JP6037040B2 - クロマトグラムデータ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体クロマトグラフ等のクロマトグラフにより分離された成分を含む試料やフローインジェクション法により導入された試料を、繰り返し分光分析したり或いは質量分析したりすることで収集された3次元クロマトグラムデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、クロマトグラムに現れる目的成分由来のピークにおける不純物等の他の成分の重なりの有無を判定するためのデータ処理装置に関する。
検出器としてフォトダイオードアレイ(PDA)検出器等のマルチチャンネル型検出器を用いた液体クロマトグラフでは、移動相への試料の注入時点を基点とし、カラム出口から溶出する試料液に対して吸光スペクトルを繰り返し取得することで、時間、波長、及び吸光度という3つのディメンジョンを持つ3次元クロマトグラムデータを得ることができる。また、検出器として質量分析計を用いた液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)では、質量分析計において所定の質量電荷比範囲のスキャン測定を繰り返すことで、時間、質量電荷比、及び信号強度という3つのディメンジョンを持つ3次元クロマトグラムデータを得ることができる。以下の説明では、PDA検出器を用いた液体クロマトグラフを例に挙げるが、質量分析計を検出器としたクロマトグラフでも事情は同様である。
図8(a)は上記液体クロマトグラフにより得られる3次元クロマトグラムデータの模式図である。この3次元クロマトグラムデータから特定の波長(例えばλ0)における吸光度データを抽出することで、その特定の波長λ0における測定時刻(つまりは保持時間)と吸光度との関係を示す、図8(b)のような波長クロマトグラムを作成することができる。また、3次元クロマトグラムデータから特定の時点(測定時刻)における吸光度を示すデータを抽出することで、該時点における波長と吸光度との関係を示す吸光スペクトルを作成することもできる。
こうした液体クロマトグラフにおいて、既知の目的成分の定量分析を行う場合には、通常、該目的成分に対応した吸収波長における波長クロマトグラムを作成する。そして、その波長クロマトグラムに現れる目的成分由来のピークの始点Ts及び終点Teを見つけ、そのピークの面積値を計算し、その面積値を予め求めておいた検量線に照らして定量値を算出するのが一般的である。
このようにして目的成分を定量する際に、抽出した波長クロマトグラムに現れているピークが目的成分のみに由来するものであれば問題ないが、ピークは必ずしも単一成分(目的成分)によるものとは限らず、分析者が意図しない不純物(広く言えば他の成分)由来の信号が重なっている場合がよくある。分析者がこうしたことに気付かずに定量計算を行うと、定量精度を損なうことになる。そこで、定量計算に先立って、クロマトグラムに現れている或るピークが目的成分のみに由来するのか、或いは不純物を含んでいるのか、を調べる不純物判定処理(又はピーク純度判定処理)がしばしば行われる。
クロマトグラム上のピークに対する不純物判定処理としてはこれまで様々な方法が提案され、また実用に供されている。しかしながら、従来の方法にはいずれも一長一短があり、決め手がないのが実状である。
例えば特許文献1に記載されている不純物判定方法では、各測定時刻においてそれぞれ得られる吸光スペクトルを目的成分の極大(又は極小)吸収波長において波長方向に微分することにより波長微分係数を求め、その波長微分係数の時間変化を表した微分クロマトグラムを作成する。そして、通常のクロマトグラムに現れるようなピーク波形がその微分クロマトグラム上で観測されるか否かを判定することにより、波長クロマトグラム上での目的成分由来のピークが不純物を含むか否かを判断している。この方法は、比較的簡単な演算処理によって不純物の有無を高い確度で判定できる優れた手法であるものの、次に述べるように、原理的に、不純物を検出することができないケースが存在する。
図9(a)〜(c)は目的成分由来の吸光スペクトル(実線)と不純物由来の吸光スペクトル(点線)との関係の一例を示す図である。
上述した従来の不純物判定方法では、図9(a)に示すように、目的成分由来の吸光スペクトルの極値の波長λ0、つまり波長微分係数が0である波長における不純物の吸光スペクトルカーブの波長微分係数を不純物判定に利用している。そのため、図9(a)に示すように、不純物の吸光スペクトルにおいて吸光度が極大値を示す波長が波長λ0と一致せず、そのスペクトルカーブが波長λ0において傾きを有している場合には、不純物を検出することができる。しかしながら、図9(b)に示すように、目的成分由来の吸光スペクトルの極値と不純物由来の吸光スペクトルの極値とが同一波長に現れる場合には、不純物の吸光スペクトルカーブの波長微分係数がほぼゼロになってしまうため、不純物を検出することができない。
また、図9(c)に示すように、目的成分由来の吸光スペクトルの極値付近において不純物由来の吸光スペクトルのカーブの傾きが小さい(極端な場合には平坦である)場合には、微分クロマトグラムを作成しても不純物由来のピークが小さすぎ、ノイズに埋もれてしまって、結局のところ、不純物を検出することができないおそれがある。
なお、カラムを用いないフローインジェクション分析(FIA=Flow Injection Analysis)法により導入された試料をPDA検出器等で検出する場合に得られるデータも、時間、波長、及び吸光度という3つのディメンジョンを持つ3次元データとなり、液体クロマトグラフにより収集される3次元クロマトグラムデータと実質的に同じである。そのため、本明細書における「3次元クロマトグラムデータ」は、FIA法により収集された3次元データも含むものとする。
国際公開第2013/035639号
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、上述した従来の不純物判定方法では、クロマトグラム上の目的のピークについて不純物の重なりの有無を適切に判断することが困難であるような場合であっても、不純物の重なりの有無を的確に且つ安定的に判定することができるクロマトグラムデータ処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、測定対象である試料に対して収集された、時間、信号強度、及びそれ以外の第3のディメンジョンを有する3次元クロマトグラムデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置において、
a)観測対象である目的成分についての第3のディメンジョンと信号強度との関係を示す又はその関係であるとみなせるスペクトルをベクトルで表現した多次元の主ベクトルに直交する一つの副ベクトルを算出し、該副ベクトルを不純物抽出用のフィルタと定めるフィルタ作成部と、
b)測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータから求まる又は該データに由来する処理対象のスペクトルをベクトルで表現した処理対象多次元ベクトルと、前記フィルタとして定められた副ベクトルとの内積を計算し、その計算結果に基づいて前記処理対象のスペクトルにおける前記目的成分以外の不純物の有無を判断する不純物含有情報取得部と、
を備えることを特徴としている。
ここでいう「第3のディメンジョン」とは、例えば波長や質量電荷比などであり、「3次元クロマトグラムデータ」とは、例えば、クロマトグラフ(LC又はGC)のカラムにより時間方向に分離された各種成分を含む試料に対し、マルチチャンネル型検出器などの検出器により吸光スペクトルを繰り返し取得することで得られたデータ、又は、質量分析計によりマススペクトルを繰り返し取得することで得られたデータである。また、ここでいう「3次元クロマトグラムデータ」は、クロマトグラフのカラムを経た試料の代わりに、FIA法により、成分分離されることなく導入された試料に対してマルチチャンネル型検出器や質量分析計により得られたデータでもよい。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置においては、第3のディメンジョンと信号強度との関係を示すスペクトル、例えば吸光スペクトルやマススペクトルを、ベクトルで表現した多次元ベクトルとして扱う。例えば吸光スペクトルであれば、離散的な各波長の吸光度の集合が吸光スペクトルであるから、吸光スペクトルを(a(λ1),a(λ2),a(λ3),……,a(λn))として表し、a(λm)を成分とする多次元ベクトルを定義することができる。ここで、a(λm)は波長m(λ=1〜n)での吸光度である。
いま、或る測定時点における処理対象のスペクトルをベクトルで表現した処理対象多次元ベクトルをI、目的成分のスペクトルをベクトルで表現した多次元ベクトルをAとし、さらに不純物のスペクトルをベクトルで表現した多次元ベクトルをBで表すものとする。すると、処理対象多次元ベクトルIは次の(1)式によるベクトル演算で表すことができる。
I=A+B …(1)
不純物のスペクトルを示すベクトルBを、目的成分のスペクトルを示すベクトルAに平行である方向のベクトルBaと、ベクトルAに直交する方向のベクトルBoと、に分解して考える。また、さらにベクトルAに直交する多次元ベクトルFを考える。互いに直交するベクトルの内積は0になるため、ベクトルFとベクトルBaの内積は0である。そのため、処理対象多次元ベクトルIとベクトルFとの内積は、ベクトルBoとベクトルFとの内積と等しくなる。つまり、次の(2)式が成り立つ。
I・F=Bo・F …(2)
不純物のスペクトルを示すベクトルBの長さとベクトルBoの長さとは比例するから、上記(2)式の右辺のBo・FはベクトルBの長さに比例する。したがって、(2)式の左辺のベクトル内積I・Fは、不純物のスペクトルを表すベクトルBの長さに比例する。それ故に、ベクトル内積I・Fは不純物の量を表す指標値uとして用いることができる。そこで、本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置において、フィルタ作成部は、目的成分のスペクトルを示す主ベクトルAに直交する副ベクトルFを算出し、これを不純物抽出用のフィルタとして定める。そして、不純物含有情報取得部は、3次元クロマトグラムデータから求まる又は該データに由来する処理対象のスペクトルを表すベクトルIとフィルタであるベクトルFとの内積を計算し、その計算結果に基づいて不純物が存在するか否かを判断する。
典型的な一態様として、上記不純物含有情報取得部は、時間経過に伴う各測定時点で得られる処理対象のスペクトルそれぞれについて、そのスペクトルを表すベクトルIとフィルタであるベクトルFとの内積を計算する。そして、時系列に沿うその内積の値の変化を観測し、例えばクロマトグラムピーク様の波形が現れたならば、目的成分以外の不純物が存在すると判断する構成とすることができる。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置において、上記フィルタ作成部は、多次元の主ベクトルに直交する副ベクトルを不純物抽出用のフィルタとして算出するが、多次元ベクトル空間では或るベクトルに直交するベクトルは多数存在する。そこで、好ましくは、上記フィルタ作成部は、不純物のスペクトルに由来するベクトルBoとそのフィルタである副ベクトルFとのコサイン類似度が最大になる、つまりできるだけ「1」に近くなるように該副ベクトルFの向きを定めるとよい。これにより、上記(2)式で表される不純物量の指標値uのSN比が最大又はそれに近い状態となり、目的成分以外の成分の有無の判断の正確性が向上する。
なお、上記コサイン類似度を算出するにはベクトルBoを算出する必要があるが、これは次のように解析的に求めることができる。
Bo=I−αA …(3)
α=(I・A)/(A・A)
上述のように、各測定時点で得られる処理対象のスペクトルそれぞれについてベクトルIとベクトルFとの内積を求める場合、各測定時点でそれぞれ得られるベクトルFを用いてもよいが、1又は複数の代表的なベクトルFを用いてもよい。
例えば一実施態様として、上記フィルタ作成部は、各測定時点で求められた不純物抽出用のフィルタである複数のベクトルの平均ベクトルを求め、上記不純物含有情報取得部は該平均ベクトルを用いて、各測定時点における処理対象のスペクトルを表す各ベクトルに対する内積を計算する構成とすることができる。
これにより、ノイズに対しロバストなベクトルを不純物抽出用のフィルタとして用いことができるので、ノイズが重畳しているデータに対しても不純物の有無を的確に判定することができる。
また別の実施態様として、上記フィルタ作成部は、各測定時点で求められた不純物抽出用のフィルタである複数のベクトルの中からノルムが最大となるものを選択し、上記不純物含有情報取得部はその選択されたベクトルを用いて、各測定時点における処理対象のスペクトルを表す各ベクトルに対する内積を計算する構成とすることもできる。
また、不純物が複数種類である場合には、各測定時点における不純物抽出用フィルタである副ベクトルは複数のスペクトル由来の信号が混じり合ったものとなる。こうした場合に、単純な平均を計算しても不純物の含有を適切に表さないおそれがある。そこで、さらに別の実施態様として、上記フィルタ作成部は、各測定時点で求められた不純物抽出用のフィルタである複数のベクトルのクラスタリング平均を求め、上記不純物含有情報取得部は該クラスタリング平均によるベクトルを用いて、各測定時点における処理対象のスペクトルを表す各ベクトルに対する内積を計算する構成とすることもできる。
クラスタリング平均としては、K-ミーン法、ミーンシフト法などを用いることができる。また、それ以外に、移動平均、バイラテラルフィルタ、カルマンフィルタ、粒子フィルタなどの時系列的な変動を考慮した平滑化フィルタを用いてもよい。
また本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置のさらに別の実施態様として、上記フィルタ作成部は、目的成分のスペクトルを表すベクトルに所定の定数を乗じ、処理対象のスペクトルを表すベクトルから差し引くことにより求めたベクトルを不純物抽出用のフィルタと定める構成としてもよい。即ち、(3)式から、この場合にフィルタを表すベクトルはBoそのものとなる。
このとき、上記不純物含有情報取得部は、上記フィルタ作成部において不純物抽出用のフィルタとして求められたベクトルの2次ノルムを計算し、該2次ノルムを前記内積の代わりとして処理対象のスペクトルにおける不純物の有無を判断すればよい。そのため、不純物量の指標値の計算を簡単に、つまりは高速に行うことができる。これは特に、上述したように時間経過に伴う各測定時点で得られる処理対象のスペクトルそれぞれについて不純物量の指標値を計算する場合に有利である。
また本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置において、好ましくは、上記不純物含有情報取得部において不純物があると判定された場合に、上記フィルタ作成部において不純物抽出用のフィルタとして求められたベクトル、例えばI−αAで表されるスペクトルを残渣スペクトルとし、該残渣スペクトルを処理対象のスペクトルとして、上記フィルタ作成部及び上記前記不純物含有情報取得部による処理を繰り返し実行する構成とするとよい。
この構成によれば、試料に混入している不純物が複数種類であって、しかも上記フィルタ作成部及び上記前記不純物含有情報取得部による1回の処理では検出することができない不純物があった場合でも、複数回の処理を繰り返す段階でそうした不純物も検出することができる。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置では、本来、目的成分のスペクトルそのものをベクトルで表現したベクトルをベクトルAとすることが望ましいものの、一般に、目的成分の正確なスペクトルは未知であることが多い。そこで、通常、目的成分のスペクトルそのものではなく、目的成分であるとみなせるスペクトルを用いる。
一態様として、上記フィルタ作成部は、測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータの中で上記目的成分が存在し不純物がないと推定される期間に得られたデータに基づくスペクトルを目的成分のスペクトルとみなし、該スペクトルを表すベクトルを上記主ベクトル、つまりはベクトルAとするとよい。なお、目的成分が存在し不純物がないとの推定は分析者自身が行ってもよいが、クロマトグラムピークの形状を自動的に判定することで自動的に行うようにすることができる。
また別の態様として、上記フィルタ作成部は、測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータに基づくスペクトルの中で、ベクトルで表現したときのノルムが最大となるベクトルを上記主ベクトル、つまりはベクトルAとしてもよい。
これにより、目的成分のスペクトルを予め求めることなく、不純物判定処理を行うことができる。
なお、ベクトルAは本来不純物を含まないスペクトルを表すベクトルであるべきであるが、該スペクトルが不純物を含んでいて、その結果作成された不純物抽出用のフィルタが不純物を含んでいる場合に、ベクトルIとベクトルFとの内積I・Fを時系列順にプロットすると、ベクトルAとしたスペクトルが得られる測定時点の前後にピークが現れる。これは、ベクトルAとしたスペクトルに含まれる不純物を余分に差し引いた影響が、その測定時点の前後に現れるからである。そこで、このことを利用して、或る測定時点や特定の時間範囲に不純物が存在するか否かを判定することもできる。
即ち、本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置において、
上記フィルタ作成部は、測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータの中で特定期間に得られたデータに基づくスペクトルを目的成分のスペクトルとみなし、該目的成分のスペクトルを表すベクトルに所定の定数を乗じ、処理対象のスペクトルを表すベクトルから差し引くことにより求めたベクトルを不純物抽出用のフィルタと定め、
上記不純物含有情報取得部は、上記特定期間を含む所定の時間範囲に得られた処理対象の各スペクトルに対し上記フィルタ作成部により不純物抽出用のフィルタとして求められたベクトルで表されるスペクトルを残渣スペクトルとし、該残渣スペクトルに基づき上記所定時間範囲について作成されるクロマトグラム上で前記特定期間の前後にピークが現れるか否かを判定することで該特定期間に不純物が存在するか否かを判定する構成としてもよい。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置によれば、検出器としてPDA検出器等のマルチチャンネル型検出器や質量分析計を用いたクロマトグラフにより収集された3次元クロマトグラムデータに基づいて作成されるクロマトグラムにおいて、目的ピークに不純物が含まれているか否かを的確に且つ安定的に判定することができる。特に、上述した微分クロマトグラムを用いた不純物判定処理では不純物の重なりの有無を適切に判断することが困難である場合であっても、不純物の重なりの有無を的確に且つ安定的に判定することができる。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置を備えた液体クロマトグラフの一実施例の概略構成図。 本実施例の液体クロマトグラフにおける不純物判定処理動作を示すフローチャート。 或る測定時点において得られる吸光スペクトルの一例を示す図。 本発明における不純物判定処理の原理説明図。 本実施例の液体クロマトグラフにおけるクロマトグラム波形と残渣スペクトルに基づく不純物量指標値の時間経過波形の一例を示す図。 本実施例の液体クロマトグラフにおいて不純物分離処理を複数回繰り返したときの不純物量指標値の時間経過波形の変化の一例を示す図。 本実施例の液体クロマトグラフにおける不純物判定処理の説明図。 液体クロマトグラフにより得られる3次元クロマトグラムデータの模式図(a)及び波長クロマトグラム(b)を示す図。 従来の微分クロマトグラムを用いた不純物判定処理における問題を説明するための吸光スペクトルの一例を示す図。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置の一実施例について、添付図面を参照して説明する。
このクロマトグラムデータ処理装置は、上述したように、例えばPDA検出器を備えた液体クロマトグラフで収集された3次元クロマトグラムデータ(図8(a)参照)に基づいて作成されるクロマトグラム(図8(b)参照)上のピークが不純物を含むか否かを判定する機能を有する。まず、本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置における不純物判定処理の原理を説明する。
[不純物判定処理の原理]
この不純物判定処理では、時間経過に伴って順次得られる処理対象であるスペクトル(以下の説明において「スペクトル」とは、横軸が波長、縦軸が吸光度である吸光スペクトルを指すが、上述したようにマススペクトル等でも同様である)と目的成分のスペクトルとの両方を用いることで、目的成分以外の不純物の量の指標値の時間的変化を示すグラフを高いSN比で以て作成し、そのグラフにクロマトグラムピーク様の信号が存在するか否かを判定することによって、クロマトグラム上のピークに不純物が含まれているか否かを判定する。
いま、或る測定時点における処理対象のスペクトルをベクトルI、目的成分のスペクトル(又は目的成分のスペクトルであるとみなし得るスペクトル)をベクトルAで表すものとする。なお、処理対象のスペクトルは典型的には、図8(a)に示したような3次元クロマトグラムデータの中で或る時刻の吸光度を抽出したスペクトルであるが、後述するように不純物分離処理を繰り返す場合には、分離処理されたあとのスペクトルが処理対象スペクトルとなる。
ここでは、図3に示すようなスペクトルを所定波長範囲内の離散的な各波長における吸光度データの集合とみなし、吸光スペクトルを(a(λ1),a(λ2),a(λ3),……,a(λn))として表す。a(λm)は波長m(λ=1〜n)での吸光度である。上記表記によるスペクトルはn次元空間におけるベクトルとして表すことができる。つまり、a(λ1),a(λ2),a(λ3),…を成分とする多次元ベクトルである。また同様に、不純物のスペクトルをベクトルBで表す。すると、処理対象のスペクトルを表すベクトルIはすでに述べたように(1)式で表せる。
I=A+B …(1)
図4はn次元ベクトル空間を2次元ベクトル空間に簡略化して示した図であり、上記(1)式によるベクトルI、A、Bの関係は図4に示すようになる。
不純物のスペクトルを表すベクトルBを、目的成分のスペクトルを表すベクトルAに平行である方向のベクトルBaと、ベクトルAに直交する方向のベクトルBoと、に分解して考える。ここで、さらにベクトルAに直交するベクトルFを考える。ベクトルBaはベクトルAに平行であり、ベクトルFはベクトルAに直交するから、ベクトルFとベクトルBaとは直交する。互いに直交するベクトルの内積は0になるため、ベクトルFとベクトルBaの内積は0である。そのため、処理対象多次元ベクトルIとベクトルFとの内積は、ベクトルBoとベクトルFとの内積と等しくなる。つまり、すでに挙げた(2)式が成り立つ。
I・F=Bo・F …(2)
不純物のスペクトルを表すベクトルBの長さとベクトルBoの長さとは当然、比例関係にあるから、(2)式の右辺のBo・FはベクトルBの長さ、つまりは不純物の量に比例する。したがって、(2)式の左辺の内積I・Fは不純物量の指標値uとして利用できる。このとき、ベクトルFは処理対象のスペクトルを表すベクトルIから不純物成分を抽出するために利用されるから、ベクトルFを不純物抽出用のフィルタと定める。例えば、波長クロマトグラムなどの任意のクロマトグラムに現れる目的成分由来のピークに不純物が重なっているか否かを調べたいとき、そのピークの始点から終点までの時間範囲に亘り、上記指標値u(=内積I・F)の時間的な変化を示すグラフを作成し、該グラフにクロマトグラムピーク様の波形が現れたならば、不純物が存在すると判断することができる。
nの値が非常に大きなn次元ベクトル空間では、目的成分のスペクトルを表すベクトルAに直交するベクトルはほぼ無数に存在するが、内積I・Fを不純物量の指標値uとして用いる場合には、次のようにして不純物抽出用フィルタを表すベクトルFの向きを定めるとよい。
即ち、いま、処理対象のスペクトルを表すベクトルIに白色ノイズが重畳しているものとすると、この白色ノイズに起因して内積I・F中に含まれる信号成分は、ベクトルFの偏角に依存せず、その長さに比例する。不純物由来のベクトルBoとベクトルFとのなす角が直角に近づくほど、不純分成分を抽出するうえで白色ノイズに起因して内積I・F中に含まれる信号成分の影響が大きくなる。逆にいえば、内積I・Fにおいて不純物由来の信号のSN比を高めるためには、ベクトルFとベクトルBoとをできるだけ平行とするのがよい。即ち、ベクトルFはベクトルBoとのコサイン類似度が最大又はそれにできるだけ近くなるようにその方向を定めることが好ましい。もちろん、そのためには、ベクトルBoを求める必要があるが、これはすでに挙げた(3)式により解析的に算出することができる。
Bo=I−αA …(3)
α=(I・A)/(A・A)
なお、不純物のスペクトルには、試料液(液体クロマトグラフの場合)のpH変化や検出器の非直線性などに起因する変動が生じる場合があり、それが内積I・Fとして求まる不純物量の指標値uの変動をもたらし、該指標値uのグラフに偽のピーク様波形が現れることがある。しかしながら、上記のような要因によるスペクトル変動は或る程度変化のパターンが決まっており、これにより指標値uに現れる波形変化と不純物の混入による波形変化とは識別が可能である。そこで、不純物判定処理を結果を表示する際には、ベクトル内積I・Fによる不純物量の指標値u(又は該指標値uの時間変化を示すグラフ)とベクトルBoで表されるスペクトルとの両方を表示し、分析者がこれを見て、真に不純物が重なっているか否か判断できるようにするとともに、どのようなスペクトルを示す不純物が検出されたのかを判断できるようにするとよい。
このときに表示されるベクトルBoで表されるスペクトルは、不純物のスペクトルそのものを表すものではなく、ベクトルAに平行なベクトル成分Baが除去されたものである。そこで、こうしたスペクトルに基づいて不純物を同定する或いはスペクトル比較するためにデータベースに収録されている純物質のスペクトルを併せて表示したりデータベース検索を行ったりする際には、それに先立って、純物質のスペクトルについてもベクトルAに平行な成分を除去する処理を行う必要があることに注意を要する。
上述したように或る時間範囲に亘って内積I・Fによる指標値uの時間的な変化を示すグラフを作成する場合には、その時間範囲内の各測定時点で得られる処理対象のスペクトルが存在するから、そのスペクトル毎に内積I・Fが計算される。ここで、ベクトルI、Fが時間という要素を有することを示すために、時間要素を考慮したベクトルI、FをI(t)、F(t)と記す。処理対象のスペクトルを表すベクトルI(t)は測定時点毎に存在するが、フィルタを表すベクトルF(t)は必ずしも測定時点毎に必要であるわけではない。各測定時点の内積I(t)・F(t)を計算する際に用いられるF(t)は、大別して次の2つのいずれかとすることができる。
(1)各測定時点において算出されるF(t)をそのまま用い、各測定時点で得られる処理対象のスペクトルを表すベクトルI(t)に乗じることで内積I(t)・F(t)を計算する。
(2)各測定時点において算出されるF(t)をそのまま用いず、測定時点毎のF(t)の値から内積の計算に用いるF(t)’を算出する。例えば、或る所定時間内の複数の測定時点で得られたベクトルF(t)の平均ベクトルを計算し、これをベクトルFとして各測定時点で得られる処理対象のスペクトルを表すベクトルI(t)に乗じることで内積I(t)・Fを計算する。これにより、ノイズに対してロバスト性の高い平均的なフィルタを表すベクトルFを求めることができる。
ただし、不純物が複数種類含まれている場合、その複数種の不純物が現れるタイミングは同一ではないので、各測定時点におけるF(t)は複数の不純物のスペクトル由来の信号が複雑に混じり合ったものとなる。こうした場合には、上述した単純な平均ベクトルを計算しても適切なフィルタを表すベクトルFを得ることができないので、単純平均ではなく、いわゆるクラスタリング平均などを用いるとよい。クラスタリング平均としては一般に知られているK-ミーン法、ミーンシフト法などのほか、移動平均、バイラテラルフィルタ、カルマンフィルタ、粒子フィルタ(逐次モンテカルロ法)といった時系列変動を考慮に入れた様々な平滑化フィルタを用いることができる。
[目的成分のスペクトルの代替]
上記説明では、不純物量の指標値uを算出するために目的成分のスペクトルを表すベクトルAを用いたが、多くの場合、目的成分の正確なスペクトルは未知であるし、このスペクトルを取得するのは手間が掛かる。そこで実用的には、例えば以下のようにして、試料に対する分析によって得られた信号(つまりは測定時点毎のスペクトル)から擬似的に目的成分のスペクトルを生成するとよい。
一般に、不純物は目的成分に比べれば濃度が低いため、図7に示すように、クロマトグラムにおいて不純物のピーク幅は目的成分のピーク幅に比べて狭い。こうしたことから、分析によって得られた測定時点毎のスペクトルの中には、目的成分のスペクトルに不純物のスペクトルが混じった状態であるスペクトルと、目的成分のみのスペクトルとの両方が含まれている可能性が高いといえる。そこで、例えば、分析によって得られたクロマトグラムデータの中で、目的成分が含まれる一方、不純物が混じっていないと推測できる特定の時間範囲に含まれるデータを抽出し、これから得られるスペクトルを目的成分のスペクトルであるとみなすようにすることができる。また、分析によって得られたデータを時間方向に平滑化したあとに特定の時間範囲のデータを抽出したり、或いは、分析によって得られたデータの中の特定の時間範囲の平均を計算したりして得られたスペクトルを目的成分のスペクトルであるとみなしてもよい。このときデータを抽出する時間範囲は、分析者が指定できるようにしてもよいし、或いは、後述する判別法により不純物ピークを含む時間を判別し、その結果に基づき不純物の少ないと推定される時間範囲を自動的に選定するようにしてもよい。
さらにまた、不純物の重なりの有無の確認のみを目的とし、不純物の含有量について精度よく求める必要がないのであるならば、不純物量の指標値uの時間変化を示すグラフに現れるピークが2つに割れてしまう(理由は後述する)ことは大きな問題ではない。そこで、不純物が混じったりスペクトル変動が現れたりすることを許容して、分析により得られたスペクトルの中で単純にSN比が最良であるスペクトル、つまり一般的にはベクトルで表現したときのノルムが最も大きくなるスペクトルを選択して目的成分のスペクトルであるとみなしてもよい。
ここで、或る測定時点又は或る時間範囲内に含まれる測定時点で得られるスペクトルに基づいて作成した不純物抽出用フィルタが、単一成分によるスペクトルでなく不純物を含むスペクトルに基づいて作成されたものであった場合に起こる現象について図5により説明する。図5はクロマトグラム波形と残渣スペクトルに基づく不純物量指標値uの時間経過波形の一例を示す図である。
図5(a)中にP1で示す指標値は、測定時点42において得られるスペクトル(目的成分に不純物が混じった状態のスペクトル)を目的成分のスペクトルとみなして、フィルタを表すベクトルFを求め、内積I(t)・Fの時間変化をプロットした曲線である。これに対し図5(b)中にP2で示す指標値は、測定時点42において得られるスペクトル(不純物を含まない目的成分のみのスペクトル)を目的成分のスペクトルとみなして、フィルタを表すベクトルFを求め、内積I(t)・Fの時間変化をプロットした曲線である。図5(a)においては、目的成分のスペクトルを選択した測定時点を挟んでその前後それぞれピークが出現していることが分かる。これが、上述したピークの割れである。この場合、内積I(t)・Fの時間変化を示すグラフ上のピークの形状は不純物量を正確に表さないため、不純物量を求めることは難しい。しかしながら、この現象を利用して、内積I(t)・Fのグラフにおいて目的成分の前後両方にピークが存在する場合に、不純物を含むスペクトルを目的成分スペクトルとして設定したと判断することができる。一方、図5(b)に示したように、不純物を含まないスペクトルを目的成分のスペクトルとして選択した場合には、内積I(t)・Fの時間変化を示すグラフにはガウス波形状のピークが現れ、これは不純物量を正確に表していると推測できる。
[不純物が複数種類である場合の不純物分離処理]
図5に示した例は不純物が1種類のみであるが、上述したように、試料に混入している不純物は1種類であるとは限らず、複数種類であることもある。いま一例として、目的成分a以外に、不純物bと不純物cとが存在し、不純物cが目的成分aや不純物bに比べて微量である場合を考える。不純物抽出用フィルタを表すベクトルFとして所定時間範囲の各測定時点におけるF(t)の平均値を用いた場合、目的成分aのスペクトルを表すベクトルAと不純物bのスペクトルを表すベクトルBとからなるベクトルI(t)で表されるスペクトルに対してベクトルFを求めたものと近似することができる。その場合、ベクトルFはベクトルBoと平行なベクトルとなる。ここで、ベクトルBと不純物bのスペクトルを表すベクトルCとが直交しているとすると、内積I(t)・Fの時間変化を示すグラフではベクトルCを検出することは全く不可能である。また、不純物抽出用フィルタを表すベクトルF(t)を測定時間毎に求めた場合でも、不純物cに由来するピークは非常に小さく、例えば、不純物b由来のピークの裾部などの信号変動が大きい部分に重なると、不純物c由来のピークの検出は非常に困難になる。そこで、このような場合、つまり複数種類の不純物の混入が想定され、それぞれを検出する必要がある場合には、以下のような手順をとるとよい。
即ち、上述した(3)式から分かるように、I−αAは不純物の量を示しているから、(2)式に示す処理、つまり処理対象のスペクトルにフィルタを乗じる処理は不純物分離処理であるといえる。このとき、I−αA又はI(t)−αAのベクトルで表されるスペクトルは目的成分や1以上の不純物を除去した残りの残渣スペクトルであるといえる。試料に不純物が複数種類含まれる場合には、n回目の処理において算出したI(t)−αA(残渣スペクトルを表すベクトル)を、n+1回目の処理のための処理対象のスペクトルを表すベクトルI(t)として不純物分離処理を実行するとよい。ここでは、この方法を多段スペクトル残渣法ということとする。
図6はこのような多段スペクトル残渣法を実行したときの残渣スペクトルに基づく信号波形を示す図である。図中のOは元のクロマトグラム波形、Q1〜Q4はそれぞれn=1〜4回目の|I(t)|を示している。Q1には、Q3に見られるような小さなピークが本来存在していると考えられるが、Q1の波形を見ても、その中に含まれる筈であるQ3で観測されるピークを見出すことは困難である。これに対し、上述した多段スペクトル残渣法を用いることで、当初は見いだせなかった不純物のピークも検出することができるようになる。
また、多段スペクトル残渣法においては、n回目の処理において得られた|I(t)|とn+1回目の処理において得られた|I(t)|との差(スペクトル残渣差分)に関してピークの有無を検出することにより、各段階で不純物の有無を判断するとよい。
例えば図6において、Q2で示す曲線の左側において凸部として検出されている不純物に関し、Q2ではQ3の信号が混じっているため、真のピークであるのかノイズ変動であるのかの判断が困難である。しかしながら、Q3を除去することによりQ4に示す波形を求めると、明らかに左側にのみ偏在している成分が存在することが認識できる。なお、この除去操作の際に、Q2に基づくフィルタを表すベクトルFとQ3に基づくフィルタを表すベクトルFとが異なるために、同一成分由来のピークであってもピーク高さは定数倍される。そのため、実際の除去操作においては、ピーク部分にのみ着目し、最小二乗法を用いて最も適した定数を求め、この定数を各強度値に乗じてから除去処理を行うようにするとよい。もちろん、単純な最小二乗法ではなく、F(t)の2次微分を計算して求めた波形に対して最小二乗法を適用したり、抽出されたピークを正規化したものをカーネルとしたマッチドフィルタを用いて高さを推定したりするなど、一般的なベースライン変動に対応したピーク高さ推定法を用いてもよい。
以上説明したような処理を、図6中にQ4で示す波形のように明確なピークを持たない残渣信号波形が得られるまで繰り返すことで、不純物が複数種類存在している場合であっても、目的成分と不純物とを完全に分離することができる。pH変動や検出器の直線性の低さなどに起因する偽不純物ピークの発生を除けば、m種類の物質を含む試料に対して得られた計測信号を多段スペクトル残渣法で処理した場合、m+1回の不純物分離処理を繰り返し実行しさえれば、m種類の物質を分離することができる。
[上記原理の不純物判定処理を実施する実施例の構成と動作]
次に、本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置を備える液体クロマトグラフの一実施例について、図1、図2を参照して説明する。図1は、本実施例における液体クロマトグラフの概略構成図である。
3次元クロマトグラムデータを収集するためのLC部1では、送液ポンプ12が移動相容器11から移動相を吸引し、一定の流量でインジェクタ13へと送給する。インジェクタ13は所定のタイミングで試料液を移動相中に注入する。試料液は移動相によってカラム14に送られ、カラム14を通過する間に試料液中の各成分が時間方向に分離され、カラム14から溶出する。カラム14の出口にはPDA検出器15が設けられている。PDA検出器15は、図示しない光源からの光を溶出液に照射し、溶出液を透過した光を波長分散させて各波長の光の強度をリニアセンサによってほぼ同時に検出する。このPDA検出器15により繰り返し得られた検出信号はA/D変換器16によってデジタルデータに変換された後、3次元クロマトグラムデータとしてデータ処理部2へ送られる。
データ処理部2は、3次元クロマトグラムデータを格納するためのクロマトグラムデータ記憶部21と、所定の波長における吸光度の時間変化を表す波長クロマトグラムを3次元クロマトグラムデータから作成するクロマトグラム作成部22と、該波長クロマトグラム中のピークを検出するピーク検出部23と、検出されたピークの中で分析者により指定された目的ピークに不純物が存在するか否かを判定する不純物判定処理部24と、を含む。この不純物判定処理部24が前述したような特徴的な処理を行う機能ブロックである。また、データ処理部2には入力部3及び表示部4が接続され、入力部3は、目的成分の吸収波長など、データ処理に必要な情報等を分析者が入力設定するために操作される。また、表示部4は、クロマトグラム、吸光スペクトル、及び不純物判定結果等の各種情報を表示するためのものである。
なお、データ処理部2や図示しない制御部の機能の一部又は全部は、パーソナルコンピュータやワークステーションにインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより達成することができる。この場合、入力部3はパーソナルコンピュータやワークステーションの標準的な装備であるキーボードやマウス等のポインティングなどであり、表示部4は一般的な液晶モニタ等である。
次に、本実施例の液体クロマトグラフにおける特徴的なデータ処理動作について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
LC部1において目的試料に対するクロマトグラフ分析が実行され、所定の波長範囲における吸光スペクトルの時間変化を表す3次元クロマトグラムデータ(図8(a)参照)がPDA検出器15からデータ処理部2へと送られ、クロマトグラムデータ記憶部21に格納される。クロマトグラム作成部22では、こうして格納された3次元クロマトグラムデータに基づいて指定された特定波長又は波長範囲における波長クロマトグラムが作成され、ピーク検出部23はそのクロマトグラム上でピーク検出を実行する。そうして検出されたピークを分析者が入力部3で指定した上で、不純物判定処理の実行を指示すると、以下に述べるような処理が実施される。
まず、不純物判定処理部24は、指定されたピークの始点tsと終点teとの間の各測定時点に対するクロマトグラムデータ(スペクトルデータ)をクロマトグラムデータ記憶部21から読み込む(ステップS1)。これにより、処理対象のスペクトルを表すベクトルI(t)(ただしtはts〜te)が用意される。
次に、不純物判定処理部24はベクトルAを求めるための目的成分のスペクトルを設定する(ステップS2)。上述したように目的成分のスペクトルを設定するためにはいくつかの方法があり、目的成分のスペクトルがデータベース等に格納されている場合には、それを読み込んでくればよい。ここでは、目的成分のスペクトルが未知であって、またそのスペクトルの設定を自動的に繰り返し行うために、分析者による作業や判断が不要であって、高速に実行可能である最大ノルムを示すスペクトルを選択する手法を用いる。即ち、直前に実行された処理の結果である不純物量の指標値u=I(t)・Fが最大となる測定時点において得られる吸光スペクトルをそのまま、次の回の目的成分のスペクトルとみなして設定する。これにより、目的成分のスペクトルを表すベクトルAも用意される。
なお、1回目の処理、つまり初めてステップS2の処理を実行する際には、ステップS1で用意されたベクトルI(t)の2次ノルムを計算し、2次ノルムが最大となる測定時点における目的成分のスペクトルを選定する。もちろん、分析者の手動指定により目的成分のスペクトルを設定するようにしてもよいし、上述したように、不純物を含まないスペクトルを探索し、不純物を含まない複数のスペクトルの中で不純物量の指標値又は2次ノルムが最大となる目的成分のスペクトルを設定するようにしてもよい。
処理対象のスペクトル(ベクトルI(t))及び目的成分のスペクトル(ベクトルA)が決まったならば、上述したように不純物抽出用のフィルタを定め、内積I(t)・Fを計算することで、処理対象スペクトルから目的成分のスペクトルを除去して不純物量が反映された残渣スペクトルを求める(ステップS3)。ここでは、演算の高速性を重視して、各測定時点でのI(t)−αAをそのままベクトルF(t)として用いる方法を採用する。この場合、計算式を単純に変形することができ、不純物量の指標値uであるクトル内積I(t)・Fの計算を、単にI(t)−αAの2次ノルムを算出することで代用することができる。もちろん、測定時点毎のF(t)を求めるのではなくベクトルF(t)の平均値や移動平均など、上述した各種変法を用いてもよい。
上述のようして求めた残渣スペクトルと1回前の処理において得られた残渣スペクトルとの差、つまりスペクトル残渣差分の2次ノルム又は各回の計算で得られる不純物量の指標値の平方根(√(I(t)・F))のいずれかにピークがあるか否かを判定することで、不純物由来のピークが存在するか否かを判定する(ステップS4)。不純物量の平方根やスペクトル残渣差分の2次ノルムは白色ノイズに対して一定の分布を示すので、それら値の平均値及び標準偏差に基づく範囲を逸脱する値の有無を確認することで、ピークの有無を確認することができる。もちろん、この方法に限らず、一般的なクロマトグラムピークの検出アルゴリズムを適用してピークの有無を確認してもよい。そして、不純物ピークありと判定された場合には、ステップS5からS2へと戻り、目的成分のスペクトルの設定と目的成分のスペクトルの除去とを繰り返す。即ち、上述した多段スペクトル残渣法を実施する。
一方、ステップS5において不純物ピークがないと判定されると、それまでの判定結果に基づき最終的な不純物判定処理結果が表示部4に表示され、不純物ありと判定された場合には各スペクトルの残渣差分も表示部4に表示される(ステップS6)。これにより、分析者は目的ピークに不純物が重なっているか否かのみならず、不純物の量も知ることができる。
なお、上記実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、追加、修正を加えても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
例えば、本発明のクロマトグラムデータ処理装置による処理対象の3次元クロマトグラムデータを取得するクロマトグラフの検出器はPDA検出器等のマルチチャンネル型検出器でなくてもよく、高速の波長走査が可能である紫外可視分光光度計、赤外分光光度計、近赤外分光光度計、蛍光分光光度計、などであってもよい。また、質量分析計を検出器とした液体クロマトグラフ質量分析計でもよい。
また、クロマトグラフは、液体クロマトグラフでなくガスクロマトグラフでもよい。また、上述したように、クロマトグラフのカラムで分離された試料を検出器で検出して得られるデータでなく、FIA法により成分分離されることなく導入された試料中の成分をPDA検出器や質量分析計などの検出器で検出して得られるデータを処理する装置にも本発明を適用できることは明らかである。
1…LC部
11…移動相容器
12…送液ポンプ
13…インジェクタ
14…カラム
15…PDA検出器
16…A/D変換器
2…データ処理部
21…クロマトグラムデータ記憶部
22…クロマトグラム作成部
23…ピーク検出部
24…不純物判定処理部
3…入力部
4…表示部

Claims (12)

  1. 測定対象である試料に対して収集された、時間、信号強度、及びそれ以外の第3のディメンジョンを有する3次元クロマトグラムデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置において、
    a)観測対象である目的成分についての第3のディメンジョンと信号強度との関係を示す又はその関係であるとみなせるスペクトルをベクトルで表現した多次元の主ベクトルに直交する一つの副ベクトルを算出し、該副ベクトルを不純物抽出用のフィルタと定めるフィルタ作成部と、
    b)測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータから求まる又は該データに由来する処理対象のスペクトルをベクトルで表現した処理対象多次元ベクトルと、前記フィルタとして定められた副ベクトルとの内積を計算し、その計算結果に基づいて前記処理対象のスペクトルにおける前記目的成分以外の不純物の有無を判断する不純物含有情報取得部と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記不純物含有情報取得部は、時間経過に伴う各測定時点で得られる処理対象のスペクトルそれぞれについて、そのスペクトルを表すベクトルとフィルタであるベクトルとの内積を計算し、時系列に沿うその内積の値の変化に基づいて不純物が存在の有無を判断することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  3. 請求項2に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、処理対象のスペクトルを表すベクトルと前記フィルタを表すベクトルとのコサイン類似度が最大となるように、該フィルタを表すベクトルの向きを定めることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  4. 請求項3に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、各測定時点で求められた不純物抽出用のフィルタである複数のベクトルの平均ベクトルを求め、前記不純物含有情報取得部は該平均ベクトルを用いて、各測定時点における処理対象のスペクトルを表す各ベクトルに対する内積を計算することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  5. 請求項3に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、各測定時点で求められた不純物抽出用のフィルタである複数のベクトルのクラスタリング平均を求め、前記不純物含有情報取得部は該クラスタリング平均によるベクトルを用いて、各測定時点における処理対象のスペクトルを表す各ベクトルに対する内積を計算することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  6. 請求項3に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、各測定時点で求められた不純物抽出用のフィルタである複数のベクトルの中からノルムが最大となるものを選択し、前記不純物含有情報取得部はその選択されたベクトルを用いて、各測定時点における処理対象のスペクトルを表す各ベクトルに対する内積を計算することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  7. 請求項2に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、目的成分のスペクトルを表すベクトルに所定の定数を乗じ、処理対象のスペクトルを表すベクトルから差し引くことにより求めたベクトルを不純物抽出用のフィルタと定めることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  8. 請求項7に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記不純物含有情報取得部は、前記フィルタ作成部において不純物抽出用のフィルタとして求められたベクトルの2次ノルムを計算し、該2次ノルムを前記内積の代わりとして前記処理対象のスペクトルにおける不純物の有無を判断することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記不純物含有情報取得部において不純物があると判定された場合に、前記フィルタ作成部において不純物抽出用のフィルタとして求められたベクトルで表されるスペクトルを残渣スペクトルとし、該残渣スペクトルを処理対象のスペクトルとして、前記フィルタ作成部及び前記前記不純物含有情報取得部による処理を繰り返し実行することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータの中で前記目的成分が存在し不純物がないと推定される期間に得られたデータに基づくスペクトルを目的成分のスペクトルとみなし、該スペクトルを表すベクトルを前記主ベクトルとすることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータに基づくスペクトルの中で、ベクトルで表現したときのノルムが最大となるベクトルを前記主ベクトルとすることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  12. 請求項2に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記フィルタ作成部は、測定対象である試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータの中で特定期間に得られたデータに基づくスペクトルを目的成分のスペクトルとみなし、該目的成分のスペクトルを表すベクトルに所定の定数を乗じ、処理対象のスペクトルを表すベクトルから差し引くことにより求めたベクトルを不純物抽出用のフィルタと定め、前記不純物含有情報取得部は、前記特定期間を含む所定の時間範囲に得られた処理対象の各スペクトルに対し前記フィルタ作成部により不純物抽出用のフィルタとして求められたベクトルで表されるスペクトルを残渣スペクトルとし、該残渣スペクトルに基づき前記所定時間範囲について作成されるクロマトグラム上で前記特定期間の前後にピークが現れるか否かを判定することで該特定期間に不純物が存在するか否かを判定することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
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