JP6035202B2 - 点火装置 - Google Patents

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Description

この発明は内燃機関の点火を行う点火電源に係り、特に放電初期に大きな火炎核を形成して火炎成長速度を大きくした点火装置に関するものである。
特許文献1には、12Vまたは24Vの直流電圧をRF逓昇変圧器20によって1〜5KVA(50〜500kHz)に昇圧後、高電圧回路20として設けたキャパシタンス31と誘電素子32との直列LC共振回路の共振作用によって50〜500KVAC(50〜500kHz)に昇圧し、この結果得られた高電圧をスパークプラグの電極40に印加し、変圧器20の出力端(A点)または高電圧回路20の出力端(B点)から検知した2次電圧とトランス20の通電電流から放電の電圧−電流特性がアーク放電に移行しない範囲に制御することで、コロナ放電状態を維持し、体積点火を実現する点火方法が開示されている。
特開2009−8100号公報
ところが、特許文献1にあるようなLC共振を用いた高電圧回路により、電極に印加される二次電圧を昇圧した場合、共振のQ値が100倍近いため、コロナ放電の状態で、共振のQ値が大きく変化する。
このため、放電電圧を維持し、安定したコロナ放電を得るには、ピンポイントでのインピーダンス整合が必要となる。
さらに、特許文献1の図7等に示されているように、制御を成立させるには様々な補正が必要で、システムが複雑となり、製造コストの増大を招く虞がある。
また、kVオーダーの二次電圧をモニタする回路は損失が大きく、Q値の低下を招き、安定した着火を実現できない虞もある。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、放電状態におけるQ値の変動が比較的少なく、エンジン条件に応じて着火性を確保するためのエネルギ調整が容易で、放電開始時期を容易に検知し、放電開始指令信号の開始時期の補正が可能で、特に放電初期に大きな火炎核を形成して火炎成長速度を大きくした点火装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、内燃機関に設けられる点火プラグ(8)と該点火プラグ(8)に高周波交流高電圧を印加する高周波電源とを具備する点火装置であって、
前記点火プラグ(8)は、中心電極放電部(800)と、該中心電極放電部(800)を覆う誘電体放電部(810)と、所定の放電空間(83)を設けて対向せしめた接地電極放電部(820)とを具備し、
前記高周波電源が、少なくとも、直流電源(1)と、第1のスイッチング素子(2)と、第2のスイッチング素子(3)と、一次巻線(71)と二次巻線(72)とを含む昇圧トランス(7)と、を具備し、
前記直流電源(1)と前記一次巻線(71)との間に、昇圧機能を有する共振キャパシタ(6)を介装せしめ、
前記第1のスイッチング素子(2)と前記第2のスイッチング素子(3)とが交互に開閉駆動し、前記一次巻線(71)に、昇圧された高周波交流の一次電圧(V1)を印加し、前記一次巻線(71)に流れる電流の向きを交互に切り替えことで、前記二次巻線(72)に高周波交流高電圧の二次電圧(V2)を発生させ、前記点火プラグ(8)に交流コロナ放電を形成して、前記内燃機関の燃焼室内に導入した混合気の点火を行うことを特徴とする。
本発明によれば、前記第1、第2のスイッチング素子(2、3)が交互に開閉することにより、前記一次巻線(71)に発生させる、高周波で、高電圧の交流一次電圧(V1)の周波数を、前記一次巻線(71)の自己インダクタンス(L1)と前記二次巻線(72)の自己インダクタンス(L2)と前記点火プラグ(8)の寄生キャパシタンス(C3)とで決定される共振周波数(ω1)とを一致させることにより、LC共振を発生させ、前記昇圧トランス(7)の二次巻線(72)により高電圧の高周波交流高電圧の二次電圧(V2)を発生させ、前記点火プラグ(8)に、交流コロナ放電を発生させることができ、放電状態におけるQ値の変動が比較的少なく、エンジン条件に応じて着火性を確保するためのエネルギ調整が容易で、放電開始時期を容易に検知し、放電開始指令信号の開始時期の補正が可能で、特に放電初期に大きな火炎核を形成して火炎成長速度を大きくできることが判明した。
本発明の第1の実施形態における点火装置の概要を示す回路図 本発明の第1の実施形態における点火装置に用いられる点火プラグの概要を示す要部断面図 本発明の第1の実施形態における点火装置の一次電圧の変化を示す特性図 本発明の第1の実施形態における点火装置の二次電圧の変化を示す特性図 本発明の第1の実施形態における点火装置の一次電流の変化を示す特性図 比較例と共に本発明の点火装置におけるQ値の変化を示す特性図 比較例と共に本発明の点火装置の火炎成長に対する効果を示す特性図 比較例と共に本発明の点火装置の燃焼変動PmiCOVに対する効果を示す特性図 基準クロックと駆動信号と出力電圧との関係を示すタイミングチャート Q値算出手段を設けた点火装置の概要を示す回路図 デューティを増加させた場合の特性図 デューティを減少させた場合の特性図 本発明の第2の実施形態における点火装置の概要を示す回路図 本発明の第3の実施形態における点火装置の概要を示す回路図
図1A、図1Bを参照して、本発明の第1の実施形態における点火装置9の概要について説明する。
本実施形態における点火装置9は、内燃機関に設けられた点火プラグ8に、高周波電源から高周波交流で、高電圧の二次電圧V2を印加して、点火プラグ8に交流コロナ放電を形成して、内燃機関の燃焼室内に導入した混合気の点火を行うものである。
点火装置9は、直流電源1と、第1のスイッチング素子2、第2のスイッチング素子3と、直流電源1の電圧を2分割するための第1のキャパシタ4、第2のキャパシタ5と、共振キャパシタ6と、昇圧トランス7とからなる高周波電源と、点火プラグ8とによって構成されている。
直流電源1には、電源電圧(DC12V、又は、DC24V)を所定の電圧(例えば、50〜400V)に昇圧するDC−DCコンバータ等を用いることができる。
第1のスイッチング素子2と第2のスイッチング素子3とには、例えば、SiC−FETや、パワーMOSFET、IGBT等を用いるのが適当である。 第1のスイッチング素子2と第2のスイッチング素子3とは直列に接続されている。
第1のスイッチング素子2は、第1の駆動回路21によって開閉制御され、第2のスイッチング素子3は、第2の駆動回路31によって開閉制御されている。
第1のキャパシタ3(キャパシタンスC1、例えば、560μF)と第2のキャパシタ4(キャパシタンスC2、例えば、560μF)とが直列に接続され、第1のスイッチング素子2、第2のスイッチング素子3に対して節点nにおいて並列に接続されている。
昇圧トランス7は、一次巻線71(自己インダクタンスL1、例えば、0.8μH)と、二次巻線72(自己インダクタンスL2、例えば、700μH)とを鉄心73に巻装して構成されている。
一次巻線71は、一方の端が第1のキャパシタ4と第2のキャパシタとの間の節点nに接続され、他方の端が共振キャパシタ6が介装された状態で、第1のスイッチング素子2と第2のスイッチング素子3との間の節点nに接続されている。
昇圧トランス7の二次巻線72の一方の端が接地され、他方の端が点火プラグ8に接続されている。
本発明において、点火プラグ8は、図1Bに示すように、長軸状の中心電極80を有底筒状の誘電体81で覆い、所定の放電空間83を隔てて、誘電体81をより囲むように形成した筒状の接地電極82が対向する構成となっている。
中心電極80は、Cu、Fe、Ni等の電導性金属材料によって形成されている。
誘電体81は、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の誘電材料によって形成されている。
接地電極82は、Fe、Ni、ステンレス等の導電性金属材料によって形成されている。
接地電極82は、点火プラグ8のハウジングを兼用しており、外周にネジ部821が設けられ、内燃機関E/GのエンジンブロックBRCに固定されている。
点火プラグ8は、誘電体放電部810に覆われた状態の中心電極放電部800と接地電極放電部820とが、放電空間83、及び、燃焼室CMB内に露出している。
中心電極80の先端側の中心電極放電部800と接地電極82の先端側の接地電極筒状部820との間に寄生キャパシタンスC3を形成している。
なお、寄生キャパシタンスC3は、誘電体81が放電空間83に露出する誘電体放電部830の静電容量と放電空間83の静電容量との合成容量となって
いる。
本実施形態における点火装置9の動作を説明する。
内燃機関の運転状況に応じて、図略のエンジン制御装置から点火信号IGtが発信され、第1、第2の駆動回路21、31によって第1、第2のスイッチング素子2、3が開閉駆動を開始する。
第1のスイッチング素子2が閉じられると、直流電源1の高圧側節点nから第1のスイッチング素子2、共振キャパシタ6、一次巻線71、直流電源中間電位節点nの経路で電流が流れる。
ちょうどこの電流が流れ終わるタイミングで、第1のスイッチング素子2が開放され、同時に第2のスイッチング素子3が閉じられると、直流電源中間電位n2、一次巻線71、共振キャパシタ6、第2のスイッチング素子3、接地の経路で電流が流れる。
第1のスイッチング素子2と第2のスイッチング素子3とが交互に開閉駆動されることにより、共振キャパシタ6の静電容量C4と一次巻線71の自己インダクタンスL1、及び、二次巻線73の自己インダクタンスL2と点火プラグ8の寄生キャパシタンスC3によって決定される共振周波数(ω0)と等しい周波数の高周波交流が発生し、共振キャパシタ6と一次巻線71との直列LC共振が発生する。
共振作用により一次巻線71の両端には、直流電源1の電圧Vinに対し、数倍(2倍〜4倍程度)のピーク電圧を有し、高周波交流の一次電圧V1が印加されることになる。
二次巻線72には、二次巻数(N2)/一次巻数(N1)の巻数比倍(N2/N1≒√(L2/L1))に昇圧され、さらに二次巻線72の自己インダクタンスL2と点火プラグ8の持つ寄生キャパシタンスC3との共振作用で、数倍(4倍〜8倍)に増幅され、自己インダクタンスL2と寄生キャパシタンスC3で決定される共振周波数(ω0)に等しい周波数の高周波交流二次電圧V2となって点火プラグ8に印加される。
誘電体放電部810で覆われた中心電極放電部800と、接地電極放電部820との間では、誘電体81内に蓄積された電荷により誘電体放電部810の表面と接地電極放電部820の表面との間の電界強度が所定値に達した時に極めて短い期間だけ瞬間的にコロナ放電が発生し、持続的なアーク放電とはならない。
このため、第1のスイッチング素子2と第2のスイッチング素子3とを交互に開閉駆動することにより、コロナ放電を短期間に繰り返すことが可能となる。
しかも、放電開始後も、第1のスイッチング素子2と第2のスイッチング素子3との開閉駆動を維持することで、放電時間を任意に調整することができ、燃焼室CMB内に放出される放電エネルギを稼ぐことができる。
このため、第1のスイッチング素子2と第2のスイッチング素子3との開閉によって発生する高周波の周波数(ω0)を高くできるほど有利となる。
なお、本実施形態における共振周波数ω0と、一次巻線71の自己インダクタンスL1、二次巻線72の自己インダクタンスL2、共振キャパシタ6のキャパシタンスC4、点火プラグ8の寄生キャパシタンスC3との関係は、
ω0=1/√(L1・C4)=1/√(L2・C3)となる。
一次巻線71と共振キャパシタ6との共振作用により、直流電源1の電源電圧VINを数倍の一次電圧V1に昇圧して供給できるので、直流電源1の電源電圧VINをむやみに高くする必要がなく、例えば、200〜300V程度とすれば良い。
また、二次巻線72と8の寄生容量C3との共振作用により、二次電圧V2を更に昇圧して点火プラグ8に供給できるにで、昇圧トランス7の巻数も少なくできる。
その結果、一次巻線71の自己インダクタンスL1を小さく出来るので、周波数を上げることも容易となるという効果をもたらす。
なお、上記実施形態において、示した、共振周波数、自己インダクタンス、キャパシタンス等の値は、例示であり、本発明を限定するものではない。
従来の火花点火の場合には、放電電圧が徐々に低下し、一定以下となって、放電経路が途切れた場合には、それ以上エネルギを投入しても、放電の維持を図ることはできないが、本発明の点火装置9では、一次電圧V1を供給し続ければ、二次電圧V2も供給され続けるので、コロナ放電を任意の時間維持することができる。
図2A、図2B、図2Cを参照して、本実施形態における点火装置9の昇圧トランス7の一次巻線電圧V1、二次巻線電圧V2、一次巻線電圧I1の変化について説明する。
点火信号IGtにしたがって、第1のスイッチング素子2、第2のスイッチング素子3との開閉駆動が開始され、交流の一次電圧V1を発生する。
共振キャパシタ6と一次巻線71とのLC直列共振作用によって、図2Aに示すように、次第に一次電圧V1の振幅が大きくなる。
電磁誘導により、二次巻線72に一次電圧V1の巻数比N2/N1倍の二次電圧V2が発生する。
二次電圧V2が、コロナ放電可能な電圧に達すると、点火プラグ8の誘電体放電部810の表面と接地電極放電部820の表面との間でコロナ放電が開始される。
二次巻線72側でコロナ放電が開始されると、一次側共振作用にとっては損失となる漏れ抵抗成分が発生することになるため、共振のQ値が低下する。
その結果、一次巻線71の一次電圧V1が低下し、図2Bに示すように、必然的に二次電圧V2も低下する。
また、図2Cに示すように、同時に一次巻線71に流れる一次電流I1も低下する。
したがって、Q値が低下するタイミングや一次電流I1が低下するタイミングを検知することで、コロナ放電開始時期の検知が可能となる。
このタイミングをエンジン制御装置に知らせることで、点火時期制御の補正を行うこともできる。
また、放電開始後には、 一次巻線電流I1が低下することから、第1、第2のスイッチング素子2、3の通電電流許容値に余裕ができるので、第1、第2のスイッチング素子2、3の通電デューティを増減させることで、点火エネルギの最適化を図り、着火性の向上や、消費電力の削減等も可能となる。
ここで、図3A、図3B、図3Cを参照して、本発明の効果について説明する。
図3Aに示すように、コロナ放電が発生せず、燃焼に至らなかった比較例1では、点火プラグ8に印加する二次電圧V2を高くしても、Q値が変化せず、コロナ放電が発生した実施例1では、点火プラグ8に印加した二次電圧V2に応じて、Q値が徐々に低くなっている。
このため、Q値を所定の閾値Qref(例えば、3.0)を基準として閾値判定することで、放電の有無を検出できることが分かる。
なお、Q値は、一次巻線71の両端の電位差(V1=V11−V10)を、直流電源1の電源電圧V0で割った値を後述する演算装置20路を用いて算出している。
図3Bを参照して、出力電圧V2と駆動開始から所定期間経過後における火炎の大きさとの関係について説明する。
本図は、駆動開始から、所定の時間(例えば、200μS)経過後の燃焼室内を写真撮影し、二次電圧V2を変化させたときの火炎核体積の相対的な変化を示すものであり、比較例として通常の火花放電による火炎体積の変化を示してある。
本図に示すように、本発明の点火装置9によれば、従来よりも火炎成長は速く、着火性を向上させることが出来ることが判明した。
図3Cを参照して、着火安定性に対する本発明の効果について説明する。
従来の火花放電(アーク放電)による希薄混合気(高A/F混合気)の着火限界を比較例1として点線で示し、本発明の点火装置9を用いたときの希薄混合気(高A/F混合気)の着火限界を点火装置9におる燃焼変動を実施例1として実線で示してある。
図3C中、横軸を空燃費A/F、縦軸に対して燃焼変動率を図示平均有効圧PmiCOV(%)で示してある。
燃焼変動率が小さいほど着火性が良好であることを示す。
本発明の点火装置9を用いて、高周波交流コロナ放電を発生さることにより、従来の火花点火と比較して、A/F限界を拡大する効果があることが確認された。
図4に基準クロックと、第1、第2の駆動回路21、31の駆動信号と、出力電圧V2との関係を示すタイミングチャートを示す。
基準クロックの立ち上がりに同期して、第1の駆動回路21において第1のスイッチング素子2を作動させるための駆動信号がハイとなり、所定のオン時間TON経過後にローとなり、基準クロックの立ち下がりに同期して、第2の駆動回路31において第2のスイッチング素子3を作動させるための駆動信号がハイとなり、所定のオン時間TON経過後にローとなる。
ONの長さを増減することによってデューティ(TON/T%)を増減し、出力電圧V2を増減させることができる。
図5を参照して、第1の実施形態における点火装置9に、Q値算出手段を設けて放電判定と点火信号IGtの補正を行う制御方法について説明する。
図1Aに示した点火装置9に加えて、直流電源1の電源電圧V0、一次巻線71の両端の電位差(V1=V11−V10)をモニタし、Q値を算出するQ値算出手段(201、202)と、その算出結果から放電の有無を判定する放電判定手段203と、その判定結果からデューティを決定するデューティ決定手段204と、第1、第2の駆動回路21、31にフィードバックするタイマ制御手段205と、点火時期の補正をする点火時期補正手段206とからなる演算装置200を設けてある。
直流電源1の電源電圧V0、一次巻線71の両端の電圧V11、V10を、それぞれ、抵抗105、106、抵抗101、102,抵抗103、104を直列に接続したアッテネート回路によって電圧を下げてモニタすることで、取り扱いを容易にしている。
一次巻線71の両端の電圧V11、V10はそれぞれ、R102/(R101+R102)倍、R104/(R103+R104)倍に分圧され、差動増幅回路107に入力される。
差動増幅回路107の出力は、一次巻線71の両端の電位差(V1=V11−V10)を分圧した値となり、ピークホールド回路に入力される。
本実施形態におけるピークホールド回路は、オペアンプ108、ダイオード109、キャパシタ110、アナログスイッチ111,オペアンプ112によって構成されている。
但し、ピークホールド回路は、本実施形態に限定するものではなく、公知のものを適宜採用し得る。
電源電圧V0は、アッテネータ回路によって、R106/(R105+R106)倍に分圧される。
ピークホールド回路の出力と電源電圧V0を分圧した電圧とが、A/Dコンバータ201に入力される。
演算装置200内には、Q値算出手段202が設けられ、一次巻線71の両端の電位差(V1=V11−V10)と直流電源1の電源電圧V0との比(Q=V1/V0)を算出する。
その結果、放電判定手段203では、算出したQ値と所定の閾値Qrefとを比較し、Q≦Qrefなら、コロナ放電が発生していると判定し、Q>Qrefなら、コロナ放電が発生していないと判定する。
この判定結果から、デューティ決定手段204では、エンジンの運転状況に応じて、第1、第2のスイッチング素子2、3を駆動するデューティを決定する。
具体的には、放電なしと判定された場合、放電エネルギが不足していると判断し、デューティを増加する指示がなされ、デューティ発生手段205から、第1、第2の駆動回路21、31へ、デューティを増加したフィードバック信号F/B1、F/B2が送信され、図6Aに示したように二次電圧V2を任意のタイミングで、例えば、90%デューティから100%デューティへ増加させることができる。
放電判定手段203で放電ありと判定され、運転状況から、デューティを減少させても、放電の維持が可能と判断された場合には、デューティ決定手段204において、デューティを減少する指示がなされ、デューティ発生手段205から、第1、第2の駆動回路21、31へ、デューティを減少したフィードバック信号F/B1、F/B2が送信され、図6Bに示したように二次電圧V2を任意のタイミングで、例えば、90%デューティから80%デューティへ減少させることができる。
なお、ピークホールド回路のアナログスイッチ111は、第1のスイッチング素子2の駆動信号をインバータ113により反転された信号により閉じられ、接地されることにより、ピークホールド回路でホールドされたピーク値をリセットし、次のサイクルのピークホールドに備える。
さらに、点火時期補正手段206では、放電判定手段203の判定結果から、点火時期の補正の要否を判断し、必要に応じて、点火信号IGtを進角側に補正したり、遅角側に補正したりするよう、エンジン制御装置へフィードバックする。
これらの判定は、予め演算回路200内に内燃機関の運転状況に応じたマップデータを用意しておくことによって実現できる。
図7を参照して、本発明の第2の実施形態における点火装置9aについて説明する。なお、前記実施形態と同様の構成については同じ符号を付したので説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
本実施形態では、図1の点火装置9に加え、一次巻線71の両端の電位差ではなく、一次巻線71に流れる一次電流I1を検出することで、放電の有無を検出し、その結果をフィードバックするようにした点が相違するものである。
一次巻線71に流れる一次電流I1は電流センサ114により電圧に変換され、抵抗103a、104aからなるアッテネータ回路により分圧され、ピークホールド回路に入力される。
このピークホールド回路は、一次巻線71に流れる一次電流I1のうち正側のピーク値に相当する電圧を記録し、演算装置200a内蔵のA/Dコンバータ201に入力される。
一方、直流電源電圧は、抵抗105、106によりアッテネートされ、A/Dコンバータ201に入力される。
演算装置200aでは、直流電源電圧V0から割り出した電流の所定値Irefと、電流センサ114で検出した一次電流I1とを比較し、放電の有無を判断する。
なお、本発明者等の鋭意試験により、放電の有無による一次電流I1の変化が小さいため、原理的には可能であるが、前記実施形態のようにQ値を用いて放電判定する場合に比べ、放電検出が困難であることが判明した。
図8を参照して、本発明の第3の実施形態における点火装置9bについて説明する。
前記実施形態においては、一次巻線71の自己インダクタンスL1と、共振キャパシタ6のキャパシタンスC4と、二次巻線72の自己インダクタンスL2と、点火プラグ8の寄生キャパシタのキャパシタンスC3とによって、定まる共振周波数ω0で共振するLC共振を発生させる例を示したが、本実施形態の点火装置9bにおいては、共振キャパシタ6を用いていない点が相違する。
このような構成によっても一次巻線71の自己インダクタンスL1と、二次巻線72の自己インダクタンスL2と、点火プラグ8の寄生キャパシタンスC3とによって、定まる共振周波数ω1と一致するように、第1、第2のスイッチング素子2、3を開閉駆動することによって、LC共振を発生させ、高周波交流高電圧の二次電圧V2を点火プラグ8に印加して、コロナ放電を発生させることができる。
本実施形態における、共振周波数ω1と、一次巻線71の自己インダクタンスL1、二次巻線72の自己インダクタンスL2、巻回比N2/N1、点火プラグ8の寄生キャパシタンスC3との関係は、
ω1=1/√〔{L1・(N2/N1)+L2}・C3〕 となる。
前記実施形態においては、点火プラグ8として、中心電極放電部800を誘電体放電部810で覆って、所定の放電空間83を隔てて接地電極放電部820を対向せしめたものを用いて、コロナ放電を発生させることで、燃焼室CMB内の混合気の体積着火を行う点火装置9について説明したが、点火装置9において、第1、第2のスイッチング素子2、3の開閉駆動によって得られる高周波交流の周波数を充分高くすれば、中心電極放電部800を誘電体810で覆った点火プラグ8を用いることなく、一般的な、火花放電用の金属電極プラグを用いることによっても、コロナ放電による体積着火を発生させることができる。
周波数を高くすることで、極めて短い期間で電極の極性が切り替わるので、アーク放電に移行することなく、長期に亘ってコロナ放電を発生させることが可能となるのである。
また、周波数を高くした場合、共振キャパシタ6のキャパシタンスC4、自己インダクタンスL1、L2を小さくして、共振周波数と一致させる必要があるが、点火プラグの寄生容量C3は、プラグの形状によって異なるため、適宜調整する。
9 点火装置
1 直流電源(DC−DCコンバータ)
2 第1のスイッチング素子
21 第1のスイッチング素子駆動回路
3 第2のスイッチング素子
31 第2のスイッチング素子駆動回路
4、5 電源電圧分割用キャパシタ
6 共振用キャパシタ
7 昇圧トランス
71 一次巻線
72 鉄心
73 二次巻線
8 点火プラグ
80 中心電極
800 中心電極放電部
81 誘電体
810 誘電体放電部
82 接地電極(ハウジング)
820 接地電極放電部
V1 一次電圧
V11 一次巻線上流側電圧
V10 一次巻線下流側電圧
V2 二次電圧
L1、L2 自己インダクタンス
C3 寄生キャパシタンス
C4 共振キャパシタ

Claims (6)

  1. 内燃機関に設けられる点火プラグ(8)と該点火プラグ(8)に高周波交流高電圧を印加する高周波電源とを具備する点火装置であって、
    前記点火プラグ(8)は、中心電極放電部(800)と、該中心電極放電部(800)を覆う誘電体放電部(810)と、所定の放電空間(83)を設けて対向せしめた接地電極放電部(820)とを具備し、
    前記高周波電源が、
    少なくとも、直流電源(1)と、第1のスイッチング素子(2)と、第2のスイッチング素子(3)と、一次巻線(71)と二次巻線(72)とを含む昇圧トランス(7)と、を具備し、
    前記直流電源(1)と前記一次巻線(71)との間に、昇圧機能を有する共振キャパシタ(6)を介装せしめ、
    前記第1のスイッチング素子(2)と前記第2のスイッチング素子(3)とが交互に開閉駆動し、前記一次巻線(71)に、昇圧された高周波交流の一次電圧(V1)を印加し、前記一次巻線(71)に流れる電流の向きを交互に切り替えことで、前記二次巻線(72)に高周波交流高電圧の二次電圧(V2)を発生させ、前記点火プラグ(8)に交流コロナ放電を形成して、前記内燃機関の燃焼室内に導入した混合気の点火を行うことを特徴とする点火装置(9、9a、9b)
  2. 前記共振キャパシタ(6)は、前記直流電源(1)の電圧を、前記一次巻線(71)との共振作用により、前記一次電圧に昇圧する請求項1に記載の点火装置(9、9a)
  3. 電源電圧(V0)と、前記一次電圧(V1)との比によって求まるQ値を算出するQ値算出手段(202)を具備する請求項1又は2に記載の点火装置(9、9a、9b)
  4. 前記Q値を所定の閾値Qrefとの比較によって放電の有無を検出する放電判定手段(203)を具備する請求項3に記載の点火装置(9)
  5. 前記放電判定手段(203)の判定結果に基づいて前記第1のスイッチング素子(2)と前記第2のスイッチング素子(3)との開閉駆動をするデューティ比を決定するデューティ決定手段(204)を具備する請求項4に記載の点火装置(9)
  6. 前記放電判定手段(203)の判定結果に基づいて点火時期の補正をする点火時期補正手段(206)を具備する請求項4または5に記載の点火装置
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