JP6035078B2 - 多足類及びダニ類の少なくとも一方に対する忌避成分が精製、濃縮されたローズマリーオイル抽出物の製造方法 - Google Patents

多足類及びダニ類の少なくとも一方に対する忌避成分が精製、濃縮されたローズマリーオイル抽出物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、忌避剤に関する。
ムカデ等の野外に生息する多足類は、見た目の不快感や、毒を有するため咬まれた際に腫れるなど人体に害を及ぼすため、防除の対象とされている。そのため、これらの不快害虫の忌避剤として各種精油の適用等、防除剤について種々、検討されている。
例えば、しそ油、ラベンダーオイル、チモール等を有効成分として含有する害虫防除組成物(例えば、特許文献1参照)や、シナモンパウダーを有効成分として含有する多足類防除用粉体(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特開平11−60421号公報 特開2007−112773号公報
害虫防除のために粉体を地面に散布した場合、多足類は、体節が多く、体を反り返して持ち上げるなどするため、虫体が十分に薬剤に触れず、触覚のある頭部が薬剤に直接触れることなく薬剤を乗り越えることができる。また、ムカデなどの多足類は枯れ葉や枯木の堆積した地中で生活しており、触角が短く、視覚が弱いため外部からの刺激に対して鈍感であるため、蚊、ハエ、ゴキブリ等の衛生害虫と違って、忌避効果が得られにくい。
上記特許文献1や特許文献2は、多足類に直接適用することによって防除効果を得ることができるが、長期間にわたる防除効果の持続という点では満足できるものではなかった。
そこで、本発明は、不快害虫に対して高い忌避効果が得られ、且つ持続性のある忌避剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ローズマリーオイル成分の中でも特定の分画成分が多足類などの不快害虫に対して優れた忌避効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は下記(1)〜(3)により達成される。
(1)多足類及びダニ類の少なくとも一方の忌避剤であって、クロマトグラフィーを用いて、ローズマリーオイルを吸着剤に吸着させたカラムから、ヘキサン、または、容量比でヘキサンがジエチルエーテルに対して同量以上含有されているヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒を展開溶媒として用いて溶出した後、残渣を、容量比でジエチルエーテルがヘキサンよりも多く含有されているヘキサン・ジエチルエーテルの混合溶媒を展開溶媒として溶出したローズマリーオイル抽出物を有効成分として含有することを特徴とする忌避剤。
(2)前記ローズマリーオイルを吸着剤に吸着させたカラムから、
(a)ヘキサンを展開溶媒として第1分画成分を溶出する工程、
(b)該第1分画成分を採取した残渣から、ヘキサン:ヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒(ヘキサン:ジエチルエーテル(4:1))=1:1の混合溶媒を展開溶媒として第2分画成分を溶出する工程、
(c)該第2分画成分を採取した残渣から、ヘキサン:ジエチルエーテル=1:1の混合溶媒を展開溶媒として第3分画成分を溶出する工程、
(d)該第3分画成分を採取した残渣から、ヘキサン:ジエチルエーテル=1:4の混合溶媒を展開溶媒として第4分画成分を溶出する工程
により得られた第4分画成分のローズマリーオイル抽出物を有効成分として含有することを特徴とする上記(1)に記載の忌避剤。
(3)前記多足類が、ムカデ類、ヤスデ類、ゲジ類、ワラジムシ類、ダンゴムシ類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の忌避剤。
本発明の忌避剤により、不快害虫であるムカデ、ヤスデ、ワラジムシ等の多足類に対して速効的な忌避作用を長期間に渡り発現し、高い忌避効果を発揮することができる。さらに、ダニ類に対しても高い忌避効果を発揮することができる。
本発明の有効成分は、害虫に直接接触した場合でも、揮散した場合でも高い忌避効果を発揮する。
忌避試験方法を説明する模式図である。 忌避試験方法を説明する模式図である。
以下、本発明の忌避剤について詳細に説明する。
本発明の忌避剤は、ローズマリーオイルから分画される特定の分画成分を有効成分として含有する。この有効成分は、クロマトグラフィーを用いて、ローズマリーオイルを吸着剤に吸着させたカラムから、ヘキサン、または、容量比でヘキサンがジエチルエーテルに対して同量以上含有されているヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒を展開溶媒として用いて溶出した後、残渣を、容量比でジエチルエーテルがヘキサンよりも多く含有されているヘキサン・ジエチルエーテルの混合溶媒を展開溶媒として溶出したものである(以下、「本発明のローズマリーオイル抽出物」と称する場合がある)。
ローズマリー(学名:Rosmarinus officinalis)は地中海沿岸の諸国に広く分布するシソ科の常緑低木であり、ローズマリーオイルは、ローズマリーの葉や花を蒸留して採取される精油であり、淡緑色の液体である。本発明において使用できるローズマリーオイルとしては、例えば、ローズマリー・シネオール、ローズマリー・ベルベノン、ローズマリー・カンファー等を挙げることができる。
ローズマリーオイルは、シリカゲル、アルミナ、ガラスビーズ、ポリマー樹脂、珪藻土等の吸着剤を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーにより分画する。本発明において、操作が簡便且つ多量の試料処理が可能であるという理由からシリカゲルを用いた吸着カラムクロマトグラフィーを使用することが好ましい。
吸着カラムクロマトグラフィーを用いる場合、展開溶媒は極性の低いものから順に用い、複数工程で溶出することが好ましい。溶媒の極性を徐々に高くすることで、低極性物質から高極性物質を順次溶出することができるからである。展開溶媒としては、ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル等が挙げられ、これらの溶媒を混合し、その混ぜる比率によって展開溶媒の極性を変えることができる。
本発明において、ローズマリーオイルを吸着剤に吸着させたカラムから、ヘキサン、または、容量比でヘキサンがジエチルエーテルに対して同量以上含有されているヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒を展開溶媒として用いて溶出して忌避成分以外の成分を分離した後、残渣を、容量比でジエチルエーテルがヘキサンよりも多く含有されているヘキサン・ジエチルエーテル混合溶液を展開溶媒として溶出して、忌避成分を精製、濃縮する。
具体的には、まず、シリカゲル等の吸着剤に吸着させたローズマリーオイルを、ヘキサンを展開溶媒としてクロマトグラフィーを利用して第1分画成分を溶出する。次に、第1分画成分を採取した残渣について、ヘキサン:ヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒(ヘキサン:ジエチルエーテル(4:1))=1:1の混合溶媒を展開溶媒としてクロマトグラフィーで処理して第2分画成分を溶出する。続けて、第2分画成分を採取した残渣について、ヘキサン:ジエチルエーテル=1:1の混合溶媒を展開溶媒としてクロマトグラフィーで処理して第3分画成分を溶出する。そして、第3分画成分を採取した残渣について、ヘキサン:ジエチルエーテル=1:4の混合溶媒を展開溶媒としてクロマトグラフィーで処理して第4分画成分を溶出する。これらの第1分画成分から第3分画成分には、ローズマリーオイルの芳香成分や抗酸化成分、消臭成分が精製、濃縮されて溶出すると考えられる。
このように、極性の低い溶媒に溶けやすい芳香成分や抗酸化成分等から順次溶出させることにより、容量比でジエチルエーテルがヘキサンよりも多く含有されているヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒を用いた溶出液には、多足類に対する忌避成分が精製、濃縮されて溶出する。尚、上記した4種類の展開溶媒を用いた4工程により本発明のローズマリー抽出物を得ることができるが、上記4工程に分けて分離する方法に限定されず、任意の工程数を行えば良い。
得られた本発明のローズマリーオイル抽出物は溶出原液をそのまま使用しても良いが、適切な方法で濃縮、乾燥して使用したり、適宜な溶媒に溶解して使用することもできる。前記溶媒としては、例えば、アセトン、エタノール、メタノール、パラフィン等が挙げられる。
本発明の忌避剤は、各種製剤として用いることができ、有効成分(本発明のローズマリーオイル抽出物)のみであってもよく、液体や固体等の担体等を用いてもよい。例えば、液剤、ゲル剤、ゾル剤、粒剤、顆粒剤、マイクロカプセル剤、錠剤、エアゾール剤、シート剤等として製剤化することができる。
担体等を用いて製剤化する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
(1)本発明のローズマリーオイル抽出物を、固体担体、液体担体、ガス状担体等と混合する方法。
(2)本発明のローズマリーオイル抽出物を、固体担体に含浸する方法。
(3)本発明のローズマリーオイル抽出物と固体担体を混合した後に成形加工する方法。
本発明の忌避剤には、本発明のローズマリーオイル抽出物を製剤中、0.05質量%以上含有することが好ましく、0.05〜20質量%含有することがより好ましく、0.1〜2質量%含有することが更に好ましい。製剤中にローズマリーオイル抽出物の含有量が0.05質量%未満であると、多足類に対する忌避効果が十分に得られない場合がある。本発明の有効成分を担体に含浸、混合して使用する場合には、製剤中のローズマリーオイル抽出物の含有量が20質量%あれば、十分な忌避効果が得られる。含有量が20重量%を超えると、コストが高くなり好ましくない、また、粉剤とする場合には担体の性状を保つ事ができなくなる場合がある。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、タルク、蝋石、カオリン、炭酸カルシウム、ベントナイト、珪石、長石、含水二酸化珪素、酸性白土、珪藻土粉末、軽石粉末等の鉱物質粉末;木粉、トウモロコシ澱粉、シルク粉末等の動物質粉末;ブドウ糖、ショ糖、乳糖等の糖類;炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機塩類等が挙げられる。これらの中でも、飛散しにくく、雨水等に溶解しない等により鉱物質粉末、特にタルク、クレー、珪石、長石、カオリンが好ましい。これらの固体担体は1種又は2種以上を用いることができる。
液体担体としては、例えば、水、アルコール、炭化水素等を用いることができ、さらに、増粘性高分子化合物を含むジェル状液体、界面活性剤を含む乳剤としても良い。これらの中でも、揮散量をコントロールし、忌避効果を持続させやすいことから、増粘性高分子化合物を含むジェル状液体が好ましい。これらの液体担体は1種又は2種以上を用いることができる。また、本発明のローズマリーオイル抽出物を液体担体と混合させた後に、ゲル化剤を用いて固化させることや、吸水性ポリマーに含浸させることができる。
ガス状担体としては、例えば、ブタンガス、フロンガス、代替フロンガス、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、窒素ガス、及び炭酸ガス等が挙げられる。
また、本発明の忌避剤には、その効果を妨げない範囲において、任意の成分を添加してもよい。
任意の成分としては、例えば、溶剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、着色剤、撥水剤、防腐剤、pH調整剤、オイル類、増粘剤、展着剤が挙げられる。
溶剤としては、例えば、水、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、炭化水素類、芳香族類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)エンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、γ−オリザノール、アスコルビン酸等が挙げられる。
香料としては、例えば、バラ油、ラベンダー油、ベルガモット油、シナモン油、シトロネラ油、レモン油、ハッカ油等の精油類、ピネン、リナロール、メントール、シトラール、シトロネラール、バニリン、ボルネオール等の芳香物質類、これらの配糖体、天然香料、合成香料、調合香料等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、青色1号、緑色202号、紫色201号等の法定色素、リボフラビン、クロロフィル等の天然色素等が挙げられる。
撥水剤としては、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、パラベン類、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、コハク酸等が挙げられる。
オイル類としては、例えば、シリコーンオイル類、植物油、動物油、合成油、石油類等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子化合物、ベントナイト等の粘土鉱物が挙げられる。
展着剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられる。
本発明の忌避剤は、対象場所や対象空間、例えば、多足類などの不快害虫の生息場所(植物体、土壌、家屋内等)に、載置、塗布、散布、噴霧などにより処理することにより用いられる。
本発明の忌避剤の有効成分であるローズマリーオイル抽出物は、使用場面、使用方法、製剤の種類、対象害虫等にもよるが、有効成分を0.2質量%含む製剤であれば一般に1m当たり10〜50g(有効成分として20〜100mg)となるように施用すればよい。
本発明の忌避剤の対象としては、屋外に生息する多足類が挙げられ、例えば、トビズムカデ、アオズムカデ、ジムカデ、イッスンムカデ等のムカデ類、ヤケヤスデ、アカヤスデ、ババヤスデ等のヤスデ類、ワラジムシ類、オカダンゴムシ等のダンゴムシ類、ゲジ、オオゲジ等のゲジ類に適用することができる。中でもムカデ類に対する忌避作用に特に優れている。さらに、ヒョウヒダニ、コナダニ、ツメダニ、イエダニ等のダニ類に対しても適用することができる。
以下、実施例より本発明の忌避剤をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
<ローズマリーオイル抽出物の作製>
シリカゲルクロマトグラフィーを用いて、ローズマリーオイル(商品名:ROSEMARY OIL,MATIERES PREMIERES ESSENTIELLES社製)の分画を行った。
液体出口に向けて縮径するクロマトグラフィー用のガラスカラム(内径50mm×長さ500mm)の液体出口に脱脂綿を詰めた。カラムにヘキサン適量を流し入れた後、縮径部分に海砂を詰めた。
シリカゲル(商品名:シリカゲル60(球状、粒径63〜210μm),関東化学株式会社製)を200g入れたビーカーに、ヘキサン適量を入れて攪拌した。これを前記カラムにゆっくり流し込み、ヘキサンを流しながら、シリカゲルがカラム内に密に詰まるのを確認した。
ヘキサンがシリカゲル層の下面位置から滴下するようになったところで、ローズマリーオイル10gを流し込みシリカゲルにローズマリーオイルを吸着させた。
ローズマリーオイルが全てシリカゲルに染み込んだのを確認した後、下記の展開溶媒を用いて第1分画成分〜第6分画成分を溶出・分画し(流速40〜50mL/min)、各分画成分を得た。
(展開溶媒)
第1分画:ヘキサン 300mL
第2分画:ヘキサン 300mL + ヘキサン:ジエチルエーテル=4:1 300mL
第3分画:ヘキサン:ジエチルエーテル=1:1 300mL
第4分画:ヘキサン:ジエチルエーテル=1:4 300mL
第5分画:ジエチルエーテル 300mL
第6分画:酢酸エチル 300mL
上記分画成分をそれぞれ以下の試験に供した。
<予備試験>
(試験検体1〜6の作製)
各分画成分のローズマリー抽出物(100%抽出物)0.5mLを脱脂綿0.5gに含浸させた。
(試験方法)
縦25cm×横35cm×高さ15cmの上方開口の透明ガラスケースの内側壁面上部(3cm幅)に、脱走防止として炭酸カルシウム粉末を塗布し、供試虫(ムカデ、10cmサイズ)1匹をケース内に入れた。
試験検体1〜6をそれぞれ、供試虫の頭側約1cmに近づけた時の挙動を観察し、忌避効果の有無を判断した。試験検体を近づけると直ぐに仰け反り、それ以上近寄らない場合を「忌避あり」として「○」と評価し、試験検体を近づけると仰け反り、検体から離れる場合を「やや忌避あり」として「△」と評価し、試験検体を近づけても反応しない場合を「忌避せず」として「×」と評価した。結果を表1に示す。試験は10反復で行った。
Figure 0006035078
表1の結果より、第1、第4〜6分画成分は、ムカデに対して忌避効果が見られ、中でも第4分画成分は特に高い忌避効果を示すことがわかった。
<忌避試験1>
(試験検体の作製:実施例1、比較例1〜3)
上記作製した第4分画成分のローズマリーオイル抽出物(100%抽出物)、ファルネシルアセトン、ラベンダーオイル、ハッカオイルがそれぞれ0.2質量%となるように担体(カオリン、鎮江龍きん化工製、100g)に含浸させた。
(試験方法)
図1に示すように、試験検体13を縦25cm×横35cmのシート15(ポリプロピレン製)の幅方向のほぼ中央部に約3cmの幅で散布した(製剤の施用量:20g/m)。これを縦25cm×横35cm×高さ15cmの上方開口の透明ガラスケース17に収容した。表2に示す各サイズの試供虫11(ムカデ)1匹をシート15に置くと同時に、口径11cm×高さ10cmのプラスチックカップを被せて動けないようにして約5分間放置して馴化させた後に、プラスチックカップを取り除き、ガラスケース内に放った。
試験検体13の散布領域に試供虫11が10回接触した時の挙動を観察し、下記式(1)により、忌避率(%)を求めた。尚、試験検体13に試供虫11が接触した際に、試供虫11が半身をのけぞらせてUターンする、または試験検体13に触れないように行動することを忌避行動としてカウントした。試供虫11は、体長3cmサイズ、6cmサイズ、10cmサイズのものでそれぞれ試験を行った。
それぞれの結果を表2に示す。
忌避率(%)=忌避行動をした回数/接触回数(10回) ・・・(1)
Figure 0006035078
表2の結果より、本発明のローズマリーオイル抽出物を有効成分とした実施例1は、比較例1〜3と比べて3倍以上の高い忌避率であった。また、試供虫(ムカデ)の大きさ(サイズ)にかかわらず、実施例1はいずれも高い忌避率を有しており、本発明のローズマリーオイル抽出物はムカデに対して優れた忌避効果を有することがわかった。
<忌避試験2>
(試験検体の作製:実施例2〜4)
上記作製した第4分画成分のローズマリーオイル抽出物(100%抽出物)が0.2質量%、0.1質量%、0.05質量%となるように担体(カオリン、鎮江龍きん化工製、100g)に含浸させた。
(試験方法)
図1に示したように、試験検体13を縦25cm×横35cmのシート15(ポリプロピレン製)の幅方向のほぼ中央部に約3cmの幅で散布した(製剤の施用量:20g/m)。これを縦25cm×横35cm×高さ15cmの上方開口の透明ガラスケース17に収容した。体長3cmサイズ、6cmサイズ、10cmサイズの試供虫11(ムカデ)1匹をシート15に置くと同時に、口径11cm×高さ10cmのプラスチックカップを被せて動けないようにして約5分間放置して馴化させた後に、プラスチックカップを取り除き、ガラスケース内に放った。
試験検体13の散布領域に試供虫11が10回接触した時の挙動を観察し、上記式(1)により、忌避率(%)を求めた。尚、試験検体13に試供虫11が接触した際に、試供虫11が半身をのけぞらせてUターンする、または試験検体13に触れないように行動することを忌避行動としてカウントした。
それぞれのサイズの試供虫11で求めた忌避率(%)の平均値を求め、結果を表3に示す。
Figure 0006035078
表3の結果より、実施例2〜4の本発明のローズマリーオイル抽出物(第4分画成分)は、0.05〜0.2質量%の低濃度であっても高い忌避効果を持つ事が分かった。
<忌避試験3>
(試験検体の作製:実施例5)
上記作製した第4分画成分のローズマリーオイル抽出物(100%抽出物)が0.2質量%となるように担体(カオリン、鎮江龍きん化工製、100g)に含浸させた。
(試験方法)
図1に示したように、試験検体13を縦25cm×横35cmのシート5(ポリプロピレン製)の幅方向のほぼ中央部に約3cmの幅で散布した(製剤の施用量:20g/m)。これを縦25cm×横35cm×高さ15cmの上方開口の透明ガラスケース17に収容して試験ボックスを作成した。
試験ボックスを1日放置した後、体長3cmサイズ、6cmサイズ、10cmサイズの試供虫11(ムカデ)1匹をシート15に置くと同時に、口径11cm×高さ10cmのプラスチックカップを被せて動けないようにして約5分間放置して馴化させた後に、プラスチックカップを取り除き、ガラスケース内に放った。
試験検体13の散布領域に試供虫11が10回接触した時の挙動を観察し、上記式(1)により、忌避率(%)を求めた。尚、試験検体13に試供虫11が接触した際に、試供虫11が半身をのけぞらせてUターンする、または試験検体13に触れないように行動することを忌避行動としてカウントした。
それぞれのサイズの試供虫11で求めた忌避率(%)の平均値を求め、結果を表4に示す。
続いて、試験ボックスを1ヶ月間放置し、1ヶ月後に同様の実験を行い、忌避率(%)の平均値を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0006035078
表4の結果より、実施例5の本発明のローズマリーオイル抽出物(第4分画成分)を担持した製剤は処理1日後及び1ヶ月後においてもムカデに対して100%の忌避を示し、高い忌避効果を有することが分かった。
<忌避試験4>
(試験検体の作製:実施例6、比較例4〜6)
上記作製した第4分画成分のローズマリーオイル抽出物(100%抽出物)、ファルネシルアセトン、ラベンダーオイル、ハッカオイルを用い、それぞれ0.2%アセトン溶液100mLを調製した。これを綿布(縦35mm×横35mm×厚み0.2mm)に含浸させた後、風乾により完全にアセトンを揮散させた。
(試験方法)
図2に示すように、直径15cm×高さ1cmのガラスシャーレ21の中央部に第1黒紙シート25(90mm×90mm)を設置し、上記作製した試験検体31(検体処理区)と、コントロールとしての綿布33(縦35mm×横35mm×厚み0.2mm,検体無処理区)とを対角に2ケ所ずつ設置した。そして、試験検体31と綿布33のそれぞれの中央部に第2黒紙シート27(20mm×20mm)を設置し、その中央部に以下のように作成した新しい乾燥培地29を5mgずつ設置した。そして、第1黒紙シート25の各辺の中央近傍に以下のように作成した乾燥培地で培養したダニを培地(ダニ培地)23ごと置いた。ダニ培地23の量は試験区内で移動するダニがおよそ200〜300頭となるように調整した。
<乾燥培地の作製>
マウス飼育用MF粉末飼料(オリエンタル酵母株式会社製)を粉砕し、80メッシュのふるいを通したものと、粉末乾燥酵母エビオス(朝日麦酒株式会社製)を1:1に混合したものを加熱処理した後、十分に乾燥させ、室温まで冷却した。その後、75%RH(飽和食塩水、蒸留水使用)で一昼夜保存し、水分量を12〜13%に調整した。
ダニ培地23を設置した後、24時間放置し、乾燥培地29に集まってくる第2黒紙シート27上のダニを計数し、下記式(2)により、忌避率(%)を求めた。試験は2回繰り返して行い、その平均を求めた。結果を表5に示す。
忌避率%=(無処理区に集まったダニ数−処理区に集まったダニ数)/無処理区に集まったダニ数 ・・・(2)
Figure 0006035078
表5の結果より、実施例6の本発明のローズマリーオイル抽出物はダニに対しても高い忌避効果を発揮し、比較例4〜6と比べても顕著な忌避効果を有することが分かった。
11 試供虫(ムカデ)
13 試験検体
15 シート
17 ガラスケース
21 ガラスシャーレ
23 ダニ培地
25 第1黒紙シート
27 第2黒紙シート
29 乾燥培地
31 試験検体(検体処理区)
33 綿布(検体無処理区)

Claims (2)

  1. 多足類及びダニ類の少なくとも一方に対する忌避成分が精製、濃縮されたローズマリーオイル抽出物の製造方法であって、
    クロマトグラフィーを用いて、ローズマリーオイルを吸着剤に吸着させたカラムから、極性の低い展開溶媒から順に極性の高い展開溶媒を用いて複数工程で溶出し、
    前記ローズマリーオイルを吸着剤に吸着させたカラムから、ヘキサン、または、容量比でヘキサンがジエチルエーテルに対して同量以上含有されているヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒を展開溶媒として用いて溶出する工程の後、残渣を、容量比でジエチルエーテルがヘキサンよりも多く含有されているヘキサン・ジエチルエーテルの混合溶媒を展開溶媒として溶出して、忌避成分が精製、濃縮されたローズマリーオイル抽出物を得る工程を有する
    ことを特徴とするローズマリーオイル抽出物の製造方法。
  2. 前記ローズマリーオイルを吸着剤に吸着させたカラムから、
    (a)ヘキサンを展開溶媒として第1分画成分を溶出する工程、
    (b)該第1分画成分を採取した残渣から、ヘキサン:ヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒(ヘキサン:ジエチルエーテル(4:1))=1:1の混合溶媒を展開溶媒として第2分画成分を溶出する工程、
    (c)該第2分画成分を採取した残渣から、ヘキサン:ジエチルエーテル=1:1の混合溶媒を展開溶媒として第3分画成分を溶出する工程、及び
    (d)該第3分画成分を採取した残渣から、ヘキサン:ジエチルエーテル=1:4の混合溶媒を展開溶媒として第4分画成分を溶出する工程
    を有することを特徴とする請求項に記載のローズマリーオイル抽出物の製造方法。
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