JP6037291B2 - 頭・頸・医療サポート枕 - Google Patents

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Description

本発明は、通常の頭・頸枕および医療現場で使用される頭・頸・医療サポート枕に関する。
従来、ベッドや床に仰臥した使用者の頭部等を支持するために、枕が広く使用されている。このような従来の枕は、その形状が予め設定されている。しかしながら、使用者の体型には個人差があり、使用者は使用者自身に適した形状の枕を選択し、使用している。
ところで、使用者自身に適した枕を選択したとしても、使用に伴う経年劣化や、枕の個体差等により、使用者はその形状の枕を使用することに不具合を感じることがある。そこで、従来、使用者が使用者自身の体型に合わせて、気体、液体、固体といった素材を用いて形状を調整することができる枕が提供されている。
このような枕として、素材が固体では、例えば、特許文献1に記載の枕がある。この特許文献1に記載の枕によれば、使用者は枕本体に調整用プレートを挿入し、あるいは抜き取ることによりその形状を調整することができる。また、特許文献2には、枕袋に取り付けられたベルトの長さを調整することにより、形状を変更することのできる枕が記載されている。
特開2005−52210号公報 特許第3985256号公報
ところで、枕の形状を使用者の体型に合わせるためには、使用者が枕に頭部と頸部を乗せた状態で、枕の形状を調整することが好ましい。また、病院や介護施設等において、頭部と頸部を動かすことができない患者や被介護者等が枕を使用する場合は、使用者が枕に頸部と頭部を乗せた状態で、看護者や介護者等が枕の形状を調整することが望まれる。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の枕は、使用者が頭部と頸部を乗せた状態で枕の形状を調整することはできない。なお、このような問題は特許文献1等に記載の枕に限られるものではなく、その形状を調整することができる枕において概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、使用者自身または使用者に対して第三者(例、介護者等)が、頭部と頸部を乗せた状態で高さ、長さ、幅および角度の大小といった枕の形状を調整することができる、頭・頸・医療サポート枕を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、人の頭部を乗せる頭部支持部材と、前記頭部支持部材に人の頭部と頸部を乗せた状態で頸部が位置する頸部支持部材を備えた頭・頸・医療サポート枕であって、前記頭部支持部材と前記頸部支持部材とは隣接しており、前記頭部支持部材と前記頸部支持部材の少なくとも一方には、保持部材と調整部材とが取り付けられてある。前記保持部材は、当該頭・頸・医療サポート枕の中央寄りに取り付けられて、前記調整部材の一部を保持するものである。前記調整部材は、前記保持部材に対してスライド移動可能に保持されており、前記保持部材から当該頭・頸・医療サポート枕の端部に向かって延出する把持部と、前記頭部支持部材の端部のうち前記頸部支持部材と隣接していない端部、もしくは前記頸部支持部材の端部のうち前記頭部支持部材と隣接していない端部に固定される固定部とを含んで構成されることを特徴としている。
このような構成によれば、把持部が保持部材から頭・頸・医療サポート枕の端部に向けて延出しているため、頭・頸・医療サポート枕の使用者自身または使用者に対して第三者(例、介護者等)が、頭・頸・医療サポート枕に頭部と頸部を乗せた状態で、把持部を頭・頸・医療サポート枕の端部に向けて引っ張ることができる。このように把持部が頭・頸・医療サポート枕の端部に向けて引っ張られると、調整部材が保持部材に対してスライド移動し、固定部が保持部材に対して近接する。
ここで、固定部は、頭部支持部材の端部のうち頸部支持部材と隣接していない端部もしくは頸部支持部材の端部のうち頭部支持部材と隣接していない端部に設けられている。
そのため、固定部が保持部材に対して近接すると、当該固定部が取り付けられる部材の端部が、保持部材の取り付けられる中央部分に近接することとなり、この部材の寸法が小さくなる。したがって、使用者が頭・頸・医療サポート枕に頸部・頭部を乗せた状態で、頭部支持部材もしくは頸部支持部材の寸法を調整することができる。また、調整部材をゆるめることにより、頭・頸・医療サポート枕の寸法を大きくすることができる。これにより、頭・頸・医療サポート枕の形状を調整することができるようになる。
また、調整部材を保持する保持部材が設けられているため、調整部材と頭・頸・医療サポート枕との間に摩擦が発生することを抑制し、調整部材を動かしやすくなる。
本発明は、前記調整部材が、前記頸部支持部材の端部のうち前記頭部支持部材に隣接する端部の反対側の端部に固定部が設けられる調整部材を含むことを特徴としている。
このような構成によれば、使用者が、頭・頸・医療サポート枕に頸部と頭部を乗せた状態で調整部材を引っ張ることにより、頸部支持部材の端部のうち頭部支持部材に隣接する端部の反対側の端部を保持部材が取り付けられる中央部分に近接させる。そして、頸部支持部材の寸法を小さくすることで、頸部支持部材の寸法を調整することができるようになる。また、調整部材をゆるめることにより、頭・頸・医療サポート枕の寸法を大きくすることができる。
本発明は、前記調整部材が、前記頭部支持部材の端部のうち前記頸部支持部材に隣接する端部の反対側の端部に固定部が設けられる調整部材を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、使用者が頭・頸・医療サポート枕に頭部と頸部を乗せた状態で調整部材を引っ張ることにより、頭部支持部材の端部のうち頸部支持部材に隣接する端部の反対側の端部を保持部材が取り付けられる中央部分に近接させる。そして、頭部支持部材の寸法を小さくすることで、頭部支持部材の寸法を調整することができるようになる。また、調整部材をゆるめることにより、頭・頸・医療サポート枕の寸法を大きくすることができる。
本発明は、前記調整部材が、前記頸部支持部材に取り付けられて、前記頸部支持部材の端部のうち前記頭部支持部材と隣接する端部と直交する両側端部に一端がそれぞれ固定される一対の調整部材を含み、前記保持部材は、前記頸部支持部材の中央寄りに取り付けられて前記調整部材を保持する一対の保持部材を含むことを特徴とする。
このような構成によれは、使用者が頭・頸・医療サポート枕に頭部を乗せた状態で調整部材を引っ張ることにより、頸部支持部材の側端部を、保持部材が取り付けられる頸部支持部材の中央寄りに近接させて、頸部支持部材を圧縮し、その高さ方向の寸法を大きくするとともに、長さ(巾)を短くすることができる。したがって、使用者が当該頭・頸・医療サポート枕に頸部と頭部を乗せた状態で頸部支持部材の高さ方向の寸法および長さ(巾)を調整することができるようになる。また、調整部材をゆるめることにより、頭・頸・医療サポート枕の高さ方向の寸法を小さくするとともに、長さ(巾)を長くすることができる。
本発明は、当該頭・頸・医療サポート枕の中央部分に、当該頭・頸・医療サポート枕よりも体積の小さい小枕が取り付けられるとともに、前記小枕には、前記調整部材および前記調整部材を保持する前記保持部材が取り付けられている。また前記調整部材の固定部は前記小枕の端部に取り付けられるとともに、前記保持部材は前記小枕の中央寄りに取り付けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、使用者が頭・頸・医療サポート枕に頸部および頭部を乗せた状態で調整部材を引っ張ることにより、小枕の端部を、保持部材が取り付けられる小枕の中央部分に近接させて、小枕の寸法を小さくすることができる。また、調整部材をゆるめることにより、頭・頸・医療サポート枕の寸法を大きくすることができる。このように、使用者が頭・頸・医療サポート枕に頭部および頸部を乗せた状態で、小枕の寸法のみを調整することができるようになる。
本発明は、前記調整部材が、前記頸部支持部材の端部のうち前記頭部支持部材に隣接する端部の反対側の端部に固定部が取り付けられる前記調整部材を含むものであり、前記調整部材を保持する前記保持部材は、前記保持部材の内部に挿入された前記調整部材を挿入された方向に折り返す折り返し部が形成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、保持部材の内部に挿入された調整部材は、折り返し部を介してその挿入された方向、すなわち頸部支持部材の端部のうち頭部支持部材に隣接する端部の反対側の端部に向かって延出している。このため、使用者は、頸部と頭部をのせた状態で調整部材を引っ張ることにより、頸部支持部材の形状、ひいては頭・頸・医療サポート枕の形状を使用者自身で調整することができるようになる。
なお、軸と前記軸を中心に回転可能な回転体を保持部材の内部に設けて、調整部材が保持部材内をスライド移動する際、この回転体が調整部材の移動とともに回転するようにしてもよい。
本発明は、前記頭部支持部材および前記頸部支持部材が、それぞれ枕袋および同枕袋に充填される素材から形成され、前記頭部支持部材および前記頸部支持部材の端部には、前記素材を出し入れ可能とするファスナが設けられている。また前記ファスナの内側には内布が取り付けられてなることを特徴としている。
頭部支持部材および頸部支持部材に充填される素材の量を増減することで、頭・頸・医療サポート枕の形状を調整することができる。しかしながら、使用者が頭部と頸部を乗せた状態で頭部支持部材もしくは頸部支持部材に設けられたファスナを開けると、使用者の頸部と頭部の重みにより、素材(特に素材として粒状充填材を採用した場合)が枕袋からすぐに漏れ出してしまうおそれがある。この点、このような構成によれば、頭部支持部材および頸部支持部材に設けられたファスナの内側には内布が取り付けられているため、頭部支持部材や頸部支持部材の劣化や破断といったことを除いては、ファスナを開けたときに、素材が外部に漏れ出すことを抑制することができるようになる。
本発明は、前記保持部材が前記頸部支持部材または前記頭部支持部材に着脱可能に取り付けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、保持部材の取り付け位置を変更したり、保持部材が劣化したり汚れた場合に新しいものと取り換えることができる。
本発明は、前記頭部支持部材に設けられる一対の頭部固定部と、前記各頭部固定部に対してそれぞれ着脱可能である一対の着脱部とを備え、前記着脱部は同一のベルトにそれぞれ固定されてなることを特徴としている。
使用者の頭部を頭部支持部材に乗せたときに、使用者の頭部の重みによって頭部支持部材の形状が僅かに変形することがある。この点、このような構成によれば、各頭部固定部に着脱部をそれぞれ取り付けることにより、頭部支持部材を好ましい形状にした後、その形状を維持することができる。
この頭部支持部材と着脱部は、それぞれ面状ファスナから構成されることが好ましい。また、頭部支持部材をボタンをはじめとする留め具とし、着脱部をボタン穴をはじめとする当該留め具が着脱可能な部材としてもよい。さらに、頭部固定部は、使用者の頭部頭頂よりに位置するように固定することが好ましい。
また、本発明は、頭部支持部材が第一支持部材と第二支持部材とに分割されていて、一方の前記頭部固定部は前記第一支持部材に取り付けられており、他方の前記頭部固定部は前記第二支持部材に取り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、使用者が頭部と頸部を乗せて仰臥位にある状態で使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)が、形状を調整することができる頭・頸・医療サポート枕を得ることができる。
(a)は、本発明の第一実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の概略構造を示す模式図、(b)は、同実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す上面図。 第一実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図。 (a)は、第一実施形態にかかる鞘およびベルトの斜視図、(b)は、同実施形態にかかる鞘の断面構造を示す断面図、(c)は、同実施形態にかかる鞘を頭・頸・医療サポート枕に取り付けた状態を示す側面図。 (a)および(b)は、第一実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 第一実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図。 (a)および(b)は、第二実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す正面図。 (a)および(b)は、第二実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す正面図。 (a)および(b)は、第二実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 第三実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図。 (a)および(b)は、第三実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 第四実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図。 (a)は、第五実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図、(b)は、同実施形態にかかる内布を枕袋の外部に引き出したときの構造を示す側面図。 (a)は、第五実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の概略構造を示す斜視図、(b)は、同実施形態にかかる内布の折りたたみ方法を示す模式図。 第六実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図。 (a)は、第七実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図、(b)は、図15(a)の矢視線方向から見た手前側に位置するベルトの側面図。 (a)は、他の実施形態にかかる鞘の斜視図、(b)は、図16(a)のA−A´線に沿う断面図、(c)は、図16(b)の矢視線方向から見たベルトを取り外した状態の隔壁、軸および回転体の模式図、(d)は、図16(b)の矢視線方向からみた隔壁およびベルトの模式図。 他の実施形態にかかるボールベアリングの斜視図。 (a)は、第一実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す上面図、(b)は、同実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 (a)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の概略構造を示す模式図、(b)は、同実施形態にかかるベルトを示す正面図、(c)は、同実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の概略構造を示す模式図。 (a)および(b)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す正面図。 (a)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す上面図、(b)は、同実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 (a)〜(d)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す模式図。 他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図、およびアジャスタを拡大して示す拡大斜視図。 他の実施形態にかかるベルト固定具を示す斜視図。 他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図。 他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の底面構造を示す底面図。 (a)〜(d)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 (a)〜(c)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 (a)および(b)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の概略構成を示す模式図。 他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す側面図。 他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す正面図。 (a)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の上面構造を示す上面図、(b)は、同実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の側面構造を示す側面図、(c)は、同実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕へのベルトの取り付け態様を示す斜視図。 (a)および(b)は、他の実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す上面図、(c)は、同実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕の使用状態を示す正面図。 (a)〜(g)は、使用者の姿勢と骨の状態を示す模式図。
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
同図1(a)および(b)に示されるように、本実施形態の頭・頸・医療サポート枕1は、横長袋状の枕袋10と、この枕袋10に充填される図示しない素材とを含んで構成されている。頭・頸・医療サポート枕1の中央部分には、枕袋10が縫い合わせられることで、中央長手方向に延びる第一溝部15が形成されている。この第一溝部15を挟んで頭部支持部材11と頸部支持部材14とが隣接して形成されている。
素材としては、既存の枕に用いられている、枕袋10内で移動可能な種々の素材を採用することができる。例えば、そば殻、籾殻、木材チップ、合成樹脂製のビーズ、綿、或いは豆類等を採用することができる。
頭部支持部材11は、使用者が仰臥して頭・頸・医療サポート枕1に頭部と頸部を乗せた時に、使用者の頭部と頸部を支えるものである。頭部支持部材11の中央部分には、頭部支持部材11を形成する枕袋10が縫い合わせられることで、中央短手方向に延びる第二溝部16が形成されている。この第二溝部16を挟んで第一支持部材12と第二支持部材13とが隣接して形成されている。
頸部支持部材14は、使用者が仰臥して頭・頸・医療サポート枕1に頭部と頸部を乗せた時に、使用者の頭部と頸部を支えるものである。この頸部支持部材14は、第一支持部材12および第二支持部材13のそれぞれと隣接して形成されている。
図2に、本実施形態にかかる頭・頸・医療サポート枕1の底面構造を示す。同図2に示されるように、頭・頸・医療サポート枕1の中央部分には、頭・頸・医療サポート枕1よりも体積の小さい小枕21が、第一溝部15および第二溝部16の交点に、その中央部分が位置するように取り付けられている。小枕21は、面ファスナを介して枕袋10に対して着脱可能に取り付けられている。
また、頭・頸・医療サポート枕1には、中空形状をなす一対の鞘51(本発明の「保持部材」、「折り返し部」に相当)が、頸部支持部材14の端部のうち、頭部支持部材11に隣接する端部14aに取り付けられている。また、この鞘51をそれぞれ貫通する独立した一対のベルト41(本発明の「調整部材」に相当)が取り付けられている。
ベルト41は、端部14aの反対側の端部である端部14bにその一端が逢着されている。以下、この端部14bに逢着される部分を固定部42とする。
また、ベルト41は、鞘51に挿入され、この挿入された方向に折り返されて、鞘51から延出している。以下、鞘51から延出する部位を把持部43とする。把持部43の端部は、固定されていない自由端部となっている。なお、ベルト41は、ナイロンやポリプロピレンなどの樹脂素材、または布や皮革等の繊維素材等により形成されている。
固定部42には、枕袋10に接触する面の反対側の面に面状ファスナのフック部44が取り付けられている。そして、ベルト41の他端寄りの部位(把持部43)の枕袋10に対向する面には、この他端側から固定部42方向に延びるように面状ファスナのループ部45が取り付けられている。これら面状ファスナのフック部44とループ部45は互いに着脱可能となっている。なお、面状ファスナの取り付け態様はこれに限られるものではなく、固定部42にループ部45を取り付けるとともに、把持部43にフック部44を取り付けるようにしてもよい。
次に、図3(a)〜(c)を参照しながら鞘51について詳細に説明する。図3(a)は、鞘51の構成を示す斜視図である。図3(a)に示されるように、鞘51は、扁平形状の六面体に形成されるケース52と、矩形形状の隔壁53から構成されている。ケース52は、幅方向(図3(a)中のX軸方向)と奥行き方向(図3(a)中のY軸方向)の各寸法が高さ方向(図3(a)中のZ軸方向)の寸法よりも大きい直方体形状となっている。なお、ケース52および隔壁53は、ポリカーボネート等の樹脂や金属等のような剛性の高い材料により形成されている。
また、図3(c)に示されるように、鞘51は枕袋10に着脱可能となっている。このため、鞘51の配設位置は適宜変更することができる。また、鞘51が汚れた場合や、劣化した場合には洗浄したり新しいものと交換することができる。また、頭・頸・医療サポート枕1も個別で洗浄することもでき、清潔に保つことができる。
同図3(a)および(b)に示されるように、ケース52の頂点部分の角部と、ケース52の開口部にはR部が設けられ、面取りがなされている。また、隔壁53は、ケース52の内壁面のうち、側面を形成する両側の側壁に取り付けられている。隔壁53の奥行き方向(図3(a)中のY軸方向)の寸法は、ケース52の奥行き方向の寸法よりも小さくなるように形成されており、隔壁53の後端面とケース52の内壁面との間には隙間56が形成されている。
また、ケース52の開口部は、隔壁53によりて第一開口部54と第二開口部55とに分割されている。第二開口部55に挿入されたベルト41は、隔壁53の後端面とケース52の内壁面と間の隙間56を介して、第一開口部54から排出される。すなわち、ベルト41は、鞘51に対してスライド移動可能に組みつけられている。
また図3(c)に示されるように、枕袋10には面状ファスナのフック部47が取り付けられている。一方、鞘51の上面には面状ファスナのループ部48が取り付けられている。これら面状ファスナのフック部47とループ部48とを係合させることにより、鞘51は、図3(a)に図示された状態のまま、枕袋10に着脱可能に取り付けられている。
次に、図4を参照しながら頭・頸・医療サポート枕1の使用方法について説明する。
図4(a)に示されるように、使用者は、頭・頸・医療サポート枕1を床面やベッド面に設置した状態で仰臥し、頭部と頸部を頭・頸・医療サポート枕1に乗せる。
同図4(a)に矢印にて示されるように、使用者が把持部43を固定部42の方向に向けて引っ張ると、ベルト41が鞘51に対してスライド移動して、鞘51から引っ張り出される。このとき、図4(b)に矢印にて示されるように、固定部42には、鞘51を支点として鞘51に向かう力が作用する。鞘51も、その位置が固定されているため、この力により固定部42が鞘51に近接して、頸部支持部材14の短手方向(図4中のY軸方向)の寸法が小さくなる。
この際、頸部支持部材14は圧縮されるため、その高さ方向(図4中のZ軸方向)の寸法が大きくなる。すなわち、同図4(a)に示される寸法h1から同図4(b)に示される寸法h2となる。
そして、使用者は、ベルト41が鞘51から引っ張り出された状態で、固定部42に取り付けられた面状ファスナのフック部44と、把持部43に取り付けられた面状ファスナのループ部45とを固定する。これにより、頸部支持部材14の短手方向の寸法は、小さい状態に維持される。
上記実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏することができるようになる。
(1)本実施形態によれば、把持部43が鞘51から頸部支持部材14の端部14bに向けて延出している。そのため、使用者は、頭部と頸部を頭・頸・医療サポート枕1に乗せた状態で、把持部43を端部14bに向けて引っ張り、頸部支持部材14の短手方向の寸法を調整することができるようになる。
(2)本実施形態によれば、固定部42に面状ファスナのフック部44が取り付けられるとともに、把持部43の枕袋10に対向する面に面状ファスナのループ部45が取り付けられている。そのため、使用者は、把持部43を引っ張り、固定部42と鞘51とを近接させた状態で、これらフック部44とループ部45とを固定することができる。したがって、頸部支持部材14の短手方向の寸法を所望の大きさとした後、その状態を維持することができるようになる。
ゆえに、液体・気体ではできない短手方向の調整が、本実施形態を実施することで調整も出来るようになることも特徴である。
(3)また、図3(b)に示されるように、ケース52の開口部にR部が設けられているため、ベルト41をケース52に対してスライド移動させる際に、ベルト41が当該ケース52の開口部に引っ掛かることを抑制することができる。
(4)本実施形態によれば、鞘51に挿入されたベルト41は、鞘51内部で折り返されて頸部支持部材14の端部14bに向けて延出している。そのため、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)が、頭部と頸部をのせた状態でベルト41を端部14bに向けて引っ張り、頸部支持部材14の短手方向の寸法を調整することができるようになる。
なお、鞘51は枕袋10に着脱可能に取り付けられているため、ベルト41が引っ張られると、鞘51が枕袋10から剥がれてしまうことが懸念される。この点、本実施形態によれば、使用者が頭・頸・医療サポート枕1を使用している状態では、使用者の頸部と頭部の重みによって鞘51は枕袋10に圧着された状態になる。そのため、ベルト41が引っ張られることにより鞘51を枕袋10から剥がす方向に力が働いた場合であっても、鞘51が枕袋10から剥がされることは抑制される。
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を上記第一実施形態と異なる点を中心に図5〜図8に基づいて説明する。なお、これら図5〜図8において、第一実施形態にて説明した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
図5に示されるように、この第二実施形態の頭・頸・医療サポート枕1は、中空形状をなす独立した複数の鞘51(本発明の「保持部材」に相当)が第一支持部材12の第二溝部16近傍、第二支持部材13の第二溝部16近傍、および頸部支持部材14の中央寄りにそれぞれ取り付けられている。また、これら鞘51をそれぞれ貫通するように、独立した複数のベルト41(本発明の「調整部材」に相当)が取り付けられている。
第一支持部材12に取り付けられた鞘51は、第一支持部材12の端部のうち第二支持部材13に隣接する端部とは反対側の端部である側端部12cに向けて開口するように取り付けられている。また、第二支持部材13に取り付けられた鞘51は、第二支持部材13の端部のうち第一支持部材12に隣接する端部と反対側の端部である側端部13cに向けて開口するように取り付けられている。
頸部支持部材14には、一対の鞘51が取り付けられている。一方の鞘51は、頸部支持部材14の側端部のうち、第一支持部材12に一端が隣接する側端部14cに向けて開口するように取り付けられている。他方の鞘51は、頸部支持部材14の側端部のうち、第二支持部材13に一端が隣接する側端部14cに向けて開口するように取り付けられている。
頭部支持部材11の第一支持部材12に取り付けられたベルト41は、第一支持部材12の側端部12cに固定される固定部42と、鞘51から側端部12cに向けて延出する把持部43とを備えている。第二支持部材13に取り付けられたベルト41は、第二支持部材13の側端部13cに固定される固定部42と、鞘51から側端部13cに向けて延出する把持部43とを備えている。
頸部支持部材14には一対のベルト41が取り付けられている。一方のベルト41は、頸部支持部材14の側端部のうち、第一支持部材12に一端が隣接する側端部14cに固定される固定部42と、鞘51から上記側端部14cに向かって延出する把持部43とを備えている。
他方のベルト41は、頸部支持部材14の側端部のうち、第二支持部材13に一端が隣接する側端部14cに固定される固定部42と、鞘51から上記側端部14cに向かって延出する把持部43とを備えている。
なお、これら把持部43の端部は、固定されていない自由端部となっている。
次に、図6〜図8を参照しながら本実施形態の頭・頸・医療サポート枕1の使用方法について説明する。なお、図6(a),(b)は、頭・頸・医療サポート枕1および使用者を、使用者の頭頂部側から見た正面図である。図7(a),(b)は、頭・頸・医療サポート枕1および使用者を、使用者の頸部側から見た正面図である。図8(a),(b)は、頭・頸・医療サポート枕1および使用者を側面から見た側面図である。なお、図8(a),(b)は、図7(a),(b)に対応する図である。頭部支持部材11に取り付けられたベルト41は放置して、頸部支持部材14に取り付けられたベルト41のみを鞘51から引っ張り出した場合における頸部支持部材14の変化態様を示している。
まず、図6〜図8に示されるように、使用者は、頭・頸・医療サポート枕1を床面やベッド面に設置した状態で仰臥し、頭部および頸部を頭・頸・医療サポート枕1に乗せる。
図6(a)に矢印にて示されるように、使用者が把持部43を固定部42の方向に引っ張ると、ベルト41が鞘51に対してスライド移動して、鞘51から引っ張り出される。このとき、図6(b)の矢印にて示されるように、固定部42には、鞘51を支点として鞘51に向かう力が作用する。鞘51も、その位置が固定されているため、この力により固定部42が鞘51に近接して、第一支持部材12および第二支持部材13の長手方向(図6中のX軸方向)の寸法が小さくなる。
この際、第一支持部材12および第二支持部材13はそれぞれ圧縮されるため、その高さ方向(図6中のZ軸方向)の寸法が大きくなる。すなわち、同図6(a)に示される寸法h1から同図6(b)に示される寸法h2となる。
そして、使用者は、図6(b)に示されるように、ベルト41が鞘51から引っ張り出された状態で、面状ファスナのフック部44とループ部45とを固定する。これにより、第一支持部材12および第二支持部材13の高さ方向の寸法を大きいままに図6(b)中のh2の大きさに維持することができる。
同様に、図7(a)に矢印にて示されるように、使用者が把持部43を固定部42の方向に引っ張ると、ベルト41が鞘51に対しスライド移動して、鞘51から引っ張り出される。このとき、図7(b)の矢印にて示されるように、固定部42には、鞘51を支点として鞘51に向かう力が作用する。鞘51も、その位置が固定されているため、この力により固定部42と鞘51とが近接して、頸部支持部材14の長手方向(図7中のX軸方向)の寸法が小さくなる。この際、頸部支持部材14は圧縮されるため、高さ方向(図7のZ軸方向)の寸法は大きくなる。すなわち、同図7(a)に示される寸法h1から同図7(b)に示される寸法h2となる。
また、図8(a),(b)に示されるように、頸部支持部材14に取り付けられたベルト41が固定部42に向けて引っ張られると、頸部支持部材14の短手方向(図8中のY軸方向)の寸法は僅かに小さくなる。この際、頸部支持部材14は圧縮されるため、高さ方向(図8中のZ軸方向)の寸法は大きくなる。すなわち、同図8(a)に示される寸法h1から同図8(b)に示される寸法h2となる。このように頸部支持部材14の高さ方向(図8中のZ軸方向)の寸法が大きくなることで、使用者の顎が僅かに持ち上がることとなる。
このように、使用者は、ベルト41を引っ張ることにより、第一支持部材12、第二支持部材13および頸部支持部材14の高さ方向の寸法を調整することができるようになる。
一方、図4に示されるように、頸部支持部材14のベルト41を緩めると、使用者の顎を下げて、床面と平行に維持することができるようになる。
以上詳述した第二実施形態によれば、上記(1)〜(4)の効果に加えて次のような効果を発揮することができるようになる。
(5)本実施形態によれば、ベルト41を固定部42に向けて引っ張ることにより、第一支持部材12、第二支持部材13および頸部支持部材14の高さ方向の寸法を調整することができるようになる。
(6)第一支持部材12、第二支持部材13および頸部支持部材14のそれぞれについて、ベルト41およびこのベルト41が貫通する鞘51を取り付けるようにしている。このため、第一支持部材12の高さ方向の寸法、第二支持部材13の高さ方向の寸法、および頸部支持部材14の高さ方向の寸法をそれぞれ独立して調整することができるようになる。このように、長手方向の寸法を短手方向の寸法とは独立して調整することができるため、使用者の頭部の角度を自由に調整することができる。例えば、第一実施形態にて説明したように、頸部支持部材14の短手方向の寸法および高さ方向の寸法を変更したうえで、さらに本実施形態にて説明したように長手方向の寸法を変更することで、頸部支持部材14の形状を使用者に合わせた形に自由自在に変更することができるようになる。
(第三実施形態)
以下、本発明を具体化した第三実施形態を上記第一実施形態と異なる点を中心に図9および図10に基づいて説明する。なお、図9および図10において、第一実施形態にて説明した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
図9に示されるように、本実施形態では、筒状に形成される独立した複数の鞘22,56〜58(本発明の「保持部材」に相当)およびこれら鞘22,56〜58をそれぞれ貫通する独立した4本のベルト41(本発明の「調整部材」に相当)が頭・頸・医療サポート枕1の底面に取り付けられている。
鞘57は第一支持部材12に、鞘58は第二支持部材13に、鞘56は頸部支持部材14に、鞘22は小枕21にそれぞれ取り付けられている。また、鞘22,56〜58は、一端が第一支持部材12の端部12bもしくは第二支持部材13の端部13bに向けて開口するとともに、他端が頸部支持部材14の端部14bに向けて開口するように取り付けられている。
また、本実施形態の頭・頸・医療サポート枕1には、
鞘56および鞘57を貫通するとともに、鞘57から延出する把持部43を備えるベルト41がある。
鞘56、鞘22および鞘57を貫通するとともに、鞘57から延出する把持部43を備えるベルト41がある。
鞘56、鞘22および鞘58を貫通するとともに、鞘58から延出する把持部43を備えるベルト41がある。
鞘56および鞘58を貫通するとともに、鞘58から延出する把持部43を備えるベルト41がある。
なお、これら把持部43の端部は、固定されない自由端部となっている。
また、これらベルト41は、頸部支持部材14の端部14bに逢着される固定部42をそれぞれ備えている。
第一支持部材12の端部12b、および第二支持部材13の端部13bには、面状ファスナのフック部44が取り付けられている。また、把持部43には、ベルト41の枕袋10に対向する面に、面状ファスナのループ部45が取り付けられている。
本実施形態の頭・頸・医療サポート枕1の使用方法について詳述する。使用者は、頭・頸・医療サポート枕1を床面やベッド面に設置した状態で仰臥し、頭部と頸部を頭・頸・医療サポート枕1に乗せる。使用者自身もベルト41を頭上で引っ張ることができるため、頭部と頸部を乗せた状態で、使用者自身、または使用者に対して第三者(介護者等)が、把持部43を第一支持部材12の端部12bもしくは第二支持部材13の端部13bに向けて引っ張る。この際、鞘56の位置は固定されているため、固定部42が鞘56に対して近接する。これにより、頸部支持部材14の短手方向の寸法を小さくすることができるようになる。
又、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)は、把持部43を第一支持部材12の端部12bもしくは第二支持部材13の端部13bに向けて引っ張る。この状態で、面状ファスナのフック部44とループ部45とを固定させることで、頸部支持部材14の寸法を所望の大きさに維持する。
図10(a),(b)に示されるように、把持部43が第一支持部材12の端部12bもしくは第二支持部材13の端部13bに向けて引っ張られると、頸部支持部材14の短手方向(図10中のY軸方向)の寸法は小さくなる。すなわち、同図10(a)に示される寸法L1から同図10(b)に示される寸法L2となる。この結果、頸部支持部材14の高さ方向(図10中のZ軸方向)の寸法が大きくなり、使用者の顎が僅かに持ち上がることとなる。一方、図7に示されるように、頸部支持部材14のベルト41を緩めると、使用者の顎は下がり、平行にすることができる。
以上詳述した第三実施形態によれば、上記(1)および(2)の効果に加えて、次のような効果を発揮することができるようになる。
(7)本実施形態によれば、使用者が仰臥して頭部と頸部を頭・頸・医療サポート枕1に乗せた状態で、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)が、把持部43を第一支持部材12の端部12bもしくは第二支持部材13の端部13bに向かって引っ張ることができる。このため、使用者が頭・頸・医療サポート枕1を使用した状態で、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)が、頸部支持部材14の形状を好適に調整することができるようになる。
ゆえに、上述したように、液体・気体ではできない短手方向の調整が、本実施形態を実施することで調整も出来るようになることも特徴である。
(第四実施形態)
以下、本発明を具体化した第四実施形態を上記第一実施形態と異なる点を中心に図11に基づいて説明する。なお、図11において、第一実施形態にて説明した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
図11に示されるように、この実施形態の頭・頸・医療サポート枕1には、4本の筒状に形成された鞘22(本発明の「保持部材」に相当)が、それぞれ独立して小枕21に取り付けられている。また、これら鞘22をそれぞれ貫通するように、独立した4本のベルト41(本発明の「調整部材」に相当)が小枕21に取り付けられている。
鞘22は、一端が頸部支持部材14の端部14bに向けて開口するとともに、他端が第一支持部材12の第一端部12bまたは第二支持部材13の第一端部13bに向けて開口するように小枕21に取り付けられている。また、小枕21には、小枕21の頭部支持部材11側の端部21aに逢着されて、頸部支持部材14側に把持部43が延出する一対のベルト41がある。そして、小枕21の頸部支持部材14側の端部21bに逢着されて、頭部支持部材11側に把持部43が延出する一対のベルト41が取り付けられている。
第一支持部材12の端部12b、および第二支持部材13の端部13bには、面状ファスナのフック部44が取り付けられている。また、把持部43には、ベルト41の枕袋10に対向する面に、面状ファスナのループ部45が取り付けられている。
本実施形態の頭・頸・医療サポート枕1の使用方法について詳述する。使用者は頭・頸・医療サポート枕1を床面やベッド面に設置した状態で仰臥し、頭部および頸部を頭・頸・医療サポート枕1に乗せる。この状態で、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)が、把持部43をその延出する方向に引っ張ることで、小枕21の縦方向(図11中のY軸方向)における寸法を調整する。そして、その状態で面状ファスナのフック部44とループ部45とを固定させる。
以上詳述した第四実施形態によれば、上記(1)の効果に加えて次のような効果を発揮することができるようになる。
(8)本実施形態によれば、他の部材と独立して小枕21の寸法のみ調整することができるようになる。
(第五実施形態)
以下、本発明を具体化した第五実施形態を上記第一実施形態と異なる点を中心に図12および図13に基づいて説明する。なお、図12において、第一実施形態にて説明した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
第一実施形態では、ベルト41により頭・頸・医療サポート枕1の形状を調整するようにした。本実施形態では、枕袋10に充填される素材の量を調整することにより、頭・頸・医療サポート枕1の形状を調整するようにしている。
図12(a)および図13(a)に示されるように、本実施形態では、線ファスナ81が頭部支持部材11および頸部支持部材14の側面に、頭・頸・医療サポート枕1の短手方向に沿って延びるように設けられている。
図12(b)に示されるように、線ファスナ81が設けられる枕袋10の開口部には、枕袋10の内側に延出するように(図13(a)参照)、筒状をなす内布82が逢着されている。この内布82は、一端(基端側)が枕袋10の開口部に沿って逢着されるとともに、反対側の端部(先端側)は固定されない自由端部となっている。なお、図12(b)には、内布82を枕袋10の外部に引き出した状態の模式図を示す。
内布82は、通常時、折りたたまれて枕袋10の内部に充填されている。この内布82は、例えば、次のように折りたたまれる。すなわち、図13(b)に示されるように、まず、外部に引き出された内布82の先端側の端部を閉じ、内布82自身の延出方向(図13(b)中の矢印Aの方向)と交差する方向(図13(b)中の矢印Bの方向)の両端部82aを、前記交差する方向の中央側へ折る。ここでは、内袋82の先端側の端部が、内布82の基端側から先端側に延びる中心線83に沿うように内袋82を折る。
次に、内袋82の先端側の端部の中心部82bが内布82の両端部82aと近接するように矢印Aの方向に折る。このとき、中心部82bは両端部82aと所定距離を離間した位置まで折る。続いて、内布82自身がロール状になるように、端面82cを巻き込むように矢印Aの方向に巻きつけていく。このような順序で、内布82を折りたたむ。
以上詳述した第五実施形態によれば、次のような効果を発揮することができるようになる。
(9)頭部支持部材11と頸部支持部材14の素材の量を増やしたり、または減らしたりすることで、頭・頸・医療サポート枕1の形状を調整することができる。しかしながら、図12(a)に矢印にて示されるように、使用者が頭・頸・医療サポート枕1に頭部と頸部を乗せると、線ファスナ81の開口部に対して圧力がかかるため、線ファスナ81を開ける際、素材が枕袋10からすぐに漏れ出してしまうことがある。特に、素材として粒状充填材を採用した場合、素材は枕袋10から漏れ出しやすくなる。この点、本実施形態によれば、内布82が枕袋10の開口部に治って、枕袋10の内側に延出するように取り付けられているため、素材が枕袋10から漏れ出してしまうことを抑制することができるようになる。
(第六実施形態)
以下、本発明を具体化した第六実施形態を上記第一実施形態と異なる点を中心に図14に基づいて説明する。なお、図14において、第一実施形態にて説明した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
図14に示されるように、この実施形態の頭・頸・医療サポート枕1では、第一実施形態の頭・頸・医療サポート枕1に対して、独立した複数の鞘51(本発明の「保持部材」に相当)が第一支持部材12の第二溝部16近傍、第二支持部材13の第二溝部16近傍、および頸部支持部材14の中央寄りにそれぞれ取り付けられている。また、これら鞘51をそれぞれ貫通するように、独立した複数のベルト41(本発明の「調整部材」に相当)が取り付けられている。
第一支持部材12に取り付けられた鞘51は、第一支持部材12の端部のうち第二支持部材13に隣接する端部とは反対側の端部である側端部12cに向けて開口するように取り付けられている。また、第二支持部材13に取り付けられた鞘51は、第二支持部材13の端部のうち第一支持部材12に隣接する端部とは反対側の端部である側端部13cに向けて開口するように取り付けられている。
頸部支持部材14には、一対の鞘51が取り付けられている。一方の鞘51は、頸部支持部材14の側端部のうち、第一支持部材12に一端が隣接する側端部14cに向けて開口するように取り付けられている。他方の鞘51は、頸部支持部材14の側端部のうち、第二支持部材13に一端が隣接する側端部14cに向けて開口するように取り付けられている。
第一支持部材12に取り付けられたベルト41は、第一支持部材12の側端部12cに固定される固定部42と、鞘51から側端部12cに向けて延出する把持部43とを備えている。第二支持部材13に取り付けられたベルト41は、第二支持部材13の側端部13cに固定される固定部42と、鞘51から側端部13cに向けて延出する把持部43とを備えている。
頸部支持部材14の第一支持部材12寄りに取り付けられたベルト41は、頸部支持部材14の側端部のうち、第一支持部材12に一端が隣接する側端部14cに固定される固定部42と、鞘51から上記側端部14cに向かって延出する把持部43とを備えている。同様に、頸部支持部材14の第二支持部材13寄りに取り付けられたベルト41は、頸部支持部材14の側端部のうち、第二支持部材13に一端が隣接する側端部14cに固定される固定部42と、鞘51から上記側端部14cに向かって延出する把持部43とを備えている。
なお、これら把持部43の端部は、固定されていない自由端部となっている。
また、4本の筒状に形成された鞘22が、それぞれ独立して小枕21に取り付けられている。また、これら鞘22をそれぞれ貫通するように、独立した4本のベルト41が取り付けられている。
鞘22は、一端が頸部支持部材14の端部14bに向けて開口するとともに、他端が第一支持部材12の第一端部12bまたは第二支持部材13の第一端部13bに向けて開口するように小枕21に取り付けられている。ベルト41は小枕21の頭部支持部材11側の端部21aに逢着されて、頸部支持部材14側に把持部43が延出する一対のベルト41、および小枕21の頸部支持部材14側の端部に逢着されて、頭部支持部材11側に把持部43が延出する一対のベルト41を含んで構成される。
第一支持部材12の端部12b、側端部12c、第二支持部材13の端部13b、側端部13c、頸部支持部材14の端部14b、側端部14cには、面状ファスナのフック部44が取り付けられている。また、把持部43には、ベルト41の枕袋10に対向する面に、面状ファスナのループ部45が取り付けられている。
以上詳述した第六実施形態によれば、上記(1)〜(6)、(8)の効果に加えて次のような効果を発揮することができるようになる。
(10)上記実施形態によれば、第一支持部材12、第二支持部材13、頸部支持部材14および小枕21に鞘22,51およびベルト41がそれぞれ独立して取り付けられている。このため、第一支持部材12、第二支持部材13、頸部支持部材14および小枕21の短手方向(図14中のY軸方向)および長手方向(図14中のX軸方向)の寸法をそれぞれ独立して調整することができるようになる。
(第七実施形態)
以下、本発明を具体化した第七実施形態を上記第二実施形態と異なる点を中心に図15に基づいて説明する。なお、図15において、第二実施形態にて説明した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
図15(a)に示されるように、この実施形態の頭・頸・医療サポート枕1には、第二実施形態の頭・頸・医療サポート枕1に対して、筒状に形成された独立した複数の鞘59,65(本発明の「保持部材」に相当)が、第一支持部材12、第二支持部材13、および頸部支持部材14にそれぞれ取り付けられている。
また、複数のベルト49(本発明の「調整部材」に相当)が第一溝部15に直交するように取り付けられている。そして、これらベルト49が貫通する複数のガイド部75が頸部支持部材14の端部14bの近傍に取り付けられている。
またさらに、本実施形態では、小枕21に複数のベルト41(本発明の「調整部材」に相当)が第二溝部16に直交する態様で取り付けられている。
次に、第一支持部材12に取り付けられる鞘51,65およびベルト41について説明する。鞘65は、一端が第一支持部材12の側端部12cに向けて開口するとともに、他端が第二支持部材13の側端部13cに向けて開口している。鞘51は、第一支持部材12の側端部12cに向けて開口している。ベルト41の固定部42は、第一支持部材12の側端部12cに設けられている。そして、ベルト41は、固定部42から第二溝部16に向かって延出し、鞘51で折り返されて第一支持部材12の側端部12cに向かって延出している。この鞘51から延出する部分は把持部43となっている。第一支持部材12の側端部12cには面状ファスナのフック部44が、把持部43には面状ファスナのループ部45が設けられている。
次に、第二支持部材13に取り付けられる鞘51,65およびベルト41について説明する。鞘65は、一端が第一支持部材12の側端部12cに向けて開口するとともに、他端が第二支持部材13の側端部13cに向けて開口している。鞘51は、第二支持部材13の側端部13cに向けて開口している。ベルト41の固定部42は、第二支持部材13の側端部13cに設けられている。そして、ベルト41は、固定部42から第二溝部16に向かって延出し、鞘51で折り返されて第二支持部材13の側端部13cに向かって延出している。この鞘51から延出する部分は把持部43となっている。第二支持部材13の側端部13cには面状ファスナのフック部44が、把持部43には面状ファスナのループ部45が設けられている。
次に、頸部支持部材14に取り付けられる一対の鞘51,65およびベルト41について説明する。鞘65は、いずれも頸部支持部材14の両方の側端部14cに向けて開口している。一方の鞘51は、頸部支持部材14の一方の側端部14cに向けて開口しており、他方の鞘51は頸部支持部材14の他方の端部14cに向けて開口している。ベルト41は、それぞれ固定部42から中央部分に向かって延出し、鞘51で折り返されてそれぞれの固定部42が設けられる側端部14cに向かって延出している。この鞘51から延出する部分は把持部43となっている。頸部支持部材14の側端部14cには面状ファスナのフック部44が、把持部43には面状ファスナのループ部45が設けられている。
また、上述したように、本実施形態の頭・頸・医療サポート枕1には4本の筒状に形成された鞘22(本発明の「保持部材」に相当)が、第二溝部16に直交する態様で小枕21に取り付けられている。また、これら鞘22をそれぞれ貫通するように、独立した4本のベルト41(本発明の「調整部材」に相当)が小枕21に取り付けられている。
鞘22は、一端が第一支持部材12の側端部12cもしくは頸部支持部材14の側端部14cに向けて開口するとともに、他端が第二支持部材13の側端部13cまたは頸部支持部材14の側端部14cに向けて開口するように小枕21に取り付けられている。また、ベルト41は、一端が小枕21の一方の側端部21cに逢着されており、他端が小枕21の他方の側端部21cに向けて延出している。この鞘22から延出する部分は把持部43となっている。
第一支持部材12の側端部12c、および第二支持部材13の側端部13cには、面状ファスナのフック部44が取り付けられていて、頸部支持部材14の側端部14cには、面状ファスナのフック部44が取り付けられている。また、小枕21に取り付けられるベルト41の把持部43には、ベルト41の枕袋10に対向する面に、面状ファスナのループ部45が取り付けられている。
次に、図15(b)を参照しながら、図15(a)の矢視線方向から見た手前側に位置するベルト49について説明する。同図15(b)に示されるように、ベルト49の固定部42は、第一溝部15に隣接する位置に設けられている。そして、ベルト49は、固定部42から頸部支持部材14の端部14bに向かって延出し、ガイド部75で折り返されて、第一支持部材12の端部12bに向かって延出している。また、ベルト49は、鞘59を貫通するように取り付けられている。
以上詳述した第七実施形態によれば、上述した作用効果に準じた効果を奏することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる頭・頸・医療サポート枕1は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
上記第一実施形態では、隔壁53の後端部にベルト41が接触するようにしたが、これに代えて、図16に示すように、隔壁53の後端部に回転体62を取り付けるようにしてもよい。
図16(a)は本変形例にかかる鞘51の構成を示す斜視図を示す。
図16(b)は図16(a)に示すA−A´断面に沿った断面図を示す。
図16(c)は、図16(b)の矢視線方向から見たベルトを取り外した状態の隔壁53、軸61および回転体62の模式図を示す。
図16(d)は、図16(b)の矢視線方向からみた隔壁53およびベルト41の模式図を示す。
本変形例では、図16(a)〜(d)に示されるように、隔壁53の後端部とケース52の内壁との間の隙間56にケース52の両側壁を連絡する軸61を設ける。この軸61を中心として回転可能な回転体62を取り付けている。図16(a)〜(d)に示されるように、第二開口部55から鞘51に挿入されたベルト41は、この回転体62に巻きつけられ、第一開口部54から排出される。
上記変形例では、ケース52の両側壁を連絡する軸61に回転体62を取り付けるようにした。これに代えて図17に示されるように、軸61を中心として回転可能な複数のボールベアリング63を軸61に取り付けるようにしてもよい。
本変形例によれば、ベルト41が鞘51内をスライド移動する際、ボールベアリング63がベルト41とともに回転するため、より好的に隔壁53とベルト41との間に発生する摩擦を低減することができるようになる。
上述した第一実施形態にかかる頭・頸・医療サポート1は、第一支持部材12、第二支持部材13および頸部支持部材14に分割されているため、長さ・高さ・角度を容易に調整することができる。しかしながら、図18(a)および(b)に示されるように使用者の頭部および頸部を頭・頸・医療サポート枕1に乗せた場合、使用者の頭部および頸部の重みにより、同図18(b)の矢印にて示される方向への圧力がかかる。
これにより、同図18(a)に矢印にて示されるように、第一支持部材12と第二支持部材13との間が僅かに開いてしまうおそれがある。
そこで、本変形例にかかる頭・頸・医療サポート枕1は、第一支持部材12および第二支持部材13の形状を維持することができるベルト76を備えるものとする。本変形例によれば、第一支持部材12および第二支持部材13の形状をベルト76を用いて維持することができる。
図19(a)〜(c)を参照しながら、本変形例にかかるベルト76を備えた頭・頸・医療サポート枕1について説明する。同図19(a)に示されるように、頭・頸・医療サポート枕1は、第一支持部材12、第二支持部材13および頸部支持部材14の3つに分割されている。第一支持部材12と第二支持部材13とは、第二溝部16を挟んで隣接している。第一支持部12と頸部支持部材14、第二支持部13と頸部支持部材14は、それぞれ第一溝部15を挟んで隣接している。
第一支持部材12および第二支持部材13には、一対の面状ファスナのフック部44(本発明の「頭部固定部」に相当)が取り付けられている。これら面状ファスナのフック部44のうち、一方は第一支持部材12の端部12b近傍に、他方は第二支持部材13の端部13b近傍に取り付けられている。また、これら一対の面状ファスナのフック部44のうち、第一支持部材12に逢着されるフック部44は、第二溝部16近傍に逢着されている。すなわちこの第一支持部材12に逢着される面状ファスナのフック部44と第一支持部材12の側端部12cとの間の距離は、フック部44と第二溝部16との間の距離よりも長くなる。同様に、第二支持部材13に逢着されるフック部44も、第二溝部16近傍に逢着される。すなわちこの第二支持部材13に逢着される面状ファスナのフック部44と第二支持部材13の側端部13cとの間の距離は、フック部44と第二溝部16との間の距離よりも長くなる。
また、同図19(b)に示されるように、ベルト76には、一対の面状ファスナのループ部45(本発明の「着脱部」に相当)が取り付けられている。このループ部45は、それぞれベルト76の両端部から、中央付近まで延びる態様にて取り付けられている。
同図19(c)に示されるように、これら面状ファスナのフック部44とループ部45の係合を通じて、ベルト76は、頭・頸・医療サポート枕1と着脱可能となっている。
図20(a)および(b)に、頭・頸・医療サポート枕1にベルト76を取り付けた状態を示す。
例えば、使用者の頭部のうち、頭頂寄りの部位を高くしようとする場合は、図20(a)に示されるように、第一支持部材12および第二支持部材13をそれぞれ第二溝部16に向けて(同図20(a)中の矢印Aの方向に)引っ張る。そして、ベルト76に取り付けられた面状ファスナのループ部45を、第一支持部材12および第二支持部材13に取り付けられた面状ファスナのフック部44にそれぞれ取り付ける。
これにより、第一支持部材12および第二支持部材13をそれぞれ第二溝部16に向けて寄せた状態で維持することができる。したがって、同図20(a)中の矢印Bに示されるように、第一支持部材12および第二支持部材13のうち、使用者の頭頂よりの部分を高くし、その状態を維持することができるようになる。すなわち、後頭部の頭頂部が上がった状態とした後、第一支持部材12および第二支持部材13のフック部44にベルト76のループ部45を付けることにより、所望の好適位置で固定することができる。このように、後頭部の頭頂部について、微妙な高さが枕表面で調整することができる。
これに対して、使用者の頭部のうち、頭頂寄りの部位を低くしようとする場合は、図20(b)に示されるように、第一支持部材12および第二支持部材13をそれぞれ側端部12c,13cに向けて(同図20(b)中の矢印Cの方向に)引っ張る。そして、ベルト76に取り付けられた面状ファスナのループ部45を、第一支持部材12および第二支持部材13に取り付けられた面状ファスナのフック部44にそれぞれ取り付ける。同図20(b)中の矢印Dに示されるように、第一支持部材12および第二支持部材13には、使用者の頭部および頸部の重みがかかるため、第一支持部材12と第二支持部材13とが、それぞれ第二溝部16から離間した状態で維持することができる。
したがって、第一支持部材12および第二支持部材13のうち、使用者の頭頂よりの部分の寸法を小さくし、その状態を維持することができるようになる。すなわち、後頭部の頭頂部を下げた状態とした後、第一支持部材12および第二支持部材13のフック部44にベルト76のループ部45を付けることにより、所望の好適位置で固定することができる。このように、後頭部の頭頂部について、微妙な高さが枕表面で調整できる。
本変形例によれば、使用者が仰臥位で頭・頸・医療サポート枕1に頭部および頸部を乗せている状態で、使用者自身および介護者等の他人が、当該頭・頸・医療サポート枕1の形状等を調整することができる。もちろん、頭・頸・医療サポート枕1の枕底面において、ベルト76を頭頂部寄り付近に複数装着することは、様々な患者へきめ細やかな対応を行う医療の分野では必要である。
同様に、頭・頸・医療サポート枕1は、図21(a)に示されるように腹臥位にて使用することができる。本変形例では、第一支持部材12および第二支持部材13に、第二溝部16に平行に延びる態様にて面状ファスナのフック部44を取り付けることが好ましい。本変形例によれば、ベルト76の取り付け位置を移動固定できるようにする。これにより、例えば、使用者が腹臥位をとらなければならない場合、使用者は、第一溝部15もしくは第二溝部16の隙間に顔を埋めることで楽に呼吸をすることができる。
また、同図21(b)に示されるように、それでも息がし辛い場合。すなわち顔面を横に向くことができない、床面・長手方向を向いたままの固定ができない等は、ベルト76と枕袋10との間の隙間から、端部12bより第二溝部16に沿って酸素吸入チューブ85を導入することができる。本変形例によれば、酸素吸入マスク86が取り付けられた顔面・頚椎前面が一体の状態でも、後述するコルセット固定をしても高さ・角度・長さ・幅が自由自在に調整できる。
上記変形例においては、一対のフック部44を第一支持部材12と第二支持部材13にそれぞれ取り付けるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、一対のフック部44を第一支持部材12のみ、もしくは第二支持部材13のみに取り付けるようにしてもよい。また、第一実施形態〜第七実施形態にて説明した頭・頸・医療サポート枕1のいずれかにフック部44を取り付けてもよい。この場合は、ベルトを用いて第一支持部材12および第二支持部材13の形状を変更することができるため、上記実施形態(1)〜(10)で説明した作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
また図22に示されるように、第一支持部材12および第二支持部材13に、第二溝部16に平行に延びる態様にて面状ファスナのフック部44を取り付けてもよい。本変形例によれば、同図22(a)に矢印にて示されるように、使用者の頭部の重みによって第一支持部材12と第二支持部材13とが離間する場合には、同図22(b)に示されるようにベルト76を用いて第一支持部材12および第二支持部材13を第二溝部16よりに寄せることができる。これにより、使用者の後頭部の頭頂部を高く維持することができる。
使用者の頭部および頸部が小さい場合に、第二溝部16、第一溝部15を浅くしたい場合は、同図22(c)に矢印にて示されるようにベルト76を第一溝部15に近接する位置まで移動させた後、フック部44とループ部45とを係合させる。これにより、頭部および頸部が小さい使用者であっても、第二溝部16、第一溝部15の深さを所望の深さに固定することができる。
一方、頸部および頭部が大きい使用者が第二溝部16、第一溝部15を広くしたい場合は、同図22(d)に示されるようにベルト76を端部12b,13b寄りに移動させ、フック部44同士の距離を所望の距離に固定することができる。このように、頭部および頸部の大きさや負荷に応じて、各使用者に馴染むように微細な調整をすることができるようになる。
又、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)が、頭・頸・医療サポート枕1の形状の微細な調整を行うことができる。
上記実施形態では、面状ファスナを用いてベルト41を固定部42に着脱可能としたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図23に示されるようにベルト41の長さを調整するアジャスタ71を取り付けるようにしてもよい。アジャスタ71は、ポリカーボネート等の樹脂や金属等のような剛性の高い材料からなる。
図23に示されるように、アジャスタ71は、頸部支持部材14の端部14bに固定されている。ベルト41は、アジャスタ71の内部および鞘51に通されており、一方の端部は、アジャスタ71内部の長孔に通されて、ベルト41の他の部分に逢着されている。ベルト41の他端は、固定されない自由端部となっている。こうして、ベルト41は、一方の端部をアジャスタ71に連結した状態で、アジャスタ71および鞘51に対してスライド移動可能に組みつけられている。ベルト41は、アジャスタ71と鞘51との間においてループ状に、すなわちベルト41の一部を他の部分と重複させるように取り付けられている。
同図23に示されるように、アジャスタ71は、基盤73、押さえ部72および図示しないトーションバネを備えている。トーションバネは、押さえ部72を基盤73に押し付けるように、押さえ部72を付勢している。すなわち、ベルト41は、基盤73と押さえ部72とにより挟持されている。
本変形例によれば、使用者は、押さえ部72を基盤73から離して、すなわちベルト41を基盤73および押さえ部72によって挟持された状態から解放して、ベルト41をアジャスタ71および鞘51に対してスライド移動することにより、ベルト41の長さを調整することができる。そして、使用者は、ベルト41の長さを所望の長さとした後、押さえ部72と基盤73との間にベルト41を再び挟持させることで、ベルト41の長さを所望の長さに維持することができるようになる。
また、図24に示されるように、アジャスタ71に代えて、長方形状のベルト固定具74を取り付けてもよい。ベルト固定具74には短手方向に短く、長手方向にベルト41の巾より少し長く延びる複数の孔が設けられており、ベルト41は、これらの孔を貫通するように取り付けられている。
本変形例によれば、使用者は、ベルト41の長さを所望の長さとした後、このベルト固定具74に設けられた孔にベルト41を貫通させる。ベルト41とベルト固定具74との間の摩擦により、使用者は、ベルト41の長さを所望の長さに維持することができるようになる。
上記実施形態では、把持部43が端部12b,13b,14b、および側端部12c,13c,14cの外側まで延出するようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、把持部43が頭・頸・医療サポート枕1と床面またはベッド面との間に挟まれるようにしてもよい。本実施の形態においても、上記作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
上記第1実施形態では、鞘51を端部14aに取り付けるようにしたが、鞘51に代えて、図25に示されるように、面取りされた矩形形状のリング64(本発明の「保持部材」に相当)を端部14aに取り付けるようにしてもよい。リング64は、一辺が固定布46を介して頸部支持部材14の端部14aに取り付けられている。そして、リング64の内部を貫通するように、ベルト41が取り付けられている。
把持部43が端部14bに向けて引っ張られると、ベルト41がリング64に対してスライド移動し、固定部42がリング64に近接するため、端部14aと端部14bとが近接するようになる。したがって、本変形例においても、上記(1)に準じた作用効果を奏することができるようになる。
図26に示されるように、頸部支持部材14の端部14b近傍に円形のガイドリング84を取り付けてもよい。本変形例では、ベルト41は、頸部支持部材14の端部14bに一端が逢着され、鞘51に向けて延出している。そして、鞘51で折り返されて頸部支持部材14の端部14bに向けて延出している。このベルト41は、ガイドリング84を貫通している。本変形例によれば、ベルト41がガイドリング84を貫通しているため、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)は、側端部14cの外側方向に向けてベルト41を所望の位置まで引き、緩めなおした後、ループ部45をフック部44に付けて調整することができるようになる。
図27(a)〜(d)に示されるように、ベルト41を引っ張り出すことによって、使用者の頭部の角度を変更するようにしてもよい。すなわち、図27(a)に示されるように、頸部支持部材14の高さ方向における寸法(h1)が大きく使用者の顎が上がっている場合は、図27(b)に示されるように、頸部支持部材14に取り付けられているベルト41を緩め、頸部支持部材14の高さ方向における寸法を小さくして(h2)使用者の顎を下げるとよい。また、図27(c)に示されるように、頭部支持部材11の高さ方向における寸法(h1)が小さく使用者の顎が上がっている場合は、図27(d)に示されるように、頭部支持部材11に取り付けられているベルト41を引っ張り出し、頭部支持部材11の高さ方向における寸法を大きくして(h2)、使用者の顎を下げるとよい。
また、頭・頸・医療サポート枕1に仰臥し、頸部にコルセットを装着する状態は、頸部損傷の症例に応じて、頭部に対する頸部の角度・回旋・高さ等、コルセット装着態様は様々である。例として、当該コルセットによって使用者の頸部が持ち上げられて不具合を生じる位置の場合を挙げる。図28(a)に示されるように、頸部支持部材14に取り付けられたベルト41を緩めて頸部支持部材14の高さ方向(図28中のZ軸方向)における寸法を小さくし、使用者の頸部の高さを下げることができる。
また、本発明にかかる頭・頸・医療サポート枕1によれば、1つの頭・頸・医療サポート枕1で、交通事故や災害等で頸椎損傷・頸椎手術した後等に、同図28(b)に示されるように、固定コルセットを装着した状態のまま、その長さ、高さおよび角度を調整し、患者に対して好位置にて固定することができる。例えば医療の中で頸椎を手術しても、イ・手術のテクニック不足、ロ・手術後の管理不足により、頸椎を再手術しなければならない脊椎(頸椎)手術後症候群を発症することがある。しかし本発明によれば、ロ・術後管理不足においては、再手術を回避する手段として、同図28(b)に示されるように頭・頸・医療サポート枕1の上で固定コルセットを装着した状態で複数回のレントゲン・MRI検査などきめ細かい検査を行うことができる。そのため、同図28(a)に記載されるような微妙な長さ、高さおよび角度の調整を調整することができ、ひいては全ての患者に好位置固定することができるようになる。このため、本発明にかかる頭・頸・医療サポート枕1は、再手術を回避する1つの手段として充分果たし得る。また、同図28(c)に示されるように装着したコルセットを外した後、同じ1つの頭・頸・医療サポート枕1を、好位置での頭・頸・医療サポート枕1へと容易に変化させることもできる。
上記実施形態では、図29(a)に示されるように、第一支持部材12、第二支持部材13と頸部支持部材14の体積は差があるようにしたが、本発明の頭・頸・医療サポート枕1の形状はこれに限られるものではない。図29(b)に示される頭・頸・医療サポート枕9のように、頸部支持部材94の頭・頸・医療サポート枕9全体に占める体積を大きくして、頭部支持部材91と頸部支持部材94の体積が等しくなるようにしてもよい。
上記実施形態では、頭部および頸部を支持する例について説明したが、本発明にかかる頭・頸・医療サポート枕1の使用方法はこれに限られるものではなく、図30に示されるように、腰部および臀部等を支持するようにしてもよい。これにより医療現場等で寝たきり状態にある患者等の腰部や骨盤などの位置調整も可能になる。また、声を出すことができない患者に対して、褥創(とこずれ)の科学的検査(例えば、赤外線による皮膚温度の測定)を行う際、好位置決定をして追跡調査を行うことができるようになる。
上記実施形態では、使用者が鉛直方向上方を向いて仰臥した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。図31に示されるように、使用者を斜め向きに仰臥させ、第二支持部材13の高さ方向の寸法を大きくするとともに、第一支持部材12の高さ方向の寸法を小さくすることで、使用者の頭部の向きを維持するようにしてもよい。本変形例によれば、医療における患者の頭部および頸部の回転(頭部単独、頸部単独または頭部と頸部の双方の微妙な回転であってもよい)による角度固定において、出来得る範囲での、例えば15度でも21度、39度、43度・・・などいろいろな角度に固定することができるようになる。
図32(a)および(b)に示されるように、第一支持部材12の上面、第二支持部材13の上面および頸部支持部材14の上面にガイド83a〜83cを取り付けてもよい。これらガイド83a〜83cは、中心部分が婉曲した婉曲形状に形成されており、第一溝部15に直交するようにそれぞれ両端部が枕袋10に固定されている。
ベルト41は、ガイド83a〜83cのうち、いずれかを介して外部に延出する。また、ベルト41には面状ファスナのフック部44およびループ部45が取り付けられている。
ここで、図32(c)に、ベルト41がガイド83cを介して外部に延出する場合の模式図を示す。ベルト41は、一端が底面に逢着されており、ガイド83cを介して外部に延出している。この延出している部分は把持部43となっている。
次に、図33(a)〜(c)を参照しながら、ベルト41がガイド83cを介して外部に延出する場合における頭・頸・医療サポート枕1の使用方法を説明する。ベルト41が引っ張られると、枕袋10は、図33(c)に矢印にて示されるように、ロール状に巻き込まれる。このため、頸部支持部材14の長手方向(図33(c)中のX軸方向)の寸法は小さくなる。すなわち、同図33(a)に示される寸法W1から同図33(b)に示される寸法W2となる。なお、このように長手方向の寸法を変更することにより、高さ方向(図33(c)中のZ軸方向)の寸法も調整することができる。
また、このように枕袋10をロール状に巻き込んだ際、面状ファスナのフック部44とループ部45とを接合することにより、このように枕袋10を巻き込んだ状態に枕袋10の形状を維持することができる。
またさらに、第一支持部材12の長手方向の寸法、および第二支持部材13の長手方向の寸法も、これら第一支持部材12と第二支持部材13にそれぞれ取り付けられたベルト41を調整することにより、変更することができる。
なお、上述した例では、ベルト41がガイド83cを介して外部に延出する場合について説明したが、使用者の体型によっては、ガイド83aまたはガイド83bを介して外部に延出させることもできる。また、枕袋10に取り付けるガイドの数、およびベルト41の数は上述した数に限られるものではなく、適宜変更することができる。
本変形例によれば、使用者の体型に合わせてベルト41を頭・頸・医療サポート枕1の長手方向の寸法、高さ方向の寸法および角度を変更することができる。
上述した医療の中で頸椎において、脊椎(頸椎)手術後症候群でロ・手術後の管理不足に対しても本発明は有効である。また医療の頸椎の分野においては、頭・頸・医療サポート枕1の同図33(a)に示される寸法W1の幅は、神経の障害患者に影響を与えることが知られている。このため、(a)に示される寸法W1の幅を、同図33(b)に示される寸法W2等の幅などに変更することができるという点も本発明の特徴となる。これは、ガイド83を単独で使用した場合であっても同様であり、また上述した固定コルセット装着、図32および図33に記載されるガイド83a〜83cと、複数回のきめ細かい検査によるより微妙な長さ、高さおよび角度の調整ができる。
そのため、全ての患者に好位置固定することができるので、一緒に使用しても良い。なお、神経の患者に与える影響では、頸部支持部材14の長さ(巾)も非常に重要になるので、上述した各実施形態との組み合わせて細微な調整もできる。
上記第二実施形態では、頸部支持部材14に、独立した一対の鞘51を取り付けるようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。これらの鞘51を一体化させて、頸部支持部材14の両側の側端部14cに向けてそれぞれ開口する単一部材からなる鞘51となるようにしてもよい。
上記実施形態では、枕袋10および枕袋10に充填される素材からなる頭・頸・医療サポート枕1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ポリプロピレンを用いて一体形成された頭・頸・医療サポート枕1を用いるようにしてもよい。
ベルト41の取り付け方向、取り付け位置および取り付けられる数は上記実施形態で説明したものに限られない。例えば、第一実施形態では頸部支持部材14にのみベルト41を取り付けているが、本発明はこれに限られるものではなく、第一支持部材12および第二支持部材13にもベルト41を取り付けるようにしてもよい。
この場合、第一支持部材12および第二支持部材13に取り付けられるベルト41は、端部12b,13bに固定部42が、第一溝部15近傍に鞘51が取り付けられることが好ましい。また、第一実施形態ではベルト41を二本取り付けるようにしているが、小枕21に近接した位置にベルト41を追加して取り付けてもよい。
第二実施形態では頭・頸・医療サポート枕1に四本のベルト41を取り付けるようにしているが、本発明におけるベルト41の本数はこれに限られるものではない。側端部12cに固定部42が取り付けられるベルト41と、第二溝部16近傍に取り付けられる鞘51との組み合わせを複数増やしてもよい。また、側端部13cに固定部42が取り付けられるベルト41と、第二溝部16近傍に取り付けられる鞘51との組み合わせを複数増やしてもよい。またさらに、側端部14cに固定部42が取り付けられるベルト41と、頸部支持部材14の中央部分に取り付けられる鞘51との組み合わせを増やしてもよい。
第一実施形態および第二実施形態では、ベルト41を鞘51に挿入された方向に折り返すようにしているが、角度においては出来得る範囲、例えば15度でも39度・43度・・・など色々な角度に固定できるのが本発明の特徴である。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、鞘51に挿入された方向に対して所定角度(例えば、45度)傾斜して折り返すようにしてもよい。
第三実施形態では端部14bに固定部42を取り付けるとともに端部12bに向けて把持部43が延出するようにしているが、本発明のベルト41の取り付け方向はこれに限られるものではなく、端部12bに固定部42を取り付けるとともに、端部14bに向けて把持部43が延出するようにしてもよい。または、側端部12cおよび側端部12cに隣接する側端部14cに固定部42を取り付けるとともに、側端部13cおよび側端部13cに隣接する側端部14cに向けて把持部43が延出するようにしてもよい。
もしくは、側端部13cおよび側端部13cに隣接する側端部14cに固定部42を取り付けるとともに、側端部12cおよび側端部12cに隣接する側端部14cに向けて把持部43が延出するようにしてもよい。また、第三実施形態では頭・頸・医療サポート枕1に四本のベルト41を取り付けるようにしているが、側端部12c,13c寄りにベルト41を追加して取り付けてもよい。又は、取り付けるベルト41の数を減らしてもよい。
第四実施形態において、取り付けるベルト41の数を追加、または減少してもよい。
第一実施形態、第三実施形態および第四実施形態では、側端部12c,13c,14cと平行になるようにベルト41を取り付けているが、角度においては出来得る範囲、例えば15度でも39度、43度・・・など色々な角度に固定できるのが本発明の特徴である。しかし本発明はこれに限られるものではなく、側端部12c,13c,14cに対して所定角度(例えは、45度)傾斜するように取り付けてもよい。
同様に、第二実施形態では、端部12b,13b,14bに対して平行となるようにベルト41を取り付けているが、角度においては出来得る範囲、例えば15度でも39度、43度・・・など色々な角度に固定できるのが、やはり本発明の特徴である。本発明はこれに限られるものではなく、端部12b,13b,14bに対して所定角度(例えば、45度)傾斜するように取り付けてもよい。
人の脊柱は、図34(a)に示されるように、腰椎前弯・胸椎後弯・頚椎前弯の生理的なだらかな理想S字カーブを描く場合、重力による負荷をクッションの役目として果たすことができる。
脊柱の正常理想的位置関係は諸説あるが、同図34(b)頭部・頸部における理想的位置関係として、起立位で側方よりみて示す。頭頂より垂線を垂らし、垂線が耳穴から理想S字カーブ頚椎を通り、肩関節中央を通り、理想S字カーブ胸椎を通り、理想S字カーブ腰椎を通り、股関節、膝関節を通り、外果(くるぶし)・床面まで伸びる線上にあるのが理想とされる。
同図34(a)および(b)に示されるように、その線上の中で頭部に対する顎を引いた頚椎であれば、正常な理想的S字カーブを造り、同図34(c)に示されるように各椎間孔より出ている神経に好影響を与える。
一方、同図34(d)および(e)に示されるように、線上の中で頭部に対する前屈(前かがみ)姿勢であれば、なだらかなS字カーブが消失する。そのため、同図34(f)に示される各椎間孔より出ている神経に不具合を与え、重力に対して人体がバランスを取ろうとする「骨Caイオン化現象」とよばれる現象が発生し、同図34(f)に示されるように骨棘77を形成しやすい頚椎骨になりやすいのが実証されている。
この正常起立位を同図34(g)に示される寝姿仰臥位にして側方からみると、上述した同図34(a)および(b)に示される正常位を床水平に対して頭頂より頭部耳穴よりの、なだらかな理想S字カーブを考え、頭部・頸椎を通る線上を求めるなら、具体的に頭・頸・医療サポート枕1をベッドで使用することは、同図34(g)に示される顎を引き理想的なだらかなS字カーブができる高さとすることである。
この点、上述した各実施形態および各変形例に記載した頭・頸・医療サポート枕1によれば、使用者の体型に合わせてその形状を容易に変更できる。そのため、脊柱が理想S字カーブを描くような姿勢に人体を保つことができ、使用者自身または使用者に対して第三者(介護者等)も、頭・頸・医療サポート枕1の形状を調整することができるようになる。
また幼少年期より携帯電話、IT機器およびパソコンなどに囲まれ、不自然な前かがみ(前屈)姿勢で頸椎後弯姿勢が多くなっているため、少しでもリラックスできる睡眠時だからこそ、なだらかな理想S字カーブを、各人の頸部・頭部に対して調整できる、本発明の頚・頭・医療サポート枕1は、現代・未来の人々・医療にも求められる。
上記第一実施形態では、鞘51を枕袋10に着脱可能に取り付けている。しかし、本発明における鞘の取り付け態様はこれに限られるものではなく、鞘51が枕袋10に着脱可能とならないよう、鞘51を枕袋10に逢着してもよい。
なお、医学書には睡眠時に於ける枕の基準は「高すぎない、低すぎない枕が良いでしょう」、ベッドは「(例.腰後面の頂点とベッド面が10〜20mm)ほどよい硬さのベッドがよいでしょう。」と漠然と書かれている。
また、通常一般人には「枕が高すぎない、低すぎない」「ほどよい硬さのベッド」の基準はない。そして、枕の高低、ベッドの硬軟は「気持ちよければ」と言う好みがあり人さまざまである。しかし、頚・頭・医療サポート枕1、頚・頭・医療サポート枕9は、高さ・角度・長さ・幅が自由自在に調整できる。
そのため、仰臥位でのベッド・床面の硬・柔どのような状態でも、人が感じる接触面が「フィットし馴染める・気持ち良い」感じに対応できる。また、腹臥位での頚・頭・医療サポート枕9使用でも、ベッド・床面の硬・柔どのような状態でも、人が感じる接触面が「フィットし馴染める・気持ち良い」感じに対応でき、微細なところまで調整することが可能である。
1…頭・頸・医療サポート枕
9…頭・頸・医療サポート枕
10…枕袋
11…頭部支持部材
12…第一支持部材
13…第二支持部材
14…頸部支持部材
15…第一溝部
16…第二溝部
21…小枕
22…鞘
41…ベルト
42…固定部
43…把持部
44…フック部
45…ループ部
46…固定布
47…フック部
48…ループ部
49…ベルト
51…鞘
52…ケース
53…隔壁
54…第一開口部
55…第二開口部
56…鞘
57…鞘
58…鞘
59…鞘
61…軸
62…回転体
63…ボールベアリング
64…リング
65…鞘
71…アジャスタ
72…押さえ部
73…基盤
74…ベルト固定具
75…ガイド部
76…ベルト
77…骨棘
78…椎間孔
81…線ファスナ
82…内布
83a〜83c…ガイド
84…ガイドリング
85…酸素吸入チューブ
86…酸素吸入マスク
90…枕袋
91…頭部支持部材
92…第一支持部材
93…第二支持部材
94…頸部支持部材
95…第一溝部
96…第二溝部

Claims (6)

  1. 人の頭部を乗せる頭部支持部材と、前記頭部支持部材に人の頭部と頸部を乗せた状態で頸部が位置する頸部支持部材を備えた頭・頸・医療サポート枕であって、
    前記頭部支持部材と前記頸部支持部材とは隣接しており、
    前記頭部支持部材および前記頸部支持部材の少なくとも一方には、保持部材と調整部材とが取り付けられており、
    前記保持部材は、前記調整部材の一部を保持するものであり、
    前記調整部材は、前記保持部材に対してスライド移動可能に保持されており、
    前記調整部材は、前記頭部支持部材の端部のうち前記頸部支持部材に隣接する端部の反対側の端部に固定部が設けられる調整部材を含む
    ことを特徴とする頭・頸・医療サポート枕。
  2. 請求項1に記載の頭・頸・医療サポート枕において、
    前記調整部材は、前記頸部支持部材に取り付けられて、前記頸部支持部材の端部のうち前記頭部支持部材と隣接する端部と直交する両側端部に一端がそれぞれ固定される一対の調整部材を含み、
    前記保持部材は、前記頸部支持部材の中央寄りに取り付けられて前記調整部材を保持する一対の保持部材を含む
    ことを特徴とする頭・頸・医療サポート枕。
  3. 請求項1〜のいずれか一項に記載の頭・頸・医療サポート枕において、
    当該頭・頸・医療サポート枕の中央部分には、当該頭・頸・医療サポート枕よりも体積の小さい小枕が取り付けられるとともに、
    前記小枕には、前記調整部材および前記調整部材を保持する前記保持部材が取り付けられており、
    前記調整部材の固定部は前記小枕の端部に取り付けられるとともに、前記保持部材は前記小枕の中央寄りに取り付けられている
    ことを特徴とする頭・頸・医療サポート枕。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の頭・頸・医療サポート枕において、
    前記調整部材は、前記頸部支持部材の端部のうち前記頭部支持部材に隣接する端部の反対側の端部に固定部が取り付けられる前記調整部材を含むものであり、
    前記調整部材を保持する前記保持部材は、前記保持部材の内部に挿入された前記調整部材を挿入された方向に折り返す折り返し部が形成されている
    ことを特徴とする頭・頸・医療サポート枕。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の頭・頸・医療サポート枕において、
    前記保持部材は前記頸部支持部材または前記頭部支持部材に着脱可能に取り付けられている
    ことを特徴とする頭・頸・医療サポート枕。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の頭・頸・医療サポート枕において、
    前記頭部支持部材に設けられる一対の頭部固定部と、前記各頭部固定部に対してそれぞれ着脱可能である一対の着脱部とを備え、前記着脱部は同一のベルトにそれぞれ固定されてなる
    ことを特徴とする頭・頸・医療サポート枕
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