JP6037317B2 - モータ制御装置、モータ制御方法および送風装置 - Google Patents

モータ制御装置、モータ制御方法および送風装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御装置、モータ制御方法および送風装置に関し、特に、換気や冷暖房を行う空調システムにおける送風機の風量制御方法に関する。
換気や冷暖房を行う空調システム、特に1つの送風機からの風をダクトを通じて1または複数の部屋に送るような空調システムにおいて、送風機を有する空調装置の設置状態や使用状態によって、空調システムの圧力損失を決める条件(以下、「圧損条件」と呼ぶ)が異なる。例えば、空調装置に接続されたダクトの形状や長さの違いにより圧損条件が異なる。また、空調装置の吐出口や吸込口に取り付けられたフィルタの目詰まりにより圧損条件の経時変化が生じる。この圧損条件の差異や経時変化によって、所定の風量を得るために必要な静圧も変わってくる。このため、同一仕様の複数台の空調装置を、同一のトルクないしは回転速度で駆動しても、得られる風量がばらつく場合がある。あるいは、ある空調装置を一定のトルクないしは回転速度で駆動しても、風量を一定に維持できない場合がある。そこで、近年、圧損条件や静圧が変化しても、風量を目標風量に維持するように制御(以下、「風量一定制御」と呼ぶ)することが求められている。
風量一定制御を実現する技術として、例えば圧力センサを用いる方式がある。しかし、設置容易性や長期使用時の信頼性に問題がある。そこで、圧力センサを用いることなく、風量一定制御に必要な送風機固有の特性(以下、「ブロワ特性」と呼ぶ)を利用する種々の方式が検討されている。このような方式では、風量一定制御による運転に先立って、事前に送風機のモータの物理量(モータ速度、モータトルク等)と風量との関係を計測する計測実験を行う。そして、この計測実験で得られたブロワ特性を利用して風量一定制御を行っている。
このような風量一定制御の技術として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1に示される従来の技術によれば、送風機を駆動するモータの指示速度を下記の式(1)から算出している。
Figure 0006037317
ここで、Sはモータの指示速度、Sはモータ速度、Saは目標モータ速度、Kはゲインである。目標モータ速度Saは下記の式(2)から算出している。
Figure 0006037317
ここで、Tはモータトルク、Qは目標風量、knm(n=0,1,2,・・・,j、m=0,1,2,・・・,i)は定数、そしてiおよびjは有限値である。式(2)はモータトルクがTの場合に風量が目標風量Qになるために必要なモータ速度がSaであるという関係を表す式である。
定数knmは送風機に固有の係数であり、予め計測実験を行うことにより求められる。この計測実験において、まず送風機を風洞実験設備に接続し、異なる静圧下でモータ速度を変えながらモータトルクと風量を計測する。そして、式(2)がこの計測データを平均的に満足する回帰式となるように、最小二乗法を用いて定数knmの値を算出する。
特許文献1記載のモータ制御装置は、上記のように、事前に計測実験により求めた定数knmを適用した式(2)と式(1)によって指示速度Sを計算し、モータ速度Sを該指示速度Sに追従させる速度制御を行うことによって風量一定制御を実現している。
国際公開第2008/117515号
特許文献1に示されている従来の技術において、風量一定制御時に風量が目標風量とどのくらいの精度で一致しているかは、式(2)が実際の送風機のブロワ特性をどのくらい正確に回帰できているかに依存する。つまり、定数knmの正確度に依存する。仮に誤差を含む定数knmを式(2)に用いた場合、誤ったブロワ特性に基づいてモータが制御されるため、風量誤差が生じ、所望の目標風量が得られなくなる。
定数knmの正確度は、取得した計測データから回帰式である式(2)を得る際の回帰誤差に大きく影響される。回帰誤差を小さく抑えるためには、十分な計測データ数および十分な計測範囲を確保しながら計測実験を行う必要がある。なぜなら、計測データ数が少ないと、計測データと計測データの間のブロワ特性を正確に回帰できず、また、計測範囲が十分でないと、計測した範囲より外側のブロワ特性を正確に回帰できないためである。
特許文献1に示されている従来の技術では、十分な計測範囲を確保するために、静圧およびモータ速度の両方を実際の使用範囲全体に渡って変化させる必要があった。つまり、風洞実験設備の静圧を、風量一定制御による運転時に想定される静圧の変化幅の全体に渡って変化させ、なおかつモータ速度を、風量一定制御による運転時に使用するモータ速度範囲全体に渡って変化させながら計測を行う必要があった。このため、多数のデータを計測しなければならず、その結果として多くの実験工数を必要とする課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、実験工数を少なくしつつ、圧損条件や静圧の変化によらず精度よく風量一定制御を行うことができるモータ制御装置、モータ制御方法および送風装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある態様におけるモータ制御装置は、送風機を駆動するモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータのモータ速度を取得し、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量およびモータ速度に基づいて計算する目標モータ出力計算部と、前記モータのモータ出力を取得し、前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータの物理量を制御する動作指令を生成する動作指令生成部と、を備え、前記目標モータ出力計算部は、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算するものである。
上記構成によれば、目標風量を達成するモータ出力を自動的に探索しながらモータを制御するため、圧損条件や静圧が変化しても風量一定制御を実現できる。また、目標モータ出力が、目標風量をモータ速度で除した変数の多項式とモータ速度の3乗との積として求められるため、実験工数を少なくしつつ、圧損条件や静圧の変化によらず精度よく風量一定制御を行うことができる。
また、本発明の他の態様におけるモータ制御方法は、送風機を駆動するモータを制御するモータ制御方法であって、前記モータのモータ速度を取得し、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量およびモータ速度に基づいて計算する第1のステップと、前記モータのモータ出力を取得し、前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータの物理量を制御する動作指令を生成する第2のステップと、を含み、前記第1のステップは、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算するものである。
上記方法によれば、目標風量を達成するモータ出力を自動的に探索しながらモータを制御するため、圧損条件や静圧が変化しても風量一定制御を実現できる。また、目標モータ出力が、目標風量をモータ速度で除した変数の多項式とモータ速度の3乗との積として求められるため、実験工数を少なくしつつ、圧損条件や静圧の変化によらず精度よく風量一定制御を行うことができる。
また、本発明の他の態様における送風装置は、送風機と、前記送風機を駆動するモータと、前記モータを駆動するモータ駆動装置とを備える送風装置であって、前記モータ制御装置は、上記構成を備えているものである。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明は以上に説明したように構成され、実験工数を少なくしつつ、圧損条件や静圧の変化によらず精度よく風量一定制御を行うことができるという効果を奏する。
図1は本発明に係る実施形態1におけるモータ制御装置が適用された空調装置を示すブロック図である。 図2は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置におけるモータトルク−モータ速度特性を示すグラフである。 図3は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置におけるモータ出力−モータ速度特性を示すグラフである。 図4は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置における目標モータ出力計算部および速度指令生成部の処理を示すフローチャートである。 図5は本発明に係る実施形態2におけるモータ制御装置を示すブロック図である。 図6は本発明に係る実施形態2のモータ制御装置におけるモータトルク−モータ速度特性を示すグラフである。 図7は本発明に係る実施形態2のモータ制御装置における目標モータ出力計算部115とトルク指令生成部の処理を示すフローチャートである。 図8は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置においてブロワ係数を算出するための構成を示すブロック図である。 図9は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置においてブロワ係数を算出するための実施手順を示すフローチャートである。 図10は表1の計測データおよびその回帰曲線をプロットした風量−モータ出力特性を示すグラフである。 図11は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置においてブロワ係数を算出する際の試験運転のための構成の一例を示すブロック図である。 図12は本発明に係る実施形態1におけるモータ制御装置の変形例を示すブロック図である。 図13は本発明に係る実施形態2におけるモータ制御装置の変形例を示すブロック図である。
(本発明の概要)
まず、本発明の概要について説明する。前述したとおり、風量一定制御を行う方法として、従来のモータ制御装置においては、送風機ごとに、風量一定制御に必要な送風機固有のブロワ特性(モータの物理量と風量との関係)を得るための計測実験が事前に行われる。このような計測実験において、従来の構成では、前述した式(2)に基づいて計測実験を行っていため、モータの物理量と風量との関係には一義性がなかった。そのため、計測実験においては、風量に関連する静圧とモータの物理量であるモータ速度との両方を実際の使用範囲全体に渡って変化させる必要があった。つまり、風洞実験設備の静圧を、風量一定制御による運転時に想定される静圧の変化幅の全体に渡って変化させ、なおかつモータ速度を、風量一定制御による運転時に使用するモータ速度範囲全体に渡って変化させながら計測を行う必要があった。このため、実験工数が多く、計測実験の結果として得られる係数も近似的なものとなり、精度を高くするのは難しかった。
そこで、本発明の発明者らは、以上の問題点を踏まえ、鋭意研究した結果、流れの相似性(Similarity of flows)の概念をこのようなモータ制御装置に導入することにより、
モータの物理量と風量との関係において一義性を見い出すことができるという知見を得た。具体的には、流れの相似性においてモータ出力がモータ速度の3乗に比例し、風量がモータ速度に比例することを利用し、風量一定制御を、目標風量をモータ速度で除した変数の多項式と、モータ速度の3乗との積として計算される目標モータ出力を用いて制御する。このようにモータ速度およびモータ出力と風量との関係が一義的となる式を用いることにより、1つのモータ速度でデータ計測を行えばすべてのモータ速度に適用可能なブロワ係数の値を求めることができる。したがって、少ない実験工数によっても圧損条件や静圧の変化によらず精度よく風量一定制御を実現することができる。
以下、本発明の実施形態で利用される目標モータ出力の導出式について説明する。
ある送風機をあるモータによって1つのモータ速度ωで駆動させ、当該1つのモータ速度ωを維持しながら送風機が設置されている環境の静圧を変化させたとする。そして、このときのモータ出力Pと風量Qとの関係が、下記の多項式(3)に回帰されるとする。
Figure 0006037317
ここで、iは0以上の整数で回帰式の次数を表す有限値、Kは回帰式の係数を表す定数(n=0,1,2,・・・,i)である。
一般にファンやブロアなどの送風機において、流れの相似性により、軸動力は回転速度の3乗に比例し、風量は回転速度に比例する。この法則は送風機以外の一般の流体機械においても成り立つ。ここで、送風機とモータの軸とがぶれたりずれたりせずに結合されているならば、送風機の軸動力はモータ出力に等しく、送風機の回転速度はモータ速度に等しいとみなせる。したがって上記流れの相似性により下記の式(4)および式(5)が成り立つ。
Figure 0006037317
Figure 0006037317
上記2式は、送風機を駆動するモータのモータ速度がωからωに変化したとき、モータ出力がモータ速度の変化率(ω/ω)の3乗の比率でPからPに変化し、同時に風量がモータ速度の変化率(ω/ω)と同じ比率でQからQに変化するという関係を表す。ここで、式(4)および式(5)を式(3)に適用すると、下記の式(6)が導出される。
Figure 0006037317
ここで、Pはモータ出力、ωはモータ速度、Qは風量、iは0以上の整数で式(3)の次数と同じ有限値、Kは式(3)の係数と同じ定数(n=0,1,2,・・・,i)、ωは式(3)を得る際の特定のモータ速度である。
上記の式(6)は、任意のモータ速度ωに対し風量がQになるようなモータ出力がPであるという関係を表す。ここで、風量Qを目標風量Q、モータ出力Pを目標モータ出力Pで置き換え、定数K、ωをそれぞれα、βで置き換えると、以下の式(7)が導出される。
Figure 0006037317
ここで、ωはモータ速度、Qは目標風量、iは0以上の整数で有限値、α(n=0,1,2,・・・,i)とβは定数である。
上記の式(7)において、目標風量Qをモータ速度ωで除した変数の多項式が(α/β3−n)・(ω/Qに相当し、この多項式にモータ速度ωの3乗ωをかけることにより、式(7)が得られる。
以上により、1つのモータ速度ωで送風機を駆動させながらモータ出力と風量とを計測し、その計測結果を式(3)に回帰すれば、ωとKとからただちにブロワ係数α、βの値を決定できる。
以上より、本発明のある態様に係るモータ制御装置は、送風機を駆動するモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータのモータ速度を取得し、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量およびモータ速度に基づいて計算する目標モータ出力計算部と、前記モータのモータ出力を取得し、前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータの物理量を制御する動作指令を生成する動作指令生成部と、を備え、前記目標モータ出力計算部は、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算するものである。
前記目標モータ出力計算部は、上記の式(7)によって前記目標モータ出力を計算してもよい。
前記モータ制御装置は、前記モータ速度を示す第1の検出信号およびモータトルクを示す第2の検出信号を取得し、前記第1の検出信号および前記第2の検出信号に基づいて前記モータ出力を計算するモータ出力計算部を有してもよい。
前記動作指令生成部は、前記動作指令として前記モータ速度の値を指令する速度指令を生成する速度指令生成部として構成されてもよい。
前記動作指令生成部は、前記動作指令としてモータトルクの値を指令するトルク指令を生成するトルク指令生成部として構成されてもよい。
前記速度指令生成部は、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の3乗根を前記モータ速度に乗じた結果を前記速度指令として生成してもよい。
前記トルク指令生成部は、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の(2/3)乗を前記モータトルクに乗じた結果を前記トルク指令として生成してもよい。
前記速度指令生成部は、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分を積分演算した値を利用して前記速度指令を生成してもよい。
前記トルク指令生成部は、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分を積分演算した値を利用して前記トルク指令を生成してもよい。
前記速度指令生成部は、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータ速度との和を利用して前記速度指令を生成してもよい。
前記トルク指令生成部は、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータトルクとの和を利用して前記トルク指令を生成してもよい。
前記モータ制御装置は、最大モータ出力を記憶する記憶手段を備え、前記目標モータ出力計算部は、前記目標モータ出力を前記最大モータ出力以下に制限して前記動作指令生成部に出力してもよい。
前記モータ制御装置は、所定の最小モータ速度および最小モータ速度より大きい最大モータ速度を記憶する記憶手段を備え、前記速度指令生成部は、前記速度指令を前記最小モータ速度と前記最大モータ速度との間の範囲内に制限してもよい。
前記モータ制御装置は、最小モータトルクおよび最大モータトルクを記憶する記憶手段を備え、前記トルク指令生成部は、前記トルク指令を前記最小モータトルクおよび前記最大モータトルクの範囲内に制限してもよい。
前記動作指令生成部は、今回得られた前記モータトルクと前回得られたモータトルクとの差が第1の所定の範囲内である場合と、今回得られた前記モータ出力と前回得られたモータ出力との差が第2の所定の範囲内である場合と、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差が第3の所定の範囲内である場合との少なくともいずれか1つの場合に、前回出力した動作指令と同じ値の前記動作指令を出力してもよい。
前記トルク指令生成部は、前記トルク指令と前記モータトルクとの差が第4の所定の範囲内である場合には、前回出力したトルク指令と同じ値の前記トルク指令を出力してもよい。
前記モータ制御装置は、前記モータ速度を前記速度指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成する速度制御部を有してもよい。
前記モータ制御装置は、前記モータトルクを前記トルク指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成するトルク制御部を有してもよい。
前記モータ速度を示す前記第1の検出信号は、前記モータ速度を検出する第1の検出部により出力されてもよい。
前記モータトルクを示す前記第2の検出信号は、前記モータトルクまたは前記モータに流れる電流を検出する第2の検出部により出力されてもよい。
前記モータ制御装置は、前記目標風量を記憶するメモリを有してもよい。
前記メモリは、複数の風量値を記憶し、前記目標モータ出力計算部は、前記複数の風量値のうちの1つを前記目標風量として選択してもよい。
前記モータ制御装置は、手動で操作されるスイッチを有し、前記スイッチの操作によって前記複数の風量値のうちの1つを前記目標風量として選択可能に構成されてもよい。
前記モータ制御装置は、前記複数の風量値から前記目標風量を選択する選択信号を受信する通信部を有してもよい。
前記モータ制御装置は、前記目標風量を指示する信号を受信する通信部を有してもよい。
前記モータ制御装置は、少なくとも前記目標モータ出力計算部および前記動作指令生成部を有する第1のユニットと、少なくとも前記速度制御部または前記トルク制御部を有する第2のユニットとを備え、前記第1のユニットと前記第2のユニットとの間でデータ通信を行うこととしてもよい。
前記第1のユニットは、前記データ通信によって少なくとも前記動作指令を前記第2のユニットに送信し、前記第2のユニットは、前記データ通信によって前記第1の検出信号および前記第2の検出信号を前記第1のユニットに送信してもよい。
また、本発明の他の態様に係るモータ制御方法は、送風機を駆動するモータを制御するモータ制御方法であって、前記モータのモータ速度を取得し、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量およびモータ速度に基づいて計算する第1のステップと、前記モータのモータ出力を取得し、前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータの物理量を制御する動作指令を生成する第2のステップと、を含み、前記第1のステップは、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算するものである。
前記第1のステップは、上記の式(7)によって前記目標モータ出力を計算してもよい。
前記モータ制御方法は、前記モータ出力を、前記モータ速度を示す第1の変動量と、モータトルクを示す第2の変動量に基づいて計算する第3のステップを含んでもよい。
前記動作指令は、前記モータ速度を指令する速度指令であってもよい。
前記動作指令は、前記モータトルクを指令するトルク指令であってもよい。
前記第2のステップは、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の3乗根を前記モータ速度に乗じた結果を前記速度指令として生成してもよい。
前記第2のステップは、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の(2/3)乗を前記モータトルクに乗じた結果を前記トルク指令として生成してもよい。
前記第2のステップは、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分を積分演算した値を利用して前記速度指令を生成してもよい。
前記第2のステップは、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分を積分演算した値を利用して前記トルク指令を生成してもよい。
前記第2のステップは、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータ速度との和を利用して前記速度指令を生成してもよい。
前記第2のステップは、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータトルクとの和を利用して前記トルク指令を生成してもよい。
前記第1のステップは、前記目標モータ出力を所定の最大モータ出力以下に範囲内に制限して出力してもよい。
前記第2のステップは、前記速度指令を所定の最小モータ速度と当該最小モータ速度より大きい最大モータ速度との間の範囲内に制限して出力してもよい。
前記モータ制御方法は、最小モータトルクおよび最大モータトルクを記憶するステップを含み、前記第2のステップは、前記トルク指令を所定の最小モータトルクと当該最小モータトルクより大きい最大モータトルクとの間の範囲内に制限して出力してもよい。
前記モータトルクと前回得られたモータトルクとの差が第1の所定の範囲外である場合と、前記モータ出力と前回得られたモータ出力との差が第2の所定の範囲外である場合と、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差が第3の所定の範囲外である場合との少なくともいずれか1つの場合に、前記動作指令を前回出力した動作指令と同じ値に設定する第4のステップを含んでもよい。
前記モータ制御方法は、前記トルク指令と前記モータトルクとの差が第4の所定の範囲内である場合には、前記トルク指令を前回出力したトルク指令と同じ値に設定する第5のステップを含んでもよい。
前記モータ制御方法は、前記モータ速度を前記速度指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成する第6のステップを含んでもよい。
前記モータ制御方法は、前記モータトルクを前記トルク指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成する第7のステップを含んでもよい。
前記モータ速度を示す前記第1の変動量は、前記モータ速度を検出する第1の検出部により出力されてもよい。
前記モータトルクを示す前記第2の変動量は、前記モータトルクまたは前記モータに流れる電流を検出する第2の検出部により出力されてもよい。
前記モータ制御方法は、前記送風機を前記モータによって1つのモータ速度で駆動させながら前記モータ出力と前記風量とを測定し、得られた前記モータ出力を得られた前記風量に関する多項式に回帰または近似させて前記多項式の係数を求め、得られた前記多項式の係数が前記定数αの因数となるように前記定数αの値を演算し、前記モータ出力および前記風量の測定で用いた前記1つのモータ速度を前記定数βの値としてもよい。
前記モータ制御方法は、前記風量に関する多項式に回帰または近似させて得られた前記多項式の係数を前記定数αの値としてもよい。
前記モータ制御方法は、前記風量に関する多項式に回帰または近似させて得られた前記多項式の係数に前記送風機の寸法の変化比率の整数乗を乗算した値を前記定数αの値としてもよい。
また、本発明の他の態様に係る送風装置は、送風機と、前記送風機を駆動するモータと、前記モータの駆動を制御するモータ制御装置とを備える送風装置であって、前記モータ制御装置は、モータ速度を示す第1の検出信号およびモータトルクを示す第2の検出信号を取得し、前記モータ速度および前記モータトルクに基づいてモータ出力を計算するモータ出力計算部と、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量および前記モータ速度に基づいて計算する目標モータ出力計算部と、前記モータ出力と前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータ速度を制御する速度指令を生成する速度指令生成部と、前記モータ速度を前記速度指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成する速度制御部を備え、前記目標モータ出力計算部は、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算するものである。
また、本発明の他の態様に係る送風装置は、送風機と、前記送風機を駆動するモータと、前記モータを駆動するモータ駆動装置を備える送風装置であって、前記モータ駆動装置は、モータ速度を示す第1の検出信号およびモータトルクを示す第2の検出信号を取得し、前記モータ速度および前記モータトルクに基づいてモータ出力を計算するモータ出力計算部と、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量および前記モータ速度に基づいて計算する目標モータ出力計算部と、前記モータ出力と前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータトルクを制御するトルク指令を生成するトルク指令生成部と、前記モータトルクを前記トルク指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成するトルク制御部を備え、前記目標モータ出力計算部は、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算するものである。
前記送風装置は、空調装置に搭載されてもよい。
前記空調装置は、一般家屋、業務用建築物、商業用建築物、クリーンルームおよび業務用空調設備のうちのいずれか1つに備えられてもよい。
前記空調装置は、車、バス、鉄道車両、航空機および船舶のうちのいずれか1つに備えられてもよい。
以下、本発明の実施形態におけるモータ制御装置およびモータ制御方法について、図面を参照しながら説明する。下記実施形態のモータ制御装置において行われる風量一定制御は、圧損条件や静圧の変化によらず風量を目標風量に維持するものである。本実施形態におけるブロワ係数の算出例においては、このような風量一定制御を実現するために必要な送風機固有のブロワ係数を得るために実施される計測実験およびそれに基づく計算について説明する。この計測実験およびそれに基づく計算は、風量一定制御に先立って実施される。なお、これらの実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る実施形態1におけるモータ制御装置が適用された空調装置を示すブロック図である。図1に示されるように、本実施形態の送風装置として構成される空調装置101は、送風経路102へ空気を送り込む送風機104、送風機104を駆動するモータ105、交流電源103からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ106、直流電力を交流電力に変換してモータ105に供給するインバータ107、モータ105の回転子(図示せず)の位置を検出する位置検出器108、モータ105の電流を検出する電流検出器109、および空調装置101の風量を目標風量Qに制御するモータ制御装置110を備えている。
モータ制御装置110は、位置検出器108の出力信号からモータ速度ωを検出する速度検出部111、電流検出器109の出力信号からモータトルクTを検出するトルク検出部112、モータ速度ωとモータトルクTとに基づいてモータ105のモータ出力Pを計算するモータ出力計算部113、外部入力された目標風量Qを記憶するメモリ114、モータ速度ωとメモリ114から読み出した目標風量Qとに基づいて目標モータ出力Pを計算する目標モータ出力計算部115、モータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるようにモータ105の速度指令ωを生成する速度指令生成部116、モータ速度ωを速度指令ωに追従させるためのインバータへの駆動制御信号を出力する速度制御部117、およびスイッチ118を備えている。本実施形態における速度検出部111は、第1の変動量であるモータ速度を示す第2の検出信号を検出する第1の検出部として機能し、トルク検出部112は、第2の変動量であるモータトルクを示す第2の検出信号を検出する第2の検出部として機能し、速度指令生成部116は、モータの物理量として速度を制御する動作指令生成部として機能する。
次に、図1に示す空調装置101の動作および構成要素の詳細を説明する。送風機104は送風経路102を通じて所望の場所へ空気を供給する。送風機104は、本実施形態において多翼ファンである。ただし、送風機104の構造や形式は特に限定されるものではなく、多翼ファンでなくてもよい。モータ105は送風機104と結合された状態で回転して、送風機104を駆動する。モータ105は、本実施形態において永久磁石同期モータである。ただし、モータ105の構造や形式は特に限定されるものではなく、他のモータ、例えば誘導モータや電磁石同期モータでもよい。コンバータ106は、交流電源103の交流電圧を整流・平滑して、所定の直流電圧に変換する。インバータ107は、モータ制御装置110から入力される駆動制御信号に従って半導体スイッチングを行い、コンバータ106からの直流電圧を交流電圧に変換して、モータ105に駆動電圧として供給する。ここで、インバータ107内部におけるスイッチ構成やスイッチング方式は、モータ105を駆動する目的に適合していれば、特に限定されるものではない。位置検出器108はモータ105に取り付けられており、モータ105の回転子(図示せず)の位置に応じた信号を出力する。なお、回転子の位置や速度を推定によって検出できる場合には、位置検出器108は不要である。電流検出器109は、モータの相電流を直接検出し、相電流値に応じた信号を出力する。なお、検出した電流からモータトルクを推定できる限り、いかなる部分にて電流を検出してもよく、例えばコンバータ106からインバータ107への直流ラインに電流検出器109を挿入して電流を検出してもよい。
次に、モータ制御装置110の動作および構成要素を説明する。
速度検出部111は、位置検出器108の出力信号に基づいてモータ速度ωを計算する。ただし、回転子の位置や速度を推定によって検出するセンサレス制御を用いてモータ105を駆動する場合には、位置検出器108の出力信号を用いる代わりに、モータ電流やモータ駆動電圧を用いてモータ速度ωを計算する構成としてもよい。トルク検出部112は、電流検出器109の出力信号に基づいてモータトルクTを計算する。ここで、モータトルクTは、モータ105のトルク情報を含む物理量、例えばモータ電流やモータ電流におけるトルクに寄与するベクトル成分であってもよい。トルクに寄与するベクトル成分は、例えば、モータ電流をd−q変換した際のq軸電流でもよい。また、速度検出部111およびトルク検出部112は、図1に示されるようにモータ制御装置110の内部にある必要はなく、外部に配してもよい。ただし、外部に配する場合は、計算されたモータ速度ωおよびモータトルクTをモータ制御装置110へ入力する構成とする。
モータ出力計算部113は、モータ速度ωとモータトルクTとを乗算してモータ出力P=T×ωを計算し、速度指令生成部116に出力する。
メモリ114は、RAMやROM等からなる記憶部である。このROMには目標風量Qが予め記憶されており、目標モータ出力計算部115は後述の演算を行う際に、ROMから目標風量Qを読み出して演算に利用する。記憶される目標風量Qは複数あってもよい。この場合、モータ制御装置110の外部からの通信入力によって複数の目標風量Qから1つを選択する。あるいは、モータ制御装置110に設けられたスイッチ118を手動で操作することにより、複数の目標風量Qから1つを選択するようにしてもよい。
また、必ずしも目標風量Qは予めROMに記憶されている必要はない。モータ制御装置110の外部からの通信入力により、目標風量Qを適宜モータ制御装置110に送信するようにしてもよい。この場合、受信された目標風量Qはメモリ114内のRAM等に記憶され、新たな目標風量Qが送られてくる都度更新されるようになっている。
外部から通信入力される目標風量Qの値は、モータ105が取り付けられる空調環境に基づいて決定される。すなわち、目標風量Qは、屋内の空調対象となる部屋の中で基準となる部屋にどれだけの風量を送り込む必要があるか、空調設備にとってどれだけの風量であれば効率が良いか等によって決定される。また目標風量Qは、空調設備が設置される地域の気候等によって補正されることもある。例えば温暖で湿度の高い地域では、目標風量Qは高めに設定されることがある。目標風量Qは、事前に空調環境が分かっている場合には、モータの設置前に設定することができる。勿論、設置時に空調環境を見て設定することも可能である。
目標モータ出力計算部115は、速度検出部111から取得したモータ速度ωとメモリ114から読み出した目標風量Qとに基づいて目標モータ出力Pを計算し、速度指令生成部116に出力する。具体的には、目標風量Qをモータ速度ωで除した変数の多項式とモータ速度ωの3乗との積として目標モータ出力Pを計算する。
本実施形態では、特に目標モータ出力計算部115が上記の式(7)によって目標モータ出力Pを計算する。
上記の式(7)は、任意のモータ速度ωに対し風量が目標風量Qになるようなモータ出力がPであるという関係を表す。この関係を特徴づける係数α、βは、送風機の形状や寸法に対し固有の値を持つ。以下、この係数α、βをブロワ係数と呼ぶ。ブロワ係数α、βの値は、風量一定制御での運転に先立って、予め計測実験や計算を実施することにより求められる。この計測実験やそれに基づく計算に関しては、後述する。
速度指令生成部116は、モータ出力計算部113から取得したモータ出力Pと、目標モータ出力計算部115から取得した目標モータ出力Pとの比較結果に基づいて、モータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるようにモータ105のモータ速度ωを制御する速度指令ωを生成する。すなわち、本実施形態においては、制御対象となるモータの物理量としてモータ速度ωを採用し、モータ105の動作指令として速度指令ωを生成する。
速度指令生成部116は下記の式(8)を用いて速度指令ωを生成する。
Figure 0006037317
ここで、ωはモータ105のモータ速度、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
上記の式(8)の導出および根拠について述べる。式(8)は流れの相似性(Similarity of flows)に基づいて導出される。流れの相似性によれば、送風機の軸動力は送風機
の回転速度の3乗に比例する。この法則は送風機以外の一般の流体機械においても成り立つ。ここで、送風機とモータの軸がぶれたりずれたりせずに結合されているならば、送風機の軸動力はモータ出力に等しく、送風機の回転速度はモータ速度に等しいとみなせる。そのため上記流れの相似性により、送風機を駆動するモータのモータ出力がモータ速度の3乗に比例する。以上により、モータ速度がモータ出力の変化比率の1/3乗の変化比率で変化する式(8)が導かれる。
式(8)を用いることによる作用および効果を述べる。式(8)によって計算される速度指令ωの値は、目標モータ出力Pに等しいモータ出力を達成するモータ速度である。つまり、式(8)で計算される速度指令ωでモータを速度制御することにより、モータ出力Pが目標モータ出力Pに等しくなる。このため、式(8)を用いて速度制御することにより、迅速に目標モータ出力Pを達成することができる。
上記式(8)の代わりに、速度指令ωを下記の式(9)によって生成してもよい。
Figure 0006037317
ここで、ωprev は速度指令生成部116が前回出力した速度指令、Kは制御ゲイン(正の定数)、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
上記の式(9)は、モータ出力の目標値と現在値との差分の定数倍を計算周期毎に積算した結果を速度指令ωとしている。これは、いわゆる積分補償によるフィードバック制御の操作量を意味する。ここで、制御ゲインKを十分小さい値に設定することにより、速度指令ωの変化を緩やかにすることができる。
速度指令生成部116は、式(8)あるいは式(9)のいずれを用いて速度指令ωを生成してもよい。モータ出力Pを目標モータ出力Pに向けて迅速に制御したい場合は式(8)が好適であるし、モータ出力Pを目標モータ出力Pに向けて緩やかに制御したい場合は小さい制御ゲインKを適用した式(9)が好適である。なお、速度指令ωの生成方法は、モータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるものであればよく、式(8)あるいは式(9)に限定されるものではない。
速度制御部117は、モータ速度ωと速度指令ωとを比較し、モータ速度ωを速度指令ωに追従させるためのインバータ107への駆動制御信号を出力することにより、モータ105を速度制御する。
スイッチ118は、モータ制御装置110に設けられ、手動操作によって、メモリ114に記憶されている複数の目標風量Qから一つを選択できるようになっている。さらに、手動操作によって、モータ制御装置110内の制御ブロック構成を切り替えられるようになっている。
本実施形態におけるモータ制御装置110は、スイッチ118や外部からの通信入力によって複数のモードに切り替えることができる。複数のモードには、少なくとも風量一定制御モードと、速度制御モードとを含んでいる。風量一定制御モードは、前述のように、モータ出力計算部113から取得したモータ出力Pと、目標モータ出力計算部115において速度検出部111から取得したモータ速度ωと目標風量Qとに基づいて計算された目標モータ出力Pとの比較結果に基づいて、モータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるようにモータ105のモータ速度ωを制御する制御モードである。また、速度制御モードは、速度制御部が、速度検出部111から取得したモータ速度ωとトルク検出部112から取得したモータトルクTとに基づいて駆動制御信号を生成する速度制御モードとを含んでいる。
本実施形態では風量一定制御モードが選択されている。なお、速度制御モードは、目標モータ出力計算部115で使用される式(7)のブロワ係数α,βの値を求めるために実施する計測実験において利用される。なお、スイッチ118を用いる代わりに外部からの通信入力によって制御ブロック構成を切り替える構成としてもよい。
以上のように構成されたモータ制御装置110について、以下にその動作を図2、図3を用いて説明する。
図2は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置におけるモータトルク−モータ速度特性を示すグラフである。図2において、曲線201は風量が目標風量Qになるときのモータトルク−モータ速度特性を示している(以下、「風量一定曲線」と呼ぶ)。曲線202および203はそれぞれ、送風経路102を含む空調システム内の圧損条件に特有のモータトルク−モータ速度特性である(以下「圧損曲線」と呼ぶ)。モータ105は、この圧損曲線上で動作できる。また、P、P 、P、P 、Pで示される曲線はそれぞれ一定のモータ出力に対応した曲線(以下、「モータ出力一定曲線」と呼ぶ)で、括弧内の数値は各モータ出力一定曲線に対応するモータ出力値を示している。これらの数値は、定格モータ出力を100%とした場合の各曲線のモータ出力値の比率を意味する。
いま、空調システムの圧損条件が圧損曲線202で示され、モータ105の動作点が点B1にあると想定する。このとき、動作点B1は圧損曲線202と風量一定曲線201との交点にあるため、送風機104は目標風量Qに等しい風量を供給している。なお、このときのモータ速度はωである。
ここで、空調環境が変化し、圧損曲線が202から203に変化したとする。例えば、送風経路102の複数の吐出口に設けられたベントキャップの幾つかが閉じられ、空調すべき部屋数が変わり、空調システムの圧力損失が大きくなったとする。このとき、モータ105は速度制御部117によって速度制御されているため、動作点はモータ速度ωを維持しながら新たな圧損曲線203上の点A1に移動する。
動作点が点A1に移動後、速度検出部111で検出された現在のモータ速度ωおよびトルク検出部112で検出された現在のモータトルクTに基づいて、モータ出力計算部113が現在のモータ出力Pを計算する。その計算結果P(10%)が速度指令生成部116へ出力される。一方、目標モータ出力計算部115は、目標風量Qおよび現在のモータ速度ωを式(7)に代入し、目標モータ出力Pを計算する。このとき計算される目標モータ出力Pは、現在の動作点A1と同じモータ速度ωを得る風量一定曲線201上の点B1におけるモータ出力P (20%)である。このP (20%)が速度指令生成部116へ出力される。次いで、速度指令生成部116は、入力されたモータ出力P(10%)と目標モータ出力P (20%)とを式(8)あるいは式(9)に代入し、速度指令ωを生成する。仮に式(9)を用いる場合、P (20%)からP(10%)を引いた差分10%(=20%−10%)に正の制御ゲインKを乗算して前回の速度指令(ωとする)を加えた結果が速度指令ωとなる。このため、現在のモータ速度ωよりも大きい速度指令ωが生成されることになり、モータ105が加速されることになる。速度制御部117は、速度指令部116から速度指令ωを受け取り、この速度指令ωに従って速度制御を行う。
ここで、速度制御によって動作点がA1からA2に移動したとする。この移動先の動作点A2でも同様にモータ制御装置110が現在のモータ出力P(30%)および目標モータ出力P (40%)を計算し、新たな速度指令ωを生成し、速度制御を行う。これを繰り返すことにより、動作点は点A3、A4と移動していき、最終的にモータ出力Pおよび目標モータ出力PがP(80%)で一致する動作点、つまり圧損曲線203と風量一定曲線201との交点Eに落ち着くことになる。このとき、送風機104が供給する風量は目標風量Qと等しくなり、風量一定制御が達成される。
また、圧損曲線が203から202に戻った場合には、上述の過程とは逆の方向に向かい、動作点は圧損曲線202に沿って移動し、風量一定曲線201との交点B1に戻る。
図3は、本発明に係る実施形態1のモータ制御装置におけるモータ出力−モータ速度特性を示すグラフである。図3は、図2のトルク軸をモータ出力軸に置き換えて、上で説明した動作を描いたものである。図3において、曲線301は図2における曲線201と同じ目標風量Qに対応した風量一定曲線である。曲線302および303は、図2における曲線202と203とそれぞれ同じ圧損条件に対応した圧損曲線である。
いま動作点の初期位置を点B1とし、空調システムの圧損曲線が302から303に変化したとする。すると、動作点は点A1に移動し、モータ出力計算部113が現在のモータ出力P=Pを計算し、目標モータ出力計算部115が風量一定曲線301上で現在のモータ速度ωを得る点B1のモータ出力P=P を計算する。そして、速度指令生成部116がモータ出力Pを目標モータ出力P に近づけるように速度指令ωを生成し、速度制御部117が該速度指令ωに従って速度制御を行う。以上の繰り返しにより、図2と同様に動作点が圧損曲線303に沿って点A2、A3、A4と移動する。そして、動作点が最終的に風量一定曲線301との交点Eで収束し、風量一定制御が達成される。
次に、本実施形態のモータ制御装置110における風量一定制御の動作安定化機能および保護機能について述べる。
図4は、本発明に係る実施形態1のモータ制御装置における目標モータ出力計算部および速度指令生成部の処理を示すフローチャートである。ステップS401およびS402は目標モータ出力計算部115の処理であり、ステップS403からS406は速度指令生成部116の処理である。目標モータ出力計算部115は、予め速度検出部111で検出されたモータ速度ωとメモリ114に記憶されている目標風量Qとを取得する。また、速度指令生成部116は、予め速度検出部111で検出されたモータ速度ωとトルク検出部112で検出されたモータトルクTとを取得する。
まず、図4におけるステップS401とS402の処理について説明する。
最初のステップS401において、目標モータ出力計算部115は、上述した式(7)によって目標モータ出力Pを計算する。次のステップS402において、目標モータ出力計算部115は、ステップS401で計算した目標モータ出力Pが所定の最大モータ出力以下であれば目標モータ出力Pを修正せず、所定の最大モータ出力以上であれば目標モータ出力Pを所定の最大モータ出力に修正する。
このステップS402の効果を説明する。仮にモータ出力の上限を設けなかった場合、コンバータ106やインバータ107を含むモータ駆動回路に流れる電流が過大になり、流してもよい定格電流値を瞬間的あるいは継続的に超えてしまう場合がある。この場合、素子の発熱等によりモータ駆動回路が故障するおそれがある。そのため目標モータ出力Pに最大モータ出力を設けることにより、モータ駆動回路に流れる電流値の増加を制限し、モータ駆動回路の故障を防止できる。
次に、図4におけるステップS403からS406の処理について説明する。
ステップS403において、速度指令生成部116は、今回検出されたモータトルクTと、前回検出されたモータトルクTとの差を計算する。そして、該差が所定の範囲(第1の所定の範囲)外であれば速度指令生成部116は、ステップS405の処理を行う。一方、該差が所定の範囲内である場合は、速度指令生成部116は、モータトルクTの変化が僅かであると判断して、ステップS404の処理を行う。ステップS404において、速度指令生成部116は、速度指令ωを前回出力した速度指令ω prevと同じ値に設定する。そして、速度指令生成部116は、この修正された速度指令ωprev を速度制御部117に出力する。
このステップS403およびS404の効果を説明する。仮にステップS403とS404とを行わず、僅かなモータトルクTの変化によってもステップS405で速度指令ωを変化させるようにすると、モータトルクTの変化に速度指令ωが追従しようとして振動し、空調装置101の供給する風量がいつまでも目標風量Qの風量値を行ったり戻ったりして安定に収束しない。これを回避するために、本実施形態においては、上記所定の範囲によってトルク検出の不感帯を設けている。これにより、収束点付近で速度指令ωが振動するのを防止し、風量を安定に目標風量Qに収束させることができる。
なお、ステップS403において、今回検出されたモータトルクTと前回検出されたモータトルクTとの差が第1の所定の範囲内にあるか否かを判定する代わりに、モータ出力Pと目標モータ出力Pとの差が第2の所定の範囲内にあるか否かあるいは今回計算されたモータ出力Pと前回計算されたモータ出力Pとの差が第3の所定の範囲内にあるか否かを判定することにより速度指令ωを変更するか否かを決定してもよい。この場合、モータ出力に不感帯を設けることにより、同様の効果を得ることができる。
ステップS405において、速度指令生成部116は、上述した式(8)あるいは式(9)によって速度指令ωを計算し、次のステップS406において、速度指令生成部116は、速度指令ωが所定の最小モータ速度と所定の最大モータ速度との間の範囲内であるか否かを判断する。速度指令生成部116は、速度指令ωが上記範囲内であれば速度指令ωを修正せず、所定の最小モータ速度より小さい場合は速度指令ωを最小モータ速度に修正し、所定の最大モータ速度を超えている場合は速度指令ωを所定の最大モータ速度に修正する。
このステップS406の効果を説明する。送風経路102内の圧力損失が小さい場合など、目標風量Qの風量値を得るためにモータ速度ωをそれほど必要としない空調環境がある。このような空調環境においては、モータ速度ωが極低速となる場合がある。この場合に、目標モータ出力計算部115で目標モータ出力Pを計算する際、式(7)のωに小さい値が代入されるために、モータ制御装置110の演算分解能の限界により目標モータ出力Pが略ゼロとして計算される場合がある。略ゼロの目標モータ出力Pが速度指令生成部116に入力されると、生成される速度指令ωが略ゼロとなり、モータ105がさらに減速する。そして、以上が繰り返されると速度指令ωがゼロになり、モータ105が停止してしまう。そこで、速度指令ωに下限である最小モータ速度を設けることにより、モータ105の停止を防止できる。
逆に送風経路102内の圧力損失が大きい場合では、速度指令ωが異常に高い値になる場合がある。この場合、モータ105の能力を超える動作を実現しようとして動作が不安定になったり、モータ105が高速回転することにより送風機104やモータ105の振動が大きくなって、送風機104やモータ105が故障したりするおそれがある。そのため速度指令ωに上限である最大モータ速度を設けることにより、制御の不安定化や送風機やモータの故障を防止できる。
以上のように、本実施形態のモータ制御装置110は、送風機104が供給する風量を目標風量Qに一致させるための目標モータ出力Pを目標風量Qおよびモータ速度ωに基づいて計算する目標モータ出力計算部115と、モータ出力Pと目標モータ出力Pとの比較結果に基づいてモータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるようにモータ速度ωを制御する速度指令ωを生成する速度指令生成部116と、を備えた構成である。
このように構成することにより、圧損条件や静圧が変化しても、目標風量Qを達成する目標モータ出力Pを自動的に探索しながらモータ105を制御するため、圧損条件や静圧の変化によらず精度よく風量一定制御を行うことができる。
(実施形態2)
以下、本発明に係る実施形態2におけるモータ制御装置について説明する。図5は、本発明に係る実施形態2におけるモータ制御装置を示すブロック図である。本実施形態において、上記実施形態1と異なる点は、図5に示すように、実施形態1における速度指令生成部116と速度制御部117とを、それぞれトルク指令生成部516とトルク制御部517とに置き換えた構成を有することである。その他の構成要素は実施形態1と同じであるので同じ符号を付し、説明を省略する。
図5に示すモータ制御装置510におけるトルク指令生成部516およびトルク制御部517の動作を説明する。
トルク指令生成部516は、モータ出力計算部113から取得したモータ出力Pと、目標モータ出力計算部115から取得した目標モータ出力Pとの比較結果に基づいて、モータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるようにモータ105のモータトルクTを制御するトルク指令Tを生成する。すなわち、本実施形態においては、制御対象となるモータの物理量としてモータトルクTを採用し、トルク指令生成部516は、モータ105の動作指令としてトルク指令Tを生成する動作指令生成部として機能する。
トルク指令生成部516は下記の式(10)を用いてトルク指令Tを生成する。
Figure 0006037317
ここで、Tはモータ105のモータトルク、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
上記の式(10)の導出および根拠について述べる。式(10)は流れの相似性に基づいて導出される。流れの相似性によれば、送風機の軸動力は送風機の回転速度の3乗に比例する。この法則は送風機以外の一般の流体機械においても成り立つ。ここで、送風機とモータの軸がぶれたりずれたりせずに結合されているならば、送風機の軸動力はモータ出力に等しく、送風機の回転速度はモータ速度に等しいとみなせる。そのため上記流れの相似性により、送風機を駆動するモータ出力がモータ速度の3乗に比例する。また、モータ出力はモータトルクとモータ速度との積であることを利用すると、送風機を駆動するモータトルクがモータ速度の2乗に比例する関係も導かれる。以上の関係を組み合わせると、送風機を駆動するモータトルクがモータ出力の2/3乗に比例する式(10)の関係が導かれる。
式(10)を用いることによる作用および効果を述べる。式(10)によって計算されるトルク指令Tの値は、目標モータ出力Pに等しいモータ出力を達成するモータトルクである。つまり、式(10)で計算されるトルク指令ωでモータをトルク制御することにより、モータトルクが目標モータ出力Pに等しくなる。このため、式(10)を用いてトルク制御することにより、迅速に目標モータ出力Pを達成することができる。
上記式(10)の代わりに、トルク指令Tを下記の式(11)によって生成してもよい。
Figure 0006037317
ここで、T prevはトルク指令生成部516が前回出力したトルク指令、KGTは制御ゲイン(正の定数)、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
上記の式(11)は、モータ出力の目標値と現在値との差分の定数倍を計算周期毎に積算した結果をトルク指令Tとしている。これは、いわゆる積分補償によるフィードバック制御の操作量を意味する。ここで、制御ゲインKGTを十分小さい値に設定することにより、トルク指令Tの変化を緩やかにすることができる。
トルク指令生成部516は、式(10)あるいは式(11)のいずれを用いてトルク指令Tを生成してもよい。モータ出力Pを目標モータ出力Pに向けて迅速に制御したい場合は式(10)が好適であるし、モータ出力Pを目標モータ出力Pに向けて緩やかに制御したい場合は小さい制御ゲインKGTを適用した式(11)が好適である。なお、トルク指令Tの生成方法は、モータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるものであればよく、式(10)あるいは式(11)に限定されるものではない。
トルク制御部517は、モータトルクTとトルク指令Tとを比較し、モータトルクTをトルク指令Tに追従させるためのインバータ107への駆動制御信号を出力することにより、モータ105をトルク制御する。
以上のように構成されたモータ制御装置510について、以下にその動作を、図6を用いて説明する。
図6は、本発明に係る実施形態2のモータ制御装置におけるモータトルク−モータ速度特性を示すグラフである。図6において、曲線601は風量が目標風量Qになるモータトルク−モータ速度特性を示している(以下、「風量一定曲線」と呼ぶ)。曲線602および603はそれぞれ、送風経路102を含む空調システム内の圧損条件に特有のモータトルク−モータ速度特性である(以下「圧損曲線」と呼ぶ)。モータ105は、この圧損曲線上で動作できる。また、P、P 、Pで示される曲線はそれぞれ一定のモータ出力に対応した曲線(以下、「モータ出力一定曲線」と呼ぶ)で、括弧内の数値は各曲線に対応するモータ出力値を示している。これらの数値は、定格モータ出力を100%とした場合の各モータ出力一定曲線のモータ出力値の比率を意味する。
いま、空調システムの圧損条件が圧損曲線602で示され、モータ105の動作点が点D0にあると想定する。このとき、動作点D0は圧損曲線602と風量一定曲線601との交点にあるため、送風機104は目標風量Qに等しい風量を供給している。なお、このときのモータトルクはTである。
ここで、空調環境が変化し、圧損曲線が602から603に変化したとする。例えば、送風経路102の複数の吐出口に設けられたベントキャップの幾つかが閉じられ、空調すべき部屋数が変わり、空調システムの圧力損失が大きくなったとする。このとき、モータ105はトルク制御部517によってトルク制御されているため、動作点はモータトルクTを維持しながら新たな圧損曲線603上の点C1に移動する。
動作点が点C1に移動後、速度検出部111で検出された現在のモータ速度ωおよびトルク検出部112で検出された現在のモータトルクTに基づいて、モータ出力計算部113が現在のモータ出力Pを計算する。その計算結果P(30%)がトルク指令生成部516へ出力される。一方、目標モータ出力計算部115は、目標風量Qおよび現在のモータ速度ωを式(7)に代入し、目標モータ出力Pを計算する。このとき計算される目標モータ出力Pは、現在の動作点C1と同じモータ速度ωを得る風量一定曲線601上の点D1におけるモータ出力P (40%)である。このP (40%)が速度指令生成部116へ出力される。次いで、トルク指令生成部516は、入力されたモータ出力P(30%)と目標モータ出力P (40%)とを式(10)あるいは式(11)に代入し、トルク指令Tを生成する。仮に式(11)を用いる場合、P (40%)からP(30%)を引いた差分10%(=40%−30%)に正の制御ゲインKGTを乗算して前回のトルク指令(Tとする)を加えた結果がトルク指令Tとなる。このため、現在のモータトルクTよりも大きいトルク指令Tが生成されることになり、モータ105が加速されることになる。トルク制御部517が、受け取ったこのトルク指令Tに従ってトルク制御を行う。
ここで、トルク制御によって動作点がC1からC2に移動したとする。この移動先の動作点C2でも同様にモータ制御装置510がモータ出力Pおよび目標モータ出力Pを計算し、新たなトルク指令Tを生成し、トルク制御を行う。これを繰り返すことにより、動作点は点C3、C4と移動していき、最終的にモータ出力Pおよび目標モータ出力PがP(80%)で一致する動作点、つまり圧損曲線603と風量一定曲線601との交点Eに落ち着くことになる。このとき、送風機104が供給する風量は目標風量Qに等しくなり、風量一定制御が達成される。
また、圧損曲線が603から602に戻った場合には、上述の過程とは逆の方向に向かい、動作点は圧損曲線602に沿って移動し、風量一定曲線601との交点D0に戻る。
次に、本実施形態のモータ制御装置510における風量一定制御の動作安定化機能および保護機能について述べる。
図7は、本発明に係る実施形態2のモータ制御装置における目標モータ出力計算部115とトルク指令生成部516の処理を示すフローチャートである。ステップS401およびS402は目標モータ出力計算部115の処理であり、ステップS703からS706はトルク指令生成部516の処理である。ステップS401およびS402は風量一定制御の実施形態1の図4におけるステップS401およびS402と同じ処理であるため、処理内容およびその作用と効果の説明を省略する。トルク指令生成部516は、予め速度検出部111で検出されたモータ速度ωとトルク検出部112で検出されたモータトルクTとを取得する。
図7におけるステップS703からS706の処理について説明する。
ステップS402の後のステップS703において、トルク指令生成部516は、上述した式(10)あるいは式(11)によってトルク指令Tを計算する。次のステップS704において、トルク指令生成部516は、トルク指令Tとトルク検出部112で検出されたモータトルクTとの差を計算する。そして、該差が所定の範囲(第4の所定の範囲)外であればトルク指令生成部516は、ステップS706の処理を行う。一方、該差が所定の範囲内である場合は、トルク指令生成部516は、モータトルクTの変化が僅かであると判断して、ステップS705の処理を行う。ステップS705において、トルク指令生成部516は、トルク指令Tを前回出力したトルク指令T prevと同じ値に修正する。そして、トルク指令生成部516は、この修正されたトルク指令Tprev をトルク制御部517に出力する。
このステップS704およびS705の効果を説明する。仮にステップS704とS705とを行わず、僅かなモータトルクTの変化によってもトルク指令Tを変化させるようにすると、モータトルクTの変化にトルク指令Tが追従しようとして振動し、空調装置501の供給する風量がいつまでも目標風量Qの風量値を行ったり戻ったりして安定に収束しない。これを回避するために本実施形態においては、上記所定の範囲によってトルク検出の不感帯を設けている。これにより、収束点付近でトルク指令Tが振動するのを防止し、風量を安定に目標風量Qに収束させることができる。
なお、ステップS704において、トルク指令TとモータトルクTとの差の代わりに、モータ出力Pと目標モータ出力Pとの差あるいは今回計算されたモータ出力Pと前回計算されたモータ出力Pとの差を利用してもよい。この場合、モータ出力に不感帯を設けることにより、同様の効果を得ることができる。
ステップS706において、トルク指令生成部516は、トルク指令Tが所定の最小モータトルクと所定の最大モータトルクとの間の範囲内であるか否かを判断する。トルク指令生成部516は、トルク指令Tが上記範囲内であればトルク指令Tを修正せず、所定の最小モータトルクより小さい場合はトルク指令Tを最小モータトルクに修正し、所定の最大モータトルクを超えている場合はトルク指令Tを所定の最大モータトルクに修正する。
このステップS706の効果を説明する。送風経路102内の圧力損失が小さい場合など、目標風量Qの風量値を得るためにモータ速度ωをそれほど必要としない空調環境がある。このような空調環境においては、モータ速度ωが極低速となる場合がある。この場合に、目標モータ出力計算部115で目標モータ出力Pを計算する際、式(7)のωに小さい値が代入されるために、モータ制御装置510の演算分解能の限界により目標モータ出力Pが略ゼロとして計算される場合がある。略ゼロの目標モータ出力Pがトルク指令生成部516に入力されると、生成されるトルク指令Tが略ゼロとなり、モータ105がさらに減速する。そして、以上が繰り返されるとトルク指令Tがゼロになり、モータ105が停止してしまう。そこで、トルク指令Tに下限である最小モータトルクを設けることにより、モータ105の停止を防止できる。
逆に送風経路102内の圧力損失が大きい場合では、目標風量Qの風量値を得るためにトルク指令Tが高い値になる場合がある。この場合、モータ105の能力を超える動作を実現しようとして動作が不安定になったり、モータ電流が過大になったりする場合がある。モータ電流が過大になって定格電流値を超えると、モータ巻線の発熱によりモータ105が故障したり、効率が著しく低下したりする。また、モータトルクTの上限を設けないと、送風機104に異物が巻き込まれるなどして過負荷状態になっても、モータ105がさらにトルクを出そうとして送風機104やモータ105を含む空調装置501を故障させるおそれがある。そのためトルク指令Tに上限である最大モータトルクを設けることにより、制御の不安定化や空調装置の故障を防止できる。
以上のように、本実施形態のモータ制御装置510は、送風機104が供給する風量を目標風量Qに一致させるための目標モータ出力Pを目標風量Qおよびモータ速度ωに基づいて計算する目標モータ出力計算部115と、モータ出力Pと目標モータ出力Pとの比較結果に基づいてモータ出力Pを目標モータ出力Pに一致させるようにモータトルクTを制御するトルク指令Tを生成するトルク指令生成部516と、を備えている。
このように構成することにより、圧損条件や静圧が変化しても、目標風量Qを達成する目標モータ出力Pを自動的に探索しながらモータ105を制御するため、圧損条件や静圧の変化によらず精度よく風量一定制御を行うことができる。
(ブロワ係数の算出例1)
上述した実施形態1および2における風量一定制御では、目標モータ出力Pを式(7)によって計算している。式(7)におけるブロワ係数α、βの値は送風機の形状や寸法ごとに異なり、風量一定制御での運転に先立って予め計測実験および計算を実施することにより求められる。
以下、ブロワ係数α、βの値を求める計測実験およびそれに基づく計算例について述べる。
図8は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置においてブロワ係数を算出するための構成を示すブロック図である。図8は、図1に示す実施形態1における空調装置101を送風経路102から取り外し、風洞実験設備820に接続した構成である。
ブロワ係数を算出する際には、図1におけるモータ制御装置110は、速度制御モードを実行するモータ制御装置810に設定が切り替えられている。したがって、図8の例においては、速度制御モードで動作するモータ制御装置810として、速度検出部111、トルク検出部112、モータ出力計算部113、メモリ114および速度制御部817を備えた構成が示されている。なお、図5に示す実施形態2における空調装置501を送風経路102から取り外し、風洞実験設備820に接続した場合も図8と同様の構成となる。
ブロワ係数を算出する際において、モータ出力計算部113は、速度検出部111から取得したモータ速度ωとトルク検出部112から取得したモータトルクTとを乗算してモータ出力P=T×ωを計算する。計算されたモータ出力Pは、外部への通信出力等によって実験者が観測可能になっていてもよい。
速度制御部817は、外部から速度指令ωを受信し、モータ速度ωを該速度指令ωに追従させるような駆動制御信号をインバータ107へ出力することにより、モータ105を速度制御する。
メモリ114は、RAMやROM等からなる記憶部である。後述の計測実験と計算から求めたブロワ係数値とを記憶させることができる。
空調装置801におけるその他の構成要素は風量一定制御の実施形態1と同じであり、同じ構成要素の動作の説明は省略する。
風洞実験設備820は、実際の空調システムの環境を再現、模擬する装置である。風洞実験設備820は、送風機104に接続される第1のチャンバー825と、第1のチャンバー825の先端に設けられたノズル821と、ノズル821を介して第1のチャンバー825に接続された第2のチャンバー826と、第2のチャンバー826の先端に接続された補助ブロア822と、第1のチャンバー825内の静圧を計測する静圧計測器827と、ノズル821の前後における両チャンバー825,826内の圧力差に基づいて風量を計測する風量計測器828とを備えている。
風洞実験設備820は、ノズル821の開閉および補助ブロア822の回転数調整によって、ノズル821前後の圧力差を調整できる。また、第1チャンバー825および第2チャンバー826内にはそれぞれ整流グリル823,824が設けられ、これらは空気の流れを整流する役割を有する。静圧計測器827は、第1のチャンバー825内の圧力と大気圧との圧力差によって静圧を計測し、風量計測器828はノズル821前後の圧力差に基づいて風量を計測する。なお、風洞実験設備820の構成は上記に限定されるものではなく、静圧および風量を調整および計測できる構成であればよい。
図9は、本発明に係る実施形態1のモータ制御装置においてブロワ係数を算出するための実施手順を示すフローチャートである。
最初のステップS901において、図8に示されるように空調装置801を風洞実験設備820に接続する。
次のステップS902において、スイッチ118の手動操作や通信入力によって、モータ制御装置801の制御ブロック構成を図8に示されるように速度制御モードに設定する。
次のステップS903において、1つの速度値に定められた速度指令ωをモータ制御装置810に入力し、送風機104を当該1つの速度で一定の速度制御を行う。そして、速度一定のまま幾つかの異なる静圧状態を作り出し、このときの風量とモータ出力とを計測する。静圧の調整は、風洞実験設備820におけるノズル821の開閉および補助ブロア822の回転数調整によって行う。静圧の計測は静圧計測器827によって行う。風量の計測は、風量計測器828で観測されるノズル前後の圧力差を温度等で補正計算することによって行う。下記表1はこの計測実験で用いたモータ速度[min−1]、計測されたモータトルク[N・m]、風量[m/min]およびモータ出力[W]の一例である。
Figure 0006037317
次のステップS904において、計測したデータを式(3)に回帰して、係数Kの値からブロワ係数αの値を決定する。なお、回帰演算は、モータ制御装置810が演算することとしてもよいし、計測したデータを外部のコンピュータに送って、当該外部のコンピュータが演算してもよい。本実施形態では回帰式の次数を2とする。この場合、回帰式は式(3)においてi=2として得られる下記の式(12)の2次多項式になる。
Figure 0006037317
ここで、Pは計測したモータ出力、Qは計測した風量、K、K、Kは回帰式の係数を表す定数である。
この係数K、K、Kの値がブロワ係数α(n=0,1,2)となる。また、ステップS903の計測で用いたモータ速度がブロワ係数βの値となる。下記表2は、表1の計測データを最小二乗法により式(12)に回帰した場合に得られるブロワ係数α(n=0,1,2)およびβの値である。また、図10は、表1の計測データおよびその回帰曲線をプロットした風量−モータ出力特性を示すグラフである。
Figure 0006037317
次のステップS905において、得られたブロワ係数α、βの値が通信入力等の手段によってメモリ114に記憶される。
次のステップ906において、スイッチ118の手動操作や通信入力によってモータ制御装置810を速度制御モードから風量一定制御モードに切り替え、試験運転のためのブロック構成にする。図11は本発明に係る実施形態1のモータ制御装置においてブロワ係数を算出する際の試験運転のための構成の一例を示すブロック図である。図11における空調装置101およびモータ制御装置110の構成は、図1に示す風量一定制御時の構成と同じである。すなわち、図1における空調装置101を風洞実験設備820に接続した状態にする。
最後のステップS907において、モータ制御装置110に幾つかの目標風量Qを入力して、風量一定制御モードにおける試験運転を実施する。そして、計測される風量が目標風量Qと正常に一致しているかを確認する。
風量一定制御中、目標モータ出力計算部115はメモリ114から係数α、βの値を読み出して目標モータ出力Pの計算に使用する。ただし、必ずしもブロワ係数α、βの値はROMに記憶されている必要はなく、モータ制御装置110の外部からの通信入力によりモータ制御装置110に送信するようにしてもよい。この場合、受信されたα、βの値はメモリ114内のRAM等に記憶されるようにしてもよい。
以上のように、上記のような演算手順によれば、1つのモータ速度でデータ計測を行えばブロワ係数の値を求めることができる。このため、特許文献1に示されている従来の技術のようにモータ速度を変えながら計測を行う必要がなく、少ない実験工数によっても風量一定制御を実現することができる。
なお、目標モータ出力Pの計算式は式(7)に限られない。すなわち、目標風量Qをモータ速度ωで除した変数の多項式とモータ速度ωの3乗との積として目標モータ出力Pを計算する計算式であれば、ブロワ係数算出の際に本実施形態と同じ作用および効果が得られる。例えば、目標モータ出力Pの計算式を下記の式(13)としてもよい。
Figure 0006037317
ここで、Pは目標モータ出力、ωはモータ速度、Qは目標風量、iは0以上の整数で有限値、γは送風機固有のブロワ特性を表すブロワ係数(n=0,1,2,・・・,i)である。
この場合、式(13)においてγを下記の式(14)に示すように定義すれば、式(13)は、結局、式(6)と同じになる。
Figure 0006037317
よって、この場合も計測データの回帰式である式(3)の係数K=αと計測時のモータ速度ω=βとから直ちにブロワ係数γの値が求められる。すなわち、この場合も1つのモータ速度でデータ計測を行えば風量一定制御を実現できるブロワ係数の値を求めることができる。
以上のように、本実施形態におけるモータ制御装置およびその制御方法は、目標風量をモータ速度で除した変数の多項式と、モータ速度の3乗との積として目標モータ出力を計算する手段を備えている。すなわち、本実施形態におけるモータ制御装置およびその制御方法においては、目標風量から一義的に導出される目標モータ出力を用いて風量一定制御が行われる。このため、1つのモータ速度でデータ計測を行えばすべてのモータ速度に適用可能なブロワ係数の値を求めることができる。したがって、少ない実験工数によっても風量一定制御を実現することができる。
(ブロワ係数の算出例2)
上述したように、ブロワ特性を計測実験により取得することによって、ブロワ係数α、βの値を算出することができる。ただし、予めα、βの値が分かっている送風機と同様の構造を持つ送風機については、必ずしも上述の計測実験を行わなくともα、βの値を求めることが可能な場合がある。その場合のブロワ係数α、βの算出例について以下で説明する。
まず、ブロワ係数α、βの値が既知の送風機Aと、未知の送風機Bを用意する。そして、送風機Aと送風機Bとの寸法比を計算する。本例においては、送風機Bの羽根車外径が送風機AのD倍であるとする。そして、寸法比と軸動力との関係、寸法比と風量との関係を用いてブロワ係数α、βの値を求める。
一般的に、送風機において、軸動力は羽根車外径の5乗に比例し、風量は羽根車外径の3乗に比例する関係を有している。送風機とモータの軸とがぶれたりずれたりせずに結合されているならば、送風機の軸動力はモータ出力に等しいとみなせるため、下記の式(15)および式(16)が成り立つ。
Figure 0006037317
Figure 0006037317
ここで、Pは送風機Aを駆動するモータ出力、Pは送風機Bを駆動するモータ出力、Qは送風機Aの風量、Qは送風機Bの風量、Dは羽根車外径の寸法比である。
また、送風機Aの目標モータ出力が下記の式(17)で表されるとする。
Figure 0006037317
ここで、P は目標モータ出力、ωはモータ速度、Q は目標風量、αAn(n=0,1,2,・・・,i)とβは定数である。
上記の式(17)に対し式(15)および式(16)を適用することにより、送風機Bの目標モータ出力P は下記の式(18)で表すことができる。
Figure 0006037317
ここで、P は目標モータ出力、ωはモータ速度、Q は目標風量、αBn(n=0,1,2,・・・,i)とβは定数、Dは羽根車外径の寸法比である。
したがって、既知のブロワ係数αAnに羽根車外径の寸法比Dの(5−3n)乗を乗算することにより、未知のブロワ係数αBnの値を決定することができる。下記表3は、表2のブロワ係数値を有する送風機Aと同構造を有し、1.2倍の羽根車外径を有する送風機Bにおけるブロワ係数値である。
Figure 0006037317
以上のように、ブロワ係数値の本算出例によれば、ブロワ係数値が既知の送風機と同様の構造を持つ他の送風機については、両送風機の寸法比を用いてブロワ係数値を求めることができる。したがって、本例によれば、計測実験を行うことなくブロワ係数を算出することができる。
(実施形態1の変形例)
次に、上記実施形態1の変形例について説明する。
図12は、図12は本発明に係る実施形態1におけるモータ制御装置の変形例を示すブロック図である。図1に示す実施形態1においては、速度制御部117、速度検出部111およびトルク検出部112が、目標モータ出力計算部115および速度指令計算部116と同じモータ制御装置110内に構成されている。本変形例においては、この代わりに、図12に示す構成を備えている。
すなわち、本変形例におけるモータ制御装置は、少なくとも目標モータ出力計算部115および速度指令生成部116を含む第1のユニット910と、少なくとも速度制御部117、速度検出部111およびトルク検出部112を含む第2のユニット911と、第1のユニット910と第2のユニット911との間でデータ通信を行う通信部912とを備えている。
図12に示すように、第1のユニット910と第2のユニット911とは、例えばRS232C規格の通信ケーブルなどにより構成される通信部912によって相互にデータのやり取りができるようになっている。第2のユニット911における速度検出部111で検出されたモータ速度ωおよびトルク検出部112で検出されたモータトルクTは、通信部912を介して第1のユニット910に送られる。それらのデータを使用して第1のユニット910は速度指令ωを演算し、通信部912を介して第2のユニット911における速度制御部117に送る。速度制御部117は、受信した速度指令ωに従ってインバータ107へ駆動制御信号を出力し、モータ105を速度制御する。
上記図12に示すような変形例の構成によっても、実施形態1と同様の作用および効果が得られる。
(実施形態2の変形例)
上記実施形態1の変形例と同様に、実施形態2についても同様の変形例が適用可能である。図13は、本発明に係る実施形態2におけるモータ制御装置の変形例を示すブロック図である。本変形例におけるモータ制御装置は、少なくとも目標モータ出力計算部115およびトルク指令生成部516を含む第1のユニット920と、少なくともトルク制御部517、速度検出部111およびトルク検出部112を含む第2のユニット921と、第1のユニット920と第2のユニット921との間でデータ通信を行う通信部922とを備えている。
図13に示すように、第1のユニット920と第2のユニット921とは、例えばRS232C規格の通信ケーブルなどにより構成される通信部922によって相互にデータのやり取りができるようになっている。第2のユニット921における速度検出部111で検出されたモータ速度ωおよびトルク検出部112で検出されたモータトルクTは、通信部922を介して第1のユニット920に送られる。それらのデータを使用して第1のユニット920はトルク指令Tを演算し、通信部922を介して第2のユニット921におけるトルク制御部517に送る。トルク制御部517は、受信した速度指令Tに従ってインバータ107へ駆動制御信号を出力し、モータ105をトルク制御する。
上記図13に示すような変形例の構成によっても、風量一定制御の実施形態2と同様の作用および効果が得られる。
なお、実施形態1のモータ制御装置110においては、モータの制御方式が速度制御であるため、急峻な過渡状態時を除けば(定常状態においては)速度指令ωとモータ速度ωはほぼ等しくなる。このため、速度指令生成部116は速度指令ωの計算式として、式(8)の代わりに下記の式(19)を用いてもよいし、式(9)の代わりに下記の式(20)を用いてもよい。
Figure 0006037317
ここで、ωは速度指令、ωprev は速度指令生成部116が前回出力した速度指令、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
Figure 0006037317
ここで、ωは速度指令、ωはモータ速度、Kは制御ゲイン(正の定数)、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
また、実施形態2のモータ制御装置510においては、モータの制御方式がトルク制御であるため、急峻な過渡状態時を除けば(定常状態においては)トルク指令TとモータトルクTはほぼ等しくなる。このため、トルク指令生成部516はトルク指令Tの計算式として、式(10)の代わりに下記の式(21)を用いてもよいし、式(11)の代わりに下記の式(22)を用いてもよい。
Figure 0006037317
ここで、Tはトルク指令、Tprev はトルク指令生成部516が前回出力したトルク指令、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
Figure 0006037317
ここで、Tはトルク指令、Tはモータトルク、KGTは制御ゲイン(正の定数)、Pは目標モータ出力、Pはモータ出力である。
なお、以上の説明は本発明に係るモータ制御装置を有する送風装置が一般家屋に適用された場合の例について主に説明したが、一般家庭の家屋の他にも、例えばビルなどの業務用または商業用建築物、クリーンルームなどの業務用空調設備、車、バス、鉄道車両、航空機、船舶等の移動体に適用することも可能である。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、圧損条件や静圧の変化によらず風量一定制御を行うためのモータ制御装置に有用であり、一般家屋、業務用建築物、商業用建築物、車両等の空調設備として有用である。
101、501、801 空調装置(送風装置)
102 送風経路
103 交流電源
104 送風機
105 モータ
106 コンバータ
107 インバータ
108 位置検出器
109 電流検出器
110、510、810 モータ制御装置
111 速度検出器
112 トルク検出器
113 モータ出力計算部
114 メモリ
115 目標モータ出力計算部
116 速度指令生成部
117、817 速度制御部
118 スイッチ
516 トルク指令生成部
517 トルク制御部
820 風洞実験設備
821 ノズル
822 補助ブロア
823、824 整流グリル
825、826 チャンバー
827 静圧計測器
828 風量計測器
910、920 第1のユニット
911、921 第2のユニット
912、922 通信部

Claims (25)

  1. 送風機を駆動するモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記モータのモータ速度を取得し、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量およびモータ速度に基づいて計算する目標モータ出力計算部と、
    前記モータのモータ出力を取得し、前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータの物理量を制御する動作指令を生成する動作指令生成部と、を備え、
    前記目標モータ出力計算部は、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算する、モータ制御装置。
  2. 前記目標モータ出力計算部は、以下の式によって前記目標モータ出力を計算する、請求項1に記載のモータ制御装置。
    Figure 0006037317


    ここで、Pは目標モータ出力、ωはモータ速度、Qは目標風量、iは0以上の整数で有限値、α(n=0,1,2,・・,i)およびβは定数である。
  3. 前記モータ速度を示す第1の検出信号およびモータトルクを示す第2の検出信号を取得し、前記第1の検出信号および前記第2の検出信号に基づいて前記モータ出力を計算するモータ出力計算部を有する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記動作指令生成部は、前記動作指令として前記モータ速度の値を指令する速度指令を生成する速度指令生成部として構成される、請求項1に記載のモータ制御装置。
  5. 前記動作指令生成部は、前記動作指令としてモータトルクの値を指令するトルク指令を生成するトルク指令生成部として構成される、請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 前記速度指令生成部は、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の3乗根を前記モータ速度に乗じた結果を前記速度指令として生成する、請求項4に記載のモータ制御装置。
  7. 前記トルク指令生成部は、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の(2/3)乗を前記モータトルクに乗じた結果を前記トルク指令として生成する、請求項5に記載のモータ制御装置。
  8. 前記動作指令生成部は、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分を積分演算した値を利用して前記動作指令を生成する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  9. 前記速度指令生成部は、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータ速度との和を利用して前記速度指令を生成する、請求項4に記載のモータ制御装置。
  10. 前記トルク指令生成部は、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータトルクとの和を利用して前記トルク指令を生成する、請求項5に記載のモータ制御装置。
  11. 送風機を駆動するモータを制御するモータ制御方法であって、
    前記モータのモータ速度を取得し、前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量およびモータ速度に基づいて計算する第1のステップと、
    前記モータのモータ出力を取得し、前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータの物理量を制御する動作指令を生成する第2のステップと、を含み、
    前記第1のステップは、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算する、モータ制御方法。
  12. 前記第1のステップは、以下の式によって前記目標モータ出力を計算する、請求項11に記載のモータ制御方法。
    Figure 0006037317


    ここで、Pは目標モータ出力、ωはモータ速度、Qは目標風量、iは0以上の整数で有限値、α(n=0,1,2,・・,i)およびβは定数である。
  13. 前記モータ出力を、前記モータ速度を示す第1の変動量と、モータトルクを示す第2の変動量に基づいて計算する第3のステップを含む、請求項11に記載のモータ制御方法。
  14. 前記動作指令は、前記モータ速度を指令する速度指令である、請求項11に記載のモータ制御方法。
  15. 前記動作指令は、モータトルクを指令するトルク指令である、請求項11に記載のモータ制御方法。
  16. 前記第2のステップは、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の3乗根を前記モータ速度に乗じた結果を前記速度指令として生成する、請求項14に記載のモータ制御方法。
  17. 前記第2のステップは、前記モータ出力に対する前記目標モータ出力の比率の(2/3)乗を前記モータトルクに乗じた結果を前記トルク指令として生成する、請求項15に記載のモータ制御方法。
  18. 前記第2のステップは、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分を積分演算した値を利用して前記動作指令を生成する、請求項11に記載のモータ制御方法。
  19. 前記第2のステップは、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータ速度との和を利用して前記速度指令を生成する、請求項14に記載のモータ制御方法。
  20. 前記第2のステップは、前記モータ出力と前記目標モータ出力との差分にゲインを乗じた値と前記モータトルクとの和を利用して前記トルク指令を生成する、請求項15に記載のモータ制御方法。
  21. 前記送風機を前記モータによって1つのモータ速度で駆動させながら前記モータ出力と前記風量とを測定し、
    得られた前記モータ出力を得られた前記風量に関する多項式に回帰または近似させて前記多項式の係数を求め、
    得られた前記多項式の係数が前記定数αの因数となるように前記定数αの値を演算し、
    前記モータ出力および前記風量の測定で用いた前記1つのモータ速度を前記定数βの値とする、請求項12に記載のモータ制御方法。
  22. 前記風量に関する多項式に回帰または近似させて得られた前記多項式の係数を前記定数αの値とする、請求項21に記載のモータ制御方法。
  23. 前記風量に関する多項式に回帰または近似させて得られた前記多項式の係数に前記送風機の寸法の変化比率の整数乗を乗算した値を前記定数αの値とする、請求項21に記載のモータ制御方法。
  24. 送風機と、前記送風機を駆動するモータと、前記モータの駆動を制御するモータ制御装置とを備える送風装置であって、
    前記モータ制御装置は、
    モータ速度を示す第1の検出信号およびモータトルクを示す第2の検出信号を取得し、前記モータ速度および前記モータトルクに基づいてモータ出力を計算するモータ出力計算部と、
    前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量および前記モータ速度に基づいて計算する目標モータ出力計算部と、
    前記モータ出力と前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータ速度を制御する速度指令を生成する速度指令生成部と、
    前記モータ速度を前記速度指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成する速度制御部を備え、
    前記目標モータ出力計算部は、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算する、送風装置。
  25. 送風機と、前記送風機を駆動するモータと、前記モータを駆動するモータ駆動装置を備える送風装置であって、
    前記モータ駆動装置は、モータ速度を示す第1の検出信号およびモータトルクを示す第2の検出信号を取得し、前記モータ速度および前記モータトルクに基づいてモータ出力を計算するモータ出力計算部と、
    前記送風機が供給する風量を目標風量に一致させるための目標モータ出力を、前記目標風量および前記モータ速度に基づいて計算する目標モータ出力計算部と、
    前記モータ出力と前記目標モータ出力との比較結果に基づいて、前記モータ出力を前記目標モータ出力に一致させるように前記モータトルクを制御するトルク指令を生成するトルク指令生成部と、
    前記モータトルクを前記トルク指令に一致させるように前記モータへの駆動電圧を制御する信号を生成するトルク制御部を備え、
    前記目標モータ出力計算部は、前記目標風量を前記モータ速度で除した変数の多項式と前記モータ速度の3乗との積として前記目標モータ出力を計算する、送風装置。
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