JP6033694B2 - 単独運転防止機能の試験装置、試験方法およびその関連技術 - Google Patents

単独運転防止機能の試験装置、試験方法およびその関連技術 Download PDF

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Description

本発明は、直流電力を交流電力に変換し負荷装置に供給するパワーコンディショナなどの電力変換装置を試験対象として、その被試験装置の単独運転防止機能を試験するための試験装置、試験方法およびその関連技術に関するものである。
被試験装置の一例であるパワーコンディショナは、太陽光発電装置などの直流の分散型電源装置から直流電力を得て、昇圧の上、交流電力に変換し、負荷装置へと給電する。負荷装置には解列遮断器を介して商用電源である系統電源すなわち交流電源が接続され、パワーコンディショナとの系統連系運転が行われる。
電力系統と連系をとりながらの運転状態で単独運転(停電等により電力系統側が解列したにもかかわらずパワーコンディショナが負荷への電力供給を継続すること)が発生すると、感電事故や復電時の機器破損など危険性がある。その対策として、「電気設備の技術基準の解釈」(旧系統連系ガイドライン)には、単独運転検出装置により単独運転を防止すべきことが定められている。
本発明は、パワーコンディショナ等の電力変換装置を被試験装置として、その単独運転防止機能が正常に働くか否かの試験を行う試験装置を対象としている。かかる試験装置としては例えば特許文献1を参照することができる。
このような試験装置は、直流電力を交流電力に変換して負荷装置に供給する機能を有する被試験装置と前記の負荷装置とが解列遮断器を介して交流電源に接続されている状態で、解列遮断器の開成に伴う被試験装置の単独運転現象を回避する機能である単独運転防止機能を試験するための装置である。
前記試験装置においては、通常、負荷装置に対する複数の負荷設定パターン(以下、パターンという)での負荷設定を順次に行い、各パターンの負荷設定のもとで、交流電源(系統電源)と負荷装置との間の解列遮断器を強制的に開成し、被試験装置である電力変換装置を人工的に単独運転状態へと遷移させる。
この場合に、解列遮断器の開成に伴う被試験装置(電力変換装置)の一時的出力停止が規定時間内に達成されれば、そのときの負荷設定において被試験装置の単独運転防止機能は正常であると評価できる。
もし、解列遮断器の開成にかかわらず規定時間内の一時的出力停止が達成されなければ、そのときの負荷設定において被試験装置の単独運転防止機能には不具合があると評価される。また、ある負荷設定で単独運転防止機能が正常と評価されても、他の負荷設定では単独運転防止機能に不具合があるかも知れない。
そこで、想定されるパターンのすべてについて、上記と同様の試験を繰り返し実行する。その繰り返しにおいては、1つ前の負荷設定の試験で開成した解列遮断器を再度閉成し、その上で次候補の負荷設定へと回帰する。そして、負荷設定後、被試験装置の立ち上がりを待って、解列遮断器の開成から始まる単独運転防止機能試験へと進む。
特開2007−236101号公報(特許第4666507号)
次に、本発明者らによりなされた、単独運転防止機能の試験装置の先駆的な試験処理の手順を、図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS51において、交流電源(系統電源相当の模擬電源)の負荷装置(模擬負荷)に対する接続状態と、直流電源(太陽光発電装置などの分散型電源の模擬電源)の負荷装置に対する接続状態とを確認する。
次いでステップS52において、被試験装置の一例であるパワーコンディショナとの通信が確立していることの確認を行う。
次いでステップS53において、パワーコンディショナに対する試験モードでの初期設定を行う。この初期設定は、被試験装置の動作モードや動作条件について行う。
次いでステップS54において、上記のステップS53で設定した動作モード・動作条件でパワーコンディショナを放電モードで動作開始させる。これによって、パワーコンディショナ内において、系統リレーが閉成されるとともに、インバータにおけるスイッチング素子のスイッチング動作が行われる。すなわち、直流電源からの直流電圧を例えば昇圧し、インバータはその昇圧直流電圧を交流電圧に変換して、系統リレーから負荷装置へと出力する。
次いでステップS55において、負荷装置に対し所定のパターンで負荷設定を行う。
次いでステップS56において、パワーコンディショナからの出力電力が安定化するのを一定時間(待ち時間Tn)待ち、ステップS57以降の解列遮断器の開成から始まる単独運転防止機能試験へと進む。
すなわち、ステップS57において、解列遮断器の開成を行う。これによって、交流電源(系統電源)を負荷装置から強制的に解列する。これは、系統電力の停電を模擬したものに相当している。
次いでステップS58において、パワーコンディショナ内のインバータに対するゲートブロックと系統リレーの開成の動作確認を開始する。ゲートブロックによってインバータの動作を停止させ、パワーコンディショナからの出力を停止する。
次いでステップS59において、ゲートブロック動作と系統リレー開成動作とが正常に行われたかを確認する。ここで、解列遮断器の解列に伴う単独運転検出ならびに単独運転防止が所期通り正常に行われるとする。これによって、パワーコンディショナから負荷装置への電力供給が遮断され、併せてインバータの動作が停止され、この二重の安全措置によって、単独運転の危険性を回避する。この単独運転検出・防止機能が正常であれば、そのときの負荷設定のもとでのパワーコンディショナの動作態様は正常であるということになり、逆に、その単独運転検出・防止機能が異常であれば、そのときの負荷設定のもとでのパワーコンディショナの動作態様は異常であるということになる。
ステップS59での判定の結果、ゲートブロックの動作と系統リレーの開成動作とが検出されていれば、ステップS60以下のルーチンに進み、検出されなかった場合には、ステップS65以下のルーチンに進む。
ゲートブロックおよびリレー開成の動作の検出が所期通りに実現されて進んだステップS60において、パワーコンディショナの解列時間を判定する。解列時間は、解列遮断器を開成してからゲートブロック動作と系統リレー開成動作とによるパワーコンディショナの出力停止(単独運転防止)の実現までの所要時間である。このステップS60では、検出した解列時間が規定範囲内にあるか否かの判定を行う。その判定の結果、解列時間が規定範囲内に入っていればステップS61に進み、入っていなければステップS62に進む。
解列時間が規定範囲内に入っているとして進んだステップS61において、検出した解列時間の数値情報と、その解列時間が規定範囲内である旨のメッセージ情報を記憶するとともに表示する。
一方、解列時間が規定範囲内に入っていないとして進んだステップS62において、検出した解列時間の数値情報と、その解列時間が規定範囲外である旨のメッセージ情報を記憶するとともに表示する。
ステップS55からステップS61またはステップS62までの処理により、ステップS55で行った負荷装置に対する1つ目の設定負荷のもとでの試験が遂行されたことになる。次いで、2つ目の設定負荷のもとでの試験に移行する必要があり、それは、次のステップS63の解列遮断器の閉成によって準備される。
ステップS61またはステップS62に続くステップS63において、解列遮断器を閉成する。
次いでステップS64において、試験を予定している負荷設定のすべてについて試験が終了したか否かの判定を行い、まだ試験していない負荷設定が残っているときは、ステップS55にリターンし、予定の負荷設定すべてにつき試験が終了するに至ったときは、ステップS66に進む。
ステップS55にリターンしたときは、次の負荷設定パターンでの負荷設定に更新し、以降、ステップS56からステップS64にかけてのルーチンを処理する。例えば、初回のパターンでの試験が終了すると、2回目は、1回目のパターンとは別のパターンでの試験に移り、さらにそれが終了すると、3回目は、さらに別のパターンの負荷設定での試験に移る、といった具合である。このルーチンは、すべての負荷設定パターンについての試験が終了するまで繰り返し実行される。
上記のステップS59の判定でゲートブロックの動作と系統リレーの開成動作とが検出されなかったときには、ステップS65に進む。このステップS65において、解列遮断器の開成に伴う被試験装置の出力停止(単独運転防止)が正常に実現されなかったことのメッセージ情報を記憶し、表示する。次いでステップS66に進む。
ステップS65を実行するルートを通ってステップS66に至る場合には、解列遮断器を開成から閉成に戻す処理(ステップS63)や、全負荷設定パターンでの負荷設定終了の判定(ステップS64)は行わない。それは、その試験対象が不具合状態となっていることがすでに明らかであり、他のパターンでの試験へ進む必要がないためである。
ステップS64またはステップS65に続くステップS66において、被試験装置に対して停止の指令を行い、当該フローチャートに示された一連のルーチン処理を終了する。
以上の図6のフローチャートに示すルーチン処理で、ステップS65を通らなかった場合には、複数のパターンを順次に更新して、各パターンでの試験を遂行し、複数のパターンのすべてについて、試験結果情報を取得することになる。
しかしながら、上記の試験にあっては、負荷設定パターンの更新ごとの出力安定化までの待ち時間を、想定される最長時間に合わせて設定しているために、単独運転防止機能試験の試験効率がかなり低いものとなっていた。
もしも、被試験装置の出力が安定化レベルに到達しない状態で、解列遮断器の開成から始まる単独運転防止機能試験を開始するとなれば、次のような不都合が発生する。パワーコンディショナの放電動作中に、負荷装置にある条件の負荷設定を行うと、負荷装置へのラッシュ電流などのために電圧波形が歪むことがあり、そのことが原因で、パワーコンディショナが単独運転の誤検出を起こし、想定外のゲートブロックおよびリレー開成を実行してしまうことがある。そうなると、パワーコンディショナが負荷装置に対してすでに解列状態となっていることから、解列遮断器の開成から始まる単独運転防止機能試験が正常に進行しなくなってしまう。
そこで、こういった不都合を生じさせないために、図6の先駆的技術にあっては、最大限の安全を見越して待ち時間Tnを定めている。結果として、その待ち時間Tnはかなり長いものになっている。つまり、すべての負荷設定につき、待ち時間Tnの時間待ちを1回限りとするプログラムとしているために(ステップS55→S56→S57のストレートな流れを参照)、出力安定化状態からの試験開始のためには、待ち時間Tnを長いものに設定せざるを得なかった、ということである。
このように図6による試験にあっては、この比較的長い待ち時間Tnでの時間待ちを行い、パワーコンディショナの出力の安定化を待って、解列遮断器の開成から始まる単独運転防止機能試験へと進む。
負荷設定のパターン数が仮に25パターンあるとして、待ち時間の合計Tsは、
Ts=25Tn
となる。
実際には負荷設定のパターン数は25のような少ないものではなく、さらに回転機を接続した場合や、単独運転検出機能としての受動的検出方式、能動的検出方式、さらに受動的プラス能動的検出方式で検出を行う場合の試験があるので、試験数としては膨大なものになる。
仮に、負荷設定のパターン数が200あるとすれば、合計待ち時間Tsは、
Ts=200Tn
となる。
いずれにしても、図6による試験では、最大限の安全を見越して待ち時間Tnを定めているため、複数ある負荷設定のすべてのパターンについては、その合計待ち時間Tsは非常に長いものとならざるを得ず、そのことが原因で試験効率が低いものとなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、パワーコンディショナ等の電力変換装置を被試験装置とし、該被試験装置に対する単独運転防止機能試験の効率向上を図ることを目的としている。
本発明による単独運転防止機能の試験装置は、直流電力を交流電力に変換して負荷装置に供給する機能を有する被試験装置と前記負荷装置とが解列遮断器を介して交流電源に接続されている状態で、前記解列遮断器の開成に伴う前記被試験装置の単独運転現象を回避する単独運転防止機能を自動的に試験するための試験装置であって、前記被試験装置の動作開始を制御する機能と、前記負荷装置に対し複数の負荷設定パターンで負荷設定を行う機能と、前記解列遮断器の開閉を制御する機能と、を有する試験制御部を備え、
前記試験制御部は、前記被試験装置の動作を開始させる第1の処理と、前記第1の処理の後、前記負荷装置に対して前記複数の負荷設定パターンのうちのいずれかの負荷設定パターンで負荷設定する第2の処理と、前記第2の処理の後、一定時間の時間待ちを行う第3の処理と、前記第3の処理で前記一定時間の時間待ちの後に前記被試験装置の出力の判定を行う第4の処理と、前記第4の処理において前記出力が規定範囲に達していないと判定すると、前記一定時間の時間待ちをする前記第3の処理へと戻り、前記出力が規定範囲に達していると判定すると、前記解列遮断器の開成から閉成に至る単独運転防止機能試験へと進める第5の処理と、を実行し、前記第5の処理で前記複数の負荷設定パターンでの単独運転防止機能試験が終了していなければ、前記第2の処理に戻って別の負荷設定パターンで負荷設定して、前記第3ないし第5の処理を行い、これらの処理を全負荷設定パターンについて終了するまで繰り返すものである。
前記単独運転防止機能試験は、好ましくは、前記負荷装置に対する前記負荷設定パターンの負荷設定のもとで、前記解列遮断器を開成するとともに、前記開成してから前記被試験装置の一時的出力停止が規定時間内に達成されたときは、当該被試験装置の単独運転防止機能が正常であり、前記規定時間内に達成されなければ前記単独運転防止機能が正常でないとする試験である。
本発明によれば、前記第1の処理で、被試験装置の動作を開始させると、前記第2の処理で負荷設定し、その負荷設定の後、前記第3の処理で、一定時間の時間待ちを行い、この時間待ち後に、前記第4の処理で、被試験装置の出力の判定を行い、前記第4の処理で前記出力が規定範囲に達していないと判定されれば、前記第5の処理で、前記第3の処理、第4の処理で時間待ちおよび出力判定を繰り返し、出力が規定範囲に達したと判定すれば、解列遮断器の開成から始まる単独運転防止機能試験へと進むように構成してあるので、最大限の安全を見越して長い待ち時間を設定している先駆的技術に比べて、合計待ち時間をかなり短縮化し、単独運転防止機能の試験効率を向上させることが可能となる。
本発明による試験方法は、直流電力を交流電力に変換して負荷装置に供給する機能を有する被試験装置と前記負荷装置とが解列遮断器を介して交流電源に接続されている状態で、前記解列遮断器の開成に伴う前記被試験装置の単独運転現象を回避する単独運転防止機能を自動的に試験するための試験方法であって、前記被試験装置の動作を開始させる第1の処理と、前記第1の処理の後、前記負荷装置に対して前記複数の負荷設定パターンのうちのいずれかの負荷設定パターンで負荷設定する第2の処理と、前記第2の処理の後、一定時間の時間待ちを行う第3の処理と、前記第3の処理で前記一定時間の時間待ちの後に前記被試験装置の出力の判定を行う第4の処理と、前記第4の処理において前記出力が規定範囲に達していないと判定すると、前記一定時間の時間待ちをする前記第3の処理へと戻り、前記出力が規定範囲に達していると判定すると、前記解列遮断器の開成から閉成に至る単独運転防止機能試験へと進める第5の処理と、を実行し、前記第5の処理で前記複数の負荷設定パターンでの単独運転防止機能試験が終了していなければ、前記第2の処理に戻って別の負荷設定パターンで負荷設定して、前記第3ないし第5の処理を行い、これらの処理を全負荷設定パターンについて終了するまで繰り返すものである。
本発明によるプログラムは、コンピュータに、被試験装置の動作を開始させる第1の処理と、前記第1の処理の後、前記負荷装置に対して複数の負荷設定パターンのうちのいずれかの負荷設定パターンで負荷設定する第2の処理と、前記第2の処理の後、一定時間の時間待ちを行う第3の処理と、前記第3の処理で前記一定時間の時間待ちの後に前記被試験装置の出力の判定を行う第4の処理と、前記第4の処理において前記出力が規定範囲に達していないと判定すると、前記一定時間の時間待ちをする前記第3の処理へと戻り、前記出力が規定範囲に達していると判定すると、前記解列遮断器の開成から閉成に至る単独運転防止機能試験へと進める第5の処理と、前記第5の処理で前記複数の負荷設定パターンでの単独運転防止機能試験が終了していなければ、前記第2の処理に戻って別の負荷設定パターンで負荷設定して、前記第3ないし第5の処理を行い、これらの処理を全負荷設定パターンについて終了するまで繰り返す処理を実行させる第6の処理と、を実行させるものである。
本発明による記録媒体は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能に構成されている。
本発明によれば、一定時間の時間待ち後に検出した被試験装置の出力が規定範囲に達しなければ、時間待ち・出力判定を繰り返し、規定範囲に達して初めて実効的な単独運転防止機能試験へと進むので、最大限の安全を見越した長い待ち時間を設定する先駆的技術に比べて、合計待ち時間を短縮化し、単独運転防止機能の試験効率を向上させることができる。
本発明の実施形態の単独運転防止機能の試験装置の構成図 本発明の実施形態のパワーコンディショナなどの被試験装置の構成図 本発明の実施形態の単独運転防止機能の試験装置におけるカウンタの動作を示すタイミングチャート 本発明の実施形態の単独運転防止機能の試験装置における試験制御部の動作を示すフローチャート 本発明の実施形態の単独運転防止機能の試験装置における負荷設定の一例を示す図 先駆的技術における単独運転防止機能の試験装置の試験処理の手順を示すフローチャート
以下、本発明の実施形態にかかわる単独運転防止機能の試験装置を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の単独運転防止機能の試験装置の構成図、図2はパワーコンディショナなどの被試験装置の構成図である。
まず、構成要素を列挙する。単独運転防止機能の試験装置の構成を示す図1において、Aは単独運転防止機能の試験装置、11は交流電源(商用系統に対応した模擬電源)、12は直流電源(太陽光発電装置などの分散型電源の模擬電源)、13は解列遮断器(交流ブレーカ)、14,15,16は電力計、17は負荷装置(模擬負荷)、18は第1のカウンタ、19は第2のカウンタ、20はインターフェース回路、21は試験制御部、30は被試験装置としての電力変換装置の典型例であるパワーコンディショナ、Sg0はトリガ信号、Sg1は系統リレー信号、Sg2はゲートブロック信号である。
交流電源11が解列遮断器13を介して負荷装置17に接続されているとともに、直流電源12がパワーコンディショナ30を介して負荷装置17に接続されている。解列遮断器13と負荷装置17との間、直流電源12とパワーコンディショナ30との間、およびパワーコンディショナ30と負荷装置17との間にはそれぞれ電力計14,15,16が介装されている。
以上の各構成要素に対してインターフェース回路20を介して試験制御部21が接続されている。また、インターフェース回路20とパワーコンディショナ30との間には第1のカウンタ18と第2のカウンタ19とが介装されている。試験制御部21は、パソコンやミニコンや専用のプロセッサなどで構成される。
パワーコンディショナの構成を示す図2において、30はパワーコンディショナ、31は直流リレー、32はDC−DCコンバータ、33は制御部、34はCPU(Central Processing Unit)、35は操作部、36は表示部、37はインバータ、38はスイッチング素子、39はゲート素子、40は第1の系統リレー、41は第2の系統リレー、42は電源回路、43は単独運転検出回路である。また、T1,T2はパワーコンディショナ30を図1に示す直流電源12に接続するための端子、T3,T4はパワーコンディショナ30を図1に示す負荷装置17に接続するための端子である。
入力側の端子T1に直流リレー31を介してDC−DCコンバータ32が接続され、さらにDC−DCコンバータ32の出力側にインバータ37が接続されている。制御部33は、CPU34と操作部35と表示部36などを備え、DC−DCコンバータ32とインバータ37を制御する。インバータ37における複数のスイッチング素子38は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等で構成され、フルブリッジに接続されている。ゲート素子39はAND回路などで構成される。
インバータ37の出力側は第1および第2の系統リレー40,41を介してそれぞれ出力側の端子T3,T4に接続されている。電源回路42は入力側の端子T1,T2間に接続され、制御部33および単独運転検出回路43に電源電圧を供給するようになっている。直流リレー31の入力側と第1および第2の系統リレー40,41の出力側がそれぞれ単独運転検出回路43に接続され、単独運転検出回路43は制御部33に検出信号を送出するようになっている。単独運転検出回路43は、パワーコンディショナ30の単独運転状態を検出するものである。
制御部33は、正常動作時において、系統リレー信号Sg1をアサート(有効)にし第1および第2の系統リレー40,41を閉成状態にする。制御部33はまた、正常動作時において、ゲート素子39に対するゲートブロック信号Sg2をアサート(有効)の“H”レベルとしてゲート素子39を導通状態とし、各スイッチング素子38に対するゲートドライブ信号Sg3をゲート素子39を介してスイッチング素子38に送出する。これによって、インバータ37はDC−DCコンバータ32からの昇圧直流電力を交流電力に変換して第1および第2の系統リレー40,41を介して負荷装置17へと供給する。
図1に示す解列遮断器13が試験制御部21からの指令により強制的に解列されて、交流電源11からの負荷装置17に対する給電が停止されたとき、図2に示すパワーコンディショナ30においては、系統リレー40,41の出力側の電圧変動を単独運転検出回路43が検出し、その単独運転検出信号を制御部33に送出する。単独運転検出回路43から単独運転検出信号を受け取った制御部33は、系統リレー40,41に対する系統リレー信号Sg1をインアクティブに切り替えるとともに、ゲート素子39に対するゲートブロック信号Sg2をインアクティブの“L”レベルに切り替える。これによって、系統リレー40,41が開成されてパワーコンディショナ30と負荷装置17との接続が強制的に遮断され、かつスイッチング素子38のスイッチング動作が停止されてインバータ37の直流交流変換動作が停止される。この二重の安全動作により、パワーコンディショナ30の単独運転防止機能が発揮される。
単独運転防止機能の試験装置Aは、パワーコンディショナ30を被試験装置として、その単独運転防止機能が果たして正常に機能しているかの試験(検査)を行うものである。
試験装置Aにあっては、負荷装置17に対する交流電源11の解列時に、パワーコンディショナ30において、その制御部33から系統リレー40,41に送出される系統リレー信号Sg1と、インバータ37のゲート素子39に送出されるゲートブロック信号Sg2をそれぞれ第1のカウンタ18と第2のカウンタ19とに送出するように構成してある。すなわち、試験制御部21がインターフェース回路20を介して解列遮断器13に解列指令信号を出力すると同時に、試験制御部21は第1および第2のカウンタ18,19に対してトリガ信号Sg0を出力して、これらのカウンタ18,19のカウントアップ動作を開始させる。パワーコンディショナ30の単独運転防止機能が正常であれば、時間経過に伴って、制御部33から系統リレー信号Sg1とゲートブロック信号Sg2とが出力され、それぞれの出力タイミングでカウンタ18,19のカウントアップ動作が停止する。そのときのカウント値は、解列遮断器13を強制的に開成したタイミングからの経過時間に対応する。この動作遅延時間が許容範囲内であれば、パワーコンディショナ30の単独運転防止機能が正常である、許容範囲を超えるものであれば、パワーコンディショナ30の単独運転防止機能に不具合があるということになる。
以下、詳しく説明する。
上記構成の試験装置Aにおける試験制御部21は、インターフェース回路20を介して各部を制御するものとして構成されている。その制御の概要は次のとおりである。
試験制御部21は、交流電源11および直流電源12の起動を行い、負荷装置17に対して解列遮断器13を介して交流電源11の接続がなされたことの確認を電力計14からの信号入力をもって行う。試験制御部21はまた、パワーコンディショナ30に対して直流電源12の接続がなされたことの確認を電力計15からの信号入力をもって行い、負荷装置17に対してパワーコンディショナ30の接続がなされたことの確認を電力計16からの信号入力をもって行う。
試験制御部21はさらに、パワーコンディショナ30の起動を行い、パワーコンディショナ30に対する初期設定を行い、パワーコンディショナ30に電力の出力を指令し、負荷装置17に対して負荷の設定を行う。
試験制御部21はまた、負荷装置17に対する負荷設定後、パワーコンディショナ30の出力が規定範囲内に達して安定化するのを待つ。このときの待ち時間Tmを先駆的技術の場合の待ち時間Tnより短く設定している。
試験制御部21は、パワーコンディショナ30の出力が安定化するに至ると解列遮断器13を開成し、パワーコンディショナ30に対する人工的な停電状態を作り出し、それに伴って被試験装置であるパワーコンディショナ30が所期通りに単独運転検出および単独運転防止の機能を発揮できるかの確認を行う。
試験制御部21は、解列遮断器13に対する解列指令と同時に、インターフェース回路20を介して第1および第2のカウンタ18,19にトリガ信号Sg0を送出し、カウンタ18,19にカウントアップ動作を開始させる。カウンタ18,19は、パワーコンディショナ30からの系統リレー信号Sg1とゲートブロック信号Sg2の入力待ちとなる。第1のカウンタ18は、系統リレー信号Sg1の入力のタイミングまでのカウント値C1をインターフェース回路20を介して試験制御部21へ送出する。第2のカウンタ19は、ゲートブロック信号Sg2の入力のタイミングまでのカウント値C2をインターフェース回路20を介して試験制御部21へ送出する。試験制御部21は、第1のカウンタ18からのカウント値C1と第2のカウンタ19からのカウント値C2を評価して、パワーコンディショナ30の単独運転防止機能の発現までの遅延時間が規定範囲内かを判定し、その単独運転防止機能の正否を確認する。
図3はカウンタ18,19の動作を説明するタイミングチャートである。
解列遮断器13の解列に伴って時刻t0でトリガ信号Sg0が立ち上がり、カウンタ18,19がカウントアップ動作を開始し、それぞれのカウント値C1,C2が時間経過に比例して増加していく。あるタイミングt1において、系統リレー信号Sg1(立ち下がり)が出力され、またあるタイミングt2においてゲートブロック信号Sg2(立ち下がり)が出力される。なお、タイミングt1とタイミングt2の前後関係は問わない。もし、これらの信号Sg1,Sg2が出力されなければ、あるいは出力されても遅すぎる場合には、試験対象であるパワーコンディショナ30は、その単独運転検出の機能または単独運転防止の機能が正常でないことになる。
第1のカウンタ18のカウント値C1は系統リレー信号Sg1の出力開始までの遅延時間Td1に対応し、第2のカウンタ19のカウント値C2はゲートブロック信号Sg2の出力開始までの遅延時間Td2に対応する。パワーコンディショナ30の単独運転検出および単独運転防止の機能が正常であるか否かの判定基準時間として、系統リレー信号Sg1の出力開始までの遅延時間Td1についてはTa1を、またゲートブロック信号Sg2の出力開始までの遅延時間Td2についてはTa2を、それぞれ予め設定してある。
したがって、系統リレー信号Sg1の遅延時間Td1が判定基準時間Ta1より短く、かつゲートブロック信号Sg2の遅延時間Td2が判定基準時間Ta2より短いときは、パワーコンディショナ30の単独運転検出および単独運転防止の機能が正常であると判定する。
あるいは、系統リレー信号Sg1についての判定基準時間Ta1に対応する判定基準カウント値をCa1、ゲートブロック信号Sg2についての判定基準時間Ta2に対応する判定基準カウント値をCa2として、第1のカウンタ18のカウント値C1が判定基準カウント値Ca1より小さく、かつ第2のカウンタ19のカウント値C2が判定基準カウント値Ca2より小さいときは、パワーコンディショナ30の単独運転検出および単独運転防止の機能が正常であると判定する。
負荷装置17に対するある1つの負荷設定での上記の単独運転検出および単独運転防止の機能の試験が終了すると、試験制御部21は、負荷装置17に対して次の候補の負荷設定を行った上で、上記同様の試験を繰り返す。この試験は、候補の負荷設定のすべてについて終了するまで繰り返し実行する。
このような繰り返しにおいて、新たな負荷設定の前提条件として、先に開成していた解列遮断器13を閉成状態に復帰させ、その上で新たな負荷設定が行われる。このような負荷条件を順次更新しながらの試験を、予定している複数の負荷条件すべてについて実行したときは、パワーコンディショナ30を停止させる。
上記において、カウンタ18,19でのカウントアップ信号の捕捉が失敗したとき、それはカウンタ18,19の故障ないし不具合状態を意味するので、当該の自動試験を終了させる。一方、カウントアップ信号が捕捉されたときは、カウンタ18,19によって、パワーコンディショナ30の解列に要した解列時間を計測し、試験制御部21は、計測した解列時間が規定範囲内であったときは、その旨(OK)と計測した解列時間のデータを記録する。一方、計測した解列時間が規定範囲内でなかったときは、その旨(NG)と計測した解列時間のデータを記録する。解列時間と単独運転防止機能の正否の表示は、試験制御部21における図示しない表示部でなされるが、パワーコンディショナ30の表示部36に表示するように構成してもよい。
次に、試験制御部21による詳しい動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
試験制御部21は、試験対象の各部への制御信号の送出と、試験対象からの各種の検出信号の受け取りとをインターフェース回路20を介して行う。
図4に示すフローチャートの処理が開始される前の状態として、パワーコンディショナ30の端子T1,T2に直流電源12が接続され、端子T3,T4に交流電源11が接続され、解列遮断器13が閉成されているものとする。
まずステップS1において、試験制御部21は、交流電源11の負荷装置17に対する接続状態と直流電源12の負荷装置17に対する接続状態とを確認する。この確認は電力計14,15,16からの検出信号に基づいて行う。
次いでステップS2において、試験制御部21は、パワーコンディショナ30との通信が確立していることの確認を行う。
次いでステップS3において、試験制御部21は、パワーコンディショナ30に対する試験モードでの初期設定を行う。この初期設定は、パワーコンディショナ30の動作モードや動作条件についての設定であり、パワーコンディショナ30における制御部33との間での通信によって実行する。
次いでステップS4において、試験制御部21は、上記のステップS3で設定した動作モード・動作条件でパワーコンディショナ30の放電モードでの動作を開始させる。これによって、パワーコンディショナ30において、第1および第2の系統リレー40,41が閉成されるとともに、インバータ37におけるフルブリッジのスイッチング素子38のスイッチング動作が開始される。すなわち、DC−DCコンバータ32は直流リレー31を介して入力した直流電源12からの直流電圧を昇圧し、インバータ37はその昇圧直流電圧を交流電圧に変換して、系統リレー40,41から負荷装置17へと出力する。
次いでステップS5において、試験制御部21は、負荷装置17に対して負荷設定を行う。この負荷設定については、ステップS5〜S15のループルーチンにおいて、更新的に様々な条件が設定されるものである。
設定される負荷の一例を図5に示す。ここでは、パワーコンディショナ30に出力電力に対する有効電力と無効電力の割合(パーセント)の様々な組み合わせパターン(25パターン)が示されている。初回のルーチンでの負荷設定は(−10%,+10%)で、これは定格出力電力を例えば2500Wに対して、有効電力(−250W)、無効電力(+250VAR)の設定を意味する。2回目のルーチンでの負荷設定は(−10%,+5%)で、これは有効電力(−250W)、無効電力(+125VAR)の設定を意味する。
次いで、試験制御部21は、ステップS6とステップS7とで、パワーコンディショナ30からの出力電力が安定化するのを待って、ステップS8以降の試験へと進むことになる。ステップS6で一定時間待ちを行い、ステップS7で出力電力の判定を行う。ステップS6の一定時間待ちは試験制御部21に内蔵のタイマ(図示せず)を用いて行われ、ステップS7のパワーコンディショナ30の出力電力の判定は電力計16を用いて行われる。
ここにおいて、ステップS6の一定時間待ちの次にステップS7で出力電力確認を行い、その確認タイミングで出力電力が正常範囲に安定化するに至っていれば、ステップS8以下に進んで、実際に試験モード(解列遮断器の開成およびインバータのゲートブロックから始まる試験の処理ルーチン)に移行するが、その確認タイミングで出力電力が正常範囲に安定化するに至っていなければ、試験モードに移行することなく、ステップS6にリターンして再度の一定時間待ちを行う。この点が本発明での技術的特徴である。その結果として、ステップS6での待ち時間Tmを先駆的技術の待ち時間Tnに比べて短く設定することが可能となっている。その詳しい理由については後述する。また、ステップS6→S7→S6のルーチンによる動作の詳しい態様および意義については後述する。
ステップS7において、パワーコンディショナ30の出力電力が正常範囲で安定化するに至ったとの判定が行われたときにステップS8に進む。このステップS8において、試験制御部21は、解列遮断器13の開成を行う。これによって、交流電源11を負荷装置17から強制的に解列する。これは、系統電力の停電を模擬したものに相当している。
次いでステップS9において、試験制御部21は、パワーコンディショナ30のインバータ37に対するゲートブロックと系統リレー40,41の開成の動作確認を開始する。すなわち、第1および第2のカウンタ18,19に対してトリガ信号Sg0を送出する。
次いでステップS10において、試験制御部21は、カウンタ18,19からのカウントアップ信号が正常に捕捉されているかの確認を行う。このステップS10での判定の結果、カウントアップ信号が検出されていれば、ステップS11以下のルーチンに進み、カウントアップ信号が検出されなかった場合には、ステップS16以下のルーチンに進む。
カウントアップ信号の検出が所期通りに実現されて進んだステップS11において、試験制御部21は、パワーコンディショナ30の解列時間を確認する。解列時間は、解列遮断器13を開成してからゲートブロック動作と系統リレー開成動作とによるパワーコンディショナ30の出力停止(単独運転防止)の実現までの所要時間である。より具体的には、試験制御部21がカウンタ18,19に対してトリガ信号Sg0を出力してから、制御部33からの系統リレー信号Sg1、ゲートブロック信号Sg2が出力されるまでの遅延時間Td1,Td2がそれぞれ判定基準時間Ta1,Ta2より短いかを判定する。あるいは、より直接的には、カウンタ18,19のカウント値C1,C2がそれぞれが判定基準カウント値Ca1,Ca2より小さいかの判定を行う。
このようにして行う解列時間の判定で、解列時間が規定範囲内に入っていれば、ステップS12に進み、入っていなければステップS13に進む。
解列時間が規定範囲内に入っているとして進んだステップS12において、試験制御部21は、検出した解列時間の数値情報と、その解列時間が規定範囲内である旨のメッセージ情報を記憶するとともに表示する。
一方、解列時間が規定範囲内に入っていないとして進んだステップS13において、試験制御部21は、検出した解列時間の数値情報と、その解列時間が規定範囲外である旨のメッセージ情報を記憶するとともに表示する。
これらの記憶された情報は、試験処理後において、試験対象の評価や故障修理などに活用される。
ステップS5からステップS12またはステップS13までの処理により、ステップS5で行った負荷装置17に対する1つ目の設定負荷のもとでの試験が遂行されたことになる。次いで、2つ目の設定負荷のもとでの試験に移行する必要があり、それは、次のステップS14の解列遮断器13の閉成によって準備される。
ステップS12またはステップS13に続くステップS14において、試験制御部21は、解列遮断器13を閉成する。
次いでステップS15において、試験制御部21は、試験を予定している負荷条件のすべてについて試験が終了したか否かの判定を行い、まだ試験していない負荷設定が残っているときは、ステップS5にリターンし、予定の負荷設定すべてにつき試験が終了するに至ったときは、ステップS17に進む。
ステップS5にリターンしたときは、次の候補の負荷設定に更新し、以降、ステップS6からステップS15にかけてのルーチンを処理する。図5の例で説明すると、初回の負荷設定(−10%,+10%)での試験が終了すると、次は2回目の負荷設定(−10%,+5%)での試験に移り、さらにそれが終了すると、次は3回目の負荷設定(−10%,0%)での試験に移る、といった具合である。このルーチンは、候補の負荷設定すべてについての試験が終了するまで、繰り返し実行される。
上記のステップS10の判定でカウンタ18,19におけるカウントアップ信号が捕捉されなかったときには、ステップS16に進む。このステップS16において、試験制御部21は、解列遮断器13の開成に伴うパワーコンディショナ30の出力停止(単独運転防止)が正常に実現されなかったことのメッセージ情報を記憶し、表示する。次いでステップS17に進む。
ステップS16を実行するルートを通ってステップS17に至る場合には、解列遮断器13を開成から閉成に戻す処理(ステップS14)や、全負荷設定終了の判定(ステップS15)は行わない。それは、その試験対象が不具合状態となっていることが明らかであり、他の負荷設定での試験へ進む必要がないことが明らかであるためである。
ステップS15またはステップS16に続くステップS17において、試験制御部21は、パワーコンディショナ30に対して出力停止の指令を行い、当該フローチャートに示された一連のルーチン処理を終了する。
以上の図4のフローチャートに示すルーチン処理で、ステップS16を通らなかった場合には、25パターンの負荷設定を順次に更新して、各負荷設定での試験を遂行し、25パターンの負荷設定のすべてについて、試験結果情報を取得することになる。
ステップS5からステップS15→ステップS5のループを25回繰り返すことになり、その度にステップS6の待ち時間Tmの時間待ちとステップS7のパワーコンディショナ30の出力電力のレベル判定とを行う。このステップS6とステップS7の組み合わせに本発明実施形態の技術的ポイントがあり、一定時間待ちの待ち時間を先駆的技術に比べて短縮化することが可能となっている。以下、この待ち時間短縮化の効果について説明する。
本発明の実施形態の場合には、負荷設定後の時間待ちを1回に限定するのではなく、一定時間の時間待ちを複数回許容することとしている。そして、その待ち時間Tmを先駆的技術の場合の待ち時間Tnに比べて充分に短いものに設定している(Tm≪Tn)。この比較的短い待ち時間Tmでの時間待ちを行い、待ち時間Tmの到達ごとにパワーコンディショナ30の出力が安定化するに至ったかを確認し、まだ安定化するに至っていなければ、同じ待ち時間Tmの時間待ちと出力安定化確認を再度行い、出力安定化が達成されるまで待ち時間Tmの時間待ちを繰り返すこととしている。
1回目の待ち時間Tmの時間待ちで出力安定化が確認できれば、その直後から解列遮断器13の開成から始まる単独運転防止機能試験へと進む。この場合の待ち時間Tmの時間待ちは1回限りである。
1回目の待ち時間Tmの時間待ちで出力安定化が確認できなければ、2回目の待ち時間Tmの時間待ちへと進み、その2回目の待ち時間Tmの時間待ちで出力安定化が確認できれば、その直後から解列遮断器13の開成から始まる単独運転防止機能試験へと進む。この場合の待ち時間Tmの時間待ちは2回である。
2回目の待ち時間Tmの時間待ちで出力安定化が確認できなければ、3回目の待ち時間Tmの時間待ちへと進み、その3回目の待ち時間Tmの時間待ちで出力安定化が確認できれば、その直後から解列遮断器13の開成から始まる単独運転防止機能試験へと進む。この場合の待ち時間Tmの時間待ちは3回である。
このように負荷設定の態様に応じて、待ち時間Tmの時間待ちの回数を調整することとしている。
一例として、25パターンのうち、待ち時間Tmの時間待ちの回数が1回の負荷設定が6パターンあり、時間待ちの回数が2回の負荷設定が12パターンあり、時間待ちの回数が3回の負荷設定が7パターンあるとする。この場合の待ち時間の合計Tsは、
Ts=1Tm×6+2Tm×12+3Tm×7=51Tm
となる。
先駆的技術の場合は、
Ts=25Tn
であるが、仮に、Tn=3Tmとすると、
Ts=75Tm
となる。本発明実施形態の合計待ち時間Ts=51Tmは、先駆的技術の合計待ち時間Ts=75Tmに比べると、68%と大幅に時間短縮されていることがわかる。
実際には負荷設定のパターン数は25のような少ないものではなく、さらに回転機を接続した場合や、単独運転検出機能としての受動的検出方式、能動的検出方式、さらに受動的プラス能動的検出方式で検出を行う場合の試験があるので、試験数としては膨大なものになる。
仮に、時間待ちの回数に5つのパターンがあり、待ち時間をそれぞれ1Ta、2Ta、3Ta、4Ta、5Taとする。そして、時間待ちの回数をそれぞれ1回、2回、3回、4回、5回とする。負荷設定のパターン数が200あるとして、待ち時間1Taが20パターン、待ち時間2Taが40パターン、待ち時間3Taが40パターン、待ち時間4Taが20パターン、待ち時間5Taが20パターンあるとする。
本発明実施形態の場合の合計待ち時間Tsは、
Ts=1Ta×20+2Ta×40+3Ta×80+4Ta×40+5Ta×20=600Ta
となる。
先駆的技術の場合は、その待ち時間がTbで、合計待ち時間Tsは、
Ts=200Tb
であるが、仮にTb=5Taとすると、
Ts=1000Ta
となる。本発明実施形態の合計待ち時間Ts=600Taは、先駆的技術の合計待ち時間Ts=1000Taに比べると、60%と大幅に時間短縮されていることがわかる。
なお、試験制御部21は、コンピュータを内蔵し、このコンピュータは、前記図4のフローチャートを実行できるプログラムをメモリに格納し、このメモリに格納されたプログラムに従い、試験の制御を行うものとする。このプログラムは、コンピュータにより、少なくとも、被試験装置の動作を開始させる第1の処理と、第1の処理の後、負荷装置17に対して複数の負荷設定パターンのうちのいずれかの負荷設定パターンで負荷設定する第2の処理と、第2の処理の後、一定時間の時間待ちを行う第3の処理と、第3の処理で前記一定時間の時間待ちの後に被試験装置の出力の判定を行う第4の処理と、第4の処理において前記出力が規定範囲に達していないと判定すると、前記一定時間の時間待ちをする前記第3の処理へと戻り、前記出力が規定範囲に達していると判定すると、解列遮断器13の開成から閉成に至る単独運転防止機能試験へと進める第5の処理と、第5の処理で前記複数の負荷設定パターンでの単独運転防止機能試験が終了していなければ、第2の処理に戻って別の負荷設定パターンで負荷設定して、第3ないし第5の処理を行い、これらの処理を全負荷設定パターンについて終了するまで繰り返す処理を実行させる第6の処理と、を実行させるためのプログラムである。
また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録するとよい。この記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
本発明は、パワーコンディショナなどの電力変換装置に対する単独運転防止機能の試験装置において、出力レベル安定化までの待ち時間の合計時間の短縮化、ひいては単独運転防止機能の試験効率を向上させる技術として有用である。
A 試験装置
11 交流電源
12 直流電源
13 解列遮断器
17 負荷装置
18 第1のカウンタ
19 第2のカウンタ
20 インターフェース回路
21 試験制御部
30 パワーコンディショナ(被試験装置)
33 制御部
37 インバータ
38 スイッチング素子
39 ゲート素子
40 第1の系統リレー
41 第2の系統リレー
43 単独運転検出回路
Sg0 トリガ信号
Sg1 系統リレー信号
Sg2 ゲートブロック信号

Claims (6)

  1. 直流電力を交流電力に変換して負荷装置に供給する機能を有する被試験装置と前記負荷装置とが解列遮断器を介して交流電源に接続されている状態で、前記解列遮断器の開成に伴う前記被試験装置の単独運転現象を回避する単独運転防止機能を自動的に試験するための試験装置であって、
    前記被試験装置の動作開始を制御する機能と、前記負荷装置に対し複数の負荷設定パターンで負荷設定を行う機能と、前記解列遮断器の開閉を制御する機能と、を有する試験制御部を備え、
    前記試験制御部は、前記被試験装置の動作を開始させる第1の処理と、前記第1の処理の後、前記負荷装置に対して前記複数の負荷設定パターンのうちのいずれかの負荷設定パターンで負荷設定する第2の処理と、前記第2の処理の後、一定時間の時間待ちを行う第3の処理と、前記第3の処理で前記一定時間の時間待ちの後に前記被試験装置の出力の判定を行う第4の処理と、前記第4の処理において前記出力が規定範囲に達していないと判定すると、前記一定時間の時間待ちをする前記第3の処理へと戻り、前記出力が規定範囲に達していると判定すると、前記解列遮断器の開成から閉成に至る単独運転防止機能試験へと進める第5の処理と、を実行し、前記第5の処理で前記複数の負荷設定パターンでの単独運転防止機能試験が終了していなければ、前記第2の処理に戻って別の負荷設定パターンで負荷設定して、前記第3ないし第5の処理を行い、これらの処理を全負荷設定パターンについて終了するまで繰り返すことを特徴とする試験装置。
  2. 前記単独運転防止機能試験は、前記負荷装置に対する前記負荷設定パターンの負荷設定のもとで、前記解列遮断器を開成するとともに、前記開成してから前記被試験装置の一時的出力停止が規定時間内に達成されたときは、当該被試験装置の単独運転防止機能が正常であり、前記規定時間内に達成されなければ前記単独運転防止機能が正常でないとする試験である請求項1に記載の試験装置。
  3. 前記被試験装置が、パワーコンディショナである請求項1または2に記載の試験装置。
  4. 直流電力を交流電力に変換して負荷装置に供給する機能を有する被試験装置と前記負荷装置とが解列遮断器を介して交流電源に接続されている状態で、前記解列遮断器の開成に伴う前記被試験装置の単独運転現象を回避する単独運転防止機能を自動的に試験するための試験方法であって、
    前記被試験装置の動作を開始させる第1の処理と、
    前記第1の処理の後、前記負荷装置に対して複数の負荷設定パターンのうちのいずれかの負荷設定パターンで負荷設定する第2の処理と、
    前記第2の処理の後、一定時間の時間待ちを行う第3の処理と、
    前記第3の処理で前記一定時間の時間待ちの後に前記被試験装置の出力の判定を行う第4の処理と、
    前記第4の処理において前記出力が規定範囲に達していないと判定すると、前記一定時間の時間待ちをする前記第3の処理へと戻り、前記出力が規定範囲に達していると判定すると、前記解列遮断器の開成から閉成に至る単独運転防止機能試験へと進める第5の処理と、
    を実行し、
    前記第5の処理で前記複数の負荷設定パターンでの単独運転防止機能試験が終了していなければ、前記第2の処理に戻って別の負荷設定パターンで負荷設定して、前記第3ないし第5の処理を行い、これらの処理を全負荷設定パターンについて終了するまで繰り返すことを特徴とする試験方法。
  5. 請求項1に記載の試験装置を制御する試験制御部に内蔵するコンピュータに格納されるプログラムであって、
    前記プログラムは、前記コンピュータに対して、
    被試験装置の動作を開始させる第1の処理と、
    前記第1の処理の後、負荷装置に対して複数の負荷設定パターンのうちのいずれかの負荷設定パターンで負荷設定する第2の処理と、
    前記第2の処理の後、一定時間の時間待ちを行う第3の処理と、
    前記第3の処理で前記一定時間の時間待ちの後に前記被試験装置の出力の判定を行う第4の処理と、
    前記第4の処理において前記出力が規定範囲に達していないと判定すると、前記一定時間の時間待ちをする前記第3の処理へと戻り、前記出力が規定範囲に達していると判定すると、前記解列遮断器の開成から閉成に至る単独運転防止機能試験へと進める第5の処理と、
    前記第5の処理で前記複数の負荷設定パターンでの単独運転防止機能試験が終了していなければ、前記第2の処理に戻って別の負荷設定パターンで負荷設定して、前記第3ないし第5の処理を行い、これらの処理を全負荷設定パターンについて終了するまで繰り返す処理を実行させる第6の処理と、を実行させることを特徴とするプログラム。
  6. 請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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