>
前記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体は、グルコシル基と、脂肪酸として炭素数20の直鎖α−ヒドロキシ酸と、スフィンゴイド塩基としてスフィンゴシン(2−アミノ−4−オクタデセン−1,3−ジオール)の8位が2重結合となった2−アミノ−4,8−オクタデシジエン−1,3−ジオールからなる、化学式C4483NOのヒドロキシ脂肪酸誘導体である。
前記構造式(2)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体は、グルコシル基と、脂肪酸として炭素数18の直鎖α−ヒドロキシ酸と、スフィンゴイド塩基として2−アミノ−8−オクタデシジエン−1,3−ジオールからなる、化学式C4479NOのヒドロキシ脂肪酸誘導体である。
前記構造式(3)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体は、グルコシル基と、脂肪酸として炭素数24の直鎖α−ヒドロキシ酸と、スフィンゴイド塩基として2−アミノ−4−オクタデセン−1,3,4−トリオールからなる、化学式C4995NO10のヒドロキシ脂肪酸誘導体である。
前記構造式(4)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体は、グルコシル基と、脂肪酸として炭素数25の直鎖α−ヒドロキシ酸と、スフィンゴイド塩基として2−アミノ−4−オクタデセン−1,3,4−トリオールからなる、化学式C5097NO10のヒドロキシ脂肪酸誘導体である。
前記構造式(5)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体は、グルコシル基と、脂肪酸として炭素数26の直鎖α−ヒドロキシ酸と、スフィンゴイド塩基として2−アミノ−4−オクタデセン−1,3,4−トリオールからなる、化学式C5199NO10のヒドロキシ脂肪酸誘導体である。
−ヒドロキシ脂肪酸誘導体の同定方法−
前記ヒドロキシ脂肪酸誘導体の同定方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、TCL分析により、単糖をもった糖脂質であるモノヘキソシルセラミド(CMH)の分子骨格を有することを確認し、次いで、MALDI−TOFMS分析などの質量分析によって測定した分子量と、先の分子骨格情報から、分子構造を推定する。続いて、前記ヒドロキシ脂肪酸誘導体を加水分解することにより、構成単位であるグルコシル基と、脂肪酸と、スフィンゴイド塩基とに分解し、脂肪酸部分及びスフィンゴイド塩基部分についてそれぞれ構造解析を行い、推定した分子構造情報と併せて、ヒドロキシ脂肪酸誘導体の分子構造を決定することができる。
脂肪酸部分及びスフィンゴイド塩基部分の同定方法としては、GC−MS分析などの質量分析により行うことができる。
前記パイナップルセラミドにおける前記ヒドロキシ脂肪酸誘導体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも10質量%であることが好ましく、少なくとも20質量%であることがより好ましい。
<<パイナップル>>
パイナップル(Pinapple)は、パイナップル科アナナス属に属する多年生の植物で、学名:Ananas comosus(L.)Merr.乃至Ananas sativus Schultであり、中国では鳳梨とも呼ばれている。果実は大角形で多肉、黄色く熟し芳香を放ち、食用として用いられる。パイナップルの産地は、米国、フィリピン、マレーシア、ブラジル、オースラリアなどを主としているが、本発明に用いられるパイナップルセラミドを得るにあたっては、その種類や産地は特に限定されない。
前記パイナップルセラミドの抽出原料としては、果肉、果芯部(芯)などのパイナップル可食部であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、パイナップル可食部の圧搾後の残渣、即ち、パイナップル果汁を採取した後に残留した繊維質(パイナップルパルプ)が特に好ましい。
前記抽出原料は、採取後、洗浄して乾燥し、粉砕したものを用いることが好ましい。前記乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を使用して行ってもよい。
前記パイナップルセラミドは、前記パイナップル可食部を、前記溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより容易に得ることができる。
<<溶媒>>
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール;ヘキサン;低級脂肪族アルコール、低級脂肪族ケトン、多価アルコール等の親水性有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられる。これらの中でも、親水性有機溶媒と水との混合溶媒が好ましい。前記親水性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メタノール、エタノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールが好ましく、エタノールがより好ましい。
水と親水性有機溶媒との混合溶媒において、前記親水性有機溶媒として低級脂肪族アルコールを用いる場合、前記低級脂肪族アルコールの前記混合溶媒における含有量としては、10体積%〜100体積%が好ましく、70体積%〜100体積%がより好ましく、90体積%が特に好ましい。前記親水性有機溶媒として低級脂肪族ケトンを用いる場合、前記低級脂肪族ケトンの前記混合溶媒における含有量としては、10体積%〜80体積%が好ましい。前記親水性有機溶媒として多価アルコールを用いる場合、前記多価アルコールの前記混合溶媒における含有量としては、10体積%〜90体積%が好ましい。
前記パイナップルセラミドの抽出方法としては、前記パイナップル可食部に含まれる脂溶性成分を前記溶媒に溶出させることが可能であれば、特に限定されるものではなく、常法に従って行うことができる。また、抽出処理の際には、特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温乃至還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
具体的には、前記パイナップルセラミドの抽出方法としては、例えば、エタノール水溶液などの前記溶媒を満たした処理槽に、パイナップル可食部を圧搾した後の残渣(パイナップルパルプ)などの前記抽出原料を投入し、必要に応じて適宜攪拌しながら、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過して脂溶性成分を溶出した後、エバポレーターを用いて減圧下で濃縮し、更に同様の濾過処理を行い、目的とするパイナップルセラミドを得る方法などが挙げられる。
この際、抽出条件は、前記抽出原料などに応じて適宜調整し得るが、前記抽出溶媒量は、前記抽出原料としてのパイナップル可食部に対して5倍量〜20倍量(質量比)が好ましく、抽出時間は1時間〜3時間が好ましく、抽出温度は20℃〜95℃が好ましい。
なお、得られた前記パイナップルセラミドは、前記パイナップルセラミドの希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
得られた前記パイナップルセラミドは、そのままでも前記口腔用医薬組成物、前記口腔乾燥症改善剤、前記口腔乾燥症予防剤及び前記アクアポリン産生促進剤のいずれかとして使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮物、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、流動化剤、甘味剤、崩壊剤、安定化剤、着色剤、香料、コーティング剤、矯味剤、矯臭剤などが挙げられる。
−賦形剤−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンニトール、白糖(精製白糖含む)、炭酸水素ナトリウム、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、無水リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。
−滑沢剤−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。
−結合剤−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポビドン、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム末などが挙げられる。
−流動化剤−
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、タルクなどが挙げられる。
−甘味剤−
前記甘味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、ステビア、ソーマチン、白糖、マンニトール、アセスルファムカリウム、スクラロースなどが挙げられる。
−崩壊剤−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドンなどが挙げられる。
−安定化剤−
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、タルク、デキストラン、水酸化マグネシウムなど挙げられる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
−香料−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メントール、はっか油、レモン油、オレンジ油などが挙げられる。
−コーティング剤−
前記コーティング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロシキプロピルセルロース、シェラック、ツエイン、酵母由来物質などが挙げられる。
−矯味剤、矯臭剤−
前記矯味剤、及び前記矯臭剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。
なお、本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤は、必要に応じて口腔乾燥症改善、予防作用、アクアポリン産生促進作用の少なくともいずれかを有する他の天然抽出物などを共に配合して用いることができる。
<口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、アクアポリン産生促進剤の剤型>
本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤の剤型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤、丸剤、トローチ剤、チュアブル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、グミ、ゼリー等の飲食品、医薬品としての剤型などが挙げられる。
<口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、アクアポリン産生促進剤の製造方法>
本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チュアブル剤を製造する周知の方法などが挙げられる。
前記口腔用医薬組成物、口腔乾燥症予防剤、及び前記口腔乾燥症改善剤は、有効成分として含有される前記パイナップルセラミドの作用により、口腔乾燥症改善、予防作用を発揮する。
前記アクアポリン産生促進剤は、有効成分として含有される前記パイナップルセラミドの作用により、アクアポリン産生促進作用を発揮する。
本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、及び口腔乾燥症予防剤は、優れた口腔乾燥症改善、予防作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本発明のアクアポリン産生促進剤は、優れたアクアポリン産生促進作用を通じて、口腔、肌などの水分保持機能やバリア機能を維持することで、口腔乾燥症の予防及び改善、口腔、唇、及び肌の乾燥、並びに唇や肌の荒れなどを予防及び改善するすべての用途に用いることができる。ただし、本発明のアクアポリン産生促進剤は、これらの用途以外にもアクアポリン産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本発明の口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤は、優れた作用を有するとともに、その含有成分は食用とされるパイナップルから得られたグルコシルセラミド(パイナップルセラミド)であり、安全性に優れているため、皮膚化粧料や、医薬品、飲食品に配合するのに好適である。
また、本発明のアクアポリン産生促進剤は、優れた作用を有するので、アクアポリンの研究や、アクアポリンに関連する機能乃至疾患の研究のための試薬として好適に利用できる。
なお、本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤を医薬品に添加する場合の添加量としては、添加する医薬品に応じて異なり一概には規定できないが、錠剤、カプセル剤などの場合は、1質量%〜90質量%が好ましく、その他の医薬品では、0.001質量%〜50質量%が好ましい。また、添加対象医薬品の一般的摂取量を考慮して、成人一日当たりの前記口腔用医薬組成物、前記口腔乾燥症改善剤、前記口腔乾燥症予防剤及び前記アクアポリン産生促進剤のいずれかの摂取量が約1mg〜1,000mg程度になるように調整することが好ましい。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(製造例1:パイナップルセラミドの製造)
パイナップル可食部の圧搾後の残渣(パイナップルパルプ)10kgを90体積%エタノール1,000mLに加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。その後、エバポレーターを用いて減圧下で濃縮し、更に同様の濾過処理を行った。得られた残渣について500mLの水で洗浄し、ペースト状のパイナップルセラミド15gを得た。抽出物の収率は、0.15(質量%)であった。
得られたパイナップルセラミドについて、以下の通り成分分析を行った。
−ヒドロキシ脂肪酸誘導体の測定−
前記パイナップルセラミドを乾燥させた乾燥物100mgをエタノール1mLに溶解したものを被験試料として用い、市販のスフィンゴ糖脂質標準品エタノール溶液(0.25mg/mL、0.5mg/mL、1、2mg/mL、5mg/mL)とともにシリカゲル薄層クロマトグラフィープレートにアプライし、クロロホルム:メタノール混合溶液(9:1、体積比)で展開した。展開後、硫酸を噴霧し、加熱を行い、スフィンゴ糖脂質標準品と同じRf値となるスポットをスフィンゴ糖脂質のスポットとした。薄層クロマトグラフィーの発色強度を、デンシトメーター(株式会社島津製作所製 CS−9300PC)により測定し、得られた標準品の発色強度に基づいて検量線を作成し、試料の発色強度よりスフィンゴ糖脂質量を求めた。測定の結果、前記パイナップルセラミドは、20質量%のヒドロキシ脂肪酸誘導体を含有することがわかった。
−ヒドロキシ脂肪酸誘導体の同定−
下記の手順により、得られたパイナップルセラミドに含まれるヒドロキシ脂肪酸誘導体を同定した。
<1.TLC分析による分子骨格の推定>
下記のTLC分析条件において、下記標準試料と共に被験試料を展開した結果、被験試料が単糖をもった糖脂質であるモノヘキソシルセラミド(CMH)を含むと推定された。
[TLC分析条件]
プレート:HPTLC silica gel 60(Merck社製)
使用直前に120℃、30分間の活性化を行う
展開溶媒:クロロホルム:メタノール:水=65:25:4(体積比)
発色: オルシノール硫酸試薬
標準試料:モノヘキソシルセラミド(CMH)及びステリルグリコシド
<2.MALDI−TOFMS分析による分子構造の推定>
マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization−Time of Flight Mass Spectrometry;MALDI−TOFMS)により、以下の手順で、得られたパイナップルセラミドに含まれるヒドロキシ脂肪酸誘導体の分子構造を推定した。
マトリックス(試料分子イオン化補助剤)としての2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)を、10体積%エタノール水溶液で10mg/mLの濃度に調製した溶液をマトリックス溶液として用いた。次いで、被験試料を1mg/mL濃度となるようにクロロホルム:メタノール=1:1(体積比)溶液に溶解して糖脂質溶液を調製し、該糖脂質溶液0.2μLとマトリックス溶液1.0μLとをサンプルプレート上で混合した後、風乾して結晶化させた。このサンプルプレートをMALDI−TOFMS分析装置であるVoyager DE−STR(Applied Biosystems製)にセットし、質量分析を行った。
その結果、前記パイナップルセラミドは、C4483NOの分子式を持つ下記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を主成分とし、脂肪酸部分及びスフィンゴイド塩基部分が異なる下記構造式(2)〜(5)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を含む混合物であると推定された。
<3.GC−MS分析による脂肪酸部分の構造同定>
ガス・クロマトグラフを直結した質量分析計(Gas Chromatography−Mass Spectrometer;GC−MS)により、以下の手順で、脂肪酸部分の構造同定を行った。
被験試料中の糖脂質100μg〜200μg当たり2.5体積%無水塩酸メタノール0.3mLを加えて80℃で12時間加水分解した(メタノリシス)。反応液に等量のヘキサンを加え、生成した脂肪酸メチルエステルをヘキサンで抽出した。ヘキサン抽出を3回繰り返し、得られたヘキサン層を一度窒素気流下で乾固した後、残渣にトリメチルシリル(TMS)化試薬(ピリジン:1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS):トリメチルクロロシラン(TMCS)=1:1.3:0.8、体積比)200μLを加え、60℃で10分間加熱した。反応液を遠心分離し、得られた上清0.2μLをGC−MSにて分析した。GC−MS分析のカラムには、J&W Scientific社のDB−5M(0.25mm×30m)を用い、カラム温度は試料注入後、最初の1分間は60℃に保ち、その後、毎分8℃で300℃まで昇温させ、300℃で9分間保つ条件で行った。
GC−MSによる脂肪酸部分解析の結果、主成分のヒドロキシ脂肪酸誘導体を構成する脂肪酸部分が、炭素数20の直鎖α−ヒドロキシ酸であることが同定できた。また、被験試料に由来する脂肪酸部分としては、炭素数がそれぞれ18、19、20、21、22、23、24、25、26の直鎖α−ヒドロキシ酸が同定できた。
<4.GC−MS分析によるスフィンゴイド塩基部分の構造同定>
被験試料中の糖脂質200μg当たり水性塩酸メタノール(濃塩酸8.6mL、水0.4mL、メタノール41.0mLを混合して調製)0.3mLを加えて75℃で16時間加水分解した。反応液に等量のヘキサンを加え、脂肪酸メチルエステルをヘキサンで抽出除去した。酸性メタノール層を窒素気流下で乾固した後、0.1N水酸化ナトリウム溶液0.6mLとメタノール1.0mLを加え、次いでクロロホルム2.0mLを加えて混合し、遠心分離して上層を除去した。下層のクロロホルム層をFolchの上層(クロロホルム:メタノール:水=1:50:49、体積比)で2回洗浄した。得られたクロロホルム層を窒素気流下で乾固した後、残渣にTMS化試薬(ピリジン:HMDS:TMCS=1:1.3:0.8、体積比)100μLを加え、60℃で10分間加熱した。反応液を遠心分離し、得られた上清0.2μLをGC−MSにて分析した。GC−MSの分析は、脂肪酸分析と同じ条件で行った。
GC−MSによるスフィンゴイド塩基部分解析の結果、主成分のグルコシルセラミドを構成するスフィンゴイド塩基部分が、2−アミノ−4,8−オクタデシジエン−1,3−ジオールであることが同定できた。また、被験試料に由来するスフィンゴイド塩基部分としては、2−アミノ−4,8−オクタデシジエン−1,3−ジオール及び2−アミノ−4−オクタデセン−1,3,4−トリオールが同定できた。
<5.ヒドロキシ脂肪酸誘導体の同定>
以上の分析結果から、上記MALDI−TOFMS分析で推定した通り、前記パイナップルセラミドに含まれるヒドロキシ脂肪酸誘導体の主成分は、グルコシル基と、脂肪酸として炭素数20の直鎖α−ヒドロキシ酸と、スフィンゴイド塩基として2−アミノ−4,8−オクタデシジエン−1,3−ジオールからなる、化学式C4483NOの前記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体であることが確認できた。また、前記パイナップルセラミドは、前記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を主成分として、更にその脂肪酸部分の炭素数及びスフィンゴイド塩基が異なる前記構造式(2)〜(5)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を含む混合物であることが確認できた。
(実施例1:パイナップルセラミド配合チュアブルの製造)
下記表1に示される組成のパイナップルセラミド配合チュアブルを製造した。
製造例1のグルコシルセラミド20質量%含有パインセラミド6g、デンプン(エフメルト(登録商標)F−1、富士化学工業株式会社製)250g、デキストリン(松谷化学工業株式会社製)121.5g、セルロース(株式会社伏見製造所製)100g、微粒酸化ケイ素(富士シリア化学株式会社製)7.5g、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製)15gを用いて、パイナップルセラミド配合チュアブルを製造した。前記チュアブルの製造方法としては、周知の方法を用いた。
得られたパイナップルセラミド配合チュアブルの組成(各成分の含有量)を表1に示す。
(比較例1:パイナップルセラミド無配合チュアブルの製造)
実施例1のパイナップルセラミドの代わりに、色素(クチナシ色素、粉末サンエロー(登録商標)No.2FU、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)4gを用いた以外は、実施例1と同様にして、パイナップルセラミド無配合チュアブル(プラセボ)を製造した。得られたパイナップルセラミド無配合チュアブルの組成(各成分の含有量)を表2に示す。
口腔内乾燥の改善試験
被験者に4週間、毎日、昼食後1時間以内に実施例1のパイナップルセラミド配合チュアブル、又は比較例1のパイナップルセラミド無配合チュアブル(プラセボ)のどちらかを、口腔内に5分以上、飴を舐める感覚で保持する形式で摂取してもらった。その際、各被験者には、自身が摂取しているものが、パイナップルセラミド配合チュアブルとパイナップルセラミド無配合チュアブル(プラセボ)のどちらであるかは告げなかった。
被験者は計12名(男性5名、女性7名)であった。以下、パイナップルセラミド配合チュアブルを4週間摂取した被験者をパインセラ群、パイナップルセラミド無配合チュアブル(プラセボ)を4週間摂取した被験者をプラセボ群と称する。
(パインセラ群)
人数: 6名
年齢: 平均47.5歳
(プラセボ群)
人数: 6名
年齢: 平均44.2歳
以下、口腔内乾燥の改善効果について評価を行った。
試験期間(2012年9月29日〜2012年10月27日)の温度及び湿度を図1に示す。
(試験例1:口腔内の肉眼観察評価)
各被験者の口腔内の状態について、摂取前、及び摂取4週間後のそれぞれの時期に、肉眼で観察し、下記の5段階評価で評価した。
A : 乾燥した舌粘膜や頬粘膜が認められる
B : 唾液の塊や唾液中の泡が認められる
C : 唾液の粘稠度が増加している
D : 口蓋及び舌背が唾液で湿っている
E : 口蓋及び舌背上の唾液が十分に見える
評価結果を表3に示す。
前記表3に示した肉眼観察による評価結果をグラフ化したものを図2A(プラセボ群)及び図2B(パインセラ群)に示す。
パインセラ群において、摂取4週間後で口腔内状態の改善がみられた。
(試験例2:口腔内水分量の測定)
各被験者の口腔内水分量について、摂取前、及び摂取4週間後のそれぞれの時期に口腔水分計(ムーカス(登録商標)、株式会社ライフ製)を用いて、測定を3回行い、その中央値を採用した。結果を図3A〜図3Cに示す。
図3Aは、各被験者におけるチュアブル摂取前後の口腔水分測定値を示す。
図3Bは、各被験者におけるチュアブル摂取前後の口腔水分測定値の増減量(チュアブル摂取前を100%とした相対値)を示す。
図3Cは、各群で、チュアブル摂取前後の口腔水分測定値の増減量をまとめた結果を示す。口腔水分計による測定値を、Parametric−testであるt検定を用いて比較した。
口腔水分計により口腔内水分量を測定した結果、プラセボ群では摂取前後で口腔内水分量が低下していたのに対して、パインセラ摂取群では摂取前後で唾液分泌に大きな差はなく、プラゼボ群と比較し、有意な差が確認された。
(試験例3:口腔乾燥に関する自覚症状の評価)
摂取前、及び摂取4週間後のそれぞれの時期に口腔乾燥の自覚症状に関するアンケート(下記の5段階評価の中から選択)に対して、各被験者が直接記入、回答した結果を集計した。
A : ひどく乾燥している
B : 乾燥している
C : やや乾燥している
D : あまり乾燥していない
E : 全く乾燥していない
評価結果を表4に示す。
前記表4に示したアンケートの結果をグラフ化したものを図4A(プラセボ群)及び図4B(パインセラ群)に示す。
(試験例4:VAS法による評価)
主観的な項目である自覚的口腔乾燥症状を数値化するためにVAS(visual analog scale)法を用いた。VAS法により乾燥症状3項目(「口腔内の潤い」、「寝起きの口腔内のネバネバ感」、「***の潤い」)を評価した。スケールは10.0cmとし、被験者には主観を2点の間で自由に印してもらい、0.0cmの点からの長さを測定した。
「口腔内の潤い」については、0.0cmの点を「全く感じない」、10.0cmの点を「最も潤っている」とした。
「寝起きの口腔内のネバネバ感」については、0.0cmの点を「全く感じない」、10.0cmの点を「最もネバネバしている」とした。
「***の潤い」については、0.0cmの点を「全く感じない」、10.0cmの点を「最も潤っている」とした。
図5Aは、「口腔内の潤い」に関するVAS値をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示す。
図5Bは、「口腔内の潤い」に関するVAS値の増減をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示す。
図5Cは、「寝起きの口腔内のネバネバ感」に関するVAS値をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示す。
図5Dは、「寝起きの口腔内のネバネバ感」に関するVAS値の増減をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示す。
図5Eは、「***の潤い」に関するVAS値をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示す。
図5Fは、「***の潤い」に関するVAS値の増減をプラセボ群とパインセラ群でまとめた結果を示す。
「寝起きの口腔内のネバネバ感」、及び「***の潤い」について、プラセボ群と比較して、パインセラ群で改善効果が確認された。
(実施例2:アクアポリン3mRNA発現促進作用試験)
製造例1のグルコシルセラミド20質量%含有パイナップルセラミドを被験試料として用い、下記の試験方法により、アクアポリン3(AQP3)産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児***表皮角化細胞(NHEK)を80cmフラスコで正常ヒト表皮角化細胞増殖用無血清液体培地(Epilife−KG2、倉敷紡績株式会社製)を用いて、37℃、5%COの条件下にて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。
培地にEpilife−KG2を用いて、回収した細胞を35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10細胞/2mLずつ播種し、37℃、5%COの条件下で24時間培養した。24時間後に培養液を捨て、Epilife−KG2で必要濃度に溶解した被験試料(試料濃度:50μg/mL)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%COの条件下にて24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN(Cat.No.311−02501、ニッポンジーン株式会社製)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計(日本分光株式会社製)にて測定し、200μg/mLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型として、AQP3及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出は、リアルタイムPCR装置SmartCycler(登録商標)(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBER PrimeScript(登録商標)RT−PCR kit(Perfect Real Time,code No. RR063A、タカラバイオ株式会社製)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。
AQP3のmRNA発現促進率(%)は、被験試料無添加及び被験試料添加でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に被験試料無添加の補正値を100としたときの被験試料添加の補正値を算出した。結果を表5に示す。
AQP3のmRNA発現促進率(%)の計算方法は以下の通りである。
AQP3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
ただし、前記式中、Aは被験試料添加時の補正値を表し、Bは被験試料無添加時(コントロール)の補正値を表す。
グルコシルセラミド20質量%含有パイナップルセラミドには、添加濃度50μg/mL時においてコントロールと比べて約2.2倍のAQP3 mRNA発現促進作用が認められた。
ちなみに、レチノイン酸を10μM濃度になるように添加した陽性対照実験におけるAQP3 mRNA発現促進率は、518.1%であった。
(実施例3:アクアポリン5mRNA発現促進作用試験)
製造例1のグルコシルセラミド20質量%含有パイナップルセラミドを被験試料として用い、下記の試験方法により、アクアポリン5(AQP5)産生促進作用を試験した。
マウス肺胞上皮細胞株(MLE−12)を80cmのフラスコで4質量%FBS含有D−MEMにて37℃、5%CO下で培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。
培地に4質量%FBS含有D−MEMを用いて、回収した細胞を35mmシャーレ(FALCON社製)に90×10細胞/2mLずつ播種し、37℃、5%COの条件下で24時間培養した。24時間後に培養液を捨て、4質量%FBS含有D−MEMで必要濃度に溶解した被験試料(試料濃度:0.2μg/mL又は12.5μg/mL)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%COの条件下にて24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN(Cat.No.311−02501、ニッポンジーン株式会社製)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計(日本分光株式会社製)にて測定し、200μg/mLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型として、AQP5及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出は、リアルタイムPCR装置SmartCycler(登録商標)(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBER PrimeScript(登録商標)RT−PCR kit(Perfect Real Time,code No. RR063A、タカラバイオ株式会社製)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。
AQP5のmRNA発現促進率(%)は、被験試料無添加及び被験試料添加でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に被験試料無添加の補正値を100としたときの被験試料添加の補正値を算出した。結果を表6に示す。
AQP5のmRNA発現促進促進率(%)の計算方法は以下の通りである。
AQP5 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
ただし、前記式中、Aは被験試料添加時の補正値を表し、Bは被験試料無添加時(コントロール)の補正値を表す。
グルコシルセラミド20質量%含有パイナップルセラミドは、AQP5 mRNA発現促進作用を示した。
ちなみに、レチノイン酸を10μM濃度になるように添加した陽性対照実験におけるAQP5 mRNA発現促進率は、241.2%であった。
本発明の口腔用医薬組成物、口腔乾燥症改善剤、口腔乾燥症予防剤、及びアクアポリン産生促進剤は、安全性に優れ日常的に摂取可能であり、かつ安価でありながら、優れた口腔内乾燥症改善、予防効果、及びアクアポリン産生促進作用を有するので、口腔用剤、皮膚用剤、美容用飲食品の成分や、研究用の試薬として好適に利用可能である。

Claims (5)

  1. 下記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を含有することを特徴とする口腔用医薬組成物(ただし、カンジダ菌に対する抗菌剤としての用途を除く。)
  2. 下記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を含有することを特徴とする口腔乾燥症改善剤(ただし、カンジダ菌に対する口腔乾燥症改善剤としての用途を除く。)。
  3. 下記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を含有することを特徴とする口腔乾燥症予防剤(ただし、カンジダ菌に対する口腔乾燥症予防剤としての用途を除く。)。
  4. 下記構造式(1)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体を含有することを特徴とするアクアポリン産生促進剤。
  5. 下記構造式(2)から(5)で表されるヒドロキシ脂肪酸誘導体の少なくともいずれかを更に含有する請求項1に記載の口腔用医薬組成物、請求項2に記載の口腔乾燥症改善剤、請求項3に記載の口腔乾燥症予防剤、又は請求項4に記載のアクアポリン産生促進剤。
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