(第1実施例)
(1)特殊な盤面構成
本実施例の遊技機においては、遊技領域の所定位置にガイド通路が設けられ、そのガイド通路に沿って上流側から第1始動口、第2始動口が順次配置される。ガイド通路は、遊技領域に配列される遊技釘等の部材により形成されてもよいし、遊技領域を区画する遊技盤の筐体や、遊技領域に配置された役物等がその一部を形成してもよい。第1始動口には第1拡開機構が取り付けられ、その拡開機構の作動状態によって第1始動口への入球容易性を変化させる。第1拡開機構は、その待機状態において第1始動口を閉じ、その拡開状態において第1始動口を開く開閉部材であってもよい。あるいは、その待機状態において第1始動口の開口部を小さくして入球困難とし、その拡開状態において第1始動口の開口部を大きくする方向に動作して入球容易とする入球可変部材であってもよい。第1拡開機構は、後述する特定入球口への入球を契機として拡開状態に動作する。具体的には、特定入球口へ入球した遊技球が内部機構を通過もしくは当接(接触)することにより機械的に拡開されるものでもよい。そして、その拡開状態において第1始動口に入球した遊技球が内部機構を通過もしくは当接(接触)することにより、機械的に待機状態に戻されるものでもよい。あるいは、特定入球口への入球が検出されることにより電動駆動装置が作動し、電気的に拡開されるものでもよい。そして、その拡開状態において第1始動口に入球した遊技球が検出されることにより電動駆動装置が非作動となり、待機状態に戻されるものでもよい。第1拡開機構は、その拡開状態において所定数の遊技球が入球したときに待機状態に動作するが、「所定数」は1球でもよいし、複数球でもよい。
第2始動口には第2拡開機構が取り付けられ、その拡開機構の作動状態によって第2始動口への入球容易性を変化させる。第2拡開機構も同様に、その待機状態において第2始動口を閉じ、その拡開状態において第2始動口を開く開閉部材であってもよい。あるいは、その待機状態において第2始動口の開口部を小さくして入球困難とし、その拡開状態において第2始動口の開口部を大きくする方向に動作して入球容易とする入球可変部材であってもよい。第2拡開機構は、第1始動口への入球もしくは特定入球口への入球を契機として拡開状態に動作する。具体的には、第1始動口へ入球もしくは特定入球口へ入球した遊技球が内部機構を通過もしくは当接(接触)することにより機械的に拡開されるものでもよい。そして、その拡開状態において第2始動口に入球した遊技球が内部機構を通過もしくは当接(接触)することにより、機械的に待機状態に戻されるものでもよい。あるいは、第1始動口への入球もしくは特定入球口への入球が検出されることにより電動駆動装置が作動し、電気的に拡開されるものでもよい。そして、その拡開状態において第2始動口に入球した遊技球が検出されることにより電動駆動装置が非作動となり、待機状態に戻されるものでもよい。第2拡開機構は、その拡開状態において所定数の遊技球が入球したときに待機状態に動作するが、「所定数」は1球でもよいし、複数球でもよい。
一方、特定入球口には入球変動機構が取り付けられる。特定入球口は、その入球が賞球を伴うものでもよいし、伴わないものでもよいが、その入球が第1始動口の拡開機構を拡開動作させる契機となる。入球変動機構の作動有無によって特定入球口への入球容易性が変化する。入球変動機構は、その待機状態において特定入球口を閉じ、その作動状態において特定入球口を開く開閉部材であってもよい。あるいは、その待機状態において特定入球口の開口部を小さくして入球困難とし、その作動状態において特定入球口の開口部を大きくする方向に動作して入球容易とする入球可変部材であってもよい。作動口への入球を契機とした作動抽選が当りとなり、普通図柄が当りを示す態様で停止表示されると入球変動機構が作動し、特定入球口を入球容易な状態とする。入球変動機構は、電動駆動装置の作動により電気的に駆動されるものでもよい。そして、その作動開始から設定された開放時間の経過により電動駆動装置が非作動となり、待機状態に戻されるものでもよい。
このような構成において、第1抽選手段による当否抽選結果が大当りである場合よりも第2抽選手段によるによる当否抽選結果が大当りである場合のほうが、特別遊技への移行後において遊技者にとって相対的に有利となるよう構成されている。ここでいう「相対的に有利」は、例えば特別遊技における賞球数(出玉数)が相対的に大きい、つまり賞球獲得期待値が相対的に大きいものでもよい。すなわち、特別遊技における単位遊技数(ラウンド数)が相対的に大きい、または特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間が相対的に長いものでもよい。あるいは、特別遊技後の確率変動、変動時間短縮(「時短」という)、入球容易状態といった特定遊技において相対的に有利となるものでもよい。ここでいう「特定遊技において相対的に有利」とは、確率変動であれば、例えば単に確率変動機能が作動しやすい、大当り確率の向上度合いが大きい、期間限定であるならその期間(例えば図柄変動回数により規定)が多いなど、種々考えられる。時短であれば、例えば単に時短機能が作動しやすい、変動の短縮度合いが大きい、期間限定であるならその期間(例えば図柄変動回数により規定)が多いなど、種々考えられる。入球容易状態であれば、単に入球容易状態となりやすい、入球容易性の高さが高い、期間限定であるならその期間(例えば図柄変動回数により規定)が多いなど、種々考えられる。
この態様によれば、作動口へ入球させることにより作動抽選が当りとなると、特定入球口への入球容易性が高まる。その特定入球口へ入球させることにより第1拡開機構が拡開状態となるため、ガイド通路に向けて遊技球を発射することで、第1始動口へ入球させやすくなる。このとき、第1始動口へ入球させることにより第1の当否抽選を実行させることができるとともに、第2拡開機構を拡開させることができる。第1始動口へ所定数入球すると、第1拡開機構が待機状態に戻り、第2始動口への入球が容易となるため、ガイド通路に向けて遊技球を発射することで、第2始動口へ入球させやすくなる。このとき、第2始動口へ入球させることにより第2の当否抽選を実行させることができる。第2始動口へ所定数入球すると、第2拡開機構は待機状態に戻る。このようにして第1拡開機構と第2拡開機構がともに待機状態となると、両始動口の入球容易性が低下するため、第1拡開機構を再度拡開状態とするために、作動口への入球を再度狙うことになる。
すなわち、作動口への入球→作動抽選の当選→入球変動機構の作動→特定入球口への入球→第1拡開機構の拡開→第1始動口への入球→第1拡開機構の待機・第2拡開機構の拡開→第2始動口への入球→第2拡開機構の待機→作動口への入球といった遊技循環が形成されるようになる。これは特に、遊技球の流下が規制されたガイド通路に沿って第1始動口と第2始動口が直列に設けられていることによる。このような構成により、第1始動口と第2始動口とに実質的に交互に近い態様で入球させることになり、両始動口の入球効率を均一に近づけることができる。その結果、第1始動口への入球を契機とする第1の当否抽選と、第2始動口への入球を契機とする第2の当否抽選とが、実質的に交互に近い態様で実行されるようになる。一方、第1の当否抽選にて大当りとなった場合よりも、第2の当否抽選にて大当りとなった場合のほうが有利となるため、遊技者は、その遊技循環の中で第1始動口よりも第2始動口への入球に期待するようになる。すなわち、ガイド通路に向けて一定の方向に遊技球を打ち出した結果、第1の当否抽選と第2の当否抽選のいずれが早く大当りになるかといった両当否抽選の競争という斬新な遊技性が創出され、遊技者の興趣を高めることが可能となる。また、相対的に有利な第2始動口へ入球させるためには、相対的に不利な第1始動口へ入球させる必要があるため、その第1始動口への入球を見送る止め打ちといった行為が防止され、遊技球の打ち出しを促進できるようになるため、遊技ホールにもメリットがある。
このような構成を並列機に適用した場合、第1始動口への入球を契機とする第1の遊技と、第2始動口への入球を契機とする第2の遊技とが実質的に交互に近い態様で実行されるようになるため、いずれの遊技が開始されたかを遊技者が認識しやすくなる。また、演出の割り当てや演出表示タイミングも取りやすくなり、並列機でありながらその遊技性が分かりやすくなる。その結果、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する複合機に関し、その並列機の普及促進を図ることが可能となる。なお、上述した当否抽選の競争という遊技性や、遊技球の打ち出し促進という点においては直列機においても効果が得られる。
このような構成において、特定入球口はガイド通路における第1始動口の上方位置に設けられるのが好ましい。また、作動口はガイド通路における第2始動口の下方位置に設けられるのが好ましい。すなわち、作動口への入球が入球変動機構の作動契機となり、特定入球口への入球が第1拡開機構の作動契機となるため、特定入球口,第1始動口,第2始動口および作動口が遊技球の流下方向に直列に配置されるのがよい。このような配置によれば、遊技者がガイド通路に向けて遊技球を打ち出すことで上記遊技循環を容易に実現できるからである。ここで、特定入球口を最上段に設けるのは、その入球が第1始動口を入球容易とする契機となるため、各始動口の状態(拡開機構の作動状態)の影響を受けないようにするものである。言い換えれば、仮に特定入球口をいずれかの始動口の下方に配置することになると、その上方の始動口が閉じるまで特定入球口への入球が得られないことになり、上記遊技循環を効率よく維持することが難しくなるからである。
一方、作動口を最下段に設けるのも、上記遊技循環の効率を良好に維持するためである。すなわち、仮に作動口を特定入球口の上方に配置することになると、第2始動口への入球がある前に特定入球口が入球容易となり、第1始動口に入球が偏る可能性が高くなる。つまり、両始動口の入球効率を均一に近づけることが難しくなり、上記遊技循環を維持することが困難となるため、これを防止するものである。また、このように第1始動口に入球が偏ると第1の当否抽選が繰り返されて相対的に不利となるため、遊技者によっては遊技球の打ち出しを一時的に中断し、第2始動口が入球容易となるのを待って打ち出しを再開する可能性もある。すなわち、いわゆる止め打ちがなされる結果、遊技機の稼働率が低下する虞がある。この点、作動口を最下段に設ければ、第2始動口への入球を待って作動口へ入球するようになるため、第2始動口への入球がある前に特定入球口が入球容易となる事態を防止することができ、上記遊技循環を維持することが容易となる。言い換えれば、遊技者がガイド通路に向けた遊技球の打ち出しを継続しても第2始動口への入球効率を維持することができ、その打ち出しを継続する限り、上記遊技循環を効率よく回すことができる。その結果、止め打ちを防止または抑制して遊技球の打ち出しを促進することができる。
第1表示制御手段は、第2表示制御手段により第2の当否抽選の結果に対応する図柄(「第2の図柄」ともいう)の変動が開始されているか否かにかかわらず、第1の当否抽選に対応する図柄(「第1の図柄」ともいう)の変動表示を開始し、第2表示制御手段は、第1表示制御手段により第1の図柄の変動が開始されているか否かにかかわらず、第2の図柄の変動表示を開始してもよい。
この態様は、第1の図柄の変動と第2の図柄の変動とが互いに規制されることなく開始される並列機を前提として上述した構成を有するものである。すなわち、上述した盤面構成は直列機においても作用効果を発揮できるが、特に並列機においては、その普及促進を図るうえで有効となる。
(2)関門突破型の遊技性
本実施例では、並列機において、図柄の変動開始から停止までの変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを選択するための複数種類の変動パターン選択基準が設けられる。具体的には、第1の図柄の変動パターンよりも第2の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有する第1変動パターン選択基準と、第2の図柄の変動パターンが第1変動パターン選択基準よりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有する第2変動パターン選択基準が含まれる。そして、当否抽選の結果が大当りとなることを契機にいずれかの変動パターン選択基準が設定される。一方、第1抽選手段による当否抽選結果が大当りである場合よりも第2抽選手段によるによる当否抽選結果が大当りである場合のほうが、特別遊技への移行後において遊技者にとって相対的に有利となるように構成されている。なお、本構成においては、上述した盤面構成を前提としてもよいし、前提としなくてもよい。
ここで、「第2変動パターン選択基準」は、第2の図柄の変動パターンよりも第1の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有するものであってもよい。あるいは、第2の図柄の変動パターンと第1の図柄の変動パターンの変動時間(平均的な変動時間)がほぼ同じとなる傾向を有するものの、第2の図柄の変動パターンについては第1変動パターン選択基準よりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有するものであってもよい。あるいは、第1の図柄の変動パターンよりも第2の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有するものの、第2の図柄の変動パターンについては第1変動パターン選択基準よりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有するものであってもよい。なお、当否抽選の結果が大当りとなることを契機にいずれかの変動パターン選択基準が設定されるが、当否抽選の結果(当否抽選の結果が大当りであるときの図柄の停止態様など)と現在の遊技状態(例えば確率変動、時短、入球容易状態といった特定遊技の有無)とに基づいて特別遊技後の変動パターン選択基準を設定するようにしてもよい。
この態様によれば、第1変動パターン選択基準が設定された場合、第1の図柄の変動パターンよりも第2の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向となる。すなわち、第2の当否抽選のほうが第1の当否抽選よりも有利となるところ、その有利な第2の当否抽選の結果を示す第2の図柄の変動効率が高いことから、遊技が有利に進められる可能性が高い。一方、第2変動パターン選択基準が設定された場合には、その有利な第2の当否抽選の結果を示す第2の図柄の変動パターンが、第1変動パターン選択基準よりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有することから、遊技が相対的に不利に進行する可能性が高い。すなわち、第1変動パターン選択基準が設定された場合のほうが遊技者に有利となるため、当否抽選の結果が大当りとなることを契機にいずれかの変動パターン選択基準が設定されるかにつき、遊技者の期待感を煽ることができる。また、並列機であるが、変動パターン選択基準については、一方の遊技の大当りを契機にその特別遊技後に設定された変動パターン選択基準が共用されるため、いずれの遊技の実行中であるかにかかわらず、現在の変動パターン選択基準が相対的に有利な状態であるのか、不利な状態であるのかを遊技者が認識しやすくなる。
この態様において当否抽選の結果が大当りとなった場合、その特別遊技の終了後に入球変動機構の作動による第2始動口への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行される。この入球容易状態において第2の当否抽選の結果が大当りとなった場合には、通常状態において第1の当否抽選の結果が大当りとなった場合よりも高い確率で第1変動パターン選択基準が設定される。一方、通常状態において第1の当否抽選の結果が大当りとなった場合には、入球容易状態において第2の当否抽選の結果が大当りとなった場合よりも高い確率で第2変動パターン選択基準が設定される。
この態様によれば、通常状態から大当りが発生した場合、それが第1の当否抽選によるものであれば、その特別遊技後に入球容易状態へ移行されるものの、相対的に不利な第2変動パターン選択基準が設定されやすくなるため、大きな利益は享受し難い。しかし、その大当りが第2の当否抽選によるものであれば、その特別遊技後に入球容易状態へ移行されるとともに、相対的に有利な第1変動パターン選択基準が設定されやすくなるため、第2の図柄の変動効率が高められ、第2の当否抽選にて繰り返し大当りが発生する連荘状態となる可能性が高くなる。その結果、遊技者は大きな利益を享受できる可能性がある。すなわち、通常状態においては相対的に不利な第2変動パターン選択基準が繰り返し選択される負の循環に陥りやすいところ、入球容易状態への移行をきっかけに相対的に有利な第1変動パターン選択基準が一旦設定されると、繰り返しその第1変動パターン選択基準が選択される正の循環となりやすくなる。すなわち、相対的に不利な状態から一旦有利な状態へ移行させれば、その有利な状態が継続されやすくなる「関門突破型」の遊技性を実現することができる。
(3)戦況変化型の遊技性
本実施例では、並列機における変動パターン選択基準として、特別遊技終了後の図柄の変動回数により規定される第1設定期間の経過後に第2の図柄の変動効率が低下する傾向を有する劣勢変化パターン選択基準と、特別遊技終了後の図柄の変動回数により規定される第2設定期間の経過後に第2の図柄の変動効率が向上する傾向を有する優勢変化パターン選択基準が含まれる。そして、当否抽選の結果が大当りとなることを契機にいずれかの変動パターン選択基準が設定される。なお、本構成においても、上述した盤面構成を前提としてもよいし、前提としなくてもよい。「図柄の変動回数」は、第1の当否抽選による特別遊技であった場合には第1の図柄の変動回数とし、第2の当否抽選による特別遊技であった場合には第2の図柄の変動回数としてもよい。あるいは、当否抽選が第1の当否抽選であろうと第2の当否抽選であろうと、予め決められた一方の図柄(第1の図柄または第2の図柄)の変動回数としてもよい。あるいは、第1の図柄の変動回数と第2の図柄の変動回数との合計値としてもよい。「第1設定期間」と「第2設定期間」とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。後者のように第1設定期間と第2設定期間とを異ならせる場合、第1設定期間を第2設定期間よりも長くすれば、劣勢変化の場合の優勢期間を相対的に長くし、優勢変化の場合の優勢期間を相対的に長くすることになり、相対的に遊技者に優しい遊技性となる。逆に、第2設定期間を第1設定期間よりも長くすれば、劣勢変化の場合の劣勢期間を相対的に長くし、優勢変化の場合の劣勢期間を相対的に長くすることになり、相対的に遊技者に厳しい遊技性となる。また、「第1設定期間」および「第2設定期間」の一方または双方が、複数種類設けられてもよい。例えば、第1設定期間を(図柄変動)10回,20回,30回のいずれかとしてもよい。なお、変形例においては、劣勢変化と優勢変化が少なくとも1回ずつ、あるいは交互に複数回ずつ繰り返され、劣勢→優勢→劣勢→優勢・・・とループする変動パターン選択基準を設けてもよい。その場合、繰り返される劣勢期間と優勢期間とを同じ長さに設定してもよいし、いずれか一方を長くしてもよい。このような様々なパターンにより、変動パターンひいては演出のバリエーションを豊かにすることができる。
この態様によれば、劣勢変化パターン選択基準が選択された場合、第1設定期間の経過後に第2の図柄の変動効率が低下する傾向を有するため、できるだけ第1設定期間内に第2始動口への入球を促進し、第2の当否抽選により繰り返し大当りを導くことが有利となりやすい。一方、優勢変化パターン選択基準が選択された場合、第2設定期間の経過後に第2の図柄の変動効率が向上する傾向を有するため、できるだけ第2設定期間の経過後に第2始動口への入球を促進し、第2の当否抽選により繰り返し大当りを導くことが有利となりやすい。すなわち、いずれの変化パターン選択基準が設定されるかにより、遊技を進行させるうえでの戦況が有利から不利に変化するか、不利から有利に変化するかが異なる。この態様によれば、当否抽選の結果が大当りとなることを契機にいずれかの変動パターン選択基準が設定されるかにつき、遊技者の期待感を煽ることができる。また、並列機であるが、変動パターン選択基準については、一方の遊技の大当りを契機にその特別遊技後に設定された変動パターン選択基準が共用されるため、いずれの遊技の実行中であるかにかかわらず、現在の変動パターン選択基準が相対的に有利な状態であるのか、不利な状態であるのかを遊技者が認識しやすくなる。
具体的には、当否抽選の結果が大当りであるときの図柄の停止態様に応じていずれかの変動パターン選択基準を設定するようにしてもよい。また、当否抽選の結果と現在の遊技状態(例えば確率変動、時短、入球容易状態といった特定遊技の有無)とに基づいて特別遊技後の変動パターン選択基準を設定するようにしてもよい。変動パターンを選択する際に参照する変動パターンテーブルとしては、第1の図柄の変動パターンよりも第2の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有する第1変動パターンテーブルと、第2の図柄の変動パターンの変動時間が第1変動パターンテーブルよりも相対的に長くなる傾向を有する第2変動パターンテーブルとが設けられる。そして、劣勢変化パターン選択基準が設定されているときには、変動パターンを選択する際の参照先を、第1設定期間の経過を契機に第1変動パターンテーブルから第2変動パターンテーブルに切り替えるようにしてもよい。優勢変化パターン選択基準が設定されているときには、変動パターンを選択する際の参照先を、第2設定期間の経過を契機に第2変動パターンテーブルから第1変動パターンテーブルに切り替えるようにしてもよい。
ここで、「第2変動パターンテーブル」は、第2の図柄の変動パターンよりも第1の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有するものであってもよい。あるいは、第2の図柄の変動パターンと第1の図柄の変動パターンの変動時間(平均的な変動時間)がほぼ同じとなる傾向を有するものの、第2の図柄の変動パターンについては第1変動パターンテーブルよりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有するものであってもよい。あるいは、第1の図柄の変動パターンよりも第2の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有するものの、第2の図柄の変動パターンについては第1変動パターンテーブルよりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有するものであってもよい。
また、第1変動パターンテーブルが参照先とされているときには、現在の遊技状態が相対的に優勢であることを示唆する演出内容を決定し、第2変動パターンテーブルが参照先とされているときには、現在の遊技状態が相対的に劣勢であることを示唆する演出内容を決定してもよい。このように構成することで、現在の遊技状態が優勢であるのか、劣勢であるのかを遊技者が把握しやすくなる。また、いずれの演出内容が表示されるかにつき、遊技者の期待感を煽ることができる。優勢を示す演出内容であれば遊技者の期待感を高めることができ、劣勢を示す演出内容であれば遊技者の焦燥感を煽ることができる。また、劣勢から優勢(または劣勢から優勢へと)へと変化するタイミングが何時なのかを示唆・報知する演出、またはその変化時に変化したことを示唆・報知する演出を表示してもよい。
(4)小当りによるチャンスタイム
本実施例では、並列機において、大当りのほかに小当りが設けられる。小当りは、第1の当否抽選および第2の当否抽選の双方に設けてもよいし、一方に設けてもよい。前者の場合、第2の当否抽選の結果が小当りとなる確率が、第1の当否抽選の結果が小当りとなる確率よりも相対的に高くなるように設定してもよい。後者の場合、第2の当否抽選についてのみ、小当りを設けるようにしてもよい。このような構成は、第2の始動口が特定遊技中に入球容易性が向上する拡開機構を有し、その特定遊技中でなければ第2の当否抽選の実行頻度が低い構成において、その小当りの有効性が顕著に発揮される。すなわち、特定遊技中に小当りを頻発させることで持ち玉の減少を抑制し、入球容易状態となった第2の始動口を安心して狙えるようになり、優位性をより高めることができるからである。なお、第1の始動口については、このような拡開機構を設けなくてもよいし、あるいは、拡開機構を有する第1の始動口と、拡開機構を有しない第1の始動口を設けてもよい。当否抽選の結果が大当りになると、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行される。当否抽選の結果が小当りになると、大入賞口の開放を伴う単位遊技を1回含む小当り遊技へ移行される。このため、賞球獲得の面では大当りが望ましいが、小当りとなっても賞球が得られるため、持ち玉をなるべく減らさずに遊技を継続することが可能となる。特に、始動口への賞球をゼロもしくは極端に減らして(例えば、従来3個くらいだったものを1個にし)、その分、拡開機構付の始動口への入球効率を高める仕様に好適である。ここで、「入球効率」は、始動口への入球を契機とする図柄の変動効率にもひもづく。入球効率を良くしすぎると、例えば3個賞球の場合には特定遊技状態において賞球が増えすぎてしまう。この点、1個賞球にすれば、100球発射して始動口に100球入ったとしても、ベースは100%のまま(持ち玉の増減なし)となる。そのため、賞球バランスを考慮しても入球効率を相当高めることができる。その結果、変動効率についても極めて効率的にすることができる。
この態様では、変動パターン選択基準として、第1の図柄の変動パターンよりも第2の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有する第1変動パターン選択基準と、第2の図柄の変動パターンが第1変動パターン選択基準よりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有する第2変動パターン選択基準が含まれる。「第2変動パターン選択基準」は、第2の図柄の変動パターンよりも第1の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有するものであってもよい。あるいは、第2の図柄の変動パターンと第1の図柄の変動パターンの変動時間(平均的な変動時間)がほぼ同じとなる傾向を有するものの、第2の図柄の変動パターンについては第1変動パターン選択基準よりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有するものであってもよい。あるいは、第1の図柄の変動パターンよりも第2の図柄の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有するものの、第2の図柄の変動パターンについては第1変動パターン選択基準よりも変動時間が相対的に長くなる傾向を有するものであってもよい。なお、当否抽選の結果が大当りとなることを契機にいずれかの変動パターン選択基準が設定されるが、当否抽選の結果と現在の遊技状態(例えば確率変動、時短、入球容易状態といった特定遊技の有無)とに基づいて特別遊技後の変動パターン選択基準を設定するようにしてもよい。
そして、当否抽選の結果が小当りとなることを契機に、第1変動パターン選択基準が設定される。すなわち、小当りを引き当てることで第1変動パターン選択基準が設定されるため、第2の図柄の変動効率が高められる。より好適な例としては、「第1変動パターン選択基準が複数種類存在し、それぞれ第2の図柄の変動効率が異なる」という仕様の場合、「小当り後はその第1変動パターン選択基準の中でもより相対的に第2の図柄の変動効率が高いものが選択される」などが挙げられる。遊技者は、その小当りにより持ち玉を減らすことなく、有利である第2の当否抽選にて大当りを引き当てやすくなる。この態様によれば、並列機であるが、変動パターン選択基準については、一方の遊技の大当りを契機にその特別遊技後に設定された変動パターン選択基準が共用されるため、いずれの遊技の実行中であるかにかかわらず、現在の変動パターン選択基準が相対的に有利な状態であるのか、不利な状態であるのかを遊技者が認識しやすくなる。また、「小当りによるチャンスタイム」という遊技性、つまり、小当りを契機として開放された大入賞口への入球による賞球獲得と、第2の図柄の変動効率向上といった2つの有利性を持たせた遊技性を創出することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
このような構成において、当否抽選の結果が小当りとなることを契機に第1変動パターン選択基準が設定される期間として、小当り遊技終了後の図柄の変動回数により規定される複数種類の設定期間を選択対象として設けてもよい。また、第1変動パターン選択基準において選択対象となる変動パターンとして変動時間が異なる複数種類の変動パターンを設けてもよい。そして、小当り遊技中に大入賞口への入球があったことを契機に、第1変動パターン選択基準について決定された設定期間および決定された変動時間の少なくとも一方を示唆する演出内容を表示させてもよい。
この態様によれば、上述した小当りによるチャンスタイムの長さが、設定期間又は変動時間として演出内容を通じて遊技者に伝えられる。このため、小当りを契機としてどの程度のチャンスタイムが付与されているかにつき、遊技者の期待感を高めることができる。また、小当り遊技中における大入賞口への入球をその演出内容の表示契機としたため、小当り遊技中における遊技球の打ち出しを促進することもできる。
(5)特定演出モードにおける大当り回避演出
本実施例では、並列機において、決定された第1の図柄の変動パターンが上記第1変動パターン選択基準において選択対象とされる第1の図柄の変動パターンの平均変動時間よりも長く、上記第2変動パターン選択基準において選択対象とされる第2の図柄の変動パターンの平均変動時間よりも長い変動時間を有する特定の変動パターンに該当する場合、その変動パターンに基づく図柄変動とともにその変動が長変動であることを示唆する特定演出が表示される。
ここで、「特定演出」はリーチ演出であってもよい。「リーチ演出」は、当否抽選の結果を複数列の図柄の停止図柄組合せにて示唆する図柄の変動表示において、その複数列の図柄があと一つ揃えば大当りであることを示す当り図柄組合せとなるリーチ態様を形成する図柄変動演出である。あるいは、図柄変動表示に付加的に伴うように表示される予告演出であってもよい。「予告演出」は、当否抽選の結果が大当りとなる期待度(「大当り期待度」ともいう)の高さを予告的に示唆する演出である。
この態様によれば、決定された第1の図柄の変動パターンが長変動である特定の変動パターンに該当する場合、その旨を示唆する特定演出が表示される。すなわち上述のように、第1の当否抽選が大当りとなる場合よりも第2の当否抽選が大当りとなるほうが有利であるため、基本的には第1の図柄の変動が長く、その間に第2の図柄をできるだけ変動させて当否抽選結果を得るのが好ましい。特定演出は、そのような第1の図柄の長変動を示唆するものであり、遊技者に第1の当否抽選による大当りを回避しつつ、第2の当否抽選による大当りを早急に発生させることを促し、その期待感を煽ることができる。このように既に第1の図柄が変動中であるにもかかわらず、第2の図柄による当否抽選の結果表示を先行して求める仕様は、並列機であるが故に実現可能であると言える。
このような構成において第1の当否抽選の結果が大当りとなり、第1の図柄の変動表示が開始された場合、その大当りを示す第1の図柄の変動中に実行した第2の当否抽選の結果を無効としてもよい。この態様によれば、特定の変動パターンによる第1の図柄の長変動が外れによるものである場合には、その変動中に実行された第2の当否抽選の結果が有効であるため、上述のように第2の当否抽選による大当りを早急に発生させる意義がある。しかしながら、特定の変動パターンによる第1の図柄の長変動が大当りによるものである場合には、その変動中に実行された第2の当否抽選の結果は無効となるため、第2の当否抽選について保留されている場合にこれを消化するのみで不利益を被りかねない。すなわち、特定演出が示す長変動が大当りによるものか外れによるものかにより、遊技者の利益が大きく影響を受ける可能性があり、いわゆる「DEADorALIVE」的な遊技性を実現することが可能となる。もちろん、それに限らず、外れ確定の長変動であり「チャンス」であることを示唆する演出としてもよい。
また、特定演出が表示されている期間においては、第2の当否抽選の結果の保留または第2の図柄の変動開始を契機に、その第2の当否抽選の結果に応じて特定演出の内容を変更するようにしてもよい。例えば、その第2の当否抽選の結果が大当りであれば、演出内容が相対的に有利となり、外れであれば相対的に不利もしくは現状維持(変化なし)となるように表示させてもよい。このような構成により、特定演出に対する遊技者の期待感をリアルタイムに煽ることができるようになる。
以下、本実施例の詳細について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技として第1の遊技と第2の遊技とが実行されるが、特別遊技中を除き、基本的に一方の遊技の実行が他方の遊技の実行有無に影響を受けない並列機として構成されている。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口(「始動口」という)、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。始動口としては、第1の遊技に対応する第1の始動口と、第2の遊技に対応する第2の始動口とが設けられる。遊技球が第1の始動口に入球すると第1の抽選が実行され、第2の始動口に入球すると第2の抽選が実行される。その当否抽選の結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出されることで遊技者に大きな利益が付与される。
本実施例では、大当りとして、16R大当りと4R大当りが設けられている。16R大当りは16R特別遊技への移行を示し、4R大当りは4R特別遊技への移行を示す。いずれの特別遊技も複数の単位遊技(特別遊技が継続する場合の単位となる遊技:「ラウンド」ともいう)を含むが、大入賞口のトータルの開放時間が互いに異なっている。16R特別遊技は、16回の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。一方、4R特別遊技は、4回の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。なお、本実施例において、4R大当りは確率変動(「確変」とも表記する)への移行を伴う場合と確変移行を伴わない場合があり、第1の遊技と第2の遊技の双方に設けられる。以下、確変移行を伴う4R大当りを「4R確変大当り」、確変移行を伴わない(通常状態への移行を伴う)4R大当りを「4R通常大当り」とも呼ぶ。一方、16R大当りは第2の遊技に対してのみ設けられ、全て確変移行を伴う。すなわち、出玉(賞球獲得期待値)に関しては第2の遊技のほうが第1の遊技よりも有利に設定されている。なお、説明の便宜上、16R大当りについても「16R確変大当り」と呼ぶことがある。
一方、第2の抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放(1.8秒の開放が1回)がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。小当り遊技においては大入賞口の開放時間が短いため、特別遊技ほどの出玉を期待できないが、遊技者が現在の持ち玉を減らさない程度の賞球は期待できる。小当りは確変や時短等の特定遊技を伴わず、その小当り遊技前後の遊技状態を変化させない。ただし、確変状態(高確率状態)から大当りが発生した場合、その大当りが確変を伴わなければその特別遊技後の遊技状態は通常状態(低確率状態)に転落してしまうが、確変状態から小当りが発生してもその小当り遊技後の遊技状態は確変状態に維持される。
時短は、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることで一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数を増加させる。また、時短中には第2の始動口への一定時間あたりの入球容易性が高められるため、その第2の始動口への入球により賞球が得られる頻度が増し、遊技者は持ち玉の減少を抑制しながら効率よく大当りを狙うことができる。すなわち、時短中は「入球容易状態」となる。
本実施例における時短は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。具体的には後述のように、確変移行を伴う大当りが発生した場合には、時短の終期は次の大当りが発生するまでとなり、確変移行を伴わない大当りが発生した場合には、時短の終期は所定の終期回数に達するか、それ以前に新たな大当りが発生するまでとなる。なお、確変の終期については次の大当りが発生するまでとしている。
本実施例のぱちんこ遊技機は、このような構成において第1の抽選よりも第2の抽選を優遇した仕様を有する。すなわち後述のように、第1の抽選と第2の抽選の当選確率は等しく設定されているものの、第1の抽選の当否抽選値(「第1当否抽選値」ともいう)には大当りとして4R大当りのみが対応づけられているのに対し、第2の抽選の当否抽選値(「第2当否抽選値」ともいう)には16R大当りと4R大当りが対応づけられている。また、小当りが第2の抽選に対してのみ設けられている。このため、出玉獲得の点で第2の遊技が有利となっている。本実施例では、このような仕様のぱちんこ遊技機において、確変状態にて特別遊技が連続するいわゆる連荘状態となった場合、特別図柄の変動効率を向上させることにより連荘中の出玉効率を向上させることが可能なる機会を遊技者に付与する。以下、その詳細について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口65、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、特定入球口66、作動口68、一般入賞口72を含む。すなわち、本実施例では、上述した「第1の始動口」として主に通常状態において入球が見込まれる第1始動口62と、主に時短中(入球容易状態)において入球が見込まれる第2始動口63の2種類が設けられる。一方、「第2の始動口」として主に時短中(入球容易状態)において入球が見込まれる第3始動口65が設けられる。その詳細については後述する。遊技領域52にはさらに、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62および第2始動口63は第1の遊技に対応する第1の始動口として設けられ、第3始動口65は第2の遊技に対応する第2の始動口として設けられる。これらの始動口は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な位置に設けられる。第1始動口62と、第2始動口63および第3始動口65とは、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、図示の例では遊技領域52の中央下方に設けられている。第2始動口63および第3始動口65は、遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したとき、いわゆる右打ちを行ったときに入球しやすくなるような位置に設けられ、図示の例では、遊技領域52の右方に設けられている。
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時に第1の始動口への入球を示す第1始動入賞情報を生成する。遊技領域52の右側領域には、上方から特定入球口66、第2始動口63、第3始動口65、作動口68、第1大入賞口91、第2大入賞口92が順次直列に配置されている。特定入球口66は、作動口68への入球を契機とする作動抽選が当選することにより開放状態となる横長方形状の入球口であり、入球検出装置67と普通電動役物ソレノイド77を備える。入球検出装置67は、特定入球口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す入球情報を生成する。特定入球口66は、長方形状の普通電動役物83の待機状態においてはこれにより閉止されるが、普通電動役物ソレノイド77の駆動力により普通電動役物83が拡開されると、入球可能となる。普通電動役物83およびこれを開閉させるための機構が「入球変動機構」を構成する。なお、以下の説明においては便宜上、普通電動役物83の拡開状態を「特定入球口66の開放状態」、普通電動役物83の待機状態を「特定入球口66の閉鎖状態」と表現することがある。
第2始動口63は、特定入球口66へ入球した遊技球が内部機構を通過することにより機械的に拡開される入賞口であり、始動入賞検出装置75を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時に第1の始動口への入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、長方形状の開閉部材84の待機状態においてはこれにより閉止されるが、内部機構により開閉部材84が拡開されると、入球可能となる。開閉部材84は、その拡開状態において第2始動口63に入球した遊技球が所定数に達すると、機械的に待機状態に戻される。開閉部材84およびこれを開閉させるための内部機構が「第1拡開機構」を構成する。なお、以下の説明においては便宜上、開閉部材84の拡開状態を「第2始動口63の開放状態」、開閉部材84の待機状態を「第2始動口63の閉鎖状態」と表現することがある。
第3始動口65は、第2始動口63へ入球した遊技球が内部機構を通過することにより機械的に拡開される入賞口であり、始動入賞検出装置76を備える。始動入賞検出装置76は、第3始動口65への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時に第2の始動口への入球を示す第2始動入賞情報を生成する。第3始動口65は、長方形状の開閉部材85の待機状態においてはこれにより閉止されるが、内部機構により開閉部材85が拡開されると、入球可能となる。開閉部材85は、その拡開状態において第3始動口65に入球した遊技球が所定数に達すると、機械的に待機状態に戻される。なお、開閉部材85およびこれを開閉させるための内部機構が「第2拡開機構」を構成する。なお、以下の説明においては便宜上、開閉部材85の拡開状態を「第3始動口65の開放状態」、開閉部材85の待機状態を「第3始動口65の閉鎖状態」と表現することがある。
作動口68は、第3始動口65の下方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は特定入球口66の普通電動役物83を拡開させるための抽選の契機となる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91および第2大入賞口92は、遊技領域52における右下の領域に上下に隣接するように設けられている。図示のように、作動口68の直下やや左寄りの位置に第1大入賞口91が設けられ、その第1大入賞口91の直下やや左寄りの位置に第2大入賞口92が設けられている。したがって、その2つの大入賞口は、遊技領域52の右側を狙って遊技球を比較的強めに発射したとき、いわゆる右打ちを行ったときに入球しやすくなる配置構成となっている。
第1大入賞口91は、第1の遊技に対応し、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。一方、第2大入賞口92は、第2の遊技に対応し、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。なお、本実施例においては、第1大入賞口91へ入球した場合に付与される賞球よりも、第2大入賞口92に入球した場合に付与される賞球のほうが多くなるように設定されている。すなわち、第2の遊技において特別遊技へ移行させた場合のほうが出玉を期待できる構成とされている。具体的には、両大入賞口について、賞球数(1球入球に対する払い戻し玉数)の違い、もしくはカウント数(大入賞口の閉鎖条件となる遊技球入球可能上限数)の違いのいずれかもしくは双方が異なるように構成してもよい。
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その左下方に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62又は第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第3始動口65への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。
第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193は、それぞれセグメントの複数種類の組合せで表される。セグメントの組合せで表される特別図柄は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄192および第2特別図柄193を表現してもよい。
演出表示装置60の表示領域194には、第1特別図柄192に連動する第1装飾図柄195の変動と、第2特別図柄193に連動する第2装飾図柄196の変動がそれぞれ表示される。演出表示装置60は、例えば液晶ディスプレイである。第1装飾図柄195は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。第2装飾図柄196は、第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、これらの装飾図柄として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口65、特定入球口66、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口又は入球口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。ここで、一例としては、第1始動口62の賞球は3個、第2始動口63の賞球は1個、第3始動口65の賞球は1個とし、第2始動口63および第3始動口65が第1始動口62と比べて賞球数が少なくなるようにしてもよい。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62又は第2始動口63に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において第1装飾図柄195が変動表示される。遊技球が第3始動口65に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において第2装飾図柄196が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、第1装飾図柄195、第2装飾図柄196の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および第1装飾図柄195が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した第1装飾図柄195は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および第2装飾図柄196が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技である。本実施例では、単位遊技が最大回数である16回繰り返される16R特別遊技と、単位遊技が4回繰り返される4R特別遊技とがあるが、前者の16R特別遊技については第2の遊技に対してのみ設けられている。16R特別遊技の場合、第2大入賞口92が約30秒間開放されたとき、または10球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。4R特別遊技の場合、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が約30秒間開放されたとき、または10球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。
停止時の第2特別図柄193および第2装飾図柄196が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第2大入賞口92が約1.8秒間の短開放を行う。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。確変状態は、第1の抽選または第2の抽選が大当りとなるまで継続される。16R大当りの場合はその特別遊技の終了後に必ず確変が開始されるが、4R大当りの場合はその特別遊技の終了後に確変が開始される場合と開始されない場合がある。時短は、第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数に達するまで、または第1の抽選または第2の抽選が大当りとなるまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は遊技領域52の左下方に設けられ、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、特定入球口66が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。
第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62または第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第3始動口65へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、遊技領域の右側領域の構成を示す模式図である。図3(a)に示すように、遊技領域52の右側領域には、遊技領域52の側壁53とセンター飾り64との間に図示のような比較的狭い通路が形成される。本実施例では、遊技領域52におけるその狭い通路を利用し、右打ちがなされたときの遊技球の流下をガイドするガイド通路55が形成されている。そして、そのガイド通路55に沿って特定入球口66、第2始動口63、第3始動口65および作動口68を直列に配置している。ガイド通路55は、複数の遊技釘Wを適切に配置して構成される。図示の例では、特定入球口66の上方、特定入球口66と第2始動口63との間、および第2始動口63と第3始動口65との間に遊技釘Wが配列され、上方から流下してきた遊技球が特定入球口66、第2始動口63、第3始動口65、作動口68を順次経由できるようにガイド通路55が形成されている。本実施例では図示のように、センター飾り64および側壁53のそれぞれと遊技釘Wとの間隔を小さくし、ガイド通路55の途中で遊技球が脱落しないように構成されている。このような構成により、ガイド通路55に導かれた遊技球は、そのとき開放されている最上段の入球口へ入球するようになる。
特定入球口66、第2始動口63および第3始動口65は、当初はいずれも閉鎖状態にある。このため、ガイド通路55へ向けて遊技球が発射されると、その遊技球はこれらの入球口の前面側を通過し、作動口68へ向けて流下する。このとき、作動口68への入球があり、その入球を契機とする作動抽選が当選すると、普通電動役物ソレノイド77が作動して普通電動役物83が拡開し、それによって開放された特定入球口66に遊技球が入球する。この遊技球は、内部の第1拡開機構を通過する際にこれを機械的に作動させる。その結果、図3(b)に示すように開閉部材84が拡開し、それによって開放された第2始動口63に後続の遊技球が入球する。この遊技球は、内部の第2拡開機構を通過する際にこれを機械的に作動させる。その結果、図3(c)に示すように開閉部材85が拡開する。一方、第2始動口63に2球目が入球すると、その遊技球は第1拡開機構を機械的に逆作動させて待機状態に戻す。つまり、第2始動口63は、遊技球が2個入球することにより自律的に閉鎖する。
これにより、開放された第3始動口65に後続の遊技球が入球する。第3始動口65に2球目が入球すると、その遊技球は第2拡開機構を機械的に逆作動させて待機状態に戻す。つまり、第3始動口65は、遊技球が2個入球することにより自律的に閉鎖する。それにより、ガイド通路55に導かれた遊技球が作動口68に再度入球可能な状態となる。このような各入球口の配置構成により、作動口68への入球→作動抽選の当選→普通電動役物83の拡開→特定入球口66への入球→開閉部材84の拡開→第2始動口63への入球→開閉部材84の閉鎖・開閉部材85の拡開→第3始動口65への入球→開閉部材85の閉鎖→作動口68への入球といった遊技循環が形成されるようになる。また、その配置構成により、その遊技循環の過程で第2始動口63と第3始動口65とに実質的に交互に近い態様で入球させることができ、両始動口の入球効率を均一に近づけることができる。その結果、第2始動口63への入球を契機とする第1の抽選と、第3始動口65への入球を契機とする第2の抽選とが、実質的に交互に近い態様で実行されるようになる。
図4は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口65、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、特定入球口66、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開放パターン決定手段123、開閉制御手段124、条件保持手段176、小当り遊技制御手段330を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62又は第2始動口63に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第3始動口65に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。入球判定手段110は、入球情報を受け取ると遊技球が特定入球口66に入球したと判定する。
第1始動口62および第2始動口63への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第3始動口65への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において第1装飾図柄195の変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において第2装飾図柄196の変動表示の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62又は第2始動口63への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第3始動口65への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。図5(a)は通常時に参照されるテーブルであり、図5(b)は確変時に参照されるテーブルである。
すなわち、各当否判定手段による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜327の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜327の範囲に該当する場合だけでなく、328〜1091の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1の抽選と第2の抽選とで大当りに該当する確率は等しい。大当りに該当した場合、それが確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では第1の抽選と第2の抽選に共通の当否判定テーブルを示したが、当否判定テーブルは第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本実施例では第2の抽選に対してのみ小当りが設定される。すなわち、第2の抽選においては確変状態の有無にかかわらず、第1当否抽選値が62261〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。なお、小当りを外れに含めることなく特定の当りとし、当否判定テーブルに個別の範囲を設けてもよい。
本実施例では、第2の遊技において小当りの発生確率を約1/20と比較的高く設定している。これは、後述のように時短中の入球容易状態において第2の遊技を中心に利益状態が高められるため、第2の始動口を狙えば持ち玉を減らすことなく遊技を継続できる可能性が高くなる仕様としたものである。
図4に戻り、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
図6は、第1の遊技の図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1図柄決定手段320は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。ここでは、図柄抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。第1図柄決定手段320は、第1の抽選の結果に応じて図示の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「1」〜「7」の番号と第1図柄抽選値との対応関係が定められている。「1」〜「6」が大当りに対応し、「7」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、特別図柄の種類(番号)、当否種別、特別遊技へ移行した際のラウンド数、確変移行の有無、時短移行の有無および終期がそれぞれ対応づけられている。
図6(a)に示す通り、図柄番号「1」〜「4」は4R確変大当りを示す。図柄番号「1」は図柄抽選値の「0〜25」に対応付けられ、図柄番号「2」は図柄抽選値の「26〜85」に対応付けられ、図柄番号「3」は図柄抽選値の「86〜145」に対応付けられ、図柄番号「4」は図柄抽選値の「146〜165」に対応付けられている。この4R確変大当りは4R確変特別遊技への移行を示し、次回の大当りまでを終期とする確変および時短を伴う。
図柄番号「5」および「6」は4R通常大当りを示す。図柄番号「5」は図柄抽選値の「166〜195」に対応付けられ、図柄番号「6」は図柄抽選値の「196〜255」に対応付けられている。この4R通常大当りは4R通常特別遊技への移行を示す。図柄番号「5」の場合は、現在時短中であるか否かにかかわらず、特別図柄の変動回数50回を終期回数とする時短を伴う。一方、図柄番号「6」の場合は、通常状態からの大当りである場合には時短は付与されないが、時短中からの大当りであれば特別図柄の変動回数50回を終期回数とする時短を伴う。
図6(b)に示す通り、特別図柄の図柄番号「7」は外れを示し、第1図柄抽選値の全範囲に対応付けられている。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
図7は、第2の遊技の図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。第2図柄決定手段322は、第2の抽選の結果に応じて図示の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルにも同様に、特別図柄の種類を示す「8」〜「36」の番号と第2図柄抽選値との対応関係が定められている。「8」〜「19」が大当りに対応し、「20」が外れに対応し、「21」〜「36」が小当りに対応する。
図7(a)に示す通り、図柄番号「8」〜「11」は16R確変大当りを示す。図柄番号「8」は図柄抽選値の「0〜7」に対応付けられ、図柄番号「9」は図柄抽選値の「8〜63」に対応付けられ、図柄番号「10」は図柄抽選値の「64〜117」に対応付けられ、図柄番号「11」は図柄抽選値の「118〜127」に対応付けられている。この16R確変大当りは16R確変特別遊技への移行を示し、次回の大当りまでを終期とする確変および時短を伴う。
図柄番号「12」〜「15」は4R確変大当りを示す。図柄番号「12」は図柄抽選値の「128〜145」に対応付けられ、図柄番号「13」は図柄抽選値の「146〜149」に対応付けられ、図柄番号「14」は図柄抽選値の「150〜155」に対応付けられ、図柄番号「15」は図柄抽選値の「156〜165」に対応付けられている。この4R確変大当りは4R確変特別遊技への移行を示し、次回の大当りまでを終期とする確変および時短を伴う。
図柄番号「16」〜「19」は4R通常大当りを示す。図柄番号「16」は図柄抽選値の「166〜175」に対応付けられ、図柄番号「17」は図柄抽選値の「176〜215」に対応付けられ、図柄番号「18」は図柄抽選値の「216〜245」に対応付けられ、図柄番号「19」は図柄抽選値の「246〜255」に対応付けられている。この4R通常大当りは4R通常特別遊技への移行を示し、確変は伴わないが、特別図柄の変動回数100回を終期回数とする時短を伴う。
図7(b)に示す通り、特別図柄の図柄番号「20」は外れを示し、第2図柄抽選値の全範囲に対応付けられている。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
図7(c)に示す通り、特別図柄の図柄番号「21」〜「36」が小当りに対応付けられている。図柄番号「21」〜「24」は小当りAに対応付けられ、図柄抽選値の「0〜63」が均等に割り当てられている。図柄番号「25」〜「28」は小当りBに対応付けられ、図柄抽選値の「64〜127」が均等に割り当てられている。図柄番号「29」〜「32」は小当りCに対応付けられ、図柄抽選値の「128〜191」が均等に割り当てられている。図柄番号「33」〜「36」は小当りDに対応付けられ、図柄抽選値の「192〜255」が均等に割り当てられている。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。小当り遊技中の大入賞口の開放は短開放となる。なお、小当りA〜Dは、小当り遊技を実行する点で相異はないが、特別図柄の変動パターンを選択するために参照先とする変動パターンテーブルの種類が異なる。この点については後に詳述する。
図4に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図8は、通常状態において参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が大当りのときは図8(b)に示される変動パターンテーブルを参照する。なお、第2パターン決定手段119は、当否判定結果が小当りのときにも図8(b)に示される変動パターンテーブルを参照する。
図8(a)の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値の「0〜191」に「変動パターンA」が対応付けられ、「192〜223」に「変動パターンB」が対応付けられ、「224〜239」に「変動パターンC」が対応付けられ、「240〜247」に「変動パターンD」が対応付けられ、「248〜255」に「変動パターンE」が対応付けられている。変動パターンAはリーチを伴わず、変動時間が5秒に設定されている。変動パターンBはノーマルリーチであり、変動時間が10秒に設定されている。変動パターンC,D,Eはスーパーリーチであり、それぞれ変動時間が30秒,60秒,120秒に設定されている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。なお、本実施例では明示しないが、外れ用の変動パターンテーブルについて、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの選択確率が高く、保留数が多いほど変動時間が相対的に短い変動パターンの選択確率が高くなるように設定された変動パターンテーブルを参照するようにしてもよい。
図8(b)の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値の「0〜31」に「変動パターンB」が対応付けられ、「32〜95」に「変動パターンC」が対応付けられ、「96〜159」に「変動パターンD」が対応付けられ、「160〜255」に「変動パターンE」が対応付けられている。このように、当否判定結果が大当りまたは小当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。図8(a)および(b)を参照して分かるように、当否判定結果が大当りまたは小当りの場合は外れの場合よりも変動時間の長い変動パターンの選択確率が高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
図4に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(普図抽選値)を取得することにより作動抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が特定入球口66の普通電動役物83を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
本実施例では、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、時短中の入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物83が所定時間拡開される。普通電動役物83の開放時間は、例えば通常状態では0.5秒間であり、入球容易状態では6秒間である。普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では30〜60秒間であり、入球容易状態では2秒間である。すなわち、時短中は特定入球口66が「入球容易状態」となる。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、第1の始動口への入球により新たに第1当否抽選値が取得されたときにそれ以前の第1の抽選に対応する第1特別図柄192の変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選値をその抽選に対応する第1特別図柄192の変動表示開始まで保留する。すなわち、第1特別図柄192の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では4個を上限として第1当否抽選値を保留する。第2保留手段146は、第2の始動口への入球により新たに第2当否抽選値が取得されたときにそれ以前の第2の抽選に対応する第2特別図柄193の変動が表示されている場合、新たな第2当否抽選値をその抽選に対応する第2特別図柄193の変動表示開始まで保留する。すなわち、第2特別図柄193の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では4個を上限として第2当否抽選値を保留する。このように、第1の抽選の当否抽選値の保留上限数が4個、第2の抽選の当否抽選値の保留上限数が4個であることから、第1の抽選と第2の抽選とを合わせた当否抽選値の保留上限数は8個ということになる。普図保留手段147は、作動口68への入球により新たに普図抽選値が取得されたときにそれ以前の作動抽選に対応する普通図柄の変動が表示されている場合、新たな普図抽選値をその作動抽選に対応する普通図柄の変動表示開始まで保留する。すなわち、普通図柄の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では、4個を上限として普図抽選値を保留する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150は、それ以前になされた第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148は、第2特図制御手段150により第2の抽選に対応する第2特別図柄193の変動が開始されているか否かにかかわらず、第1の抽選に対応する第1特別図柄192の変動表示を開始する。一方、第2特図制御手段150は、第1特図制御手段148により第1の抽選に対応する第1特別図柄192の変動が開始されているか否かにかかわらず、第2の抽選に対応する第2特別図柄193の変動表示を開始する。これにより、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが互いに他方の変動状態の影響を受けることなく独立に変動表示される並列機としての機能が実現される。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による作動抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。条件保持手段176は、また、大入賞口の開放を伴う単位遊技を1回含む小当り遊技へ移行するための条件として小当り遊技作動条件を保持する。小当り遊技作動条件は、第2の抽選で小当り遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R特別遊技と、単位遊技を4回繰り返す4R特別遊技がある。16R特別遊技においては、1回の単位遊技において第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。4R特別遊技においては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、第2大入賞口92の開閉動作を1回行う遊技であり、1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、第2大入賞口92を原則として約1.8秒間開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。時短中は「入球容易状態」となる。本実施例における確変および時短は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数(第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計)が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に基本的に確変および時短へ移行させる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開放パターン決定手段123は、第1大入賞口91および第2大入賞口92の開閉態様がそれぞれ定められた複数種類の開放パターンから抽選結果に応じた開放パターンを選択する。
開閉制御手段124は、特定入球口66の普通電動役物83や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド77に開放指示を送り、普通電動役物83を開放させる。開閉制御手段124は、開放パターン決定手段123により選択された開放パターンにしたがい、特別遊技において大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄(第1装飾図柄195,第2装飾図柄196)の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄(第1特別図柄192,第2特別図柄193)の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、読み出した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つとも同じ数字の図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が小当りの場合は特定の不揃いの組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択される。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が同じ数字で揃っていない組合せであって、小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンを示す情報を演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、特定のキャラクタのコメントを表示させるコメント予告演出、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけのキャラクタ予告演出、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。なお、本実施例では、このような予告演出のほか、特定の演出モードへ移行された場合に表示されるバトル演出が設けられる。その詳細については後述する。
予告演出パターンには、装飾図柄の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ第1装飾図柄195を含む演出画像を変動表示させる。第1演出制御手段168は、第1当否抽選値の保留順序に基づいて第1の抽選に対応する第1装飾図柄195の変動表示を開始する。第1演出制御手段168は、変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1の抽選に対応する第1装飾図柄195の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。一方、第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ第2装飾図柄196を含む演出画像を変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2当否抽選値の保留順序に基づいて第2の抽選に対応する第2装飾図柄196の変動表示を開始する。第2演出制御手段170は、変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第2の抽選に対応する第2装飾図柄196の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を装飾図柄の変動演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168は、第2演出制御手段170により第2の抽選に対応する第2装飾図柄196の変動が開始されているか否かにかかわらず、第1の抽選に対応する第1装飾図柄195の変動表示を開始する。第2演出制御手段170は、第1演出制御手段168により第1の抽選に対応する第1装飾図柄195の変動が開始されているか否かにかかわらず、第2の抽選に対応する第2装飾図柄196の変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144および第2保留手段146に抽選値が保留されている限り、あるいは、第1の始動口および第2の始動口に入球がある限り、第1装飾図柄195,第2装飾図柄196のそれぞれの変動が互いに独立に表示される。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄の並列的な変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
次に、本実施例の特徴的構成および動作について説明する。
本実施例の遊技機10は、図3に示したように、ガイド通路55によって規制された右側領域に特定入球口66、第2始動口63、第3始動口65、作動口68を直列に配置した特殊な盤面構成を有する。これにより、並列機でありながら、入球容易状態における第2始動口63(第1の始動口)と第3始動口65(第2の始動口)の入球効率の均一化を図っている。本実施例ではこの構成を利用し、第1の遊技と第2の遊技とで各始動口の入球効率を均一化しつつも、変動パターンの変動効率の差異によって遊技者の得失が変化する遊技性を実現する。
具体的には、図8に示した通常状態にて参照される変動パターンテーブル(「通常テーブル」ともいう)に加え、入球容易状態において参照される変動パターンテーブル(「特定変動パターンテーブル」ともいう)を設ける。特定変動パターンテーブルには、大当りを契機に設定される特定テーブルと、小当りを契機に設定される限定テーブルがある。ただし、小当りを契機として遊技状態は変化しないため、入球容易状態の際に小当りを引き当てた場合に設定される限定テーブルとなる。また、本実施例においては入球容易状態において参照される変動パターンテーブルを特定変動パターンテーブルとしているが、それには限らず、例えば通常状態から大当りないし小当りを契機に入球容易状態へ移行しないような際でも「通常状態にて参照する特定変動パターンテーブル」といったものを保持してもよい。特定テーブルには、変動パターンの変動効率が相対的に高くなる傾向にある特定テーブルAと、変動パターンの変動効率が相対的に低くなる傾向にある特定テーブルBとが設けられる。いずれの特定テーブルが設定されるかは大当りの種類、つまり大当りとなったときの特別図柄の種類に応じて決定される。特定テーブルAが設定されると相対的に有利となり、特定テーブルBが設定されると相対的に不利となる。
一方、限定テーブルには、小当りAを契機に設定される限定テーブルA、小当りBを契機に設定される限定テーブルB、小当りCを契機に設定される限定テーブルC、小当りDを契機に設定される限定テーブルDが設けられる。限定テーブルA〜Bは互いに変動効率が異なり、いずれの特定テーブルが設定されるかは小当りの種類、つまり小当りとなったときの特別図柄の種類に応じて決定される。これにより、入球容易状態においていずれの特定テーブルや限定テーブルが設定されるかにつき、遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。以下、具体的内容について説明する。
図9は、特定テーブルAを模式的に示す図である。図9(a)は第1の遊技に用いられるテーブルを示し、図9(b)は第2の遊技に用いられるテーブルを示す。すなわち、特定テーブルAが設定されると、第1パターン決定手段114は図9(a)のテーブルを参照し、第2パターン決定手段119は図9(b)のテーブルを参照する。
図9(a)に示すように、第1の遊技の特定テーブルAにおいては、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンA〜Dが均等に割り当てられる。一方、当否抽選結果が大当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンC,Dが均等に割り当てられる。
また、図9(b)に示すように、第2の遊技の特定テーブルAにおいては、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンS1,S2が均等に割り当てられる。ここで、「変動パターンS1」は、変動時間が3秒に設定されたリーチなしの短縮変動パターンである。「変動パターンS2」は、変動時間が1秒に設定されたリーチなしの超短縮変動パターンである。一方、当否抽選結果が大当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンA,B,S1,S2が均等に割り当てられる。
このように、特定テーブルAは、第1特別図柄192の変動パターンよりも第2特別図柄193の変動パターンのほうが変動時間が相対的に短くなる傾向を有する。すなわち、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193のほうが変動効率が高くなる傾向にある。また、少なくとも第2特別図柄193については、図8に示した通常テーブルと比較しても相対的に変動時間が短くなり、変動効率が高くなる傾向を有する。
図10は、特定テーブルBを模式的に示す図である。図10(a)は第1の遊技に用いられるテーブルを示し、図10(b)は第2の遊技に用いられるテーブルを示す。すなわち、特定テーブルBが設定されると、第1パターン決定手段114は図10(a)のテーブルを参照し、第2パターン決定手段119は図10(b)のテーブルを参照する。
図10(a)に示すように、第1の遊技の特定テーブルBにおいては、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンA〜D,S1,S2が割り当てられる。具体的には、パターン抽選値「0〜127」に対して変動パターンS2が割り当てられ、「128〜191」に対して変動パターンS1が割り当てられ、「192〜255」に対して変動パターンA〜Dが均等に割り当てられる。一方、当否抽選結果が大当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンA〜Dが均等に割り当てられる。
また、図10(b)に示すように、第2の遊技の特定テーブルBにおいては、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンA〜D,S1,S2が割り当てられる。具体的には、パターン抽選値「0〜63」に対して変動パターンS2が割り当てられ、「64〜191」に対して変動パターンS1が割り当てられ、「192〜255」に対して変動パターンA〜Dが均等に割り当てられる。一方、当否抽選結果が大当り又は小当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンA〜C,S1,S2が割り当てられる。具体的には、パターン抽選値「0〜95」に対して変動パターンA,S1,S2が均等に割り当てられ、「96〜223」に対して変動パターンBが割り当てられ、「224〜255」に対して変動パターンCが割り当てられる。
このように、特定テーブルBは、当否抽選結果が外れの場合に、第1特別図柄192の変動パターンのほうが第2特別図柄193の変動パターンよりも変動時間が相対的に短く、変動効率が高くなる傾向を有する。また、第2特別図柄193については特定テーブルAよりも変動時間が相対的に長く、変動効率が低くなる傾向を有する。ただし、少なくとも第2特別図柄193については、図8に示した通常テーブルと比較しても相対的に変動時間が短くなり、変動効率が高くなる傾向を有する。
図11は、限定テーブルを模式的に示す図である。図中の「第1」は第1の遊技を示し、「第2」は第2の遊技を示す。図11(a)は限定テーブルAを示し、図11(b)は限定テーブルBを示し、図11(c)は限定テーブルCを示し、図11(d)は限定テーブルDを示す。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、小当りA〜Dのいずれが発生したかに応じて限定テーブルA〜Dのいずれかを参照する。
図11(a)に示すように、第1の遊技の限定テーブルAにおいては、当否抽選結果にかかわらず、パターン抽選値の全範囲に変動パターンDが割り当てられる。一方、第2の遊技の限定テーブルAにおいては、当否抽選結果にかかわらず、パターン抽選値の全範囲に変動パターンS2が割り当てられる。すなわち、限定テーブルAは、第2特別図柄193の変動効率が極めて高くなる傾向にある。
図11(b)に示すように、第1の遊技の限定テーブルBにおいては、当否抽選結果にかかわらず、パターン抽選値の全範囲に変動パターンEが割り当てられる。一方、第2の遊技の限定テーブルBにおいては、当否抽選結果にかかわらず、パターン抽選値の全範囲に変動パターンS1が割り当てられる。すなわち、限定テーブルBは、限定テーブルAほどではないものの、第2特別図柄193の変動効率が高くなる傾向にある。
図11(c)に示すように、第1の遊技の限定テーブルCにおいては、当否抽選結果にかかわらず、パターン抽選値「0〜63」に対して変動パターンDが割り当てられ、「64〜191」に対して変動パターンEが割り当てられ、「192〜255」に対して変動パターンL1が割り当てられる。ここで、「変動パターンL1」は、変動時間が240秒に設定されたスーパーリーチを伴うロング変動パターンである。一方、第2の遊技の限定テーブルCにおいては、当否抽選結果にかかわらず、パターン抽選値「0〜223」に対して変動パターンS2が割り当てられ、「224〜247」に対して変動パターンS1が割り当てられ、「248〜255」に対して変動パターンDが割り当てられる。すなわち、限定テーブルCは、変動効率が限定テーブルA,Bと比較的近い傾向にあるものの、選択対象となる変動パターンが複数設けられている。
図11(d)に示すように、第1の遊技の限定テーブルDにおいては、当否抽選結果が大当りである場合にパターン抽選値の全範囲に変動パターンDが割り当てられ、当否抽選結果が外れである場合にパターン抽選値の全範囲に変動パターンL2が割り当てられる。ここで、「変動パターンL2」は、変動時間が10000秒に設定されたスーパーリーチを伴う超ロング変動パターンである。この変動パターンL2は、第1特別図柄192の変動中に第2特別図柄193を多数回変動させることを意図するものである。ただし、仮に大当りのときに選択されると、いつまでも第1の遊技の大当り変動がいつまでも停止しないことになり、その間に第2の遊技に係る変動が開始し、その第2の遊技が大当りとなってもその抽選結果は無効とされてしまうため、不都合が生じる。そこで、変動パターンL2については、第1の抽選の結果が外れのときにのみ選択対象となるようにしている。
一方、第2の遊技の限定テーブルDにおいては、当否抽選結果にかかわらず、パターン抽選値の全範囲に変動パターンS2が割り当てられる。すなわち、限定テーブルDは、第1の抽選の結果が外れのときに、第2の抽選において有利な形で大当りを繰り返し取得できる可能性のある変動パターンテーブルである。
図12〜図14は、変動パターンテーブルを設定する際に参照される設定テーブルを模式的に示す図である。図12(a)は通常状態において第1の抽選が大当りとなった場合に参照されるテーブルであり、図12(b)は入球容易状態において第1の抽選が大当りとなった場合に参照されるテーブルである。一方、図13は通常状態において第2の抽選が大当りまたは小当りとなった場合に参照されるテーブルであり、図14は入球容易状態において第2の抽選が大当りまたは小当りとなった場合に参照されるテーブルである。
第1パターン決定手段114は、通常状態において第1の抽選が大当りとなった場合に、図12(a)に示す設定テーブルを参照して変動パターンテーブルを設定する。この設定テーブルにおいては、4R確変大当りを示す図柄番号「1」に対して優勢パターン、「2」に対して劣勢パターン、「3」に対して劣勢変化パターン、「4」に対して優勢変化パターンがそれぞれ設定される。一方、4R通常大当りを示す図柄番号「5」に対して劣勢パターン、「6」に対して通常パターンが設定される。
ここで、「優勢パターン」は、特定テーブルAを設定するパターンであり、ここでは次回の大当りまで設定される。「劣勢パターン」は、特定テーブルBを設定するパターンであり、4R確変大当りの場合は次回の大当りまで設定され、4R通常大当りの場合は時短終期となるまで設定される。「優勢変化パターン」は、当初は相対的に不利な特定テーブルBを設定し、途中から相対的に有利な特定テーブルAに切り替えるパターンである。ここでは時短へ移行してから図柄変動回数30回までの期間は特定テーブルBが設定され、31回以降の次回の大当りまでは特定テーブルAが設定される。「劣勢変化パターン」は、当初は相対的に有利な特定テーブルAを設定し、途中から相対的に不利な特定テーブルBに切り替えるパターンである。ここでは時短へ移行してから図柄変動回数30回までの期間は特定テーブルAが設定され、31回以降の次回の大当りまでは特定テーブルBが設定される。「通常パターン」は、通常テーブルを設定するパターンである。
第1パターン決定手段114は、入球容易状態において第1の抽選が大当りとなった場合に、図12(b)に示す設定テーブルを参照して変動パターンテーブルを設定する。この設定テーブルにおいては、4R確変大当りを示す図柄番号「1」〜「4」に対し、図12(a)と同様のパターンが設定される。一方、4R通常大当りを示す図柄番号「5」に対して優勢パターンが設定され、「6」に対して劣勢パターンが設定される。いずれも時短終期まで設定される。時短終了後は通常テーブルが設定される。すなわち、第1の抽選の結果に基づく変動パターンテーブルの設定については、通常状態から4R通常大当りとなった場合よりも、入球容易状態から4R通常大当りとなった場合のほうが有利となる可能性が高い。
第2パターン決定手段119は、通常状態において第2の抽選が大当りまたは小当りとなった場合に、図13に示す設定テーブルを参照して変動パターンテーブルを設定する。この設定テーブルにおいては、16R確変大当りを示す図柄番号「8」に対して優勢パターン、「9」に対して劣勢パターン、「10」に対して劣勢変化パターン、「11」に対して優勢変化パターンがそれぞれ設定される。また、4R確変大当りを示す図柄番号「12」に対して優勢パターン、「13」に対して劣勢パターン、「14」に対して劣勢変化パターン、「15」に対して優勢変化パターンがそれぞれ設定される。一方、4R通常大当りを示す図柄番号「16」〜「19」に対して劣勢パターンが設定される。なお、小当りの場合には変動パターンテーブルの設定変更はなされず、小当り遊技前の変動パターンテーブルがそのまま引き継がれる。
第2パターン決定手段119は、入球容易状態において第2の抽選が大当りまたは小当りとなった場合に、図14に示す設定テーブルを参照して変動パターンテーブルを設定する。この設定テーブルにおいては、16R確変大当りを示す図柄番号「8」〜「11」および4R確変大当りを示す図柄番号「12」〜「15」に対し、図13と同様のパターンが設定される。一方、4R通常大当りを示す図柄番号「16」〜「18」に対して優勢パターンが設定され、「19」に対して劣勢パターンが設定される。いずれも時短終期まで設定される。時短終了後は通常テーブルが設定される。このように、入球容易状態において4R通常大当りとなった場合、通常状態において4R通常大当りとなった場合よりも優勢パターンが設定される可能性が高い。これは、通常大当りになると、遊技状態が確変状態から非確変状態に転落、あるいは時短終期が短くなるなど、遊技者にとって不利益となる可能性が高い。このため、優勢パターンの確率を高めることで有利な状態へ引き戻す可能性を高め、遊技者の利益に供しようとするものである。
また、小当りAを示す図柄番号「21」〜「24」、小当りBを示す図柄番号「25」〜「28」、小当りCを示す図柄番号「29」〜「32」、小当りDを示す図柄番号「33」〜「36」に対して限定的優勢パターンが設定される。この小当りを契機とする限定的優勢パターンには、図柄変動回数により規定される限定的な終期(以下、「終期回数」ともいう)が設定される。すなわち、小当りAの限定的優勢パターンは限定テーブルAを設定するパターンであり、図柄番号「21」〜「24」に対して1回,3回,5回,10000回の終期回数がそれぞれ設定される。小当りBの限定的優勢パターンは限定テーブルBを設定するパターンであり、図柄番号「25」〜「28」に対して1回,3回,5回,10000回の終期回数がそれぞれ設定される。小当りCの限定的優勢パターンは限定テーブルCを設定するパターンであり、図柄番号「29」〜「32」に対して1回,3回,5回,10000回の終期回数がそれぞれ設定される。小当りDの限定的優勢パターンは限定テーブルDを設定するパターンであり、図柄番号「33」〜「35」に対して1回,3回,5回,10000回の終期回数がそれぞれ設定される。なお、終期回数の10000回は事実上、次回の大当りまで(終期回数が満了するまでには次回の大当りが発生する)を意味する。なお、終期回数の満了後は小当り遊技前の変動パターンテーブルに戻される。なお、変形例においては、この終期回数到達後は一律に優勢パターンが設定されるようにしてもよい。また、特別図柄の停止態様(=小当り種別)に応じて、その終期回数到達後に優勢パターンを「次回の大当りまで」の設定としてもよい。あるいは、劣勢パターンを「次回の大当りまで」として設定としたり、劣勢変化あるいは優勢変化パターンと同様のパターン設定へと移行したりしてもよい。
すなわち、第2の抽選の結果に基づく変動パターンテーブルの設定については、通常状態から4R通常大当り、小当りとなった場合よりも、入球容易状態から4R通常大当り、小当りとなった場合のほうが有利となる可能性が高い。一方、入球容易状態において第2の抽選の結果が大当りとなった場合には、通常状態において第1の当否抽選の結果が大当りとなった場合よりも高い確率で優勢パターンが設定されるようになる。また、通常状態において第1の当否抽選の結果が大当りとなった場合には、入球容易状態において第2の当否抽選の結果が大当りとなった場合よりも高い確率で劣勢パターンが設定されるようになる(図14および図12(a)参照)。言い換えれば、通常状態においては劣勢パターンが繰り返し設定される負の遊技循環に陥りやすいところ、一旦入球容易状態となって優勢パターンが設定されると、その優勢パターンが繰り返し設定される正の遊技循環に移行しやすいという「関門突破型」の遊技性が実現されるようになる。
本実施例では、特別遊技の実行や時短(入球容易状態)の終期を契機に演出モードが変更される。図15は、演出全体の概略構成を示す図である。本実施例においては、通常遊技中の演出モードとして通常モード、高チャンスモード、低チャンスモードが設定されている。通常遊技の通常状態は通常モードに該当する。この通常モードでは、装飾図柄による図柄変動演出、その図柄変動演出に付加的に表示される予告演出などが表示される。予告演出には上述のように、コメント予告,キャラクタ予告,群予告等が含まれ、予告演出の種類に応じて大当りとなる期待度が設定されている。
通常モードにおいて大当りが発生すると、その特別遊技への移行とともに大当り演出モードへ移行される。特別遊技中の演出については説明を省略するが、特別遊技中に「特別遊技後に付与される時短(入球容易状態)におけるパターン設定種別がどれなのかを示唆する演出を行ってもよい。特別遊技の終了後に時短に移行されて入球容易状態になると、高チャンスモードまたは低チャンスモードへ移行される。「高チャンスモード」は、特定テーブルAまたは限定テーブルが設定されたことを移行条件とし、それらの変動パターンテーブルが選択された有利な状態であることを示す演出モードである。
高チャンスモードにおいては、メインキャラクタと敵キャラクタが戦うバトル演出が表示される。このバトル演出は、メインキャラクタの勝利により確変大当り(16R確変大当りまたは4R確変大当り)の確定を示唆する演出である。高チャンスモードの継続期間、つまり時短の終期までにメインキャラクタが最終的に勝利できなければ、確変大当りを獲得できなかったことになる。具体的には、敵キャラクタとしてキャラクタX〜Zが設定されている。キャラクタの強さはX>Y>Zとなっている。このため、最強のキャラクタXが登場するとメインキャラクタが敗北する可能性が高く、確変大当り発生への期待度は小さくなる。逆に、最弱のキャラクタZが登場するとメインキャラクタが勝利する可能性が高く、確変大当り発生への期待度は大きくなる。また、メインキャラクタが繰り出す攻撃技についても必殺技x,y,zが設定されており、その効果はx<y<zとなっている。このため、相対的に効果の小さい必殺技xが繰り出されるとメインキャラクタが敗北する可能性が高く、確変大当り発生への期待度は小さくなる。逆に、相対的に効果の大きい必殺技zが繰り出されるとメインキャラクタが勝利する可能性が高く、確変大当り発生への期待度は大きくなる。他にも敵キャラクタの攻撃技や、メインキャラクタがその攻撃を避けられるか否かによって期待度が変わるよう設定されているが、その詳細については説明を省略する。なお、変形例においては、メインキャラクタの勝利により優勢パターンへの移行確定を示唆する演出としてもよい。また、時短終期を図柄変動回数にて規定する終期回数で定める場合には、メインキャラクタの勝利により単に大当り確定を示唆する演出としてもよい。あるいは、メインキャラクタの勝利により確変大当りおよび優勢パターンのいずれもが確定したことを示唆し、引き分けにより確変大当りの確定のみを示唆し、敗北により確変大当りおよび優勢パターンのいずれも確定しなかったことを示唆してもよい。
「低チャンスモード」は、特定テーブルBが設定されたことを移行条件とし、高チャンスモードよりも相対的に不利な状態であることを示す演出モードである。低チャンスモードにおいても同様に、メインキャラクタと敵キャラクタが戦うバトル演出が表示される。しかし、高チャンスモードよりも強い敵キャラクタが出現するため、高チャンスモードと比べてメインキャラクタが勝利し難い状態となる。低チャンスモードにおいても、その継続期間、つまり時短の終期までにメインキャラクタが最終的に勝利できなければ、確変大当りを獲得できなかったことになる。具体的には、敵キャラクタとしてキャラクタα〜γが設定されている。キャラクタの強さはα>β>γとなっている。また、メインキャラクタが繰り出す攻撃技についても必殺技a,b,cが設定されており、その効果はa<b<cとなっている。なお、変形例においては、メインキャラクタの勝利により優勢パターンへの移行確定を示唆する演出としてもよい。また、時短終期を図柄変動回数にて規定する終期回数で定める場合には、メインキャラクタの勝利により単に大当り確定を示唆する演出としてもよい。あるいは、メインキャラクタの勝利により確変大当りおよび優勢パターンのいずれもが確定したことを示唆し、引き分けにより確変大当りの確定のみを示唆し、敗北により確変大当りおよび優勢パターンのいずれも確定しなかったことを示唆してもよい。
演出モードの遷移契機は図示のようになる。すなわち、各演出モードにおいて大当りを契機に優勢パターンが設定されると、特定テーブルAが設定されるため、高チャンスモードへ移行される。一方、劣勢パターンが設定されると、特定テーブルBが設定されるため、低チャンスモードへ移行される。優勢変化パターンが設定されると、時短移行当初に特定テーブルBが設定されるため、当初は低チャンスモードへ移行されるが、図柄変動30回分の期間を経過すると特定テーブルAが設定されるため、高チャンスモードへ移行される。劣勢変化パターンが設定されると、時短移行当初に特定テーブルAが設定されるため、当初は高チャンスモードへ移行されるが、図柄変動30回分の期間を経過すると特定テーブルBが設定されるため、低チャンスモードへ移行される。なお、各演出モードにおいて時短終期が設定されている場合には、その時短終期の満了とともに通常テーブルに切り替えられ、通常モードへ移行される。
一方、通常モードにおいて小当りが発生しても変動パターンテーブルの切り替えがないため、演出モードの切り替えもないが、低チャンスモードにおいて小当りが発生すると、限定テーブルに切り替えられるため、設定された限定期間が経過するまで高チャンスモードへ切り替えられる。高チャンスモードにおいて小当りが発生しても限定テーブルが設定されるため、演出モードの切り替えはない。このように、演出モードが変動パターンテーブルに対応づけられているため、いずれの演出モードの演出が表示されているかにより、現在の変動パターンテーブルの有利または不利を認識することができる。特に特定テーブルAによれば図柄の変動効率も高くなる傾向にあり、上述した正の遊技循環が形成されやすくなるため、高チャンスモードに移行されると遊技者の期待感も高まる。
図16〜図18は、演出表示装置に表示される演出表示例を表す図である。各図の(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。図16(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194には、画面右上部に第1装飾図柄195の変動表示領域が設定され、画面左下部に第2装飾図柄196の変動表示領域が設定されている。各装飾図柄は、基本的には図示のように画面隅部に表示され、表示領域194の中央に予告演出等が比較的大きく表示される。第1装飾図柄195と第2装飾図柄196は、互いに干渉することなく独立に変動表示される。なお、本実施例では第1装飾図柄195の各図柄列を構成する停止図柄候補として「1」〜「7」が設定され、そのうち「1」〜「6」は青色をなし、「7」は赤色をなす。一方、第2装飾図柄196の各図柄列を構成する停止図柄候補についても「1」〜「7」が設定されるが、「4」以外は全て赤色をなす。この「赤色」は「青色」よりも有利であることを示唆する。すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技のほうが大当りとなった後に有利なパターン設定となり、特定遊技の終期回数が多い、確変状態へ移行しやすいなど利益が大きいため、第2装飾図柄196については赤色を基調とする。一方、第1の遊技は相対的に利益が小さいため青色を基調とするが、当り図柄組合せが表示されたときに確変大当りを示す「7」は遊技者の期待感を高めるため、赤色としている。
高チャンスモードに移行されると、図16(b)に示すように、高チャンスモードであることを示すために背景が青色となり、バトル演出が表示される。図示の例では、敵キャラクタZが出現するZバトルが表示されている。遊技者は、高チャンスモードであることにより、比較的有利な状態にあることを認識し、さらにいずれの敵キャラクタが出現するかにより大当りの可能性の高低を判断することができる。なお、同図は劣勢変化パターンが設定された状態を示しており、画面左部には、特定テーブルAが設定された状態の残存期間を示すカウントダウン表示がなされている。また、その残存期間に第2の遊技で大当りを獲得することを奨める「今のうちに撃破だ!」という演出表示もなされている。図示の例では、第2装飾図柄196がリーチを示している。図16(c)には、Zバトルにおいてメインキャラクタが勝利し、第2装飾図柄196により「大当り」が発生したことが示されている。図示の例では、残り3回となる図柄変動にて大当りとなった様子が示されている。なお、当否抽選の結果が大当りとなった場合には、画面隅部に表示されていた装飾図柄が画面中央に拡大され、強調表示される。
一方、低チャンスモードに移行されると、図17(a)に示すように、低チャンスモードであることを示すために背景が赤色となり、バトル演出が表示される。図示の例では、敵キャラクタαが出現するαバトルが表示されている。遊技者は、低チャンスモードであることにより、高チャンスモードよりも不利な状態にあることを認識し、さらにいずれの敵キャラクタが出現するかにより大当りの可能性の高低を判断することができる。なお、同図は優勢変化パターンが設定された状態を示しており、画面左部には、特定テーブルBが設定された状態の残存期間を示すカウントダウン表示がなされている。また、その残存期間に第1の遊技で大当りを獲得するのではなく、残存期間経過後に第2の遊技で大当りを獲得することを奨める「耐えろ!」という演出表示もなされている。
第2の遊技において小当りが発生すると、図17(b)に示すように、第2装飾図柄196により小当り図柄組合せが表示されるとともに、「チャンスタイム突入!」といった演出表示がなされる。これは、限定的な期間だけ高チャンスモードへ移行されるため、その期間に第2の遊技で大当りを獲得することを奨めるものである。そして、小当り遊技中に第2大入賞口92へ入球があったことを契機に、図17(c)に示すように、画面左部にそのチャンスタイムの残存期間が表示される。
また、本実施例では、第1の遊技の図柄変動時間が長くなる場合、長変動である旨を示唆する特定演出が表示される。この「特定演出」は、遊技者に第1の抽選による大当りを回避しつつ、第2の抽選による大当りを早急に発生させることを促し、その期待感を煽るものである。本実施例では、低チャンスモードにおいて第1の遊技にて変動パターンDが選択された場合に、当否抽選結果にかかわらず特定演出が表示される。
図18(a)に示す例では、画面左上部に第1装飾図柄195の長変動である旨を示す「ロング変動−60秒」の演出と、第3始動口65への入球を促す「右打ちで第2の始動口を狙え!」の演出が表示されている。また、画面左部にその長変動の残り時間を示すカウントダウン表示がなされている。この特定演出の表示中においては、図18(b)に示すように、第3始動口65への入球による第2装飾図柄196の変動開始のたびにその当否抽選結果を示唆するよう演出内容が切り替えられる。図示の例では、メインキャラクタが拡大し、敵キャラクタが縮小する演出内容により、当否抽選結果が大当りである可能性が高いことを示している。逆に、当否抽選結果が外れである可能性が高いことを示すために、メインキャラクタが縮小し、敵キャラクタが拡大する演出が表示される場合もある。図18(c)には、長変動の間にメインキャラクタが勝利し、第2装飾図柄196により「大当り」が発生したことが示されている。図示の例では、第1装飾図柄195の変動停止までに残り3秒となる図柄変動にて大当りとなった様子が示されている。
なお、本実施例は並列機に係るものであるが、第1の抽選と第2の抽選の一方で大当りの変動が開始された後、他方で大当りが発生したとしても、その他方の当否抽選結果は無効とされる。すなわち本実施例では、一方の抽選によって大当りの変動が開始され、その後から他方の抽選に係る変動が開始した場合は、その他方の当否抽選が(大当りであっても)無効とされる。そして、一方の抽選によって特別図柄が大当り態様で停止した際に他方の特別図柄がいまだ変動中であった場合は、その他方の変動を中止する(つまり、その一方の抽選による特別遊技後に他方の抽選の図柄変動を次変動から開始する)。なお、変形例においては、一方の抽選によって大当りの変動が開始され、その後から他方の抽選に係る変動が開始した場合に、その他方の変動については無抽選変動としてもよい。また、一方の抽選によって特別図柄が大当り態様で停止した際に他方の特別図柄がいまだ変動中であった場合に、その変動を一時中断し(タイマを一時停止してもよい)、その特別遊技後にその中断状態から再開してもよい。これは、先に変動を開始したほうの当否抽選結果を優先するためである。したがって、第1の抽選と第2の抽選とが独立に実行されるものの、一方の大当りが他方の抽選に影響を与えることがある。このため、特定演出は、その長変動に係る第1の抽選が外れであれば、その変動中に第2の抽選にて大当りを引き当てることに意義があるが、その長変動に係る第1の抽選が大当りであれば、その変動中に第2の抽選にて大当りを引き当てることに意義はない。むしろ、遊技者は第2の抽選について保留を消化するのみで不利益を被りかねない。すなわち、この特定演出が示す長変動が大当りによるものか外れによるものかにより、遊技者の利益が大きく影響を受ける可能性があり、いわゆる「DEADorALIVE」的な遊技性を実現することができる。
図19は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、第3始動口65、特定入球口66、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図20は、図19におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。入球判定手段110は、始動口(第1始動口62、第2始動口63、第3始動口65)への入球が検出されると(S200のY)、その始動口に対応する規定賞球数をセットする(S202)。そして、当否抽選値を取得し(S204)、保留制御手段116による当否抽選値の保留数が第1の遊技および第2の遊技のそれぞれについて4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S206のY)、その当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S208)。S206において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合は(S206のN)、S208の処理をスキップする。S200において入球検出がない場合には(S200のN)、S202からS208の処理をスキップする。
作動口68に入球があった場合(S210のY)、普図抽選値を取得し(S212)、保留制御手段116による普図抽選値の保留数が4未満であるか参照してさらに保留可能な状態であれば(S214のY)、その普図抽選値を保留制御手段116に保留する(S216)。S214において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合には(S214のN)、S216の処理をスキップする。S210において作動口68への入球がない場合は(S210のN)、S212からS216までの処理をスキップする
特定入球口66に入球があった場合(S218のY)、特定入球口66に対応する規定賞球数をセットする(S220)。特定入球口66への入球がないときは(S218のN)、S220の処理をスキップする。一般入賞口72に入球があった場合(S222のY)、一般入賞口72に対応する規定賞球数をセットする(S224)。一般入賞口72への入球がないときは(S222のN)、S224の処理をスキップする。
大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)に入球があった場合(S226のY)、大入賞口に対応する規定賞球数をセットする(S228)。大入賞口への入球がないときは(S226のN)、S228の処理をスキップする。
図21は、図19におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、メイン基板102における特別図柄の処理(S230)、サブ基板104における演出制御処理(S232)、およびメイン基板102における普通図柄の処理(S234)が、繰り返し実行される。
図22は、図21におけるS230の特別図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。まだ第1特別図柄192の変動表示が開始されていない場合(S240のN)、第1保留手段144が第1当否抽選値を保留していれば(S242のY)、第1抽選手段126が第1保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S244)、第1特別図柄192の停止図柄を決定し(S246)、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S248)。なお、本実施例では、第1当否抽選値の保留がゼロの状態から第1の始動口に新たな入球があっても保留を行うものとする。このとき、先に第2の抽選が大当りとなり、それを示すための第2特別図柄193の変動表示が開始されていれば(S250のY)、第1無効フラグをオンにする(S252)。そして、第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S254)。
ここで、「第1無効フラグ」は、既に第2の抽選が大当りであることを示す図柄変動が開始されていれば、その変動中に実行された第1の抽選が大当りとなってもこれを無効とするものである。すなわち、並列機であるために、決定された変動パターンの変動時間の長さによっては後の抽選結果が先の抽選結果を追い越して表示されてしまう可能性があるところ、先に大当りとなった抽選結果がある場合にはこれを優先するものである。第2特別図柄193による大当りを示す変動中でなければ(S250のN)、S252の処理をスキップする。第1当否抽選値が保留されていなければ(S242のN)、S244からS254の処理をスキップする。第1特別図柄192の変動表示が既に開始されていれば(S240のY)、第1特別図柄192の変動表示処理を実行する(S256)。そして、第1特別図柄192の変動停止タイミングであれば(S258のY)、第1特別図柄192の変動停止処理を実行する(S259)。変動停止タイミングでなければ(S258のN)、S259の処理をスキップする。
同様に、第2特別図柄193の変動表示が開始されていない場合(S260のN)、第2保留手段146が第2当否抽選値を保留していれば(S262のY)、第2抽選手段128が第2保留手段146から第2当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S264)、第2特別図柄193の停止図柄を決定し(S266)、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S268)。なお、本実施例では、第2当否抽選値の保留がゼロの状態から第2の始動口に新たな入球があっても保留を行うものとする。このとき、先に第1の抽選が大当りとなり、それを示すための第1特別図柄192の変動表示が開始されていれば(S270のY)、第2無効フラグをオンにする(S272)。そして、第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S274)。
ここで、「第2無効フラグ」は、既に第1の抽選が大当りであることを示す図柄変動が開始されていれば、その変動中に実行された第2の抽選が大当りとなってもこれを無効とするものである。先に大当りとなった抽選結果がある場合にはこれを優先するものである。第1特別図柄192による大当りを示す変動中でなければ(S270のN)、S272の処理をスキップする。第2当否抽選値が保留されていなければ(S262のN)、S264からS274の処理をスキップする。第2特別図柄193の変動表示が既に開始されていれば(S260のY)、第2特別図柄193の変動表示処理を実行する(S276)。そして、第2特別図柄193の変動停止タイミングであれば(S278のY)、第2特別図柄193の変動停止処理を実行する(S279)。変動停止タイミングでなければ(S278のN)、S279の処理をスキップする。
図23は、図22におけるS259およびS279の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。なお、説明の便宜上、第1特別図柄192および第2特別図柄193を適宜「特別図柄」と総称し、第1の抽選および第2の抽選を適宜「当否抽選」と総称する。当否抽選の結果が大当りであった場合(S50のY)、無効フラグ(第1特別図柄192の変動停止処理の場合は第1無効フラグ、第2特別図柄193の変動停止処理の場合は第2無効フラグ)がオンでなければ(S51のN)、その当否抽選結果(大当り)を示す図柄を停止する処理を実行する(S52)。そして、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S54のY)、時短の設定をオンする(S56)。時短を伴う図柄でなければ(S54のN)、S56の処理をスキップする。さらに確変を伴う図柄であれば(S58のY)、確変の設定をオンし(S60)、確変を伴う図柄でなければ(S58のN)、確変の設定をオフする(S62)。そして、特別遊技へ移行する(S64)。16R大当りである場合は16R特別遊技へ移行し、4R大当りである場合には4R特別遊技へ移行する。なお、ここで設定された確変のオンおよび時短のオンは、特別遊技の終了後に有効となる。また、このとき他方の遊技の無効フラグがオンになっていれば、これをオフにしてリセットする(S66)。一方、無効フラグがオンであれば(S51のY)、当否抽選結果を無効とするために外れを示す図柄を停止する処理を実行する(S68)。
一方、大当りでなかった場合には(S50のN)、その当否抽選結果(小当りまたは外れ)を示す図柄を停止する処理を実行する(S70)。そして、時短中であれば(S72のY)、その時短の終期となっていれば(S74のY)、時短の設定をオフにする(S76)。既に述べたように、時短の終期は、設定された終期回数に到達したことである。なお、時短の終期が「次回の大当りまで」とされている場合は、その次回の大当りが時短終期(時短終了条件の充足)となる。時短の終期となっていなければ(S74のN)、S76の処理をスキップする。時短中でなければ(S72のN)、S74およびS76の処理をスキップする。そして、小当りであった場合には(S78のY)、小当り遊技へ移行する(S80)。小当りでなかった場合、つまり外れであった場合には(S78のN)、S80の処理をスキップする。
このとき、上述した優先変化パターンまたは劣勢変化パターンによる特定テーブルAと特定テーブルBとの切り替えタイミング、時短終期満了による通常テーブルへの切り替えタイミング、あるいは限定的優勢パターンから元のパターンに戻る切り替えタイミング(限定期間の終期)であれば(S82のY)、それにしたがって変動パターンテーブルを切り替える(S84)。変動パターンテーブルの切り替えタイミングでなければ(S82のN)、S84の処理をスキップする。
図24は、図21におけるS232の演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S280のY)、受信した当否判定結果および特別図柄の停止図柄に応じて装飾図柄の停止態様を決定する(S282)。このとき、上述した図23のS68の処理において特別図柄が外れ図柄とされた場合には、装飾図柄の停止態様として外れ図柄組合せが決定されることになる。また、受信した当否判定結果および変動パターンに応じて変動演出パターンを決定し(S284)、予告演出パターンを決定する(S286)。そして、演出表示制御手段134は、装飾図柄による図柄変動演出、予告演出などの表示制御を開始する(S288)。
変動開始コマンドを受信していない場合には(S280のN)、S282からS288の処理をスキップする。そして、既に装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S290のY)、その演出表示処理を実行し(S292)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S294のY)、S282で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S296)。また、演出モードの切替処理を実行する(S298)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S294のN)、S296およびS298の処理をスキップする。変動表示が開始済みでないときは(S290のN)、S292からS298の処理をスキップする。
図25は、図24におけるS298のモード切替処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果が大当りであれば(S300のY)、大当り演出モードへ移行させる(S302)。当否抽選の結果が大当りでなかった場合(S300のN)、現在チャンスモード(高チャンスモードまたは低チャンスモード)中であれば(S304のY)、時短の設定がオフにされているか否かを判定する。このとき、時短の設定がオフであれば(S306のY)、通常モードへ移行させる(S308)。時短の設定がオンのままであれば(S306のN)、チャンスモードの切り替えタイミングであれば(S310のY)、その切り替えを実行する(S312)。すなわち、優先変化パターンまたは劣勢変化パターンによる特定テーブルAと特定テーブルBとの切り替えタイミング、あるいは限定的優勢パターンから元のパターンに戻る切り替えタイミング(限定期間の終期)であれば、それにしたがって演出モードを切り替える。チャンスモードの切り替えタイミングでなければ(S310のN)、S312の処理をスキップする。チャンスモード中でなければ(S304のN)、S306からS312の処理をスキップする。
図26は、図21におけるS234の普通図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。普図保留手段147に普図抽選値の保留がなされている場合(S320のY)、普通図柄が変動表示中でなければ(S322のN)、普図抽選手段136が普図保留手段147から普図抽選値を読み出して当否を判定し(S324)、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定し(S326)、その普通図柄の変動時間を決定する(S328)。そして、決定されたタイミングにて普通図柄の図柄変動を開始する(S330)。普通図柄が変動表示中であった場合は(S322のY)、S324からS330までの処理はスキップされる。普図抽選値が保留されていなかった場合は(S320のN)、S322からS330までの処理はスキップされる。
続いて、普通図柄の変動表示が開始済であれば(S332のY)、普通図柄の変動表示を処理し(S334)、設定された変動時間が経過して普通図柄の変動表示の停止タイミングに達したときは(S336のY)、変動表示中の普通図柄を停止させる(S338)。このとき、停止図柄が当り態様であれば(S340のY)、特定入球口66(普通電動役物83)を拡開させる開放時間を決定する(S342)。すなわち、このとき時短中であれば比較的長い時間値(本実施例では6秒)が設定され、時短中でなければ比較的短い時間値(本実施例では0.5秒)が設定される。そして、その開放時間にしたがって普通電動役物83を作動させて特定入球口66を開放させる(S344)。一方、停止図柄が当り態様でなければ(S340のN)、S342およびS344の処理はスキップされる。普通図柄の変動表示の停止タイミングでなければ(S336のN)、S338からS344の処理はスキップされる。普通図柄の変動表示が開始されていないときは(S332のN)、S334からS344の処理はスキップされる。
図27は、図19におけるS16の特別遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、未だ特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技の種類に応じた大入賞口の開放パターンを設定し(S93)、特別遊技中に表示させる大当り演出を設定する(S94)。そして、特別遊技を開始し(S95)、その大当り演出の表示を開始する(S96)。
一方、既に特別遊技が開始済みである場合(S92のY)、大入賞口が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行する(S100)。このとき、ラウンドごとの大当り演出の表示も実行する。一方、大入賞口が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了する(S118)。このとき、大当りの種類に応じて変動パターンテーブルを設定し(S120)、それに合わせて演出モードを切り替える(S122)。そして、特定遊技、つまり確変、時短、および入球容易状態を開始する(S126)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118からS126の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図28は、図27におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開放パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図29は、図27におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、この特別遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から開放パターンに沿った設定時間の経過である。16R特別遊技および4R特別遊技ともに大入賞口の開放開始から30秒の経過である。このとき、単位遊技の繰り返し数が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。この継続上限回数は16R特別遊技であれば16回であり、4R特別遊技であれば4回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図30は、図19におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、未だ小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、大入賞口の開放パターンを設定して小当り遊技を開始し(S154)、開始デモ演出の表示を開始する(S156)。一方、既に小当り遊技が開始済みであれば(S152のY)、大入賞口(第2大入賞口92)が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S162)。そして、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。
S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S177)。このとき、小当りの種類に応じて変動パターンテーブルを設定し(S178)、それに合わせて演出モードを切り替える(S179)。終了デモ演出が終了していない場合には(S176のN)、S178以降の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、S152以降のフローをスキップする。
図31は、図30におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開放パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図32は、図30におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、例えば、大入賞口の開放開始から1.8秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
(変形例1)
上記実施例においては、小当りを第2の遊技に対してのみ設ける構成を示した。変形例においては、小当りを第1の遊技および第2の遊技の双方に設けてもよい。そして、第2の遊技における小当りの発生確率を第1の遊技よりも高く設定してもよい。このような設定によっても、上記実施例に示した遊技性を担保することができる。
(変形例2)
上記実施例においては、普通電動役物83として特定入球口66を開閉するタイプのものを採用したが、いわゆる電動チューリップと呼ばれる部材のように、特定入球口66の開口部を入球困難となるように小さくする待機状態と、その開口部を入球容易となるように大きくする拡開状態との間で変化させるタイプのものを採用してもよい。また、開閉部材84として第2始動口63を開閉するタイプのものを採用したが、第2始動口63の開口部を入球困難となるように小さくする待機状態と、その開口部を入球容易となるように大きくする拡開状態との間で変化させるタイプのものを採用してもよい。同様に、開閉部材85として第3始動口65を開閉するタイプのものを採用したが、第3始動口65の開口部を入球困難となるように小さくする待機状態と、その開口部を入球容易となるように大きくする拡開状態との間で変化させるタイプのものを採用してもよい。
(変形例3)
上記実施例においては、変動パターン選択基準を変動パターンテーブル、つまりパラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現する例を示したが、一方のパラメータから他方のパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現してもよい。また、上記の実施例においては、単位遊技(ラウンド)において大入賞口が1回開放される例を示したが、複数回開放されるようにしてもよい。
(変形例4)
上記実施例においては、大入賞口を複数設ける例を示した。変形例においては、例えば共用の大入賞口を1つ設け、いずれの遊技においてもその大入賞口を開放させるようにしてもよい。また、上記実施例においては、第1の遊技においては第1大入賞口91のみを開放し、第2の遊技においては第2大入賞口92のみを開放する例を示した。変形例においては、第1の遊技および第2の遊技の少なくとも一方において第1大入賞口91および第2大入賞口92の双方を開放するようにしてもよい。
(変形例5)
上記の実施例においては、16R特別遊技および4R特別遊技について、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間を30秒とする例を示した。変形例においては、同じラウンド数でも大入賞口の開放パターンが異なる特別遊技を設けてもよい。例えば、16R特別遊技として単位遊技あたりの大入賞口の開放時間が30秒の長開放に設定される16R通常特別遊技と、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間が0.5秒の短開放に設定される特定単位遊技を少なくとも1R(=1単位遊技)有する16R特定特別遊技を設けるようにしてもよい。さらに、第1の遊技および第2の遊技ともに特定特別遊技を保持してよいが、第2の遊技のほうが通常特別遊技の割合が相対的に高くしてもよい。そして、第1の遊技に16R特定特別遊技を設定し、第2の遊技に16R通常特別遊技を設定するようにしてもよい。
あるいは、第1の遊技および第2の遊技ともに16R特別遊技にて統一し、第1の遊技には16R特定特別遊技のみを設定し、第2の遊技には16R通常特別遊技および16R特定特別遊技の双方を設定するようにしてもよい。このように構成することで、両16R特別遊技において大入賞口への入球容易性を異ならせることができ、結果的に上記実施例と同様に第1の遊技と第2の遊技の出玉率に差異を持たせることができる。また、特別遊技のラウンド数を特定特別遊技であるか通常特別遊技であるかによらず共通とすることで、いわゆるラウンド表示灯を設ける必要がなくなる。
(変形例6)
上記実施例では、図6および図7に示したように、確変移行された場合の終期を次回の大当りまでとした。変形例においては、第1の遊技と第2の遊技の少なくとも一方において、確変状態の終期を、第1の遊技と第2の遊技の少なくとも一方における図柄変動回数により規定される終期回数により設定するようにしてもよい。例えば時短の終期回数と一致させるようにしてもよい。
(変形例7)
上記実施例では述べなかったが、いわゆる「玉確抽選」の仕様を採用してもよい。具体的には、大入賞口内に特定領域を設け、特定領域への入球により確変移行をさせる仕様である。すなわち、始動口への入球を契機とした当否抽選の結果が大当りとなり、特別遊技へ移行されると、大入賞口が開放される。それによって大入賞口に遊技球が入球して特定領域を通過すると確変状態へ移行され、また、時短へ移行される。つまり、特定領域への入球有無は、確変状態へ移行するか否かを決定するための抽選(玉確抽選)の結果を示し、特定領域に入球すれば当選となる。玉確抽選に当選すると確変状態へ移行されるため、その特別遊技後に大当りが発生し易くなる。また、さらに時短へ移行されると図柄変動時間が短縮されるため、確変状態での当否抽選が短いインターバルで行われるようになり、相対的に早期に大当たりが発生し易くなる。その結果、特別遊技へ連続的に移行されやすくなり、いわゆる大当りの連荘が実現されやすくなる。ただし、玉確抽選の当選確率が概ね設定できるよう、大入賞口における特定領域の上流側には可動役物を設け、これを電気的に制御することにより、概ね一定の確率で特定領域へ入球するように設定するのが良い。好適な例としては、大入賞口の開放パターンに依存し、長開放ならば特定領域へ入球容易となる作動を長時間行う(=大入賞口開放時間に依存して作動するので、大入賞口閉鎖するまでは有利な作動態様)、短開放ならば特定領域へ入球容易となる作動を長時間行わない(=大入賞口開放時間に依存して作動するので、大入賞口閉鎖がすぐなので有利な作動態様はほんの一瞬)、とすることが挙げられる。この場合、確変の終期として終期回数を設定してもよい。
具体的には、例えば上記実施例の盤面構成において、相対的に賞球が少ない第1大入賞口91を内部に玉確抽選用の特定領域を設け、相対的に賞球が多い第2大入賞口92には特定領域を設けない構成としてもよい。そして、特別遊技の特定のラウンド(例えば第4ラウンドのみ、あるいは第3,第4ラウンドなど)において、第1大入賞口91が開放するようにしてもよい。特定領域への入球有無が、実質的に大入賞口の開放パターンにより決定されるようにしてもよい。すなわち、第1大入賞口91が長開放となれば実質的に玉確抽選が当選し、短開放となれば実質的に玉確抽選が外れとなる仕様としてもよい。
このような構成によれば、第2の抽選が大当りになると、確実に確変状態へ移行される。しかし、第1の抽選が大当りになっても確変状態へ移行される場合と移行されない場合が生じる。そこで、第1の抽選が大当りとなった場合、特別遊技中の大当り演出としてバトル演出を表示させ、特定テーブルAおよび特定テーブルBのいずれが設定されるかを煽るようにしてもよい。例えば、通常状態において第1の抽選が大当りとなった場合(ケース1)、入球容易状態において第1の抽選が大当りとなった場合(ケース2)、入球容易状態において第2の抽選が大当りとなった場合(ケース3)を想定し、ケース3>ケース2>ケース1の順に相対的に変動パターンの変動効率が高くなるよう変動パターンテーブルを構成してもよい。このような構成においても、ケース1が繰り返される相対的に不利な遊技循環から第2の抽選にて大当りを取得することにより、ケース3が繰り返される相対的に有利な遊技循環へ遷移する関門突破型の遊技性を実現することができる。
(変形例8)
また、上記実施例では並列機において第1の始動口として第1始動口62および第2始動口63を設け、第2の始動口として第3始動口65を設けたが、拡開機構を有しない第1の始動口と、拡開機構を有する第2の始動口を一つずつ設けてもよい。その場合、上記実施例の第1始動口62と第3始動口65のみ設けてもよい。その場合、上記実施例のように右打ち仕様とせずに、遊技領域52の中央に第3始動口65を設けた左打ち仕様としてもよい。具体的には、第1始動口62の直下に拡開機構を有する第3始動口65を設けてもよい。拡開機構は、上記実施例のような開閉タイプでもよいが、いわゆる電動チューリップのように第3始動口65を完全に閉じることなくその入球容易性を変化させるものでもよい。このような構成によれば、遊技者は、この並列機において、通常遊技中は第1始動口62を狙って遊技をする、つまり左打ちするようになる。入球容易状態でなければ第3始動口65が拡開し難いため、相対的に不利となるためである。
(変形例9)
上記実施例では図3に示した盤面構成を並列機に適用する例を示した。変形例においては、直列機に同様の盤面構成を適用してもよい。このようにすれば、直列機において第1の遊技に係る第1の図柄と、第2の遊技に係る第2の図柄とを交互に変動させることが可能となる。このような構成において、上記実施例に示したように第2の抽選のほうが第1の抽選よりも相対的に利益が高くなるようにすれば、入球容易状態においてどちらの図柄変動で大当りが表示されるのかを毎変動注目できるようになる。
(変形例10)
上記実施例では、特定入球口66への入球により第2始動口63を開放するようにしたが、特定入球口66への入球を契機に第2始動口63および第3始動口65の双方の拡開機構が同時に開放するように内部機構(機械的機構)を構成してもよい。また、このように両始動口を機械的に開放させる場合には、特定入球口66への1個の入球でなくとも、2個以上の入球を契機としてもよい。あるいは、特定入球口66への2個以上の入球を契機に第2始動口63を開放し、その第2始動口63への2個以上の入球を契機に第3始動口65を開放するようにしてもよい。
(変形例11)
上記実施例では、図12(a)および(b),図13,図14に示したように、遊技状態(時短,入球容易状態の有無)に応じてテーブルを分けているが、変形例においては、遊技状態とは関係なく、当否種別(特別図柄の種類)に応じてテーブルが一義的に決められていてもよい。例えば、第1の遊技において大当りとなった場合には図12(a)の変動パターンテーブルを参照し、第2の遊技において大当りとなった場合には、図14の変動パターンテーブルを参照するようにしてもよい。
(変形例12)
上記実施例では、並列抽選において、一方の遊技の大当り変動中に他方の遊技の図柄変動が開始した場合には、その変動については無抽選ないし無効とした。変形例においては、このような場合にも抽選を有効としてもよい。すなわち、先に変動を開始した一方の遊技の大当り変動中に後に変動を開始した他方の遊技の図柄が先に停止した場合、それが大当りを示すものであれば、そちらを優先して大当りさせるようにしてもよい。
(変形例13)
上記実施例では述べなかったが、演出面において、確変と時短(入球容易状態)の確定を表示する演出モードAと、時短のみ確定を表示して確変か否かは秘匿的とする演出モードBを設けてもよい。そして、確変であっても演出モードBに移行させるが、第1の図柄と第2の図柄の変動効率を見比べることにより、今の遊技状態が確変か否かを遊技者にそれとなく分からせる(遊技者が推測できる)仕様にしてもよい。このような構成によれば、従来は確変有無を演出の違いで推測させていたが、それぞれの図柄の変動効率を見て推測できるという新たな遊技性が生まれる。
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。なお、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。本実施例において第1実施例とほぼ同様の構成については同一の符号を付すなどしてその説明を省略または簡略化する。
(1)並列変動タイプと確変構造物抽選タイプを用いた新しい大当りの実現
本実施例の遊技機は、大入賞口内に特定領域を備え、いわゆる「玉確抽選」の機能を有する。すなわち、特別遊技中に大入賞口に入球した遊技球がその特定領域に入球したか否かにより、その特別遊技終了後に確変状態へ移行させるか否かが決定される。具体的には、玉確抽選の対象とならない第1大入賞口と、玉確抽選の対象となる第2大入賞口が設けられ、第2大入賞口内には特定領域が設けられる。なお、本実施例では第2大入賞口への入球が特定領域への入球とみなされる。すなわち、第2大入賞口の開閉機構が「入球可変機構」として機能し、特定領域への入球が相対的に容易な入球促進状態と相対的に困難な入球規制状態とのいずれかに切り替える。第2大入賞口の開閉機構を駆動する開閉制御手段が、その入球可変機構の作動を制御する「作動制御手段」として機能する。本実施例では、特別遊技中の特定の単位遊技(「特定ラウンド」ともいう)にて玉確抽選が実行される。「入球促進状態」とする場合には、特定ラウンドにおいて第2大入賞口の開放時間を相対的に長くする。「入球規制状態」とする場合には、特定ラウンドにおいて第2大入賞口の開放時間を相対的に短くする。なお、本実施例の遊技性をより顕著に発揮させるためには、この「玉確抽選」により確変状態へ移行された場合に、その確変の終期を次の大当りが発生するまで(ループタイプ)とするのがよい。より詳細には、通常大当りに当選するまで(つまり、特定領域への入球がない大当りに当選するまで、若しくは大当り中に特定領域へ入球しないまで)、確変状態が継続するようにしてもよい。
なお、変形例においては、入球促進状態において単位時間あたりの第2大入賞口の開閉回数を相対的に少なくして入球を容易にし、入球規制状態において単位時間あたりの第2大入賞口の開閉回数を相対的に多くして入球を困難にしてもよい。具体的には、特定ラウンドにおける開閉回数を異ならせてもよい。また、第2大入賞口の内部に特定領域への入球容易性を変化させる振分機構を設け、これを「入球可変機構」として機能させてもよい。具体的には、第2大入賞口内に特定領域と非特定領域を設けるとともに、振分機構として可動役物を設け、その可動役物の作動を遊技球を特定領域へ導く態様と非特定領域へ導く態様との間で切り替えるようにしてもよい。その場合、第2大入賞口の開閉制御手段とは別に、振分機構の作動制御手段を設けてもよい。また、玉確抽選の実行有無にかかわらず開閉される共用の大入賞口を設けてもよい。その共用の大入賞口への入球そのものを特定領域への入球とみなす構成とする場合、開閉機構により大入賞口への入球容易性を変化させることにより、入球促進状態と入球規制状態とを切り替えることができる。その共用の大入賞口への入球そのものを特定領域への入球とみなさない構成とする場合、大入賞口内に設けた振分機構により特定領域への入球割合を変化させることにより、入球促進状態と入球規制状態とを切り替えることができる。この場合、大入賞口の開放開始・閉鎖(開放終了)タイミングと振分機構の動作タイミングを同期させることが望ましい。すなわち、振分機構の動作タイミングを、一単位遊技の開始タイミングと終了タイミングとに同期させてもよい。例えば、単位遊技の開始として大入賞口が開放すると振分機構も動作し(特定領域へ入球容易な位置へ動作し)、単位遊技の終了として大入賞口が閉鎖すると振分機構も動作する(特定領域へ入球困難な位置へ動作する)ようにしてもよい。さらに、単位遊技内で大入賞口を複数回開放させたとしても、振分機構の動作は複数回行なわないようにしてもよい。単位遊技内では振分機構の動作は常に一定としてもよい(つまり、単位遊技開始から単位遊技終了まで入球困難な位置又は入球容易な位置を維持してもよい)。あるいは、単位遊技内において振分機構の動作を一定とはしないものの、その動作タイミングを大入賞口の複数回の開閉タイミングと少なくとも部分的に異ならせてもよい。
本実施例の遊技機は、並列機として構成される。第2の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行される際に第1特別図柄が変動中であるときは、少なくともその特別遊技の開始から終了までの期間はその第1特別図柄の変動時間の進行が一時停止される。同様に、第1の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行される際に第2特別図柄が変動中であるときは、少なくともその特別遊技の開始から終了までの期間はその第2特別図柄の変動時間の進行が一時停止される。ここでいう「変動時間の進行の一時停止」とは、特別図柄の変動そのものは継続しつつ、その変動時間の計時を一時停止させるものでもよい。あるいは、特別図柄の変動そのものを一時停止させるものでもよい。一時停止の期間は当否抽選の結果を示さないとの観点からは、前者のほうが好ましい。この「一時停止」は、特別遊技の開始と同時に行ってもよいし、特別遊技の開始前の所定タイミングから行ってもよい。例えば、特別遊技への移行を示す図柄変動の停止後、特別遊技が開始される前に一時停止を開始してもよい。
本実施例では、第1の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行された場合よりも、第2の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行された場合のほうが、入球促進状態となり易くなるよう入球可変機構の作動が制御される。このため、第2の当否抽選により大当りを狙うほうが確変状態へ移行され易く、遊技者にとって有利となり易い。具体的には、第1の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行された場合に入球規制状態とし(例えば確変移行確率が0%)、第2の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行された場合に入球促進状態(例えば大入賞口を狙って遊技球を打ち出す限り特定領域への入球が見込まれ、確変移行確率が100%)としてもよい。
また、特別図柄の変動パターン選択基準として、特殊変動パターン選択基準と通常変動パターン選択基準が設けられる。特殊変動パターン選択基準は、第1特別図柄の外れ変動パターン(第1の当否抽選の結果が外れであることを示す変動パターン)として、長変動パターンとして設定された特殊変動パターンを含む。この「特殊変動パターン」は、外れ変動パターンであるにもかかわらず、第2特別図柄の大当り変動パターン(大当りであることを示す変動パターン)と比較しても図柄変動時間が長くなる傾向にある。具体的には、特殊変動パターンは、それ自身が選択されうる遊技状態において選択対象となる第2特別図柄の大当り変動パターンの平均変動時間を複数回分含みうる長さの変動時間を有する。特殊変動パターン選択基準は、所定条件の成立を契機に設定される。なお、変形例においては、特殊変動パターンが、それ自身が選択されうる遊技状態において第2の当否抽選の結果が大当りに至るまでの所要時間の平均値・期待値を複数回分含みうる長さの変動時間を有するようにしてもよい。
ここでいう「変動パターン選択基準」は、複数種の変動パターンと抽選値との対応関係が定められた変動パターンテーブルであってもよい。あるいは、複数種の変動パターンからいずれかを選択するための制御アルゴリズム(制御プログラム)であってもよい。後者の場合、「特殊変動パターン選択基準を設定する」は、特殊変動パターン選択基準に該当する制御アルゴリズムを用いることを意味する。
「所定条件」については、1)第1特別図柄の変動パターンとして特定の変動パターン(希少性の高い長変動パターンなど)が選択されたこと、2)第1の当否抽選の結果が小当りとなったこと、3)小当り遊技終了後の所定期間において特殊変動パターン選択基準の選択確率(選択頻度)を高め、その特殊変動パターン選択基準が選択されたこと、4)前回の第2の当否抽選の結果が特定種類の大当りであり、その特別遊技が終了したこと、5)当否抽選の結果が大当りとなった後、図柄変動が規定回数(例えば100回)を超えても新たな大当りが発生しなかったこと(天井機能)、6)当否抽選の結果が大当りとなった後、図柄変動が規定回数(例えば100回)を超えても新たな大当りが発生しなかった場合に、その規定回数後の所定期間(所定回数)において特殊変動パターン選択基準の選択確率(選択頻度)を高め、その特殊変動パターン選択基準が選択されたことなど、種々の条件を設定することができる。上記2)の場合、その小当り遊技終了後の所定期間として特定図柄変動回数(例えば1回)の期間を設定し、特殊変動パターン選択基準を設定してもよい。上記4)の場合、「特定種類の大当り」は、レアな大当り(大当りのうち数%の確率で選択される)であってもよい。また、さらに確変状態であることを前提条件としてもよい。前回の第1の当否抽選の結果が特定種類の大当りであり、その特別遊技が終了したことを条件としてもよい。
この態様によれば、特殊変動パターン選択基準が設定されることにより特殊変動パターンが選択されると、第1特別図柄の変動時間がとりわけ長くなる。このため、その特殊変動パターンによる第1特別図柄の一回の変動中に第2の当否抽選を複数回実行させることが可能となる。これを利用し、確変状態を維持したまま第2当否抽選にて大当りを繰り返し発生させる連荘状態を狙えるようになる。すなわち、確変状態へ移行された後に特殊変動パターンを獲得できれば、それが外れ変動であるために、後に実行された第2の当否抽選が無効とされることはない。一方、特殊変動パターンによる変動時間の長さは、第2特別図柄の大当り変動パターンの平均変動時間を複数回分含みうるほど長いため、その変動期間中に第2の当否抽選にて複数回の大当りを狙うことができる。特に、入球可変機構の作動により第1の当否抽選よりも第2の当否抽選のほうが確変状態へ移行され易くなるため、第2の当否抽選にて連荘状態を狙うには都合が良い。このように第1特別図柄の変動中を利用して第2の当否抽選による利益を繰り返し得ることは、並列機であるが故になし得るものである。
なお、特殊変動パターンによる第1特別図柄の変動中に第2の当否抽選の結果が大当りとなると、特別遊技へ移行された際にその第1特別図柄の変動時間の進行は一時停止される。このため、折角獲得した特殊変動パターンによる変動時間が特別遊技中に消化されてしまうこともない。遊技者は、その特殊変動パターンによる恩恵を最大限に利用することができる。ただし、第1始動口と第2始動口とが容易に打ち分けられる構成であれば、そもそも第1特別図柄の変動を長くすること、つまり特殊変動パターンを選択することがほとんど意味をなさなくなる。当初から第2始動口を狙い続ければよいからである。本実施例に有用性を見出すためには、第1始動口と第2始動口とが容易に打ち分けられない(第2始動口を狙えば第1始動口にも入球し得る)構成であるのが好ましい。
このような遊技性は、第2始動口の入球容易性を可変とする構成によってより顕著に効果を発揮する。すなわち、第2始動口に対してその入球容易性を変化させることができる入球変動機構を設けてもよい。「入球変動機構」は、その待機状態において第2始動口の開口部を小さくして入球困難とし、その作動状態において第2始動口の開口部を大きくする方向に動作して入球容易とするものでもよい。作動口への入球を契機とした作動抽選が当りとなり、普通図柄が当りを示す態様で停止表示されると入球変動機構が作動し、第2始動口を入球容易な状態とするものでもよい。入球変動機構は、電動駆動装置の作動により電気的に駆動されるものでもよい。そして、当否抽選の結果が大当りとなった場合に、その特別遊技の終了後に入球変動機構の作動による第2始動口への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行させる構成としてよい。通常状態においては第1始動口のほうが第2始動口よりも入球し易く、入球容易状態においては第2始動口のほうが第1始動口よりも入球し易い構成としてもよい。そして、特殊変動パターン選択基準が設定される条件として、「確変状態かつ入球容易状態」であることをその前提条件に組み入れてもよい。
この態様によれば、通常状態から大当りが発生した場合、その特別遊技後に入球容易状態へ移行される。その入球容易状態においては、第2始動口の入球容易性が高められるため、第2の当否抽選による大当りを獲得し易くなり、上述した連荘状態を実現し易くなる。ただし、通常状態においては第1始動口のほうが入球し易いため、まずは第1始動口への入球を狙って第1当否抽選により大当りを発生させ、入球容易状態とするのが好ましい。このような構成により、まずは通常状態において第1の当否抽選により大当りを発生させ、その特別遊技終了後の入球容易状態において第2の当否抽選により大当りを発生させ、確変状態への移行を狙う手法が有利となる。その後、その確変状態において第1又は第2の当否抽選による大当りを繰り返し取得する連荘状態を狙うこともできるが(第1の連荘ゾーン)、第1の当否抽選による大当りは確変状態を中断させてしまう(通常状態に転落させてしまう)可能性が相対的に高い。このため、その確変状態において上述した特殊変動パターンを獲得するのが望ましい。その特殊変動パターンによる第1特別図柄の長変動を獲得できれば、上述のように、その確変状態を維持しつつ第2の当否抽選による大当りを繰り返す連荘状態を狙うことができる(第2の連荘ゾーン)。第2の連荘ゾーンまで突入すると、大当りになればなるほど出玉増える状態を実現できる。すなわち、この態様によれば、相対的に不利な通常状態から第1の連荘ゾーン、第2の連荘ゾーンに順次移行させることにより、有利な状態(連荘状態)が継続されやすくなる「関門突破型」の遊技性を実現することができる。
(2)リミッター機能を搭載した確変構造物抽選タイプ
上述の構成では、例えば特殊変動パターンによる図柄変動の長さが相当長く、第2当否抽選による当選確率が比較的高く、第2当否抽選により特別遊技へ移行された場合の玉確抽選による当選確率が相当高いなど、遊技機の仕様によっては連荘状態が想定以上に継続されることが想定され、遊技者の射幸心をいたずらに高めることが懸念される。そこで本実施例では、特別遊技に移行した後に確変状態に移行することを一単位とし、当該一単位の連続回数が予め定める上限回数に到達した場合には、その上限回数にあたる確変状態において特別遊技へ移行されたとしても、その特別遊技の終了後には通常状態へ移行されるようにする。これにより、いわゆるリミッター機能が働くようになり、出玉に関して総量規制がある場合にはこれを遵守することができる。この態様によれば、遊技ホールと遊技者との利益のバランスを保つことができる。
本実施例では、変動パターン選択基準として限定変動パターン選択基準がさらに設けられる。この限定変動パターン選択基準は、第1の当否抽選の結果が外れであることを示す第1特別図柄の変動パターンの変動時間が、通常変動パターン選択基準よりも相対的に短くなる傾向を有する。なお、変形例においては、第2の当否抽選に係る第2の特別図柄の変動パターンの変動時間が通常変動パターン選択基準よりも相対的に長くなる構成としてもよい。そして、特殊変動パターンによる第1特別図柄の変動が終了した後、確変状態となっている場合には、特殊変動パターン選択基準から限定変動パターン選択基準に切り替えられる。特殊変動パターンによる長変動が終了することにより、遊技者には一定の利益を得る機会(保証期間)が与えられたとし、第1特別図柄の変動時間を短くすることにより一旦通常状態へ移行され易くするものである。なお、限定変動パターン選択基準の設定条件として、確変状態かつ入球容易状態であることをその前提条件としてもよい。限定変動パターン選択基準の設定期間については、例えば図柄変動所定回数分の期間にするなど限定的としてもよい。この態様は、特に上述したリミッターに到達する前に特殊変動パターンによる図柄変動が終了した場合にその効果を顕著に発揮する。
換言すると、特殊変動パターンによる変動(「特殊変動」ともいう)の終了後(つまり第1特別図柄の長変動終了後)の遊技状態が確変状態であるか(つまりリミッター到達前であるのか)通常状態であるのか(つまりリミッター到達後であるのか)に応じて、その後の第1特別図柄および第2特別図柄の変動態様の傾向が異なる。ここで、特殊変動中において、第2の当否抽選の結果が大当りとなる期待値回数は、リミッター上限回数より多く設定されていることが望ましい。つまり、特殊変動後に確変状態であれば、特殊変動内で十分に第2の当否抽選にて大当りが連続した(つまり特殊変動内でリミッター回数分の大当りが担保された)可能性が高いと判断でき、特殊変動後に通常状態であれば、特殊変動内で十分に第2の当否抽選にて大当りが連続しなかった(つまり特殊変動前と特殊変動内でリミッター回数分の大当りに到達した)可能性が高いと判断できる。このため、前者に関しては特殊変動による恩恵が十分に与えられたとみなし、その特殊変動終了後に第1特別図柄の変動効率を高める(変動時間を相対的に短くする)か、又は入球容易状態の終期を相対的に短くしてもよい。また、後者に関しては特殊変動による恩恵が十分に与えられなかったとみなし、その特殊変動終了後に第1特別図柄の変動効率を低下させる一方(変動時間を相対的に長くする)、第2特別図柄の変動効率を高め、第2の当否抽選にて大当りとなり易くしてもよい。つまり、確変状態となり易くしてもよい。
また、上記リミッターに到達した後、あるいは特殊変動パターンが終了した後に、入球容易状態へ移行し易くしてもよい。このようにすれば、通常状態へ転落した後に再度第1の連荘ゾーン、第2の連荘ゾーンの獲得を目指せる(引き戻せる)ようになり、遊技者の遊技継続意欲を高めることができる。さらに、リミッター到達時における大当りが第1の当否抽選によるものか、あるいは第2の当否抽選によるものかに応じて、その後の遊技状態や参照される変動パターン選択基準を異ならせてもよい。例えば、リミッター到達時における大当りが第1の当否抽選によるものであった場合、通常状態へ移行するとともに、入球容易状態へは移行させないか、又は入球容易状態の終期を相対的に短く設定してもよい(例えば図柄変動50回分の期間)。このとき、通常状態における第1特別図柄の変動時間を相対的に短くし、第2特別図柄の変動時間を相対的に長くするような変動パターン選択基準を設定してもよい。一方、リミッター到達時における大当りが第2の当否抽選によるものであった場合、通常状態へ移行するとともに、入球容易状態へ移行させ、その入球容易状態の終期を相対的に長く設定してもよい(例えば図柄変動100回分の期間)。このとき、通常状態における第1特別図柄の変動時間を相対的に長くし、第2特別図柄の変動時間を相対的に短くするような変動パターン選択基準を設定してもよい。
また、リミッターの設定期間(上限回数まで)における特殊変動パターンの選択タイミングに応じ、得られる利益が異なるようにしてもよい。例えばリミッターとしての上限回数よりも少ない基準回数(例えば上限回数の1/2など)を設定し、上記一単位の回数がその基準回数となる以前に特殊変動パターンを獲得できた場合には、特殊変動パターンによる恩恵が十分に与えられたとみなし、その特殊変動パターンの終了後に第1特別図柄の変動効率を高める(変動時間を相対的に短くする)か、又は入球容易状態の終期を相対的に短くしてもよい。また、上記一単位の回数がその基準回数となった後に特殊変動パターンを獲得できた場合には、特殊変動パターンによる恩恵が十分に与えられなかったとみなし、その特殊変動パターンの終了後に第1特別図柄の変動効率を低下させる一方(変動時間を相対的に長くする)、第2特別図柄の変動効率を高め、第2の当否抽選にて大当りとなり易くしてもよい。つまり、確変状態となり易くしてもよい。
以下、本実施例の詳細について説明する。図33は、遊技領域の主要部である右側領域の構成を示す模式図である。本実施例においては、第2大入賞口92の内部に特定領域200が設けられる。この特定領域200は、その入球有無により玉確抽選の当選有無が決定されるものであり、特別遊技の特定ラウンドにおいて開閉される。ただし、本実施例では第2大入賞口92の内部に特定領域200への入球容易性を変化させる部材(可動役物)は設けられていないため、第2大入賞口92への入球と特定領域への入球が実質的に等価となる。特定領域200への入球容易性は、第2大入賞口92への入球容易性そのものを変化させることにより調整される。大入賞口ソレノイド81は、第2大入賞口92への入球、つまり特定領域200への入球が相対的に容易な入球促進状態と相対的に困難な入球規制状態とのいずれかに切り替え可能な「入球可変機構」として機能する。図4に示した開閉制御手段124は、その入球可変機構の作動を制御する「作動制御手段」として機能する。
図34は、第1の遊技の図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1図柄決定手段320は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、特別図柄の種類(番号)、当否種別、特別遊技のラウンド数、時短移行の有無および終期がそれぞれ対応づけられている。なお、本実施例では玉確抽選を採用するため、図柄番号に対して確変移行の有無は対応付けられていないが、特別遊技へ移行されたときの大入賞口の開放パターンが対応付けられている。
図34(a)に示す通り、図柄番号「1」〜「6」はいずれも4R大当りを示す。時短に関しては、図柄番号「1」〜「4」の場合は50回、図柄番号「5」の場合は100回、図柄番号「6」の場合は1回の終期回数が設定される。また、特別遊技中の大入賞口の開放態様について、図柄番号「1」〜「6」のいずれも「開放パターン1」が設定される。この開放パターン1は、第1〜第3ラウンドまで第1大入賞口91の通常開放(長開放)を行い、第4ラウンド(最終ラウンド)において第2大入賞口92の極短開放を行うパターンである。なお、図34(b)に示すように、外れの場合に玉確抽選がなされることはない。
図35は、第2の遊技の図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルにも同様に、図柄番号に対して確変移行の有無は対応付けられていないが、特別遊技へ移行されたときの大入賞口の開放パターンが対応付けられている。
図35(a)に示す通り、図柄番号「8」〜「11」は16R大当りを示す。この16R大当りは、次回の大当りまでを終期とする時短を伴う。図柄番号「8」〜「11」のいずれも「開放パターン2」が設定される。この開放パターン2は、第1〜第15ラウンドまで第1大入賞口91の通常開放(長開放)を行い、第16ラウンド(最終ラウンド)において第2大入賞口92の通常開放(長開放)を行うパターンである。
図柄番号「12」〜「19」は4R大当りを示す。この4R大当りは、次回の大当りまでを終期とする時短を伴う。図柄番号「12」〜「19」のいずれも「開放パターン3」が設定される。この開放パターン3は、第1〜第3ラウンドまで第1大入賞口91の通常開放を行い、第4ラウンド(最終ラウンド)において第2大入賞口92の通常開放を行うパターンである。なお、図35(b)に示すように、外れの場合に玉確抽選がなされることはない。
図35(c)に示す通り、特別図柄の図柄番号「21」〜「36」は小当りに対応付けられている。この点については、第1実施例と同様である。小当り遊技中の大入賞口の開放態様については「開放パターン4」が設定される。この開放パターン4は、第1ラウンドにおいて短開放を行うものである。小当り遊技中は第1大入賞口91のみが開放されるため、玉確抽選がなされることはない。
図36は、大入賞口の開放パターンを示すタイムチャートである。同図には上段から順に開放パターン1〜4が示されている。横軸は時間の経過を示している。図中の(1)は第1大入賞口91の開放であることを示し、(2)は第2大入賞口92の開放であることを示している。また、1R〜16Rは、特別遊技のラウンド(単位遊技)を示している。
開放パターン1は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「1」〜「6」のいずれかによる4R特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、4ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1〜第3ラウンドにおいては第1大入賞口91が開放され、その開放時間は30秒の長開放に設定されている。ただし、それ以前に10球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。そして、第4ラウンドにおいては第2大入賞口92の短開放が行われる。第2大入賞口92の開放時間は0.5秒に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第2大入賞口92は閉鎖され、ラウンドが終了される。なお、この0.5秒の開放時間は実質的に入球が見込めない値として設定されており、後者は設計上想定されていない。本実施例では、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の開放期間が1ラウンドの期間に相当する。ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間時間」ともいう)はΔtに設定されている。本実施例においては、ラウンド間時間Δtを0.5秒に設定しているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン2は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「8」〜「11」による16R特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1〜第15ラウンドにおいては第1大入賞口91が開放され、第16ラウンドにおいては第2大入賞口92が開放される。その開放時間はいずれも30秒の長開放に設定されている。ただし、それ以前に10球以上の入球があれば大入賞口は閉鎖され、ラウンドが終了される。
開放パターン3は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「12」〜「19」による4R特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、4ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1〜第3ラウンドにおいては第1大入賞口91が開放され、第4ラウンドにおいては第2大入賞口92が開放される。その開放時間はいずれも30秒の長開放に設定されている。ただし、それ以前に10球以上の入球があれば大入賞口は閉鎖され、ラウンドが終了される。
開放パターン4は、図柄番号「21」〜「36」による小当り遊技である場合に適用される開放パターンであり、1ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。第1大入賞口91の1回あたりの開放時間は1.8秒に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。なお、後者は設計上想定されていない。
図37は、特殊変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図37(a)は第1の遊技に用いられるテーブルを示し、図37(b)は第2の遊技に用いられるテーブルを示す。すなわち、特殊変動パターンテーブルが設定されると、第1パターン決定手段114は図37(a)のテーブルを参照し、第2パターン決定手段119は図37(b)のテーブルを参照する。本実施例においては、確変かつ時短状態(入球容易状態)において第2の抽選が小当りとなった場合、この特殊変動パターンテーブルが設定される。
この特殊変動パターンテーブルにおいては、図37(a)に示すように、第1の遊技(第1特別図柄192)に関し、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンA,B,L3,L4が均等に割り当てられる。一方、当否抽選結果が大当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンC,Dが均等に割り当てられる。ここで、「変動パターンL3」は、変動時間が600秒に設定された特殊変動パターンである。「変動パターンL4」は、変動時間がさらに長い1000秒に設定された特殊変動パターンである。
一方、図37(b)に示すように、第2の遊技(第2特別図柄193)に関し、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンS1,S2が均等に割り当てられる。一方、当否抽選結果が大当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンS1,S2,A,Bが均等に割り当てられる。
これら第1の遊技のテーブルと第2の遊技のテーブルとを対比して分かるように、第1特別図柄192の特殊変動パターンL3,L4は、外れ変動であるにもかかわらず、第2特別図柄193の大当り変動パターンの平均変動時間を複数回分含みうる長さの変動時間を有する。このため、特殊変動パターンL3,L4にしたがう第1特別図柄192の変動中は、第2の遊技において複数回の大当りを発生させるチャンスとなる。第2の遊技において特別遊技へ移行されると、玉確抽選における第2大入賞口92の開放時間が十分に長いため、これに入球させることにより確実に確変状態を獲得することができる。すなわち、確変状態を維持したまま大当りを繰り返し発生させる連荘状態を獲得できる可能性が高くなる。
図38は、限定変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図38(a)は第1の遊技に用いられるテーブルを示し、図38(b)は第2の遊技に用いられるテーブルを示す。すなわち、限定変動パターンテーブルが設定されると、第1パターン決定手段114は図38(a)のテーブルを参照し、第2パターン決定手段119は図38(b)のテーブルを参照する。本実施例においては、特殊変動パターンL3又はL4による第1特別図柄192の長変動が終了した後、確変状態となっている場合には、上記特殊変動パターンテーブルから同図の限定変動パターンテーブルに切り替えられる。
この限定変動パターンテーブルは、図10に示した特定テーブルBに近似した構成を有するが、図38(b)に示す第2の遊技に関し、外れ変動パターンとして変動パターンS1,S2が割り当てられていない点で異なっている。すなわち、第2の遊技のテーブルにおいては、外れ変動パターンとして5秒以上の変動時間が設定される。このため、第1の遊技のほうが第2の遊技よりも抽選値が速やかに消化され易く、第1の遊技において早期に大当りを発生させ易い。第1の遊技において特別遊技へ移行されると、玉確抽選における第2大入賞口92の開放時間が極めて短いため、これに入球させることは非常に困難となる。そのため、確変状態から通常状態へ転落し易くなる。すなわち、特殊変動パターンL3,L4による長変動により遊技者には一定の利益を得る機会(保証期間)が与えられたとし、その変動終了後に第1特別図柄192の変動時間を短くすることにより一旦通常状態へ移行され易くしたものである。
図39は、特殊変動パターンが選択された際に演出表示装置に表示される演出表示例を表す図である。図39(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。上記特殊変動パターンL3又はL4が選択されてその図柄変動が開始されると、図39(a)に示すように、画面左上部に第1装飾図柄195が長変動である旨を示す「超ロング変動中」の演出と、この変動が第2の遊技において連荘を狙うのに十分な長さを有していることを示す「無敵タイム!」の演出が表示されている。また、画面左部にその長変動の残り時間を示すカウントダウン表示がなされている。この特殊演出の表示中においては、第3始動口65への入球による第2装飾図柄196の変動開始のたびにそのカウントダウンが表示される。図39(b)には、長変動の間にメインキャラクタが勝利し、第2装飾図柄196により「大当り」が発生したことが示されている。なお、変形例としては、カウントアップ表示としてもよい(つまり、所定時間到達で終了との示唆をしてもよい)。さらなる変形例としては、これをフェイク表示として、所定タイミングで(例えば、第2の当否抽選の大当りを契機として、またはフェイク表示のタイムが一定値を超えるもしくは下回るタイミングにて)タイムを加算し、実際の時間に近づけてもよい。
その後、特別遊技への移行により画面が図示しない大当り演出に切り替えられるが、その特別遊技が終了すると、特殊演出に戻される。図39(c)には、長変動の残り時間があることを示す「まだまだ無敵タイム!」の演出が表示されている。このように、特殊変動パターンの変動時間が残っている限り、第2の遊技において大当りが繰り返し発生しても、その特別遊技終了後には再び特殊演出に戻るため、遊技者は継続して有利な状態を得ることができる。なお、本実施例では、一方の遊技において特別遊技へ移行されると、他方の遊技において図柄変動中であっても、その変動時間の進行が一時停止される。このため、折角獲得した特殊変動パターンによる変動時間が特別遊技中に消化されてしまうこともない。遊技者は、その特殊変動パターンによる恩恵を最大限に利用することができる。
次に、本実施例における遊技処理について、第1実施例との相異点を中心に説明する。図40は、図21におけるS230の特別図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、図22の処理に置き換えて実行される。本実施例において、第1抽選手段126は、S240において第1特別図柄192の変動表示が既に開始されていれば(S240のY)、一時停止切替処理を実行し(S255)、その後、第1特別図柄192の変動表示処理を実行する(S256)。同様に、第2抽選手段128は、S260において第2特別図柄193の変動表示が既に開始されていれば(S260のY)、一時停止切替処理を実行し(S275)、その後、第2特別図柄193の変動表示処理を実行する(S276)。
図41は、図40におけるS255,S275の一時停止切替処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄192の変動時間の進行が一時停止されていない場合(S350のN)、第2の遊技の特別遊技が開始されれば(S352のY)、第1特別図柄192の変動時間の経過を計る変動計時タイマを一時停止する(S354)。第2の遊技の特別遊技が開始されなければ(S352のN)、S354の処理をスキップする。一方、第1特別図柄192の変動時間の進行が一時停止されている場合(S350のY)、第2の遊技の特別遊技が終了すれば(S356のY)、その変動計時タイマの一時停止を解除する(S358)。その特別遊技が終了していなければ(S356のN)、S354の処理をスキップする。
同様に、第2特別図柄193の変動時間の進行が一時停止されていない場合(S350のN)、第1の遊技の特別遊技が開始されれば(S352のY)、第2特別図柄193の変動時間の経過を計る変動計時タイマを一時停止する(S354)。第1の遊技の特別遊技が開始されなければ(S352のN)、S354の処理をスキップする。一方、第2特別図柄193の変動時間の進行が一時停止されている場合(S350のY)、第1の遊技の特別遊技が終了すれば(S356のY)、その変動計時タイマの一時停止を解除する(S358)。その特別遊技が終了していなければ(S356のN)、S354の処理をスキップする。
図42は、図40におけるS259およびS279の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、図23の処理に置き換えて実行される。本実施例では、当否抽選の結果が大当りであった場合、確変の設定をオフにした後(S62)、特別遊技へ移行する。すなわち、確変移行の有無は特別遊技中の玉確抽選にて決定されるため、特別遊技へ移行される前に確変の設定がなされていれば、これを一旦オフにしておく。また、当否抽選の結果が小当りであった場合(S77のY)、確変かつ時短中(入球容易状態)であれば(S78のY)、特殊変動パターンテーブルの設定を決定する(S79)。ただし、ここでは、特殊変動パターンテーブルの設定フラグをオンにするに留め、テーブルの切り替えは小当り遊技後に行う。確変かつ時短中でなければ(S78のN)、S79の処理をスキップする。そして、小当り遊技へ移行する(S80)。小当りでなかった場合、つまり外れであった場合には(S77のN)、S78からS80の処理をスキップする。
このとき、変動パターンテーブルの切り替えタイミングであれば(S82のY)、それにしたがって変動パターンテーブルを切り替える(S84)。例えば、特殊変動パターンテーブルが設定されていた状態で特殊変動パターンにしたがう図柄変動が終了したタイミングであり、かつ確変状態であれば、限定変動パターンテーブルへの切り替えを実行する。変動パターンテーブルの切り替えタイミングでなければ(S82のN)、S84の処理をスキップする。
図43は、図19におけるS16の特別遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。本図の処理は、図27の処理に置き換えて実行される。本実施例では、S93において、大当りの種類に応じて図36に示した開放パターン1〜4のいずれかが設定される。そして、大入賞口の開閉処理の後、確変判定処理(玉確抽選)を実行する(S103)。
図44は、図43におけるS103の確変判定処理を示すフローチャートである。特定遊技実行手段122は、特別遊技中に第2大入賞口92への入球、つまり特定領域200への入球があれば(S360のY)、玉確抽選に当選したと判定して確変の設定をオンにする(S362)。そして、確変連続回数Nを1インクリメントする(S364)。ここで、「確変連続回数N」は、特別遊技後に確変状態に移行することを一単位とし、その一単位の連続回数を表すものであり、上述したリミッター機能を作動させるためのカウント値である。この確変連続回数Nは、RAM上の所定領域に記録・更新され、その初期値はゼロである。
このとき、確変連続回数Nが予め設定された上限回数Nlim(本実施例では50回)に達していれば(S366のY)、確変の設定をオフにし(S368)、確変連続回数Nをゼロクリアする(S370)。その場合、特別遊技が終了しても、図43のS126にて確変状態に移行されることはない。確変連続回数Nが上限回数Nlimに達していなければ(S366のN)、S368およびS370の処理をスキップする。特定領域200への入球がなければ(S360のN)、確変連続回数Nをゼロクリアする(S372)。
すなわち、本図の処理により、特定領域200への入球があれば玉確抽選に当選したと判定され、リミッターに到達していない限りS126において確変状態へ移行される。一方、リミッターに到達した場合には、玉確抽選に当選していたとしても、その特別遊技終了後に確変状態へは移行されず、一旦通常状態に落とされる。リミッターに到達する前に玉確抽選に外れると、通常状態へ移行される。
(変形例14)
上記第2実施例においては、図33にその盤面構成を例示したが、これと異なる盤面構成を採用してもよい。例えば、第2の遊技の始動口として、第1始動口62の直下にいわゆる電動チューリップとも呼ばれる拡開式の始動口を設けてもよい。その場合、図33に示した第2始動口63、第3始動口65を省略してもよい。
(変形例15)
上記第2実施例においては、玉確抽選に関し、第2大入賞口92への入球と特定領域200への入球を等価とみなしたが、変形例においては、特定領域200への入球割合を変化させる振分機構(可動役物)と、その振分機構を作動させる作動制御手段を設けてもよい。具体的には、第2大入賞口92の入口と特定領域200との間に遊技球の流下通路を設け、その流下通路の途中に可動役物を配設してもよい。そして、第2大入賞口92に入球した遊技球が、可動役物の動作に応じて特定領域200又は非特定領域に導かれるようにしてもよい。その場合、第2大入賞口92への入球を検出するためのセンサのほか、特定領域200への入球を検出するセンサを設けるとよい。非特定領域への入球検出については、第2大入賞口92への入球検出を行うセンサを兼用してもよい。このように特定領域200への入球容易性を変化させる振分機構を別途設けることにより、単位遊技における第2大入賞口92の開放時間を変化させなくとも、特定領域200への入球促進状態と入球規制状態をそれぞれ実現することができる。
(変形例16)
上記第2実施例においては、特別遊技の最終ラウンドにおいて玉確抽選を行う例を示したが、これに限らず、特定の一つのラウンド、あるいは特定の複数のラウンドにおいて玉確抽選を実行するようにしてもよい。具体的には、図34〜図36に示した構成に関し、第4ラウンドにて一律に玉確抽選を実行するようにしてもよい。すなわち、4R大当りの場合に、第1〜第3ラウンドにて第1大入賞口91を開放し、第4ラウンドにて第2大入賞口92を開放してもよい。そして、16R大当りの場合に、第1〜第3ラウンドにて第1大入賞口91を開放し、第4ラウンドにて第2大入賞口92を開放し、第5〜第15ラウンドにて第1大入賞口91を開放するようにしてもよい。
(変形例17)
上記第2実施例では、第2の遊技に対して小当りを設ける例を示した。変形例においては、第1の遊技に対してのみ小当りを設定してもよい。あるいは、第1の遊技と第2の遊技の双方に小当りを設定してもよい。そして、小当りを契機に特殊変動パターンテーブルに切り替えられるようにしてもよい。それにより、小当りとなるか否かにつき、遊技者の期待感を煽ることが可能となる。
(変形例18)
上記第2実施例では述べなかったが、リミッター機能に設定された上限回数に近づいた時点ではじめて特殊変動パターンが選択されたような場合、遊技者に対し、本来その長変動により得られるべき利益を享受できないとの印象を与える可能性がある。長変動となって間もなく確変状態から通常状態に転落してしまった場合、それ以降は通常の変動パターンテーブルが参照されるようになるため、第2の遊技にて直接大当りを獲得することが相対的に困難となるためである。そこで、特殊変動パターンが選択された時点において上限回数Nlimまでの残り回数が所定回数未満である場合、通常の変動パターンテーブルよりも第2特別図柄193の変動時間が短くなる傾向を有する特定変動パターンテーブルに切り替えるようにしてもよい。例えば、残り回数が上限回数Nlimの1/2未満、又は1/4未満である場合に特定変動パターンテーブルに切り替えるようにしてもよい。
(第3実施例)
次に、第3実施例について説明する。なお、第2実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。本実施例において第1,第2実施例とほぼ同様の構成については同一の符号を付すなどしてその説明を省略または簡略化する。
(1)図柄固定時間を利用した並列変動タイプ
本実施例では、図柄変動過程について、図柄変動中の「変動時間」と変動停止後の「図柄固定時間」を定義し、変動時間と図柄固定時間を合わせた時間を「図柄制御単位時間」と定義する。複数種の変動パターンには、それら図柄制御単位時間、変動時間および図柄固定時間が定められる。本実施例では、第2の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行される際に特殊変動パターンにしたがって第1特別図柄が変動中であるときは、その図柄変動が解除されて停止される。一方、第2の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行される際に特殊変動パターンにしたがって第1特別図柄が固定中であるときは、少なくともその特別遊技の開始から終了までの期間はその第1特別図柄の図柄固定時間の進行が一時停止される。
この態様によれば、特殊変動パターンにしたがった第1特別図柄の変動時間内において第2の当否抽選の結果が大当りとなり、特別遊技へ移行される場合、その第1特別図柄の変動が途中で停止され、残り変動時間はキャンセルされる。したがって、特殊変動パターンによる図柄変動中に第2の当否抽選により大当りを獲得できるチャンスは事実上1回に制限される。一方、特殊変動パターンにしたがって第1特別図柄が停止され、その図柄固定時間内において第2の当否抽選の結果が大当りとなり、特別遊技へ移行される場合、その図柄固定時間が一時停止される。そして、その第2の当否抽選による特別遊技終了後に、図柄固定時間の(計時の)進行が途中から再開される。このため、その図柄固定時間の長さによっては第2の当否抽選による大当りを繰り返し発生させる連荘状態が実現可能となる。
特殊変動パターン選択基準には、特殊変動パターンとして、第1特別図柄の図柄固定時間が異なる複数種の変動パターンが選択対象として含まれてもよい。この態様によれば、図柄固定時間の長い変動パターンが選択された場合に、その図柄固定時間内に第2の当否抽選による大当りが繰り返し発生する可能性が高まる。すなわち、特殊変動パターンの種類によって図柄固定時間内での連荘の可能性が異なるため、いずれの特殊変動パターンが選択されるかにつき、遊技者の期待感を高めることができる。
変動パターン選択基準として、第1の当否抽選の結果が外れであることを示す第1特別図柄の変動パターンの図柄制御単位時間が、通常変動パターン選択基準よりも相対的に短くなる傾向を有する限定変動パターン選択基準をさらに含めてもよい。そして、特殊変動パターンによる第1特別図柄の変動が終了した後、その特殊変動パターンの種類に応じて特殊変動パターン選択基準から限定変動パターン選択基準に切り替えてもよい。この態様では、限定変動パターン選択基準に切り替えられると、第1の当否抽選の実行頻度が高まるため、確変状態から通常状態への転落が発生し易くなる。このため、特殊変動パターンによる図柄変動中又は図柄固定中に第2の当否抽選にて大当りを発生させられるか否かが遊技者の利益状態を左右するようになり、いずれのタイミングで大当りを発生させるかにつき、遊技者の期待感を煽ることができる。
以上の態様を組み合わせることにより、様々な遊技性を実現できるようになる。例えば、特殊変動パターンに関し、第2の当否抽選の大当りにより第1特別図柄の図柄変動が解除され、図柄固定時間が一時停止される仕様とし、特殊変動パターンの種類に応じて図柄固定時間が異なり、さらに特殊変動パターンによる変動終了後に限定変動パターン選択基準に切り替えられる構成を実現できる。このような構成において、特殊変動パターンによる第1特別図柄の変動中に第2の当否抽選の大当りを狙った場合、その大当りを1回獲得することができたとしても、それにより図柄変動が解除されるため、その後に大当りを連続させるのは難しい。
一方、その第1特別図柄の図柄固定中に第2の当否抽選の大当りを狙った場合、図柄固定時間が長ければ、その図柄固定時間中に第2の当否抽選が繰り返し大当りとなる連荘を獲得できる可能性も高いが、図柄固定時間が短ければ、その図柄固定時間中に第2の当否抽選にて大当りを獲得することすら難しくなる。その図柄固定時間が短い状態からさらに限定変動パターン選択基準に切り替えられてしまうと、第1の当否抽選にて大当りとなる可能性が高くなり、確変状態から通常状態への転落の可能性が高まる。すなわち、特殊変動パターンによる第1特別図柄の変動中は大当りを1回は狙える現状ゾーンとなり、その第1特別図柄の図柄固定中は場合によっては連荘を獲得可能な連荘ゾーンとなり、図柄固定の終了後は場合によっては通常状態への転落の可能性が高い転落ゾーンとなる。このいずれのゾーンで大当りを獲得するかにつき、遊技者の期待感が煽られるようになる。
以下、本実施例の詳細について説明する。図45は、特殊変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図45(a)は第1の遊技に用いられるテーブルを示し、図45(b)は第2の遊技に用いられるテーブルを示す。本実施例においても、確変かつ時短状態(入球容易状態)において第2の抽選が小当りとなった場合、この特殊変動パターンテーブルが設定される。
この特殊変動パターンテーブルにおいては、第1の遊技(第1特別図柄192)に関して図45(a)に示すように、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンS3,L5,L6が割り当てられる。「変動パターンS3」は、変動時間が4秒、図柄固定時間が1秒、図柄制御単位時間が5秒に設定された短縮変動パターンであり、第1の抽選が外れの場合に1/2の確率で選択される。「変動パターンL5」は、変動時間が100秒、図柄固定時間が1000秒、図柄制御単位時間が1100秒に設定された特殊変動パターンであり、第1の抽選が外れの場合に1/4の確率で選択される。「変動パターンL6」は、変動時間が100秒、図柄固定時間が1秒、図柄制御単位時間が101秒に設定された特殊変動パターンであり、第1の抽選が外れの場合に1/4の確率で選択される。一方、当否抽選結果が大当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンC,Dが均等に割り当てられる。これら変動パターンC,Dの図柄固定時間はいずれも1秒である。
一方、第2の遊技(第2特別図柄193)に関して図45(b)に示すように、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンS4が割り当てられる。また、当否抽選結果が大当り又は小当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対しても変動パターンS4が割り当てられる。「変動パターンS4」は、変動時間が2秒、図柄固定時間が1秒、図柄制御単位時間が3秒に設定された短縮変動パターンである。
すなわち、特殊変動パターンテーブルにおいては、第1の遊技にて変動パターンL5が選択されると、長変動が開始されるが、変動停止後の図柄固定時間はそれよりも長くなり、第1特別図柄192の次変動が開始されるまで相当な余裕ができるようになる。一方、変動パターンL6が選択されると、同様に長変動が開始されるが、変動停止後の図柄固定時間は他の変動パターンと同様に短く、第1特別図柄192の次変動が速やかに開始されるようになる。一方、第2の遊技にて大当りとなっても図柄制御単位時間は3秒と短い。このため、特殊変動パターンL5にしたがう第1特別図柄192の図柄固定中は、第2の遊技において複数回の大当りを発生させるチャンスとなる。すなわち、確変状態を維持したまま大当りを繰り返し発生させる連荘状態を獲得できる可能性が高くなる。
図46は、限定変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図46(a)は第1の遊技に用いられるテーブルを示し、図46(b)は第2の遊技に用いられるテーブルを示す。本実施例においては、特殊変動パターンL5又はL6による第1特別図柄192の長変動が終了した後、確変状態となっている場合には、上記特殊変動パターンテーブルから同図の限定変動パターンテーブルに切り替えられる。
この限定変動パターンテーブルにおいては、第1の遊技に関して図46(a)に示すように、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンS5が割り当てられる。また、当否抽選結果が大当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対しても変動パターンS5が割り当てられる。「変動パターンS5」は、変動時間が1秒、図柄固定時間が1秒、図柄制御単位時間が2秒に設定された超短縮変動パターン(限定変動パターン)である。
一方、第2の遊技に関して図46(b)に示すように、当否抽選結果が外れとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対して変動パターンS4が割り当てられる。また、当否抽選結果が大当り又は小当りとなる場合のパターン抽選値「0〜255」に対しても変動パターンS4が割り当てられる。すなわち、第2の遊技に関しては特殊変動パターンテーブルと同様とされている。このような設定により、第1の遊技のほうが第2の遊技よりも抽選値が速やかに消化され易く、第1の遊技において早期に大当りを発生させ易い。そのため、確変状態から通常状態へ転落し易くなる。すなわち、変動パターンL5,L6による長変動により遊技者には大当りを有利に得る機会が与えられたとし、その変動終了後に第1特別図柄192の変動時間を短くすることにより一旦通常状態へ移行され易くしたものである。なお、通常状態において参照される変動パターンテーブルについては、図8に示したものと同様であるが、各変動パターンの図柄固定時間は1秒とされている。
図47は、特殊変動パターンテーブルが設定されたときに実現されうる遊技性を表すタイムチャートである。図47(a)は、特殊変動パターンの変動時間を利用して第2の抽選にて大当りを取得する場合を例示している。図47(b)および(c)は、特殊変動パターンの図柄固定時間を利用して第2の抽選にて大当りを取得する場合を示している。各図において、上段には第1特別図柄192の変動状態が示され、下段には第2特別図柄193の変動状態が示されている。各図の横軸は時間の経過を示している。
本実施例において特殊変動パターン(変動パターンL5又はL6)が選択されると、遊技者は、図47(a)〜(c)のいずれかにより大当りを狙うことができる。図47(a)は特殊変動パターンによる第1特別図柄192の変動中に第2の抽選の大当りを狙うケースである。この場合、変動パターンL5とL6のいずれであったとしても変動時間が100秒と長いため、遊技者は、比較的余裕をもって第2の抽選による大当りを狙うことができる。しかし、その大当りにより第1特別図柄192の図柄変動は解除されてしまう。つまり、大当りを1回獲得することができたとしても、それにより長変動が解除されるため、その後に大当りを連続させるのは難しい。
図示の例では、時刻t1にて特殊変動パターンによる変動が開始されている。そして、その第1特別図柄192の変動中の時刻t2にて第2の抽選が大当りとなり、時刻t3にて特別遊技へ移行されている。その特別遊技終了後の時刻t4から限定変動パターンが適用され、第1特別図柄192の変動が極短変動となっている。第2の抽選の大当りにより時刻t4の時点において確変状態が確保される可能性は高いものの、それ以降は第1の抽選により大当りとなる可能性が高く、通常状態へ転落する可能性が高くなる。
これに対し、図47(b)および(c)は、特殊変動パターンによる第1特別図柄192の変動中は大当りを狙わずにその長変動終了をあえて待ち、その後の図柄固定時間を利用して第2の抽選の大当りを狙うケースである。この場合、図47(b)に示すように、その特殊変動パターンが変動パターンL5であれば、図柄固定時間が1000秒と極めて長いため、遊技者は、余裕をもって第2の抽選による大当りを狙うことができる。しかも、その図柄固定時間中に第2の抽選が大当りとなったとしても、その図柄固定時間は一時停止されるだけで解除されることがないため、特別遊技の終了後にその図柄固定時間の進行が再開される。このため、遊技者は、その図柄固定時間が経過するまで大当りを繰り返し狙うことができる。なお、本実施形態では、変動パターンL5が、それ自身が選択されうる遊技状態において選択対象となる第2特別図柄の大当り変動パターンの平均変動時間を複数回分含みうる長さの図柄固定時間を有する。変形例においては、変動パターンL5が、それ自身が選択されうる遊技状態において第2の当否抽選の結果が大当りに至るまでの所要時間の平均値・期待値を複数回分含みうる長さの図柄固定時間を有するようにしてもよい。
図示の例では、時刻t11にて特殊変動パターンによる変動が開始されている。そして、その第1特別図柄192の固定中の時刻t13にて第2の抽選が大当りとなり、時刻t14にて特別遊技へ移行されている。このとき、第1特別図柄192の図柄固定時間の進行が一時停止される。そして、特別遊技終了後の時刻t15からその一時停止が解除され、第1特別図柄192の図柄固定時間の進行が再開されている。この第1特別図柄192の固定中は事実上通常状態への転落がないため、時刻t16においても大当りが取得されている。
一方、図47(c)に示すように、その特殊変動パターンが変動パターンL6であれば、図柄固定時間が1秒と極めて短いため、その間に第2の抽選による大当りを狙うことは難しい。しかも、特殊変動パターンによる図柄変動終了後は限定変動パターンが設定されるため、その図柄変動において第2の抽選による大当りを取得するのは困難である。第1特別図柄192のほうが第2特別図柄193よりも変動時間が短くなるため、むしろ第1の抽選が大当りとなる可能性が高い。第1の抽選にて大当りとなると、玉確抽選で当選する可能性は実質ゼロであるため、確変状態から通常状態へ転落する可能性が高くなる。なお、本実施形態では、変動パターンL6による図柄変動終了後の限定変動パターンとして、第1特別図柄の変動パターンの変動時間が通常変動パターン選択基準よりも相対的に短くなる傾向を有するものを設定した。変形例においては、限定変動パターンとして、第2の当否抽選に係る第2の特別図柄の変動パターンの変動時間が通常変動パターン選択基準よりも相対的に長くなるものを設定してもよい。
図示の例では、時刻t21にて特殊変動パターンによる変動が開始されている。そして、その第1特別図柄192の固定を待ったものの、変動パターンL6であるために図柄固定時間が短く、第2の抽選による大当りは取得できていない。時刻t23にてその図柄固定時間が経過したため、それ以降、限定変動パターンによる極短変動となっている。このため、第2の抽選よりも第1の抽選により大当りとなる可能性が高く、通常状態へ転落する可能性が高くなっている。
すなわち、本実施例によれば、特殊変動パターンによる第1特別図柄192の変動中は第2の抽選にて大当り(確変状態の確保)を1回は狙える現状ゾーンとなり、その第1特別図柄192の図柄固定中は場合によっては連荘を獲得可能な連荘ゾーンとなり、図柄固定の終了後は通常状態への転落の可能性が高い転落ゾーンとなる。このいずれのゾーンで大当りを獲得するかにつき、遊技者の期待感が煽られる遊技性が実現される。
次に、本実施例における遊技処理について、第2実施例との相異点を中心に説明する。図48は、図40におけるS255,S275の一時停止切替処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、図41の処理に置き換えて実行される。
本実施例では、第2の遊技の特別遊技が開始されると(S352のY)、第1特別図柄192の変動が特殊変動パターンにしたがうものでなければ(S353のN)、第2実施例と同様に第1特別図柄192の変動時間の経過を計る変動計時タイマを一時停止する(S354)。一方、第1特別図柄192の変動が特殊変動パターンにしたがうものであれば(S353のY)、変動計時タイマをゼロクリアして停止させる(S355)。すなわち、第1特別図柄192の長変動を途中で解除する。なお、変形例においては、第2の遊技の特別遊技が開始されたときに第1特別図柄192が変動中であれば、それが特殊変動であるか否かにかかわらず、その第1特別図柄192の変動を一律に解除してもよい。
図49は、図42におけるS52,S68,S70の停止処理を詳細に示すフローチャートである。停止処理においては、特別図柄を停止させ(S400)、設定された図柄固定時間が経過するまで保持する。すなわち、特別図柄の図柄固定時間の進行が一時停止中でなければ(S402のN)、他方の遊技の特別遊技が開始されれば(S404のY)、その特別図柄の図柄固定時間の経過を計る固定計時タイマを一時停止する(S406)。他方の遊技の特別遊技が開始されなければ(S404のN)、S406の処理をスキップする。一方、特別図柄の図柄固定時間の進行が一時停止されている場合(S402のY)、他方の遊技の特別遊技が終了すれば(S410のY)、その固定計時タイマの一時停止を解除する(S412)。その特別遊技が終了していなければ(S410のN)、S412の処理をスキップする。そして、図柄固定時間が経過するまでS402以降の処理を繰り返す(S414のN)。図柄固定時間が経過すれば(S414のY)、本図の処理を終了する。このような処理により、上述した遊技性が実現される。
(変形例19)
上記第3実施例とは異なり、第2の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行される際に特殊変動パターンにしたがって第1特別図柄が変動中であるときは、少なくともその特別遊技の開始から終了までの期間はその第1特別図柄の変動時間の進行を一時停止させてもよい。一方、第2の当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行される際に特殊変動パターンにしたがって第1特別図柄が固定中であるときは、その図柄固定を解除してその特別遊技終了後に第1特別図柄の次変動を開始可能としてもよい。
この態様によれば、特殊変動パターンにしたがった第1特別図柄の変動時間内において第2の当否抽選の結果が大当りとなり、特別遊技へ移行される場合、その第1特別図柄の変動時間の(計時の)進行が一時停止される。そして、特別遊技の終了後にその一時停止が解除され、第1特別図柄の変動が途中から再開される。つまり、特別遊技中に第1特別図柄の変動時間が消化されないため、特殊変動パターンに割り当てられた時間分、第2の当否抽選にて大当りを獲得するチャンスが与えられる。一方、特殊変動パターンにしたがって第1特別図柄が停止され、その図柄固定時間内において第2の当否抽選の結果が大当りとなり、特別遊技へ移行される場合、その図柄固定時間の残りがキャンセルされる。そして、その第2の当否抽選による特別遊技終了後に第1特別図柄の次変動が開始可能とされる。つまり、特殊変動パターンによる図柄変動停止後に次の特殊変動パターンを獲得する機会が速やかに得られるようになる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。尚、本願発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。