JP6029353B2 - コンクリート部材の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1や特許文献2に記載のシールドトンネルのセグメントには、耐火板や、照明、配管等の取付部材等を固定するためのインサートが埋め込まれている。
このインサートは、型枠を貫通させた固定ボルトに型枠の内面側から螺着させることにより、型枠に固定するのが一般的である。
なお、このような問題は、型枠の底枠側にインサートが埋設されるあらゆるコンクリート部材に共通する。
なお、脱型工程では、前記底枠を下方に引き下げることにより、前記コンクリート部材を前記底枠から取り外してもよい。
また、インサートホルダには予め弱部が形成されていて、容易に切断されるように構成されているため、コンクリート部材を持ち上げた際に、インサートの周辺に応力が集中することがなく、コンクリート部材の品質が低下することがない。
そのため、作業性が向上し、従来に比べて簡易かつ安価にコンクリート部材を製造することが可能となる。
本実施形態では、トンネル用セグメントであるコンクリート部材の製造方法について説明する。
コンクリート部材の製造方法は、組立工程と、打設養生工程と、脱型工程とを備えている。
本実施形態の型枠1は、図1の(a)に示すように、底枠11と側枠12とを備えている。
底枠11の上面には、複数の取付穴13,13,…が所定の間隔をあけて形成されている。
取付穴13は、インサートホルダ21を螺着するための有底の孔であって、内壁面には雌ネジ加工が施されている。
側枠12は、コンクリート部材Cの部材厚と同等の幅(高さ)を有していて、底枠11の円弧の法線と一致するように立設し、底枠11に固定する。
インサート2の底枠11への固定は、上半部22がインサート2に固定されたインサートホルダ21の下半部23を、底枠11の取付穴13に固定することにより行う。
また、インサートホルダ21には、これを軸方向に貫通する非円形(例えば多角形、十字形、楕円形等の係合孔が形成されている。
インサートホルダ21をねじ込む際には、係合孔に相対回転不能に係合する工具を利用する。
また、弱部24は、必ずしもインサートホルダを切断することにより形成する必要はなく、例えば、図3の(c)に示すように、インサートホルダ21の成形時に上半部22と下半部23との境界部分において、インサートホルダ21の全周に切欠部を設け、外径を小さくすることにより形成してもよい。
フレッシュコンクリートの打設は、必要に応じて鉄筋の配筋等を行った後、型枠1の上方の開口部(打設口)からフレッシュコンクリートを流し込むことにより行う。
なお、フレッシュコンクリートは、例えば、普通コンクリート、高強度コンクリート、高流動コンクリート、繊維補強セメント系混合材料等である。
脱型工程では、先ず、側枠12を取外し、コンクリート部材Cの側面を露出させる(図2の(a)参照)。
つまり、コンクリート部材Cをゆっくり持ち上げることで、インサートホルダ21の弱部24のみに応力を集中させて、弱部24(切り欠き)を広げながら持ち上げる。
つまり、コンクリート部材Cを真上に持ち上げることで、インサートホルダ21の弱部24の周辺部に対して折り曲げる力が作用して、効率的にインサートホルダ21を切断することできる。
また、インサートホルダ21を取り外す作業を要しないため、インサートホルダ21は、底枠11を貫通させる必要がなく、組立工程においても、底枠11の下に潜り込んでインサート2の固定作業を行う必要がない。
そのため、作業性が向上し、従来に比べて簡易かつ安価にコンクリート部材を製造することが可能となる。
第二の実施形態のコンクリート部材の製造方法は、図4の(a)に示すように、脱型工程において、コンクリート部材Cの一方の側端部を持ち上げる点で、コンクリート部材Cを真上に持ち上げる第一の実施形態のコンクリート部材の製造方法と異なっている。
こうすると、インサートホルダ21の弱部24の周辺部に対して折り曲げる力が作用するため、インサートホルダ21を容易に切断することができる。
保護材14の材質は限定されるものではないが、コンクリート部材Cよりも柔らかい材料により構成する。
コンクリート部材Cを持ち上げる際は、インサートホルダ21の弱部に応力を集中させて、インサートホルダ21の切断を確認しながら行うため、インサート2の周辺に応力が集中することがなく、コンクリート部材Cの品質が低下することがない。
また、型枠は、必要に応じて蓋枠を備えていてもよい。
11 底枠
12 側枠
13 取付穴
2 インサート
21 インサートホルダ
24 弱部
C コンクリート部材
Claims (6)
- 型枠を組み立てる組立工程と、
前記型枠にコンクリートを打設して、当該コンクリートを養生する打設養生工程と、
養生後のコンクリート部材を前記型枠から取り外す脱型工程と、を備えるコンクリート部材の製造方法であって、
前記組立工程は、前記型枠の底枠にインサートを固定する作業を含んでおり、
前記底枠の上面には、複数の取付穴が形成されていて、
前記取付穴は、内壁面に雌ネジ加工が施された有底の孔であって、
前記インサートの固定は、上半部がインサートに固定されたインサートホルダの下半部を前記底枠の取付穴に螺着することにより行い、
前記脱型工程は、前記コンクリート部材を上方に持ち上げることにより、前記コンクリート部材を前記底枠から取り外す作業を含んでおり、
前記インサートホルダの上半部と下半部との境界部分に弱部が形成されていて、前記コンクリート部材を上方に持ち上げることにより前記インサートホルダを前記境界部分において切断することを特徴とする、コンクリート部材の製造方法。 - 前記底枠が上向きに凸である円弧状を呈しており、
前記組立工程では、前記インサートホルダの中心軸が前記底枠の円弧の法線と一致するように前記インサートホルダを固定し、
脱型工程では、前記コンクリート部材を上方に持ち上げることで、前記弱部に対して折り曲げる力を作用させることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート部材の製造方法。 - 前記インサートホルダの弱部が、前記インサートホルダの周面に形成された切欠部であって、
前記組立工程では、前記切欠部が下向きに開口するように前記インサートホルダを固定することを特徴とする、請求項2に記載のコンクリート部材の製造方法。 - 型枠を組み立てる組立工程と、
前記型枠にコンクリートを打設して、当該コンクリートを養生する打設養生工程と、
養生後のコンクリート部材を前記型枠から取り外す脱型工程と、を備えるコンクリート部材の製造方法であって、
前記組立工程は、前記型枠の底枠にインサートを固定する作業を含んでおり、
前記インサートの固定は、上半部がインサートに固定されたインサートホルダの下半部を前記底枠の取付穴に固定することにより行い、
前記脱型工程は、前記コンクリート部材を上方に持ち上げることにより、前記コンクリート部材を前記底枠から取り外す作業を含んでおり、
前記インサートホルダの上半部と下半部との境界部分に弱部が形成されていて、前記コンクリート部材の一方の側端部を持ち上げることで前記底枠に対して前記コンクリート部材を傾斜させるとともに、前記境界部分に対して折り曲げる力を作用させることにより前記インサートホルダを前記境界部分において切断することを特徴とするコンクリート部材の製造方法。 - 前記コンクリート部材の他方の側端部に対応して、前記底枠に保護材を配設しておくことを特徴とする、請求項4の記載のコンクリート部材の製造方法。
- 型枠を組み立てる組立工程と、
前記型枠にコンクリートを打設して、当該コンクリートを養生する打設養生工程と、
養生後のコンクリート部材を前記型枠から取り外す脱型工程と、を備えるコンクリート部材の製造方法であって、
前記組立工程は、前記型枠の底枠にインサートを固定する作業を含んでおり、
前記底枠の上面には、複数の取付穴が形成されていて、
前記取付穴は、内壁面に雌ネジ加工が施された有底の孔であって、
前記インサートの固定は、上半部がインサートに固定されたインサートホルダの下半部を前記底枠の取付穴に螺着することにより行い、
前記脱型工程は、前記底枠を下方に引き下げることにより、前記コンクリート部材を前記底枠から取り外す作業を含んでおり、
前記インサートホルダの上半部と下半部との境界部分に弱部が形成されていて、前記底枠を下方に引き下げることにより前記インサートホルダを前記境界部分において切断することを特徴とする、コンクリート部材の製造方法。
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