JP6034067B2 - 既設管の更生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば農業用水管や下水道管のような既設管の更生方法に関し、特に既設管との間に裏込め材を充填する際の更生管の浮上を防止するための対策に係る。
従来より農業用水管、下水道管、上水道管、ガス管などの既設管においては、ひび割れや腐食などによる老朽化への対策として、既設管の内周面を合成樹脂などの更生管によりライニングする工法が実用化されている。一例として、長尺帯状のプロファイルを螺旋状に巻回して既設管の長手方向に延びる管状体(更生管)を形成し、その外周面と既設管の内周面との間にセメントミルクやモルタルなどの裏込め材を充填することによって、既設管、裏込め材および更生管が一体となった強固な複合管を構成することができる。
ところで、前記のように裏込め材を注入する際には浮力によって更生管が浮き上がらないよう、その内部に所定間隔で支保工を配設しなくてはならないが、既設管の口径が小さくて作業者の出入りが困難な場合は、その両端開口を密閉して水を充満させたり(例えば特許文献1を参照)、併せて金属チェーンなどの重しを更生管に載荷したりして、更生管の浮上を防止するようにしている。
また、特許文献2には、地中埋設管(既設管)とライニング管(更生管)との間の上部の隙間に長尺の浮上防止マットを配設し、これに注入材(裏込め材)を充填して膨張させることで、ライニング管の浮き上がりを阻止するという方法が記載されている。
なお、特許文献3には、内部加圧によって膨張させることのできるチューブを更生管の外周に螺旋状に巻き付け、このチューブにグラウト(裏込め材)を充填して膨張させることにより、既設管の内周面との隙間を調整するという方法が記載されている。
特開平7−108606号公報 特開昭63−88388号公報 特開平7−47604号公報
まず、前記特許文献1にも記載されている従来までの方法では、更生管の口径が大きくなるに連れて必要な重しの重量が大きくなり、重量物である金属チェーンなどを搬入、搬出することが困難になって施工性が大幅に悪化してしまう。しかも、金属チェーンなどを搬入、搬出する際に更生管に傷を付けるおそれがある。
一方、特許文献2や特許文献3のように長尺の筒状体(浮上防止マット、チューブ)に裏込め材を充填する方法では、施工後の複合管における裏込め材の充填層が、残存する筒状体の周壁によって分断されることになる。このため、地震動のような大きな外力が加わったときに亀裂が生じ易く、複合管の強度の低下を招くおそれがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、施工性の大幅な悪化や複合管の強度の低下を招くことなく、既設管との間に裏込め材を注入する際の更生管の浮き上がりを抑制することにある。
本発明は、既設管の内部に更生管を形成して、この更生管と既設管との間に裏込め材を充填する既設管の更生方法であって、まず、既設管内の管頂部付近に管軸方向に延びるように筒状体を配設し、この筒状体に流体を封入して膨張させる。こうして膨張させた筒状体を上方から更生管に当接させて浮上を抑制しながら、当該更生管と既設管との間に前記筒状体に至らない所定高さまで裏込め材を注入する。そして、注入した裏込め材が固化した後に前記筒状体から流体を排出し、前記更生管と既設管との間の残りのスペースにも裏込め材を注入して充填する。
この方法によれば、既設管内の管頂部付近に配設した筒状体に例えば水や高圧空気のような流体を封入して膨張させ、これにより更生管の浮上を抑制しながら、当該更生管と既設管との間に裏込め材を注入することができる。そして、所定高さまで注入した裏込め材が固化すれば、前記筒状体からは流体を排出して、既設管との間の残りのスペースにも裏込め材を注入する。
こうして残りのスペースに裏込め材を注入していくと、流体の封入されていない筒状体は押し潰されることになるので、既設管と更生管との間のスペースに裏込め材が充填されたときに筒状体が残存していても、その周壁によって充填層が分断されることを抑止できる。よって、更生管および既設管を一体化してなる複合管の強度の低下を招く心配は少ない。
また、更生管の浮き上がりを防止するために金属チェーンのような重量物を搬入、搬出する必要がなく、その搬入、搬出の際に更生管に傷を付ける心配はない。さらに、作業者の出入りが容易な大口径の既設管であっても、支保工を配設しなくて済むことから施工性が高くなる。
なお、筒状体から流体を排出する前に裏込め材を固化させているのは、その裏込め材の浮力によって更生管が浮き上がることを回避するためなので、裏込め材の全てが完全に固化していなくても、浮力が小さくなって更生管が浮き上がらない状態になればよい。また、セメント系材料の裏込め材であれば、その固化を早めるために硬化促進材を添加してもよい。
より好ましいのは、前記のように筒状体から流体を排出した後、残りの裏込め材を注入して充填を完了するよりも前に、当該筒状体自体を既設管の外部に取り出すことである。こうすれば、既設管と更生管との間の裏込め材の充填層に筒状体が残存しないので、強度や弾性率の均質な断面を形成することができ、複合管の強度を高める上で有利になる。なお、筒状体を取り出す作業と並行して裏込め材の注入を開始してもよく、その充填が完了する前に筒状体を取り出せればよい。
また、前記のように筒状体から流体を排出する前に、更生管と既設管との間に注入する裏込め材の量は、その更生管の直径の半分以上の高さまでとすればよい。この高さというのは既設管の管底部からの高さである。そして、直径の半分以上の高さまで注入した裏込め材が固化すれば、その後、筒状体によって押さえることなく裏込め材を注入しても、更生管が浮き上がる心配はない。
但し、更生管の直径の半分以上の高さまで一気に裏込め材を注入すると、この裏込め材からの浮力がかなり大きくなることもあり、更生管を介して筒状体に加わる力が過度に大きくなって、流体の封入された筒状体が破損するおそれがある。そこで、筒状体に加わる力が過大にならないように裏込め材を、更生管の直径の半分以上の高さまで複数回に分けて、即ち先に注入した裏込め材が固化した後に、次の分を注入するようにしてもよい。
このように筒状体の破損を防止するという観点からは、更生管の施工区間全体にわたって筒状体を配設し、更生管からの力をその長手方向の全体で受け止めるようにするのが好ましい。また、流体の封入によって膨張した筒状体の断面形状が、上下方向よりも左右方向に長い長円形状となるようにして、更生管との接触面積を大きくすることも好ましい。こうすれば、筒状体の内部の流体の圧力上昇を抑制できる。なお、筒状体は1本に限らず、既設管内の管頂部を挟んで2本以上、配設してもよい。
さらに、前記筒状体は、流体を封入して膨張させたときの上下方向の寸法が、既設管と更生管との直径の差以上になることが好ましい。こうすれば、流体の封入によって膨張する筒状体の下部が更生管を押圧する際に、その外周面に沿って円弧状に潰れることによって接触面積が大きくなるし、更生管の下部をより確実に既設管内の管底部に押し着けて、その傾斜に沿わせることができる。
ところで、前記のように更生管の浮き上がりを押さえる筒状体は、既設管内に更生管を形成する前に当該既設管内の管頂部付近に配設するのが、作業性の面で好ましいが、これに限らず、更生管を形成する作業と並行して既設管内に筒状体を配設することも可能であるし、更生管を形成した後に既設管との間に筒状体を引き込んで配設することも可能である。
そのように既設管と更生管との間の狭い空間に引き込むことも考慮すれば、筒状体の材質としては或る程度の柔軟性を有するものが好ましいが、一方で、前記のように裏込め材の浮力を受け止めることも考慮すれば、一例として筒状体は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ビニロンなどの繊維の編み物を使用して、或る程度以上の強度を確保するのが好ましく、この他、カーボン、ガラスなどのメッシュ製品も利用してもよい。
本発明によれば、既設管内の管頂部付近に配設した筒状体に流体を封入して膨張させ、これにより更生管の浮上を抑制しながら裏込め材を所定高さまで注入し、この裏込め材が固化した後に前記筒状体から流体を排出して、残りのスペースにも裏込め材を充填するようにした。このため、裏込め材の充填層が残存する筒状体の周壁によって分断されることを抑止して、複合管の強度の低下を招くことなく、既設管との間に裏込め材を注入する際の更生管の浮き上がりを抑制することができる。金属チェーンなどの重しを用いる場合のように施工性が大幅に悪化することもない。
本発明の実施形態に係る既設管の更生方法を説明するための地中管路の断面図であり、(a)は既設管内の管頂部近傍に筒状体を配設した状態の縦断面図、(b)は同横断面図である。 更生管の形成を示す図1相当図である。 水の封入によって筒状体を膨張させた状態の図1相当図である。 裏込め材を所定高さまで注入した状態の図1相当図である。 既設管から筒状体を取り出した状態の図1相当図である。 裏込め材の充填が完了した状態の図1相当図である。 断面積が大きくかつ扁平な筒状体の変形例を示す図3(b)相当図である。 既設管の内周面に筒状体を固定する方法の変形例を示す拡大図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、例えば下水道管などの既設管の更生工法(更生方法)に本発明を適用したものであり、図1〜6には、地中に埋設されている既設管K(一例としてヒューム管)内で更生管Sを形成し、裏込め材を充填する作業の各工程を順番に説明するために、既設管Kの長手方向の断面、即ち縦断面と同横断面とを示している。
一般に下水道管のような既設管Kには、所定の距離(概略50mくらい)をあけてマンホールが設けられており、図示の例では、施工区間の上流側および下流側のマンホールM1,M2を利用して更生管Sを形成する。すなわち、まず、二つのマンホールM1、M2を利用してその間の既設管K内にロープRを挿通し、このロープRの一端に筒状体Hを連結して、ロープRを牽引することにより既設管K内に導入する。
これにより、図1に示すように筒状体HをマンホールM1、M2の間に架け渡し、更生管Sの施工区間全体にわたって既設管K内の管頂部近傍に配設することができる。なお、筒状体Hは例えば、ポリエステル製のメッシュホースにゴム引きして多層構造としたものであり、高い水圧に耐えて水密性を保持することができる。ポリエステル以外にナイロン、ポリプロピレン、ビニロンなどの繊維の編み物を使用してもよい。
各図の(b)に示すように本実施形態では、一例として、既設管K内の管頂部を挟んで左右にそれぞれ筒状体Hを並設しており、図1(b)や図2(b)に示すように水を封入する前の筒状体Hの断面形状は、概ね既設管Kの内周面に沿うように潰れた扁平な鞘状である。この筒状体Hは、後述するように水が封入されることによって膨張し、その断面は図3(b)や図4(b)に示すように既設管Kの円周方向(左右方向)に長く、半径方向(上下方向)には短い長円形状となる。
こうしてマンホールM1、M2間に架け渡した筒状体Hが大きく撓まないよう、ロープRには十分に大きな張力をかけて牽引しながら、図2(a)に示すように、例えば公知の元押し式の製管装置WによってマンホールM1からマンホールM2に向けて更生管Sを形成する。すなわち、本実施形態では先に既設管K内に筒状体Hを配設してから、更生管Sを形成する。
すなわち、同図に示すように地上に設置した巻き取りドラムDから長尺のプロファイルPを繰り出して、マンホールM1内に設置した製管装置Wに連続的に供給する。この製管装置WではプロファイルPを螺旋状に巻回しながら、互いに隣接する巻回部分の側縁部同士を接合して管状体(更生管S)を形成する。そして、この更生管Sを回転させながらその前端部を既設管K内に送り出し、一方、後端部にはプロファイルPを付加してゆく。
なお、一例としてプロファイルPは、可撓性を有する合成樹脂、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを押出成形して長尺の帯状としたものであり、図示は省略するが、その両側縁部にはそれぞれ長手方向に延びる接合凹部と接合凸部とが形成されていて、製管装置Wのローラによって挟まれることにより嵌合されるようになっている。
そうしてプロファイルPを巻き回し更生管Sを形成しながら、既設管K内に送り出して延伸させてゆき、その更生管Sの前端がマンホールM2に達すれば、プロファイルPを切断した後に製管装置WをマンホールM1から撤去する。それから筒状体Hの一端(例えばマンホールM1側の端)を閉塞し、他端(例えばマンホールM2側の端)から水を高圧で注入して、図3に示すように筒状体Hを膨張させる。
このように膨張させた筒状体Hは、前記のように更生管Sの施工区間全体にわたって配設されており、その下部は長手方向の全体にわたって更生管Sに当接するようになる。また、図3(b)に示すように長円形状である筒状体Hの断面の上下方向の寸法が既設管Kと更生管Sとの直径の差以上に設定されているので、膨張した筒状体Hの下部は更生管Sの外周面に沿うよう円弧状に潰れ、その接触面積が大きくなる。
しかも、そのように膨張した筒状体Hによって上方から押圧される更生管Sの下部は、図3(b)に表れているように既設管K内の管底部に押し着けられることになる。こうして更生管Sを既設管Kの傾斜に沿うように位置づけておいて、その更生管Sと既設管Kとの間のスペースVの両端、即ちマンホールM1,M2に臨む環状の開口部分をそれぞれシール材Gによって密閉する(図4を参照)。
そして、シール材Gを貫通して更生管Sと既設管Kとの間に臨むように注入ホースBを取り付けて、裏込め材C(一例としてセメントミルクやモルタルなど、セメント系材料の裏込め材)を注入する。この際、まず、図4に示すように更生管Sの直径の半分を少し越える過半の高さまで裏込め材Cを注入して、固化するまでしばらくの間(例えば1日くらい)、放置する。
そうして更生管Sと既設管Kとの間のスペースVに注入された裏込め材Cは、既設管Kの管底部に向かって流れ、更生管Sに浮力を加えることになるが、前記のように更生管Sは上方から筒状体Hによって押圧されており、その浮き上がりは好適に抑制される。また、更生管Sに加わる浮力は筒状体Hが受け止めることになるが、筒状体Hは、施工区間にわたって設けられているとともに、その下部が潰れて更生管Sとの接触面積が大きくなっているので、筒状体Hの内部の水圧が過度に高くなることはない。
特に本実施形態では2本の筒状体Hが、既設管K内の管頂部を挟んで左右に並んで設けられており、更生管Sに加わる浮力が2本の筒状体Hに分散することも相俟って、筒状体Hの破損する心配はない。また、筒状体Hの配設されている既設管Kの管頂部に局所的に大きな力が作用することがないので、既設管Kの損傷を招く心配もない。
そして、更生管Sの直径の過半の高さまで注入された裏込め材Cが概ね固化して、更生管Sに実質的に浮力を加えないようになれば、筒状体Hから水を排出した後にロープRを牽引して、既設管K内から筒状体Hを取り出す(図5を参照)。それから、既設管Kと更生管Sとの間の残りのスペースV(相対的に上のスペースV)にも裏込め材Cを注入して、図6に示すように既設管Kと更生管Sとの間のスペースVへの裏込め材Cの充填を完了する。
こうして充填した裏込め材Cが固化すれば、この充填層(図には符号Cを付す)を挟んで更生管Sと既設管Kとが一体化され、強固な複合管となる。そして、本実施形態によれば裏込め材Cの充填層には筒状体Hが残存しておらず、強度や弾性率が均質な断面が形成される。
したがって、本実施形態に係る更生工法によれば、既設管Kとの間のスペースVに裏込め材Cを注入する際の更生管Sの浮き上がりを、当該既設管K内の管頂部付近に配設した筒状体Hによって抑制できるとともに、出来上がった複合管における裏込め材Cの充填層には筒状体Hを残存させず、高い強度を安定的に確保することができる。
また、更生管Sの浮き上がりを防止するために金属チェーンのような重量物を搬入、搬出する必要がないので、施工性の悪化も防止できる上に、その搬入、搬出の際に更生管Sに傷を付けてしまう心配もない。仮に大口径の既設管Kに適用する場合であっても、支保工を配設する必要がないので施工性は高い。また、この場合には、支保工のために更生管Sに穴を開ける必要がないので、止水性の低下を招かないという効果もある。
ここで、前記のように更生管Sの直径の過半の高さまで注入した裏込め材Cが固化した後に、筒状体Hを取り出すようにしているのは、裏込め材Cからの浮力による更生管Sの浮き上がりを回避するためである。よって、裏込め材Cの一部は固化していなくても、その浮力が十分に小さくなっていればよいので、こうなるまでの時間を更生管Sの寸法や重量、或いは既設管Kとの間のスペースVの大きさや裏込め材Cの配合などに基づいて、予め実験などによって調べておくことが望ましい。
また、裏込め材Cの固化を早めて工期の短縮に寄与するべく、硬化促進材を添加してもよい。硬化促進材としては、アルミナセメントなどのカルシウムアルミネート材料、炭酸ソーダなどのアルカリ金属塩、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、ミョウバンなどの金属複塩などが挙げられる。
−他の実施形態−
前記したように本実施形態では、途中まで注入した裏込め材Cが固化した後に筒状体Hを取り出して、その後、残りの裏込め材Cを注入するようにしているが、筒状体Hを取り出す作業の途中で残りの裏込め材Cの注入を開始してもよく、その充填が完了する前に筒状体Hを取り出せればよい。また、筒状体Hからの水の排出が完了する前に、筒状体Hの取り出しや裏込め材Cの注入を開始してもよい。
さらに、水を排出した筒状体Hを残したまま、裏込め材Cを注入してもよい。こうして注入される裏込め材Cによって筒状体Hが押し潰されるので、その周壁が裏込め材Cの充填層を分断する可能性は低い。勿論、水を排出した後に、既設管Kの内周面に向けて筒状体Hを押し潰した上で、裏込め材Cを注入してもよい。
また、更生管Sの直径の過半の高さまでは一度に裏込め材Cを注入するようにしているが、その高さまで裏込め材Cを複数回に分けて注入するようにしてもよい。先の回の注入分の裏込め材Cが固化した後に次の回の分を注入すれば、裏込め材Cの発生する浮力はより小さくなるので、筒状体Hに加わる力をより小さくすることができる。
また、前記したように更生管Sの施工区間全体にわたって筒状体Hを配設する必要もなく、施工区間の一部にのみ筒状体Hを配設してもよいし、水の封入によって膨張した筒状体Hの断面形状についても前記の実施形態には限定されない。筒状体Hの膨張時の上下方向寸法も既設管Kと更生管Sとの直径の差未満であってもよい。
既設管K内に配設する筒状体Hを2本でなく1本としてもよいし、3本以上としてもよいが、施工性を考慮すればあまり多くない方がよい。一例として図7に示すように、より断面積が大きくかつ扁平な筒状体Haを用いてもよく、こうすれば接触面積を確保する上で有利になる。また、図示はしないが、長手方向に断面形状の異なる複数の部位を有する筒状体を用いてよい。筒状体Hに封入する流体も水に限定されず、油であってもよいし、液体でなく圧縮空気などを用いてもよい。
また、前記の実施形態では、先に既設管K内に筒状体Hを配設し、その後、更生管Sを形成するようにしているが、更生管Sの形成と並行して筒状体Hを既設管S内に配設してもよいし、更生管Sを形成した後に既設管Kとの間隙に筒状体Hを配設してもよい。更生管Sの形成後に筒状体Hを配設する場合、図示はしないが、例えば可撓性の大きなスチール製のテープを既設管Kと更生管Sとの間に挿通し、このテープにロープRの一端を繋ぐとともに他端には筒状体Hを連結して、テープおよびロープRを牽引することにより、既設管K内に筒状体Hを導入すればよい。
さらに、前述したように本実施形態では、いわゆる元押し式の製管装置WによってプロファイルPを螺旋状に巻回し、更生管Sを形成する場合について説明したが、これにも限定されない。例えば、既設管内を施工終了地点に向かって移動しながら、プロファイルを螺旋状に巻き回して更生管を形成する、いわゆる自走式の製管方法であってもよい。
この場合、既設管Kは比較的大口径のものであり、作業者の出入りが可能なので、前述した実施形態のように筒状体HをマンホールM1、M2間に架け渡して、ロープRにより牽引するのではなく、例えば図8に拡大して示すように筒状体Hを、長手方向に間隔をあけてベルトEおよびコンクリートビスFなどによって固定するか、或いは接着するようにしてもよい。なお、ベルトEの強度は、流体の封入によって筒状体Hが膨張すると、破れる程度に設定すればよい。
さらにまた本発明は、前述したように長尺のプロファイルPを螺旋状に巻回して更生管Sを形成する場合にも限定されない。すなわち、図示はしないが、例えば複数本のプラスチック製管部材を長手方向に接続してなる更生管にも本発明を適用できる。このようにして形成される更生管においても、その形成に先立って筒状体Hを既設管S内の管頂部に配設してもよいし、先に更生管Sを製管した後に既設管Kとの間に筒状体Hを配設してもよい。
本発明は、既設管の更生工法において施工性の大幅な悪化や複合管の強度の低下を招くことなく、裏込め材注入時の更生管の浮き上がりを抑制できるので、特に作業者の出入りが困難な小口径の既設管に適用して効果が高い。
C 裏込め材
H 筒状体
K 既設管
P プロファイル
S 更生管
V スペース

Claims (7)

  1. 既設管の内部に更生管を形成し、当該更生管と既設管との間に裏込め材を充填する既設の更生方法であって、
    前記既設管内の管頂部付近に管軸方向に延びるように筒状体を配設した後に、この筒状体に流体を封入して膨張させ、
    その膨張した筒状体を上方から更生管に当接させて浮上を抑制しながら、当該更生管と既設管との間に、前記筒状体に至らない所定高さまで裏込め材を注入し、
    注入した裏込め材が固化した後に前記筒状体から流体を排出し、前記更生管と既設管との間の残りのスペースにも裏込め材を注入して充填する、
    ことを特徴とする既設管の更生方法。
  2. 請求項1記載の既設管の更生方法において、
    前記筒状体から流体を排出した後、前記裏込め材の充填を完了する前に、当該筒状体自体を前記既設管の外部に取り出す、既設管の更生方法。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の既設管の更生方法において、
    前記膨張した筒状体によって更生管の浮上を抑制しながら、当該更生管の直径の半分以上の高さまで裏込め材を注入する、既設管の更生方法。
  4. 請求項3記載の既設管の更生方法において、
    前記更生管の直径の半分以上の高さまで複数回に分けて裏込め材を注入する、既設管の更生方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の既設管の更生方法において、
    前記筒状体は、更生管を形成する区間にわたって配設され、流体の封入によって膨張したときの断面形状が上下方向よりも左右方向に長い長円形状である、既設管の更生方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の既設管の更生方法において、
    前記筒状体は、流体の封入によって膨張したときの上下方向の寸法が、前記既設管と更生管との直径の差以上である、既設管の更生方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の既設管の更生方法において、
    前記更生管を形成する前に既設管内に筒状体を配設する、既設管の更生方法。
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