JP6036619B2 - 樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
フォトリソグラフィーによるレジストパターン形成方法に用いられる樹脂組成物であって、下記式(1)で表される基及び下記式(2)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位を有する第1重合体、及び有機溶媒を含有することを特徴とする。
式(1)中、Rf1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である。1又は複数のR1及びR2並びにRf1のうちの2つ以上は、互いに合わせられ構成される環員数3〜30の環構造を形成してもよい。)
レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程、上記保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する工程、及び上記液浸露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記保護膜を当該樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
当該樹脂組成物は、フォトリソグラフィーによるレジストパターン形成方法に用いられる樹脂組成物であって、[A]重合体及び[B]溶媒を含有することを特徴とする。
当該樹脂組成物が樹脂組成物(A)(感放射線性樹脂組成物)の場合、[A]重合体及び[B]溶媒を含有し、感放射線性酸発生体(以下、「[C]酸発生体」ともいう)をさらに含有し、好適成分として、[D]酸拡散制御体、[E][A]重合体以外のフッ素原子含有重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)を含有してもよく、本発明の効果を損なわない範囲においてその他の任意成分を含有していてもよい。
当該樹脂組成物が樹脂組成物(B)(液浸露光用保護膜形成樹脂組成物)の場合、[A]重合体及び[B]溶媒を含有し、好適成分として、後述する[E][A]重合体以外のフッ素原子含重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有してもよい。
樹脂組成物(B)における重合体成分の含有量としては、樹脂組成物(B)中の全固形分に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
以下、各成分について説明する。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、優れた焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能を発揮して、LWR性能、CDU性能、解像性及び断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる(これらの性能を、以下、「リソグラフィー性能」ともいう)。当該樹脂組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。すなわち,構造単位(I)は、上記式(1)のようにヒドロキシ基とフッ素原子と−COOR基を有しており、フッ素原子等に起因する撥水性とヒドロキシ基等に起因する親水性とのバランスをより適度に調整することができる。その結果、当該樹脂組成物によれば、形成されるレジストパターンのリソグラフィー性能を向上させることができると考えられる。
樹脂組成物(A)における撥水性重合体添加剤としての[A]重合体(以下、「[A2]重合体」ともいう)は、構造単位(I)以外にも、上記構造単位(I)以外の構造単位であってフッ素原子を含む構造単位を有することが好ましく、ヒドロキシ基を含む構造単位(VI)を有してもよく、上記構造単位(I)〜(III)及び(VI)以外の構造単位を有してもよい。
樹脂組成物(B)における[A]重合体(以下、「[A3]重合体」ともいう)は、構造単位(I)以外にも、末端にヒドロキシ基を有しこのヒドロキシ基に隣接する炭素原子が少なくとも1個のフッ素原子又はフッ素化アルキル基を有する基(z)を含む構造単位(IV)を有することが好ましく、スルホ基を含む構造単位(V)を有してもよく、上記以外の構造単位を有してもよい。
[A]重合体は、上記各構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。
以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、下記式(1)又は下記式(2)で表される基を含む構造単位である。(以下、「構造単位(I−1)」、「構造単位(I−2)」ともいう)
式(1)中、Rf1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である。1又は複数のR1及びR2並びにRf1のうちの2つ以上は、互いに合わせられ構成される環員数3〜30の環構造を形成してもよい。
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
シクロプロペン構造、シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロオクテン構造等の単環のシクロアルケン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造、テトラシクロドデセン構造等の多環のシクロアルケン構造;
ブチロラクトン構造等のラクトン構造などが挙げられる。
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基などが挙げられる。
トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。
上記R3としては、メチル基、エチル基、ラクトン構造を有する基、フッ素化アルキル基、単環のシクロアルカン構造、多環のシクロアルカン構造が好ましく、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメチル基、ブチロラクトン構造を有する基、アダマンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基が好ましい。
上記Rf1としてはジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロヘキシル基、フェニル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
構造単位(II)は、下記式(3)で表される構造単位である。構造単位(II)の−CR6R7R8で表される基は、酸解離性基である。「酸解離性基」とは、カルボキシ基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。当該樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(II)を有することで、感度を向上させることができ、その結果、リソグラフィー性能等を向上させることができる。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。
構造単位(III)は、構造単位(I)以外の構造単位であってラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(I)に加えて、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性をさらに調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能等を向上させることができる。また、当該樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(IV)は、末端にヒドロキシ基を有しこのヒドロキシ基に隣接する炭素原子が少なくとも1個のフッ素原子又はフッ素化アルキル基を有する基(z)を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(IV)を有することで、現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また、EUV露光の場合の当該樹脂組成物の感度を高めることができる。
これらの中で、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
[A3]重合体は構造単位(IV)の含有割合を上記範囲とすることで、現像液への溶解性をさらに適度に調整することができ、その結果、当該樹脂組成物のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。また、EUV露光の場合の当該樹脂組成物の感度をより高めることができる。
構造単位(V)は、スルホ基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(V)を有することで、基板への密着性を高めることができ、例えば、液浸露光用保護膜形成樹脂組成物として好適に用いることができる。
[A]重合体の構造単位(V)の含有割合を上記範囲とすることで、当該樹脂組成物から形成される膜と基板との密着性をさらに向上させることができる。
構造単位(VI)は、ヒドロキシ基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(VI)を有することで、溶解性をより適度に調製することができる。また、当該樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性を高めることがでる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(VI)以外のその他の構造単位を有していてもよい。上記その他の構造単位の含有割合としては、例えば、構造単位(I)以外の構造単位であって、フッ素原子を含む構造単位等が挙げられる。このフッ素原子を含む構造単位としては、後述する[E]重合体における構造単位(Ea)及び(Eb)等が挙げられる。[A]重合体を構成する全構造単位に対して20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
[A]重合体は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
GPCカラム:G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本(以上、東ソー製)
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業製)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
当該樹脂組成物は、通常、[B]溶媒を含有する。[B]溶媒は、少なくとも[A]重合体及び所望により含有される[C]酸発生体及び[D]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール(メチルフェニルエーテル)等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン(メチル−n−ペンチルケトン)、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル等の酢酸エステル系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒;
ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒;
ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[C]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、[A]重合体の有機溶媒を含有する現像液への溶解性が低下するため、当該樹脂組成物から、ネガ型のレジストパターンを形成することができる、当該樹脂組成物における[C]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[C]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた酸発生基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート等が挙げられる。
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等を挙げることができる。
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
ノルボルナンラクトン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基等が挙げられる。
これらの中で、SO3 −基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO3 −基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記式(X−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。qは、0〜3の整数である。
上記式(X−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO2−RR若しくは−SO2−RSであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。RR及びRSは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、RR及びRSがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、RR及びRSはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rb1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
当該樹脂組成物は、必要に応じて、[D]酸拡散制御体を含有してもよい。
[D]酸拡散制御体は、露光により[C]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた樹脂組成物が得られる。[D]酸拡散制御体の当該樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[E]重合体は、[A]重合体以外のフッ素原子含有重合体である。
構造単位(E1)は、下記式(9a)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(E1)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
これらの中で、2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
構造単位(E2)は、下記式(9b)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(E2)を有することで疎水性が上がるため、当該樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面の動的接触角をさらに向上させることができる。
また、[E]重合体は、上記構造単位以外にも、例えば、アルカリ可溶性基を含む構造単位、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位、脂環式基を含む構造単位等の他の構造単位を有していてもよい。上記アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホンアミド基、スルホ基等が挙げられる。ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有する構造単位としては、上述した[A]重合体における構造単位(III)等が挙げられる。
[F]重合体は、[A]重合体よりフッ素原子含有率が小さく、酸解離性基を含む構造単位を有する重合体である。当該樹脂組成物は、[A]重合体が撥水性重合体添加剤として用いられている場合([A2]重合体)に、ベース重合体として[F]重合体を含有することが好ましい。[F]重合体としては、[A]重合体における構造単位(II)及び構造単位(III)を有するものが好ましく、構造単位(IV)〜(VI)を有していてもよい。
上記構造単位(III)の含有割合としては、[F]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%〜70モル%が好ましく、30モル%〜60モル%がより好ましい。
上記構造単位(IV)〜(VI)の含有割合としてはそれぞれ、[F]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜40モル%が好ましく、10モル〜30モル%がより好ましい。
当該樹脂組成物は、上記[A]〜[F]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば、偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
偏在化促進剤は、樹脂組成物(A)が[A]重合体及び/又は[E]重合体として撥水性重合体添加剤を含有する場合等に、この撥水性重合体添加剤を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、上記撥水性重合体添加剤の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、解像性、LWR性能及び欠陥抑制性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、DIC製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。当該樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常5質量部以下である。
増感剤は、[C]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
当該樹脂組成物は、例えば、[A]重合体、必要に応じて含有される任意成分及び[B]溶媒を所定の割合で混合することにより調製できる。当該樹脂組成物は、混合後に、例えば、孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。当該樹脂組成物の固形分濃度としては、通常0.1質量%〜50質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
上記樹脂組成物(A)を用いる当該レジストパターン形成方法(以下、「レジストパターン形成方法(A)」ともいう)は、
レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、
上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を備え、
上記レジスト膜を当該樹脂組成物により形成する。
レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、
上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程(以下、「保護膜積層工程」ともいう)、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する工程(以下、「液浸露光工程」ともいう)、及び
上記液浸露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を備え、
上記保護膜を当該樹脂組成物により形成する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば、回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm〜1,000nmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましい。
本工程では、レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介するなどして(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)露光光を照射し、露光する。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV、電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV、電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV、電子線がさらに好ましい。
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。
アルカリ現像の場合、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば、上述の樹脂組成物の[B]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等が挙げられる。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、レジスト膜を形成する。このレジスト膜は、例えば、酸解離性基を含む構造単位を有する重合体及び感放射線性酸発生体を含有する感放射線性樹脂組成物等により形成される。このレジスト膜を形成する方法としては、上記「レジストパターン形成方法(A)におけるレジスト膜形成工程の場合と同様の方法が挙げられる。
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜上に保護膜を積層する。樹脂組成物(B)の塗布方法としては、上記レジストパターン形成方法(A)のレジスト膜形成工程における樹脂組成物(A)の塗布方法と同様の方法が挙げられる。本工程においては、樹脂組成物(B)を塗布した後、プレベーク(PB)を行うことが好ましい。レジスト膜上に保護膜を形成することによって、液浸液とレジスト膜とが直接接触しなくなるため、液浸液がレジスト膜に浸透することに起因してレジスト膜のリソグラフィ性能が低下したり、レジスト膜から液浸液に溶出した成分によって投影露光装置のレンズが汚染されたりすることが効果的に抑制される。
本工程では、上記保護膜積層工程で形成した保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する。この液浸露光は、上記積層された保護膜上に液浸液を配置し、この液浸液を介して露光することにより行う。
本工程では、上記液浸露光工程で液浸露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。本工程を行う方法としては、上述のレジストパターン形成方法(A)の現像工程と同様の方法等が挙げられる。
GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするGPC(Gel Permeation Chromatography)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して、各重合体における各構造単位の含有割合(モル%)を求める分析を行った。
[合成例1](化合物(M−1)の合成)
下記式(M−a)で表される化合物と下記式(M−b)で表されるブロモ体をトリエチルアミン存在下、溶媒中で反応させ下記式(M−c)で表される化合物を得た。化合物(M−c)と下記式(M−d)で表されるブロモ体とを亜鉛の存在下で反応させ化合物(M−1)を合成した。次に、カラムクロマトグラフで精製することにより下記式(M−1)で表される化合物を得た。
前駆体を適宜選択し、合成例1と同様の操作を行うことによって、下記式(M−2)〜(M−21)で表される化合物を合成した。
[[A]重合体、[E]重合体、[F]重合体及び[H]重合体の合成]
[A]重合体として、ベース重合体として用いられる[A1]重合体、撥水性重合体添加剤として用いられる[A2]重合体、及び液浸露光用保護膜形成組成物として用いられる[A3]重合体、撥水性重合体添加剤として用いられる[E]重合体、ベース重合体として用いられる[F]重合体、並びに液浸露光用保護膜形成組成物として用いられる[H]重合体をそれぞれ合成した。
上記合成した化合物(M−2)〜(M−21)以外の重合体の合成で用いた単量体を以下に示す。
[合成例1]
上記化合物(M−1)3.05g(10モル%)、化合物(MP−1)9.21g(55モル%)及び化合物(ML−2)7.74g(35モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.82g(化合物の合計に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで、20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A1−1)を合成した(収率74%)。重合体(A1−1)のMwは7,300、Mw/Mnは1.53、低分子量成分の含有率は0.04質量%であった。また、13C−NMR分析の結果、(M−1)、(MP−1)及び(ML−2)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ9.5モル%、55.1モル%及び35.4モル%であった。
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行うことによって、重合体(A1−2)〜(A1−35)及び(F−1)を合成した。表1の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。用いる単量体の合計質量は20gとした。
[合成例37]
上記化合物(M−1)41.86g(30モル%)及び化合物(MP−2)58.14g(70モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、さらにラジカル重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート3.05gを溶解させて単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンで上記重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、固形分である重合体(A2−1)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率64%)。重合体(A2−1)のMwは7,000、Mw/Mnは1.99、低分子量成分の含有量は0.05質量%であった。また、13C−NMR分析の結果、(M−1)及び(MP−2)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ29.9モル%及び70.1モル%であった。
下記表2に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例37と同様の操作を行うことによって、重合体(A2−2)〜(A2−15)及び(E−1)を合成した。表2の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。用いる単量体の合計質量は100gとした。
[合成例53](重合体(A3−1)の合成)
上記化合物(M−1)45.80g(50モル%)及び化合物(MF−3)54.20g(50モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート2.46gをさらに溶解させて単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンで上記重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。
次いで30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、固形分である重合体(A3−1)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率74%)。重合体(A3−1)のMwは9,900、Mw/Mnは1.72、低分子量成分の含有量は0.05質量%であった。また、13C−NMR分析の結果、(M−1)及び(MF−3)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50.2モル%及び49.8モル%であった。
下記表3に示す種類及び使用量の各単量体を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行うことによって、重合体(A3−2)〜(A3−21)並びに(H−1)及び(H−2)を合成した。表3の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。用いる単量体の合計質量は100gとした。
樹脂組成物の調製に用いた[B]溶媒、[C]酸発生剤、[D]酸拡散制御剤及び[G]偏在化促進剤を以下に示す。
B−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
B−2:シクロヘキサノン
B−3:4−メチル−2−ペンタノール
B−4:ジイソアミルエーテル
各構造式を以下に示す。
C−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
C−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
C−3:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
C−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
各構造式を以下に示す。
D−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート
D−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
D−3:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
D−4:2,6−ジi−プロピルアニリン
D−5:トリn−ペンチルアミン
G−1:γ−ブチロラクトン
(樹脂組成物(J1):[A1]重合体をベース重合体及び[A2]重合体を撥水性重合体添加剤として含有するArF露光用樹脂組成物(A)の調製
[実施例1]
[A]重合体としての(A1−1)100質量部、[B]溶媒としての(B−1)2,240質量部及び(B−2)960質量部、[C]酸発生剤としての(C−1)8.5質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2.3質量部、[E]重合体としての(E−1)3質量部、並びに[G]偏在化促進剤としての(G−1)30質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより樹脂組成物(J1−1)を調製した。
下記表4に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、樹脂組成物(J1−2)〜(J1−37)及び(CJ−1)を調製した。
[実施例38]
[A1]重合体としての(A1−1)100質量部、[B]溶媒としての(B−1)4,280質量部及び(B−2)1,830質量部、[C]酸発生剤としての(C−1)20質量部並びに[D]酸拡散制御剤としての(D−1)3.6質量部を混合し孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより樹脂組成物(J2−1)を調製した。
下記表5に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例38と同様に操作して、樹脂組成物(J2−2)〜(J2−39)及び(CJ−2)を調製した。
(樹脂組成物(J3):[A3]重合体を含有する樹脂組成物(B)の調製)
[実施例77]
[A3]重合体としての(A3−1)50質量部、[H]重合体としての(H−2)50質量部、並びに[B]溶媒としての(B−3)1,000質量部及び(B−4)4,000質量部を配合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより樹脂組成物(J3−1)を調製した。
下記表6に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例77と同様に操作して、樹脂組成物(J3−2)〜(J3−23)及び(CJ−3)を調製した。
[合成例76]
[F]重合体としての(F−1)100質量部、[B]溶媒としての(B−1)2,240質量部及び(B−2)960質量部、[C]酸発生剤としての(C−1)8.5質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2.3質量部並びに[G]偏在化促進剤としての(G−1)30質量部を配合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(a)を調製した。
(樹脂組成物(A)を用いるArF露光による場合)
[レジストパターンの形成(1)]
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した樹脂組成物(A)を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とした。
上記[レジストパターンの形成(1)]においてTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記[レジストパターンの形成(1)]と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
[レジストパターンの形成(3)]
8インチのシリコンウエハー表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、上記調製した樹脂組成物(A)を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm2)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
[レジストパターンの形成(4)]
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した感放射線性樹脂組成物(a)を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜上に上記調製した樹脂組成物(B)を塗布し、90℃で60秒間PBを行うことにより膜厚30nmのレジスト上層膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とした。
上記樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、下記方法により測定を行うことにより、樹脂組成物についてのLWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能を評価した。また、樹脂組成物(B)は上記に加えて、組成物安定性、上層膜除去性、溶出量、剥がれ耐性、ブロッブ欠陥、ブリッジ欠陥についても評価した。評価結果を表7〜9に示す。上記レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。なお、LWR性能、CDU性能、解像性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能における判定基準となる比較例は実施例1〜37については比較例1、実施例38〜76については比較例2、実施例77〜99については比較例3である。
上記Eopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能とした。LWR性能は、その値が小さいほどラインのガタつきが小さく良いことを示す。LWR性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(LWR性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(LWR性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用いてパターン上部から観察した。400nmの範囲で線幅を20点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをCDU性能とした。CDU性能は、その値が小さいほど長周期での線幅のバラつきが小さく良いことを示す。CDU性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(CDU性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(CDU性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して解像される最小のレジストパターンの寸法を測定し、この測定値を解像性とした。解像性は、その値が小さいほどより微細なパターンを形成でき良いことを示す。解像性は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(解像性の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(解像性の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンの断面形状を観察し、レジストパターンの高さ方向での中間での線幅Lb及びレジストパターンの上部での線幅Laを測定した。断面形状の矩形性は、その値が1に近いほど、レジストパターンがより矩形であり良いことを示す。断面形状の矩形性は、0.9≦(La/Lb)≦1.1である場合は「良好」と、(La/Lb)<0.9又は1.1<(La/Lb)である場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンにおいて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を観測し、ブリッジや残渣が無いままパターン寸法が基準の90%〜110%に入る深さ方向の余裕度を測定し、この測定値を焦点深度とした。焦点深度は、その値が大きいほど、焦点の位置が変動した際に得られるパターンの寸法の変動が小さく、デバイス作製時の歩留まりを高くすることができる。焦点深度は、その値を比較例のものと比べたとき10%以上の向上(焦点深度が110%以上)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(焦点深度が110%未満)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopを含む露光量の範囲において、露光量を1mJ/cm2ごとに変えて、それぞれレジストパターンを形成し、上記走査型電子顕微鏡を用いて、それぞれの線幅を測定した。得られた線幅と露光量の関係から、線幅が44nmとなる露光量E(44)、及び線幅が36nmとなる露光量E(36)を求め、露光余裕度=(E(36)−E(44))×100/(最適露光量)の式から露光余裕度(%)を算出した。露光余裕度は、その値が大きいほど、露光量が変動した際に得られるパターンの寸法の変動が小さく、デバイス作製時の歩留まりを高くすることができる。露光余裕度は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(露光余裕度の値が110%以上)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(露光余裕度の値が110%未満)の場合は「不良」と評価した。
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンにおいて、線幅が51nm、53nm、55nm、57nm、59nmとなるマスクパターンを用いて形成されたレジストパターンの線幅を縦軸に、マスクパターンのサイズを横軸にプロットしたときの直線の傾きを算出し、これをMEEF性能とした。MEEF性能は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを示す。MEEF性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(MEEF性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(MEEF性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
液浸露光用保護膜形成樹脂組成物の経時的な白濁化の有無について評価した。液浸露光用保護膜形成樹脂組成物を30分間攪拌した後、目視で白濁の有無を観察した。組成物安定性は、白濁が認められない場合は「良好」と、白濁が認められる場合は「不良」と評価した。
液浸露光用保護膜のアルカリ現像液による除去性について評価した。塗布/現像装置(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)にて8インチシリコンウエハ上に、液浸露光用保護膜形成組成物をスピンコートし、90℃で60秒間PBを行い、膜厚90nmの液浸露光用保護膜を形成した。膜厚は膜厚測定装置(大日本スクリーン社の「ラムダエースVM90」)を用いて測定した。この液浸露光用保護膜を上記塗布/現像装置にて、現像液として2.38質量%TMAH水溶液を用いて60秒間パドル現像を行い、振り切りによりスピンドライした後、ウエハ表面を観察した。このとき保護膜除去性は、残渣が認められなければ「良好」と、残渣が観察されれば「不良」と評価した。
液浸露光用保護膜を形成したレジスト膜からのレジスト膜成分の溶出量について評価した。上記塗布/現像装置にてヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理(100℃で60秒間)を行った8インチシリコンウエハ上の中心部に、厚み1.0mm、1辺30cmの正方形で中央部が直径11.3cmの円形状にくり抜かれたシリコンゴムシート(クレハエラストマー社)を乗せた。次いで、シリコンゴム中央部のくり抜き部に10mLホールピペットを用いて超純水10mLを満たした。
使用カラム;(資生堂社の「CAPCELL PAK MG」1本)
流量;0.2mL/分
溶出溶媒:水/メタノール(3/7)に0.1質量%のギ酸を添加したもの
カラム温度;35℃
液浸露光用保護膜の基板からの剥がれ難さを評価した。基板として、HMDS処理をしていない8インチシリコンウェハを用いた。上記基板上に、液浸露光用保護膜形成樹脂組成物を上記塗布/現像装置にて、スピンコートした後に90℃で60秒間PBを行い、膜厚30nmの塗膜(レジスト上層膜)を形成した。その後、上記塗布/現像装置にて純水によるリンスを60秒間行い、振り切りによる乾燥を行った。剥がれ耐性は、目視により、リンス後にウェハ全面で液浸露光用保護膜の剥がれが認められた場合は「不良」と、エッジ部でのみ剥がれが認められた場合は「良好」と評価した。
液浸露光用保護膜を形成したレジスト膜を現像して得られるレジストパターンにおけるブロッブ欠陥の発生数を測定した。塗布/現像装置(東京エレクトロン社の「Lithius Pro−i」)を用いて、100℃で60秒間、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を行った12インチシリコンウエハを用意した。この12インチシリコンウエハ上に、感放射線性樹脂組成物(a)をスピンコートし、ホットプレート上で100℃で60秒間PBを行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜上に、調製した液浸露光用保護膜形成樹脂組成物をスピンコートし、90℃で60秒間又は110℃で60秒間PBを行って膜厚30nmの塗膜(保護膜)を形成した。その後、パターンが形成されていない擦りガラスを介して露光を行った。この露光後の8インチシリコンウエハを用いて、以下の手順にて、ブロッブ欠陥の評価を行った。
液浸露光用保護膜を形成したレジスト膜を現像して得られるレジストパターンにおけるブリッジ欠陥の発生数を測定した。12インチシリコンウエハ表面に、下層反射防止膜(日産化学社の「ARC66」)を塗布/現像装置(東京エレクトロン社の「Lithius Pro−i」)を使用してスピンコートした後、PBを行うことにより膜厚105nmの塗膜を形成した。次いで、「CLEAN TRACK ACT12」を使用して感放射線性樹脂組成物(a)をスピンコートし、100℃で60秒間PBした後、23℃で30秒間冷却することにより膜厚100nmのレジスト被膜を形成した。その後、形成したレジスト膜上に、液浸露光用保護膜形成樹脂組成物を塗布して保護膜を形成した。
Claims (11)
- フォトリソグラフィーによるレジストパターン形成方法に用いられる樹脂組成物であって、
下記式(1)で表される基及び下記式(2)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む第1構造単位を有する第1重合体、及び
有機溶媒
を含有することを特徴とする樹脂組成物。
式(1)中、Rf1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である。1又は複数のR1及びR2並びにRf1のうちの2つ以上は、互いに合わせられ構成される環員数3〜30の環構造を形成してもよい。) - 上記式(1)又は(2)におけるRf2及びRf3のうち−COO−に隣接する炭素原子に結合するものの少なくとも一方が、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 上記式(1)又は(2)におけるRf2及びRf3のうち−COHに隣接する炭素原子に結合するもの並びにRf1のうちの少なくとも1つが、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 上記式(1)又は(2)におけるRf2及びRf3のうち−COO−に隣接する炭素原子に結合するものが、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 感放射線性樹脂組成物として用いられ、
感放射線性酸発生体をさらに含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 上記第1重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、酸解離性基を含む構造単位を有する第2重合体
をさらに含有する請求項6又は請求項7に記載の樹脂組成物。 - 液浸露光用保護膜形成組成物として用いられる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- レジスト膜を形成する工程、
上記レジスト膜を露光する工程、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を備え、
上記レジスト膜を請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。 - レジスト膜を形成する工程、
上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を液浸露光する工程、及び
上記液浸露光されたレジスト膜を現像する工程
を備え、
上記保護膜を請求項9に記載の樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
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