JP6031331B2 - ポリウレタン弾性繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン弾性繊維に関する。さらに詳しくは、耐熱性、染色性、熱セット性および洗濯やドライクリーニングにおける染色堅牢性に優れたポリウレタン弾性繊維およびその製造方法に関する。
ポリウレタン弾性繊維は、伸縮性に富み、その優れた物理特性のため、ファンデーション類、肌着、ボディスーツ、パンスト、水着、スポーツウェアおよび衛生材等の繊維製品に広く利用されている。一般に、ポリウレタン弾性繊維は、ナイロンやエステル等の他の繊維素材と交編や交織され使用されている。しかしながら、ポリウレタン弾性繊維に関して以下の問題点が指摘されている。
(1)ポリウレタン弾性繊維は、伸縮性に富むが故に、型とまり性(熱セット性)が低く、生地にした場合の寸法安定性が劣り、その為、製品化する際に、生地裁断後に生地がカールし、縫製作業者に大きな負担がかかる。さらには、消費者が着用や洗濯を繰り返すと次第に衣料品の寸法が縮む問題を発生する。
(2)一般に、ポリウレタンはその構造中に染料との結合力の強い染着座席を有していないため染色されにくく、更には洗濯やドライクリーニング時の染色堅牢度が劣る。そのため、酸性染料に対して ポリウレタン弾性繊維は薄くしか染まらないが、ナイロン繊維は良く染まる事に起因する同色性不一致が起こり、ナイロン素材との布帛製品として商品価値が低下する問題がある。更には、一旦ポリウレタン弾性繊維が染色された後でも、ポリウレタン重合体中で染料との結合力が弱いため、容易に繊維中から染料が抜け出して退色したり、洗濯時に他の製品を汚染するという問題がある。さらに、近年、ポリウレタン弾性繊維は用途が拡大し、エステル素材と組み合わされてデニムやスーツ等のアウター衣料にもポリウレタン弾性繊維が広く使用されるようになり、ドライクリーニング洗濯時の染色堅牢性も大きな問題となってきた。
(3)ポリウレタン弾性繊維は、第三級窒素基を含有すると耐熱性が低下し、乾式紡糸の紡糸塔内で熱風により糸切れを起こし、長期の安定生産が困難であった。
これらの問題に対して、従来より各種改良する試みが行われてきた。
例えば、ポリビニルピロリドンを配合し、セット性を改良する試みがある(下記特許文献1参照)。しかしながら、熱セット直後のセット率は良好であるが、長期間着用するにつれて次第に、生地寸法が縮むといった問題やドライクリーニング後の染色堅牢も充分でないといった問題がある。
ポリウレタン弾性繊維と他素材からなる布帛のドライクリーニング時の染色堅牢度向上に関して、ポリウレタン弾性繊維自体の染色堅牢度を改良する事は困難を伴う為、染色時の精錬浴や染色浴の条件に関して多くの検討がなされている(1例として、下記特許文献2参照)。しかしこの方法では、加工バッチごとに染色浴の微妙な条件変動および季節変動があり、仕上がり反毎に色ブレが起こり色あわせが問題となる。
ポリウレタン弾性繊維そのものを改良する目的で、タンニン類化合物をポリウレタン弾性繊維に添加する試みがある(下記特許文献3参照)。しかしながら、タンニン類化合物そのものが微褐色である為、淡色系の製品に使用する場合、くすんだ色相になり、淡色系での染色は使用が制限される。
特定のマレイミド構造化合物を含有させてポリウレタンウレア弾性繊維の染色堅牢度を改良することが提案されている(下記特許文献4参照)。しかしながら、この方法では、マレイミド構造化合物の製造工程において、無水マレイン酸骨格へのジアミンの反応が複雑でかつ反応が不完全な場合が多く、その場合、紡糸工程でフィルター詰まりや紡糸糸切れを起こす。
第三級窒素基をウレタンポリマーの主鎖にビルトインさせたり、第三級窒素基をポリアクリル酸の側鎖にもつ化合物をポリマー重合体に添加してポリウレタンの染色性を向上させる試みが行われている(下記特許文献5〜8参照)。しかし、ウレタンポリマーの主鎖に第三級窒素基を有する化合物をビルトインした場合には、ポリウレタン構造中の結晶構造が乱されるため、熱フローによる繊維の耐熱性の低下や弾性繊維の物理特性である弾性回復性が低下する。
更に主鎖にビルトインされた場合、ポリウレタン重合体中で、染着座席である第三級窒素基の動きが束縛される為、染料との反応も充分でない。更にはウレタンポリマーの耐熱性や耐光脆化性能も低下する。また、側鎖に第三級基を有するアクリル酸エステル等のポリマーについては、ポリウレタンとの相溶性が良好でない為、長期間の安定した紡糸が困難で、編立加工時にスカムを生じたり、更にはその染色性も十分ではなった。
特開平11−200148号公報 特開2003−201683号公報 特開2001−140167号公報 特公平3−6177号公報 特公昭47−51645号公報 特公昭47−48895号公報 特公昭46−2904号公報 特公昭61−7212号公報
前述のように、第三級窒素基含有化合物がポリウレタン弾性繊維の染色性向上に有効であることはすでに知られていたが、その第三級窒素含有基が主にポリマーの主鎖や側鎖に存在する場合、ポリウレタン弾性繊維の性能に悪影響を与えたり、ポリウレタン弾性繊維の性能向上に関する次の課題、即ち、(i)熱セット性を向上させ寸法を安定させること、(ii)染色性を向上させ鮮やかに発色させること、(iii )洗濯やドライクリーニング時において染色堅牢度を向上させること、(iv)耐熱性を低下させずに安定した紡糸生産性を確保することを同時に満足できていなかった。
本発明の目的は、上記(i)〜(iv)の課題を同時に達成することである。
本発明者らは、上記課題解決のため鋭意検討した結果、特定の構造を有する第三級窒素化合物を末端停止剤としてポリマーの末端基に存在させることによって、ポリウレタン弾性繊維の弾性回復特性、耐熱性および耐光性に悪影響を与えることなく、上記(i)〜(iv)を同時に満足させるポリウレタン弾性繊維を得ることができることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は下記の発明を提供する。
[1]ポリウレタン重合体として、下記(1)式で示される数平均分子量が2000〜100000の末端基が第三級窒素基であるポリウレタン重合体を他のポリウレタン重合体の0.01〜30重量%含有していることを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
Figure 0006031331
(RおよびRは、同一または異なる炭素原子数が1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基またはヒドロキシアルキル基であるか、もしくはRとRが結合し、それらが結合した窒素原子と共に複素環基を形成しており、Rは炭素原子数が1〜8の直鎖又は分岐したアルキレン基、繰り返し単位が1〜5のエチレンオキシ基または繰り返し単位が1〜5のプロピレンオキシ基であり、Rはジイソシアネート残基であり、Xはウレタン結合またはウレア結合であり、RおよびRは同一又は異なるジイソシアネート残基であり、Pはジオール残基であり、Qはジアミン残基であり、UTはウレタン結合であり、UAはウレア結合であり、k、mおよびnはそれぞれ正の数であってmとnのどちらかは0でも良い。)
[2]第三級窒素基を有する単活性水素化合物を10モル%以上含有する末端停止剤を用いて製造されたポリウレタン重合体を紡糸することを特徴とする前記[1]に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
[3]単活性水素化合物がアミノ基または水酸基を有する前記[2]に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
ウレタンポリマーの主鎖や側鎖に第三級窒素基を有する場合に比較して、第三級窒素基が末端にあると、第三級窒素基に対する立体障害は比較的自由度が高く、第三級窒素基はポリウレタンの非晶部分に存在しやすく、その結果、染着座席である第三級窒素基と、ポリウレタン非晶部に入り込んだ染料との反応性確率が高く、強固な結合を作りやすくなる。従って、染色性及び堅牢度が良好となる。また、第三級窒素基が末端基に存在する為、弾性繊維の物理特性であるポリマーの弾性回復性に悪影響を与えない。その結果、末端基に三級アミンを持つものはセット性が良好であり弾性回復性を損なわない。
従って、末端に第三級窒素基を有するポリウレタン重合体を特定量含有した本発明のポリウレタン弾性繊維は、(i)紡糸安定性(ii)耐熱性(iii)染料による染色性(iii)洗濯及びドライクリーニング後の染色堅牢性(iv)熱セット性に優れたポリウレタン弾性繊維である。
本発明のポリウレタン弾性繊維は上記(1)式で示される数平均分子量が2000〜100000の末端基が第三級窒素基であるポリウレタン重合体がポリウレタン中に有効量含有されていることが特徴である。有効量とは全ポリウレタン重合体に対して0.01〜30重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは1〜8重量%である。0.01重量%未満では本発明の上記効果が発揮されない。一方、30重量%を超えると糸を伸張した後の弾性回復性が低下するので好ましくない。
また、数平均分子量が2000未満であるとドライクリーニングによる染色堅牢度が十分でなく、100000より大きいと染色性が十分発揮されない。好ましくは3000から80000、更により好ましくは4000〜70000である。
本発明のポリウレタン弾性繊維を得るには、原料のポリウレタン重合体製造時に末端停止剤の一部として第三級窒素含有化合物を用いても良いし、上記(1)式で示される数平均分子量が2000〜100000の末端基が第三級窒素基であるポリウレタン重合体を新たに製造して、それをポリウレタン弾性繊維用の原料ポリウレタン重合体に有効量添加しても良い。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、原料ポリウレタン重合体を製造する際に、末端停止剤の一部として、イソシアナート基と反応する単活性水素基を有する第三級窒素含有化合物を用いることによって製造出来る。この方法での利点としては、わざわざ別バッチで、上記(1)式に相当するポリウレタン重合体をつくり、添加剤として加える必要が無くプロセスを簡略化できる合理的な方法である。
別法として、元来のポリウレタン重合体の物理物性(弾性回復性)を重要視する場合は、別バッチで上記(1)式に相当するポリウレタン重合体を製造した後に、添加剤として原料ポリウレタン重合体に有効量加えても良い。
本発明に用いられる末端に第三級窒素基を有する上記(1)式で表わされるポリウレタン重合体は、ポリオール、ジイソシアナート、イソシアネート基と反応する2官能活性水素基を有する化合物、および第三級窒素基を有する単活性水素化合物の反応生成物であって、数平均分子量は2000〜100000の範囲である。
本発明に用いるポリオールは、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールおよびポリエーテルジオール等を挙げることができる。好ましくはポリエーテルジオールであり、さらに好ましくは1種または2種以上の炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基がエーテル結合しているポリアルキレンエーテルジオールである。
ポリアルキレンエーテルジオールとしては、1種または2種以上の炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基がエーテル結合している、数平均分子量が300〜6000の単一または共重合ポリアルキレンエーテルジオールが好ましい。共重合ポリアルキレンエーテルジオールは、アルキレン基がブロック状またはランダム状にエーテル結合している、数平均分子量が300〜6000の共重合ポリアルキレンエーテルジオールである。従来からポリウレタン弾性繊維の原料として広範に用いられている単一重合ポリアルキレンエーテルジオールであるPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)に比較して、2種類以上のアルキレン基からなる共重合ポリアルキレンエーテルジオールを用いたポリウレタン弾性繊維の場合、共重合であり、ポリウレタン成分の65wt%〜85wt%を占めるジオール成分が非晶性であるため、ポリウレタンポリマー中に染料が浸透しやすく、ポリウレタン弾性繊維中に存在する本発明に用いられるジアミノジウレア化合物と染料とが効率的に結合する為、一層色相良好な鮮やかな発色が得られる。
さらに、共重合ジオールを用いた利点として、弾性機能がさらに改善され、その為、このポリウレタン弾性繊維は優れた弾性機能、即ち、高い破断伸度、伸長時の歪に対する小さな応力変動および伸長時の応力の小さなヒステリシス損失等を有する。従って、これを使用したパンティストッキングやアウターは、優れた弾性機能を有し、着用感にも優れ、審美性良好な繊維製品となる。共重合ポリアルキレンエーテルジオールの中でも、得られるポリウレタン弾性繊維の耐水性、耐光性、耐摩耗性および弾性機能等の観点から、ブチレン基、すなわちテトラメチレンエーテルユニットを含む共重合ポリアルキレンエーテルジオールが好ましく、更にはブチレン基、すなわちテトラメチレンエーテルユニットと2,2−ジメチルプロピレン基、すなわちネオペンチレンエーテルユニットとの組み合わせや、テトラメチレンエーテルユニットと2−メチルブチレン基との組み合わせが好ましい。
テトラメチレン基以外のアルキレンエーテルユニットは、4モル%以上且つ85モル%以下含むことが好ましい。アルキレンエーテルユニットが4モル%未満では、ポリウレタン弾性繊維の弾性機能改良効果が小さく、85モル%を越えると弾性繊維の強度または伸度の低下が大きい。本発明で使用されるポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量(Mn)は、300〜6000、好ましくは1000〜4000である。Mnが300より小さい場合、弾性回復性が低下し、6000より大きいと紡糸性が悪化する。
本発明に用いられるジイソシアナート化合物の好ましい例として、分子内に2個のイソシアネート基を有す公知の脂肪族、脂環族もしくは芳香族の有機ジイソシアネートが挙げられる。具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等の有機ジイソシアネートが例示され、好ましくは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートである。また、有機ジイソシアネートとして、遊離のイソシアネート基に変換される封鎖されたイソシアネート基を有する化合物を使用してもよい。
本発明に用いられるイソシアネート基と反応する2官能性活性水素含有化合物としては、ポリウレタンにおける常用の鎖伸長剤、即ち、イソシアネートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有する分子量500以下の低分子化合物を用いることが出来る。この具体例としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ジヒドラジド、ピペラジン等のジアミン類、及び特開平5−155841号公報で開示されたジアミン化合物類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類等が挙げられ、好ましくはエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、及び特開平5−155841号公報で開示されたジアミン化合物類が挙げられる。これらの化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いても良い。これらの鎖伸長剤に、架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を効果が失われない程度に使用することが出来る。
本発明の使用されるポリウレタン重合時に末端停止剤として用いることが出来るイソシアネート基と反応する第三級窒素基を有する単活性水素化合物の例として次の化合物を挙げることが出来る。ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、ジエタノールアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル4−ピペコリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピルー2−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、4−アミノメチルー1−ブチルピペリジン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル4−ピペコリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピルー2−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、4−アミノメチルー1−ブチルピペリジン等のアミン化合物が例示される。また、第三級窒素基を有し且つイソシアネート基と反応する水酸基を1分子構造中に同時に有するアルコール化合物の例として、ジエチルアミノプロピルアルコール、ジエチルアミノイソプロピルアルコール、ジメチルアミノエチルアルコール、ジプロピルアミノエチルアルコール、ジメチルアミノエトキシプロピルアルコール等が例示される。イソシアナート基と反応する単活性水素基は、速やかに反応を完結するため副反応の架橋が少ない点から、活性アミノ基を有する化合物が活性水酸基を有する化合物よりもポリウレタン弾性繊維の弾性回復性と耐熱性の点からより好ましい。
又、上記の単活性水素化合物の他に、ポリウレタンの重合反応時に用いられる以下のイソシナネート基と反応する別の単活性水素含有化合物と混合使用しても良く、この場合、得られるポリウレタン重合体を紡糸すれば、本発明のポリウレタン弾性繊維が得られる。それらの化合物の例として以下のものをあげることができる。
メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3−メチル−1−ブタノール等のモノアルコールや、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等のモノアルキルアミンや、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン等のジアルキルアミンが挙げられる。これらは単独で、又は混合して用いることができる。モノアルコールより1官能性アミンであるモノアルキルアミン又はジアルキルアミンが好ましい。
前記第三級窒素基を有する単活性水素化合物と上記単活性水素含有化合物を混合して末端停止剤として使用する場合、第三級窒素基を有する単活性水素化合物は、単活性水素含有化合物と前記第三級窒素基を有する単活性水素化合物との全モル量に対して、10モル%以上であることが必要である。10モル%未満では本発明の効果を十分得ることができない。好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上である。
本発明における原料ウレタン重合体の製法の1例を挙げれば、ポリオールに対して過剰当量のジイソシアナートを予め反応させ、末端イソシアナート基のプレポリマーを得、得られたプレポリマーに2官能性活性水素含有化合物、第三級窒素基を有する単活性水素化合物および単活性水素含有化合物を反応させることである。
この製法では、生成するプレポリマーの他に、ポリオールと未反応のジイソシアナートも存在するため、ジイソシアナートの両末端が第三級窒素基を有する単活性水素化合物と反応した少量の低分子化合物も同時に生成する。従って、プレポリマー生成時のポリオールに対するジイソシアナートのイソシアナート基当量は、ポリオールの水酸基当量に対して、1.1〜2.0倍当量が好ましく、さらに好ましくは1.3〜1.8倍当量である。
プレポリマーの末端イソシアナート基に対する2官能性活性水素含有化合物、第三級基を有する単活性水素化合物および単活性水素含有化合物の反応は、末端イソシアナート基に対して、これらの化合物の活性基を実質的に当量反応させて得る事が出来る。この反応は、溶剤の存在下、又は溶剤の無存在下で行うことも出来るが、溶剤の存在下で攪拌下に行うことが好ましい。
好ましい溶剤としては、ジメチルアセトアミド(以下DMAcと略す)およびジメシルホルムアミドなどのイソシアナート基に不活性なアミド系溶剤をあげることが出来る。
本発明のポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタン重合体の比粘度(ηsp/c)は1.1〜3.5dl/gが好ましい。この範囲とすることにより、弾性回復性に優れた弾性繊維となる。尚、ここで比粘度(ηsp/c)とは、N,N’−ジメチルアセトアミド溶媒中における(η/η−1)/Cで計算した値である(但し、Cはポリマー0.5g/DMAC99.5gの溶液粘度(0.5wt%)であり、ηはオストワルド粘度計による希薄溶液中の落下秒数であり、ηは同上粘度計によるDMAcのみの落下秒数である)。
この様にして得られるポリウレタン重合体に、更に、ポリウレタン重合体に有用な公知の有機化合物又は無機化合物の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、黄変防止剤、熱変色防止剤およびハイドロタルサイト、フンタイト、酸化亜鉛等のプール水の殺菌用塩素剤に対するポリウレタンの安定剤等を添加しても良い。本発明のポリウレタンウレア弾性繊維は、本発明の効果を阻害しない程度であれば、必要に応じ各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。
例えばフェノール系酸化防止剤は、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス〔2−〔3−〔3−ターシャルーブチルー4−ヒドロオキシー5メチルフェニル〕プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオナート、片ヒンダードのヒドロキシフェニル基を少なくとも1個有する分子量が約300以上である片ヒンダードフェノール化合物、p―クレゾールとジビニルベンゼンの重合体、p―クレゾールとジシクロペンタジエンの重合体、p−クロロメチルスチレンとp−クレゾールの重合体等が上げられる。チバガイギー社製“チヌビン”等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業(株)製の“スミライザー”P−16等のリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、フッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などが添加され、またポリマーと反応して存在することが挙げられる。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、酸化窒素捕捉剤、例えば(株)日本ファインケム製のHN−150、熱酸化安定剤、光安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミソーブ”300#622などの光安定剤などを含有させることが好ましい。
この様にして得られたポリウレタン重合体組成物は、従来公知の乾式紡糸法で繊維状に成形し得る。
この際、更に、公知のポリウレタン弾性繊維用油剤を紡糸時に外部よりオイリング装置を用いて、油剤として付着させてもよい。ここで用いられる油剤成分は、エーテル変性シリコーンの他に、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーン、ポリオルガノシロキサン、鉱物油、タルク、シリカ、コロイダルアルミナ等の鉱物性微粒子、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩粉末、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族アルコール、パラフィンポリエチレン等の常温で固体のワックスなど種々のものを組み合わせて使用して良い。
この様にして得られたポリウレタン弾性繊維は、実用上は、そのまま裸糸として使用しても良く、また他の繊維、例えば、ポリアミド繊維、ウール、綿、再生繊維、ポリエステル繊維など、従来公知の繊維で被覆して被覆弾性繊維として使用することもできる。特に、ナイロン、エステル、アクリル、天然繊維およびセルロース誘導体からなる群から選ばれた繊維素材と組み合わせて用いることが好ましい。
本発明のポリウレタン弾性繊維を染色する場合は、通常の合成繊維、天然繊維の染色法と同じ方法を用いてよい。すなわち、浸染法、パッドスチーム法、パッドサーモフィックス法、捺染法およびスプレー法等の染色法を適用できる。染色機としては、液流染色機、ウィンス染色機およびエアーフロー染色機等の通常の染色機を用いることができる。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、タイツ、パンティストッキング、ファウンデーション、靴下留め、口ゴム、コルセット、外科用の包帯、製紐、織物及び編物の水着等にも用いる事ができる。特に、インナー、アウター、レッグ、スポーツウェヤー、ジーンズ、水着および衛生材からなる群から選ばれた用途に好ましく用いられる。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。各種評価は以下の方法にて行った。
(1)紡糸安定性の評価
以下の実施例記載の方法に準じて製造した紡糸原液を、実施例記載の方法にて24時間紡糸してその糸切れ回数(回/時間)を測定した。糸回数が少ないほど生産性が安定しているといえる。
(2)熱切断秒数
初期長14cmの試験糸を50%伸長して21cmとし、直径6cmのシリコンオイルが充填され表面温度が185℃に制御された円筒状の熱体に押し当て(糸接触部分1cm)、接触開始から切断されるまでの秒数を測定する。秒数が長いと耐熱性が高く、耐熱性が低いと布帛加工時に、熱セッター工程で、糸切断による布帛ピンホールの欠点が発生しやすい。
(3)熱セット率測定法
熱セット率は以下の測定および数式にて求めた。無緊張かつ直線状の状態の長さLd0の弾性糸を2.0倍の長さまで伸長し固定後、そのままの状態で185±1℃に調整したテンターボックスを通過させ、テンターボックス通過時間を30秒とし、直ちに弾性糸を取り出し、Ld0以下の長さで曲がりくねらせて十分にリラックスし、室温で16時間放置する。再び、弾性糸を無緊張かつ直線状の状態にし、そのときの長さをLd1としたとき、下記の数式でセット率を定義した。
熱セット率(%)=〔(Ld1−Ld0)/Ld0〕×100
(4)ポリウレタン弾性繊維の染色性評価
染色評価には2ウェイトリコット編地を用いた。すなわち、フロント筬に33dt/10fのナイロン繊維、ミドル筬とバック筬に44dtの本実施例または比較例のポリウレタン弾性繊維を用い、フロント筬の組織を10/23、ミドル筬の組織を10/01、バック筬の組織を12/10とした2ウェイトリコット編地を編成した。この生地のポリウレタン弾性繊維の混率は35%であり、拡布状態で連続精練機に投入した。この際、連続精練機は4つの液槽があるものを使用し、20℃、50℃、70℃、90℃と、反物が順次通過する際の温度を変えて、かつ、各液槽には、すべて精練剤(花王(株)製 スコアロールFC−250)2g/Lを投入した。連続精練機を通過した反物は、水洗浴の通過後、マングルにて脱水しピンテンターにて190℃で45秒間プレセットを行った。
ついで、液流染色機に投入し、精練もかねて液中で精練剤(花王(株)製 スコアロールFC−250)2g/Lを投入し、70℃、20分間酸性浴で精練を行った。排液、すすぎ、再注水し、pH4に調整した黒色の酸性染料を投入し、95℃で60分間染色した。
その後、すすぎを行い、フィックス処理(天然タンニンS 6%owf、吐酒石L 3%owf、80℃/40分間処理)後、反物を染色機から取り出し、柔軟樹脂加工、更にピンテンターにて170℃で仕上げセットを行った。
黒色に染めた際の染色性を下記の基準に従って判定した。
5級 濃黒、
4級 黒、
3級 淡黒、
2級 灰色、
1級 薄灰色
(5)生地の洗濯染色堅牢度
JIS L0844変退色により評価を行った。
その際の使用洗剤は花王(株)製 洗剤商品名「アタック」2g/Lであり、洗濯液温度80℃の条件で各30分間洗濯後、30分間流水すすぎした後脱水し、室温(20℃、65%RH)にて、24時間乾燥後の色相の変化を測定した。
色相の変化(Δ級)=生地の洗濯前の級−生地の洗濯後の級
洗濯前の級数が大きく、且つ、Δ級の数値が小さいほど、色変化が少なく染色性と堅牢性が良好であるといえる。
(6)生地のドライクリーニング処理後の染色堅牢度
JIS L−0860により評価を行った。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、分散染料染色物のドライクリーニング試験を行った場合に、液汚染が3級以上であることが好ましい。このドライクリーニング試験の液汚染評価で3級に満たない場合、ポリウレタン弾性繊維と分散染料可染型繊維との混用布帛を分散染料で染色した繊維素材について、ドライクリーニング堅牢度は満足するものが得られない可能性がある。
〔1〕評価試験用ベアポリウレタン弾性繊維編地の調製
丸編機(小池機械製作所(株)CR−C型)を用いて、ポリウレタン弾性繊維で編成したベアのポリウレタン弾性繊維編地を1.2g計量し、ポリエステル繊維からなるベア編地4.8gと表面を一緒にあわせて留め、ステンレス製容器に入れ、C.I.ディスパースブルー167(ベンゼンアゾ系分散染料)5%owf、浴比1:50、pH5.0にて130℃で30分間染色する。この染色されたポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維を、ハイドロサルファイト1.6g/lと苛性ソーダ1.6g/l、浴比1:50にて80℃で20分還元洗浄処理を行う。得られるポリウレタン弾性繊維のベア編地を水洗、風乾して評価に用いる。
〔2〕評価試験用のポリウレタン弾性繊維/ポリエステル繊維混用布帛の調製
ポリウレタン弾性繊維とポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維55デシテックス/24フィラメントを、ポリウレタン弾性繊維の混率が20%となるように、通常の編成条件にて6コースサテンネット編地を得た。この混用布帛を、C.I.ディスパースブルー167(ベンゼンアゾ系分散染料)5%owf、浴比1:50、pH5.0にて130℃で30分間染色を行う。続いて、この染色布帛を、ハイドロサルファイト1.6g/lと苛性ソーダ1.6g/l、浴比1:50にて80℃で20分還元洗浄処理を行う。得られるポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維の染色交編布帛を水洗、風乾して、評価に用いる。
〔3〕ドライクリーニング液の汚染
JIS L−0860に従ってドライクリーニング試験を実施し、ドライクリーニング液とドライクリーニング試験後の汚れ液を磁器容器(20m/m×40m/m×10m/m)に8ml採取し、液汚染程度を汚染用グレースケールと比較してその色落ち度を判定した。
(実施例1)
(末端が第三級窒素基であるウレタン重合体の製造)
数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルジオール400gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート91.7gとを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間、攪拌下で反応させた。この場合の、ポリオールとジイソシアナートの仕込み値(N値と略す)=(ジイソシアナートのイソシアナート当量)/(ポリオールの水酸基当量)は1.65である。こうして末端がイソシアネート基からなるウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーを、室温まで冷却し、DMAc500gで溶解して得られた溶液に、温度20℃〜30℃に保つように冷却し激しく攪拌しながら、ジエチルアミノプロピルアミン37.6gをDMAc300gに溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、更に2時間攪拌を続けた。
この溶液の一部を取り、IR、NMR、GPCの測定結果から、数平均分子量5800の目的とする式(1)で表わされるポリウレタン重合体であることを確認した。同様にして、表1に記載の各種原料を用いて各種の式(1)で表わされるポリウレタン重合体を作製した。
Figure 0006031331
(実施例2)
(紡糸用原液の製造)
単一重合ジオールである数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルジオール400gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート91.7gとを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたウレタンプレポリマーを得た。これを室温に冷却した後、ジメチルアセトアミド720gを加えて溶解し、ウレタンプレポリマー溶液を調整した。一方、エチレンジアミン8.11g及びジエチルアミン1.37gをジメチルアセトアミド390gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下で添加して、粘度3500ポイズ(30℃)のポリウレタン溶液を得た。
次に、表1記載の各種(1)式で表わされるポリウレタン重合体のDMAc溶液に1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌレートを添加して、高速撹拌により均一に溶解および分散した液を上記のポリウレタン溶液に加えて攪拌し、均一な紡糸用原液を得た。なお、ポリウレタン重合体に対して、当該イソシアヌレートの量は1重量%、(1)式で表わされるポリウレタン重合体の量は表2に記載された重量%になるようにした。
(ポリウレタン弾性繊維の製造)
上記の紡糸用原液を脱泡した後、16個の紡糸口金(各々の口金は4個の細孔を有す)の細孔から熱風約230℃中に押しだしてDMAc(ジメチルアセトアミド)溶剤を蒸発させた。乾燥された糸条を仮撚りし、ゴッデトローラを経てオイリングローラ上でジメチルシリコンを主成分とする油剤を付与し、毎分700m/分の速度で紙管に巻き取り、44dt/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
得られたポリウレタン弾性繊維の各種評価結果を表2に記載した。
(比較例1〜4)
(1)式で表わされるポリウレタン重合体を添加しなかったこと(比較例1)、(1)式で表わされるポリウレタン重合体に変えて表2に記載の従来の添加物を添加したこと(比較例2〜4)を除いて、実施例2と同様にポリウレタン弾性繊維を製造し、その評価を行なった。得られたポリウレタン弾性繊維の各種評価結果を表2に記載した。
Figure 0006031331
(実施例3)
(末端停止剤の一部に第三級窒素基含有単活性水素化合物を用いてポリウレタン重合を行ない、ポリウレタン重合体中に末端基が第三級窒素基であるポリウレタン重合体の添加と混合を同時に行なう紡糸原液の調整およびポリウレタン弾性繊維の製造)
数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルジオール400gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート91.7gとを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたウレタンプレポリマーを得た。これを室温に冷却した後、ジメチルアセトアミド720gを加えて溶解し、ウレタンプレポリマー溶液を調整した。一方、エチレンジアミン8.11g、ジエチルアミノプロピルアミン1.98gおよびジエチルアミン0.26gをジメチルアセトアミド390gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下で添加して、粘度2950ポイズ(30℃)のポリウレタン溶液を得た。この溶液の一部を取り、IR、NMR、GPCの測定結果から、数平均分子量67000の目的とする(1)式で表わされるポリウレタン重合体が他のポリウレタン重合体に対して27重量%含有されていることが確認された。ポリウレタン重合体に対して1質量%の1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌレートのDMAc溶液を、ポリウレタン重合体溶液に加えて攪拌し、均一な紡糸用原液を得た。
得られた紡糸用原液を用いて、実施例2と同様にしてポリウレタン弾性繊維を得た。得られたポリウレタン弾性繊維の各種評価結果を表3に記載した。なお、表3には、末端停止剤としてジエチルアミンのみを用いた例として比較例1の結果も併せて記載した。
Figure 0006031331
本発明のポリウレタン弾性繊維は、優れた染色性、洗濯時の堅牢度、熱セット性および対金属(編み針)摩擦性を有し、インナー、アウター、レッグ、スポーツウェア、ジーンズ、水着および衛生材として有用である。

Claims (3)

  1. ポリウレタン重合体として、数平均分子量が2000〜100000の下記(1)式で示される末端基が第三級窒素基であるポリウレタン重合体を他のポリウレタン重合体の0.01〜30重量%含有していることを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
    Figure 0006031331
    (RおよびRは、同一または異なる炭素原子数が1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基またはヒドロキシアルキル基であるか、もしくはRとRが結合し、それらが結合した窒素原子と共に複素環基を形成しており、Rは炭素原子数が1〜8の直鎖又は分岐したアルキレン基、繰り返し単位が1〜5のエチレンオキシ基または繰り返し単位が1〜5のプロピレンオキシ基であり、Rはジイソシアネート残基であり、Xはウレタン結合またはウレア結合であり、RおよびRは同一又は異なるジイソシアネート残基であり、Pはジオール残基であり、Qはジアミン残基であり、UTはウレタン結合であり、UAはウレア結合であり、k、mおよびnはそれぞれ正の数であってmとnのどちらかは0でも良い。)
  2. 第三級窒素基を有する単活性水素化合物を10モル%以上含有する末端停止剤を用いて製造されたポリウレタン重合体を紡糸することを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  3. 単活性水素化合物がアミノ基または水酸基を有する請求項2に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
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